JP2021131357A - 複合材料の疲労強度評価方法 - Google Patents

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【課題】複合材料の疲労強度を高精度に評価できる方法を提供することを目的とする。【解決手段】複合材料からなる試料に、外的負荷を反復して加えながら行う疲労強度評価方法であって、前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第一温度振幅分布を作成する工程(a)と、前記工程(a)の後、前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、前記赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第二温度振幅分布を作成する工程(b)と、前記第一温度振幅分布と前記第二温度振幅分布との差をとり、温度振幅変動分布を作成する工程(c)と、前記温度振幅変動分布から、損傷を判定するための損傷パラメータを算出して、前記試料の疲労強度を評価する工程(d)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、疲労強度評価方法に関し、特に複合材料の疲労強度評価方法に関する。
近年、炭素繊維と樹脂からなる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や、ガラス繊維と樹脂からなるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)といった軽量で強度の高い繊維強化複合材料が幅広く用いられており、特に航空宇宙分野のような、高い信頼性が求められる分野において多用されている。
上述のような、高い信頼性を求められる分野においては、CFRPのような繊維強化複合材料の疲労強度や損傷を高精度、かつ、迅速に評価できる手法が求められる。従来、その手法の一つとして、熱弾性解析という手法が知られている。熱弾性解析とは、対象とする材料に外的負荷を加え、試料が弾性的に変形することで生じる微小な温度変動を測定し、材料の疲労強度の評価や損傷状況を解析するものである。
熱弾性解析の多くは、赤外線サーモグラフィ装置を用いて行われている。赤外線サーモグラフィ装置を用いた熱弾性解析は、対象物を非破壊かつ非接触で評価することができ、さらに、対象物を2次元的に解析することができるため、短時間に広範囲にわたって評価可能であり、対象物内に生じている欠陥の位置や形状を温度分布から視覚的に確認することができるという特徴がある。
例えば、下記特許文献1では、評価対象である材料に反復負荷を印加した時の温度振幅を測定し、予め把握しておいた評価対象の材料の疲労強度と、反復負荷を印加した時の温度振幅の関係から、疲労強度を評価する方法が記載されている。
特開2005−249597号公報
ところが、評価対象の材料が複合材料である場合、複合材料を構成する各素材の間に界面が存在するため、界面の剥離等の損傷が発生しやすく、発生した損傷から界面に沿って損傷が進展していくといった、特有の欠陥が生じやすい。さらに、複合材料は、界面が存在することによって、評価対象の材料から評価用の試料を切り出す際に、亀裂や剥離といった初期欠陥も生じやすい。
上記特許文献1に記載されている方法は、外的負荷を加えたことで発生した欠陥を確認することはできるが、初期欠陥の確認や、初期欠陥からの損傷の進展状況を確認することはできない。従って、初期欠陥の発生に応じた評価や損傷の進展状況が確認できないため、疲労強度の評価結果にバラつきが生じやすく、かつ、その原因の特定が困難であるため、高い精度で疲労強度評価ができないという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、複合材料の疲労強度を高精度に評価できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、複合材料からなる試料に、外的負荷を反復して加えながら行う疲労強度評価方法であって、
前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第一温度振幅分布を作成する工程(a)と、
前記工程(a)の後、前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、前記赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第二温度振幅分布を作成する工程(b)と、
前記第一温度振幅分布と前記第二温度振幅分布との差をとり、温度振幅変動分布を作成する工程(c)と、
前記温度振幅変動分布から、損傷を判定するための損傷パラメータを算出して、前記試料の疲労強度を評価する工程(d)とを含むことを特徴とする。
工程(a)は、外的負荷によって、試料が弾性的に変形することで、試料に発生する微小な温度変動を赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第一温度振幅分布を作成する工程である。試料とは、評価に用いるために適切な形状に加工された複合材料である。なお、工程(a)は、試料に外的負荷があまり加えられていない状態で行われることが好ましく、試料に加えられた外的負荷の反復回数が1,000回以下の状態で行われることが好ましい。
外的負荷は、例えば、引張負荷、圧縮負荷、剪断負荷、曲げ負荷等が用いられる。これらは、評価対象の複合材料の種類、評価基準、試料の形状といった評価条件に応じて適宜選択される。
赤外線サーモグラフィ装置は、試料の温度変動を2次元的に計測し、撮影した試料の温度分布を画像として可視化するため、損傷個所や損傷の大きさ、さらには損傷の進展状況を可視化することができる。損傷個所や損傷の進展状況等が可視化されることで、例えば、疲労強度評価結果に大きなバラつきが生じた場合に、初期欠陥や局所的な構造の欠陥等によって、損傷が発生や損傷の拡大していく状態を目視で確認をすることができ、評価結果にバラつきが生じた際に、バラつきの原因を特定しやすくなる。
工程(b)は、工程(a)の後、再び工程(a)と同じ方法で試料の微小な温度変動を赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第二温度振幅分布を作成する工程である。工程(a)と工程(b)との間に、試料に加える外的負荷の反復回数は、評価する複合材料や評価基準に従って任意に設定されてもよく、好ましくは1,000回以上10,000回以下であり、さらに好ましくは1,000回以上2,000回以下である。
工程(a)と工程(b)との間において、温度振幅分布を測定し、第三温度振幅分布を取得するものであっても構わない。さらには、第四温度振幅分布、第五温度振幅分布と、外的負荷を加えている最中に、複数回の温度振幅分布を取得するものであっても構わない。外的負荷を加えている間の温度振幅変動を観測することで、外的負荷を加えている最中に、温度振幅分布の時間経過での変化を確認することができるため、損傷が試料のどこで発生し、どのように進展しているのかを確認することができる。
工程(c)は、第一温度振幅分布と第二温度振幅分布との差をとり、温度振幅変動分布を作成する工程である。本明細書において、第一温度変動分布と第二温度変動分布の差を取るとは、第一温度変動分布におけるそれぞれの位置又は座標の温度変動値と、第二温度変動分布のそれぞれ対応する位置又は座標の温度変動値との差を取ることである。
工程(d)は、損傷パラメータを算出し、算出された損傷パラメータに基づいて、試料の疲労強度を評価する工程である。損傷パラメータには、例えば、温度振幅変動分布全体における温度振幅変動量の平均値や最大値とすることができ、これらに基づいて試料の疲労強度が評価される。試料の疲労強度の判定方法の一例としては、取得された試料の損傷パラメータがある負荷繰返し数までに所定の閾値に達したら疲労強度が弱く、損傷パラメータが所定の閾値に満たない場合は疲労強度が強いと判定する。
上記の工程による評価方法によれば、試料に外的負荷が加えられる前後での温度振幅の変動量に基づいて疲労強度が評価される。従って、第一温度分布の取得と第二温度分布の取得との間で、試料に加えられた外的負荷によって生じた変化のみが損傷として検出されるため初期欠陥による疲労強度の評価への影響が少ない。
また、上記の工程による評価方法によれば、第一温度振幅分布及び第二温度振幅分布が作成されているため、それぞれの分布によって、初期欠陥が発生していたかどうかや、亀裂や剥離の発生箇所と、そこから損傷がどのように進展しているかを確認することができる。
上記の工程による疲労強度評価方法によれば、初期欠陥に起因した評価結果のバラつきが抑制され、複合材料の疲労強度評価の精度を向上される。さらに、初期欠陥の有無を確認することができ、評価対象の試料として適切であるか否かの判別も行うことができる。
上記複合材料の疲労強度方法において、
前記損傷パラメータは、温度振幅変動分布全体の面積に対する、損傷と判別されている領域の面積の割合を示す損傷面積率とすることができる。
損傷面積率は、温度振幅変動分布を図示した場合の全体の面積に対して、温度振幅変動量が、損傷発生したと判定するための閾値を超えている領域の面積の割合である。損傷パラメータを損傷面積率とすることで、試料が外的負荷を加えることによって、どの程度損傷が進展したのかを確認することができる。
上記複合材料の疲労強度評価方法において、
工程(d)は、ワイブル分布を用いて前記試料の疲労強度を判定することができる。
ワイブル分布によって、引張負荷を加える回数に応じた累積の損傷確率を記述する関数F(N)は、下記の数式1のような式で記述される。
Figure 2021131357
数式1に現れる各パラメータは、mが形状パラメータ(ワイブル係数)、ηが尺度パラメータと称され、評価対象の複合材料ごとに固有の適切な数値が設定される。また、Nは整数であり、試料に外的負荷を加えた回数である。
ワイブル分布は、物体の疲労強度等を統計的に解析する場合に用いられる確率分布である。ワイブル分布は、評価対象とする試料(複合材料)によって定められる、形状パラメータと尺度パラメータという値を設定することで、時間変化や負荷を加える反復回数と累積破断確率との関係を記述することができる。
ワイブル分布を用いることで、所定の反復回数だけ外的負荷が加えられた時の損傷率に基づいて、当該試料が、外的負荷を何回加えられると破壊してしまうかを確率統計的に予測することができる。つまり、試料が破断するまで外的負荷を加え続けなくとも、複合材料の疲労強度を評価することができるため、疲労強度評価時間が大幅に短縮される。
また、初期欠陥や剥離の発生位置、剥離の合体等の試料が破断するまでに必要な外的負荷を加える反復回数のバラつきをも含めて、強度比較をすることができる。従って、初期欠陥に起因した評価結果のバラつきが抑制され、複合材料の疲労強度評価の精度をさらに向上させることができる。
本発明によれば、複合材料の疲労強度を高精度に評価できる方法を提供することできる。
本発明の複合材料の疲労強度評価方法の一実施形態のフローチャートを示す図面である。 本発明の複合材料の疲労強度評価方法の評価対象となる試料の正面視の形状を示す模式的な図面である。 検証における複合材料の第一温度振幅分布と第二温度振幅分布である。 検証における複合材料の温度振幅変動分布である。 各試料の破断繰返し数のワイブル分布のグラフである。 各試料の損傷面積率が1%に達するのに要した反復回数のワイブル分布のグラフである。 各試料の損傷面積率が5%に達するのに要した反復回数のワイブル分布のグラフである。 各試料の損傷面積率が10%に達するのに要した反復回数のワイブル分布のグラフである。 各試料の損傷面積率が20%に達するのに要した反復回数のワイブル分布のグラフである。
以下、本発明の複合材料の疲労強度評価方法について、図面を参照して説明する。
[評価方法]
本実施形態では、負荷装置、赤外線サーモグラフィ装置、演算処理装置によって試料の疲労強度を評価するものについて説明する。図1は、本発明の複合材料の疲労強度評価方法の一実施形態のフローチャートを示す図面である。評価を行う試料1には、負荷装置によって負荷を加えるために適当な形状に、複合材料が加工されたものである。なお、本実施形態において試料1に加えられる外的負荷は、引張応力である。
図2は、本発明の複合材料の疲労強度評価方法で評価対象となる試料1の正面視の形状を示す模式的な図面である。図2に示すように、試料1は長方形状であって、両短辺の把持部(2a,2b)が負荷装置によって把持されて、引張方向3に反復して引張負荷が加えられる。
図1に示すように、まず、負荷装置が試料1に引張負荷が加え始め(S1)、その後、赤外線サーモグラフィ装置が基準となる試料1の温度を2次元的に測定し、画素ごとの第一温度振幅分布が作成される(S2)。
第一温度振幅分布が作成された後、負荷装置が反復して数万回の引張負荷を試料1に加えられるのを待つ(S3)。その後、赤外線サーモグラフィ装置が、再び試料1の温度を2次元的に測定し、画素ごとの第二温度振幅分布を作成する(S4)。
第一温度振幅分布と第二温度振幅分布が作成されると、演算処理装置が、第一温度振幅分布におけるそれぞれの画素の温度変動値と、第二温度振幅分布のそれぞれ対応する画素の温度振幅値との差を取って温度振幅変動分布を作成する(S5)。
作成された温度振幅変動分布から、演算処理装置が損傷パラメータとして損傷面積率を算出する(S6)。損傷面積率は、上述の通り、試料1の温度振幅変動分布全体の面積に対する、温度振幅変動量が、損傷発生したと判定するための閾値を超えている領域の面積の割合として算出される。本実施形態では、赤外線サーモグラフィ装置によって2次元的に温度測定された領域全体の画素数に対する、温度振幅変動量が、損傷発生したと判定するための閾値を超えている画素数の割合として算出される。
演算処理装置は、算出された損傷面積率から、ワイブル分布に基づいて疲労強度を評価する(S7)。ワイブル分布は上述したように、物体の強度を統計的に記述する確率分布であり、疲労強度を評価するためには、評価対象の複合材料に応じたm(形状パラメータ)及びη(尺度パラメータ)を決めておく必要がある。これらは、同じ複合材料からなる複数の試料1を評価することで求められる。
さらに、本実施形態では、損傷面積率が所定の数値に達したときの引張負荷を加えた回数を評価打切り数Nfとする。そして、試料1の評価打切り数Nfについて、ワイブル分布で整理すると、引張負荷の反復回数に対する試料1が所定の損傷面積率に達する累積確率分布が得られる。
こうして得られた累積確率分布のうち、特定の確率に達するまでの引張負荷の反復回数を比較することで、相対的に複合罪材料の強度を評価することができる。
本実施形態によれば、上述のように、引張負荷を加える前後での温度振幅変動を測定して解析する手法であることから、初期欠陥による影響を受けにくく、複合材料の疲労強度の評価制度を向上させることができる。また、確率統計分布を用いて、複合材料が持つ特性の傾向に基づいた数値を用いて評価を行うため、バラつきの少ない評価結果が得られやすい。
また、一般的な疲労強度の評価は、複合材料が破断するまで外的負荷を加えて評価される。しかし、本検証からもわかるように、本発明の疲労強度評価方法は、所定回数の外的負荷を加えた時点での損傷率から、当該複合材料に応じたワイブル分布から確率統計的に疲労強度を評価する。従って、一般的な疲労強度の評価方法と比較して、外的負荷を加える回数を100分の1、又は1000分の1程度で評価することができるため、評価時間が短縮される。
[検証]
本発明の複合材料の疲労強度評価方法の精度につき、検証結果を説明する。
(条件)
いくつかの複合材料を用いて本発明の効果の検証を行った。評価対象の複合材料は、ビニルウレタン樹脂の組成の材料とし、それぞれ材料Bと材料Cとして2種類用意し、材料Bを5本、材料Cを6本評価した。
試料1の大きさは12.5mm×200mmとした。
負荷装置によって試料1に加えられる引張負荷は、図2に示す引張方向3に対して800N/mm2を最大値とする変動負荷とした。
第一温度振幅分布を作成するための赤外線サーモグラフィ装置温度分布による測定は、負荷装置が試料1に引張負荷が加え始めてから反復回数が1,000回となったところで行った。
第二温度振幅分布を作成するための赤外線サーモグラフィ装置温度分布による測定は、負荷装置が試料1に引張負荷が加え始めてから反復回数が10,000回、50,000回、及び100,000回となったところで行った。
損傷と判定する温度振幅変動量の閾値は、±0.05℃とした。
(結果)
図3は、検証における複合材料の第一温度振幅分布と第二温度振幅分布である。図4は、検証における複合材料の温度振幅変動分布である。第一温度振幅分布を示す図は、図3の(x)である。第二温度振幅分布を示す図は、図3の(a)〜(c)であり、それぞれ(a)は、反復回数が10,000回、(b)は、反復回数が50,000回、(c)は、反復回数が100,000回での第二温度振幅分布を示している。
図3に示される、第一温度振幅分布(x)と、それぞれの第二温度振幅分布((a),(b),(c))との差を取ると、図4に示される、温度振幅変動分布((A),(B),(C))が得られる。
反復回数が10,000回では、試料1の把持部2a側の端部に低い温度変動とその内側に高い温度変動が現れており、繰返し数とともに温度変動が低い領域が端部に沿って、高い領域が内側に向かって広がっていることが分かる。これは損傷の発生と進展を示すものであり、損傷の様子を可視化することができる。
図5Aは、各試料の破断繰返し数Nfのワイブル分布のグラフであり、図5B〜図5Eは,各試料の損傷面積率が1%、5%、10%、20%に達するのに要した反復回数Nsaのワイブル分布のグラフである。いずれのワイブル分布においても材料Cの方が、材料Bよりも50%累積確率となる反復回数は大きい。すなわち、損傷の発生や進展が、材料Cでは材料Bよりも遅く、疲労強度が高いことを意味する。
表1は、材料Bと材料Cの累積確率50%(試行回数のうち、半数が破壊する反復回数)に到達するサイクル数をまとめた表である。
Figure 2021131357
表2及び表3は、各試料の従来の疲労強度試験による結果を示す表である。6本での材料Bの破断繰返し数の平均値は4.04×105回(標準偏差2.48×105回)であり、6本での材料Cの破断繰返し数の平均値は1.02×106回(標準偏差1.08×106回)である。従来の疲労強度試験は、材料Cは材料Bよりも破断繰返し数が大きいため、ワイブル分布による評価と同じように疲労強度が高いことはわかるが、破断繰返し数のバラつきが大きい。
Figure 2021131357
Figure 2021131357
以上より、本発明の疲労強度の評価方法は、破壊に要した繰返し数と損傷面積率とのワイブル分布での整理が同じ傾向を示していることからも損傷面積率を用いた評価で、疲労強度を評価できることがわかる。さらに、本発明の疲労強度の評価方法は、同一の複合材料から製作された各試料の結果に大きなバラつきは生じておらず、複合材料であっても、試料ごとに大きなバラつきが発生することなく、通常の疲労強度試験よりも精度良く評価できていることがわかる。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 試料に加える外的負荷は、周波数や、試料に加える力の大きさが、任意に設定されてもよく、常に一定でなくても構わない。また、試料に加えられる外的負荷は、周期的な負荷でなくても構わない。
〈2〉 本発明は、複合材料に限らず、複雑な形状の構造物や建造物に対しても適用することができる。例えば、建造物に対して、剪断負荷を反復して加えながら温度振幅分布を取得することで、建造物疲労強度を評価することができる。
1 : 試料
2a : 把持部
2b : 把持部
3 : 引張方向

Claims (3)

  1. 複合材料からなる試料に、外的負荷を反復して加えながら行う疲労強度評価方法であって、
    前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第一温度振幅分布を作成する工程(a)と、
    前記工程(a)の後、前記外的負荷を加えることで前記試料に発生する温度振幅を、前記赤外線サーモグラフィ装置によって測定し、第二温度振幅分布を作成する工程(b)と、
    前記第一温度振幅分布と前記第二温度振幅分布との差をとり、温度振幅変動分布を作成する工程(c)と、
    前記温度振幅変動分布から、損傷を判定するための損傷パラメータを算出して、前記試料の疲労強度を評価する工程(d)とを含むことを特徴とする複合材料の疲労強度評価方法。
  2. 前記損傷パラメータは、温度振幅変動分布全体の面積に対する、損傷と判別されている領域の面積の割合を示す損傷面積率であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料の疲労強度評価方法。
  3. 前記工程(d)は、ワイブル分布を用いて前記試料の疲労強度を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料の疲労強度評価方法。
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JP7487248B2 (ja) 2022-03-28 2024-05-20 株式会社豊田中央研究所 疲労損傷度特定装置及び疲労損傷度の特定方法

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