JP2021137967A - インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法 - Google Patents

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【課題】長尺ウェブに対して高画質の印刷を実施するインクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法を提供する。【解決手段】被記録媒体を搬送する搬送手段15と、被記録媒体に対して、複数の異なる色のインクを被記録媒体表面に付与して所定の画像を反転させた鏡像画像に形成されたインクの層であるインク画像層を形成するための、インクジェットヘッド13を有するインク画像層形成ユニット12と、インク画像層形成ユニットにより形成されたインク画像層を硬化させるための第1インク硬化ユニット17と、第1インク硬化ユニットにより硬化されたインク画像層表面に対して、インクを付与してインク画像層表面の一部又は全部を隠蔽するための画像隠蔽層を形成するための、インクジェットヘッドを有する画像隠蔽層形成ユニット21と、画像隠蔽層形成ユニットにより形成された画像隠蔽層を硬化させるための第2硬化ユニット23とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法に関する。
従来、インクジェット方式で印刷するインクジェット印刷装置が広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
インクジェット印刷装置では、主にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの、複数の色のインク液滴を被記録媒体に付与し、インクのドットを形成して画像形成を実施する。
ところで、近年、インクジェット印刷において、シート状の薄い長尺ウェブ、特に、ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどの樹脂により形成された合成樹脂フィルムに対する高画質印刷を実施する需要が増加している。
このような合成樹脂フィルムは、透明や半透明など、光を透過する性質を有することが多い。そこで、合成樹脂フィルムに対する印刷を実施する場合、印刷した画像を視認しやすくし、かつ、光を透過しにくくして合成樹脂フィルムの裏面を視認しにくくするために、印刷する画像の表か裏に、白色インクなどの背景用のインクを隙間なく印刷するベタ印刷を付与して、印刷画像を隠蔽する手法が行われている。
かかる印刷手法の中には、所定の画像の印刷を実施したのちに、印刷された画像の上から画像の背景用のインクのベタ印刷を実施し、完成された印刷物は、被記録媒体のインクが付与されていない側から、被記録媒体自体を透過させて印刷画像をさせるという印刷方法(いわゆる裏刷り方式)が存在する。
特開昭60−132767号公報
しかし、このような印刷を実施する場合、画像を構成するインクドットと、ベタ印刷により付与されたインクとが、混色してしまい、画像劣化してしまう問題が生じていた。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、上記の問題を解決し、長尺ウェブに対して高画質の印刷を実施するインクジェット印刷装置及びこれを実現するインクジェット印刷方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の発明者は、鋭意工夫の結果、以下の構成を見出した。
すなわち、本発明では、インクジェットヘッドからインクを吐出して被記録媒体にインクを付与するインクジェット印刷装置において、
前記被記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記被記録媒体に対して、複数の異なる色のインクを被記録媒体表面に付与して所定の画像を反転させた鏡像画像に形成されたインクの層であるインク画像層を形成するための、インクジェットヘッドを有するインク画像層形成ユニットと、
前記インク画像層形成ユニットにより形成された前記インク画像層の硬化を促進させて硬化させるための第1インク硬化ユニットと、
前記第1インク硬化ユニットにより硬化された前記インク画像層表面に対して、インクを付与して、前記インク画像層表面の一部又は全部を隠蔽するための画像隠蔽層を形成するための、インクジェットヘッドを有する画像隠蔽層形成ユニットと、
前記画像隠蔽層形成ユニットにより形成された前記画像隠蔽層の硬化を促進させて硬化させるための第2硬化ユニットとを有することを特徴とする。
また、本発明では、インクジェットヘッドからインクを吐出して被記録媒体にインクを付与するインクジェット印刷方法において、
前記被記録媒体の表面に対して複数の異なる色のインクを付与して所定の画像を反転させた鏡像画像を表現したインクの層であるインク画像層を形成するインク画像層形成ステップと、
前記インク画像層を硬化させる第1インク硬化ステップと、
前記第1インク硬化ステップにより硬化された前記インク画像層表面に対して、インクを付与して、前記インク画像層表面の一部又は全部を隠蔽するための画像隠蔽層を形成する画像隠蔽層形成ステップと、
前記画像隠蔽層を硬化させる第2インク硬化ステップとを有する、インクジェット印刷方法と構成することもできる。
本発明では、上記の構成とすることで、上記の問題を解決し、長尺ウェブに対して高画質の印刷を実施するインクジェット印刷装置及びこれを実現するインクジェット印刷方法を提供することができた。
本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置の構成を示す全体図である。 本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置の他の構成を示す全体図である。 本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置にて実施される印刷シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置における、画像隠蔽層形成ユニットおよびマーカー認識センサー周辺の電気的構成を示すブロック図である。 図3におけるフロー3が終了した時点における、インク画像層と測定マーカーの形成状況を示す模式図である。 図3におけるフロー6が終了した時点における、インク画像層、測定マーカー及び画像隠蔽層の形成状況を示す模式図である。 図6のA−A断面図である。 図7を反転させて観賞した際の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態であるインクジェット印刷装置の構成例を説明する。図1は、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置の構成を示す全体図である。
同構成は、溶媒に水を用いている水性インク、溶媒に水が用いられておりかつ顔料とともに樹脂が分散されている水性ラテックスインク、溶媒に溶剤が使用されているソルベントインクなど、溶媒が気化することで乾燥硬化するインクを用いるインクジェット印刷を実施する場合に好適な構成である。中でも、溶媒に水を使用しており環境や人体への影響が低い水性インクや水性ラテックスインクが特に好適となる。
また、同構成は、所定の画像の鏡像印刷が実施された後に、印刷された画像の上から前述のベタ印刷が実施される、いわゆる裏刷り方式の印刷の際の構成となる。裏刷り印刷により印刷された印刷物は、印刷を実施されておらずインクが付与されていない側から、被記録媒体を透過させて印刷画像を視認観賞される。
また、以下の構成で使用される被記録媒体には、長尺のロール状のシート部材が用いられる。当該シート部材の素材はコート紙などの紙も想定しうるが、ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどの樹脂により形成された透明または透光性を有する合成樹脂フィルムが好適である。
まず、ロール状になっている被記録媒体10を供給する巻き出し部11から、被記録媒体10が搬送供給される。
供給された被記録媒体10は、搬送加温ベルト15まで搬送され、その外周面に載置される。搬送加温ベルト15にはヒーターが内蔵されており、外周面における被記録媒体10が載置される所定の部分を加温する機能を備えている。被記録媒体10は、搬送加温ベルト15に載置されることで、後述のインク画像層形成ユニット12による印刷の実施前に、熱伝導により所定の温度になるように事前加温(プレヒート)される。なお、搬送加温ベルト15は、本実施形態では、被記録媒体19の加温と搬送とを兼ねる加温機能を有するベルトとして示してあるが、後述の構成のように、搬送ベルトと別に加温装置を搭載することもできるし、必要に応じて複数搭載してもよい。
プレヒートされた被記録媒体10は、インク画像層形成ユニット12の下部まで搬送される。
インク画像層形成ユニット12は、通常は、インクの数に対応した、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色分のインクを吐出するためのインクジェットヘッド13が第1キャリッジ14に複数搭載される構成になっている。また、第1キャリッジ14には、必要に応じて、画像表現のために必要とされる特色インクなどを吐出するためのインクジェットヘッド13を適宜搭載することもできるし、複数色を必要としない場合は省略することもできる。
なお、インクジェットヘッド13はインクを吐出するための複数のノズルが所定の列に配置されているノズル面を備えている。
そして、被記録媒体10がインク画像層形成ユニット12下部のノズル面に対向する位置を通過するときに、インクジェットヘッド13のノズル面に配置されるノズルから、インクが吐出される。吐出されたインクが被記録媒体10の表面に着弾し付与されることで、被記録媒体10の表面にインク画像層51が形成される。
また、インク画像層形成ユニットによって、後述のマーカー認識センサー19に認識させるための測定マーカー53を、被記録媒体10の表面に印刷して形成することができる。もちろん、別途測定マーカー53を形成するためのユニットを別途搭載してもよい。
インク画像層形成ユニット12により、被記録媒体10の表面に、インク画像層51が形成されたのち、被記録媒体10は、第1乾燥ドラム17に搬送され、第1乾燥ドラム17外周面に巻回される。
第1乾燥ドラム17には、これを回動させて被記録媒体10を巻回搬送する駆動モーターが接続されていると共に、外周面を所定の目標温度に加熱して、巻回される被記録媒体を加熱するためのヒーターが内蔵されている。
被記録媒体10が第1乾燥ドラム17に巻回されて搬送されながら熱伝導により所定の温度に加熱されてインク画像層51の乾燥が実施される。
被記録媒体10は、第1乾燥ドラムを経由したのち、マーカー認識センサー19が配置されている場所まで搬送される。
マーカー認識センサー19は、被記録媒体10に付与された前述の測定マーカー53を読み取る機能を有するものである必要があり、レーザーセンサーやカメラなどが適宜適用される。マーカー認識センサー19が被記録媒体10に付与された測定マーカー53を読み取ることにより、被記録媒体10上におけるインク画像層51の形成位置を測定して、画像隠蔽層形成ユニット21を作動させるための信号を発信することができる。
また、マーカー認識センサー19には、被記録媒体10の搬送方向に対して交差する方向に移動させることができる移動手段を設けることもできる。すなわち、測定マーカー53の付与される位置は、印刷すべき画像に関して、搬送方向に対して交差する方向に、適宜移動させることが必要な場合がある。さらに、測定マーカー53の位置や形状は印刷すべき画像や印刷物の最終的な使用形状により制限がある場合がある。そこで、このような移動手段を設けることで、どのような画像であっても、どのような測定マーカー53の形状であっても、測定マーカー53の配置位置に応じて、測定マーカー53がマーカー認識センサー19を経由して搬送され、マーカー認識センサー19が測定マーカー53を認識できるようにすることができる。
そして、被記録媒体10は、マーカー認識センサー19を経由したのち、画像隠蔽層形成ユニット21まで搬送される。
画像隠蔽層形成ユニット21は、ホワイト(W)などの隠蔽性が高い色のインクを被記録媒体10の表面に対して吐出して、被記録媒体10の表面に形成されているインク画像層51の全部または一部を隠蔽するような画像隠蔽層55を形成するためのインクジェットヘッド13が、第2キャリッジ22に搭載される構成になっている。
本実施形態では、画像隠蔽層形成ユニット21は、マーカー認識センサー19が測定マーカー53を認識した旨の信号を発信することで作動するよう制御されている。そして、画像形成層形成ユニット21は、被記録媒体10表面に形成されたインク画像層51の上から、インク画像層51の全部または一部を隠蔽するようにインクを吐出して、画像隠蔽層55を形成する。
画像隠蔽層形成ユニット21により、被記録媒体10の表面に、画像隠蔽層55が形成されたのち、被記録媒体10は、第2乾燥ドラム23に搬送され、第2乾燥ドラム23外周面に巻回される。
第2乾燥ドラム23には、第1乾燥ドラム17と同様に、これを回動させて被記録媒体10を巻回搬送する駆動モーターが接続されていると共に、外周面を所定の温度に加熱して、巻回される被記録媒体を加熱するための、ヒーターが内蔵されている。
被記録媒体10が第2乾燥ドラム23に巻回されて搬送されながら熱伝導により所定の温度に加熱されて画像隠蔽層55の乾燥が完了する。
そして、第2乾燥ドラム23による画像隠蔽層55の乾燥が完了したのち、被記録媒体10は、回収するための巻き取り部24に巻き取られ、印刷が完了する。必要に応じて、印刷が完了した被記録媒体10を巻き取り部24で巻き取るのではなく、カットする手段を設けることも可能である。
なお、必要に応じて被記録媒体10の搬送経路制御のために、本実施例にかかるインクジェット描画装置の搬送経路上に適宜搬送ローラーを配置してもよい。また、搬送経路上の適宜の位置に被記録媒体10の表面密着性改善装置(コロナ放電機等)を配置することで、事前に密着性改善手段を施されていない被記録媒体表面10であっても、密着性改善手段を効率よく施すことができる。さらに、第1乾燥ドラム17及び第2乾燥ドラム23は、それぞれ第1インク硬化ユニットおよび第2インク硬化ユニットの一実施形態であり、必要に応じて構成形式を変更してもよい。
ここで、本実施形態における、上記の各ユニットの配置構成について説明する。
本実施形態におけるインクジェット印刷装置では、図1に示す通り、搬送加温ベルト15、インク画像層形成ユニット12及び画像隠蔽層形成ユニット21が配置される位置は、いずれも、巻き出し部11、第1乾燥ドラム17、第2乾燥ドラム23及び巻き取り部24が配置される位置よりも、鉛直方向に対して上方に配置されている。
これは、本実施形態に係るインクジェット印刷装置を使用運用する場合、使用者は、巻き出し部11にロール状長尺ウェブである被記録媒体10を設置し、印刷終了後には巻き取り部24に巻き取られた印刷後の被記録媒体10を取り出す作業が必要なためである。そこで、各ユニットを上記のような構成にすることで、インクジェット印刷装置の使用者は、重量のあるロール状の被記録媒体10の設置取り出しを高所まで持ち上げることなく容易に実施できる。
また、第1乾燥ドラム17は、被記録媒体10におけるインク画像層51の形成される面に対して反対の面が接触するようにかつ、第1乾燥ドラム17の外周面の鉛直方向最上点は、インク画像層形成ユニット12を構成するインクジェットヘッド13のノズル面に対向する被記録媒体10の通過位置よりも鉛直方向下方に配置されている。
さらに、第2乾燥ドラム23は、被記録媒体10における画像隠蔽層55の形成される面に対して反対の面が接触するようにかつ、第2乾燥ドラム23の外周面の鉛直方向最上点は、画像隠蔽層形成ユニット21を構成するインクジェットヘッド13のノズル面に対向する被記録媒体10の通過位置よりも鉛直方向下方に配置されている。
第1乾燥ドラム17と、第2乾燥ドラム23を以上のように配置することで、インク画像層51又は画像隠蔽層55が付与された面と反対側を接触させることができ、第1乾燥ドラム17又は第2乾燥ドラム23の外周面と被記録媒体10の印刷面が接触してしまうことで、付与されたインク画像層51又は画像隠蔽層55が破損することを防ぐことができる。
さらに、以上のような配置関係にすることで、搬送加温ベルト15、インク画像層形成ユニット12及び画像隠蔽層形成ユニット21の下部のスペースを活用して、巻き出し部11、第1乾燥ドラム17、第2乾燥ドラム23及び巻き取り部24を配置することができ、もって、装置の小型化を図りつつ実用性の高いインクジェット印刷装置とすることができる。インクジェット印刷装置の小型化により、設置面積の節約を図ることができ、使用者の運用コストを抑えることができる。
以下、図1に示す第1の実施形態のインクジェット印刷のシーケンスについて説明する。
図3は、第1の実施形態に係るインクジェット印刷のフローチャートである。以下、図3に係るフローチャートを適宜参照しつつ説明する。
なお、以下の説明では、主に、溶媒に水を用いている水性インク、溶媒に水が用いられておりかつ顔料とともに樹脂が分散されている水性ラテックスインク、溶媒に溶剤が使用されているソルベントインクなど、溶媒が気化することで乾燥硬化するインクを用いるインクジェット印刷を実施する場合を想定する。
まず、巻き出し部11から搬送供給される被記録媒体10が、搬送加温ベルト15外周面まで搬送載置され、フロー1の事前加温ステップが開始される。
この時、搬送加温ベルト15外周面は、所定の目標温度になるよう加温制御されており、載置される被記録媒体10は、加温されたベルトの熱伝導により、所定の温度に加温される。
ここで、被記録媒体10を事前加温ステップにより加温する趣旨を説明する。インクは、インクジェットヘッドから吐出されて被記録媒体表面に着弾すると、インクの界面張力の特性により、インクが被記録媒体表面上でぬれ広がる現象が発生する。インクジェット印刷は、インク液滴により被記録媒体表面上に極小のインクドットを複数形成し、これらを組み合わせて画像形成を実施する。よって、印刷画質の確保のためには被記録媒体表面に付与されたインクのぬれ広がりを適切に制御して、インクドットの形状を維持することが有効となる。
そこで、溶媒の気化により乾燥硬化するインクの場合、被記録媒体を印刷前に加温しておくことで、被記録媒体表面に着弾したインクは、被記録媒体の熱により加温されて溶媒の気化が促進される。これにより、インクは、被記録媒体表面に着弾して即座に完全硬化に至らないものの、インクが界面張力によりぬれ広がらない程度には硬化して、インクドットの形状を維持することができる。
本実施形態においては、被記録媒体10を載置搬送するためのベルト内部に加温ヒーターを組み込んだ、搬送加温ベルト15として構成することで、載置される被記録媒体10を加温されたベルトからの熱伝導により加温すると同時に、印刷時に被記録媒体10を固定できるプラテンの役割も果たせるよう構成した。
搬送加温ベルト15の目標温度は、インクの性能や要求される印刷搬送速度などによって適宜制御されるが、摂氏20度から摂氏70度程度に制御されることが想定される。
被記録媒体10が、搬送加温ベルト15に載置されて搬送されながら、所定の温度に加温されることで、フロー1の事前加温ステップが完了する。
次に、フロー1の事前加温シーケンスにより、所定の温度に加温された被記録媒体10に対して、フロー2の画像形成シーケンスを実施する。
フロー2では、前述のように、インク画像層形成ユニット12から、意図する所定の画像を形成するように、複数のインクジェットヘッド13から、CMYKその他特色インク等を適宜吐出し、被記録媒体10に着弾させて複数のインクドットを形成する。これにより、被記録媒体10に観賞用の所定の画像を表現したインクジェット印刷によるインクドットの集合体たるインク画像層51が形成される。
この時、本実施形態では、インク画像層51は、観賞時に意図する画像を反転させた鏡像画像として、被記録媒体10の表面に形成される。本実施形態では、印刷物を被記録媒体のインクが付与されていない側から被記録媒体自体を透過させて観賞する裏刷り方式を実施する。そこで、インク画像層51を鏡面画像として形成することで、被記録媒体10を反転させたときに、インク画像層51を正常な画像として認識することができる。
また、この時、前述の通り、被記録媒体10の表面に着弾したインクが、加温された被記録媒体10の熱により加温され、ぬれ広がらない程度に乾燥硬化される。
このようにして、被記録媒体に付与されたインクのぬれ広がりが抑制され、高画質の印刷を実現することができる。
なお、本実施形態で用いるインクジェット印刷方式の種類としては、適宜のものを選択できるが、被記録媒体10の効率的な搬送と印刷による生産タクト短縮の関係から、インクジェットヘッドのノズル面の下を被記録媒体が一回通過するときに、画像形成に必要なすべてのインクの付与を実施して印刷を完了させるいわゆるワンパス方式が好適である。
また、フロー2によるインク画像層51の形成の前後または同時に、後述のマーカー認識センサー19で読み取るための測定マーカー53の付与を実施する。
付与の方法は、適宜の方法が想定できるが、例えばインク画像層形成ユニット12に搭載されているインクジェットヘッド13を用いてインクを被記録媒体10の表面に吐出して測定マーカー53を印刷して付与することもできる。
測定マーカー53の形状、色などは、マーカー認識センサー19が認識しやすいものを適宜選択することが望ましいが、色、形状などは特に限定されるものではない。本実施形態では、測定マーカー53を黒色の略正方形状の画像と設定している。
また、測定マーカー53の配置位置について、インク画像層51よりも被記録媒体10の搬送方向に対して下流に配置することが望ましい。
測定マーカー53を、インク画像層51よりも搬送方向上流に配置することも可能である。しかし、本実施形態では、後述のように、被記録媒体10の搬送経路上にマーカー認識センサー19を配置して、マーカー認識センサー19が測定マーカー53を認識したことに応じて、画像隠蔽層形成ユニット21を作動させるという構成をとる。よって、印刷すべき画像の搬送方向の長さが、マーカー認識センサー19と画像隠蔽層形成ユニット21との搬送方向に対する配置距離よりも長くなると、測定マーカー53がマーカー認識センサー19に到達するより前に、インク画像層51が画像隠蔽層形成ユニット21まで搬送されてしまう。こうなると、マーカー認識センサー19が測定マーカー53を認識することに応じて画像隠蔽層形成ユニット21を作動させて画像隠蔽層55を形成することができなくなってしまう。
よって、測定マーカー53の配置位置は、インク画像層51よりも、搬送方向に対して下流に配置されることが望ましい。
本実施形態では、測定マーカー53を、インク画像層形成ユニット12を動作させることで、被記録媒体10の表面のインク画像層51よりも搬送方向下流となる位置であり、かつ後述のマーカー認識センサー19を通過する位置に配置する。
図5はフロー2が終了した時点における、インク画像層51と測定マーカー53の印刷状況を示す模式図である。
図5では、被記録媒体10が透明の基材であることを斜線にて示している。
被記録媒体10表面にインクを付与されることで、インク画像層51が形成されている。
また、黒色略正方形の測定マーカー53が搬送方向上流に付与されている。
なお、先に説明した通り、インク画像層51を構成する文字「Tritek」と「TriJet」の文字が反転して鏡像画像として形成されている。これにより、すべての印刷シーケンス完了後に被記録媒体10を反転させて観賞した際に、正常な画像として観賞することができる。
フロー2のインク画像層形成ステップと測定マーカー53の付与完了後、フロー3の第1インク硬化ステップを実施する。
本実施形態では、被記録媒体10が第1乾燥ドラム17に巻回されて搬送されることで、被記録媒体10が、熱伝導により、所定の温度に加熱され、この熱によりインク画像層51のインクに含有される溶媒である水などが気化し、乾燥硬化が促進され、被記録媒体10が第1乾燥ドラム17を通過完了することで、インク画像層51の乾燥が完了する。
乾燥ドラム17は、被記録媒体10を破損させず、かつインク画像層51を完全乾燥させることができる温度に適宜設定される。インクの性質や印刷速度なども鑑みて設定されるが、本実施形態では、摂氏80度以上摂氏160度以下程度になるよう設定されている。
ここで、後述のフロー5の画像隠蔽層形成ステップを実施する前に、フロー3によりインク画像層51を完全乾燥させる趣旨について説明する。
インク画像層51は、フロー2により形成された時点では、完全に乾燥硬化していない状態である。インク画像層51が完全乾燥していない状態で、フロー6の画像隠蔽層形成ステップを実施し、インク画像層51の上に、隠蔽用のインクをベタ印刷により大量に付与すると、インク画像層51を構成するインクと、隠蔽用のインクとが接触混在して発生する混色が顕著に発生する。この混色が画質劣化につながる。特に、インクに分散される顔料の比重が比較的重いホワイト(W)インクを隠蔽用に用いる場合、Wインクはインク画像層51の上に付与されるため、Wの顔料がインク画像層51を構成するインクに沈降しやすく、混色は特に顕著に発生する。
そこで、本実施形態では、インク画像層51を、第1インク硬化ステップを実施することで、あらかじめ乾燥硬化させる。これにより、インク画像層51上に画像隠蔽層用のインクが付与されても、インクの混色が発生することはなく、上記の問題を回避することができる。
次に、フロー4のマーカー認識ステップについて説明する。
まず、本実施形態では、インク画像層51の形成と画像隠蔽層55の形成とを同時に実施せず、被記録媒体10の表面にインク画像層51を形成して完全乾燥させたのちに、画像隠蔽層55の形成を実施するというシーケンスを採用する。そこで、意図する画像の印刷を実現するには、インク画像層51と画像隠蔽層55の位置合わせを実施して、インク画像層51と、画像隠蔽層55との、被記録媒体10の表面上の位置関係を、意図的に制御する必要がある。
ところが、前述の通り、被記録媒体10に使用される合成樹脂フィルムは、薄く比較的伸縮しやすい性質を有するため、搬送中にかかる張力や熱などの影響をうけて、伸縮して変形することがある。これにより、被記録媒体10は、表面にインク画像層形成ユニット12によってインク画像層51が形成されてから、後述の画像隠蔽層形成ユニット21まで搬送されるまでの間に若干伸縮して変形してしまう。伸縮の程度は、被記録媒体10の性質や搬送継続距離にも左右されるが、数ミリメートルから数センチ程度の伸縮は想定しうる。
しかし、例えば、画像隠蔽層形成ユニット21の作動開始時期を、被記録媒体10が、インク画像層形成ユニット12を通過してから、画像隠蔽層形成ユニット21まで搬送されて到達するまでの理論的な距離に応じて制御するような手法によっては、被記録媒体10の伸縮を、画像隠蔽層形成ユニット21の作動開始時期に反映させることができない。
特に、図6で示すように、画像隠蔽層55の一部をくりぬいて窓のように形成し、かかる窓の中に文字や画像(図6では「Tritek」)を印刷するような表現も想定できるが、この場合は、画像隠蔽層55とインク画像層51との位置合わせが特に重要になる。
そこで、フロー4のマーカー認識ステップによって、画像隠蔽層形成ユニット21による画像隠蔽層55形成開始の直前に、マーカー認識センサー19によって測定マーカー53の位置を確認する工程を実施する。
本実施形態のように、被記録媒体10が長尺ウェブであり、被記録媒体10表面に連続して複数の画像を印刷し続けるような形態の場合、画像ごとに、測定マーカー53を読み取る工程を実施する。
本実施形態では、被記録媒体10が搬送されて、被記録媒体10表面に付与された測定マーカー53が、マーカー認識センサー19を通過したときに、マーカー認識センサー19の作用により、測定マーカー53が通過して、画像隠蔽層形成ユニット21の搬送経路直前に到達したことを認識することができる。
前述の通り、測定マーカー53は、形成されるインク画像層51ごとにそれぞれ配置されているため、フロー4を実施することで、実際のインク画像層51の位置を把握して、画像隠蔽層55の形成を開始することができる。これにより、上記の被記録媒体10の伸縮に関わらず、インク画像層51と画像隠蔽層55との位置合わせを実現し、位置ずれを回避することができる。
そして、フロー5の完了をトリガーとして、フロー6の画像隠蔽層形成ステップを実施する。
すなわち、フロー5の測定マーカー認識ステップにより、被記録媒体10上のインク画像層51の形成位置を確認し、これに合わせて、意図する形状の画像隠蔽層55を形成するために、画像隠蔽層形成ユニット21を構成するインクジェットヘッド13からのインクの吐出を開始する。これにより、インク画像層51の一部または全部を隠蔽するように、かつインク画像層51との位置関係を合わせて画像隠蔽層55を形成することができる。
なお、要求される印刷画像のデザインによっては、画像隠蔽層55の形成を、インク画像層51よりも、被記録媒体10表面の搬送方向の下流側から形成を開始し、また、画像隠蔽層55の形成の終了を、インク画像層51よりも搬送方向上流まで実施することもできる。このようにすることで、被記録媒体10表面上において、インク画像層51よりも画像隠蔽層55を、搬送方向に対して広い範囲に付与することで、より確実にインク画像層51が画像隠蔽層55にすべて覆われているように印刷することができる。
ここで、画像隠蔽層形成ユニットおよびマーカー認識センサー周辺の電気的構成を、図4のブロック図を用いて説明する。
本実施形態にかかるインクジェット印刷装置は、制御コンピューター41を備えている。制御コンピューター41は、例えば、CPUや、メモリーなどを備える。メモリーは例えばRAM及びROMにより構成され、RAMにはCPUの演算結果や印刷画像データが一時的に記録されたりする。また、ROMには、本実施形態にかかるインクジェット印刷シーケンスの実行プログラムのほか、インクジェットヘッド13や、その他各種構成ユニットを駆動制御する制御プログラムなどが格納されている。
制御コンピューター41は、LAN等のインターフェースを介して、コントローラー43に接続され通信されている。コントローラー43には例えばプログラマブルコントローラー(PLC)などが使用され、接続される各種ドライバ類を、図示されないものも含め制御する。
本実施形態では、マーカー認識センサー19は、その作用により、測定マーカー53の通過を監視している。そして、マーカー認識センサー19は被記録媒体10に形成された測定マーカー53を認識することで、その旨の信号を、コントローラー43に通信する。この信号をトリガーとして、コントローラー43は、ドライバ45を介してインクジェットヘッド13を作動させてインクを吐出させることで、画像隠蔽層55の形成を開始する。
被記録媒体10に形成する画像が複数ある場合は、各画像ごとに、マーカー認識センサー19により測定マーカー53を認識し、その信号をコントローラー43に通信して、ドライバ45を作動させてインクジェットヘッド13からインクを吐出させて画像隠蔽層55の形成を開始するというシーケンスを繰り返すことになる。
このように、フロー4を形成すべき画像ごとに実施して、インク画像層51の位置をリアルタイムに監視しながら、フロー5実施するという工程をとることで、前記の被記録媒体10の搬送や加熱による変形の有無にかかわらず、インク画像層51と画像隠蔽層55の印刷位置のずれを回避することができる。
以上の工程により、フロー5の画像隠蔽層形成ステップが完了する。
図6はフロー5の画像隠蔽層形成ステップ完了時の印刷面の状況を示す模式図であり、図7は、図6のA―A断面図である。
上記工程完了することで、画像隠蔽層55を、インク画像層51との位置ずれを回避しつつ印刷することができた。さらに、図7に示すように、インク画像層51は、一部が画像隠蔽層55により隠蔽され、一部は隠蔽されないという表現になっていることが分かる。上記の通り、インク画像層51は硬化完了しているため、画像隠蔽層55のインクと混色することはないしインク画像層51と画像隠蔽層55との位置ずれも発生していない。
そして、フロー5の画像隠蔽層形成ステップの完了後、フロー6の第2硬化ユニットによる、第2インク硬化ステップを実行する。
本実施形態では、第1硬化ステップと同様に、被記録媒体10が第2乾燥ドラム23に巻回されて搬送されることで、被記録媒体10が熱伝導により所定の温度に加熱され、この熱により画像隠蔽層55のインクに含有される溶媒である水などが気化し、乾燥硬化が促進され、被記録媒体10が第2乾燥ドラム23を通過完了することで、画像隠蔽層55の乾燥が完了する。
本実施形態の中でも、特に溶媒に水を用いている水性インク、溶媒に水が用いられておりかつ顔料とともに樹脂が分散されている水性ラテックスインクは、溶剤インクなどとは異なり、溶媒の気化乾燥が遅いため、インクを第2インク硬化ステップで適切に乾燥させることが重要となる。
フロー6により、画像隠蔽層55の乾燥硬化を促進させて、充分に乾燥させることで、印刷が完了した被記録媒体10の搬送中の擦過などによる印刷面の損壊を防ぐとともに、印刷シーケンスの実施時間を短縮して、生産性向上を図ることができるため、フロー6を適切に実施して、画像隠蔽層55の完全硬化を図ることで、安定して被記録媒体10への印刷を継続することができる。
以上のフローを経過することで、本実施形態に係る印刷シーケンスがすべて完了する。
なお、インク画像層51の印刷解像度と、画像隠蔽層55の印刷解像度との関係について説明する。
まず、印刷解像度とは、インクジェットヘッドから吐出されて付与される、単位面積当たりのインクドットの数を示す。
上記の印刷シーケンスを実施する際に、インク画像層51の印刷解像度と、画像隠蔽層55の印刷解像度とが一致しない場合、単位面積あたりに付与されるインクドットの径に差が生じる。このようなインクドット径の差により、インク画像層51と、画像隠蔽層55との接触面に、微細な凹凸が生じる場合がある。この微細な凹凸が印刷品質に現れ、印刷品質が劣化する場合がある。
そこで、インク画像層51の印刷解像度と、画像隠蔽層55の印刷解像度とを一致するように、インク画像層形成ユニット12と画像隠蔽層形成ユニット21とを制御することで、インク画像層51と、画像隠蔽層55とのインクドット径を合わせて、このような現象を回避することができる場合がある。
そして、図8に例示するように被記録媒体10を裏返して視認することで、被記録媒体10を透過させて印刷画像を視認することができる。
また、本発明の第2の実施形態として、インクジェット印刷装置の他の構成例を説明する。
図2は、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置の構成を示す全体図である。
同構成は、図1に示す構成と同様に、溶媒に水を用いている水性インク、溶媒に水が用いられておりかつ顔料とともに樹脂が分散されている水性ラテックスインク、溶媒に溶剤が使用されているソルベントインクなど、溶媒が気化することで乾燥硬化するインクを用いるインクジェット印刷を実施する場合にも適用できる。
また、同構成は、活性光線の照射により重合する重合性物質を含有しており、活性光線の照射により硬化する活性光線硬化型インクにも適用可能な構成である。
活性光線硬化型インクとしては、例えば紫外線(UV)照射により硬化するUV硬化型インクや、電子線(EB)の照射により硬化するEB硬化型インクなどが想定される。
また、以下の構成で使用される被記録媒体も、図1の構成と同様に、長尺のロール状のシート部材が用いられる。当該シート部材の素材はコート紙などの紙も想定されるが、ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどの樹脂により形成された合成樹脂フィルムが好適である。
まず、ロール状になっている被記録媒体10を供給する巻き出し部11から、被記録媒体10が搬送供給される。
供給された被記録媒体10は、加温ユニット25に到達し、後述のインク画像層形成ユニット12による印刷を実施する前に、被記録媒体10を所定の温度になるように事前加温(プレヒート)する。ここで、上記のフロー1を実施する。加温ユニット25としては、例えば温風発生装置や、赤外線(IR)照射装置などが想定されるが、その他の構成でもよく、必要に応じて複数搭載してもよい。また、UV硬化型インクやEB硬化型インクのように、乾燥硬化のために加熱することが不要な性質のインクを用いる場合は、加温ユニット25の搭載を省略することも想定される。
その後、被記録媒体10は、第1キャリッジ14に搭載される複数のインクジェットヘッド13により構成されるインク画像層形成ユニット12の下部まで搬送される。構成の詳細は、図1におけるインク画像層形成ユニット12の説明と同様である。ここで、上記のフロー2を実施する。
被記録媒体10がインク画像層形成ユニット12の下部を通過するときに、インクジェットヘッド13のノズル面側からインクが吐出されて被記録媒体10の表面に付与されることで、インク画像層51が形成される。また、同時に、後述のマーカー認識センサー19に認識させるための、測定マーカー53を被記録媒体10表面に併せて印刷して付与することができることも、図1における説明と同様である。
使用するインクが活性光線硬化型インクの場合は、第1キャリッジ14に、インクジェットヘッド13と共に、適宜活性光線照射装置を配置して、被記録媒体10の表面に付与されたインクを仮硬化させ、フロー1の事前加温ステップの代わりとすることも想定される。
インク画像層形成ユニット12による被記録媒体10の表面にインク画像層51形成完了後、被記録媒体10は、第1硬化ユニット27に搬送される。第1硬化ユニット27は、被記録媒体10の表面に形成されたインク画像層51を乾燥硬化させる機能を有している。ここで、上記のフロー3を実施する。
水性インク、水性ラテックスインク、ソルベントインクなどを用いる場合は、温風発生装置や、赤外線(IR)照射装置など被記録媒体10を加熱する機構を適用することが想定される。また、UV硬化型インクやEB硬化型インクなどを用いる場合は、UVランプ等のUV照射装置や、電子線照射装置などを適用することも想定される。
被記録媒体10が第1硬化ユニット27を通過することで、インク画像層51の乾燥硬化が完了する。
その後、被記録媒体10は、図1の説明と同様に、マーカー認識センサー19が配置される場所まで搬送される。ここで、フロー4を実施する。
そして、図1の説明と同様に、マーカー認識センサー19が被記録媒体10に付与された測定マーカー53を読み取ることにより、被記録媒体10上におけるインク画像層51の形成位置を測定する。
そして、被記録媒体10が、マーカー認識センサー19を通過したのち、画像隠蔽層形成ユニット21に到達する。画像隠蔽層形成ユニット21の構成に関する説明は、図1の時と同様である。ここで、上記のフロー5を実施する。
そして、図1の説明と同様に、画像隠蔽層形成ユニット21は、マーカー認識センサー19により測定マーカー53を認識することで作動し、被記録媒体10表面に形成されたインク画像層51の上から、インク画像層51の全部または一部を隠蔽するように、インクを吐出して、画像隠蔽層55を形成する。
画像隠蔽層形成ユニット21による被記録媒体10の表面に対する画像隠蔽層55の形成完了後、被記録媒体10は、第2硬化ユニット29に搬送される。ここで、フロー6を実施する。
第2硬化ユニットの構成は、上記の第1硬化ユニットの説明と同様であり、インクの特性に応じて、適宜の手段を選択する。
被記録媒体10が第2硬化ユニット29を通過することで、画像隠蔽層55の乾燥硬化が完了する。
そして、第2硬化ユニット29による画像隠蔽層55の乾燥硬化が完了したのちに、被記録媒体10は巻き取り部24に巻き取られ、すべての印刷シーケンスが完了する。
なお、図1の説明と同様に、必要に応じて被記録媒体19の搬送経路制御のために、本実施例にかかるインクジェット描画装置の構成内に適宜搬送ローラーを配置してもよい。
11 巻き出し部
12 インク画像層形成ユニット
13 インクジェットヘッド
14 第1キャリッジ
15 搬送加温ベルト
17 第1乾燥ドラム
19 マーカー認識センサー
21 画像隠蔽層形成ユニット
22 第2キャリッジ
23 第2乾燥ドラム
24 巻き取り部
25 加温ユニット
27 第1硬化ユニット
29 第2硬化ユニット
41 制御コンピューター
43 コントローラー
45 ドライバ
51 インク画像層
53 測定マーカー
55 画像隠蔽層

Claims (29)

  1. インクジェットヘッドからインクを吐出して被記録媒体にインクを付与するインクジェット印刷装置において、
    前記被記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記被記録媒体に対して、複数の異なる色のインクを被記録媒体表面に付与して所定の画像を反転させた鏡像画像に形成されたインクの層であるインク画像層を形成するための、インクジェットヘッドを有するインク画像層形成ユニットと、
    前記インク画像層形成ユニットにより形成された前記インク画像層の硬化を促進させて硬化させるための第1インク硬化ユニットと、
    前記第1インク硬化ユニットにより硬化された前記インク画像層表面に対して、インクを付与して、前記インク画像層表面の一部又は全部を隠蔽するための画像隠蔽層を形成するための、インクジェットヘッドを有する画像隠蔽層形成ユニットと、
    前記画像隠蔽層形成ユニットにより形成された前記画像隠蔽層の硬化を促進させて硬化させるための第2硬化ユニットとを有することを特徴とする、インクジェット印刷装置。
  2. 前記被記録媒体表面に前記画像隠蔽層の形成を開始するべき位置を測定するための測定マーカーを付与する手段と、前記測定マーカーを認識するためのマーカー認識手段とを有し、
    前記画像隠蔽層形成ユニットは、前記マーカー認識手段により前記測定マーカーを認識したことに応じて前記画像隠蔽層の形成を開始するよう制御されていることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記測定マーカーは、前記被記録媒体表面において、前記インク画像形成層が形成される位置よりも前記搬送手段による前記被記録媒体の搬送方向下流の位置に付与されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記マーカー認識手段は、前記被記録媒体表面における前記測定マーカーの付与される位置に応じて、前記搬送方向に対して交差する方向に移動させるための移動手段を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記画像隠蔽層は、前記被記録媒体表面において、前記インク画像層が形成される位置よりも、前記被記録媒体表面の前記搬送方向下流の位置から形成が開始されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記インク画像層形成ユニットによるインク画像層の形成開始前または同時に、前記被記録媒体を所定の温度に加温するための被記録媒体加温ユニットを有することを特徴とする、請求項から請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 前記第1インク硬化ユニットと、前記第2インク硬化ユニットとは、いずれも被記録媒体に付与されたインクを加熱するための加熱ヒーターを有していることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  8. 前記インクは、溶媒の成分が水である水性インク、溶媒の主成分が有機溶剤である溶剤インク、又は溶媒に樹脂が分散されているラテックスインクであることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  9. 前記被記録媒体加温ユニットは、前記被記録媒体を吸着固定しながら搬送する無端ベルトを有し、かつ前記無端ベルトの内周面に対向して、加温部材が配置されていることを特徴とする、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  10. 前記第1インク硬化ユニットと前記第2インク硬化ユニットの目標温度は、いずれも、摂氏80度以上摂氏160度以下となるように制御されていることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  11. 前記被記録媒体加温ユニットの温度は、摂氏30度以上摂氏80度以下となるように制御されていることを特徴とする、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  12. 前記第1インク硬化ユニットと、前記第2インク硬化ユニットとは、いずれも被記録媒体付与されたインクに対して活性光線を照射するための活性光線照射装置を有していることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  13. 前記インクは、活性光線の照射により重合する重合性物質を含有しており、活性光線が照射されることにより硬化をする活性光線硬化型インクであることを特徴とする、請求項1から請求項5又は請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  14. 前記インク画像層の印刷解像度と前記画像隠蔽層の印刷解像度とが一致することを特徴とする、請求項1から請求項13に記載のインクジェット印刷装置。
  15. 前記被記録媒体は、合成樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  16. 前記被記録媒体を供給するための媒体供給ユニットと、前記インク画像層及び前記画像隠蔽層の形成が完了した前記被記録媒体を回収する媒体回収ユニットとを有し、
    前記媒体供給ユニット、前記第1インク硬化ユニット、前記第2インク硬化ユニット、及び前記媒体回収ユニットは、いずれも、前記インク画像層形成ユニット及び前記画像隠蔽層形成ユニットの配置位置よりも鉛直方向下方に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  17. インクジェットヘッドからインクを吐出して被記録媒体にインクを付与するインクジェット印刷方法において、
    前記被記録媒体の表面に対して複数の異なる色のインクを付与して所定の画像を反転させた鏡像画像を表現したインクの層であるインク画像層を形成するインク画像層形成ステップと、
    前記インク画像層を硬化させる第1インク硬化ステップと、
    前記第1インク硬化ステップにより硬化された前記インク画像層表面に対して、インクを付与して、前記インク画像層表面の一部又は全部を隠蔽するための画像隠蔽層を形成する画像隠蔽層形成ステップと、
    前記画像隠蔽層を硬化させる第2インク硬化ステップとを有する、インクジェット印刷方法。
  18. 前記インク画像層形成ステップを実施する前、後又は同時に、前記被記録媒体表面に前記画像隠蔽層の形成を開始するべき位置を測定するための測定マーカーを付与する工程と、画像隠蔽層形成ステップを実施する前に前記測定マーカーを認識するマーカー認識工程とを有し、
    前記画像隠蔽層形成ステップは前記マーカー認識工程の実施に応じて開始される、請求項17に記載のインクジェット印刷方法。
  19. 前記測定マーカーは、前記被記録媒体表面において、前記インク画像層が形成される位置よりも前記被記録媒体の搬送方向下流の位置に付与されることを特徴とする、請求項17又は請求項18に記載のインクジェット印刷方法。
  20. 前記画像隠蔽層は、前記被記録媒体表面において、前記インク画像層が形成される位置よりも、前記被記録媒体表面の前記搬送方向下流の位置から形成が開始されることを特徴とする、請求項17から請求項19のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  21. 前記インク画像層形成ステップを実施する前又は同時に、被記録媒体を所定の温度に加温する被記録媒体加温ステップが実施される、請求項17から請求項20のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  22. 前記第1インク硬化ステップと、前記第2インク硬化ステップとは、いずれも被記録媒体に付与されたインクを加熱することを内容とする、請求項17から請求項21のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  23. 前記インクは、溶媒の成分が水である水性インク、溶媒の主成分が有機溶剤である溶剤インク、又は溶媒に樹脂が分散されているラテックスインクであることを特徴とする、請求項17から請求項22のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  24. 前記第1インク硬化ステップと前記第2インク硬化ステップを実施する際にインクを加熱する目標温度は、いずれも、摂氏80度以上摂氏160度以下となる、請求項17から請求項23のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  25. 前記被記録媒体加温ステップ際にインクを加温する温度は、摂氏30度以上摂氏80度以下となる、請求項17から請求項24のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  26. 前記第1インク硬化ステップと、前記第2インク硬化ステップとは、いずれも被記録媒体付与されたインクに対して活性光線を照射するための活性光線照射ステップである、請求項17から請求項20のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  27. 前記インクは、活性光線の照射により重合する重合性物質を含有しており、活性光線が照射されることにより硬化をする活性光線硬化型インクである、請求項17から請求項20又は請求項26のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
  28. 前記インク画像層の印刷解像度と前記画像隠蔽層の印刷解像度とが一致することを特徴とする、請求項17から請求項27に記載のインクジェット印刷方法。
  29. 前記被記録媒体は、合成樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項17から請求項28のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
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