JP2021138360A - 航空機用振動検出装置、航空機用振動検出方法、及び航空機用振動検出プログラム - Google Patents

航空機用振動検出装置、航空機用振動検出方法、及び航空機用振動検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】動翼の振動を検出する。【解決手段】航空機用振動検出装置70は、スポイラー12の角度の目標値と実測値との差分を算出する差分算出部72と、差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部74と、差分の絶対値が閾値以上である場合にスポイラー12に振動が生じていると判定する振動判定部82とを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、航空機用振動検出装置、航空機用振動検出方法、及び航空機用振動検出プログラムに関する。
特許文献1に開示された航空機の主翼には、動翼であるスポイラーが取り付けられている。スポイラーは、アクチュエータで駆動される。アクチュエータは、コントローラで制御される。コントローラは、パイロットによる操縦桿の操作等に応じた上位からの信号に応じて、アクチュエータに制御信号を出力する。
特開2017−077882号公報
特許文献1のような技術において、コントローラ内の回路の故障等により、コントローラからアクチュエータに対して不適切な制御信号が出力されることがある。この場合、上位からコントローラに指令される動翼の角度の目標値が一定であるのに対して実際の動翼の角度が目標値を上回ったり下回ったりを交互に繰り返すこと、すなわち動翼の振動が発生することがある。また、コントローラ内の回路の故障以外にも、動翼の角度の目標値そのものが不適切な値でありその不適切な目標値と動翼の実際の角度との差を補償すべくアクチュエータを制御しようとして動翼に振動が生じることもある。動翼をより確実に制御するという観点では、このような動翼の振動を検出できることが好ましい。
この発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、動翼の振動を検出することにある。
上記課題を解決するための航空機用振動検出装置は、アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出部と、前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部と、前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定部とを有する。
動翼に振動が生じている場合には動翼の角度の実測値が目標値を上回ったり下回ったりする。このことから、差分が閾値を超えている場合には動翼に振動が生じている可能性が高い。したがって、上記構成のように、差分の絶対値と閾値とを比較することで、動翼に振動が生じていることを検出できる。
上記航空機用振動検出装置は、前記差分の絶対値が前記閾値を超える回数を算出する回数算出部を有してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を規定回数超えた場合に前記動翼に振動が生じていると判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置は、前記差分の絶対値が前記閾値を超えてからの経過時間を計測する経過時間判定部を有してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えてから判定期間内に前記差分の絶対値が前記閾値を前記規定回数超えた場合に、前記動翼に振動が生じていると判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えた後、前記判定期間内に前記差分の絶対値が前記閾値を超えた回数が前記規定回数に満たない場合、前記動翼の振動が収束したと判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置は、前記動翼に振動が生じていると判定された場合に前記アクチュエータによる前記動翼の駆動を停止させるための停止信号を出力する停止信号出力部を有してもよい。
上記航空機用振動検出装置においては、前記目標値の時間変化が、前記航空機の操縦桿の操作に応じた変化であるか否かを判定する操縦動作判定部を有し、前記振動判定部は、前記目標値の時間変化が前記操縦桿の操作に応じた変化である場合には、前記動翼に振動が生じていると判定しなくてもよい。
上記課題を解決するための航空機用振動検出方法は、アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出処理と、前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定処理とを有する。
動翼に振動が生じている場合には動翼の角度の実測値が目標値を上回ったり下回ったりする。このことから、差分が閾値を超えている場合には動翼に振動が生じている可能性が高い。したがって、上記方法のように、差分の絶対値と閾値とを比較することで、動翼に振動が生じていることを検出できる。
上記課題を解決するための航空機用振動検出プログラムは、アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出処理と、前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定処理とをコンピュータに実行させる。
動翼に振動が生じている場合には動翼の角度の実測値が目標値を上回ったり下回ったりする。このことから、差分が閾値を超えている場合には動翼に振動が生じている可能性が高い。したがって、上記プログラムのように、差分の絶対値と閾値とを比較することで、動翼に振動が生じていることを検出できる。
本発明によれば、動翼の振動を検出できる。
スポイラーの駆動に係る構成の概略図。 操縦動作判定処理の処理手順を表したフローチャート。 正側振動検出処理の処理手順を表したフローチャート。 負側振動検出処理の処理手順を表したフローチャート。 差分の時間変化の例を表したタイムチャート。 差分の時間変化の例を表したタイムチャート。 振動検出処理及び操縦動作判定処理の概略を表したブロック図。 差分の時間変化に微小変動が含まれている例を表した図。
以下、航空機に適用された航空機用振動検出装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。先ず、スポイラー及びアクチュエータの概略構成を説明する。
図1に示すように、航空機10の主翼11には、スポイラー12が取り付けられている。スポイラー12は、航空機10の前後方向において主翼11の中央よりも後ろ寄りに位置している。なお、スポイラー12は複数設けられているが、図1では1つのみ示している。複数のスポイラー12は、航空機10の左右方向に並んでいる。以下では、複数のスポイラー12のうちの任意の1つについて説明する。
スポイラー12は、回転軸14を介して主翼11に連結されている。スポイラー12は、回転軸14を回転中心として主翼11に対して回転可能である。スポイラー12は、主翼11と略平行に配置される引き込み位置と、主翼11に対して上側に傾斜した傾斜位置との間を回転する。
スポイラー12には、当該スポイラー12の動作を駆動させるアクチュエータ30が取り付けられている。アクチュエータ30は、電気油圧式になっている。アクチュエータ30は、筒状のシリンダ32を有する。シリンダ32の内部は、作動油が給排される流体室32Aになっている。この流体室32Aには、棒状のロッド34がシリンダ32と同軸で配置されている。ロッド34における中心軸線方向一方側の先端部からは、ピストン36が径方向外側に張り出している。ピストン36は、流体室32Aを二分している。流体室32Aの油圧がピストン36に作用することで、ロッド34がその中心軸線方向に往復動する。ロッド34における中心軸線方向他方側の一部は、シリンダ32から突出している。ロッド34における中心軸線方向他方側の先端部は、略円環状の取付部38となっている。取付部38は、スポイラー12に取り付けられている。
シリンダ32には、シリンダ32に対するロッド34の位置を検出する位置検出器39が取り付けられている。ロッド34の位置は、所定の基準位置と、ロッド34におけるその中心軸線方向一方側の端との離間距離として定められている。所定の基準位置は、シリンダ32におけるその中心軸線方向一方側の端である。位置検出器39は、上記離間距離の実測値である実測離間距離R1を検出する。
シリンダ32の外面には、内部に作動油の油圧回路が区画されたマニホールド31が固定されている。油圧回路は、当該油圧回路の流路を切り替えるための油圧制御バルブ等を含んでいる。油圧回路の作動油は、シリンダ32の内部に対して給排される。
次に、アクチュエータ30の制御構成について説明する。
航空機10には、当該航空機10の各種部位の動作を統括的に制御する統括制御装置50が搭載されている。統括制御装置50は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、統括制御装置50は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
統括制御装置50には、航空機10のコックピットに設けられている操縦桿17の操作量P1が入力される。統括制御装置50は、操縦桿17の操作量P1に応じてスポイラー12の角度の目標値(以下、目標角度と記す。)P2を算出し、この目標角度P2に関する信号を出力する。
航空機10には、アクチュエータ30を制御するアクチュエータ制御装置60が搭載されている。アクチュエータ制御装置60は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、アクチュエータ制御装置60は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
アクチュエータ制御装置60には、位置検出器39が検出するロッド34の実測離間距離R1に関する信号が入力される。また、アクチュエータ制御装置60には、統括制御装置50が出力するスポイラー12の目標角度P2に関する信号が入力される。
アクチュエータ制御装置60は、ロッド34の操作量R3を算出する操作量算出部62を有する。操作量算出部62は、スポイラー12の目標角度P2を取得するとともに、この目標角度P2を、基準位置からのロッド34の離間距離の目標値である目標離間距離R2に変換する。また、操作量算出部62は、ロッド34の実測離間距離R1を取得するとともに、実測離間距離R1と目標離間距離R2との差を補償することができるように、ロッド34の操作量R3を算出する。具体的には、操作量算出部62は、実測離間距離R1と目標離間距離R2との差に所定のゲインを乗じた値をロッド34の操作量R3として算出する。そして、操作量算出部62は、ロッド34の操作量R3に関する信号を出力する。なお、ロッド34の操作量R3に関する信号は、実質的には、ロッド34の操作量R3を、マニホールド31の油圧制御バルブを駆動するための電気信号に変換したものである。
操作量算出部62を構成する回路は、通信線61を介してマニホールド31の油圧制御バルブに接続されている。この通信線61の途中には、当該通信線61を接続状態または遮断状態に切り替えるアクチュエータ接続スイッチ63が設けられている。このアクチュエータ接続スイッチ63が接続状態である場合、ロッド34の操作量R3に関する信号が油圧制御バルブに入力される。一方、このアクチュエータ接続スイッチ63が遮断状態である場合、油圧制御バルブへの上記信号の入力が遮断される。油圧制御バルブへの上記信号の入力が遮断された場合、アクチュエータ30は、スポイラー12を引き込み位置まで戻すように動作する設定になっている。
ここで、後で詳しく説明するとおり、操作量算出部62の回路の故障に起因してロッド34の操作量R3が不適切な値として算出され、その結果としてロッド34の実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりを交互に繰り返すことがある。また、統括制御装置50の回路の故障に起因してスポイラー12の目標角度P2が不適切な値として算出され、その結果としてロッド34の実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりを交互に繰り返すこともある。このような交互の繰り返しは、スポイラー12の実際の角度が目標角度P2を上回ったり下回ったりを交互に繰り返すこと、すなわちスポイラー12の振動を招く。アクチュエータ制御装置60の一部は、このようなスポイラー12の振動を検出するための航空機用振動検出装置70として機能する。
航空機用振動検出装置70は、スポイラー12の振動を検出するための振動検出処理W1を実行可能である。図1及び図7に示すように、航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である差分算出処理M1を行う差分算出部72を有する。差分算出部72は、スポイラー12の目標角度P2とスポイラー12の角度の実測値との差分を算出する。差分算出部72は、実質的には、ロッド34の目標離間距離R2と実測離間距離R1との差分Zを算出する(Z=R1−R2)。すなわち、この実施形態では、差分算出部72は、ロッド34の目標離間距離R2をスポイラー12の目標角度P2として扱い、ロッド34の実測離間距離R1をスポイラー12の角度の実測値として扱う。なお、実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりを交互に繰り返す場合、図5に示すように、差分Zはゼロを中心として増減する時間変化を示す。振動検出処理W1には、差分Zの増加中の時間変化特性を利用してスポイラー12の振動を検出する正側振動検出処理W1Aと、差分Zの減少中の時間変化特性を利用してスポイラー12の振動を検出する負側振動検出処理W1Bとの2種類がある。ここで、基準値に対して増減する時間変化において振幅の大小を判定しようとしたとき、そもそもの基準値が変化してしまうと、振幅の大小を判定するための後述の第1閾値K1や第2閾値K2を定め難い。この点、差分Zはゼロを中心とした時間変化を示す。このような時間変化であれば、振幅の大小を判定するための第1閾値K1や第2閾値K2を一律に定めることができ好適である。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である閾値判定処理M2を行う閾値判定部74を有する。閾値判定部74は、正側振動検出処理W1Aの閾値判定処理M2である第1閾値判定処理M2Aでは、差分Zが第1閾値K1以上であるか否かを判定する。閾値判定部74は、差分Zを継続的に取得して上記判定を継続して行う。第1閾値K1は正の値である。なお、図8に示すように、ノイズ等の影響で差分Zが第1閾値K1を上下することがある。そこで、閾値判定部74は、このような変動成分を排除して差分Zが第1閾値K1以上になったか否かを判定する。すなわち、閾値判定部74は、一旦差分Zが第1閾値K1以上であると判定すると、差分Zの時間変化において差分Zがゼロ以下に減少するまでは差分Zが第1閾値K1以上であるか否かの判定を行わない。閾値判定部74は、差分Zが第1閾値K1以上であると判定した後、差分Zがゼロ以下に減少すると、差分Zが第1閾値K1以上であるか否かの判定を再開する。
図1及び図7に示すように、閾値判定部74は、負側振動検出処理W1Bの閾値判定処理M2である第2閾値判定処理M2Bでは、差分Zが第2閾値K2以下であるか否かを判定する。閾値判定部74は、差分Zを継続的に取得して上記判定を継続して行う。第2閾値K2は、第1閾値K1と絶対値が同じ値であって負の値である。なお、閾値判定部74は、一旦差分Zが第2閾値K2以下であると判定すると、差分Zの時間変化において差分Zがゼロ以上に増加するまでは差分Zが第2閾値K2以下であるか否かの判定を行わない。閾値判定部74は、差分Zが第2閾値K2以下であると判定した後、差分Zがゼロ以上に増加すると、差分Zが第2閾値K2以下であるか否かの判定を再開する。
閾値判定部74は、第1閾値K1及び第2閾値K2を予め記憶している。第1閾値K1は、例えば、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路が故障した状況下において差分Zの時間変化が取り得る振幅の最小値として実験やシミュレーションによって定められている。第1閾値K1は、例えば、スポイラー12の角度として1度に相当する値である。なお、振幅とは、差分Zの時間変化において差分Zが増加から減少に転じる上側ピークと、差分Zが減少から増加に転じる下側ピークとの差の2分の1の値である。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である経過時間判定処理M3を行う経過時間判定部76を有する。経過時間判定部76は、正側振動検出処理W1Aの経過時間判定処理M3Aでは、差分Zが第1閾値K1に増加してからの経過時間を計測する。詳細には、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加してから次に差分Zが第1閾値K1に増加するまでの第1経過時間TS1を計測する。そして、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定する。なお、差分Zが第1閾値K1以上であると判定されてから次に差分Zが第1閾値K1以上であると判定されるまでの間に差分Zがゼロ以下に減少しているという条件と関連して、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加してから次に差分Zが第1閾値K1に増加するまでの間に差分Zがゼロ以下になっていることを条件に、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定する。
また、経過時間判定部76は、負側振動検出処理W1Bの経過時間判定処理M3Bでは、差分Zが第2閾値K2に減少してからの経過時間を計測する。詳細には、経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2に減少してから次に差分Zが第2閾値K2に減少するまでの第2経過時間TS2を計測する。そして、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定する。なお、差分Zが第2閾値K2以下であると判定されてから次に差分Zが第2閾値K2以下であると判定されるまでの間に差分Zがゼロ以上に増加しているという条件と関連して、経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2に減少してから次に差分Zが第2閾値K2に減少するまでの間に差分Zがゼロ以上になっていることを条件に、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定する。
経過時間判定部76は、下限時間から上限時間までの範囲として定められている規定経過時間範囲SDを予め記憶している。規定経過時間範囲SDの下限時間は、例えば、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路が故障した状況下において差分Zの時間変化が取り得る周期の最小の時間として実験やシミュレーションによって定められている。規定経過時間範囲SDの下限時間は、例えば、0.01秒である。また、規定経過時間範囲SDの上限時間は、例えば、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路が故障した状況下において差分Zの時間変化が取り得る周期の最大の時間として実験やシミュレーションによって定められている。規定経過時間範囲SDの上限時間は、例えば、0.05秒である。なお、周期とは、差分Zの時間変化における隣り合う上記上側ピークの時間間隔のことである。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である回数算出処理M4を行う回数算出部78を有する。回数算出部78は、正側振動検出処理W1Aの回数算出処理M4Aでは、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるという条件が継続して満たされている期間内において差分Zが第1閾値K1に増加したと判定された回数である第1回数C1を算出する。この第1回数C1は、差分Zがゼロ以下に減少した状態を間に挟んで差分Zが第1閾値K1に増加した、と判定される回数である。また、回数算出部78は、負側振動検出処理W1Bの回数算出処理M4Bでは、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であるという条件が継続して満たされている期間内において差分Zが第2閾値K2に減少したと判定された回数である第2回数C2を算出する。この第2回数C2は、差分Zがゼロ以上に増加した状態を間に挟んで差分Zが第2閾値K2に減少した、と判定される回数である。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である振動判定処理M5を行う振動判定部82を有する。振動判定部82は、スポイラー12に振動が生じているか否かを判定する。振動判定部82は、正側振動検出処理W1Aの振動判定処理M5Aでは、第1回数C1が規定回数CD以上であることを条件にスポイラー12に振動が生じていると判定する。上記のとおり、第1回数C1は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるという条件を前提として算出されていることから、振動判定部82がスポイラー12に振動が生じていると判定する条件の1つには、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であることが含まれている。また、第1回数C1は、差分Zが第1閾値K1に増加したと判定された回数であることから、振動判定部82がスポイラー12に振動が生じていると判定する条件の1つには、差分Zが第1閾値K1以上に増加することが含まれている。
上記のとおり、振動判定部82は、第1回数C1が規定回数CD以上である場合にスポイラー12に振動が生じていると判定する。このことを第1回数C1の定義を踏まえて換言する。すなわち、振動判定部82は、差分Zが第1閾値K1に1回増加してから判定期間J内に、当該判定期間Jの始まりの契機となった1回を含めて差分Zが第1閾値K1に増加する回数が規定回数CD以上になった場合に、スポイラー12に振動が生じていると判定する。上記の判定期間Jは、規定経過時間範囲SDの上限時間に規定回数CDを乗じた値である。すなわち、判定期間Jは予め定められている。なお、上記のとおり、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加する度に第1経過時間TS1を計測する。このことにより、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に1回増加してから判定期間Jが経過するまでの一連の経過時間を間接的に計測していることになる。そして、振動判定部82は、スポイラー12の振動の有無を判定する上で、この経過時間を考慮していることになる。
振動判定部82は、負側振動検出処理W1Bの振動判定処理M5Bでは、第2回数C2が規定回数CD以上であることを条件にスポイラー12に振動が生じていると判定する。第2回数C2の算出の定義上、振動判定部82がスポイラー12に振動が生じていると判定する条件の1つには、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であることが含まれている。また、振動判定部82がスポイラー12に振動が生じていると判定する条件の1つには、差分Zが第2閾値K2以下に減少することが含まれている。
上記のとおり、振動判定部82は、第2回数C2が規定回数CD以上である場合にスポイラー12に振動が生じていると判定する。このことを第2回数C2の定義を踏まえて換言する。すなわち、振動判定部82は、差分Zが第2閾値K2に1回減少してから判定期間J内に、当該判定期間Jの始まりの契機となった1回を含めて差分Zが第2閾値K2に減少する回数が規定回数CD以上になった場合に、スポイラー12に振動が生じていると判定する。判定期間Jについては既に説明したとおりである。なお、上記のとおり、経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2に減少する度に第2経過時間TS2を計測する。このことにより、経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2に1回減少してから判定期間Jが経過するまでの一連の経過時間を間接的に計測していることになる。そして、振動判定部82は、スポイラー12の振動の有無を判定する上で、この経過時間を考慮していることになる。
振動判定部82は、規定回数CDを予め記憶している。規定回数CDは、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路が故障することに伴ってスポイラー12に継続的な振動が生じていることが確実だとみなせる回数として、実験やシミュレーションによって定められている。規定回数CDは、例えば10回である。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1のうちの一処理である停止信号出力処理M6を行う停止信号出力部84を有する。停止信号出力部84は、停止信号出力処理M6では、スポイラー12に振動が生じていると判定された場合にアクチュエータ30によるスポイラー12の駆動を停止させるための停止信号を出力する。具体的には、停止信号出力部84は、停止信号として、アクチュエータ接続スイッチ63に対して当該アクチュエータ接続スイッチ63を遮断状態に切り替える遮断信号Qを出力する。
航空機用振動検出装置70は、振動検出処理W1と並行して行われる操縦動作判定処理W2を行う操縦動作判定部88を有する。ここで、操縦桿17の操作によってスポイラー12の目標角度P2を変化させて意図的にスポイラー12を振動させる場合がある。このような状況でのスポイラー12の振動については、スポイラー12の振動発生の検出から除外しておく必要がある。そこで、操縦動作判定部88は、目標角度P2の時間変化が、操縦桿17の操作に応じた変化であるか否かを判定する。そして、操縦動作判定部88は、目標角度P2の時間変化が操縦桿17の操作に応じた変化であると判定される場合には、スポイラー12に振動が生じていると判定しないようにするための禁止フラグFをオンにする。
具体的には、操縦動作判定部88は、目標角度P2の単位時間当たりの変化率(以下、目標値変化率と記す。)ΔP2を算出する変化率算出処理N1を行う。また、操縦動作判定部88は、目標角度P2の増加中において目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になるという第1条件が成立しているか否かを判定する正側変化率判定処理N2を行う。また、操縦動作判定部88は、第1条件の成立後に目標角度P2が増加から減少に転じた後の目標角度P2の減少中において目標値変化率ΔP2が第2変化率L2以下になるという第2条件が成立しているか否かを判定する負側変化率判定処理N3を行う。第2変化率L2は、第1変化率L1と絶対値が同じで負の値である。また、操縦動作判定部88は、第2条件が成立していることを前提に、第1条件が成立したタイミングから次に第1条件が成立するタイミングまでの経過時間である判定用経過時間TMが判定用規定時間TMD以下であるという第3条件が成立しているか否かを判定する変化率継続判定処理N4を行う。操縦動作判定部88は、第3条件が継続して満たされている期間は、目標角度P2の時間変化が、操縦桿17の操作に応じたものであると判定し、その間はスポイラー12の振動検出を禁止するための禁止フラグFをオンにする。禁止フラグFをオンにする処理は、マスク処理N5である。後述のとおり、禁止フラグFがオンである場合、差分Zが第1閾値K1以上であるか否かの判定、及び差分Zが第2閾値K2以下であるか否かの判定は行われない。
操縦動作判定部88は、第1変化率L1及び第2変化率L2を予め記憶している。第1変化率L1は、例えば、操縦桿17が操作されている状況下において目標角度P2の時間変化が取り得る目標値変化率ΔP2の最小値であって目標角度P2が増加しているときの目標値変化率ΔP2の最小値として実験やシミュレーションによって定められている。また、操縦動作判定部88は、判定用規定時間TMDを予め記憶している。判定用規定時間TMDは、規定経過時間範囲SDの上限時間と同じである。
次に、振動検出処理W1及び操縦動作判定処理W2の具体的な処理手順について説明する。ここで、操縦動作判定処理W2では、上記禁止フラグFのオンオフが設定される。そして、振動検出処理W1では、この禁止フラグFのオンオフに基づいてスポイラー12の振動検出の可否が判定される。そこで、以下では、先ず操縦動作判定処理W2について説明し、次に振動検出処理W1について説明する。
操縦動作判定部88は、次のような設定の下、操縦動作判定処理W2を行う。後述のとおり、操縦動作判定部88は、操縦動作判定処理W2において、統括制御装置50から入力されるスポイラー12の目標角度P2を繰り返し取得する。操縦動作判定部88は、自身が取得する最新の目標角度P2と、一つ前のタイミングで取得した目標角度P2とを保持するように設定されている。また、操縦動作判定部88は、所定の取得時間間隔ΔTで目標角度P2を取得するように設定されている。
図2に示すように、操縦動作判定部88は、操縦動作判定処理W2を開始するとステップS110の処理を実行する。ステップS110において、操縦動作判定部88は、禁止フラグFをオフにセットする。この後、操縦動作判定部88は、処理をステップS115に進める。
ステップS115において、操縦動作判定部88は、前回目標角度P2を取得してから所定の取得時間間隔ΔTが経過するのを待って新たな目標角度P2を取得する。そして、新たな目標角度P2を取得すると、操縦動作判定部88は、処理をステップS120に進める。
ステップS120において、操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上であるか否かを判定する。具体的には、操縦動作判定部88は、ステップS115で取得した最新の目標角度P2から前回の目標角度P2を減じた値を取得時間間隔ΔTで除して目標値変化率ΔP2を算出する。この処理は、変化率算出処理N1である。なお、航空機10の運行開始後に初めて操縦動作判定処理W2が行われる場合、前回の目標角度P2は、ゼロに設定されている。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1未満である場合(ステップS120:NO)、再度ステップS115の処理を実行する。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になるまで、ステップS115及びステップS120の処理を繰り返す。この繰り返しの処理は、目標角度P2の時間変化を監視しながら目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になるまで待機する処理である。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になると(ステップS120:YES)、処理をステップS125に進める。この場合、上記第1条件が成立する。すなわち、ステップS120の処理は、上記第1条件が成立しているか否かを判定する正側変化率判定処理N2である。
ステップS125において、操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMをリセットした上で、当該判定用経過時間TMの計測を開始する。この後、操縦動作判定部88は、処理をステップS130に進める。
ステップS130において、操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMD以下であるか否かを判定する。操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMD以下である場合(ステップS130:YES)、ステップS135に処理を進める。そして、操縦動作判定部88は、ステップS135で、前回目標角度P2を取得してから所定の取得時間間隔ΔTが経過するのを待って新たな目標角度P2を取得する。そして、新たな目標角度P2を取得すると、操縦動作判定部88は、処理をステップS140に進める。ステップS140において、操縦動作判定部88は、ステップS120の処理と同様にして新たに目標値変化率ΔP2を算出し、当該目標値変化率ΔP2が第2変化率L2以下であるか否かを判定する。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第2変化率L2よりも大きい場合(ステップS140:NO)、ステップS130の処理に戻る。
操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超えるまでは、ステップS130、ステップS135、及びステップS140の処理を繰り返す。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第2変化率L2以下になることなく(ステップS140:NO)判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超えた場合(ステップS130:NO)、操縦動作判定処理W2の一連の処理を一旦終了する。この場合、操縦動作判定部88は、再度ステップS110の処理を実行する。
一方、操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超える前に、ステップS140において目標値変化率ΔP2が第2変化率L2以下になった場合(ステップS140:YES)、処理をステップS145に進める。この場合、上記第2条件が成立する。すなわち、ステップS140の処理は、上記第2条件が成立しているか否かを判定する負側変化率判定処理N3である。
ステップS145において、操縦動作判定部88は、前回目標角度P2を取得してから所定の取得時間間隔ΔTが経過するのを待って新たな目標角度P2を取得する。そして、新たな目標角度P2を取得すると、操縦動作判定部88は、処理をステップS150に進める。ステップS150において、操縦動作判定部88は、ステップS120と同様にして目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上であるか否かを判定する。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1未満である場合(ステップS150:NO)、処理をステップS155に進める。
ステップS155において、操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMD以下であるか否かを判定する。操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMD以下である場合(ステップS155:YES)、ステップS145の処理に戻る。
操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超えるまでは、ステップS145、ステップS150、及びステップS155の処理を繰り返す。操縦動作判定部88は、目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になることなく(ステップS150:NO)判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超えた場合(ステップS155:NO)、操縦動作判定処理W2の一連の処理を一旦終了する。この場合、操縦動作判定部88は、再度ステップS110の処理を実行する。
一方、操縦動作判定部88は、判定用経過時間TMが判定用規定時間TMDを超える前に、ステップS150において目標値変化率ΔP2が第1変化率L1以上になった場合(ステップS150:YES)、処理をステップS160に進める。この場合、第3条件が成立する。ステップS115〜ステップS155に至る処理は、第3条件が成立しているか否かを判定する変化率継続判定処理N4である。
ステップS160において、操縦動作判定部88は、目標角度P2の時間変化が操縦桿17の操作に応じた変化であると判定し、禁止フラグFをオンにセットする。この処理は、マスク処理N5である。そして、操縦動作判定部88は、ステップS125の処理に戻る。この後、操縦動作判定部88は、ステップS125以降の処理を繰り返す。この後の処理では、第3条件が継続して満たされていれば、その間は禁止フラグFがオンのままとなる。第3条件が満たされなくなると、禁止フラグFはオフになる。
次に、振動検出処理W1の処理手順について説明する。上記のとおり、振動検出処理W1には、正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bの2種類がある。これら正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bは並行して行われる。これら正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bのいずれか一方がスポイラー12の振動を検出すると、他方の処理は終了される。
航空機用振動検出装置70は、次のような設定の下、正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bを行う。後述のとおり、差分算出部72は、正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bにおいて、ロッド34の実測離間距離R1と目標離間距離R2との差分Zを繰り返し算出する。差分算出部72は、自身が算出する最新の差分Zと、一つ前のタイミングで算出した差分Zである前回の差分Zとを保持するように設定されている。また、差分算出部72は、所定の算出時間間隔で差分Zを算出するように設定されている。
では、正側振動検出処理W1Aの処理手順を説明する。図3に示すように、先ず、回数算出部78がステップS210の処理を実行する。ステップS210において、回数算出部78は、第1回数C1をゼロにリセットする。この後、回数算出部78は、処理をステップS215に進める。なお、ステップS210の処理は、回数算出処理M4Aである。
ステップS215において、差分算出部72は、前回差分Zを算出してから所定の算出時間間隔が経過するのを待って、ロッド34の実測離間距離R1と目標離間距離R2との差分Zを算出する。具体的には、差分算出部72は、統括制御装置50から入力されるスポイラー12の最新の目標角度P2を取得するとともに、この目標角度P2を、ロッド34の目標離間距離R2に変換する。また、差分算出部72は、位置検出器39から入力される最新の実測離間距離R1を取得する。そして、差分算出部72は、実測離間距離R1から目標離間距離R2を減じて差分Zを算出する。この後、差分算出部72は、処理をステップS220に進める。なお、ステップS215の処理は、差分算出処理M1である。
ステップS220において、閾値判定部74は、最新の差分Zが第1閾値K1以上であり、且つ、前回の差分Zが第1閾値K1未満であるか否かを判定する。ここで、前回の差分Zが第1閾値K1未満であり、且つ最新の差分Zが第1閾値K1以上であれば、差分Zの時間変化において差分Zの増加中に差分Zが第1閾値K1に至ったことになる。すなわち、ステップS220の判定は、差分Zが増加して第1閾値K1に至ったことを検出するための処理である。この判定に際し、先ず、閾値判定部74は、差分算出部72が算出した最新の差分Z及び前回の差分Zを取得する。そして、閾値判定部74は、最新の差分Zと第1閾値K1とを比較し、さらに前回の差分Zと第1閾値K1とを比較する。閾値判定部74は、最新の差分Zが第1閾値K1以上であることと、前回の差分Zが第1閾値K1未満であることとの少なくとも一方が満たされていない場合(ステップS220:NO)、ステップS215の処理に戻る。閾値判定部74及び差分算出部72は、最新の差分Zが第1閾値K1以上であり、且つ、前回の差分Zが第1閾値K1未満になるまで、ステップS215及びステップS220の処理を繰り返す。この繰り返しの処理は、差分Zの時間変化を監視しながら差分Zが増加して第1閾値K1に至るまで待機する処理である。閾値判定部74は、最新の差分Zが第1閾値K1以上であり、且つ、前回の差分Zが第1閾値K1未満になると(ステップS220:YES)、処理をステップS225に進める。なお、ステップS220の処理は、第1閾値判定処理M2Aである。
ステップS225において、回数算出部78は、禁止フラグFがオフであるか否かを判定する。回数算出部78は、禁止フラグFがオンである場合(ステップS225:NO)、正側振動検出処理W1Aの一連の処理を一旦終了する。この場合、回数算出部78は、再度ステップS210の処理を実行する。すなわち、第1回数C1がリセットされる。このように、禁止フラグFがオンである場合、スポイラー12に振動が生じていると判定しないようになっている。なお、上記のとおり、禁止フラグFがオンである状況は、スポイラー12の目標角度P2が操縦桿17の操作に応じて変化している状況である。
一方、ステップS225において、回数算出部78は、禁止フラグFがオフである場合(ステップS225:YES)、処理をステップS230に進める。ステップS230において、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1をリセットした上で当該第1経過時間TS1の計測を開始する。この後、経過時間判定部76は、処理をステップS235に進める。
ステップS235において、回数算出部78は、第1回数C1を更新する。具体的には、現在の第1回数C1に1を加算した値を新たな第1回数C1として算出する。この後、回数算出部78は、処理をステップS240に進める。なお、ステップS235の処理は、回数算出処理M4Aである。
ステップS240において、振動判定部82は、第1回数C1が規定回数CD以上であるか否かを判定する。振動判定部82は、第1回数C1が規定回数CD以上である場合(ステップS240:YES)、処理をステップS245に進め、スポイラー12に振動が生じていると判定する。すなわち、振動判定部82は、スポイラー12の振動を検出する。ステップS240及びステップS245の処理は、振動判定処理M5Aである。この後、振動判定部82は、処理をステップS250に進める。そして、ステップS250において、停止信号出力部84は、停止信号である遮断信号Qをアクチュエータ接続スイッチ63に出力する。この結果としてアクチュエータ接続スイッチ63が遮断状態に切り替わる。ステップS250の処理を実行すると、停止信号出力部84は、正側振動検出処理W1Aの一連の処理を終了する。すなわち、この場合にはステップS210の処理には戻らない。なお、上記ステップS250の処理は、停止信号出力処理M6である。
一方、ステップS240において、振動判定部82は、第1回数C1が規定回数CD未満である場合(ステップS240:NO)、処理をステップS270に進める。ステップS270において、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間以下であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間以下である場合(ステップS270:YES)、処理をステップS275に進める。
この場合、ステップS275において、差分算出部72は、前回差分Zを算出してから所定の算出時間間隔が経過するのを待って、新たに差分Zを算出する。すなわち、差分算出部72は、ステップS215と同様の処理によって差分Zを算出し、処理をステップS280に進める。そして、ステップS280において、閾値判定部74は、最新の差分Zがゼロ以下であり、且つ、前回の差分Zがゼロよりも大きいか否かを判定する。ここで、前回の差分Zがゼロよりも大きく、且つ最新の差分Zがゼロ以下であれば、差分Zの時間変化において差分Zの減少中に差分Zがゼロに至ったことになる。この判定は、差分Zが第1閾値K1以上であると判定されてから次に差分Zが第1閾値K1以上であると判定されるまでの間に差分Zがゼロ以下に減少していることを確認するための処理である。閾値判定部74は、ステップS280の判定がNOである場合、ステップS270の処理に戻る。
経過時間判定部76、差分算出部72、及び閾値判定部74は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えるまでは、ステップS270、ステップS275、及びステップS280の処理を繰り返す。経過時間判定部76は、差分Zがゼロにまで減少することなく(ステップS280:NO)第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えた場合(ステップS270:NO)、正側振動検出処理W1Aの一連の処理を一旦終了する。この場合、回数算出部78が再度ステップS210の処理を実行する。
一方、閾値判定部74は、ステップS280において第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超える前に差分Zがゼロにまで減少した場合(ステップS270:YES、ステップS280:YES)、処理をステップS285に進める。
この場合、ステップS285において、差分算出部72は、前回差分Zを算出してから所定の算出時間間隔が経過するのを待って、新たに差分Zを算出する。すなわち、差分算出部72は、ステップS215と同様の処理によって差分Zを算出し、処理をステップS290に進める。そして、ステップS290において、閾値判定部74は、ステップS220と同じ処理を行う。すなわち、差分Zの時間変化において差分Zの増加中に差分Zが第1閾値K1に至ったことを検出するための判定を行う。閾値判定部74は、ステップS290の判定がNOである場合、ステップS295に処理を進める。
ステップS295において、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間以下であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間以下である場合(ステップS295:YES)、ステップS285の処理に戻る。
経過時間判定部76、差分算出部72、及び閾値判定部74は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えるまでは、ステップS285、ステップS290、及びステップS295の処理を繰り返す。経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1にまで増加することなく(ステップS290:NO)第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えた場合(ステップS295:NO)、正側振動検出処理W1Aの一連の処理を一旦終了する。この場合、回数算出部78が再度ステップS210の処理を実行する。
一方、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの上限時間を超える前に差分Zが第1閾値K1にまで増加した場合(ステップS290:YES、ステップS295:YES)、処理をステップS300に進める。
ステップS300において、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの下限時間以上であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの下限時間未満である場合(ステップS300:NO)、正側振動検出処理W1Aの一連の処理を一旦終了する。この場合、回数算出部78が再度ステップS210の処理を実行する。なお、ステップS300の判定がNOになる状況は、差分Zの時間変動が、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路の故障に起因した変動周期よりも短い状況である。
一方、ステップS300において、経過時間判定部76は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SDの下限時間以上である場合(ステップS300:YES)、ステップS225の処理に戻る。なお、ステップS295及びステップS300の処理を実行することにより、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かが判定される。これらS295及びS300の処理は、経過時間判定処理M3Aである。なお、ステップS295及びステップS300を実行する前にステップS280の判定を行っていることから、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加してから次に差分Zが第1閾値K1に増加するまでの間に差分Zがゼロ以下になっていることを条件に、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定する。
さて、処理がステップS225に戻ったときに禁止フラグFがオフであれば(ステップS225:YES)、再度ステップS230の処理によって第1経過時間TS1の計測が開始されるとともにステップS235の処理によって第1回数C1が更新される。この後、規定経過時間範囲SD内に差分Zが第1閾値K1に増加する(ステップS290:YES、ステップS295:YES、ステップS300:YES)ことが繰り返されて第1回数C1が増えていき、第1回数C1が規定回数CD以上になると(ステップS240:YES)、上記したようにステップS245でスポイラー12の振動が検出される。
次に、負側振動検出処理W1Bの処理手順を説明する。負側振動検出処理W1Bは、正側振動検出処理W1Aにおいて差分Zの増加中の時間変化特性を捉えていた処理を、差分Zの減少中の時間変化特性を捉える処理に変更したものであり、基本的な処理の流れは、正側振動検出処理W1Aと同じである。そこで、負側振動検出処理W1Bの内容については簡略に説明する。
図4に示すように、先ずステップS310において、回数算出部78は第2回数C2をゼロにリセットする。この処理は、回数算出処理M4Bである。この後、ステップS315において、差分算出部72は、ロッド34の実測離間距離R1と目標離間距離R2との差分Zを算出する。この処理は、差分算出処理M1である。この後、ステップS320において、閾値判定部74は、最新の差分Zが第2閾値K2以下であり、且つ、前回の差分Zが第2閾値K2よりも大きいか否かを判定する。ここで、前回の差分Zが第2閾値K2よりも大きく、且つ最新の差分Zが第2閾値K2以下であれば、差分Zの時間変化において差分Zの減少中に差分Zが第2閾値K2に至ったことになる。すなわち、ステップS320の判定は、差分Zが減少して第2閾値K2に至ったことを検出するための処理である。閾値判定部74は、差分Zの時間変化を監視しながら差分Zが減少して第2閾値K2に至るまで待ち、差分Zが減少して第2閾値K2に至ると(ステップS320:YES)、処理をステップS325に進める。なお、ステップS320の処理は、第2閾値判定処理M2Bである。
ステップS325において、回数算出部78は禁止フラグFのオンオフを判定し、禁止フラグFがオンであれば(ステップS325:NO)、負側振動検出処理W1Bの一連の処理を一旦終了し、禁止フラグFがオフでれば(ステップS325:YES)、処理をステップS330に進める。そして、ステップS330において、経過時間判定部76は第2経過時間TS2をリセットした上で、当該第2経過時間TS2の計測を開始する。
この後、ステップS335において、回数算出部78は第2回数C2を更新する。この処理は、回数算出処理M4Bである。この後のステップS340において、振動判定部82は、第2回数C2が規定回数CD以上であるか否かを判定し、第2回数C2が規定回数CD以上であれば(ステップS340:YES)、ステップS345に処理を進めてスポイラー12の振動を検出する。スポイラー12の振動が検出されると、ステップS350で停止信号出力部84が遮断信号Qを出力する。ステップS340及びステップS345の処理は、振動判定処理M5Bである。ステップS350の処理は、停止信号出力処理M6である。
一方、ステップS340において、振動判定部82は、第2回数C2が規定回数CD未満である場合(ステップS340:NO)、処理をステップS370に進める。ステップS370において、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間以下であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間以下である場合(ステップS370:YES)、処理をステップS375に進める。
ステップS375において、差分算出部72は差分Zを算出する。この後、ステップS380において、閾値判定部74は、最新の差分Zがゼロ以上であり、且つ、前回の差分Zがゼロよりも小さい否かを判定する。ここで、前回の差分Zがゼロよりも小さく、且つ最新の差分Zがゼロ以上であれば、差分Zの時間変化において差分Zの増加中に差分Zがゼロに至ったことになる。この判定は、差分Zが第2閾値K2以下であると判定されてから次に差分Zが第2閾値K2以下であると判定されるまでの間に差分Zがゼロ以上に増加していることを確認するための処理である。閾値判定部74は、ステップS380の判定がNOである場合、ステップS370の処理に戻る。
経過時間判定部76、差分算出部72、及び閾値判定部74は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えるまでは、ステップS370、ステップS375、及びステップS380の処理を繰り返す。経過時間判定部76は、差分Zがゼロにまで増加することなく(ステップS380:NO)第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えた場合(ステップS370:NO)、負側振動検出処理W1Bの一連の処理を一旦終了する。この場合、回数算出部78が再度ステップS310の処理を実行する。
一方、閾値判定部74は、ステップS380において第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超える前に差分Zがゼロにまで増加した場合(ステップS370:YES、ステップS380:YES)、処理をステップS385に進める。
この後ステップS385において差分算出部72が差分Zを算出し、続くステップS390において閾値判定部74がステップS320と同様の処理によって差分Zが減少して第2閾値K2に至ったか否かを判定する。ステップS390の判定がNOである場合、閾値判定部74はステップS395に処理を進める。
ステップS395において、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間以下であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間以下である場合(ステップS395:YES)、ステップS385の処理に戻る。
経過時間判定部76、差分算出部72、及び閾値判定部74は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えるまでは、ステップS385、ステップS390、及びステップS395の処理を繰り返す。経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2にまで減少することなく(ステップS390:NO)第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超えた場合(ステップS395:NO)、負側振動検出処理W1Bの一連の処理を一旦終了する。
一方、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの上限時間を超える前に差分Zが第2閾値K2にまで減少した場合(ステップ390:YES、ステップS395:YES)、処理をステップS400に進める。そして、ステップS400において、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの下限時間以上であるか否かを判定する。経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの下限時間未満である場合(ステップS400:NO)、負側振動検出処理W1Bの一連の処理を一旦終了する。一方、ステップS400において、経過時間判定部76は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SDの下限時間以上である場合(ステップS400:YES)、ステップS325の処理に戻る。なお、S395及びS400の処理は、経過時間判定処理M3Bである。
次に、本実施形態の作用について説明する。
(1)スポイラー12の振動の要因について
(1−a)操作量算出部62の回路の故障
操作量算出部62の回路に故障が生じて、ロッド34の操作量R3を算出する際のゲインの値が、本来の値よりも大きくなってしまうことがある。ゲインが大きいと、ロッド34の操作量R3が増幅される。この場合、例えばロッド34の目標離間距離R2が一定であるのに対して、実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりする事態が生じ得る。具体的には、ロッド34の操作量R3の算出において実測離間距離R1と目標離間距離R2とが比較された際に、実測離間距離R1が目標離間距離R2よりも大きい場合には、実測離間距離R1を目標離間距離R2に向けて小さくすべくロッド34の操作量R3が決定されるが、その際、ゲインが不適切であることに起因して当該操作量R3が増幅されていると、ロッド34が、目標離間距離R2を超えた位置まで動いてしまう。つまり、増幅した操作量R3でアクチュエータ30を制御した結果として、実測離間距離R1が目標離間距離R2よりも小さくなる。
実測離間距離R1が目標離間距離R2よりも小さくなると、ロッド34の操作量R3の算出において実測離間距離R1を目標離間距離R2に向けて大きくすべくロッド34の操作量R3が決定されるが、その際、ゲインが不適切であることに起因して当該操作量R3が増幅されていると、ロッド34が、目標離間距離R2を超えた位置まで動いてしまう。つまり、増幅した操作量R3でアクチュエータ30を制御した結果として、実測離間距離R1が目標離間距離R2よりも大きくなる。このような繰り返しによって、実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりする状態が繰り返されることになる。この結果として、スポイラー12に振動が生じる。また、実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりすることに伴い、図5に示すように、実測離間距離R1と目標離間距離R2との差分Zは、ゼロを中心に増減する時間変化を示す。
(1−b)統括制御装置50の回路の故障
統括制御装置50の回路の故障に起因して、スポイラー12の目標角度P2自体が増減を繰り返すこともある。この場合、ロッド34の目標離間距離R2が増減を繰り返すことになり、それに応じて実測離間距離R1が増減を繰り返す。それに付随してスポイラー12に振動が生じる。なお、このような場合も、実測離間距離R1と目標離間距離R2との差分Zは、ゼロを中心に増減する時間変化を示す。これは、差分Zの算出に用いられる実測離間距離R1が、実質的には、最新の目標離間距離R2に対して1つ前のタイミングの目標離間距離R2を反映した値であることに因る。例えば、最新の目標離間距離R2が前回の目標離間距離R2よりも大きくなる場合、実測離間距離R1は前回の目標離間距離R2に応じた値であるから最新の目標離間距離R2より小さい。したがって、差分Zは負の値になる。これとは逆に、最新の目標離間距離R2が前回の目標離間距離R2よりも小さくなる場合、差分Zは正の値になる。したがって、目標離間距離R2が増減を繰り返すと、差分Zも増減を繰り返すことになる。
(2)振動検出処理W1によるスポイラー12の振動検出について
(2−a)各種回路の故障に起因してスポイラー12に振動が生じている例
第1例として、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路の故障に起因してスポイラー12に継続的な振動が生じている場合を説明する。
正側振動検出処理W1Aにおいては、図5に示すように、差分Zの増加中において差分Zが時刻A1で第1閾値K1に至ると(ステップS220:YES)、第1回数C1が1になる(ステップS235)。この後、時刻A1から規定経過時間範囲SDの下限時間以上が経過した時刻A2であって時刻A1から規定経過時間範囲SDの上限時間間が経過するよりも前の時刻A2(ステップS295:YES、ステップS300:YES)に、再度、差分Zの増加中において差分Zが第1閾値K1に至ると(ステップS290:YES)、第1回数C1が2になる(ステップS235)。この後、同様にして規定経過時間範囲SD内に差分Zが第1閾値K1に増加することが繰り返されて、第1回数C1が増えていく。そして、時刻A2の後の時刻A3において差分Zが第1閾値K1に増加して第1回数C1が規定回数CDに至ると(ステップS240:YES)、スポイラー12に振動が生じていると判定される(ステップS245)。そして、アクチュエータ接続スイッチ63が遮断状態に切り替えられる。なお、正側振動検出処理W1Aと同様、負側振動検出処理W1Bにおいても、差分Zの減少中において差分Zが第2閾値K2に至る度に第2回数C2が増えていく。
(2−b)スポイラー12の振動が継続することなく収束する例
第2例として、スポイラー12の振動が継続することなく収束する場合を説明する。
図6に示すように、規定経過時間範囲SD内に差分Zが第1閾値K1に増加することが繰り返され、時刻B1において第1回数C1が規定回数CDよりも小さい任意回数CNに至ったとする。この第2例においては、時刻B1から規定経過時間範囲SDの上限時間が経過した時刻B2になっても差分Zが増加して第1閾値K1に至らない。この場合、ステップS290の判定において差分Zが第1閾値K1に至ったと判定されることなく(ステップS290:NO)時刻B1からの第1経過時間TS1が上記上限時間を超えてしまう(ステップS295:NO)。これに伴い、正側振動検出処理W1Aが一旦終了されて、第1回数C1がリセットされる(ステップS210)。なお、負側振動検出処理W1Bにおいても、第2回数C2は規定回数CDに至る前にリセットされる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)スポイラー12に振動が生じることと、実測離間距離R1が目標離間距離R2を上回ったり下回ったりすることとは対応している。そこで、第1閾値K1や第2閾値K2を設定して差分Zがこれら第1閾値K1以上になったり第2閾値K2以下になったりすることを検出することで、スポイラー12の振動を検出できる。
(2)操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路の故障に起因してスポイラー12が振動する場合、当該振動は特定の時間スケールで生じる。そこで、そうした時間スケールに相当する時間として規定経過時間範囲SDを設定し、規定経過時間範囲SD内で生じる差分Zの変動を特定している。そのため、上記各種回路の故障に起因したスポイラー12の振動が生じている場合にのみ、振動を検出することができる。このことにより、上記各種回路の故障とは関係なくスポイラー12が動作しているときにまで振動を検出してしまうことを防止できる。
(3)スポイラー12の振動を検出した場合、アクチュエータ30を停止してスポイラー12の使用を中止することになる。ここで、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路に故障が生じていない状況で偶発的に差分Zが増減することがある。このような偶発的な差分Zの増減をスポイラー12の振動発生として捉えて振動検出をしてしまうと、上記各種回路が故障していないにも拘わらず、スポイラー12の使用を中止することになる。
この点、第1回数C1や第2回数C2を数えることによって、継続的な差分Zの変動を確認した場合にのみスポイラー12に振動が生じていると判定することから、偶発的な差分Zの変動については振動検出の対象から外れる。したがって、各種回路が故障していないにも拘わらず、スポイラー12の使用を中止することを防止できる。
(4)操縦桿17の操作によって意図的にスポイラー12を振動させている場合がある。このような意図的な振動を、振動検出の対象に含めて振動検出をしてしまうと、スポイラー12を使用する必要があるときに、スポイラー12の使用を中止する事態を招きかねない。
そこで、スポイラー12の目標角度P2の時間変化が、操縦桿17の操作に応じた変化であると判定される場合には、第1回数C1や第2回数C2をリセットして、スポイラー12の振動を検出しないようにしている。したがって、意図的なスポイラー12の振動を各種回路の故障に伴う振動として検出してしまってスポイラー12の使用が中止されることもない。
(5)スポイラー12の振動が検出されたときには、アクチュエータ接続スイッチ63に遮断信号Qを出力する。これによって、アクチュエータ30によるスポイラー12の駆動が停止される。このことから、スポイラー12の振動が継続されることを防止できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・正側振動検出処理W1A及び負側振動検出処理W1Bの一方のみを実行し、他方を省略してもよい。すなわち、差分Zの増加中の時間変化特性と、差分Zの減少中の時間変化特性との一方のみを利用してスポイラー12の振動を検出してもよい。
・差分Zが第1閾値K1に増加してから差分Zが第1閾値K1以上である状態が継続される第1継続時間が規定継続時間以上であるか否かを判定する継続時間判定部89を設けてもよい。そして、経過時間判定部76は、第1継続時間が規定継続時間以上であることを条件に、第1継続時間の開始タイミングを基準とした第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定してもよい。上記規定継続時間は、例えば、規定経過時間範囲SDの下限時間よりも小さい値にすることが好ましい。ここで、ノイズ等の影響によって瞬時的に差分Zが第1閾値K1以上になることがある。上記のように第1継続時間が規定継続時間以上であることを条件に第1経過時間TS1の判定を行う場合、瞬時的な変動が生じていない状況下であることを前提にして第1経過時間TS1の判定を行うことから、第1経過時間TS1の判定を適切に行うことができる。
・上記変更例の継続時間判定部89は、差分Zが第2閾値K2に減少してから差分Zが第2閾値K2以下である状態が継続される第2継続時間が規定継続時間以上であるか否かを判定してもよい。そして、経過時間判定部76は、第2継続時間が規定継続時間以上であることを条件に、第2継続時間の開始タイミングを基準とした第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定してもよい。第2継続時間が規定継続時間以上であることを条件に第2経過時間TS2の判定を行う場合、瞬時的な変動が生じていない状況下であることを前提にして第2経過時間TS2の判定を行うことから、第2経過時間TS2の判定を適切に行うことができる。
・上記実施形態では、閾値判定部74は、差分Zが第1閾値K1以上であると判定してから次に差分Zが第1閾値K1以上であると判定するまでの間に差分Zがゼロ以下に減少することを条件としていた。しかし、この条件を廃止してもよい。この場合、例えば上記変更例のように継続時間判定部89を設けてノイズの影響を除去すればよい。
・上記変更例と同様、差分Zが第2閾値K2以下であると判定してから次に差分Zが第2閾値K2以下であると判定するまでの間に差分Zがゼロ以上に増加するという条件を廃止してもよい。
・経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加してさらに差分Zが増加から減少に転じた後に差分Zが第2閾値K2に減少したことを条件に、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定してもよい。
・上記変更例と同様、経過時間判定部76は、差分Zが第2閾値K2に減少してさらに差分Zが減少から増加に転じた後に差分Zが第1閾値K1に増加したことを条件に、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であるか否かを判定してもよい。
・振動判定部82は、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内である状態が継続されているか否かに拘わらず、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であると1度判定されたら、その段階でスポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。この場合、回数算出部78による第1回数C1の算出は省略できる。ただし、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であると1度判定された段階では、偶発的な差分Zの変動を捉えただけの可能性もある。そこで、第1経過時間TS1が規定経過時間範囲SD内であると1度判定された段階でスポイラー12に振動が生じていると判定する場合には、その判定後に即座に停止信号を出力するのではなく、操作量算出部62の回路や統括制御装置50の回路に対して、故障が生じていないかを確認するための検査処理を施してもよい。そして、故障が検出された場合に停止信号を出力してもよい。
・上記変更例と同様、振動判定部82は、第2経過時間TS2が規定経過時間範囲SD内であると1度判定されたら、その段階でスポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。
・振動判定部82は、第1経過時間TS1を利用することなくスポイラー12の振動を検出してもよい。例えば、振動判定部82は、第1経過時間TS1の大小に拘わらず、差分Zが第1閾値K1に1回増加してから判定期間J内に差分Zが第1閾値K1に増加する回数が規定回数CD以上になったら、スポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。この場合、経過時間判定部76は、差分Zが第1閾値K1に増加したことを契機に経過時間を計測し始めた後、次に差分Zが第1閾値K1に増加したときに経過時間の計測をリセットすることなく経過時間の計測を継続する。そして、経過時間判定部76は、この経過時間が判定期間Jに至ったか否かの判定を行う。回数算出部78は、上記の経過時間が判定期間Jに至るまで、差分Zが第1閾値K1に増加する回数を算出する。振動判定部82は、経過時間判定部76の判定結果及び回数算出部78が算出結果を参照して、スポイラー12に振動が生じているか否かを判定する。こうした態様を採用する場合、判定期間J及び規定回数CDを、スポイラー12に振動が生じているとみなせる適切な値に予め定めておけばよい。この変更例に記載したとおり、経過時間判定部76及び回数算出部78は、差分Zの変動の持続性を把握する上で有効に機能する。
・上記変更例と同様の観点で、振動判定部82は、第2経過時間TS2の大小に拘わらず、差分Zが第2閾値K2に1回減少してから判定期間J内に差分Zが第2閾値K2に減少する回数が規定回数CD以上になったら、スポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。
・上記変更例に記載したとおり、スポイラー12の振動の検出に係る上記の判定期間J及び規定回数CDは、上記実施形態で説明したものに限定されない。判定期間J及び規定回数CDは、振動の検出の仕方に応じて適切な値を定めればよい。
・差分Zが第1閾値K1に1回増加してから判定期間J内に差分Zが第1閾値K1に増加する回数に関して、当該判定期間Jの始まりの契機となった1回を除いてもよい。そして、契機となった1回を除いた回数が規定回数CD以上になった場合にスポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。
・振動判定部82は、差分Zが第1閾値K1に1回増加した後、判定期間J内に差分Zが第1閾値K1に増加した回数が規定回数CDに満たない場合、スポイラー12の振動が収束したと判定してもよい。この態様を実現する上では、上記変更例と同様、経過時間判定部76が、差分Zが第1閾値K1に増加したタイミングからの経過時間を継続的に計測すればよい。こうした構成を採用すれば、一旦スポイラー12がばたついた後にスポイラー12の振動が収束したことを把握できる。同様の観点で、振動判定部82は、差分Zが第2閾値K2に1回減少した後、判定期間J内に差分Zが第2閾値K2に減少した回数が規定回数CDに満たない場合、スポイラー12の振動が収束したと判定してもよい。
・振動判定部82は、上記のような判定期間Jを定めることなく、航空機10の運航中において差分Zが第1閾値K1に増加した回数が規定回数CDに至った場合に、スポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。この場合も、規定回数CDを適切な値に予め定めておけばよい。同様の観点で、判定期間Jを定めることなく、航空機10の運航中において差分Zが第2閾値K2に減少した回数が規定回数CDに至った場合に、スポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。
・判定期間Jを定めるか否かに拘わらず、差分Zが第1閾値K1に増加する回数と、差分Zが第2閾値K2に減少する回数とを加算した回数が規定回数CDに至った場合に、スポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。この場合、規定回数CDを適切な値に調整しておけばいい。同様の観点で、差分Zが第1閾値K1に増加する回数と、差分Zが第2閾値K2に減少する回数とを加算した回数が規定回数CDに至らない場合に、スポイラー12の振動が収束したと判定してよい。
・差分Zが第1閾値K1に1回でも増加したら、その段階でスポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。同様に、差分Zが第2閾値K2に1回でも減少したら、その段階でスポイラー12に振動が生じていると判定してもよい。これらの場合、経過時間判定部76及び回数算出部78を省略できる。
・第1閾値K1と第2閾値K2とで絶対値が異なっていてもよい。また、第1閾値K1のみならず第2閾値K2が正の値であってもよい。さらに、第1閾値K1及び第2閾値K2の双方が負の値であってもよい。第1閾値K1及び第2閾値K2は、スポイラー12の振動を検出するのに適切した値であればよい。
・差分Zは、ゼロを中心として増減する時間変化を示すとは限らない。差分Zが示す値の範囲に応じて第1閾値K1及び第2閾値K2を定めればよい。
・目標角度P2に応じて第1閾値K1及び第2閾値K2をその都度変更しながらスポイラー12の振動を検出してもよい。
・差分Zの実際の値ではなく差分Zの絶対値を利用してスポイラー12の振動検出を行ってもよい。なお、上記実施形態に示したように差分Zの実際の値をスポイラー12の振動検出に判定に利用すれば、正側振動検出処理W1Aと負側振動検出処理W1Bのように、2重での振動検出が可能になる。
・目標角度P2の時間変化が操縦桿17の操作に応じたものであると操縦動作判定部88が判定した場合に振動判定部82がスポイラー12の振動を検出しないようにするための構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、禁止フラグFがオンである場合は、正側振動検出処理や負側振動検出処理の実行を中止してもよい。
・目標角度P2の時間変化が、操縦桿17の操作に応じたものであると判定する手法は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、第3条件が連続して成立する回数を算出し、その回数が判定回数以上になった場合に禁止フラグFをオンにしてもよい。
・第1変化率L1及び第2変化率L2は、操縦桿17の操作に係る判定に適した値であればよい。例えば、第1変化率L1と第2変化率L2とで絶対値が異なっていてもよい。
・第1条件が成立した後、目標角度P2の時間変化において目標角度P2が増加から減少に転じるピークに至ったことを確認してから、第2条件が成立しているか否かを判定してもよい。また、第2条件が成立した後、目標角度P2の時間変化において目標角度P2が減少から増加に転じるピークに至ったことを確認してから第1条件が成立しているか否かを判定してもよい。目標角度P2が増加から減少に転じるピークや、目標角度P2が減少から増加に転じるピークに至ったことは、例えば、目標値変化率ΔP2がゼロになったことをもって判定すればよい。なお、ここでいうピークとは、微小変動に伴うピークを含まず、目標角度P2の時間変化における振幅を規定するピークのことである。上記態様によれば、図8に示すようなノイズの影響を排除して目標角度P2の時間変化が操縦桿17の操作に応じたものであるか否かを判定できる。
・目標角度P2の時間変化が操縦桿17の操作に応じたものであるか否かを判定することは必須ではない。この判定を省略するのであれば、例えば、規定経過時間範囲SDを適宜調節することによって、操縦桿17の操作が行われている場合の差分Zの変動をスポイラー12の振動検出に利用しないようにすればよい。
・差分算出部72は、ロッド34の目標離間距離R2から実測離間距離R1を減じて差分Zを算出してもよい。
・差分算出部72は、スポイラー12の角度の実測値と目標値との差分Zを算出してもよい。この場合、例えば、スポイラー12の回転軸14に回転位置を計測するセンサを設けてスポイラー12の角度の実測値を検出すればよい。また、第1閾値K1や第2閾値K2をスポイラー12の角度に応じて値に変更すればよい。
・シリンダ32に対するロッド34の位置を定めるための基準位置は、上記実施形態の例に限定されない。基準位置は、例えばシリンダ32におけるその中心軸線方向の中央でもよい。
・アクチュエータ30は電気油圧式に限定されない。アクチュエータ30は、モータによってロッドが駆動される電気機械式でもよい。
・振動検出の対象となる動翼は、スポイラー12に限定されない。振動検出の対象となる動翼は、例えばフラップでもよい。
・停止信号は、遮断信号Qに限定されない。停止信号は、アクチュエータによる動翼の駆動を停止させるための信号であればよい。例えば、検出対象となる動翼がフラップであり、フラップを駆動するアクチュエータが電気油圧式である場合、停止信号は、シリンダ32内で二分された流体室32A間を作動油が自由に行き来できる流体回路モードに油圧回路を切り替える信号として構成されてもよい。こうした流体回路モードでは、フラップの動作に追従してアクチュエータが受動的に動作する。
・振動検出の対象物の振動が検出された際に停止信号を出力することは必須ではない。振動の検出を受けて、状況に応じてパイロットが適切な処置を行えばよい。
・航空機用振動検出装置70は、アクチュエータ制御装置60とは別の制御装置として構成されていてもよい。この場合、航空機用振動検出装置70は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、航空機用振動検出装置70は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
・航空機用振動検出装置70は、統括制御装置50の一部として構成されていてもよい。
・航空機用振動検出装置70を構成する各機能部が、別々の制御装置に設けられていてもよい。これら別々の制御装置間で信号を授受できるようにしておけば、正側振動検出処理や負側振動検出処理を実行する上で何ら問題はない。
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に記載する。
(イ)前記差分は、増減する時間変化を示し、前記差分算出部が算出する前記差分を継続的に取得するとともに、前記差分が第1閾値以上であるか否か、又は、前記差分が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下であるか否かを継続的に判定する前記閾値判定部と、前記差分が前記第1閾値に増加してから次に前記差分が前記第1閾値に増加するまでの第1経過時間、又は、前記差分が前記第2閾値に減少してから次に前記差分が前記第2閾値に減少するまでの第2経過時間が規定経過時間範囲内であるか否かを判定する経過時間判定部とを有し、前記振動判定部は、前記第1経過時間が前記規定経過時間範囲内である場合、又は前記第2経過時間が前記規定経過時間範囲内である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する請求項1に記載の航空機用振動検出装置。
(ロ)前記差分が前記第1閾値に増加してから前記差分が前記第1閾値以上である状態が継続される第1継続時間、又は、前記差分が前記第2閾値に減少してから前記差分が前記第2閾値以下である状態が継続される第2継続時間が規定継続時間以上であるか否かを判定する継続時間判定部を有し、前記経過時間判定部は、前記第1継続時間が前記規定継続時間以上である場合には前記第1継続時間の開始タイミングを基準とした前記第1経過時間が前記規定経過時間範囲内であるか否かを判定し、前記第2継続時間が前記規定継続時間以上である場合には前記第2継続時間の開始タイミングを基準とした前記第2経過時間が前記規定経過時間範囲内であるか否かを判定する上記(イ)に記載の航空機用振動検出装置。
(ハ)前記第1経過時間が前記規定経過時間範囲内であるという条件が継続して満たされている期間内において前記差分が前記第1閾値に増加したと判定された回数である第1回数、又は、前記第2経過時間が前記規定経過時間範囲内であるという条件が継続して満たされている期間内において前記差分が前記第2閾値に減少したと判定された回数である第2回数を算出する回数算出部を有し、前記振動判定部は、前記第1回数又は前記第2回数が規定回数以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する上記(イ)又は(ロ)に記載の航空機用振動検出装置。
10…航空機、17…操縦桿、30…アクチュエータ、70…航空機用振動検出装置、72…差分算出部、74…閾値判定部、76…経過時間判定部、78…回数算出部、82…振動判定部、84…停止信号出力部、88…操縦動作判定部、89…継続時間判定部。
上記航空機用振動検出装置は、前記差分の絶対値が前記閾値を超える回数を算出する回数算出部を有してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記回数算出部が算出する前記回数が規定回数以上になった場合に前記動翼に振動が生じていると判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置は、前記差分の絶対値が前記閾値を超えてからの経過時間を計測する経過時間判定部を有してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えたことを契機に前記経過時間判定部が計測する経過時間が判定期間内であって、前記回数算出部が算出する前記回数が前記規定回数以上になった場合に、前記動翼に振動が生じていると判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置において、前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えた後、前記経過時間判定部が計測する前記経過時間が前記判定期間に至っても、前記回数算出部が算出する前記回数が前記規定回数に満たない場合、前記動翼の振動が収束したと判定してもよい。
上記航空機用振動検出装置は、前記振動判定部が前記動翼に振動が生じていると判定た場合に前記アクチュエータによる前記動翼の駆動を停止させるための停止信号を出力する停止信号出力部を有してもよい。

Claims (10)

  1. アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、
    前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出部と、
    前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部と、
    前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定部とを有する
    航空機用振動検出装置。
  2. 前記差分の絶対値が前記閾値を超える回数を算出する回数算出部を有する
    請求項1に記載の航空機用振動検出装置。
  3. 前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を規定回数超えた場合に前記動翼に振動が生じていると判定する
    請求項1又は2に記載の航空機用振動検出装置。
  4. 前記差分の絶対値が前記閾値を超えてからの経過時間を計測する経過時間判定部を有する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の航空機用振動検出装置。
  5. 前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えてから判定期間内に前記差分の絶対値が前記閾値を前記規定回数超えた場合に、前記動翼に振動が生じていると判定する
    請求項4に記載の航空機用振動検出装置。
  6. 前記振動判定部は、前記差分の絶対値が前記閾値を1回超えた後、前記判定期間内に前記差分の絶対値が前記閾値を超えた回数が前記規定回数に満たない場合、前記動翼の振動が収束したと判定する
    請求項5に記載の航空機用振動検出装置。
  7. 前記動翼に振動が生じていると判定された場合に前記アクチュエータによる前記動翼の駆動を停止させるための停止信号を出力する停止信号出力部を有する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の航空機用振動検出装置。
  8. 前記目標値の時間変化が、前記航空機の操縦桿の操作に応じた変化であるか否かを判定する操縦動作判定部を有し、
    前記振動判定部は、前記目標値の時間変化が前記操縦桿の操作に応じた変化である場合には、前記動翼に振動が生じていると判定しない
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の航空機用振動検出装置。
  9. アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、
    前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出処理と、
    前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、
    前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定処理とを有する
    航空機用振動検出方法。
  10. アクチュエータによって動翼が駆動される航空機に適用され、
    前記動翼の角度の目標値と前記動翼の角度の実測値との差分を算出する差分算出処理と、
    前記差分の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、
    前記差分の絶対値が前記閾値以上である場合に前記動翼に振動が生じていると判定する振動判定処理とをコンピュータに実行させる
    航空機用振動検出プログラム。
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