JP2021130628A - 医薬製品 - Google Patents
医薬製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021130628A JP2021130628A JP2020026651A JP2020026651A JP2021130628A JP 2021130628 A JP2021130628 A JP 2021130628A JP 2020026651 A JP2020026651 A JP 2020026651A JP 2020026651 A JP2020026651 A JP 2020026651A JP 2021130628 A JP2021130628 A JP 2021130628A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- salt
- item
- acid
- aqueous solution
- brimonidine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/495—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
- A61K31/498—Pyrazines or piperazines ortho- and peri-condensed with carbocyclic ring systems, e.g. quinoxaline, phenazine
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/02—Inorganic compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/08—Solutions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P27/00—Drugs for disorders of the senses
- A61P27/02—Ophthalmic agents
- A61P27/06—Antiglaucoma agents or miotics
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
Description
項1-1. 亜塩素酸及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩と、ブリモニジン及び/又はその塩を含む水性液剤が、ガス滅菌処理された容器に収容されている、医薬製品。
項1-2. 前記亜塩素酸及び/又はその塩が、亜塩素酸ナトリウムである、項1-1に記載の医薬製品。
項1-3. 前記亜塩素酸及び/又はその塩の濃度が、0.0001〜1w/v%である、項1-1又は1-2に記載の医薬製品。
項1-4. 前記ホウ酸及び/又はその塩が、ホウ酸及び/又はホウ砂である、項1-1〜1-3のいずれかに記載の医薬製品。
項1-5. 前記ホウ酸及び/又はその塩の濃度が、0.01〜10w/v%である、項1-1〜1-4のいずれかに記載の医薬製品。
項1-6. 前記ブリモニジン及び/又はその塩が、ブリモニジン酒石酸塩である、項1-1〜1-5のいずれかに記載の医薬製品。
項1-7. 前記ブリモニジン及び/又はその塩の濃度が、0.05〜0.5w/v%である、項1-1〜1-6のいずれかに記載の医薬製品。
項1-8. 前記水性液剤が、金属塩化物を含む、項1-1〜1-7のいずれかに記載の医薬製品。
項1-9. 前記金属塩化物として、少なくとも、塩化ナトリウムを含む、項1-8に記載の医薬製品。
項1-10. 前記金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウムである、項1-8又は1-9に記載の医薬製品。
項1-11. 前記金属塩化物の総量の濃度が、0.01〜2w/v%である、項1-8〜1-10のいずれかに記載の医薬製品。
項1-12. 前記塩化ナトリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化カリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化マグネシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%、且つ前記塩化カルシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%である、項1-10又は1-11に記載の医薬製品。
項1-13. 前記水性液剤が、点眼液である、項1-1〜1-12のいずれかに記載の医薬製品。
項1-14. 前記容器が、ポリオレフィン製である、項1-1〜1-13のいずれかに記載の医薬製品。
項1-15. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン又はポリエチレンである、項1-14に記載の医薬製品。
項1-16. 前記容器が、マルチドーズ型容器である、項1-1〜1-15のいずれかに記載の医薬製品。
項1-17. 前記ガス滅菌が、エチレンオキサイドガス滅菌である、項1-1〜1-16のいずれかに記載の医薬製品。
項1-18. 前記医薬製品を60℃で2週間保存後の亜塩素酸及び/又はその塩の残存率が95%以上である、項1-1〜1-17のいずれかに記載の医薬製品。
項1-19. 前記医薬製品を60℃で2週間保存後のブリモニジン及び/又はその塩の残存率が99.0%以上である、項1-1〜1-18のいずれかに記載の医薬製品。
項1-20. 亜塩素酸ナトリウムと、ホウ酸及び/又はホウ砂と、ブリモニジン酒石酸塩とを含む水性液剤が、エチレンオキサイドガス滅菌処理された容器に収容されている、医薬製品であって、
前記亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.0001〜1w/v%であり、
前記ホウ酸及び/又はホウ砂の濃度が0.01〜10w/v%であり、
前記ブリモニジン酒石酸塩の濃度が0.05〜0.5w/v%であり、
前記容器が、ポリプロピレン又はポリエチレン製のマルチドーズ型容器である、医薬製品。
項1-21. 亜塩素酸ナトリウムと、ホウ酸及び/又はホウ砂と、ブリモニジン酒石酸塩とを含む水性液剤が、エチレンオキサイドガス滅菌処理された容器に収容されている、医薬製品であって、
前記亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.005〜0.02w/v%であり、
前記ホウ酸及び/又はホウ砂の濃度が0.1〜0.5w/v%であり、
前記ブリモニジン酒石酸塩の濃度が0.05〜0.2w/v%であり、
前記容器が、ポリプロピレン又はポリエチレン製のマルチドーズ型容器である、医薬製品。
項1-22. 亜塩素酸ナトリウムと、ホウ酸及び/又はホウ砂と、ブリモニジン酒石酸塩とを含む水性液剤が、エチレンオキサイドガス滅菌処理された容器に収容されている、医薬製品であって、
前記亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.005〜0.02w/v%であり、
前記ホウ酸及び/又はホウ砂の濃度が0.1〜0.5w/v%であり、
前記ブリモニジン酒石酸塩の濃度が0.05〜0.2w/v%であり、
前記医薬製品を60℃で2週間保存したときの亜塩素酸ナトリウムの残存率が95%以上、且つブリモニジン酒石酸塩の残存率が99.0%以上であり、
前記容器が、ポリプロピレン又はポリエチレン製のマルチドーズ型容器である、医薬製品。
項1-23. 緑内障治療のために使用される、項1-1〜1-22のいずれかに記載の医薬製品。
項2-1. 亜塩素酸及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤における亜塩素酸及び/又はその塩の含量を安定化する方法であって、
亜塩素酸及び/又はその塩、ホウ酸及び/又はその塩、並びにブリモニジン及び/又はその塩を含む水性液剤を、ガス滅菌処理された容器に収容する工程を含む、前記方法。
項2-2. 前記亜塩素酸及び/又はその塩が、亜塩素酸ナトリウムである、項2-1に記載の方法。
項2-3. 前記亜塩素酸及び/又はその塩の濃度が、0.0001〜1w/v%である、項2-1又は2-2に記載の方法。
項2-4. 前記ホウ酸及び/又はその塩が、ホウ酸及び/又はホウ砂である、項2-1〜2-3のいずれかに記載の方法。
項2-5. 前記ホウ酸及び/又はその塩の濃度が、0.01〜10w/v%である、項2-1〜2-4のいずれかに記載の方法。
項2-6. 前記ブリモニジン及び/又はその塩が、ブリモニジン酒石酸塩である、項2-1〜2-5のいずれかに記載の方法。
項2-7. 前記ブリモニジン及び/又はその塩の濃度が、0.05〜0.5w/v%である、項2-1〜2-6のいずれかに記載の方法。
項2-8. 前記水性液剤が、金属塩化物を含む、項2-1〜2-7のいずれかに記載の方法。
項2-9. 前記金属塩化物として、少なくとも、塩化ナトリウムを含む、項2-8に記載の方法。
項2-10. 前記金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウムである、項2-8又は2-9に記載の方法。
項2-11. 前記金属塩化物の総量の濃度が、0.01〜2w/v%である、項2-8〜2-10のいずれかに記載の方法。
項2-12. 前記塩化ナトリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化カリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化マグネシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%、且つ前記塩化カルシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%である、項2-10又は2-11に記載の方法。
項2-13. 前記水性液剤が、点眼液である、項2-1〜2-12のいずれかに記載の方法。
項2-14. 前記容器が、ポリオレフィン製である、項2-1〜2-13のいずれかに記載の方法。
項2-15. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン又はポリエチレンである、項2-14に記載の方法。
項2-16. 前記容器が、マルチドーズ型容器である、項2-1〜2-15のいずれかに記載の方法。
項2-17. 前記ガス滅菌が、エチレンオキサイドガス滅菌である、項2-1〜2-16のいずれかに記載の方法。
項2-18. 亜塩素酸ナトリウムと、ホウ酸及び/又はホウ砂とを含む水性液剤における亜塩素酸ナトリウムの含量を安定化する方法であって、
亜塩素酸ナトリウム、ホウ酸及び/又はホウ砂、並びにブリモニジン酒石酸塩を含む水性液剤を、エチレンオキサイドガス滅菌処理された容器に収容する工程を含み、
前記亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.005〜0.02w/v%であり、
前記ホウ酸及び/又はホウ砂の濃度が0.1〜0.5w/v%であり、
前記ブリモニジン酒石酸塩の濃度が0.05〜0.2w/v%であり、
前記容器が、ポリプロピレン又はポリエチレン製のマルチドーズ型容器である、前記方法。
項3-1. ブリモニジン及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤におけるブリモニジン及び/又はその塩の含量を安定化する方法であって、ブリモニジン及び/又はその塩、ホウ酸及び/又はその塩、並びに亜塩素酸及び/又はその塩を含む水性液剤を、ガス滅菌処理された容器に収容する工程を含む、前記方法。
項3-2. 前記ブリモニジン及び/又はその塩が、ブリモニジン酒石酸塩である、項3-1に記載の方法。
項3-3. 前記ブリモニジン及び/又はその塩の濃度が、0.05〜0.5w/v%である、項3-1又は3-2に記載の方法。
項3-4. 前記ホウ酸及び/又はその塩が、ホウ酸及び/又はその塩である、項3-1〜3-3のいずれかに記載の方法。
項3-5. 前記ホウ酸及び/又はその塩の濃度が、0.01〜10w/v%である、項3-1〜3-4のいずれかに記載の方法。
項3-6. 前記亜塩素酸及び/又はその塩が、亜塩素酸ナトリウムである、項3-1〜3-5のいずれかに記載の方法。
項3-7. 前記亜塩素酸及び/又はその塩の濃度が、0.0001〜1w/v%である、項3-1〜3-6のいずれかに記載の方法。
項3-8. 前記水性液剤が、金属塩化物を含む、項3-1〜3-7のいずれかに記載の方法。
項3-9. 前記金属塩化物として、少なくとも、塩化ナトリウムを含む、項3-8に記載の方法。
項3-10. 前記金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウムである、項3-8又は3-9に記載の方法。
項3-11. 前記金属塩化物の総量の濃度が、0.01〜2w/v%である、項3-8〜3-10のいずれかに記載の方法。
項3-12. 前記塩化ナトリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化カリウムの濃度が0.01〜2w/v%、前記塩化マグネシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%、且つ前記塩化カルシウムの濃度が0.001〜0.2w/v%である、項3-10又は3-11に記載の方法。
項3-13. 前記水性液剤が、点眼液である、項3-1〜3-12のいずれかに記載の方法。
項3-14. 前記容器が、ポリオレフィン製である、項3-1〜3-13のいずれかに記載の方法。
項3-15. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン又はポリエチレンである、項3-14に記載の方法。
項3-16. 前記容器が、マルチドーズ型容器である、項3-1〜3-15のいずれかに記載の方法。
項3-17. 前記ガス滅菌が、エチレンオキサイドガス滅菌である、項3-1〜3-16のいずれかに記載の医薬製品。
項3-18. ブリモニジン酒石酸塩と、ホウ酸及び/又はホウ砂とを含む水性液剤におけるブリモニジン酒石酸塩の含量を安定化する方法であって、
ブリモニジン酒石酸塩、ホウ酸及び/又はホウ砂、並びに亜塩素酸ナトリウムを含む水性液剤を、エチレンオキサイドガスで滅菌処理された容器に収容する工程を含み、
前記ブリモニジン酒石酸塩の濃度が0.05〜0.2w/v%であり、
前記ホウ酸及び/又はホウ砂の濃度が0.1〜0.5w/v%であり、
前記亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.005〜0.02w/v%であり、
前記容器が、ポリプロピレン又はポリエチレン製のマルチドーズ型容器である、前記方法。
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語及び科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
<亜塩素酸及び/又はその塩の残存率の測定条件>
亜塩素酸及び/又はその塩を含む水性液剤を調製し、調製直後に遮光条件下において60℃で2週間保存する。調製直後と2週間保存後の水性液剤中の二酸化塩素の濃度をヨウ素滴定法により測定し、下記算出式に従い、二酸化塩素の残存率を算出する。算出された二酸化塩素の残存率を、亜塩素酸及び/又はその塩の残存率とする。
<ブリモニジン及び/又はその塩の残存率の測定条件>
ブリモニジン及び/又はその塩を含む水性液剤を調製し、調製直後に遮光条件下において60℃で2週間保存する。調製直後と2週間保存後の水性液剤中のブリモニジン及び/又はその塩の濃度をHPLCにて測定し、下記算出式に従い、ブリモニジン及び/又はその塩の残存率を算出する。
以下に好ましい実施形態の説明を記載するが、この実施形態は本発明の例示であり、本発明の範囲はそのような好ましい実施形態に限定されないことが理解されるべきである。当業者はまた、以下のような好ましい実施例を参考にして、本発明の範囲内にある改変、変更などを容易に行うことができることが理解されるべきである。これらの実施形態について、当業者は適宜、任意の実施形態を組み合わせ得る。
亜塩素酸及びその塩は、安全性が高く、優れた保存効力を有していることから、医薬分野で保存剤として使用されている。本発明者は、亜塩素酸及びその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤をガス滅菌処理された容器に収容すると、経時的に亜塩素酸及びその塩の含量の低下が生じることを知見した。このような亜塩素酸及び/又はその塩の含量の低下は、亜塩素酸及び/又はその塩による保存効力を減弱させることになる。そのため、亜塩素酸及びその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤において、亜塩素酸及び/又はその塩の含量の低下を抑制し、亜塩素酸及び/又はその塩の保存効力を安定に維持させる製剤技術を開発することは極めて重要である。
・亜塩素酸及び/又はその塩
本発明で使用される水性液剤は、亜塩素酸及び/又はその塩を含有する。亜塩素酸の塩としては、薬学的に許容され、且つ水性液剤中で亜塩素酸イオン(ClO2 -イオン)を生成し得るものであれば特に制限されないが、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩;亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩;亜塩素酸銅、亜塩素酸鉛、亜塩素酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明で使用される水性液剤では、ホウ酸及び/又はその塩を含有する。ホウ酸としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、テトラホウ酸等が挙げられる。これらのホウ酸の中でも、好ましくはオルトホウ酸及びテトラホウ酸が挙げられる。これらのホウ酸は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用される水性液剤は、ブリモニジン及び/又はその塩を含有する。本発明において、ブリモニジン及び/又はその塩は、水性液剤において亜塩素酸及び/又はその塩とホウ酸及び/又はその塩とが共存する場合に生じる亜塩素酸及び/又はその塩の含量の低下抑制に寄与する成分である。
1つの態様において、本発明で使用される水性液剤は、金属塩化物を含有してもよい。金属塩化物は、等張化剤等としての役割を果たし得る。
1つの態様において本発明で使用される水性液剤は、必要に応じて、更に、金属塩化物以外の等張化剤、多価アルコール、界面活性剤、粘稠剤、キレート剤、ホウ酸及びその塩以外の緩衝剤、亜塩素酸及び/又はその塩以外の保存剤、安定化剤、pH調整剤等の添加剤を含有してもよい。
1つの態様において、第1実施形態で使用される水性液剤は、必要に応じて、ブリモニジン及び/又はその塩以外の薬理成分が含まれていてもよい。このような薬理成分としては、例えば、ドルゾラミド等の炭酸脱水酵素阻害薬;タフルプロスト、ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン等のプロスタグランジン類;ピロカルピン塩酸塩等の副交感神経刺激薬;ジスチグミン臭化物等の抗コリンエステラーゼ薬;ジピベフリン塩酸塩等の交感神経刺激薬;ベタキソロール塩酸塩等のβ1遮断薬;チモロールマレイン酸塩等のβ遮断薬;ニプラジロール、レボブノロール塩酸塩等のα1・β遮断薬;ブナゾシン塩酸塩等のα1遮断薬等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの薬理成分の濃度は、使用する薬理成分の種類や付与すべき薬効等に応じて適宜設定すればよい。
本発明で使用される水性液剤のpHについては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えばpH5.0〜9.0が挙げられる。第1実施形態で使用される水性液剤が、点眼液、洗眼液等の眼科用組成物の場合であれば、眼粘膜に適用可能である眼への刺激をより緩和するという観点から、pHとして、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.0〜8.0、更に好ましくは6.5〜7.5が挙げられる。
本発明で使用される水性液剤の浸透圧については、目的とする用途に適用可能であることを限度として特に制限されない。発明で使用される水性液剤が眼科用水性液剤である場合であれば、浸透圧として250〜350mOsm/kgが挙げられる。
本発明で使用される水性液剤の製剤形態については、特に制限されず、水溶液状、懸濁液状、乳液状等のいずれであってもよいが、好ましくは水溶液状が挙げられる。
本発明で使用される水性液剤に含まれるブリモニジン及び/又はその塩は、眼房水の産生を抑制して、眼圧を低下させる効果を奏し得るので、本発明で使用される水性液剤の一態様では、点眼液として提供され、緑内障を治療用途に好適に使用できる。
本発明で使用される水性液剤は、その用途に応じて、公知の調製法に従って製造すればよく、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則に記載された方法を用いて製造することができる。
本発明の医薬製品は、前記水性液剤がエチレンオキサイドガスや過酸化水素ガス等のガスで滅菌処理された容器(以下、「ガス滅菌容器」と略記することもある)に収容されている。このように、特定の水性液剤と特定の容器とを組み合わせることにより、亜塩素酸及び/又はその塩の含量の低下を抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態として、亜塩素酸及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤における亜塩素酸及び/又はその塩の含量を安定化する方法であって、亜塩素酸及び/又はその塩、ホウ酸及び/又はその塩、並びにブリモニジン及び/又はその塩を含む水性液剤を、ガス滅菌容器に収容する工程を含む、亜塩素酸及び/又はその塩の含量の安定化方法を提供する。
本発明の一実施形態として、ブリモニジン及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤におけるブリモニジン及び/又はその塩の含量を安定化する方法であって、ブリモニジン及び/又はその塩、ホウ酸及び/又はその塩、並びに亜塩素酸及び/又はその塩を含む水性液剤を、ガス滅菌容器に収容する工程を含む、ブリモニジン及び/又はその塩の含量の安定化方法を提供する。
1.眼科用医薬製品の製造
1−1.点眼液の調製
表1に示す組成に従って、精製水に、亜塩素酸ナトリウム(含量80重量%)、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ブリモニジン酒石酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化マグネシウムを所定量加えて溶かし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを7.1に調整し、点眼液を得た。
前記で得られた点眼液5mLを、エチレンオキサイドガス滅菌処理された容器(EOG滅菌容器、ポリプロピレン製の点眼容器)、及び電子線照射により滅菌処理された容器(EB滅菌容器、ポリプロピレン製の点眼容器)に収容し、各検体(眼科用医薬製品)を調製した。なお、EOG滅菌容器は、エチレンオキサイド濃度400〜700mg/L、温度40〜50℃、相対湿度45〜85%、処理時間3時間以上の条件で滅菌処理されたものを使用した。また、EB滅菌容器は、電子線を60kGy照射することにより滅菌処理されたものを使用した。それぞれの滅菌条件は、滅菌バリデーション基準(薬食監麻発0215第13号)において無菌性保証水準を満たすものである。
前記で得られた各検体を、卓上恒温恒湿器(CH24−12M、ナガノサイエンス株式会社製)に入れ、遮光条件下、60℃で14日間保存した。
<ヨウ素滴定法>
2重量ヨウ化カリウム水溶液10mLと0.5mol/L塩酸10mLを正確に量りとり、振り混ぜた。この液に、各水性液剤25mLを正確に加えて5分間静置した後、第十七改正日本薬局方の「一般試験法」の「2.50 滴定終点検出法」に準じて、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定した。なお、滴定終点は、液の色が薄い黄色に変化したときにデンプン試液2mLを加え、液の色が濃い青色から無色に変わった時点とした。下記式に従って、各水性液剤の二酸化塩素濃度を求め、二酸化塩素の残存率を算出した。算出された二酸化塩素の残存率を亜塩素酸ナトリウムの残存率とした。
得られた結果を表1に示す。亜塩素酸ナトリウムとリン酸緩衝剤(リン酸水素二ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウム)を含む水性液剤は、EOG滅菌容器に収容しても、保存後の亜塩素酸ナトリウムの残存率が高く、亜塩素酸ナトリウムの含量の低下という課題は認められなかった(参考例1及び2)。
1.眼科用医薬製品の製造
1−1.点眼液の調製
表2に示す組成に従って、精製水に、亜塩素酸ナトリウム(含量80重量%)、ホウ酸、ホウ砂、ブリモニジン酒石酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化マグネシウムを所定量加えて溶かし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを7.1に調整し、点眼液を得た。
前記で得られ点眼液5mLを、EOG滅菌容器(ポリプロピレン製又はポリエチレン製の点眼容器)、及び電子線照射により滅菌処理された容器(EB滅菌容器、ポリプロピレン製の点眼容器)に収容し、各検体(眼科用医薬製品)を調製した。なお、EOG滅菌容器は、エチレンオキサイド濃度400〜700mg/L、温度40〜50℃、相対湿度45〜85%、処理時間3時間以上の条件で滅菌処理されたものを使用した。また、EB滅菌容器は、電子線を60kGy照射することにより滅菌処理されたものを使用した。それぞれの滅菌条件は、滅菌バリデーション基準(薬食監麻発0215第13号)において無菌性保証水準を満たすものである。
前記で得られた各検体を、卓上恒温恒湿器(CH24−12M、ナガノサイエンス株式会社製)に入れ、遮光条件下、60℃で14日間保存した。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:264nm)
カラム:内径4.6mm、長さ7.5cmのステンレス管に3.5μmの高速液体クロマトグラフ用ODSシリカゲル(Symmetry C18カラム、Waters社製)を充填した。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム2.3g及び1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム47.5mgを水830mLに溶かし、リン酸を用いてpH3.0に調整した。この液にアセトニトリル84mL及びメタノール84mLを混ぜ、水を加えて1Lとした。
流速:約1mL/min
得られた結果を表2に示す。ブリモニジン酒石酸塩、ホウ酸及びホウ砂を含む水性液剤において、亜塩素酸ナトリウムを含まない場合には、EB滅菌容器又はEOG滅菌容器のいずれに収容しても、保存後のブリモニジン酒石酸塩の残存率が高く、ブリモニジン酒石酸塩の含量の低下という課題は認められなかった(比較例5及び6)。
Claims (9)
- 亜塩素酸及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩と、ブリモニジン及び/又はその塩とを含む水性液剤が、ガス滅菌処理された容器に収容されている、医薬製品。
- 前記水性液剤が、金属塩化物を含む、請求項1に記載の医薬製品。
- 前記金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の医薬製品。
- 前記水性液剤が、点眼液である、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬製品。
- 前記容器が、ポリオレフィン製である、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬製品。
- 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン又はポリエチレンである、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬製品。
- 前記ガス滅菌が、エチレンオキサイドガス滅菌である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬製品。
- 緑内障治療のために使用される、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬製品。
- 亜塩素酸及び/又はその塩と、ホウ酸及び/又はその塩とを含む水性液剤における亜塩素酸及び/又はその塩の含量を安定化する方法であって、
亜塩素酸及び/又はその塩、ホウ酸及び/又はその塩、並びにブリモニジン及び/又はその塩を含む水性液剤を、ガス滅菌処理された容器に収容する工程を含む、前記方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020026651A JP6798054B1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 医薬製品 |
PCT/JP2020/015338 WO2021166274A1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-04-03 | 医薬製品 |
JP2020191884A JP6855632B1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-11-18 | 医薬製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020026651A JP6798054B1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 医薬製品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020191884A Division JP6855632B1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-11-18 | 医薬製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6798054B1 JP6798054B1 (ja) | 2020-12-09 |
JP2021130628A true JP2021130628A (ja) | 2021-09-09 |
Family
ID=73646879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020026651A Active JP6798054B1 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 医薬製品 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6798054B1 (ja) |
WO (1) | WO2021166274A1 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011063625A (ja) * | 2004-12-09 | 2011-03-31 | Santen Pharmaceut Co Ltd | 分子内にフッ素原子を有するプロスタグランジン含有製品 |
WO2019026992A1 (ja) * | 2017-08-03 | 2019-02-07 | 参天製薬株式会社 | クロルヘキシジンを含有する医薬組成物 |
JP2019178083A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 参天製薬株式会社 | 点眼用水溶液 |
-
2020
- 2020-02-19 JP JP2020026651A patent/JP6798054B1/ja active Active
- 2020-04-03 WO PCT/JP2020/015338 patent/WO2021166274A1/ja active Application Filing
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011063625A (ja) * | 2004-12-09 | 2011-03-31 | Santen Pharmaceut Co Ltd | 分子内にフッ素原子を有するプロスタグランジン含有製品 |
WO2019026992A1 (ja) * | 2017-08-03 | 2019-02-07 | 参天製薬株式会社 | クロルヘキシジンを含有する医薬組成物 |
JP2019178083A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 参天製薬株式会社 | 点眼用水溶液 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
アイファガン点眼液0.1% 添付文書, vol. 第5版, JPN6020016389, 2019, ISSN: 0004334835 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2021166274A1 (ja) | 2021-08-26 |
JP6798054B1 (ja) | 2020-12-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6855632B1 (ja) | 医薬製品 | |
BRPI0717093A2 (pt) | Composições farmacêuticas aquosas autopreservadas | |
KR20070005625A (ko) | 나트륨 카르복시메틸셀룰로스 및히드록시프로필메틸셀룰로스를 포함하는 안과 용액 | |
ES2393675T3 (es) | Composición conservante para uso oftálmico | |
JP2019142974A (ja) | 水溶性高分子を含む水性液剤 | |
JP6148957B2 (ja) | プラノプロフェン含有水性組成物 | |
JP2019202166A (ja) | 眼科組成物 | |
JP2023181428A (ja) | 眼科用組成物 | |
AU2013344497B2 (en) | Aqueous liquid composition containing 2-amino-3-(4-bromobenzoyl)phenylacetic acid | |
JP6798054B1 (ja) | 医薬製品 | |
JP2016041773A (ja) | ホスホニウム抗菌剤を含む薬学的組成物 | |
JP5753958B2 (ja) | 澄明な水性液剤 | |
JP5922505B2 (ja) | グリチルリチン酸含有水性眼科組成物 | |
ES2700775T3 (es) | Composiciones oftálmicas acuosas que contienen agentes terapéuticos aniónicos | |
JP4892291B2 (ja) | 眼科用防腐組成物 | |
ES2592914T3 (es) | Composiciones oftálmicas de cetotifeno estabilizadas y conservadas | |
JP2010120968A (ja) | 眼科用組成物、防腐剤、防腐力向上剤及び防腐力向上方法 | |
WO2020178672A1 (en) | Ophthalmic composition of bimatoprost | |
JP2013082682A (ja) | 亜塩素酸塩を含有する水性製剤 | |
JP6798001B1 (ja) | 医薬製品 | |
WO2021107033A1 (ja) | 医薬組成物 | |
TW202404569A (zh) | 含有賽佩普斯特(Sepetaprost)之眼科用組合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200410 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20200410 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20200513 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200901 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201022 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201117 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6798054 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |