JP2021129540A - 振動を用いた樹木害虫の防除法 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる制御としては、有益な昆虫に対する正の行動制御及び害虫に対する負の行動制御がある。正の行動制御として、害虫防除の資材として用いられる天敵・捕食者の対象害虫への誘引等が挙げられ、また、負の行動制御としては、忌避ならびに交尾、摂食及び産卵の阻害等による、該害虫の防除を行うことが挙げられる。
また、特許文献1及び、2及び3には、超音波を用いた家屋害虫の防除装置について開示されている。
すなわち、本発明は、以下の発明に少なくとも関する:
[1]
以下の工程を含む、振動によって樹木害虫を防除する方法:
(a)樹木害虫の幼虫が生息する樹木又は幼虫の発生が予測される樹木に、該幼虫の行動を制御する周波数及び振幅を有する振動を1回又は2回以上与えて該樹木を振動させる工程;及び
(b)樹木における振動により前記幼虫の行動を制御する工程。
[2]
周波数の範囲が25Hz〜1kHzである、請求項1に記載の方法。
[3]
振幅の範囲が0.04m/s2〜25m/s2である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
持続時間が1s以上であり、間隔が30s以下である振動を少なくとも2回含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
成虫の行動を制御することをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
磁歪材料を含む加振機を備える治具を用いて樹木に前記振動を発生せしめる、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
治具がラチェットベルトをさらに備える[6]に記載の方法。
[8]
制御される幼虫の行動が、摂食、運動、停止及び驚愕の1種又は2種以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
制御される成虫の行動が、産卵、摂食、交尾、歩行、飛翔、停止、清掃、発音、擬死及び驚愕の1種又は2種以上である、[5]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
害虫がカミキリムシ類又はゾウムシ類の害虫である、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
害虫がクビアカツヤカミキリ、キボシカミキリ又はオリーブアナアキゾウムシである、[10]に記載の方法。
また本発明の方法のうち、上記[2]〜[8]に記載の1つ又は2つ以上の構成を含む方法によれば、樹木害虫を一層効率的に防除することができる。
本発明の方法はカミキリムシ類及びゾウムシ類の害虫にとくに有効であり、なかでもカミキリムシ類としてのクビアカツヤカミキリ及びキボシカミキリ、ならびにゾウムシ類としてのオリーブアナアキゾウムシに、優れた効果を奏する。
本発明において、「振動」とは、空気以外の基質を媒体として伝搬されるものを意味する。したがって、本発明における「振動」には、空気を媒体とする、聴覚への刺激である音自体は包含されないが、音を生ぜしめる原因となる媒体における振動は包含される。
本明細書において、「害虫を防除する」とは、生息媒体における、害虫の生息密度を低減せしめることのほか、害虫による生息媒体に対する被害(食害、他の有害生物の伝播等)を低減せしめることも包含する。
以下の工程を含む、振動によって樹木害虫を防除する方法:
(a)樹木害虫の幼虫が生息する樹木又は幼虫の発生が予測される樹木に、該幼虫の行動を制御する周波数及び振幅を有する振動を1回又は2回以上与えて該樹木を振動させる工程;及び
(b)樹木における振動により前記幼虫の行動を制御する工程。
上記方法につき、以下に詳述する。
工程(a)は、上記のとおり樹木害虫の幼虫が生息する樹木又は幼虫の発生が予測される樹木に、該幼虫の行動を制御する周波数及び振幅を有する振動を1回又は2回以上与えて該樹木を振動させる工程である。
上記周波数の範囲及び振幅の範囲は、対象害虫種及び制御の対象である行動等を特定し、信号発生器及び加振機を用いて種々の周波数及び振幅の組み合わせからなる振動を当該害虫に与え、該行動を観察・記録し、又は振動のシミュレーションにより、同行動を制御する周波数及び振幅の閾値の組み合わせを特定することによって決定してよい。
したがって、上記各周波数の範囲と上記各振幅の範囲とを組み合わせた周波数の範囲と振幅の範囲との組み合わせは好ましい。例えば、周波数の範囲が25Hz〜1kHzであり、かつ振幅の範囲が0.04m/s2以上、0.04m/s2〜25m/s2、0.04m/s2〜20m/s2又は0.04m/s2〜10m/s2であるものは好ましい。
振動を2回以上与える場合、個々の振動の持続時間及び与える間隔はとくに限定されず適宜設定してよい。また、前記持続時間及び与える間隔は、各振動ごとに同一でも異なってもよい。
持続時間が1s以上である振動を少なくとも1回含む本発明の方法は好ましく、持続時間が、1s以上20s以下である振動を少なくとも1回含む本発明の方法は好ましく、1s〜10sである振動を少なくとも1回含む本発明の方法は好ましい。
振動を与える間隔が30s以下である方法は好ましく、10s〜30sであるものはより好ましく、10s〜20sであるものはさらにより好ましい。
工程(b)は上記のとおり樹木における振動により前記幼虫の行動を制御する工程である。生息媒体は、典型的には野外又は室内の一般樹木、果樹、銘木、庭木、盆栽、苗木、街路樹、天然林、及び人工林である。生息媒体に接している媒体としては、樹木が植えられている土面、樹木に据え付けられた治具又は樹木同士を結合する部材が挙げられる。
該振動を幼虫が生息している樹木に直接与え、該樹木を振動させてよい。
制御される幼虫の行動はとくに限定されないが、本発明のうち、該行動が制御される幼虫の行動が、摂食、運動、停止及び驚愕の1種又は2種以上であるものは好ましい。
本発明の方法のうち、成虫の行動を制御することをさらに含む方法は好ましい。制御される成虫の行動が、産卵、摂食、交尾、歩行、飛翔、停止、清掃、発音、擬死及び驚愕の1種又は2種以上である本発明の方法はより好ましい。
また、防除対象害虫種による、振動に対する順応回避のために、同一周波数でなく2種以上の周波数を組み合わせた振動を与えることも有効であり好ましい。
なお、測定機器の制限から加速度として振幅の測定が困難である場合には、振動中の樹木の振動の速度及び周波数から換算した振幅の値を求めることができる。すなわち、速度(v)と加速度(a)及び周波数(f)との間には、a=(2πf)・vの関係がある。したがって、例えば5kHzの周波数における0.000000032m/sの速度を加速度に換算すると、0.001m/s2となる。
また、防除対象となる害虫が生息している樹木が複数存在する場合には、複数の加振機を用いて個々の生息媒体に振動を与えてもよく、あるいは、より少ない個数又は単数の、十分な加振力を与えることができる加振機を用いてもよい。
さらに、防除対象となる害虫が生息している樹木の大きさ又は分布域の広さに応じて複数の加振機を用いてもよく、あるいは、より少ない個数又は単数の、十分な加振力を与えることができる加振機を用いてもよい。
さらに、磁歪材料を含む加振機は圧電素子より耐久性に優れているため、磁歪材料を含む加振機を用いる方法は、コスト面においても、例えば化学合成農薬を用いる害虫の防除方法に優るものである。また、磁歪材料を含む加振機は、無線による遠隔操作や省電力な太陽電池でも駆動可能である。そして、磁歪材料を含む加振機を用いることによって、振動伝播性の金属・木材・樹木・土壌等を加振、又はこれらの振動伝播性の物体を介して生息媒体を加振することも可能となる。
また、磁歪材料を含む加振機を用いれば、長いフレキシブルなステンレスワイヤーや樹脂、セラミック等の硬い物体を装着させ、その先端に減衰をあまり生じない振動を発生させることも可能であるところ、かかる振動の発生は遠隔地や局所の加振に有利である。そのため、磁歪材料を含む加振機を用いる本発明の方法は、局所的な生息媒体から広面積な物体、例として果樹園、森林まで適用が可能であり、適用の対象となる生息媒体は限定されない。
また最近では、FeCo系やNi系などの安価な磁歪材料を組み合わせた、複合磁歪材料(特願2019−525166)が超磁歪材料と同等以上の特性を示し、超磁歪材料の代替として使用できるようになっている。
磁歪とは、磁気をあたえると伸縮し、外形を変形させると透磁率(磁気の通しやすさ)が変化する現象であるところ、超磁歪素子は、この磁歪特性が強い素子であり、その変形量は1500〜2000ppmに達し、変形速度もns〜μsと速いという特質を有する。
振動を樹木に伝えるための部材の材質・形状は限定されないところ、金属製のヘッド等の部材が例示される。
本発明の方法において、所望の周波数の範囲及び振幅の範囲を有する振動を樹木に与えるために用いられる加振機が具備するべき出力は、樹木のモデルを用いたコンピュータによるシミュレーションにより決定してよい。かかるシミュレーションの方法は限定されないところ、有限要素法を用いる方法は好ましい。例えば、以下の方法はより好ましい。
すなわち、加振対象樹木の形状および木部の剛性等の特性を考慮した解析モデルを構築し、加振機を取り付ける部位に加振力を負荷した際のモデル各部の周波数及び振幅を求め、周波数及び振幅を得るために必要な加振力を決定する。なお樹木の共振周波数とその周辺の値を用いることは、効率的な加振が可能となる場合においては好ましい。前記必要な加振力の例は[0037]の表に示した。
加振機固定板8、アジャスタ固定板9、側面版10からなるフレームに超磁歪加振機1を固定ボルト6を介して加振機固定板8に固定して、振動伝達システム11をなしている。加振機1の中心軸に固定ボルト6用の穴が配される。加振機1は、フレームに設置された加振機ガイド2の上に配置される。当ガイド2はV溝加工されており、加振機1の径が変わっても設置できるように設計されている。径が変わっても加振機1がボルト6で締結できるように固定板8の通し穴は長孔加工されている。
加振機1の先端には振動伝達ヘッド5があり、ネジ式により位置の微調整ができる。当ヘッド5を樹木表面に接触る。振動減衰を抑えて効率的に振動を伝えるために同ヘッド5は金属製が望ましいが、樹木表皮への損傷が懸念される場合は、その限りではない。また、3本の加振機位置調整ネジ7を用いて加振機1全体の位置調整を行う。
振動伝達システム11を樹木に固定する際、まず初めに振動伝達ヘッド5が樹木表面に接触するように位置を調整する。次に、4本の可動式アジャスタ3が樹木表面に密着するように位置を調整する。当アジャスタ3は固定した際の左右のガタツキを抑制するために上下に各2本ついており、表面形状に合わせた位置に各アジャスタ位置を調整する。さらに、当アジャスタ3はヘッド部が可動式となっているため、表の凹凸に対して接する方向を変えることができ、振動によるガタツキやブレが生じにくい構造となっている。
超磁歪加振機1内部は、コアが超磁歪材料からなり、コアの先端には振動伝達ヘッド5が連結されている。超磁歪材料の周りにコイルが巻かれた電磁構造からなる。内部のコイルに交流の電気信号を与えることで、コイル内部の磁化方向が変化し、それに合わせてコア材料の超磁歪材料が伸縮動作を繰り返すことで、加振機1の同心円の軸方向に振動伝達ヘッド5が振動する。なお、交流信号の周波数を任意に変えることで、任意の周波数の振動が発生するため、害虫の行動阻害、防除に適した振動周波数に設定することが可能である。
なお、樹木に振動伝達システム11を固定したままで、振動伝達ヘッド5乃至固定ボルト6の位置調整ができるため、強い振動を与えるための調整が可能な構造となっている。 また、複合磁歪材料(特願2019−525166)を用いた加振機も、図10〜12に示された治具を具備する加振機と少なくとも同等の加振能力があるので、本発明の加振機に用いてもよい。
これに対し、本発明の方法は、対象害虫の特性に応じた生息媒体における伝播振動により、特定対象のみをピンポイントで効率的に防除し得るものである。すなわち、本発明の方法は上記のような化学合成農薬の問題を伴わない、環境にやさしい防除技術を提供するものである。また、本発明の方法は生息媒体を伝播する振動を用いる方法であるため、騒音を発生させないことも環境にやさしい点である。また、本発明の方法のうち、持続時間が短い(例えば10ms以下)ものにおいては、人間が感知しにくいため環境に優しいといった利点もある。
森林・果樹害虫を防除する場合、加害されているか又は加害されるおそれがある樹木又は果樹に加振機から直接振動を与えてよい。また、樹木又は果樹を支持している土等の他の媒体に、適切な振動を与えることによって前記樹木又は果樹に振動を与えてもよい。
天敵・捕食者としては、アリ類、ホソカタムシ類、クサカゲロウ類、テントウムシ類、ハチ類、ハエ類、クモ類等が例示される。
また本発明の方法のうち、天敵への影響がないか又は小さい方法は好ましい。
本発明の方法における防除対象害虫は、樹木害虫であり本発明の方法による防除が可能であるものであれば限定されない。
本発明の方法は、とくにカミキリムシ類又はゾウムシ類といった害虫の防除に好適である。
また本発明の方法は、クビアカツヤカミキリ又はキボシカミキリといったカミキリムシ類の防除にとくに好適である。本発明の方法はまた、オリーブアナアキゾウムシといったゾウムシ類の防除にもとくに好適である。
これらの害虫の幼虫及び成虫における、周波数及び振幅の組み合わせと同組み合わせによりとくに好ましく制御又は誘発される行動として、以下のものが例示される:
本発明が適用できる樹木には以下のものが例示されるが、これらに限定されず、あらゆる樹種のあらゆる樹齢の個体に使用できる:
サクラ、ヤマザクラ、ハナモモ、クワ、ケヤキ、クスノキ、プラタナス、イチョウ、ナラ、スギ、ヒノキ、マツ;ならびにイチジク、ウメ、モモ、スモモ、オウトウ、オリーブ、ブルーベリー、柑橘類、ビワ、リンゴ、カキ、マンゴー、ナシ及びクリのような果樹など。
本発明の方法は、それ自体を単独で用いることができる。また本発明の方法は、化学農薬や生物農薬といった農薬類、肥料、あるいは他の物理的防除手段と組み合わせて実施することもできる。
●クビアカツヤカミキリ成虫及び幼虫に対する効果
<野外の発生消長と防除適期>
クビアカツヤカミキリは2011年に日本に侵入した害虫で、サクラやモモ、ウメなどバラ科樹木において枯死被害を急速に拡大させており、さらに環境省により「特定外来生物」に2018年に指定され、防除対策が社会課題となっている。住宅地や用水路に隣接する桜や、収穫期に近い果樹では化学農薬の使用が制限されるため、化学農薬以外の新たな防除技術が求められる。クビアカツヤカミキリは2〜3年1化とされている。埼玉県では成虫は6月から7月に羽化し、8月にかけてサクラ、モモ、ウメなどの樹皮の亀裂などに産卵する。孵化幼虫は樹皮の表面から樹幹内部に穿入し、内樹皮を食べて成長し、糞と食べかすを含むフラスを排出する。幼虫は成長の過程で1回あるいは2回越冬する。成熟した幼虫は樹幹内を深く穿孔して蛹室を作り、休眠越冬する。そして春以降に蛹化し、6月から成虫が羽化する。これらの生活史から、成虫の防除適期は6月から8月、幼虫はフラスが明瞭な5月から10月が、薬剤散布や振動による防除適期となる。成虫は昼行性であることから、行動制御を行うには日中が好ましい。
上記背景の下、クビアカツヤカミキリ成虫・幼虫に対する行動制御についての室内試験及び野外試験を行った。
(1)振動パラメータの決定
加振機を用いて、100Hz又は300Hzの振動(持続時間1s、間隔9s)の振幅を変化させて、行動反応をおこす最小の振幅となる閾値を特定した。その結果、雌雄ともに振幅0.04〜0.3m/s2以上ある振動によって、行動反応がおこることが明らかとなった(図1)。クビアカツヤカミキリ成虫の行動制御は、100Hz及び300Hzでおこり、閾値が低いことから100Hzがより効果が高いことが示された。
(2)産卵に対する効果
次に、振動による産卵への効果を検証した。上記の結果から、周波数100Hzの振動(持続時間1s、間隔9s、振幅m/s2)を一晩与えた加振区、そして翌日同一個体に振動を与えない無処理区を比較して、行動阻害効果を解析した。メス一頭ごとに産卵の人工基質となる段ボール片と餌(蜂蜜)をプラスチック容器内におき、一日の産卵数を計測した。その結果、加振区の平均産卵数(供試個体8)は、無処理区の産卵数の33%まで減少し、振動による産卵阻害効果が明らかになった(図2)。
超磁歪素子による加振機(超磁歪加振機)と樹木装着用治具(東北特殊鋼株式会社製)を用いて、野外のサクラ樹上においてクビアカツヤカミキリの行動反応を観察し、行動制御効果を評価した。
[材料と方法]
大阪府立環境農林水産総合研究所内のサクラ樹2本(直径約20cmの未加害のソメイヨシノ)に各1台の装置を治具により固定した。そして、樹幹胸高部分を60〜70cm網掛けし、その網の中でクビアカツヤカミキリ成虫1頭を放し、1〜5分かけて静止状態になるのを待った。その後、振動を周波数100Hz、持続時間1s、間隔14sを3サイクル続けて与えて、振動刺激直後の成虫(オス50頭、メス50頭、羽化脱出後3日以内)の振動による行動反応を観察した。さらに5分後に同様の試験を再試行した。
[結果]
2本のサクラ樹において振幅が異なっていたため、加振区(強)(網掛け部位において6〜15m/s2)と加振区(弱)(4〜6m/s2)とした。どちらの加振区において、雌雄ともに60〜70%の個体が驚愕反応を示したことから、本装置による行動制御効果が明らかとなった(図3)。行動反応は、驚愕反応に加えて、歩行や飛翔の開始、清掃行動の停止、触角の運動などが観察され、これらの行動制御による成虫の防除が野外において可能となることが示された。
また、温度(29度から30度)と反応の回数(0〜2回)について正の相関があったことから、気温が行動制御に影響することも示された。
[材料と方法]
人工飼料(一定量のシルクメイト)の入った三角フラスコに個別飼育されているクビアカツヤカミキリの中齢幼虫を用いた。
三角フラスコから幼虫を取り出し、蒸留水で湿らせたケイドライを入れたプラスチック容器内で7日間維持して、絶食後の体重を計測して、元の三角フラスコに戻した。三角フラスコ底面を両面テープでガラスシャーレに固定し、さらにガラスシャーレを両面テープで加振機の加振部分に固定した。加振区には4頭、無加振区には5頭を供試した。周波数100Hzあるいは25Hzの振動を(持続時間1s、間隔10s)に出力させて、6日間連続で与えた。三角フラスコの側面での加速度は、25Hz、100Hzのいずれにおいても7m/s2として調整した。加振後に、三角フラスコから幼虫を取り出し、前述と同条件の容器内で5日間維持して絶食させ、絶食後の体重を計測した。
[結果及び追加試験]
幼虫の絶食後体重増加率(処理前の体重/処理後の体重)は、100Hz及び25Hzの加振区において、無処理区よりも低かった(図4)。
また、25Hzでは、試験開始直後は振動刺激に対して体をくねらせる屈曲運動などによる驚愕反応がみられたが次第に鈍くなり、驚愕反応がみられなくなった。試験終了直後は生存しているものの明らかに行動活性が低くなっており、ピンセットで刺激しても反応がほぼない状態であった。
100Hzでは、試験中は大きな反応が見られず、加振中は坑道の端で静止している傾向にあった。試験終了直後にピンセットで刺激すると驚愕反応がみられた。無加振区では、活発な屈曲運動をおこなう個体がいる一方、静止している個体もいたりするなど、様々であった。これにより、周波数25Hz及び100Hzがクビアカツヤカミキリ幼虫の摂食阻害をおこすことが明らかとなった。
次に、短期間の振動に対する幼虫(中齢・老齢)の行動反応を、上述と同じ人工飼料を含んだ三角フラスコ内にて観察した。100Hz、25Hz又は1kHzの振動を、持続時間1s、間隔9sにて3サイクル続け、加振機からガラスシャーレ経由で、シャーレ中央での振幅が10m/s2と調整して与えた。
その結果、100Hzに対して5頭中3頭が驚愕反応又は前進や後退による蠕動運動をおこし、このうち1頭がその蠕動運動をおこした。25Hzでは5頭全てが驚愕反応又は前進や後退による運動をおこし、このうち4頭がその蠕動運動をおこした。また、1kHzに対して、3頭中2頭で驚愕反応が見られた。100Hz、25Hz及び1kHzの振動が幼虫の行動制御をおこすと特定された。
続いて、クビアカツヤカミキリ幼虫に対する摂食阻害の効果を野外において実証した。
[材料と方法]
大阪府立環境農林水産総合研究所内のクビアカツヤカミキリのフラスの排出が見られる直径30〜40cmのサクラ被害樹(ソメイヨシノ)1本に、成虫の野外試験に用いた加振機と樹木装着用治具2組を樹幹胸高部位に設置した(加振区)。そして、振動を与えない無処理区のサクラ被害樹(ソメイヨシノ)1本とあわせて、フラスの排出孔にポリ袋を設置し、薬剤の効果試験と同様にフラスの排出を指標として阻害効果を評価した。
加振区は、無加振期(2日間)、加振前期(日中12時間4日間)、無加振期(7日間)、加振後期(全日3日間)、無加振期(7日間)として、無処理区は全期間を通じて無加振とした。各期間で排出されたフラスを回収し、その乾重を測定し1日当たりに換算し、孔ごとのフラス排出量の変化を比較した。
振動は周波数100Hz、持続時間2s、間隔13sを繰り返し、振幅は17〜25m/s2(加振機の設置した樹幹胸高部位)となって前述の成虫の試験と近い数値であった。
[結果及び追加試験]
加振区の排出孔2カ所のうち、1カ所は排出量が加振前期及び後期を通じて減少し、他の1カ所は加振前期で増加後に、加振後期で減少した(図5)。また、加振前期及び後期でのフラスの形状は、無加振期と比べて細かくなっており、異なっていた。一方、無処理区においては大きな変動が見られなかった(図6)。
以上より、野外において振動による幼虫の摂食阻害効果が示された。
振動による効果との比較のために、クビアカツヤカミキリ幼虫の登録薬剤であるアトラック液剤(チアメトキサム4%)を用いて、前述の試験と同時期かつ成虫発生時期の6月下旬から7月下旬における防除効果を大阪府立環境農林水産総合研究所内のサクラ(ソメイヨシノ)被害樹で試験した。アトラック液剤は試験樹の樹幹の地際付近に電動ドリルで30cmの間隔に穴を開け、試験樹の直径に応じた薬液量を注入することにより処理した。処理1週間前に試験樹から排出されていたフラスを除去した上で、処理樹及び無処理樹において処理直前、処理1、2、3、4週間後に、単木単位でフラスの排出が有った排出孔数を調査した(試験樹数1)。なお、試験樹からの排出フラスは調査のつどに除去した。その結果、薬剤処理区では排出孔数が3からゼロへと減少したのに対し、無処理区では2〜5とほぼ一定であり、薬剤による防除効果が認められた(図7)。
<野外試験>
アリ類はクビアカツヤカミキリの天敵であり、幼虫や卵を捕食する。超磁歪素子による振動発生装置と樹木装着用治具を用いて、森林総合研究所内のサクラ未被害樹上に振動を発生させ、樹幹胸高部位にあるハチミツ水溶液のベイトに誘引されるハリブトシリアゲアリを観察する試験を行った。
周波数100Hz、持続時間1s、間隔9sを3サイクルの30s、振幅4.5 m/s2(樹幹胸高部位)の振動を、30sごとに5反復与えた加振区では、誘引されたハリブトシリアゲアリの合計は35頭であった。一方、振動を与えない無処理区では、誘引されたハリブトシリアゲアリの合計は23頭であった。両者について統計的な差異(カイ二乗検定、P>0.05)がなかったことから、振動による天敵への影響は低いことが示された。
<成虫の室内試験>
[材料と方法]
キボシカミキリはイチジクやクワなどのクワ科樹木の害虫である。振動に対するキボシカミキリ成虫の驚愕反応や歩行の停止などの行動反応を、寄主植物であるイチジクの葉を含めたプラスチック容器内にて観察した。
100Hz又は25Hzの振動(振幅1m/s2)を、持続時間1s、間隔9sにて3サイクル続けて、加振機からガラスシャーレ経由で与えた。
[結果]
その結果、100Hzでは16頭中(メス11頭、オス5頭)、13頭が行動反応を示し、25Hz でも16頭中、13頭が行動反応を示し、81.3%の高い反応率となった(図8)。このうち、100Hzでは1頭が驚愕反応とともに警戒音を発音し、25Hzでは3頭が驚愕反応に伴う発音を行った。さらに25Hzでは1頭が摂食の停止をおこした。
以上の結果から、100Hz及び25Hzの振動は、成虫の行動制御のための振動の周波数であると特定された。
[材料と方法]
振動に対するキボシカミキリ幼虫(中齢・老齢)の驚愕反応などの行動反応を、人工飼料(一定量のインセクタ)を含めたプラスチック容器内にて観察した。
100Hz又は25Hzの振動(振幅10m/s2)を、持続時間1s、間隔14sにて3サイクル続けて、加振機からガラスシャーレ経由で与えた。
[結果]
その結果、100Hz及び25Hzに対して11頭全てが屈曲運動による驚愕反応又は前進や後退による蠕動運動をおこした(図8)。このうち、その蠕動運動は100Hzで1頭、25Hzで5頭観察された。また1kHz(振幅10m/s2)に対して、2頭中2頭で驚愕反応が見られた。
以上の結果から、100Hz、25Hz及び1kHzの振動が幼虫の行動制御をおこすと特定された。
[材料と方法] 続いて、超磁歪素子による振動発生装置と樹木装着用治具を用いて、森林総合研究所内のサクラ未被害樹上に振動を発生させ、樹幹胸高部分を60〜70cm網掛けし、キボシカミキリの驚愕反応を観察した。
周波数100Hz、持続時間1s、間隔14sを3サイクル与えた(網掛け部位において振幅4.4〜5.3 m/s2)。12頭(メス8頭、オス4頭)を2日にわけて2回、合計24回観察した。
[結果]
上記の観察を行ったところ、14回行動反応が観察され、58.3%の反応率であった。このうち1個体で、摂食の停止がおこったが、行動反応がおこらなかった4個体では、摂食の停止がおこらなかった。
以上の結果から、野外においても振動による行動制御の効果が示された。
<野外の発生消長と生態>
オリーブアナアキゾウムシはオリーブ等モクセイ科樹木の害虫であり、近年オリーブ栽培地域の拡大に伴い被害が急増しており、問題となっている。香川県における調査によると、成虫は4月から10月にかけて夜間に活発に活動し、新芽や葉柄、新梢の樹皮を食害する。日中は枝先や樹幹地際部に潜伏している。産卵は1日に数個のペースで行われるが、成虫が長命で加害中のオリーブ樹木に対する定着性が高く、生涯産卵数はおよそ200個にもなるため、特定のオリーブ樹木に被害が集中する傾向がある。孵化した幼虫は樹皮の表面から樹幹内部に穿入し穿孔食害するため、水養分を摂取できなくなったオリーブ樹木はやがて枯死する。幼虫による食害は、地際から地上40cmまでの高さに集中し、地下部も被害を受けることがある。
[材料と方法]
振動に対するオリーブアナアキゾウムシの驚愕反応や歩行の停止、擬死などの行動反応を、ガラスシャーレ上にて観察した。
100Hz又は25Hzの振動(振幅1m/s2)を、持続時間1s、間隔14sにて3サイクル続けて、加振機から与えた。
[結果]
その結果、100Hzでは15頭中、14頭が行動反応を示し、25Hz でも15頭中、14頭が行動反応を示した(図9)。100Hz及び25Hzの振動は93.3%の高い反応率をおこしたことから、100Hz及び25Hzが行動制御のための振動の周波数であると特定された。
次に、交尾行動(マウント)中の雌雄の3ペアを用いて、100Hz又は25Hzの振動(振幅10m/s2)を、上記と同条件の時間で与えた。
その結果、メス3頭全てにおいて、100Hz及び25Hzによる驚愕反応や擬死の誘発と解除などの行動反応が観察された。オスでは、100Hzにより3頭全てが行動反応を示し、25Hzにより2頭が行動反応を示した。
以上の結果により、高振幅の振動によって、オリーブアナアキゾウムシにおける交尾の阻害がおこることが示された。
[材料と方法]
振動に対するオリーブアナアキゾウムシ幼虫(若齢)の驚愕反応などの行動反応を、人工飼料(一定量のインセクタ)を含めたプラスチック容器内にて観察した。
100Hz又は25Hzの振動(振幅10m/s2)を、持続時間1s、間隔14sにて3サイクル続けて、加振機からガラスシャーレ経由で与えた。
[結果]
その結果、100Hz及び25Hzに対して11頭中10頭が驚愕反応又は蠕動運動中の停止をおこした(図9)。
以上の結果により、100Hz及び25Hzの振動がオリーブアナアキゾウムシ幼虫の行動制御をおこすと特定された。
2 加振機ガイド
3 可動式アジャスタ
4 固定ベルト通し穴
5 振動伝達ヘッド
6 固定ボルト
7 加振機位置調整ネジ
8 加振機固定板
9 アジャスタ固定板
10 側面板
11 振動伝達システム
Claims (11)
- 以下の工程を含む、振動によって樹木害虫を防除する方法:
(a)樹木害虫の幼虫が生息する樹木又は幼虫の発生が予測される樹木に、該幼虫の行動を制御する周波数及び振幅を有する振動を1回又は2回以上与えて該樹木を振動させる工程;及び
(b)樹木における振動により前記幼虫の行動を制御する工程。 - 周波数の範囲が25Hz〜1kHzである、請求項1に記載の方法。
- 振幅の範囲が0.04m/s2〜25m/s2である、請求項1又は2に記載の方法。
- 持続時間が1s以上であり、間隔が30s以下である振動を少なくとも2回含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 成虫の行動を制御することをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 磁歪材料を含む加振機を備える治具を用いて樹木に前記振動を発生せしめる、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 治具がラチェットベルトをさらに備える請求項6に記載の方法。
- 制御される幼虫の行動が、摂食、運動、停止及び驚愕の1種又は2種以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 制御される成虫の行動が、産卵、摂食、交尾、歩行、飛翔、停止、清掃、発音、擬死及び驚愕の1種又は2種以上である、請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
- 害虫がカミキリムシ類又はゾウムシ類の害虫である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 害虫がクビアカツヤカミキリ、キボシカミキリ又はオリーブアナアキゾウムシである、請求項10に記載の方法。
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