JP2021134134A - 鉄錯体及び鉄ハロゲン錯体並びにアンモニア及びヒドラジンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来より高いアンモニア及びヒドラジン生産性を提供できる鉄錯体及び鉄ハロゲン錯体並びにアンモニア及びヒドラジンを製造する方法を提供する。【解決手段】本発明においては、式(1):(R1は二価の基であり、各々独立して、メチレン基又は酸素原子を表し、R2及びR3は同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。)で表される鉄錯体を提供するとともに、アンモニア及びヒドラジンの製造の触媒として用いる。【選択図】なし
Description
本発明は、鉄錯体及び鉄ハロゲン錯体並びにアンモニア及びヒドラジンの製造方法に関する。
窒素分子をアンモニアに変換する工業的な手法であるハーバー・ボッシュ法は、高温高圧の反応条件を必要とするエネルギー多消費型のプロセスである。これに対し近年、鉄錯体を用いて温和な条件下で窒素分子からアンモニアを製造する方法が開発されている。例えば、非特許文献1には、式(A)
で表される鉄錯体を用いてアンモニアの製造を行うと、鉄原子のモル基準で84当量のアンモニアが生成されたと報告されており、非特許文献2には、式(B)
で表される鉄錯体を用いてアンモニアの製造を行うと、鉄原子のモル基準で88当量のアンモニアが生成されたと報告されている。
又、鉄錯体を用いて温和な条件下で窒素分子からヒドラジンを製造する方法が開発されている。例えば、非特許文献3には式(C)
で表される鉄錯体を用いてヒドラジンの製造を行うと、鉄原子のモル基準で25当量のヒドラジンが生成されたと報告されている。
又、鉄錯体を用いて温和な条件下で窒素分子からヒドラジンを製造する方法が開発されている。例えば、非特許文献3には式(C)
ACS Central Science, 2017年, 3巻, 217−223ページ
Angew. Chem. Int. Ed., 2017年, 56巻, 6921−6926ページ
J. Am. Chem. Soc., 2016年, 138巻, 13521−13524ページ
この状況において工業的な観点から、非特許文献1、2及び3による報告より高い生産性のアンモニア及びヒドラジン製造方法を提供できる鉄錯体が期待されていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、これまで以上のアンモニア及びヒドラジン生成量を提供できる鉄錯体及びアンモニア及びヒドラジンの製造方法を創出することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、新たに分子設計し、合成した鉄錯体を創出して、鉄原子のモル基準で250当量のアンモニアを越える性能を有する新規な鉄錯体を見いだし、本発明を完成するに至った。さらには、60当量のヒドラジンを越える性能を有する新規な鉄錯体を見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明における鉄錯体は、式(1)
(R1は二価の基であり、各々独立して、メチレン基又は酸素原子を表し、
R2及びR3は同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。)
で表される。
R2及びR3は同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。)
で表される。
また、本発明のアンモニア及びヒドラジンの製造方法は、上記の鉄錯体を触媒として用い、還元剤及びプロトン源の存在下、窒素分子からアンモニア及びヒドラジンを製造する方法である。
還元剤としては、アルカリ金属グラファイトを用いて、プロトン源としては、ホウ素化合物を用いるものである。このアンモニア及びヒドラジンの製造方法によれば、従来に比べてより高い生産性で、アンモニア及びヒドラジンを製造することができる。
本発明の鉄錯体及び鉄ハロゲン錯体並びにアンモニア及びヒドラジンの製造方法の好適な実施形態を以下に示す。
アンモニア及びヒドラジンの製造には、触媒として上記式(1)で表される鉄錯体を用いる。
式(1)において、R1は二価の基であり、各々独立して、メチレン基又は酸素原子を表し、R2及びR3は同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル
基を表し、炭素原子数1乃至4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、t−ブチル基が好ましい。
式(1)において、R1は二価の基であり、各々独立して、メチレン基又は酸素原子を表し、R2及びR3は同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル
基を表し、炭素原子数1乃至4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、t−ブチル基が好ましい。
上記触媒には式(1c)で表される鉄錯体を用いることもできる。
式(1c)のR1乃至R3は、式(1)で定義したとおりである。M1は、水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、炭素原子数1乃至4のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
式(3)の鉄ハロゲン錯体は、式(1)の鉄錯体を合成するための中間体として用いることができる。
式中、R1は、二価の基であり、各々独立して、メチレン基又は酸素原子を表し、R2及びR3は、同じであっても異なっていてもよい炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R4は、ハロゲン原子を表し、M1は、水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。炭素原子数1乃至4のアルキル基の例は、上述したとおりである。ハロゲン原子としては、例えばF、Cl、Br、Iが挙げられ、Br、Iが好ましい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法は、触媒、還元剤及びプロトン源の存在下、窒素分子からアンモニア及びヒドラジンを製造する方法である。触媒としては上記の鉄錯体を用いる。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、窒素分子として、常圧の窒素ガスを用いることが好ましい。窒素ガスは大過剰に用いてもよい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、窒素分子として、常圧の窒素ガスを用いることが好ましい。窒素ガスは大過剰に用いてもよい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、還元剤としては、アルカリ金属グラファイト、デカメチルコバルトセンが挙げられ、アルカリ金属グラファイトが好ましい。アルカリ金属グラファイトとしては、カリウムグラファイトが好ましい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、プロトン源としては、ホウ素化合物、リン化合物、ホウ素及びリンからなる化合物、窒素化合物が挙げられ、ホウ素化合物としては、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素]、リン化合物としては、ヨウ化(トリシクロヘキシル
)ホスホニウム、ホウ素及びリンからなる化合物としては、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸(トリシクロヘキシル)ホスホニウム、窒素化合物としては、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルアンモニウムが挙げられる。好ましい化合物は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素]が挙げられる。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、プロトン源としては、ホウ素化合物、リン化合物、ホウ素及びリンからなる化合物、窒素化合物が挙げられ、ホウ素化合物としては、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素]、リン化合物としては、ヨウ化(トリシクロヘキシル
)ホスホニウム、ホウ素及びリンからなる化合物としては、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸(トリシクロヘキシル)ホスホニウム、窒素化合物としては、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルアンモニウムが挙げられる。好ましい化合物は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素]が挙げられる。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法は、溶媒中で行ってもよい。溶媒としては、特に限定するものではないが、環状エーテル系溶媒、鎖状エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、炭化水素系溶媒などが挙げられる。環状エーテル系溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサンなどが挙げられる。鎖状エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテルやメチルt−ブチルエーテル(MTBE)などが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えばアセトニトリルやプロピオニトリルなどが挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えばトルエンなどの芳香族炭化水素やヘキサンなどの飽和炭化水素などが挙げられる。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE)が好ましく、ジエチルエーテルがより好ましい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、反応温度は、−100℃乃至35℃が好ましく、−80℃乃至−75℃がより好ましい。反応雰囲気は、加圧雰囲気にする必要はなく、常圧雰囲気でよい。反応時間は、特に限定するものではないが、通常は数分乃至数10時間の範囲で設定すればよい。
本実施形態のアンモニア及びヒドラジンの製造方法において、触媒の使用量は、還元剤に対して0.00001乃至0.1当量の範囲で適宜使用すればよく、0.0005乃至0.1当量使用するのが好ましく、0.005乃至0.01当量使用するのがより好ましい。
プロトン源の使用量は、還元剤に対して0.5乃至5当量使用するのが好ましいが、0.9乃至1当量使用するのがより好ましい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は本発明を何ら限定するものではない。
[実験例1]
触媒として、鉄錯体(1a)
(式中、tBuは、t−ブチル基を示す。)
を用いて、還元剤として、カリウムグラファイトを用いて、プロトン源として、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)
水素]を用いて、アンモニア及びヒドラジンを製造した。
実験例1では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて、触媒としての鉄錯体(1a)(0.12mg,0.25μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.5mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して3200当量)、及びプロトン源として、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](744.9mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して2940当量)を加えた反応容器に、ジエチルエーテル(2.0mL)を加えた後、反応容器を、−78℃にて1時間攪拌して、更に室温である20〜25℃にて20分間攪拌した。次に、減圧蒸留を行い、その蒸留液を硫酸水溶液(0.25M,10mL)で回収した。その後、反応容器に、ジエチルエーテル(2mL)と水酸化カリウム水溶液(30質量%,5mL)を加え、減圧蒸留を行い、その蒸留液を硫酸水溶液(0.25M,10mL)で回収した。硫酸水溶液中のアンモニア量はインドフェノール法(Analytical Chemistry, 1967, vol. 39, pp971−974)により決定し、硫酸水溶液中のヒドラジン量はパラ(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド法(Analytical Chemistry, 1952, vol. 24, pp2006−2008)により決定した。その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり106当量のアンモニアの生成と23当量のヒドラジンの生成を確認した。
触媒として、鉄錯体(1a)
を用いて、還元剤として、カリウムグラファイトを用いて、プロトン源として、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)
水素]を用いて、アンモニア及びヒドラジンを製造した。
実験例1では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて、触媒としての鉄錯体(1a)(0.12mg,0.25μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.5mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して3200当量)、及びプロトン源として、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](744.9mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して2940当量)を加えた反応容器に、ジエチルエーテル(2.0mL)を加えた後、反応容器を、−78℃にて1時間攪拌して、更に室温である20〜25℃にて20分間攪拌した。次に、減圧蒸留を行い、その蒸留液を硫酸水溶液(0.25M,10mL)で回収した。その後、反応容器に、ジエチルエーテル(2mL)と水酸化カリウム水溶液(30質量%,5mL)を加え、減圧蒸留を行い、その蒸留液を硫酸水溶液(0.25M,10mL)で回収した。硫酸水溶液中のアンモニア量はインドフェノール法(Analytical Chemistry, 1967, vol. 39, pp971−974)により決定し、硫酸水溶液中のヒドラジン量はパラ(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド法(Analytical Chemistry, 1952, vol. 24, pp2006−2008)により決定した。その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり106当量のアンモニアの生成と23当量のヒドラジンの生成を確認した。
[実験例2]
実験例2では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて触媒としての鉄錯体(1a)(0.048mg,0.10μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.4mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して8000当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](745.7mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して7360当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり254当量のアンモニアの生成と63当量のヒドラジンの生成を確認した。
実験例2では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて触媒としての鉄錯体(1a)(0.048mg,0.10μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.4mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して8000当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](745.7mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して7360当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり254当量のアンモニアの生成と63当量のヒドラジンの生成を確認した。
[実験例3]
実験例3では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて触媒としての鉄錯体(1a)(0.24mg,0.50μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.4mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して1600当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](744.9mg,0.735mmol、鉄原子のモル数に対して1470当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり56当量のアンモニアの生成と6当量のヒドラジンの生成を確認した。
実験例3では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて触媒としての鉄錯体(1a)(0.24mg,0.50μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.4mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して1600当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](744.9mg,0.735mmol、鉄原子のモル数に対して1470当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり56当量のアンモニアの生成と6当量のヒドラジンの生成を確認した。
[実験例4]
実験例4では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて、触媒としての鉄錯体(1b)(0.24mg,0.50μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.3mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して1600当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](745.5mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して1470当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり50当量のアンモニアの生成と5当量のヒドラジンの生成を確認した。
実験例4では、常圧の窒素雰囲気下、−78℃にて、触媒としての鉄錯体(1b)(0.24mg,0.50μmol)、還元剤としてのカリウムグラファイト(108.3mg,0.800mmol、鉄原子のモル数に対して1600当量)、及びプロトン源としてのテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素](745.5mg,0.736mmol、鉄原子のモル数に対して1470当量)にジエチルエーテル溶液(2.0mL)を加え、その後1時間−78℃にて攪拌した。その後は、実験例1に記載と同様の実験操作を行った。
その結果、触媒(鉄原子のモル数)当たり50当量のアンモニアの生成と5当量のヒドラジンの生成を確認した。
[合成例1]
触媒(1a)の合成
触媒(1a)は、次のように合成した。
式中、tBuは、t−ブチル基を示す。常圧のアルゴン雰囲気下、2,6−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−1−ブロモベンゼン(2a)(567.6mg、1.20mmmol)のテトラヒドロフラン溶液に室温にてn―ブチルリチウムヘキサン溶液(1.55M、0.810mL、1.26mmol)を滴下した。その後、臭化鉄(II)テトラヒドロフラン錯体(435.0mg、1.21mmol)を室温で加え、室温で3時間攪拌した。その後、減圧条件で溶媒を除いた。残渣にヘキサン(80mL)を加え、セライト濾過をし、セライトをヘキサン(10mL)で3回洗浄した。ろ液を減圧条件で濃縮し、−30℃で2日間静置することで固体が析出した。上澄み液を取り除き、固体をペンタン(2mL)で洗浄することで鉄ブロモ錯体(3a)を橙色固体として237.5mg(0.449mmol、収率37%)で得た。
触媒(1a)の合成
触媒(1a)は、次のように合成した。
次に常圧の窒素雰囲気下、鉄ブロモ錯体(3a)(79.5mg、0.150mmmol)とカリウムグラファイト(22.5mg、0.166mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を室温で1乃至10時間攪拌した。その後、減圧条件で溶媒を除いた。
残渣にペンタン(5mL)を加え、セライト濾過を行い、セライトをペンタン(5mL)で3回洗浄した。ろ液を減圧条件で濃縮し、−30℃で静置することで固体が析出した。上澄み液を取り除き、固体を真空乾燥することで鉄錯体(1a)を緑色結晶として57.4mg(0.120mmol、収率80%)で得た。
残渣にペンタン(5mL)を加え、セライト濾過を行い、セライトをペンタン(5mL)で3回洗浄した。ろ液を減圧条件で濃縮し、−30℃で静置することで固体が析出した。上澄み液を取り除き、固体を真空乾燥することで鉄錯体(1a)を緑色結晶として57.4mg(0.120mmol、収率80%)で得た。
[合成例2]
触媒(1b)の合成
触媒(1b)は、次のように合成した。
式中、tBuは、t−ブチル基を示す。常圧の窒素雰囲気下、((2−ヨウド−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ジ−t−ブチルホスファン(2b)(812.7mg、1.55mmmol)のテトラヒドロフラン溶液に−78℃にてn―ブチルリチウムヘキサン溶液(1.55M、1.00mL、1.55mmol)を滴下した。その後、ヨウ化鉄(II)(480.5mg、1.55mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8.0mL)を−78℃にて加え、室温で1時間攪拌した。その後、減圧条件で溶媒を除いた。残渣にジクロロメタン(40mL)を加え、セライト濾過をし、セライトをジクロロメタン(5mL)で5回洗浄した。ろ液の溶媒を減圧条件で除き、残った固体をジエチルエーテル(3mL)で3回洗浄することで鉄ヨード錯体(3b)を黄色固体として677.5mg(1.17mmol、収率75%)で得た。
触媒(1b)の合成
触媒(1b)は、次のように合成した。
次に常圧の窒素雰囲気下、鉄ヨード錯体(3b)(57.9mg、0.100mmmol)とカリウムグラファイト(17.6mg、0.130mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を−78℃で1時間攪拌し、さらに室温で15時間攪拌した。その後、減圧条件で溶媒を除いた。残渣にヘキサン(15mL)を加え、セライト濾過をし、セライトをペンタン(3mL)で6回洗浄した。ろ液を減圧条件で濃縮し、−30℃で静置することで固体が析出した。上澄み液を取り除き、固体を真空乾燥することで鉄錯体(1b)を緑色結晶として22.8mg(0.047mmol、収率47%)で得た。
本発明は、アンモニア及びヒドラジンの製造に利用可能である。
Claims (8)
- 前記窒素分子として、常圧の窒素ガスを用いる、
請求項2に記載のアンモニア及びヒドラジンの製造方法。 - 前記アルカリ金属グラファイトは、カリウムグラファイトである、
請求項2若しくは請求項3のいずれか一項に記載のアンモニア及びヒドラジンの製造方法。 - 前記ホウ素化合物は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸[ビス(ジエチルエーテル)水素]である、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のアンモニア及びヒドラジンの製造方法。
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