JP2021140077A - ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021140077A
JP2021140077A JP2020038965A JP2020038965A JP2021140077A JP 2021140077 A JP2021140077 A JP 2021140077A JP 2020038965 A JP2020038965 A JP 2020038965A JP 2020038965 A JP2020038965 A JP 2020038965A JP 2021140077 A JP2021140077 A JP 2021140077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
black matrix
light
layer
matrix substrate
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020038965A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7552039B2 (ja
Inventor
広伸 斉藤
Hironobu Saito
広伸 斉藤
直也 山口
Naoya Yamaguchi
直也 山口
健蔵 福吉
Kenzo Fukuyoshi
健蔵 福吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2020038965A priority Critical patent/JP7552039B2/ja
Publication of JP2021140077A publication Critical patent/JP2021140077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7552039B2 publication Critical patent/JP7552039B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】LEDディスプレイ、有機ELディスプレイにおいて、迷光として隣接画素に入ることによるコントラスト低下や色純度低下を緩和し、視認性を改善した表示装置を構成するブラックマトリクス(BM)基板及び表示装置、該BM基板の製造方法を提供する。【解決手段】透明基板と、透過率調整層と、複数の第1開口部を具備するBMと、BM上に、保護層と、第1開口部と中心軸が一致する第2開口部を備える光吸収性隔壁とをこの順で積層し、BMの線幅は、光吸収隔壁の線幅よりも広く、かつ平面視で、BMで光吸収性隔壁が覆われ、透過率調整層は、カーボンとシリカ微粒子を含有する樹脂分散体であり、好ましくは保護層が、BMの第1開口部と同じ形状の第3開口部を備え、第1開口部と第3開口部は、平面視、同じ位置に重なる、BM基板及び表示装置、該BM基板の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、LEDや有機ELを光源として、あるいはLEDや有機ELを表示機能層として用いる表示装置に関し、表示品位を向上させる技術に関する。
近年、例えば40μmから200μmサイズのLEDチップをマトリクス状に複数並べた構成を有するミニLEDと呼称される直下型のバックライトを液晶表示装置に用いる技術が注目されている。ミニLEDでは、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップを用いてフルカラーとする方式と、青色発光のLEDチップを光源とし青色光を波長変換してフルカラーとする方式がある。なお、以下の記載では、マイクロLED、ミニLEDともにLEDディスプレイと記載することがある。
また、表示画面における表示部位の位置に応じて、3種類のLEDチップの発光輝度を部分的に調整し、あるいは、部分的に発光を停止させるローカルディミングを併用する技術が注目されている。
このようなローカルディミングを用いる液晶表示装置においては、表示画面における発光を部分的にオフにすることができるため、表示のコントラストを大きく改善できる。従来の液晶表示装置では、バックライトを常時点灯とするため、液晶の黒表示のときに、僅かな光漏れが発生し、有機EL並みのコントラストを得ることが困難であった。ローカルディミングを用いる液晶表示装置は、コントラスト観点で有機ELと同等となり、消費電力や寿命の観点でより優れた表示装置となってきている。
マイクロLEDは、例えば2μmから60μmサイズのLEDチップをマトリクス状に配列した構造を有し、複数のLEDチップの各々を個別駆動することによって表示を行う表示装置である。このようなマイクロLEDは、液晶を用いずに表示を行うことができる。なお、LEDチップのサイズは、ミニLEDとマイクロLEDそれぞれで限定するものでない。
マイクロLEDは、上述したミニLEDと同様に赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップを用いる方式と、青色の波長域の光を発するLEDチップなどの単色発光LEDチップのみを用いる方式とに大別される。マイクロLEDでは、個々のLEDチップが表示機能層の役割を果たす。
しかしながら、マイクロLEDにしろ、ミニLEDにしろ、有機ELにしろ、発光素子からの発光が隣接画素に迷光として入り込み、表示のコントラスト低下や色純度低下をもたらす懸念がある。こうした隣接画素への悪影響は、高精細化が進むに従い著しくなる。
発光素子であるLEDや有機ELは、視認側の対向の位置に光反射性の電極(以下、反射電極と記載する)を設けることが一般的である。こうした構成では、視認側から入射する外光(太陽光や室内のランプからの光)が反射し、観察者の目に入り、大きく視認性を低下させる問題がある。通常、円偏光板を表示装置の表面に貼り、反射電極からの外光反射をカットすることが行われている。しかしながら、円偏光板は高価であり、また、円偏光板を貼付する余分な工程が必要であることから、円偏光板を省くことが要望されている。
図17は、発光素子53を備えた、従来の表示装置の部分断面図であり、発光素子からの発光の方向を模式的に示している。なお、発光素子はLEDでも良く、有機ELの発光素子であっても良い。
図17に示す従来の表示装置では、E20、E21、E22、E23、E24の出射光の中で、E20とE24は隣接画素に迷光として入りこみ、隣接画素の混色やコントラスト低下の悪影響が生じる。
図18は、従来の表示装置を示す部分断面図であり、外部からの光(外光)の影響を模式的に示している。なお、ここでは円偏光板を配設しない(用いない)表示装置としている。
図18に示す従来の表示装置では、斜め光In11は反射電極51で反射され、反射光Re12が観察者の目52に入り視認性が低下することが理解できる。
特許文献1には、その請求項1にあるように、青色発光素子からの発光を波長変換するシートと、反射隔壁を含むバックライト装置が開示されている。特許文献1の主たる課題は、[0009]段落に示されるように光が蛍光体シート95を通過する毎に黄色みを帯びることであり、解決策としてその[請求項4]にあるように、反射隔壁の表面を青色とすることである。また、その図1には、液晶パネルの表示部410にTFTとして酸化物半導体TFTが示されている。
特許文献1には、観察者が液晶パネルを見たときの、例えば、コントラストを改善させる技術や視認性向上技術については記載がない。特許文献1は、用いる青色発光素子の電極を含む具体的な構成は開示しておらず、たとえば、その下部電極に光反射性の反射電極を用いたときの外光反射の問題も開示していない。特許文献1は、観察者にとって最も重要な視認性向上技術をほとんど考慮していない。
特許文献2は、波長変換する蛍光発光層を囲む隔壁の表面に、蛍光を反射又は吸収する薄膜を設けたフルカラーLED表示パネルが開示されている。
特許文献2には、観察者がフルカラーLED表示装置を見たときの、例えば、コントラストを改善させる技術や視認性向上技術については記載がない。特許文献2は、青色を放射するLEDの電極を含む具体的な構成は開示しておらず、たとえば、その下部電極に光反射性の反射電極を用いたときの外光反射の問題も開示していない。特許文献2は、観察者にとって最も重要な視認性向上技術をほとんど考慮していない。
国際公開第2017/191714号パンフレット 国際公開第2019/026826号パンフレット
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、マイクロLEDやミニLEDなどのLEDディスプレイ、さらには有機ELディスプレイでの、発光素子が迷光として隣接画素に入ることによるコントラスト低下や色純度低下を緩和し、視認性を改善した表示装置を構成するブラックマトリクス基板、及びそれを用いた表示装置、該ブラックマトリクス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に関わるブラックマトリクス基板は、
透明基板と、透過率調整層と、複数の第1開口部を具備するブラックマトリクスと、をこの順で積層し、前記ブラックマトリクス上に、保護層と、前記第1開口部と中心軸が一致する第2開口部を備える光吸収性隔壁とをこの順で積層し、
前記ブラックマトリクスの線幅は、前記光吸収隔壁の線幅よりも広く、
かつ平面視で、前記光吸収性隔壁は前記ブラックマトリクスで覆われ、
前記透過率調整層は、カーボンとシリカ微粒子を含有する樹脂分散体である、ブラックマトリクス基板である。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、
前記保護層が、前記ブラックマトリクスの前記第1開口部と同じ形状の複数の第3開口部を備え、前記第1開口部と前記第3開口部は、平面視で同じ位置に重なる、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、
前記保護層の厚み方向の可視光透過率が、波長400nm〜700nmの範囲で95%以上99.5%以下である、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、
前記ブラックマトリクスと前記光吸収性隔壁との間に、第1透明樹脂層が挿入された構成である、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、
前記第2開口部に、光の波長変換層を具備する、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、前記第2開口部に、光の散乱層を具備する、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、前記透過率調整層の厚み方向の可視光透過率が、波長400nm〜700nmの範囲で70%以上99.5%以下である、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明に関わるブラックマトリクス基板は、前記複数の第1開口部に、赤フィルタ、緑フィルタ、青フィルタの少なくとも一つを配設した、ブラックマトリクス基板とすることができる。
本発明の第2態様に関わる表示装置は、本発明に関わるブラックマトリクス基板を具備した表示装置である。
本発明の第3態様に関わる製造方法は、
透明基板上にカーボンとシリカ微粒子を含む透過率調整層を塗布、硬膜させる工程と、
前記透過率調整層上にブラック層を塗布、硬膜させる工程と、
前記ブラック層上にアルカリ現像可能な感光性の保護層を塗布、乾燥させる工程と、
複数の開口部を具備するフォトマスクを用いて前記保護層を露光させるとともに、さらに現像して前記複数の第3開口部を形成する工程と、
ドライエッチングにて、前記複数の第3開口部のパターンをブラック層に転写してブラックマトリクスを形成するとともに前記保護層をその厚み方向に一部残す工程と、を含む
ブラックマトリクス基板の製造方法である。
本発明によれば、マイクロLEDやミニLEDなどのLEDディスプレイ、さらには有機ELディスプレイでの、発光素子からの発光が迷光として隣接画素に入ることによるコントラスト低下や色純度低下を緩和し、視認性を改善した表示装置を構成するブラックマトリクス基板、及びそれを用いた表示装置、該ブラックマトリクス基板の製造方法を提供できる。加えて、透過率調整層のカーボン濃度などの調整により、光反射率の低い表示装置とすることができ、さらに視認性の良い表示装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に関わる、ブラックマトリクス基板の部分断面図であり、後述の図2のA−A’線に沿う断面図である。 図1の第1実施形態に関わるブラックマトリクス基板を、第1基板側上方から見た部分平面図である。 本発明の第1実施形態のブラックマトリクス基板の変形例Aの部分断面図である。 本発明の第1実施形態のブラックマトリクス基板の変形例Bの部分断面図である。 本発明の第1実施形態のブラックマトリクス基板の変形例Cの部分断面図である。 本発明の第1実施形態のブラックマトリクス基板の変形例Dの部分断面図である。 表示機能層がLEDや有機ELなどの発光素子である場合の、一般的な駆動回路(アクティブマトリクス駆動)の部分平面図である。 本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Cのブラックマトリクス基板を具備する表示装置Cの部分断面図である。 本発明に関わるブラックマトリクス基板を用いて表示装置を構成したときの部分断面図であり、本発明のブラックマトリクス基板によって得られるひとつの効果を説明する図である。 本発明に関わるブラックマトリクス基板を用いて表示装置を構成したときの部分断面図であり、本発明のブラックマトリクス基板によって得られるもうひとつの効果を説明する図である。 本発明の第2実施形態の変形例に関わり、第1実施形態の変形例Dのブラックマトリクス基板を具備する表示装置Dの部分断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例に関わり、第1実施形態の変形例Cのブラックマトリクス基板を具備し、表示機能層に液晶層を用いた表示装置Eの部分断面図である。 表示機能層が液晶層である場合の、一般的な駆動回路(アクティブマトリクス駆動)の部分平面図である。 本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法を示す工程図である。 本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法(A)により製造されるブラックマトリクス基板の部分断面図である。 本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法(B)により製造されるブラックマトリクス基板の部分断面図である。 従来の表示装置の部分断面図であり、発光素子からの発光の方向を模式的に示している。 従来の表示装置の部分断面図であり、外部からの光(外光)の影響を模式的に示している。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
以下の説明において、同一又は実質的に同一の機能及び構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化し、或いは、必要な場合のみ説明を行う。各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。また、必要に応じて、図示が難しい要素、例えば、導電層を構成する複数層の構造、回路部への配線接続やスイッチング素子(トランジスタ)等の図示や一部の図示が省略されている。
以下に述べる各実施形態においては、特徴的な部分について説明し、例えば、通常の表示装置に用いられている構成要素と本実施形態に係る表示装置との差異がない部分については説明を省略する。
第1基板や第2基板、第1透明樹脂層など「第1」や「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、数量を限定しない。また、発光素子のマトリクス配置とは、発光素子を1個以上含む発光ユニットが平面視、一定のピッチでマトリクス状に並ぶ配置を指す。光反射性隔壁で囲まれる発光ユニットは、発光ダイオードである発光素子をそれぞれ1個以上含む。後述するローカルディミング技術を用いる表示装置では、発光素子を例えば3個以上含む発光ユニットの単位で駆動のオンオフ、及び発光ユニット単位で発光の明るさを調整できる。なお、ローカルディミング技術では、平面視、発光ユニットに含まれる発光素子数と画素数は、画素数の方が多くなる。換言すれば、画素数に対し、発光素子数が少ないことによる効率的な表示装置駆動がローカルディミングのメリットとも言える。
なお、明細書記載の文言「平面視」とは、観察者が本発明の表示装置を、ブラックマトリクス基板が具備する第1基板側から法線方向に見た平面視を意味する。
本発明の実施形態において、表示装置が備える「表示機能層」には、LED(Light Emitting Diode)と呼称される複数の発光ダイオード素子、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも呼称される複数の有機EL(Electro Luminescence)素子、或いは液晶層のいずれかを用いることができる。
発光素子でもあるLEDチップは、その厚み方向に電極(n側電極及びp側電極)が上下に分かれている垂直型のLEDチップが高精細用途に好ましい。TVなど大型サイズの表示装置では、水平型のLEDチップであっても良い。
LEDは、一般にサファイア基板やシリコン基板上にバッファ層を介してMOCVDなどの手法で、素子を構成する多層膜をエピタキシャル成長させて製造される。LEDはレーザーアブレーションにて、前記のサファイア基板などから剥離し、LEDチップとして用いることができる。
[第1実施形態:ブラックマトリクス基板]
以下、図面を用いて本発明に関わるブラックマトリクス基板を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に関わる、ブラックマトリクス基板の部分断面図であり、後述の図2のA−A’線に沿う断面図である。すなわち、図2は図1の第1実施形態に関わるブラックマトリクス基板を、第1基板側上方から見た部分平面図である。
ブラックマトリクス基板100は、第1基板10−1と、第1基板10−1上に形成された透過率調整層1と、第1開口部19を備えたブラックマトリクス6とを備える。ブラ
ックマトリクス6上には保護層4が積層され、さらに光吸収性隔壁2が積層されている。
図示されているように、ブラックマトリクス6は第1開口部19を具備し、光吸収性隔壁2は第2開口部35を具備する。第1開口部19の中心軸C1と、第2開口部35の中心軸C2とは略一致する。且つ、ブラックマトリクス6の線幅W1は、光吸収隔壁2の線幅W2よりも広く、図2から分るように、平面視で、光吸収性隔壁2はブラックマトリクス6で覆われている。
以上に加えて、ブラックマトリクス基板100は、透過率調整層1がカーボンとシリカ微粒子を含有する樹脂分散体であることを特徴とする。
第1開口部19には後述するように、カラーフィルタを配設することができる。光吸収性隔壁2の第2開口部35には、光散乱膜や波長変換層などを配設することができる。
保護層4は、ブラックマトリクス6の第1開口部19と同じ形状の第3開口部20を備え、第1開口部19と第3開口部20は、平面視、同じ位置に重なることが、後述の製造工程の簡易性の観点から、好ましい。
以下、ブラックマトリクス基板100を構成する各層について説明する。
(第1基板)
第1基板10−1に適用できる透明基板の材料としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、プラスチック基板など透明な基板を用いることができる。なお、後述する薄膜トランジスタのアレイを具備する第2基板10−2とブラックマトリクス基板100とを向かい合うように貼り合わせして表示装置を構成する場合には、第1基板10−1及び第2基板10−2の各々の基板材料は同じであることが好ましい。
特に、第2基板を構成する基板材料の熱膨張率と、ブラックマトリクス基板100を構成する基板材料の熱膨張率とが同じであることが望ましい。異なる基板材料を後述のアレイ基板とブラックマトリクス基板100に用いる場合、熱膨張率の観点から、基板の反りや剥がれなど不具合が生じる恐れがある。
(ブラックマトリクス)
ブラックマトリクス6に適用できる材料は、遮光性を有するカーボンが分散した、アルカリに可溶な感光性レジストを用いることが簡便である。ブラックマトリクス6の光学濃度(ΔOD)は、1以上4以下であればよい。ブラックマトリクス6の光学濃度を4以上としてもよいが、本発明の実施形態の構成では、ブラックマトリクス6と光吸収性隔壁2とが重なるため、ブラックマトリクス単独の遮光性を高くする必要性は低い。カーボンは、カーボンブラックとも呼称される。ブラックマトリクス6の膜厚は、たとえば、1μm前後に設定できる。
なお、ブラックマトリクス6に用いる材料(感光性レジストあるいは熱硬化レジスト)は、透過率調整層1や保護層の材料と共通する部分が多いので、以下に記載する透過率調整層にて詳述する。
(透過率調整層)
透過率調整層1は、カーボンと、光学的に等方な微粒子であるシリカ微粒子と、カーボン及びシリカ微粒子が分散された樹脂とを有する分散体である。
透過率調整層1に用いる材料としては、基本的に上記のブラックマトリクスの材料とほぼ同じ材料が適用できる。カーボンを主な顔料として含有する樹脂分散体で透過率調整層1を形成することが好ましい。可視光に対する透過率調整層1の光の透過率を70%以上99.5%以下の範囲とすることが好ましく、この透過率の範囲で、カーボンの樹脂分散
体への添加量を調整する。
マイクロLEDや有機EL表示装置では、発光素子であるLEDあるいは有機EL層の下部に光反射性の電極を備えていることが多い。このような構造を有するマイクロLEDや有機EL表示装置では、光反射性の電極による外部入射光の再反射光が、視認性を低下させる。通常、外部入射光の再反射光をなくすため、高価な円偏光板が表示装置に併用されている。あるいは、液晶表示装置の多くでは、クロスニコルでの(偏光軸が直交する)2枚の偏光板を用いている。
前記のような円偏光板や偏光板を用いる場合には、分散性を改善する目的あるいは透過率調整層1の屈折率を低下させる目的で、偏光くずれを発生させない、光学的に等方で、かつ、可視域において透明な無機微粒子を、透過率調整層1に加えることが望ましい。
透過率調整層1には、光学的に等方な微粒子が分散されている。光学的に等方な微粒子には、例えば固形比18質量%のシリカ微粒子が適用されている。シリカ微粒子の粒径は、例えば、5nmから300nmの範囲から選ぶことができる。可視域において透明であり、かつ、粒径の異なる2種以上の無機微粒子を、カーボンとともに透過率調整層1に分散させてもよい。シリカ微粒子の併用はカーボン単体では生じやすい2次粒子の生成を妨げ、カーボンの分散性を改善できる。
なお、「光学的に等方」とは、本発明の実施形態に適用される透明微粒子が、a軸、b軸、c軸が各々等しい結晶構造を有するか、もしくは、アモルファスであって、光の伝播が結晶軸あるいは結晶構造に影響を受けず等方であることを意味する。シリカ微粒子は、非晶質構造(アモルファス)を有する。樹脂ビーズ等の樹脂の微粒子として、屈折率を含めて様々な性質を有する微粒子が知られておりこれらの微粒子合わせ用いることができる。アクリル、スチレン、ウレタン、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミンなどの樹脂の微粒子を併用してもよい。
なお、透過率調整層1に対する上記微粒子の添加は、透過率調整層1に光散乱を付与するためではない。表示装置に多く適用されている散乱膜が粒子を含有する場合、例えば、平均粒径が1.0μm以上3.0μm以下のミクロン単位の大きさの粒子を用いることが好ましい。つまり、可視光の波長より大きな粒子径を有する粒子を用いることにより、散乱膜として適切な光散乱性を得やすい。後述の光散乱層に、これら平均粒径が1.0μm以上3.0μm以下のミクロン単位の大きさの粒子を適用できる。
また、二酸化ケイ素の屈折率はカーボンより小さいため、二酸化ケイ素の微粒子を透過率調整層1の屈折率を下げる効果を有する。低い屈折率を有する透過率調整層1は、透過率調整層1とブラックマトリクス6との界面における光の反射を抑制し、視認性を向上できる効果を有する。
例えば、透過率調整層1の光透過率が、95%以上99.5%以下などの高い透過率の領域にある場合は、ブラックマトリクス6と透過率調整層1との界面における光反射に干渉によるリップルが生じることがあり、ブラックマトリクス6が僅かに虹色状に着色して観察されることがある。反射光に起因するこのような僅かな着色は、表示装置の表示をオフとした黒表示のときに観察されやすい。
これに対し、シリカ微粒子とカーボンとを併用して透過率調整層1を形成することで、このようなリップルの発生を防ぐ効果が得られる。上記のような観点からも、光学的に等方で、かつ、可視域において透明なシリカ微粒子を含む透過率調整層1は有用である。なお、後述する製造方法では、シリカ微粒子はドライエッチングでの終点管理に適用できる
。ドライエッチング中のSi基に起因する発光スペクトルは、シリカ微粒子を含まない本発明の表示装置に保護層4やブラックマトリクス6をエッチングしているときには発生せず、シリカ微粒子を含む透過率調整層1までエッチングが進んだ時に生じる。Si基に起因する発光スペクトルが確認された段階でドライエッチングを停止する。
透過率調整層1に、さらにはブラックマトリクスに、有機顔料を添加した黒色分散体を適用することは技術的には可能である。しかし、色材として有機顔料を含有する透過率調整層では、その透過率調整層とブラックマトリクスの界面の反射光が黄色く着色して見えることがある。さらに、ブラックマトリクスのパターンをドライエッチングで形成する場合、有機顔料には金属原子を含むものが多く、ドライエッチング工程での汚染の原因となることがある。
これに対し、主な顔料成分としてカーボンを含有する透過率調整層1は、反射光がフラットであり、着色することは殆どない。反射光がフラットとは、400nmから700nmの可視域の範囲において、例えば、100nmなどの小さいレンジで、透過率が2%以上の凹凸(変動)がなく、ほぼ直線で示される透過率曲線が得られていることを意味する。さらに、顔料成分をカーボンやシリコンとすることにより、ドライエッチング工程での金属によるコンタミネーションを回避できる。
本発明の実施形態に適用できる透過率調整層1の形成方法としては、全面塗布膜(有効表示領域内で凹凸を有するパターンが形成されていない平坦な膜)となるように透過率調整層1を形成することが好ましい。これにより、簡便に透過率調整層1を形成することができる。透過率調整層1の膜厚は、特に規定しなくてもよいが、例えば、0.5μm以上1.5μm以下の範囲から選択できる。表示装置の画素開口部の大きさに合わせて、透過率調整層1の一部に画素開口部を設けることもできる。
可視光に対する透過率調整層1の透過率(代表的に、光の波長が550nmである場合の透過率)は、70%以上99.5%以下の範囲から選択できる。透過率が99.5%を超える透過率調整層1は、上述したように外光反射での干渉によるリップルが生じやすく、「黒表示」における表示品質を損なう。透過率調整層1の透過率が70%を下回ると、表示装置の明るさの低下を招くため、好ましくない。また、透過率が60%未満になると、低反射性が得られない。
透過率調整層1の透過率は、ブラックマトリクス基板に用いられる透過率調整層1の膜厚及びカーボン量に応じて、70%から99.5%の範囲に調整すればよい。また、ブラックマトリクス6上に上述した透過率調整層1を備えることにより、第1基板10−1と透過率調整層1との界面にて、0.3%から1%の低い反射率が得られる。
透過率調整層1に添加されるカーボン量を増加させてカーボン濃度を高くすると、透過率調整層1の屈折率が高くなり、透過率調整層1の反射率が増加する。透過率調整層1の透過率が60%未満になると、屈折率が高くなり、反射率が高くなる。
透過率調整層1の透過率の調整に関し、透過率調整層1に用いる分散体を構成する樹脂、シリカ微粒子、及びカーボンを含む全固形分を100質量%とした場合、カーボン量は、例えば、0.5質量%から15質量%の範囲から選択できる。カーボン量が0.4質量%以下である透過率調整層1は、低反射の効果が小さくなり、また、上述したリップルによる干渉色が出やすい。カーボン量が、15質量%を超えると、透過率調整層1の光学濃度が上がり、低反射の効果が得られ難くなる。
シリカ微粒子、カーボン及び後述する樹脂を含む全固形分を100質量%とした場合、シリカ微粒子の添加量は、例えば、1質量%から30質量%の範囲から選択できる。シリ
カ微粒子が1質量%以下であればリップルによる干渉色が出やすい。カーボン及びシリカ微粒子の添加量が45質量%さらには50質量%を超えてくると、後述するレジストの塗布適性が低下しやすい。カーボン及びシリカ微粒子の添加量が少なすぎると、透過率調整層1に期待される特性が得られない。
透過率調整層1あるいはブラックマトリクス6を形成する際に用いることのできるレジストに適用されるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、環状のシクロヘキシルアクリレートまたはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはメタクリレート、スチレンなどから選択される1〜5種類程度のモノマーを用いて、分子量5000〜100000程度に合成した樹脂を用いることができる。さらにエポキシ(メタ)アクリレート等の通常の光重合可能な樹脂等も使用することができる。パターニング特性、耐熱性に優れたカルド樹脂を用いてもよい。
透過率調整層1あるいはブラックマトリクス6を形成する際に用いられるレジストに適用される光重合開始剤としては、公知である化合物を適宜使用することができるが、光を透過しない黒色感光性樹脂組成物に用いた際にも高感度化を達成することができるオキシムエステル化合物を用いることが好ましい。
上記は、本発明に適用できるレジストとして、感光性のアルカリ可溶な材料として示したが、これに限定するものでない。熱硬化性化合物を樹脂に加えて熱硬化樹脂の形で用いることができる。熱硬化性化合物として、例えば、エポキシ基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくともひとつの基を有するものを用いることができる。あるいは、熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ化合物、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、前記熱硬化性化合物としては、多官能エポキシ化合物が好ましい。
ブラックマトリクス6に適用する材料として、熱硬化方式を採用するメリットがある。熱硬化方式では光硬化方式と異なり、光透過を前提としなくとも良いのでカーボン顔料の充填率を上げることができる。光硬化方式であれば、樹脂を含む全固形比でカーボンはおよそ45%が限界であるが、熱硬化方式とすれば65%前後のカーボン比率(固形比)とすることができる。カーボン比率を上げることで、高い遮光性が得られ、かつ、製造工程のドライエッチング工程で高いエッチングレートにより生産性を向上できる。カーボン比率の高いブラックマトリクスは薄膜化でき、後工程での、例えば、カラーフィルタ積層での平坦性改善を得ることができる。
(保護層)
ブラックマトリクス6上に積層する保護層4は、上記 透過率調整層と同じ材料を用いて形成できる。カーボン固形比率をさげ、保護層の可視光透過率を95%以上99.5%とすることで、表示装置内での、ブラックマトリクス6の下面からの光の内部反射を抑制できる。なお、ブラックマトリクス6の上面は透過率調整層に接する側の面をさし、ブラックマトリクス6の下面とは上記上面と反対側である面を指す。
表示装置としたとき、ブラックマトリクス6の下面からの光反射が、光モジュールの発光素子を駆動する薄膜トランジスタの半導体層(チャネル層)に入射し、薄膜トランジスタの誤動作を招くことがある。可視光透過率を95%以上99.5%とした保護層は、ブ
ラックマトリクス6の反射率を低下させ、反射光の量を減らすことができる。
(光吸収性隔壁)
光吸収性隔壁2は、可視光の波長選択性の低いカーボンを黒色顔料として含有した光吸収性隔壁とすることが簡便である。なお、可視光の波長選択性が低いことは、光の波長400nmから700nmの範囲で吸収あるいは反射する光の着色が観察されず、黒やグレーに見えることを意味している。
光吸収性隔壁2をフォトリソグラフィの手法で形成する場合、上記透過率調整層1に形成に用いる樹脂のカーボン分散体が適用できる。このとき、露光波長(たとえば365nm)での、膜厚方向の透過率が0.1%以上10%以下の範囲内にあることが望ましい。透過率は、光吸収性隔壁2の膜厚方向(換言すれば、露光光が入る方向)の透過率である。0.1%未満であれば、露光光が十分に入らないため、アルカリ現像時に光吸収性隔壁2の剥がれを生じやすくなる。透過率が、10%を超えると隣接画素に可視光が透過しやすくなるため、表示に関わる色純度が低下する。
隣接する光吸収性隔壁2の間、第2開口部35には光散乱層28あるいは波長変換層25、26、27を配設することができる。光散乱層や波長変換層に適用する光散乱粒子や蛍光体粒子の平均粒形は、散乱効率や変換効率の観点から光の波長より大きい粒形が好ましい。たとえば、これらの粒形は1μmから5μmの範囲内であると散乱効果や波長変換の効率が良い。それ故、光散乱粒子や蛍光体粒子を縦に2個から5個程度積み重ねる前提で、光吸収性隔壁の高さH1は、例えば2μmから25μmの範囲内とすることができる。
なお、光吸収性隔壁2の高さH1は、25μm以上の高さとしても良いが、カーテンコーターやスリットコーターなど一般的な塗布装置を用いる場合、乾燥後の膜厚で厚みのある塗膜での形成はやや難しいので、25μmを上限とすることが適切である。
[第1実施形態の変形例A]
図3は、本発明のブラックマトリクス基板に関わり、第1実施形態の変形例Aの部分断面図である。前記、第1実施形態との差異は、第1透明樹脂層21が保護層4上に積層され、この保護層4上に光吸収性隔壁2が積層されていることである。
当変形例Aは、第1透明樹脂層の高さH2で光吸収性樹脂層2の高さH1を補うことができるメリットがある。換言すれば、第1透明樹脂層の高さH2と光吸収性樹脂層2の高さH1を加算した高さH3を実行的な光吸収性隔壁の高さとすることができ、画素の開口幅W3(あるいは第1開口部19の幅)との最適化で、後述する外光や発光素子からの迷光の悪影響を抑制できる。
また、当変形例Aの透過率調整層1の透過率調整、さらには屈折率調整で、ブラックマトリクス基板101を表示装置に用いたときの、反射率調整や画質改善につなげることができる。
なお、反射率とは、ブラックマトリクス6と第1基板10−1との界面に生じる反射光を分子として、例えばアルミニウム標準片を100%(分母)としたときの反射率である。測定は、顕微分光光度計での反射率測定で行う。
[第1実施形態の変形例B]
図4は、本発明のブラックマトリクス基板に関わり、第1実施形態の変形例Bの部分断面図である。前記、第1実施形態の変形例Aとの差異は、画素の開口部19部分の透過率調整層1の形成を除いた構成である。画素の開口部19部分の透過率調整層1の除去は、後述するドライエッチングの手法で対応できる。あるいは、周知のフォトリソグラフィの手法で塗布・露光・現像を行い、ブラックマトリクス部分を形成する部分のみに形成して
も良い。
本発明において、隣接画素への迷光を抑制し、表示品位を向上させる要因として、光吸収性隔壁の高さが重要である。第1実施形態の変形例Aでこの点を説明したが、本発明の他の実施形態においても、同様に議論できる。
隣接画素からの迷光を防ぐには、光吸収性隔壁の高さH1、及び、第1基板10−1からの光吸収性隔壁までの高さH3が重要である。図4では、透過率調整層1、ブラックマトリクス6、保護層4の厚みを含んだ第1透明樹脂層21の厚み(高さ)をH2としている。従って、図4において、迷光抑止観点での実質的な光吸収性隔壁の高さH3は、H1とH2の合計の厚み(高さ)となる。
図4において、実質的な光吸収性隔壁の高さH3に透過率調整層の厚みも含まれている。しかし、前記の第1実施形態、変形例Aでは、実質的な光吸収性隔壁の高さH3に、透過率調整層の厚みは、迷光抑止観点では加算されない。
光吸収性隔壁の高さH1は、既述のように、2μm以上25μm以下の範囲内にすることが好ましい。
変形例A、変形例Bでは、実質的な光吸収性隔壁の高さH3は、光吸収性隔壁2に加え、第1透明樹脂層21の膜厚と、ブラックマトリクスの線幅W1とで迷光抑制を補うことができる。ブラックマトリクスの線幅W1を大きくすることで、光吸収性隔壁の高さH1を低く形成できる。
[第1実施形態の変形例C]
図5は、本発明のブラックマトリクス基板に関わり、第1実施形態の変形例Cの部分断面図である。第1基板10−1上に透過率調整層1、ブラックマトリクス6、保護層4を積層し、さらに、ブラックマトリクス6の開口部には、カラーフィルタ(赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタB)が配設されている。これらの構成要素を覆うように第1透明樹脂層21が具備され、さらに光吸収性隔壁2が積層されている。光吸収性隔壁2間の第2開口部には光散乱層28が配設されて、変形例Cのブラックマトリクス基板103となっている。第1透明樹脂層21は、これを省いた構成であっても良い。光吸収性隔壁2の第2開口部は、赤色、緑色、青色の波長変換層25、26、27を同色のカラーフィルタと対応させた構成であっても良い。
(赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ)
上記したように、本発明のブラックマトリクス基板は、ブラックマトリクスの開口部に赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタなどカラーフィルタを配設できる。これらは、下記する有機顔料のアクリルなど樹脂への分散体で形成される。
赤色フィルタに適用できる赤色の有機顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤層Rには黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
本発明に適用できる黄色の有機顔料は、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
また、橙色の有機顔料としては、例えばC.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられるが、C.I.Pigment Orange36などが好適に用いられる。
緑色フィルタに適用できる緑色顔料には、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料やハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料を好適に用いることができる。
青色フィルタに適用できる青色の顔料には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.PigmentViolet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
上記のような有機顔料は、有機溶剤や分散剤とともに透明樹脂に分散して用いる。透明樹脂は、可視域の透過率が90%以上の透明樹脂であることが望ましく、樹脂の前駆体を含むアルカリ可溶性の感光性樹脂であることが望ましい。前記顔料は、樹脂に対し、15質量%から45質量%の範囲内で含有させることができる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。光の波長365nmなどの紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等がさらに添加される。
[第1実施形態の変形例D]
図6は、本発明のブラックマトリクス基板に関わり、第1実施形態の変形例Dの部分断面図である。第1基板10−1上に透過率調整層1、ブラックマトリクス6、保護層4を積層されている。これらの構成要素を覆うように第1透明樹脂層21が具備され、さらに光吸収性隔壁2が積層されている。光吸収性隔壁2間の第2開口部には波長変換層25、26、27が配設されて、変形例Dのブラックマトリクス基板103となっている。第1透明樹脂層21は、これを省いた構成であっても良い。
波長変換層25、26、27については、後述の第2実施形態の表示装置Dにて詳述する。
[第2実施形態、表示装置C]
図8は、本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Cのブラックマトリクス基板103(図5)を具備する表示装置Cの部分断面図である。
第1基板10−1や第2基板10−2に適用できる基板の材料としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、プラスチック基板など透明な基板を用いることができる。第1基板10−1と第2基板10−2を構成する基板材料の熱膨張率とが同じであることが望ましい。異なる基板材料を第2基板(アレイ基板)と第1基板10−1に用いる場合、熱膨張率の観点から、基板の反りや剥がれなど不具合が生じる恐れがある。
なお、アレイ基板とは、発光素子や液晶層など表示機能層を駆動する薄膜トランジスタがマトリクス状に配設された基板を指す。この場合、表示の最小単位である一画素に1個以上の薄膜トランジスタが配設される。液晶層の駆動には通常一画素に1個、有機ELのような発光素子では一画素に7個配設されることがある。
図8に示される光モジュール105は、第2基板10−2上にLEDである発光素子3を備える。発光素子3のそれぞれは、図7に図示される第1薄膜トランジスタ67と第2薄膜トランジスタ68で駆動される。なお、図7は第1薄膜トランジスタ67と第2薄膜トランジスタ68のアレイを映像信号回路81と走査信号回路82で制御する一般的な回路図であるため、詳細な説明は省く。
光反射性隔壁5は、第2基板10−2上に配設される、光反射性隔壁5間の第3開口部20には発光素子(図8では青色発光素子3B、緑色発光素子3G、赤色発光素子3R)が1個以上配設される。ブラックマトリクス基板103と光モジュール105は、接着層を兼ねた平坦化樹脂層23を介して向かい合うように貼り合わせされる。
なお、ブラックマトリクス6と光吸収性隔壁2と光反射性隔壁5とは、平面視、重畳する。第4開口部41、第2開口部35、第1開口部19は、第1開口部19の幅がもっとも狭くなる。
図8に示した表示装置Cの構成では、発光素子には、青色発光素子3B、緑色発光素子3G、赤色発光素子3Rをそれぞれ第4開口部41に配設している。なお、これら発光素子は、白色発光素子であっても良い。
[光反射性隔壁]
光反射性隔壁5は、例えば、樹脂で形成された柱の表面に 可視光の反射率の高いアルミニウムあるいは銀を着膜している。アルミニウムあるいは銀のそれぞれは、異種元素を0.5at%以上5at%以下含む合金であっても良い。
なお、銀を用いる場合、銀と樹脂の密着性は低いため、銀(合金)を導電性酸化物で挟持する3層構成であることが望ましい。樹脂の柱は、アルカリ可溶な感光性樹脂を用い、周知のフォトリソグラフィの手法で形成できる。あるいは、熱硬化性の樹脂膜をドライエッチングの手法でエッチング形成しても良い。
樹脂の柱の高さは、例えば、1μm以上30μm以下の範囲内に設定できる。サファイア基板上にバッファ層などを介して形成された発光素子は厚み方向に高くなる。このように発光素子(図8では青色発光素子3B、緑色発光素子3G、赤色発光素子3R)の高さがある場合、柱の高さは30μmより高くても良い。
感光性樹脂としては、既述の、有機顔料を分散する透明樹脂と同様に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしても、既述の、有機顔料を分散する透明樹脂に用いるものと同様の材料を用いることができる。
[本発明の表示装置に具備される光吸収性隔壁、透過率調整層の効果1]
図9は、本発明に関わる光吸収性隔壁2を具備するブラックマトリクス基板を用いた表示装置の部分断面図であり、かつ本発明のブラックマトリクス基板によって得られるひとつの効果を説明する図である。前記の効果は、既述の、図17に示す従来の表示装置の説明と比較することができる。
図9に示す本発明の表示装置では、発光素子3からの出射光はE0、E1、E2、E3、E4で示されている。これらの出射光のうち、光吸収性隔壁2により出射光E0、E4はカットされて隣接画素への影響はない。それ故、本発明の表示装置に具備される光反射性隔壁5により、発光素子からの出射光を有効に活用できる。
[本発明の表示装置に具備される光吸収性隔壁、透過率調整層の効果2]
図10は、本発明に関わる透過率調整層1を具備するブラックマトリクス基板を用いた表示装置の部分断面図であり、かつ本発明のブラックマトリクス基板によって得られるもうひとつの効果を説明する図である。前記の効果は、既述の、図18に示す従来の表示装置の説明と比較することができる。なお、図10も図18と同じく円偏光板を配設しない(用いない)表示装置としている。
図10に示す本発明の表示装置では、外部からの斜め入射光In1は、光吸収性隔壁2でカットされ、反射光Re4が観察者の目50に入ることがない。
図10では、法線方向(第1基板10−1の垂直方向)からの入射光In2が透過率調整層1の透過率調整によって減衰することを、合わせて説明している。すなわち、図10において、法線方向から外部光In2が入射する場合、例えば、透過率調整層1の可視光の透過率が70%であると、画素開口部を通過した外部光In2の光量は透過率調整層1によって減少し、70%の光量となって反射電極31に到達する。
前記の光は反射電極31によって反射し、反射光が発生し、再度、透過率調整層1を透過して反射光Re3となる。透過率調整層1を再度、透過した反射光Re3の光量は、もとの光量(100%)に対して49%となり、透過率調整層1によって反射光を抑制することができる。
以上のように、本発明に関わる技術は、LEDや有機ELなど発光素子を光源として用い、かつ、それら光源の下地に反射電極や光反射膜がある表示装置に有用である。換言すれば、図9に示した、本発明に関わる透過率調整層1、ブラックマトリクス6、光吸収性隔壁2、光反射性隔壁5の構成は、LEDや有機ELなどの発光素子を光源とする表示装置の表示品位を大きく向上できる。
[第2実施形態、表示装置D]
図11は、本発明の第2実施形態の変形例に関わり、第1実施形態の変形例Dのブラックマトリクス基板を具備する表示装置Dの部分断面図である。第1実施形態の変形例Dで説明したブラックマトリクス基板104と、光モジュール105を向かい合うように貼り合わせている。
波長変換層25、26、27には、量子ドットや有機蛍光色素を用いることもできるが、例えば1μmから20μmの範囲内にある蛍光体を用いることが変換効率の観点で好ましい。
発光素子が、例えば、380nmから500nmの範囲内の青色発光LEDである場合、波長変換層27には青色蛍光体、波長変換層26には緑色蛍光体、波長変換層25には赤色蛍光体を用いることができる。上記青色発光LEDの発光波長が目的とする青色の波長であれば、波長変換層27は単に光散乱層とすることができる。青色発光LEDに365nmや395nmの近紫外域の発光を持つ発光素子を用いる場合、青色の画素開口部の波長変換層27には青色蛍光体を用いることが必要となる。
青色蛍光体としては、Sr:Sn4+、SrAl1425:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SrGa:Ce3+、CaGa:Ce3+、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017:Eu2+、(Sr、Ca、Ba2、Mg)10(PO4Cl:Eu2+、BaAlSiO:Eu2+、Sr:Eu2+、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)(POCl:Eu2+、BaMg2Al1627:Eu2+、(Ba,Ca)(POCl:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+等が挙げられる。
また、緑色蛍光体として、(BaMg)A127:Eu2+,Mn2+、SrAl1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si:Eu2+、(BaMg)SiO:Eu2+、YSiO:Ce3+,Tb3+、Sr−Sr:Eu2+、(BaCaMg)(POCl:Eu2+、SrSi−2SrCl:Eu2+、ZrSiO、MgAl1119:Ce3+,Tb3+、BaSiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+、(BaSr)SiO:Eu2+等が挙げられる。
また、赤色蛍光体としては、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO.F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO46.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO6.25等が挙げられる。
[第2実施形態、表示装置E]
図12は、本発明の第2実施形態の変形例に関わり、第1実施形態の変形例Cのブラックマトリクス基板を具備し、表示機能層として液晶層を用いた表示装置E(ミニLED)の部分断面図である。
また、図13は表示機能層が液晶層である場合の、一般的なアクティブマトリクス駆動の回路の部分平面図である。
液晶層9は、第3基板10−3上に薄膜トランジスタを備えるアレイ基板108に具備される画素電極7と共通電極8間に印加される電圧で駆動される。画素電極7と共通電極8とはともにITOなど透明導電膜で形成されている。画素電極7のそれぞれは、図13に図示される第3薄膜トランジスタ71で駆動される。なお、図13は、第3薄膜トランジスタ71のアレイを走査信号回路72と映像信号回路73で制御する一般的な回路図であるので、詳細の説明は省く。
光モジュール107の基本的な構成は、第1実施形態の光モジュール105とほぼ同じである。当第2実施形態の光モジュール107では、発光素子3は、青色発光素子と緑色発光素子と赤色発光素子の3種類のLEDをそれぞれ発光ユニット74内に配設している。
例えば、発光ユニット74の配設された発光素子3のそれぞれを、第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタで駆動しても良い。発光ユニット内の複数個の発光素子を1個の薄膜トランジスタで駆動しても良い。なお、発光素子74とは、光反射性隔壁5で囲まれた領域であり、1個以上、複数個の発光素子が配設される。
表示機能層である液晶層9は、水平配向の液晶を用い、FFS(フリンジフィールド スイッチング)の手法で駆動される。なお、図12において、カバーガラス、タッチパネル、偏光板などの光制御素子、配向膜などの図示は省略している。
[第3実施形態、ブラックマトリクス基板の製造方法]
図14は、本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法を示す工程図である。なお、本発明のブラックマトリクス基板は光吸収性隔壁を具備するが、本発明のブラックマトリクス基板の製造方法では、光吸収性隔壁を形成する以前の工程に特徴を有する。
また、以下に記載する「分散体」の表現は、シリカ微粒子やカーボンなどを有機溶剤や分散剤などとともにアクリル系樹脂に分散した塗液を指す。「塗布」は、カーテンコーターやスピンコーターなど通常の塗布装置での塗布を指し、「乾燥」は例えば80℃前後のホットプレート上の乾燥を意味する。「硬膜」は、例えば、180℃〜250℃の範囲での乾燥後塗膜の熱硬化を指す。「露光」は、フォトマスクと365nm波長を用いた通常の露光を指す。また、「ブラック層」は、ブラックマトリクスのパターン形成前の乾燥後の黒色分散体の塗膜を指す。なお、保護層形成に用いる「レジスト」は、第1実施形態に記載のアルカリ可溶のネガ型感光性レジストを指す。
(ブラックマトリクス基板の製造方法(A))
図15は、本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法(A)により製造されるブラックマトリクス基板の部分断面図であり、透過率調整層を残した構成となっている。
本発明のブラックマトリクス基板の製造方法(A)により製造されるブラックマトリクス基板は、例えば、以下の(1)〜(5)の工程を含んで製造できる。
(1)第1基板10−1である透明基板上に、カーボンとシリカ微粒子を含む分散体を用いて透過率調整層を塗布した。分散体は、ネガ型感光性レジストとして調整してあり、乾燥後、365nmで硬膜させた。透過率調整層の乾燥後膜厚は、0.6μmであった。なお分散体中のシリカ微粒子は固形比で18質量%、カーボン3質量%とした。
(2)硬膜させた透過率調整層上にブラック層として、カーボン分散体を乾燥後膜厚で0.8μm塗布形成し、露光による硬膜をした。カーボンは同様、固形比で45%とした。
(3)ネガ型レジストとして調整したカーボン分散体(カーボンは固形比で3質量%)を 用いて保護層を塗布、乾燥させた。保護層の乾燥後の膜厚は、1.5μmとした。(4)ブラックマトリクスのパターンを具備したフォトマスクを用いて、露光し、さらにアルカリ現像して、次工程前の保護層のパターンとした。このパターンは、表示に用いる有効表示領域は3μm−3μmのライン&スペースのパターンとし、この有効表示領域の4辺を囲む0.5mm幅の額縁部パターンを具備している。現像により、ブラック層が3μm−3μmのライン&スペース間に露出している。
(5)ドライエッチング装置を用い、かつ、CFとCのフロンガスを導入して、ブラック層をドライエッチングした。
ドライエッチングは、透過率調整層が露出するまで行った。ドライエッチングはシリカ微粒子に起因するSi基の発光スペクトルが検出された段階で停止した。
ドライエッチング後、保護層とブラック層が同じ3μmのライン&スペース、及び額縁のパターンをもつブラックマトリクスが形成できる。
以上の(1)〜(5)の工程により、図15に示す、透過率調整層1が基板10−1上に残る構成のブラックマトリクス基板100aとなる。
(ブラックマトリクス基板の製造方法(B))
図16は、本発明の第3実施形態であるブラックマトリクス基板の製造方法(B)により製造されるブラックマトリクス基板の部分断面図であり、第1開口部19の透過率調整層1が除去され、第1基板10−1の表面が露出した構造となっている。
ブラックマトリクス基板の製造方法(B)は、前記ブラックマトリクス基板の製造方法(A)と、工程(1)、工程(2)、工程(4)は同じ工程である。異なるポイントは、工程(3)での保護層の厚みと、工程(5)のドライエッチングの深さである。
透過率調整層1に含有されるシリカ微粒子に関わるSi基の発光スペクトル強度と、ガラス基板であるときの第1基板からのSi基の発光スペクトル強度は大きく異なるので、これら発光スペクトルの強度差でドライエッチングの深さが判断でき、第1基板表面でドライエッチングを停止できる。
なお、有機エレクトロルミネッセンス第ディスプレイのようなフレキシブルディスプテレイでは第1基板が樹脂であることもある。こうしたフレキシブルディスプレイの樹脂基板上には、水分や酸素透過を防ぐ目的で二酸化ケイ素やシリコン窒化物の薄膜が形成される。それ故、第1基板が樹脂である場合にも、エッチング深さ方向での、Si基の発光スペクトル強度差でエッチング深さを設定できる。
第3実施形態で開示されたブラックマトリクス基板の製造方法は、下記する新たな効果を持っている。
遮光性の高いブラックマトリクスをフォトリソグラフィのみの手法で形成する場合、4μm線幅、さらには3μm線幅以下で、例えば10μmピッチ以下の画素を再現することは極めて困難であった。4μm線幅以下の細線パターンを高精細画素向けに再現することは、形状バラツキや画素剥がれなどからフォトリソグラフィのみの手法で安定再現は難しい。特に画素開口部のコーナー部が丸くなる問題があり、例えば、8μmピッチ、4μm線幅のストライプパターンでは、ストライプパターンのフォトマスクと、有効表示領域のマトリクス状画素の4辺を囲む額縁部パターンのフォトマスクと、2つのフォトマスクを用い、フォトリソグラフィ工程もこの2つのパターンに分けて製造していた。
ドライエッチングの手法であれば、3μm−3μmのラインアンドスペースのパターンと額縁部との一体形成対応が、フォトマスクを1枚で可能となる。さらに、例えば、500ppi以上の高精細画素で、迷光対策に有効なマトリクスパターン(ストライプパターンでなく、縦・横の格子状にブラックマトリクスを形成)の再現に、当第3実施形態で開示するドライエッチングの手法は極めて有効である。
なお、ストライプパターンでは、ストライプに沿う方向からの外光の反射が反射電極を介して、目に入ることが多く、視認性を低下させる。高精細画素でのコントラスト改善には、ストライプパターンでなく、縦・横の格子状にブラックマトリクスのパターンが好ましい。
上記の各実施形態は、自由に組み合わせて用いることができる。本発明の実施形態に係る表示装置が搭載された電子デバイスには、さらにアンテナを搭載して通信や非接触での受電給電を行うことが望ましい。
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって規定されている。
本発明のブラックマトリクス基板を具備した表示装置は、種々の応用が可能である。上述の実施形態に係る表示装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカードなどの電子デバイス等が挙げられる。
1 ・・・ 透過率調整層
2 ・・・ 光吸収性隔壁
3 ・・・ 発光(ダイオード)素子
3B ・・・ 青色発光素子
3G ・・・ 緑色発光素子
3R ・・・ 赤色発光素子
4 ・・・ 保護層
5 ・・・ 光反射性隔壁
6 ・・・ ブラックマトリクス
7 ・・・ 画素電極(ITO)
8 ・・・ 共通電極(ITO)
9 ・・・ 液晶層
10−1 ・・・ 第1基板
10−2 ・・・ 第2基板
10−3 ・・・ 第3基板
19 ・・・ 第1開口部
20 ・・・ 第3開口部
21 ・・・ 第1透明樹脂層
23 ・・・ 平坦化樹脂層
25 ・・・ 赤色波長変換層
26 ・・・ 緑色波長変換層
27 ・・・ 青色波長変換層
28 ・・・ 光散乱層
31 ・・・ 反射電極
35 ・・・ 第2開口部
40 ・・・ 観察者方向
41 ・・・ 第4開口部
50、52・・・ 観察者(の目)
51 ・・・ 反射電極
53 ・・・ 発光素子
56 ・・・ ブラックマトリクス
63 ・・・ 液晶層
64、84・・・ 走査信号線(ゲート線)
65、83・・・ 映像信号線(ソース線)
67 ・・・ 第1薄膜トランジスタ
68 ・・・ 第2薄膜トランジスタ
71 ・・・ 第3薄膜トランジスタ
72 ・・・ 走査信号制御回路
73 ・・・ 映像信号制御回路
74 ・・・ 発光ユニット
81 ・・・ 映像信号制御回路
82 ・・・ 走査信号制御回路
85 ・・・ 電源線
86 ・・・ グランド
87 ・・・ 容量素子
100、101、102、103、104・・・ ブラックマトリクス基板
100a ・・・ 製造方法(A)により製造されるブラックマトリクス基板
100b ・・・ 製造方法(B)により製造されるブラックマトリクス基板
105・・・ 光モジュール(発光素子を配設したアレイ基板)
106・・・ 光モジュール(発光素子を配設したアレイ基板)
107・・・ 光モジュール(発光素子を配設したバックライトユニット)
108・・・ アレイ基板(液晶層駆動する薄膜トランジスタを具備する)
110・・・ 表示装置C
120・・・ 表示装置D
130・・・ 表示装置E
E0、E1、E2、E3、E4、E20、E21、E22、E23、E24・・・出射光In1、In11 ・・・ 斜め入射光
In2、In21 ・・・ 外部入射光(法線方向からの入射光)
Re3、Re4、Re12、Re22・・・ 反射光
R ・・・ 赤色フィルタ
G ・・・ 緑色フィルタ
B ・・・ 青色フィルタ
H1 ・・・ 光吸収性隔壁の高さ
H2 ・・・ 第1透明樹脂層の厚さ
H3 ・・・ 実質的な光吸収性隔壁の高さ
C1 ・・・ 第1開口部19の中心軸
C2 ・・・ 第2開口部35の中心軸
W1・・・ ブラックマトリクスの線幅
W2・・・ 光吸収性隔壁の線幅
PX ・・・ 1画素分のTFTユニットの構成

Claims (10)

  1. 透明基板と、透過率調整層と、複数の第1開口部を具備するブラックマトリクスと、をこの順で積層し、
    前記ブラックマトリクス上に、保護層と、前記第1開口部と中心軸が略一致する複数の第2開口部を備える光吸収性隔壁とをこの順で積層し、
    前記ブラックマトリクスの線幅は、前記光吸収隔壁の線幅よりも広く、
    かつ平面視で、前記光吸収性隔壁は前記ブラックマトリクスで覆われ、
    前記透過率調整層は、カーボンとシリカ微粒子を含有する樹脂分散体である、
    ことを特徴とするブラックマトリクス基板。
  2. 前記保護層が、前記ブラックマトリクスの前記第1開口部と同じ形状の複数の第3開口部を備え、前記第1開口部と前記第3開口部は、平面視で同じ位置に重なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
  3. 前記保護層の厚み方向の可視光透過率が、波長400nm〜700nmの範囲で95%以上99.5%以下である、
    ことを特徴とする請求項1、または2に記載のブラックマトリクス基板。
  4. 前記ブラックマトリクスと前記光吸収性隔壁との間に、第1透明樹脂層が挿入された構成である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板。
  5. 前記第2開口部に、光の波長変換層を具備する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板。
  6. 前記第2開口部に、光の散乱層を具備する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板。
  7. 前記透過率調整層の厚み方向の可視光透過率が、波長400nm〜700nmの範囲で70%以上99.5%以下である、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板。
  8. 前記複数の第1開口部に、赤フィルタ、緑フィルタ、青フィルタの少なくとも一つを配設した、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板を具備する、
    ことを特徴とする表示装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラックマトリクス基板の製造方法であって、
    透明基板上にカーボンとシリカ微粒子を含む透過率調整層を塗布、硬膜させる工程と、
    前記透過率調整層上にブラック層を塗布、硬膜させる工程と、
    前記ブラック層上にアルカリ現像可能な感光性の保護層を塗布、乾燥させる工程と、
    複数の開口部を具備するフォトマスクを用いて前記保護層を露光させるとともに、さらに現像して前記複数の第3開口部を形成する工程と、
    ドライエッチングにて、前記複数の第3開口部のパターンをブラック層に転写してブラックマトリクスを形成するとともに前記保護層をその厚み方向に一部残す工程と、を含む、ことを特徴とするブラックマトリクス基板の製造方法。
JP2020038965A 2020-03-06 2020-03-06 ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法 Active JP7552039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038965A JP7552039B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038965A JP7552039B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021140077A true JP2021140077A (ja) 2021-09-16
JP7552039B2 JP7552039B2 (ja) 2024-09-18

Family

ID=77669484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020038965A Active JP7552039B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7552039B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114283699A (zh) * 2021-12-24 2022-04-05 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板
WO2023042837A1 (ja) * 2021-09-17 2023-03-23 積水化学工業株式会社 Ledモジュール、ledモジュールの製造方法及びled表示装置
WO2024004015A1 (ja) * 2022-06-28 2024-01-04 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、発光素子の製造方法
WO2024191035A1 (ko) * 2023-03-16 2024-09-19 삼성전자주식회사 디스플레이 장치 및 그의 제조방법
WO2024202640A1 (ja) * 2023-03-24 2024-10-03 ソニーグループ株式会社 発光装置および画像表示装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006093053A (ja) 2004-09-27 2006-04-06 Toshiba Corp 画像表示装置
JP2009230889A (ja) 2008-03-19 2009-10-08 Fuji Electric Holdings Co Ltd 色変換フィルタの製造方法
JP2010055947A (ja) 2008-08-28 2010-03-11 Canon Inc カラー画像表示装置用のフェイスパネル、該フェイスパネルを用いたカラー画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載されたカラー画像表示装置
JP6314451B2 (ja) 2012-12-27 2018-04-25 大日本印刷株式会社 カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置
JP6361260B2 (ja) 2014-04-18 2018-07-25 大日本印刷株式会社 積層体の製造方法、カラーフィルタの製造方法、積層体およびカラーフィルタ
JP2016218151A (ja) 2015-05-15 2016-12-22 シャープ株式会社 波長変換基板、発光装置並びにこれを備えた表示装置、照明装置および電子機器
JP6528557B2 (ja) 2015-06-23 2019-06-12 凸版印刷株式会社 表示装置基板、表示装置基板の製造方法、及びこれを用いた表示装置
JP6750305B2 (ja) 2016-05-24 2020-09-02 凸版印刷株式会社 カラーフィルタ基板、及びそれを用いた表示装置
JP2019179111A (ja) 2018-03-30 2019-10-17 Jsr株式会社 表示素子用積層体、及び隔壁形成用組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023042837A1 (ja) * 2021-09-17 2023-03-23 積水化学工業株式会社 Ledモジュール、ledモジュールの製造方法及びled表示装置
CN114283699A (zh) * 2021-12-24 2022-04-05 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板
CN114283699B (zh) * 2021-12-24 2023-07-04 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板
WO2024004015A1 (ja) * 2022-06-28 2024-01-04 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、発光素子の製造方法
WO2024191035A1 (ko) * 2023-03-16 2024-09-19 삼성전자주식회사 디스플레이 장치 및 그의 제조방법
WO2024202640A1 (ja) * 2023-03-24 2024-10-03 ソニーグループ株式会社 発光装置および画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7552039B2 (ja) 2024-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7552039B2 (ja) ブラックマトリクス基板及び表示装置、ブラックマトリクス基板の製造方法
WO2021220734A1 (ja) ブラックマトリクス基板及びこれを備えた表示装置
WO2022163811A1 (ja) 表示装置及び波長変換基板
US10620478B2 (en) Photoluminescent display device and method for manufacturing the same
TWI533039B (zh) 顯示裝置
JP7081688B2 (ja) ブラックマトリクス基板、及びブラックマトリクス基板を備えた表示装置
TWI582498B (zh) 光學構件及包含其之顯示裝置
JP7413791B2 (ja) カラーフィルタ基板及び表示装置
JP2021140028A (ja) カラーフィルタ基板及び表示装置
TWI787412B (zh) 黑色矩陣基板及具備黑色矩陣基板的顯示裝置
JP7476696B2 (ja) ブラックマトリクス基板及びこれを備えたledディスプレイ、液晶表示装置
JP2023006356A (ja) カラーフィルタ基板、及びこれを備えた表示装置
CN115016170B (zh) 量子点和有机纳米荧光体的复合片及包括其的显示装置
JP2023054570A (ja) 表示装置
JP7439530B2 (ja) 光モジュール及び表示装置
KR102339785B1 (ko) 광학 시트 및 이를 포함하는 표시 장치
JP7559523B2 (ja) 表示装置
JP7552070B2 (ja) 表示装置
JP2023054571A (ja) 液晶表示装置
WO2023119759A1 (ja) 色変換基板および表示装置
KR20160007761A (ko) 백라이트 유닛 및 액정 표시 장치
KR20230013901A (ko) 양자점과 유기 나노형광체의 복합 시트 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
JP2014089282A (ja) 表示装置、およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230222

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20230921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7552039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150