JP2021133238A - 薬剤鑑査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分包袋に収容された薬剤について十分な精度で鑑査可能な薬剤鑑査装置の提供を目的とする。【解決手段】薬剤鑑査装置10は、配置部30と、撮影部40と、鑑査に係る制御を行う制御部60と、上流側固定部70と、下流側固定部80とを備えている。薬剤鑑査装置10は、上流側固定部70において分包袋連続体を固定しつつ、下流側固定部80において分包袋連続体を非固定とした第一固定状態とした後、下流側から上流側に向けて分包袋連続体を所定量だけ移動させてから、上流側固定部70及び下流側固定部80の双方において分包袋連続体を固定した第二固定状態とし、第二固定状態において所定量以下のストロークで分包袋連続体を往復動させる分包袋揺動動作を行うことにより、分包袋を揺動させることができる。【選択図】図8
Description
本発明は、分包された薬剤についての鑑査を行うための薬剤鑑査装置に関する。
従来、下記特許文献1に開示されているような錠剤検査システムが提供されている。下記特許文献1に開示されている錠剤検査システムでは、粒状やカプセル状などの形状の固形薬剤を一包分ずつ分包紙に分包し、供給することが可能とされている。また、下記特許文献1に係る錠剤検査システムでは、分包紙に分包された状態において固形薬剤を撮像し、これにより得られた画像に基づいて固形薬剤の数量を鑑査することができる構成とされている。
上述したように、特許文献1に係る錠剤検査システムにおいては、固形薬剤が分包紙により形成された分包袋に収容された状態で撮影される。そのため、例えば薬剤が分包袋の内側で立ったままの状態などで撮影されると、正確に鑑査することが難しくなるという問題がある。特許文献1の錠剤検査システムをはじめとする従来技術の薬剤鑑査装置においては、分包袋内における薬剤の収容状態を鑑査に適切な状態とするための方策が十分とられていないという問題がある。
そこで、本発明は、分包袋に収容された薬剤について精度良く鑑査可能な薬剤鑑査装置の提供を目的とした。
ここで、薬剤鑑査装置には、薬剤情報データベースに登録されているマスター画像と、鑑査対象である薬剤を撮影して得られた画像とをマッチングすることにより、分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかの鑑査を行えるようにするものがある。このような薬剤鑑査装置において、分包袋連続体を搬送方向に往復動させることにより薬剤を分散させることによって鑑査精度の向上を図ることを、本発明者らが鋭意検討したところ、分包されている薬剤の重量等の影響により、分包袋連続体が位置ズレを起こす可能性があるとの知見に至った。分包袋連続体の位置ズレが生じると、撮影部によって撮影対象となる分包袋の全体像を撮影することができない等の不具合が生じ、鑑査精度に悪影響を及ぼす可能性があるとの知見に至った。
(1−1)かかる知見に基づいて提供される本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、前記撮影部に対して前記搬送経路の上流側の上流側固定位置において前記分包袋連続体を固定可能な上流側固定部と、前記上流側固定部に対して前記搬送経路の下流側の下流側固定位置において前記分包袋連続体を固定可能な下流側固定部と、を有し、前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置において前記分包袋連続体を固定した状態で、前記分包袋連続体を前記搬送経路に沿って往復動させることにより前記分包袋を揺動させる分包袋揺動動作を行えること、を特徴とするものである。
本発明の薬剤鑑査装置は、上流側固定位置及び下流側固定位置の双方において分包袋連続体を固定した状態で、分包袋揺動動作を行う。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、分包されている薬剤の重量等の影響により、分包袋連続体が位置ズレを起こす可能性を最小限に抑制できる。また、本発明の薬剤鑑査装置は、分包袋揺動動作によって分包袋に対して振動を与え、内部に収容されている薬剤を程よく均すことができる。従って、本発明の薬剤鑑査装置によれば、鑑査精度を向上させることができる。
ここで、上述した薬剤鑑査装置のように、上流側固定位置及び下流側固定位置において分包袋連続体を固定した状態で分包袋揺動動作を実施可能とする場合には、例えば、両固定位置の間にある分包袋(分包袋連続体)だけを往復動させる方法や、両固定位置において固定した状態で分包袋連続体の全体を往復動させる方法等、適宜の方法により両固定位置における分包袋連続体の固定と、分包袋(分包袋連続体)の揺動とを両立すると良い。
なお、上述した薬剤鑑査装置のように、撮影部に対して上流側及び下流側の双方の位置で固定力を作用させた状態として、分包袋連続体を搬送方向に往復動させる場合、分包袋連続体をしっかりと固定する一方で、往復動させる際に分包袋連続体に無理な力が作用しないようにすることが好ましい。かかる知見に基づけば、例えば、上述した本発明の薬剤鑑査装置は、以下に示すような構成とすると良い。
(1−2)上述した薬剤鑑査装置は、前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置のいずれか一方を第一固定位置、他方を第二固定位置とし、前記第一固定位置において前記分包袋連続体を固定しつつ、前記第二固定位置において前記分包袋連続体を非固定とした第一固定状態とした後、前記第二固定位置から前記第一固定位置に向かう方向に前記分包袋連続体を所定量だけ移動させてから前記第一固定位置に加えて前記第二固定位置においても前記分包袋連続体を固定した第二固定状態とし、前記第二固定状態において前記所定量以下のストロークで、前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置の間で前記分包袋連続体を往復動させることにより前記分包袋を揺動させる分包袋揺動動作を行えること、を特徴とするものであると良い。
本発明の薬剤鑑査装置では、分包袋連続体を往復動させることにより分包袋を揺動させる分包袋揺動動作を行う際に、先ず上流側固定位置及び下流側固定位置のいずれか一方からなる第一固定位置において前記分包袋連続体を固定しつつ、上流側固定位置及び下流側固定位置の他方からなる第二固定位置において分包袋連続体を非固定とした第一固定状態とする。本発明の薬剤鑑査装置は、第一固定状態とした後、第二固定位置から第一固定位置に向かう方向に分包袋連続体を所定量だけ移動させてから、既に固定している第一固定位置に加え、未固定であった第二固定位置においても分包袋連続体を固定した第二固定状態とする。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、第二固定状態とすることにより、上流側固定位置及び下流側固定位置の間に、両固定位置の間隔以上の長さの分包袋連続体が配された状態になる。本発明の薬剤鑑査装置は、第二固定状態とした後、上流側固定位置及び下流側固定位置の間で前記分包袋連続体を往復動させる。さらに、本発明の薬剤鑑査装置は、分包袋連続体を往復動させる際のストロークが、第一固定状態から第二固定状態とするために分包袋連続体を移動させた量(所定量)以下とされている。そのため、本発明の薬剤鑑査装置によれば、分包袋連続体に無理な力が作用するのを抑制しつつ、分包袋連続体を搬送方向に往復動させることができる。また、本発明の薬剤鑑査装置は、上流側固定位置及び下流側固定位置の双方において分包袋連続体を固定した状態で、分包袋揺動動作を行う。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、分包されている薬剤の重量等の影響により、分包袋連続体が位置ズレを起こす可能性を最小限に抑制できる。
(1−2)本発明の薬剤鑑査装置は、前記撮影位置よりも前記搬送経路の上流側において、前記分包袋の表面に接触する接触部を有し、前記分包袋揺動動作において、少なくとも前記分包袋連続体を往復動させる期間において、前記接触部を前記分包袋の表面に接触させること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、接触部を分包袋の表面に接触させつつ、分包袋連続体を往復動させることができる。そのため、上述した構成によれば、分包袋内にある薬剤を一層確実に分散させたり、倒したりして、鑑査に適した状態にすることができる。
(1−3)本発明の薬剤鑑査装置は、前記接触部が、前記搬送経路の幅方向に延びる回転軸線を中心として回動可能とされた珠部材を、前記回転軸線方向に複数並べて配置したものであり、前記珠部材が、前記搬送部により搬送される前記分包袋の表面に接触可能なように設けられていること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、搬送経路の幅方向の複数箇所において珠部材を分包袋の表面に接触させつつ、分包袋連続体を往復動させることができる。そのため、上述した構成によれば、分包袋内にある薬剤をより一層確実に分散させたり、倒したりして、鑑査に適した状態にすることができる。
(1−4)本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋揺動動作の後、前記第二固定位置において前記分包袋連続体を非固定としてから前記第一固定位置から前記第二固定位置に向かう方向に前記分包袋連続体を所定量だけ移動させる復帰動作を行うこと、を特徴とするものであると良い。
本発明の薬剤鑑査装置は、上述したような復帰動作を行うことにより、上流側固定位置及び下流側固定位置の間で弛ませた分包袋連続体を伸展した状態に復帰させることができる。これにより、撮影部による分包袋の撮影等を好適に行うことができる。
(1−5)本発明の薬剤鑑査装置は、前記復帰動作の後、前記第一固定位置において前記分包袋連続体を非固定とすること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、第一固定位置を基準位置として分包袋を伸展させることができる。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、分包袋揺動動作を行いつつ、以後に行われる分包袋連続体の搬送を位置決め精度良く行うことができる。これにより、例えば、撮影部による分包袋の撮影に際して、撮影位置に対して分包袋が位置ズレした状態になる等の不具合が発生するのを抑制できる。
(1−6)本発明の薬剤鑑査装置は、前記第一固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第二固定位置を前記下流側固定位置とすること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、分包袋揺動動作を行いつつ、以後に行われる分包袋連続体の搬送を上流側固定位置を基準位置として精度良く調整できる。これにより、例えば、以後に行われる分包袋連続体の搬送や撮影部による分包袋の撮影等の動作を、位置決め精度良く行うことができる。
(1−7)本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋連続体を構成する前記分包袋のうち、前記上流側固定位置よりも前記搬送方向の上流側に存在している前記分包袋の数量が所定量を上回ることを条件として、前記第一固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第二固定位置を前記下流側固定位置とし、前記分包袋連続体を構成する前記分包袋のうち、前記上流側固定位置よりも前記搬送方向の上流側に存在している前記分包袋の数量が所定量を下回ることを条件として、前記第二固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第一固定位置を前記下流側固定位置とすることを特徴とするものであると良い。
かかる構成とすることにより、分包袋の数量に応じ、第一固定位置及び第二固定位置として、上流側固定位置及び下流側固定位置を適切に選択し、分包袋揺動動作に備えて分包袋をしっかりと固定できる。
ここで、上述した分包袋揺動動作は、順を追って第一固定位置、及び第二固定位置において分包袋連続体を固定するものであるため、その分の時間を要する。そのため、分包袋揺動動作を行う頻度を最小限に抑制できれば、鑑査速度をより一層向上させることができる。かかる知見に基づいて、本発明者らが鋭意検討したところ、分包袋に収容される薬剤の数量が多い場合や、薬剤の体積が大きい場合には、薬剤が分包袋内において重なったり、起立したりした状態で収容されている可能性が高く傾向にあるとの知見を得た。そのため、薬剤の数量が多い場合や、薬剤の体積が大きい場合には、上述した分包袋揺動動作を行う方が鑑査エラー等が生じにくく、鑑査効率の向上に資することができると考えられる。その一方で、分包袋に収容される薬剤の数量が少ない場合や、薬剤の体積が小さい場合は、薬剤の重なりや起立等の問題が生じにくくなる傾向にあるとの知見を得た。かかる知見に基づけば、分包袋に収容されている薬剤の数量や体積の観点を、分包袋揺動動作を行うか否かを選定するための判断条件の一部又は全部とすれば、鑑査速度の向上に貢献できると考えられる。
(1−8)上述した知見に基づけば、本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋に収容される薬剤の数量及び体積のいずれか一方又は双方が所定値を超えることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、分包袋に収容されている薬剤の数量や体積の観点を判断条件の一部又は全部とし、分包袋揺動動作の頻度を最小限に抑制することができる。従って、上述した構成によれば、鑑査速度の向上に貢献可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
ここで、上述した分包袋揺動動作は、第一固定位置、及び第二固定位置の双方において分包袋連続体を固定するものであるため、分包袋連続体をしっかりと固定した状態で揺動できる反面、両固定位置での固定を順を追って行う必要がある。そのため、少しでも鑑査時間を短縮したいという要望に応えるためには、分包袋揺動動作の実施頻度を下げることが望まれる。ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、分包袋連続体の長さが長い場合には、その分だけ分包袋連続体の重量が増す。このような場合には、上述した分包袋揺動動作のように第一固定位置、及び第二固定位置の双方において分包袋連続体を固定する方がエラー等を生じることなく効率的に鑑査を行うことができる。一方、分包袋連続体の長さが短い場合には、分包袋連続体の重量も軽い。このような場合には、例えば、第一固定位置及び第二固定位置のいずれか一方だけを固定する等、簡素な固定方法で固定して分包袋連続体を揺動させる等しても、分包袋連続体の位置ズレが発生する可能性が低く、効率的に鑑査が行えると考えられる。
(1−9)上述した知見に基づけば、本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋連続体を構成する前記分包袋の数が所定数量を超えることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、分包袋連続体を構成する分包袋の数が所定数量を超えることを分包袋揺動動作を行うための条件とし、この条件に合わない分包袋連続体についての分包袋揺動動作を省略できる。従って、上述した構成によれば、鑑査速度の向上に貢献可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
ここで、上述した薬剤鑑査装置において、撮影部による撮影が始まってからしばらくの間は、撮影部よりも下流側に搬送された分包袋の数量が少ない。そのため、このような状況においては、それほど強固に分包袋連続体を固定しなくても、撮影部から下流側に搬送された分包袋の重量等に起因する分包袋連続体の位置ズレが問題にならない可能性が高い。従って、撮影部よりも下流側に搬送された分包袋が所定数以上になるまでの間は、上述した分包袋揺動動作のように、分包袋連続体を第一固定位置、及び第二固定位置の双方においてしっかりと固定しなくても良い可能性が高い。
(1−10)上述した知見に基づけば、本発明の薬剤鑑査装置は、前記撮影部よりも下流側に搬送された前記分包袋が所定数以上になることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、撮影部よりも下流側に搬送された分包袋が所定数以上になるまでの間において、第一固定位置及び第二固定位置の双方において分包袋を固定するのを抑制し、鑑査速度の更なる向上を図ることが可能となる。
ここで、搬送部によって構成される搬送経路よりも幅の小さな分包袋連続体を、そのまま搬送部によって搬送しようとすると、例えば、分包袋連続体が真っ直ぐ進まない等の不具合が生じ、鑑査精度や鑑査効率等の低下に繋がる懸念がある。そのため、幅の小さな分包袋連続体についても、鑑査精度や鑑査効率の低下を最小限に抑制しつつ鑑査可能するためには、分包袋連続体の幅に応じて搬送経路の幅を変更可能なものとすることが望ましい。かかる要望を満足すべく、本発明者らは、搬送経路に沿って導入して設置することにより、搬送幅を調整可能とするための搬送幅調整部材を設けることを検討した。しかしながら、搬送経路を通過する分包袋の表面に接触する接触部を設けた構成とした場合には、この接触部を持ち上げて支持しつつ搬送幅調整部材を導入する必要があり、その分だけ搬送幅調整部材の設置作業に手間を要するとの知見に至った。
(2−1)かかる知見に基づいて提供される本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、前記搬送経路を通過する前記分包袋の表面に接触する接触部と、を有し、前記接触部が、前記分包袋の表面に接触する接触体と、前記搬送経路に対して上方にある揺動支点を支点として前記接触体を揺動可能に支承する支承部と、を有するものであり、前記搬送部が、前記分包袋連続体の搬送方向に沿う方向に延びる搬送幅調整部材を前記搬送経路の幅方向中間部に配置することにより、前記搬送部において前記分包袋連続体の搬送に供する領域の幅を調整可能なものであり、前記搬送幅調整部材が、前記接触部に対して前記搬送方向上流側あるいは下流側の位置から前記搬送方向に沿う方向に移動させ、所定の取り付け位置において前記搬送経路の幅方向中間部に配置する取付工程の過程において、前記接触体を持ち上げて支持できるものである。
本発明の薬剤鑑査装置は、接触体を搬送経路に対して上方にある揺動支点を支点として揺動可能に支持した構成の接触部を設けたものとされている。ここで、本発明の薬剤鑑査装置では、搬送幅調整部材が、接触部に対して搬送方向上流側あるいは下流側の位置から搬送方向に沿う方向に移動させ、所定の取り付け位置において搬送経路の幅方向中間部に配置する取付工程の過程において、接触体を持ち上げて支持できるものとされている。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、搬送幅調整部材の取付工程において、手作業等によって接触体を持ち上げる必要がない。従って、本発明の薬剤鑑査装置は、搬送幅調整部材を搬送経路の幅方向中間部に容易に取り付けることができる。
(2−2)本発明の薬剤鑑査装置は、前記搬送幅調整部材が、長手方向一端側から他端側に向けて上り勾配となるように形成された勾配部を有し、前記接触部に対して前記搬送方向上流側あるいは下流側の位置から前記搬送方向に沿う方向に移動させつつ、前記勾配部を前記接触体の下方に侵入させることにより、前記接触体を持ち上げて支持できること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、勾配部を接触体の下方に侵入させつつ、搬送幅調整部材を搬送経路に沿って導入することにより、搬送幅調整部材を所定の取り付け位置に取り付けることができる。
(2−3)本発明の薬剤鑑査装置は、前記搬送幅調整部材が、前記接触体を下方から支持可能な支承部と、前記支承部に対して交差するように設けられた脚部と、を有し、前記脚部を前記所定位置において立設させた状態で設置されるものであり、前記脚部を横転させた状態で前記取り付け位置まで移動させた前記搬送幅調整部材を、前記取り付け位置において立設させるときに、前記接触体の下方に前記支承部が侵入するものであること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、脚部を横転させた状態で取り付け位置まで搬送幅調整部材を移動させた後、取り付け位置において搬送幅調整部材を立設させるのと共に、接触体の下方に支承部を侵入させることができる。従って、本発明の薬剤鑑査装置は、搬送幅調整部材を搬送経路の幅方向中間部に容易に取り付けることができる。
(2−4)本発明の薬剤鑑査装置は、前記支承部が、前記搬送幅調整部材の長手方向側方から見て、前記脚部に対して傾斜した傾斜面を有すること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、支承部を接触体の下方にスムーズに侵入させることが可能となる。これにより、搬送幅調整部材を搬送経路の幅方向中間部に取り付ける作業を、より一層簡単なものとすることができる。
(3−1)本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、鑑査結果を示す鑑査結果情報を前記分包袋に付すことが可能な結果付与部とを有し、前記結果付与部が、前記搬送部による分包袋連続体の搬送を停止させることなく、前記鑑査結果情報を前記分包袋に付すことができること、を特徴とするものである。
かかる構成によれば、鑑査結果を示す鑑査結果情報を分包袋に付すために要する時間を省略できる。また、本発明の薬剤鑑査装置によれば、分包袋に付された鑑査結果情報を確認することで、鑑査結果を効率良く把握できるようにすることができる。従って、本発明の薬剤鑑査装置によれば、鑑査業務の高速化や高効率化に貢献できる。
(3−2)本発明の薬剤鑑査装置は、前記鑑査結果情報が、想定される鑑査結果に対応付けられた記号及び図形のいずれか一方又は双方であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、鑑査結果情報として分包袋に付された記号や図形から、鑑査結果を直感的に把握可能となる。
(3−3)本発明の薬剤鑑査装置は、前記結果付与部が、インクジェット式の印刷機構を備えたものであることを特徴とするものでると良い。
かかる構成によれば、鑑査結果情報を様々な形態で印刷することが可能となり、より一層利便性が向上する。
(4−1)本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、を有し、前記分包袋連続体の幅方向一端側を前記搬送部の搬送面側に付勢する付勢部材が、前記搬送経路の側方に、搬送方向に複数設けられており、前記撮影部に対して搬送方向上流側、及び搬送方向下流側に配された前記付勢部材による付勢力が、搬送方向中間部に設けられた前記付勢部材による付勢力よりも大きいこと、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、搬送方向上流側及び下流側において分包袋をしっかりと固定し、重量等の影響によって分包袋連続体が位置ズレする可能性を最小限に抑制できる。
(4−2)本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋連続体の幅方向一端側に、前記分包袋を封止する封止部が設けられており、前記付勢部材が、前記封止部において付勢力が作用するように配置されていること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、薬剤が収容されていない封止部において付勢力を作用させ、分包袋連続体を保持することができる。
(4−3)本発明の薬剤鑑査装置は、前記搬送部により縁部に多数の微細な引裂用傷痕を形成した前記分包袋連続体を搬送する際に、前記付勢部材が、前記引裂用傷痕の近傍に付勢力が作用するように配置されていること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、付勢部材による付勢力によって引裂用傷痕をしっかりと押さえつつ、分包袋連続体を搬送することができる。そのため、上述した構成によれば、予期せぬ力が引裂用傷痕に作用して、分包袋連続体が破損等するのを抑制しつつ、分包袋連続体をスムーズに搬送することができる。
(5−1)本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、を有し、前記搬送部が、ベルトコンベアによって形成されており、前記ベルトコンベアをなすベルトが、平ベルトとされていること、を特徴とするものである。
かかる構成によれば、搬送部のベルトを丸ベルト等とした場合に比べ、分包袋連続体に対するベルトの接触面積が大きくなる。これにより、分包袋連続体の搬送不良を最小限に抑制できる。
ここで、上述した薬剤鑑査装置において、薬剤情報データベースにマスター画像が登録されていないものについては鑑査を行えないため、薬剤をカメラ等によって撮影してマスター画像を作成する必要がある。ここで、マスター画像の作成は、ユーザーが任意のデジタルカメラ等によって撮影された画像を用いることによっても形成できる。しかしながら、このようにしてマスター画像を作成した場合には、ユーザーの撮影技術や撮影方法、使用するデジタルカメラの種類等のさまざまな要因により、一定品質のマスター画像を形成しにくいという問題がある。マスター画像の品質が薬剤の鑑査精度に与える影響が大きいと想定される。そのため、従来技術においては、マスター画像を一定の品質で取得可能なものが求められている。
(6−1)上述した課題を解決すべく提供される薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋が配置される配置部と、前記配置部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影装置と、薬剤の画像をマスター画像として蓄積した薬剤情報データベースと、前記撮影装置によって得られた画像、処方情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている前記マスター画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御装置と、を有し、前記マスター画像を作成するための薬剤を載置可能な載置領域を備えた薬剤載置部を有し、前記撮影装置、あるいは前記撮影装置とは別に設けられた第二の撮影装置により前記載置領域が撮影範囲に含まれるように撮影して得られたマスター作成用画像に基づいて前記マスター画像を形成し、前記薬剤情報データベースに蓄積可能であること、を特徴とするものである。
上述した構成によれば、薬剤載置部の載置領域に対し、マスター画像を作成するための薬剤を載置し、これを撮影装置、あるいは撮影装置とは別に設けられた第二の撮影装置によって撮影してマスター作成用画像を取得することができる。また、上述した構成によれば、マスター作成用画像に基づいてマスター画像を形成し、薬剤情報データベースに蓄積できる。従って、上述した構成によれば、マスター画像を一定の品質で取得できる。
(6−2)上述した薬剤鑑査装置は、前記載置領域が所定の色となるように形成されているものであると良い。
かかる構成によれば、背景色が所定の色で統一されたマスター作成用画像を取得することができる。
(6−3)上述した薬剤鑑査装置は、前記マスター作成用画像の撮影に用いられる前記撮影装置あるいは前記第二の撮影装置と、前記載置領域との位置関係が一定であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、薬剤を撮影するタイミングや撮影者によらず、同一のサイズでマスター作成用画像を取得し、マスター画像を形成することができる。
(6−4)上述した薬剤鑑査装置は、前記薬剤情報データベースの内容を表示可能な表示部を有し、前記表示部に前記薬剤情報データベースの内容を表示した状態において、前記マスター作成用画像の撮影に関する動作指示を入力可能であると良い。
かかる構成によれば、薬剤情報データベースの内容を確認しつつ、マスター作成用画像の撮影に関する動作指示を入力することができる。これにより、マスター画像の撮影作業の利便性を向上させることができる。
ここで、分包袋に分包された薬剤の位置は常に一定ではなく、分包袋内で自由に移動する。そのため、鑑査のために薬剤を撮影するたびに、分包袋内における薬剤の位置が不規則に変化する可能性が高い。本発明者らは、鑑査対象となる薬剤が配置される位置による薬剤に対する光の当たり方の違い等、撮影される薬剤の配置の違いに起因して、鑑査精度に違いが生じる可能性があるのではないかとの知見を得た。
かかる知見に基づいて本発明者らがさらに鋭意検討したところ、薬剤を特定するための薬剤特定情報として薬剤の分包袋内での位置を考慮したものを準備し、鑑査対象となる薬剤の配置に応じて最適な薬剤特定情報を選択して鑑査を行えるようにすれば、鑑査精度をより一層向上させうるとの知見に至った。
(7−1)上述した知見に基づいて提供される薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋が配置される配置部と、前記配置部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影装置と、薬剤の外観に係るマスター画像を含む薬剤を特定するための薬剤特定情報を蓄積した薬剤情報データベースと、前記撮影装置によって得られた画像、処方情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている前記薬剤特定情報に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御装置と、を有し、単一の薬剤に係る前記薬剤特定情報として、前記配置部内の複数の位置において撮影して得られた複数の画像に基づく情報を前記配置部内の位置と対応付けて登録可能であり、前記制御装置が、前記配置部に対して鑑査対象として配置された薬剤の位置に応じて登録されている前記薬剤特定情報を選択し、選択された当該薬剤特定情報と、前記撮影装置によって得られた画像とに基づいて鑑査を行うこと、を特徴とするものである。
かかる構成によれば、薬剤の配置を考慮した薬剤特定情報を準備し、鑑査対象となる薬剤の配置に応じて最適な薬剤特定情報を選択して鑑査を行えるようになる。これにより、鑑査対象となる薬剤が配置される位置による薬剤に対する光の当たり方の違い等、撮影される薬剤の配置の違いによらず、鑑査精度を向上させることができる。
(7−2)上述した薬剤鑑査装置は、前記配置部をなす領域を複数の領域に分割した分割領域を規定し、前記分割領域のそれぞれに応じて、薬剤を配置して撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録可能であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、配置部をなす各分割領域のいずれに鑑査対象となる薬剤が配置された場合であっても、精度良く鑑査を行うことができる。
(7−3)上述した薬剤鑑査装置は、前記配置部に配置された薬剤を前記撮影装置によって撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録可能なものであり、前記配置部をなす領域内において薬剤を移動させ、前記配置部内の複数箇所において前記薬剤を撮影して取得した薬剤特定情報を登録可能であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、予め薬剤特定情報を規定値に設定した場合と比べて、薬剤鑑査装置の個体差や設置環境等の外乱を加味して薬剤特定情報を設定することができる。すなわち、上述した構成によれば、例えば外部環境から遮光する等して、薬剤の鑑査用の画像撮影のために外乱の影響が最小限となるように最適化された配置部をなす領域内において薬剤を移動させつつ撮影を行い、薬剤特定情報を登録できる。従って、上述した構成によれば、薬剤鑑査装置の個体差や、設置環境等の外乱によって鑑査精度が左右される可能性を低減できる。
ここで、薬剤鑑査装置において薬剤の鑑査を行った後、特定の薬包についての鑑査履歴を知りたい場合がある。かかる要望に対応すべく、鑑査年月日や患者名、薬剤名等を指定して検索することにより、処方単位で鑑査結果を抽出可能とすれば、抽出された処方に含まれている情報から目的の薬包についての情報を探し出せる。しかしながら、このような構成とした場合には、検索により抽出された処方を構成する多数の薬包から特定の薬包を特定する作業を行わねばならないという問題が考えられる。具体的には、処方を構成する複数の薬包のうちの一つに分包すべき薬剤の一部又は全部が、他の薬包に誤って混入する現象(以下、「薬剤のバラツキ」とも称する)についての調査を行いたい場合や、患者から分包されている薬剤についての問い合わせがあった場合などには、鑑査年月日や患者名、薬剤名等の切り口で検索して抽出された処方を特定することができたとしても、その処方を構成する多数の薬包から、特定の薬包を選び出す作業を行わねばならないという問題があった。
(8−1)かかる知見に基づいて提供される本発明の薬剤鑑査装置は、処方された薬剤を一服用分ずつ包装した薬包を、前記薬包毎に鑑査可能なものであって、鑑査に係る情報を少なくとも薬包を特定する薬包特定情報と関連づけて記録する鑑査情報記録部と、前記鑑査に係る情報を指定された検索条件に則って検索する検索部と、前記検索部による検索結果を出力する検索結果出力部と、を有し、前記検索部が、前記薬包特定情報を前記検索条件として指定して検索可能なものであること、を特徴とするものである。
かかる構成によれば、薬包を特定するための薬包特定情報を検索条件として指定して、鑑査に係る情報の検索をし、出力可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
(8−2)上述した薬剤鑑査装置は、前記薬包特定情報が、当該薬包に分包された薬剤の服用日、服用時期、前記薬包に付与された番号の少なくともいずれかを含むものであること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、薬剤の服用日、服用時期、薬包に付与された番号の少なくともいずれかの切り口により、鑑査に係る情報の検索が可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
(8−3)上述した薬剤鑑査装置は、前記薬包特定情報が、当該薬包に係る鑑査結果を含むものであり、前記検索部が、前記薬包に係る鑑査結果を前記検索条件として指定して検索可能なものであること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、鑑査結果を切り口とした検索が可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
(8−4)上述した薬剤鑑査装置は、前記鑑査に係る情報が、前記薬包を薬剤が視認できる形態で撮影した薬包画像を含むものであること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、検索により特定された薬包が、鑑査を行った段階においてどのような形態で薬剤を包装したものであったかを薬包画像によって確認可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
(8−5)上述した薬剤鑑査装置は、前記検索部による検索対象から、透光性を有する薬剤、及び鑑査対象として未登録である薬剤のいずれか一方又は双方を包装した薬包を除外可能であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、透光性を有する薬剤、及び鑑査対象として未登録である薬剤の少なくとも一方を除くものに検索対象を絞り込んで検索を行える。これにより、鑑査結果の確認を行いたい薬包をより一層精度よく検索可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
ここで、画像マッチングを活用して鑑査を行う薬剤鑑査装置において、透光性を有する薬剤は、透光性を有さない薬剤に比べて鑑査精度の向上が難しいという問題がある。特に、背景との差が不明瞭な薬品は、画像マッチングの精度が安定しにくい。具体的には、透光性を有する薬剤について形状に基づくマッチング処理を行う際に、薬剤の輪郭が不明確になりやすいという問題がある。また、透光性を有する薬剤が鑑査対象に含まれている場合には、鑑査用として撮影した画像について薬剤の形状に基づくマッチング処理を行うことにより、薬剤が存在していると想定される領域の候補(候補領域)を選択できたとしても、分包紙に印刷された文字や図形の領域等、薬剤以外のものが存在している領域を排除するのが難しいという問題があった。そのため、透光性を有する薬剤を鑑査対象とする場合には、薬剤が存在している可能性がある領域(候補領域)の輪郭線を明確に取得できると共に、候補領域として選ばれたものから薬剤以外のものが存在している領域を排除できるようにすることにより、鑑査精度の向上が図れるものと考えられる。
(9−1)上述した知見に基づいて提供される本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋が配置される配置部と、前記配置部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影装置と、薬剤の画像をマスター画像として蓄積した薬剤情報データベースと、前記撮影装置によって得られた画像、処方情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている前記マスター画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御装置と、を有し、前記配置部に前記分包袋を配置した状態で前記撮影装置によって撮影した鑑査用画像を取得する鑑査用画像取得工程と、 前記鑑査用画像の彩度成分を抽出した画像を取得する彩度画像取得工程と、前記彩度成分を抽出した画像において所定の輝度よりも高輝度である高輝度領域を導出する高輝度領域導出工程と、前記高輝度領域の輪郭線を導出する輪郭線導出工程と、前記輪郭線導出工程で導出された前記輪郭線を強調する強調処理を行う輪郭線強調工程と、前記輪郭線の形状に基づいて、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する形状マッチング工程と、前記鑑査用画像において、前記形状マッチング工程において前記候補領域として選定された領域に対応する領域を少なくとも含む領域内の明度を向上させた明度調整画像に基づいて前記候補領域の絞り込みを行う明度絞込工程と、前記明度絞込工程を経て絞り込まれた前記候補領域に係る画像に基づいて、前記マスター画像との照合により鑑査結果を導出する鑑査結果導出工程と、を実行可能であり、前記明度絞込工程が、前記形状マッチング工程において選定された候補領域のうち、前記明度調整画像において前記候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものを、前記候補領域から除外する工程であること、を特徴とするものである。
本発明の薬剤鑑査装置は、鑑査用画像取得工程において取得された鑑査用画像を用い、彩度画像取得工程において彩度成分を抽出した画像を取得すると共に、高輝度領域導出工程において彩度成分を抽出した画像において所定の輝度よりも高輝度である高輝度領域を導出する処理を行う。また、本発明の薬剤鑑査装置は、このようにして導出された高輝度領域の輪郭線を輪郭線導出工程において導出すると共に、輪郭線強調工程において輪郭線を強調する強調処理を行う。さらに、本発明の薬剤鑑査装置は、形状マッチング工程において輪郭線の形状に基づいて処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する処理を行う。そのため、本発明の薬剤鑑査装置は、透光性を有する薬剤を鑑査対象とする場合であっても、薬剤が存在している可能性がある候補領域の輪郭線を明確に取得できる。
また、本発明の薬剤鑑査装置は、明度絞込工程において、明度を基準とすることにより、候補領域として選定されたものから薬剤以外のものが存在している領域を排除することにより、候補領域の絞り込みを行うことができる。具体的には、明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものは、薬剤以外のものが存在している領域である可能性が高いと考えられる。かかる知見に基づき、本発明の薬剤鑑査装置においては、形状マッチング工程で候補領域として選定された領域から、明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向に基づいて、候補領域の絞り込みが行われる。本発明の薬剤鑑査装置は、鑑査結果導出工程において、明度絞込工程を経て絞り込まれた候補領域に係る画像に基づいて、マスター画像との照合により鑑査結果を導出するものとされている。そのため、本発明の薬剤鑑査装置によれば、透光性を有する薬剤が処方されている場合における鑑査精度をより一層向上させることができる。
(9−2)上述した薬剤鑑査装置は、透光性を有する薬剤のうち特定の薬剤が鑑査対象とされる場合に、前記輪郭線導出工程において導出された輪郭線に囲まれた領域内に存在している欠損領域における欠損を補完する補完処理工程を実行可能であること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、輪郭線によって囲まれた領域内に欠損領域が形成されることにより、候補領域の形状が特定できなくなる等の不具合を解消できる。これにより、鑑査精度のより一層の向上を図れる。
(9−3)上述した薬剤鑑査装置は、透光性を有する薬剤が処方されていることを条件として、前記輪郭線強調工程、及び前記明度絞込工程を含む工程を経て前記鑑査結果導出工程が実行されること、を特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、透光性を有する薬剤が処方されている場合の鑑査精度をより一層向上させることができる。
本発明によれば、分包袋に収容された薬剤について精度良く鑑査可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤鑑査装置10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、薬剤鑑査装置10の構成、及び薬剤鑑査処理について大略を説明した後、薬剤鑑査装置10において詳細の説明が必要な部分について別途説明する。
≪薬剤鑑査装置10の構成の大略について≫
薬剤鑑査装置10は、分包紙に一服用分ずつ分包された状態で供給された鑑査対象の薬剤の数量及び種類を、一包ずつ鑑査する装置である。図1に示すように、薬剤鑑査装置10は、筐体10aの側面に鑑査対象の薬剤を導入するための導入部10bを有し、正面に操作パネル10cを有する。薬剤は、透光性を有する分包紙によって包装され、外部から視認可能な状態で薬剤鑑査装置10に供給される。また、薬剤鑑査装置10は、一服用分の薬剤を包装した分包袋が複数、連続するように形成された分包袋連続体の状態で分包袋を供給し、各分包袋について順次鑑査を行うことができる。
薬剤鑑査装置10は、分包紙に一服用分ずつ分包された状態で供給された鑑査対象の薬剤の数量及び種類を、一包ずつ鑑査する装置である。図1に示すように、薬剤鑑査装置10は、筐体10aの側面に鑑査対象の薬剤を導入するための導入部10bを有し、正面に操作パネル10cを有する。薬剤は、透光性を有する分包紙によって包装され、外部から視認可能な状態で薬剤鑑査装置10に供給される。また、薬剤鑑査装置10は、一服用分の薬剤を包装した分包袋が複数、連続するように形成された分包袋連続体の状態で分包袋を供給し、各分包袋について順次鑑査を行うことができる。
図1〜図3に示すように、薬剤鑑査装置10は、搬送部20、配置部30、撮影部40、照明部50、及び制御部60等を備えている。
搬送部20は、薬剤を分包してなる分包袋連続体を取り込み、搬送するためのものである。搬送部20は、従来公知のベルトコンベア、ローラコンベア等によって形成することが可能である。本実施形態では、搬送部20としてベルトコンベアが採用されている。搬送部20は、配置部30に対して搬送方向上流側に設けられた供給検知装置(図示せず)により分包紙によって形成された分包袋連続体が検知された場合に、後に詳述する制御部60の制御の下で動作し、分包袋連続体を順次下流側に向けて搬送する。また、搬送部20は、下流端に設けられた排出検知装置(図示せず)により、分包紙の分包袋連続体の末端が配置部30よりも下流側に排出されたことが確認された場合に、動作を停止する。
配置部30は、鑑査対象の薬剤が分包袋に収容された状態で配置される部分である。図3に示すように、配置部30は、分包袋が配置される撮影用ステージ32を有する。撮影用ステージ32は、透明の板体によって形成されており、一包分の分包袋を搭載可能な大きさを有する。撮影部40は、配置部30に配置された分包袋及びこれに収容されている薬剤を撮影するためのものである。図2に示すように、撮影部40は、配置部30の真上に配置されている。
照明部50は、配置部30に配置された分包袋を照明するためのものである。照明部50は、正面側照明装置52(図2参照)と背面側照明装置54(図3参照)とを有する。正面側照明装置52は、配置部30に配置された分包袋を撮影部40側、すなわち配置部30の上方側から照射するためのものである。正面側照明装置52は、いかなる照明装置によって構成されていても良いが、本実施形態では拡散光を発生させることが可能な照明装置が用いられている。背面側照明装置54は、配置部30に配置された分包袋を背面側、すなわち配置部30を介して撮影部40とは反対側(下方)から照射するためのものである。背面側照明装置54は、撮影用ステージ32の略全体を照明領域とするものであり、撮影用ステージ32上に搭載された分包袋全体を背面側から照明することができる。
制御部60は、コンピュータに対してソフトウェアをインストールすることにより、コンピュータ上に実現されている。制御部60は、各分包袋に収容されている薬剤が処方通りであるかを鑑査する薬剤鑑査処理等の処理を実行させることができる。
具体的には、制御部60は、薬剤の画像をマスター画像として蓄積した薬剤情報データベース62を備えている。制御部60は、薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像と、撮影部40によって取得された薬剤の画像とをマッチングする処理(画像マッチング処理)を実行し、分包袋に処方通りに薬剤が包装されているか否かを鑑査する薬剤鑑査処理を実行できる。薬剤鑑査処理は、分包袋に分包されている薬剤の種類についての鑑査(薬種照合鑑査)や、分包袋に包装されている薬剤の数量についての鑑査(数量照合鑑査)等、様々な観点の鑑査をいずれか一つ単独で行うものであっても、複数組み合わせて行うものであっても良い。
薬剤鑑査処理において、画像マッチング処理のために必要とされる分包袋内に収容されている薬剤の画像や、薬剤に関する情報(大きさや形状、刻印等の情報)は、種々の方法により取得することができるが、例えば、例えば以下に例示する薬品情報検出制御のような方法により行うと良い。
≪薬品情報検出制御≫
薬品情報検出制御は、正面側照明装置52をオン状態として撮影部40により撮影された正面側照明画像と、背面側照明装置54をオン状態として撮影部40により撮影された背面側照明画像とを用いて実施される。正面側照明画像は、図4(a)に示すように分包袋を正面視した状態の画像であり、薬剤及び分包袋に付されている印字とが写った画像となる。また、背面側照明画像は、図4(b)に示すように薬剤の影と分包袋に付されている印字とが写った画像となる。制御部60は、正面側照明画像及び背面側照明画像に基づき、分包袋内に収容されている薬剤の画像を抽出し、この薬剤の画像に基づいて薬剤情報を検出する。
薬品情報検出制御は、正面側照明装置52をオン状態として撮影部40により撮影された正面側照明画像と、背面側照明装置54をオン状態として撮影部40により撮影された背面側照明画像とを用いて実施される。正面側照明画像は、図4(a)に示すように分包袋を正面視した状態の画像であり、薬剤及び分包袋に付されている印字とが写った画像となる。また、背面側照明画像は、図4(b)に示すように薬剤の影と分包袋に付されている印字とが写った画像となる。制御部60は、正面側照明画像及び背面側照明画像に基づき、分包袋内に収容されている薬剤の画像を抽出し、この薬剤の画像に基づいて薬剤情報を検出する。
図5に示すように、薬品情報検出制御は、大別して薬剤候補領域抽出工程(ステップ1−1)、印字候補領域抽出工程(ステップ1−2)、印字領域特定工程(ステップ1−3)、薬剤領域導出工程(ステップ1−4)、及び鑑査領域規定工程(ステップ1−5)の各工程を経て実施される。
ステップ1−1において実施される薬剤候補領域抽出工程は、撮影部40により取得した画像から、薬剤が含まれている領域を薬剤候補領域A(図4(c)参照)として抽出する工程である。薬剤候補領域抽出工程は、例えば、背面側照明画像をグレイ画像化した画像を用いる等、様々な画像処理技術を用いて実現すると良い。また、ステップ1−2において実施される印字候補領域抽出工程は、分包袋に付された印字が含まれている領域を印字候補領域Bとして抽出する工程である。印字候補領域抽出工程は、例えば、正面側照明画像を活用する等して、様々な画像処理により実現すると良い。
ステップ1−3において実施される印字領域特定工程は、印字候補領域B(図4(e)参照)に含まれている印字に相当する領域を印字領域Cとして特定する工程である。印字領域特定工程は、例えば背面側照明画像における輝度分布に基づき画像処理すること等により行うと良い。また、ステップ1−4において実施される薬剤領域導出工程は、薬剤領域Xを導出する工程である。薬剤領域Xの導出は、例えば、ステップ1−1において導出された薬剤候補領域Aから、ステップ1−3において導出された印字領域Cを差し引く処理により行うと良い。また、ステップ1−5において実施される鑑査領域規定工程は、薬剤領域導出工程において導出された薬剤領域Xに基づき、鑑査対象となる領域を規定する工程である。
上述したようにして、撮影部40により撮影された画像から、鑑査対象となる分包袋に収容されている薬剤の画像領域を画定することにより、薬剤の画像や、薬剤に関する情報(大きさや形状、刻印等の情報)を取得することができる。これにより得られた画像や情報に基づいて画像マッチング処理等を行うことにより、薬剤鑑査処理を行うことができる。
以下、薬剤鑑査装置10において詳細についての説明が必要な部分について、順を追って説明する。
≪分包袋揺動動作について≫
薬剤鑑査装置10において鑑査精度を向上させるためには、分包袋内において薬剤が立った状態や重なった状態ではなく、全ての薬剤が倒れて重なることなく分散して収容された状態で分包袋が配置部30に供給される方が良いと考えられる。そのため、薬剤鑑査装置10は、鑑査対象となる分包袋が配置部30に到達するよりも前の段階で分包袋を揺動させたり、分包袋を均したりして、薬剤の重なりや起立を解消できるようにするのが良い。そのため、薬剤鑑査装置10は、例えば、図6に示すように配置部30に対して上流側(入口側)、及び下流側(出口側)に上流側固定部70及び下流側固定部80を設け、これらと搬送部20等を活用して分包袋連続体を揺動する動作(分包袋揺動動作)を行うようにすると良い。以下、図6〜図8を参照しつつ、各部の構成、及び分包袋揺動動作について説明する。なお、図8の動作説明図においては、図6に示した構成の一部についての図示を省略する。また、図6及び図8においては、分包袋連続体を黒色の太実線で示す。
薬剤鑑査装置10において鑑査精度を向上させるためには、分包袋内において薬剤が立った状態や重なった状態ではなく、全ての薬剤が倒れて重なることなく分散して収容された状態で分包袋が配置部30に供給される方が良いと考えられる。そのため、薬剤鑑査装置10は、鑑査対象となる分包袋が配置部30に到達するよりも前の段階で分包袋を揺動させたり、分包袋を均したりして、薬剤の重なりや起立を解消できるようにするのが良い。そのため、薬剤鑑査装置10は、例えば、図6に示すように配置部30に対して上流側(入口側)、及び下流側(出口側)に上流側固定部70及び下流側固定部80を設け、これらと搬送部20等を活用して分包袋連続体を揺動する動作(分包袋揺動動作)を行うようにすると良い。以下、図6〜図8を参照しつつ、各部の構成、及び分包袋揺動動作について説明する。なお、図8の動作説明図においては、図6に示した構成の一部についての図示を省略する。また、図6及び図8においては、分包袋連続体を黒色の太実線で示す。
薬剤鑑査装置10は、分包袋揺動動作を行うための構成として、上述した搬送部20や、配置部30、撮影部40、制御部60等に加えて、上流側固定部70及び下流側固定部80を備えている。上流側固定部70は、配置部30や撮影部40に対し、搬送部20によって形成される搬送経路の上流側(入口側)にある上流側固定位置72において分包袋連続体を固定可能なものとされている。また、下流側固定部80は、上流側固定位置72に対して搬送経路の下流側(下流側)にある下流側固定位置82において分包袋連続体を固定可能なものとされている。下流側固定部80は、上流側固定部70よりも下流側にあれば良いが、例えば図示例のように、配置部30や撮影部40よりもさらに下流側にあると良い。上流側固定部70及び下流側固定部80は、それぞれ分包袋連続体を搬送経路に対して位置ズレしないように固定できるものであれば適宜のものとすることができるが、例えば、分包袋連続体を上下方向にクランプするもの等とすると良い。
制御部60は、分包袋揺動動作のための動作制御を行うことができる。また、制御部60は、分包袋揺動動作を行った後、揺動させた分包袋を元の姿勢に戻す復帰動作についての動作制御を行うことができる。具体的には、制御部60は、搬送部20、上流側固定部70、及び下流側固定部80を適宜のタイミングで動作させることにより、分包袋揺動動作や復帰動作を行うことができる。以下、制御部60による制御のもと行われる分包袋揺動動作及び復帰動作に係る一連の動作について、図7の制御フロー、及び図8の動作状態図を参照しつつ詳細に説明する。
(ステップ2−1)
ステップ2−1において、制御部60は、図8(a)において太実線で示すように、平坦な状態で搬送されてきた分包袋連続体について、上流側固定位置72及び下流側固定位置82の一方を第一固定位置F1、他方を第二固定位置F2とし、第一固定位置F1において固定しつつ、第二固定位置F2において非固定とした状態(第一固定状態)とする。
図示例では、図8(b)に示すように、上流側固定位置72が第一固定位置F1とされ、下流側固定位置82が第二固定位置F2とされ、上流側固定部70によって分包袋連続体が上流側固定位置72において固定される。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−2に進める。
ステップ2−1において、制御部60は、図8(a)において太実線で示すように、平坦な状態で搬送されてきた分包袋連続体について、上流側固定位置72及び下流側固定位置82の一方を第一固定位置F1、他方を第二固定位置F2とし、第一固定位置F1において固定しつつ、第二固定位置F2において非固定とした状態(第一固定状態)とする。
図示例では、図8(b)に示すように、上流側固定位置72が第一固定位置F1とされ、下流側固定位置82が第二固定位置F2とされ、上流側固定部70によって分包袋連続体が上流側固定位置72において固定される。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−2に進める。
(ステップ2−2)
ステップ2−2において、制御部60は、搬送部20を下流側から上流側に向けて動作させる(逆走させる)。すなわち、図8(c)に矢印で示すように、制御部60は、第二固定位置F2から第一固定位置F1に向かう方向に、分包袋連続体を所定量Xだけ移動させる。図示例においては、下流側固定位置82から上流側固定位置72に向かう方向に分包袋連続体を所定量移動させる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−3に進める。
ステップ2−2において、制御部60は、搬送部20を下流側から上流側に向けて動作させる(逆走させる)。すなわち、図8(c)に矢印で示すように、制御部60は、第二固定位置F2から第一固定位置F1に向かう方向に、分包袋連続体を所定量Xだけ移動させる。図示例においては、下流側固定位置82から上流側固定位置72に向かう方向に分包袋連続体を所定量移動させる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−3に進める。
(ステップ2−3)
ステップ2−3において、制御部60は、既に固定されている第一固定位置F1に加え、第二固定位置F2においても分包袋連続体を固定した状態(第二固定状態)とする。図示例では、図8(d)に示すように、上流側固定部70によって既に固定されている上流側固定位置72に加え、下流側固定位置82においても下流側固定部80によって分包袋連続体が固定される。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−4に進める。
ステップ2−3において、制御部60は、既に固定されている第一固定位置F1に加え、第二固定位置F2においても分包袋連続体を固定した状態(第二固定状態)とする。図示例では、図8(d)に示すように、上流側固定部70によって既に固定されている上流側固定位置72に加え、下流側固定位置82においても下流側固定部80によって分包袋連続体が固定される。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−4に進める。
(ステップ2−4)
ステップ2−4において、制御部60は、上述した第二固定状態としたまま、所定量X以下のストロークで、上流側固定位置72及び下流側固定位置82の間で分包袋連続体を往復動させることにより分包袋を揺動させる。具体的には、ステップ2−4において、制御部60は、図8(e)において矢印で示すように、先ずは搬送部20を順方向に作動させ、第一固定状態から第二固定状態に状態変化させる際に分包袋連続体を移動させた方向とは逆方向(順送方向)に所定量X以下のストロークで移動させる。その後、制御部60は、図8(f)に矢印で示すように、搬送部20の作動方向を逆転させ、逆走方向に所定量X以下のストロークで移動させる。以下、図8(g)〜(j)に示すように、制御部60は、搬送部20についてこのような動作制御を行うことにより、所定のストロークで分包袋連続体を往復動させる。分包袋連続体の往復動が所定の回数に亘って行われた後、制御部60は、搬送部20の動作を停止させ、分包袋揺動動作を終了する。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−5に進める。
ステップ2−4において、制御部60は、上述した第二固定状態としたまま、所定量X以下のストロークで、上流側固定位置72及び下流側固定位置82の間で分包袋連続体を往復動させることにより分包袋を揺動させる。具体的には、ステップ2−4において、制御部60は、図8(e)において矢印で示すように、先ずは搬送部20を順方向に作動させ、第一固定状態から第二固定状態に状態変化させる際に分包袋連続体を移動させた方向とは逆方向(順送方向)に所定量X以下のストロークで移動させる。その後、制御部60は、図8(f)に矢印で示すように、搬送部20の作動方向を逆転させ、逆走方向に所定量X以下のストロークで移動させる。以下、図8(g)〜(j)に示すように、制御部60は、搬送部20についてこのような動作制御を行うことにより、所定のストロークで分包袋連続体を往復動させる。分包袋連続体の往復動が所定の回数に亘って行われた後、制御部60は、搬送部20の動作を停止させ、分包袋揺動動作を終了する。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−5に進める。
(ステップ2−5)
制御部60は、ステップ2−5、及び後述のステップ2−6において、分包袋連続体を元の姿勢(平坦な姿勢)に戻すための復帰動作を行う。具体的には、制御部60は、ステップ2−5において、第二固定位置F2において分包袋連続体を非固定とする。図示例においては、図8(k)に示すように、制御部60は、第二固定位置F2とされた下流側固定位置82において、下流側固定部80による分包袋連続体の固定を解除させる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−6に進める。
制御部60は、ステップ2−5、及び後述のステップ2−6において、分包袋連続体を元の姿勢(平坦な姿勢)に戻すための復帰動作を行う。具体的には、制御部60は、ステップ2−5において、第二固定位置F2において分包袋連続体を非固定とする。図示例においては、図8(k)に示すように、制御部60は、第二固定位置F2とされた下流側固定位置82において、下流側固定部80による分包袋連続体の固定を解除させる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−6に進める。
(ステップ2−6)
制御部60は、ステップ2−6において、図8(l)に矢印で示すように搬送部20を順方向に作動させ、第一固定位置F1から第二固定位置F2に向かう方向に分包袋連続体を所定量Xだけ移動させる。図示例では、制御部60は、第一固定位置F1とされた上流側固定位置72から第二固定位置F2とされた下流側固定位置82に向かう方向に分包袋連続体を移動させる。これにより、上述した分包袋揺動動作のために第一固定位置F1及び第二固定位置F2の間に、所定量X分だけ余剰に存在させていた分包袋連続体を下流側に戻す。これに伴い、分包袋揺動動作が、搬送部20の搬送経路上に略平坦な状態に配置された状態になる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−7に進める。
制御部60は、ステップ2−6において、図8(l)に矢印で示すように搬送部20を順方向に作動させ、第一固定位置F1から第二固定位置F2に向かう方向に分包袋連続体を所定量Xだけ移動させる。図示例では、制御部60は、第一固定位置F1とされた上流側固定位置72から第二固定位置F2とされた下流側固定位置82に向かう方向に分包袋連続体を移動させる。これにより、上述した分包袋揺動動作のために第一固定位置F1及び第二固定位置F2の間に、所定量X分だけ余剰に存在させていた分包袋連続体を下流側に戻す。これに伴い、分包袋揺動動作が、搬送部20の搬送経路上に略平坦な状態に配置された状態になる。その後、制御部60は、制御フローをステップ2−7に進める。
(ステップ2−7)
ステップ2−7において、制御部60は、図8(m)に示すように、第一固定位置F1において分包袋連続体を非固定とする。これにより、分包袋連続体は、搬送部20の搬送経路に沿って自由に移動可能な状態に戻る。
ステップ2−7において、制御部60は、図8(m)に示すように、第一固定位置F1において分包袋連続体を非固定とする。これにより、分包袋連続体は、搬送部20の搬送経路に沿って自由に移動可能な状態に戻る。
薬剤鑑査装置10は、上述したように、分包袋連続体を第一固定位置F1及び第二固定位置F2の双方において固定しつつ、第一固定位置F1及び第二固定位置F2の間にある分包袋連続体の長さを両固定位置の間隔よりも所定量Xだけ長くとった状態として分包袋揺動動作を行えるようにすることにより、分包袋連続体に無理な力が作用したり、分包袋連続体の位置ズレが生じたりするのを抑制しつつ、分包袋連続体を搬送方向に往復動させることができる。そのため、薬剤鑑査装置10は、上述した分包袋揺動動作を行えるようにすることにより、分包袋に包装されている薬剤の重なりや起立等を抑制しつつ、鑑査に必要な画像を撮影部40によって取得することができる。従って、上述した構成によれば、分包袋に収容された薬剤についての鑑査精度を一層向上させることができる。
なお、上述した例においては、上流側固定位置72を第一固定位置F1、下流側固定位置82を第二固定位置F2とした例を示したが、例えば、条件に応じて下流側固定位置82を第一固定位置F1、上流側固定位置72を第二固定位置F2に切り替えたり、条件によらず下流側固定位置82を第一固定位置F1、上流側固定位置72を第二固定位置F2としたりしても良い。
例えば、薬剤鑑査装置10は、分包袋連続体を構成する分包袋のうち、上流側固定位置72よりも搬送方向の上流側に存在している分包袋の数量が所定量を上回ることを条件として、第一固定位置F1を上流側固定位置72とし、第二固定位置F2を下流側固定位置82とするようにしても良い。また、薬剤鑑査装置10は、分包袋連続体を構成する分包袋のうち、上流側固定位置72よりも搬送方向の上流側に存在している分包袋の数量が所定量を下回ることを条件として、第二固定位置F2を上流側固定位置72とし、第一固定位置F1を下流側固定位置82とするようにしても良い。
また、図6に示すように、薬剤鑑査装置10は、これらの構成に加えて、配置部30に分包袋を頭出しするための頭出しセンサ90、配置部30からの分包袋の排出を検出するための排出センサ92、分包袋連続体の搬送に寄与する入口側ローラ94、分包袋連続体のねじれを検出するためのねじれセンサ96等を設けたものとしても良い。
また、上述したように、薬剤鑑査装置10は、分包袋揺動動作を行うだけでも各分包袋内にある薬剤に振動を与える等して、薬剤の重なりや起立を解消できるが、例えば、分包袋揺動動作に加えて、図9等に示すような均し機構100のように、分包袋の表面に当接する部材を用いれば、より一層、薬剤の重なりや起立の解消効果が高まると考えられる。以下、均し機構100の構成、及び分包袋揺動動作と均し機構100との組み合わせによる効果について説明する。
上述した薬剤鑑査装置10は、分包袋連続体を第一固定位置F1及び第二固定位置F2の双方において固定しつつ、第一固定位置F1及び第二固定位置F2の間にある分包袋連続体について分包袋揺動動作を行えるようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。薬剤鑑査装置10は、撮影部40に対して上流側及び下流側の双方の位置(上流側固定位置72及び下流側固定位置82)において、上流側固定部70及び下流側固定部80によって分包袋連続体に対して固定力を作用させた状態として、分包袋連続体を搬送方向に往復動させることができるのであれば、上流側固定位置72及び下流側固定位置82の間にある分包袋(分包袋連続体)だけを往復動させる方法や、上流側固定位置72及び下流側固定位置82において固定した状態で分包袋連続体の全体を往復動させる方法等によって揺動させても良い。また、薬剤鑑査装置10は、分包袋連続体の全体を揺動させるべく、例えば、上流側固定部70及び下流側固定部80を搬送方向に沿って揺動可能な構成とし、上流側固定部70及び下流側固定部80によって分包袋を固定した状態で、上流側固定部70及び下流側固定部80を揺動させることにより、これらによって固定されている分包袋連続体も揺動させるようにしても良い。
≪均し機構100の構成、及び分包袋揺動動作との組み合わせによる効果について≫
以下、先ずは均し機構100の構成について詳細に説明した後、均し機構100と分包袋揺動動作との組み合わせによる効果について説明する。
以下、先ずは均し機構100の構成について詳細に説明した後、均し機構100と分包袋揺動動作との組み合わせによる効果について説明する。
[均し機構100の構成]
均し機構100は、搬送部20によって配置部30を通過するように形成される搬送経路のうち、配置部30よりも上流側の部分に設けられている。均し機構100は、配置部30よりも上流側において、鑑査用として供給されてきた分包袋に収容された薬剤を均すためのものである。均し機構100は、第一接触部102と、薬剤均し部128とを備えている。また、第一接触部102は、第一接触体120、及び第一支持部140を備えている。薬剤均し部128は、第一接触部102をなす第一接触体120に組み付けられている。
均し機構100は、搬送部20によって配置部30を通過するように形成される搬送経路のうち、配置部30よりも上流側の部分に設けられている。均し機構100は、配置部30よりも上流側において、鑑査用として供給されてきた分包袋に収容された薬剤を均すためのものである。均し機構100は、第一接触部102と、薬剤均し部128とを備えている。また、第一接触部102は、第一接触体120、及び第一支持部140を備えている。薬剤均し部128は、第一接触部102をなす第一接触体120に組み付けられている。
さらに具体的には、第一接触体120は、搬送経路において搬送される分包袋の表面に接触する部材である。図9等に示すように、第一接触体120は、配置部30よりも上流側の搬送経路の途中に位置する第一接触位置122において分包袋に接触可能なように配置されている。第一接触位置122は、搬送部20において分包袋に対して裏面側から接触可能なように設けられた駆動ローラ26に対して上方に離れた位置に設けられている。
図12や図14に示すように、第一接触体120は、第一アーム部124、第一接触部126、及び薬剤均し部128を備えている。第一アーム部124は、第一接触部126側(先端側)を搬送経路側に向けた状態とされ、後に詳述する第一支持部140によって基端側において回動自在に支持されている。第一接触体120は、基端側から先端側に向かうに連れて、分包袋の順送り方向(搬送方向)の上流側から下流側に向けて下り勾配となるように傾斜した姿勢とされ、搬送経路の上方側に配置されている。
第一接触部126は、第一アーム部124の先端部に連続するように設けられた部分である。第一接触部126は、側面視が略「V」字型の形状とされている。第一接触部126は、搬送部20による分包袋の順送り方向上流側に向けて傾斜した第一導入側傾斜面326aと、下流側に向けて傾斜した第一排出側傾斜面326bとを有する。第一接触部126は、第一導入側傾斜面326a側に第一アーム部124が連続するように形成されている。第一接触部126は、搬送部20によって形成された搬送経路及びこの上を通過する分包袋(分包袋連続体)と第一導入側傾斜面326aとがなす角、及び搬送経路と第一排出側傾斜面326bとがなす角が、共に鋭角になるように屈曲している。
上述したように、薬剤均し部128は、第一接触部102をなす第一接触体120に組み付けられている。具体的には、薬剤均し部128は、第一導入側傾斜面326a及び第一排出側傾斜面326bの間に設けられている。薬剤均し部128は、珠支軸128a、及び珠部材128bを有する。珠支軸128aは、第一導入側傾斜面326a及び第一排出側傾斜面326bの境界部分に形成される稜線に沿って延びるように設置された軸体である。すなわち、珠支軸128aは、第一接触体120の設置状態において、分包袋(分包袋連続体)の流れ方向に対して略直行するように設置されている。珠部材128bは、算盤の珠あるいはビーズのような珠によって構成されている。本実施形態では、珠部材128bとして、算盤の珠のように、二つの台円錐の下底部同士を接合したような外観形状を有し、断面形状が六角形または略菱形の珠が用いられている。珠部材128bは、珠支軸128aに対して摺動可能なように複数個装着されている。
第一支持部140は、上述した第一接触体120を、第一アーム部124の基端側に位置する第一揺動支点142に設けられた第一支軸144を支点として揺動可能に支持するものである。第一支軸144は、搬送経路による分包袋の搬送方向に対して交差(本実施形態では略直行)する方向(幅方向)に延びている。また、第一揺動支点142は、上述した第一接触体120が分包袋に接触する位置(第一接触位置122)に対し、分包袋の順送り方向の上流側に外れた位置にある。また、第一揺動支点142は、第一接触位置122に対し、上方に離れた位置にある。
[均し機構100と分包袋揺動動作との組み合わせによる効果]
続いて、均し機構100と分包袋揺動動作との組み合わせによる効果について説明する。均し機構100は、第一接触体120及び第一支持部140が上述したような構成とされている。このような構成とされているため、上述した分包袋揺動動作を行うと、ステップ2−4において上流側固定位置72及び下流側固定位置82の間で分包袋連続体が往復動する際に、均し機構100を分包袋連続体の表面において珠部材128bが摺動する。この際、分包袋に収容されている薬剤に対して珠部材128bが当接し、珠支軸128aを軸心として回動しつつ、珠支軸128aに沿って摺動する。このようにして珠部材128bが軸方向に摺動しつつ程よく薬剤に当接することで、起立状態にある薬剤を横転させたり、集合状態にある薬剤を分包袋内において分散させたりして、鑑査しやすい状態にすることができる。
続いて、均し機構100と分包袋揺動動作との組み合わせによる効果について説明する。均し機構100は、第一接触体120及び第一支持部140が上述したような構成とされている。このような構成とされているため、上述した分包袋揺動動作を行うと、ステップ2−4において上流側固定位置72及び下流側固定位置82の間で分包袋連続体が往復動する際に、均し機構100を分包袋連続体の表面において珠部材128bが摺動する。この際、分包袋に収容されている薬剤に対して珠部材128bが当接し、珠支軸128aを軸心として回動しつつ、珠支軸128aに沿って摺動する。このようにして珠部材128bが軸方向に摺動しつつ程よく薬剤に当接することで、起立状態にある薬剤を横転させたり、集合状態にある薬剤を分包袋内において分散させたりして、鑑査しやすい状態にすることができる。
また、第一接触体120及び第一支持部140は、第一揺動支点142に対して、分包袋の順送り方向下流側にある第一接触位置122において分包袋と接触可能な配置とされている。このような配置とされているため、逆送り方向(配置部30側から入口側に向かう方向)に向けて搬送される際に第一接触体120から分包袋に作用する力が、分包袋が順送り方向の上流側(入口側)から下流側(配置部30側)に向けて搬送される際に第一接触体120から分包袋に作用する力よりも大きくなる。上述したように、分包袋揺動動作において複数回に亘って分包袋連続体を往復動させると、第一接触体120から分包袋に対して薬剤を均すのに十分大きな力が複数回作用することになり、薬剤均し部128による薬剤の均し効果が高まる。
≪搬送経路幅可変構造について≫
上述した薬剤鑑査装置10を様々な幅の分包袋連続体に対応可能なものとしつつ、安定的に分包袋連続体を搬送して鑑査可能とするためには、搬送部20の搬送経路幅を適宜変更可能なものとすることが望ましい。また、搬送部20の搬送経路幅を可変とする場合には、幅の調整作業を行いやすいものとすることが望ましい。そこで、本発明者らは、分包袋連続体の搬送方向に沿う方向に延びる長尺体(搬送幅調整部材)を、搬送経路の入口側や出口側から導入し、搬送経路の幅方向中間部に装着することによって、搬送経路幅を変更可能とする構成について検討した。
上述した薬剤鑑査装置10を様々な幅の分包袋連続体に対応可能なものとしつつ、安定的に分包袋連続体を搬送して鑑査可能とするためには、搬送部20の搬送経路幅を適宜変更可能なものとすることが望ましい。また、搬送部20の搬送経路幅を可変とする場合には、幅の調整作業を行いやすいものとすることが望ましい。そこで、本発明者らは、分包袋連続体の搬送方向に沿う方向に延びる長尺体(搬送幅調整部材)を、搬送経路の入口側や出口側から導入し、搬送経路の幅方向中間部に装着することによって、搬送経路幅を変更可能とする構成について検討した。
ここで、薬剤鑑査装置10においては、例えば、搬送中の分包袋の浮き上がりを抑制したり、分包袋内にある薬剤を均したりするために、図15や図16に示すような第二接触部104や第三接触部106等の接触部を、図9〜図13に示すように搬送経路を通過する分包袋の表面に接触するように設けることがある。薬剤鑑査装置10がこのような構成である場合には、上述したような搬送幅調整部材を導入する際に、第二接触部104や第三接触部106等の部材が邪魔になり、搬送幅調整部材の取付作業がしにくい可能性があるとの知見に至った。かかる知見に基づき、本発明者らは、図17等に示すような搬送幅調整部材300とすることで、前述のような問題を解消できるとの知見に至った。以下、第二接触部104、第三接触部106、及び搬送幅調整部材300の構成について説明した後、搬送幅調整部材300の取付方法について詳細に説明する。
[第二接触部104について]
第二接触部104は、以下に示すような第二接触体160、及び第二支持部180を備えている。第二接触体160は、分包袋が搬送経路(上流側搬送経路a)から逸脱するのを抑制する紙押さえ機能を有する。以下、第二接触体160及び第二支持部180の構成について、詳細に説明する。
第二接触部104は、以下に示すような第二接触体160、及び第二支持部180を備えている。第二接触体160は、分包袋が搬送経路(上流側搬送経路a)から逸脱するのを抑制する紙押さえ機能を有する。以下、第二接触体160及び第二支持部180の構成について、詳細に説明する。
第二接触体160は、例えば図9〜図12に示すように、上述した第一接触体120に対して分包袋の順送り方向上流側に配置することができる。第二接触体160は、第二接触位置162において、搬送経路を通過する分包袋の表面に接触可能とされている。
図12や図15等に示すように、第二接触体160は、第二アーム部164、及び第二接触部166を備えている。第二アーム部164は、第二接触部166側(先端側)を搬送経路側に向けた状態とされ、後に詳述する第二支持部180によって基端側において回動自在に支持されている。第二接触体160は、基端側から先端側に向かうに連れて、分包袋の順送り方向下流側から上流側に向けて下り勾配となるように傾斜した姿勢とされ、搬送経路の上方側に配置されている。
第二接触部166は、第二アーム部164の先端部に連続するように設けられた部分である。第二接触部166は、側面視が略「V」字型の形状とされている。第二接触部166は、搬送部20によって形成された搬送経路及びこの上を通過する分包袋(分包袋連続体)と、導入側の傾斜面(第二導入側傾斜面166a)とがなす角、及び搬送経路と排出側の傾斜面(第二排出側傾斜面166b)とがなす角が、共に鋭角になるように屈曲している。
第二支持部180は、上述した第二接触体160を、第二アーム部164の基端側に位置する第二揺動支点182に設けられた第二支軸184を支点として揺動可能に支持するものである。また、第二揺動支点182は、上述した第二接触体160が分包袋に接触する位置(第二接触位置162)に対して分包袋の順送り方向下流側に外れた位置にあり、かつ、第二接触位置162に対して上方に離れた位置にある。
[第三接触部106について]
第三接触部106は、各部の位置関係や細部における構成等を除き、上述した第二支持部180と類似したものとされている。第三接触部106は、配置部30よりも分包袋の順送り方向下流側において、分包袋が搬送経路(下流側搬送経路b)から逸脱するのを抑制しないようにガイドする機能を有する。以下、第三接触部106の構成について説明する。
第三接触部106は、各部の位置関係や細部における構成等を除き、上述した第二支持部180と類似したものとされている。第三接触部106は、配置部30よりも分包袋の順送り方向下流側において、分包袋が搬送経路(下流側搬送経路b)から逸脱するのを抑制しないようにガイドする機能を有する。以下、第三接触部106の構成について説明する。
第三接触部106は、第三接触体210と、第三支持部230とを有する。第三接触体210は、配置部30よりも分包袋の順送り方向下流側に配置されている。第三接触体210は、配置部30や撮影部40よりも下流側の搬送経路にある第三接触位置212において、搬送経路を通過する分包袋の表面に接触可能とされている。
図13や図16に示すように、第三接触体210は、第三アーム部214、及び接触部216を備えている。第三アーム部214は、接触部216側(先端側)を搬送経路側に向けた状態とされ、後に詳述する第三支持部230によって基端側において回動自在に支持されている。第三接触体210は、基端側から先端側に向かうに連れて、分包袋の順送り方向上流側から下流側に向けて下り勾配となるように傾斜した姿勢とされ、搬送経路の上方側に配置されている。
接触部216は、第三アーム部214の先端部に連続するように設けられた部分である。接触部216は、側面視が略「V」字型の形状とされている。
第三支持部230は、上述した第三接触体210を、第三アーム部214の基端側に位置する第三揺動支点232に設けられた第三支軸234を支点として揺動可能に支持するものである。第三揺動支点232は、上述した第三接触体210が分包袋に接触する第三接触位置212に対して分包袋の順送り方向上流側に外れた位置、かつ、第三接触位置212に対して上方に離れた位置にある。
[搬送幅調整部材300について]
図17や図18等に示すように、搬送幅調整部材300は、長尺状の部材である。搬送幅調整部材300は、図19〜図21に示すように、搬送部20の搬送面に対し、搬送面の幅方向中間部において略垂直に起立させた状態で使用される。搬送幅調整部材300は、搬送部20に対して搬送方向上流側あるいは下流側の位置から搬送方向に沿う方向に移動可能とされている。搬送幅調整部材300は、搬送部20に対して導入し、所定の取り付け位置において搬送経路の幅方向中間部に取り付けるまでの取付工程の過程において、第二接触部104や第三接触部106を持ち上げて支持できるものとされている。搬送幅調整部材300は、支承部320、及び脚部340を有する。搬送幅調整部材300は、搬送部20の上流側から下流側に向けて導入可能とされている。以下、搬送幅調整部材300の各部の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明において、搬送幅調整部材300を搬送部20に設置した状態における姿勢を設置姿勢、搬送幅調整部材300を横転させた姿勢を横転姿勢と称す。
図17や図18等に示すように、搬送幅調整部材300は、長尺状の部材である。搬送幅調整部材300は、図19〜図21に示すように、搬送部20の搬送面に対し、搬送面の幅方向中間部において略垂直に起立させた状態で使用される。搬送幅調整部材300は、搬送部20に対して搬送方向上流側あるいは下流側の位置から搬送方向に沿う方向に移動可能とされている。搬送幅調整部材300は、搬送部20に対して導入し、所定の取り付け位置において搬送経路の幅方向中間部に取り付けるまでの取付工程の過程において、第二接触部104や第三接触部106を持ち上げて支持できるものとされている。搬送幅調整部材300は、支承部320、及び脚部340を有する。搬送幅調整部材300は、搬送部20の上流側から下流側に向けて導入可能とされている。以下、搬送幅調整部材300の各部の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明において、搬送幅調整部材300を搬送部20に設置した状態における姿勢を設置姿勢、搬送幅調整部材300を横転させた姿勢を横転姿勢と称す。
支承部320は、搬送部20の上流側から導入する際に先頭側となる部分(第一支承領域322a)と、終端側となる部分(第二支承領域322b)とを有する。第一支承領域322aは、搬送部20への取付状態において、上述した第三接触部106を支承する部分である。第一支承領域322aは、勾配部324と傾斜面326とを有する。図18(a)に示すように、勾配部324は、搬送幅調整部材300を横転姿勢とした状態において、搬送幅調整部材300の長手方向一端側から他端側に向けて上り勾配となるように形成された部分である。そのため、第一支承領域322aは、搬送幅調整部材300を設置姿勢として平面視すると、片テーパ状であって、先端に向けて先鋭な形状となるような形状とされている。
傾斜面326は、搬送幅調整部材300を設置姿勢として平面視した状態において、天面側に向く面である。図18(c)に示すように、傾斜面326は、設置姿勢において搬送幅調整部材300を側面視すると、勾配部324が形成された部分に向けてなだらかに傾斜した形状とされている。
第二支承領域322bは、搬送幅調整部材300の後端側に設けられている。図19等に示すように、第二支承領域322bは、搬送部20への取付状態において、上述した第二接触部104を支承する部分である。第二支承領域322bには、設置姿勢において搬送幅調整部材300の終端側に向けて上り勾配となるように形成された突出部328が設けられている。突出部328は、搬送幅調整部材300を設置姿勢としたときに、第二接触部104の第二導入側傾斜面166aに沿う部分である。
また、支承部320は、第一支承領域322aと、第二支承領域322bとの中間部に、把持部330を有する。把持部330は、支承部320の天面から上方に突出するように形成されている。
脚部340は、支承部320に対して交差するように設けられた部分である。搬送幅調整部材300を設置姿勢として側面視した状態において、脚部340と、支承部320とは、略「T」字型の形状になるように構成されている。また、脚部340は、設置姿勢において下辺となる部分に、差込部342を有する。差込部342は、搬送部20の幅方向中間部に設けられた差込溝に対して差し込み可能なものとされている。
[搬送幅調整部材300の取付方法]
続いて、上述した搬送幅調整部材300の取付方法について、図22を参照しつつ詳細に説明する。搬送幅調整部材300を取り付ける際には、図22(a)に示すように、先ず第一支承領域322aを先頭側としつつ、傾斜面326が上向きになるように搬送幅調整部材300を横転させた姿勢として、搬送幅調整部材300を搬送部20の上流側から導入する。これに伴い、搬送幅調整部材300の傾斜面326が、第二接触部104をなす第二接触体160の第二排出側傾斜面166bの下方に侵入していく。これにより、第二接触体160が持ち上げられた状態になり、搬送幅調整部材300は、支障なくスムーズに導入される。
続いて、上述した搬送幅調整部材300の取付方法について、図22を参照しつつ詳細に説明する。搬送幅調整部材300を取り付ける際には、図22(a)に示すように、先ず第一支承領域322aを先頭側としつつ、傾斜面326が上向きになるように搬送幅調整部材300を横転させた姿勢として、搬送幅調整部材300を搬送部20の上流側から導入する。これに伴い、搬送幅調整部材300の傾斜面326が、第二接触部104をなす第二接触体160の第二排出側傾斜面166bの下方に侵入していく。これにより、第二接触体160が持ち上げられた状態になり、搬送幅調整部材300は、支障なくスムーズに導入される。
上述したように搬送幅調整部材300を横転姿勢で導入していくと、やがて第一支承領域322aが第三接触部106の側方に位置し、脚部340の差込部342が搬送部20に設けられた差込溝に対応する位置に到達した状態になる。この状態において、図22(b)に示すように、搬送幅調整部材300の傾斜面326が、第三接触部106の下方に侵入した状態になる。これにより、第三接触部106が、搬送幅調整部材300の先端側(第一支承領域322a)によって支承された状態になる。
上述した状態において、把持部330を把持する等して、脚部340の下端部を支点にしつつ、図22(c),(d)において矢印で示すように、搬送部20の排出側から見て時計回り方向(導入側から見て反時計回り方向)に搬送幅調整部材300を回転させて搬送幅調整部材300を立設(起立)させる。そうすると、搬送幅調整部材300を回転させる過程において先ず第三接触部106の接触部216の裏面側に勾配部324が当接する。その後さらに搬送幅調整部材300を立設させると、傾斜面326が接触部216の下方に侵入していく。これにより、図22(c)〜(e)に示すように、支承部320の第一支承領域322aにおいて、第三接触部106が支承された状態になる。また、図22(f)に示すように、搬送部20の入口側(導入側)においては、第二接触部104が搬送幅調整部材300の突出部328によって支承された状態になる。この状態で、差込部342を搬送部20の差込溝に差し込むことにより、搬送幅調整部材300の取り付けが完了する。これにより、搬送部20における搬送経路の幅が縮小された状態になる。このように、搬送幅調整部材300を用いれば、手作業等によって第二接触部104や第三接触部106を持ち上げることなく、容易に搬送幅を変更する作業を行うことができる。
≪クランプについて≫
上述したように、搬送部20は、導入部10bから導入された分包袋を配置部30を通過して下流側まで搬送可能なものである。ここで、図10等に示すように、搬送部20は、搬送部20に対して幅方向(分包袋の搬送方向に対して交差する方向)の一方側にクランプ28を設けた構成とすると良い。クランプ28は、搬送部20の搬送面22に向けて付勢されたローラ24を、分包袋を搬送面22に向けて付勢するための付勢部材として、分包袋の搬送方向に複数設けたものとすると良い。係る構成とすることにより、搬送部20により搬送される分包袋連続体を幅方向一端側をクランプ28により挟み込み、分包袋連続体を安定的に搬送可能とすることができる。
上述したように、搬送部20は、導入部10bから導入された分包袋を配置部30を通過して下流側まで搬送可能なものである。ここで、図10等に示すように、搬送部20は、搬送部20に対して幅方向(分包袋の搬送方向に対して交差する方向)の一方側にクランプ28を設けた構成とすると良い。クランプ28は、搬送部20の搬送面22に向けて付勢されたローラ24を、分包袋を搬送面22に向けて付勢するための付勢部材として、分包袋の搬送方向に複数設けたものとすると良い。係る構成とすることにより、搬送部20により搬送される分包袋連続体を幅方向一端側をクランプ28により挟み込み、分包袋連続体を安定的に搬送可能とすることができる。
ここで、クランプ28による分包袋連続体の挟持力は、適宜設定することが可能であるが、例えば、配置部30や撮影部40に対して搬送方向上流側、及び搬送方向下流側に配されたローラ24による付勢力が、搬送方向中間部に設けられたローラ24による付勢力よりも大きくなるようにすると良い。かかる構成とすることにより、搬送部20の上流側や下流側において分包袋連続体が位置ズレ等することを抑制できる。
また、クランプ28を設ける場合には、分包袋連続体の幅方向一端側において、分包袋を封止するために設けられた封止部において付勢力が作用するように、ローラ24が配置されていると良い。かかる構成によれば、分包袋内に収容されている薬剤とローラ24との干渉を抑制し、分包袋連続体をしっかりと保持することができる。
また、分包袋連続体が、縁部に多数の微細な引裂用傷痕を形成したものである場合には、引裂用傷痕の近傍に付勢力が作用するようにローラ24が配置されていると良い。このようにすることで、引裂用傷痕を引き裂くような予期せぬ力が作用しないように、ローラ24によって保持することができる。
≪搬送部20のベルトについて≫
上述したように搬送部20は、ベルトコンベアによって形成することができる。搬送部20をベルトコンベアとした場合には、これに用いるベルトとして断面形状が円形や楕円形等であるものを用いても良いが、分包袋連続体と接触する面が平坦な平ベルトであると良い。これにより、分包袋連続体のスリップ等を抑制し、より一層確実に分包袋連続体を搬送可能とすることができる。
上述したように搬送部20は、ベルトコンベアによって形成することができる。搬送部20をベルトコンベアとした場合には、これに用いるベルトとして断面形状が円形や楕円形等であるものを用いても良いが、分包袋連続体と接触する面が平坦な平ベルトであると良い。これにより、分包袋連続体のスリップ等を抑制し、より一層確実に分包袋連続体を搬送可能とすることができる。
≪結果付与部について≫
上述した薬剤鑑査装置10は、例えば、図23に示すように、鑑査結果を示す鑑査結果情報を分包袋に付すことが可能な結果付与部を備えたものとすると良い。結果付与部は、例えば、インクジェット式の印刷機構を備えたものや、ペンやスタンプ等のようにインク等を分包袋連続体に塗布する塗布装置を備えたもの等とすると良い。
上述した薬剤鑑査装置10は、例えば、図23に示すように、鑑査結果を示す鑑査結果情報を分包袋に付すことが可能な結果付与部を備えたものとすると良い。結果付与部は、例えば、インクジェット式の印刷機構を備えたものや、ペンやスタンプ等のようにインク等を分包袋連続体に塗布する塗布装置を備えたもの等とすると良い。
上述した結果付与部を設ける場合には、搬送部20による分包袋連続体の搬送を停止させることなく、鑑査結果情報を分包袋に付すことができるものであると良い。これにより、鑑査速度を低下させることなく、鑑査結果情報を分包袋に付すことが可能となる。
また、結果付与部により分包袋に付す鑑査結果情報は、想定される鑑査結果に対応付けられた記号及び図形のいずれか一方又は双方によって構成されるものとすると良い。具体的には、図23にサンプルとして示したように、●印、■印、×印等の記号や、実線等の図形を付すことが可能なものとすると良い。また、鑑査の結果、薬剤の個数が処方情報と不一致である場合には●印、処方されている薬剤と色彩が異なるものである場合には×印、異物の混入が検知された場合には■印を付す等のように、想定される鑑査結果に対応付けた記号や図形等を付すようにすると良い。
≪第一変形例≫
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第一変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第一変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
上述した薬剤鑑査装置10のように、薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像と、鑑査対象である薬剤を撮影して得られた画像とをマッチングすることにより、分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかの鑑査を行えるようにする場合、マスター画像の品質が鑑査精度に与える影響が大きい。そのため、薬剤鑑査装置10は、マスター画像を一定の品質で取得可能なものとすれば、鑑査精度をより一層安定させることができるものと想定される。
かかる想定に基づけば、薬剤鑑査装置10は、マスター画像を取得するための構成を備えたものであると良い。具体的には、薬剤鑑査装置10は、配置部30、撮影部40(撮影装置)、制御部60(制御装置)、薬剤情報データベース62に加え、図24(a)に示すように薬剤載置部400、第二撮影装置410を備えたものとすると良い。
具体的には、配置部30は、薬剤を収容した分包袋が配置されるものである。また、撮影装置40は、配置部30に配置された分包袋を撮影可能なものである。第一変形例においては、配置部30や撮影装置40は、上記実施形態において示したものに限らない。すなわち、配置部30は、薬剤を収容した分包袋を配置可能なものであれば、適宜のものとすることができる。また、撮影装置40は、配置部30に配置された分包袋を撮影可能であれば、適宜のものとすることができる。
制御部60は、撮影装置40によって得られた画像、処方情報、及び薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行うものである。また、薬剤情報データベース62には、鑑査用のマスター画像となる薬剤の画像をはじめとして、例えば薬剤の名称やコード番号等の薬剤に関する情報が蓄積されている。薬剤情報データベース62に登録されている情報は、例えば、薬剤鑑査装置10の操作パネル10c等からなる表示部に表示可能とされている。
薬剤載置部400は、マスター画像を作成するための薬剤を載置可能なものとされている。薬剤載置部400は、薬剤を載置可能なものであれば適宜の構成とすることができる。図24(a),(b)に示すように、第一変形例においては平板状のものとされており、 薬剤を配置するための載置領域402を備えている。図24(b)に示すように、薬剤載置部400は、載置領域402を識別するための印404を有する。また、載置領域402は、所定の背景色で薬剤を撮影可能なように着色されている。本変形例では、載置領域402と、その周囲とで色を相違させることにより、載置領域402に配置した薬剤を所定の背景色で撮影可能とするとともに、載置領域402を他の領域から区別可能としている。
第二撮影装置410は、薬剤載置部400の載置領域402に配置された薬剤を撮影するための撮影装置である。第二撮影装置410は、載置領域402との位置関係が一定となるように設置されている。本変形例では、第二撮影装置410は、載置領域402に対して上方に所定の高さだけ離れた位置に設けられている。また、本変形例では、第二撮影装置410は、鑑査用の画像を撮影するための撮影装置40よりも解像度の高いカメラによって構成されている。これにより、鑑査用の撮影画像よりも鮮明なマスター画像を取得可能としている。
本変形例の薬剤鑑査装置10は、制御装置60による制御のもと、第二撮影装置410により載置領域402が撮影範囲に含まれるように撮影して得られたマスター作成用画像に基づいて、各種の薬剤についてのマスター画像を形成し、薬剤情報データベース62に蓄積可能とされている。また、薬剤鑑査装置10は、表示部(本変形例では薬剤鑑査装置10の操作パネル10c)に、薬剤情報データベース62の内容を表示した状態において、マスター作成用画像の撮影に関する動作指示を入力可能とされている。具体的には、薬剤鑑査装置10は、図25に示すように撮影ボタン10dを設け、撮影ボタン10dを選択することにより動作指示を入力し、これに基づいて第二撮影装置410による撮影を行えるものとされている。
本変形例に係る薬剤鑑査装置10によれば、以下のような効果が得られる。
(1)薬剤鑑査装置10は、配置部30や、撮影部40、制御部60、薬剤情報データベース62に加え、薬剤載置部400及び第二撮影装置410を備えている。このような構成とされているため、薬剤載置部400が備えている載置領域402にマスター画像を作成するための薬剤を載置し、第二撮影装置410により載置領域402が撮影範囲に含まれるように薬剤を撮影して得られたマスター作成用画像を用い、マスター画像を形成し、薬剤情報データベース62に蓄積することができる。従って、本変形例の薬剤鑑査装置10によれば、マスター画像を一定の品質で取得できる。
なお、本変形例では、マスター作成用画像を取得するための撮影装置として、撮影部40とは別に第二撮影装置410を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されない。第二撮影装置410を設けない場合には、例えば、撮影部40によってマスター作成用画像を取得可能な構成とすると良い。
(2)本変形例の薬剤鑑査装置10は、載置領域402が所定の色となるように形成されている。そのため、薬剤鑑査装置10によれば、背景色が所定の色で統一されたマスター作成用画像を取得することができる。
なお、本変形例の薬剤鑑査装置10では、載置領域402の背景色が規定の色から変化しないものを例示したが、本発明はこれに限定されない。薬剤鑑査装置10は、例えば、薬剤の色に応じて載置領域402の背景色を適宜変更可能なもの等とすると良い。
(3)本変形例の薬剤鑑査装置10においては、マスター作成用画像の撮影に用いられる第二撮影装置410と、載置領域402との位置関係が一定とされている。そのため、薬剤鑑査装置10によれば、薬剤を撮影するタイミングや撮影者によらず、同一の縮尺でマスター作成用画像を取得し、マスター画像を形成することができる。
なお、本変形例の薬剤鑑査装置10は、第二撮影装置410と載置領域402との位置関係が一定となるようにした例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第二撮影装置410と載置領域402との相対位置の最適化を図れるようにすべく、薬剤鑑査装置10は、第二撮影装置410と載置領域402との位置関係を上下方向や水平方向に調整可能なもの等とすると良い。
(4)本変形例の薬剤鑑査装置10は、薬剤情報データベース62の内容を表示可能な表示部として機能する操作パネル10cを有し、表示部に薬剤情報データベース62の内容を表示した状態において、マスター作成用画像の撮影に関する動作指示を入力可能とされている。そのため、薬剤鑑査装置10は、薬剤情報データベース62の内容を確認しつつ、マスター作成用画像の撮影に関する動作指示を入力することができる。これにより、マスター画像の撮影作業の利便性を向上させることができる。
なお、本変形例においては、薬剤情報データベース62の内容を表示可能な表示部において撮影に関する動作指示を入力可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。薬剤鑑査装置10は、例えば、撮影に関する動作指示を入力するためのボタン等を別途設けると良い。
≪第二変形例≫
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第二変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第二変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
ここで、分包袋に分包された薬剤の位置は常に一定ではなく、分包袋内で自由に移動する。そのため、薬剤鑑査装置10において鑑査のために薬剤を撮影するたびに、分包袋内における薬剤の位置が不規則に変化する可能性が高い。一方、薬剤鑑査装置10においては、鑑査対象となる薬剤が配置される位置によって、薬剤に対する光の当たり方の違い等を考慮することにより、より一層画像マッチングの精度を向上できる可能性がある。
上述した知見に基づき、本変形例の薬剤鑑査装置10は、マッチング対象となるマスター画像として薬剤の位置を考慮したものを準備し、鑑査対象となる薬剤の配置に応じて最適なマスター画像を選択して画像マッチングを行えるようにしたものとされている。以下、本変形例の薬剤鑑査装置10について、さらに詳細に説明する。
本変形例の薬剤鑑査装置10は、配置部30、撮影部40(撮影装置)、制御部60(制御装置)、薬剤情報データベース62を備えている。
配置部30は、薬剤を収容した分包袋が配置されるものである。また、撮影装置40は、配置部30に配置された分包袋を撮影可能なものである。第二変形例においては、配置部30や撮影装置40は、上記実施形態において示したものに限らない。すなわち、配置部30は、薬剤を収容した分包袋を配置可能なものであれば、適宜のものとすることができる。また、撮影装置40は、配置部30に配置された分包袋を撮影可能であれば、適宜のものとすることができる。
制御部60は、撮影装置40によって得られた画像、処方情報、及び薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行うものである。また、薬剤情報データベース62には、鑑査用のマスター画像となる薬剤の画像をはじめとして、例えば薬剤の名称やコード番号、色情報、大きさに関する情報等、薬剤を特定するための情報(薬剤特定情報)が蓄積されている。
具体的には、薬剤鑑査装置10は、配置部30において撮影用ステージ32をなす領域を複数の領域に分割した分割領域34を規定し、分割領域34のそれぞれに応じて、薬剤を配置して撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録可能である。透光性を有する薬剤に加えて、分割領域34に対応して複数の領域に分割されている。本変形例では、上下左右の4つの配置領域452a〜452dに分割されている。
トレイ450を用いてマスター画像を撮影する際には、例えば次のような順番により、各部における薬剤特定情報(本変形例では色情報)を取得することができる。具体的には、先ず第一工程として、トレイ450の左上にある配置領域452aに薬剤が表側を向くように配置し、右上にある配置領域452bに薬剤が裏側を向くように配置する。その後、第二工程として、配置領域452aが撮影用ステージ32の分割領域34aに到来し、配置領域452bが分割領域34bに到来するようにトレイ450を搬送する。この状態において撮影部40により薬剤の撮影を行い、薬剤特定情報を取得する。これにより、分割領域34aに薬剤が表面を向いた状態で配置された状態の薬剤特定情報、及び分割領域34bに薬剤が裏面を向いた状態で配置された状態の薬剤特定情報が取得される。
第二工程が完了すると、第三工程として配置領域452aに表側を向くように配置された薬剤が分割領域34において分包袋の搬送方向中央部、すなわち分割領域34a,34bの境界部分に到来するようにトレイ450を移動させる。この状態において撮影部40により薬剤の撮影を行うことで、分割領域34において分包袋の搬送方向中央部であって、図中の上方側の領域に薬剤が表向きに配置された状態における薬剤特定情報が取得される。
第三工程が完了すると、第四工程として配置領域452aに表側を向くように配置された薬剤が分割領域34bに到来するようにトレイ450を搬送し、薬剤の撮影を行う。これにより、分割領域34において分割領域34bに表側を向くように配置された薬剤の薬剤特定情報が取得される。
第四工程が完了すると、第五工程として、トレイ450の配置領域452bにおいて裏向きに配置された薬剤が分割領域34aに到来するようにトレイ450を搬送し、マスター画像の撮影を行う。これにより、分割領域34において分割領域34aに裏側を向くように配置された薬剤の薬剤特定情報が取得される。
第五工程が完了すると、第六工程として、配置領域452bに裏側を向くように配置された薬剤が分割領域34において分包袋の搬送方向中央部、すなわち分割領域34a,34bの境界部分に到来するようにトレイ450を移動させる。この状態において撮影部40により薬剤の撮影を行うことで、分割領域34において分包袋の搬送方向中央部であって、図中の上方側の領域に薬剤が裏向きに配置された状態における薬剤特定情報が取得される。
上述したようにして工程を経ることにより、図26(a)の上方側において搬送方向に並ぶ分割領域34a,34bの各部において、薬剤の表面が表側を向いた状態、及び裏側を向いた状態の薬剤特定情報が得られる。このようにして図26(a)の上方側にある分割領域34a,34bでのマスター画像の取得が完了すると、第七工程として、トレイ450の左下にある配置領域452cに薬剤が表側を向くように配置し、右下にある配置領域452dに薬剤が裏側を向くように配置する。その後、上述した第二工程から第六工程と同様の動作を行うことにより、図26(a)の上方側において搬送方向に並ぶ分割領域34a,34bの各部において、薬剤の表面が表側を向いた状態、及び裏側を向いた状態の薬剤特定情報が得られる。このようにして薬剤特定情報を取得することにより、薬剤の表面及び裏面のそれぞれについて、配置部30内の6箇所における薬剤特定情報を取得することができる。
本変形例の薬剤鑑査装置10は、配置部30に対して鑑査対象として配置された薬剤の位置に応じて、薬剤特定情報として登録されている複数の画像から一の情報を選択し、選択された薬剤特定情報と、撮影部40によって得られた鑑査対象である薬剤を撮影した画像とに基づいて鑑査を行う。すなわち、薬剤鑑査装置10は、鑑査対象の薬剤が分包された状態で配置部30に到達すると、配置部30におけるいずれの位置に薬剤が存在しているのかを位置検出する。その位置検出結果に基づき、当該位置に対応する薬剤特定情報を選択し、選択された薬剤特定情報と、撮影部40によって得られた鑑査対象である薬剤を撮影した画像とを活用して鑑査を行う。
本変形例に係る薬剤鑑査装置10によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本変形例の薬剤鑑査装置10は、配置部30、撮影部40、制御部60、及び薬剤情報データベース62を有し、撮影部40によって得られた画像、処方情報、及び薬剤情報データベース62に登録されている薬剤特定情報に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の鑑査する制御を行うことができる。本変形例の薬剤鑑査装置10は、単一の薬剤に係る薬剤特定情報として、配置部30内の複数の位置に対応付けて登録可能とされている。また、制御部60は、配置部30に対して鑑査対象として配置された薬剤の位置に応じて登録されている薬剤特定情報から選択されたものと、撮影部40によって得られた画像とに基づいて鑑査を行うことができる。そのため、薬剤鑑査装置10は、鑑査対象となる薬剤の配置に応じて最適な薬剤特定情報を選択して鑑査を行える。
本変形例の薬剤鑑査装置10は、配置部30内の各部における薬剤特定情報として薬剤の色情報を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、薬剤鑑査装置10は、配置部30内の各部において撮影して得られた画像そのものを薬剤特定情報として薬剤情報データベース62に登録しておき、薬剤の鑑査に際して撮影部40によって撮影された画像と、薬剤の位置に対応づけて薬剤特定情報として登録されている画像とを画像マッチングすることにより、鑑査を行うようにすると良い。また、薬剤特定情報として登録する薬剤の色情報は、RGB値や、HSV値、HSV値を構成する色相、彩度、明度の三成分の一部等、適宜のものとすることができる。
(2)上述した薬剤鑑査装置10は、配置部30をなす領域を複数の領域に分割した分割領域34を規定し、分割領域34のそれぞれに応じて、薬剤を配置して撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録し、薬剤の鑑査に活用するものとされている。そのため、配置部30のいずれの箇所に鑑査対象となる薬剤が配置された場合であっても、精度良く鑑査を行うことができる。
なお、上述した変形例では、分割領域34を4つの領域に分割し、それぞれの領域に薬剤が配置された場合、及び搬送方向の中央部に薬剤が配置された場合を想定し、薬剤の表側及び裏側についてそれぞれ6箇所における薬剤特定情報を薬剤情報データベース62に登録した例を示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、さらに多数の位置について薬剤特定情報を登録して鑑査精度の向上を図ったり、上記変形例で例示したよりも少ない箇所について薬剤特定情報を登録して鑑査速度の向上や鑑査制御の負荷低減を図ったりすると良い。
(3)本変形例の薬剤鑑査装置10は、配置部30をなす領域内において薬剤を移動させ、配置部30内の複数箇所において薬剤を撮影して取得した薬剤特定情報を登録可能とされている。そのため、薬剤鑑査装置10は、装置の個体差や設置環境等の外乱を加味して薬剤特定情報を登録することができる。すなわち、本変形例の薬剤鑑査装置10によれば、例えば外部環境から遮光する等して、薬剤の鑑査用の画像撮影のために外乱の影響が最小限となるように最適化された配置部30をなす領域内において薬剤を移動させつつ撮影を行い、薬剤特定情報を登録できる。従って、上述した構成によれば、薬剤鑑査装置10の個体差や設置環境等の外乱によって鑑査精度が左右される可能性を低減できる。
なお、本変形例においては、薬剤鑑査装置10の実機において配置部30内の複数箇所において薬剤を撮影して薬剤特定情報を登録する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各薬剤について、配置部30の位置に応じて薬剤特定情報を予め規定値として設定しておき、これを鑑査に活用するようにすると、ユーザー側において薬剤特定情報を設定する手間が省け、利便性が向上する。また、薬剤鑑査装置10は、配置部30の位置に応じて薬剤特定情報を予め規定値として設定しておき、必要に応じて配置部30の位置に応じて薬剤特定情報を実機を用いて再設定できるようにすると良い。これにより、全ての薬剤についてユーザー側において薬剤特定情報を設定する手間を省略するとともに、例えば鑑査精度を高めたい薬剤について、薬剤特定情報を実機の特性を加味したものに更新して使用できるため、より一層の鑑査精度の向上及び利便性の向上が期待できる。
≪第三変形例≫
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第三変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第三変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
上記実施形態の薬剤鑑査装置10において薬剤の鑑査を行った後、特定の薬包についての鑑査履歴を知りたい場合がある。具体的には、処方を構成する複数の薬包のうちの一つに分包すべき薬剤が、他の薬包に誤って混入する現象(薬剤のバラツキ)が発生した薬包の検索を行いたい状況や、患者から分包されている薬剤についての問い合わせがあった状況など、様々な状況において、多数の薬包のなかから、特定の薬包についての鑑査結果を特定することができるようにしたいとの要望がある。
かかる要望に対応すべく、第三変形例の薬剤鑑査装置10は、上述した配置部30や、撮影部40(撮影装置)、制御部60(制御装置)、薬剤情報データベース62等を備えると共に、制御部60が鑑査情報記録部500、検索部510、及び検索結果出力部520を備えたものとされている(図27(a)参照)。以下、本変形例の薬剤鑑査装置10について、さらに詳細に説明する。
鑑査情報記録部500は、鑑査に係る情報(鑑査情報)を少なくとも薬包特定用の薬包特定情報と関連づけて記録するものである。ここで、鑑査情報は、薬包が処方通りに薬剤を分包したものであるか否かという鑑査の結果を示す情報のほか、例えば、薬剤の鑑査に際して撮影部40によって薬剤が視認できる形態で薬包を撮影した薬包画像等の情報を含むものとされている。また、薬包特定情報は、例えば、薬包に分包された薬剤の服用日、服用時期、薬包に付与された番号、薬包の作成日等、薬包を特定する情報である。
検索部510は、鑑査情報記録部500に記録されている鑑査情報を、ユーザによって指定された検索条件に則って検索するものである。検索部510は、薬包特定情報を検索条件として指定して検索可能とされている。すなわち、検索部510は、薬包に分包された薬剤の服用日、服用時期、薬包に付与された番号、薬包の作成日等の切り口により検索条件を設定して薬剤特定情報を検索することができる。また、検索部510は、検索対象から排除するための条件(検索排除条件)を設定可能とされている。具体的には、検索部510は、透光性を有する薬剤、及び鑑査対象として未登録である薬剤のいずれか一方又は双方を包装した薬包を除外するように検索排除条件を設定可能とされている。
検索部510による検索条件の設定は、例えば図27(b)に示した検索条件入力用のインターフェイスを操作パネル10c等に表示させ、これを用いて入力可能にすると良い。図27(b)のインターフェイスにおいては、処方に関する検索条件として、処方期間や患者名を入力したり、分包袋等に付されたバーコードを読み取って処方情報を入力可能とされている。また、薬包に関する情報による検索条件として、分包されていた薬剤の数量が処方と異なるとの判定がなされたもの(個数NG)、薬剤の種類が処方と異なる等して照合の結果が不合格との判定がなされたもの(照合NG)、薬剤師等による目視での鑑査により不合格とされたもの(目視NG)等の鑑査結果に基づく検索条件や、服用日、服用時期、薬包番号(包No)による検索条件を設定可能とされている。また、図27(b)のインターフェイスにおいては、鑑査により不合格となった理由をさらに細かく指定した検索条件(明細条件)も設定可能とされている。具体的には、薬剤の色がマスター画像のものと一致しなかったもの(色不一致)、薬剤の数量が不足していたもの(不足)、薬剤の数量が過剰であったもの(過剰)、薬包に不明なものが混在していたもの(不明)、錠剤を半分にしたものについての鑑査結果が不合格であったもの(半錠NG)、薬剤師等による確認が必要と判定されたもの(要確認)等の検索条件を設定可能とされている。さらに、図27(b)のインターフェイスにおいては、鑑査対象外の薬剤(透明・未登録)を含む薬包を除外するための検索排除条件も設定可能とされている。
検索結果出力部520は、検索部510による検索結果に係る信号を出力装置に向けて出力するものである。具体的には、検索結果出力部520は、筐体10aに設けられた操作パネル10c等の表示装置や、ジャーナルを印刷して出力するプリンタ等の出力装置に向けて、検索結果に係る信号を出力することができる。
具体的には、検索結果出力部520は、上述した検索部510による検索結果を、図28(a)に示すように一覧表示することができる。ここで、検索結果出力部520は、例えば図28(a)において「包No」の欄を設けて薬包を特定する番号を記載しているように、検索条件に合致する薬包を特定可能なように検索結果を出力させることができる。また、本変形例においては、鑑査の際に撮影部40によって薬包を薬剤が視認できる形態で撮影した薬包画像が鑑査情報記録部500に記録されている。本変形例の薬剤鑑査装置10はこれを活用し、検索結果に該当する薬包を指定することにより、図28(b)に示すように、指定された薬包に関する情報を、薬包画像と共に表示可能とされている。
本変形例に係る薬剤鑑査装置10によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本変形例の薬剤鑑査装置10は、鑑査に係る情報を少なくとも薬包を特定する薬包特定情報と関連づけて記録する鑑査情報記録部500と、鑑査に係る情報を指定された検索条件に則って検索する検索部510と、検索部510による検索結果を出力する検索結果出力部520とを備えている。また、検索部510は、薬包特定情報を検索条件として指定して検索可能なものとされている。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10は、薬包特定情報を検索条件として指定して、鑑査に係る情報の検索を行い、出力することができる。従って、本変形例の薬剤鑑査装置10によれば、例えば、薬剤のバラツキについての検討を行いたい状況や、患者から分包されている薬剤についての問い合わせがあった状況など、様々な状況において、薬包単位で鑑査結果を特定して出力でき、利便性が高い。
(2)また、本変形例の薬剤鑑査装置10は、薬包特定情報が、当該薬包に分包された薬剤の服用日、服用時期、薬包に付与された番号の少なくともいずれかを含むものとされており、これを指標として鑑査結果の検索を行えるものとされている。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10は、薬剤の服用日や服用時期、薬包に付与された番号等の薬包を特定するための情報に基づいて、容易かつ的確に鑑査結果の検索を行うことができる。
なお、本変形例においては、薬包特定情報の一例として、薬剤の服用日、服用時期、薬包に付与された番号等を例示したが、本発明はこれに限定されず、これらに代えて、あるいはこれらに加えて別の情報を薬剤特定情報として指定して検索可能としても良い。
(3)本変形例の薬剤鑑査装置10は、薬包特定情報が、当該薬包に係る鑑査結果を含むものであり、検索部510が、薬包に係る鑑査結果を検索条件として指定して検索可能なものとされている。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10によれば、鑑査結果を切り口とした検索ができる。なお、本変形例では、薬包特定情報として、鑑査結果を検索条件として指定して検索可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、鑑査結果を検索条件として指定できないものであっても良い。
(4)本変形例の薬剤鑑査装置10は、鑑査に係る情報が、薬包を薬剤が視認できる形態で撮影した薬包画像を含むものとされている。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10は、検索により特定された薬包が、鑑査を行った段階においてどのような形態で薬剤を包装したものであったかを薬包画像によって確認することができる。なお、本変形例では、鑑査情報に薬包画像が含まれる例を示したが本発明はこれに限定されない。鑑査情報に薬包画像が含まれないものとすることにより、鑑査情報記録部500に必要とされる記憶容量の削減等を図ることができる。
(5)本変形例の薬剤鑑査装置10は、検索部510による検索対象から、透光性を有する薬剤、及び鑑査対象として未登録である薬剤のいずれか一方又は双方を包装した薬包を除外するための検索排除条件を設定可能とされている。そのため、薬剤鑑査装置10は、透光性を有する薬剤、及び鑑査対象として未登録である薬剤の少なくとも一方を除くものに検索対象を絞り込んで検索を行える。これにより、薬剤鑑査装置10は、鑑査結果の確認を行いたい薬包をより一層精度よく検索可能なものとすることができる。
なお、本実施形態では、検索排除条件を設定可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、検索に係る制御の簡素化等の観点から、検索排除条件を設定不能な構成としても良い。
≪第四変形例≫
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第四変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
以下、上述した薬剤鑑査装置10の第四変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施形態に記載のものと同様の構成を備えているものについては、同一の符合を付し、詳細の説明については省略する。
第四変形例の薬剤鑑査装置10は、上述した配置部30や、撮影部40(撮影装置)、制御部60(制御装置)、薬剤情報データベース62を備えたものとされている。本変形例の薬剤鑑査装置10は、制御部60による制御に特徴を有する。以下、本変形例の薬剤鑑査装置10について、さらに詳細に説明する。
制御部60は、撮影部40によって得られた画像、処方情報、及び薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行うものである。制御部60は、この点において上記実施形態や変形例等に記載のものと共通している。制御部60は、薬剤情報データベース62において、透光性を有する特定の薬剤についてのマスターデータベース(透明マスタ)に登録されている薬剤と、カプセル錠や糖衣錠等の透光性を有していない薬剤についてのマスターデータベース(通常マスタ)に登録されている薬剤とで、薬剤の鑑査を行うための画像マッチングの方法を相違させている。具体的には、通常マスタに登録されている薬剤についての鑑査を行う場合には、上述した薬品情報検出制御のように、分包袋に収容(分包)された薬剤を背面側から照明して撮影、すなわち逆光状態で撮影した画像(背面側照明画像)において影になった箇所に基づいて薬剤の輪郭を導出し、その結果に基づいてマスターデータベース(通常マスタ)とのマッチングを行う。これに対し、透明マスタに登録されている薬剤についての鑑査を行う場合には、分包袋に収容(分包)された薬剤を背面側から照明した逆光状態で撮影を行っても、薬剤の影が明確に現れない。そのため、透明マスタに登録されている薬剤の場合には、分包袋に収容(分包)された薬剤を撮影装置側から照明して撮影、すなわち順光状態で撮影した画像(正面側照明画像)を変換処理した画像に基づいて薬剤の輪郭を導出し、その結果に基づいてマスターデータベース(透明マスタ)とのマッチングを行う。
ここで、透光性を有する薬剤の大半は、上述したような手法により鑑査を行うことができるが、一部のものについては上述した手法でも鑑査が上手く行えない特殊なもの(以下、「特定透光薬剤」とも称する)であることがある。本変形例では、透光性を有する薬剤のうちでも、このような特殊な特性を有する特定透光薬剤についても鑑査可能とすべく、輪郭線強調工程、及び明度絞込工程を含む工程を経て鑑査結果導出工程を実行することにより、鑑査を行うこととしている点に特徴を有する。以下、制御部60により行われる透光性を有する薬剤を含む処方についての鑑査方法について、図29のフローチャート、及び図30の説明図を参照しつつ詳細に説明する。
(ステップ3−1)
制御部60は、ステップ3−1において、鑑査対象として供給される分包袋(あるいは分包袋が連なった分包袋連続体)が、特定透光薬剤が処方されたものであるのか否かを確認する。ここで、透光性を有する薬剤が処方されている場合には、制御フローがステップ3−2に進められる。
制御部60は、ステップ3−1において、鑑査対象として供給される分包袋(あるいは分包袋が連なった分包袋連続体)が、特定透光薬剤が処方されたものであるのか否かを確認する。ここで、透光性を有する薬剤が処方されている場合には、制御フローがステップ3−2に進められる。
(ステップ3−2)
制御部60は、ステップ3−2の鑑査用画像取得工程において、配置部30に分包袋を配置した状態で撮影部40によって撮影した鑑査用画像を取得する。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−3に進める。
制御部60は、ステップ3−2の鑑査用画像取得工程において、配置部30に分包袋を配置した状態で撮影部40によって撮影した鑑査用画像を取得する。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−3に進める。
(ステップ3−3)
制御部60は、ステップ3−3の彩度画像取得工程において、ステップ3−2で取得した鑑査用画像から彩度成分を抽出した画像(彩度成分抽出画像)を取得する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−4に進める。
制御部60は、ステップ3−3の彩度画像取得工程において、ステップ3−2で取得した鑑査用画像から彩度成分を抽出した画像(彩度成分抽出画像)を取得する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−4に進める。
(ステップ3−4)
制御部60は、ステップ3−4の高輝度領域導出工程において、ステップ3−3で取得した彩度成分抽出画像において所定の輝度よりも高輝度である高輝度領域を導出する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−5に進める。
制御部60は、ステップ3−4の高輝度領域導出工程において、ステップ3−3で取得した彩度成分抽出画像において所定の輝度よりも高輝度である高輝度領域を導出する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−5に進める。
(ステップ3−5)
制御部60は、ステップ3−5の輪郭線導出工程において、ステップ3−4で導出した高輝度領域の輪郭線を導出する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−6に進める。
制御部60は、ステップ3−5の輪郭線導出工程において、ステップ3−4で導出した高輝度領域の輪郭線を導出する処理を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−6に進める。
(ステップ3−6)
制御部60は、ステップ3−6の補完処理工程において、ステップ3−5の輪郭線導出工程で導出された輪郭線に囲まれた領域内に存在する欠損領域Dを補完する処理(補完処理)を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−7に進める。
制御部60は、ステップ3−6の補完処理工程において、ステップ3−5の輪郭線導出工程で導出された輪郭線に囲まれた領域内に存在する欠損領域Dを補完する処理(補完処理)を行う。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−7に進める。
(ステップ3−7)
制御部60は、ステップ3−7の輪郭線強調工程において、ステップ3−5で導出された輪郭線を強調する処理(強調処理)を行う。これにより、図30(b)に示すように、輪郭線が強調された状態になる。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−8に進める。
制御部60は、ステップ3−7の輪郭線強調工程において、ステップ3−5で導出された輪郭線を強調する処理(強調処理)を行う。これにより、図30(b)に示すように、輪郭線が強調された状態になる。その後、制御部60は、制御フローをステップ3−8に進める。
(ステップ3−8)
制御部60は、ステップ3−8の形状マッチング工程において、ステップ3−7で強調された高輝度領域の輪郭線の形状に基づいて、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する処理を行う。すなわち、制御部60は、薬剤情報データベース62を参照し、高輝度領域の輪郭線と、処方されている薬剤の形状とをマッチングする処理を行う。これにより、制御部60は、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する。制御部60は、候補領域の選定が完了すると、制御フローをステップ3−9に進める。
制御部60は、ステップ3−8の形状マッチング工程において、ステップ3−7で強調された高輝度領域の輪郭線の形状に基づいて、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する処理を行う。すなわち、制御部60は、薬剤情報データベース62を参照し、高輝度領域の輪郭線と、処方されている薬剤の形状とをマッチングする処理を行う。これにより、制御部60は、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する。制御部60は、候補領域の選定が完了すると、制御フローをステップ3−9に進める。
(ステップ3−9)
制御部60は、ステップ3−9の明度絞込工程において、ステップ3−8の形状マッチング工程において候補領域として選定された領域に対応する領域を少なくとも含む領域内の明度を向上させた明度調整画像を準備し、この明度調整画像に基づいて候補領域を絞り込む処理を行う。さらに具体的には、制御部60は、ステップ3−8の形状マッチング工程において選定された候補領域のうち、明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものが存在しているか否かを確認する。その結果、例えば図30(c)に示すように明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものについて、候補領域から除外する。これにより、例えば、分包紙に付された印字に係る領域等を候補領域から除外することができる。また、このような処理を行うことにより、図30(d)に示すように、色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と同一あるいは近似するものが、候補領域として残される。制御部60は、ステップ3−9の明度絞込工程が完了すると、制御フローをステップ3−10に進める。
制御部60は、ステップ3−9の明度絞込工程において、ステップ3−8の形状マッチング工程において候補領域として選定された領域に対応する領域を少なくとも含む領域内の明度を向上させた明度調整画像を準備し、この明度調整画像に基づいて候補領域を絞り込む処理を行う。さらに具体的には、制御部60は、ステップ3−8の形状マッチング工程において選定された候補領域のうち、明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものが存在しているか否かを確認する。その結果、例えば図30(c)に示すように明度調整画像において候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものについて、候補領域から除外する。これにより、例えば、分包紙に付された印字に係る領域等を候補領域から除外することができる。また、このような処理を行うことにより、図30(d)に示すように、色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と同一あるいは近似するものが、候補領域として残される。制御部60は、ステップ3−9の明度絞込工程が完了すると、制御フローをステップ3−10に進める。
(ステップ3−10)
制御部60は、ステップ3−10の鑑査結果導出工程において、明度絞込工程を経て絞り込まれた候補領域に係る画像に基づいて、マスター画像との照合(画像マッチング処理)により鑑査結果を導出する処理を行う。これにより、一連の制御フローが完了する。
制御部60は、ステップ3−10の鑑査結果導出工程において、明度絞込工程を経て絞り込まれた候補領域に係る画像に基づいて、マスター画像との照合(画像マッチング処理)により鑑査結果を導出する処理を行う。これにより、一連の制御フローが完了する。
本変形例に係る薬剤鑑査装置10によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本変形例の薬剤鑑査装置10は、高輝度領域の輪郭線を輪郭線導出工程において導出すると共に、輪郭線強調工程において輪郭線を強調する強調処理を行う。さらに、本変形例の薬剤鑑査装置10は、形状マッチング工程において輪郭線の形状に基づいて処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する処理を行う。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10は、透光性を有する薬剤を鑑査対象とする場合であっても、薬剤が存在している可能性がある候補領域の輪郭線を明確に取得できる。また、本変形例の薬剤鑑査装置10は、明度絞込工程において、明度を基準とすることにより、候補領域として選定されたものから薬剤以外のものが存在している領域を排除することにより、候補領域の絞り込みを行い、絞り込まれた候補領域に係る画像に基づいて、マスター画像との照合により鑑査結果を導出するものとされている。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10によれば、透光性を有する薬剤が処方されている場合における鑑査精度をより一層向上させることができる。
(2)本変形例の薬剤鑑査装置10においては、透光性を有する薬剤のうち特定の薬剤(特定透光薬剤)が鑑査対象とされる場合に、輪郭線導出工程において導出された輪郭線に囲まれた領域内に存在する欠損領域Dにおける欠損を補完する補完処理が行われる。そのため、本変形例の薬剤鑑査装置10においては、輪郭線によって囲まれた領域内に欠損領域Dが形成されることにより、候補領域の形状が特定できなくなる等の不具合を解消し、鑑査精度のより一層の向上を図れる。
(3)本変形例の薬剤鑑査装置10は、透光性を有する薬剤が処方されていることを条件として、輪郭線強調工程、及び明度絞込工程を含む工程を経て鑑査結果導出工程が実行されるため、透光性を有する薬剤が処方されている場合の鑑査精度をより一層向上させることができる。なお、本変形例では、透光性を有する薬剤が処方されていることを条件として上述したフローにより鑑査を行う例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、透光性を有する薬剤に加えて、あるいは透光性を有する薬剤に代えて、透光性以外の他の特性を有する薬剤について上述したステップ3−2以降のフローに則って鑑査を行うようにしても良い。
本発明は、上述した実施形態、及び各実施形態について変形例として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
10 :薬剤鑑査装置
20 :搬送部
22 :搬送面
40 :撮影部
60 :制御部
70 :上流側固定部
72 :上流側固定位置
80 :下流側固定部
82 :下流側固定位置
100 :均し機構
128 :薬剤均し部
128b :珠部材
216 :接触部
300 :搬送幅調整部材
320 :支承部
324 :勾配部
326 :傾斜面
340 :脚部
F1 :第一固定位置
F2 :第二固定位置
X :所定量
20 :搬送部
22 :搬送面
40 :撮影部
60 :制御部
70 :上流側固定部
72 :上流側固定位置
80 :下流側固定部
82 :下流側固定位置
100 :均し機構
128 :薬剤均し部
128b :珠部材
216 :接触部
300 :搬送幅調整部材
320 :支承部
324 :勾配部
326 :傾斜面
340 :脚部
F1 :第一固定位置
F2 :第二固定位置
X :所定量
Claims (17)
- 薬剤を収容した分包袋を複数連なった分包袋連続体の状態で搬送可能な搬送部と、
前記搬送部による搬送経路の途中にある撮影位置に到来した前記分包袋を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御部と、
前記撮影部に対して前記搬送経路の上流側の上流側固定位置において前記分包袋連続体を固定可能な上流側固定部と、
前記上流側固定部に対して前記搬送経路の下流側の下流側固定位置において前記分包袋連続体を固定可能な下流側固定部と、
を有し、
前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置において前記分包袋連続体を固定した状態で、前記分包袋連続体を前記搬送経路に沿って往復動させることにより前記分包袋を揺動させる分包袋揺動動作を行えること、を特徴とする薬剤鑑査装置。 - 前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置のいずれか一方を第一固定位置、他方を第二固定位置とし、前記第一固定位置において前記分包袋連続体を固定しつつ、前記第二固定位置において前記分包袋連続体を非固定とした第一固定状態とした後、前記第二固定位置から前記第一固定位置に向かう方向に前記分包袋連続体を所定量だけ移動させてから前記第一固定位置に加えて前記第二固定位置においても前記分包袋連続体を固定した第二固定状態とし、前記第二固定状態において前記所定量以下のストロークで、前記上流側固定位置及び前記下流側固定位置の間で前記分包袋連続体を往復動させることにより前記分包袋を揺動させる分包袋揺動動作を行えること、を特徴とする請求項1に記載の薬剤鑑査装置。
- 前記撮影位置よりも前記搬送経路の上流側において、前記分包袋の表面に接触する接触部を有し、
前記分包袋揺動動作において、少なくとも前記分包袋連続体を往復動させる期間において、前記接触部を前記分包袋の表面に接触させること、を特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤鑑査装置。 - 前記接触部が、
前記搬送経路の幅方向に延びる回転軸線を中心として回動可能とされた珠部材を、前記回転軸線方向に複数並べて配置したものであり、
前記珠部材が、前記搬送部により搬送される前記分包袋の表面に接触可能なように設けられていること、を特徴とする請求項3に記載の薬剤鑑査装置。 - 前記分包袋揺動動作の後、前記第二固定位置において前記分包袋連続体を非固定としてから前記第一固定位置から前記第二固定位置に向かう方向に前記分包袋連続体を所定量だけ移動させる復帰動作を行うこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
- 前記復帰動作の後、前記第一固定位置において前記分包袋連続体を非固定とすること、を特徴とする請求項5に記載の薬剤鑑査装置。
- 前記第一固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第二固定位置を前記下流側固定位置とすること、を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
- 前記分包袋連続体を構成する前記分包袋のうち、前記上流側固定位置よりも前記搬送方向の上流側に存在している前記分包袋の数量が所定量を上回ることを条件として、前記第一固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第二固定位置を前記下流側固定位置とし、
前記分包袋連続体を構成する前記分包袋のうち、前記上流側固定位置よりも前記搬送方向の上流側に存在している前記分包袋の数量が所定量を下回ることを条件として、前記第二固定位置を前記上流側固定位置とし、前記第一固定位置を前記下流側固定位置とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。 - 前記分包袋に収容される薬剤の数量及び体積のいずれか一方又は双方が所定値を超えることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
- 前記分包袋連続体を構成する前記分包袋の数が所定数量を超えることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
- 前記撮影部よりも下流側に搬送された前記分包袋が所定数以上になることを条件として、前記分包袋揺動動作を行うこと、を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
- 薬剤を収容した分包袋が配置される配置部と、
前記配置部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影装置と、
薬剤の外観に係るマスター画像を含む薬剤を特定するための薬剤特定情報を蓄積した薬剤情報データベースと、
前記撮影装置によって得られた画像、処方情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている前記薬剤特定情報に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御装置と、を有し、
単一の薬剤に係る前記薬剤特定情報として、前記配置部内の複数の位置において撮影して得られた複数の画像に基づく情報を前記配置部内の位置と対応付けて登録可能であり、
前記制御装置が、前記配置部に対して鑑査対象として配置された薬剤の位置に応じて登録されている前記薬剤特定情報を選択し、選択された当該薬剤特定情報と、前記撮影装置によって得られた画像とに基づいて鑑査を行うこと、を特徴とする薬剤鑑査装置。 - 前記配置部をなす領域を複数の領域に分割した分割領域を規定し、
前記分割領域のそれぞれに応じて、薬剤を配置して撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録可能であること、を特徴とする請求項12に記載の薬剤鑑査装置。 - 前記配置部に配置された薬剤を前記撮影装置によって撮影することにより取得した薬剤特定情報を登録可能なものであり、
前記配置部をなす領域内において薬剤を移動させ、前記配置部内の複数箇所において前記薬剤を撮影して取得した薬剤特定情報を登録可能であること、を特徴とする請求項12又は13に記載の薬剤鑑査装置。 - 薬剤を収容した分包袋が配置される配置部と、
前記配置部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影装置と、
薬剤の画像をマスター画像として蓄積した薬剤情報データベースと、
前記撮影装置によって得られた画像、処方情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている前記マスター画像に基づいて、前記分包袋に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方が、処方通りであるかを鑑査する制御を行う制御装置と、を有し、
前記配置部に前記分包袋を配置した状態で前記撮影装置によって撮影した鑑査用画像を取得する鑑査用画像取得工程と、
前記鑑査用画像の彩度成分を抽出した画像を取得する彩度画像取得工程と、
前記彩度成分を抽出した画像において所定の輝度よりも高輝度である高輝度領域を導出する高輝度領域導出工程と、
前記高輝度領域の輪郭線を導出する輪郭線導出工程と、
前記輪郭線導出工程で導出された前記輪郭線を強調する強調処理を行う輪郭線強調工程と、
前記輪郭線の形状に基づいて、処方された薬剤の形状と同一あるいは近似した領域を候補領域として選定する形状マッチング工程と、
前記鑑査用画像において、前記形状マッチング工程において前記候補領域として選定された領域に対応する領域を少なくとも含む領域内の明度を向上させた明度調整画像に基づいて前記候補領域の絞り込みを行う明度絞込工程と、
前記明度絞込工程を経て絞り込まれた前記候補領域に係る画像に基づいて、前記マスター画像との照合により鑑査結果を導出する鑑査結果導出工程と、を実行可能であり、
前記明度絞込工程が、前記形状マッチング工程において選定された候補領域のうち、前記明度調整画像において前記候補領域に相当する領域についての色彩成分に係る情報の傾向が、処方された薬剤の色彩成分に係る情報の傾向と相違するものを、前記候補領域から除外する工程であること、を特徴とする薬剤鑑査装置。 - 透光性を有する薬剤のうち特定の薬剤が鑑査対象とされる場合に、前記輪郭線導出工程において導出された輪郭線に囲まれた領域内に存在する欠損領域を補完する補完処理工程を実行可能であること、を特徴とする請求項15に記載の薬剤鑑査装置。
- 透光性を有する薬剤が処方されていることを条件として、輪郭線強調工程、及び明度絞込工程を含む工程を経て前記鑑査結果導出工程が実行されること、を特徴とする請求項15又は16に記載の薬剤鑑査装置。
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