JP2021134256A - 表面処理組成物、表面処理基材及び表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、表面処理組成物、表面処理基材及び表面処理方法に関する。
産業用機械部品等の生産には、多種、多量の油が使用されており、製造工程における部品洗浄や製品洗浄の工程等で排出される含油排水の量も多くなっている。このような含油排水から油と水とを分離する油水分離技術として、例えば、比重分離等の静置分離技術、遠心分離技術、吸着分離技術等が知られている。
これらの分離技術のうち、静置分離技術は多大な時間を要するという問題があり、遠心分離技術は大掛かりな装置を必要とするという問題があり、吸着分離技術は大量の含油排水の処理に不向きであるという問題がある。そこで、従来、所定のフッ素化合物と無機化合物とがナノコンポジット化された複合材料であって、親水・撥油性を有するフッ素含有ナノコンポジット粒子をろ紙や不織布に担持させた油水分離膜が提案されている(特許文献1参照)。
物品表面に付着した油汚れを防止する方法として、物品表面を、撥油性を有する表面処理剤で処理して、物品表面に防汚膜を形成する方法が知られている。撥油性を有する表面処理剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂等が広く用いられている。しかしながら、フッ素樹脂は高い撥水性を有するため、物品表面に付着した油汚れを水洗浄により洗い流すことが困難である。そのため、油汚れを防止するための撥油性と、付着した油汚れを水洗浄するための親水性とを有する表面処理剤の提案が望まれている。
従来、表面処理剤に含まれる親水性及び撥油性を有する樹脂組成物として、炭素数1〜18のペルフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステルと親水基含有モノマーとを構成成分に含む共重合体が知られている(特許文献2参照)。
上記特許文献1に記載されている油水分離技術や上記特許文献2に記載されている防汚膜を形成するための表面処理剤等の技術分野においては、優れた親水性及び撥油性を有する表面処理剤が必須である。一方で、親水性及び撥油性を有する表面処理剤を用いて物品表面に表面処理を施した後、当該物品表面に形成された親水・撥油膜が耐水性を有するものであることも望まれる。従来公知の表面処理剤においては、物品表面を親水性にすることが可能であっても、耐水性が低く、物品表面の親水性を維持することが困難であるという課題がある。したがって、親水性及び撥油性をさらに向上させつつ、耐水性を有する表面処理剤の提案に対する要望が高まっている。
上記課題に鑑みて、本発明は、被処理基材の表面に対して親水性及び撥油性を付与可能であり、かつ耐水性を有する表面処理組成物、当該表面処理組成物により表面処理が施された表面処理基材及び当該表面処理組成物を用いた表面処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物と、ポリビニルアルコールと、ジルコニウム含有化合物とを含有することを特徴とする表面処理組成物を提供する。
上記式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。
前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記フッ素含有化合物の含有量の200〜1000倍量であればよく、400〜800倍量であるのが好ましく、前記ジルコニウム含有化合物が、酸塩化ジルコニウムであればよく、酸塩化ジルコニウム水和物であるのが好ましい。
前記式(1)において、yが0であればよく、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(2)で表される基であればよく、R2はメチル基であればよく、xが1〜10の整数であればよい。
本発明は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、少なくとも前記第1面に設けられている表面処理層とを備え、前記表面処理層は、上記表面処理組成物を用いた表面処理により形成されているものであることを特徴とする表面処理基材を提供する。前記基部が、ガラス基材であればよい。
本発明は、上記表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施す表面処理方法であって、前記表面処理組成物を含む溶液に前記被処理基材を浸漬させることで、前記被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法を提供する。
本発明は、上記表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施す表面処理方法であって、前記表面処理組成物を含む溶液を前記被処理基材の表面に塗布し、前記被処理基材の表面に形成された塗膜から溶媒を除去することで、前記被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法を提供する。
本発明によれば、被処理基材の表面に対して親水性及び撥油性を付与可能であり、かつ耐水性を有する表面処理組成物、当該表面処理組成物により表面処理が施された表面処理基材及び当該表面処理組成物を用いた表面処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について説明する。
[表面処理組成物]
本実施形態に係る表面処理組成物は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物と、ポリビニルアルコールと、ジルコニウム含有化合物とを含有する。
[表面処理組成物]
本実施形態に係る表面処理組成物は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物と、ポリビニルアルコールと、ジルコニウム含有化合物とを含有する。
式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。
式(1)において、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基としては、例えば、−CF3、−C2F5、−C3F7、−C6F13、−C7F15等の−CqF2q+1(q=1〜10)で表されるフルオロアルキル基;オキシフルオロアルキレン基等を挙げることができ、これらのうち、下記式(2)で示されるオキシフルオロアルキレン基であるのが好ましい。
式(1)において、R2で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜2のアルキル基が挙げられ、R2で表されるアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等の炭素数2〜4のアルコキシアルキル基が挙げられる。これらのうち、R2で表される基としては、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)において、R3及びR4で表される有機基としては、例えば、下記式(i)〜(v)で示される基を挙げることができる。
式(1)において、トリアルコキシシリル基又はトリアルコキシアルコキシシリル基(−Si(OR2)3)が結合する中間鎖(−CH2−CH−)の数xは、1〜100であり、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜5である。また、中間鎖(−CH2−CR3R4−)の数yは、0〜100であり、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10である。
上記フッ素含有化合物として好適な化合物としては、下記式(3)〜(7)で示される化合物を例示することができる。特に、上記フッ素含有化合物が式(3)又は式(6)で示される化合物(式(1)においてy=0である化合物)であると、1分子中に占められるフッ素原子の割合が大きくなる。これにより、フッ素による撥油性も相乗的に作用し、本実施形態に係る表面処理組成物において撥油性が奏されやすくなると考えられる。
式(4)及び式(5)中、R1’は、−CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7で表される基である。式(4)中、xaは1〜100の整数である。式(5)中、xbは1〜100の整数であり、ybは1〜500の整数である。
上記式(1)で示されるフッ素含有化合物は、下記式(Ia)で示されるフッ素含有過酸化物の存在下に、下記式(Ib)で示される単量体と、下記式(Ic)で示される単量体とを重合させることにより得られる。なお、この反応生成物(フッ素含有化合物)中には、フルオロアルキル基を含有する基(R1)が片末端のみに導入されているオリゴマーが任意の割合で含まれていてもよい。
本実施形態に係る表面処理組成物に含まれるジルコニウム含有化合物としては、例えば、酸塩化ジルコニウム(ZrCl2O)、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド(Zr(OC3H7)4)、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4)や、それらの水和物等が挙げられる。特に好ましくは、酸塩化ジルコニウム八水和物(ZrCl2O・8H2O)である。後述するように、表面処理組成物にジルコニウム含有化合物が含まれていることで、本実施形態に係る表面処理組成物を用いて基材表面に形成された表面処理層の耐水性を向上させることができる。表面処理組成物に含まれるジルコニウム含有化合物が水和物であることで、ポリビニルアルコールとの親和性が良好となり、表面処理組成物の調製時における分散特性が良好となる。
本実施形態に係る表面処理組成物に含まれるポリビニルアルコールとしては、例えば、ビニルアルコール単位を有するポリビニルアルコール系重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、従来公知の方法に従い、例えば、ビニルエステルを重合してポリマーを得た後、得られたポリマーをケン化、すなわち加水分解することにより得られる。
本実施形態に係る表面処理組成物において、ジルコニウム含有化合物の含有量は、フッ素含有化合物と反応して複合化するのに必要な量であればよく、例えば、フッ素含有化合物の含有量の0.1〜2倍量程度であればよく、0.5倍量程度であるのが好ましい。
本実施形態に係る表面処理組成物において、ポリビニルアルコールの含有量は、フッ素含有化合物の含有量の200〜1000倍量であるのが好ましく、400〜800倍量であるのがより好ましい。ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の200倍量未満であると、表面処理組成物を用いて表面処理が施された表面に撥油性が付与され難くなるおそれがあり、1000倍量を超えると、表面処理組成物を用いて表面処理が施された表面に親水性が付与され難くなるおそれがある。
本実施形態に係る表面処理組成物を用いて表面処理を施すことで、例えば上記式(5)に示すフッ素含有化合物とジルコニウム含有化合物との反応により、下記式(8)に示すような化学構造を有する多次元マトリックス構造の表面処理層が形成されると推察される。
上記のように、フッ素含有化合物のトリアルコキシシリル基又はトリアルコキシアルコキシシリル基(−Si(OR2)3)と酸塩化ジルコニウムとがマトリックス状に結合してコンポジットが形成されることにより、水と接触したとしても当該コンポジットにおける結合が切断され難くなり、その結果として、上記表面処理層に耐水性を付与することができると考えられる。
上述した本実施形態に係る表面処理組成物は、後述する実施例からも明らかなように、優れた親水性及び撥油性、並びに耐水性を有する表面処理層を表面処理基材(例えば、金属基材、ガラス基材、ゴム基材、樹脂基材等)の表面に形成することができる。ここで、親水性とは、例えば、上記表面処理層について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMasterDMo−601(製品名)等)を用いて水の接触角(deg)を測定したとき、水の接触角が相対的に小さいことを意味する。具体的には、水の接触角が90°以下であればよく、好適には水の接触角が80°以下であればよい。また、撥油性とは、例えば、上記表面処理層について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMasterDMo−601(製品名)等)を用いてドデカンの接触角(deg)を測定したとき、ドデカンの接触角が相対的に大きいことを意味する。具体的には、ドデカンの接触角が10°以上であればよく、好適にはドデカンの接触角が13°以上であればよい。
本実施形態に係る表面処理組成物によれば、ガラス、金属、ゴム、プラスチック、繊維等の被処理基材の表面処理に用いることで、当該被処理基材の表面に親水・撥油層等の機能性薄膜(表面処理層)を形成することができる。すなわち、本実施形態に係る親水性及び撥油性を付与可能な表面処理組成物は、親水・撥油層形成用表面処理組成物として利用することができる。
[表面処理組成物の製造方法]
本実施形態に係る表面処理組成物は、例えば、ポリビニルアルコールと、上記式(1)に示すフッ素含有化合物と、上記ジルコニウム含有化合物とを溶媒に添加し、無触媒条件下で混合することにより製造され得る。
本実施形態に係る表面処理組成物は、例えば、ポリビニルアルコールと、上記式(1)に示すフッ素含有化合物と、上記ジルコニウム含有化合物とを溶媒に添加し、無触媒条件下で混合することにより製造され得る。
上記溶媒としては、ポリビニルアルコール、上記フッ素含有化合物及び上記ジルコニウム化合物を溶解可能なものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール、フッ素含有化合物及びジルコニウム含有化合物の混合量としては、例えば、ジルコニウム含有化合物の混合量は、フッ素含有化合物と反応して複合化するのに必要な量であればよく、フッ素含有化合物の混合量の0.1〜2倍量程度であればよく、0.5倍量程度であるのが好ましい。また、ポリビニルアルコールの混合量は、フッ素含有化合物の混合量の200〜1000倍量であるのが好ましく、400〜800倍量であるのがより好ましい。
なお、本実施形態に係る表面処理組成物は、ポリビニルアルコールを溶媒(例えば、メタノール等)に溶解させたポリビニルアルコール溶液に、フッ素含有化合物を溶媒(例えば、エタノール等)に溶解させたフッ素含有化合物溶液と、ジルコニウム含有化合物を溶媒(例えば、エタノール等)に溶解させたジルコニウム含有化合物溶液とを添加し、混合することで製造されてもよい。
[表面処理方法]
本実施形態における表面処理方法は、本実施形態に係る表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する工程を含む。表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて塗布する方法、表面処理組成物に被処理基材を浸漬させる方法、表面処理組成物を被処理基材上にキャストする方法等が挙げられる。好ましくは、表面処理組成物に被処理基材を浸漬させることで、表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布すればよい。
本実施形態における表面処理方法は、本実施形態に係る表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する工程を含む。表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて塗布する方法、表面処理組成物に被処理基材を浸漬させる方法、表面処理組成物を被処理基材上にキャストする方法等が挙げられる。好ましくは、表面処理組成物に被処理基材を浸漬させることで、表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布すればよい。
表面処理組成物に被処理基材を浸漬させる場合において、例えば、表面処理組成物に1〜10分浸漬させた被処理基材を当該表面処理組成物から引き上げた後、被処理基材の表面に付着している余分な表面処理組成物をエアーブロー等で除去するのが好ましい。浸漬後にエアーブローすることで、被処理基材の表面に均一な厚さの表面処理層を形成することができる。
本実施形態において、表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布することで形成された塗膜を加熱することで、溶媒を除去してもよい。塗膜を加熱する方法としては、例えば、オーブンによる加熱等が挙げられるが、特に制限されるものではない。加熱条件としては、例えば、40〜150℃で10〜120分程度、好ましくは50〜120℃で30〜120分程度である。
上述したように、本実施形態に係る表面処理組成物を用いた表面処理方法を実施することで、被処理基材の表面(被処理面)に表面処理層が形成された表面処理基材を作製することができる。かかる表面処理基材において、表面処理層は、被処理基材(基部)の表面(第1面)に少なくとも形成されていればよいが、裏面(第2面)に形成されていてもよいし、表面(第1面)及び裏面(第2面)に形成されていてもよい。このようにして作製された表面処理基材は、その表面処理層が優れた親水性及び撥油性を発現することのできる親水・撥油表面処理基材であるということができる。
被処理基材(基部)としては、親水・撥油表面が求められ、かつ耐水性が求められるものであれば特に制限されないが、例えば、PET(polyethylene terephthalate)、PE(polyethylene)、PU(polyurethane)、ポリカーボネート(polycarbonate)、PMMA(polymethylmethacrylic acid)等の樹脂基材;アルミニウム、SUS等の金属基材;ガラス基材等を例示することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、製造例、試験例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
〔製造例〕
[表面処理組成物の製造例1]
ポリビニルアルコール5mg及びメタノール3mLを混合・攪拌して調製したPVA溶液に、上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌して調製したフッ素含有化合物溶液1mLと、酸塩化ジルコニウム八水和物1mg及びエタノール40mLを混合・攪拌して調製したジルコニウム含有化合物溶液1mLとを添加し、攪拌することで表面処理組成物(Sample 1)を製造した。
[表面処理組成物の製造例1]
ポリビニルアルコール5mg及びメタノール3mLを混合・攪拌して調製したPVA溶液に、上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌して調製したフッ素含有化合物溶液1mLと、酸塩化ジルコニウム八水和物1mg及びエタノール40mLを混合・攪拌して調製したジルコニウム含有化合物溶液1mLとを添加し、攪拌することで表面処理組成物(Sample 1)を製造した。
[表面処理組成物の製造例2]
ポリビニルアルコールの仕込み量を10mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 2)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を10mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 2)を製造した。
[表面処理組成物の製造例3]
ポリビニルアルコールの仕込み量を15mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 3)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を15mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 3)を製造した。
[表面処理組成物の製造例4]
ポリビニルアルコールの仕込み量を20mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 4)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を20mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 4)を製造した。
[表面処理組成物の製造例5]
ポリビニルアルコールの仕込み量を25mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 5)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を25mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 5)を製造した。
[表面処理組成物の製造例6]
ポリビニルアルコールの仕込み量を30mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 6)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を30mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 6)を製造した。
[表面処理組成物の製造例7]
ポリビニルアルコールの仕込み量を40mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 7)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を40mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 7)を製造した。
[表面処理組成物の製造例8]
ポリビニルアルコールの仕込み量を50mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 8)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を50mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 8)を製造した。
[表面処理組成物の製造例9]
フッ素含有化合物の仕込み量を100mgとし、酸塩化ジルコニウム八水和物の仕込み量を40mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 9)を製造した。
フッ素含有化合物の仕込み量を100mgとし、酸塩化ジルコニウム八水和物の仕込み量を40mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 9)を製造した。
[表面処理組成物の製造例10]
ポリビニルアルコールの仕込み量を70mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 10)を製造した。
ポリビニルアルコールの仕込み量を70mgとした以外は、製造例1と同様にして表面処理組成物(Sample 10)を製造した。
[表面処理組成物の製造例11]
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌して調製したフッ素含有化合物溶液1mLに、酸塩化ジルコニウム八水和物1mg及びエタノール40mLを混合・攪拌して調製したジルコニウム含有化合物溶液1mLを添加し、攪拌することで表面処理組成物(Sample 11)を製造した。
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌して調製したフッ素含有化合物溶液1mLに、酸塩化ジルコニウム八水和物1mg及びエタノール40mLを混合・攪拌して調製したジルコニウム含有化合物溶液1mLを添加し、攪拌することで表面処理組成物(Sample 11)を製造した。
[表面処理組成物の製造例12]
ジルコニウム含有化合物溶液を添加しなかった以外は、製造例5と同様にして表面処理組成物(Sample 12)を製造した。
ジルコニウム含有化合物溶液を添加しなかった以外は、製造例5と同様にして表面処理組成物(Sample 12)を製造した。
[表面処理組成物の製造例13]
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌することで表面処理組成物(Sample 13)を製造した。
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2.5mg及びエタノール50mLを混合・攪拌することで表面処理組成物(Sample 13)を製造した。
上記のようにして製造された表面処理組成物(Sample 1〜13)5mLにおけるフッ素含有化合物、ジルコニウム含有化合物及びポリビニルアルコールの含有量を表1に示す。
[試験例1]
Sample 1〜13の表面処理組成物に被処理基材としてのガラス基材を3分間浸漬させた後、当該ガラス基材を60℃で2時間加熱することで、各被処理基材に表面処理層を形成した。各被処理基材に形成された表面処理層に水洗処理を施し、水洗前及び水洗後の各被処理基材の表面処理層における水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)を、接触角計(協和界面科学社製,製品名:DropMasterDMo−601)を用いて測定した。なお、水接触角(deg)については、各被処理基材の表面処理層に水を滴下した直後(0min)、水を滴下してから5分後(5min)及び10分後(10min)に測定した。同様にして、上記被処理基材(表面処理が施されていないガラス基材)の水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)も測定した(Sample 14)。結果を表2に示す。
Sample 1〜13の表面処理組成物に被処理基材としてのガラス基材を3分間浸漬させた後、当該ガラス基材を60℃で2時間加熱することで、各被処理基材に表面処理層を形成した。各被処理基材に形成された表面処理層に水洗処理を施し、水洗前及び水洗後の各被処理基材の表面処理層における水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)を、接触角計(協和界面科学社製,製品名:DropMasterDMo−601)を用いて測定した。なお、水接触角(deg)については、各被処理基材の表面処理層に水を滴下した直後(0min)、水を滴下してから5分後(5min)及び10分後(10min)に測定した。同様にして、上記被処理基材(表面処理が施されていないガラス基材)の水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)も測定した(Sample 14)。結果を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、上記フッ素含有化合物、ジルコニウム含有化合物及びポリビニルアルコールを含む表面処理組成物(Sample 1〜10)を用いて形成された表面処理層においては、10分後の水接触角(10min)が相対的に小さく、この表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施すことで、被処理基材に親水性を付与可能であることが確認された。
また、Sample 1〜10の表面処理組成物を用いて形成された表面処理層における水接触角(10min)は、ジルコニウム含有化合物を含まない表面処理組成物(Sample 11,Sample 13)を用いて形成された表面処理層における水接触角(10min)よりも小さかった。このことから、ジルコニウム含有化合物を含む表面処理組成物(Sample 1〜10)を用いて被処理基材に表面処理を施すことで、被処理基材に付与される親水性をより向上させ得ると推察される。
さらに、ポリビニルアルコールを含まない表面処理組成物(Sample 12)を用いて形成された表面処理層においては、水を滴下してから5分後(5min)において水接触角が急激に小さくなった。このことから、表面処理組成物がフッ素含有化合物とジルコニウム含有化合物とポリビニルアルコールとを含み、被処理基材に形成される表面処理層においてフッ素含有化合物とジルコニウム含有化合物とが結合して多次元マトリックス構造となることができ、親水性を有する表面処理層を安定的に形成可能であると推察される。
ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の200倍量未満である表面処理組成物(Sample 1)を用いて形成された表面処理層においては、ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の200倍量以上である表面処理組成物(Sample 2〜8)を用いて形成された表面処理層に比べ、ドデカン接触角が相対的に小さかった。このことから、ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の200倍量以上であることで、表面処理層の撥油性をより向上させ得ると推察される。一方、ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の1000倍量を超える表面処理組成物(Sample 10)を用いて形成された表面処理層においては、ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の1000倍量以下である表面処理組成物(Sample 2〜8)を用いて形成された表面処理層に比べ、水接触角が相対的に大きかった。このことから、ポリビニルアルコールの含有量がフッ素含有化合物の含有量の1000倍量以下であることで、表面処理層の親水性をより向上させ得ると推察される。
[試験例2]
Sample 5及びSample 6の表面処理組成物に被処理基材としてのガラス基材を2分間浸漬させた後、当該ガラス基材を室温で1日乾燥させた。乾燥後のガラス基材を100℃で1時間加熱し、1日真空乾燥することで、各被処理基材に表面処理層を形成した。各被処理基材に形成された表面処理層に水洗処理を施し、水洗前及び水洗後の各被処理基材の表面処理層における水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)を、試験例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
Sample 5及びSample 6の表面処理組成物に被処理基材としてのガラス基材を2分間浸漬させた後、当該ガラス基材を室温で1日乾燥させた。乾燥後のガラス基材を100℃で1時間加熱し、1日真空乾燥することで、各被処理基材に表面処理層を形成した。各被処理基材に形成された表面処理層に水洗処理を施し、水洗前及び水洗後の各被処理基材の表面処理層における水接触角(deg)及びドデカン接触角(deg)を、試験例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
表2及び表3に示す結果から、表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理層を形成する条件を変えることで、親水性及び撥油性の程度に差が出ることが確認された。この効果の程度の違いは、処理条件の違いによって被処理基材に形成される表面処理層の厚さに違いが生じることによるものであると考えられる。
本発明は、親水性及び撥油性が要求される製品の技術分野において有用である。
Claims (13)
- 前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記フッ素含有化合物の含有量の200〜1000倍量であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理組成物。
- 前記ポリビニルアルコールとの含有量が、前記フッ素含有化合物の含有量の400〜800倍量であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理組成物。
- 前記ジルコニウム含有化合物が、酸塩化ジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理組成物。
- 前記ジルコニウム含有化合物が、酸塩化ジルコニウム水和物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理組成物。
- 前記式(1)において、yが0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理組成物。
- 前記式(1)において、R2はメチル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理組成物。
- 前記式(1)において、xが1〜10の整数であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表面処理組成物。
- 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、
少なくとも前記第1面に設けられている表面処理層と
を備え、
前記表面処理層は、請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理組成物を用いた表面処理により形成されているものであることを特徴とする表面処理基材。 - 前記基部が、ガラス基材であることを特徴とする請求項10に記載の表面処理基材。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施す表面処理方法であって、
前記表面処理組成物を含む溶液に前記被処理基材を浸漬させることで、前記被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施す表面処理方法であって、
前記表面処理組成物を含む溶液を前記被処理基材の表面に塗布し、前記被処理基材の表面に形成された塗膜から溶媒を除去することで、前記被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法。
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