JP2021131279A - 抗体検出方法、抗体産出細胞の検出方法、および抗体検出キット - Google Patents

抗体検出方法、抗体産出細胞の検出方法、および抗体検出キット Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト抗体IgGのアイソタイプを広く検出できる、新たな抗体の検出方法を提供する。【解決手段】被検サンプルと、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含む反応系を準備する工程、反応系に励起光を照射する工程、反応系におけるFRETアクセプター試薬の発光を検出する工程、および発光の有無により、被検サンプル中の抗体の有無を検出する工程とを含み、FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するProtein Gと励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであることを特徴とする抗体検出方法。【選択図】図1

Description

本発明は、抗体検出方法、抗体産出細胞の検出方法、および抗体検出キットに関する。
抗体医薬は、様々な疾患に対して開発が行われており、承認されている医薬品の中でも、売上は上位を占めている。生産方法に関しても、効率の改善が図られており、例えば、大腸菌発現系、無細胞翻訳系等も試みられてきたが、現在は、哺乳動物細胞を用いた大量培養が主流になっている。しかしながら、哺乳動物細胞を使用するため、ヒトに対して感染力を持つウイルスの混入等が懸念されることから、薬事申請においては、ウイルスクリアランス試験が必要不可欠となっている。このような汚染のリスクを低減する目的で、製造工程において動物由来成分を含まずに調製される培地等の開発も進められ、実際に製品化されている。また、抗体産生の有無には、1次抗体と2次抗体とを用いるELISAが一般的であるが、ELISAに使用される抗体自体が、製造工程において動物から製造されるという問題もある(非特許文献1)。
一方、前記抗体医薬の製造過程においては、細胞から生産される抗体の検出が必要である。しかし、前記抗体検出のために使用する試薬として、精度よく抗体を検出でき、且つ、動物由来成分を使用することなく製造された試薬は、市販されていない。
Engvall E, Perlmann P. "Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) quantitative assay of immunoglobulinG" Immunochemistry. 1971;8 (9):871-4. PMID:5135623. doi:10.1016/0019-2791(71)90454-X
そこで、動物由来成分を含むことなく製造された試薬を利用して抗体を検出し、抗体産生細胞を判断する方法として、ヒトIgGに結合するProtein GおよびProtein LとFRETとを利用する方法が考えられている。すなわち、Protein Gは、ヒトIgGのH鎖に結合でき、Protein Lは、ヒトIgGの軽鎖に結合できる。励起物質を付加したProtein Gと蛍光物質を付加したProtein Lとを被検サンプルに添加すると、抗体が存在すれば、抗体の同分子内にProtein GとProtein Lとが結合する。励起光を照射すると、Protein Gに付加された励起物質が励起され、その励起エネルギーにより同分子内に結合したProtein Lに付加された蛍光物質が蛍光を発する。このように、抗体の同分子内に結合したProtein GとProtein Lとの間に生じたFRETにより、抗体の有無が検出でき、これによってサンプル中の細胞が抗体産出細胞か否かを判断することもできる。しかしながら、このような方法であっても、抗体IgGの中に検出できないものがあることがわかった。
そこで、本発明は、例えば、動物由来成分を使用することなく製造できる試薬を用いて、ヒト抗体IgGのアイソタイプを広く検出できる、新たな抗体の検出方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の抗体検出方法は、被検サンプルと、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含む反応系を準備する工程、前記反応系に前記励起光を照射する工程、前記反応系における前記FRETアクセプター試薬の発光を検出する工程、および前記発光の有無により、前記被検サンプル中の抗体の有無を検出する工程とを含み、前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであることを特徴とする。
本発明の抗体産生細胞の検出方法は、細胞を含む被検サンプルを用いて、前記本発明の抗体検出方法により、前記被検サンプル中の抗体を検出し、前記抗体の有無に基づいて、前記細胞が抗体産出細胞か否かを判断することを特徴とする。
本発明の抗体検出キットは、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含み、前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであり、前記本発明の抗体検出方法に使用することを特徴とする。
本発明によれば、Protein Lを使用した場合に検出できなかったλ軽鎖を有するIgG、VκII軽鎖を有するIgGについても、FRETを利用して容易に検出することができる。このため、被検サンプルに細胞が含まれる場合、細胞が抗体産生細胞か否かも、IgGのアイソタイプに影響されることなく判断することができる。このため、本発明は、特に抗体医薬の開発および製造において、きわめて有用といえる。
図1は、IgG濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。 図2は、実施例2における光学検出系の概略図である。 図3は、各抗体希釈系を用いたドロップレットに関する620nmと520nmとの蛍光強度の関係をプロットしたグラフである。 図4は、IgGλ濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。 図5は、各抗体希釈系を用いたドロップレットに関する620nmと520nmとの蛍光強度の関係をプロットしたグラフである。 図6は、各種IgG濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。
<抗体検出方法>
本発明の抗体検出方法は、前述のように、被検サンプルと、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含む反応系を準備する工程、前記反応系に前記励起光を照射する工程、前記反応系における前記FRETアクセプター試薬の発光を検出する工程、および前記発光の有無により、前記被検サンプル中の抗体の有無を検出する工程とを含み、前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであることを特徴とする。
前記被検サンプル内に抗体が存在する場合、前記FRETドナー試薬および前記FRETアクセプター試薬は、同一の抗体分子内に結合する。このため、励起光を照射すると、抗体に結合した前記FRETドナー試薬から励起エネルギーが発生し、その励起エネルギーによって、同一分子に結合した前記FRETアクセプター試薬から蛍光が生じる。つまり、励起光照射による蛍光の発生は、前記被検サンプル内に抗体が存在することを意味する。
前記FRETドナー試薬は、励起光により励起される試薬であり、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体である。
ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチド(以下、結合用タンパク質という)は、特に制限されず、Protein Gがあげられる。前記Protein Gは、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質であり、例えば、細菌のタンパク質として、データベースUniprotにおいて、Swiss-prot: P19909で登録されている。Protein Gは、市販品を用いてもよいし、配列情報に基づいて、遺伝子工学または有機合成等により製造してもよい。以下、前記結合用タンパク質としてProtein Gを例にあげて説明するが、これには制限されない。前記FRETドナー試薬は、例えば、動物由来成分を含まない。ここで、動物由来成分を含まないとは、例えば、動物から採取した成分を、前記FRETドナー試薬の構成成分として、そのまま含むものではないことを意味する。
前記励起物質は、励起光によって励起するものであればよく、例えば、Cy3,FITC,Rhodamine,Alexa Fluor,FAM,ATTO,DyLight等があげられる。
前記結合用タンパク質(例えば、Protein G)と前記励起物質とは、例えば、直接的に結合(連結)してもよいし、間接的に結合してもよい。間接的な結合の場合、例えば、前記結合用タンパク質と前記励起物質とが、被結合物質とそれに対する結合物質との結合を介して、連結してもよい。具体的に、前記被結合物質が付加された前記結合用タンパク質と、前記結合物質が付加された前記励起物質とが、前記被結合物質と前記結合物質との結合により、連結されてもよい。前記被結合物質と前記結合物質との組み合わせは、特に制限されず、一方が、例えば、ビオチンまたはビオチン類縁体(例えば、イミノビオチン、デスチオビオチン等)であり、他方が、例えば、アビジンまたはアビジン類縁体(例えば、ストレプトアビジン等)である。
前記FRETアクセプター試薬は、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光する試薬であり、前記抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体である。
前記抗体フラグメントは、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントである。前記VHHフラグメントは、例えば、前記抗原をラクダに免疫し、得られた抗体からVHHフラグメントを回収することで製造してもよいし、そのようにして製造したVHHフラグメントの配列に基づいて、遺伝子工学または有機合成等により製造することもできる。
前記FRETアクセプター試薬において、前記VHHフラグメントは、例えば、ヒトIgGのCH1領域を抗原とするVHHフラグメントでもよいし、ヒトIgGのλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントでもよい。また、前記FRETアクセプター試薬において、前記結合体は、ヒトCH1領域を抗原とするVHHフラグメントとλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントとの複合体を含んでもよい。以下、特に示さない限り、前記VHHフラグメントは、前記複合体の形態も含む。
ヒトIgGのCH1領域を抗原とするVHHフラグメントは、例えば、市販品として、CaptureSelect(商標) Biotin CH1-XL conjugate、CaptureSelect(商標)CH1-XL Affinity Matrix、CaptureSelect(商標)Biotin Anti-IgG-CH1 Conjugate(いずれもThermoFisher)等が使用でき、ヒトIgGのλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントは、例えば、市販品として、CaptureSelect(商標) Biotin Anti-LC-lamda(Hu) conjugate(ThermoFisher)等が使用でき、前記複合体は、例えば、市販品として、CaptureSelect(商標) Human Fab-Lambda Kinetics Biotin conjugate(ThermoFisher)等が使用できる。前記FRETアクセプター試薬は、例えば、動物由来成分を含まない。ここで、動物由来成分を含まないとは、例えば、動物から採取した成分を、前記FRETアクセプター試薬の構成成分としてそのまま含むものではないことを意味する。本発明において、前記FRETアクセプター試薬に含まれる「ラクダ抗体由来のVHHフラグメント」は、例えば、細菌(例えば、大腸菌)等の非動物系の宿主で発現させた組み換えタンパク質である。
前記蛍光物質は、特に制限されず、例えば、前記励起物質からの励起エネルギーにより蛍光を発するものであり、前記励起物質の種類に応じて適宜決定できる。前記蛍光物質としては、例えば、Cy5,TRITC, TAMRA,Alexa Fluor,Texas Red,APC,PE,ATTO,DyLight等があげられる。
前記VHHフラグメントと前記発光物質とは、例えば、直接的に結合(連結)してもよいし、間接的に結合してもよい。間接的な結合の場合、例えば、前記VHHフラグメントと前記発光物質とが、被結合物質とそれに対する結合物質との結合を介して、連結してもよい。具体的に、前記被結合物質が付加された前記VHHフラグメントと、前記結合物質が付加された前記蛍光物質とが、前記被結合物質と前記結合物質との結合により、連結されてもよい。前記被結合物質と前記結合物質との組み合わせは、特に制限されず、前述と同様である。
前記FRETドナー試薬の励起物質と、前記FRETアクセプター試薬の蛍光物質との組み合わせは、特に制限されず、例えば、それぞれの励起波長と発光の検出波長との関係から適宜決定できるる。一例として、488 nmの励起波長をもつドナー(励起物質)と594 nmの励起波長のアクセプター(蛍光物質)とを組み合わせた場合、蛍光のオーバーラップが少なく、バックグラウンドも低くなるとされている。488 nmの励起波長をもつドナーは、例えば、FITC,Alexa Fluor 488,FAM,ATTO 488,DyLight 488等である。594 nmの励起波長のアクセプターは、例えば、Cy3.5, Alexa Fluor 594,Texas Red, ATTO 590,DyLight 594等である。」
本発明の抗体検出方法は、まず、反応系の準備工程として、被検サンプルと、前記FRETドナー試薬と、前記FRETアクセプター試薬とを含む反応系を準備する。
前記被検サンプルは、特に制限されず、例えば、抗体が含まれるサンプル、抗体が含まれるであろうサンプルである。また、前記被検サンプルは、例えば、細胞を含むサンプルであってもよい。前記被検サンプルとして細胞を含むサンプルを使用する場合、例えば、前記細胞が、実際に抗体を産生して細胞外に放出できる抗体産生細胞か否かを検出することができる。
前記反応系は、例えば、液状反応系であり、液体溶媒として、例えば、培地、緩衝液、生理食塩水等の水性溶媒を含んでもよい。前記反応系の調製において、例えば、前記被検サンプルと前記FRETドナー試薬と前記FRETアクセプター試薬との添加順序は、特に制限されない。
前記FRETドナー試薬は、例えば、前記反応系に、前記励起物質が付加された前記結合用タンパク質(例えば、Protein G)として添加してもよいし、前記反応系に、前記結合用タンパク質と前記励起物質とを添加して、前記反応系内で、前記励起物質が付加された前記結合用タンパク質を形成させてもよい。後者の場合、前述のように、例えば、それぞれに前記被結合物質と前記結合物質とを結合させた状態で、前記反応系に添加する。
前記FRETアクセプター試薬は、例えば、前記反応系に、前記発光物質が付加された前記VHHフラグメントとして添加してもよいし、前記反応系に、前記VHHフラグメントと前記発光物質とを添加して、前記反応系内で、前記発光物質が付加された前記VHHフラグメントを形成させてもよい。後者の場合、前述のように、例えば、それぞれに前記被結合物質と前記結合物質とを結合させた状態で、前記反応系に添加する。
前記反応系は、例えば、マイクロプレートの各ウェル内で調製してもよいし、調製後に前記ウェル内に分注してもよいし、ドロップレットとして調製してもよい。
後者の場合、前記反応系の準備工程は、例えば、エマルション形成工程であり、前記エマルション工程において、前記被検サンプル、前記FRETドナー試薬および前記FRETアクセプター試薬の混合液と、エマルション形成溶媒とを接触させて、エマルション中に、前記被検サンプルを含む前記混合液の複数の液滴を形成してもよい。この場合、前記エマルション中の各液滴を反応系として、各液滴について、後述する励起光照射と蛍光の検出とを行うことが好ましい。
前記被検サンプルが細胞を含む場合は、例えば、複数の細胞を各液滴に分画でき、前記液滴ごとの蛍光検出を行うことで、液滴ごと(すなわち細胞ごと)の抗体の検出も可能である。
前記エマルション形成溶媒は、特に制限されず、その中に、前記混合液を含む液滴を形成できるものであればよい。前記エマルション形成溶媒は、例えば、非水溶性溶媒であり、前記非水溶性溶媒中に、前記被検サンプルを水溶性の液滴が形成できる。前記非水溶性溶媒は、例えば、油、ミネラルオイル、クロロホルム、芳香族化合物等があげられる。前記非水溶性溶媒は、例えば、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記液滴の形成においては、例えば、さらに、水溶性溶媒を共存させてもよい。前記水溶性溶媒は、例えば、水、緩衝液、水溶性高分子溶液等があげられる。前記水溶性溶媒は、例えば、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記形成する液滴の大きさは、特に制限されず、その平均体積は、下限が、例えば、4pL以上であり、上限が、例えば、10nL以下である。前記被検サンプルが細胞を含む場合、前記液滴に含まれる細胞の個数は、特に制限されず、例えば、前記液滴1個あたり5個以下、2個以下、1個である。
前記エマルション形成溶媒中における液滴の形成方法は、特に制限されず、前記エマルション形成溶媒と、前記混合液とを接触させることで、前記エマルション形成溶媒中に、複数の液滴を形成できる。前記接触は、例えば、前記エマルション形成溶媒に、前記試料を接触させてもよいし、前記試料に、前記エマルション形成溶媒を接触させてもよい。前記液滴の形成方法は、例えば、公知のドロップレット作製方法が適用できる。
つぎに、本発明の抗体検出方法は、照射工程として、前記反応系に前記励起光を照射し、発光検出工程として、前記反応系における前記FRETアクセプター試薬の発光を検出する。
前記励起光の波長は、前記FRETドナー試薬の励起物質の種類に応じて適宜設定でき、また、蛍光の発光検出の波長は、前記FRETアクセプター試薬の発光物質の種類に応じて適宜設定できる。前記励起波長は、例えば、450〜520nm、480〜490nmの範囲があげられる。
さらに、本発明の抗体検出方法は、検出工程として、前記発光の有無により、前記被検サンプル中の抗体の有無を検出する。前述のように、前記被検サンプル中に抗体が存在すると、抗体に前記結合用タンパク質(例えば、Protein G)と前記VHHフラグメントとが結合する。両者は、ヒトIgGの異なる認識部位に結合するため、一つの抗体分子内に、前記結合用タンパク質と前記VHHフラグメントとが結合することになる。そして、前記結合用タンパク質には前記励起物質が連結されており、一方、前記VHHフラグメントには前記発光物質が連結されているため、同一分子内でFRETによる蛍光が生じることになる。より具体的には、抗体が存在すると、抗体と前記FRETドナー試薬と前記FRETアクセプター試薬との複合体が形成され、前記複合体に励起光が照射されると、前記励起物質が励起され、生じた励起エネルギーによって前記発光物質が蛍光発色する。つまり、抗体が存在する場合は、FRETによる蛍光が生じ、抗体が存在しない場合には、FRETによる蛍光は生じない。このため、例えば、前記反応系における蛍光の有無により、抗体の有無が定性でき、また、前記反応系における蛍光の量(強度)によって、抗体の量を定量できる。
前記励起物質の励起エネルギーにより前記発光物質が励起される波長は、特に制限されず、例えば、550〜630nm、590〜600nmの範囲があげられる。また、前記発光物質の蛍光発色の検出波長は、例えば、600〜650nm、620〜630nmの範囲があげられる。
<抗体産生細胞の検出方法>
本発明の抗体産生細胞の検出方法は、前述のように、細胞を含む被検サンプルを用いて、前記本発明の抗体検出方法により、前記被検サンプル中の抗体を検出し、前記抗体の有無に基づいて、前記細胞が抗体産出細胞か否かを判断することを特徴とする。
前述のように、本発明の抗体検出方法によれば、前記被検サンプル中の抗体の有無を検出できる。このため、例えば、細胞を含む被検サンプルについて同様の抗体の検出を行い、前記被検サンプル中の抗体が検出されれば、前記被検サンプル中の細胞は、抗体産生細胞であると判断できる。本発明においては、前記被検サンプルとして、検査対象の細胞を含むサンプルを使用すればよく、前記本発明の抗体検出方法の記載を援用できる。
<抗体検出キット>
本発明の抗体検出キットは、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含み、前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合する前記結合用タンパク質と、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであり、前記本発明の抗体検出方法に使用することを特徴とする。
本発明の抗体検出キットは、前述の本発明の抗体検出方法に使用でき、前記FRETドナー試薬および前記FRETアクセプター試薬は、前記本発明の抗体検出方法における記載を援用できる。また、本発明の抗体検出方法により、前記本発明の抗体産生細胞の検出方法も実施できることから、本発明の抗体検出キットは、前記本発明の抗体産生細胞の検出方法に使用する抗体産生細胞の検出キットということもできる。
本発明の抗体検出キットにおいて、前記FRETアクセプター試薬と前記FRETドナー試薬は、例えば、使用時まで別個に分離されている状態であることが好ましい。前記本発明の抗体検出キットは、例えば、さらに、使用説明書、前記液体溶媒等を別個に含んでもよい。
<実施例1>
前記FRETドナー試薬における抗体フラグメントとして、ヒトIgGのCH1領域を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントを使用し、FRETを利用したIgGの検出を行った。
被検サンプルは、4種類のアイソタイプが混合されたヒトIgG(Human IgG、ThermoFisher, Cat# 31154)を用い、7段階に希釈して(0.3125, 0.625, 1.25, 2.5, 5, 10, 20 μg/mL)、コントロール(0μg/mL)ともに、以下の試験に使用した。
前記FRETドナー試薬として、励起波長488 nmの励起物質Alexa488が付加された市販のProtein G(1 mg/mL Protein G Alexa488, ThermoFisher, Cat#P11065)を使用した。前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントとして、ビオチンで標識化された市販のVHHフラグメント(1 mg/mL CaptureSelect Biotin CH1-XL conjugate, ThermoScientific, Cat#7103462100)を使用し、前記蛍光物質として、ストレプトアビジンで標識化された市販のDyLight594(1 mg/mL DyLight594 Streptavidin、励起波長594nm, Vector lab, Cat#SA-5594)を使用した。ビオチン標識化VHHフラグメントとストレプトアビジン標識化DyLight594とは、反応系にそれぞれ添加し、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を介して結合させ、前記FRETアクセプター試薬を形成させた。
下記組成となるように反応系を調製した。前記抗体フラグメントとストレプトアビジン(STA)標識化DyLight594との濃度比は、二種類(28:50、28:25)とした。培地は、CHO細胞用の市販培地(CD OptiCHO(商標)Medium (1X), ThermoFisher, Cat#12681011)を使用した。各反応液を384ウェルプレートの各ウェル(8個)に10μLずつ分注入し、反応液の調製から1分後に、前記プレートに波長480nmの励起光を照射し、520 nmおよび620 nmの蛍光を測定した。前記プレートの測定には、プレートリーダ(FLUOstar Optima、BMG Labtech)を使用した。測定結果からFRET効率(蛍光強度620 nm/蛍光強度520 nm)を算出した。この実験を2回繰り返した平均値の結果を、図1に示す。
Figure 2021131279
図1は、IgG濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。同図に示すように、サンプルの最大濃度であるIgG濃度20μg/mLまで定量的な検出が確認された。また、前記抗体フラグメントに対するストレプトアビジン標識化DyLight594の添加量を増加することによって、相対的に、より良いS/N比が得られた。
<実施例2>
前記FRETドナー試薬における抗体フラグメントとして、ヒトIgGのCH1領域を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントを使用し、FRETを利用したドロップレットにより、IgGλ軽鎖を有するIgGおよびVκII軽鎖を有するIgGの検出を行った。
被検サンプルは、前記実施例1と同じ4種類のアイソタイプが混合されたヒトIgG(Human IgG、ThermoFisher, Cat# 31154)およびヒトIgGλ(Purified Human IgG/Lambda, Bethyl Inc. Cat#: P80-112)を用いた。そして、前記実施例1の表1における比率28:50の組成と同様にして、反応系20μLを調製した。前記反応系は、前記ヒトIgGの濃度が希釈系列(0, 0.625, 2.5, 10 μg/mL)となるようにした。
これらの抗体希釈系列を水相サンプルとし、油相にPico-Surf(登録商標) 5% in Novec7500(Sphere Fluidics)を使用して、QX200 Droplet Generator (BioRad社、#1864002JA)を用いてドロップレットを調製した。調製された4濃度(0, 0.625, 2.5, 10 μg/mL)の抗体を含むそれぞれのドロップレットを1つに混合した後、市販のバイオチップ(Pico-Sort(登録商標)Re-injection/sorting biochip、Sphere Fluidics社)を用いて、488 nmレーザーが照射されたバイオチップのマイクロ流路内に、前記混合ドロップレットを再注入し、ドロップレット毎に520 nmおよび620 nmの蛍光強度を解析した。また、この際のポンプ流速は、前記バイオチップにおけるドロップレット側の導出口を100μL/hr、前記バイオチップにおける前記油相の導入口を5000μL/hrとした。解析の光学検出系は、図2の通りとし、その条件は以下の通りとした。図2において、光路は、倒立式蛍光顕微鏡につながっており、前記顕微鏡のステージに前記バイオチップを配置し、前記バイオチップの流路にレーザーを当てると、放出された蛍光が前記光路に乗り、PMT1用フィルターおよびPMT2用フィルタを介して、蛍光が検出される。
励起レーザー波長: 488 nm
レーザースプリッター: 反射 533-580 nm、透過 595-800 nm
PMT(光電子増倍管)1用フィルター(緑): 525 nm, BW = 39 nm
PMT(光電子増倍管)2用フィルター(赤): 630 nm, BW = 69 nm
これらの結果を図3に示す。図3は、各抗体希釈系を用いたドロップレットに関する620nmと520nmとの蛍光強度の関係をプロットしたグラフである。図3において、左が、前記ヒトIgGの結果であり、右が、前記ヒトIgGλの結果である。同図に示すように、ヒトIgGおよびヒトIgGλのいずれについても、2.5μg/mLの低濃度であっても、十分に濃度0μg/mLとの判別が可能であることが確認できた。
また、4種類のアイソタイプが含まれるヒトIgGの結果から、以下のこともわかった。ヒト血中IgGのうち、κ軽鎖IgGとλ軽鎖IgGとの比は、約7:3とされている。図3のIgG controlは、ヒト血清のIgGであり、IgG軽鎖の比率も、前記比率に従うと考えられる。そして、このようにκ軽鎖を多く含むIgG controlに対する検出感度が、λ軽鎖をもつIgGのみを精製したIgGλと同等であったことは、実施例におけるFRETドナー試薬およびFRETアクセプター試薬を用いたFRETにより、IgGκおよびIgGλの両方を検出できることを示しているといえる。
<実施例3>
前記FRETドナー試薬における抗体フラグメントとして、ヒトIgGのLambda軽鎖に結合するラクダ抗体由来のVHHフラグメントとヒトIgGのCH1領域を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントとの融合タンパク質を使用し、FRETを利用したIgGの検出を行った。
被検サンプルは、ヒトIgGλ(Purified Human IgG/Lambda, Bethyl Inc. Cat#: P80-112)を用い、7段階に希釈して(0.625, 1.25, 2.5, 5, 10, 20, 40 μg/mL)、コントロール(0 μg/mL)ともに、以下の試験に使用した。
前記FRETドナー試薬は、前記実施例1と同じものを使用した。前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントの前記融合タンパク質として、ビオチンで標識化された市販の融合タンパク質(1 mg/mL CaptureSelect Human Fab-Lambda Kinetics Biotin conjugate, ThermoScientific, Cat#7103312100)を使用し、前記蛍光物質として、前記実施例1と同じストレプトアビジン標識化DyLight594を使用した。
下記組成となるように反応系を調製した。前記融合タンパク質と前記ストレプトアビジン標識化DyLight594との濃度比は、三種類(28:25、28:50、56:100)とした。培地は、フェノールレッド含有培地またはRPMI培地(RPMI 1640 Medium, GlutaMAX(商標) Supplement, ThermoFisher社, Cat#61870044)を使用した。各反応液を384ウェルプレートの各ウェルに10 μLずつ分注入し、反応液の調製から1分後に、前記プレートに波長480 nmの励起光を照射し、520 nmおよび620 nmの蛍光を測定した。前記プレートの測定には、プレートリーダ(FLUOstar Optima、BMG Labtech)を使用した。測定結果からFRET効率(蛍光強度620 nm/蛍光強度520 nm)を算出した。この実験を2回繰り返した平均値の結果を、図4に示す。
Figure 2021131279
図4は、IgGλ濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。同図に示すように、サンプルの最大濃度であるIgGλ濃度40μg/mLまで定量的な検出が確認された。また、前記融合タンパク質に対するストレプトアビジン標識化DyLight594の添加量を増加することによって、相対的により良いS/N比が得られた。
<実施例4>
前記FRETドナー試薬における抗体フラグメントとして、ヒトIgGのλ軽鎖に結合するラクダ抗体由来のVHHフラグメントとヒトIgGのCH1領域を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントとの融合タンパク質を使用し、FRETを利用したドロップレットにより、ヒトIgGλの検出を行った。
被検サンプルは、前記実施例2と同様にして、ヒトIgG(Human IgG、ThermoFisher, Cat# 31154)およびヒトIgGλ(Purified Human IgG/Lambda, Bethyl Inc. Cat#: P80-112)を用い、希釈系列を20μLずつ調製した(0, 0.3125, 0.625, 1.25, 2.5, 5, 10, 20 μg/mL)。そして、前記実施例1と同じ前記FRETドナー試薬および前記実施例3と同じ前記FRETアクセプター試薬を使用し、前記反応系の組成を、前記実施例3における表2の比率28:50とした以外は、前記実施例2と同様にしてドロップレットによる試験を行った。
これらの結果を図5に示す。図5は、各抗体希釈系を用いたドロップレットに関する620nmと520nmとの蛍光強度の関係をプロットしたグラフである。図3において、左が、前記ヒトIgGの結果であり、右が、前記ヒトIgGλの結果である。同図に示すように、ヒトIgGおよびヒトIgGλのいずれについても、2.5μg/mLの低濃度であっても、十分に濃度0μg/mLとの判別が可能であることが確認できた。
<実施例5>
前記FRETドナー試薬における抗体フラグメントとして、ヒトIgGのLambda軽鎖に結合するラクダ抗体由来のVHHフラグメントとヒトIgGのCH1領域を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントとの融合タンパク質を使用し、FRETを利用したIgGの検出を行った。
被検サンプルは、ヒトIgGλ(Purified Human IgG/Lambda, Bethyl Inc. Cat#: P80-112)、ヒトIgG1 VlI、ヒトIgG1 VκIを用い、7段階に希釈して(0.3125, 0.625, 1.25, 2.5, 5, 10, 20 μg/mL)、コントロール(0μg/mL)ともに、以下の試験に使用した。
前記実施例1と同じ前記FRETドナー試薬および前記実施例3と同じ前記FRETアクセプター試薬を使用し、前記表1の比率28:50の組成となるように反応系を調製した。この反応系を使用した以外は、前記実施例3と同様にして、520 nmおよび620 nmの蛍光を測定し、測定結果からFRET効率(蛍光強度620 nm/蛍光強度520 nm)を算出した。
これらの結果を図6に示す。図6は、各種IgG濃度とFRET効率(蛍光強度620nm/蛍光強度520nm)との関係を示すグラフである。同図に示すように、いずれの抗体に関しても定量的な検出が確認され、サンプルの最大濃度であるIgGλ濃度20μg/mLまで定量的な検出が確認された。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
本発明によれば、Protein Lを使用した場合に検出できなかったλ軽鎖を有するIgG、VκII軽鎖を有するIgGについても、FRETを利用して容易に検出することができる。このため、被検サンプルに細胞が含まれる場合、細胞が抗体産生細胞か否かも、IgGのアイソタイプに影響されることなく判断することができる。このため、本発明は、特に抗体医薬の開発および製造において、きわめて有用といえる。

Claims (13)

  1. 被検サンプルと、励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含む反応系を準備する工程、
    前記反応系に前記励起光を照射する工程、
    前記反応系における前記FRETアクセプター試薬の発光を検出する工程、および
    前記発光の有無により、前記被検サンプル中の抗体の有無を検出する工程とを含み、
    前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、
    前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、
    前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントである
    ことを特徴とする抗体検出方法。
  2. 前記FRETアクセプター試薬において、前記VHHフラグメントが、ヒトCH1領域を抗原とするVHHフラグメントである、請求項1記載の抗体検出方法。
  3. 前記FRETアクセプター試薬において、前記VHHフラグメントが、λ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントである、請求項1記載の抗体検出方法。
  4. 前記FRETアクセプター試薬において、前記結合体は、ヒトCH1領域を抗原とするVHHフラグメントとλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントとの複合体を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  5. 前記FRETアクセプター試薬において、前記VHHフラグメントと前記発光物質とが、被結合物質とそれに対する結合物質との結合を介して、連結している、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  6. 前記被結合物質および前記結合物質の一方が、ビオチンまたはビオチン類縁体であり、他方が、アビジンまたはアビジン類縁体である、請求項5記載の抗体検出方法。
  7. 前記反応系の準備工程において、前記反応系に、前記被結合物質を連結した前記VHHフラグメントと、前記結合物質を連結した前記発光物質とを添加し、前記反応系において、前記被結合物質と前記結合物質との結合により、前記FRETアクセプター試薬を形成させる、請求項5または6記載の抗体検出方法。
  8. 前記被検サンプルが、細胞を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  9. 前記反応系が、前記被検サンプルを含む液滴であり、各液滴について、抗体を検出する、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  10. 前記反応系を準備する工程が、エマルション形成工程であり、
    前記エマルション工程において、前記被検サンプルと、エマルション形成溶媒とを接触させて、エマルション中に、前記被検サンプルの複数の液滴を形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  11. 前記ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質が、Protein Gである、請求項1から10のいずれか一項に記載の抗体検出方法。
  12. 細胞を含む被検サンプルを用いて、請求項1から11のいずれか一項に記載の抗体検出方法により、前記被検サンプル中の抗体を検出し、
    前記抗体の有無に基づいて、前記細胞が抗体産出細胞か否かを判断することを特徴とする抗体産出細胞の検出方法。
  13. 励起光により励起されるFRETドナー試薬と、前記FRETドナー試薬の励起エネルギーにより発光するFRETアクセプター試薬とを含み、
    前記FRETドナー試薬は、ヒトIgGのFC領域に結合するタンパク質またはペプチドと、前記励起光により励起される励起物質とを含む結合体であり、
    前記FRETアクセプター試薬は、抗体フラグメントと、前記励起エネルギーにより発光する発光物質とを含む結合体であり、
    前記抗体フラグメントが、ヒトIgGのCH1領域またはλ軽鎖を抗原とするラクダ抗体由来のVHHフラグメントであり、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の抗体検出方法に使用することを特徴とする抗体検出キット。
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