JP2021137782A - 沈降促進体及び沈殿池設備 - Google Patents

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俊康 柄澤
Toshiyasu Karasawa
俊康 柄澤
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【課題】本発明の課題は、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進することができる沈降促進体、及び、沈降分離の機能が強化された沈殿池設備を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、沈殿池内において略鉛直方向に設けられ、浮遊物が衝突する衝突面を備える沈降促進体及びこの沈降促進体を備える沈殿池設備を提供する。本発明によれば、沈殿池内を浮遊する浮遊物は、垂直な衝突面を有する沈降促進体に衝突することになり、沈降促進体表面に堆積することなく、衝突面に沿って鉛直方向下向きに沈降することとなる。これにより、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、かつ浮遊物の沈降を効率的に促進することが可能となる。また、この沈降促進体を備える沈殿池設備は、沈降分離の機能が強化される。【選択図】図1

Description

本発明は、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促す沈降促進体、及び、沈降促進体を備える沈殿池設備に関するものである。
下水処理場、廃水処理場、浄水場等の水処理施設では、被処理水中に含まれる汚泥のような固形物の沈降分離を行う沈殿池が設置されている。また、沈殿池には、沈降分離した汚泥を掻き寄せるための汚泥掻寄機が設置されており、掻き寄せられた汚泥は、汚泥ピットに集められて排出管から沈殿池の外部へ排出される。
このような沈殿池において、被処理水中から固形物を分離する分離効率を高めるために沈降促進体を設けることが知られている。
例えば、特許文献1には、汚泥掻寄機を備えた沈殿池設備において、汚泥掻寄機の後段に上向流式傾斜板を設けたものが記載されている。この上向流式傾斜板は、沈降促進体として機能するものである。
特開2001−187303号公報
特許文献1に記載されるように、傾斜板を沈降促進体とした場合、固形物と傾斜板の接触表面積を広くすることができるとともに、傾斜板の投影面積分、沈殿池の面積を増加させることができる。このため、沈殿池の設計時における指標の一つとされる水面積負荷(被処理水の流入量を沈殿池の面積で除した値)について、沈殿池の底面積を変えることなく、効率よく固形物の沈降を促進するよう設計することが可能となる。
一方、沈降促進体として傾斜板を用いた場合、傾斜板上に固形物が堆積するため、不用意に沈殿池内の被処理水を抜くと、堆積物の重みで傾斜板が落下するという問題がある。また、傾斜板に堆積した堆積物の除去を行う場合、除去手段に係る装置を別途設ける必要があり、沈殿池設備が大がかりになるという課題がある。さらに、沈殿池内で浮遊する浮遊物を傾斜板で沈降促進させる場合、傾斜板上に浮遊物を堆積させて分離すること自体が困難である。仮に傾斜板上に浮遊物が堆積した場合であっても、今度は堆積物の除去そのものが困難となること等の課題がある。
したがって、沈殿池における被処理水中の固形物の分離効率向上のためには、特許文献1の傾斜板のように固形物の堆積を伴うものではなく、それ以外の新たな手段が求められる。
本発明の課題は、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進することができる沈降促進体、及び、沈降分離の機能が強化された沈殿池設備を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、沈降促進体として、傾斜板ではなく、沈殿池内に略鉛直方向に設けられ、浮遊物が衝突する衝突面を備えるものとすることにより、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、沈降促進効果の高い沈降促進体及び沈降分離能力の高い沈殿池設備が得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の沈降促進体及び沈殿池設備である。
上記課題を解決するための本発明の沈降促進体は、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進する沈降促進体であって、沈殿池内において略鉛直方向に設けられ、浮遊物が衝突する衝突面を備えることを特徴とする。
本発明の沈降促進体によれば、沈殿池内を浮遊する浮遊物は、垂直な衝突面に衝突することになり、沈降促進体表面に堆積することなく、衝突面に沿って鉛直方向下向きに沈降することとなる。これにより、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、かつ浮遊物の沈降を効率的に促進することが可能となる。
また、本発明の沈降促進体の一実施態様としては、衝突面は複数存在し、複数の衝突面同士が離間して設けられることを特徴とする。
この特徴によれば、衝突面を離間して複数設けることにより、浮遊物が衝突面と衝突する範囲が広くなるため、浮遊物の沈降を促進するという本発明の効果をより一層発揮することができる。
また、本発明の沈降促進体の一実施態様としては、沈殿池上部から懸下することを特徴とする。
この特徴によれば、沈降促進体を支持する箇所が沈殿池上部のみにあるようにすることで、沈降促進体を支持する箇所に対する浮遊物の付着・絡み付きを抑制することができる。これにより、沈降促進体の洗浄等、メンテナンス作業を低減させることが可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明の沈殿池設備は、最初沈殿池内に、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進する沈降促進体と、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機と、を備えた沈殿池設備であって、沈降促進体は、沈殿池内において略鉛直方向に設けられ、浮遊物が衝突する衝突面を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を、沈降促進体表面への堆積物の発生を抑制した状態で促進することが可能となる。また、沈降した浮遊物及び汚泥は、汚泥掻寄機により効率的に回収することが可能となる。これにより、沈降分離の機能が強化された沈殿池設備となる。特に、最初沈殿池のように、沈殿池内に浮遊する浮遊物として、通常の傾斜板では沈降促進が困難である繊維状物質からなる異物等が含まれるものについても、沈降分離の機能を強化することが可能となる。
本発明によれば、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進することができる沈降促進体、及び、沈降分離の機能が強化された沈殿池設備を提供することができる。
本発明の第1の実施態様の沈殿池設備の構造を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の第1の実施態様の沈殿池設備の構造を示す概略説明図である(上方向から見た平面図)。 本発明の第1の実施態様の沈降促進体の構造を示す概略説明図である(図1のI−I矢視図)。 本発明の第1の実施態様の沈降促進体の別の態様を示す概略説明図である(上方向から見た平面図)。 本発明の第1の実施態様の沈降促進体の別の態様を示す概略説明図である(上方向から見た平面図)。 本発明の第1の実施態様の沈降促進体の別の態様を示す概略説明図である(上方向から見た平面図)。 本発明の第1の実施態様の沈降促進体の別の態様を示す概略説明図である(上方向から見た平面図)。 本発明の第2の実施態様の沈殿池設備の構造を示す概略説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る沈降促進体及び沈殿池設備の実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する沈降促進体、沈殿池及び汚泥掻寄機の構造については、本発明に係る沈降促進体及び沈殿池設備を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
本発明の沈殿池設備は、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進する沈降促進体と、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機とを備える沈殿池設備であって、汚泥掻寄機の具体的な構造については特に限定されない。汚泥掻寄機としては、例えば、汚泥の掻き寄せを行うフライトと、フライトを支持する無端チェーンとを備えるチェーンフライト式汚泥掻寄機や、スクレーパーを備えた走行台車がガイドレール上を往復移動する汚泥掻寄機などが挙げられる。なお、以下の実施態様においては、汚泥掻寄機としてチェーンフライト式汚泥掻寄機について主に説明するが、これに限定されるものではない。
また、本発明の沈降促進体により沈降促進される浮遊物とは、被処理水中に浮遊又は懸濁している物質を指すものであり、無機物質あるいは有機物質からなる微粒子や微生物の凝集体等からなる浮遊物質(SS:Suspended Solid)のほか、髪の毛、糸くず、パルプ繊維などの繊維状物質や、プラスチック破片などの異物を含むものである。
〔第1の実施態様〕
[沈殿池設備]
図1は、本発明の第1の実施態様の沈降促進体30を備えた沈殿池設備1Aの構造を示す概略説明図(側面図)である。また、図2は、本発明の第1の実施態様の沈降促進体30を備えた沈殿池設備1Aの構造を示す概略説明図(上方向から見た平面図)である。
図1及び図2に示すように、沈殿池設備1Aは、沈殿池10と、その内部に設置された汚泥掻寄機20及び浮遊物の沈降を促進する沈降促進体30を備えている。
[沈殿池]
沈殿池10は、横長に構成され、図1の左側から汚水等の被処理水Wが供給される。沈殿地10の池底10aの被処理水供給側の端部には、汚泥ピット10bが設けられ、この汚泥ピット10bには、汚泥等の沈殿物を外部に排出するための排出管10cが設けられている。なお、図1は、本実施態様における沈殿池10の構造の一例を示すものであり、本発明の沈殿池10の構造を限定するものではない。
沈殿池10は、被処理水W中の固形物(浮遊物等)を沈降分離する機能を有する槽であればよく、浄水場の沈殿池や、下水処理場の最初沈殿池や最終沈殿池など、沈殿池として知られる用途に適用されるものである。
本実施態様の沈殿池10としては、下水処理場における最初沈殿池として用いられるものとすることが好ましい。一般に、下水処理場の最初沈殿池に供給される被処理水中には、通常の傾斜板では沈降を促進することが困難な浮遊物(特に繊維状物質等の異物)が含まれている。一方、本実施態様の沈殿池設備1Aは、沈殿池10内に、後述する沈降促進体30を設けることにより、このような浮遊物についても効率的に沈降を促進することが可能となり、沈殿池設備1Aとしての沈降分離の機能向上が図られるという効果がある。したがって、沈殿池10を下水処理場の最初沈殿池として用いられるものとすることで、従来沈降促進が困難であった浮遊物の沈降促進を図ることができるという、本発明の効果をより顕著に発揮することが可能となる。
[汚泥掻寄機]
汚泥掻寄機20は、沈殿池10内を長手方向に周回移動する無端チェーン22aを備えている。無端チェーン22aは、沈殿池10の幅方向(紙面垂直方向)に対向して一対が設置されており、この一対の無端チェーン22aには、沈殿池10の幅方向に延びるフライト(掻き寄せ羽根)23が周回方向に沿って複数配置されている。フライト23は、一対の無端チェーン22aを横架するように取り付けられており、フライト23の両端部は、無端チェーン22aより沈殿池10の幅方向外側まで延在し、沈殿池10の側壁近傍に位置している。
また、汚泥掻寄機1は、無端チェーン22aに周回移動するための駆動力を与える駆動軸としての駆動スプロケット21aと、駆動スプロケット21aと一対に設けられる従動軸としての従動スプロケット21bを備え、駆動スプロケット21a及び従動スプロケット21bは池底10a側に設けられている。
すなわち、本実施態様における汚泥掻寄機20としては、いわゆる2軸式のチェーンフライト式汚泥掻寄機として機能するものが挙げられる。これにより、汚泥掻寄機20の上部には沈降促進体30を配置するためのスペースが十分に確保される。
なお、汚泥掻寄機20としては、沈殿池10内に配置した際に、沈降促進体30を配置するスペースが確保されるものであればよく、図1に示した2軸式のチェーンフライト式汚泥掻寄機に限定されるものではない。
図1に示すように、無端チェーン22aは、駆動スプロケット21a及び従動スプロケット21bに掛け回され、沈殿池10内を周回移動するように取り付けられている。更に、無端チェーン22bが、駆動スプロケット21aと、モータ24に設けられたモータ用スプロケット24aに掛け回されており、モータ24の動力を無端チェーン22aに伝達する。
これにより、モータ24の駆動とともに、駆動スプロケット21aが回転駆動し、従動スプロケット21bも同一方向に回転駆動する。したがって、駆動スプロケット21a及び従動スプロケット21bの間に掛けられた無端チェーン22aは池底10aに沿って略水平に移動する。そして、無端チェーン22aに取り付けられたフライト23により、池底10aに堆積した汚泥等が汚泥ピット10bに掻き寄せられる。汚泥ピッチ10bに集められた汚泥等は、排出管10cから沈殿池10の外部に排出される。
無端チェーン22a、22bの形状は、公知の形状を用いることが可能である。無端チェーン22a、22bの形状としては、例えば、ブッシュドチェーン、ローラチェーン、ノッチ式チェーン等が挙げられる。なお、フライト23を取り付けるためのアタッチメントを設置しやすいという観点から、無端チェーン22aの形状としては、ノッチ式チェーンが好ましい。
また、無端チェーン22a、22bの材質は、公知の材質を用いることが可能である。無端チェーン22a、22bの材質としては、例えば、金属製チェーンや樹脂製チェーンが挙げられる。樹脂製チェーンは、軽量であるため、組み立て作業や交換作業が容易になるという利点だけでなく、耐腐食性に優れるため、交換頻度が低下するという利点もある。そのため、本発明において、無端チェーン22a、22bの材質としては、樹脂製チェーンが好ましい。
また、汚泥掻寄機20は、無端チェーン22aに対しチェーンガイドレールを設けるものとしてもよい。これにより、無端チェーン2aを池底10aに沿って略水平に移動させることが容易となる。
チェーンガイドレールの材質は、特に制限されないが、例えば、ステンレス等の金属や、超高分子量ポリエチレン等の樹脂等を使用することができる。無端チェーン22aと同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。ただし、チェーンガイドレールと無端チェーン22aが当接して摺動することを考慮して材質を選択することが好ましい。強度を考慮してステンレス等の金属製のチェーンガイドレールとし、無端チェーン22aと摺動する箇所に超高分子量ポリエチレン等の樹脂製の摺動部を設けることなどが挙げられる。
[沈降促進体]
図1及び図2に示すように、沈降促進体30は、沈殿池10内において略鉛直方向に設けられ、被処理水W中の浮遊物が衝突する衝突面Aを備えるものである。また、本実施態様における沈降促進体30は、沈殿池10内の汚泥掻寄機20の上部に配置されている。
図1及び図2に示すように、本実施態様における沈降促進体30としては、衝突面Aを備える平板31からなるものが挙げられる。また、沈降促進体30として複数の平板31を設けることで、浮遊物が平板31の間を通過する際に、平板31の衝突面Aと衝突し、その後、平板31に沿って鉛直方向下向きに浮遊物が移動することで、浮遊物(固形物)の沈降を促進することができる。また、複数の平板31を設ける際、それぞれの衝突面Aが離間するように配置することで、浮遊物が衝突面Aと衝突する範囲が広くなり、効率的な沈降促進が可能となる。池底10aに沈降した浮遊物は、汚泥掻寄機20によって汚泥とともに掻き寄せられ、沈殿池10外に排出される。
沈降促進体30の形状は、衝突面Aを有するものであればよく、特に制限されない。例えば、図1及び図2に示す平板31のような板状部材のほかに、シート状部材が挙げられる。
また、沈降促進体30の材質としては、例えば、ステンレス等の金属素材、プラスチック素材、布素材等が挙げられる。
沈降促進体30としては、軽量であり、耐水性に優れるという観点からは、プラスチック素材や布素材からなる板状部材あるいはシート状部材が好ましい。一方、沈殿池10内において略鉛直方向に設置された状態を維持するために、一定程度の重量が必要であるという観点からは、金属素材からなる板状部材が好ましい。
図3は、本発明の第1の実施態様における沈降促進体の構造を示す概略説明図である。なお、図3は、図1のI−I矢視図である。
図3に示すように、本実施態様における沈降促進体30は、池底10aの水平方向に対して取付角θが略90°の角度となるように平板31を設置する。これにより、被処理水W中の浮遊物を効率的に衝突面Aに衝突させ、浮遊物を池底10a側に沈降させることが可能となる。また、沈降促進体30表面に対する堆積物の発生を抑制させるという観点から、取付角θは、80°以上であることが好ましく、より好ましくは85°以上であり、特に好ましくは90°(垂直)である。
また、本実施態様における沈降促進体30は、被処理水Wの流れ方向に対しては、どのような角度を成すものであってもよく、例えば、図2に示すように、被処理水Wの流れ方向に対して傾斜させた複数の平板31を組み合わせて鋸歯状を形成させ、この鋸歯状の沈降促進体30が平行に複数並ぶものとすることが挙げられる。図2に示すように、沈降促進体30として、沈殿池10に対して略鉛直方向に設置した衝突面Aを、被処理水Wの流れ方向に対して傾斜させることで、堆積物の発生を抑制するとともに、浮遊物と衝突面Aの衝突機会を増加させて沈降を促進させることが可能となる。
本実施態様の沈降促進体30として、被処理水Wの流れ方向に対する配置については、図2に示すように、鋸歯状を形成するものに限定されない。
図4A〜図4Dは、本実施態様の沈降促進体30において、被処理水Wの流れ方向に対する他の配置例を示す概略説明図である。なお、図4A〜図4Dは、沈殿池設備1Aを上方向から見た平面図である。
沈降促進体30の配置例としては、例えば、図4A〜図4Dに示すように、被処理水Wの流れ方向に対して角度の異なる平板31a〜31fを組み合わせるものが挙げられる。
図4Aでは、被処理水Wの流れ方向に対して平行な平板31aの列と、垂直な平板31bの列とを、離間して組み合わせたものを示している。平板31aにより、被処理水W(浮遊物)の流れを整流し、垂直な平板31bにより、浮遊物と衝突面Aとの効果的な衝突を生じさせることができる。
また、図4Bでは、平板31a及び平板31bをそれぞれ2枚ずつ近接して設け、かつ平板31aと平板31bとを離間して交互に設けるものを示している。このとき、2枚の平板31a間や、2枚の平板31b間では、被処理水Wの流速が低下し、浮遊物と衝突面Aの衝突機会が増加してより一層沈降が促進される。
また、図4Cでは、被処理水Wの流れ方向に対して傾斜した平板31cの列と、平板31cと逆方向に傾斜した平板31dの列とを、離間して組み合わせたものを示している。これにより、平板31cと平板31dの間を被処理水Wが流れるとともに、浮遊物と衝突面Aの衝突機会が増加して沈降が促進される。
また、図4Dでは、被処理水Wの流れ方向に対してくさび型を形成した平板31eの列と、垂直な平板31fの列とを、離間して組み合わせたものを示している。これにより、平板31e間を流れることで流速が増大した被処理水Wが平板31fに衝突することで、浮遊物の沈降を促進させることが可能となる。
なお、沈降促進体30の配置については、沈殿池10に対して略鉛直方向に設けられるものであればよく、図4A〜図4Dに示したものは、沈降促進体30の配置の一例であって、これに限定されるものではない。
本実施態様における沈降促進体30を沈殿池10内に配置する手段としては特に限定されない。例えば、図3に示すように、沈殿池10上部に架台32を設け、架台32から懸下用部材33を介して平板31を懸下することが挙げられる。
懸下用部材33としては、沈降促進体30を懸下して保持することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、金属素材からなるチェーンや、強化繊維素材からなる紐状部材などが挙げられる。また、懸下用部材33は、沈降促進体30としての平板31の上端に取り付けられる。このとき、平板31の上部中心に懸下用部材33を取り付け、沈殿池10内における平板31の回転を許容するものとしてもよい。また、平板31の上部両端に懸下用部材33を取り付け、沈殿池10内における平板31の移動を制限するものとしてもよい。
また、沈殿池10内において平板31の略鉛直方向の設置状態を維持するために、平板31同士を連結する連結部材を設けることや池底10a側から平板31を支持する支持部材を設けることが挙げられる。なお、沈殿池10内に平板31の連結部材や支持部材を設けた場合、これらの部材に対し沈降した浮遊物(特に繊維状物質からなる異物)が付着し、除去に係る作業が負担となることがある。このため、沈降促進体30は、沈殿池10上部から懸下用部材33のみにより配置され、懸下用部材33は水面10dよりも上部にあることがより好ましい。これにより、沈降促進体30を支持する箇所に対する浮遊物の付着・絡み付きを抑制することができる。また、このとき、沈降促進体30としては、懸下状態で沈殿池10内における略鉛直方向の設置状態を維持するために、金属素材など一定の重量を有する材質を用いることが挙げられる。また、他の例として、沈降促進体30としてプラスチック素材や布素材など比較的軽量の材質を用い、沈降促進体30の末端に重りを設けるものとすること等が挙げられる。
沈降促進体30は、沈殿池10内で略鉛直方向に配置されるものであればよく、沈殿池10内で配置される位置については特に限定されない。
例えば、図1及び図2に示すように、沈殿池10の手前側(被処理水Wの流れ方向上流側)に沈降促進体30を設けることが挙げられる。これにより、浮遊物が被処理水Wの流れ方向上流側で沈降することを促進し、浮遊物が処理水と共に沈殿池10から排出されることを抑制することができる。
一方、被処理水W中の浮遊物の量が多い場合、沈降促進体30の配置位置を被処理水Wの流れ方向上流側とすると、沈降促進体30近傍に浮遊物が集まり過ぎることで、沈降促進体30への浮遊物の衝突機会が逆に低減し、沈降促進体30による沈降促進効率が低下する可能性がある。この場合、沈降促進体30の配置箇所は、被処理水Wの流れ方向下流側とすることが好ましい。
なお、沈降促進体30を懸下用部材33のみによって懸下する場合、沈降促進体30の沈殿池10からの回収や位置変更を容易に行うことができる。したがって、被処理水Wの性質によって、沈降促進体30の位置を調整するものとしてもよい。
本実施態様の沈降促進体30及び沈殿池設備1Aにおいては、沈降促進体30表面に堆積物が発生することを抑制できるため、沈降促進体30の洗浄等のメンテナンス作業に係るコストを大幅に削減することが可能となる。例えば、沈降促進体30表面近傍にある浮遊物は、沈殿池10内の被処理水Wを抜くことで、被処理水Wとともに沈殿池10外に排出される。したがって、沈降促進体30の洗浄のための装置構成を別途設ける必要性は特になく、沈殿池設備1Aの構造を簡略化できるとともに、メンテナンス作業が容易となるという効果を奏する。
以上のように、本実施態様における沈降促進体により、沈殿池内を浮遊する浮遊物は、垂直な衝突面に衝突することになり、沈降促進体表面に堆積することなく、衝突面に沿って鉛直方向下向きに沈降することとなる。これにより、沈降促進体表面における堆積物の発生を抑制し、かつ浮遊物の沈降を効率的に促進することが可能となる。
また、本実施態様における沈殿池設備において、上述した沈降促進体を用いることで、沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を、沈降促進体表面への堆積物の発生を抑制した状態で促進することが可能となる。また、沈降した浮遊物及び汚泥は、汚泥掻寄機により効率的に回収することが可能となる。これにより、沈降分離の機能が強化された沈殿池設備となる。特に、最初沈殿池のように、沈殿池内に浮遊する浮遊物として、通常の傾斜板では沈降促進が困難である繊維状物質からなる異物等が含まれるものについても、沈降分離の機能を強化することが可能となる。
〔第2の実施態様〕
図5は、本発明の第2の実施態様の沈殿池設備1Bの構造を示す概略説明図である。
本発明の第2の実施態様の沈殿池設備1Bは、図5に示すように、汚泥掻寄機20の無端チェーン22aあるいはフライト23に、沈降促進体30と接触して振動を与える振動付与機構40を設けるものである。なお、第1の実施態様と同様の構成については説明を省略する。
本実施態様における沈殿池設備1Bは、汚泥掻寄機20の構成を利用し、沈降促進体30に振動を与えることで、沈降促進体30における沈降促進及び堆積物の堆積抑制(除去)を行うものである。これにより、大がかりな装置構成を追加することなく、沈降促進体30に対するメンテナンス作業に係るコストをより一層削減することが可能となる。
本実施態様における振動付与機構40としては、汚泥掻寄機20に取り付けられ、沈降促進体30に接触して振動を与えることができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。
振動付与機構40としては、例えば、図5に示すように、棒状部材41の先端にヘッド部42を取り付けたマレット状とすることが挙げられる。棒状部材41を無端チェーン22aあるいはフライト23に取り付け、ヘッド部42が沈降促進体30と接触するように配置する。このとき、棒状部材41は、沈降促進体30との接触の衝撃に耐えるために、衝撃を吸収することができる可撓性を有する部材とすることが好ましい。また、ヘッド部42は、沈降促進体30の損傷を抑制するため、弾性を有する部材とすることが好ましい。これにより、汚泥掻寄機20の駆動に伴い、沈降促進体30に振動が付与され、沈降促進体30における沈降促進及び堆積物の堆積抑制(除去)を行うことが可能となる。
振動付与機構40は、1又は複数設けるものとすることができる。本実施態様における振動付与機構40は、周回移動する無端チェーン22aあるいはフライト23に取り付けるため、少なくとも1つの振動付与機構40が備えられているものであれば、沈降促進体30に対し振動を付与することが可能であり、振動付与機構40としての部品点数が少なくて済むという利点がある。一方、複数の振動付与機構40を備えた場合、沈降促進体30に対し短い間隔で振動を与えることができるため、沈降促進体30表面に堆積物が発生することをより一層抑制することが可能となる。
なお、上述した実施態様は沈降促進体及び沈殿池設備の一例を示すものである。本発明に係る沈降促進体及び沈殿池設備は、上述した実施態様に限られるものではなく、要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る沈降促進体及び沈殿池設備を変形してもよい。
例えば、本実施態様における沈降促進体としては、板状部材やシート状部材の表面に、浮遊物の堆積を抑制するための表面処理を行うものとしてもよい。このような表面処理としては、撥水処理や表面の滑面化処理などが挙げられる。これにより、沈降促進体表面における堆積物の発生をより一層抑制することが可能となる。
本発明の沈降促進体は、下水処理場、廃水処理場、浄水場等の沈殿池における浮遊物の沈降を促進するために利用される。
また、本発明の沈殿池設備は、下水処理場、廃水処理場、浄水場等において、汚泥のような固形物を含む被処理水の処理に利用される。特に、下水処理場の最初沈殿池を含む沈殿池設備として好適に利用される。
1A,1B 沈殿池設備、10 沈殿池、10a 池底、10b 汚泥ピット、10c 排出管、10d 水面、20 汚泥掻寄機、21a 駆動スプロケット、21b 従動スプロケット、22a,22b 無端チェーン、23 フライト、24 モータ、24a モータ用スプロケット、30 沈降促進体、31,31a〜31f 平板、32 架台、33 懸下用部材、40 振動付与機構、41 棒状部材、42 ヘッド部、A 衝突面、W 被処理水、θ 取付角

Claims (4)

  1. 沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進する沈降促進体であって、
    沈殿池内において略鉛直方向に設けられ、前記浮遊物が衝突する衝突面を備えることを特徴とする、沈降促進体。
  2. 前記衝突面は複数存在し、複数の衝突面同士が離間して設けられることを特徴とする、請求項1に記載の沈降促進体。
  3. 沈殿池上部から懸下することを特徴とする、請求項1又は2に記載の沈降促進体。
  4. 最初沈殿池内に、
    沈殿池内に浮遊する浮遊物の沈降を促進する沈降促進体と、
    沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機と、を備える沈殿池設備であって、
    前記沈降促進体は、沈殿池内において略鉛直方向に設けられ、浮遊物が衝突する衝突面を備えることを特徴とする、沈殿池設備。


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