JP2021135259A - センサパッケージおよびセンサモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】応答性を向上する。【解決手段】センサパッケージ10は容器18と複数のセンサ19とを有する。容器18は直線状の第1の方向d1に沿って流体を流動させる内部流路21を内部に有する。複数のセンサ19は第1の方向d1に沿って並ぶように内部流路21に位置する。センサ19は流体中の検出対象成分を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、センサパッケージおよびセンサモジュールに関するものである。
空間中のニオイを検出するために、流路配管内にセンサとして機能する水晶振動子を配置した計測装置が知られている(特許文献1参照)。ニオイは、分子単体、または複数の異なる分子からなる分子群に対して生物が知覚するものであり、ニオイの検出のために複数のセンサを用いることが知られている(特許文献2参照)。
特開2012−2691号公報 国際公開2018/211642号
複数のセンサを流路内に配置した構成において、応答性の向上が求められている。
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、応答性を向上するセンサパッケージおよびセンサモジュールを提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点によるセンサパッケージは、
直線状の第1の方向に沿って流体を流動させる内部流路を内部に有する容器と、
前記第1の方向に沿って並ぶように前記内部流路に位置し、流体中の検出対象成分を検出する複数のセンサと、を備える。
また、第2の観点によるセンサモジュールは、
第1流路および第2流路の下流側に配置され、前記第1流路および前記第2流路の開閉状態を選択的に切替える切替部と、
前記切替部の下流側に配置され、直線状の第1の方向に沿って流体を流動させる内部流路を内部に有する容器と、前記第1の方向に沿って前記内部流路に位置し、流体中の検出対象成分を検出する複数のセンサと、を有するセンサパッケージと、
前記センサ部の下流側に配置され、流体を下流側へ引込むポンプ部と、を備える。
上記のように構成された本開示に係るセンサパッケージおよびセンサモジュールによれば、応答性が向上する。
本実施形態に係るセンサモジュールの概略図である。 図1のセンサパッケージの第2の方向に垂直な面の断面を示す斜視図である。 図2の内部流路を示す斜視図である。 図2の主要部分の第1の方向に垂直な面の断面図である。 図2の内部流路を示す、センサパッケージを底面の法線方向から見た透視図である。 図2の内部流路の変形例を示す斜視図である。 図2のセンサの外観を示す斜視図である。 図2のセンサモジュールの第1の方向に垂直な面の断面図である。 図1のセンサモジュールの概略構成を示す機能ブロック図である。 流体の流れの一例を模式的に示す図である。 流体の流れの一例を模式的に示す図である。 実施例1の内部流路のサイズを説明するための透視図である。 実施例1の内部流路のサイズを説明するための断面図である。 実施例1の内部流路の各位置における滞留時間の分布図である。 実施例1の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布図である。 実施例1の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布図である。 実施例1の内部流路における、流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、流入開始からの経過時間に対するガスの割合を示すグラフである。 実施例および比較例の内部流路における、流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部へのガスの到達時間を示す表である。 実施例2の内部流路の各位置における滞留時間の分布図である。 実施例2の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布図である。 実施例2の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布図である。 実施例2の内部流路における、流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、流入開始からの経過時間に対するガスの割合を示すグラフである。 実施例3の内部流路の各位置における滞留時間の分布図である。 実施例3の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布図である。 実施例3の内部流路における、第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布図である。 実施例3の内部流路における、流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、流入開始からの経過時間に対するガスの割合を示すグラフである。 比較例1の流路の概念的な構造を示す図である。 図27の第1のc字型連結管の外観図である。 図27の第2のc字型連結管の外観図である。 図27のz字型連結管の外観図である。 図27のl字型連結管の外観図である。 図27の屈曲管の外観図である。 比較例1の流路の各位置における滞留時間の分布図である。 比較例1の流路の各位置における流速分布図である。 比較例1の流路の各位置における圧力分布図である。 比較例1における検出部の位置を示す概念図である。 比較例1の流路における、流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、流入開始からの経過時間に対するガスの割合を示すグラフである。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係るセンサパッケージ10を含むセンサモジュール11の概略図である。センサモジュール11は、例えば筐体12を備える。筐体12内には、センサモジュール11が備える各機能部が収納されている。センサモジュール11には、流体が供給される。センサモジュール11は、検査対象の流体(被検流体)と、比較対象となる流体(対照流体)とに基づき、被検流体中に含まれる検出対象成分である第1成分の濃度を算出できる。本明細書において、以下、流体が供給される側を上流側、流体が排出される側を下流側とも表現する。
センサモジュール11は、筐体12内部に、切替部13と、センサパッケージ10と、測定部14と、ポンプ部15とを備える。センサモジュール11において、切替部13と、センサパッケージ10と、測定部14と、ポンプ部15とは、1つの流路16において、この順で上流側から配置されている。流路16は、例えばチューブなどの管状の部材により構成される。切替部13には、さらに第1流路17aと第2流路17bとが、上流側に接続されている。センサモジュール11には、第1流路17aおよび第2流路17bから内部に流体が供給され、ポンプ部15の下流側に接続される第3流路17cから外部に流体が排出される。
第1流路17aには、被検流体が供給される。第2流路17bには、対照流体が供給される。第3流路17cには、排気流体が排気される。第1流路17a、第2流路17b、および第3流路17cは、例えばチューブなどの管状の部材により構成される。
切替部13は、第1流路17aおよび第2流路17bの開閉状態を選択的に切替える。すなわち、切替部13は、第1流路17aと第2流路17bとのいずれか一方を、選択的に流路16に接続することができる。従って、切替部13により、第1流路17aが流路16に接続されている場合、第2流路17bは流路16に接続されていない。この場合、流路16には、第1流路17aを介して被検流体が供給される。一方、切替部13により、第2流路17bが流路16に接続されている場合、第1流路17aは流路16に接続されていない。この場合、流路16には、第2流路17bを介して対照流体が供給される。切替部13は、例えば、第1流路17aまたは第2流路17bを切替え可能なバルブを含んで構成されていてよい。
図2に示すように、センサパッケージ10は、容器18および複数のセンサ19を有する。センサパッケージ10は、さらに、ヒータ20を備えてよい。
容器18は、内部流路21を内部に有する。内部流路21は、直線状の第1の方向d1に沿って流体を流動させる。図3に示すように、内部流路21は、例えば、第1の方向d1に沿って延びる筒状内壁によって画定される主要部分22を有してよい。図4に示すように、内部流路21の一部は、例えば、平面状の底面bsによって画定されてよい。内部流路21の一部は、例えば、底面bsに対向する平面状の天面tsによって画定されてよい。
底面bsおよび天面tsの間隔gvは、後述するセンサ19の高さの1.5倍以上3倍以下であってよい。1.5倍以上であることにより、流体を十分に流動させる空間が確保される。また、1.5倍以上であることにより、圧力分布が均一化されセンサ19の出力が安定する。3倍以下であることにより、センサパッケージ10の不必要な大型化が防がれる。また、3倍以下であることにより、流速の低下を低減し得る。本実施形態においては、底面bsおよび天面tsの間隔gvは、センサ19の高さの2倍である。したがって、本実施形態において、底面bsに固定されるセンサ19各々と、天面tsとの間隔は、センサ19各々の高さと同じである。
主要部分22の一部は、底面bsに垂直且つ第1の方向d1に平行な側面ss1によって画定されてよい。側面ss1は、底面bsに平行且つ第1の方向d1に垂直な第2の方向d2における、底面bsの両端において底面bsに連結してよい。側面ss1は、第2の方向d2における、天面tsの両端において天面tsに連結してよい。両側面ss1の間隔、言換えると、内部流路21の第2の方向d2における幅w1は、後述するセンサ19の幅の1.5倍以上3倍以下であってよい。1.5倍以上であることにより、流体を十分に流動させる空間が確保される。また、1.5倍以上であることにより、圧力分布が均一化され、センサ19の出力が安定する。流速の低下を低減し得る。3倍以下であることにより、センサパッケージ10の不必要な大型化が防がれる。また、3倍以下であることにより、流速の低下を低減し得る。本実施形態においては、内部流路21の幅w1は、センサ19の幅の2倍である。
主要部分22において、少なくとも一方の側面ss1には第1の方向d1に延びる段部23が形成されていてよい。本実施形態においては、両側面ss1に段部23が形成されている。段部23の天面tsに対向する面s1にはセンサ19と電気的に接続するための段部電極53が設けられていてよい。底面bsからの段部23の高さは、後述するセンサ19の高さ以上であってよい。両側面ss1に形成される段部23間の第2の方向d2における幅w2は、後述するセンサ19の幅の1.1倍以上1.5倍以下であってよい。1.1倍以上であることにより、流体を十分に流動させる空間が確保される。また、1.1倍以上であることにより、圧力分布が均一化され、センサ19の出力が安定する。1.5倍以下であることにより、センサパッケージ10の不必要な大型化が防がれる。また、第2の方向d2におけるセンサ19および段部23の天面tsに対向する面が連続することにより、流速の低下を低減するための空間が確保される。
図5に示すように、内部流路21の第1の方向d1における両端は、底面bsの法線方向から見て、内部流路21の中心から離れるほど先細りの形状であってよい。容器18には、当該先細り形状の先端近傍に、流出入口24が形成されていてよい。主要部分22が、主要部分22の第1の方向d1における両端において、流出入部分25に連結されることによって、内部流路21が前述の先細りの形状を有していてよい。
流出入部分25は、主要部分22と同じ底面bsおよび天面tsを有してよい。または、図6に示すように、流出入部分25は、主要部分22と同じ天面tsを有し、主要部分22の底面bsと平行な、より天面tsに近い底面を有してよい。当該底面は段部23の天面tsに対向する面と連続してよい。図5に示すように、流出入部分25は、主要部分22の側面ss1から第2の方向d2における内方に屈折または屈曲した側面ss2を有してよい。流出入部分25は、底面bsの法線方向から見て、第1の方向d1に延びる直線を軸に線対称な形状であってよい。流出入部分25は、底面bsの法線方向から見て、底辺において主要部分22に連通する略二等辺三角形状であってよい。本実施形態において、流出入部分25は、底面bsの法線方向から見て、略直角二等辺三角形状である。
流出入部分25の両側面ss2の間の角度は、60°以上120°以下であってよい。流出入部分25の両側面ss2の間の角度が60°以上であれば、センサパッケージ10の大型化が防がれる。また、流出入部分25の両側面ss2の間の角度が120°以下であれば、内部流路21に流入する流体が主要部分22に向かうにつれ徐々に第2の方向d2に広がり得、流速および内圧の第2の方向d2における均等化に寄与し得る。
図4に示すように、流出入口24は、底面bsに垂直な筒状の内周壁面によって画定されてよい。2つの流出入口24は、天面tsに位置してよい。流出入口24は、センサモジュール11において流路16に連通される。流出入口24を含む蓋部27の上面は平坦なため、例えば、蓋部27と対向する流路16とは、Oリングを介して気密良く接続できるため、流路16から流出入口24へ流体を漏れなく流すことができる。
図2に示すように、容器18は、本体部26および蓋部27によって構成されていてよい。本体部26は、主要部分22の底面bsおよび両側面ss1と流出入部分25の底面bsおよび両側面ss2によって画定される窪を有してよい。蓋部27は、流出入口24が形成されていてよい。本体部26の窪を蓋部27で覆うことにより、内部流路21が形成されてよい。
容器18は、セラミック、プラスチック、金属等によって形成されていてよい。本実施形態において、容器18が、セラミックで形成される場合、流体の吸着や容器18からの脱ガスを抑制できる。
ヒータ20は、内部流路21およびセンサ19を加熱してよい。ヒータ20は、容器18に内層されていてよい。ヒータ20は、内部流路21の底面bs側に位置してよい。本実施形態において、ヒータ20は本体部26に内層されている。ヒータ20は、例えば、セラミックヒータである。
センサ19では、長さ方向、幅方向、および高さ方向が定められていてよい。図7に示すように、センサ19は、長さ方向、幅方向、および高さ方向の中の2方向の組合せの平面を有する直方体形状であってよい。センサ19の高さ方向の一端側の面に、検出部28およびセンサ電極55が設けられていてよい。以後、検出部28およびセンサ電極55が設けられる面を検出面dsと呼ぶ。センサ電極55は、検出面上でセンサ19の幅方向の少なくとも一端近傍あるいは両端に位置してよい。検出部28は複数であってよく、長さ方向および幅方向に沿って並ぶように配置されていてよい。本実施形態において、センサ19には長さ方向および幅方向に沿って並ぶ4つの検出部28が設けられる。センサ19は、長さ方向および幅方向の長さが等しくてよい。複数のセンサ19の大きさ、言換えると、長さ方向、幅方向、および高さ方向の長さは等しくてよい。
複数のセンサ19は、容器18の内部流路21において、第1の方向d1に沿って並ぶように、位置している。複数のセンサ19は、底面bsに位置するように固定されてよい。図8に示すように、本明細書において、底面bsにおいて位置するとは、センサ19の検出面dsの裏面が底面bsに接することを意味する。センサ19は、長さ方向が第1の方向d1に平行且つ幅方向が第2の方向d2に平行になるように、底面bsに設けられてよい。センサ電極55は、当該センサ電極55に対して第2の方向に位置する段部電極54に接続配線56を用いて接続される。第1の方向d1において互いに隣接する2つのセンサ19の間隔は、センサ19の長さの0.1倍以上1.0倍以下であることが好ましい。0.1倍以上であることにより、センサ19の間の流体の滞留を抑制し、内部流路21内における流体の置換時間を速め、センサ19の実装マージンの空間が確保され得る。1.0倍以下であることにより、流速の低下を低減し、センサパッケージ10の不必要な大型化が防がれる。
検出部28は、例えば、膜状である。検出部28は、特定の成分に特に大きく反応する。複数のセンサ19における検出部28のうち少なくともいずれかは、検出対象成分である第1成分に特に大きく反応する。すなわち、複数のセンサ19における検出部28のうち少なくともいずれかは、流体中の検出対象成分を検出する。検出部28は、例えば、流体に含まれる特定の成分を吸着することによって信号を出力する。検出部28は、例えば、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ポリメチルメタクリレートまたはニトロセルロースなどの高分子材料、および酸化スズまたは酸化インジウムなどの半導体材料などにより構成される。検出部28は、特定の成分との反応に応じた信号を出力する。この信号は、例えば電圧値として出力される。
図1において、測定部14は、センサモジュール11に供給される流体に関する所定の性質または条件を測定可能なセンサを含んで構成される。流体に関する所定の性質または条件は、センサパッケージ10における流体の検出精度に影響を与え得る性質または条件であってよい。流体に関する所定の性質または条件は、例えば流体の温度および湿度のいずれかを含んでよい。本明細書では、流体に関する所定の性質または条件は、流体の温度および湿度であるとして、以下説明する。この場合、測定部14は、例えば温湿度計を含んで構成されていてよい。温湿度計は、従来公知の方式で流体の温度および湿度を測定するものであってよい。測定部14で測定した流体の温度および湿度より、検出部28の信号を補正することもできる。ただし、センサモジュール11は、必ずしも測定部14を備えていなくてもよい。センサモジュール11は、測定部14を備えていなくとも、検出対象成分の濃度を算出することができる。
ポンプ部15は、センサモジュール11に供給される流体を上流側から下流側へ引込み、センサモジュール11の外部へ排出する。すなわち、ポンプ部15の吸引により、第1流路17aまたは第2流路17bからセンサモジュール11に供給された流体は、切替部13、センサパッケージ10、測定部14、およびポンプ部15を通って、第3流路17cを介してセンサモジュール11の外部に排出される。ポンプ部15は、流体の引込量を制御することができる。ポンプ部15による流体の引込量の制御により、例えば流路16内を流れる流体の流速が制御される。ポンプ部15は、例えば、流路16内の流体の流速の変化を抑制するように、流体の引込量を制御してよい。ポンプ部15は、例えばピエゾポンプを含んで構成されていてよい。ポンプ部15は、1つのポンプを含んで構成されていてよい。ポンプ部15は、複数のポンプを含んで構成されていてもよい。この場合、複数のポンプは、流体の流れに対して並列に配置されていてよい。
図9に示すように、センサモジュール11は、筐体12内に、電子回路基板をさらに備えていてよい。電子回路基板は、後述するセンサモジュール11の制御部29および記憶部30などを実装する。
図9は、図1のセンサモジュール11の概略構成を示す機能ブロック図である。図9のセンサモジュール11は、制御部29と、記憶部30と、切替部13と、センサパッケージ10と、測定部14と、ポンプ部15と、を備える。
切替部13は、制御部29から制御信号を受信し、制御信号に基づいて、第1流路17aと第2流路17bとの切替えを行う。これにより、流路16には、被検流体または対照流体のいずれかが供給される。
センサパッケージ10は、各センサ19との入出力信号を制御部29とに送受信する。
測定部14は、測定した情報の信号を制御部29と送受信する。
ポンプ部15は、制御部29から制御信号を受信する。ポンプ部15は、制御信号に基づいて、流体を下流側へ引込む。ポンプ部15は、制御信号に応じた引込量で流体を引込む。
制御部29は、センサモジュール11の各機能ブロックをはじめとして、センサモジュール11の全体を制御および管理するプロセッサである。制御部29は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central processing Unit)などのプロセッサで構成される。このようなプログラムは、例えば、記憶部30、またはセンサモジュール11に接続された外部の記憶媒体などに格納される。
制御部29は、センサパッケージ10から出力される信号に基づき、被検流体中における検出対象成分の濃度を算出してもよい。制御部29は、さらに、測定部14から出力される信号に基づいて、被検流体中における検出対象成分の濃度を算出してもよい。流体の性質または条件により、センサパッケージ10の各センサ19における検出対象成分の反応性が変化し得る。制御部29は、このように測定部14から出力される信号に基づいて被検流体中における検出対象成分の濃度を算出する場合、反応性を考慮して検出対象成分の濃度を算出できる。そのため、検出対象成分の濃度の算出精度が向上し得る。
記憶部30は、半導体メモリまたは磁気メモリなどで構成され得る。記憶部30は、各種情報、および/またはセンサモジュール11を動作させるためのプログラムなどを記憶する。記憶部30は、ワークメモリとして機能してもよい。
次に、制御部29による、切替部13の制御と、検出対象成分の濃度の算出の詳細について説明する。
第1流路17aには、被検流体(サンプルガス)が供給される。ここでは、一例として、被検流体が人間の呼気である場合について説明する。ただし、被検流体は、人間の呼気に限られず、任意の検査対象の流体とすることができる。被検流体が人間の呼気である場合、検出対象成分は、例えば、アセトン、エタノールまたは一酸化炭素などである。検出対象成分も、ここで挙げた例に限られない。被検流体には、第2成分であるノイズ成分(ノイズガス)が含まれる。ノイズ成分は、検出対象成分以外の成分である。ノイズ成分には、例えば、酸素、二酸化炭素、窒素および水蒸気など、検出対象成分以外の全ての成分が含まれる。
第2流路17bには、対照流体(リフレッシュガス)が供給される。対照流体は、例えば検出対象成分を略含まない流体であってよい。ここで、検出対象成分を略含まないとは、検出対象成分を全く含まない場合の他、被検流体における検出対象成分の含有量に対し、対照流体における検出対象成分の含有量が、極めて少なく、実質的に含んでいないと考えてよい程度である場合も含まれることを意味する。被検流体が人間の呼気である場合、対照流体として、例えば空気を使用することができる。ただし、対照流体は空気に限られない。対照流体には、酸素、二酸化炭素、窒素および水蒸気などのノイズ成分が含まれる。
制御部29は、ポンプ部15の引込量を一定とし、一定の時間間隔ごとに、切替部13を、第1流路17aと第2流路17bとで切替える。一定の時間間隔は、例えば被検流体の種類または性質などに応じて適宜定められてよい。ここでは、一例として、一定の時間間隔が5秒間であるとして説明する。従って、制御部29は、流路16に接続される流路を、5秒ごとに、第1流路17aと第2流路17bとで切替えるように、切替部13を制御する。
図10、11は、流体の流れの一例を模式的に示す図である。図10は、流路16に第1流路17aが接続された場合の一例を示す。図11は、流路16に第2流路17bが接続された場合の一例を示す。すなわち、ここで説明する例では、図10の状態と、図11の状態とが、5秒ごとに交互に繰り返される。図10、11における矢印は、流体の流れる方向を示す。
図10に示すように、流路16に第1流路17aが接続されている場合、ポンプ部15の引込みにより、被検流体が第1流路17aからセンサパッケージ10に供給される。この場合、センサパッケージ10の各センサ19における各検出部28が、被検流体中に含まれる成分と反応する。各センサ19は、検出対象成分とノイズ成分とを含む被検流体の成分に応じた信号(第1信号)を出力する。
図11に示すように、流路16に第2流路17bが接続されている場合、ポンプ部15の引込みにより、対照流体が第2流路17bからセンサパッケージ10に供給される。この場合、センサパッケージ10の各センサ19が、対照流体中に含まれる成分と反応する。各センサ19は、ノイズ成分を含む対照流体の成分に応じた信号(第2信号)を出力する。
第1信号および第2信号は、センサパッケージ10がそれぞれ被検流体および対照流体と反応することにより制御部29に供給された信号である。そして、被検流体および対照流体は、いずれもノイズ成分を含む。そのため、第1信号および第2信号とも、センサパッケージ10に供給される流体に含まれるノイズ成分に対しては、同様の反応性が反映されている。
これに対し、検出対象成分については、被検流体が検出対象成分を含んでいるのに対し、対照流体は検出対象成分を略含まない。そのため、第1信号は、検出対象成分に対する反応性が反映された信号であるのに対し、第2信号は、検出対象成分に対する反応性が実質的に反映されていない信号であると言える。そのため、センサパッケージ10から出力される第1信号と第2信号との差分は、実質的に被検流体に含まれる検出対象成分の濃度であると考えることができる。制御部29は、この差分に基づき、検出対象成分の濃度を算出することができる。
以上のような構成の本実施形態のセンサパッケージ10は、第1の方向d1に沿って流体を流動させる内部流路21を有する容器18と、第1の方向d1に沿って並ぶように内部流路21に位置し、流体中の検出対象成分を検出する複数のセンサ19と、を有する。このような構成により、センサパッケージ10は、内部流路21における流体の滞留を全体的に低減させ、滞留時間を短縮し得る。それゆえ、センサパッケージ10は、センサパッケージ10への流体の流入後の各センサ19の応答性を向上し得る。センサパッケージ10は、各センサ19の応答性が向上するので、複数のセンサ19各々の検出対象成分の組合せによるニオイを高い検出精度で検出し得る。また、上述の構成を有するセンサパッケージ10では、内部流路21における圧力が均等化されるので、複数のセンサ19への圧力の違いによる検出誤差を低減させる。したがって、センサパッケージ10はニオイの検出精度をさらに向上させ得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、複数のセンサ19は平面状の底面bsに位置する。このような構成により、センサパッケージ10は、底面bsとセンサ19の検出面dsとが連続する平面とならずに、検出面dsに対して陥没した段差を生じさせている。この段差により、検出面dsと天面tsとの間の流体の流速を均質化させ得る。このような作用は理論付けられているわけではないが、以下のように推定されている。流体は粘性を有するので、全面が平面である面に沿って流動する流体は、当該面近傍における流速が低下するものと考えられる。一方で、上述のセンサパッケージ10のように、検出面dsに対して陥没した段差を有する面に沿って流動する流体は当該陥没した段差により検出部28が形成される面近傍における流速の低下が抑制され、検出面dsと天面tsとの間の流体の流速が均質化され得ると考えられる。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、内部流路21の第1の方向d1における両端は、底面bsの法線方向から見て、内部流路21の中心から離れる程先細りの形状であり、容器18には内部流路21の両端における先細りの形状の先端近傍に、流出入口24が形成されている。このような構成により、センサパッケージ10は、内部流路21の第2の方向d2における圧力および流体の濃度を均等化させ得る。したがって、センサパッケージ10は、ニオイの検出精度をさらに向上させ得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、流出入口24は、底面bsに垂直な筒状の内周壁面によって画定されている。このような構成により、センサパッケージ10は、流出入口24から内部流路21に流入する流体を底面bsに衝突させ得るので、内部流路21全域における圧力を均等化させ得る。また、このような構成により、センサパッケージ10では、センサ19の側面と、段部23の側面と、底面bsとに囲まれた空間に流体が流れやすくなる。また、このような構成により、センサパッケージ10では、センサ19の間と底面bsとに囲まれた空間に流体が流れやすくなる。これらの結果、センサパッケージ10は、流体の滞留を抑制し、流体の第1の方向d1に沿った流速を増加させ得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、容器18は、窪を有する本体部26、および流出入口24が形成されている蓋部27を含んで構成され、窪を蓋部27で覆うことにより内部流路21が形成される。このような構成により、センサパッケージ10は、簡易な方法で製造され得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、容器18はセラミックによって形成される。このような構成により、センサパッケージ10は、容器18本体の液化または気化などにより流体中に容器18の成分が混入することを抑制させ得る。したがって、センサパッケージ10は、検出対象成分の検出精度の低下を抑制し得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10は、ヒータ20を備える。したがって、センサパッケージ10では、ヒータ20を用いて内部流路21およびセンサ19を加熱することにより、内部流路21およびセンサ19に吸着した流体が脱離し、内部流路21がリフレッシュされ得る。また、センサパッケージ10では、ヒータ20により内部流路21内の温度の変動を低減するので、被検流体の温度変化に関わらず、検出対象成分の検出精度の低下を抑制し得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、第2の方向d2における底面bsの両側において、第1の方向d1に延びる段部23が形成されている。このような構成により、センサパッケージ10は、センサ19の検出面dsと天面tsとの間の流体をより集め、流速を高め、流体到達時間を速めている。また、センサパッケージ10では、接続配線56を検出部28よりも第2の方向d2における側面ss1側に配置することにより、検出部28上に流体をスムーズに流せ、検出部28上の流体の流速を高めることができる。一方で、上述のセンサパッケージ10のように、センサ19の検出面と天面tsの間において、側面ss1がセンサ19から第2の方向d2に沿って離れて位置している。それゆえ、センサパッケージ10は、検出部28が形成される面および天面tsとの間において、第2の方向d2における端部周辺での流体の流速の低下が抑制され、第2の方向d2の位置の違いによる流速の差を低減し得る。なお、側面ss1全体をセンサ19から離すと、内部流路21の容積の増加により全体的に流速が低下する。一方で、上述の構成によれば、センサパッケージ10は、側面ss1全体をセンサ19から離していないので、全体的な流速低下を抑制しながら、検出精度の向上に寄与する領域における流速の差を低減し得る。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、底面bsに対する段部23の高さは、センサ19の高さ以上である。このような構成により、センサパッケージ10は、段部23と天面tsの間の空間を狭くすることによりセンサ19上に多くの流体を流し、流速を高める。その結果、センサパッケージ10は、流体の滞留時間を短縮し、各センサ19の各検出部28の検出時間差を短くし得るので、検出精度を向上させる。
また、本実施形態のセンサパッケージ10では、検出部28が出力する信号をセンサパッケージ10外に送信するために、センサ電極55および段部電極54を接続配線56で接続する。この配線構造により、接続配線による流体の流速低下を抑制し、検出精度を向上させる。
また、本実施形態のセンサモジュール11は、流路16に設けられたポンプ部15により流体を引込んで、センサパッケージ10に流体を供給する。センサパッケージ10に供給される流体は、切替部13により、第1流路17aと第2流路17bとを切替えることにより、被検流体と対照流体とが切替えられる。そのため、センサパッケージ10に供給される流体が被検流体であるか対照流体かであるかにかかわらず、同一のポンプ部15により、流体が下流側に引き込まれる。仮に、センサパッケージ10に被検流体を供給するポンプと対照流体を供給するポンプとが異なる場合、各ポンプの性能の相違などによって、被検流体の供給量と対照流体の供給量とに差が発生する場合がある。しかしながら、本実施形態のセンサモジュール11は、1つのポンプ部15により、センサパッケージ10に供給される流体が制御されるため、供給する流体ごとに異なるポンプを用いる場合と比較して、より安定してセンサパッケージ10に流体を供給することができる。これにより、センサパッケージ10に対する、被検流体と対照流体との供給される条件が等しくなりやすい。そのため、センサパッケージ10は、より等しい条件下で被検流体と対照流体とを検出しやすくなる。従って、センサモジュール11によれば、検出対象成分の測定精度を向上可能である。
以下に、実施例および比較例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
[定常流体解析および非定常流体解析]
以下に示す実施例および比較例について、定常流体解析および非定常流体解析が行われた。定常流体解析および非定常流体解析には、ANSYS Fluent 19.2(ANSYS社製)が用いられた。定常流体解析および非定常流体解析に用いる気体は空気とし、密度を1.225kg/m(1気圧、15℃)、粘度を1.789×10−5Pa・s、流入量を30cm/minとした。
(実施例1)
図12、13に示すように、主要部分の第1の方向における長さをa1=9.20mm、両側面の間隔をa2=3.80mm、底面および天面の間隔をa3=1.46mm、底面からの段部の高さをa4=1.15mm、および両側面に形成される両段部の間隔をa5=2.70mm、ならびに主要部分の第1の方向における両端における流出入部分の両側面の間の角度をa6°=90°とする実施例1の内部流路をモデル化した。さらに、当該モデルにおいて、実施例1の内部流路内に、第1の方向に沿って、3つの直方体状のセンサを第1の方向に沿って底面上に配置した。直方体状のセンサの長さ、幅、および高さは、b1=2.1mm、b2=2.1mm、およびb3=0.73mmであった。当該モデル内で、センサの長さ方向および幅方向が内部流路の第1の方向および第2の方向に平行になるよう、各センサを配置した。当該モデル内で、各センサは、第1の方向において、主要部分の第1の方向における一方の端から、各センサの端部がc1=0.46mm、c2=3.56mm、c3=6.66mmに位置するように各センサを配置した。検出部をセンサの中心から第1の方向および第2の方向にc4=0.4mm変位させた位置に配置した。
実施例1の内部流路に対して、上述の条件で一方の流出入口から気体を流入させる場合の、滞留時間、流速分布、圧力分布、およびガス到達時間を計算した。滞留時間を図14に示した。図14において、1秒未満の滞留時間を非表示とした。第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布を図15に示した。第2の方向d2における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布を図16に示した。流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、図12に示す位置におけるガスの流入開始後の時間に対する置換ガスの割合を図17に示した。図12に示す位置におけるガスの到達時間を図18に示した。図18において、ガスの流入開始後に置換ガスの割合が80%になる時間をガス到達時間(s)として示した。
(実施例2)
図13に示すように、主要部分の底面からの段部の高さをa4=0.73mmとすること以外は実施例1の内部流路と同じである実施例2の内部流路をモデル化した。
実施例2の内部流路に対して、上述の条件で一方の流出入口から気体を流入させる場合の、滞留時間、流速分布、圧力分布、およびガス到達時間を計算した。滞留時間を図19に示した。図19において、1秒未満の滞留時間を非表示とした。第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布を図20に示した。第2の方向d2における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布を図21に示した。流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、図12に示す位置にガスの流入開始後の時間に対する置換ガスの割合を図22に示した。図12に示す位置におけるガスの到達時間(s)を図18に示した。
(実施例3)
図13に示すように主要部分の底面および天面の間隔をa3=1.10mm、および底面からの段部の高さをa4=0.73mmとし、図6に示すように流出入部分の底面を容器の天面に対向する段部の面に連続させること以外は実施例1の内部流路と同じである実施例3をモデル化した。
実施例3の内部流路に対して、上述の条件で一方の流出入口から気体を流入させる場合の、滞留時間、流速分布、圧力分布、およびガス到達時間を計算した。滞留時間を図23に示した。図23において、1秒未満の滞留時間を非表示とした。第2の方向における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の流速分布を図24に示した。第2の方向d2における中央位置および検出部に重なる位置、ならびに第1の方向における検出部に重なる位置の圧力分布を図25に示した。流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、図12に示す位置におけるガスの流入開始後の時間に対する置換ガスの割合を図26に示した。図12に示す位置におけるガスの到達時間(s)を図18に示した。
(比較例1)
図27に示すように、第1のチャンバ31、第2のチャンバ32、第3のチャンバ33、第4のチャンバ34、第5のチャンバ35、第1のc字型連結管36、第2のc字型連結管37、z字型連結管38、l字型連結管39、および屈曲管40を用いて、比較例1の流路をモデル化した。
第1のチャンバ31、第2のチャンバ32、および第3のチャンバ33を、内径e1=3.0mm、高さe2=0.7mmの円筒状に設計した。第4のチャンバ34を、内径e3=4.0mm、高さe4=0.7mmの円筒状に設計した。第5のチャンバ35を、内径e5=4.2mm、高さe6=1.0mmの円筒状に設計した。
図28に示すように、第1のc字型連結管36を、直線状に延びる本体部41、および本体部41の長手方向の両端において長手方向に垂直な同じ方向に同じ長さで延びる連結部42を有する形状に設計した。本体部41の長さをf1=10mmにした。連結部42の長さをf2=2.5mmとした。第1のc字型連結管36の内径をf3=1mmにした。図29に示すように、第2のc字型連結管37を、直線状に延びる本体部43、および本体部43の長手方向の両端において長手方向に垂直な同じ方向に同じ長さで延びる連結部44を有する形状に設計した。本体部43の長さをf4=4.2mmにした。連結部44の長さをf5=2mmとした。第2のc字型連結管37の内径をf3=1mmにした。
図30に示すように、z字型連結管38を、直線状に延びる本体部45、ならびに本体部45の長手方向の両端において長手方向に垂直な逆の方向に延びる長尺連結部46および短尺連結部47を有する形状に設計した。本体部45の長さをf6=7.5mmにした。長尺連結部46の長さをf7=6.0mmとした。短尺連結部47の長さをf8=2.5mmとした。z字型連結管38の内径をf3=1.0mにした。図31に示すように、l字型連結管39を、直線状に延びる本体部48、および本体部48の長手方向の一端において長手方向に垂直な方向に延びる連結部49を有する形状に設計した。本体部48の長さをf9=9.5mmにした。連結部49の長さをf7=6.0mmとした。l字型連結管39の内径をf3=1.0mmにした。図32に示すように、屈曲管40を、直線状に延びる本体部50、本体部50の一端において長手方向に垂直な方向に延びる連結部51、他端において長手方向に垂直な方向に屈曲する屈曲部52、および屈曲部52の他端から直線状に延びる流入口部53を有する形状に設計した。本体部50に対する連結部51の屈折方向と、屈曲部52の屈曲方向とは、垂直となるように設計した。本体部50の長さはf10=25mmとした。連結部51の長さはf11=2.5mmとした。屈曲部52の、曲率半径はf12=2.5mm、屈曲角度は90°にした。流入口部53の長さはf13=5.0mmにした。屈曲管4の内径をf3=1.0mmにした。
図27に示すように、比較例1の流路のモデルでは、第1のチャンバ31、第2のチャンバ32、および第3のチャンバ33を第3の方向d3に沿って、底面が同一平面状に位置するように順番に配置した。当該モデルでは、第4のチャンバ34を、第3のチャンバ33の底面に平行且つ第3の方向d3に垂直な第4の方向d4、および第3のチャンバ33の底面の法線方向d5に変位させて、第4のチャンバ34の底面が第3のチャンバ33の底面に平行となるように配置した。当該モデルでは、第5のチャンバ35を、第4のチャンバ34に対して第3の方向d3、および第4のチャンバ34に対して第3のチャンバ33の底面の法線方向d5の逆方向に変位させて、第5のチャンバ35の底面が第4のチャンバ34の底面に垂直になるように配置した。
比較例1の流路のモデルでは、第1のチャンバ31および第2のチャンバ32を、連結部42が第1のチャンバ31の底面に垂直になるように、第1のc字型連結管36で連結した。当該モデルでは、第2のチャンバ32および第3のチャンバ33を、連結部42が第2のチャンバ32の底面に垂直になるように、第1のc字型連結管36で連結した。当該モデルでは、第3のチャンバ33および第4のチャンバ34を、長尺連結部46および短尺連結部47が第3のチャンバ33の底面に垂直になるように、z字型連結管38で連結した。短尺連結部47を第3のチャンバ33に連結した。当該モデルでは、第4のチャンバ34および第5のチャンバ35を、本体部48が第5のチャンバ35の底面に垂直且つ連結部49が第4のチャンバ34の底面に垂直になるように、l字型連結管39で連結した。当該モデルでは、第1のチャンバ31および第2のc字型連結管37を、連結部42が第1のチャンバ31の底面に垂直且つ連結部44と直線状になり、さらに連結部42が第3の方向d3の逆方向に延びるように、第1のc字型連結管36で連結した。当該モデルでは、第2のc字型連結管37の一方の連結部44に、屈曲管40の連結部51を直線状に連続するように接続した。
比較例1の流路のモデルでは、第1のチャンバ31における、第3の方向d3および第4の方向d4に沿って4つの検出部が、第1のc字型連結管36の連結部42の接続位置に対向するように、センサを配置した。当該モデルでは、第2のチャンバ32における、第3の方向d3および第4の方向d4に沿って4つの検出部が、第1のc字型連結管36の連結部42の接続位置に対向するように、センサを配置した。当該モデルでは、第3のチャンバ33における、第3の方向d3および第4の方向d4に沿って4つの検出部が、第1のc字型連結管36の連結部42の接続位置に対向するように、センサを配置した。
比較例1の流路に対して、上述の条件で一方の流出入口から気体を流入させる場合の滞留時間、流速分布、圧力分布、およびガス到達時間を計算した。滞留時間を図33に示した。図33において、1秒未満の滞留時間を非表示とした。流速分布を図34に示した。圧力分布を図35に示した。流体の流入側から流出側まで順番に並ぶ検出部の、図36に示す位置におけるガスの到達時間を図37に示した。
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および/または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形および/または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
10 センサパッケージ
11 センサモジュール
12 筐体
13 切替部
14 測定部
15 ポンプ部
16 流路
17a 第1流路
17b 第2流路
17c 第3流路
18 容器
19 センサ
20 ヒータ
21 内部流路
22 主要部分
23 段部
24 流出入口
25 流出入部分
26 本体部
27 蓋部
28 検出部
29 制御部
30 記憶部
31 第1のチャンバ
32 第2のチャンバ
33 第3のチャンバ
34 第4のチャンバ
35 第5のチャンバ
36 第1のc字型連結管
37 第2のc字型連結管
38 z字型連結管
39 l字型連結管
40 屈曲管
41 本体部
42 連結部
43 本体部
44 連結部
45 本体部
46 長尺連結部
47 短尺連結部
48 本体部
49 連結部
50 本体部
51 連結部
52 屈曲部
53 流入口部
54 段部電極
55 センサ電極
56 接続配線
bs 底面
d1 第1の方向
d2 第2の方向
d3 第3の方向
d4 第4の方向
d5 底面の法線方向
ds 検出面
ss1 主要部分の側面
ss2 流出入部分の側面
s1 天面に対向する面
ts 天面
w1 内部流路の幅
w2 両側面に形成される段部の幅

Claims (12)

  1. 直線状の第1の方向に沿って流体を流動させる内部流路を内部に有する容器と、
    前記第1の方向に沿って並ぶように前記内部流路に位置し、流体中の検出対象成分を検出する複数のセンサと、を備える
    センサパッケージ。
  2. 請求項1に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記複数のセンサは、前記内部流路の一部を画定する平面状の底面に位置する
    センサパッケージ。
  3. 請求項2に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記内部流路の前記第1の方向における両端は、前記底面の法線方向から見て、該内部流路の中心から離れる程先細りの形状であり、
    前記容器には、前記内部流路の両端における先細りの形状の先端近傍に、流出入口が形成されている
    センサパッケージ。
  4. 請求項3に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記流出入口は、前記底面に垂直な筒状の内周壁面によって画定される
    センサパッケージ。
  5. 請求項3または4に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記容器は、窪を有する本体部、および前記流出入口が形成されている蓋部を含んで構成され、
    前記窪を前記蓋部で覆うことにより、前記内部流路が形成される
    センサパッケージ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記容器は、セラミックによって形成されている
    センサパッケージ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記内部流路を加熱するヒータを、さらに備える
    センサパッケージ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記内部流路の一部を画定する底面に平行且つ前記第1の方向に垂直な第2の方向における、該底面の両側において、前記第1の方向に延びる段部が形成される
    センサパッケージ。
  9. 請求項8に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記底面に対する前記段部の高さは、前記複数のセンサの高さ以上である
    センサパッケージ。
  10. 請求項8または9に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記内部流路の前記第2の方向における幅は、前記複数のセンサそれぞれの前記第2の方向における幅の1.5倍以上3倍以下である
    センサパッケージ。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記複数のセンサ各々と、前記内部流路の一部を画定する天面との間隔は、前記複数のセンサそれぞれの高さと同じである
    センサパッケージ。
  12. 第1流路および第2流路の下流側に配置され、前記第1流路および前記第2流路の開閉状態を選択的に切替える切替部と、
    前記切替部の下流側に配置され、直線状の第1の方向に沿って流体を流動させる内部流路を内部に有する容器と、前記第1の方向に沿って前記内部流路に位置し、流体中の検出対象成分を検出する複数のセンサと、を有するセンサパッケージと、
    前記センサパッケージの下流側に配置され、流体を下流側へ引込むポンプ部と、を備える
    センサモジュール。
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