以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.個人間現金取引システムの全体構成]
まず図1に示すシステム構成図を用いて、第1の実施の形態による個人間現金取引システム1の全体構成について説明する。この個人間現金取引システム1は、個人間での現金取引サービスを実現するシステムである。本実施の形態でいう、現金取引サービスとは、例えば、手元に現金が欲しいユーザ(Aさんとする)に対して、現金を持ち合わせているユーザ(Bさんとする)を引き合わせることで、BさんからAさんに現金を手渡してもらうとともに、Aさんの口座からBさんの口座へ、BさんがAさんに手渡した金額(例えば5万円)+手数料(例えば300円)に相当する報酬金額を振り替えるサービスである。尚、ここでは、現金を受け取る側のユーザ(つまりAさん)を取引依頼者と呼び、現金を手渡す側のユーザ(つまりBさん)を取引応諾者と呼ぶ。
この個人間現金取引システム1は、取引依頼者(Aさん)が有する第1の端末としての通信端末2と、取引応諾者(Bさん)が有する第2の端末としての通信端末3と、現金取引サービスを管理する取引管理サーバ4と、この現金取引サービスと提携している銀行(以下、サービス提携銀行と呼ぶ)を運営管理している金融システム5とで構成されている。この個人間現金取引システム1では、通信端末2と、通信端末3と、取引管理サーバ4とが、インターネットなどのネットワークNtを介して接続可能となっていて、また取引管理サーバ4と金融システム5とが、ネットワークNtを介して接続可能となっている。個人間現金取引システム1の全体構成は、以上のようになっている。
つづけて、この個人間現金取引システム1により実現される現金取引サービスの大まかな流れについて、図2に示すイメージ図を用いて簡単に説明する。ここでは、現金取引サービス用の口座(以下、サービス用口座と呼ぶ)と、取引希望者の口座と、取引応諾者の口座とが、サービス提携銀行に予め開設されていて、且つ取引希望者に関する情報(取引希望者の個人IDと口座情報など)と、取引応諾者に関する情報(取引応諾者の個人IDと口座情報など)とが、サービス登録者情報として取引管理サーバ4に登録されていることを前提とする。さらに、取引希望者(Aさん)が有する通信端末2と、取引応諾者(Bさん)が有する通信端末3には、それぞれ現金取引サービスにより提供されるアプリケーション(以下、サービスアプリと呼ぶ)がインストールされているとする。
この現金取引サービスでは、Aさんが通信端末2のサービスアプリ上で例えば「出金、5万円」と依頼する。するとAさんの通信端末2から取引管理サーバ4に、5万円の出金依頼と、取引依頼者の個人IDと、通信端末2の位置情報とが送信される。取引管理サーバ4では、金融システム5にアクセスして、Aさんから依頼された5万円と、現金取引サービスを利用するのに必要な手数料(ここでは例えば400円とする)との合算金額である5万400円を、Aさんの口座から、現金取引サービス用の口座に振り替える処理を行う。尚、この手数料は、現金取引サービス側が受け取る手数料(例えば100円)と、取引応諾者(Bさん)側が受け取る手数料(例えば300円)とを合算したものである。またこのとき取引管理サーバ4では、台帳データベースに、Aさんの口座から5万400円を現金取引サービス用の口座に振り替えたことを示す台帳データを記録する。振り替え完了後、Aさんの通信端末2では、5万円の現金を受け取る際に必要となるQRコード(登録商標)が表示される。このQRコードには、Aさんの口座から5万400円を現金取引サービス用の口座に振り替えたことを示す(つまり今回の現金取引を示す)台帳データを識別する為の取引番号が書き込まれている。
ここで、取引管理サーバ4は、Aさんの通信端末2から得られる位置情報をもとに通信端末2の位置(つまりAさんの位置)を特定して、Aさんの周囲所定範囲内(例えば半径30メートル圏内)に位置する通信端末3(Bさんの通信端末3)に、現金5万円を必要とする人がいてこの人に現金5万円を渡してくれたら5万円+手数料300円を支払う旨を通知する。尚、取引管理サーバ4は、通信端末3から定期的に送信されてくる位置情報をもとに通信端末3の位置も特定できるようになっている。またここでは、説明を簡単にする為に、Aさんの周囲所定範囲内にBさんの通信端末3だけが存在するとしているが、Aさんの周囲所定範囲内に複数の通信端末3が存在する場合、取引管理サーバ4は、それぞれの通信端末3に対して、Aさんからの依頼を通知する。
たまたま5万円の現金を持ち合わせていたBさんは、通信端末3のサービスアプリ上でAさんからの依頼の通知を確認すると、サービスアプリ上でこの依頼に対して応諾する。すると、Bさんの通信端末3は、Aさんからの依頼に応諾した旨を、取引管理サーバ4に送信する。
取引管理サーバ4は、Aさんの通信端末2の位置情報と、Bさんの通信端末3の位置情報とをもとに、Aさんの位置をBさんの通信端末3に通知する。Bさんは、通信端末3のサービスアプリ上で、Aさんの位置を確認して、Aさんの場所へと向かう。ここで、AさんとBさんとが対面することになる。
Aさんと対面したBさんは、まずBさんの通信端末3で、Aさんの通信端末2に表示されているQRコードを読み取り、このQRコードに書き込まれている取引番号を、通信端末3に記憶されているBさんの個人IDとともに、取引管理サーバ4に送信する。
取引管理サーバ4は、通信端末3から受信した取引番号に対応する台帳データを、台帳データベースから取得する。この台帳データには、Aさんの口座から5万400円を現金取引サービス用の口座に振り替えたことが示されている。ここで、取引管理サーバ4は、5万400円から現金取引サービス側の手数料100円を引いた残りの5万300円を、現金取引サービス用の口座からBさんの口座に振り替える準備を行う。
一方で、QRコードを読み取った後、BさんはAさんに現金5万円を手渡す。ここで、Aさんは、通信端末2のサービスアプリ上で、現金5万円の受け取りが完了したことを入力する。すると、Aさんの通信端末2は、取引管理サーバ4に、現金の受け取りが完了した旨を通知する。またBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で、現金5万円の手渡しが完了したことを入力する。すると、Bさんの通信端末3は、取引管理サーバ4に、現金の手渡しが完了した旨を通知する。取引管理サーバ4は、Aさんの通信端末2から、現金の受け取りが完了した旨の通知を受信するとともに、Bさんの通信端末3から、現金の手渡しが完了した旨の通知を受信すると、5万300円を、現金取引サービス用の口座からBさんの口座に振り替える処理を行う。現金取引サービスの大まかな流れは以上のようになっている。
[1−2.個人間現金取引システムを構成する各部の機能構成]
次に、個人間現金取引システム1を構成する各部の機能構成について説明する。まず図3に示すブロック図を用いて、取引希望者(例えばAさん)が有する通信端末2の機能構成について説明する。
通信端末2は、図中省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどの記憶デバイスと、ネットワークNtを介して通信可能なネットワークインタフェースと、操作表示デバイスとしてのタッチパネルと、GPS(Global Positioning System)とをハードウェアとして有するスマートフォンであり、記憶部に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより各種機能を実現するようになっている。
具体的にこの通信端末2は、機能構成として、アプリ処理部20と、OS(Operating System)処理部21とを有している。アプリ処理部20は、取引希望者用のサービスアプリとして機能する機能部であり、第1の送信部及び第1の受信部としての通信部22と、操作部23と、表示部24と、位置情報取得部25とを有している。このアプリ処理部20は、CPUがサービスアプリを実行することにより実現される機能部である。尚、アプリ処理部20による情報の送受信はネットワークインタフェースを介して行われ、操作入力と情報の表示はタッチパネルを介して行われる。
通信部22は、ネットワークNtを介して、各種情報を取引管理サーバ4に送信したり、取引管理サーバ4から送信されてくる各種情報を受信したりする。操作部23は、取引希望者による各種操作入力を受け付ける。表示部24は、アプリ画面やQRコードなどを表示する。位置情報取得部25は、GPSモジュールにより通信端末2の位置情報を取得する。
OS処理部21は、通信端末2のハードウェアとアプリケーションの動作を管理するOSとして機能する機能部である。取引希望者が有する通信端末2の機能構成は、以上のようになっている。
つづけて図4に示すブロック図を用いて、取引応諾者が有する通信端末3の機能構成について説明する。通信端末3は、図中省略するが、CPUと、RAM、ROM、不揮発性メモリなどの記憶部と、ネットワークNtを介して通信可能なネットワークインタフェースと、操作表示デバイスとしてのタッチパネルと、カメラと、GPSモジュールとをハードウェアとして有するスマートフォンであり、記憶部に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより各種機能を実現するようになっている。
具体的にこの通信端末3は、機能構成として、アプリ処理部30と、OS処理部31とを有している。アプリ処理部30は、取引応諾者用のサービスアプリとして機能する機能部であり、第2の送信部及び第2の受信部としての通信部32と、操作部33と、表示部34と、読取部としてのQRコード読取部35と、位置情報取得部36とを有している。このアプリ処理部30は、CPUがサービスアプリを実行することにより実現される機能部である。尚、アプリ処理部30による情報の送受信はネットワークインタフェースを介して行われ、操作入力と情報の表示はタッチパネルを介して行われる。
通信部32は、ネットワークNtを介して、各種情報を取引管理サーバ4に送信したり、取引管理サーバ4から送信されてくる各種情報を受信したりする。操作部33は、取引応諾者による各種操作入力を受け付ける。表示部34は、アプリ画面などを表示する。QRコード読取部35は、取引依頼者の通信端末2に表示されたQRコードをカメラで読み取り、このQRコードから取引番号を取得する。位置情報取得部36は、GPSモジュールにより通信端末3の位置情報を取得する。
OS処理部31は、通信端末3のハードウェアとアプリケーションの動作を管理するOSとして機能する機能部である。取引応諾者が有する通信端末3の機能構成は、以上のようになっている。
つづけて図5に示すブロック図を用いて、取引管理サーバ4の機能構成について説明する。取引管理サーバ4は、図中省略するが、CPUと、RAM、ROM、不揮発性メモリなどの記憶デバイスと、ネットワークNtを介して通信可能なネットワークインタフェースとをハードウェアとして有するサーバであり、記憶デバイスに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより各種機能を実現するようになっている。
具体的にこの取引管理サーバ4は、機能構成として、サービス処理部40と、OS処理部41とを有している。サービス処理部40は、現金取引サービスの中心的な役割を担う機能部であり、第1の処理部としての依頼受付部42と、手数料計算部43と、第5の処理部としての資金移動部44と、QRコード生成部45と、第2乃至第4の処理部としての代行依頼部46と、結果処理部47とを有している。またサービス処理部40は、口座情報記憶部としてのサービス登録者データベースDb1と、台帳データ記憶部としての台帳データベースDb2とを有している。サービス登録者データベースDb1には、サービス登録者ごとのサービス登録者情報が登録されている。サービス登録者情報には、個人IDと口座情報(口座名義、支店番号、口座番号など)が記述されている。このサービス登録者データベースDb1には、Aさんの個人IDと口座情報(第1の口座情報)、Bさんの個人IDと口座情報(第2の口座情報)が、それぞれサービス登録者情報として登録されている。台帳データベースDb2については後述する。このサービス処理部40は、CPUがプログラムを実行することにより実現される機能部である。尚、サービス処理部40による情報の送受信はネットワークインタフェースを介して行われる。
依頼受付部42は、取引依頼者の通信端末2との間で、取引依頼に関する各種情報の遣り取りを行う。具体的には、この依頼受付部42は、取引依頼者の通信端末2から送られてくる取引依頼情報(例えば5万円の出金依頼を示す情報)と、取引依頼者の個人IDと、通信端末2の位置情報とを受信すると、今回依頼された現金取引(出金)を識別する為の取引識別情報である取引番号を発行して、この取引番号と、受信した取引依頼情報と、通信端末2の位置情報と、取引依頼者のサービス登録者情報(個人ID及び口座番号)をもとに台帳データを生成して、これを台帳データベースDb2に登録する。
台帳データベースDb2に登録される台帳データは、依頼された現金取引の履歴となるデータであり、例えば図6に示すように、「取引番号」、「依頼種別」、「依頼金額」、「手数料」、「報酬金額」、「取引依頼者ID」、「取引依頼者口座情報」、「取引依頼者位置」、「取引応諾者ID」、「取引応諾者口座情報」、「振替フラグ」、「受取フラグ」、「手渡しフラグ」の13項目で構成されている。このうち、「取引番号」には、取引依頼者からの依頼ごとに発行される取引番号が記述される。「依頼種別」は、取引依頼情報に含まれる依頼種別として出金または入金が記述される。尚、本実施の形態では、「依頼種別」には出金(つまり取引依頼者が手元に欲しい現金を取引応諾者から受け取ること)が記述される。「依頼金額」には、取引依頼情報に含まれる依頼金額(例えば5万円)が記述される。「手数料」は、依頼の実行に必要な手数料(例えば現金取引サービス側の手数料100円+取引応諾者側の手数料300円=400円)が記述される。「報酬金額」は、取引応諾者に支払われる報酬金額(例えば5万300円)が記述される。「取引依頼者ID」には、取引依頼者の個人IDが記述される。「取引依頼者口座情報」には、取引依頼者の口座情報が記述される。「取引依頼者位置」には、取引依頼者の通信端末2から得られる位置情報が記述される。「取引応諾者ID」には、取引応諾者の個人IDが記述される。「取引応諾者口座情報」には、取引応諾者の口座情報が記述される。
「振替フラグ」には、報酬金額を取引依頼者の口座から現金取引サービス用の口座に振り替えたか否かを示す振替フラグが記述される。この振替フラグは、例えば、未振替であれば『0』、振替済みであれば『1』に設定される。「受取フラグ」には、取引依頼者が取引応諾者から現金を受け取ったか否かを示す受取フラグが記述される。この受取フラグは、例えば、未受取であれば『0』、受取済みであれば『1』に設定される。「手渡しフラグ」には、取引応諾者が取引依頼者に現金を手渡したか否かを示す手渡しフラグが記述される。この手渡しフラグは、例えば、未手渡しであれば『0』、手渡し済みであれば『1』に設定される。
依頼受付部42が台帳データを生成したときには、これら13項目のうち、「取引番号」、「依頼種別」、「依頼金額」、「取引依頼者ID」、「取引依頼者口座番号」のみが記述され、また「振替フラグ」と「受取フラグ」と「手渡しフラグ」には『0』が記述される。
手数料計算部43は、今回の依頼の実行に必要な手数料を計算する。この手数料は、現金取引サービス側が受け取る固定の手数料(例えば100円)と、取引応諾者側が受け取る変動する手数料(例えば300円)との合算金額となっていて、少なくとも、現金取引サービス側が受け取る手数料(例えば100円)以上の金額に設定されるようになっている。手数料計算部43は、例えば、台帳データベースDb2から、現金の受け渡しが完了している台帳データで1番新しい台帳データを参照して、この台帳データに記述されている手数料と同額(例えば100円+300円=400円)を、今回の手数料とする。またこれに限らず、例えば、受け渡しが行われなかった台帳データで1番新しい台帳データを参照して、この台帳データに記述されている手数料(100円+200円=300円)に、所定金額(例えば100円)を足した金額(例えば400円)を、今回の手数料とするなどしてもよい。このように、手数料計算部43は、台帳データベースDb2に登録されている台帳データに記述されている過去の手数料をもとに、今回の手数料を計算するようになっている。
さらに手数料計算部43は、このようにして得られた今回の手数料を、今回の依頼に対応する台帳データに「手数料」として記述する。さらに手数料計算部43は、依頼金額(例えば5万円)+取引応諾者側の手数料(例えば300円)を、今回の依頼を応諾する取引応諾者に支払われる報酬金額(例えば5万300円)として、これを台帳データに「報酬金額」として記述する。尚、手数料計算部43により計算された手数料(例えば400円)は、依頼受付部42により取引依頼者の通信端末2に通知され、取引依頼者に確認を取るようになっている。
資金移動部44は、手数料計算部43による手数料の計算が終了した後、金融システム5にアクセスして、台帳データに記述されている「依頼金額」と「手数料」との合算金額を、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替える処理を行う。また資金移動部44は、振替完了後、今回の依頼に対応する台帳データの「振替フラグ」を『0』から『1』に変更する。さらに資金移動部44は、取引依頼者の通信端末2と取引応諾者の通信端末3のそれぞれから現金の受け渡しが完了した旨の通知を受けた後、金融システム5にアクセスして、台帳データに記述されている「報酬金額」を、現金取引サービス用の口座から取引応諾者の口座に振り替える処理を行う。
QRコード生成部45は、依頼受付部42により発行された取引番号をもとに、QRコードを生成する。このようにして生成されたQRコードは、依頼受付部42により取引依頼者の通信端末2に送信される。
代行依頼部46は、取引応諾者の通信端末3との間で、取引依頼を応諾するのに必要な各種情報の遣り取りを行う。具体的には、この代行依頼部46は、台帳データベースDb2に登録されている今回の取引に対応する台帳データを参照して、今回取り引きを依頼してきた取引依頼者(例えばAさん)の通信端末2の位置情報を取得する。さらに代行依頼部46は、取得した通信端末2の位置情報と、サービス登録者の通信端末3から定期的に送信されてくる通信端末3の位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2の周囲所定範囲(例えば半径30メートル)内に位置する例えばBさんの通信端末3に、取引依頼者からの依頼を示す取引依頼情報と報酬金額を示す報酬金額情報とを送信する。
さらに代行依頼部46は、Bさんの通信端末3から依頼に応諾する旨を示す依頼応諾情報を受信すると、この通信端末3に、取引依頼者(Aさん)の通信端末2の位置情報を送信する。これにより、取引応諾者(Bさん)が取引依頼者(Aさん)の場所へと向かい、取引応諾者と取引依頼者とが対面することになる。尚、代行依頼部46が、通信端末3から通信端末2までの距離と所要時間を算出して、これらを通信端末2の位置情報とともに、通信端末3に送信するなどしてもよい。
その後、代行依頼部46は、取引応諾者の通信端末3から、取引応諾者の個人IDと、QRコードから得られた取引番号を受信すると、今回の依頼に対応する台帳データに、「取引応諾者ID」と「取引応諾者口座情報」とを記述する。またこのとき、代行依頼部46は、通信端末3から受信した個人IDが、取引応諾者であるBさんの個人IDであり、取引依頼者(Aさん)からの現金振替が完了していることから、取引応諾者(Bさん)の通信端末3に、対面している人物(Aさん)に現金を手渡してもよい旨を通知する。
その後、代行依頼部46は、取引応諾者の通信端末3から現金の手渡しが完了した旨の通知を受けると、今回の依頼に対応する台帳データの「手渡しフラグ」を『0』から『1』に変更する。また同様に、依頼受付部42は、取引依頼者の通信端末2から現金の受け取りが完了した旨の通知を受けると、今回の依頼に対応する台帳データの「受取フラグ」を『0』から『1』に変更する。
結果処理部47は、資金移動部44により、今回の依頼に対応する台帳データに記述されている「報酬金額」を、現金取引サービス用の口座から取引応諾者の口座に振り替える処理が完了すると、取引応諾者への支払いが完了した旨(つまり今回の依頼に対する処理が全て完了した旨)を、取引依頼者の通信端末2と、取引応諾者の通信端末3とに通知する。取引管理サーバ4の構成は以上のようになっている。
つづけて図7に示すブロック図を用いて、金融システム5の機能構成について説明する。尚、金融システム5は既存のシステムを採用することができる為、ここでは詳しい説明は省略する。簡単に説明すると、金融システム5は、オープンAPI50を備えていて、このオープンAPI50を介して取引管理サーバ4と連携することにより、現金取引サービス用の口座、取引依頼者の口座、取引応諾者の口座に対する各種取引を実行するようになっている。金融システム5の機能構成は以上のようになっている。
[1−3.個人間現金取引システムの動作]
次に、個人間現金取引システム1の動作について、図8、図9に示すシーケンスチャートを用いて説明する。尚、ここでは、一例として、サービス登録者としてのAさんが現金の出金を依頼し、この依頼を、サービス登録者としてのBさんが応諾する場合の動作について説明する。尚、取引管理サーバ4のサービス登録者データベースDb1には、AさんとBさんのサービス登録者情報(個人IDと口座情報など)が登録されているとする。
まずAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で例えば「出金、5万円」と依頼する。すると、ステップSP1において、通信端末2の通信部22は、5万円の出金依頼を示す取引依頼情報と、Aさんの個人IDと、通信端末2の位置情報とを、取引管理サーバ4に送信する。
通信端末2から取引依頼情報と、個人IDと、位置情報とを受信すると、ステップSP2において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、取引番号を発行して、この取引番号と、受信した取引依頼情報と、位置情報と、Aさんのサービス登録者情報(個人ID及び口座番号)をもとに、今回の依頼に対応する台帳データを生成して、これを台帳データベースDb2に登録する。尚、このとき台帳データの「依頼種別」には出金と記述される。
ステップSP3において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、手数料計算部43に、今回の依頼に対する手数料を計算するよう依頼する。ここで、手数料計算部43は、例えば、台帳データベースDb2に登録されている、過去の台帳データをもとに手数料(例えば400円)を計算して、この手数料と、今回の報酬金額(依頼金額5万円+手数料400円−現金取引サービス側が受け取る手数料100円=5万300円)を、今回の依頼に対応する台帳データに記述するとともに、依頼受付部42に通知する。
ステップSP4において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、今回の依頼に必要な手数料(例えば400円)を、取引依頼者であるAさんの通信端末2に通知する。ここでAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で手数料を確認したうえで了解する。すると、ステップSP5において、通信端末2の通信部22は、手数料を了解した旨を、取引管理サーバ4に通知する。
手数料を了解した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP6において、今回の依頼金額(例えば5万円)と、手数料(例えば400円)との合算金額(例えば5万400円)を、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替えるよう、資金移動部44に依頼する。ここで、資金移動部44は、指定された金額(例えば5万400円)を、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替える振替依頼を、金融システム5に送信する。
金融システム5のオープンAPI50は、取引管理サーバ4から振替依頼を受信すると、ステップSP7において、受信した振替依頼に応じた振替処理を実行する。つまり、オープンAPI50は、5万400円を、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替える振替処理を実行する。振替処理が完了すると、オープンAPI50は、ステップSP8において、取引管理サーバ4に、振替完了を通知する。
振替完了の通知を受けると、取引管理サーバ4の資金移動部44は、ステップSP9において、今回の依頼に対応する台帳データの「振替フラグ」を『0』から『1』に変更する。さらに資金移動部44は、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座への振り替えが完了した旨を、依頼受付部42に通知する。振り替えが完了した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP10において、今回の依頼を示す取引番号が書き込まれたQRコードを生成するよう、QRコード生成部45に依頼する。ここで、QRコード生成部45は、取引番号が書き込まれたQRコードを生成し、生成したQRコードを依頼受付部42に送る。
QRコードを受け取ると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP11において、依頼の受け付けが完了した旨とQRコードとを、取引依頼者であるAさんの通信端末2に送信する。通信端末2の通信部22は、QRコードを受信すると、ステップSP12において、これを表示部24に表示させる。
つづくステップSP13において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、今回の依頼を示す取引依頼情報と取引番号を、代行依頼部46に送るとともに、今回の依頼を応諾してくれる取引応諾者の確保を、代行依頼部46に依頼する。ここで、代行依頼部46は、台帳データベースDb2から、今回の依頼を示す取引番号を持つ台帳データを参照して、この台帳データから、取引依頼者であるAさんの通信端末2の位置情報と、今回の依頼に対する報酬金額(5万300円)とを取得する。さらに代行依頼部46は、取得した通信端末2の位置情報と、サービス登録者の通信端末3から定期的に送信されてくる通信端末3の位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2の周囲所定範囲内(例えば半径30メートル圏内)に位置する通信端末3(例えばBさんの通信端末)を特定する。つづくステップSP14において、代行依頼部46は、この通信端末3に、今回の依頼(例えば現金5万円)を示す取引依頼情報と報酬金額(例えば5万300円)を示す報酬金額情報とを送信する。
ここでBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で今回の依頼と報酬金額を確認したうえで、今回の依頼を応諾する。すると、ステップSP15において、通信端末3の通信部32は、依頼を応諾した旨を示す依頼応諾情報を、取引管理サーバ4に送信する。
ところで、ここでは、Aさんの周囲所定範囲内にBさんがいて、BさんがAさんからの依頼を応諾してくれた場合について述べたが、例えば、Aさんの周囲所定範囲内に、サービス登録者が1人もいない場合も有り得る。この場合、図8のシーケンスチャートには記載していないが、取引管理サーバ4の代行依頼部46が、探索範囲を例えば半径30メートル圏内から半径40メートル圏内まで広げて、サービス登録者を探すようにしてもよい。このようにすれば、Aさんの依頼を応諾してくれるサービス登録者が見付かる可能性が高まる。またこのとき代行依頼部46が、探索範囲を30メートル圏内から40メートル圏内に広げた旨を手数料計算部43に通知して、手数料計算部43が、探索範囲を広げたことに応じて、手数料を例えば400円から500円に値上げするとともに、報酬金額を5万300円から5万400円に値上げするようにしてもよい。尚、このようにして手数料を変更した場合には、取引管理サーバ4の依頼受付部42が、取引依頼者(Aさん)の通信端末2に変更後の手数料を送信して確認してもらうようにすればよい。
また一方で、Aさんの周囲所定範囲内にBさんしかおらず、このBさんがAさんからの依頼を応諾してくれなかった場合も有り得る。この場合、図8のシーケンスチャートには記載していないが、取引管理サーバ4の代行依頼部46が、今回の依頼に対する報酬金額を値上げするよう手数料計算部43に依頼するようにしてもよい。この場合、手数料計算部43は、手数料を例えば400円から600円に値上げすることで、報酬金額を5万300円から5万500円に値上げする。代行依頼部46は、取引依頼情報と、値上げ後の報酬金額(例えば5万500円)を、再度、Bさんの通信端末3に送信する。このようにすれば、BさんがAさんからの依頼を応諾してくれる可能性が高まる。尚、この場合も、取引依頼者(Aさん)に、変更後の手数料を確認してもらうようにすればよい。
さらにこのようにしても取引応諾者を見付けることができない場合も有り得る。この場合、図8のシーケンスチャートには記載していないが、取引管理サーバ4の代行依頼部46が、取引応諾者を見付けることができなかった旨を依頼受付部42に通知する。依頼受付部42は、依頼を応諾してくれる人物が見つからない為に今回の取引を中止する旨を、取引依頼者(Aさん)の通信端末2に通知する。またこのとき、依頼受付部42は、現金取引サービス用の口座から取引依頼者(Aさん)の口座へ資金を戻す旨を、資金移動部44に通知する。この結果、現金取引サービス用の口座から取引依頼者(Aさん)の口座へ資金が戻される。
ここで図9のシーケンスチャートに移る。取引管理サーバ4の代行依頼部46は、Bさんの通信端末3から依頼応諾情報を受信すると、ステップSP16において、取引依頼者であるAさんの通信端末2の位置情報を、取引応諾者となったBさんの通信端末3に送信する。
ここでBさんは、通信端末3のサービスアプリ上でAさんの通信端末2の位置情報を確認して、Aさんの場所へと向かう。ところで、GPSモジュールなどから得られる位置情報は数メートル単位の誤差が出る為、Aさんの通信端末2の位置情報(もしくは位置情報と距離と所要時間)だけで、BさんがAさんの場所まで向かうのは難しい。そこで、例えば、依頼時に、Aさんの位置を補足する位置補足情報(例えば「**駅の改札前にいる」、「赤い帽子をかぶっている」などの情報)をAさんに入力してもらい、この位置補足情報を、通信端末2が、依頼取引依頼情報と、個人IDと、位置情報とともに、取引管理サーバ4に送信するようにする。そして、BさんによりAさんの依頼が応諾された際に、取引管理サーバ4の代行依頼部46が、Bさんの通信端末3に、Aさんの通信端末2の位置情報にくわえて、この位置補足情報を送信するようにしてもよい。このようにすれば、Bさんは、Aさんの通信端末2の位置情報と、位置補足情報をもとに、Aさんの場所へと向かうことができる。またこれに限らず、例えば、通信端末2のアプリ処理部20と、通信端末3のアプリ処理部30に、Bluetooth(登録商標)を利用した近距離チャットアプリを追加する。そして取引応諾者となったBさんがこの近距離チャットアプリを利用して取引依頼者であるAさんとメッセージを遣り取りすることでAさんの位置を特定するなどしてもよい。
Aさんの場所までたどり着いたBさんは、Aさんの通信端末2に表示されているQRコードを通信端末3のカメラで撮影する。ステップSP17において、通信端末3のQRコード読取部35は、撮影画像からQRコードを読み取り、さらにこのQRコードから今回の依頼を示す取引番号を取得する。つづくステップSP18において、通信端末3の通信部32は、Bさんの個人IDと、QRコード読取部35によってQRコードから取得された取引番号とを、取引管理サーバ4に送信する。
取引管理サーバ4の代行依頼部46は、取引応諾者であるBさんの個人IDと、QRコードから得られた取引番号を受信すると、ステップSP19において、台帳データベースDb2に登録されている台帳データのうち、受信した取引番号を持つ台帳データ(つまり今回の依頼に対応する台帳データ)に、Bさんの個人IDと口座情報(サービス登録者データベースDb1から取得)とを「取引応諾者ID」と「取引応諾者口座情報」として追記する。
つづくステップSP20において、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、通信端末3から受信した取引番号が正常であり、取引依頼者(Aさん)からの現金振替が完了していることから、取引応諾者であるBさんの通信端末3に、対面している人物(Aさん)に現金を手渡してもよい旨を通知する。ここでBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で、対面している人物(Aさん)に現金を手渡してもよい旨を確認して、現金5万円をAさんに手渡す。
Bさんから現金を受け取ったAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で現金を受け取った旨を入力する。すると、ステップSP21において、通信端末2の通信部22は、依頼取引者(Aさん)が現金を受け取った旨を、取引管理サーバ4に通知する。依頼取引者(Aさん)が現金を受け取った旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP22において、今回の依頼に対応する台帳データの「受取フラグ」を『0』から『1』に変更する。
またこのときBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で現金を手渡した旨を入力する。すると、ステップSP23において、通信端末3の通信部32は、取引応諾者(Bさん)が現金を手渡した旨を、取引管理サーバ4に通知する。取引応諾者(Bさん)が現金を手渡した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、ステップSP24において、今回の依頼に対応する台帳データの「手渡しフラグ」を『0』から『1』に変更する。
取引管理サーバ4の結果処理部47は、定期的に今回の依頼に対応する台帳データを確認していて、台帳データの「受取フラグ」と「手渡しフラグ」がともに『1』になると、ステップSP25において、今回の依頼に対応する台帳データを参照して、取引応諾者への報酬金額を確認し、報酬金額(例えば5万300円)を、現金取引サービス用の口座から取引応諾者(Bさん)の口座に振り替えるよう、資金移動部44に依頼する。ここで、資金移動部44は、指定された金額(例えば5万300円)を、現金取引サービス用の口座から取引応諾者(Bさん)の口座に振り替える振替依頼を、金融システム5に送信する。
金融システム5のオープンAPI50は、取引管理サーバ4から振替依頼を受信すると、ステップSP26において、受信した振替依頼に応じた振替処理を実行する。つまり、オープンAPI50は、5万300円を、現金取引サービス用の口座から取引応諾者(Bさん)の口座に振り替える振替処理を実行する。この時点で、取引依頼者(Aさん)の口座から出金された依頼金額に手数料を合算した金額(例えば5万400円)のうち、依頼金額に取引応諾者側が受け取る手数料を合算した報酬金額(例えば5万300円)が取引応諾者の口座に入金され、残りの金額(例えば100円)が現金取引サービス側が受け取る手数料として現金取引サービス用の口座に入金されたことになる。振替処理が完了すると、オープンAPI50は、ステップSP27において、取引管理サーバ4に、振替完了を通知する。
振替完了の通知を受けると、取引管理サーバ4の資金移動部44は、振替完了を、結果処理部47に通知する。結果処理部47は、ステップSP28、SP29において、取引依頼者(Aさん)の通信端末2と、取引応諾者(Bさん)の通信端末3とに、今回の取引が完了した旨を通知(Bさんの通信端末3にはBさんの口座に振り込んだ金額(5万300円)も通知)する。個人間現金取引システム1の動作は以上のようになっている。
[1−4.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態による個人間現金取引システム1は、取引管理サーバ4の依頼受付部42が、取引依頼者(Aさん)の通信端末2から出金依頼を示す取引依頼情報を受信すると、この出金依頼に対応する取引番号を、QRコードにして、取引依頼者の通信端末2に送信する。
また取引管理サーバ4の代行依頼部46は、取引依頼者の通信端末2から得られる位置情報と、サービス登録者の通信端末3から得られる位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2から所定範囲内に存在する通信端末3を特定して、この通信端末3に、取引依頼者の通信端末2から受信した取引依頼情報と、出金取引に対する報酬金額を示す報酬金額情報を送信する。その後、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、通信端末3から依頼を応諾した旨を示す依頼応諾情報を受信すると、取引依頼者の通信端末2の位置情報を、取引応諾者の通信端末3に送信する。この結果、取引依頼者と取引応諾者とが対面する。
ここで、取引応諾者は、通信端末3のカメラにより、取引依頼者の通信端末2に表示されているQRコードを撮影する。すると、通信端末3のQRコード読取部35は、撮影画像からQRコードを読み取り、このQRコードから取引番号を取得して、これを取引管理サーバ4に送信する。これにより、取引管理サーバ4側では、取引依頼者と取引応諾者とが対面したことを把握することができる。
取引管理サーバ4の資金移動部44は、取引応諾者の通信端末3から取引番号を受信した後、報酬金額情報に基づいて、取引依頼者の口座から取引応諾者への口座への資金移動を行うようにした。
こうすることで、個人間現金取引システム1は、取引管理サーバ4が、取引依頼者と取引応諾者とを個人情報をさらすことなく対面させて、取引応諾者から取引依頼者への現金の手渡しを行わせることができ、また取引依頼者と取引応諾者が対面したことを把握したうえで、現金の手渡しに対する報酬金額を取引依頼者の口座から取引応諾者の口座に移動させることができる。かくして個人間現金取引システム1は、依頼取引者が、金融機関窓口やATMなどに行かずに、現金の出金が可能となる。
また取引管理サーバ4は、代行依頼部46が、通信端末3に、取引依頼者の通信端末2から受信した取引依頼情報と、出金取引に対する報酬金額を示す報酬金額情報を送信するより前に、資金移動部44が、依頼金額と手数料(現金取引サービス側が受け取る手数料+取引応諾者側が受け取る手数料)の合算金額(5万400円)を、取引依頼者の口座から、現金取引サービス用の口座へと振り替え、その後、取引応諾者の通信端末3から取引番号を受信した後で、資金移動部44が、現金取引サービス用の口座から、取引応諾者の口座へ、報酬金額(依頼金額+取引応諾者側が受け取る手数料)を振り替えるようにした。
このように、取引管理サーバ4は、取引依頼者からの依頼を取引応諾者が応諾するより前に、依頼金額と手数料の合算金額(5万400円)を、取引依頼者の口座から現金取引サービス用の口座へと振り替えるようにしたことにより、報酬金額(5万300円)を担保したうえで、取引応諾者が依頼を応諾することができる。こうすることで、個人間現金取引システム1では、取引応諾者が依頼取引者に現金を手渡した後、確実に取引応諾者の口座に入金することができる。
さらに取引管理サーバ4は、取引依頼者の通信端末2から現金を受け取った旨の通知を受け、且つ取引応諾者の通信端末3から現金を手渡した旨の通知を受けた場合に、資金移動部44が、現金取引サービス用の口座から、取引応諾者の口座へ、報酬金額(依頼金額+取引応諾者側が受け取る手数料)を振り替えるようにした。こうすることで、個人間現金取引システム1では、取引応諾者が依頼取引者に現金を手渡したことを正確に把握したうえで、取引応諾者の口座に入金することができる。
さらに取引管理サーバ4は、手数料計算部43が、過去の台帳データをもとに、手数料を計算して、依頼金額と計算した手数料との合算金額を報酬金額とした。こうすることで、個人間現金取引システム1では、例えば、依頼に対する手数料を固定金額にする場合と比較して、手数料をより適切な金額に設定することができる。
[2.第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、個人間現金取引システム1で依頼可能な依頼種別が出金のみとなっていたが、第2の実施の形態では、個人間現金取引システム1で依頼可能な依頼種別に入金が追加されていて、この点が、第1の実施の形態と第2の実施の形態とで異なる。尚、現金取引サービスでの出金とは、第1の実施の形態で説明したように、取引依頼者が手元に欲しい現金をATMなどから引き出す代わりに取引応諾者から受け取り、取引依頼者の口座から取引応諾者の口座への振り替えを行うサービスである。一方、現金取引サービスでの入金とは、取引依頼者が手元にある現金をATMなどに預ける代わりに取引応諾者に手渡し、取引応諾者の口座から取引依頼者の口座への振り替えを行うサービスである。
この第2の実施の形態は、個人間現金取引システム1の動作が異なるだけであり、各部の機能構成などについては、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明は省略する。第2の実施の形態の個人間現金取引システム1では、現金取引サービスとして、上述した出金のサービスにくわえて、入金のサービスを提供することができるようになっている。出金のサービスを提供するときの個人間現金取引システム1の動作は、第1の実施の形態と同様の為、ここでは、入金のサービスを提供するときの個人間現金取引システム1の動作についてのみ説明する。
[2−1.個人間現金取引システムの動作]
個人間現金取引システム1の動作について、図10、図11に示すシーケンスチャートを用いて説明する。尚、ここでは、一例として、サービス登録者としてのAさんが現金の入金を依頼し、この依頼を、サービス登録者としてのBさんが応諾する場合の動作について説明する。
まずAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で例えば「入金、5万円」と依頼する。すると、ステップSP50において、通信端末2の通信部22は、5万円の入金依頼を示す取引依頼情報と、Aさんの個人IDと、通信端末2の位置情報とを、取引管理サーバ4に送信する。
通信端末2から取引依頼情報と、個人IDと、位置情報とを受信すると、ステップSP51において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、取引番号を発行して、この取引番号と、受信した取引依頼情報と、位置情報と、Aさんのサービス登録者情報(個人ID及び口座番号)をもとに、今回の依頼に対応する台帳データを生成して、これを台帳データベースDb2に登録する。尚、このとき台帳データの「依頼種別」には入金と記述される。
ステップSP52において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、手数料計算部43に、今回の依頼に対する手数料を計算するよう依頼する。ここで、手数料計算部43は、例えば、台帳データベースDb2に登録されている、過去の台帳データをもとに手数料(例えば400円)を計算して、この手数料と、今回の報酬金額(手数料400円−現金取引サービス側の手数料100円=300円)を、今回の依頼に対応する台帳データに記述するとともに、依頼受付部42に通知する。
ステップSP53において、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、今回の依頼に必要な手数料(例えば400円)を、取引依頼者であるAさんの通信端末2に通知する。ここでAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で手数料を確認したうえで了解する。すると、ステップSP54において、通信端末2の通信部22は、手数料を了解した旨を、取引管理サーバ4に通知する。
手数料を了解した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP55において、今回の依頼を示す取引番号が書き込まれたQRコードを生成するよう、QRコード生成部45に依頼する。ここで、QRコード生成部45は、取引番号が書き込まれたQRコードを生成し、生成したQRコードを依頼受付部42に送る。
QRコードを受け取ると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP56において、依頼の受け付けが完了した旨とQRコードとを、取引依頼者であるAさんの通信端末2に送信する。通信端末2の通信部22は、QRコードを受信すると、ステップSP57において、これを表示部24に表示させる。
QRコードを送信した後、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP58において、今回の依頼を示す取引依頼情報と取引番号を、代行依頼部46に送るとともに、今回の依頼を応諾してくれる取引応諾者の確保を、代行依頼部46に依頼する。ここで、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、台帳データベースDb2から、今回の依頼を示す取引番号を持つ台帳データを参照して、この台帳データから、取引依頼者であるAさんの通信端末2の位置情報と、今回の依頼に対する報酬金額(300円)とを取得する。さらに代行依頼部46は、取得した通信端末2の位置情報と、サービス登録者の通信端末3から定期的に送信されてくる通信端末3の位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2の周囲所定範囲内(例えば半径30メートル圏内)に位置する通信端末3(例えばBさんの通信端末)を特定する。つづくステップSP59において、代行依頼部46は、この通信端末3に、今回の依頼(例えば入金5万円)を示す取引依頼情報と報酬金額(例えば300円)を示す報酬金額情報とを送信する。
ここでBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で今回の依頼と報酬金額を確認したうえで、今回の依頼を応諾する。すると、ステップSP60において、通信端末3の通信部32は、依頼を応諾した旨を示す依頼応諾情報を、取引管理サーバ4に送信する。
ところで、Aさんの周囲所定範囲内に、サービス登録者が1人もいない場合、Aさんの周囲所定範囲内にBさんしかおらず、このBさんがAさんからの依頼を応諾してくれなかった場合、取引応諾者を見付けることができなかった場合については、第1の実施の形態で説明した出金の場合と同様の為、ここでの説明は省略する。
取引管理サーバ4の代行依頼部46は、Bさんの通信端末3から依頼応諾情報を受信すると、ステップSP61において、今回の依頼金額(例えば5万円)から報酬金額(例えば300円)を減算した金額(例えば4万9700円)を、取引応諾者(Bさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替えるよう、資金移動部44に依頼する。ここで、資金移動部44は、指定された金額(例えば4万9700円)を、取引応諾者(Bさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替える振替依頼を、金融システム5に送信する。
金融システム5のオープンAPI50は、取引管理サーバ4から振替依頼を受信すると、ステップSP62において、受信した振替依頼に応じた振替処理を実行する。つまり、オープンAPI50は、4万9700円を、取引応諾者(Bさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替える振替処理を実行する。振替処理が完了すると、オープンAPI50は、ステップSP63において、取引管理サーバ4に、振替完了を通知する。
振替完了の通知を受けると、取引管理サーバ4の資金移動部44は、ステップSP64において、今回の依頼に対応する台帳データの「振替フラグ」を『0』から『1』に変更する。さらに資金移動部44は、取引応諾者(Bさん)の口座から現金取引サービス用の口座への振り替えが完了した旨を、代行依頼部46に通知する。
振り替えが完了した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、図11に示すステップSP65において、取引依頼者であるAさんの通信端末2の位置情報を、取引応諾者となったBさんの通信端末3に送信する。
ここでBさんは、通信端末3のサービスアプリ上でAさんの通信端末2の位置情報を確認して、Aさんの場所へと向かう。尚、第1の実施の形態と同様、通信端末2の位置情報にくわえて位置補足情報を通信端末3に送信したり、近距離チャットアプリを利用したりしてもよい。
Aさんの場所までたどり着いたBさんは、Aさんの通信端末2に表示されているQRコードを通信端末3のカメラで撮影する。ステップSP66において、通信端末3のQRコード読取部35は、撮影画像からQRコードを読み取り、さらにこのQRコードから今回の依頼を示す取引番号を取得する。つづくステップSP67において、通信端末3の通信部32は、Bさんの個人IDと、QRコード読取部35によってQRコードから取得された取引番号とを、取引管理サーバ4に送信する。
取引管理サーバ4の代行依頼部46は、取引応諾者であるBさんの個人IDと、QRコードから得られた取引番号を受信すると、ステップSP68において、台帳データベースDb2に登録されている台帳データのうち、受信した取引番号を持つ台帳データ(つまり今回の依頼に対応する台帳データ)に、Bさんの個人IDと口座情報(サービス登録者データベースDb1から取得)を「取引応諾者ID」と「取引応諾者口座情報」として追記する。
つづくステップSP69において、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、通信端末3から受信した取引番号が正常であり、取引応諾者(Bさん)からの現金振替が完了していることから、取引依頼者であるAさんの通信端末2に、対面している人物(Bさん)に現金を手渡してもよい旨を通知する。ここでAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で、対面している人物(Bさん)に現金を手渡してもよい旨を確認して、現金5万円をBさんに手渡す。
Bさんに現金を手渡したAさんは、通信端末2のサービスアプリ上で現金を手渡した旨を入力する。すると、ステップSP70において、通信端末2の通信部22は、依頼取引者(Aさん)が現金を手渡した旨を、取引管理サーバ4に通知する。依頼取引者(Aさん)が現金を手渡した旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の依頼受付部42は、ステップSP71において、今回の依頼に対応する台帳データの「手渡しフラグ」を『0』から『1』に変更する。
またこのときBさんは、通信端末3のサービスアプリ上で現金を受け取った旨を入力する。すると、ステップSP72において、通信端末3の通信部32は、取引応諾者(Bさん)が現金を受け取った旨を、取引管理サーバ4に通知する。取引応諾者(Bさん)が現金を受け取った旨の通知を受けると、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、ステップSP73において、今回の依頼に対応する台帳データの「受取フラグ」を『0』から『1』に変更する。
取引管理サーバ4の結果処理部47は、定期的に今回の依頼に対応する台帳データを確認していて、台帳データの「受取フラグ」と「手渡しフラグ」がともに『1』になると、ステップSP74において、今回の依頼に対応する台帳データを参照して、依頼金額(5万円)と手数料(400円)を確認し、依頼金額から手数料を減算した金額(例えば4万9600円)を、現金取引サービス用の口座から取引依頼者(Aさん)の口座に振り替えるよう、資金移動部44に依頼する。ここで、資金移動部44は、指定された金額(例えば4万9600円)を、現金取引サービス用の口座から取引依頼者(Aさん)の口座に振り替える振替依頼を、金融システム5に送信する。
金融システム5のオープンAPI50は、取引管理サーバ4から振替依頼を受信すると、ステップSP75において、受信した振替依頼に応じた振替処理を実行する。つまり、オープンAPI50は、4万9600円を、現金取引サービス用の口座から取引依頼者(Aさん)の口座に振り替える振替処理を実行する。この時点で、取引応諾者(Bさん)の口座から出金された、依頼金額から取引応諾者側が受け取る手数料を減算した金額(例えば4万9700円)のうち、依頼金額から手数料を減算した金額(例えば4万9600円)が取引依頼者(Aさん)の口座に入金され、残りの金額(例えば100円)が現金取引サービス側が受け取る手数料として現金取引サービス用の口座に入金されたことになる。振替処理が完了すると、オープンAPI50は、ステップSP76において、取引管理サーバ4に、振替完了を通知する。
振替完了の通知を受けると、取引管理サーバ4の資金移動部44は、振替完了を、結果処理部47に通知する。結果処理部47は、ステップSP77、SP78において、取引依頼者(Aさん)の通信端末2と、取引応諾者(Bさん)の通信端末3とに、今回の取引が完了した旨(Bさんの通信端末3にはBさんの口座から引き落した金額(4万9700円)旨も通知)を通知する。個人間現金取引システム1の動作は以上のようになっている。
[2−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態による個人間現金取引システム1は、取引管理サーバ4の依頼受付部42が、取引依頼者(Aさん)の通信端末2から入金依頼を示す取引依頼情報を受信すると、この入金依頼に対応する取引番号を、QRコードにして、取引依頼者の通信端末2に送信する。
また取引管理サーバ4の代行依頼部46は、取引依頼者の通信端末2から得られる位置情報と、サービス登録者の通信端末3から得られる位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2から所定範囲内に存在する通信端末3を特定して、この通信端末3に、取引依頼者の通信端末2から受信した取引依頼情報と、入金取引に対する報酬金額を示す報酬金額情報を送信する。その後、取引管理サーバ4の代行依頼部46は、通信端末3から依頼を応諾した旨を示す依頼応諾情報を受信すると、取引依頼者の通信端末2の位置情報を、取引応諾者の通信端末3に送信する。この結果、取引依頼者と取引応諾者とが対面する。
ここで、取引応諾者は、通信端末3のカメラにより、取引依頼者の通信端末2に表示されているQRコードを撮影する。すると、通信端末3のQRコード読取部35は、撮影画像からQRコードを読み取り、このQRコードから取引番号を取得して、これを取引管理サーバ4に送信する。これにより、取引管理サーバ4側では、取引依頼者と取引応諾者とが対面したことを把握することができる。
取引管理サーバ4の資金移動部44は、取引応諾者の通信端末3から取引番号を受信した後、報酬金額に基づいて、取引応諾者の口座から取引依頼者への口座への資金移動を行うようにした。
こうすることで、個人間現金取引システム1は、取引管理サーバ4が、取引依頼者と取引応諾者とを個人情報をさらすことなく対面させて、取引依頼者から取引応諾者への現金の手渡しを行わせることができ、また取引依頼者と取引応諾者が対面したことを把握したうえで、依頼金額から現金の受け渡しに対する報酬金額を減算した金額を取引応諾者の口座から取引依頼者の口座に移動させることができる。かくして個人間現金取引システム1は、依頼取引者が、金融機関窓口やATMなどに行かずに、現金の入金が可能となる。
また取引管理サーバ4は、代行依頼部46が、通信端末3に通信端末2の位置情報を送信するより前に、資金移動部44が、依頼金額から取引応諾者側が受け取る手数料を減算した金額(4万9700円)を、取引応諾者の口座から、現金取引サービス用の口座へと振り替え、その後、取引応諾者の通信端末3から取引番号を受信した後で、資金移動部44が、現金取引サービス用の口座から、取引依頼者の口座へ、依頼金額から手数料を減算した金額(4万9600円)を振り替えるようにした。
このように、取引管理サーバ4は、取引応諾者と取引依頼者とが対面する前に、依頼金額から取引応諾者側が受け取る手数料を減算した金額(4万9700円)を、取引応諾者の口座から現金取引サービス用の口座へと振り替えるようにしたことにより、依頼金額から手数料を減算した金額(4万9600円)を担保したうえで、取引応諾者と取引依頼者とを対面させることができる。こうすることで、個人間現金取引システム1では、取引依頼者が取引応諾者に現金を手渡した後、確実に取引依頼者の口座に入金することができる。
さらに取引管理サーバ4は、取引依頼者の通信端末2から現金を手渡した旨の通知を受け、且つ取引応諾者の通信端末3から現金を受け取った旨の通知を受けた場合に、資金移動部44が、現金取引サービス用の口座から、取引応諾者の口座へ、依頼金額から手数料を減算した金額を振り替えるようにした。こうすることで、個人間現金取引システム1では、取引依頼者が依頼応諾者に現金を手渡したことを正確に把握したうえで、取引依頼者の口座に入金することができる。
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1及び第2の実施の形態では、取引管理サーバ4の手数料計算部43が過去の台帳データをもとに手数料を計算するようにしたが、これに限らず、取引依頼者に手数料を指定させるようにしてもよい。この場合、取引依頼者は、通信端末2のサービスアプリ上で依頼を出すときに、今回の依頼に対する手数料を入力する。またこの場合、例えば、依頼応諾者側が受け取る手数料のみを入力させるなどしてもよい。
また上述した第1及び第2の実施の形態では、現金取引サービス側が受け取る手数料については固定(例えば100円)としたが、この手数料を月額制にしてもよい。この場合、依頼ごとに現金取引サービス側が受け取る手数料は0円となる。
[3−2.他の実施の形態2]
また上述した第1の実施の形態では、出金依頼時、取引依頼情報と報酬金額情報をサービス登録者の通信端末3に送信するより前の時点で、資金移動部44が、今回の依頼金額(例えば5万円)と、手数料(例えば400円)との合算金額(例えば5万400円)を、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座に振り替えるにした。これに限らず、この時点では、資金移動部44が、取引依頼者(Aさん)の口座に、5万400円以上の残高が有るかを確認するだけにしてもよい。この場合、資金移動部44は、取引依頼者(Aさん)の通信端末2から現金を受け取った旨の通知を受け、且つ取引応諾者(Bさん)の通信端末3から現金を手渡した旨の通知を受けた後、取引依頼者(Aさん)の口座から現金取引サービス用の口座へ5万400円を振り替え、さらに現金取引サービス用の口座から取引応諾者(Bさん)の口座へ5万300円を振り替える。
さらに上述した第2の実施の形態では、入金依頼時、通信端末3に通信端末2の位置情報を送信するより前の時点で、資金移動部44が、依頼金額から取引応諾者側が受け取る手数料を減算した金額(4万9700円)を、取引応諾者(Bさん)の口座から、現金取引サービス用の口座へと振り替えるようにした。これに限らず、この時点では、資金移動部44が、取引応諾者(Bさん)の口座に、4万9700円以上の残高が有るかを確認するだけにしてもよい。この場合、資金移動部44は、取引依頼者(Aさん)の通信端末2から現金を手渡した旨の通知を受け、且つ取引応諾者(Bさん)の通信端末3から現金を受け取った旨の通知を受けた後、取引応諾者(Bさん)の口座から、現金取引サービス用の口座へ100円、取引依頼者(Aさん)の口座へ4万9600円を振り替える。
[3−3.他の実施の形態3]
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、取引管理サーバ4の依頼受付部42が、依頼を識別する為の依頼識別情報としての取引番号をQRコードとして、通信端末2に送信するようにしたが、これに限らず、QRコード以外のコード(例えばバーコードなど)として送信するようにしてもよい。またこれに限らず、取引番号をそのまま送信したり、暗号化して送信したりしてもよい。
[3−4.他の実施の形態4]
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、取引管理サーバ4の依頼受付部42が、取引依頼者の通信端末2から取引依頼情報を受信すると、今回の依頼に対する手数料を通信端末2に送信するようにした。このとき、依頼受付部42が、通信端末2の位置情報と、サービス登録者の通信端末3から定期的に送信されてくる通信端末3の位置情報とをもとに、取引依頼者の通信端末2の周囲所定範囲内に位置する通信端末3の数を特定して、取引依頼者の通信端末2の周囲所定範囲内に位置する通信端末3の数を、手数料とともに、取引依頼者の通信端末2に送信するようにしてもよい。このようにすれば、取引依頼者は、今回の依頼を応諾してくれる可能性のあるサービス登録者が自分の近くにいるかどうかを前もって知ることができる。
[3−5.他の実施の形態5]
さらに上述した各実施の形態では、本発明を、取引管理装置及びコンピュータとしての取引管理サーバ4に適用したが、これに限らず、取引管理サーバ4と同等に機能するものであれば、取引管理サーバ4とは異なる構成の取引管理装置に適用してもよい。さらに上述した各実施の形態では、本発明を、第1の端末としての通信端末2と、第2の端末としての通信端末3と、取引管理装置としての取引管理サーバ4とを有する取引管理システムとしての個人間現金取引システム1に適用したが、これに限らず、個人間現金取引システム1と同様に機能するものであれば、個人間現金取引システム1とは異なる構成の個人間現金取引システム1に適用してもよい。さらに上述した各実施の形態では、通信端末2、通信端末3、取引管理サーバ4のそれぞれの機能構成を、プログラムにより実現するようにしたが、これに限らず、それぞれの機能構成を、ハードウェアにより実現するようにしてもよい。
[3−6.他の実施の形態6]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。