JP2021138045A - 木質様製品の製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、木質様製品を製造する際に、その質感をより天然木に近いものとするための各種技術が提案されている。
例えば特許文献1には、木粉と樹脂とを含む押出材を押出成形して成形品本体を形成し、木粉と樹脂とを含む表層材と顔料を混合して得られた被覆材で、成形品本体を被覆して同一断面を有する長尺材を成形する成形工程を備え、表層材と顔料との混合比率を成形工程中に変更する長尺材の製造方法について記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された製造装置は、ベースの色に関係なく、表層材と顔料との混合比率を、一定周期で経時変化させるだけである。
このため、ベースの色によっては、製造される木質用材料の質感が、かえって天然木からかけ離れてしまう可能性がある。
制御部150と、
前記制御部150の制御に基づいて、第一ベース材B1を必要量計り取る第一計量部110と、
前記制御部150の制御に基づいて、第一マスターバッチM1、及び前記第一マスターバッチM1とは色が異なる第二マスターバッチM2のうちの少なくとも一方を必要量計り取る第二計量部120と、
前記第一計量部110が計り取った前記第一ベース材B1、及び前記第二計量部120が計り取ったマスターバッチM1〜M3を溶融させ、その溶融物B1,M1〜M3を金型141の開口141eから押し出す押出部140と、を備え、
前記制御部150は、前記第一計量部110が計り取る前記第一ベース材B1の量、及び前記第二計量部120が計り取るマスターバッチM1〜M3の量のうちの少なくとも一方を、作成しようとする木質様製品のベースとなる色に応じて切り替えることを特徴とする木質様製品200の製造装置100である。
このため、ベースの色を変更した場合であっても、製造される木質様製品の質感が損なわれないようにすることができる。
請求項1に記載の木質様製品200の製造装置100において、
前記制御部150は、前記第二計量部120に、前記第一マスターバッチM1、前記第二マスターバッチM2を、この順で計り取らせることを特徴とする。
また、第一マスターバッチM1と第二マスターバッチM2を別々に計り取るため、製造する木質様製品200の色によって、いずれかのマスターバッチM1〜M3を足したり省いたりすることもできる。
請求項1又は請求項2に記載の木質様製品200の製造装置100において、
前記制御部150は、前記第一計量部110及び前記第二計量部120に、
前記ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3を一定の合計量で繰り返し計り取らせ、
更に、前記ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3を計り取る度にこれらの配合比率を変化させることを特徴とする。
請求項3に記載の木質様製品200の製造装置100において、
前記制御部150は、前記第一計量部110及び前記第二計量部120に、一回に計り取る前記ベース材B1とマスターバッチM1〜M3の合計量を変更させることが可能であることを特徴とする。
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の木質様製品200の製造装置100において、
前記金型141は、内側流路141fと、前記内側流路141fを囲むように形成された外側流路141gと、を有し、
前記押出部140は、
第二ベース材B2を溶融させた溶融第二ベース材B2を前記内側流路141fへ押し出す内側押出部142と、
前記溶融物B1,M1〜M3を前記外側流路141gに押し出す外側押出部143と、を有することを特徴とする。
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の木質様製品200の製造装置100において、
前記第一計量部110は、前記第一ベース材B1を貯蔵しておく第一容器111を備え、
前記第二計量部120は、前記第一マスターバッチM1〜M3を貯蔵しておく第二容器121、及び前記第二マスターバッチM1〜M3を貯蔵しておく第三容器122を備え、
前記第一容器111へ前記ベース材B1を供給し、前記第二容器121及び前記第三容器122のうちの少なくともいずれかへマスターバッチM1〜M3を供給する供給部100cを更に備えることを特徴とする。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
始めに、木質様製品の製造装置100について説明する。
図1は本実施形態に係る製造装置100を示す正面図、図2は製造装置100の一部を示す正面図及び平面図、図3は押出部の金型を示す正面図、図4は製造装置100の一部を示すブロック図、図5同実施形態に係る木質様製品の配合を表す表、図6は製造装置100の一部を示す図である。
また、本実施形態に係る製造装置100は、供給部100cを更に備えている。
本体100aは、第一計量部110と、第二計量部120と、押出部140と、を備えている。
また、本実施形態に係る本体100aは、混合部130を更に備えている。
第一計量部110は、第一容器111と、第一計量器112と、を備えている。
第一容器111は、木質様製品200の表層部220を構成する表層ベース材(第一ベース材)B1を貯蔵しておくためのものである。
本実施形態に係る第一容器111は、上から内容物(表層ベース材B1)の供給を受け、その内容物を下方の第一計量器112へ流し込むことが可能なホッパーとなっている。
第一計量部110は、制御盤100b(後述する制御部150)の制御に基づいて、表層ベース材B1を必要量計り取るようになっている。
本実施形態に係る第一計量器112は、上方の第一容器111の下に設けられたスクリューを回転させることで内容物を下方に落下させながらその落下量を測定し、落下量が必要量に達したところで、スクリューを停止させるよう構成されている。
第二計量部120は、第二容器121と、第三容器122と、第二計量器123と、備えている。
また、本実施形態に係る第二計量部120は、図2に示すように、第四容器124を更に備えている。
第二マスターバッチM2は、第一マスターバッチM1とは色が異なるものとなっている。
第三マスターバッチM3は、第一マスターバッチM1及び第二マスターバッチM2とは色が異なるものとなっている。
混合部130は、第一計量部が計り取った表層ベース材B1と、第二計量部120が計り取ったマスターバッチM1〜M3と、を混合し、押出部140へ送るようになっている。
押出部140は、金型141と、内側押出部142と、外側押出部143と、を有している。
また、本実施形態に係る金型141は、マンドレル141cを有している。
流路141aは、一方向(図3の紙面と直交する方向)に貫通している。
また、流路141aの入口側(後述する内側押出部142側)の入口開口141dは、出口側の出口開口141e(又は中間部の断面)よりも一回り小さく形成されている。
以下、流路141aにおける入口開口141dの輪郭を通り流路141aの内側壁面と平行に延びる平面を境界として、流路141aにおける境界の内側部分を内側流路141f、境界の外側部分を外側流路141gと称する。
注入孔141bは、外側押出部143に接続されている。
マンドレル141cは、内側流路141fの中に、内側流路141fと外側流路141gとの境界と間隔が空くように配置されている。
第一シリンダ142aは、一端が木質様製品200の基部210を構成する中心ベース材(第二ベース材)B2の供給部142bへ接続され、他端が金型141の内側流路141fへ接続されている。
第一ヒータは、内側押出部142の制御に基づいて、第一シリンダ142aの中を加熱するようになっている。
第一スクリューは、第一シリンダ142aの中に配置されている。
第一モータは、内側押出部142の制御に基づいて、第一スクリューを回転させるようになっている。
このように構成された内側押出部142は、中心ベース材B2を溶融させた溶融中心ベース材(溶融第二ベース材)B2を金型141の内側流路141fへ押し出すようになっている。
第二シリンダ143aは、混合部130へ接続され、他端が金型の外側流路141gへ接続されている。
第二ヒータは、外側押出部143の制御に基づいて、第二シリンダ143aの中を加熱するようになっている。
第二スクリューは、第二シリンダ143aの中に配置されている。
第二モータは、外側押出部143の制御に基づいて、第二スクリューを回転させるようになっている。
このように構成された外側押出部143は、第一計量部110が計り取った表層ベース材B1、及び第二計量部120が計り取ったマスターバッチM1〜M3を溶融させ、その溶融物B1,M1〜M3を、注入孔141bを介して金型141の外側流路141gに押し出すようになっている。
こうすることで、木質様製品の中心部を中心ベース材B2だけで成形することができ、顔料の使用量を低減することができる。
制御盤100bは、例えば図4に示すように、制御部150と、読取部160と、インターフェース部170と、を備えている。
制御部150は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、不揮発メモリー、通信モジュール等により構成されている。
CPUは、不揮発性メモリーに記憶されている各種プログラム(後述する文字制御処理の実行プログラムを含む)を読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、製造装置100各部の動作を集中制御するようになっている。
通信モジュールは、ケーブルを介して接続された本体100aや供給部100cとの間で各種信号や各種データを送受信することが可能となっている。
記憶デバイスは、制御部150が各種処理を実行するためのプログラムを記憶している。
本実施形態に係る読取部160は、メディア161(例えばSDカード等)が装填されている。
そして、読取部160は、メディア161に記憶された内容を読み取るようになっている。
本実施形態に係るメディア161には、例えば図5に示すような、木質様製品の材料の配合に関する配合情報が記憶されている。
本実施形態に係る配合情報は、ベース色、同一のベース色に含まれる変形パターン、変形パターンごとの表層ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3の配合比率、マスターバッチM1〜M3の形状となっている。
本実施形態に係るベース色は、黒檀調、赤味調、白太調の三色としている。
また、変形パターンは、使用する主材の色は同じで、使用するマスターバッチM1〜M3の色や配合比率を変更したものである。
また、本実施形態に係るマスターバッチM1〜M3の形状は、ペレット、顆粒としている。
なお、図5に示した配合は、あくまで一例であり、製造したい木質様製品200の色や質感に応じて適宜変更可能である。
なお、制御盤100bは、読取部160を備えずに、配合情報を記憶する記憶部(例えばハードディスク等)を備えたものとなっていてもよい。
インターフェース部170は、表示部171と、操作部172と、を備えている。
表示部171は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部150から入力される表示信号の指示に従って、各種画像や各種情報等を表示するようになっている。
そして、操作部172は、操作者によってなされた操作に基づく制御信号を制御部150に出力するようになっている。
なお、本実施形態に係る製造装置100は、制御盤100bを、本体100aから独立したものとしたが、制御盤100bの構成要素のうちの少なくともいずれかは、本体100aや供給部100cと一体になっていてもよい。
供給部100cは、供給部本体180と、複数のパイプ190と、を備えている。
供給部本体180は、粉取りタンク181と、送風機182と、切替バルブ183と、を備えている。
また、送風機182は、材料を風の力で飛ばすようになっている。
切替バルブ183は、送風機182からの風及び材料を送り込むパイプ190を切り替えることが可能となっている。
複数のパイプ190は、一端が各切替バルブ183にそれぞれ接続され、他端が第一〜第四容器111,121,122,124にそれぞれ接続されている。
こうすることで、表層ベース材B1やマスターバッチM1〜M3を大量に必要とする場合や、第一〜第四容器111,121,122,124が手の届きにくい場所(本実施形態においては高い所)にある場合であっても、表層ベース材B1やマスターバッチM1〜M3を第一〜第四容器111,121,122,124に容易に供給することができる。
このように構成された製造装置100の制御部150は、例えば、例えば図6に示すような設定画面や動作中画面を表示部171に表示する機能を有している。
画面には、選択されたベース色(グレード)や、表層ベース材B1及びマスターバッチを計り取る量等が表示される。
また、制御部150は、操作部172になされた操作に基づいて、これから製造しようとする木質様製品のベース色を設定する機能を有している。
本実施形態に係る制御部150は、図5に示した配合の一覧の中から、選択されたベース色及び変形パターンに対応する配合を選択・設定する。
また、本実施形態に係る制御部150は、第二計量部120に、第一マスターバッチM1、第二マスターバッチM2、第三マスターバッチM3を、この順で計り取らせるようになっている。
また、第一マスターバッチM1と第二マスターバッチM2を別々に計り取るため、製造する木質様製品200の色によって、いずれかのマスターバッチM1〜M3を足したり省いたりすることもできる。
表層ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3を一定の合計量で繰り返し計り取らせるようになっている。
更に、本実施形態に係る制御部150は、第一計量部110及び第二計量部120に、表層ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3を計り取る度にこれらの配合比率を変化させることが可能となっている。
こうすることで、製造される木質様製品の押出方向に沿って色が連続的に変化するようになり、木質様製品の質感をより天然木に近づけることができる。
こうすることで、木質様製品の押出方向の色の連続的な変化の周期を調節することができる。
以上説明してきた本実施形態に係る木質様製品200の製造装置によれば、表層ベース材B1の量及びマスターバッチM1〜M3の量のうちの少なくとも一方が、製造しようとする木質様製品のベース色に応じて変更される。
このため、ベース色を変更した場合であっても、製造される木質様製品の質感が損なわれないようにすることができる。
次に、木質様製品200の製造方法について、上記製造装置100を用いた場合を例にして説明する。
図7は本実施形態に係る表層ベース材B1の配合を表す表、図8は本実施形態に係るマスターバッチの仕様を示す表である。
また、本実施形態に係る木質様製品200の製造方法は、研磨工程を更に含む。
初めの計量工程では、木質様製品200を構成する表層ベース材B1及びマスターバッチM1〜M3を計り取る。
本実施形態に係る製造方法では、表層ベース材B1として、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene:HDPE)と、第一顔料と、を混合したペレットを複数用いる。
表層ベース材B1は、同一の第一顔料を含むペレットのみからなるものであってもよいし、第一顔料が異なる複数種類のペレットを混合したものであってもよい。
例えば、木質様製品のベース色を黒檀調にしたい場合には、茶色のペレットのみ、又は茶色のペレットとコーヒー色のペレットを混合したものを表層ベース材B1として用い、グレーにしたい場合には淡いグレーのペレットのみを表層ベース材B1として用いる。
なお、図7に示した配合は、あくまで一例であり、製造したい木質様製品200の色や質感に応じて適宜変更可能である。
このようにすることで、樹脂及び顔料のみを用いる場合に比べて樹脂(その原料となる石油)の使用量及び製造コストを低減することができる。
また、木粉は、廃材等から容易に製造することができるため、廃材を再利用することができる。
廃材はそのままでは焼却処分されることになるが、再利用により二酸化炭素の排出を防ぐこともできる。
なお、木粉を混合させるのではなく、他のセルロース系材料(例えばバガスや稲藁等)の粉末を混合させてもよいし、木粉と他のセルロース系材料の粉末を併せて混合させてもよい。
第二顔料は、第一顔料とは異なっている。一のペレット又は粒に含まれる第二顔料は、黄、白、黒のいずれかとしている。
また、本実施形態に係る製造方法では、マスターバッチM1〜M3として、第一マスターバッチM1、第二マスターバッチM2及び第三マスターバッチM3の3種類を用いる。
本実施形態に係る第一マスターバッチM1は、黄の顔料を含んだものとなっている。
第二マスターバッチM2は、第一マスターバッチM1とは色が異なるものとなっている。本実施形態に係る第二マスターバッチM2は、白の顔料を含んだものとなっている。
第三マスターバッチM3は、第一マスターバッチM1及び第二マスターバッチM2とは色が異なるものとなっている。本実施形態に係る第三マスターバッチM3は、黒の顔料を含んだものとなっている。
このようにすることで、木質様製品の押出方向に沿って色が連続的に変化するようになり、木質様製品の質感をより天然木に近づけることができる。
材料を計り取った後は、押出工程に移る。
押出工程では、計り取った表層ベース材B1とマスターバッチM1〜M3とを溶融させ、溶融させた溶融物B1,M1〜M3を金型141の出口開口141eから押し出す。
温度は、通常の、高密度ポリエチレンを表層ベース材B1とする押出成形を行う場合と同じにすればよい。
本実施形態に係る製造方法では、このとき、溶融物B1,M1〜M3の中に表層ベース材B1の濃度が相対的に高い部分とマスターバッチM1〜M3の濃度が相対的に高い部分とが残っている状態で、すなわち、表層ベース材B1とマスターバッチM1〜M3とが完全に混ざりきる前に溶融物B1,M1〜M3を押し出す。
本実施形態に係る木質様製品200の製造方法では、中心ベース材B2に含まれるペレットとして、表層ベース材B1に用いられているものと同じものを用いる。
このようにすることで、木質様製品の中心部を中心ベース材B2だけで成形することができ、顔料の使用量を低減することができる。
ポリスチレンやアクリロニトリルスチレンは、同じ温度の高密度ポリエチレンよりも若干軟化しにくいため、混ざりきらない状態を比較的容易に作り出すことができる。
溶融物B1,M1〜M3を押し出した後は、研磨工程に移る。
研磨工程では、押し出されてきた成型品の表層部220Aを、削り取る。
表層ベース材B1の濃度が相対的に高い部分とマスターバッチM1〜M3の濃度が相対的に高い部分とが残っている状態で溶融物B1,M1〜M3を押し出すと、成型品の表面に顔料の発色が強く出てしまうが、このようにすることで、成形品内部の顔料の発色が適正な部分を木質様製品の表面にすることができる。
こうして、木質様製品200が製造される。
以上説明してきた、本実施形態に係る木質様製品200の製造方法は、溶融物B1,M1〜M3の中に、表層ベース材B1(高密度ポリエチレンと第一顔料とを混合したもの)の濃度が相対的に高い部分と、マスターバッチM1〜M3(ポリスチレン又はアクリロニトリルスチレンに顔料を混合させたもの)の濃度が相対的に高い部分とが残っている状態で、溶融物B1,M1〜M3を押し出す。
このため、製造された木質様製品200には、表層ベース材B1を相対的に多く含み長手方向に延びる複数の第一領域と、マスターバッチM1〜M3を相対的に多く含み長手方向に延びる複数の第二領域と、が短手方向に不規則に並ぶように混在することになる。
そして、不規則に並ぶ第一領域と第二領域とが木目のように見え、従来よりも天然木に近い質感を感じさせることができる。
つまり、本実施形態に係る木質様製品200の製造方法によれば、木質様製品200の質感を、従来よりも天然木に近づけることができる。
次に、上記製造方法により(製造装置100を用いて)製造される木質様製品について説明する。
図9は本実施形態に係る木質様製品200を示す斜視図、図10は本実施形態に係る木質様製品200を示す断面図、図11,12は本実施例に係る木質様製品の色測定値及び判断結果を示す表である。
木質様製品200は、図9に示すように、一方向(製造装置からの押出方向、図9の上下方向)に長尺なものとなっている。
基部210は、中心ベース材B2で木質様製品200よりも一回り小さい形状に形成されている。
中心ベース材B2に顔料が含まれないことで、木質様製品200は、顔料の使用量が少ない低コストなものとなる。
本実施形態に係る基部210は内部が空洞になっている。
表層部220は、基部210を覆っている。
本実施形態に係る第一領域221及び第二領域222は、表層部220に含まれている。
上述したように、第二顔料は、第一顔料とは色が異なっている。このため、第二領域は、第一領域と色が異なっている。
なお、色の標準偏差は、0.3〜0.6の範囲内になっていることがより好ましい。
すなわち、木目に見える模様のばらつきが調節され、より天然木に近い質感を感じさせることができる。このため、本実施形態に係る木質様製品200は、従来であれば天然木の使用が求められていた場面で用いることができる。
このため、長手方向に沿う色の変化によって、より天然木に近い質感を感じさせることができる。その結果、従来であれば天然木の使用が求められていた場面で木質様製品200を用いることができる。
本実施形態に係る木質様製品200は、木粉が基部210にも混合されている。
一般に木材の密度は樹脂に比べて低い。このため、本実施形態に係る木質様製品200は、木粉が加わった分だけ、同体積の樹脂(その原料となる石油)の使用量が低減されているため、環境にやさしく且つ低コストなものとなる。
まず、8種類の木質様製品200のサンプルA〜Hを作製した。
サンプルA〜Dはベース色が黒檀調、サンプルE〜Hはベース色が赤身調のものとした。
そして、ハンディ型分光色彩・色差計NR−11B(日本電色工業株式会社製)を用いて、各サンプルA〜Dの色差、面内のばらつきを測定した。
押出方向と直交する方向に沿って30cm幅の中から10点のターゲットを抽出し、以下の測定条件で測定した。
・光源:国際照明委員会(CIE)標準光源D65光源
・視野角:2°
・ターゲット直径:10mm
そして、図11,12に示すような、得られた複数のデータの標準偏差(色差のばらつき)を算出した。
・ばらつき大:粗すぎる
・ばらつき中:天然木に近い
・ばらつき小:均一的(従来と差が小さい)
その結果、ばらつき中と判断されたサンプルの標準偏差は0.3〜0.6の範囲内であった。
以上説明してきた本実施形態に係る木質様製品200は、不規則に並ぶ第一領域と第二領域とが木目のように見え、従来よりも天然木に近い質感を感じさせることができる。
このため、本実施形態に係る木質様製品200は、より多様な場面で木材の代わりとして用いることができる。
100a 本体
110 第一計量部
111 第一容器
112 第一計量器
120 第二計量部
121 第二容器
122 第三容器
123 第二計量器
124 第四容器
130 混合部
140 押出部
141 金型
141a 流路
141d 入口開口
141e 出口開口
141f 内側流路
141g 外側流路
141b 注入孔
141c マンドレル
142 内側押出部
142a 第一シリンダ
142b 供給部
143 外側押出部
143a 第二シリンダ
100b 制御盤
150 制御部
160 読取部
161 メディア
170 インターフェース部
171 表示部
172 操作部
100c 供給部
180 供給部本体
181 粉取りタンク
182 送風機
183 切替バルブ
190 パイプ
200 木質様製品
210 基部
220 表層部
220A 表層部
221 第一領域
222 第二領域
B1 表層ベース材(第一ベース材)
B2 中心ベース材(第二ベース材)
M1〜M3 マスターバッチ
Claims (6)
- 制御部と、
前記制御部の制御に基づいて、第一ベース材を必要量計り取る第一計量部と、
前記制御部の制御に基づいて、第一マスターバッチ、及び前記第一マスターバッチとは色が異なる第二マスターバッチのうちの少なくとも一方を必要量計り取る第二計量部と、
前記第一計量部が計り取った前記第一ベース材、及び前記第二計量部が計り取ったマスターバッチを溶融させ、その溶融物を金型の開口から押し出す押出部と、を備え、
前記制御部は、前記第一計量部が計り取る前記第一ベース材の量、及び前記第二計量部が計り取るマスターバッチの量のうちの少なくとも一方を、作成しようとする木質様製品のベースとなる色に応じて切り替えることを特徴とする木質様製品の製造装置。 - 請求項1に記載の木質様製品の製造装置において、
前記制御部は、前記第二計量部に、前記第一マスターバッチ、前記第二マスターバッチを、この順で計り取らせることを特徴とする木質様製品の製造装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の木質様製品の製造装置において、
前記制御部は、前記第一計量部及び前記第二計量部に、
前記第一ベース材及びマスターバッチを一定の合計量で繰り返し計り取らせ、
更に、前記第一ベース材及びマスターバッチを計り取る度にこれらの配合比率を変化させることを特徴とする木質様製品の製造装置。 - 請求項3に記載の木質様製品の製造装置において、
前記制御部は、前記第一計量部及び前記第二計量部に、一回に計り取る前記第一ベース材とマスターバッチの合計量を変更させることが可能であることを特徴とする木質様製品の製造装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の木質様製品の製造装置において、
前記金型は、内側流路と、前記内側流路を囲むように形成された外側流路と、を有し、
前記押出部は、
第二ベース材を溶融させた溶融第二ベース材を前記内側流路へ押し出す内側押出部と、
前記溶融物を前記外側流路に押し出す外側押出部と、を有することを特徴とする木質様製品の製造装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の木質様製品の製造装置において、
前記第一計量部は、前記第一ベース材を貯蔵しておく第一容器を備え、
前記第二計量部は、前記第一マスターバッチを貯蔵しておく第二容器、及び前記第二マスターバッチを貯蔵しておく第三容器を備え、
前記第一容器へ前記第一ベース材を供給し、前記第二容器及び前記第三容器のうちの少なくともいずれかへマスターバッチを供給する供給部を更に備えることを特徴とする木質様製品の製造装置。
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-
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