JP2021139755A - 測長装置、測長方法、およびプログラム - Google Patents

測長装置、測長方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の管の端部同士に周溶接が施されることにより構成される長尺管の各管の長さ(溶接部間の長さ)を長尺管の搬送中に測定する。【解決手段】 測長装置200は、時間的に隣り合う2つの検査中情報の取得のタイミングにより定まる期間の、長尺管P1の移動量に基づいて、周溶接部PW間の長さを導出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、測長装置、測長方法、およびプログラムに関し、特に、長尺管の長さを測定するために用いて好適なものである。
特許文献1に開示されているように、コイルドチュービングと称されるリールに巻き取られた管が知られている。コイルドチュービングは、例えば、洋上においてリールから巻き出され、海底油田や海底ガス田等の坑井に降下される。コイルドチュービングは、例えば、洋上のホスト設備と海底坑井とを繋ぐ制御ラインとして機能するアンビリカルケーブルを収容するアンビリカルチューブとして利用される。アンビリカルチューブは、電線、高圧油圧ホース、光ケーブル等を内部に含んでいる。
一つのリールに巻き取られるコイルドチュービングは、一般的に3000フィートを超えるような長尺の管であるため、コイルドチュービングとしては、複数の管の端部同士に周溶接を施して形成される長尺管が広く用いられる。
コイルドチュービングとして用いられる長尺管の製造設備は、一般的に、搬送装置と、溶接装置と、巻取装置とを有する。搬送装置は、管を長手方向に搬送する。溶接装置は、前記搬送装置に沿って配置され、前記搬送装置で搬送される複数の管の端部同士に周溶接を施して長尺管を形成する。巻取装置は、前記搬送装置の終端側に配置され、前記搬送装置で搬送される前記長尺管をリールに巻き取る。
そこで、長尺管の長さが所望の長さであるか否かを、長尺管がリールに巻き取られる前に、長尺管を搬送しながら正確に測定する技術が望まれる。製造ラインにおいて製品を搬送しながら製品の長さを測定する技術として特許文献2、3に記載の技術がある。
特許文献2には、搬送中の被測定体が第1在荷センサから第2在荷センサまでが移動する間に被測定体の長さを測長ロールの回転数に基づいて導出することが記載されている。
特許文献3には、継目無鋼管の一方の管端が検出されると、ランダムなタイミングで継目無鋼管の他方の管端を二次元的に撮像し、撮像した画像に対する画像処理の結果基づいて、継目無鋼管の他方の管端を認識し、継目無鋼管の一方の管端の位置と他方の管端の位置とから、継目無鋼管の長さを導出することが記載されている。
国際公開第2019/198733号 特開2014−202529号公報 特開平6−201330号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載の技術を長尺管の長さの測定に適用する場合、長尺管の一端部から他端部までの長さしか測定することができない。従って、複数の管の端部同士に周溶接が施されることにより構成される長尺管の各管の長さ(溶接部間の長さ)を長尺管の搬送中に測定することができない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の管の端部同士に周溶接が施されることにより構成される長尺管の各管の長さ(溶接部間の長さ)を長尺管の搬送中に測定することができるようにすることを目的とする。
本発明の測長装置は、管を長手方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送された2つの管の端部同士に周溶接を施して長尺管を形成する溶接装置と、前記搬送装置で搬送される前記長尺管をリールに巻き取る巻取装置と、前記溶接装置と前記巻取装置との間に配置され、前記長尺管の周溶接部を検査する検査装置と、を有する製造設備を用いて製造される前記長尺管の少なくとも一部分の長さを、前記長尺管の搬送中に測定する測長装置であって、前記長尺管の長さを導出する測長手段を有し、前記測長手段は、時間的に隣り合う関係の2つの測長タイミングにより定まる期間での前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の長手方向において隣り合う2つの前記周溶接部の一方から他方までの長さを導出する定常測長手段を有し、前記測長タイミングは、前記長尺管の周溶接部が前記検査装置による検査位置に位置してから、前記検査が終了して前記長尺管の搬送が開始されるまでの間の期間内の所定のタイミングであることを特徴とする。
本発明の測長方法は、管を長手方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送された2つの管の端部同士に周溶接を施して長尺管を形成する溶接装置と、前記搬送装置で搬送される前記長尺管をリールに巻き取る巻取装置と、前記溶接装置と前記巻取装置との間に配置され、前記長尺管の周溶接部を検査する検査装置と、を有する製造設備を用いて製造される前記長尺管の少なくとも一部分の長さを、前記長尺管の搬送中に測定する測長方法であって、前記長尺管の長さを導出する測長工程を有し、前記測長工程は、時間的に隣り合う関係の2つの測長タイミングにより定まる期間での前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の長手方向において隣り合う2つの前記周溶接部の一方から他方までの長さを導出する定常測長工程を有し、前記測長タイミングは、前記長尺管の周溶接部が前記検査装置による検査位置に位置してから、前記検査が終了して前記長尺管の搬送が開始されるまでの間の期間内の所定のタイミングであることを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記測長装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の管の端部同士に周溶接が施されることにより構成される長尺管の各管の長さ(溶接部間の長さ)を長尺管の搬送中に測定することができる。
長尺管の製造設備の概略構成の一例を示す図である。 測長装置の機能的な構成の一例を示す図である。 測長ロールを用いた長尺管の長さの測定方法の一例を説明する図である。 オフセット量の変更量を説明する図である。 管の端部が上流側通過センサを通過する様子の一例と、管の端部が下流側通過センサを通過する様子の一例を示す図である。 オフセット量の変更量を導出する際の測長装置の処理の一例を説明するフローチャートである。 測長分解能を更新する際の測長装置の処理の一例を説明するフローチャートである。 長尺管の長さを導出する際の測長装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
尚、長さ、位置、大きさ、間隔等、比較対象が同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で異なるもの(例えば、設計時に定められる公差の範囲内で異なるもの)も含むものとする。また、図中のX−Y−Z軸は、各図における向きの関係を示す。○の中に●が付されている記号は、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示す。紙面の奥側から手前側に向かう方向がZ軸の正の方向である。
<製造設備100>
図1は、本実施形態の測長装置および測長方法による測長対象の長尺管の製造設備100の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、製造設備100は、搬送装置1と、溶接装置2と、巻取装置3と、X線検査装置4と、測長ロール5と、通過センサ6と、を有する。また、製造設備100は、搬送装置1、溶接装置2、巻取装置3、およびX線検査装置4の動作を制御する制御装置10を有する。さらに、製造設備100は、複数の管Pが載置された搬入台20を有する。
本実施形態の管Pは、例えば、ステンレス鋼管である。溶接装置2によって管Pに周溶接が施されることによって形成される長尺管P1がアンビリカルチューブとして用いられる場合には、管Pは、好ましくは二相ステンレス鋼管とされる。管Pは、電縫管であっても、継目無管であってもよい。
搬送装置1は、管Pをその長手方向(X軸の正の方向)に一直線上に搬送する装置である。具体的には、本実施形態では、搬入台20に載置された複数の管Pが、搬送装置1に向けて管Pの長手方向に直交する方向(Y軸の正の方向)に順次搬入される。搬送装置1が、搬入された複数の管Pを管Pの長手方向に搬送する。尚、搬入台20は、所定の搬入機構(図示せず)を有し、制御装置10によって搬入機構が駆動されることで、複数の管Pが順次搬入される。
本実施形態の搬送装置1は、サイドクランプローラ11と、Vローラ12とを有する。
サイドクランプローラ11は、溶接装置2に対して管Pの搬送方向の上流側(X軸の負の方向側)において、管Pを水平方向に挟持するように配置されている。サイドクランプローラ11は、モータ等を駆動源として回転することで、管Pの長手方向に駆動力を付与する。
Vローラ12は、搬入台20から管Pが搬入される位置から巻取装置3までの間において、管P(長尺管P1を含む)の下方に配置されている。Vローラ12は、管Pを下方から支持し、管Pの長手方向への搬送に伴って回転する。
以上の構成により、溶接装置2によって周溶接が施される前の管P、および巻取装置3によってリール31に巻き取られる前の長尺管P1は、サイドクランプローラ11によって長手方向の駆動力を付与される。巻取装置3によってリール31に巻き取られた後の長尺管P1には、巻取装置3によって長手方向の駆動力が付与される。これにより、管Pおよび長尺管P1は、それぞれ自身の長手方向に搬送されることになる。
また、本実施形態の搬送装置1は、長尺管P1の搬送方向の最も下流側(X軸の正の方向側)の位置において、長尺管P1を挟持して案内するピンチローラ13を有する。
本実施形態のピンチローラ13は、ゴム等の弾性体から形成されており、長尺管P1を上下方向(Z軸の方向)に挟持するように配置されている。
尚、本実施形態では、搬送装置1として、駆動力を付与するサイドクランプローラ11と、駆動力を付与せずに従動するだけのVローラ12およびピンチローラ13とを有する構成を例示するが、本実施形態は、これに限るものではない。例えば、ピンチローラ13にモータ等の駆動源を接続し、ピンチローラ13に挟持された後の長尺管P1に対して、ピンチローラ13を回転させることによって、長手方向の駆動力を付与するように構成してもよい。この場合は、巻取装置3は、長尺管P1に対して長手方向の駆動力を付与する必要はなく、ピンチローラ13と巻取装置3との間の張力を維持するように回転させればよい。また、本実施形態の搬送装置としては、例えば、サイドクランプローラ11に代えて、長尺管P1の搬送方向の上流側から下流側に管Pを押すプッシャを採用する等、管Pを長手方向に搬送できる限りにおいて種々の構成を採用可能である。
溶接装置2は、搬送装置1に沿って配置されている。溶接装置2は、制御装置10によって駆動され、搬送装置1で搬送される複数の管Pの端部同士に周溶接を施して長尺管P1を形成する装置である。
本実施形態の溶接装置2は、周溶接機(円周溶接機)21と、周溶接機21を挟んで管Pの搬送方向(管Pの長手方向)に沿って配置された一対の把持装置22a、22bと、車輪23a〜23cとを有する。また、本実施形態の溶接装置2は、冷却装置(図示せず)も有してもよい。冷却装置の冷却方法としては、例えば強制空冷を例示できる。
溶接装置2は、搬送装置1に沿って移動可能とされている。すなわち、溶接装置2は、管Pの搬送方向(管Pの長手方向)に沿って移動可能とされている。具体的には、例えば、溶接装置2は、エアシリンダ等の駆動機器(図示せず)に取り付けられている。製造設備100の床面には、管Pの搬送方向に沿ってレール(図示せず)が設けられている。制御装置10によって、前記駆動機器を駆動することにより、溶接装置2の車輪23a〜23dがレール上で転動する。このように、溶接装置2は、搬送装置1(X軸方向)に沿って移動可能とされている。
制御装置10は、各管Pの端部が周溶接機21の配置位置に到着したタイミングで、搬送装置1および巻取装置3の動作を停止する。より具体的には、下流側の管P(長尺管P1)の端部が周溶接機21の配置位置に到着したタイミングで下流側の管Pを搬送していた巻取装置3(巻取装置3に巻き取られる前の場合は搬送装置1)の動作を停止する。その後、上流側の管Pの端部が下流側の管P(長尺管P1)の端部に接触したタイミングで上流側の管Pを搬送していた搬送装置1の動作を停止する。上流側の管Pの端部が下流側の管P(長尺管P1)の端部に接触したタイミングは、例えば、上流側の管Pを搬送する搬送装置1の電流値の変化で検知する。その後、各把持装置22a、22bを駆動する。これにより、各把持装置22a、22bが、各管Pの端部を把持する。すなわち、管Pの搬送方向の上流側に配置された把持装置22aで、搬送方向の上流側に位置する管Pの先端部Pfを把持する。搬送方向下流側に配置された把持装置22bで搬送方向の下流側に位置する管P(長尺管P1)の尾端部P1rを把持する。そして、各把持装置22a、22bは、各管Pの軸心が合致するように、各管Pの位置を調整する。次いで、制御装置10は、周溶接機21を駆動し、周溶接機21が、位置調整された各管Pの端部同士に周溶接を施す。最後に、制御装置10は、冷却装置を駆動し、冷却装置が、形成された周溶接部PWを冷却する。周溶接部PWの冷却が終了した後、制御装置10は、各把持装置22a、22bによる把持を解除し、搬送装置1および巻取装置3を駆動して、長尺管P1を搬送する。なお、冷却装置の駆動は、制御装置10によらずオペレータによる操作であってもよい。
巻取装置3は、搬送装置1に沿って、溶接装置2に対して管P(長尺管P1)の搬送方向の下流側に配置されている。巻取装置3は、制御装置10によって駆動され、搬送装置1で搬送される長尺管P1をリール31に巻き取る装置である。
具体的には、本実施形態の巻取装置3は、リール31をその中心軸周りに回転させる回転機構(図示せず)と、中心軸方向(Y軸の方向)にリール31を往復移動させる移動機構(図示せず)とを有する。巻取装置3は、回転機構によってリール31を回転させると共に、移動機構によってリール31を移動させることで、長尺管P1をリール31の外表面上に巻き取る。
X線検査装置4は、搬送装置1に沿って、溶接装置2と巻取装置3との間に配置される。X線検査装置4は、制御装置10によって駆動され、長尺管P1の周溶接部PWを検査する装置である。
制御装置10は、溶接装置2によって形成された長尺管P1の周溶接部PWがX線検査装置4の配置位置(具体的には、X線検査装置4が有するX線源によってX線が照射される位置)に到着したタイミングで、搬送装置1および巻取装置3の動作を停止する。これにより、長尺管P1を停止させる。そして、制御装置10は、X線検査装置4を駆動する。
X線検査装置4は、X線検査装置本体41と、X線検査装置本体41の入側および出側の開口部近傍に取り付けられたX線漏洩抑制機構42と、車輪43a〜43bとを有する。X線検査装置本体41は、長尺管P1がX線検査装置本体41の入側(長尺管P1の搬送方向の上流側)および出側(長尺管P1の搬送方向の下流側)の開口部から外部に突出した状態で長尺管P1の周溶接部PWを検査する。X線漏洩抑制機構42は、X線検査装置本体41によって長尺管P1の周溶接部PWが検査されている最中に、X線検査装置本体41の入側および出側の開口部から外部へのX線の漏洩を抑制する。
X線検査装置本体41は、筐体41aと、筐体41aの入側および出側にそれぞれ設けられ、筐体41aと連通する一対のスリーブ41bと、筐体41a内に配置されたX線検査機41cとを有する。X線検査装置本体41は、長尺管P1が筐体41a内に配置されたX線検査機41cおよび各スリーブ41bに挿通された状態で、X線検査機41cによって長尺管P1の周溶接部PWを検査する。
X線検査機41cは、回転機構部(図示せず)と、X線源(図示せず)と、X線画像検出器(図示せず)と、画像処理装置(図示せず)とを有する。
X線源は、回転機構部に取り付けられ、回転機構部が回転することにより、長尺管P1の周方向(すなわち長尺管P1の中心軸周り)に回転する。
X線画像検出器は、長尺管P1を挟んでX線源に対向する位置に配置され、X線源から照射されて長尺管P1を透過したX線を検出して画像化する装置である。X線画像検出器も回転機構部に取り付けられ、回転機構部が回転することにより、X線源と一体的に長尺管P1の周方向に回転する。回転機構部の回転の際、X線源とX線画像検出器は、互いの間に長尺管P1を挟んで対向する状態を維持する。
画像処理装置は、X線画像検出器で撮像したX線画像に画像処理を施して、長尺管P1の周溶接部PWを検査する装置である。画像処理装置は、例えば、X線画像に対して画像処理を施すことで、画素濃度の大きい(明るい)画素領域を欠陥領域として抽出する。そして、画像処理装置は、抽出した欠陥領域の面積の大小を評価して、周溶接部PWの良否を判断する。
X線漏洩抑制機構42は、前述のように、X線検査装置本体41の入側および出側の開口部近傍に取り付けられている。具体的には、X線漏洩抑制機構42は、X線検査装置本体41が有する一対のスリーブ41bの略円形の開口部の近傍に取り付けられている。より具体的には、X線漏洩抑制機構42は、一対のスリーブ41bのうち、長尺管P1の搬送方向の上流側に設けられたスリーブ41bに対してはその上流側の開口部の近傍に取り付けられ、長尺管P1の搬送方向の下流側に設けられたスリーブ41bに対してはその下流側の開口部の近傍に取り付けられている。X線検査装置本体41の入側および出側に取り付けられた各X線漏洩抑制機構42は、同様の構成を有する。
X線漏洩抑制機構42は、径方向(長尺管P1の径方向)に開閉可能な複数の部材から構成された閉塞部材を有する。
閉塞部材が有する複数の部材が径方向に閉じた位置にあるとき、その内側に長尺管P1が挿通する略円形の開口部が形成される。
制御装置10は、X線検査装置本体41によって長尺管P1の周溶接部PWが検査される際(すなわち、X線源からX線が照射される際)、閉塞部材を構成する複数の部材が径方向に閉じた位置となるようにX線漏洩抑制機構42を駆動する。このため、複数の部材が径方向に閉じた位置に到達した後に、X線検査装置本体41によって長尺管P1の周溶接部PWを検査すれば、X線検査装置本体41の開口部(スリーブ41bの開口部)から外部へのX線の漏洩を抑制することが可能である。
一方、制御装置10は、X線検査装置本体41による長尺管P1の周溶接部PWの検査が終了し(すなわち、X線源からのX線の照射が停止し)、搬送装置1によって長尺管P1を搬送する際に、X線漏洩抑制機構42を駆動する。これにより、閉塞部材を構成する複数の部材が径方向に開いた位置となる。複数の部材が径方向に開いた位置にあるとき、閉塞部材は、長尺管P1の周溶接部PWに干渉しない位置となっている。このため、X線検査装置本体41でのX線検査が終了した後に、長尺管P1を搬送しても、長尺管P1の周溶接部PWが閉塞部材に干渉するおそれがなく、搬送に支障が生じない。
尚、本実施形態では、X線の漏洩をより一層抑制するため、図1に示すように、X線漏洩抑制機構42と同様の構成を有する一対のX線漏洩抑制機構42Aが筐体41a内に取り付けられている。
X線検査装置4は、溶接装置2とは独立に、管Pの搬送方向(管Pの長手方向)に沿って移動可能とされている。具体的には、例えば、X線検査装置4は、エアシリンダ等の駆動機器(図示せず)に取り付けられている。前述したように、製造設備100の床面には、管Pの搬送方向に沿ってレール(図示せず)が設けられている。制御装置10によって、前記駆動機器を駆動することにより、X線検査装置4の車輪43a〜43dがレール上で転動する。このように、X線検査装置4は、搬送装置1(X軸方向)に沿って移動可能とされている。
以上に説明したX線検査装置4によって長尺管P1の周溶接部PWが検査され、周溶接部PWが正常であると判断された場合、制御装置10が搬送装置1および巻取装置3を駆動する。これにより、長尺管P1は搬送され、リール31に巻き取られる。
一方、X線検査装置4によって長尺管P1の周溶接部PWが不良であると判断された場合、以下の(a)〜(c)に示す手順を実行する。
(a)不良であると判断された周溶接部を切断して除去する。
(b)切断箇所に再び周溶接を施す。
(c)長尺管の再び形成された周溶接部を検査する。
尚、搬送装置1、溶接装置2、巻取装置3、およびX線検査装置4は、特許文献1等に記載されているように公知の技術で実現することができ、本実施形態でも、特許文献1等に記載されているものを採用することができる。ただし、製造設備は、長尺管Pの搬送方向の下流側に向けて、溶接装置2、X線検査装置4、および巻取装置3がこの順に配置される製造設備であって、管Pおよび長尺管P1を搬送する搬送装置1を有する製造設備であればよい。
測長ロール5は、X線検査装置4と巻取装置3との間に配置される。測長ロール5は、X線検査装置4から搬送されている長尺管P1に接触し、長尺管P1の搬送に伴って回転する。長尺管P1が搬送方向の下流側(X軸の正の方向側)に搬送されている場合、測長ロール5は、図1の紙面に向かって時計回りの方向に回転する。長尺管P1が搬送方向の上流側(X軸の負の方向側)に搬送されている場合、測長ロール5は、図1の紙面に向かって反時計回りの方向に回転する。
測長ロール5の回転軸には、測長ロール5の回転に伴いパルス信号を発生するロータリーエンコーダが取り付けられている。
本実施形態では、X線検査装置4の車輪43aの回転軸にも、車輪43aの回転に伴いパルス信号を発生するロータリーエンコーダが取り付けられている。
尚、ロータリーエンコーダは、回転体の回転を電気信号であるパルス信号に変換する機能を有していれば、どのようなものであってもよい。
通過センサ6は、搬送中の管Pの端部の通過を検出するセンサである。図1では、溶接装置2よりも上流側に通過センサ6が配置される場合を例示する。通過センサ6は、上流側通過センサ61と、下流側通過センサ62とを有する。
上流側通過センサ61、下流側通過センサ62は、それぞれ、送信機(投光器)61a、62aおよび受信機(受光器)61b、62bを有する。送信機61a、62aおよび受信機61b、62bは、管Pを間に挟んで正対する位置に配置される。送信機61a、62aは、受信機61b、62bに向けて信号を送信する。信号は、例えば、光信号または赤外線信号等の電波信号である。
受信機61b、62bは、送信機61a、62aから送信された信号を受信する。受信機61b、62bが、送信機61a、62aから送信された信号を受信しない場合、送信機61a、62aと受信機61b、62bとの間に管Pが存在することになる。一方、受信機61b、62bが、送信機61a、62aから送信された信号を受信している場合、送信機61a、62aと受信機61b、62bとの間に管Pが存在していないことになる。
例えば、受信機61b、62bが、送信機61a、62aから送信された信号を受信していない状態から受信した状態に変化するタイミングが、上流側通過センサ61、下流側通過センサ62を管Pの尾端部が通過するタイミングになる。
尚、図1では、溶接装置2よりも上流側に通過センサ6が配置される場合を例示する。しかしながら、搬送装置1により搬送されている管Pまたは長尺管P1の端部の通過を検出することができる位置であれば、通過センサ6は、どの位置に配置されていてもよい。例えば、X線検査装置4と巻取装置3との間に通過センサ6が配置されていてもよい。
<測長装置200>
測長装置200は、以上のような製造設備100で製造される長尺管P1の少なくとも一部分の長さを、長尺管P1の搬送中(長尺管P1が巻取装置3で巻き取られる前)に測定する装置である。図1において、測長装置200に向かう実線の矢印線は、電気信号の入力を示す。測長装置200に向かう破線の矢印線は、電気信号の入力またはオペレータによる手動入力を示す。
図2は、測長装置200の機能的な構成の一例を示す図である。測長装置200のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のハードウェアを有する情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。以下に、本実施形態の測長装置200が有する機能の一例を説明する。
[測長開始判定部211]
測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定する。図3は、測長ロール5を用いた長尺管P1の長さの測定方法の一例を説明する図である。図3(a)は、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達した状態の一例を示す図である。測長ロール5の測長基準位置は、測長ロール5のX軸方向(長尺管P1の搬送方向)の基準位置である。図3(a)〜図3(e)では、測長ロール5の測長基準位置が、測長ロール5の回転軸のX軸方向の位置である場合を例示する。
図3(a)では、長尺管P1の始端部PSの基端(長尺管P1の本体側の端)のX軸方向の位置が、測長ロール5の測長基準位置である場合に、測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定する場合を例示する。ただし、必ずしもこのようにする必要はない。測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSのその他の所定の箇所(例えば、重心または先端(長尺管P1の本体側とは反対側の端))のX軸方向の位置が、測長ロール5の測長基準位置である場合に、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定してもよい。
尚、長尺管P1の始端部PSは、例えば、特許文献1に記載されているように、継手である。継手は、例えば、長尺管P1に水圧試験を施す際、水圧試験用の水を供給する配管と接続(螺合)され、高圧下でもシール性能を維持可能な公知の構造を有する。始端部PSである継手の一端部と、長尺管P1の本体を構成する先頭の管Pの一端部に対して、溶接装置2により周溶接が施され、周溶接部PWが形成される。また、始端部PSはなくてもよい。この場合、先頭の管Pの始端部が、長尺管P1の始端部になる。
長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定する方法の例を説明する。
まず、オペレータは、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングで、搬送装置1および巻取装置3の駆動を停止させる。その後、オペレータは、測長装置200のユーザインターフェースを操作して、長尺管P1の始端部PSが測長ロール5の測長基準位置に到達したことを示す情報を、測長装置200に入力する。その後、オペレータは、搬送装置1および巻取装置3の駆動を再開させる。この場合、測長開始判定部211は、このような操作に基づいて、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定することができる。
また、測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSの位置を検出するセンサから出力される信号に基づいて、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定することができる。
[測長用信号取得部212]
測長用信号取得部212は、測長ロール5の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号を、測長用信号として、所定のサンプリング周期で繰り返し受信する。
[始端部固定判定部213]
始端部固定判定部213は、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたか否かを判定する。図3(b)は、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定された状態の一例を示す。図3(b)では、表記の都合上、長尺管P1の始端部PSが、リール31の側面の内側にある状態を示す。しかしながら、リール31において長尺管P1の始端部PSが固定される位置は、リール31の側面の内側の位置に限定されない。例えば、特許文献1に記載のように、長尺管P1の始端部PSは、リール31の外側面に固定されてもよい。
長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたか否かを判定する方法の例を説明する。
まず、オペレータは、巻取装置3による動作を停止させ、長尺管P1の始端部PSを、リール31の所定の位置に、固定治具を用いて固定する。その後、オペレータは、測長装置200のユーザインターフェースを操作して、長尺管P1の始端部PSをリール31の所定の位置にしたことを示す情報を、測長装置200に入力する。その後、オペレータは、搬送装置1および巻取装置3の駆動を再開させる。この場合、始端部固定判定部213は、このような操作に基づいて、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたと判定することができる。
また、始端部固定判定部213は、リール31の所定の位置における長尺管P1の始端部PSの装着を検出するセンサから出力される信号に基づいて、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたか否かを判定することができる。
[検査情報取得部214]
検査情報取得部214は、X線検査装置4(X線検査装置本体41)による検査位置に長尺管P1の周溶接部PWが位置していることを示す情報を取得する。以下の説明では、この情報を、必要に応じて、検査中情報と称する。
前述したように、長尺管P1の周溶接部PWが検査される際には、長尺管P1の周溶接部PWは、X線検査装置4の配置位置(X線検査装置4が有するX線源によってX線が照射される位置)に位置する。この場合、X線源によってX線が照射される位置が、X線検査装置4による検査位置である。なお、X線が照射される位置は、例えば、長尺管P1に向けてレーザビームを照射するレーザポインタとそれを監視するカメラを用いることで、正確に把握することができる。
また、周溶接部PWが正常である場合、X線検査装置4による長尺管P1の周溶接部PWの検査が終了すると、搬送装置1および巻取装置3が駆動する。
検査情報取得部214は、長尺管P1の周溶接部PWが、X線検査装置4の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)に位置してから、搬送装置1および巻取装置3が駆動するまでの間の期間内の所定のタイミングにおいて、検査中情報を取得する。
後述するように、本実施形態では、このタイミングに基づいて、長尺管P1の長さの測定が行われる。このタイミングであれば、周溶接部PWを直接的に検出しなくても、周溶接部PWの位置が、X線検査装置4の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)であることが分かる。従って、長尺管P1の周溶接部PWがX線検査装置4の配置位置に位置する度に、測長ロール5の回転量に基づいて長尺管P1の移動量を導出すれば、長尺管P1の長手方向において隣り合う2つの周溶接部PWの一方から他方までの長さを導出することができる。本実施形態では、検査情報取得部214により検査中情報が取得されるタイミングが、測長タイミングの一例である。
検査中情報の取得方法の例を説明する。
まず、オペレータは、X線源からX線を照射することを指示した後、測長装置200のユーザインターフェースを操作して、X線検査装置4によって長尺管P1の周溶接部PWが検査されたことを示す情報を、測長装置200に入力する。その後、X線検査装置4による検査が終了すると、オペレータは、搬送装置1および巻取装置3の駆動を再開させる。この場合、検査情報取得部214は、このような操作により、検査中情報を取得する。
また、X線検査装置4は、X線源からX線を照射することをオペレータが指示したタイミングで検査中情報を生成して測長装置200に送信することができる。
また、周溶接部PWが不良である場合、前述した(a)〜(c)に示す手順で、周溶接部PWの除去と、周溶接部PWの再形成と、周溶接部PWの再検査とが実施される。この場合、検査情報取得部214は、測長の取り消しを示す測長取消情報を取得する。
測長取消情報の取得方法の例を説明する。
オペレータは、周溶接部PWが不良であることを認識すると、測長装置200のユーザインターフェースを操作して、測長の取り消しを示す情報を、測長装置200に入力する。この場合、検査情報取得部214は、このような操作により、測長取消情報を取得する。
また、X線検査装置4は、周溶接部PWが不良であることを判定したタイミングで測長取消情報を生成して測長装置200に送信することができる。
[測長終了判定部215]
測長終了判定部215は、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定する。図3(c)は、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達した状態の一例を示す図である。
図3(c)では、長尺管P1の尾端部PEの基端(長尺管P1の本体側の端)のX軸方向の位置が、測長ロール5の測長基準位置である場合に、測長終了判定部215は、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定する場合を例示する。ただし、必ずしもこのようにする必要はない。長尺管P1の尾端部PEのその他の所定の箇所(例えば、重心または先端(長尺管P1の本体側とは反対側の端))のX軸方向の位置が、測長ロール5の測長基準位置である場合に、測長終了判定部215は、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定してもよい。
尚、長尺管P1の尾端部PEは、例えば、特許文献1に記載されているように、継手である。尾端部PEである継手の一端部と、長尺管P1の本体を構成する先頭の管Pの一端部に対して、溶接装置2により周溶接が施され、周溶接部PWが形成される。尾端部PEである継手の一端部と、長尺管P1の本体を構成する先頭の管Pの一端部とに形成される周溶接部PWに対するX線検査装置4による検査は実施しても実施しなくてもよい。また、尾端部PEはなくてもよい。この場合、最後尾の管Pの尾端部が、長尺管P1の尾端部になる。
長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定する方法の例を説明する。
まず、オペレータは、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングで、巻取装置3による動作を停止させる。その後、オペレータは、測長装置200のユーザインターフェースを操作して、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達したことを示す情報を、測長装置200に入力する。その後、オペレータは、搬送装置1および巻取装置3の駆動を再開させる。この場合、測長開始判定部211は、このような操作に基づいて、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定することができる。
また、測長開始判定部211は、長尺管P1の尾端部PEの位置を検出するセンサから出力される信号に基づいて、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定することができる。
[検査装置移動判定部216]
前述したようにX線検査装置4は、搬送装置1(X軸方向)に沿って移動可能である。検査装置移動判定部216は、X線検査装置4が移動したか否かを判定する。前述したように、X線検査装置4の車輪43aの回転軸には、ロータリーエンコーダが取り付けられている。検査装置移動判定部216は、例えば、X線検査装置4の車輪43aの回転軸に取り付けられているロータリーエンコーダからのパルス信号の受信により、X線検査装置4が移動したと判定することができる。
[オフセット変更量導出部217]
オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)と、測長ロール5の測長基準位置とのX軸方向(長尺管P1の搬送方向)の距離の変更量を導出する。以下の説明では、この距離を、必要に応じて、オフセット量と称する。尚、管Pの搬送方向におけるX線検査装置4の初期の位置と、オフセット量の初期値は既知であるとする。
図4は、オフセット量の変更量を説明する図である。
図4(a)は、X線検査装置4の移動前の(前回の)オフセット量Xoff1の一例を示す図である。図4(b)は、X線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2の一例を示す図である。
オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4の移動が完了する度に、X線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2からX線検査装置4の移動前の(前回の)オフセット量Xoff1を減算した値(=Xoff2−Xoff1)をオフセット量の変更量ΔXoffとして導出する。オフセット変更量導出部217は、オフセット量の変更量ΔXoffを既に導出している場合、当該オフセット量の変更量ΔXoffの値を、新たに導出したオフセット量の変更量ΔXoffに変更する。このようにオフセット変更量導出部217は、オフセット量の変更量ΔXoffの最新の値のみを保持するものとする。
ここでは、オフセット量Xoffは、測長ロール5の測長基準位置を基準(原点)として、長尺管P1の搬送方向の上流側(X軸の負の方向側)にX線検査装置4がある場合に正の値を有するものとする。
長尺管P1の搬送方向(X軸方向)におけるX線検査装置4の配置位置は、例えば、以下のようにして特定される。
測長装置200は、ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量の初期値を予め記憶している。インクリメンタル方式のロータリーエンコーダでは、ロータリーエンコーダにおける計測値は、ロータリーエンコーダが出力するパルス信号(一対のA相およびB相のパルス信号)のカウント数であり、単位量は、例えば1である。アブソリュート方式のロータリーエンコーダでは、ロータリーエンコーダにおける計測値は、ロータリーエンコーダが出力するパルス信号に基づいて特定される回転角度であり、単位量は、例えば1°である。
また、移動量は、X線検査装置4の配置位置の移動量である。
以下の説明では、ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量を、必要に応じて、測長分解能と称する。尚、ロータリーエンコーダにおける計測値は、回転方向が区別されるものとする。例えば、ロータリーエンコーダが時計回りに回転しているときと反時計回りに回転しているときとで、ロータリーエンコーダにおける計測値の符号は、逆になる。ロータリーエンコーダ自体は公知の技術で実現することができるので、ここでは詳細な説明を省略する。
X線検査装置4が移動している期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値と、測長分解能との積が、当該期間でのX線検査装置4の移動量になる。X線検査装置4の移動前の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)と、X線検査装置4の移動量とに基づいて、X線検査装置4の移動後の(現在の)配置位置が導出される。
オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4の移動後の(現在の)配置位置と、測長ロール5の測長基準位置とのX軸方向(長尺管P1の搬送方向)の距離を、X線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2として導出する。
オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2からX線検査装置4の移動前の(前回の)オフセット量Xoff1を減算した値(=Xoff2−Xoff1)をオフセット量の変更量ΔXoffとして導出する。
[測長部218]
測長部218は、測長用信号取得部212により取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、長尺管P1の少なくとも一部分の長さを導出する。
まず、測長部218による長尺管P1の移動量の導出方法の一例を説明する。
図3(d)は、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定された後、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の始端部PSに最も近い周溶接部PWが、X線検査装置4の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)に位置した状態の一例を示す。尚、図3(b)に示す周溶接部PWは、長尺管P1の始端部PSである継手と管Pの端部との周溶接部PWであるため、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWではない。同様に、図3(c)に示す周溶接部PWは、長尺管P1の尾端部PEである継手と管Pの端部との周溶接部PWであるため、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWではない。
長尺管P1の長さは、例えば、以下のようにして特定される。
前述したように測長装置200は、ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量(測長分解能)を予め記憶している。ここでの移動量は、長尺管P1の移動量(測長ロール5の回転量)である。
測長ロール5により長尺管P1の移動量を測定している期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値と、測長分解能との積が、当該期間での長尺管P1の移動量になる。長尺管P1の移動量は、長尺管P1の移動量を測定している期間に測長ロール5を通過した長尺管P1の長さになる。
次に、測長部218が有する具体的な機能の一例を説明する。本実施形態では、測長部218は、始端側測長部218aと、定常測長部218bと、尾端側測長部218cとを有する。
[[始端側測長部218a]]
始端側測長部218aは、長尺管P1の始端部PSが測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングから、長尺管P1の始端部PSがリール31の所定の位置に固定されたタイミングまでの期間に取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該期間での長尺管P1の移動量を、当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離として導出する。図3(b)において、この距離は、長尺管P1の始端部PSから、測長ロール5の測長基準位置にある長尺管P1の部分までの長さになる。図3(b)において、この距離と、現在のオフセット量Xoffとを加算した長さは、長尺管P1の始端部PSから、X線検査装置4の配置位置にある長尺管P1の部分までの長さになる。
また、始端側測長部218aは、長尺管P1の始端部PSがリール31の所定の位置に固定されたタイミングから、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWに対する検査中情報が最初に取得されたタイミングまでの期間に取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該期間での長尺管P1の移動量を、当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離として導出する。
始端側測長部218aは、これら2つの期間において導出した、長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離の加算値を導出する。この加算値は、長尺管P1の始端部PSから、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の始端部PSに最も近い周溶接部PWまでの長さである。以下の説明では、長尺管P1の始端部PSから、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の始端部PSに最も近い周溶接部PWまでの長さを、必要に応じて、長尺管P1の始端部側の長さと称する。
図3(d)において、長尺管P1の始端部側の長さは、長尺管P1の始端部PSから、X線検査装置4の配置位置にある長尺管P1の部分までの長さである。
始端側測長部218aは、以上のようにして、長尺管P1の始端部側の長さを導出する。尚、本実施形態では、測長開始判定部211により、長尺管P1の始端部が測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定されたタイミングが、始端通過タイミングの一例である。
始端側測長部218aは、検査情報取得部214が測長取消情報を取得した場合、以上のようにして導出した、長尺管P1の始端部側の長さを削除する。その後、始端側測長部218aは、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWに対する検査中情報が新たに取得されたタイミングを用いて、前述したようにして、長尺管P1の始端部側の長さを導出し直す。
尚、ここでは、始端側測長部218aは、2つの期間に分けて、それぞれの期間での長尺管P1の移動量を導出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、始端側測長部218aは、これら2つの期間を1つの期間として、当該1つの期間での長尺管P1の移動量を導出してもよい。
[[定常測長部218b]]
定常測長部218bは、或る検査中情報が取得されたタイミングから、当該検査中情報の次に検査中情報が取得されたタイミングまでの期間に測長用信号取得部212により取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該期間での長尺管P1の移動量を導出する。
以下の説明では、以上の検査中情報が取得された2つのタイミングのうち先のタイミングを、必要に応じて、先の検査中情報が取得されたタイミングと称し、後のタイミングを、必要に応じて、後の検査中情報が取得されたタイミングと称する。
定常測長部218bは、先の検査中情報が取得されたタイミングから後の検査中情報が取得されたタイミングまでの期間での長尺管P1の移動量と、オフセット量の変更量ΔXoffとの加算値を、当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離として導出する。この距離は、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の長手方向において隣り合う2つの周溶接部PWの一方から他方までの長さである。オフセット量の変更量ΔXoffが0である場合、オフセット量の変更量ΔXoffの加算は不要である。以下の説明では、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の長手方向において隣り合う2つの周溶接部PWの一方から他方までの長さを、必要に応じて、周溶接部PW間の長さと称する。
図3(e)は、図3(d)に示す長尺管P1の周溶接部PWよりも尾端側に位置する周溶接部PWが、X線検査装置4の配置位置(X線源によってX線が照射される位置)に位置した状態を示す。
例えば、図3(e)に示す長尺管P1の周溶接部PWが、図3(d)に示す長尺管P1の周溶接部PWの次にX線検査装置4の配置位置に位置する周溶接部PWであるとする。この場合、定常測長部218は、これら2つの周溶接部PWに対する検査中情報が取得されたタイミングにより定まる期間での長尺管P1の移動量を、当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離として導出する。この距離は、図3(d)に示す長尺管P1の周溶接部PWから図3(e)に示す長尺管P1の周溶接部PWまでの長さになる。
定常測長部218bは、以上のようにして、周溶接部PW間の長さを導出する。
定常測長部218bは、検査情報取得部214が測長取消情報を取得した場合、以上のようにして導出した、周溶接部PW間の長さを削除する。その後、定常測長部218bは、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWに対する検査中情報が検査情報取得部214により新たに取得されたタイミングを、後の検査中情報が取得されたタイミングとして用いて、前述したようにして、周溶接部PW間の長さを導出する。
[[尾端側測長部218c]]
尾端側測長部218cは、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWに対する検査中情報が最後に取得されたタイミングから、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングまでの期間に取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該期間での長尺管P1の移動量を、当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離として導出する。この距離は、長尺管P1の尾端部PEから、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の尾端部PEに最も近い周溶接部PWまでの長さである。以下の説明では、長尺管P1の尾端部PEから、長尺管P1を構成する管P同士の周溶接部PWのうち、長尺管P1の尾端部PEに最も近い周溶接部PWまでの長さを、必要に応じて、長尺管P1の尾端部側の長さと称する。
例えば、図3(e)に示す長尺管P1の周溶接部PWが、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWのうち、図3(c)に示す長尺管P1の尾端部PEに最も近い周溶接部PWであるとする。この場合、長尺管P1の尾端部側の長さは、図3(e)に示す長尺管P1の周溶接部PWから図3(c)に示す長尺管P1の尾端部PEまでの長さになる。
尾端側測長部218cは、以上のようにして、長尺管P1の尾端部側の長さを導出する。尚、本実施形態では、測長終了判定部215により、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定されたタイミングが、尾端通過タイミングの一例である。
[出力部219]
出力部219は、測長部218により導出された長尺管P1の長さに関する情報を出力する。長尺管P1の長さに関する情報の出力の形態としては、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、測長装置200の外部または内部の記憶媒体への記憶、および外部装置への送信のうち、少なくとも1つを採用することができる。
前述したように、始端側測長部218aは、長尺管P1の始端部側の長さを導出する。定常測長部218bは、周溶接部PW間の長さを導出する。尾端側測長部218cは、長尺管P1の尾端部側の長さを導出する。出力部219は、これらの長さに関する情報を出力することができる。また、出力部219は、これらの長さの加算値を、長尺管P1の全長とし、長尺管P1の全長に関する情報を出力することができる。
[センサ通過判定部220]
センサ通過判定部220は、上流側通過センサ61から出力される信号に基づいて、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過したか否かを判定する。センサ通過判定部220は、下流側通過センサ62から出力される信号に基づいて、当該管Pの端部が下流側通過センサ62を通過したか否かを判定する。
図5は、管Pの尾端部が上流側通過センサ61を通過する様子の一例(図5(a))と、管Pの尾端部が下流側通過センサ62を通過する様子の一例(図5(b))を示す図である。図5において、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の、管Pの搬送方向(X軸方向)における距離XSは、既知である。以下の説明では、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の、管Pの搬送方向(X軸方向)における距離を、必要に応じて、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の距離と称する。
図5に示す例では、受信機61b、62bが、送信機61a、62aから送信された信号を受信していない状態から受信した状態に変化するタイミングが、管Pの尾端部が、上流側通過センサ61、下流側通過センサ62を通過するタイミングである。
従って、送信機61aから送信された信号を受信機61bが受信していない状態から受信した状態に変化するタイミングが、管Pの尾端部が上流側通過センサ61を通過するタイミングである。その後、送信機62aから送信された信号を受信機62bが受信していない状態から受信した状態に変化するタイミングが、管Pの尾端部が下流側通過センサ62を通過するタイミングである。尚、管Pの尾端部に代えて、管Pの先端部の通過を検出してもよい。
[更新部221]
更新部221は、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過したタイミングから、当該管Pの端部が下流側通過センサ62を通過したタイミングまでの期間に取得された測長用信号(パルス信号)と、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の距離XSとに基づいて、測長分解能を更新する。以下の説明では、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過したタイミングから、当該管Pの端部が下流側通過センサ62を通過したタイミングまでの期間を、必要に応じてセンサ通過期間と称する。
具体的に、更新部221は、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の距離XSを、センサ通過期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値で割った値を、測長分解能の更新値として導出する。更新部221は、測長分解能の更新値を既に導出している場合、既に導出している測長分解能の更新値を、新たに導出した測長分解能の更新値に変更する。このように、更新部221は、測長分解能の更新値の最新の値のみを保持するものとする。
測長部218は、更新部221により測長分解能の更新値が導出された場合、測長分解能の更新値を用いて、前述した処理を行う。このようにして測長分解能を更新することにより、X線検査装置4の車輪43a〜43dや、測長ロール5が摩耗しても、測長分解能を高精度の状態に維持することができる。
<フローチャート>
次に、図6〜図8のフローチャートを参照しながら、測長装置200による測長方法の一例を説明する。
図6は、オフセット量の変更量ΔXoffを導出する際の測長装置200の処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS601において、検査装置移動判定部216は、X線検査装置4が移動したか否かを判定する。この判定の結果、X線検査装置4が移動すると、ステップS602の処理が実行される。
ステップS602において、オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4が移動している期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値と、測長分解能との積を、当該期間でのX線検査装置4の移動量として導出する。
次に、ステップS603において、オフセット変更量導出部217は、X線検査装置4の移動前の配置位置と、ステップS602で導出したX線検査装置4の移動量とに基づいて、X線検査装置4の移動後の(現在の)配置位置を導出する。
次に、ステップS604において、オフセット変更量導出部217は、ステップS603で導出したX線検査装置4の移動後の(現在の)配置位置と、測長ロール5の測長基準位置とのX軸方向(長尺管P1の搬送方向)の距離を、X線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2として導出する。
次に、ステップS605において、オフセット変更量導出部217は、ステップS604で導出したX線検査装置4の移動後の(現在の)オフセット量Xoff2と、X線検査装置4の移動前の(前回の)オフセット量Xoff1とに基づいて、オフセット量の変更量ΔXoffを導出する。
以上のようにして図6のフローチャートの処理が実現される。
次に、図7のフローチャートを参照しながら、測長分解能を更新する際の測長装置200の処理の一例を説明する。
ステップS701において、センサ通過判定部220は、上流側通過センサ61から出力される信号に基づいて、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過したか否かを判定する。この判定の結果、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過した場合、ステップS702の処理が実行される。
ステップS702において、測長用信号取得部212は、測長ロール5の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号を、測長用信号として受信する。
次に、ステップS703において、センサ通過判定部220は、下流側通過センサ62から出力される信号に基づいて、管Pの端部が下流側通過センサ62を通過したか否かを判定する。この判定の結果、管Pの端部が下流側通過センサ62を通過していない場合、ステップS702の処理が実行される。従って、管Pの端部が上流側通過センサ61を通過してから下流側通過センサ62を通過するまでの期間、測長用信号(パルス信号)が繰り返し取得される。
ステップS703において、管Pの端部が下流側通過センサ62を通過したと判定されると、ステップS704の処理が実行される。
ステップS704において、更新部221は、ステップ702で取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該測長用信号が取得された期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値を導出する。更新部221は、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の距離XSを、センサ通過期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値で割った値を、測長分解能の更新値として導出する。
以上のようにして図7のフローチャートの処理が実現される。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、長尺管P1の長さを導出する際の測長装置200の処理の一例を説明する。図8のフローチャートにおいては、図7のフローチャートにより、測長分解能の更新値が導出されている場合、(最新の)測長分解能の更新値が用いられる。また、図6のフローチャートにより、オフセット量の変更量ΔXoffが導出されている場合、(最新の)オフセット量の変更量ΔXoffが用いられる。
ステップS801において、測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達するまで待機する。測長開始判定部211は、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達すると、ステップS802の処理が実行される。
ステップS802において、測長用信号取得部212は、測長ロール5の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号を、測長用信号として受信する。
次に、ステップS803において、始端部固定判定部213は、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたか否かを判定する。この判定の結果、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されていない場合、ステップS802の処理が実行される。従って、長尺管P1の始端部PSが、測長ロール5の測長基準位置に到達してから、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されるまでの期間、測長用信号(パルス信号)が繰り返し取得される。
ステップS803において、長尺管P1の始端部PSが、リール31の所定の位置に固定されたと判定されると、ステップS804の処理が実行される。
ステップS804において、始端側測長部218aは、ステップS801において長尺管P1の始端部PSが測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定されたタイミングから、ステップS803において長尺管P1の始端部PSがリール31の所定の位置に固定されたと判定されたタイミングまでの期間にステップ802において取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該測長用信号が取得された期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値を、当該期間での長尺管P1の移動量(当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離)として導出する。
次に、ステップS805において、検査情報取得部214は、検査中情報を取得したか否かを判定する。この判定の結果、検査中情報が取得されていない場合、ステップS806の処理が実行される。
ステップS806において、測長用信号取得部212は、測長ロール5の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号を、測長用信号として受信する。そして、ステップS805の処理が実行される。従って、ステップS804の処理の後、検査中情報が取得されるまでの期間、測長用信号(パルス信号)が繰り返し取得される。
ステップS805において、検査中情報が取得されたと判定されると、ステップS807の処理が実行される。
ステップS807において、始端側測長部218aは、ステップS804の処理の後、ステップS805において検査中情報が取得されたと判定されたタイミングまでの期間にステップ806において取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該測長用信号が取得された期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値を、当該期間での長尺管P1の移動量(当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離)として導出する。
そして、始端側測長部218aは、このようにした導出した、長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離と、ステップS804において導出した、長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離との加算値を、長尺管P1の始端部側の長さとして導出する。
次に、ステップS808において、検査情報取得部214は、測長取消情報(測長の取り消しを示す情報)を取得したか否かを判定する。この判定の結果、測長取消情報が取得された場合、ステップS809の処理が実行される。
ステップS809において、始端側測長部218aは、ステップS807で導出した長尺管P1の始端部側の長さを削除する。そして、ステップS806の処理が実行される。
ステップS808において測長取消情報を取得しなかったと判定されると、長尺管P1の始端部側の長さは、直近のステップS807で導出された長さで確定する。この場合、ステップS810の処理が実行される。
ステップS810において、測長用信号取得部212は、測長ロール5の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号を、測長用信号として受信する。
次に、ステップS811において、検査情報取得部214は、検査中情報を取得したか否かを判定する。この判定の結果、検査中情報が取得されていない場合、ステップS810の処理が実行される。従って、ステップS808において測長取消情報を取得しなかったと判定された後、検査中情報が取得されるまでの期間、測長用信号(パルス信号)が繰り返し取得される。
一方、ステップS811において、検査中情報を取得したと判定されると、ステップS812の処理が実行される。
ステップS812において、定常測長部218bは、ステップS808において測長取消情報を取得しなかったと判定された後、検査中情報が取得されるまでの期間にステップS810において取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該測長用信号が取得された期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値を、当該期間での長尺管P1の移動量(当該期間において長尺管P1が長手方向(X軸方向)に搬送された距離)として導出する。そして、定常測長部218bは、当該期間での長尺管P1の移動量と、オフセット量の変更量ΔXoffとの加算値を、周溶接部PW間の長さとして導出する。
次に、ステップS813において、検査情報取得部214は、測長取消情報を取得したか否かを判定する。この判定の結果、測長取消情報が取得された場合、ステップS814の処理が実行される。
ステップS814において、定常測長部218bは、ステップS812で導出した、周溶接部PW間の長さを削除する。そして、ステップS810の処理が実行される。
ステップS813において測長取消情報を取得しなかったと判定されると、周溶接部PW間の長さは、直近のステップS812で導出された長さで確定する。この場合、ステップS815の処理が実行される。
ステップS815において、測長終了判定部215は、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したか否かを判定する。この判定の結果、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達していない場合、ステップS810の処理が実行される。従って、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達するまで、ステップS810〜S814の処理が繰り返し実行される。すなわち、周溶接部PW間の長さが、長尺管P1の始端部PS側から順番に繰り返し導出される。
ステップS815において、長尺管P1の尾端部PEが、測長ロール5の測長基準位置に到達したと判定されると、ステップS816の処理が実行される。
ステップS816において、尾端側測長部218cは、直近のステップS811において検査中情報が取得されたタイミングから、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングまでの期間にステップS810において取得された測長用信号(パルス信号)に基づいて、当該測長用信号が取得された期間でのロータリーエンコーダにおける計測値の積算値を、長尺管P1の尾端部側の長さとして導出する。
以上のようにして図8のフローチャートの処理が実現される。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、測長装置200は、時間的に隣り合う2つの検査中情報の取得のタイミングにより定まる期間の、長尺管P1の移動量に基づいて、周溶接部PW間の長さを導出する。従って、複数の管Pの端部同士に周溶接が施されることにより構成される長尺管PWの各管Pの長さ(溶接部PW間の長さ)を長尺管P1の搬送中に測定することができる。また、周溶接部PWを直接的に検出する必要がないため、溶接部PW間の長さを、高精度に且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、長尺管P1の始端部PSが測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングから、当該タイミングの次に検査中情報が取得されたタイミングまでの期間における長尺管P1の移動量に基づいて、長尺管P1の始端部側の長さを導出する。従って、溶接部PW間の長さ以外の部分の長さとして、長尺管P1の始端部PS側の長さを、長尺管P1の搬送中に、高精度に且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、長尺管P1を構成する管Pの端部同士の周溶接部PWに対する検査中情報が最後に取得されたタイミングから、長尺管P1の尾端部PEが測長ロール5の測長基準位置に到達したタイミングまでの期間における長尺管P1の移動量に基づいて、長尺管P1の尾端部側の長さを導出する。従って、溶接部PW間の長さ以外の部分の長さとして、長尺管P1の尾端部PE側の長さを、長尺管P1の搬送中に、高精度且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、オフセット量の変更量ΔXoffを導出し、オフセット量の変更量ΔXoffと、長尺管P1の移動量とに基づいて、周溶接部PW間の長さを導出する。従って、X線検査装置4が移動する場合でも、長尺管P1の各部の長さを長尺管P1の搬送中に、高精度且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、測長ロール5の回転量に基づいて、長尺管P1の移動量を導出する。従って、長尺管P1の移動量を、高精度に且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量(測長分解能)と、測長期間でのロータリーエンコーダにおける計測値とに基づいて、長尺管P1の移動量を導出する。従って、長尺管P1の移動量を、より高精度に且つ容易に測定することができる。
また、本実施形態では、測長装置200は、センサ通過期間でのロータリーエンコーダにおける計測値と、上流側通過センサ61および下流側通過センサ62の距離XSとに基づいて、測長分解能を更新する。従って、測長分解能の精度を維持することができる。
<変形例>
本実施形態では、X線検査装置4が周溶接部PWの検査を行う場合を例示した。しかしながら、周溶接部PWの検査は、X線を用いるものに限定されない。例えば、周溶接部PWの検査は、超音波探傷試験により実現されてもよい。
本実施形態では、測長ロール5を用いて長尺管P1の移動量を測定する場合を例示した。しかしながら、長尺管P1の移動量の導出は、測長ロール5を用いるものに限定されない。例えば、製造設備100に既存のロールを測長ロールとして用いてもよい。
本実施形態では、測長分解能を用いて長尺管P1の移動量を導出する場合を例示した。しかしながら、測長分解能を明示的に用いずに長尺管P1の移動量を導出してもよい。例えば、ロータリーエンコーダの分解能(例えば、1回転当たりに発生するパルス数)と、測長ロール5およびX線検査装置4の車輪43aの外周長とに基づいて、長尺管P1の移動量を導出してもよい。また、測長ロール5およびロータリーエンコーダを用いずに、例えば、長尺管P1の搬送速度と、検査中情報が取得されたタイミングに基づいて定まる時間(本実施形態で説明した各種の期間)とに基づいて、長尺管P1の移動量を導出してもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1:搬送装置、2:溶接装置、3:巻取装置、4:X線検査装置、5:測長ロール、200:測長装置、218:測長部、218a:始端側測長部、218b:定常測長部、218c:尾端側測長部、217:オフセット変更量導出部、221:更新部

Claims (10)

  1. 管を長手方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送された2つの管の端部同士に周溶接を施して長尺管を形成する溶接装置と、前記搬送装置で搬送される前記長尺管をリールに巻き取る巻取装置と、前記溶接装置と前記巻取装置との間に配置され、前記長尺管の周溶接部を検査する検査装置と、を有する製造設備を用いて製造される前記長尺管の少なくとも一部分の長さを、前記長尺管の搬送中に測定する測長装置であって、
    前記長尺管の長さを導出する測長手段を有し、
    前記測長手段は、時間的に隣り合う関係の2つの測長タイミングにより定まる期間での前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の長手方向において隣り合う2つの前記周溶接部の一方から他方までの長さを導出する定常測長手段を有し、
    前記測長タイミングは、前記長尺管の周溶接部が前記検査装置による検査位置に位置してから、前記検査が終了して前記長尺管の搬送が開始されるまでの間の期間内の所定のタイミングであることを特徴とする測長装置。
  2. 前記測長手段は、前記検査装置よりも下流側の所定の位置を前記長尺管の始端部が通過したタイミングである始端通過タイミングから、前記始端通過タイミングの直後の前記測長タイミングまでの期間における前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の始端部から、前記2つの管の端部同士の周溶接部のうち、前記始端部に最も近い周溶接部までの長さを導出する始端側測長手段を有することを特徴とする請求項1に記載の測長装置。
  3. 前記測長手段は、前記検査装置よりも下流側の所定の位置を前記長尺管の尾端部が通過したタイミングである尾端通過タイミングの直前の前記測長タイミングから、前記尾端通過タイミングまでの期間における前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の尾端部から、前記2つの管の端部同士の周溶接部のうち、前記尾端部に最も近い周溶接部までの長さを導出する尾端側測長手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の測長装置。
  4. 前記製造設備は、前記長尺管の搬送に伴い回転する測長ロールを有し、
    前記所定の位置は、前記長尺管の搬送方向における前記測長ロールの位置であることを特徴とする請求項2または3に記載の測長装置。
  5. 前記長尺管の搬送方向における前記検査装置の検査位置の変更量であるオフセット変更量を導出するオフセット変更量導出手段を有し、
    前記定常測長手段は、時間的に隣り合う関係の2つの前記測長タイミングにより定まる期間での前記長尺管の移動量と、前記オフセット変更量とに基づいて、前記長尺管の長手方向において隣り合う2つの前記周溶接部の一方から他方までの長さを導出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の測長装置。
  6. 前記製造設備は、前記長尺管の搬送に伴って回転する測長ロールを有し、
    前記測長手段は、前記測長ロールの回転量に基づいて、前記長尺管の移動量を導出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の測長装置。
  7. 前記測長手段は、前記測長ロールの回転に伴って測長期間にロータリーエンコーダにおいて計測される計測値と、前記ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量とに基づいて、前記長尺管の移動量を導出することを特徴とする請求項6に記載の測長装置。
  8. 前記長尺管の搬送方向の長さが既知の所定の区間を前記長尺管または前記管の端部が通過する期間において前記ロータリーエンコーダにおいて計測される計測値と、前記所定の区間における前記搬送方向の長さとに基づいて、前記ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量を更新する更新手段を有し、
    前記測長手段は、前記測長ロールの回転に伴って測長期間に前記ロータリーエンコーダにおいて計測される計測値と、前記ロータリーエンコーダにおける計測値の単位量あたりの移動量の更新値とに基づいて、前記長尺管の移動量を導出することを特徴とする請求項7に記載の測長装置。
  9. 管を長手方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送された2つの管の端部同士に周溶接を施して長尺管を形成する溶接装置と、前記搬送装置で搬送される前記長尺管をリールに巻き取る巻取装置と、前記溶接装置と前記巻取装置との間に配置され、前記長尺管の周溶接部を検査する検査装置と、を有する製造設備を用いて製造される前記長尺管の少なくとも一部分の長さを、前記長尺管の搬送中に測定する測長方法であって、
    前記長尺管の長さを導出する測長工程を有し、
    前記測長工程は、時間的に隣り合う関係の2つの測長タイミングにより定まる期間での前記長尺管の移動量に基づいて、前記長尺管の長手方向において隣り合う2つの前記周溶接部の一方から他方までの長さを導出する定常測長工程を有し、
    前記測長タイミングは、前記長尺管の周溶接部が前記検査装置による検査位置に位置してから、前記検査が終了して前記長尺管の搬送が開始されるまでの間の期間内の所定のタイミングであることを特徴とする測長方法。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の測長装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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