JP2021131456A - 鍵盤楽器 - Google Patents

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Koji Shiraishi
康志 白石
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【課題】良好に押鍵感触を伝達する鍵盤楽器を提供する。【解決手段】鍵盤楽器1は、押鍵操作に基づく力点部412の変位に応じて、作用点部側に設けられるハンマー錘413が第1支点部R1を中心に回転するハンマー部材4と、ハンマー部材4の作用点部側に設けられる第2支点部R2にて軸支され、一端側に設けられる回転錘部43がハンマー錘413の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられるハンマー錘413からの突出部433が回転することにより突出部433の突出状態が変化する回転部材43と、ハンマー錘413の当接に応じて鍵2に打感を伝達させる第1被当接部321aと、突出部433が第1の突出状態で当接した場合に鍵2にレットオフ感を伝達させ、突出部433が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合に鍵2にレットオフ感を伝達させない第2被当接部321bと、を備える。【選択図】 図5

Description

本発明は、鍵盤楽器に関する。
従来から押鍵強さ(押鍵速度)に応じて鍵タッチ感を変化させる鍵盤楽器が提案されている。例えば特許文献1には、鍵の押鍵速度に応じて鍵に所謂レットオフ感を付与することができ、これによりアコースティックピアノに近似した鍵タッチ感を得ることができる鍵盤楽器(鍵盤装置)が開示されている。この鍵盤楽器は、ハンマー部材に設けられた操作突起部と、鍵盤シャーシ側に設けられた鍵荷重制動部材とを当接させて、レットオフ感を付与している。鍵荷重制動部材は、鍵の前後方向に変位可能に設けられており、上述の操作突起部が接触して本体部を変位させる第1突起部を有する。鍵荷重制動部材は、鍵が相対的に弱く押鍵されたときに操作突起部の先端側が当接して乗り越え、かつその押鍵時よりも相対的に強く押鍵されたときに操作突起部の先端部が当接せずに通過する第2突起部を有する。
特開2015−90373号公報
しかしながら、特許文献1の鍵盤楽器では、操作突起部が第1突起部と当接する際の当たり深さによって鍵荷重制動部材の変位量が変化することが想定され、押鍵速度に応じた鍵タッチ感の調整が難しい。
本発明は、良好に押鍵感触を伝達する鍵盤楽器を提供することを目的とする。
本発明の一実施例の鍵盤楽器は、押鍵操作に基づく力点部の変位に応じて、作用点部側に設けられるハンマー錘が第1支点部を中心に回転するハンマー部材と、前記ハンマー部材の前記作用点部側に設けられる第2支点部にて軸支され、一端側に設けられる回転錘部が前記ハンマー錘の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられる前記ハンマー錘からの突出部が回転することにより前記突出部の突出状態が変化する回転部材と、前記ハンマー錘の当接に応じて鍵に打感を伝達させる第1被当接部と、前記突出部が第1の突出状態で当接した場合に鍵にレットオフ感を伝達させ、前記突出部が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合に鍵にレットオフ感を伝達させない第2被当接部と、を備える。
本発明によれば、良好に押鍵感触を伝達する鍵盤楽器を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の全体斜視図である。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の鍵周辺の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るハンマー部材を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は図3(a)のハンマー部材のIIIb−IIIb断面図である。 本発明の実施形態に係るハンマー部材の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の白鍵に対応する駆動機構を左側方から見た断面図であり、(a)はハンマー部材の待機状態を示し、(b)はハンマー部材の押鍵状態を示す。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の弱打における白鍵の駆動機構の動作を示す断面図であり、(a)はハンマー部材が約10°回転した状態であり、(b)はハンマー部材が約19°回転した状態を示す。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の強打における白鍵の駆動機構の動作を示す断面図であり、(a)はハンマー部材が約10°回転した状態であり、(b)はハンマー部材が約19°回転した状態を示す。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の黒鍵に対応する駆動機構を左側方から見た断面図であり、(a)はハンマー部材の待機状態を示し、(b)はハンマー部材の押鍵状態を示す。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の弱打における黒鍵の駆動機構の動作を示す断面図であり、(a)はハンマー部材が約10°回転した状態であり、(b)はハンマー部材が約19°回転した状態を示す。 本発明の実施形態に係る鍵盤楽器の強打における黒鍵の駆動機構の動作を示す断面図であり、(a)はハンマー部材が約10°回転した状態であり、(b)はハンマー部材が約19°回転した状態を示す。 本発明の実施形態に係る押鍵時におけるハンマー部材と被当接部との距離に対する動作時間の関係を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について述べる。図1は、鍵盤楽器1の正面側から見た斜視図である。本実施形態の鍵盤楽器1は、電子ピアノについて示しているが、奏者(ユーザ)の押鍵操作に応じて発音する楽器であればその他の鍵盤楽器であってもよい。
鍵盤楽器1は、演奏操作子として音高を指定する複数の鍵2を有し、鍵2の配列方向(奏者から見た図2の左右方向)に長尺の平板状に形成される。鍵盤楽器1には、鍵2の後方側に各種設定の選択や決定を行う操作ボタンやダイヤルを含む操作パネル12が設けられる。白鍵21及び黒鍵22は、鍵盤楽器1の左右方向に所定の順序で規則的に配列される。本実施形態の鍵盤楽器1の鍵盤は88鍵で構成される。なお、以下の説明において、鍵盤楽器1の奏者から見た手前側を前、その反対側を後とし、奏者から見た左側を左、その反対側を右とする。また、本実施形態の説明において、「鍵2」と記載した場合には、特に言及しない限り白鍵21及び黒鍵22に共通する事項を示している。また、以降の説明では白鍵21について詳しく説明し、黒鍵22について白鍵21と同等又は同一の構成や動作を有する場合にはその説明を簡略化又は省略する。
図2は、図1に示す鍵盤楽器1の左端部P付近における鍵2周辺の内部構造を後方側から見た一部断面斜視図である。鍵盤シャーシ3は、図1の外装シャーシ11内に配置される。鍵盤楽器1は、白鍵21及び黒鍵22に対応する鍵盤機構をそれぞれ有し(図5乃至図10も参照)、複数の白鍵21及び黒鍵22(鍵2)を上下方向に回転可能に支持する共通の鍵盤シャーシ3と、各鍵2に対応して設けられて鍵2の押鍵操作の際にアクション荷重を付与する複数のハンマー部材4と、各鍵2の押鍵操作に応じたオン信号を検出する回路基板5と、を有する。
図5(a)及び図8(a)等に示すように、白鍵21及び黒鍵22は、後端側に設けられた回転軸部211,221と、白鍵21及び黒鍵22の下面から下方の鍵盤シャーシ3側に向かって突出するスイッチ突出部212,222と、スイッチ突出部212,222の前方側において白鍵21及び黒鍵22の下面から下方に向かって突出するハンマー押圧部213,223とを備える。白鍵21及び黒鍵22は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)等の合成樹脂部材により形成される。ハンマー押圧部213,223の下端部には、前後方向に矩形状に開口した貫通孔であるハンマー連結孔213a,223aが設けられる。ハンマー連結孔213a,223aには、後述するハンマー部材4の鍵連結部である力点部412が挿入される。
白鍵21は、前端側の下面から下方の鍵盤シャーシ3側に向かって突出する前脚部214を有する。白鍵21の前脚部214には、左右の各端部から後方に延設された側板214aが設けられる(左側の一方の側板214aは図2に示される)。また、前脚部214の下端部からは白鍵21の後方側に突出する規制突起215が延設される。規制突起215の先端側は、鍵盤シャーシ3の前面側において左右に亘って延設され後方へ窪んだ矩形溝状の規制部331内に配置される。なお、黒鍵22のハンマー押圧部223にも、左右の各端部から後方に延設された側板223bが設けられる(左側の一方の側板223bは不図示)。
鍵盤シャーシ3は、鍵盤楽器1の前方側に鍵2及びハンマー部材4の駆動空間である凹状部31と、凹状部31から後方に配置される鍵2の載置部32を有する。凹状部31は、前方側において上下に延設される前脚部33と接続され、載置部32は、後端側において下方に延設された後脚部34と接続される。
載置部32は、略水平方向に延設された板状に設けられており、回路基板5が載置される基板載置部35と、基板載置部35の後方に配置された鍵載置部36とを有する。回路基板5には鍵2の下降により鍵2のスイッチ突出部212(222)と当接して鍵2の押下操作を検出可能なスイッチ部51,52が配置されている。回路基板5は、鍵2の配列方向である鍵盤楽器1の左右方向に亘って設けられて、各鍵2に対応したスイッチ部51,52により各鍵2の押下操作を検出することができる。また、回路基板5は、各鍵2への押鍵操作に応じてオン動作したスイッチ部51,52から出力されるオン信号に基づいて楽音情報を生成し、この楽音情報に基づいて外装シャーシ11の内部に収納されたスピーカ(不図示)から楽音を発音させることができる。
スイッチ部51は、スイッチ部52の後方に位置されており、回路基板5は、スイッチ部51及びスイッチ部52のオン検出の時間差に基づいて押鍵速度(強さ)であるベロシティ値(例えば、0〜255の離散値)を取得して楽音情報に含めることができる。
鍵載置部36の上部には、平板状の鍵取付部361が配置される。白鍵21及び黒鍵22は、回転軸部211,221が各鍵取付部361に設けられた回転軸361aにより軸支されて回転可能に設けられる。鍵取付部361は、複数配列されている白鍵21及び黒鍵22の配列方向(左右方向)に沿って等間隔で、各白鍵21及び黒鍵22に対応して個別に設けられる。
鍵盤シャーシ3の凹状部31と載置部32との間には、ハンマー部材4を支持するハンマーホルダ6の取付部37が設けられる。ハンマーホルダ6は、取付部37の下面側から取り付けられる。ハンマー部材4は、ハンマーホルダ6の軸受61に対して軸部411aを挿通させて回転可能に支持される。
前脚部33は、鍵2の配列方向(左右方向)に亘って設けられる。前脚部33の前面側に設けられた規制部331は、白鍵21のストロークを規制することができる。具体的には、規制部331の上縁及び下縁には、白鍵21への押鍵操作に応じて白鍵21が回転する際の上限位置及び下限位置を規制する上限ストッパ部331a及び下限ストッパ部331bが設けられる。白鍵21の規制突起215における上面側及び下面側の各ストッパ面215a,215bは、各々上限ストッパ部331a及び下限ストッパ部331bに当接することができる。これにより白鍵21の上下動が規制される。
また、図5(a)において、鍵盤シャーシ3の前脚部33の上端部における白鍵21に対応する位置には、白鍵21の各側板214aの間に配置される白鍵ガイド部381が設けられる。白鍵21の側板214aの内面は白鍵ガイド部381と摺接することができ、これにより、白鍵21の配列方向(左右方向)への横揺れを防ぐことができる。同様に、図8(a)において、鍵盤シャーシ3の黒鍵22に対応する凹状部31及び取付部37の上部位置には、黒鍵22の各側板223bの間に配置される黒鍵ガイド部382が設けられる。黒鍵22の側板223bの内面は黒鍵ガイド部382と摺接することができ、これにより、黒鍵22の配列方向(左右方向)への横揺れを防ぐことができる。
図5(a)において、鍵盤シャーシ3の後脚部34の内側における上部及び下部には、白鍵21及び黒鍵22への押鍵操作に応じて回転するハンマー部材4の回転範囲(上限位置及び下限位置)を規制する被当接部321及び被当接部341が設けられる。被当接部341は、鍵盤シャーシ3内に設けられた基板39上に配置される。被当接部321及び被当接部341、並びに、前述の上限ストッパ部331a及び下限ストッパ部331bは、例えばフェルト等の弾性部材により構成される。被当接部321は、前後に離間して配置された第1被当接部321a及び第2被当接部321bを含む。第1被当接部321a及び第2被当接部321bは、左右方向に亘って配置された長尺な角柱状の部材である(図2も参照)。本発明の一実施例では、第2被当接部321bは、第1被当接部321aよりも前方側(軸部411aの軸線である第1支点部R1側)に位置して、下面位置が第1被当接部321aよりも上方側に設けられる。
第1被当接部321aと第2被当接部321bの高さ関係は、突出部433が第2被当接部321bに当接する第1タイミングが到来してから、どのくらいの時間の経過後に、ハンマー錘413の当接部414aが第1被当接部321aに当接する第2タイミングを到来させたいかによって任意に決定してもよい。すなわち、鍵ストローク中、鍵を9割方押下したところでレットオフ感触を与えたい場合は、第2被当接部321bは第1被当接部321aより高い位置に設定すればよい。鍵ストローク中、鍵を8割方押下したところでレットオフ感触を与えたい場合は、第2被当接部321bは第1被当接部321aより低い位置に設定してもよい。このように、第2被当接部321bと、第1被当接部321aと、の高さ関係は、鍵ストローク中のどのタイミングでレットオフ感を鍵に与えたいかによって、任意に設定可能である。なお、第1被当接部321aは、当接部414aの回転軌道上に位置している。また、第2被当接部321bは、上端部414b及び回転部材43の突出部433の回転軌道上に位置している。
次に、ハンマー部材4の構成について説明する。ハンマー部材4は、図5乃至図10に示すように、白鍵21用と黒鍵22用とで略同様の外観を有しているが、白鍵21及び黒鍵22の支点から打鍵位置までの長さ等の特性に応じて、第1支点部R1から力点部412側の前端までの長さ、第1支点部R1からハンマー錘413側の後端までの長さ、及び形状等が若干異なるように設計することができる。ここでは、図3(a)、図3(b)及び図4を参照して、主に白鍵21用のハンマー部材4について説明する。
ハンマー部材4は、前後方向に長尺に設けられるハンマー本体41と、ハンマー本体41の一端側に取り付けられるハンマーキャップ42と、ハンマー本体41に対して軸部材44により回転可能に取り付けられた回転部材43とを有する。
ハンマー本体41は、板状の金属部材により形成される。ハンマー本体41は、一端側(図2及び図5等に示す鍵盤楽器1の前端側)に長尺状に延設される腕部411を有する。腕部411には、左右方向に軸線を向けた前述のハンマーホルダ6の軸受61により回転可能に支持される軸部411aが設けられる。ハンマー部材4は、軸部411aの中心の軸線である第1支点部R1により回転することができる。ハンマー本体41は、第1支点部R1に対して腕部411の一方側に押鍵操作によって押し下げられる鍵連結部である力点部412を有する。また、ハンマー本体41は、第1支点部R1に対して腕部411の作用点部側である他方側(図2及び図5等に示す鍵盤楽器1の後端側)に鍵2に対して荷重を加えるハンマー錘413を有する。従って、ハンマー部材4は、鍵2に対する押鍵操作に基づく力点部412の変位に応じて作用点部側に設けられるハンマー錘413が第1支点部R1を中心に回転するように構成される。
ハンマー錘413は、腕部411と一体に連設された平板状部を、ハンマー本体41の両面側に折り曲げて構成される。図3(b)のIIIb−IIIb断面図に示すように、ハンマー錘413は、一方面側(図3(a)の正面側)に下方から折り返され、他方面側(図3(a)の裏面側)に上方から折り返されて形成される。従って、ハンマー錘413は、平板状部を3層重ねた層構造で構成される。ハンマー錘413は、図3(a)の側面視に示すように後端側に頂部を有した前後に長尺な略三角形平板状に形成される。
ハンマー錘413の上端部には、ハンマー錘413の先端側(後端側)に設けられた当接部414aと、当接部414aよりも基端側(腕部411側)に設けられた上端部414bとが設けられる。当接部414aは、上端部414bよりもやや突出している。一方、ハンマー錘413の下端側にも、当接部415が設けられる。当接部415は、ハンマー錘413の下端からやや上方に窪んだ切欠部の底部に設けられる。
ハンマー錘413の左側面(図3(a)の正面側の面)には、略同径円柱状の第1規制部416a及び第2規制部416bが設けられる。第1規制部416aは、回転部材43の重心Gが位置する一端側が第1支点部R1側へ移動する第1方向D1への回転する動きを規制する。また、第2規制部416bは、回転部材43の重心Gが位置する一端側が第1方向D1とは反対の第1支点部R1側から遠ざかる第2方向D2への回転する動きを規制する。
回転部材43は、長尺板状に設けられて、ハンマー部材4の作用点部側に位置するハンマー錘413の左側面に設けられた軸部材44の中心の軸線である第2支点部R2にて回転可能に軸支される。回転部材43は、図4に示すように、膨出部431に設けられた貫通孔である円形状の軸孔431aに、軸部材44が挿通されて支持される。回転部材43は、第2支点部R2に対する一端側(図3(a)の下端側)に重心Gが位置するように回転錘部432を有する。本実施形態の回転錘部432は、平板状部材の端部を折り返して2層重ね合わせて構成される。なお、図3(a)の回転部材43の重心Gの具体的な位置は一例であり、回転錘部432の形状や平板状部材の折返し総数等により一端側の異なる位置とすることができる。また、重心Gの位置は、図3(a)に示すように、第1支点部R1と第2支点部R2とを結ぶ軸線R0の下方に配置される。重心Gの移動範囲θは、第1規制部416a及び第2規制部416bにより設定される。これにより、回転部材43の回転錘部432を、押鍵時には第2方向D2側へ回転させ、待機状態では自重により第1方向D1側へ回転させるように、安定して動作させることができる。
また、図3(a)に示すように、回転部材43は、第2支点部R2に対する他端側(図3(a)の上端側)に、第2支点部R2から上端部414bまでの距離よりも長尺に設けられて、その上端部414bから突出した突出部433を有する。従って、回転部材43は、一端側に設けられる回転錘部432がハンマー錘413の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられるハンマー錘413からの突出部433が回転することにより突出部433の突出状態が変化する。回転部材43は、押鍵時において、この突出部433の回転軌道上に第2被当接部321bが位置するように配置される。突出部433は、重心Gに対して第1支点部R1と第2支点部R2とを仮想的に結ぶ軸線R0を挟んで反対側に配置される。突出部433の先端は、平坦部433aと、第1支点部R1側(径方向内側)の角部に設けられたR面取状の湾曲部433bと、ハンマー錘413の後端側(第1支点部R1の反対側)の角部に設けられたC面取状の傾斜部433cとを有する。傾斜部433cは、第2支点部R2からの距離が突出部433より短く設けられる。この傾斜部433cは、第2被当接部321bに当接或いは当接しない突出部433の突出状態(第2の突出状態)の場合に、鍵2にレットオフ感を伝達させない構成とすることができる。
回転部材43の膨出部431と回転錘部432との間には凹部434が設けられる。回転部材43が前述の第2方向D2へ回転すると、第2規制部416bは凹部434と当接して回転部材43の回転を規制する。なお、回転部材43を支持する第2支点部R2は、回転錘部432側を第2支点部R2により回転させた際に、回転錘部432側の端部がハンマー部材4から突出しない任意の位置に設けることができる。
図4のQ方向から見た斜視図に示すように、軸部材44は、頭部441と、頭部441より小径の軸部442と、軸部442より小径の雄螺子部443とを有する。雄螺子部443は、図4に示すハンマー錘413の左側面(図4の右側の面)に設けられた雌螺子部413aに螺合される。軸部材44は、雄螺子部443よりも軸部442が大径に構成されるため、予め設定した螺合深さで締結される。また、回転部材43の軸孔431aには、軸部442が挿通される。軸部442は短円柱状に形成されており、第2支点部R2である軸線方向の長さ(高さ)は、回転部材43の軸孔431a周辺の板厚よりも若干長く形成される(図3(b)参照)。従って、回転部材43を軸部材44によりハンマー錘413に取り付けると、回転部材43は、ハンマー錘413の板面と頭部441との間に僅かな間隙を設けて配置され、低い摩擦抵抗で回転することができる。
ハンマー部材4の前端部に設けられた力点部412には、ハンマーキャップ42が取り付けられる。ハンマーキャップ42は、ゴム等の弾性部材により構成することができる。ハンマーキャップ42は、図5(a)等に示す鍵2を押鍵操作することによりハンマー連結孔213a,223aの上側又は下側の内壁と当接する。
以上のように鍵盤楽器1を構成すると、第1被当接部321aは、ハンマー錘413の当接に応じて鍵2に打感を伝達させることができる。また、第2被当接部321bは、押鍵操作を行った際に、回転部材43の突出部433が第1の突出状態で当接した場合に鍵2にレットオフ感を伝達させ、突出部433が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合にレットオフ感を伝達させないように構成することができる。ここで、第1の突出状態は、少なくとも突出部433が回転していない状態(例えば、図6及び図9の状態)を含み、第2の突出状態は、突出部433が回転している状態(例えば、図7及び図10の状態)を含む。また、第1規制部416a及び第2規制部416bとの関係について、第1の突出状態は、回転錘部432が第1規制部416aにより回転を規制された状態(例えば、図6及び図9の状態)を含み、第2の突出状態は、回転錘部432が第2規制部416bにより回転を規制された状態(例えば、図7及び図10の状態)を含む。
次に、図5乃至図10を参照して、白鍵21及び黒鍵22に対応するハンマー部材4の動作について説明する。図5(a)及び図8(a)に示すように、鍵2の押鍵していない待機状態では、ハンマー部材4は、ハンマー錘413側に重心を有するため自重で下降している。ハンマー部材4のハンマー錘413側の下方への回転(図5(a)の反時計回り方向への回転)は、当接部415と被当接部341との当接により規制される。また、鍵2は、待機状態において、鍵連結部である力点部412側が上方へ位置して、ハンマー押圧部213を押し上げている。これにより、鍵2の奏者側の前端部は上昇する。なお、白鍵21の上方への回転は、白鍵21のストッパ面215aと鍵盤シャーシ3の上限ストッパ部331aとが当接して規制される。従って、白鍵21の上面は待機状態において略同一面となって配列される。
また、図5(b)及び図8(b)は、白鍵21及び黒鍵22を押鍵して下限位置まで押し込んだ状態のハンマー部材4を示している。回転部材43は、ハンマー部材4の回転によって、突出部433と、第2被当接部321bとが当接し、第2方向D2(図3(a)参照)側へ回転する。このため、当接部414aと第1被当接部321aとが当接して、ハンマー部材4の上方への回転(図5(b)の時計回り方向への回転)は規制される。なお、回転部材43は、突出部433が第2被当接部321bにより下方へ押圧されて、第2規制部416bと当接するまで第2方向D2へ回転する。また、図5(b)で、白鍵21を押し込み方向である下方へさらに押鍵した場合は、白鍵21のストッパ面215bと鍵盤シャーシ3の下限ストッパ部331bとが当接して白鍵21の回転が規制される。
ここで、白鍵21を弱く(遅く)押鍵した弱打の場合と、白鍵21を強く(早く)押鍵した強打の場合におけるハンマー部材4の動作について主に図6及び図7を参照して説明する。本実施形態の鍵盤楽器1は、以下に示すように鍵2の押鍵速度に応じて鍵タッチ感を変化させることができる。
図6(a)は、白鍵21が弱く押鍵された場合のハンマー部材4を約10°回転させた状態を示している。白鍵21が弱く押鍵された場合、ハンマー部材4の回転動作における角速度は小さいため、回転部材43が受ける遠心力は小さくなる。回転部材43は自重により重心Gが第2支点部R2の下方に位置するように第1方向D1側へ回転するため、ハンマー部材4は突出部433が上端部414bから第2被当接部321b側へ突出した状態で上方へ回転する。
図6(b)は、図6(a)の状態からさらに押鍵してハンマー部材4を約19°回転させた状態を示している。ハンマー部材4は、弱打の場合、突出部433が上端部414bから第2被当接部321b側へ突出した状態で上方へ回転するため、当接部414a及び第1被当接部321aよりも先に突出部433と第2被当接部321bとが当接する。このとき、奏者の指には当接した際の振動が伝達される。また、突出部433と第2被当接部321bは第2支点部R2よりも前方側で当接するため、さらにハンマー部材4が回転して第2被当接部321bの反力を突出部433が受けて突出部433が下方へ押圧されると、回転部材43は第2方向D2へ回転する。そのため、回転部材43は、上端部414bからの突出量が減少し、当接部414aと第1被当接部321aとが当接するまで、奏者の指に伝達される抗力が一時的に和らぐ。図5(b)に示すように、当接部414aと第1被当接部321aとが当接すると、ハンマー部材4の上方への回転及び白鍵21の下降が規制されて、再び奏者の指には押鍵に対する抗力が伝達される。
このように、白鍵21を弱く押鍵した場合、奏者はアコースティックピアノのハンマーが打弦して弦から離れるレットオフ感を押鍵時に得ることができる。また、本実施形態の構成によれば、レットオフ感は、ハンマー錘413が第1被当接部321aに当接する前に、突出部433が第1の突出状態で第2被当接部に当接することで、鍵2に伝達される(図9に示す黒鍵22に対応するハンマー部材4も同様)。
図7(a)は白鍵21が強く押鍵された場合のハンマー部材4を約10°回転させた状態を示している。白鍵21が強く押鍵された場合、ハンマー部材4の回転動作における角速度は大きいため、回転部材43が受ける遠心力は大きくなる。回転部材43は、遠心力により重心Gのある回転錘部432側が第2方向D2へ移動するように回転するため、ハンマー部材4は突出部433が図6(a)に示す弱打時に比べて上端部414bからの突出量が減少した状態で上方へ回転する。
図7(b)は、図6(b)と同様にハンマー部材4を約19°回転させた状態を示している。ハンマー部材4は、強打の場合、突出部433が上端部414bからの突出量が少ない状態で上方へ回転するため、突出部433及び第2被当接部321bよりも先に当接部414aと第1被当接部321aとが当接する。このとき、奏者の指には当接した際の振動が伝達される。当接部414aと第1被当接部321aとが当接すると、ハンマー部材4の上方への回転及び白鍵21の下降が規制される。強打の場合は、奏者の指に回転部材43によるレットオフ感が伝達されないため、ハンマー部材4は押鍵速度に応じて鍵タッチ感を変化させることができる。これにより、奏者は、アコースティックピアノと同様の鍵タッチ感を得ることができる。
黒鍵22に対応するハンマー部材4の動作についても白鍵21に対応するハンマー部材4と同様に行われる。黒鍵22を弱く(遅く)押鍵した弱打の場合と、黒鍵22を強く(早く)押下鍵した強打の場合におけるハンマー部材4の動作は、主に図9及び図10(白鍵21の図6及び図7に対応)に示される。
図9(a)は、黒鍵22が弱く押鍵された場合のハンマー部材を約10°回転させた状態を示している。黒鍵22が弱く押鍵された場合、ハンマー部材4の回転操作における角速度は小さいため、回転部材43が受ける遠心力は小さくなる。回転部材43は自重により重心Gが第2支点部R2の下方に位置するように第1方向D1へ回転するため、ハンマー部材4は突出部433が上端部414bから第2被当接部321b側へ突出した状態で上方へ回転する。
図9(b)は、図9(a)からさらに押鍵してハンマー部材4を約19°回転させた状態を示している。ハンマー部材4は、弱打の場合、突出部433が上端部414bから第2被当接部321b側へ突出した状態で上方へ回転するため、当接部414a及び第1被当接部321aよりも先に突出部433と第2被当接部321bとが当接する。このとき、奏者の指には当接した際の振動が伝達される。また、突出部433と第2被当接部321bは第2支点部R2よりも前方側で当接するため、突出部433が下方へ押圧されると、回転部材43は第2方向D2へ回転する。そのため、回転部材43は、上端部414bからの突出量が減少し、当接部414aと第1被当接部321aとが当接するまで、奏者の指に伝達される抗力が一時的に和らぐ。図8(b)に示すように、当接部414aと第1被当接部321aとが当接すると、ハンマー部材4の上方への回転及び黒鍵22の下降が規制されて、再び奏者の指には押鍵に対する抗力が伝達される。
このように、黒鍵22を弱く押鍵した場合、白鍵21と同様に奏者はアコースティックピアノのハンマーが打弦して弦から離れるレットオフ感を押鍵時に得ることができる。
図10(a)は黒鍵22が強く押鍵された場合のハンマー部材4を約10°回転させた状態を示している。黒鍵22が強く押鍵された場合、ハンマー部材4の回転動作における角速度は大きいため、回転部材43が受ける遠心力は大きくなる。回転部材43は、遠心力により重心Gのある回転錘部432側が第2方向D2へ移動するように回転するため、ハンマー部材4は突出部433が図9(a)に示す弱打時に比べて上端部414bからの突出量が減少した状態で上方へ回転する。
図10(b)は、図9(b)と同様にハンマー部材4を約19°回転させた状態を示している。ハンマー部材4は、強打の場合、突出部433が上端部414bからの突出量が少ない状態で上方へ回転するため、突出部433及び第2被当接部321bよりも先に当接部414aと第1被当接部321aとが当接する。このとき、奏者の指には当接した際の振動が伝達される。当接部414aと第1被当接部321aとが当接すると、ハンマー部材4の上方への回転及び黒鍵22の下降が規制される。強打の場合は、奏者の指に回転部材43によるレットオフ感が伝達されないため、ハンマー部材4は押鍵速度に応じて鍵タッチ感を変化させることができる。これにより、奏者は、アコースティックピアノと同様の鍵タッチ感を得ることができる。
図11は、押鍵時におけるハンマー部材4と、被当接部321(第1被当接部321a,第2被当接部321b)との距離に対する動作時間の関係を示す模式図である。図11では、図5(a)に示した白鍵21に対応するハンマー部材4の当接部414aと第1被当接部321aとの距離H(以下、弱打時は距離H1、強打時は距離H2とする。)、及び、回転部材43の突出部433と第2被当接部321bとの距離h(以下、弱打時は距離h1,強打時は距離h2とする。)の変化について説明するが、黒鍵22に対応するハンマー部材4についても同様に変化することができる。ハンマー部材4の待機状態において、距離H1,H2及び距離h1,h2の初期値はそれぞれ「H」及び「h」であり、「H」は「h」よりも大きく設定される。
鍵2を弱く押鍵(弱打)した場合、当接部414aと第1被当接部321aとの距離H1は、距離Hだけ離間した待機状態(図5(a)又は図8(a)の状態)から、当接部414aと第1被当接部321aとが当接する押鍵状態(図5(b)又は図8(b)の状態)まで単調減少する。また、回転部材43の突出部433と第2被当接部321bとの距離h1も、距離hだけ離間した待機状態から、突出部433と第2被当接部321bとが当接する押鍵状態まで単調減少する。突出部433は、当接部414aと第1被当接部321aとが当接する前に、第2被当接部321bと当接するため、距離h1は、距離H1よりも早く「0」となる。
鍵2を強く押鍵(強打)した場合、当接部414aと第1被当接部321aとの距離H2は、距離Hだけ離間した待機状態から、当接部414aと第1被当接部321aとが当接する押鍵状態まで単調減少する。一方、回転部材43の突出部433と第2被当接部321bとの距離h2は、距離hだけ離間した待機状態から、突出部433と第2被当接部321bとが当接する前に変化点T1において回転部材43が回転し、距離h2と距離H2とが近付いた後に押鍵状態まで単調減少する。従って、距離h2は、距離H2と略同時又は距離H2よりも遅く「0」となる。
変化点T1は、例えば、回転部材43が回転する前の状態から図10(a)のように回転部材43が回転したタイミングを示す。
なお、本実施形態では、弱打及び強打の場合で回転部材43の動作が異なる例を説明したが、当接部414aが第1被当接部321aと当接する前に回転部材43が回転するか否か(すなわち、本実施形態で説明した弱打又は強打のいずれの動作に該当するか否か)は、ハンマー部材4の回転時における角速度や回転部材43の質量等の条件によって設定することができる。例えば、本実施形態で示した弱打及び強打はスイッチ部51,52のオン信号により求めたベロシティ値の範囲に対応して定まるようにしてもよい。
以上のように各鍵2のハンマー部材4を構成すると、回転部材43は、図5(a)及び図8(a)の側面視に示す待機状態において上端部414bよりも第2被当接部321b側へ突出し、ハンマー部材4の回転速度に応じた遠心力によって第2支点部R2により回転して上端部414bから突出量を制御可能に構成することができる。
また、本実施形態では、第1被当接部321a及び第2被当接部321bは別体である例について示したが、一体に形成してもよい。また、ハンマー部材4は、押鍵時に当接部414aと第1被当接部321aが当接する例について説明したが、上端部414bが当接部として第2被当接部321bと当接し、ハンマー部材4の上方への回転を規制する構成としてもよい。或いは、当接部414aを上端部414bよりも前方側(第1支点部R1側)に配置して、第1被当接部321aも当接部414aに対応して第2被当接部321bよりも前方側に配置してもよい。
また、図7及び図10の回転部材43の回転時において、突出部433が上端部414bよりも下方に没入するように第2規制部416bの位置を適宜設定してもよい。
以上、本実施形態では、押鍵操作に基づく力点部412の変位に応じて、作用点部側に設けられるハンマー錘413が第1支点部R1を中心に回転するハンマー部材4と、ハンマー部材4の作用点部側に設けられる第2支点部R2にて軸支され、一端側に設けられる回転錘部432がハンマー錘413の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられるハンマー錘413からの突出部433が回転することにより突出部433の突出状態が変化する回転部材43と、ハンマー錘413の当接に応じて鍵2に打感を伝達させる第1被当接部321aと、突出部433が第1の突出状態で当接した場合に鍵2にレットオフ感を伝達させ、突出部433が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合に鍵2にレットオフ感を伝達させない第2被当接部321bと、を備える鍵盤楽器1について説明した。従って、回転部材43の回転による突出部433の突出状態によりレットオフ感を変化させることができ、簡易な構成で良好に押鍵感触を伝達する鍵盤楽器1を構成することができる。
また、第1の突出状態は少なくとも突出部433が回転していない状態を含み、第2の突出状態は突出部433が回転している状態を含む鍵盤楽器1は、押鍵操作に基づくハンマー部材4の回転速度に応じて回転部材43の回転を制御し、容易に突出部433の突出状態を変化させることができる。
また、ハンマー錘413が第1被当接部321aに当接する前に、突出部433が第1の突出状態で第2被当接部321bに当接することで鍵2にレットオフ感を伝達させる鍵盤楽器1は、良好にレットオフ感を伝達させることができる。
また、ハンマー部材4は、回転錘部432の第1方向D1への動きを規制する第1規制部416aと、回転錘部432の第2方向D2への動きを規制する第2規制部416bと、を有する鍵盤楽器1は、回転部材43の動作範囲を予め設定して、押鍵操作による回転部材43の動作の応答速度を高めることができる。
また、第1の突出状態は回転錘部432が第1規制部416aにより回転を規制された状態を含み、第2の突出状態は回転錘部432が第2規制部416bにより回転を規制された状態を含む鍵盤楽器1は、突出部433を予め定めた範囲の突出状態に安定して切り替えることができる。
また、突出部433が第1支点部R1と第2支点部R2を仮想的に結ぶ線を挟んで、回転錘部432の反対側に配置される鍵盤楽器1は、ハンマー錘413の上方に突出部433及び第2被当接部321bを配置してレットオフ感を発生させることができる。
また、回転部材43は、第2支点部R2からの距離が突出部433より短い傾斜部433cを含み、突出部433が第2の突出状態のときに、傾斜部433cが第2被当接部321bに当接或いは当接しない場合に鍵2にレットオフ感を伝達させない構成とした。これにより、回転部材43が第2の突出状態側に回転すると突出部433の突出量が減少するように変化させることができる。
また、鍵2の前後方向における、第1被当接部321aの前側に、第2被当接部321bが設けられている鍵盤楽器1は、第2被当接部321bが第1支点部R1側に設けられるため、第2被当接部321bと突出部433とのストローク距離を短く設定して突出部433との当接による第2被当接部321bの消耗を低減することができる。
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
押鍵操作に基づく力点部の変位に応じて、作用点部側に設けられるハンマー錘が第1支点部を中心に回転するハンマー部材と、
前記ハンマー部材の前記作用点部側に設けられる第2支点部にて軸支され、一端側に設けられる回転錘部が前記ハンマー錘の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられる前記ハンマー錘からの突出部が回転することにより前記突出部の突出状態が変化する回転部材と、
前記ハンマー錘の当接に応じて鍵に打感を伝達させる第1被当接部と、
前記突出部が第1の突出状態で当接した場合に鍵にレットオフ感を伝達させ、前記突出部が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合に鍵にレットオフ感を伝達させない第2被当接部と、
を備える鍵盤楽器。
[請求項2]
前記第1の突出状態は、少なくとも前記突出部が回転していない状態を含み、
前記第2の突出状態は、前記突出部が回転している状態を含む、
請求項1に記載の鍵盤楽器。
[請求項3]
前記ハンマー錘が前記第1被当接部に当接する前に、前記突出部が前記第1の突出状態で前記第2被当接部に当接することで鍵にレットオフ感を伝達させる、
請求項1または2に記載の鍵盤楽器。
[請求項4]
前記ハンマー部材は、
前記回転錘部の第1方向への動きを規制する第1規制部と、
前記回転錘部の第2方向への動きを規制する第2規制部と、
を有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の鍵盤楽器。
[請求項5]
前記第1の突出状態は、前記回転錘部が前記第1規制部により回転を規制された状態を含み、
前記第2の突出状態は、前記回転錘部が前記第2規制部により回転を規制された状態を含む、
請求項4に記載の鍵盤楽器。
[請求項6]
前記突出部は、前記第1支点部と前記第2支点部を仮想的に結ぶ線を挟んで、前記回転錘部の反対側に配置される、
請求項1乃至5のいずれかに記載の鍵盤楽器。
[請求項7]
前記回転部材は、前記第2支点部からの距離が前記突出部より短い傾斜部を含み、
前記突出部が前記第2の突出状態のときに、前記傾斜部が前記第2被当接部に当接或いは当接しない場合に鍵にレットオフ感を伝達させない、
請求項1乃至6のいずれかに記載の鍵盤楽器。
[請求項8]
鍵の前後方向における、前記第1被当接部の前側に、前記第2被当接部が設けられている、
請求項1乃至7のいずれかに記載の鍵盤楽器。
1 鍵盤楽器 2 鍵
3 鍵盤シャーシ 4 ハンマー部材
5 回路基板 6 ハンマーホルダ
11 外装シャーシ 12 操作パネル
21 白鍵 22 黒鍵
31 凹状部 32 載置部
33 前脚部 34 後脚部
35 基板載置部 36 鍵載置部
37 取付部 39 基板
41 ハンマー本体 42 ハンマーキャップ
43 回転部材 44 軸部材
51 スイッチ部 52 スイッチ部
61 軸受 211 回転軸部
212 スイッチ突出部 213 ハンマー押圧部
213a ハンマー連結孔 214 前脚部
214a 側板 215 規制突起
215a ストッパ面 215b ストッパ面
221 回転軸部 222 スイッチ突出部
223 ハンマー押圧部 223a ハンマー連結孔
223b 側板 321 被当接部
321a 第1被当接部 321b 第2被当接部
331 規制部 331a 上限ストッパ部
331b 下限ストッパ部 341 被当接部
361 鍵取付部 361a 回転軸
381 白鍵ガイド部 382 黒鍵ガイド部
411 腕部 411a 軸部
412 力点部 413 ハンマー錘
413a 雌螺子部 414a 当接部
414b 上端部 415 当接部
416a 第1規制部 416b 第2規制部
431 膨出部 431a 軸孔
432 回転錘部 433 突出部
433a 平坦部 433b 湾曲部
433c 傾斜部 434 凹部
441 頭部 442 軸部
443 雄螺子部
D1 第1方向 D2 第2方向
G 重心 H,h 距離
H0,H1,H2 距離 h0,h1,h2 距離
P 左端部 R0 軸線
R1 第1支点部 R2 第2支点部
T1 変化点 θ 移動範囲

Claims (8)

  1. 押鍵操作に基づく力点部の変位に応じて、作用点部側に設けられるハンマー錘が第1支点部を中心に回転するハンマー部材と、
    前記ハンマー部材の前記作用点部側に設けられる第2支点部にて軸支され、一端側に設けられる回転錘部が前記ハンマー錘の回転に応じて回転する場合に、他端側に設けられる前記ハンマー錘からの突出部が回転することにより前記突出部の突出状態が変化する回転部材と、
    前記ハンマー錘の当接に応じて鍵に打感を伝達させる第1被当接部と、
    前記突出部が第1の突出状態で当接した場合に鍵にレットオフ感を伝達させ、前記突出部が第2の突出状態で当接或いは当接しない場合に鍵にレットオフ感を伝達させない第2被当接部と、
    を備える鍵盤楽器。
  2. 前記第1の突出状態は、少なくとも前記突出部が回転していない状態を含み、
    前記第2の突出状態は、前記突出部が回転している状態を含む、
    請求項1に記載の鍵盤楽器。
  3. 前記ハンマー錘が前記第1被当接部に当接する前に、前記突出部が前記第1の突出状態で前記第2被当接部に当接することで鍵にレットオフ感を伝達させる、
    請求項1または2に記載の鍵盤楽器。
  4. 前記ハンマー部材は、
    前記回転錘部の第1方向への動きを規制する第1規制部と、
    前記回転錘部の第2方向への動きを規制する第2規制部と、
    を有する、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の鍵盤楽器。
  5. 前記第1の突出状態は、前記回転錘部が前記第1規制部により回転を規制された状態を含み、
    前記第2の突出状態は、前記回転錘部が前記第2規制部により回転を規制された状態を含む、
    請求項4に記載の鍵盤楽器。
  6. 前記突出部は、前記第1支点部と前記第2支点部を仮想的に結ぶ線を挟んで、前記回転錘部の反対側に配置される、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の鍵盤楽器。
  7. 前記回転部材は、前記第2支点部からの距離が前記突出部より短い傾斜部を含み、
    前記突出部が前記第2の突出状態のときに、前記傾斜部が前記第2被当接部に当接或いは当接しない場合に鍵にレットオフ感を伝達させない、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の鍵盤楽器。
  8. 鍵の前後方向における、前記第1被当接部の前側に、前記第2被当接部が設けられている、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の鍵盤楽器。
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