JP2021136769A - モータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータバスバーとコネクタとを適切に接続する。【解決手段】モータハウジング15に収容され、ステータコイル31に電気的に接続されるモータバスバー32と、モータハウジング15の外面30oに取り付けられ、モータハウジング15を貫通してモータハウジング15内に露出する導体ピン35を備える高電圧コネクタ34と、モータハウジング15の内面30iに取り付けられ、隙間を空けて締結ナット60を保持する下側樹脂ケース41と、下側樹脂ケース41に隙間を空けて取り付けられ、モータバスバー32と導体ピン35とを電気的に接続する中継バスバー36を保持する上側樹脂ケース42と、を有し、中継バスバー36は、締結ボルト46を用いて導体ピン35に接続される第1端板部43と、締結ボルト47を用いてモータバスバー32に接続される第2端板部44と、を備え、締結ボルト47は、モータバスバー32および中継バスバー36を貫通して締結ナット60に締結される。【選択図】図3

Description

本発明は、ハウジングを備えるモータ装置に関する。
電気自動車やハイブリッド車両等の車両には、動力源としてモータ装置が搭載されている。また、モータ装置が備えるハウジングの外壁には、インバータから延びる通電ケーブルを接続するためのコネクタが取り付けられている。さらに、ハウジング内には端子台が組み付けられており、モータバスバーには端子台を介してコネクタが接続されている(特許文献1〜3参照)。
登録実用新案第3004438号公報 特開平11−121064号公報 特開平11−121067号公報
ところで、モータ装置の各部品には寸法公差が設定されるため、モータバスバーとコネクタとの相対的な位置にはバラツキが生じてしまう。このため、モータバスバーとコネクタとの間隔の大きさによっては、端子台を用いてモータバスバーとコネクタとを接続する際に、モータバスバーやコネクタの接続不良を招いてしまう虞がある。そこで、モータバスバーとコネクタとの相対的な位置にバラツキが生じていた場合であっても、モータバスバーとコネクタとを適切に接続することが求められている。
本発明の目的は、モータバスバーとコネクタとを適切に接続することにある。
本発明のモータ装置は、ハウジングを備えるモータ装置であって、前記ハウジングに収容され、ステータコイルに電気的に接続されるモータバスバーと、前記ハウジングの外面に取り付けられ、前記ハウジングを貫通してハウジング内に露出する導体部を備えるコネクタと、前記ハウジングの内面に取り付けられ、隙間を空けてナット部材を保持する第1絶縁部材と、前記第1絶縁部材に隙間を空けて取り付けられ、前記モータバスバーと前記導体部とを電気的に接続する中継バスバーを保持する第2絶縁部材と、を有し、前記中継バスバーは、第1ボルト部材を用いて前記導体部に接続される第1端板部と、第2ボルト部材を用いて前記モータバスバーに接続される第2端板部と、を備え、前記第2ボルト部材は、前記モータバスバーおよび前記中継バスバーを貫通して前記ナット部材に締結される。
本発明のモータ装置は、ハウジングの内面に取り付けられ、隙間を空けてナット部材を保持する第1絶縁部材と、第1絶縁部材に隙間を空けて取り付けられ、モータバスバーと導体部とを電気的に接続する中継バスバーを保持する第2絶縁部材と、を有する。これにより、ハウジングに取り付けられる第1絶縁部材に対し、第2絶縁部材およびナット部材を移動させることができ、モータバスバーとコネクタとを適切に接続することができる。
本発明の一実施の形態であるモータ装置を示す概略図である。 図1のA−A線に沿ってモータ装置を示す断面図である。 図2のB−B線に沿ってモータ装置の一部を示す断面図である。 モータ装置に組み付けられる端子台組立体を示す斜視図である。 端子台組立体の構造を示す分解図である。 (A)は上側樹脂ケースと中継バスバーとを分離した状態で示す斜視図であり、(B)は中継バスバーが圧入された上側樹脂ケースを示す斜視図である。 下側樹脂ケースをハウジング壁に取り付ける過程を示す斜視図である。 上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付ける過程を示す斜視図である。 上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付ける過程を示す正面図、および正面図のC1−C1線に沿う断面図である。 (A)は、上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付けた状態を示す正面図、および正面図のC2−C2線に沿う断面図である。(B)は、中継バスバーをモータバスバーおよび高電圧コネクタに締結した状態を示す正面図、および正面図のC3−C3線に沿う断面図である。 締結ボルト、導体ピンおよびモータバスバーが基準位置であった場合の端子台組立体を示す正面図である。 (A)および(B)は、導体ピンが基準位置からずれる場合の端子台組立体を示す正面図である。 (A)および(B)は、モータバスバーが基準位置からずれる場合の端子台組立体を示す正面図である。 (A)は、上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付けた状態を示す正面図であり、(B)および(C)は、正面図のD−D線に沿う断面図である。 (A)〜(D)は、高電圧コネクタに対する中継バスバーの取付過程を簡単に示す図である。 (A)〜(C)は、上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付ける過程を示す図である。 (A)〜(C)は、上側樹脂ケースを下側樹脂ケースに取り付ける過程を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[モータ装置の全体構造]
図1は本発明の一実施の形態であるモータ装置10を示す概略図である。また、図2は図1のA−A線に沿ってモータ装置10を示す断面図であり、図3は図2のB−B線に沿ってモータ装置10の一部を示す断面図である。図示するモータ装置10は、電気自動車等の車両に搭載される電動アクスルである。このモータ装置10を用いることにより、モータ動力によって左右の車軸11,12を回転させることができ、図示しない左右の車輪を駆動することができる。
図1に示すように、モータ装置10は、第1ハウジング13および第2ハウジング14からなるモータハウジング(ハウジング)15を有している。このモータハウジング15には、電動モータ16および減速機構17が収容されている。つまり、第1ハウジング13にはロータ18およびステータ19からなる電動モータ16が収容されており、第2ハウジング14には減速ギヤ列20,21やデファレンシャル機構22からなる減速機構17が収容されている。なお、モータハウジング15には、潤滑や冷却に用いられるオイルXが貯留されている。
図1〜図3に示すように、モータハウジング15を構成する第1ハウジング13には、電動モータ16の上方に位置するハウジング壁30が設けられている。また、電動モータ16のステータ19には、モータ各相(U相,V相,W相)のステータコイル31が巻き付けられている。各ステータコイル31にはモータバスバー32が電気的に接続されており、モータ各相に対応する3本のモータバスバー32はハウジング壁30に対してほぼ平行に延びている。また、モータハウジング15つまりハウジング壁30の内面30iには端子台組立体33が取り付けられており、モータハウジング15つまりハウジング壁30の外面30oには高電圧コネクタ(コネクタ)34が取り付けられている。さらに、高電圧コネクタ34は、ハウジング壁30を貫通してモータハウジング15内に露出する導体ピン(導体部)35を有している。
ハウジング壁30に取り付けられる端子台組立体33には中継バスバー36が組み込まれており、この中継バスバー36を介してステータコイル31と高電圧コネクタ34とは互いに接続される。つまり、中継バスバー36の一端部には、モータバスバー32を介してステータコイル31が接続されており、中継バスバー36の他端部には、高電圧コネクタ34の導体ピン35が接続されている。図1に示すように、高電圧コネクタ34には、通電ケーブル(通電経路)37を介して電力変換機器であるインバータ38が接続されており、交流電力と直流電力とを変換するインバータ38には、図示しないリチウムイオンバッテリ等のバッテリが接続される。
[端子台組立体の構造]
続いて、モータバスバー32と高電圧コネクタ34とを接続する端子台組立体33について説明する。図4はモータ装置10に組み付けられる端子台組立体33を示す斜視図であり、図5は端子台組立体33の構造を示す分解図である。図4および図5に示すように、端子台組立体33は、締結ボルト40によってハウジング壁30に取り付けられる下側樹脂ケース(第1絶縁部材)41と、下側樹脂ケース41に取り付けられる上側樹脂ケース(第2絶縁部材)42と、を有している。また、上側樹脂ケース42には3つの中継バスバー36が圧入されており、上側樹脂ケース42には3つの中継バスバー36が保持されている。なお、後述するように、上側樹脂ケース42は、所定の隙間を空けて下側樹脂ケース41に取り付けられている。また、下側樹脂ケース41および上側樹脂ケース42は、ポリエチレン等の絶縁樹脂材料を用いて形成される。
図6(A)は上側樹脂ケース42と中継バスバー36とを分離した状態で示す斜視図であり、図6(B)は中継バスバー36が圧入された上側樹脂ケース42を示す斜視図である。また、図7は下側樹脂ケース41をハウジング壁30に取り付ける過程を示す斜視図である。
図3および図6(A)に示すように、折り曲げ形状を有する中継バスバー36は、クランク状に折り曲げられている。つまり、中継バスバー36は、高電圧コネクタ34の導体ピン35に接続される第1端板部43と、モータバスバー32に接続される第2端板部44と、第1端板部43および第2端板部44を互いに連結する連結板部45と、を有している。また、第1端板部43と第2端板部44とは互いに平行に配置されており、連結板部45は第1および第2端板部43,44に対してほぼ直角に配置されている。また、第1端板部43には、締結ボルト(第1ボルト部材)46が挿入される貫通孔43aが形成されており、第2端板部44には、締結ボルト(第2ボルト部材)47が挿入される貫通孔44aが形成されている。
図3、図6(A)および(B)に示すように、上側樹脂ケース42は、中継バスバー36の第1端板部43を収容する3つの開口部50が形成されたコネクタ側本体部51と、中継バスバー36の第2端板部44を収容する3つの開口部52が形成されたモータ側本体部53と、を有している。上側樹脂ケース42のコネクタ側本体部51には、それぞれの開口部50を仕切る隔壁54が形成されるとともに、一対の係合片55およびストッパ56が形成されている。また、上側樹脂ケース42のモータ側本体部53には、それぞれの開口部52を仕切る隔壁57が形成されるとともに、中継バスバー36が圧入される圧入溝58が形成されている。
図3および図7に示すように、下側樹脂ケース41は、締結ナット(ナット部材)60を収容する角穴61を備えたナット収容部62と、締結ボルト40が挿入される貫通孔63を備えた一対の取付板部64と、を有している。なお、ナット収容部62の角穴61には、所定の隙間を空けて締結ナット60が収容されている。また、下側樹脂ケース41の取付板部64には、上側樹脂ケース42の係合片55に係合する一対の係合溝65が形成されている。図4に示すように、下側樹脂ケース41に上側樹脂ケース42を係合させる際には、下側樹脂ケース41の係合溝65に対して上側樹脂ケース42の係合片55が収容される。
[端子台組立体の組付過程]
続いて、端子台組立体33の組付過程について説明する。図8は上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付ける過程を示す斜視図である。図9は、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付ける過程を示す正面図、および正面図のC1−C1線に沿う断面図である。また、図10(A)は、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付けた状態を示す正面図、および正面図のC2−C2線に沿う断面図である。さらに、図10(B)は、中継バスバー36をモータバスバー32および高電圧コネクタ34に締結した状態を示す正面図、および正面図のC3−C3線に沿う断面図である。
図7に矢印a1で示すように、モータハウジング15のハウジング壁30に形成される取付ボス70には、締結ボルト40を用いて下側樹脂ケース41が取り付けられる。このとき、図8および図9に示すように、下側樹脂ケース41のナット収容部62は、モータバスバー32の先端部に対向するように配置される。次いで、図9に矢印a2で示すように、下側樹脂ケース41の上方から上側樹脂ケース42が組み付けられる。つまり、上側樹脂ケース42に保持される中継バスバー36の第2端板部44が、モータバスバー32とナット収容部62との間に挿入されるように、下側樹脂ケース41の上方から上側樹脂ケース42が組み付けられる。このとき、上側樹脂ケース42には中継バスバー36が圧入によって固定されることから、上側樹脂ケース42から中継バスバー36が脱落することがなく、上側樹脂ケース42の組み付け作業を容易にすることができる。
そして、図10(A)に示すように、上側樹脂ケース42の係合片55が下側樹脂ケース41の係合溝65に係合するまで、下側樹脂ケース41に対して上側樹脂ケース42が押し付けられると、下側樹脂ケース41に対する上側樹脂ケース42の組み付けが完了する。次いで、図10(B)に示すように、締結ボルト46によって中継バスバー36の第1端板部43が高電圧コネクタ34の導体ピン35に取り付けられ、締結ボルト47によって中継バスバー36の第2端板部44がモータバスバー32に取り付けられる。つまり、図8に破線の矢印a3で示すように、締結ボルト46が、中継バスバー36の貫通孔43aに挿入され、導体ピン35のネジ孔35aに締め付けられる。また、一点鎖線の矢印a4で示すように、締結ボルト47が、モータバスバー32および中継バスバー36の貫通孔32a,44aに挿入され、締結ナット60のネジ孔60aに締め付けられる。これにより、ステータコイル31から延びるモータバスバー32と高電圧コネクタ34の導体ピン35とは、中継バスバー36を介して電気的に接続される。
[端子台組立体による公差吸収]
ところで、モータ装置10を構成する各部品には寸法公差が設定されるため、モータバスバー32と高電圧コネクタ34との相対的な位置にはバラツキが生じてしまう。そこで、下側樹脂ケース41および上側樹脂ケース42からなる端子台組立体33は、モータバスバー32と高電圧コネクタ34との相対的な位置のずれを吸収しながら、モータバスバー32と高電圧コネクタ34とに中継バスバー36を接続する。以下、端子台組立体33によって寸法公差を吸収しながら、中継バスバー36をモータバスバー32および高電圧コネクタ34に接続する過程について説明する。
図11は、締結ボルト40、導体ピン35およびモータバスバー32が基準位置であった場合の端子台組立体33を示す正面図である。また、図12(A)および(B)は、導体ピン35が基準位置からずれる場合の端子台組立体33を示す正面図である。さらに、図13(A)および(B)は、モータバスバー32が基準位置からずれる場合の端子台組立体33を示す正面図である。図11に示される状態とは、締結ボルト40の中心位置P1、中央に配置される導体ピン35の中心位置P2、および中央に配置されるモータバスバー32が備える貫通孔32aの中心位置P3が、設計上の基準位置に設けられた状態である。この状態においては、中心位置P1と中心位置P2との間の水平方向距離は「L1」であり、中心位置P1と中心位置P3との間の水平方向距離は「L2」である。
(下側樹脂ケースに対する上側樹脂ケースの水平垂直移動)
前述したように、上側樹脂ケース42は、所定の隙間を空けて下側樹脂ケース41に取り付けられている。つまり、図11の拡大部分に示すように、係合片55と係合溝65との間には、水平方向に隙間g1が設けられており、垂直方向に隙間g2,g3が設けられている。このため、締結ボルト46,47を締め付ける前の端子台組立体33においては、上側樹脂ケース42の係合片55が下側樹脂ケース41の係合溝65に接触するまで、上側樹脂ケース42を水平方向や垂直方向に移動させることができる。換言すれば、締結ボルト46,47の締め付けを解除した場合に、下側樹脂ケース41に隙間を空けて取り付けられる上側樹脂ケース42は、上側樹脂ケース42の係合片55が下側樹脂ケース41の係合溝65に接触するまで、モータバスバー32の貫通孔32aの径方向(矢印α方向)に移動自在である。このように、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に対して移動させることができるため、ハウジング壁30の取付ボス70に固定される締結ボルト40に対し、高電圧コネクタ34の導体ピン35の位置が基準位置からずれる場合であっても、中継バスバー36を導体ピン35に適切に接続することができる。
例えば、図12(A)に示すように、中心位置P1と中心位置P2との間の水平方向距離が「L1」よりも長い「L1a」であったとしても、上側樹脂ケース42を矢印X1方向に移動させることができ、中継バスバー36の貫通孔43aと導体ピン35のネジ孔35aとを合わせることができ、締結ボルト46を適切に締め付けることができる。このとき、モータバスバー32の貫通孔32aに対し、中継バスバー36の貫通孔44aがずれてしまう虞があるが、貫通孔44aは貫通孔32aよりも大きく形成されることから、締結ボルト47を双方の貫通孔32a,44aに適切に挿入することができる。
また、例えば、図12(B)に示すように、中心位置P1と中心位置P2との間の水平方向距離が「L1」よりも短い「L1b」であったとしても、上側樹脂ケース42を矢印X2方向に移動させることができ、中継バスバー36の貫通孔43aと導体ピン35のネジ孔35aとを合わせることができ、締結ボルト46を適切に締め付けることができる。このとき、モータバスバー32の貫通孔32aに対し、中継バスバー36の貫通孔44aがずれてしまう虞があるが、貫通孔44aは貫通孔32aよりも大きく形成されることから、締結ボルト47を双方の貫通孔32a,44aに適切に挿入することができる。
(下側樹脂ケース内における締結ナットの移動)
図11の切り欠き部分に示すように、下側樹脂ケース41のナット収容部62には、所定の隙間を空けて締結ナット60が保持されている。つまり、ナット収容部62の角穴61とこれに収容される締結ナット60との間には、締結ナット60を取り囲むように隙間g4が設けられている。これにより、下側樹脂ケース41のナット収容部62内で締結ナット60を移動させることができるため、ハウジング壁30の取付ボス70に固定される締結ボルト40に対し、ステータコイル31から延びるモータバスバー32の位置が基準位置からずれる場合であっても、中継バスバー36をモータバスバー32に適切に接続することができる。
例えば、図13(A)に示すように、中心位置P1と中心位置P3との間の水平方向距離が「L2」よりも短い「L2a」であったとしても、下側樹脂ケース41内で締結ナット60を矢印X3方向に移動させることにより、モータバスバー32の貫通孔32aと締結ナット60のネジ孔60aとを合わせることができ、締結ボルト46を適切に締め付けることができる。このとき、モータバスバー32の貫通孔32aに対し、中継バスバー36の貫通孔44aがずれてしまう虞があるが、貫通孔44aは貫通孔32aよりも大きく形成されることから、締結ボルト47を双方の貫通孔32a,44aに適切に挿入することができる。
また、例えば、図13(B)に示すように、中心位置P1と中心位置P3との間の水平方向距離が「L2」よりも長い「L2b」であったとしても、下側樹脂ケース41内で締結ナット60を矢印X4方向に移動させることにより、モータバスバー32の貫通孔32aと締結ナット60のネジ孔60aとを合わせることができ、締結ボルト46を適切に締め付けることができる。このとき、モータバスバー32の貫通孔32aに対し、中継バスバー36の貫通孔44aがずれてしまう虞があるが、貫通孔44aは貫通孔32aよりも大きく形成されることから、締結ボルト47を双方の貫通孔32a,44aに適切に挿入することができる。
これまで説明したように、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に対して移動させることができるため、ハウジング壁30の取付ボス70に固定される締結ボルト40に対し、高電圧コネクタ34の導体ピン35の位置が基準位置からずれる場合であっても、中継バスバー36を導体ピン35に適切に接続することができる。また、下側樹脂ケース41内で締結ナット60を移動させることができるため、ハウジング壁30の取付ボス70に固定される締結ボルト40に対し、モータバスバー32の位置が基準位置からずれる場合であっても、中継バスバー36をモータバスバー32に適切に接続することができる。
(下側樹脂ケースに対する上側樹脂ケースの前後移動)
図14(A)は、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付けた状態を示す正面図であり、図14(B)および(C)は、図14(A)のD−D線に沿う断面図である。また、図15(A)〜(D)は、高電圧コネクタ34に対する中継バスバー36の取付過程を簡単に示す図である。
前述したように、上側樹脂ケース42は、所定の隙間を空けて下側樹脂ケース41に取り付けられている。このため、締結ボルト46,47を締め付ける前の端子台組立体33においては、上側樹脂ケース42のストッパ56が下側樹脂ケース41の取付板部64に接触するまで、上側樹脂ケース42を前後方向に移動させることができる。換言すれば、締結ボルト46,47の締め付けを解除した場合に、下側樹脂ケース41に隙間を空けて取り付けられる上側樹脂ケース42は、上側樹脂ケース42のストッパ56が下側樹脂ケース41の取付板部64に接触するまで、モータバスバー32に近づく方向とモータバスバー32から離れる方向に移動自在である。
つまり、図14(B)に示すように、モータバスバー32から離れる方向(矢印β1方向)に、上側樹脂ケース42を移動させることができる一方、図14(C)に示すように、モータバスバー32に近づく方向(矢印β2方向)に、上側樹脂ケース42を移動させることができる。このように、所定のストロークSで上側樹脂ケース42を前後移動させることができるため、ハウジング壁30の取付ボス70の端面70aに対し、高電圧コネクタ34の導体ピン35の端面35bが基準位置からずれる場合であっても、中継バスバー36を導体ピン35に適切に接続することができる。
例えば、図15(A)に示すように、高電圧コネクタ34の導体ピン35の突出量が少なく、取付ボス70の端面70aよりも導体ピン35の端面35bが低い場合には、図15(B)に示すように、上側樹脂ケース42を矢印β1方向に移動させる。これにより、中継バスバー36を導体ピン35に接触させることができ、中継バスバー36を導体ピン35に適切に接続することができる。また、例えば、図15(C)に示すように、高電圧コネクタ34の導体ピン35の突出量が多く、取付ボス70の端面70aよりも導体ピン35の端面35bが高い場合には、図15(D)に示すように、上側樹脂ケース42を矢印β2方向に移動させる。これにより、中継バスバー36を導体ピン35に接触させることができ、中継バスバー36を導体ピン35に適切に接続することができる。
(上側樹脂ケースの厚み寸法)
図16(A)〜(C)は、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付ける過程を示す図である。図16には、モータバスバー32と導体ピン35との間隔が許容範囲の最小値Sminであるときの取付過程が示されている。また、図17(A)〜(C)は、上側樹脂ケース42を下側樹脂ケース41に取り付ける過程を示す図である。図17には、モータバスバー32と導体ピン35との間隔が許容範囲の最大値Smaxであるときの取付過程が示されている。
図16および図17に示すように、上側樹脂ケース42の厚み寸法T1は、モータバスバー32と導体ピン35との最小間隔Sminよりも大きく設定され、かつモータバスバー32と導体ピン35との最大間隔Smaxよりも小さく設定されている。なお、図示する例では、上側樹脂ケース42の厚み寸法T1は、最大間隔Smaxと最小間隔Sminとの中間値に設定されている。このように、上側樹脂ケース42の厚み寸法T1を設定することにより、最小間隔Sminから最大間隔Smaxまで、モータバスバー32に対して中継バスバー36を適切に接続することができる。
図16(A)に示すように、モータバスバー32と導体ピン35との間隔が最小間隔Sminであった場合には、図16(B)に示すように、上側樹脂ケース42は下側樹脂ケース41に対して傾けながら下ろされる。つまり、上側樹脂ケース42と下側樹脂ケース41との間には隙間が設けられるため、上側樹脂ケース42を隙間の範囲内で傾斜させることが可能である。これにより、上側樹脂ケース42の厚み寸法T1が最小間隔Sminよりも大きい場合であっても、矢印b1方向にモータバスバー32を変形させながら、モータバスバー32と導体ピン35との間に上側樹脂ケース42を挿入することができる。これにより、図16(C)に示すように、モータバスバー32および導体ピン35に対し、中継バスバー36を適切に接続することができる。なお、上側樹脂ケース42を組み付ける際にモータバスバー32を変形させているが、モータバスバー32の変形量が許容範囲内に収まるように、最小間隔Sminおよび厚み寸法T1が設定されていることはいうまでもない。
また、図17(A)に示すように、モータバスバー32と導体ピン35との間隔が最大間隔Smaxであった場合には、図17(B)に示すように、上側樹脂ケース42はモータバスバー32と導体ピン35との間に真っ直ぐ下ろされる。この場合には、モータバスバー32と中継バスバー36との間に隙間が設けられることから、締結ボルト47を締め付ける際にモータバスバー32が矢印b2方向に変形することになる。しかしながら、上側樹脂ケース42の厚み寸法T1は、最小間隔Sminよりも大きく設定されることから、モータバスバー32の変形量を少なく抑えることができる。なお、モータバスバー32の変形量が許容範囲内に収まるように、最大間隔Smaxおよび厚み寸法T1が設定されていることはいうまでもない。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、電動アクスルとしてのモータ装置10を例示しているが、これに限られることはなく、ミッションハウジング等に組み込まれるモータ装置に対して本発明を適用しても良い。また、図示する例では、モータ装置10に減速機構17が組み込まれているが、これに限られることはなく、モータ装置10から減速機構17を省略しても良い。
前述の説明では、上側樹脂ケース42に中継バスバー36を圧入しているが、これに限られることはなく、上側樹脂ケース42に中継バスバー36が固定されていれば良い。例えば、モールド成型によって上側樹脂ケース42に中継バスバー36を組み込んでも良く、上側樹脂ケース42に中継バスバー36を接着しても良い。また、モータバスバー32および中継バスバー36は、銅やアルミニウム等の金属材料を用いて形成することができる。また、下側樹脂ケース41および上側樹脂ケース42は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂材料を用いて形成することができる。
10 モータ装置
15 モータハウジング(ハウジング)
30i 内面
30o 外面
31 ステータコイル
32 モータバスバー
32a 貫通孔
34 高電圧コネクタ(コネクタ)
35 導体ピン(導体部)
36 中継バスバー
37 通電ケーブル(通電経路)
38 インバータ
41 下側樹脂ケース(第1絶縁部材)
42 上側樹脂ケース(第2絶縁部材)
43 第1端板部
44 第2端板部
46 締結ボルト(第1ボルト部材)
47 締結ボルト(第2ボルト部材)
60 締結ナット(ナット部材)

Claims (6)

  1. ハウジングを備えるモータ装置であって、
    前記ハウジングに収容され、ステータコイルに電気的に接続されるモータバスバーと、
    前記ハウジングの外面に取り付けられ、前記ハウジングを貫通してハウジング内に露出する導体部を備えるコネクタと、
    前記ハウジングの内面に取り付けられ、隙間を空けてナット部材を保持する第1絶縁部材と、
    前記第1絶縁部材に隙間を空けて取り付けられ、前記モータバスバーと前記導体部とを電気的に接続する中継バスバーを保持する第2絶縁部材と、
    を有し、
    前記中継バスバーは、第1ボルト部材を用いて前記導体部に接続される第1端板部と、第2ボルト部材を用いて前記モータバスバーに接続される第2端板部と、を備え、
    前記第2ボルト部材は、前記モータバスバーおよび前記中継バスバーを貫通して前記ナット部材に締結される、
    モータ装置。
  2. 請求項1に記載のモータ装置において、
    前記第1ボルト部材および前記第2ボルト部材の締め付けを解除した場合に、前記第1絶縁部材に隙間を空けて取り付けられる前記第2絶縁部材は、前記第2ボルト部材が挿入される前記モータバスバーの貫通孔の径方向に移動自在である、
    モータ装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ装置において、
    前記第1ボルト部材および前記第2ボルト部材の締め付けを解除した場合に、前記第1絶縁部材に隙間を空けて取り付けられる前記第2絶縁部材は、前記モータバスバーに近づく方向と前記モータバスバーから離れる方向との双方に移動自在である、
    モータ装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のモータ装置において、
    前記中継バスバーは、前記第2絶縁部材に固定される、
    モータ装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のモータ装置において、
    前記中継バスバーは折り曲げ形状を備え、前記第1端板部と前記第2端板部とは互いに平行である、
    モータ装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のモータ装置において、
    前記コネクタに、通電経路を介してインバータが接続される、
    モータ装置。
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