JP7413791B2 - カラーフィルタ基板及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、LEDや有機ELを光源として、あるいは液晶層やマイクロLED、有機ELを表示機能層として用いる表示装置、及びそれに用いるカラーフィルタ基板に関する。
LED(Light Emitting Diode)と呼称される複数の発光ダイオード素子を光源とするバックライトユニットを用いた液晶表示装置が、現在一般的である。この液晶表示装置では、液晶層が表示機能層であり、該表示機能層はバックプレーンに配設される薄膜トランジスタ(TFT)で駆動される。
近年、例えば、50μmから200μmサイズのLEDチップをマトリクス状に複数並べた構成を有するミニLEDと呼称される直下型のバックライトを液晶表示装置に用いる技術が注目されている。ミニLEDでは、通常、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップを用いることが多い。
また、表示画面内の表示部位の位置に応じて、3種類のLEDチップの発光輝度を部分的に調整し、あるいは、部分的に発光を停止させるローカルディミングを併用する技術が注目されている。
このようなローカルディミングを用いる液晶表示装置においては、表示画面の発光を部分的にオフにすることができるため、表示のコントラストを大きく改善できる。従来の液晶表示装置では、バックライトを常時点灯とするため、液晶の黒表示のときに、僅かな光漏れが発生し、有機EL並みのコントラストを得ることが困難であった。
マイクロLEDは、平面視、おおよそ2μmから50μmサイズのLEDチップをマトリクス状に配列した構造を有し、複数のLEDチップの各々を個別駆動することによって表示を行う表示装置である。このようなマイクロLEDは、液晶を用いずに表示を行うことができる。なお、以下の記載では、マイクロLED、ミニLEDともにLEDディスプレイと記載することがある。
マイクロLEDは、上述したミニLEDと同様に赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のチップを用いる方式と、青色から近紫外の波長域の光を発する単色発光LEDチップなどに大別される。マイクロLEDは、LEDディスプレイとも呼称され、一般に 上記のような3種類のLEDチップが表示機能層の役割を担う。
なお、単色発光LEDチップのみを用いる方式では、近紫外域の発光を含む青色LED、あるいは365nmや385nmなどの発光波長をもつUV-LEDを用い、さらに量子ドットなど波長変換層を併用して赤、緑、青の可視光に変換してフルカラー表示を行うことができる。単色発光LEDを用いる方式では、複数の単色発光LEDチップの各々に、発光波長を赤色、緑色、及び青色のいずれかへ波長を変換する波長変換素子(例えば、量子ドットなど)を積層することで、カラー表示を実現している。
液晶表示装置、マイクロLED、及び有機EL表示装置においては、いずれも、表示機能層からの出射光には指向性がないので、斜め方向に出射した光が、隣接する画素に届き、迷光となって観察されるため、カラー画像表示のコントラストを低下させていた。
特に、画素サイズの微細化が進むに従って、迷光に起因するコントラスト低下が問題と
なる。また、表示装置が明るい環境下で使用される際、外部から表示装置に入射する入射光に起因する表示コントラスト低下も問題となる。
一方、有機EL表示装置やマイクロLEDでは、表示装置に入射した外乱光が、表示装置から出射される光に加わるとコントラストが低下するため、表示装置の上面に円偏光板を搭載して表示装置に入射した外乱光が、表示装置から出射されるのを抑制している。しかしながら、円偏光板を使うと出射光の減衰が大きいので表示画像が暗くなる問題があるため、有機EL表示装置やマイクロLED表示装置に円偏光板を用いない構成とすることが強く要求されている。
特許文献1には、透光性の基板の厚さ方向に貫通する貫通孔を有する隔壁部と、貫通孔の内側に設けられた光の色変換物質を含む色変換部などの技術が開示されている。その[図2]などに開示されているカラーフィルタ10には、赤色着色部131R、緑色着色部131G、青色着色部131Bと色変換部132の構成が開示されている。図示されている遮光部122は、図示からは赤色着色部121Rと色変換部132の高さを含む厚さT2であり、段落[0017]に10μm程度と記載されている。青色の光で励起され緑色の光を放射する緑色量子ドットの記載はあるが、この緑色の光で、赤色量子ドットが2次発光する問題については記載していない。
また、特許文献1では、カーボンブラックなど遮光性の黒色色素を含む厚みのある遮光部122の、具体的な形成手段はさほど明確でない。遮光部122の光学濃度は不明であるが、通常の光学濃度4前後のブラックマトリクスでの10μm厚み形成は、露光・現像工程を含む周知のフォトリソグファフィの手法では、厚み方向に露光での光が透過しにくいため、厚みのあるブラックマトリクスの形成は難しい。特許文献1には、光反射層形成の技術は開示されていない。
特許文献2は、青色光の励起により赤色光を発する量子ドットに、Mn4+賦活フッ素蛍光体を用いる技術である。特許文献2の段落[0013]に、赤色発光する量子ドット蛍光体が緑色発光を吸収してしまい、発光効率を著しく損なうことが記載されている。特許文献2の図1や図5には、空間20やガラス板50をMn4+賦活フッ素蛍光体(赤色蛍光体)12と緑色蛍光体13との間に設けることで、フッ素生成物の悪影響を避けている。しかしながら、こうした空間分離は発光装置を大きくしてしまい、小型化しにくい問題を抱える。
特許文献3には、その請求項1あるいは図3に示されるように、青色発光素子を含む光源ユニットを囲むように反射隔壁が配置され、また、請求項6の記載にあるように緑色の光に変換する量子ドット及び赤色の光に変換する量子ドットを含む量子ドットシート(波長変換シート)が開示されている。しかしながら、特許文献3は、緑色の光で、赤色量子ドットが2次発光する問題については記載していない。また、拡散板64が、青色LED63に最近接する位置にあり、青色発光素子(青色LED)からの青色光が隣接画素に拡散しやすい構成となっており、ローカルディミングによくない影響を与えやすい。
特開2018-189920号公報 特許第6100831号公報 国際公開第2017/191714号
本発明は、上述した、高精細化が要求される表示装置における課題の1以上を解決し、表示品位を改善することができる液晶表示装置、ミニLED、マイクロLED(LEDディスプレイ)などの表示装置、及びそれを実現するためのカラーフィルタ基板を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に関わるカラーフィルタ基板は、複数の発光ダイオード素子を光源とする表示装置用のカラーフィルタ基板であって、
透明基板の一の面上に、透過率調整層と、カラーフィルタ層と、平面視で格子状の隔壁と、波長変換層と、をこの順に備え、
前記カラーフィルタ層は、赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタと、が平面視で第一方向に一定のピッチで配設され、かつ、平面視で第二方向に平行に延伸するストライプパターンとして配設され、
前記格子状の隔壁の開口部の中心軸は、前記赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタのそれぞれの中心軸と略一致しており、
前記波長変換層は、緑色蛍光体層と赤色蛍光体層と、の蛍光体積層構成であり、
前記蛍光体積層構成は、前記緑色蛍光体層が前記赤色蛍光体層よりも前記カラーフィルタ層に近い位置に配設される、ことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記隔壁は、カーボンを主たる色材として樹脂に分散させた光吸収性隔壁を備えることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記隔壁は、カーボンを主たる色材として樹脂に分散させた光吸収性隔壁と、少なくとも一部が金属膜で覆われた樹脂壁を含む光反射性隔壁と、の2層構成であることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記開口部は、透明樹脂層で充填されていることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記開口部は、光散乱層で充填されていることができる。
発明のカラーフィルタ基板に具備される前記赤色蛍光体層は、透明樹脂の母材に赤色蛍光体と透明粒子とを分散させた赤色蛍光体層とすることができる。
発明のカラーフィルタ基板に具備される前記緑色蛍光体層は、透明樹脂の母材に緑色蛍光体と透明粒子とを分散させた緑色蛍光体層とすることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記透過率調整層は、カーボン、透明微粒子、紫外線吸収剤のいずれかを含む透過率調整層とすることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記透過率調整層は、波長400nm以上700nm以下の範囲の光の透過率が、70%以上99.5%以下の範囲にある透過率調整層とすることができる。
本発明のカラーフィルタ基板に具備される前記隔壁の厚み方向の高さを、前記透明基板の厚み方向において、2μm以上50μm以下の範囲にあるようにすることができる。
本発明の第2態様に関わる表示装置は、本発明のカラーフィルタ基板と、前記複数の発光ダイオード素子を具備する光モジュールと、を貼り合わせた表示装置であって、前記複
数の発光ダイオード素子の発光ピーク波長が、430nm以上460nm以下の範囲にある、ことを特徴とする表示装置である。
本発明のカラーフィルタ基板によれば、カラーフィルタ層及び隔壁に最も近い位置に、波長変換層や光散乱層を配設するため、明るく、良好なコントラストを持つ、表示品位の高い高精細表示装置を提供することができる。また、本発明のカラーフィルタ基板では、蛍光体や量子ドットなどの波長変換層を、スリットコーターやカーテンコーターに代表される一般的な塗布装置にて、低コストで形成することができる。
本発明の第1実施形態に関わる、カラーフィルタ基板の一実施形態の部分断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板に関わる、カラーフィルタ層の部分平面図である。 本発明のカラーフィルタ基板に関わる、格子状の隔壁をカラーフィルタ層の膜面から見た部分平面図である。 本発明のカラーフィルタ基板に関わる、格子状の隔壁のみの部分平面図である。 本発明のカラーフィルタ基板に用いられるカラーフィルタ層の、図2のR1-G1に沿う部分断面図である。 従来のカラーフィルタ基板に用いられるカラーフィルタ層の部分断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板を表示装置に適用したときの部分断面図であり、本発明のカラーフィルタ基板によって得られるひとつの効果を説明する図である。 従来のカラーフィルタ基板を表示装置に適用したときの部分断面図である。 本発明の第1実施形態のカラーフィルタ基板の変形例Aの部分断面図である。 本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Bのカラーフィルタ基板を具備する表示装置の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Aのカラーフィルタ基板を具備する表示装置A1の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Aのカラーフィルタ基板を具備する表示装置の変形例A2の部分断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板に関わる、2層構成隔壁の形成工程を工程順に示す部分断面図である。 図13に続く工程を、工程順に示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、同一又は実質的に同一の機能及び構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化し、或いは、必要な場合のみ説明を行う。各図面において、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。また、必要に応じて、図示が難しい要素、例えば、薄膜トランジスタなどの構成、また、導電層を構成する複数層の構造、回路部への配線接続やスイッチング素子(トランジスタ)等の図示や一部の図示が省略されている。
以下に述べる各実施形態においては、特徴的な部分について説明し、例えば、通常の表示装置に用いられている構成要素と本実施形態に係る表示装置との差異がない部分については説明を省略する。
第1基板や第2基板、第1透明樹脂層、第2透明樹脂層、第3透明樹脂層など「第1」や「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、数量を限定しない。また、発光素子のマトリクス配置とは、発光素子を1個以上含む発光ユニットが平面視、一定のピッチでマトリクス状に並ぶ配置を指す。発光素子をマトリクス配置したものを以下の記載において、光モジュールと呼ぶことがある。
発光ユニットは、表示装置としたときの 平面視、格子状パターンのブラックマトリクスで囲まれる。平面視、格子状の隔壁(以下、単に隔壁と記す場合がある)で囲まれる発光ユニットは、発光ダイオードである発光素子をそれぞれ1個以上含む。後述するローカルディミング技術を用いる表示装置では、発光素子を例えば1個以上含む発光ユニットの単位、あるいは複数の発光ユニットにて駆動のオンオフ、発光の明るさを調整できる。
なお、ローカルディミング技術では、平面視、発光ユニットに含まれる発光素子数と画素数は、画素数の方を多くすることができる。換言すれば、画素数に対し、発光素子数が少ないことによる効率的な表示装置駆動がローカルディミングのメリットとも言える。
なお、本発明の記載において、カラーフィルタ基板と光モジュールを向かい合うよう貼り合わせる構成では、たとえは、液晶層と液晶を駆動する薄膜トランジスタが配置されるアレイ基板を、カラーフィルタ基板と光モジュールとの間に挿入する構成を含む。この構成では、光モジュールは直下型のバックライトとしての役目を果たす。
明細書記載の文言「平面視」とは、透明基板の一の面から見た「平面視」と、透明基板の二の面(前記一の面と反対側の面)から法線方向に見た「平面視」である場合がある。あるいは、カラーフィルタや隔壁構造の説明のため、カラーフィルタの膜面から見た「平面視」である場合がある。
また、明細書中の記載において、「高さ」あるいは「厚み」は、基板面からの垂直方向の「高さ」や「厚み」を意味する。換言すれば、「高さ」と「厚み」は、本発明を説明する目的に対して同義である。
本発明の実施形態において、表示装置が備える「表示機能層」には、LED(Light Emitting Diode)と呼称される複数の発光ダイオード素子、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも呼称される複数の有機EL(Electro Luminescence)素子、或いは液晶層のいずれかを用いることができる。LED、LEDチップ、発光ダイオード素子は、以下の記載において、単に 発光素子と記載することがある。
LEDは、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)/窒化ガリウム(GaN)/アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、リン化ガリウム(GaP)、セレン化亜鉛(ZnSe)、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)などの化合物がLEDに適用されている。
ミニLEDとしては、例えば、50μmから200μmサイズのLEDチップを用いることができる。マイクロLEDとしては、例えば、2μmから50μmサイズのLEDチップを用いることができる。LEDチップの構造は、n側電極とp側電極が同じ側にある水平型LEDを用いても良いが、LEDの厚み方向にn側電極とp側電極が異なる面(向かい合う平行な面)にある垂直型LEDを用いることもできる。以下の記載において、上部電極、下部電極は、垂直型LEDのn側電極あるいはp側電極のいずれかを指す。
[第1実施形態:カラーフィルタ基板]
以下、図面を用いて本発明に関わるカラーフィルタ基板を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に関わる、一実施形態のカラーフィルタ基板101の部分断面図である。
カラーフィルタ基板101は、ガラスなどの透明な第1基板100上に、透過率調整層1、カラーフィルタ層CF、平面視で格子状の隔壁5、波長変換層CCL(Color Conversion Layer)、第2透明樹脂層22がこの順で形成されている。第2透明樹脂層22の形成は、これを省いても良い。また、それぞれの隔壁5の間には光散乱層9が配設されている。
光散乱層9は、後述のような変形例で、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)など出射光の平行性を重視する用途では、これを透明樹脂層としてもよい。光の平行性を求める用途では、光散乱層の位置にマイクロレンズを挿入しても良い。
図2は、カラーフィルタ基板101のカラーフィルタ層CFの部分を示す平面図である。カラーフィルタ層CFでは、赤色フィルタRと、緑色フィルタGと、青色フィルタBと、が平面視で第一方向に一定のピッチで配設され、かつ、平面視で第二方向に平行に延伸するストライプパターンとして配設されている。
図3は、カラーフィルタ基板101の格子状の隔壁5をカラーフィルタ層CFの膜面から見た部分平面図である。また、図4は、カラーフィルタ基板101の格子状の隔壁5のみを示す部分平面図である。
図3、図4、及び図1の部分断面図からも分かるように、格子状の隔壁5の開口部8の中心軸C1は、赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタBのそれぞれの中心軸C2と略一致している。
カラーフィルタ基板101の波長変換層CCLは、緑色蛍光体層3と赤色蛍光体層4と、の蛍光体積層構成となっている。図1には、表示装置としたときの、発光ダイオード素子(青色LED)からの青色光の入射方向20を示しているが、光源である発光ダイオード素子に近い位置に、赤色蛍光体層4が配設され、赤色蛍光体層4の後方に緑色蛍光体層3が具備されている。逆に言えば、緑色蛍光体層3が赤色蛍光体層4よりもカラーフィルタ層CFに近い位置に配設されていれる。
入射光である青色光(1次光)は、赤色蛍光体層4に含まれる赤色蛍光体により赤色の2次光を発光する。青色の1次光はすべて変換されるわけでなく、次の緑色蛍光体層3により一部緑色光に変換される。さらに一部は、これらの赤色蛍光体層4、緑色蛍光体層3を透過して、青色光としてカラーフィルタ層CFに入射する。
カラーフィルタ層CF(赤フィルタR、緑フィルタG、青フィルタB)は、これら赤色光、緑色光、青色光のフィルタの役目を担い、それぞれの色に分離する。従って、青色LEDからの励起光(青色の1次光)の一部はフルカラー表示のための青色光として用いることになる。このように、本発明のカラーフィルタ基板を具備する表示装置に適用する発光ダイオード素子は、その発光ピーク波長が430nm以上460nm以下の青色発光ダイオードであることが好ましい。青色発光ダイオードは、365nm、385nm、395nmなどの近紫外域の光の発光を含むものであっても良い。
上記のとき、赤色蛍光体層4からの赤色光(2次光)は、エネルギーレベルが低いため、緑色蛍光体層3での吸収を避けることができ、全体として変換効率を低下させにくい。図1に例示する本発明のカラーフィルタ基板の構成とは逆に、緑色蛍光体層3を発光素子側に形成すると、赤色蛍光体層4が緑色光を吸収し、変換効率を低下させてしまう。緑色蛍光体と赤色蛍光体の共分散としても、同様に十分な変換効率を得にくい。
図5は、カラーフィルタ基板101に用いられるカラーフィルタ層CFの、図2のR1-G1に沿う部分断面図である。一方、図6は、従来のカラーフィルタ基板に用いられるカラーフィルタ層CF2の部分断面図であり、比較のために、図5と同様に、赤色フィルタR2と緑色フィルタG2の重畳部の断面を示している。
図6の従来のカラーフィルタ基板の構成では、ガラス等の透明な第1基板110上に、ブラックマトリクス19を先に形成するため、ブラックマトリクス19の膜厚に相当する分だけ、赤色フィルタR2と緑色フィルタG2の重畳部の高さH2が高くなり、平坦性が悪くなる。
一方、本発明のカラーフィルタ基板に関わる図5の構成では、カラーフィルタ層CFの下地は平坦透過率調整層1であり、従来の構成の高さH2より、赤色フィルタRと緑色フィルタGの重畳部の高さH1は低くなり、平坦性が向上する。
前記の平坦性向上は、後工程の隔壁の形成にメリットがある。尚、図5では、重畳部の高さH1を、赤フィルタRと緑フィルタGなどカラーフィルタ層CFの膜厚より高くなる形で図示しているが、カラーフィルタ層の膜厚を薄膜化し、アライメント精度を上げることでほとんど重畳部の高さのないフラットな形状にすることができる。
図7は、本発明のカラーフィルタ基板104を表示装置120に適用したときの部分断面図であり、本発明のカラーフィルタ基板によって得られるひとつの効果を説明する図である。具体的には、上記の平坦性向上と、隔壁5の導入による効果を説明する図である。なお、カラーフィルタ基板104では、波長変換層の図示を省略している。
表示装置120は、表示機能層として薄膜トランジスタで駆動される発光素子30を備えるが、発光素子30は、LEDであっても有機ELであっても良い。また、表示機能層として薄膜トランジスタで駆動される液晶層をさらに加えた構成であっても良い。なお、表示機能層が液晶層の場合、表示装置120下部にバックライトユニットとしての光モジュールを具備する構成となる。
上記のように、カラーフィルタ層の重畳部は、カラーフィルタ層の膜厚を薄膜化し、アライメント精度を上げることでほとんど高さのないフラットな形状にできるため、透過率調整層1を下引きする本発明のカラーフィルタ基板の構成では、第1透明樹脂層21を省いた構成にすることができる。第1透明樹脂層21を省くことで、図7に示す配光角θ1を広げ、さらに明るい表示が可能となる。
図8は、従来のカラーフィルタ基板114を表示装置125に適用したときの部分断面図である。表示装置125も、薄膜トランジスタで駆動される発光素子30を備える。カラーフィルタ基板114は、ブラックマトリクス19上に赤色フィルタR2、緑色フィルタG2、青色フィルタB2を具備する。
図8に示すブラックマトリクス19は、図7の本発明に関わる表示装置120における隔壁5と発光素子30との距離に比較して、発光素子30との距離が大きく、ゆえに発光素子30からの出射光L11、L15が隣接画素に迷光として入射し、隣接画素への混色が発生する。加えて、発光素子30と画素開口部42を結ぶ配光角θ2は、表示装置120の配光角θ1より小さく暗い表示となる。
上記のように、本発明に関わる表示装置120での配光角θ1は大きく、従来例の表示装置125より明るい表示が可能となる。また、出射光L1、L2は隔壁5で遮光され、迷光によるコントラスト低下が起きにくいことが分かる。
[第1実施形態の変形例A]
図9は、本発明の第1実施形態のカラーフィルタ基板の変形例Aの部分断面図である。
第1実施形態との差異について説明する。変形例Aでは、隔壁5が光吸収性隔壁15と光反射性隔壁16との2層構成隔壁となっている点に差異がある。緑色蛍光体層3、赤色蛍光体層4は、第1実施形態と共通したものを適用できる。
光反射性隔壁16は、少なくとも一部が光反射性の金属膜10で覆われた樹脂壁2をその構成に含む。金属膜10をアルミニウム、アルミニウム合金、あるいは銀、銀合金などの光の反射率の高い金属膜とし、樹脂壁2の側壁に着膜しておくことで、発光素子の発光、波長変換層の2次光を有効に出射でき、明るい表示を得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタ基板を構成する各要素について述べる。
(透明基板)
本発明のカラーフィルタ基板に適用できる第1基板の材料としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、ポリイミドフィルムを含むプラスチック基板など、透明な基板を用いることができる。
なお、表示機能層、及び表示機能層を駆動する複数の薄膜トランジスタをマトリクス状に配設するアレイ基板とカラーフィルタ基板とを貼り合わせて表示装置を構成する場合には、アレイ基板及びカラーフィルタ基板の各々の基板材料は同じであることが好ましい。
特に、アレイ基板を構成する基板材料の熱膨張率と、カラーフィルタ基板を構成する基板材料の熱膨張率とが同じであることが望ましい。異なる基板材料をアレイ基板とカラーフィルタ基板に用いる場合、熱膨張率の観点から、基板の反りや剥がれなどの不具合が生じる恐れがある。
(透過率調整層)
近時、有機ELや液晶表示装置(ミニLED含む)において、高精細化の進捗にともない、開口率が低下し、ブラックマトリクスの面積が大きくなってきている。カーボンを高い比率で含有するブラックマトリクスの光の反射率は高く、視認性を低下させている。また、有機ELやマイクロLEDに用いる波長変換層の屈折率が高いことなどから、ディスプレイ表面近傍に反射率を低下させ得る透過率調整層を設けることが有効と考えられる。
加えて、波長変換層に用いる蛍光体や量子ドットの多くは、短い波長領域の光により2次光を励起しやすい。このことは、マイクロLEDなどのLEDディスプレイの画面に、太陽光など強い外光入射による、目的としない発光を生じ、視認性低下させる恐れがある。
外光による、波長変換層の目的としない発光を抑えるには、透過率調整層に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。また、透過率調整層に添加した紫外線吸収剤は、青色LEDの発光に紫外線が含まれる場合に、これを吸収し、観察者の目に入ることを防止する。
さらに、外光の再反射を避ける目的で、円偏光板をディスプレイ表面に貼付することが一般的に行われている。しかし、円偏光板は、厚みのある部材であると同時に、高価であることから これを省く構成が望まれている。また、波長変換層で生じる2次光は、波長や位相も含めて均一でない可能性あり、円偏光板の機能そのものが十分なものとならないことがある。
透過率調整層は、少なくともカーボンと、光学的に透明な微粒子と、樹脂とを含む分散体であることが好ましい。紫外線吸収剤や有機顔料を含んでも良い。
透過率調整層の可視光に対する透過率は、70%以上99.5%以下の範囲とすることが好ましい。透過率調整層をカーボンを少なくとも含有する樹脂分散体とする場合は、カーボンの樹脂分散体への添加量を調整することで、透過率調整層の膜厚は、例えば0.3μm以上1.5μm以下とすることができる。なお、透過率調整層は、目的とする透過率に設定すれば良いので、膜厚は上記に限定しなくとも良い。
透過率調整層の透過率は、低反射率を目的とする場合は、透明なガラス基板の透過率を100%とする可視光透過率で、例えば95%以上99.5%以下とすることが適切である。外光入射に伴う視認性低下を避ける目的では、例えば90%以上98%以下とすれば良い。
円偏光板を省く目的では、例えば70%以上97%以下の範囲から最適な透過率を選択すればよい。明るい表示を重視する場合、透過率調整層の透過率は90%以上99.5%以下としても良い。
透過率調整層に、カーボンではなく赤や緑、青などの有機顔料を含有させた場合、この透過率調整層と第1基板との界面の反射光が、顔料の種類に関わらず黄色に着色して見えることがある。これに対し、主な顔料成分としてカーボンを含有する透過率調整層は、反射光がほぼフラットであり、着色することは殆どない。
たとえば、主たる色材としてカーボンを用い、補助の色材として青色顔料を用いる場合の反射光は、ほぼフラットになり、黄色味を帯びることはない。なお、主たる色材とは、カーボンのほかに含有させる紫外線吸収剤や有機顔料などの色材の添加割合(例えば重量比)でカーボンが最も多いことを意味する。
反射光がフラットとは、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲において、例えば、50nmなどの小さいレンジで、透過率が2%以上の凹凸(変動)がなく、直線に近い透過率曲線が得られることを意味する。
換言すれば、400nmから700nmの可視域の範囲内を50nm単位で区分した場合、その50nm単位内での反射率変動(リップル)の大きさは1.0%以下にできる。また、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲において、界面での反射率は、0.01%以上1.0%以下の範囲内とすることができる。
なお、反射率変動(リップル)は、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲にて測定される反射率の、上記した50nm単位内での反射率分光カーブの山谷の差であるが、簡易的な評価として50nm単位内での反射率ピークの値を用いても良い。後者の簡易評価では、見かけ上、反射率変動の値は大きめの値となる。
ここでの反射率は、アルミニウム膜の反射率を基準(100%)として、透明基板及び透過率調整層を通して測定される反射率である。
光学的に等方な透明微粒子は、反射率変動抑制(リップルの抑制)の役割に重要となる。さらなる反射率変動抑制の効果と低反射率化の目的で、透明微粒子とともに微量のカーボンを樹脂に含有させた透過率調整層とすることは好ましい。
光学的に等方で、かつ可視域において透明な無機微粒子の代表として、二酸化ケイ素(シリカ)の微粒子が知られている。シリカの微粒子の平均粒子径は、例えば、5nmから300nmの範囲から選ぶことができる。可視域において透明であり、かつ粒径の異なる2種以上の無機微粒子を、カーボンとともに透過率調整層に分散させてもよい。シリカ微粒子の併用はカーボン単体では生じやすい2次粒子の生成を妨げ、カーボンの分散性を改善できる。
二酸化ケイ素の屈折率(例えば、1.46~1.47)は小さいため、二酸化ケイ素は透過率調整層1の屈折率を下げる効果を有する。低い屈折率を有する透過率調整層1は、透過率調整層1とカラーフィルタとの界面における光の反射を抑制し、視認性を向上できる効果を有する。
透過率調整層に対する上記微粒子の添加は、透過率調整層に光散乱を付与するためではない。表示装置に多く適用されている光散乱層が粒子を含有する場合、特許第3531615号公報の請求項1に記載されるように、平均粒子径が1μm以上3.0μm以下のミクロン単位の大きさの粒子を用いる必要がある。つまり、可視域光の波長より大きな粒子径を有する粒子を用いないと、光散乱層として適切な散乱性が得られない。
なお、本発明において、「透明微粒子」と「透明粒子」は区別して用いている。「透明微粒子」は平均粒子径が可視光の波長より小さいもので、たとえば上記したシリカ微粒子が挙げられる。「透明粒子」は平均粒子径が可視光の波長より大きいもので、例えば、平均粒径が1.0μm以上3.0μm以下の透明粒子を指す。「透明粒子」は後述する光散乱層の光散乱粒子、あるいは、赤色蛍光体や緑色蛍光体との分散補助剤に用いる。
透過率調整層に加えることのできる紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。紫外線吸収剤は、フェノール水酸基を持つことが好ましい。フェノール水酸基を持たせることにより、熱処理時にアルコキシメチル基やメチロール基などを有する化合物と架橋が可能となる。架橋させることで、硬膜後の長期保管で紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制し、信頼性を向上させることができる。紫外線吸収剤の添加量は、透過率調整層の全固形分に対して、例えば、0.05質量%以上10質量%以下とすることができる。
(カラーフィルタ層)
赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタBに代表されるカラーフィルタは、下記する有機顔料のアクリルなど樹脂への分散体で形成される。
本発明に適用できる赤色の有機顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色フィルタRには黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
緑色の有機顔料には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料やハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料を好適に用いることができる。
青色の有機顔料には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.PigmentViolet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
黄色の有機顔料には、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
これら有機顔料は、有機溶剤や分散剤とともに透明樹脂に分散して用いる。透明樹脂は、可視域の透過率が90%以上の透明樹脂であることが望ましく、樹脂の前駆体を含むアルカリ可溶性の感光性樹脂であることが望ましい。前記顔料は、樹脂に対し、15質量%から45質量%の範囲内で含有させることができる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。光の波長365nmなどの紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等がさらに添加される。
上述の透明樹脂を用いて、図7で説明したように、カラーフィルタ層(赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタB)上に、第1透明樹脂層21として積層することができる。第1透明樹脂層21は、カラーフィルタ層の平坦化をさらに改善し、第1透明樹脂層21上に均一な高さの光吸収性隔壁5を配設することに寄与する。上述の透明樹脂はまた、後述の第1実施形態のカラーフィルタ基板の変形例Bを具備する表示装置(図10)において、第3透明樹脂層23として光吸収性隔壁5の厚み方向の位置を調整し、発光素子30からの出射光の配光角を広げ、明るい表示とすることに寄与する。
(格子状の隔壁)
隔壁は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタの3色の画素で構成されるカラーフィルタ層上に格子状(マトリクス状)に形成される。隔壁は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタのそれぞれ画素としての開口部を構成する。隔壁は、光吸収性隔壁(図1、図10の符号5、及び図9、図11、図12の符号15)と、さらに2層構成とする場合の光反射性隔壁(図9、図11、図12の符号16)がある。
光吸収性隔壁に適用できる材料は、遮光性を有するカーボンを主たる色材として樹脂に分散させた、光吸収性の、アルカリに可溶な感光性レジストを用いることが簡便である。カーボンは、カーボンブラックとも呼称される。カーボン以外に含む材料(アルカリ可溶
性の感光性レジスト)としては、カラーフィルタの材料と共通する部分が多い。光吸収性隔壁の形成に用いる感光性の樹脂材料は、カラーフィルタに用いる樹脂材料を適用できる。
光吸収隔壁の膜厚(高さ)H10は、例えば、2μm以上50μm以下の範囲内で形成することが好ましい。本発明のカラーフィルタ基板を具備する表示装置としたとき カラーフィルタ層上に配設される隔壁の厚み方向の位置は発光素子に近く、従来構成のカラーフィルタ基板と比較して、迷光によるコントラスト低下を避けることができる。
光吸収性隔壁のパターン形状は、平面視、複数の矩形の開口部を持つ格子状のパターンであることが望ましい。矩形は、正方形状、長方形状を含む。個々の発光素子の駆動や、ローカルディミング駆動では、迷光が隣接画素に入りにくい、格子状の隔壁形状が良い。
換言すれば、それぞれ矩形の開口部は隔壁で区分される。なお、カラーフィルタは、同一色が一方向に並ぶストライプのパターンであることが好ましい。カラーレジストの塗布がそのストライプ方向である方が、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタのそれぞれ平坦性向上に向いており、後の隔壁形成に都合が良い。
隔壁は、図9のように、光吸収性隔壁15と光反射性隔壁16の2層の積層構成とすることができる。2層構成隔壁は、観察者の視認側(透明基板側)を光吸収性隔壁とし、発光ダイオード素子(青色LED)側を光反射性隔壁とする。2層構成での高さも単層の場合と同様、2μm以上50μm以下の範囲内とすることが好ましい。
光反射性隔壁の少なくとも側壁は、アルミニウムや銀などの光反射性の金属膜で覆われる。光反射性の金属膜上に、透明樹脂や透明無機膜の保護層を形成しても良い。
(波長変換層)
発光素子が、例えば、430nmから460nmの範囲内の青色発光LEDである場合、フルカラー表示のための緑色と赤色の光を得るために、青色光を1次励起光として緑色蛍光体及び赤色蛍光体の発光を活用する。換言すれば、波長変換層を用いて青色以外の、緑色と赤色の光を2次発光として得るものである。
波長変換層には、量子ドットや有機蛍光色素を用いることもできるが、例えば平均粒径が1μm以上20μm以下の範囲内にある蛍光体を用いることが変換効率の観点で好ましい。10μmを超える大きめの蛍光体をカットし、平均粒径を1μm以上10μm以下とすることにより、蛍光体層の厚みを薄くできる。
波長変換層には緑色蛍光体と赤色蛍光体の混合層、あるいは緑色蛍光体層と赤色蛍光体層の2層の蛍光体積層構成を用いることができる。蛍光体層の厚み方向には、蛍光体が実質、2個以上5個以下積み重なることが良い。2個未満では、1次励起光から2次発光への変換が不十分となり、5個を超えると逆に変換効率が低下しやすい。
しかしながら、赤色蛍光体は、緑色蛍光体の2次励起光である緑色の光を吸収してしまい、全体として著しく発光効率が低下することがある。
発光効率低下を解消するために、光源である青色LEDの近い位置に赤色蛍光体層を配し、遠い位置に緑色蛍光体層を配置する構成が有効である。長波長の赤色光は、緑色蛍光体を励起しにくく、発光効率を低下させることが少ない。青色LEDの近い位置に赤色蛍光体層を配することで、発光効率低下を抑制することができる。
一般に、蛍光体や量子ドットは、透明樹脂への分散性は良くなく凝集しやすい。赤色蛍
光体層の中での赤色蛍光体の凝集、青色蛍光体層の中での青色蛍光体の凝集はそれぞれの蛍光体層での発光効率を低下させる。
これを避けるため、透明粒子をそれぞれ蛍光体と分散させることが好ましい。この透明粒子は、光の波長よりやや大きめの、例えば平均粒子径1μm以上3μm以下のアモルファスのシリカ粒子が好適である。特定の結晶構造を持たないシリカ粒子は、光の位相崩れを生じさせない。
青色LEDの近い位置に赤色蛍光体層を配し、遠い位置に緑色蛍光体層を配置する構成及びシリカ粒子を共分散させる構成は、さらに以下の複数の利点を持つ。
赤色蛍光体は、緑色蛍光体より屈折率が高く、緑色蛍光体層を視認側に持ってくる構成の方が低い反射率を得やすい。また、シリカ粒子はこれらの蛍光体より低屈折率であるので、シリカ粒子と蛍光体との分散は、低反射率の観点からも有効となる。
赤色蛍光体や緑色蛍光体は比重が高いため、単純な樹脂塗布液では、塗布時に蛍光体が沈降しやすい。シリカ粒子の共分散によって、分散を均一なものとすることができる。赤色蛍光体、緑色蛍光体、透明粒子などの透明樹脂への分散には、界面活性剤を添加することができる。母材となる透明樹脂は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など耐光・耐熱性ある透明樹脂が好ましい。
また、蛍光体の輝度には、粒径依存性がある。蛍光体の大粒径化は沈降速度を速くし、色度ばらつきの増加、及び歩留り低下を招く。
粒径の大きな蛍光体の沈降性を遅くするために表面に透光性微粒子の付着した透明微粒子付き蛍光体を形成することができる。透明微粒子は、蛍光体とは異なる材料からなり、その粒径も蛍光体よりも小なる粒子である。
透明微粒子としては、例えばシリカなどの可視光線及び紫外線に対して透過性の良い粒子を用いることができる。シリカなどの透明微粒子を表面改質(例えば、官能基を付着させる)することにより、硬化前の液状の樹脂に対して親媒性を高めることができる。この結果、沈降速度を遅くすることができる。
また、微粉末を付着すると、蛍光体粒子同士の結合は起きにくくなり、大粒径化による沈降を抑制できる。透明微粒子の平均粒径は、0.01μm~0.08μmの範囲内であることが望ましい。
平均粒径が0.08μmを超えると微粒子の表面積が小さくなり、樹脂との親媒性を高める効果が小さくなる。一方、透明微粒子の平均粒径が0.01μmを下回ると、微粒子同士が凝集しやすくなる。その結果、蛍光体の表面に付着させるための処理液として望ましい単分散のコロイド状態になりにくくなる。
なお、透明樹脂をシリコーン樹脂の100質量%とする場合、赤色蛍光体は、例えば、10質量%以上40質量%以下、シリカ粒子を5質量%以上15質量%以下の溶剤分散体とすることが好ましい。緑色蛍光体では、例えば、10質量%以上35質量%以下、シリカ粒子を5質量%以上15質量%以下の溶剤分散体とすることができる。微量の界面活性剤を併用しても良い。シリカ粒子など透明粒子を加えて分散することで、蛍光体の凝集や沈降を防いで変換効率を上げることができる。
上記のように、緑色蛍光体層および赤色蛍光体層は、それぞれ緑色蛍光体とシリカ粒子
、赤色蛍光体とシリカ粒子の樹脂分散体であることが好ましい。それぞれの組成比率、また、膜厚は、緑色の光、赤色の光、青色の光のそれぞれ出射光量に応じて調整する。
また、シリカ粒子など透明粒子の共分散により塗布液として安定性を向上でき、スリットコーターやカーテンコーターなど一般的な塗布装置にて生産性を高くできる。インクジェット塗布装置は高価で、生産性が低い。但し、それぞれ蛍光体の変換効率や、それぞれ蛍光体層の厚みなどの要因により、上記の添加割合や塗布液粘度等は調整される。
波長変換層に用いる緑色蛍光体としては、例えばYAl12:Ce3+、TbAl12:Ce3+、BaYSiAl12:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+、CaSc:Ce3+、BaSi12:Eu2+,β-SiAlON:Eu2+,SrGa:Eu2+,LaSiN:Ce3+,CaSi:Eu2+、LuAl12:Ce3+(LAG)、又はSrSi:Eu2+(BaMg)Al27:Eu2+,Mn2+、SrAl1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si:Eu2+、(BaMg)SiO:Eu2+、Y2SiO:Ce3+,Tb3+、Sr-Sr:Eu2+、(BaCaMg)(POCl:Eu2+、SrSi-2SrCl2:Eu2+、ZrSiO、MgAl1119:Ce3+,Tb3+、BaSiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+、(BaSr)SiO:Eu2+等が挙げられる。
緑色蛍光体は、発光スペクトルの半値幅が45nm以下である緑色蛍光体であり、より好ましくは発光スペクトルの半値幅が40nm以下である緑色蛍光体を用いる。このような緑色蛍光体を用いることで、ディスプレイのバックライトに用いる発光装置として、色再現性の高い発光装置とすることができる。また、表示装置の色度(特に、色度のy値)について、緑色蛍光体の添加量に応じて容易に所望の色度に近づけることができる。このような緑色蛍光体として、例えば、Ba及びSrから選択される1種以上の元素を含む第一元素と、MgとMnを含む第二元素と、を含む組成を有する、アルミン酸塩蛍光体が挙げられる。
また、赤色蛍光体としては、例えばCa-α-SiAlON:Eu2+,CaAlSiN:Eu2+,(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+,SrSi:Eu2+、Sr(Si,Al)(N,O):Eu2+、CaS:Eu2+、LaS:Eu3+、KSiF:Mn4+、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO5.5F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO6.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO6.25等が挙げられる。
赤色蛍光体は、発光スペクトルの半値幅が15nm以下である赤色蛍光体であり、より好ましくは発光スペクトルの半値幅が10nm以下である赤色蛍光体を用いる。このような赤色蛍光体を用いることで、液晶ディスプレイのバックライトに用いる発光装置として、色再現性の高い発光装置とすることができる。このような赤色蛍光体として、例えば、KSiF:Mn4+、K(Si,Ge)F:Mn4+、KTiF:Mn4+の赤色蛍光体が挙げられる。
液晶表示装置などのバックライトには、光源として、金属の筐体で個々パッケージ化された複数のLEDチップを配設することがある。これらLEDチップの発光部には、ある特定の表示装置の視野角に適した蛍光体や光散乱粒子とシリコーン樹脂からなる光散乱部を取り付け、パッケージ化されている。
しかしながら、このようにパッケージ化されたLEDチップをバックライトに配設する
構成では、LEDチップからの出射光が散乱された形となり、画素開口に具備されるカラーフィルタに出射光が届くまでに拡散されコントラストを低下させ、好ましくない。従って、ローカルディミングを適用するときに十分な効果を得にくくなる。しかしながら、ローカルディミング方式の表示装置において、上記したLEDチップをバックライトに配設する構成では、LEDチップからの出射光が散乱されているので、画素開口に具備されるカラーフィルタに出射光が届くまでにさらに拡散されるため、表示画像のコントラストを低下させ、好ましくない。
また、波長変換層は、樹脂の母材に緑色蛍光体や赤色蛍光体などを分散しているので、樹脂と蛍光体との屈折率差による光の散乱機能がある。
そこで、本願で提案するように、カラーフィルタ及び隔壁に最も近い位置に波長変換層を配設する構成とすることで、隣接画素への光漏れを少なくして、表示する画像のコントラストを高くできる。
後述の光散乱層についても同様で、画素開口に具備されるカラーフィルタに近い位置に光散乱層を配設することで、画像のボケを低くし表示品位を高くできる。
(光散乱層)
図1に示すように、本発明の第1実施形態であるカラーフィルタ基板の一実施形態であるカラーフィルタ基板101には、それぞれの隔壁5の間には光散乱層9が配設されている。
光散乱層9は、基本的には透明樹脂と透明粒子の分散体である。透明粒子には、前記したように、例えば平均粒径が1μm以上3.0μm以下の透明粒子を適用できる。透明粒子は、光学的に等方な透明粒子を用いることができる。
「光学的に等方」とは、本発明の実施形態に適用される透明粒子が、a軸、b軸、c軸が各々等しい結晶構造を有するか、もしくはアモルファスであって、光の伝播が結晶軸あるいは結晶構造に影響を受けず等方であることを意味する。
シリカ粒子は、非晶質(アモルファス)構造を有する。0樹脂ビーズ等の樹脂の粒子として、屈折率を含めて様々な性質を有する粒子が知られており、これらの粒子を合わせ用いることができる。アクリル、スチレン、ウレタン、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミンなどの樹脂の粒子を併用してもよい。
本発明のカラーフィルタ基板では、透過率調整層の透過率を、例えば70%以上97%以下の範囲とすることで、円偏光板を省く構成を提案することができる。このとき、透明粒子には光学的等方である必要性はなくなり、透明粒子の選択範囲を広げることができる。例えば、光散乱層9に添加できる透明粒子に、酸化亜鉛の粒子を用いることができる。
光散乱層に、さらに紫外線吸収剤を加えることができる。透過率調整層にて記載した紫外線吸収剤を適用できる。前記の酸化亜鉛の粒子は、光の波長400nm以降の長波長では透過率高く、また390nmより短波長の光を吸収するので光散乱層に好適に用いることができる。
[第2実施形態:表示装置]
図10は、本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Bのカラーフィルタ基板102を具備する表示装置301の部分断面図である。表示装置301は、第1実施形態の変形例Bのカラーフィルタ基板102と、光モジュール202と、を向かい合うよう、接着層25を介して貼り合わせた構造の表示装置である。
第1実施形態の変形例Bのカラーフィルタ基板102は、第1実施形態で示したカラーフィルタ基板101(図1)と少し差異がある。カラーフィルタ基板101の隔壁5間に配設された光散乱層9を、第3透明樹脂層23で代替している。この場合、緑色蛍光体層3及び赤色蛍光体層4が光散乱の役割を担う。第3透明樹脂層23には、耐熱・耐光性のあるアクリル樹脂等を用いることができる。
第3透明樹脂層23を除く他の構成は、カラーフィルタ基板101と差異はない。カラーフィルタ基板102は、例えば、広い視野角を要求しないHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の用途に向いている。
光モジュール202は、青色LEDである複数の発光素子30と、発光素子30を駆動する薄膜トランジスタを少なくとも具備している。図10では、薄膜トランジスタの図示を省いている。
発光素子30は、下部電極31を介して、それぞれ薄膜トランジスタと電気的に接続されている。下部電極31の周囲は、光反射性の金属膜を配しても良い。発光素子30の上部電極32は、コンタクトホール33を介して共通電極としての透明導電膜34と電気的に接続されている。コンタクトホール33には、仕事関数を調整する金属を充填しても良い。
発光素子30間には、隔壁を形成しても良い。あるいは、発光素子30間に透明樹脂や光の散乱層を配設しても良い。発光素子30の個数は、表示のための画素数より少なくても良い。発光素子30の複数個をまとめて、ローカルディミングの手法で駆動することもできる。
[第2実施形態の変形例A1]
図11は、本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Aのカラーフィルタ基板103(図9)を具備する表示装置A1(符号では302)の部分断面図である。カラーフィルタ基板103と光モジュール203とを向かい合うよう、接着層25を介して貼り合わせた構造の表示装置である。
光モジュール203は、青色LEDである複数の発光素子30と、発光素子30を駆動する薄膜トランジスタを少なくとも具備している。図11では、薄膜トランジスタの記載を省いている。発光素子30は、下部電極31を介して、それぞれ薄膜トランジスタと電気的に接続されている。下部電極31の周囲は、光反射性の金属膜を配しても良い。発光素子30の上部電極32は、コンタクトホール33を介して共通電極34としての透明導電膜と電気的に接続されている。
カラーフィルタ基板103の隔壁は、光吸収性隔壁15と光反射性隔壁16からなる2層構成隔壁であり、青色LEDからの青色光(1次光)、赤色蛍光体層4からの赤色光(2次光)、及び緑色色蛍光体層3からの緑色光(2次光)を有効に活用でき、かつ、表示装置としての視野角を広げる。
[第2実施形態の変形例A2]
図12は、本発明の第2実施形態に関わり、第1実施形態の変形例Aのカラーフィルタ基板103(図9)を具備する表示装置の変形例A2(符号では303)の部分断面図である。
表示装置303は、表示機能層として水平配向の液晶を用いた液晶表示装置である。液晶層63は、水平配向の液晶であり、液晶の駆動素子として複数の薄膜トランジスタを備えるアレイ基板304と、カラーフィルタ基板103とが貼り合わせられている。
表示装置303は、青色発光の発光素子30をマトリクス状に配設した光モジュール201を直下型のバックライトユニットとして備える。発光ダイオード素子30は、複数個の単位でまとめて駆動され、ローカルディミングの手法でコントラスト高い表示を行うことができる。なお、発光素子30は、表示を行う画素数より少なく配設できる。また、それぞれ発光素子30の間に隔壁を配設しても良い。
液晶層63は、画素電極61と共通電極62とのフリンジ電界で駆動される。画素電極61は、それぞれ、図示されていない薄膜トランジスタと電気的につながっている。
また、蛍光体や量子ドットによる発光は一般に非偏光である。このため表示装置の薄型化の観点から、視認側から見て蛍光体を含む波長変換層の視認側に接する位置にインセル偏光板を設置することが望ましい。図12において、カバーガラス、タッチパネル、配向膜、液晶層の厚みを確保するためのスペーサ、薄膜トランジスタ、また偏光板等の光制御素子や拡散板の記載は省略している。
なお、本発明のカラーフィルタ基板では、緑色蛍光体層、赤色蛍光体層、さらに形態によっては光散乱層をカラーフィルタ基板に組み込んでいるので、表示装置を構成したときに、表示装置内の反射電極からの外光の直接反射は大幅に低減され、円偏光板の必要性は低下する。加えて、緑色蛍光体層、赤色蛍光体層に用いる多くの蛍光体の結晶は、光学的に等方でない(a軸、b軸、c軸の長さが等しくない)ため、偏光崩れを起こしやすい。この観点からも円偏光板を設ける必要性はなくなる。
[2層構成隔壁の形成方法]
以下、図13、及びそれに続く図14を用いて、本発明のカラーフィルタ基板の一実施形態に関わる、光吸収性隔壁と光反射性隔壁とからなる2層構成隔壁の形成工程を、工程順に部分断面図で示す。
図13(a)では、透明基板100上に黒色感光性レジスト(例えば、アルカリ可溶性のネガ型レジスト)を用いて塗布、形成された黒色層11を示している。
黒色層11は周知のフォトリソグラフィの技術を用いて露光・現像・硬膜され、図13(b)に示される光吸収性隔壁15として、平面視、格子状のマトリクスパターンに形成される。このとき、光吸収性隔壁15の光学濃度は、1から3の範囲にあれば十分である。
光吸収性隔壁15の光学濃度は1以下であっても良い。なぜなら、後の工程で示されるように、光反射性隔壁を成す金属膜はその膜厚方向に遮光性の高いアルミニウム、銀、あるいは他元素を含むこれらの合金で形成するため、光吸収性隔壁15は低い光学濃度で形成してもよい。
換言すれば、平面視、光吸収性隔壁15の上部に配設される光反射性の金属膜の遮光性を活用して光吸収性隔壁15の膜厚は、例えば、0.3μm以上1μm以下、あるいは1.5μm未満と言った薄膜とすることができる。
図13(c)は、光吸収性隔壁15上にさらに第1感光性樹脂層6を積層した構成を示す。第1感光性樹脂層6には、黒色感光性レジストと同様、アルカリ可溶性のネガ型レジスト(黒色顔料を含まないもの)が適用できる。周知のフォトリソグラフィの技術を用いて露光・現像・硬膜され、図13(d)に示される樹脂壁2を形成する。
樹脂壁2の高さ(膜厚)は、たとえば、2μm以上50μm以下とすることができる。
次に図14(a)に示すように、樹脂壁2を覆う金属膜10を、真空成膜等の手段で着膜する。金属膜10には、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金などの光反射性の薄膜を適用できる。金属膜10は、以降の工程で光反射性の金属膜10としてパターン形成する。
金属膜10の膜厚は、例えば、0.1μmから0.3μmとすることができる。0.1μm以上の膜厚があれば十分な可視光の反射が得られる。光の反射率の観点からは、0.3μm以上の膜厚としても反射率の向上は得にくい。樹脂壁2の側面に着膜される金属膜10の膜厚は、図示のように樹脂壁2のトップに着膜される膜厚より薄く着膜される傾向にある。樹脂壁2の側面に着膜される金属膜10の膜厚を少なくとも0.1μm以上とすることが好ましい。
次に、図14(b)に示すように、金属膜10及び樹脂壁2を覆うネガ型の第2感光性樹脂層7を塗布、積層する。第2感光性樹脂層7は、周知のフォトリソグラフィの技術を用いて露光・現像・硬膜され図14(c)に示す樹脂保護層17として形成される。図14(b)に、現像し取り除かれるネガ型の第2感光性樹脂層7を現像除去部Dvとして示す。現像除去部Dvは、図14(c)では下地の金属膜10が表出し露出部Etとなる。
次に、樹脂保護層17をエッチングマスクとして金属膜10をウエットエッチングして、金属膜の露出部Etをエッチング除去し、図14(d)に示す樹脂保護層17を有する光反射性の金属膜とした。
図14(d)に示すように、ウエットエッチングによる簡便な方法、かつ熱的ダメージのない手法で 露出部Etを除去し、画素の開口部8が確保でき、本発明に関わる光吸収性隔壁15と光反射性隔壁16とからなる2層構成隔壁を配設することができる。
ウエットエッチングに用いるエッチャング液には、硝酸―酢酸系のエッチング液、塩化第2鉄を含むエッチング液、さらには、これらに硝酸セリウムアンモニウムやフッ化アンモニウム、有機スルホン酸等の酸化剤を加えたエッチング液や水酸化ナトリウムや水酸化カリウムといったアルカリ性のエッチング液を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって規定されている。
本発明のカラーフィルタ基板を具備した表示装置は、種々の応用が可能である。本発明の表示装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカードなどの電子デバイス等が挙げられる。本発明の各実施形態は、自由に組み合わせて用いることができる。本発明の表示装置が搭載された電子デバイスには、さらにアンテナを搭載して通信や非接触での受電給電を行うことが望ましい。
1 ・・・ 透過率調整層
CF、CF2 ・・・ カラーフィルタ層
2 ・・・ 樹脂壁
CCL ・・・ 波長変換層
3 ・・・ 緑色蛍光体層
4 ・・・ 赤色蛍光体層
5 ・・・ 格子状の光吸収性隔壁
6 ・・・ 第1感光性樹脂層
7 ・・・ 第2感光性樹脂層
8 ・・・ 開口部
9 ・・・ 光散乱層
10 ・・・ 光反射性の金属膜
11 ・・・ 黒色層
12 ・・・ 透明粒子
13 ・・・ 緑色蛍光体
14 ・・・ 赤色蛍光体
15 ・・・ 光吸収性隔壁
16 ・・・ 光反射性隔壁
17 ・・・ 樹脂保護層
19 ・・・ ブラックマトリクス
20 ・・・ 表示装置としたきの青色光の入射方向
21 ・・・ 第1透明樹脂層
22 ・・・ 第2透明樹脂層
23 ・・・ 第3透明樹脂層
24 ・・・ 第4透明樹脂層
25 ・・・ 接着層
30 ・・・ 発光素子
31 ・・・ 下部電極
32 ・・・ 上部電極
33 ・・・ コンタクトホール
34 ・・・ 共通電極
40、42 ・・・ 画素開口部
61 ・・・ 画素電極
62 ・・・ 共通電極
63 ・・・ 液晶層
100・・・ 第1基板
101、102、103、104 ・・・ カラーフィルタ基板
114 ・・・ 従来例のカラーフィルタ基板
120 ・・・ 表示装置
125 ・・・ 従来例の表示装置
200・・・ 第2基板
300・・・ 第3基板
201、202、203・・・ 光モジュール
301、302、303・・・表示装置
304、305、306・・・ アレイ基板
L1、L2、L3、L4、L5 ・・・出射光
L11,L12、L13、L14、L15 ・・・ 出射光
L51、L52、L61、L62、L71、L72 ・・・ 斜め光
θ1、θ2 ・・・ 配光角
R、R2 ・・・ 赤色フィルタ
G、G2 ・・・ 緑色フィルタ
B、B2 ・・・ 青色フィルタ
C1 ・・・ 隔壁の開口部の中心軸
C2 ・・・ 各色フィルタの中心軸
H1 ・・・ 本発明に関わる赤色フィルタと緑色フィルタとの重畳部の高さ
H2 ・・・ 従来のカラーフィルタでの赤色フィルタと緑色フィルタとの重畳部の高さH10 ・・・ 隔壁の高さ
Dv ・・・ 現像除去部
Et ・・・ 金属膜の露出部

Claims (11)

  1. 複数の発光ダイオード素子を光源とする表示装置用のカラーフィルタ基板であって、
    透明基板の一の面上に、透過率調整層と、カラーフィルタ層と、平面視で格子状の隔壁と、波長変換層と、をこの順に備え、
    前記カラーフィルタ層は、赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタと、が平面視で第一方向に一定のピッチで配設され、かつ、平面視で第二方向に平行に延伸するストライプパターンとして配設され、
    前記格子状の隔壁の開口部の中心軸は、前記赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタのそれぞれの中心軸と略一致しており、
    前記波長変換層は、緑色蛍光体層と赤色蛍光体層と、の蛍光体積層構成であり、
    前記蛍光体積層構成は、前記緑色蛍光体層が前記赤色蛍光体層よりも前記カラーフィルタ層に近い位置に配設される、
    ことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 前記隔壁は、カーボンを主たる色材として樹脂に分散させた光吸収性隔壁を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
  3. 前記隔壁は、カーボンを主たる色材として樹脂に分散させた光吸収性隔壁と、少なくとも一部が金属膜で覆われた樹脂壁を含む光反射性隔壁と、の2層構成である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ基板。
  4. 前記隔壁の前記開口部は、透明樹脂層で充填されている、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  5. 前記隔壁の前記開口部は、光散乱層で充填されている、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  6. 前記赤色蛍光体層が、少なくとも透明樹脂の母材に赤色蛍光体と透明粒子とを分散させた赤色蛍光体層である、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  7. 前記緑色蛍光体層が、少なくとも透明樹脂の母材に緑色蛍光体と透明粒子とを分散させた緑色蛍光体層である、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  8. 前記透過率調整層は、カーボン、透明微粒子、紫外線吸収剤のいずれかを含む、
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  9. 前記透過率調整層は、波長400nm以上700nm以下の範囲の光の透過率が、70%以上99.5%以下の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  10. 前記隔壁の厚み方向の高さが、前記透明基板の厚み方向において、2μm以上50μm以下の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板と、前記複数の発光ダイオード素子を具備する光モジュールと、を貼り合わせた表示装置であって、
    前記複数の発光ダイオード素子の発光ピーク波長が、430nm以上460nm以下の範
    囲にある、ことを特徴とする表示装置。
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