JP6650328B2 - 残留応力推定方法及び残留応力推定装置 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る残留応力推定装置は、構造物における結晶格子のひずみを反映した指標を取得し、取得された指標に基づいて結晶格子のひずみが生じた領域を特定し、特定された前記領域を解析範囲として設定し、この解析範囲について、固有ひずみ法に基づき構造物の残留応力を推定するものである。
図1は、本実施の形態に係る残留応力推定装置の構成を示すブロック図である。残留応力推定装置1は、コンピュータ10によって実現される。図1に示すように、コンピュータ10は、本体11と、入力部12と、表示部13とを備えている。本体11は、CPU111、ROM112、RAM113、ハードディスク115、読出装置114、入出力インタフェース116、及び画像出力インタフェース117を備えており、CPU111、ROM112、RAM113、ハードディスク115、読出装置114、入出力インタフェース116、及び画像出力インタフェース117は、バスによって接続されている。
(1)固有ひずみを用いた残留応力の算出
固有ひずみをε0とすると、残留応力σは次式で表される。
σ=D(ε−ε0) …(1)
但し、Dは弾性係数マトリックスであり、εは次式の関係を満たす全ひずみである。
N個の計測残留応力をσmと表す。これに対応して、固有ひずみから求めたN個の計算残留応力をσcとし、計測残留応力との残差Rを次式で定義する。
以下、本実施の形態に係る残留応力推定装置1の動作について説明する。
(a)a=[1,0,0,…,0]Tとして、ε0=Maを求める。
(b)式(4)を解き、uを求める。
(c)式(3)によりεを求める。
(d)式(1)によりσを求める。
(e)σの成分の中から、残留応力測定点に対応するN個の値を抽出し、これをHの第1列とする。
(f)a=[0,1,0,…,0]Tとして、Hの第2列も同様に(b)〜(f)の手順で求める。
本発明者は、上記で説明した残留応力推定方法の性能評価試験を行った。本評価試験では、ジャーナル軸の中心軸を中心とした周方向における解析範囲の幅をα0=−20°、Δα=100°で一定とし、解析範囲の深さΔrを種々変更して、固有ひずみ法による残留応力推定の数値実験を行い、深さΔr毎に正解値(実測値)と数値実験結果との比較を行った。なお、本試験に用いたサンプル(構造物)では、図8に示す硬さが測定された(つまり、塑性ひずみが発生した領域と発生していない領域との境界は深さ12mm付近に存在する)。また、本試験では、フィレット角40°における複数の深さにおいて残留応力の実測値及び推定値を取得した。実測値については、測定深さまで構造物を穿孔し、穴底にひずみゲージを貼って切断法により測定した。
本実施の形態では、構造物における格子ひずみを反映した指標としてX線回析法により得られる半価幅を用いる。構造物において格子ひずみが生じると、格子間の距離が変化する。その一方で、X線回析法又は中性子回析法により得られる半価幅は、格子間の距離(結晶サイズ)に反比例して広がることが知られている。つまり、半価幅は、格子間の距離を反映している。このため、放射光又は中性子等を構造物に照射して半価幅を測定し、この半価幅を、格子ひずみを反映した指標とすることができる。本実施の形態に係る残留応力推定装置は、X線回析法により得られる半価幅を利用して解析範囲を決定する。つまり、図4に示すステップS3において、ユーザは切断片から半価幅を測定し、ステップS4において、CPU111は半価幅の入力を受け付ける。
上記の実施の形態1及び2においては、残留応力推定装置が、結晶格子のひずみを反映した指標に基づいて解析範囲を決定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ユーザが、結晶格子のひずみを反映した指標に基づいて、解析範囲を決定し、この解析範囲を残留応力推定装置に入力してもよい。
10 コンピュータ
12 入力部
13 表示部
110 残留応力推定プログラム
111 CPU
115 ハードディスク
116 入出力インタフェース
117 画像出力インタフェース
Claims (6)
- 塑性加工を施した構造物を測定することにより、前記構造物における結晶格子のひずみを反映した指標を取得するステップと、
前記指標に基づいて結晶格子のひずみが生じた領域を特定し、特定された前記領域を残留応力を推定するための解析範囲として設定するステップと、
前記構造物から得られた残留応力に関する計測値に基づいて、前記解析範囲における前記構造物の固有ひずみを近似するよう前記解析範囲における固有ひずみの分布を推定するステップと、
推定された固有ひずみの分布に基づいて、前記構造物における残留応力を推定するステップと、
を有する、
固有ひずみに基づく残留応力推定方法。 - 前記指標は、結晶格子のひずみの有無によって変化する機械的性質である、
請求項1に記載の残留応力推定方法。 - 前記機械的性質は、硬さ、ヤング係数、降伏点、極限強度、破断強度、破断伸び、絞り、衝撃値、疲労強度、及びクリープ強度からなる群より選ばれる機械的性質である、
請求項2に記載の残留応力推定方法。 - 前記指標は、放射光又は中性子を前記構造物に照射して得られる前記結晶格子間の距離を反映した測定値である、
請求項1に記載の残留応力推定方法。 - 前記指標は、X線回析法又は中性子回析法により得られる半価幅である、
請求項4に記載の残留応力推定方法。 - 塑性加工を施した構造物を測定することにより、前記構造物における結晶格子のひずみを反映した指標を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記指標に基づいて結晶格子のひずみが生じた領域を特定し、特定された前記領域を残留応力を推定するための解析範囲として設定する設定手段と、
前記構造物の残留応力に関する計測値の入力を受け付ける入力部と、
前記設定手段により設定された前記解析範囲における前記構造物の固有ひずみを近似するよう、前記入力部により受け付けられた前記計測値を用いて前記解析範囲における固有ひずみの分布を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された前記固有ひずみの分布に基づく残留応力の推定結果を表示する表示部と、
を備える、
残留応力推定装置。
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JP2016076783A JP6650328B2 (ja) | 2016-04-06 | 2016-04-06 | 残留応力推定方法及び残留応力推定装置 |
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JP7290213B2 (ja) * | 2018-12-14 | 2023-06-13 | 学校法人 工学院大学 | 内部欠陥の検出方法及び内部欠陥の検出装置 |
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