JP2021139037A - フェロニッケルの製錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェロニッケルの製錬において、電気炉の還元度の変動を十分に抑制して、「ボイリング」の発生を防ぐこと。【解決手段】ニッケル酸化鉱石を、石炭とともに、加熱炉に投入し、該ニッケル酸化鉱石を部分還元して焼鉱を得る部分還元工程と、前記焼鉱を電気炉に投入し、該焼鉱を熔融還元してメタルとスラグとを生成させる熔融還元工程と、を含むフェロニッケルの製錬方法であって、前記加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定し、該水分率に応じて前記加熱炉への石炭の投入量を調整する、フェロニッケルの製錬方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル酸化鉱を原料とする鉄―ニッケル合金である、フェロニッケルの製錬方法に関する。
フェロニッケルは、鉄とニッケルを主成分とする合金であり、ステンレス鋼及び特殊鋼の原料として用いられている。フェロニッケルは、原料(ニッケル酸化鉱石)を還元剤(石炭)とともに加熱炉に投入して行われる部分還元処理と、更に部分還元処理済のニッケル酸化鉱石を電気炉で熔融還元することによりメタルとスラグに分離する工程を経る乾式製錬方法により製錬されることが一般的である(特許文献1参照)。
上記の乾式製錬方法によるフェロニッケルの製錬においては、電気炉における還元度がある一定レベルを超えて低下したときに、電極近傍で焼成電極(カーボンペーストの焼成が進んだ状態であり、ほぼ黒鉛の状態)が還元剤として消費されるようになることにより、電極近傍でCOガスの発生が顕著に発生することで生じる「ボイリング」と呼ばれる現象を抑制することが必須の要請である。
「ボイリング」が発生した場合、電極近傍でCOガスの発生が顕著になり、電気炉内のスラグ層の一部からスラグが巻き上げられ焼鉱が堆積されている層が崩れることによって、スラグが焼鉱層の表面まで湧き出てくるようになる。このような状態になると、電気炉の天井部にまで熔融状態にあるスラグの輻射熱が届くようになり、電気炉の炉蓋の損傷等を招く事態となる。
乾式製錬方法によるフェロニッケルの製錬における「ボイリング」の発生を抑制するためには、電気炉の還元度の変動を抑制する必要がある。このための手段の一つとして、フェロニッケルの製錬において、電気炉に投入する焼鉱を残留炭素によって区分けして処理する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、詳しくは、区分けされた投入物毎に、それぞれ電気炉内の異なる範囲、具体的には、複数の電極で囲まれている内側の範囲と当該範囲の外側の範囲とに、区分けされた焼鉱をそれぞれ振り分けて投入する方法である。
特開2018−16825号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている上記方法を適用した場合においても、尚、電気炉の還元度が許容範囲を超えて変動する事態も散見された。又、特許文献1に開示されている上記方法を実施するためには、焼鉱を電気炉に投入する前の上流側の工程において、予め、残留炭素量の異なる焼鉱を作り分ける必要がある。乾式製錬方法によるフェロニッケルの製錬において、電気炉の還元度の変動を抑制することは必須の要請ではあるが、このような処理を伴う方法は、全体工程の煩雑さを増し、電気炉の還元度は抑制できたとしても、プロセス全体としての生産性が、かえって低下してしまう場合も多かった。
本発明は、上記状況に鑑みて開発された新規なプロセスであり、フェロニッケルの製錬において、既存設備による製錬の生産性を低下させることなく電気炉の還元度の変動を十分に抑制することを目的とする。
本発明者らは、フェロニッケル製錬のプロセス全体を詳細に検討し、電気炉による熔融還元処理の上流側において行われている部分還元処理時に還元剤として原料鉱とともに加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定して、この水分率の測定結果に応じて石炭投入量を調整するプロセスとすることにより、フェロニッケル製錬のプロセスにおいて電気炉の還元度の変動を十分に抑制することができ、これにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、具体的には、以下のものを提供する。
(1) ニッケル酸化鉱石を、石炭とともに、加熱炉に投入し、該ニッケル酸化鉱石を部分還元して焼鉱を得る部分還元工程と、前記焼鉱を電気炉に投入し、該焼鉱を熔融還元してメタルとスラグとを生成させる熔融還元工程と、を含むフェロニッケルの製錬方法であって、前記加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定し、該水分率に応じて前記加熱炉への石炭の投入量を調整する、フェロニッケルの製錬方法。
(1)のフェロニッケルの製錬方法によれば、フェロニッケルの製錬において、既存設備による製錬の生産性を低下させることなく電気炉における還元度の変動を十分に抑制して、電気炉内の「ボイリング」の発生を防ぐことができる。
(2) 前記加熱炉への前記石炭の投入量を、前記水分率に応じて自動的に調整する、(1)に記載のフェロニッケルの製錬方法。
(2)のフェロニッケルの製錬方法によれば、(1)の発明の効果を享受しつつ、更に、省力化による生産性向上効果を享受することができる。
(3) 石炭の前記水分率を測定する測定装置として、赤外線式水分計を用いる、(1)又は(2)に記載のフェロニッケルの製錬方法。
(3)のフェロニッケルの製錬方法によれば、(1)又は(2)の発明において行われる石炭の水分率の測定精度を更に向上させることができる。
(4) 前記加熱炉への石炭搬送路がパイプコンベアであって、該パイプコンベアの搬送路の終端部近傍において、前記水分率を測定する、(1)から(3)の何れかに記載のフェロニッケルの製錬方法。
(4)のフェロニッケルの製錬によれば、(1)から(3)の何れかの発明における石炭の水分率の測定精度を更に向上させることができる。特に測定装置が赤外線式水分計等の光学系の測定機器である場合にその効果は顕著である。
(5) 石炭の前記水分率の測定に先行して、該石炭を粒度10mm径以下の粒が90%以上の状態となるように粉砕する、(1)から(4)の何れかに記載のフェロニッケルの製錬方法。
(5)のフェロニッケルの製錬方法によれば、(1)から(4)の何れかの発明における石炭の水分率の測定精度を更に向上させることができる。特に測定装置が赤外線式水分計等の光学系の測定機器である場合にその効果は顕著である。
(6) ニッケル酸化鉱石を、石炭とともに、加熱して、該ニッケル酸化鉱石を部分還元して焼鉱を得る部分還元工程を行う加熱炉と、前記焼鉱を熔融還元してメタルとスラグとを生成させる熔融還元工程を行う電気炉と、前記加熱炉への石炭搬送路であるパイプコンベアと、を備える、フェロニッケルの製錬設備であって、前記パイプコンベアの搬送路の終端部近傍には、前記加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定する3色式赤外線式水分計が設置されていて、該搬送路の3色式赤外線式水分計の上流側に、前記石炭を粉砕するクラッシャーが設置されている、フェロニッケルの製錬設備。
(6)のフェロニッケルの製錬設備によれば、フェロニッケルの製錬において、加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定し、当該水分率に応じて加熱炉への石炭の投入量を調整することによって、電気炉における還元度の変動を十分に抑制して、電気炉内の「ボイリング」の発生を防ぐことができる。
本発明によれば、フェロニッケルの製錬において、既存設備による製錬の生産性を低下させることなく電気炉の還元度の変動を十分に抑制して、「ボイリング」の発生を防ぐことができる。
本発明のフェロニッケルの製錬方法における部分還元工程の流れと、同工程を実施するための設備の構成の一例とを、模式的に示す図である。
以下、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」の具体的な実施形態について説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で下記以外の形態・態様での実施が可能である。
<フェロニッケルの製錬方法>
本発明の「フェロニッケルの製錬方法」は、一般的なフェロニッケルの製錬と同様、ニッケル品位2重量%程度のニッケル酸化鉱石(以下単に「鉱石」ともいう)を原料とし、少なくとも、部分還元工程と熔融還元工程を必須の工程とする全体プロセスを経て、ニッケル品位20重量%程度のフェロニッケルを生産するプロセスである。この全体プロセスにおいては、その他の工程として、上記の部分還元工程に先行する乾燥工程、上記の熔融還元工程に続く脱硫工程も必要に応じて更に行われる。
本発明の「フェロニッケルの製錬方法」は、上記各工程からなる全体プロセスの中で、特に「部分還元工程」において、還元剤として投入する石炭の水分量を連続的に測定し、測定された水分率に応じて、石炭の投入量を最適量に調整する処理を、新たに必須の処理とした点において、従来のプロセスとは異なる。但し、その他の各工程については、従来公知の一般的なフェロニッケルの製錬方法と同様に行うことができる。よって、本発明は、乾燥工程、部分還元工程、熔融還元工程、及び脱硫工程が一連のプロセスとして行われる一般的な製錬プロセスに広く適用することができる方法である。以下、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」を乾燥工程、部分還元工程、熔融還元工程、脱硫工程が、一連のプロセスとして行われるフェロニッケルの製錬プロセスに適用する場合の実施形態について、その詳細を説明する。
(乾燥工程)
部分還元工程に先行する乾燥工程では、ロータリーキルン等の加熱炉を用いて鉱石に乾燥処理を施し、鉱石に35質量%以上45質量%以下程度の割合で含まれている付着水分の一部を除去する。この工程においては、鉱石に含まれる上記の付着水分を、25質量%以上35質量%以下程度の割合まで低下させることが好ましい。
(部分還元工程)
続く、部分還元工程では、乾燥工程で乾燥させた鉱石に対して、還元剤(石炭)、及び、必要に応じて熔剤を更に添加し、これらをロータリーキルン等の加熱炉に投入し、800℃以上900℃以下程度の焼成温度で焼成する。これにより、鉱石に残存する水分(付着水、結晶水分)を完全に除去するとともに部分還元した鉱石(以下「焼鉱」とも言う)を生成する。このようにして生成された焼鉱が、次工程である「熔融還元工程」に投入される。部分還元を行う加熱炉としては、図1に概略を示すロータリーキルン5を好ましく用いることができる。
ロータリーキルン5は、円筒状の本体と、本体を回転可能に支持する支持部と、を含んで構成される大型の円筒形状の回転式加熱炉である。ロータリーキルン5において、上記本体は、被焼成物を投入する投入口51から被焼成物を排出する排出口53に向けて、水平面に対し1%以上4%以下程度の範囲の緩やかな下り勾配を保持可能な態様で傾斜設置されていて、通常、排出口53側に重油バーナー等の加熱用のバーナー54が設置されている。部分還元工程を経てロータリーキルン5の排出口53から排出された焼鉱が、次工程である熔融還元工程を行う電気炉(図示せず)に投入される。
又、部分還元工程において還元剤として用いられる石炭(図1における石炭C)は、例えば、同図に示すように、クラッシャー1によって粉砕され、パイプコンベア2を経由してホッパー3に貯留される。ここで、赤外線式水分計6による水分率の測定精度を高めるために、クラッシャー1による石炭の粉砕については、これにより、粉砕後の石炭の粒度を、粒度10mm径以下の粒が90%以上の状態となるような粉砕を行うことが好ましい。そして、ホッパー3から定量切り出しされた粒体状の石炭cが、投炭用コンベア4を経由して還元剤投入口52からロータリーキルン5に投入される。このロータリーキルン5への粒体状の石炭cの投入量の調整は、ホッパー3による定量切り出し量を必要に応じて調整することにより行うことができる。以上の処理内容とその流れについては、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」においても、従来方法と同様に行われる。
ここで、還元剤として用いる石炭Cについては、通常、運送中も含めて屋外保管が一般的である。よって保管場所等の天候や環境により水分率が大きく変動する。従来においては、水分率が高い状態のまま、石炭cがロータリーキルン5に投入される場合があり、この場合には、実際に還元剤として作用する石炭量の量としては不足することになる。すると、次工程の熔融還元工程が行われる電気炉において還元度が不適切な濃度にまで低下する事態が生じていた。このように電気炉における還元度の低下が一定レベルを超えたときには、上述の「ボイリング」が発生してしまう。一方で、石炭が乾燥しすぎていた場合は還元度過剰の状態となり、スラグFe品位が低下しすぎて、出滓性過剰となり、作業者の安全性の面での問題も生じる。
又、従来方法において、部分還元工程での石炭cの投入量の調整は、次工程の熔融還元工程が行われる電気炉から排出されるスラグ中の鉄分の割合(Fe品位)に応じて調整されていた。尚、「ボイリング」の発生を防ぐためには、電気炉の還元度の指標でもあるスラグ中のFe品位を9質量%程度以下に保持する必要がある。電気炉から排出されるスラグ中のFe品位は、例えば、そのサンプルを蛍光X線分析装置で分析することによっても把握することができる。しかしながら、このような下流側の工程における分析によって得たFe品位の数値に応じて還元度を調整する場合、その効果が表れるまでに、ロータリーキルン及び電気炉での鉱石や石炭の滞留時から8時間程度の遅れが生じるため、上記方法によって「ボイリング」の発生前に還元度の低下を十分に抑制することは難しかった。
そこで、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」においては、部分還元工程を行う加熱炉であるロータリーキルン5に投入する石炭Cの水分量を連続的に測定することとし、測定された水分率に応じて、ロータリーキルン5への石炭cの投入量を最適量に調整する処理を行うことにした。
図1は、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」における部分還元工程の流れと、同工程を実施するための「フェロニッケル製錬設備」の構成の一例とを、模式的に示す図である。この「フェロニッケル製錬設備」において、加熱炉であるロータリーキルン5への石炭搬送路は、少なくともその一部がパイプコンベア2で構成されている。このような「フェロニッケル製錬設備」においても、本発明の「フェロニッケルの製錬方法」を実施するためには、ロータリーキルン5に投入する石炭Cの水分量を連続的に測定することが必要となるが、そのためには、例えば、図1に示すように、石炭Cをホッパー3に搬送するパイプコンベア2上に赤外線式水分計6等の測定装置を設置し、この赤外線式水分計6を使用して、水分率を測定すればよい。
石炭Cの水分量を連続的に測定する上記の測定装置の設置について、より詳細には、赤外線式水分計6を、図1に示すように、パイプコンベア2の搬送路の終端部近傍(被運搬物が運送されていく下流側方向の端部近傍)に設置することが好ましい。搬送路の始端(上流側側)近傍においては、投入された被搬送の分散が不均一であることによって、特定装置と被測定物との測定間距離が一定とならず、測定結果が不安的になり、測定精度が悪化する場合があるが、測定装置をパイプコンベア2の搬送路の終端部近傍(被運搬物が運送されていく下流側方向の端部近傍)に設置して、この位置で石炭の水分率を測定することにより、より高い精度で当該水分率を把握することができる。
又、パイプコンベア2には、石炭の水分率の測定精度を十分に高めるためにも、クラッシャー1をパイプコンベア2の搬送路における赤外線式水分計6よりも上流側の位置、即ち、石炭搬送路における石炭の水分率の測定位置よりも上流側の位置で、石炭を粉砕することができる位置に、設置して、水分率の測定に先行して石炭を十分に粉砕することが好ましい。
そして、このクラッシャー1は、石炭を粒度10mm径以下の粒が90%以上の状態となるように粉砕することができるものであることが好ましい。赤外線式水分計の特徴として、被測定物の粒度分布によって測定結果に影響を与えることが知られている。具体的には粒度が細かく均一であると、測定結果に対する検出出力がシャープ(検量線がシャープに立ち上がる状態)になり、逆に粒度が大きくばらつきがあると、検出出力がブロード(検量線が横に寝る状態)になるからである。石炭の十分な粉砕によって測定精度をより向上させることは、特に測定精度のポテンシャルの高い3色式の赤外線水分計を用いる場合に顕著な効果となりやすいため、3色式の赤外線水分計と上記態様の十分な粉砕が可能クラッシャーとを組合せて配置することが、極めて好ましい。
尚、パイプコンベア2は構造的に、密閉構造であるため、一般的に被運搬物が粉状等の発塵性があるものを運搬することに適している。一方、赤外線式水分計6は、外光等の外部要因によって測定結果のバラツキが生じやすい。そのため、本発明においては、パイプコンベア2の内部、より具体的には、雨水混入や発塵防止用にパイプコンベア2を覆って設置されているケーシングの内部に、赤外線式水分計を設置することで、外光による影響を遮断して、更に赤外線式水分計6の測定精度を高めることができるという、パイプコンベアの設置本来の目的とは異なる新たな効果を発揮させることもできる。

又、測定された水分率に応じて、ロータリーキルン5への石炭cの投入量を最適量に調整するためには、従来同様、定量切出し装置であるホッパー3の切り出し量を適切に調整すればよい。具体的に、上記の水分率が増加した場合には、ロータリーキルン5への石炭cの投入量を増加させ、上記の水分率が低下した場合には、ロータリーキルン5への石炭cの投入量を減少させればよい。この調整は、図1に示すように水分率の測定結果を信号Sとして、リアルタイムで、投炭用コンベア4にフィードバックすることによって自動的に調整することもできる。
以上のように、部分還元工程において、還元剤として投入する石炭の水分率を連続的に測定し、この測定値で、石炭の投入量を調整することによって、電気炉における還元度の変動を抑制して、「ボイリング」の発生を防ぐことができる。又、結果として電気炉における還元度の指標であるスラグ中のFe品位を安定させるので、電気炉における熔融還元処理の安全性及びスラグの分離状態の安定性も高めることができる。
(熔融還元工程)
上記の部分還元工程に続く、熔融還元工程は、原料鉱石を電気炉内で熔融還元し、フェロニッケル(メタル)とスラグとを生成させる工程である。この工程で産出されるフェロニッケル熔体は、鉄を主成分とし、炭素質還元剤の設定量に応じて16質量%〜25重量%程度の品位でニッケルを含有する。又、フェロニッケル熔体とは別に産出されるスラグは、原料鉱石中の酸化鉄の大部分と二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムとを含有し、鉄鋼の焼結工程における成分調整用マグネシア熔剤や、コンクリート用細骨材、土木工事用資材等として利用される。電気炉については図示を省略したが、熔融還元を行う電気炉の具体例としては、特許文献1に開示されている「三相交流電極式円形電気炉」を挙げることができる。
(脱硫工程)
熔融還元工程にて得られたフェロニッケル熔体は、製品スペックにより脱硫処理が必要とされる場合には、脱硫工程に移され、取鍋等を用いた機械式撹拌装置又は電気誘導式撹拌装置による脱硫処理が行われる。具体的には、脱硫工程においては、フェロニッケル熔体に対してカルシウムカーバイド等の脱硫剤を添加して撹拌することで、フェロニッケル熔体中の硫黄を、硫化カルシウム(CaS)としてスラグ中に固定して分離除去する。
以下、試験操業による実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例)
ニッケル酸化鉱石を原料とし、還元剤として石炭を用いて、上記において説明した態様で、乾燥工程及び部分還元工程を行うことによって得た焼鉱を、更に電気炉で還元熔融してスラグを排出するという流れの試験操業を1か月間行った。電気炉からスラグの排出は8時間毎に3回程度のバッチ方式で実施し、その度に蛍光X線にて分析を実施した。但し、部分還元工程に投入する石炭の水分率の測定は行わずに、石炭の投入量は一定として、操業を継続した。その期間(1ヶ月)における還元度の指標である電気炉から排出されるスラグ中Fe品位のバラつきを示す標準偏差σは0.71であった。
(実施例)
次に、部分還元工程に投入する石炭の水分率の測定を連続的に行い、同水分率の変動に応じて、石炭の投入量を調整しながら、操業を継続した。石炭の投入量の調整は、具体的には、石炭の水分量が5%増加した場合に、当該石炭の投入量を、5.5%増加させ、同水分量が5%減少した場合には、当該石炭の投入量を、5.5%減少させるように、ホッパーの切り出し量を都度調整することによって行った。この調整を行ったこと以外は、比較例と同条件で操業した。その期間(1ヶ月)における還元度の指標である電気炉から排出されるスラグ中Fe品位のバラつきを示す標準偏差σは0.60であった。
以上より、本発明を適用することにより、ロータリーキルンに投入する石炭が降雨渡等の影響を受け水分率が上昇した場合についても、水分率を連続的に測定し、測定された水分率に応じて石炭投入量を調整することで電気炉の還元度の変動を抑制することができることが分かる。
1 クラッシャー
2 パイプコンベア
3 ホッパー
4 投炭用コンベア
5 ロータリーキルン(加熱炉)
51 投入口
52 還元剤投入口
53 排出口
54 バーナー
6 赤外線式水分計(測定装置)
C、c 石炭(還元剤)
S 信号

Claims (6)

  1. ニッケル酸化鉱石を、石炭とともに、加熱炉に投入し、該ニッケル酸化鉱石を部分還元して焼鉱を得る部分還元工程と、
    前記焼鉱を電気炉に投入し、該焼鉱を熔融還元してメタルとスラグとを生成させる熔融還元工程と、を含むフェロニッケルの製錬方法であって、
    前記加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定し、該水分率に応じて前記加熱炉への石炭の投入量を調整する、
    フェロニッケルの製錬方法。
  2. 前記加熱炉への前記石炭の投入量を、前記水分率に応じて自動的に調整する、
    請求項1に記載のフェロニッケルの製錬方法。
  3. 石炭の前記水分率を測定する測定装置として、赤外線式水分計を用いる、請求項1又は2に記載のフェロニッケルの製錬方法。
  4. 前記加熱炉への石炭搬送路がパイプコンベアで構成されていて、
    該パイプコンベアの搬送路の終端部近傍において、前記水分率を測定する、請求項1から3の何れかに記載のフェロニッケルの製錬方法。
  5. 石炭の前記水分率の測定に先行して、該石炭を粒度10mm径以下の粒が90%以上の状態となるように粉砕する、
    請求項1から4の何れかに記載のフェロニッケルの製錬方法。
  6. ニッケル酸化鉱石を、石炭とともに、加熱して、該ニッケル酸化鉱石を部分還元して焼鉱を得る部分還元工程を行う加熱炉と、前記焼鉱を熔融還元してメタルとスラグとを生成させる熔融還元工程を行う電気炉と、前記加熱炉への石炭搬送路であるパイプコンベアと、を備える、フェロニッケルの製錬設備であって、
    前記パイプコンベアの搬送路の終端部近傍には、前記加熱炉に投入する石炭の水分率を連続的に測定する赤外線式水分計が設置されていて、該搬送路の赤外線式水分計の上流側に、前記石炭を粉砕するクラッシャーが設置されている、
    フェロニッケルの製錬設備。
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