JP2021134494A - 小便器 - Google Patents

小便器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021134494A
JP2021134494A JP2020029115A JP2020029115A JP2021134494A JP 2021134494 A JP2021134494 A JP 2021134494A JP 2020029115 A JP2020029115 A JP 2020029115A JP 2020029115 A JP2020029115 A JP 2020029115A JP 2021134494 A JP2021134494 A JP 2021134494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urinal
light
bowl surface
bowl
phosphor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020029115A
Other languages
English (en)
Inventor
祐一 古田
Yuichi Furuta
祐一 古田
嘉史 関
Yoshifumi Seki
嘉史 関
洋式 山崎
Hironori Yamazaki
洋式 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2020029115A priority Critical patent/JP2021134494A/ja
Publication of JP2021134494A publication Critical patent/JP2021134494A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)
  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Abstract

【課題】投光された光が反射して、所定外の部分に光像が生じてしまうことを抑制することができる小便器を提供する。【解決手段】ターゲット位置の指示機能を備えた小便器1であって、小便を受けるボウル面2、及びこのボウル面2の底部に設けられた排水口11を備えたボウル部と、ボウル面2を洗浄するスプレッダ(吐水装置)3と、ボウル面上に所定波長の光を照射する照射装置と、を備え、ボウル面上には、紫外光照射部(照射装置)3dからの紫外光を受けて自らが発光する発光部としての蛍光体5が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、起立して小便を行う際に便器周囲に小便が飛散するのを防止するために放尿先の目標(ガイド)となる手段を設けた小便器に係り、特に光学的な目標位置を設けた小便器に関する。
従来、汚損回避トイレとして、例えば便器内の所定位置に目印材の貼付や接着等を行って配置するものが知られている。便器内に目印材があると、心理として小便が目印材に掛かるようにその目印材を狙うので、便器周囲の小便による汚損が少なくなり、便器周囲の汚損軽減及び汚損に伴う清掃作業の負担軽減につながる有効な手段となる。
ところで、目印材を便器表面に取り付けていると、トイレの使用が重なるにつれ、目印材が剥がれたり、目印材自体に汚れが蓄積されてしまう。このように目印材が汚れると便器自体が不衛生な状態となるため、再度目印材を取り付けなければならない、といったメンテナンスなどの点で問題となっていた。
そこで、例えば便器の所定位置に光源を設けるとともに、小便受け部の所要位置に標的を設けた便器であって、光源から発する光線が、小便受け部の所要位置に照射されるように構成した便器が提案されている(特許文献1参照)。
この便器では、光源から発する光線が小便受け部の所要位置に照射され、その光線によって便器の小便受け部に標的が形成されるようになっている。このように、この小便器では、従来の小便受け部の所要位置に標的部材を貼付又は接着する必要がないので、剥がれた標的を貼り直す手間や蓄積した汚れを落とす作業が不要になり、メンテナンスの労力が軽減される。
さらに、例えばマイクロ波センサなどの人感センサにより使用者の接近を検知したとき、光照射装置からボウル面に対してターゲットマークとなる光を照射することで小便を当てる位置をガイドし、小便の小便器外への飛び散りを抑制させる小便器装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、これ以外にも、例えば小便器本体におけるボウル部の上部内面に、ボウル部内に光を照射する照明手段及びボウル部内の放尿位置にレーザ光を照射して表示するポインタ手段を備えるとともに、ポインタ手段は、内蔵されたレーザ光出力部材から所望の色に応じた波長のレーザ光を出力するように構成された小便器も提案されている(例えば特許文献3参照)。
この小便器では、ボウル部内に設定される放尿位置に、常温で透明状態で、かつ加熱時に非透明状態へ遷移する可逆性感熱媒体が設けられており、照射されるレーザ光の熱エネルギーにより透明状態の可逆性感熱媒体を非透明化させて放尿位置を表示可能にした構成のものも開示されている。
特開2013−2203号公報 特開2018−040240号公報 特開2014−156739号公報
しかしながら、特許文献1に記載の便器にあっては、例えば大小兼用便器の場合、標的部位に大便が付着・固化すると目標設置の光線がうまく到達しない虞がある。また、小便専用の便器にあっては、投光部に尿石が付着して便器裏側からのLED光線が透過できない虞もある。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の小便器にあっては、小便器のボウル面は、光沢がある(陶器製である)ものが一般的であり、光を照射して排尿位置をガイドするような場合、ボウル面の写像性(鏡像性)により、投光されたものが別部分に反射して別の光像を生じてしまう虞がある。その結果、使用者の目で視認する際のガイド手段としての機能を著しく阻害する可能性がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、投光された光が反射して、所定外の部分に光像が生じてしまうことを抑制することができる小便器を提供することを目的とする。
本発明に係る小便器は、ターゲット位置の指示機能を備えた小便器であって、小便を受けるボウル面、及びこのボウル面の底部に設けられた排水口を備えたボウル部と、
上記ボウル面を洗浄する吐水装置と、
上記ボウル面上に所定波長の光を照射する照射装置と、
を備え、
上記ボウル面上には、上記照射装置からの光を受けて自らが発光する発光部が設けられているものである。
このような構成の小便器によれば、照射装置からの光を受けて発光部自身が光るようにターゲット位置を表示するため、従来のように、照射された光がボウル面に反射して、指示したいターゲット位置以外に別の光像を生じさせてしまうことを抑制することができる。また、調整を要することなく、信頼性高く光像を実現することができる。
本発明に係る小便器の他の態様は、前記ボウル面上には、釉薬層が形成されているとともに、前記発光部は、ボウル面の一部において、ボウル面と釉薬層との間に塗布される蛍光体によって発光するものである。
このような構成の小便器によれば、釉薬によって、ボウル面に光沢が出る場合において、照射装置からの光が反射して別の光像が生じてしまうことを抑制することができる。また、釉薬層により、蛍光体がボウル面から剥がれてしまうのを防止できる。
本発明に係る小便器の他の態様は、前記照射装置から照射される光は特定波長の紫外線であり、前記発光部は前記蛍光体が前記紫外線を受けて発光するように構成したものである。
このような構成の小便器によれば、小便器のボウル面に紫外線が照射されることによりボウル面の両側などに発光部の鏡像が形成されたとしても、紫外線は可視光領域外の波長であるので、視認される虞がない。
本発明に係る小便器の他の態様は、前記ボウル面の下方は、前側に向かって傾斜若しくは湾曲しているとともに、前記発光部は、下方にいくにしたがって幅が縮小しているものである。
このような構成の小便器によれば、ボウル面の下方は傾斜しているため、照射装置からの距離が変化する。ここで、発光部は、下方にいくにしたがって幅が縮小している。つまり、照射装置から距離が遠くなるほど、幅が小さくなるように構成されている。そのため、照射装置から距離が遠い箇所の発光量が小さい場合でも、発光部の意匠性を維持することができる。また、発光部の形態を下方にいくに従い幅を縮小する形態とすることで、放尿時の到達位置の目安として発光部の幅を利用して尿流率の低下状況の指標とすることもできる。
本発明によれば、照射装置からの光を受けて発光部自身が光るようにターゲット位置を表示するため、従来のように、照射された光がボウル面に反射して、指示したいターゲット位置以外に別の光像を生じさせてしまうことを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る小便器を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る小便器を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る小便器を示す縦断面図である。 本実施形態による小便器に取り付けられているスプレッダ及びその近傍の拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る小便器の背面(裏面)を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るLEDの構造及びLEDからの紫外光の照射状態を示す模式図である。 本発明のLEDの配置構造の変形例を示す模式図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る蛍光体を設けている小便器の断面構造を示す要部拡大断面図、(b)は同図(a)の蛍光体及びその近傍と紫外光の照射状態を示す小便器の要部拡大正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロ波センサの動作原原理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロ波センサの動作範囲などを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御部とこれに接続されるセンサその他との電気的接続を示す構成ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御部の制御動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る小便器を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る小便器の蛍光体の形状を示す模式的な説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る蛍光体の形状を定性的に説明するための原理図である。 同様に第2の実施形態に係る蛍光体の形状を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る小便器を示す正面図である。
本発明は、ターゲット位置の指示機能を備えた小便器であって、小便を受けるボウル面、及びこのボウル面の底部に設けられた排水口を備えたボウル部と、上記ボウル面を洗浄する吐水装置と、上記ボウル面上に所定波長の光を照射する照射装置と、を備え、上記ボウル面上には、上記照射装置からの光を受けて自らが発光する発光部が設けられているものである。このような構成により、本発明は、照射装置からの光を受けて発光部自身が光るようにターゲット位置を表示するため、従来のように、照射された光がボウル面に反射して、指示したいターゲット位置以外に別の光像を生じさせてしまうことを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1から図5は、本実施形態に係る小便器1を示すものであり、この小便器1は、陶器製の壁掛型のものが用いられており、トイレ室内の床面Fに対して特定高さに調整して壁面Wに設置されている。なお、本発明に係る各実施形態では、設定位置を明確に規定するため互いに直交する3次元座標を設定しており、具体的には、X方向は重力加速度と同一向きに、Y方向はトイレの壁面Wに対して垂直方向の内部にむかう向きに、残りのZ方向は右手系で一義的に指定される向きに設定されている。
この小便器1は、大略構成として、ボウル面2と、このボウル面2の上部に設けた略扁平円筒形状を有するスプレッダ3と、を備えているほか、紫外光を出射する照射装置である紫外光照射部3dの光源を構成するLED(light emitting diode)4と、発光部を構成する蛍光体5と、マイクロ波センサ6と、制御部7(図5及び図10参照)と、を備えている。なお、図1〜図3、図6〜図8では、符号UVで紫外線の照射領域を示しているが、勿論、可視光領域外であるので、実際には視認可能なものではないが説明の都合上実線で示している。
本実施形態の小便器1は、全体として、壁面Wに当接する背面(裏面)から前方下端部にかけて幅が狭くなる固有形状に形成されており、この内側には小便を受けるために湾曲形状のボウル面2を有するボウル部が形成されている。また、この小便器1には、ボウル面2の左右(+/−Z)方向の中央上部に、吐水装置を構成するスプレッダ3が設置されており、使用者が小用後に、スプレッダ3から吐出される洗浄水によってボウル面2が洗浄されるようになっている。なお、この吐水装置は、マイクロ波センサによる検出信号に基づいて、洗浄水の吐水又は止水を行う。
さらに、この小便器1のボウル部には、表面側上部に設けた後述するボウル面2などの他に、図3に示すように、表面側底部に排水口11を、また、裏面側下部に排水管12を備えている。
排水口11は、略円形形状を有するものであって、ボウル面2が受けた小便及び洗浄水を小便器1から外部に排出するようになっている。排水管12は、下降管12a及び上昇管12bを介して排水口11と連通するように構成されており、トイレ室の壁面Wに向けて水平に延びるように設置されている。この排水管12は、図示外の排水配管を介して下水管などに接続されるようになっている。なお、排水配管は、トイレ室の壁内部を通り壁面Wからトイレ室内側に突出している。
さらに、小便器1には、ボウル面2の底部に、排水口11を覆うように円盤状の目皿13が配置されているとともに、目皿13には、複数の開口孔が設けられており、小便が直接放出されたときに外部へ飛散するのを防止する機能を有している。また、この目皿13では、これらの開口孔を介してボウル面2が受けた小便及び洗浄水を集水し、排水口11に放出させるようになっている。
前述した下降管12a及び上昇管12bは、排水口11に放出させた小便及び洗浄水がこれらの内部に貯留されるようになっており、これらの貯留された封水により排水口11と排水管12及び図示外の排水配管との間を絶縁する、トラップ管路として機能する。
ボウル面2は、壁面Wと概ね平行に延びる正面部2aと、この正面部2aの両側から、
小便器1の前方下端部に向けて延びる側面部2bと、を備えている。このような構成のボウル面2は、両側の側面部2bが、図2に示すように、上端から下方に向けて幅が狭くなる略三角形状に形成されていると共に、各側面部2bの最上部(−X方向の最上部)がオープン形状となっており、「天井面」に相当する部分を設けていない。
また、このボウル面2は、正面部2aが、その上部において平面状に構成されているとともに、下方にかけて前方に向かう先端部側(使用者が立つ側、即ち−Y方向の最先端部)にせり出すように凸状に湾曲して形成されている。このような形状を有するボウル面2の正面部2aについては、全体形状として、下方に向けて幅が狭まる略逆二等辺三角形状を呈している。
また、ボウル面2は、その正面部2aの両側が、各斜面状に形成されている側面部2bに接続されており、正面部2a及び各側面部2bを包括した全体形状として略山型に形成されている。また、この小便器1の外周面とボウル面2の外縁を構成する内周面との接続部位は、オープン形状の上端部を除き、恰も山の稜線のように連なる略U字形に形成されている。
さらに、このボウル面2は、各側面部2bの最内縁部である、正面部2aとの境界部位に、導水棚2cが設けられており、この導水棚2cは小便器1の後部(+Y方向)側から前端部(−Y方向)側にかけて斜めに下降するように形成されている。この導水棚2cは、各側面部2bの最内側に形成された段差形状を呈する壁面で構成されている。このような構成のスプレッダ3から吐出された洗浄水の一部は、各導水棚2cに沿って導かれて小便器1の前側下端部に送り込まれ、ボウル面2の前端部側を洗浄して排水口11(図2)から排出されるようになっている。
スプレッダ3は、この内部にLED4を設置しているとともに、小便器1の本体1Aの裏面の、スプレッダ3近傍にマイクロ波センサ6を設置している。このスプレッダ3は、図3及び図4に示すように、ボウル面2の正面部2aの左右方向中央に取り付けられている。なお、本実施形態においては、ボウル面2のスプレッダ3が取り付けられている部分(取付面)は、ほぼ鉛直に向けられた平面である。スプレッダ3は、略円柱状の本体部3aと、吐水部3bと、この吐水部3bからボウル面2の正面部2aの裏側へ延びる洗浄水供給部3cと、紫外光照射部3dと、を有する。
本体部3aは、内部に紫外光照射部3dを収容しており、この紫外光照射部3dには後に詳述するLED4が設置されている。またこの本体部3aには、詳細は後述するが、この裏面側下部のボウル面2との間に、吐水部3bも設置されている。
吐水部3bは、図3に示すように、スプレッダ3の本体部3aの裏面と、ボウル面2の正面部2aの上部側表面と、の間に設置されている。即ち、この吐水部3bは、より詳細には、洗浄水供給部3cから供給される洗浄水が効果的にボウル面2の下方(X方向)に向けて吐出するよう、吐水口30bが鉛直下方に向けて配置されている。また、この吐水部3b及び紫外光の照射装置を構成する後述の紫外光照射部3dは、スプレッダ3の本体部3aの、小便器1正面視において重合位置に位置決めされて設置されている。換言すれば、これら吐水部3b及び紫外光照射部3dは、スプレッダ3の取付面であるボウル面2の表面から異なる高さ位置に位置決めされて設置されている。これにより、吐水部3b及び紫外光の照射装置であるLED4は、スプレッダ3の内部にコンパクトに配置できる。
洗浄水供給部3cは、水道管WPの一部に設けた電磁弁Vを介して洗浄水である水道水を所定のタイミングで吐水部3bへ供給させるように構成されている。このため、電磁弁Vは、後述する制御部7の制御信号に基づいて、所定のタイミングで開閉される。
電磁弁Vは、使用者が小便器1に所定距離内まで接近するときのこの接近動作をマイクロ波センサ6が検知して検知信号(第1検知信号)を制御部7へ出力する場合に、制御部7から出力される所定の制御信号(第1制御信号)を入力すると開弁動作を所定の時間・タイミングで行う。これにより、小便器1のボウル面2には、小用に先立ち洗浄水が流されて、ボウル面2への尿石の形成や臭気の発生を、事前に、かつ、効果的に抑える(これを「予備洗浄動作」とよぶ)ように構成されている。
また、この電磁弁Vは、使用者が小用を終わり小便器1から一定距離を超えて離れると、その離間動作(後退動作)をマイクロ波センサ6が検知して検知信号(第2検知信号)を制御部7に出力する。この検知信号(第2検知信号)を入力した制御部7は制御信号(第2制御信号)を出力するとともに、電磁弁Vはこの制御信号が入力されると開弁動作を所定の時間・タイミングで行う(これを「本洗浄動作」とよぶ)。
洗浄水供給部3cは、ボウル面2の正面部2aを貫通してトイレ室内の壁面Wへ向けて延びる管状部分であり、洗浄水の給水源である水道管WP(図4参照)に接続される。洗浄水供給部3cは、吐水部3bと連通・連結するようになっており、水平(−Y)方向に供給された洗浄水を、この洗浄水供給部3cの先端側で給水方向を90度折曲させて下方鉛直(X)方向に向け、吐水口30bから吐出するように構成されている。吐水口30bは、スプレッダ3の外周面に沿って延びる薄型扁平の開口部分であり、吐水する洗浄水が下方に向けて薄く均等な扇形状に、幅広く、かつ、滑らかに広がるように構成されている。これにより、スプレッダ3から吐出される洗浄水は、ボウル面2の正面部2aに沿って下方に広がるように滑らかに流れ、その一部は、ボウル面2の側面部2bに設けられた導水棚2cに落ち込んで、小便器1の前端部まで導かれていく。
紫外光照射部3dは、図4に示すように、スプレッダ3の内部に設置された紫外光の照射装置で構成されており、小型チップタイプの面実装型(SMD:surface mount device)のLED4と、このLED4から照射する紫外光UVの発光分布状態(図1、図2、図6参照)を調整して蛍光体5へ向けて効果的に投射するためのレンズLとを備えている。このLED4としては、このSMDタイプのLED本体40に限定されるものではなく旧来の砲弾タイプであっても構わないが、紫外光照射部3d、延いてはスプレッダ3の薄型化を図る上ではSMDタイプの方が好ましい。
なお、この紫外光照射部3dとしては、例えば図7に示すように、スプレッダ3´の奥部にLED4をセットバックさせた、後退配置にするとともに、配置方向をボウル面2の正面に正対させるように構成し、かつ、そのLED4の光軸に合わせてプリズム43を設置することで、光軸を90度折曲させるようにすれば、スプレッダ3の更なる薄型化を図ることが可能となる。尚、図7中では、図6と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
LED4は、ボウル面2の正面部2aの下方所定位置に設けられた蛍光体5に光を照射することにより、ボウル面2上に小用時の放出目標点となる目印(蛍光マーク:本実施形態では円形状に発光するマーク)を顕在化させるように構成し、使用者が小便を当てるべき目標位置(ターゲット位置)を視覚的に案内・指示するようになっている。
本実施形態のLED4は、図6に示すように、プリント基板41に面実装されているとともに、所定の樹脂42でモールドされて封止されたパッケージタイプのもので構成されており、所定の固有波長(λ:但し、λ<3.8×10nm)の紫外線を出射するようになっている。本実施形態のLED4では、出射する紫外線として例えば近紫外線であって、この波長λの近紫外光を受光する後述の蛍光体5については、この近紫外光を受光することで所定色の波長λ:但し、3.8×10nm≦λ≦7.6×10nm)の可視光を放射するように構成されている。
レンズLは、LEDから射出される光が、下方に向けて、所定の光軸Aを中心に所定の広がり角をもって放射されるように配置されている。このレンズLは、LED4から所定の照射角で出射される近紫外光が、ボウル面2の正面部2a中央の所定の位置に設けた蛍光体5を中心とした限られた局所領域にのみ照射されるように近紫外光の配光角を制御するように作用している。
特に、本実施形態のレンズLとしては、通常の凸レンズを用いてLED4からの照射光を集光するように構成している。なお、このレンズLのタイプとしては、小便器1の利用者に向かう方向への照射を極力回避するため、シリンドリカルレンズを用いてもよい。このシリンドリカルレンズは、具体的には、前後(+/−Y)方向については広がりを極力抑えるとともに、蛍光体5への照射を確実にさせるために、横方向(+/−Z)方向については蛍光体5の形成領域を含むようにある程度の広がりを持たせた、固有の扁平形状に波形が加工成形される。また、本実施形態に使用するレンズとしては、このような照射光(本実施形態では近紫外波長域の照射光)を固有の照射形態に制御するシリンドリカルレンズの他に、縦横倍率の異なるトーリックレンズを使用してもよいし、照射光が拡散するのを防止するために平行光を形成するコリメータレンズなどを使用してもよい。
なお、本実施形態においては、蛍光体5の設置場所である小便器1の正面部2aは下部(+X方向)側にいくほど前方(−Y)方向にせりだした形状である。このような事情から、このレンズLは、図4に示すように、LED4から出射される近紫外光の光軸Aが、スプレッダ3を取り付ける図示外の基準面に対し、所定の傾斜角度θだけ小便器1の前側(−Y)方向に僅かに傾斜するように調整された状態で配置されている。このように、紫外光の照射装置を構成する紫外光照射部3dから射出される照射光の光軸Aをボウル面2側に近づけて壁側(Y方向)に傾斜させることにより、LED4から出射された光は適切な角度でボウル面2に照射され、ボウル面2上の蛍光体5を中心とした局所部位に適切な大きさの照射領域を狭めて形成することができる。ここでレンズLには、凸レンズを使用しているため、有害な紫外光がボウル面2で反射後に大きく拡大して拡散し、使用者の目に入射する、といった問題が発生するのを未然に防止できるようになっている。
蛍光体5は、LED4から出射される特定波長λαの紫外線(例えば近紫外光)が有する固有の光エネルギーE(E=h・ν=h・c/λ 但し、h:プランクの定数(6.63×10−34(J・sec)、ν:紫外線の振動数(ν=c/λα≒3×10/λα))を吸収して励起状態(高いエネルギー準位の固有状態)となった後、エネルギー準位の低い元の軌道(通常は基底状態)に戻る過程で、励起状態のときとのエネルギー差に対応する、プランクの定数(h)の整数倍のエネルギー値に相当する所定波長λβの光、特に本発明では可視光(例えば、380〜760nmの波長域内の光)を放射するようになっている。
本実施形態の蛍光体5は、適宜の蛍光物質を用いて略真円形状に形成されており、図8に示すように、ボウル面2の正面部2a下部中央に形成されている。
マイクロ波センサ6は、使用者が小便器1の一定領域内まで近づいたところでこれを検知する人体検知センサであり、図4に示すように、ボウル面2の裏側の所定位置に配置されている。このマイクロ波センサ6は、ボウル面2の背面(裏面)で、図示外のブラケットなどを介してスプレッダ3に取り付けられている。本実施形態では、このマイクロ波センサ6は、小便器1の正面視において、スプレッダ3の本体部3aの右側側方、かつ、下方に位置決めされ、斜め下方に向けてマイクロ波(電磁波)を発信するように配向・配置されている。
特に、本実施形態のマイクロ波センサ6は、小便器1の背面(裏面)側からボウル面2を透過させるようにマイクロ波を照射し、小便器1の正面(表面)への使用者の存在を単に検知するのでなく、小便器1に対して一定距離内へ接近する動作、例えば小便器1近傍を単に通過するのではなく、小便器1へ向かって前進してくる使用者を検知する機能を有している。これにより、本実施形態のマイクロ波センサ6は、例えば小便器1に一定距離まで近づいた(接近動作)もののそれよりさらに前方へは前進せずに停止していると、LED5の出射動作が行われない。蛍光体5の発光動作も行われることがない。
即ち、このマイクロ波センサ6は、小便器1を使用するために使用者が所定距離まで近づく場合にはこの状況を正常に検知する。ところが、この小便器1を見慣れない初心者が小用を行うのではなく、単にもの珍しく蛍光体5の発光現象を観察する、といった見物行為を行おうとする際には、小用をする状況ではないことをその接近距離やそこでの停止動作から見抜き、これを制御部7が検知して(見物行為であると判断して)LED4が作動するのを効果的に防止するように構成されている。
そのため、このマイクロ波センサ6は、検知対象である小用使用者の接近・存在などがあると、このような動作行為を使用者からの反射電波を受信して検知信号を後述する制御部7へ出力するように構成されている。
因みに、このマイクロ波センサ6は、ここから出射するマイクロ波(電磁波)である所定周波数の電波が、一般に、陶器製のボウル面2を透過することができるだけの固有エネルギーを有するので、ボウル面2の背面(裏面)側に配置することができるものである。このような事情から、ボウル面2の正面(表面)側にマイクロ波センサ6を配置する必要がない。従って、スプレッダ3には、紫外光照射部3dを組み込んだだけでなく、更にマイクロ波センサ6も一緒に組込んだり、スプレッダ3とは別にボウル面2の正面(表面)側にマイクロ波センサ6を設けるといった必要がなく、小便器1のデザインの自由度を拡大できる。このように、マイクロ波センサ6は、スプレッダ3の本体部3aの側方、かつ、ボウル面2の背面(裏面)側下方に配置するような構成としたことにより、スプレッダ3を構成する金属部品等によりマイクロ波(電磁波)が遮られることがないので、ボウル面2の周囲をすっきりと簡素化させることでき、デサイン性や見栄えの点でも都合がよい。
本実施形態のマイクロ波センサ6は、図9に示すように、発信波(マイクロ波)信号s1を生成出力する発信機61と、この発信機61から出力される電波(マイクロ波)である送信波γを放射させる送信アンテナ62と、使用者Uの生体で反射して反射波δを受信する受信アンテナ63と、この受信アンテナ63から得られる第1受信信号s2と先の発信波信号s1とを重畳させる第1合波部64と、受信アンテナ63から得られる第1受信信号s2を分波させた第2受信信号s3と先の発信波信号s1とを重畳させる第2合波部65と、第1受信信号を発信波の波長λに対してλ/4(即ち、π/2)分だけ位相をずらした第2受信信号を生成する位相調整部66と、を備えている。
第1合波部64は、第1信号Pを出力して制御部7へ出力する一方、第2合波部65は第2信号Qを出力して制御部7(図11参照)へ出力する。この第2信号Qは、第1信号Pに対してλ/4だけ位相がずれた波形として得られる。
このマイクロ波センサ6は、第1信号P及び第2信号Qを制御部7に伝達する。これにより、制御部7は、第1信号Pと第2信号Qとに基づいて、使用者Uの小便器1の本体1A(マイクロ波センサ6)への接近動作R又は離反動作Sを推定することができる。また、制御部7は、マイクロ波センサ6の出力信号の周波数(送信波γと受信波(反射波δ)との周波数差分)に基づいて、使用者の接近速度を推定することができる。
さらに、例えば図10において、制御部7は、この接近速度から、基準位置Cからの接近距離Hを推定することができる。ここで、「接近距離H」とは、検知境界位置Bから小便器1の本体1Aまでの検知領域G内に一定距離εだけ入った基準位置Cから、小便器1の本体1A側の小便位置D寄りへ使用者が接近して立ち入ったときの距離のことである。さらに、制御部7は、マイクロ波センサ6は、小便器1の本体1Aに接近する使用者Uの接近速度の変化を検知する機能を備える。マイクロ波センサ6は、使用者Uから小便器1の本体1Aまでの距離(=G−(δ+H))の変化量の検知機能も有する。
また、マイクロ波センサ6として、上述した2出力式でないドップラー式のマイクロ波センサを適用する場合にも、このマイクロ波センサ6の出力信号の周波数(送信波γと受信波(反射波δ)との周波数差分)に基づいて、制御部7は、使用者の接近速度を推定することができる。さらに、制御部7は、この接近速度に基づいて基準位置からの接近距離を推定することができる。よって、制御部7は、接近停止状態の判定を行うことができる。
なお、制御部7は、図11に示すように、前述したLED4、マイクロ波センサ6、及び電磁弁Vの制御を行うものであり、出力が、LED4の入力端子、マイクロ波センサ6の入力端子、及び電磁弁Vの入力端子にそれぞれ接続されているとともに、入力がマイクロ波センサ6の出力端子に接続されている。
とくに、この制御部7は、図12に示すように、LED4、マイクロ波センサ6、及び電磁弁Vに制御信号を適宜出力し、これらの制御を所定のタイミングで適宜行うものであり、図示外のマイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス、及びこれらを作動させるプログラムにより構成されている。これにより、マイクロ波センサ6が所定のタイミングでマイクロ波を送信するとともに、LED4が所定パターンの近紫外光を射出させ、かつ、電磁弁Vの開動作で予備洗浄及び本洗浄のために洗浄水を吐出させる。
(使用者の動作と制御部の制御について)
次に、本発明の第1の実施形態に係る小便器1の動作について、図12に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
図12に示すように、使用者が小便器1の本体1Aに接近する前の待機状態の時刻t0において、使用者はマイクロ波センサ6の検知領域外に位置し、マイクロ波センサ6は、使用者を検知していない非検知状態となっており、制御部7は使用者が接近状態でないと判定している(接近状態判定なし)。また、制御部7は、待機状態において、紫外光の照射装置を構成するLED4を未点灯状態としている。
次に、時刻t1において、使用者が小便器1の本体1Aに向かって進み、マイクロ波センサ6の検知領域G(図10参照)内に入る。基準位置Cから検知領域G内に入り使用者を検知した検知状態となると、これに基づき、時刻t1においてマイクロ波センサ6から検知信号が制御部7に出力される。一方、制御部7は、この検知信号を入力することで使用者が接近状態となったと判定する(接近状態判定あり)。すなわち、制御部7は使用者の接近状態が開始されたと判定する。
時刻t1からマイクロ波センサ6が使用者を検知したことに基づき、このマイクロ波センサ6から検知信号が制御部7に出力されるが、この制御部7からは、一定時間経過した時刻t2において、電磁弁Vを開く開放信号を電磁弁Vに出力する。これにより、吐水部3bの吐水口30bから洗浄水がボウル面2へ放出され、予備洗浄動作が行われる。
なお、時刻t2では、使用者の位置は小便器1の本体1aにより近づいている状態である。このとき、マイクロ波センサ6は、使用者の速度変化検知機能により使用者の接近速度の変化を検知している。同時に、マイクロ波センサ6は、使用者の距離変化検知機能により使用者の接近距離の変化を検知している。一方、制御部7は、これらの接近速度及び接近距離に関するデータに基づいて、後述するように、使用者が引き続き接近状態であると逐次判定している。換言すれば、制御部7は、接近状態においては、使用者が小便器1の本体1Aに向けて進む接近途中の状態が継続していると判断できる。
このようにして、予備洗浄動作が所定時間Δtだけ行われると、時刻t3となる。
なお、この時刻t3において、使用者が小便器1の本体1Aの小便位置Dである放尿位置に到着する場合に、制御部7は、接近停止状態となったと判断する。即ち、制御部7は、使用者が、接近状態(接近動作)が終了した(接近状態にない)と判断する。ここでの接近停止状態は、例えば使用者が放尿のため小便位置Dに立ち止まった状態に対応する。
その時間Δtの経過した時刻t3には、電磁弁Vが閉じるように制御部7から弁閉鎖の制御信号が出力される。さらに、制御部7は、電磁弁Vが閉鎖したのと略同期して、LED4へ制御信号(制御電流)を出力し、LED4が動作する。即ち、このLED4は、電磁弁Vが閉じて予備洗浄動作が終了するのと略同期して(若しくは、電磁弁Vの終了直前となる電磁弁開放開始時刻から所定時間経過したところで)照射作動を開始するように、制御部7から制御信号(制御電流)がLED4へ出力する。このLED4の作動により、LED4からは近紫外光UVが蛍光体5のあるボウル面2の正面部2a下方に向けて照射される。
この近紫外光UVは、図4に示すレンズLによって集光され、蛍光体5を含むその周辺領域へ局所的に照射される。これにより、この近紫外光UVを受光した蛍光体5は、その光エネルギーを吸収して励起されエネルギー準位の高い軌道へ遷移するが、その後、軌道を基底状態へ降下させる遷移動作の際に、内部エネルギー差分に相当する所定振動数ν(別言すれば、所定波長λ)の光、特に380nm〜760nmの可視光領域内にある波長λの光(つまり、可視光)を出射する。そのため、略真円形状の蛍光体5がこの形状に合わせて発光するので、この発光する固有色(波長λ)の可視光を、使用者が目で直接確認することができる。
このようにして、本実施形態の小便器1では、使用者がその発光する可視光を目視することができるので、この目印に目掛けて小用を行うように促す(仕向ける)ことができる。従って、小用の使用者は、小便器1のボウル面2から小便が放ち外れることがないように用を足すことができ、小便器1の周囲への汚損を回避させることができる。
また、時刻t4において、使用者が用を足し終えて、小便器1の前から後退して離れるときには、その離間距離がマイクロ波センサ6の検知領域Gを超えて離間することで使用者が検知領域G外に達すると、マイクロ波センサ6は使用者を検知しない非検知状態となるので、検知信号の出力が停止する。
制御部7は、LED4の作動を使用者が所定のマイクロ波センサ6の検知領域G内に入るまでは動作しないようにタイミングを図った制御を行っているので、まだ立ち止まり状態となっていない(前進動作中の)使用者に対し、使用者の立ち止まりの契機となるような蛍光体5の発光動作を使用者に与えることを抑制させている。同時に、制御部7は、使用者ではない通行人が小便器1の近くを接近して通過する場合に、小用をする状況ではないことをその接近距離やそこでの停止動作から判断し、見物行為を行うことを阻止するためにも、LED4の作動タイミングを制御している。
時刻t4において、使用者が放尿を終えて小便器1の前から立ち去る場合、マイクロ波センサ6が使用者の小便器1からの離間動作(後退動作)を検知する。これにより、マイクロ波センサ6からの検知信号が出力停止となる。その結果、制御部7は、マイクロ波センサ6による使用者の離間動作の検知に基づいてLED4の作動を停止する制御を行うため、マイクロ波センサ6による使用者の離間動作検知から所定時間経過した時刻t5で、LED4への制御信号(制御電流)の出力停止を行う。
これにより、時刻t5において、近紫外光UVの照射が停止するので、蛍光体5の発光動作も一定のタイムラグで時刻t6(若しくは直ちに)停止する(小用ガイド動作の停止)。また、これとほぼ同時刻t5で制御部7から電磁弁Vへ制御信号が出力され、この制御信号を入力した電磁弁Vが開弁動作を所定時間Δt2だけ行う、本洗浄動作が開始される。この本洗浄動作により、吐水口30bから洗浄水が吐出され、ボウル面2を洗浄する。この洗浄水により、排水口11と排水管12及び図示外の排水配管との間を絶縁する、トラップ管路内の尿が排出されると共に、排水トラップ管路及び図示外の排水配管が洗浄される。
その後、電磁弁Vの開弁動作開始から所定時間Δt2だけ経過した時刻t7で、電磁弁Vへの制御信号の出力が停止するので、ボウル面2への洗浄液の吐出動作が直ちに停止する。
従って、本実施形態の小便器1によれば、LED4から照射される近紫外光UVが蛍光体5に投光されると、この近紫外光UVを受光した蛍光体5が可視光領域内の所定波長λの光を出射する。即ち、略真円形状の蛍光体5がこの形状に合わせて発光する。このため、発光する固有色(波長λ)の目印に目掛けて小用を行うように促す(仕向ける)ことができる。従って、小用の使用者は、小便器1のボウル面2から小便が放ち外れることがないように用を足すことができ、小便器1の周囲への汚損を回避させることができる。
しかも、本実施形態の目印を構成する蛍光体5を発光させる手段となるLED4は、紫外光UVであるので、例えば光沢のあるボウル面2による写像性のため左右位置に鏡像を形成して使用者の目を眩惑する、といった不都合を回避できる。
また、本実施形態の蛍光体5は、釉薬1Bを塗布する前の陶器製の小便器1の本体1Aに塗布する構成であるので、別言すれば、この蛍光体5の上から釉薬1Bを塗布して釉薬層を形成してあるので、長期間の使用に伴って釉薬層で保護される。このため、蛍光体5が劣化したり、剥離するといったトラブルを回避でき、メンテナスフリーで耐久性の高い目印を実現できる。
さらに、本実施形態では、マイクロ波センサ6が、使用者Uが単に小便器1に近づくといった状態ではなく、使用者Uが基準位置Cよりも小便器1へ接近するときの接近動作を検知して検知信号を制御部7へ出力すると、この信号を入力した制御部7がLED4を作動させるように構成している。従って、この小便器1の近くを通過しただけでは、何の反応も起こさずに蛍光体5が発光することがないので、蛍光体5の発光現象を覗き見る見物行為を起こすこともない。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る小便器の第2の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態に係る小便器1´を示す正面図であり、この小便器1´には、蛍光体5´として略液滴形状のものが形成されている。
即ち、本実施形態の蛍光体5´は、図13に示すように、縦方向、つまり下方(X)方向に向けて次第に窄まった略細長液滴形状に形成されている。このような形状としてあるのは、図14に示すように、ボウル面2´の正面部2a´が下方に行くにしたがって使用者側、つまり手前側(−Y方向)に突き出してくる特有の形状であることから、また、下方(X)に向かうにつれて正面部2a´の幅が次第に狭くなる形状であることから、これに合わせてターゲットを構成する蛍光体5´の幅も変化する(即ち、その幅がw1〜w2となる)ように形成されている。尚、図14〜図16において、符号C.L.は正面部2a´の中央線を示す。
特に、本実施形態の小便器1´では、(第1の実施形態の図3と同一形状を有する)図14に示すような固有形状のボウル面2´であり、小便を放出する開始点(以下、これを「小便放出点p」とよぶ)からボウル面2´までの距離dについては、図16に示すように、小便放出点pから蛍光体5´を構成するターゲット部分の上部側までの距離d1よりも、小便放出点pから蛍光体5´を構成するターゲット部分の下部側までの距離d2の方が短い。
このような事情から、図15に示すように、小便放出点pにおける小便の最大放出領域が、仮に水平方向については、水平角度φであるとすれば、小便放出点pに近いほどその水平放出領域wは狭まる。つまり、
d2<d1ならば、w2<w1 ・・・(1)
である。
しかも、前述したように、本実施形態の小便器1´は、図2に示す第1の実施形態の小便器1と同じ形状のものである。即ち、図13及び図14に示すように、ボウル面2´が、下方(X)に向かうほど幅が狭まった略逆二等辺三角形の形状であって、正面部2a´の上部側は幅広w1´であり、下部側では幅狭w2´となる形状である。そのため、小便を、ボウル面2´の正面部2a´から左右(+/−Z)方向にはみ出さないようにガイド(案内)するためには、ターゲットを構成する蛍光体5´の幅w´も、正面部2a´の下(X)側に向かうほど狭めることが必要である。つまり、
d2<d1ならば、w2´<w1´ ・・・(1)´
であることが必要である。
本実施形態では、こういったターゲット(目印)としての事情を考慮し、蛍光体5´はこれに合わせて、下方へ向かうほど狭まった液滴形状を有しているものである。換言すれば、図16に示すように、ターゲットの形状的な要求として、下方へ向かうほど左右への許容振れ水平角度φを狭く、つまり以下の条件を
φ2<φ1 ・・・(2)
満たすことが必要である。
従って、本実施形態によれば、このような条件(1)´、(2)の要求により、液滴形状の蛍光体5´を設けることで、使用者に小便放出標的をガイドすることができる。これにより、p点から放出する小便が、ボウル面2´の正面部2a´において、左右に大きく逸れてボウル面2´外側にこぼれ、小便器1´の左右に飛び散るのを極力抑制することができる。また、尿流率(瞬間尿量)が低下すると、尿の飛行距離は短くなり、細い飛沫状の尿流になるので、そのことをターゲットの幅を狭くすることで、使用者は簡便に認知し、図らずも通院の必要性を感じやすくする効果も期待できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る小便器の第3の実施形態について説明する。
図17は、本実施形態の小便器1´´を示すものであり、この小便器1´´では、ボウル面2´´内に形成する蛍光体5´´が、上から下に向かう方向に沿い、同一真円形状で色の異なる3種の蛍光体5´´が正面部2a´´の中央部に形成されている。
この3種3色の蛍光体5´´は、上から準に、青色蛍光体5B´´、黄色蛍光体5Y´´、赤色蛍光体5R´´で構成されている。
特に、本実施形態では、このような色並びとしたのは、このような小便器1´´´を使用することで、同時に、使用者の健康状態を小便器1´´の使用の都度、確認することができるようにしてある。即ち、本実施形態の小便器1´´を利用して小便を行う際に小便の放出の勢いなどの放出状況をチェックすることができるものである。
例えば小便の到達地点が、最上位の青色蛍光体5B´´に達する場合には、健康的な(標準的な)放出の勢いがあるとして健常者であり前立腺肥大などに問題がないと判断できる目安となるものである。一方、小便の到達地点が、中間位置の黄色蛍光体5Y´´に達する場合には、放出の勢いがやや弱まっているとして要注意と判断できる目安となるものである。また、小便の到達地点が最下位の赤色蛍光体5R´´までしか到達しない場合には、放出の勢いが弱いとして、前立腺肥大その他の何等かの障害や疾病の可能性を考慮するべきであるといった注意喚起を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、小便器1´´の使用の都度、誰でも簡単に、しかも何らのコストも掛けずに簡易的な健康状態がこの小便器1´´で直ちに確認できるので、便宜である。
(第4の実施形態)
次に本発明に係る他の実施形態について説明する。尚、本実施形態では、第1の実施形態から第3の実施形態とは一部のみ構成が異なるだけなので、図面を省略した。
この実施形態では、発光部を構成する照射装置として、所定波長領域、例えば380nm〜760nmの波長領域内の光、つまり可視光を出射するLEDで構成しているとともに、このLEDから放射される可視光がボウル面の略全面に亘って照射されるように構成されている。
また、本実施形態のLEDから放射される可視光を受光すると所定波長の可視光(同様に、380nm〜760nmの波長領域内の光)で発光する発光部となる蛍光体をボウル面の正面部の中央所定位置に形成してあり、他の実施形態と同様、保護膜となる釉薬で形成した釉薬層で保護されている。
この蛍光体の形状は、第1の実施形態のような真円形状或いは第2の実施形態のような長尺液滴形状で構成することができる。さらに、第3の実施形態のように、この蛍光体として3種類のもの、つまり、青、黄、赤の色で発光する適宜の蛍光物質を用いて上下方向に3種の蛍光体を形成してもよい。その場合には、それらの蛍光体に照射する紫外光照射部3dとして、単一の波長を出射する構成のものでもよいが、3種のLEDを同時に或いは微小時間間隔を保持して順次サイクリックに発光する構成としてもよい。
従って、本実施形態の小便器によれば、照射装置を構成するLEDから放射される可視光がボウル面の全面に照射されるので、これを受光して発光する蛍光体が、ボウル面の左右に鏡像を形成したとしても、その鏡像自体はLEDによる照射強度と比較して弱いため顕在化し難くなる。そのため、鏡像で幻惑されることなく蛍光体の発光を目印として確認することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
1 小便器
1A 本体
1B 釉薬(釉薬層)
2 ボウル面
2a 正面部
2b 側面部
2c 導水棚
3 スプレッダ(吐水装置)
3a 本体部
3b 吐水部
3c 洗浄水供給部
3d 紫外光照射部(紫外光の照射装置)
4 LED(light emitting diode)
40 LED本体
5 蛍光体(発光部)
5B´´ 青色蛍光体
5Y´´ 黄色蛍光体
5R´´ 赤色蛍光体
6 マイクロ波センサ
61 発信機
62 送信アンテナ
63 受信アンテナ
64 第1合波部
65 第2合波部
66 位相調整部
7 制御部
11 排水口
12 排水管
12a 下降管
12b 上昇管
13 目皿
C 基準位置
C.L. 正面部の中央線
G 検知領域内
H 接近距離
L レンズ
P 第1信号
Q 第2信号
R 接近動作
S 離反動作
U 使用者
UV 紫外線
d 小便放出点からボウル面までの距離
s1 発信波(マイクロ波)信号
s2 第1受信信号
s3 第2受信信号
t1〜t7 時刻
w1 ボウル面の正面部の上部寄りでの幅
w1´ 蛍光体の上部寄りでの幅
w2 ボウル面の正面部の下部寄りでの幅
w2´ 蛍光体の下部寄りでの幅
p 小便放出点
γ 送信波
δ 反射波
ε 一定距離
θ 傾斜角度
φ 小便の放出領域(水平角度)

Claims (4)

  1. ターゲット位置の指示機能を備えた小便器であって、
    小便を受けるボウル面及びこのボウル面の底部に設けられた排水口を備えたボウル部と、
    上記ボウル面を洗浄する吐水装置と、
    上記ボウル面上に所定波長の光を照射する照射装置と、
    を備え、
    上記ボウル面上には、上記照射装置からの光を受けて自らが発光する発光部が設けられている、
    ことを特徴とする小便器。
  2. 前記ボウル面上には、釉薬層が形成されているとともに、
    前記発光部は、ボウル面の一部において、ボウル面と釉薬層との間に塗布される蛍光体によって発光する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の小便器。
  3. 前記照射装置から照射される光は特定波長の紫外線であり、
    前記発光部は前記紫外線を受けて発光するように構成した、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の小便器。
  4. 前記ボウル面の下方は、前方側に向かって傾斜若しくは湾曲しているとともに、
    前記発光部は、下方にいくにしたがって幅が縮小している、
    ことを請求項1乃至4のいずれか1項に記載の小便器。


JP2020029115A 2020-02-25 2020-02-25 小便器 Pending JP2021134494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020029115A JP2021134494A (ja) 2020-02-25 2020-02-25 小便器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020029115A JP2021134494A (ja) 2020-02-25 2020-02-25 小便器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021134494A true JP2021134494A (ja) 2021-09-13

Family

ID=77660514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020029115A Pending JP2021134494A (ja) 2020-02-25 2020-02-25 小便器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021134494A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1230691C (zh) 一种流体流动控制设备和方法
CN101082227A (zh) 卫生洗净装置及冲厕装置
CN110306631B (zh) 坐便器装置以及便座装置
JP4509810B2 (ja) 便座装置及びトイレ装置
JP2021134494A (ja) 小便器
JP6819023B2 (ja) 小便器
JP2008038334A5 (ja)
JP2008038334A (ja) 衛生洗浄装置
US20220098845A1 (en) Bidet washing apparatus with led display system
TWI611126B (zh) 水龍頭裝置
JP6800427B2 (ja) 小便器装置
JP2004261221A (ja) 照明付き便器設備
JP6962043B2 (ja) 小便器
JP6590052B2 (ja) トイレ装置及び便座装置
JP6587222B2 (ja) トイレ装置及び便座装置
JP4411973B2 (ja) 人体検知装置
JP2004285630A (ja) 小便器洗浄装置
JP2019132033A (ja) 小便器
JP5028916B2 (ja) トイレ装置とそれを備えた衛生洗浄装置
JP2004116148A (ja) 便器洗浄装置
JP2020045703A (ja) 便器装置
JP2019148112A (ja) 小便器
JP2005290718A (ja) 小便器
JP7330438B2 (ja) 排水装置
JP2001227016A (ja) 自動水栓

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230919

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240312