JP6644299B2 - 果菜類栽培施設へのチョウ目害虫の飛翔行動を合成超音波により阻害する方法 - Google Patents

果菜類栽培施設へのチョウ目害虫の飛翔行動を合成超音波により阻害する方法 Download PDF

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Description

本発明は果菜類の重要害虫であるハスモンヨトウのオス及びメス成虫の飛翔行動を合成超音波により阻害する方法、及びかかる阻害する方法を用いて同種による果菜類への被害を低減する方法に関する。
害虫を防除する方法には化学的防除、物理的防除及び耕種的防除等による方法が挙げられるところ、殺虫剤を用いる化学的防除が主流である。
例えば、行動制御を利用した害虫防除の方法は、化学合成殺虫剤における普遍的な問題である薬剤抵抗性の問題や、人体、環境及び非標的生物に対する悪影響の問題を伴わないといった利点を有する。したがって、かかる方法は、薬剤に抵抗性を持つ害虫の出現や、環境・食品の安全・安心志向の高まりから、長年にわたり社会的に求められている、薬剤の代替となる環境調和型の害虫防除技術の開発に資するものである。
果菜類を加害する害虫による経済的な損失も少なくない。このような害虫にはチョウ目害虫が包含されるところ、ハスモンヨトウは多岐に亘る果菜類を加害する重要害虫である。そのためハスモンヨトウは果菜類栽培における防除の対象とされているが、生物多様性の維持と食の安心の観点から、環境保全型の防除技術を開発する必要にも迫られている。
上記の背景の下、環境に負荷をかけない防除資材が開発されつつあり、合成性フェロモンを利用した交信かく乱剤や黄色LED ライトを用いた防蛾灯はその例である。
しかしながら、高濃度の合成性フェロモンを利用した交信かく乱剤は多大な生産コストのために適用が可能な種は限定される。また黄色LED ライトを用いた防蛾灯は西日本において果樹カメムシ(ツヤアオカメムシ)を誘引してしまうほか、栽培施設の被覆素材によっては効果を発揮しないといった問題を有する。
果実を加害するチョウ目害虫に対しては、超音波を利用した防除方法の試みも既に存在する(特許文献1〜5、非特許文献1〜3)。これらのうち特許文献1〜4及び非特許文献1〜2は、コウモリが発する超音波を模倣した超音波に関するものである。特許文献4には、果樹園における果実吸蛾類の被害を防ぐに当り、果実吸蛾類の飛来の障壁となる超音波網を設けることを特徴とする果実吸蛾類の防除方法が記載されている。
果樹栽培の害虫防除に関しては、構成周波数40 kHz、パルス長8〜10 ms、パルスの反復率50 Hz(=パルス間間隔12〜10 ms)の超音波パルスを用いて、果実に穿孔被害をもたらす吸汁性ヤガ類(アケビコノハ、アカエグリバ、ヒメエグリバ等)の成虫によるモモ園への飛来を抑えることに成功している(非特許文献1)。また、モモ、クリ果実の重要害虫であるモモノゴマダラノメイガ、トウモロコシ害虫のアワノメイガ、シソ害虫のベニフキノメイガ等のノメイガ類については、構成周波数40〜80 kHz、パルス長20〜35 ms、パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)20〜30 ms、音圧100 dB SPL以上(測定距離5 cm;0 dB SPL=20 μPa)の超音波に対し、成虫の飛翔行動を顕著に阻害できることが知られている(特許文献7;非特許文献3、7及び8)。貯穀害虫であるノシメマダラメイガに関しては、構成周波数40〜60 kHz、パルス長20〜40 ms、パルス間間隔30〜50 ms、音圧80〜90 dB SPL(測定距離1 m)の超音波を忌避することが報告されている(特許文献8)。
アメリカでは、トウモロコシとワタのチョウ目害虫(アメリカタバコガ、ヨーロッパアワノメイガ、イラクサギンウワバ)を対象に、合成超音波を夜間に提示することで被害を軽減する試みが50年以上前からなされている(非特許文献4; 非特許文献5; 非特許文献6)。録音したコウモリの超音波(パルス長5 ms前後)を再生する手法も試験されているが、飛来を効果的に抑止するに至っていない(非特許文献2)。
ハスモンヨトウは、周波数25〜40 kHzの超音波に対する行動反応の感受性が高い(非特許文献9)。また、構成周波数40 kHz、パルス長5 ms、パルスの反復率50 Hz(=パルス間間隔15 ms)の超音波パルスを忌避しやすく、これを誘起するにはハスモンヨトウの正面から75 dB SPL以上の音圧が必要なことが報告されている。しかしながら、圃場等の周囲でこの音圧を維持するには5〜8 m間隔で超音波発生装置を設置しなければならず、設置台数の観点から現時点での実用性は高くないと考えられる(非特許文献10)。
上記のとおり、超音波を用いてチョウ目害虫、とくに果実を加害するチョウ目害虫を防除する試みがなされているものの、これらの既存技術は十分に実用性を充足するものではない。
また、チョウ目害虫の大部分はコウモリからの捕食を回避するために聴覚器官を獲得しており、一般に超音波を検知すると飛翔や歩行の中止、飛翔中の急旋回等の行動を示す。一方コウモリは捕食効率を上げるため、主要な餌資源であるチョウ目昆虫が検知しにくい音を発することによって、上記チョウ目害虫の行動に対抗している。したがって、単にコウモリの発する超音波を模倣しただけでは、チョウ目害虫の忌避行動を効果的に誘発できない可能性がある。このことはハスモンヨトウにも当てはまることである。
したがって、果菜類を加害する害虫であるハスモンヨトウを防除するための別異な方法に対する需要が存在する。
特開2011−205981号公報 特開2008−48717号公報 特開2003−304797号公報 特開昭55−127947号公報 特開昭57−63045号公報 特開2013−51925号公報 特開2014−143997号公報 特開2015−228828号公報 特願2016−197952号明細書
小池、「超音波を利用した果樹のヤガ類被害防止技術の開発」、植物防疫、2008年10月、第62巻、第10号、p.549−552 Gillam et al., 2011, Southwest. Nat., 56: 103-133 中野、「チョウ目害虫における超音波を用いた行動制御技術」、植物防疫、2012年6月、第66巻、第6号、p.300−303 Belton & Kempster, 1969, Entomo1. Exp. App1., 5: 281-288 Payne & Shorey, 1968, J. Econ. Entomo1., 61: 3-7 Agee & Webb, 1969, J. Econ. Entomo1., 62: 1322-1326 Nakano R, Ihara F, Mishiro K, Toyama M, Toda S.(2014) Double meaning of courtship song in a moth. Proc. Roy. Soc. Lond. B 281: 20140840. Nakano R, Ihara F, Mishiro K, Toyama M, Toda S. (2015) High duty cycle pulses suppress orientation flights of crambid moths. J. Insect Physiol. 83: 15-21. 渡辺雅夫(2013) 農業害虫への超音波適用効果の検討. 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)研究成果報告書. 江波義成, 重久眞至, 土井真也, 水上智道, 田中庸之, 吉田隆延.(2014) 超音波がハスモンヨトウの求愛行動(羽ばたき)に及ぼす影響. 関西病虫研報56: 115-116.
上記のような背景の下、地域を問わず利用可能な、果菜類を加害するチョウ目害虫の防除に有効な新規技術の開発が渇望されている。
ハスモンヨトウは、幼虫が野菜、花き、果樹など多種多様な農作物を加害し、その主要な防除には化学合成殺虫剤が使用されている。しかしながら、成虫が海外から毎年飛来することに加え、卵や若齢幼虫以外は殺虫剤への感受性が低いことから、その防除は容易ではない。さらに、気候の温暖化にともない、被害期間の延長が報告されるとともに、発生量の増加が懸念されている。
近年の減農薬志向と環境保全への関心、農作物の輸出に向けた取り組みのみならず、農薬の散布労力の軽減と害虫における殺虫剤抵抗性の発達を抑止するためには、化学合成殺虫剤に代替する害虫防除技術の開発が社会的に求められている。例えば、高濃度の合成性フェロモンを含浸させた交信かく乱剤は上市されており、剤を設置した範囲においてハスモンヨトウの交尾を阻害する。しかしながら、ハスモンヨトウは高い飛翔能力を持ち、剤の有効範囲の外で交尾したメスが飛来するため、被害を顕著に抑えることはできていない。
また、夜行性チョウ目の視覚に明順応を引き起こして行動を抑制する黄色防蛾灯や緑色防蛾灯は特に花き栽培と果樹栽培において普及しつつある。しかしながら、防除効果を発揮するには防蛾灯を広範囲に設置する必要があり、成功事例は大規模農家もしくは近隣農家と協同して広域に設置している地域に限られる。合成超音波を用いたチョウ目害虫の防除技術も着目され始めているが、重要害虫であるハスモンヨトウの野外個体群が忌避する超音波パルスについては、これまで精査されていない。
従来技術で用いられる合成超音波は、夜行性チョウ目の主要な捕食者であるコウモリが発する超音波パルスの時間構造(パルス長とパルス間間隔)及び周波数成分を基盤としている。メイガ類、ノメイガ類はパルス長とパルス間間隔がそれぞれ20〜30 ms前後、果実の吸汁性ヤガ類はパルス長が8〜10 ms、パルス間間隔が12〜10 ms、ヨトウ類はパルス長が5 ms、パルス間間隔が15 msで、いずれにおいても25〜80 kHzの単一周波数で構成された超音波パルスを忌避するとされている。チョウ目昆虫はコウモリからの捕食を避けるため、超音波を検知すると飛翔や歩行の中止、飛翔中の急旋回等の行動を示す。しかしながら、チョウ目昆虫を捕食するコウモリの発する超音波パルスの時間構造は単一ではなく、コウモリの種や餌までの距離、餌の大きさによって大きく異なる。また、チョウ目昆虫の種によっても、コウモリからの捕食を回避するための行動パターンは異なる。
したがって、最も忌避する超音波パルスを特定するためには、防除対象となるチョウ目害虫の種ごとに様々なパルス長とパルス間間隔の組合せを提示し、網羅的に忌避行動の有無を検定する必要がある。ハスモンヨトウに対して有効な超音波パルスについては、先行研究が数例あるのみである(特許文献9等)。とくに野外個体群が忌避しやすい音響パラメータに関するデータは不足しており、単一周波数で構成された超音波パルスのうち、パルス長とパルス間間隔の少数の組合せに対する忌避行動が解析されているのみである。したがって、合成超音波を経済的に実用可能な害虫防除技術として応用するためには、すなわちハスモンヨトウが忌避する超音波を発生する装置の設置台数が少数に済むようにするためには、ハスモンヨトウの忌避行動を最大限に誘起する超音波パルスのパラメータを明らかにする必要があると考えられた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、これまで用いることが検討されていなかった資材を用いることにより、果菜類を加害するチョウ目害虫のうち重要害虫の一種であるハスモンヨトウの行動を従来より効率的に抑制できる可能性があることを見出し、さらに研究を進めた結果本発明を完成するに至った。
より具体的には、ハスモンヨトウは、産卵時に栽培圃場や園地の外から寄主植物体上へ飛来してくるため、より効果的な超音波パルスにより産卵に付随する飛翔行動を阻害すれば、同種による被害を効率よく抑えることが可能となることに着目した。
すなわち本発明は、少なくとも以下の発明に関する:
(1)
下記のア)〜ウ)に示される音響パラメータを有する合成超音波を用いて、ハスモンヨトウの果菜類栽培圃場への飛来を抑止する方法:
ア)構成周波数10〜80 kHzの広帯域ノイズ(単一周波数ではなく、10〜80 kHzの構成周波数の超音波が合成されたもの)
イ)パルス長2〜9 ms
ウ)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)35〜170 ms。
(2)
合成超音波が音響パラメータとして
エ)音圧60 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
をさらに有する、上記(1)に記載の方法。
(3)
合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ、2つ又は3つを有する、上記(1)又は(2)に記載の方法:
ア’)構成周波数20〜70 kHzの広帯域ノイズ
イ’)パルス長3〜6 ms
ウ’)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)60〜100 ms。
(4)
合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ、2つ又は3つを有する上記(3)に記載の方法:
ア”)構成周波数20〜50 kHzの広帯域ノイズ
イ”)パルス長6 ms
ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms。
(5)
合成超音波が音響パラメータとして
エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
を有する、上記(2)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)
合成超音波が音響パラメータとして
ア”)構成周波数20〜50 kHzの広帯域ノイズ
イ”)パルス長6 ms
ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms
エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
を有する、上記(5)に記載の方法。
(7) 合成超音波が音響パラメータとして
エ”)音圧78 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
を有する、上記(6)に記載の方法。
(8)
果菜類栽培圃場においてハスモンヨトウを防除する方法であって、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法により前記圃場への前記ハスモンヨトウの飛来を阻害することを含む方法。
本発明は、ハスモンヨトウが高率で忌避する超音波パルスを用い、本種の飛翔行動を効率的に阻害することで農作物への飛来・侵入を抑制することを用いる方法である。従来、チョウ目害虫に対して合成超音波を用いる防除技術では、食虫コウモリが捕食時に発する超音波パルスを模倣していた。これに対し本発明では、ハスモンヨトウがそのような超音波パルスに対して飛翔の停止をあまり示さなかった一方で、構成周波数が10〜80 kHzの広帯域ノイズ、パルスの長さが2〜9 ms、パルス間間隔が35〜170 msの超音波パルスにより顕著に行動が抑制され、飛翔が停止されるといった、本発明者らが得た新たな知見を活用するものである。
本発明の方法によれば、果菜類を加害するチョウ目害虫であるハスモンヨトウを、従来の方法より高い効率により防除することができる。
ハスモンヨトウの行動を阻害する超音波については、上記各文献のいくつかにも記載のとおりすでに知られている。しかしながら、同各文献に記載されているのはコウモリが発する超音波やオスの超音波により同種のオス個体の行動が阻害されることに留まり、メスによる行動が同種のオスの超音波により阻害されることは知られていない。これに対して本発明の方法は、オスならびにメスの飛来・侵入行動及び交尾行動のみならず既交尾メスの産卵に先立つ飛翔行動も阻害する。したがって、作物上への産卵を阻害することで、孵化幼虫及び生育ステージが進んだ幼虫がもたらす作物への被害を抑止し、また続く世代の増殖を一層効率的に阻害する。そのため、本発明の方法は、従来技術を上回る効果を奏するのである。
また、従来技術における超音波によるハスモンヨトウを防除するための方法においては、圃場等において周囲で防除に必要な音圧を維持するには5〜8 m間隔で超音波発生装置を設置しなければならないのに対し、本発明のハスモンヨトウを防除する方法によれば、より小さい音圧によって防除が可能であるため、より少ない超音波発生装置の設置台数によってハスモンヨトウを防除することが可能である。なお、ハスモンヨトウの忌避行動を誘起する超音波パルスとして雑音の利用が特許文献9において提唱されている。これに対し本発明は、ハスモンヨトウの忌避行動を最大限に誘起する超音波パルスのパラメータを明らかにすることを目的とし、ハスモンヨトウの忌避行動を誘起する超音波パルスのパラメータとしての構成周波数、パルス長及びパルス間間隔の特性を種々の試験を重ねることにより明らかにし、ハスモンヨトウの忌避行動を一層効率的に誘起することに至ったものである。また、本発明において用いられる超音波パルスの上記各パラメータ及びそれらの組み合わせは、同文献には記載されていない。例えば本発明における構成周波数10〜80 kHzの広帯域ノイズは、10〜80 kHzの構成周波数の超音波が合成されたものである。これに対し、特許文献9に記載されている方法に用いられる雑音の構成周波数は、いずれも10〜80 kHzとは異なるものである。すなわち、本発明は発明の目的、構成及び効果のいずれにおいても特許文献9に記載の発明とは異なるものであるから、本願発明は同文献に記載の発明と同一の発明ではない。
本発明の方法において好適に用いられる合成超音波の時間構造の例を示す図である。 広帯域ノイズによる効果確認及びパルス長及びパルス間間隔の検討結果を示す図である。 先に実施した試験結果(図2A)を受け、忌避行動を高率で誘起した超音波パルス(パルス長5 ms、反復率10 Hz(=パルス間間隔95 ms))を中心に展開した試験結果を示す図である。 音圧の検討結果を示す図である。 メス成虫に対する効果を調べた結果を示す図である(a)。bは交尾後のメス成虫による産卵開始の頻度を、時刻ごとに示す図である。 オス成虫に対する効果を調べた結果を示す図である。bはオス成虫がメス成虫と交尾を開始する頻度を、時刻ごとに示す図である。 モデル試験により、ハスモンヨトウに対して本発明の方法が奏する防除効果を調べた結果を示す図である。
本発明が基礎を置くのは、下記特定の音響パラメータを有する合成超音波を用いて、ハスモンヨトウの果菜類栽培圃場への飛来を抑止する方法である:
下記のア)〜ウ)に示される音響パラメータを有する合成超音波を用いて、ハスモンヨトウの果菜類栽培圃場への飛来を抑止する方法:
ア)構成周波数10〜80 kHzの広帯域ノイズ(単一周波数ではなく、10〜80 kHzの構成周波数の超音波が合成されたもの)
イ)パルス長2〜9 ms
ウ)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)35〜170 ms。
他の音響パラメータとしてパルス反復率や音圧が上げられるところ、本発明の方法においては合成超音波が上記ア)、イ)及びウ)の音響パラメータを有せばパルス反復率や音圧といった他の音響パラメータにとくに制限はなく、本技術分野における通常のものを用いることができる。
「広帯域ノイズ」とは、ソフトウェア等で音を合成する際のサンプリング周波数の中間周波数までの帯域幅における全周波数成分を有すホワイトノイズもしくはそれに相当するものであり、パルスごとの構成周波数は同一のものでよい。
本発明の方法に用いられる広帯域超音波パルスの時間構造の例を図1に示した。本例におけるパルス長は6 ms、パルス間間隔は94 msであり、パルス反復率(1秒あたりのパルス数)は10 Hzである。
本発明の方法において用いられる合成超音波の構成周波数は上記のとおりア)構成周波数10〜80 kHzの広帯域ノイズ(単一周波数ではなく、10〜80 kHzの構成周波数の超音波が合成されたもの)であればとくに限定されないところ、合成超音波の構成周波数として20〜70 kHzは好ましく、20〜50 kHzはより好ましい。これらの好ましい広帯域ノイズを採用することにより、ハスモンヨトウの飛来をより効率的に抑止することができる。
本発明の方法において用いられる合成超音波のパルス長は上記のとおり2〜9 msであればとくに限定されないところ、合成超音波のパルス長として、3〜6 msは好ましく4〜6 msはより好ましく、6 msは一層より好ましい。なお本明細書における「6 ms」のような単一の値の表記は、当該値とともに、一定の誤差を含む値も包含する。これらの好ましいパルス長も、ハスモンヨトウの飛来に対するより効率的な抑止効果を与えるものである。
本発明の方法において用いられる合成超音波のパルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)は上記のとおり35〜170 msであればとくに限定されないところ、60〜100 msが好ましく、70〜95 msがより好ましく、94 msが一層より好ましい。これらの好ましいパルス間間隔により、ハスモンヨトウの飛来に対するより効率的な抑止効果を達成しえる。
合成超音波のパルス間間隔は、パルス長に応じて調整してよい。例えば本発明の方法においてはパルス長6 ms、パルス間間隔94 msである合成超音波は好ましく、当該好ましいパルス長よりパルス長が短い合成超音波においては、パルス間間隔を94 msより長くすることは飛来抑止効果の観点から好ましい。
本発明の方法において用いられる合成超音波は上記ア)、イ)及びウ)の音響パラメータを有すれば他の音響パラメータにはとくに制限はないが、音圧をある特定の範囲又は値とすることにより、一層優れた効果を奏することができる。
例えば合成超音波の音圧はエ)音圧60 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)が好ましく、66 dB SPL (対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)も好ましい。72 dB SPL (対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)以上はより好ましく、78 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)は一層より好ましく、84 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)はさらに一層より好ましい。音圧が90 dB SPL(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)である本発明の方法は、もっとも好ましい。
音圧を78 dB SPL 以上とすることにより、飛翔停止を効率的に誘起できる。
なお、ある種の害虫においては、超音波を検知すると生殖に関する行動を一時的に中止するが、超音波の連続的な提示によりその効果は低下することが分かっている。超音波のパルス間間隔を上記のような間隔とすることにより、上記のような「慣れ」が生じるのを回避することができる。
超音波の音響パラメータの2つ以上が、上記好ましい範囲の組み合わせである本発明の方法は好ましく、合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ、2つ又は3つを有する本発明の方法は好ましい:
ア’)構成周波数20〜70 kHzの広帯域ノイズ
イ’)パルス長3〜6 ms
ウ’)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)60〜100 ms。
また、合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ、2つ又は3つを有する本発明の方法はより好ましい:
ア”)構成周波数20〜50 kHzの広帯域ノイズ
イ”)パルス長6 ms
ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms。
本発明の方法として、合成超音波が音響パラメータとして
エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
を有する方法も好ましい。
本発明の方法において一群のパルスからなる合成超音波を発生させ続ける時間はとくに限定されず0.5秒〜5秒が例示される。
本発明の方法において一群のパルスからなる合成超音波を発生させ続ける回数はとくに限定されず1時間当たり10回以上が例示される。合成超音波の発生は、ハスモンヨトウの飛来を抑止するべき全期間にわたり、継続して行うことが好ましい。
本発明の方法のうち、合成超音波が音響パラメータとして
ア”)構成周波数20〜50 kHzの広帯域ノイズ
イ”)パルス長6 ms
ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms
エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
を有する方法は、ハスモンヨトウ成虫の忌避行動をより確実に誘起できるため好ましい。 かかる方法のうち、
エ”)音圧78 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
である方法は、ハスモンヨトウ成虫の飛翔行動をより確実に抑止できるため、より好ましい。
また、本発明は、果菜類栽培圃場においてハスモンヨトウを防除する方法であって、上記いずれかの方法により前記栽培園へのハスモンヨトウの飛来を阻害することを含む方法に関する。この方法は、上記いずれかに記載の方法により圃場へのハスモンヨトウの飛来を阻害することにより、該圃場に生息するハスモンヨトウの密度を低減せしめるものである。本防除方法においては、上記飛来を阻害する方法のうち、好ましい方法を好適に用いることができる。
より具体的には、圃場の周囲に、外側に向けて超音波の出力装置を設置し、対象害虫の圃場内への飛来・侵入を阻害することにより、同対象害虫を防除することができる。設置される出力装置の種類はとくに限定されない。
設置される出力装置の個数は、圃場の広さに応じて適宜決定してよい。
ハスモンヨトウのうち、例えばハスモンヨトウのメス成虫及びオス成虫は、特定の時間帯に飛来し、ハスモンヨトウの交尾後のメス成虫は、大部分が暗期開始後の2時間のみ作物へ飛来する。したがって、この時間帯に超音波を出力することは、同種の省力的かつ効率的な防除を可能ならしめるため好ましく、野外の日照条件下においては、薄暮から2時間の間にわたり超音波を出力することは好ましい。
本発明の方法のうち、適用される合成超音波によりハスモンヨトウのメス成虫の産卵行動が阻害される方法は、ハスモンヨトウの防除により効率的に寄与するため好ましい。また、本発明の方法のうち、適用される合成超音波によりハスモンヨトウのオス成虫の雌性フェロモンに対する反応が阻害される方法は、ハスモンヨトウの防除により効率的に寄与するため好ましい。
メス成虫がオス成虫を誘引するために性フェロモンを放出する時間帯も種特異的である。したがって、この時間帯に超音波を出力することは好ましい。
例えばハスモンヨトウのメス成虫は、性フェロモンを主に暗期前半のうちに放出する。したがって、同種の防除においては、この時間帯に超音波を出力することは好ましい。
一般に、チョウ目害虫に超音波を絶え間なく提示した場合、音に慣れて防除効果は低減する。そのため、ハスモンヨトウの飛来時にのみ超音波を出力する手法と、ハスモンヨトウの超音波に対する「慣れ」を生じさせにくい本発明の方法とを組み合わせることは、より好ましい。
本発明の防除方法において一群のパルスからなる合成超音波を発生させ続ける時間はとくに限定されず0.5秒〜5秒が例示される。
本発明の防除方法において一群のパルスからなる合成超音波を発生させ続ける回数はとくに限定されず1時間当たり10回以上が例示される。合成超音波の発生は、ハスモンヨトウを防除するべき全期間にわたり、継続して行うことが好ましい。
本発明を、以下の実施例によりさらに詳細に説明する。これらの実施例は、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
[実施例1]広帯域ノイズによる効果確認及びパルス長及びパルス間間隔の検討
●(材料と方法)
下記のパラメータを有する合成超音波パルスを対象個体の位置で90 dB SPLの音圧で2秒間出力し、ハスモンヨトウ成虫(未交尾オス16頭、未交尾メス13頭、既交尾メス17頭)の行動における反応の有無と反応の態様(飛翔停止、旋回)を調べた:
ア−1)構成周波数0〜96 kHzの広帯域ノイズ(単一周波数ではなく、0〜96 kHzの構成周波数の音波が合成されたもの。このうち、スピーカーの特性のため、実際に出力された周波数成分のうち、音圧の大きい20〜70 kHzの広帯域ノイズが主として供試されている。すなわち、ハスモンヨトウの行動に対する効果が奏された場合、20〜70 kHzの広帯域ノイズが有効であったことが示されたことになる)
イ−1)パルス長6 ms
ウ−1)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms(パルスの反復率10 Hz = 1秒間に10パルス)
エ−1)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)。
ノイズについては、0〜96kHzの全周波数を均一に含むホワイトノイズをソフトウェア上で合成したものであった。
●(結果)
その結果、特定のパルス長及びパルス間間隔の超音波パルスによりハスモンヨトウ成虫の飛翔を60%以上の率で停止させることができた。組み合わせによっては、90%以上の高率で飛翔を停止させることができた(図2A及びB)。
結果は、より詳細には以下のとおりであった。
図2Aの左から10番目のバーに示される組み合わせ(パルス長5 ms、パルス間間隔95 ms(図1に示した時間構造についてパルス長を1 ms長くし、パルス間間隔を1 ms短くしたもの))においては飛翔停止の率は80%であった。
これに対し左から12番目(パルス長5 ms、パルス間間隔20 ms)のバー、13番目(パルス長5 ms、パルス間間隔7.5 ms)のバー、24番目(パルス長20 ms、パルス間間隔30 ms)のバー、及び29番目(パルス長40 ms、パルス間間隔10 ms)のバーに示される組み合わせにおいては、飛翔の停止の率は低かった。
なお、左から10番目のバーに示される組み合わせ(パルス長5 ms、パルス間間隔95 ms)は連続音より高い効果を示した。すなわち、5 ms程度のパルス長の合成超音波を、特定の間隔により生じさせると、ハスモンヨトウに対する高い飛翔停止効果が得られることが明らかになった。
次に図2Aに示した飛翔停止効果が高かった超音波パルス(パルス長5 ms、反復率10 Hz(=パルス間間隔95 ms))を中心に、パルス長及びパルス間間隔をさらに展開した試験結果である。結果を図2Bに示す。
ほぼすべての試験例において60%以上の飛翔停止率が示され、パルス長2〜9 ms及びパルス間間隔35〜170 msの超音波パルスにおいて効果が認められた。
とくに左から4番目〜8番目、14番目(パルス長5〜6 ms、パルス間間隔70〜100 msの超音波パルスに相当)のバーに示される組み合わせにおいては、一層顕著に行動が抑制された。
[実施例2]音圧の検討
実施例1に示した合成超音波パルスの一つ(パルス長6 ms、パルス間間隔94 ms)を60〜90 dB SPLの音圧で2秒間出力し、ハスモンヨトウ成虫の反応の有無と反応の態様(飛翔停止、旋回)を調べた。具体的には、小型クリップでハスモンヨトウ成虫(未交尾オス8頭、未交尾メス8頭、既交尾メス8頭)の腹部背面を吊るし、飛翔させた状態で正面から、6タイプの音圧の超音波パルスを提示した場合の行動における反応を調べ、音圧の大きさの相違によるハスモンヨトウに対する影響における相違を調べた。
その結果、60 dB SPL以上の音圧で忌避反応が誘起された。すなわち、60 dB SPL以上の音圧で飛翔の旋回が、78 dB SPL以上の音圧で飛翔の停止が、それぞれ顕著に誘起された(図3)。
また、66 dB SPL以上の音圧で100%の忌避が誘起された。一方、従来技術(非特許文献10)においては75 dB SPL以上が必要である。したがって、本発明によれば、従来技術におけるパルスより小さい音圧のパルスによってハスモンヨトウを防除することが可能であると考えられた。
[実施例3]メス成虫に対する効果の検討
実施例1に示した合成超音波パルス(パルス長6 ms、パルス間間隔94 ms)を90 dB SPLの音圧(測定距離10 cm)を用いて、ハスモンヨトウの既交尾メス成虫に対する効果を調査した。
上記合成超音波を10分間出力した際の、風洞(長さ66 cm、直径11.5 cm、風速0.25 cm/秒)の風上に設置した縦・横10 cmの粘着板とイチゴ生葉への、ハスモンヨトウのメス成虫(前日に交尾したメス成虫、2〜4頭 × 4〜5反復)の10分間の飛来率(トラップ率)を調べた。
その結果、ハスモンヨトウメス成虫のうち既交尾個体による産卵のための寄主植物(イチゴ)への飛翔行動が、無処理区との比較により顕著に抑制された(図4のa)。
なお、前日に交尾したメスをプラスチックカップに1頭ずつ導入し、1時間間隔で産卵した時刻を調べたところ、交尾後のハスモンヨトウのメス成虫の75%は、日没後の2時間において産卵を開始した(図4のb)。したがって、交尾後のハスモンヨトウのメス成虫は、日没後の2時間において積極的に寄主植物へ飛来するものと考えられるため、この間に超音波を出力することにより、省力的かつ効率的な防除を行える可能性が示された。
[実施例4]オス成虫に対する効果の検討
実施例1に示した合成超音波パルス(パルス長6 ms、パルス間間隔94 ms)を90 dB SPLの音圧(測定距離10 cm)で10分間出力した。より詳細には、実施例3と同じ風洞を用い誘引源にハスモンヨトウのメス成虫の性フェロモン化合物の0.1メス等量を用い、未交尾のハスモンヨトウのオス(6〜9頭 × 3反復)の誘引源への飛来率を調べた。
その結果、ハスモンヨトウのオス成虫による交尾のための性フェロモン物質への飛翔行動は、無処理区との比較により顕著に抑制された(図5のa)。
なお30 cm四方のメッシュケージに未交尾の雌雄5〜10ペアを暗期直前に導入し、交尾(交接)した時刻を調べたところ、交尾ペアの80%以上は、日没後の2時間において交尾を開始した(図5のb)。したがって、ハスモンヨトウのオス成虫は、日没後の2時間において積極的にメス成虫へ飛来するものと考えられるため、この間に超音波を出力するのが省力的かつ効率的な防除を行える可能性が示された。
[実施例5]モデル試験による防除効果の検討
野外網室内に寄主植物であるイチゴの苗32株を地植えし、横に長いメッシュケージ(長さ140 cm、高さ45 cm、幅45 cm)の短辺がイチゴ苗と接するように設置した。交尾後のハスモンヨトウのメス成虫を、メッシュケージ内のうち、イチゴ苗と反対側に放飼した(6〜9頭 × 5〜6反復)。網室に実施例1に示した合成超音波パルス(パルス長6 ms、パルス間間隔94 ms)を、84 dB SPLの音圧(測定距離10 cm)で、イチゴ苗からメッシュケージの方へ向けて夜間に17時間継続して出力し、メッシュケージ内における寄主植物側への定位をカウントした。
その結果、ハスモンヨトウのメス成虫のうち既交尾個体による産卵のための寄主植物(イチゴ)への定位は無処理区より顕著に少なかった(図6)。
すなわち、本発明の方法により、ハスモンヨトウ成虫の寄主植物への飛来が抑制され、同種の防除が可能であることが示された。
本発明によれば、果菜類を加害するチョウ目害虫であるハスモンヨトウの飛翔を従来の方法より高い効率により抑止し、ハスモンヨトウに対するより優れた防除方法が提供される。したがって、本発明は、害虫防除産業及び果菜類栽培業並びにこれらの関連産業の発展に寄与するところ大である。

Claims (7)

  1. 下記のア)〜)に示される音響パラメータを有する合成超音波を用いて、ハスモンヨトウの果菜類栽培圃場への飛来を抑止する方法:
    ア)構成周波数2070 kHzの広帯域ノイ
    イ)パルス長2〜9 ms
    ウ)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)35〜170 ms
    エ)音圧60 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
  2. 合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ又は2つ有する、請求項1に記載の方法
    イ’)パルス長3〜6 ms
    ウ’)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)60〜100 ms。
  3. 合成超音波が音響パラメータとして下記の1つ又は2つ有する請求項に記載の方法
    イ”)パルス長6 ms
    ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms。
  4. 合成超音波が音響パラメータとして
    エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
    を有する、請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 合成超音波が音響パラメータとし
    イ”)パルス長6 ms
    ウ”)パルス間間隔(パルス間の静音部の長さ)94 ms
    エ’)音圧66 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
    を有する、請求項に記載の方法。
  6. 合成超音波が音響パラメータとして
    エ”)音圧78 dB SPL 以上(対象個体の位置における音圧; 0 dB SPL = 20 μPa)
    を有する、請求項に記載の方法。
  7. 果菜類栽培圃場においてハスモンヨトウを防除する方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の方法により前記圃場への前記ハスモンヨトウの飛来を阻害することを含む方法。
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