以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表す説明図である。
図1に表したように、トイレ管理システム10は、トイレ管理装置12と、複数のトイレ装置14、16と、ネットワーク機器18と、メンテナンス担当者端末20と、を備える。
トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、複数の便器が設置されたトイレ室TRの状態を管理する。トイレ室TRは、駅、空港、商業施設、あるいはオフィスビルなどの公共施設のトイレ室である。トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、より詳しくは、トイレ室TRのメンテナンスに関する管理を行う。
トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、トイレ室TRのメンテナンスに関する情報、及びトイレ室TRの混雑状況に関する情報を取得する。これにより、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、取得した情報を基に、トイレ室TRに設置された複数の便器のメンテナスに関する管理を行う。
トイレ室TRは、例えば、複数の大便器2と、複数の小便器4と、を有する。トイレ室TRは、例えば、複数のトイレブースTBを有する。複数のトイレブースTBは、例えば、トイレ室TRの内部の空間をパーティションなどで仕切ることによって設けられる。複数のトイレブースTBは、開閉式のドアDRを有する。複数の大便器2は、複数のトイレブースTB内に設置される。複数の小便器4は、例えば、トイレ室TRの壁面に沿って並べて設置される。
このように、トイレ室TRに設置される複数の便器は、大便器2でもよいし、小便器4でもよい。この例では、大便器2及び小便器4の双方をトイレ室TRに設けているが、トイレ室TRに設置される複数の便器は、大便器2のみでもよいし、小便器4のみでもよい。また、この例では、3台の大便器2と3台の小便器4との合計6つの便器を示している。トイレ室TRに設置される複数の便器の台数は、6つに限ることなく、任意の台数でよい。
大便器2は、下方に向けて窪んだボウル部を有する。大便器2の上には、便座が設けられる。大便器2は、便座に着座した利用者から排泄される尿や便などの排泄物をボウル部で受ける。大便器2は、より詳しくは、洋式腰掛大便器である。
複数のトイレ装置14は、複数の大便器2のそれぞれに設けられる。トイレ装置14は、例えば、大便器2の上に設けられる。トイレ装置14は、例えば、便座を有するとともに、便座に着座した利用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などを有する。トイレ装置14は、例えば、衛生洗浄装置である。トイレ装置14は、便座の着座面を温める暖房機能を有する暖房便座装置などでもよい。但し、トイレ装置14は、これらに限ることなく、大便器2に取り付けて使用される任意の装置でよい。
複数のトイレ装置16は、複数の小便器4のそれぞれに設けられる。トイレ装置16は、例えば、小便器4の前に立つ利用者を検知するとともに、利用者の小便器4から離れる動きを検知し、離れる動きの検知に応じてボウル面を自動的に洗浄する自動洗浄装置である。但し、トイレ装置16は、これに限ることなく、小便器4に取り付けて使用される任意の装置でよい。
トイレ管理装置12は、ネットワーク6を介してネットワーク機器18と接続され、ネットワーク6を介してネットワーク機器18と通信を行う。ネットワーク6は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などである。ネットワーク6は、トイレ管理装置12とネットワーク機器18とを有線で接続するものでもよいし、無線で接続するものでもよいし、有線と無線との組み合わせでもよい。ネットワーク6は、トイレ管理装置12とネットワーク機器18との間の通信を可能にする任意のネットワークでよい。
ネットワーク機器18は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と通信を行うとともに、複数のトイレ装置14、16と無線通信を行う。ネットワーク機器18は、例えば、トイレ管理装置12側のネットワーク6のプロトコルとトイレ装置14、16側の無線通信のプロトコルとの変換を行うゲートウェイ装置である。
複数のトイレ装置14、16は、トイレ室TRのメンテナンスに関する情報、及びトイレ室TRの混雑状況に関する情報を、ネットワーク機器18及びネットワーク6を介してトイレ管理装置12に送信する。このように、トイレ管理装置12は、トイレ室TRのメンテナンスに関する情報、及びトイレ室TRの混雑状況に関する情報を複数のトイレ装置14、16から取得する。
トイレ管理装置12は、例えば、公共施設の管理室などに設置される。ネットワーク機器18は、例えば、トイレ室TR内に設置される。このように、トイレ管理装置12がトイレ室TRから離れた場所に設置される場合でも、ネットワーク6やネットワーク機器18などを介して通信を行うことで、トイレ室TRのメンテナンスに関する情報、及びトイレ室TRの混雑状況に関する情報を複数のトイレ装置14、16から適切に取得することができる。
なお、複数のトイレ装置14、16とネットワーク機器18との間の通信は、無線通信に限ることなく、有線通信でもよい。また、例えば、複数のトイレ装置14、16とトイレ管理装置12とが直接的に通信を行える場合などには、ネットワーク機器18を省略してもよい。ネットワーク機器18は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
メンテナンス担当者端末20は、例えば、メンテナンスの担当者の携帯するスマートフォンなどの携帯端末である。但し、メンテナンス担当者端末20は、例えば、メンテナンスの担当者の居室に設置されたパーソナルコンピュータなどでもよい。メンテナンス担当者端末20は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と接続される。メンテナンス担当者端末20は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と通信を行う。
図2は、実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、大便器2に設けられるトイレ装置14は、詰まり検知センサ30と、使用検知センサ32と、送信部34と、を有する。
詰まり検知センサ30は、大便器2の詰まり状態を検知して詰まり情報を出力する。詰まり検知センサ30は、例えば、大便器2のボウル部内の水位を検知する。詰まり検知センサ30は、例えば、大便器2の洗浄を行った後のボウル部内の水位が所定の水位以上である場合に、大便器2が詰まっていると検知する。換言すれば、詰まり検知センサ30は、大便器2の洗浄を行った後のボウル部内の水位が所定の水位以上であるか否かを検知する。このような詰まり検知センサ30としては、例えば、電波センサ、静電容量センサ、圧力センサ、超音波式測距センサ、及び光学式測距センサなどを用いることができる。但し、詰まり検知センサ30の構成は、上記に限ることなく、大便器2の詰まりを適切に検知することができる任意の構成でよい。
使用検知センサ32は、大便器2の使用状況を検知して使用情報を出力する。使用検知センサ32は、例えば、利用者の便座への着座状態を大便器2の使用状態として検知する着座検知センサである。着座検知センサは、利用者が大便器2に着座する直前において便座の上方に存在する人体や、便座に着座した利用者を検知する。このような着座検知センサとしては、例えば赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。なお、着座検知センサは、例えばマイクロ波センサ、焦電センサなどを用いてもよい。また、着座検知センサは、例えば、便座の動きを検知する機械式のスイッチ、光学センサ、又は磁気センサなどでもよいし、着座にともなう静電容量の変化を検知する静電容量センサなどでもよいし、着座にともなう圧力の変化を検知する圧電センサなどでもよい。
使用検知センサ32は、例えば、利用者が大便器2に接近した状態を大便器2の使用状態として検知する人体検知センサでもよい。人体検知センサは、大便器2に接近した人体を検知する。人体検知センサには、例えば、マイクロ波センサ、赤外線投受光式の測距センサ、焦電センサなどを用いることができる。
使用検知センサ32は、例えば、トイレブースTBのドアDRが閉じた状態を大便器2(トイレブースTB)の使用状態として検知するドア検知センサでもよい。ドア検知センサは、ドアDRの開状態及び閉状態を検知する。ドア検知センサには、例えば、機械式のスイッチ、光学センサ、磁気センサなどを用いることができる。
例えば、トイレブースTB内で着替えなどを行う利用者もいる。この場合、大便器2自体は使用されていなかったとしても、ドアDRが閉じていると、トイレブースTB内の大便器2も使用できなくなってしまう。このような場合に、着座検知センサや人体検知センサでは、大便器2を使用状態として検知できない可能性がある。これに対し、ドア検知センサを使用検知センサ32とした場合には、着座検知センサや人体検知センサと比べて、使用できない大便器2をより確実に検知することができる。
一方で、ドア検知センサは、大便器2及びトイレ装置14から離れた位置に設置されるため、着座検知センサや人体検知センサと比べて、設置が難しくなってしまう可能性がある。このように、着座検知センサや人体検知センサを使用検知センサ32とした場合には、ドア検知センサと比べて、より簡単な構成で使用できない大便器2を検知することができる。
送信部34は、詰まり情報及び使用情報を送信する。送信部34は、ネットワーク機器18及びネットワーク6を介して詰まり情報及び使用情報をトイレ管理装置12に送信する。
小便器4に設けられるトイレ装置16は、詰まり検知センサ40と、使用検知センサ42と、送信部44と、を有する。
詰まり検知センサ40は、小便器4の詰まり状態を検知して詰まり情報を出力する。詰まり検知センサ40には、詰まり検知センサ30と同様のものを用いることができる。使用検知センサ42は、小便器4の使用状況を検知して使用情報を出力する。使用検知センサ42には、例えば、利用者が小便器4に接近した状態を小便器4の使用状態として検知する人体検知センサが用いられる。人体検知センサには、前述のものを用いることができる。送信部44は、送信部34と同様に、詰まり情報及び使用情報を送信する。
トイレ管理装置12は、通信部50と、制御部52と、記憶部54と、を有する。通信部50は、ネットワーク6及びネットワーク機器18を介して複数のトイレ装置14、16と通信を行うことにより、複数のトイレ装置14、16の送信部34、44から送信された使用情報と詰まり情報とを取得する。この例では、通信部50が、情報取得部として機能する。これにより、トイレ管理装置12において、複数の大便器2及び小便器4の使用状況及び詰まりの状況を把握することできる。
記憶部54には、複数の大便器2及び小便器4が設置されたトイレ室TRの状態を管理するためのトイレ管理プログラム56が記憶されている。制御部52は、記憶部54からトイレ管理プログラム56を読み出し、トイレ管理プログラム56を逐次処理することにより、トイレ管理装置12の動作を制御する。
制御部52は、例えば、複数のトイレ装置14、16から定期的に使用情報及び詰まり情報を取得する。このような構成の場合には、制御部52は、使用情報及び詰まり情報を同時に取得する。
例えば、大便器2又は小便器4の詰まり状態が変化した場合に、トイレ装置14、16から制御部52に詰まり情報を送信し、大便器2又は小便器4の使用状況が変化した場合に、トイレ装置14、16から制御部52に使用情報を送信する構成としてもよい。このような構成の場合には、制御部52は、詰まり情報及び使用情報をそれぞれ独立したタイミングで取得する。
制御部52は、取得した使用情報及び詰まり情報を記憶部54に記憶させる。これにより、制御部52において、記憶部54に記憶された使用情報を基に、トイレ室TRの過去の混雑状況(複数の大便器2及び複数の小便器4の使用状況)を把握することが可能になる。
制御部52は、取得した複数の大便器2及び小便器4の使用情報を基に、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測する。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶された使用情報を基に、トイレ室TRの過去の混雑状況を求め、このトイレ室TRの過去の混雑状況を基に、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測する。このように、この例では、制御部52が、混雑状況予測部として機能する。
図3及び図4は、制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
制御部52は、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測する場合に、例えば、図3及び図4に表したように、記憶部54に記憶された使用情報を基に、トイレ室TRに設置された複数の大便器2及び小便器4の時間毎の使用率を求める。使用率は、例えば、複数の便器(大便器2及び小便器4)の数を分母、複数の便器のうちの使用されている便器の数を分子とする分数、又はそれに対応する百分率で表される。
制御部52は、複数の便器の使用率に対して、所定の閾値を設定する。そして、制御部52は、使用率が所定の閾値以上の時間帯を混雑時間帯と判定し、使用率が所定の閾値未満の時間帯を非混雑時間帯と判定する。これにより、記憶部54に記憶された使用情報を基に、トイレ室TRの過去の混雑状況を求めることができる。
制御部52は、例えば、過去の混雑状況において混雑時間帯と判定した時間帯は、今後においても混雑すると予測し、過去の混雑状況において非混雑時間帯と判定した時間帯は、今後においても混雑しないと予測する。これにより、取得した複数の便器の使用情報を基に、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測することができる。
なお、複数の便器の時間毎の使用率を求める使用情報は、前日のデータや先週の同じ曜日のデータなど、所定の一日分の使用情報を用いてもよいし、一週間分のデータなど、複数の日の使用情報を用いてもよい。換言すれば、使用率は、複数の日の使用情報から求めた複数の便器の時間毎の平均の使用率でもよい。
また、混雑状況は、使用率に限ることなく、例えば、複数の便器の使用回数などから求めてもよい。例えば、複数の便器の単位時間当たりの使用回数が、所定回数以上の時間帯を混雑時間帯として判定してもよい。混雑状況は、時間毎の混雑状況に限ることなく、例えば、日にち毎の混雑状況などでもよい。混雑状況の予測方法は、上記に限ることなく、使用情報から適切に混雑状況を予測し得る任意の方法でよい。
制御部52は、詰まり情報を基に、複数の大便器2及び小便器4のいずれかの詰まりを判定した際に、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する。すなわち、この例では、制御部52が、緊急度判定部としても機能する。制御部52は、例えば、トイレ室TRの今後の混雑状況に基づいて、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する。
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4のいずれかの詰まりを判定した際に、使用情報を基に、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測する。図3に表したように、非混雑時間帯において詰まりが発生した場合、制御部52は、トイレ室TRの今後の混雑状況を基に、詰まりが発生した時点から予測される次の混雑時間帯までの時間TI1を求める。そして、制御部52は、時間TI1を求めた後、時間TI1が所定時間TP1以上か否かを判定する。
混雑時間帯に複数の便器のいずれかに詰まりが発生していると、トイレ室TRをより混雑させてしまう可能性がある。このため、非混雑時間帯に詰まりが発生した場合には、なるべく次の混雑時間帯までに詰まりのメンテナンスを行うことが好ましい。従って、例えば、図3の昼食時間帯の部分に表したように、時間TI1が所定時間TP1未満である場合には、制御部52は、メンテナンスの緊急度を高いと判定する。一方、例えば、図3の帰宅、夕食時間帯の部分に表したように、時間TI1が所定時間TP1以上である場合には、制御部52は、メンテナンスの緊急度を低いと判定する。すなわち、次の混雑時間帯までに時間的な余裕がある場合には、緊急度を低くし、次の混雑時間帯までに時間的な余裕がない場合には、緊急度を高くする。
図4に表したように、混雑時間帯において詰まりが発生した場合、制御部52は、トイレ室TRの今後の混雑状況を基に、詰まりが発生した時点から予測される次の非混雑時間帯までの時間TI2を求める。そして、制御部52は、時間TI2を求めた後、時間TI2が所定時間TP2以上か否かを判定する。なお、混雑時間帯において詰まりが発生した場合の所定時間TP2は、非混雑時間帯において詰まりが発生した場合の所定時間TP1と同じでもよいし、異なってもよい。
混雑時間帯に詰まりのメンテナンスを行ってしまうと、メンテナンスの影響で、トイレ室TRをより混雑させてしまう可能性がある。このため、詰まりのメンテナンスに要する時間が、混雑時間帯から非混雑時間帯に切り替わるまでの残りの時間よりも長い場合には、混雑時間帯が終わってからメンテナンスを行った方が、トイレ室TRの混雑を緩和できる可能性が高い。所定時間TP2は、例えば、詰まりのメンテナンスに要する平均的な時間である。
一方で、混雑時間帯が長く続く場合には、なるべく早くメンテナンスを行って詰まりを解消させた方が、トイレ室TRの混雑を緩和できる可能性が高い。このため、詰まりのメンテナンスに要する時間が、混雑時間帯から非混雑時間帯に切り替わるまでの残りの時間よりも短い場合には、なるべく早くメンテナンスを行うことが好ましい。
従って、例えば、図4の出勤時間帯の部分に表したように、時間TI2が所定時間TP2未満である場合には、制御部52は、メンテナンスの緊急度を低いと判定する。一方、例えば、図4の夕食時間帯の部分に表したように、時間TI2が所定時間TP2以上である場合には、制御部52は、メンテナンスの緊急度を高いと判定する。すなわち、次の非混雑時間帯までにメンテナンスを完了できる場合には、緊急度を高くし、次の非混雑時間帯までにメンテナンスを完了できない場合には、緊急度を低くする。
このように、制御部52は、詰まりの発生した便器がトイレ室TRの今後の混雑状況に与える影響を判定し、影響が小さい場合に緊急度を低くし、影響が大きい場合に緊急度を高くする。換言すれば、制御部52は、メンテナンスの実施により、トイレ室TRの混雑をより緩和できる可能性が高い場合に、緊急度を高くする。
例えば、図3に表したように、非混雑時間帯に詰まりが発生し、時間TI1が所定時間TP1未満である場合には、制御部52は、詰まりの発生した便器が次の混雑時間帯においてトイレ室TRの混雑状況に与える影響が大きいと判定し、緊急度を高くする。
また、例えば、図4に表したように、混雑時間帯に詰まりが発生し、時間TI2が所定時間TP2以上である場合には、制御部52は、詰まりの発生した便器が現在の混雑時間帯においてトイレ室TRの混雑状況に与える影響が大きいと判定し、メンテナンスの緊急度を高いと判定する。
なお、緊急度は、高い、低いの二値に限ることなく、三段階以上のレベルで段階的に設定できるようにしてもよい。例えば、時間TI1、TI2の度合いに応じて、三段階以上に設定できるようにしてもよい。
制御部52は、詰まり情報を基に、複数の大便器2及び小便器4のいずれかの詰まりを判定し、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定した後、判定した緊急度を表す緊急度情報を出力する。制御部52は、例えば、緊急度情報をメンテナンス担当者端末20に出力する。
図5(a)〜図5(c)は、緊急度の出力の一例を模式的に表す説明図である。
メンテナンス担当者端末20は、例えば、図示を省略した表示部を有する。表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの周知の表示装置である。図5(a)〜図5(c)は、メンテナンス担当者端末20の表示部に表示する画面の一例を模式的に表す。図5(a)は、詰まりが発生していない場合の表示例を模式的に表している。図5(b)は、緊急度の低い詰まりが発生した場合の表示例を模式的に表している。図5(c)は、緊急度の高い詰まりが発生した場合の表示例を模式的に表している。
トイレ管理装置12の制御部52は、緊急度情報をメンテナンス担当者端末20に出力するとともに、複数の便器の使用情報をメンテナンス担当者端末20に出力する。
図5(a)〜図5(c)に表したように、メンテナンス担当者端末20は、トイレ管理装置12から取得した使用情報を基に、複数の便器の使用状況を表示する。なお、図5(a)〜図5(c)では、便宜的に6台の大便器2がトイレ室TRに設置されている例を表している。
図5(b)及び図5(c)に表したように、メンテナンス担当者端末20は、緊急度情報を取得すると、緊急度情報を基に、詰まりの発生した便器を表示するとともに、詰まりの発生した便器のメンテナンスの緊急度を表示する。これにより、メンテナンス担当者端末20は、メンテナンスの緊急度を出力する。換言すれば、メンテナンス担当者端末20は、メンテナンスの緊急度をメンテナンスの担当者に報知する。
このように、メンテナンス担当者端末20は、例えば、使用情報及び緊急度情報の取得に応じて表示部の表示を切り替えることにより、複数の便器の現在の使用状況及び現在の詰まりの状態をリアルタイムに表示する。
メンテナンスの担当者は、緊急度情報をメンテナンス担当者端末20が取得し、詰まりの発生及び緊急度が表示部に表示されたことに応じて、該当する便器のメンテナンスに向かう。この際、メンテナンスの担当者は、緊急度情報の表す緊急度に応じて、すぐにメンテナンスに向かうか、別の業務などを優先した後にメンテナンスに向かうかを判断する。これにより、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12では、トイレ室TRの管理者などに手間をかけさせることなく、メンテナンスの実施を早期にメンテナンスの担当者に促すことができる。また、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12では、緊急度情報を出力することにより、メンテナンスの担当者が実際にメンテナンスを行う時期を判断する際に、メンテナンスの時期に柔軟性を持たせることができる。
なお、緊急度の出力は、メンテナンス担当者端末20の表示部に限定されるものではない。例えば、トイレ管理装置12の表示部(図示は省略)に緊急度を表示することなどにより、緊急度をトイレ管理装置12の管理者などに報知してもよい。例えば、トイレ管理装置12の管理者に緊急度を報知することにより、緊急度に応じたタイミングで、トイレ管理装置12の管理者から電話やメールなどで詰まりのメンテナンスの実施をメンテナンスの担当者に連絡させるようにしてもよい。
図5(a)〜図5(c)では、複数の便器の現在の使用状況及び現在の詰まりの状態をリアルタイムに表示する例を示しているが、緊急度の表示部への表示の態様は、これに限るものではない。緊急度の表示の態様は、例えば、詰まりが発生した場合にのみ、緊急度を表すウィンドウなどを表示部にポップアップ表示する態様などでもよい。詰まりが発生していない場合には、表示部に表示を行わなくてもよい。
また、緊急度の出力の態様は、表示部への表示に限定されるものではない。緊急度の出力は、例えば、音声による出力でもよいし、専用のランプなどを点灯させることによって出力してもよい。
図6は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置によるトイレ管理方法の一例を模式的に表すフローチャートである。
トイレ管理システム10のトイレ管理装置12の制御部52(コンピュータ)は、例えば、トイレ管理プログラム56に基づいて、以下に表すトイレ管理方法の各処理を実行する。但し、以下に表すトイレ管理方法の各処理の一部又は全部は、プログラムを必要としないハードウェアの動作に基づいて実行してもよい。
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程を実行する(図6のステップS101)。また、制御部52は、複数の大便器2及び小便器4の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程を実行する(図6のステップS102)。
なお、使用情報取得工程と詰まり情報取得工程とは、順不同である。上記と反対に、詰まり情報取得工程の後に、使用情報取得工程を実行してもよい。また、詰まり情報取得工程及び使用情報取得工程は、実質的に同時に実行してもよい。換言すれば、詰まり情報取得工程及び使用情報取得工程は、詰まり情報及び使用情報を取得する1つの工程としてもよい。
制御部52は、ネットワーク6及びネットワーク機器18を介して複数のトイレ装置14、16と通信を行うことにより、複数のトイレ装置14、16のそれぞれから詰まり情報及び使用情報を取得する。前述のように、制御部52は、詰まり情報及び使用情報を同時に取得してもよいし、詰まり情報及び使用情報をそれぞれ独立したタイミングで取得してもよい。
制御部52は、使用情報を取得すると、取得した使用情報を記憶部54に記憶させる。制御部52は、詰まり情報を取得すると、詰まり情報を基に、複数の大便器2及び小便器4のいずれかに詰まりが発生したか否かを判定する(図6のステップS103)。
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4のいずれかに詰まりが発生したと判定すると、取得した複数の大便器2及び小便器4の使用情報を基に、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測する混雑状況予測工程を実行する(図6のステップS104)。
制御部52は、図3及び図4で説明したように、例えば、記憶部54に記憶された使用情報を基に、トイレ室TRの過去の混雑状況を求め、トイレ室TRの過去の混雑状況からトイレ室TRの今後の混雑状況を予測する。
制御部52は、トイレ室TRの今後の混雑状況を予測した後、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する緊急度判定工程を実行する(図6のステップS105)。これにより、緊急度が低い場合には、すぐにメンテナンスを行わず、緊急度が高い場合には、すぐにメンテナンスを行うといったように、メンテナンスを行う時期の判断に柔軟性を持たせることができる。トイレ室TRの管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う時期を判断する際に、メンテナンスの緊急度が低い場合には、自身の都合を優先させることなどが可能となる。
制御部52は、例えば、トイレ室TRの今後の混雑状況に基づいて、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する。これにより、便器の詰まりがトイレ室TRの混雑状況に影響を与えてしまうことを抑制することができる。トイレ室TRの管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う時期を判断する際に、トイレ室TRの混雑状況を考慮した柔軟な判断を行うことができる。
また、図3及び図4で説明したように、緊急度判定工程は、詰まりの発生した便器がトイレ室TRの今後の混雑状況に与える影響を判定し、影響が小さい場合に緊急度を低くし、影響が大きい場合に緊急度を高くすることを含む。これにより、便器の詰まりがトイレ室TRの混雑状況に影響を与えてしまうことをより確実に抑制することができる。
制御部52は、緊急度判定工程を実行した後、判定した緊急度を表す緊急度情報を出力する出力工程を実行する(図6のステップS106)。これにより、トイレ室TRに関わる担当者などが、緊急度を容易に確認することができる。トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12の利便性をより向上させることができる。
制御部52は、例えば、緊急度情報をメンテナンス担当者端末20に出力する。メンテナンス担当者端末20は、例えば、緊急度情報の表す緊急度を表示部に表示する。これにより、メンテナンスの担当者に詰まりの発生及び緊急度を伝えることができる。メンテナンスの担当者がメンテナンスを行う時期を判断する際に、メンテナンスを行う時期の判断に柔軟性を持たせることができる。
図7は、制御部の別の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図7に表したように、この例において、制御部52は、詰まりが発生した便器の台数に基づいて、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する。
制御部52は、詰まりの発生した便器の台数が所定台数未満である場合には、トイレ室TRの混雑状況に与える影響が小さいと判定し、メンテナンスの緊急度を低いと判定する。そして、制御部52は、詰まりの発生した便器の台数が所定台数以上である場合には、トイレ室TRの混雑状況に与える影響が大きいと判定し、メンテナンスの緊急度を高いと判定する。このように、緊急度は、トイレ室TRの今後の混雑状況に限ることなく、詰まりの発生した便器の台数に基づいて判定してもよい。なお、図7では、4台を所定台数とした例を一例として表しているが、所定台数は、4台に限ることなく、任意の台数でよい。
図8は、実施形態に係るトイレ管理システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図8に表したように、トイレ管理システム10aは、二階建ての公共施設RFに設置されている。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は、省略する。
公共施設RFは、4つのトイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2bを有している。各トイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2bは、それぞれ複数台の便器を有する。複数台の便器は、前述のように、大便器2でもよいし、小便器4でもよいし、大便器2及び小便器4の双方でもよい。
トイレ管理システム10aは、公共施設RFの階毎に設けられた2台のネットワーク機器18を有する。1階に設けられたネットワーク機器18は、1階のトイレ室TR1a、TR1bのそれぞれに設けれた複数のトイレ装置14、16と通信を行う。同様に、2階に設けられたネットワーク機器18は、2階のトイレ室TR2a、TR2bのそれぞれに設けれた複数のトイレ装置14、16と通信を行う。ネットワーク機器18は、各トイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2b毎に設けてもよいし、1台のネットワーク機器18で各トイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2bのトイレ装置14、16と通信を行ってもよい。
このように、公共施設RFに複数のトイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2bが有る場合、各トイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2bの平均混雑率(平均使用率)は、設置されている位置に応じて各トイレ室TR1a、TR1b、TR2a、TR2b毎に異なる可能性がある。
この場合、制御部52は、詰まりが発生した便器の設置個所に基づいて、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定する。
例えば、1階のトイレ室TR1a、TR1bの平均混雑率が、2階のトイレ室TR2a、TR2bの平均混雑率よりも高いとする。この場合、制御部52は、詰まりの発生した便器が1階のトイレ室TR1a、TR1bである場合には、トイレ室TR1a、TR1bの混雑状況に与える影響が大きいと判定し、メンテナンスの緊急度を高いと判定する。そして、制御部52は、詰まりの発生した便器が2階のトイレ室TR2a、TR2bである場合には、トイレ室TR2a、TR2bの混雑状況に与える影響が小さいと判定し、メンテナンスの緊急度を低いと判定する。
このように、緊急度は、トイレ室TRの今後の混雑状況や詰まりの発生した便器の台数に限ることなく、詰まりが発生した便器の設置個所に基づいて判定してもよい。緊急度は、例えば、便器の詰まり具合に基づいて判定してもよい。便器が完全に詰まっている場合には、詰まり検知センサ30、40が詰まりを検知した後、詰まりの検知状態が維持される。一方、便器が僅かに詰まり、流れが悪くなっている程度である場合には、詰まり検知センサ30、40が詰まりを検知した後、時間の経過に応じて詰まりの検知状態が解除される。そこで、詰まり検知センサ30、40が詰まりを検知した後、所定時間の経過後も詰まり状態が維持されている場合には、緊急度を高くし、詰まり検知センサ30、40が詰まりを検知した後、所定時間の経過後に詰まり状態が解消された場合には、緊急度を低くしてもよい。また、緊急度は、例えば、上記で説明した複数の条件などを組み合わせて判定してもよい。
図9は、実施形態に係るトイレ管理システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図9に表したように、トイレ管理システム10bでは、メンテナンス担当者端末20が、入力部22を有する。入力部22は、緊急度の判定に関する条件の入力に用いられる。緊急度の判定に関する条件とは、例えば、上記の所定時間TP1、TP2、詰まりの発生した便器の台数、及び詰まりが発生した便器の設置個所などである。入力部22には、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどの周知の入力装置が用いられる。
トイレ管理システム10bでは、メンテナンスの担当者が、メンテナンス担当者端末20の入力部22を操作し、緊急度の判定に関する条件を入力することにより、担当者の好みの条件を任意に設定することができる。メンテナンス担当者端末20は、入力部22を介して条件を入力されると、入力された条件を表す条件情報をトイレ管理装置12に送信する。
トイレ管理装置12の制御部52は、メンテナンス担当者端末20から条件情報を受信すると、受信した条件情報を記憶部54に記憶させる。そして、制御部52は、緊急度を判定する際に、記憶部54に記憶された条件情報の表す条件に基づいて、緊急度を判定する。これにより、トイレ管理システム10bでは、メンテナンスの担当者の好みの条件で緊急度の判定を行うことができる。
図10は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置によるトイレ管理方法の一例を模式的に表すフローチャートである。
図10に表したように、この例において、制御部52は、緊急度の判定に関する条件を表す条件情報を取得する条件情報取得工程を実行する(図10のステップS201)。制御部52は、上記のように、メンテナンス担当者端末20から条件情報を受信し、受信した条件情報を記憶部54に記憶させる。
制御部52は、ステップS206の緊急度判定工程において、記憶部54に記憶した条件情報の条件に基づいて緊急度を判定する。なお、ステップS202〜ステップS207の動作は、条件情報の条件に基づいて緊急度を判定する点を除いて、図6に関して説明したステップS101〜ステップS106の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
このように、トイレ管理システム10bでは、メンテナンスの担当者が、条件情報を入力することで、メンテナンスの緊急度を判定するための条件を任意に設定することができる。これにより、メンテナンスの担当者などの多様なニーズに合わせたメンテナンスの緊急度の判定を行うことが可能となる。
なお、条件情報取得工程を実行するタイミングは、上記に限ることなく、任意のタイミングでよい。条件情報取得工程は、例えば、使用情報取得工程の後に行ってもよい。
また、この例では、メンテナンス担当者端末20から条件情報を入力しているが、これに限ることなく、例えば、トイレ管理装置12に入力部を設けることにより、トイレ管理装置12から条件情報を入力してもよい。これにより、トイレ室TRの管理者が、条件情報を入力することで、メンテナンスの緊急度を判定するための条件を任意に設定することができる。トイレ室TRの管理者などの多様なニーズに合わせたメンテナンスの緊急度の判定を行うことが可能となる。
上記各実施形態では、トイレ管理装置12に設けられた通信部50を情報取得部として示している。情報取得部は、例えば、複数のトイレ装置14、16から詰まり情報及び使用情報を取得するデータサーバなどでもよい。トイレ管理装置12は、データサーバから詰まり情報及び使用情報を取得してもよい。また、例えば、トイレ管理装置12がトイレ室TR内やトイレ室TRの近傍などに設置される場合などには、詰まり検知センサ30、40や使用検知センサ32、42を情報取得部としてもよい。すなわち、トイレ管理装置12は、ネットワーク6などを介することなく、詰まり情報及び使用情報を直接的に取得してもよい。
また、上記各実施形態では、トイレ管理装置12に設けられた通信部50を情報取得部とし、トイレ管理装置12に設けられた制御部52を緊急度判定部として示している。情報取得部及び緊急度判定部は、必ずしも同じ装置内に設けられていなくてもよい。例えば、上記のように、データサーバに情報取得部を設け、トイレ管理装置12に緊急度判定部を設けてもよい。情報取得部及び緊急度判定部は、ネットワーク6などを介して通信可能に接続される複数の装置に分散させて配置してもよい。情報取得部及び緊急度判定部の構成は、上記に限ることなく、これらの機能を満足し得る任意の構成でよい。
以上説明した実施形態に基づくトイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラムとして、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理方法であって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、前記詰まり情報を基に、前記複数の便器のいずれかの詰まりを判定した際に、詰まりが発生した前記便器のメンテナンスの緊急度を判定する緊急度判定工程と、を有することを特徴とするトイレ管理方法である。
このトイレ管理方法によれば、緊急度が低い場合には、すぐにメンテナンスを行わず、緊急度が高い場合には、すぐにメンテナンスを行うといったように、メンテナンスを行う時期の判断に柔軟性を持たせることができる。トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う時期を判断する際に、メンテナンスの緊急度が低い場合には、自身の都合を優先させることなどが可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の今後の混雑状況を予測する混雑状況予測工程と、をさらに有し、前記緊急度判定工程は、前記トイレ室の今後の混雑状況に基づいて、詰まりが発生した前記便器のメンテナンスの前記緊急度を判定することを特徴とするトイレ管理方法である。
このトイレ管理方法によれば、トイレ室の今後の混雑状況に基づいて、詰まりが発生した便器のメンテナンスの緊急度を判定することにより、便器の詰まりがトイレ室の混雑状況に影響を与えてしまうことを抑制することができる。トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う時期を判断する際に、トイレ室の混雑状況を考慮した柔軟な判断を行うことができる。
第3の態様は、第2の態様において、前記緊急度判定工程は、詰まりの発生した前記便器が前記トイレ室の今後の混雑状況に与える影響を判定し、前記影響が小さい場合に前記緊急度を低くし、前記影響が大きい場合に前記緊急度を高くすることを特徴とするトイレ管理方法である。
このトイレ管理方法によれば、トイレ室の今後の混雑状況に与える影響が小さい場合に緊急度を低くし、影響が大きい場合に緊急度を高くすることにより、便器の詰まりがトイレ室の混雑状況に影響を与えてしまうことをより確実に抑制することができる。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様において、前記緊急度の判定に関する条件を表す条件情報を取得する条件情報取得工程をさらに有し、前記緊急度判定工程は、前記条件情報の前記条件に基づいて前記緊急度を判定することを特徴とするトイレ管理方法である。
このトイレ管理方法によれば、トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などが、条件情報を入力することで、メンテナンスの緊急度を判定するための条件を任意に設定することができる。これにより、トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などの多様なニーズに合わせたメンテナンスの緊急度の判定を行うことが可能となる。
第5の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理システムであって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する情報取得部と、前記詰まり情報を基に、前記複数の便器のいずれかの詰まりを判定した際に、詰まりが発生した前記便器のメンテナンスの緊急度を判定する緊急度判定部と、を備えたことを特徴とするトイレ管理システムである。
このトイレ管理システムによれば、緊急度が低い場合には、すぐにメンテナンスを行わず、緊急度が高い場合には、すぐにメンテナンスを行うといったように、メンテナンスを行う際の判断に柔軟性を持たせることができる。トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う際に、メンテナンスの緊急度が低い場合には、自身の都合を優先させることなどが可能となる。
第6の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理装置であって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する情報取得部と、前記詰まり情報を基に、前記複数の便器のいずれかの詰まりを判定した際に、詰まりが発生した前記便器のメンテナンスの緊急度を判定する緊急度判定部と、を備えたことを特徴とするトイレ管理装置である。
このトイレ管理装置によれば、緊急度が低い場合には、すぐにメンテナンスを行わず、緊急度が高い場合には、すぐにメンテナンスを行うといったように、メンテナンスを行う際の判断に柔軟性を持たせることができる。トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う際に、メンテナンスの緊急度が低い場合には、自身の都合を優先させることなどが可能となる。
第7の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するためのトイレ管理プログラムであって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、前記詰まり情報を基に、前記複数の便器のいずれかの詰まりを判定した際に、詰まりが発生した前記便器のメンテナンスの緊急度を判定する緊急度判定工程と、を、コンピュータに実行させることを特徴とするトイレ管理プログラムである。
このトイレ管理プログラムによれば、緊急度が低い場合には、すぐにメンテナンスを行わず、緊急度が高い場合には、すぐにメンテナンスを行うといったように、メンテナンスを行う際の判断に柔軟性を持たせることができる。トイレ室の管理者やメンテナンスの担当者などがメンテナンスを行う際に、メンテナンスの緊急度が低い場合には、自身の都合を優先させることなどが可能となる。
なお、トイレ管理プログラムは、上述の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態(コンピュータに設けられた形態)に限ることなく、コンピュータに読み取り可能な記録媒体の形態であってもよい。記録媒体としては、例えば、CD-ROM(-R/-RW)、光磁気ディスク、HD(ハードディスク)、DVD-ROM(-R/-RW/-RAM)、FD(フレキシブルディスク)、フラッシュメモリ、メモリカード、メモリスティック、及び、その他各種ROM、RAM等を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。