JP2021127741A - 触媒温度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気行程噴射実行時の触媒の層内温度を精度よく推定できる触媒温度推定装置を提供する。【解決手段】メイン噴射の後にポスト噴射を行うことが可能なエンジン1の排気装置50に設けられる触媒53の層内温度を推定する触媒温度推定装置を、排気装置における触媒の上流側に設けられ排ガス中の酸素量を検出する酸素量検出部55と、触媒に流入する排ガス流量を検出する排ガス流量検出部44と、酸素量及び排ガス流量に基づいて、触媒の層内での温度増加を推定する層内温度推定部102とを備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの排気装置に設けられる触媒の層内温度を推定する装置に関する。
例えば自動車等の車両に搭載されるエンジンの排気装置には、排ガス中の有害物質を低減する排ガス後処理装置が設けられる。
例えば、ガソリンエンジンにおいては、空燃比がストイキ(理論空燃比)近傍での運転時に、排ガス中のNO、CO、HCを低減可能な三元触媒を設けることが知られている。
排ガス後処理装置において、エンジンの運転中における触媒の温度を推定する技術として、例えば特許文献1には、内燃機関の排気と触媒との間での熱伝達、及び、空燃比のリッチ化を考慮して高精度に触媒推定温度を算出するため、排気流量又は排気流量を反映する物理量と前回算出されている触媒推定温度とに基づいて触媒温度変化量を求めることが記載されている。
特許文献2には、エンジンの体積効率(負荷)及び排気流量から、触媒温度を推定することが記載されている。
特許文献3には、触媒コンバータシステムの上流側、下流側の酸素センサの出力に基づいた触媒コンバータモデルから、触媒の温度等を推定することが記載されている。
特開2008− 31950号公報 特開2004− 52554号公報 特開2016−121678号公報
近年、ガソリンエンジンが三元触媒の活性が不十分となるリーン状態で運転される際に、排ガス中に含まれるNOを捕集し吸蔵するため、NOトラップ触媒(吸蔵還元触媒)を設けることが提案されている。
このようなNOトラップ触媒において、燃料中に含まれる硫黄(S)が蓄積され被毒が生じると、性能悪化の要因となることから、所定の頻度で高温の排ガスを通流させてNOトラップ触媒の再生(硫黄パージ)を行うことが必要となる。
硫黄パージは、例えば、エンジンにおいてリーン状態で運転を行う(排ガス中に酸素を残存させる)とともに、排気行程噴射(ポスト噴射)を行って排ガス中に未燃燃料を供給することによって行われる。このとき、未燃燃料及び酸素は、NOトラップ触媒の上流側に設けられた三元触媒に流入し、三元触媒の層内において燃焼することで、NOトラップ触媒に流入する排ガス温度を昇温させる。
しかし、上述した硫黄パージの実行中は、エンジンの空燃比や排ガスの性状などの挙動が通常運転時とは著しく異なる状態となるため、三元触媒層内の温度を精度よく検出することが困難であった。
例えば、従来、エンジンの出力軸回転速度(いわゆるエンジン回転数)とエンジンの負荷状態(例えばトルク等)とに基づいて、上述したポスト噴射時の触媒層内温度を推定する試みがなされているが、十分な精度を得ることは困難であった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、排気行程噴射実行時の触媒の層内温度を精度よく推定できる触媒温度推定装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、メイン噴射の後にポスト噴射を行うことが可能なエンジンの排気装置に設けられる触媒の層内温度を推定する触媒温度推定装置であって、前記排気装置における前記触媒の上流側に設けられ排ガス中の酸素量を検出する酸素量検出部と、前記触媒に流入する排ガス流量を検出する排ガス流量検出部と、前記酸素量及び前記排ガス流量に基づいて、未燃燃料の燃焼による前記触媒の層内温度増加を推定する層内温度推定部とを備えることを特徴とする触媒温度推定装置である。
これによれば、一般的なエンジンに通常設けられるセンサによって容易に取得可能な排ガス中の酸素量、及び、排ガス流量に基づいて、触媒の層内での未燃燃料の燃焼による層内温度増加(昇温)を推定することにより、エンジンの通常運転時とは空燃比、排気温度などの挙動が極端に異なる排気行程噴射実行時の触媒の層内温度を精度よく推定することができる。
請求項2に係る発明は、前記エンジンの出力軸回転速度、及び、出力トルク又は前記出力トルクと相関するパラメータに基づいて、前記触媒に流入する排ガスの温度を推定する排ガス温度推定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の触媒温度推定装置である。
これによれば、触媒に流入する排ガスの温度を適切に推定し、温度増加分と加算することで触媒の層内温度をより精度よく推定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、排気行程噴射実行時の触媒の層内温度を精度よく推定できる触媒温度推定装置を提供することができる。
本発明を適用した触媒温度推定装置の実施形態を有するエンジンの構成を模式的に示す図である。 実施形態の触媒温度推定装置における推定原理を模式的に示す図である。 本発明の比較例である触媒温度推定装置における推定原理を模式的に示す図である。 比較例及び実施形態の触媒温度推定装置における三元触媒の実層内温度と推定層内温度との相関の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本発明を適用した触媒温度推定装置の実施形態について説明する。
実施形態の触媒温度推定装置は、例えば、乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載される水平対向4気筒のガソリン直噴エンジンに設けられ、三元触媒の層内温度を推定するものである。
図1は、実施形態の触媒温度推定装置を有するエンジンの構成を模式的に示す図である。
エンジン1は、クランクシャフト10、シリンダブロック20(20R,20L)、シリンダヘッド30(30R,30L)、インテークシステム40、エキゾーストシステム50、EGR装置60、エンジン制御ユニット(ECU)100等を有して構成されている。
クランクシャフト10は、エンジン1の出力軸となる回転軸である。
クランクシャフト10の一方の端部には、図示しない変速機等の動力伝達機構が接続されている。
クランクシャフト10には、回転軸から偏心して配置されたクランクピンが形成されている。クランクピンには、図示しないコネクティングロッドを介して図示しないピストンが連結されている。
クランクシャフト10の端部には、クランクシャフトの角度位置を検出するクランク角センサ11が設けられている。
クランク角センサ11の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エンジン制御ユニット100は、クランク角センサ11の出力に基づいて、エンジン回転数(クランクシャフト回転速度)を算出する。
シリンダブロック20は、クランクシャフト10を、車体に縦置き搭載する場合における左右方向から挟みこむように、右側シリンダブロック20R、左側シリンダブロック20Lからなる二分割として構成されている。
シリンダブロック20の中央部には、クランクケース部が設けられている。
クランクケース部は、クランクシャフト10を収容する空間部である。
クランクケース部には、クランクシャフト10のジャーナル部を回転可能に支持するメインベアリングが設けられている。
クランクケース部を挟んで左右に配置される右側シリンダブロック20R、左側シリンダブロック20Lの内部には、図示しないピストンが挿入され内部で往復するシリンダが例えば2気筒ずつ(4気筒の場合)形成されている。
シリンダブロック20には、水温センサ21が設けられている。
水温センサ21は、エンジン1の冷却水の温度を検出する温度センサである。
水温センサ21の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
シリンダヘッド30(右側シリンダヘッド30R、左側シリンダヘッド30L)は、シリンダブロック20のクランクシャフト10とは反対側の端部(左右端部)にそれぞれ設けられている。
シリンダヘッド30は、燃焼室31、点火プラグ32、吸気ポート33、排気ポート34、吸気バルブ35、排気バルブ36、吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38、インジェクタ39等を備えて構成されている。
燃焼室31は、シリンダヘッド30のピストン冠面と対向する箇所を、例えばペントルーフ状に凹ませて形成されている。
点火プラグ32は、エンジン制御ユニット100からの点火信号に応じてスパークを発生し、混合気に点火するものである。
点火プラグ32は、シリンダの軸方向から見て燃焼室31の中央に設けられている。
吸気ポート33は、燃焼用空気(新気)を燃焼室31に導入する流路である。
排気ポート34は、燃焼室31から既燃ガス(排気)を排出する流路である。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、吸気ポート33、排気ポート34を所定のバルブタイミングで開閉するものである。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、各気筒に例えば2本ずつ設けられる。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、クランクシャフト10の1/2の回転数で同期して回転する吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38によって開閉される。
吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38のカムスプロケット部には、各カムシャフトの位相を進角・遅角させて各バルブの開弁時期、閉弁時期を変化させる図示しないバルブタイミング可変機構が設けられている。
インジェクタ39は、エンジン制御ユニット100が発する開弁信号に応じて、燃焼室31内に燃料を噴射して混合気を形成するものである。
インジェクタ39は、燃料を噴射するノズル部が、燃焼室31の内面における吸気ポート33側の領域からシリンダ内に露出するよう設けられている。
インテークシステム40は、空気を導入して吸気ポート33に導入する吸気装置である。
インテークシステム40は、インテークダクト41、チャンバ42、エアクリーナ43、エアフローメータ44、スロットルバルブ45、インテークマニホールド46、吸気圧センサ47等を備えて構成されている。
インテークダクト41は、外気を導入して吸気ポート33に導入する流路である。
チャンバ42は、インテークダクト41の入口部近傍に連通して設けられた空間部である。
エアクリーナ43は、空気を濾過してダスト等を取り除くものである。
エアクリーナ43は、インテークダクト41におけるチャンバ42との連通箇所の下流側に設けられている。
エアフローメータ44は、インテークダクト41内を通過する空気流量(エンジン1の吸入空気量)を計測するものである。
エアフローメータ44は、エアクリーナ43の出口近傍に設けられている。
エアフローメータ44の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エアフローメータ44は、後述するように、三元触媒の層内反応温度推定においては、本発明の排ガス流量検出部として機能する。
スロットルバルブ45は、空気の流量を調節してエンジン1の出力を制御するバタフライバルブである。
スロットルバルブ45は、インテークダクト41におけるインテークマニホールド46との接続部近傍に設けられている。
スロットルバルブ45は、エンジン制御ユニット100がドライバ要求トルク等に応じて設定する目標スロットル開度に応じて、図示しない電動式のスロットルアクチュエータによって開閉駆動される。
また、スロットルバルブ45には、その開度を検出するスロットルセンサが設けられ、その出力はエンジン制御ユニット100に伝達される。
インテークマニホールド46は、空気を各気筒の吸気ポート33に分配する分岐管である。
インテークマニホールド46は、スロットルバルブ45の下流側に設けられている。
吸気圧センサ47は、インテークマニホールド46内の空気の圧力(吸気圧力)を検出するものである。
吸気圧センサ47の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エキゾーストシステム50は、排気ポート34から排出された排気(排ガス)を外部に排出する排気装置である。
エキゾーストシステム50は、エキゾーストマニホールド51、エキゾーストパイプ52、触媒コンバータ53、NOトラップ触媒54、空燃比センサ55等を有して構成されている。
エキゾーストマニホールド51は、各気筒の排気ポート34から出た排気を集合させる集合管である。
エキゾーストパイプ52は、エキゾーストマニホールド51から出た排気を外部に排出する管路(排気流路)である。
触媒コンバータ53は、エキゾーストパイプ52の中間部分に設けられ、排気中のHC、NO、CO等を浄化する三元触媒を備えている。
三元触媒は、プラチナ、ロジウム、パラジウム等の貴金属を、アルミナ等の担体に担持させたものであり、エンジン1の空燃比がストイキ(理論空燃比)近傍の領域において浄化機能を発揮する。
触媒コンバータ53は、エキゾーストパイプ52におけるエキゾーストマニホールド51の出口に隣接する領域に設けられている。
NOトラップ触媒54は、三元触媒の活性範囲に対して空気過剰(λ>1)となるリーン運転時に、排ガス中のNOを一時的にトラップ(吸蔵)し、リッチ運転時に還元(N化)するNOx吸蔵還元触媒である。
NOトラップ触媒54は、エキゾーストパイプ52における触媒コンバータ53の下流側の領域に設けられている。
NOトラップ触媒54に燃料中に含まれる硫黄(S)が蓄積されると、被毒によりNOの処理性能が悪化することから、このような場合には高温環境下で硫黄を除去する硫黄パージ運転を行い、触媒の再生を行う必要がある。
この点に関しては、後に詳しく説明する。
空燃比センサ(A/Fセンサ)55は、エキゾーストパイプ52における触媒コンバータ53の入口近傍の部分に設けられ、当該箇所を通過する排ガス中の酸素量に応じた電圧を発生することにより、排ガス中の酸素量と相関するλ値(空気過剰率)を検出するものである。
実際のエンジンの吸入空気量をL、理論上必要な最小空気量をLとするとき、
λ=L/Lとして表される。
λ値は、排ガス中に残存する酸素量を示す指標として用いることができる。
空燃比センサ55は、本発明の酸素量検出部として機能する。
空燃比センサ55として、例えば、制限電流方式のリーンセンサと、ジルコニアセンサとを統合したワイドバンドセンサなどを用いることができる。
空燃比センサ55の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達され、燃料噴射量の制御や、後述する三元触媒層内の反応温度の推定に用いられる。
EGR装置60は、エキゾーストマニホールド51から排気の一部をEGRガスとして抽出し、インテークマニホールド46内に導入する排気再循環(EGR)を行うものである。
EGR装置60は、EGR流路61、EGRクーラ62、EGRバルブ63等を備えている。
EGR流路61は、エキゾーストマニホールド51から、インテークマニホールド46に排気(EGRガス)を導入する管路である。
EGRクーラ62は、EGR流路61を流れるEGRガスを、エンジン1の冷却水との熱交換によって冷却するものである。
EGRクーラ62は、EGR流路61の途中に設けられている。
EGRバルブ63は、EGR流路61内を通過するEGRガスの流量を調節する調量弁である。
EGRバルブ63は、EGR流路61におけるEGRクーラ62の下流側に設けられている。
EGRバルブ63は、ソレノイド等の電動アクチュエータによって駆動され開閉する弁体を有し、エンジン制御ユニット100によって、所定の目標EGR率(EGRガス流量/吸気流量)に基づいて設定された開度マップを用いて開度を制御される。
エンジン制御ユニット(ECU)100は、エンジン1、及び、その補機類を、統括的に制御するエンジン制御装置である。
エンジン制御ユニット100は、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を備えて構成されている。
また、エンジン制御ユニット100には、ドライバによる図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ101が設けられている。
エンジン制御ユニット100は、アクセルペダルセンサ101の出力等に基づいて、ドライバ要求トルクを設定する機能を備えている。
エンジン制御ユニット100は、エンジン1が実際に発生するトルクが、設定されたドライバ要求トルクに近づくよう、スロットルバルブ開度、過給圧、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、バルブタイミング等を制御する。
また、エンジン制御ユニット100は、NOトラップ触媒54に、燃料に含まれる硫黄(S)が蓄積された場合に、以下説明する硫黄パージ運転を行ってNOxトラップ触媒54を昇温し、再生する機能を備えている。
硫黄パージ運転においては、インジェクタ39は、エンジン1の圧縮行程等での通常の燃料噴射(メイン噴射)に加え、排気行程噴射(ポスト噴射)を行う。
メイン噴射の燃料噴射量は、エアフローメータ44が検出するエンジン1の吸入空気量等に基づいて設定される。
硫黄パージ運転時のメイン噴射の燃料噴射量は、点火時期における燃焼室内の空燃比がリーン(空気過剰)傾向となるようにし、既燃ガス中に酸素が残存するように設定される。
ポスト噴射の燃料噴射量は、メイン噴射による燃焼後に残存する酸素を完全に燃焼し得るよう、空燃比センサ55が検出する排ガス中の残存酸素量に対して、ストイキ又はリッチ(燃料過剰)傾向となるよう設定される。
ポスト噴射された燃料は、未燃のまま排気ポート34からエキゾーストマニホールド51、エキゾーストパイプ52に順次導入され、触媒コンバータ53に流入する。
未燃の燃料は、触媒コンバータ53の層内の高温箇所を着火源として、触媒コンバータ53の内部で排ガス中の酸素とともに燃焼し、触媒層内の温度を上昇させる。
ここで昇温された排ガスは、NOトラップ触媒54に流入し、その硫黄パージを行うための熱源として利用される。
エンジン制御ユニット100は、上述した硫黄パージ運転を行う際に、触媒コンバータ53の層内温度を推定する触媒温度推定部102を備えている。
触媒温度推定部102は、本発明の層内温度推定部、排ガス温度推定部として機能する。
触媒コンバータ53の層内温度は、NOトラップ触媒54へ流入する排ガスの温度と強く相関することから、触媒コンバータ53の層内温度を適切に推定することは、硫黄パージの効果を適切に発揮させ、NOトラップ触媒54の焼損等を防止するために重要である。
図2は、実施形態の触媒温度推定装置における推定原理を模式的に示す図である。
触媒コンバータ53(三元触媒)の層内温度は、エンジン1及び排気装置50の暖機が終了した状態においては、触媒コンバータ53の入口部における排ガス温度に、触媒コンバータ53の内部での未燃燃料の燃焼反応による昇温分を加味したものであると考えられる。
そこで、実施形態においては、先ず、触媒コンバータ53の入口温度を、触媒温度推定部102に予め設けられた三元触媒入口温度マップにより求める。
三元触媒入口温度マップは、エンジン1の出力軸回転速度(エンジン回転数)、及び、負荷(要求トルク)から、触媒コンバータ53の入口温度が読み出されるものである。
エンジン回転数及び要求トルクは、エンジン制御ユニット100が通常保持している情報を用いることができる。
三元触媒入口温度マップは、例えば、予め実験的に、あるいは、シミュレーションなどにより準備しておくことができる。
入口温度は、通常はエンジン回転数の増加、要求トルクの増加に応じて上昇する。
また、実施形態では、触媒コンバータ53内での燃焼反応による昇温(反応温度)を、触媒温度推定部102に予め設けられた三元触媒反応温度マップにより求める。
三元触媒反応温度マップは、触媒コンバータ53に流入する排ガスの流量(排気流量)と、空燃比センサ55が検出した化学量論的空燃比であるラムダ(λ)値から、触媒コンバータ53の内部における反応温度(燃焼による昇温)が読み出されるものである。
排気流量は、例えば、エアフローメータ44が検出するエンジン1の吸気流量(吸入空気量)に、インテークシステム40、シリンダヘッド30、エキゾーストシステム50の管路長に起因する遅れ分を考慮して求めることができる。
三元触媒反応温度マップは、例えば、予め実験的に、あるいは、シミュレーションなどにより準備しておくことができる。
反応温度は、通常は酸素量の増加、排ガス流量の減少に応じて上昇する。
三元触媒の反応温度は、触媒層内での発熱量、触媒層から外部への放熱量、触媒コンバータ自体の熱容量などに依存すると考えられる。
発熱量は、触媒に投入される酸素量及び燃料量などに依存する。
放熱量は、排気流量、排気温度、車速、外気温などに依存する。
熱容量は、排気流量、ハードウェアの物性などに依存する。
実施形態では、上記手法により、発熱量への影響が大きい酸素量(空気過剰率λ)、及び、放熱量と熱容量に影響が大きい排気流量という、一般的なエンジンであれば通常備えられるセンサにより容易に取得可能なパラメータを用いて、簡素な構成により精度良く三元触媒の層内における反応温度を推定している。
以下、実施形態の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。
比較例の説明において、実施形態と共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略に、相違点について説明する。
図3は、比較例の触媒温度推定装置における推定原理を模式的に示す図である。
比較例の触媒温度推定装置においては、三元触媒反応温度マップとして、エンジン1の出力軸回転速度(エンジン回転数)、及び、負荷(要求トルク・・出力トルクと略等しい)から、触媒コンバータ53の内部における反応温度が読み出されるものを用いる。
この三元触媒反応温度マップは、例えば、エンジン回転数及び要求トルクから求められる燃料のポスト噴射量、排ガス中の余剰空気量(酸素量)に基づいて設定することができる。
図4は、比較例及び実施形態の触媒温度推定装置における三元触媒の実層内温度と推定層内温度との相関の一例を示す図である。
図4(a)、図4(b)は、それぞれ比較例と実施形態における三元触媒の実層内温度と、推定層内温度との相関の分布を示すものである。
各図において斜行する破線の平行線は、触媒の焼損等を防止するための許容範囲である誤差プラスマイナス50℃の範囲を示している。
図4(a)に示す比較例においては、許容範囲を逸脱している領域が多く存在しているが、図4(b)に示す実施形態においては、ほぼ全ての領域において誤差は許容範囲内に収まっており、実用上十分な精度が得られていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)一般的なエンジン1に設けられる空燃比センサ55及びエアフローメータ44によって容易に取得可能な排ガスのλ値(酸素量)、及び、排ガスの流量に基づいて、三元触媒の層内での未燃燃料の燃焼等による層内温度増加(昇温)を推定することにより、エンジン1の通常運転時とは空燃比、排気温度などの挙動が極端に異なる硫黄パージ運転時(ポスト噴射実行時)の触媒の層内温度を精度よく推定することができる。
(2)エンジン回転数及び要求トルクから三元触媒に流入する排ガスの温度を推定することにより、三元触媒に流入する排ガスの温度を適切に推定し、温度増加分と加算することで三元触媒の層内温度をより精度よく推定することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エンジン及び触媒温度推定装置の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、エンジンのシリンダレイアウト、気筒数、動弁駆動方式、過給機の有無などは適宜変更することができる。
(2)実施形態においては、排ガス中の酸素量を、空燃比センサ(λセンサ)を用いて検出しているが、Oセンサなど他の手法により検出してもよい。また、空燃比センサの種類もワイドレンジセンサに限らず、適宜変更することができる。
また、排ガスの流量は、エアフローメータの出力に基づく検出に限らず、例えば吸気管圧力、スロットル開度など他のパラメータに基づいて検出してもよい。
(3)実施形態では、三元触媒の入口温度の推定に用いられるエンジンの負荷を示すパラメータとして要求トルクを用いているが、これに限らず、他のパラメータを用いてもよい。
例えば、実トルクの推定が可能な場合には実トルク推定値を用いたり、スロットル開度や吸気管圧力などの他のパラメータを用いてエンジンの負荷を表すようにしてもよい。
1 エンジン
10 クランクシャフト 11 クランク角センサ
20 シリンダブロック
20R 右側シリンダブロック 20L 左側シリンダブロック
21 水温センサ 30 シリンダヘッド
30R 右側シリンダヘッド 30L 左側シリンダヘッド
31 燃焼室
32 点火プラグ 33 吸気ポート
34 排気ポート 35 吸気バルブ
36 排気バルブ 37 吸気カムシャフト
38 排気カムシャフト 39 インジェクタ
40 インテークシステム 41 インテークダクト
42 チャンバ 43 エアクリーナ
44 エアフローメータ 45 スロットルバルブ
46 インテークマニホールド 47 吸気圧センサ
50 エキゾーストシステム 51 エキゾーストマニホールド
52 エキゾーストパイプ 53 触媒コンバータ
54 NOxトラップ触媒 55 空燃比センサ
60 EGR装置 61 EGR流路
62 EGRクーラ 63 EGRバルブ
100 エンジン制御ユニット(ECU)
101 アクセルペダルセンサ 102 触媒温度推定部

Claims (2)

  1. メイン噴射の後にポスト噴射を行うことが可能なエンジンの排気装置に設けられる触媒の層内温度を推定する触媒温度推定装置であって、
    前記排気装置における前記触媒の上流側に設けられ排ガス中の酸素量を検出する酸素量検出部と、
    前記触媒に流入する排ガス流量を検出する排ガス流量検出部と、
    前記酸素量及び前記排ガス流量に基づいて、未燃燃料の燃焼による前記触媒の層内温度増加を推定する層内温度推定部と
    を備えることを特徴とする触媒温度推定装置。
  2. 前記エンジンの出力軸回転速度、及び、出力トルク又は前記出力トルクと相関するパラメータに基づいて、前記触媒に流入する排ガスの温度を推定する排ガス温度推定部を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の触媒温度推定装置。
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