JP2021127808A - クラッチ機構 - Google Patents

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Abstract


【課題】 伝達軸の外周側に大径のベアリングを配置するスペースを確保して出力トルクの向上を図る。
【解決手段】 作用される油圧の大きさに応じて双方向へ直進動作されるピストンと、主動カム部を有しピストンの動作に伴って伝達軸の軸回り方向へ回転される回転カムと、主動カム部が作用される従動カム部を有し回転カムの回転に伴って伝達軸の軸方向へ移動されるピストンカムと、ピストンカムの移動位置に応じて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化される油圧式多板クラッチとを備えた。これにより、油圧の大きさに応じたピストンの双方向への直進動作に伴う回転カムの回転によりピストンカムが伝達軸の軸方向へ移動されて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化されるため、ピストンを付勢するリバース用のバネとバネを支持するリテーナをピストンと伝達軸の間に配置する必要がなく、伝達軸の外周側に大径のベアリングを配置するスペースを確保して出力トルクの向上を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧式多板クラッチを有するクラッチ機構についての技術分野に関する。
自動車等の車両にはエンジンや電動モーター等の動力源において発生した動力を駆動輪に伝達するための動力伝達装置が設けられ、動力は動力伝達装置を介して駆動輪に伝達される。
動力伝達装置はトルクコンバーターや前後進切替機構や変速伝達機構等を有し、動力伝達装置の各部には油圧式多板クラッチを有するクラッチ機構が設けられている。クラッチ機構はシフトレバーに連動して動作され、クラッチ機構の動作によってパーキングレンジ(P)、ドライブレンジ(D)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)等のレンジの切替が行われる。
例えば、シフトレバーがリバースレンジに操作されると、油圧によりピストンが動作されてリバースブレーキとして機能する油圧式多板クラッチが締結状態にされ、車両が後進可能な状態にされる。
上記のようなクラッチ機構には、例えば、入力軸等の伝達軸の軸方向へ油圧により移動されるピストンを備え、ピストンの動作に応じて油圧式多板クラッチが締結状態と解放状態の間で切り替えられる構造を有するものがある(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載された構造においては、油圧の作用によりピストンが油圧式多板クラッチに近付く方向へ移動されることにより、複数のクラッチ板がピストンによって押圧されて油圧式多板クラッチが締結状態に切り替えられる。油圧式多板クラッチが締結状態に切り替えられると、クラッチ板を支持するクラッチドラムとクラッチハブの間で動力の伝達が可能な状態になってレンジが切り替えられる。
一方、ピストンに対する油圧の作用が小さくされると、リバース用のコイルバネの作用によりピストンが油圧式多板クラッチから離隔する方向へ移動され、複数のクラッチ板に対するピストンによる押圧状態が解除されて油圧式多板クラッチが解放状態に切り替えられる。油圧式多板クラッチが解放状態に切り替えられると、クラッチドラムとクラッチハブの間での動力の伝達が不能な状態になってレンジが切り替えられる。
特開2001−349342号公報 特開2007−247709号公報 特開2010−216613号公報
ところで、車両においては、走行用の駆動源であるエンジンや電動モーターから入力軸や無段変速機(連続可変トランスミッション:Continuously Variable Transmission(CVT))のプライマリーシャフト等の伝達軸を介して各部に動力が伝達されるが、出力トルクの向上を図るためには、これらの入力軸やプライマリーシャフト等の伝達軸を支持するベアリングの径を大きくすることが望まれる。
ところが、特許文献1から特許文献3に記載された構造においては、油圧式多板クラッチと伝達軸の間にリバース用のコイルバネやコイルバネを支持するリテーナが配置されているため、ベアリングの径を大きくすると、ベアリングがコイルバネやリテーナに干渉し易くなる。
従って、大径のベアリングを配置することが困難であり、出力トルクの向上を図ることができないという不都合を生じてしまう。
そこで、本発明は、伝達軸の外周側に大径のベアリングを配置するスペースを確保して出力トルクの向上を図ることを目的とする。
第1に、本発明に係るクラッチ機構は、作用される油圧の大きさに応じて双方向へ直進動作されるピストンと、主動カム部を有し前記ピストンの動作に伴って伝達軸の軸回り方向へ回転される回転カムと、前記主動カム部が作用される従動カム部を有し前記回転カムの回転に伴って前記伝達軸の軸方向へ移動されるピストンカムと、前記ピストンカムの移動位置に応じて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化される油圧式多板クラッチとを備えたものである。
これにより、油圧の大きさに応じたピストンの双方向への直進動作に伴う回転カムの回転によりピストンカムが伝達軸の軸方向へ移動されて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化される。
第2に、上記した本発明に係るクラッチ機構においては、前記ピストンが前記伝達軸の軸方向に直交する方向へ移動されることが望ましい。
これにより、ピストンが伝達軸の軸方向に直交する方向において移動されるため、伝達軸の軸方向においてピストンの配置スペース及び移動スペースが小さい。
第3に、上記した本発明に係るクラッチ機構においては、前記ピストンの外周面にギヤ部が形成され、前記回転カムの外周面に前記ギヤ部と噛合される歯車部が形成されることが望ましい。
これにより、ギヤ部が歯車部と噛合された状態でピストンが直進動作されることにより回転カムが回転される。
第4に、上記した本発明に係るクラッチ機構においては、前記ピストンを移動方向における一方へ付勢する付勢バネが設けられることが望ましい。
これにより、ピストンに対する油圧の作用が低下したときにピストンが付勢バネの付勢力によって油圧の作用により移動される方向に対して反対方向へ移動される。
第5に、上記した本発明に係るクラッチ機構においては、前記ピストンが前記油圧式多板クラッチを支持するクラッチドラムに移動可能に支持され、前記クラッチドラムに前記ピストンに対して油圧を作用させる油圧室が形成されることが望ましい。
これにより、ピストンがクラッチドラムに支持されると共にクラッチドラムに油圧室が形成されるため、ピストンを支持する専用の部材を必要としないと共に油圧室を形成する専用の部材も必要としない。
本発明によれば、油圧の大きさに応じたピストンの双方向への直進動作に伴う回転カムの回転によりピストンカムが伝達軸の軸方向へ移動されて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化されるため、ピストンを付勢するリバース用のバネとバネを支持するリテーナをピストンと伝達軸の間に配置する必要がなく、伝達軸の外周側に大径のベアリングを配置するスペースを確保して出力トルクの向上を図ることができる。
図2乃至図8と共に本発明クラッチ機構の実施の形態を示すものであり、本図は、車両の概略構成を示す図である。 クラッチ機構等を示す断面図である。 クラッチ機構の一部を示す断面図である。 クラッチ機構の一部を示す分解斜視図である。 ピストンカムがピストンに最も近付いた状態における主動カム部と従動カム部の状態を模式的に示す拡大断面図である。 回転カムの回転によりピストンカムが回転カムから離隔する方向へ移動された状態における主動カム部と従動カム部の状態を模式的に示す拡大断面図である。 油圧式多板クラッチの解放状態を示す拡大断面図である。 油圧式多板クラッチの締結状態を示す拡大断面図である。
以下に、本発明クラッチ機構を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
<車両の構成>
先ず、クラッチ機構を備えた車両100の構成の概要について説明する(図1参照)。
車両100はエンジン101とトルクコンバーター102と前後進切替機構103と変速伝達機構104と油圧制御部105とギヤ機構106とデファレンシャル装置107と駆動輪108、108とエンジン制御ユニット109と機構制御ユニット110とバス111を備えている。
エンジン101は動力源として機能し、燃料を消費して車両100の駆動輪108、108を回転させる動力を発生する。エンジン101に発生した動力はクランクシャフト112から駆動輪108、108へ向けて出力される。
トルクコンバーター102と前後進切替機構103と変速伝達機構104は動力伝達装置150の各部として機能する。
トルクコンバーター102はエンジン101と前後進切替機構103の間に設けられ、エンジン101から伝達された動力のトルクを増幅又は維持して前後進切替機構103に伝達する機能を有している。トルクコンバーター102は対向して配置された回転可能なポンプインペラ102aとタービンランナー102bを備え、ポンプインペラ102aがフロントカバー102cを介してクランクシャフト112と一体で回転可能に結合されている。タービンランナー102bは前後進切替機構103に連結されている。
トルクコンバーター102において、ポンプインペラ102aとタービンランナー102bが回転されることにより、作動油や潤滑油が循環して流動される。
トルクコンバーター102はロックアップクラッチ102dを有している。ロックアップクラッチ102dは、油圧制御部105から供給される作動油の圧力によって動作され、フロントカバー102cに対する締結状態と開放状態の間で切り替えられる。ロックアップクラッチ102dが締結状態に切り替えられると、ポンプインペラ102aとタービンランナー102bの相対回転が規制され、エンジン101から伝達されたトルクが維持された状態でトルクコンバーター102から前後進切替機構103に伝達される。
前後進切替機構103は車両100の走行方向の切替等を行う機能を有している。前後進切替機構103は遊星歯車機構103aとフォワードクラッチ103b(前進クラッチ)とリバースブレーキ(後退ブレーキ)103cを有している。
前後進切替機構103においては、油圧制御部105から供給される作動油の圧力によってフォワードクラッチ103bとリバースブレーキ103cの動作状態が切り替えられる。
具体的には、前後進切替機構103において、フォワードクラッチ103bが締結状態に切り替えられリバースブレーキ103cが解放状態に切り替えられた場合には、エンジン101からの動力により後述するプライマリーシャフトが正転方向へ回転される。一方、フォワードクラッチ103bが解放状態に切り替えられリバースブレーキ103cが締結状態に切り替えられた場合には、エンジン101からの動力によりプライマリーシャフトが逆転方向へ回転される。また、ニュートラル時及びパーキング時には、フォワードクラッチ103bとリバースブレーキ103cが何れも解放状態にされる。
変速伝達機構104は作動油の圧力(油圧)によって動作される。変速伝達機構104は無段変速機(CVT)113を有している。無段変速機113は、エンジン101から駆動輪108、108への動力の伝達経路において前後進切替機構103と駆動輪108、108の間に配置され、エンジン101の動力を無段階に変速する機能を有している。
無段変速機113は、プライマリーシャフト114を中心軸として設けられたプライマリープーリー115と、セカンダリーシャフト116を中心軸として設けられたセカンダリープーリー117と、プライマリープーリー115とセカンダリープーリー117の間に掛け渡されたベルトやチェーン等の巻掛部材118とを有している。
無段変速機113はプライマリーシャフト114に伝達されるエンジン101からの動力を所定の変速比で変速してセカンダリーシャフト116に伝達し、変速された動力をセカンダリーシャフト116から駆動輪108、108へ向けて出力する。無段変速機113のセカンダリーシャフト116に伝達された動力は、ギヤ機構106を介してデファレンシャル装置107に伝達される。
デファレンシャル装置107は、伝達された動力を駆動輪108、108に伝達する。デファレンシャル装置107は車両100が旋回する際に生じる駆動輪108、108の間の回転速度差を吸収する機能を有している。
油圧制御部105は動力伝達装置150における作動油の圧力を制御する機能を有している。作動油の圧力によってトルクコンバーター102のロックアップクラッチ102dや前後進切替機構103のフォワードクラッチ103b及びリバースブレーキ103cや変速伝達機構104が動作される。
油圧制御部105はオイルリザーバーやオイルポンプ等を有し、機構制御ユニット110から出力される信号に応じて動力伝達装置150の各部に供給される作動油の流量や油圧を制御する。また、油圧制御部105は、動力伝達装置150における各部の潤滑や冷却を行うオイルを供給する供給装置としても機能する。
エンジン制御ユニット109と機構制御ユニット110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピューターを備え、CAN(Controller Area Network)等の所定の車載ネットワーク通信規格に対応したバス111を介して相互にデータ通信可能にされている。
エンジン制御ユニット109は、エンジン101の燃料噴射制御や点火制御や吸入空気量調節制御等の各種の制御を行う。また、エンジン制御ユニット109は機構制御ユニット110と通信を行うことにより、エンジン101の運転状態に関するデータを機構制御ユニット110に出力したり、機構制御ユニット110から出力される信号に基づいてエンジン101の運転制御を行う。
機構制御ユニット110は、油圧制御部105を制御することにより、トルクコンバーター102と前後進切替機構103と変速伝達機構104における各部の制御を行う。
車両100においては、動力伝達装置150におけるレンジの切り替えが行われ、例えば、パーキングレンジ(P)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)、ドライブレンジ(D」の切り替えを行うことが可能にされている。
レンジの切替は図示しないシフトレバー等の操作に応じて行われる。パーキングレンジは車両100を停止させておくためのレンジであり、リバースレンジは車両100を後進走行させるためのレンジであり、ニュートラルレンジは無段変速機113に対する動力の伝達を遮断するレンジであり、ドライブレンジは車両100を前進走行させるためのレンジである。
<クラッチ機構の構成>
上記した前後進切替機構103や変速伝達機構104には油圧式多板クラッチを有する各種のクラッチ機構が設けられている。
以下に、クラッチ機構の一例を示す。尚、以下には、前後進切替機構103のリバースブレーキ103cを有するクラッチ機構1を例として示す。但し、本発明はリバースブレーキ103cを有するクラッチ機構1への適用に限られることはなく、前後進切替機構103や変速伝達機構104に設けられ油圧式多板クラッチを有する各種のクラッチ機構に適用することが可能である。
前後進切替機構103においては入力軸2とプライマリーシャフト3(114)が相対回転可能な状態で連結され、入力軸2とプライマリーシャフト3の周囲にクラッチ機構1が配置されている(図2参照)。入力軸2とプライマリーシャフト3は動力を伝達する伝達軸として設けられている。
入力軸2にはクランクシャフト112を介してエンジン101から動力が伝達され、伝達された動力は入力軸2にからプライマリーシャフト3に伝達される。プライマリーシャフト3のプライマリープーリー115側の端部には、入力軸2側を向く環状の受け面3aが形成されている。
クラッチ機構1はクラッチドラム4とクラッチハブ5と油圧式多板クラッチ6とピストン7と回転カム8とピストンカム9を備えている。
クラッチドラム4は環状に形成され、入力軸2とプライマリーシャフト3の周囲に配置されている。クラッチドラム4はリバースブレーキ用のハウジングとして設けられており、プライマリーシャフト3から径方向において最も離隔して位置された外周部10と外周部10の後端部から内方に突出された第1の中間部12と第1の中間部12の内周部から前方に突出された第2の中間部13と第2の中間部13の前端部から内方に突出された内側部14とを有している。
外周部10の後端部における内面側には左右方向に延びる油圧室11が形成されている。油圧室11には作動油が充填可能にされている。
上記のように、クラッチドラム4が第2の中間部13と内側部14を有する構成にされており、第2の中間部13と内側部14が直交する状態にされているため、第2の中間部13の内周側かつ内側部14の後側には空間50が形成されている。
クラッチハブ5は環状に形成され、外周部10の内側に配置されている。クラッチハブ5は入力軸2の軸回り方向において回転可能にされ、内周部にギヤ状の噛合部5aを有している。
クラッチドラム4の外周部10とクラッチハブ5にはリバースブレーキとして機能する油圧式多板クラッチ6が支持されている。油圧式多板クラッチ6は交互に位置された第1のクラッチ板15、15、・・・と第2のクラッチ板16、16、・・・を有し、第1のクラッチ板15、15、・・・がクラッチドラム4に支持され、第2のクラッチ板16、16、・・・がクラッチハブ5に支持されている。
外周部10にはリテーニングプレート17とスナップリング18が順に取り付けられている。第1のクラッチ板15、15、・・・と第2のクラッチ板16、16、・・・はリテーニングプレート17によって前方への変位が規制されスナップリング18によってクラッチドラム4とクラッチハブ5からの脱落が防止されている。外周部10の内周側には第1のクラッチ板15、15、・・・と第2のクラッチ板16、16、・・・を挟んでリテーニングプレート17の反対側の位置に、環状の皿バネ19が配置されている。皿バネ19は第1のクラッチ板15、15、・・・と第2のクラッチ板16、16、・・・をリテーニングプレート17に近付く方向へ付勢する機能を有している。
前後進切替機構103には遊星歯車機構103aとフォワードクラッチ103bが設けられている。
遊星歯車機構103aはサンギヤ20とピニオンギヤ21、21、・・・とキャリア22とリングギヤとして機能するクラッチハブ5とを有している。サンギヤ20は入力軸2にスプライン嵌合により連結されている。ピニオンギヤ21、21、・・・はサンギヤ20とクラッチハブ5の噛合部5aとに噛合されている。キャリア22はピニオンギヤ21、21、・・・の回転軸23、23、・・・間において連結され、内周部がプライマリーシャフト3にスプライン嵌合により連結されている。
回転軸23には環状の支持部材24が連結され、支持部材24にクラッチハブ5が支持されている。支持部材24はスナップリング25によってクラッチハブ5からの脱落が防止されている。
プライマリーシャフト3は第1のベアリング26と第2のベアリング27に回転可能に支持されている。第1のベアリング26と第2のベアリング27にはスペーサー28が配置されている。第1のベアリング26は、例えば、ラジアル軸受として機能し、第2のベアリング27は、例えば、スラスト軸受として機能する。第2のベアリング27にはプライマリーシャフト3の受け面3aが押し付けられている。
プライマリーシャフト3にはスプライン嵌合により軸止めリング29が連結され、軸止めリング29によって第1のベアリング26と第2のベアリング27のプライマリーシャフト3からの脱落が防止されている。第1のベアリング26は外周部26aがクラッチドラム4の第2の中間部13と内側部14によって形成された空間50に位置されている。
ピストン7はクラッチドラム4に形成された油圧室11において左右方向へ移動可能にされている(図3及び図4参照)。
ピストン7は左右方向に延び、例えば、略丸軸状に形成され、軸方向における中間部にギヤ部7aを有している。ピストン7はオーリング30、30を介してクラッチドラム4に摺動可能にされている。
ピストン7の軸方向における一端面7bには付勢バネ31の一端が押し付けられている。付勢バネ31は、例えば、圧縮コイルバネであり、クラッチドラム4に形成された空間に配置され、他端がクラッチドラム4の壁面4aに押し付けられている。従って、付勢バネ31は一端面7bと壁面4aの間で圧縮され、ピストン7を油圧室11側に付勢する機能を有している。ピストン7は油圧室11に充填された作動油60の圧力と付勢バネ31の付勢力とのバランスによって軸方向における位置が定められる。
尚、上記には、ピストン7が付勢バネ31によって付勢され油圧室11に充填された作動油60の圧力と付勢バネ31の付勢力とのバランスによって軸方向における位置が定められる例を示したが、例えば、クラッチドラム4における付勢バネ31が配置された空間に付勢バネ31が配置されず、この空間がメイン油路に連通されていてもよい。この場合には、ピストン7が油圧室11に充填された作動油60の圧力とメイン油路から流入される作動油の圧力とのバランスによって軸方向における位置が定められる。このような構成においては、付勢バネ31が配置されない分、部品点数の削減を図ることができる。
回転カム8は軸方向が入力軸2の軸方向に一致された略円筒状に形成されている。回転カム8には軸方向における中間部の外周面に歯車部32が形成され軸方向における一端部に主動カム部33が形成されている。回転カム8の軸方向における他端部には内方に張り出された内フランジ部34が設けられている。
主動カム部33は周方向に等間隔に位置された複数の突部35、35、・・・によって構成されている。突部35は軸方向において突出され、略直角三角形状に形成され傾斜面35aを有している。
回転カム8はクラッチドラム4の外周部10から第1の中間部12に亘る位置において軸回り方向へ回転可能な状態で支持されている。回転カム8はクラッチドラム4に取り付けられたスナップリング36によって内フランジ部34が係止されることにより、クラッチドラム4からの脱落が防止されている(図2参照)。
回転カム8は歯車部32がピストン7のギヤ部7aに噛合され、ピストン7の軸方向への移動に伴って軸回り方向へ回転される(図3及び図4参照)。
ピストンカム9は軸方向が入力軸2の軸方向に一致された略円筒状に形成されたベース筒部37とベース筒部37の軸方向における一端部から外方に張り出されたフランジ部38とを有している。
ピストンカム9は回転カム8の前側においてクラッチドラム4の外周部10に軸回り方向へ回転不能かつ軸方向へ移動可能な状態で支持されている。ピストンカム9が外周部10に支持された状態においては、外周部10に取り付けられた皿バネ19がフランジ部38に押し付けられる。従って、ピストンカム9には皿バネ19によって回転カム8に近付く方向への移動力が付与される。
ベース筒部37には軸方向における他端部の外周面にクラッチドラム4の外周部10にスプライン嵌合される嵌合突部39が形成されている。ベース筒部37には軸方向における一端部に従動カム部40が形成されている。
従動カム部40は周方向に等間隔に位置された複数の突状部41、41、・・・によって構成されている。突状部41は略台形状に形成され傾斜面41aを有している。
ピストンカム9の従動カム部40と回転カム8の主動カム部33とは摺動可能な状態で係合される(図5及び図6参照)。ピストンカム9に回転カム8から離隔する方向への移動力が付与されていない状態においては、ピストンカム9が回転カム8に近付く方向への移動端に位置され、回転カム8の傾斜面35aとピストン9の傾斜面41aとの接触面積が最大にされている(図5参照)。一方、回転カム8が軸回り方向における一方へ回転されると、傾斜面35aが傾斜面41aに摺動されてピストンカム9に移動力が付与され、ピストンカム9が軸方向において回転カム8から離隔する方向へ移動される(図6参照)。
<クラッチ機構等の動作>
以下に、上記したクラッチ機構1等の動作について説明する(図7及び図8参照)。
シフトレバーがドライブレンジに操作されると、フォワードクラッチ103bが締結状態にされ、ピストン7が付勢バネ31の付勢力によって移動されリバースブレーキとして機能する油圧式多板クラッチ6が解放状態にされる(図7参照)。従って、クラッチドラム4とクラッチハブ5の間で動力が伝達されない状態にされ、入力軸2とプライマリーシャフト3が一体に回転可能な状態にされて車両100が前進走行可能な状態にされる。
一方、シフトレバーがリバースレンジに操作されると、フォワードクラッチ103bが解放状態にされ、油圧の作用によりピストン7が付勢バネ31の付勢力に反して移動され油圧式多板クラッチ6が締結状態にされる(図8参照)。従って、クラッチドラム4とクラッチハブ5の間で動力が伝達される状態にされ、入力軸2に対してプライマリーシャフト3が反対方向へ回転可能な状態にされて車両100が後進走行可能な状態にされる。
また、シフトレバーがパーキングレンジ又はニュートラルレンジに操作されると、フォワードクラッチ103bと油圧式多板クラッチ6が何れも解放状態にされる。
<まとめ>
以上に記載した通り、クラッチ機構1にあっては、作用される油圧の大きさに応じて双方向へ直進動作されるピストン7と、ピストン7の動作に伴って伝達軸の軸回り方向へ回転される回転カム8と、回転カム8の回転に伴って伝達軸の軸方向へ移動されるピストンカム9と、ピストンカム9の移動位置に応じて複数の第1のクラッチ板15と複数の第2のクラッチ板16の間の摩擦力が変化される油圧式多板クラッチ6とを備えている。
従って、油圧の大きさに応じたピストン7の双方向への直進動作に伴う回転カム8の回転によりピストンカム9が伝達軸の軸方向へ移動されて複数の第1のクラッチ板15と複数の第2のクラッチ板16の間の摩擦力が変化される。これにより、ピストン7を付勢するリバース用のバネとバネを支持するリテーナとをピストン7と伝達軸の間に配置する必要がなく、伝達軸の外周側に大径のベアリング(第1のベアリング26と第2のベアリング27)を配置するスペースを確保して出力トルクの向上を図ることができる。
また、ピストン7が伝達軸の軸方向に直交する方向へ移動される。
従って、ピストン7が伝達軸の軸方向に直交する方向において移動されるため、伝達軸の軸方向においてピストン7の配置スペース及び移動スペースが小さく、クラッチ機構1の小型化を図ることができる。
さらに、ピストン7の外周面にギヤ部7aが形成され、回転カム8の外周面にギヤ部7aと噛合される歯車部32が形成されている。
従って、ギヤ部7aが歯車部32と噛合された状態でピストン7が直進動作されることにより回転カム8が回転されるため、簡素な構成により回転カム8を確実に回転させることができる。
さらにまた、ピストン7を移動方向における一方へ付勢する付勢バネ31が設けられている。
従って、ピストン7に対する油圧の作用が低下したときにピストン7が付勢バネ31の付勢力によって油圧の作用により移動される方向に対して反対方向へ移動されるため、簡素な構成によりピストン7を確実に移動させることができる。
加えて、ピストン7が油圧式多板クラッチ6を支持するクラッチドラム4に移動可能に支持され、クラッチドラム4にピストン7に対して油圧を作用させる油圧室11が形成されている。
従って、ピストン7がクラッチドラム4に支持されると共にクラッチドラム4に油圧室11が形成されるため、ピストン7を支持する専用の部材を必要としないと共に油圧室11を形成する専用の部材も必要としないため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図った上で第1のベアリング26と第2のベアリング27の径の拡大を図ることができる。
1 クラッチ機構
2 入力軸(伝達軸)
3 プライマリーシャフト
6 油圧式多板クラッチ
7 ピストン
7a ギヤ部
8 回転カム
9 ピストンカム
11 油圧室
14 油圧式多板クラッチ
15 第1のクラッチ板
16 第2のクラッチ板
31 付勢バネ
32 歯車部
33 主動カム部
40 従動カム部

Claims (5)

  1. 作用される油圧の大きさに応じて双方向へ直進動作されるピストンと、
    主動カム部を有し前記ピストンの動作に伴って伝達軸の軸回り方向へ回転される回転カムと、
    前記主動カム部が作用される従動カム部を有し前記回転カムの回転に伴って前記伝達軸の軸方向へ移動されるピストンカムと、
    前記ピストンカムの移動位置に応じて複数のクラッチ板間の摩擦力が変化される油圧式多板クラッチとを備えた
    クラッチ機構。
  2. 前記ピストンが前記伝達軸の軸方向に直交する方向へ移動される
    請求項1に記載のクラッチ機構。
  3. 前記ピストンの外周面にギヤ部が形成され、
    前記回転カムの外周面に前記ギヤ部と噛合される歯車部が形成された
    請求項2に記載のクラッチ機構。
  4. 前記ピストンを移動方向における一方へ付勢する付勢バネが設けられた
    請求項2又は請求項3に記載のクラッチ機構。
  5. 前記ピストンが前記油圧式多板クラッチを支持するクラッチドラムに移動可能に支持され、
    前記クラッチドラムに前記ピストンに対して油圧を作用させる油圧室が形成された
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載のクラッチ機構。
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