JP2021126705A - 配管加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設配管を新配管に更新する手間を低減できるようにする。【解決手段】両側端部に入口5、出口6が形成された既設配管Poを新配管に更新するための配管加工装置であって、入口5側に配置されて入口側索体11を有する入口側牽引部(右ウインチ1R)と、出口6側に配置されて出口側索体11を有する出口側牽引部(左ウインチ1L)と、既設配管Poを加工するための管加工部2とを備え、管加工部2は、既設配管Poの内側を通過可能に構成されるとともに入口側索体11と出口側索体11とに連結され、既設配管Poの外側において、既設配管Poの加工状況に応じて異なる加工をするために一部または全部が交換可能とされる。【選択図】図4

Description

本発明は、既設配管を新配管に更新する際に用いられる配管加工装置に関する。
特許文献1に、既設配管を新配管に更新する際の配管更新方法、および配管更新方法に用いられる既設配管の加工具としての切断工具が開示されている。なお、特許文献1では、既設配管として給水用配管を用いている。
特許文献1の配管更新方法では、給水本管側である既設配管の分岐側に、ワイヤを巻き取ったウインチを準備するとともに、家屋側であるメーター側に切断工具を準備する。続いて、既設配管の内部の分岐側からメーター側にワイヤを通し、メーター側に露出したワイヤに切断工具を取付ける。そして、ウインチを操作し、ワイヤを巻き取ることにより、切断工具によって既設配管を分割し、その後に既設配管を抜き取って新配管に更新される。
特開2005−34941号公報
ところで、既設配管の種類によっては、上記した切断工具では既設配管を一度に分割できないこともあり得、また、異なる加工をする必要もあり得る。そうなると、既設配管に対して複数の異なる加工をする必要がある。
しかしながら、特許文献1の配管更新方法に用いられる加工具では、分岐側からメーター側(一方側から他方側)への引張り施工であるため、既設配管に対して複数の加工を行う毎に既設配管にワイヤを通したうえで、ウインチと反対側に、加工毎に異なる加工具を配置しなければならない。このような場合では、配管更新方法の施工に手間がかかる。
そこで本発明は、既設配管を新配管に更新するのにかかる手間を低減した管加工装置の提供を目的とする。
本発明は、両側端部に入口、出口が形成された既設配管を新配管に更新するための配管加工装置であって、前記入口側に配置されて入口側索体を有する入口側牽引部と、前記出口側に配置されて出口側索体を有する出口側牽引部と、前記既設配管を加工するための管加工部とを備え、該管加工部は、前記既設配管の内側を通過可能に構成されるとともに前記入口側索体と前記出口側索体とに連結され、前記既設配管の外側において、該既設配管の加工状況に応じて異なる加工をするために一部または全部が交換可能とされたことを特徴としている。
本発明の配管加工装置によれば、既設配管の外側において、既設配管の加工状況に応じて異なる加工をするよう管加工部を交換できるから、管加工部を、既設配管の内側で通過するように、入口側牽引部、出口側牽引部を操作することにより、既設配管に対し管加工部の交換前と異なる加工ができ、したがって、入口から出口に向かう方向と、出口から入口に向かう方向の二方向で異なる加工を行うことができることから、既設配管に対して効率の良い加工が可能である。
本発明では、前記管加工部は、前記既設配管を加工するために取付けられる刃物につき、刃先が前記既設配管の肉厚に至らない溝切断刃から、刃先が前記既設配管の肉厚を超えた分割切断刃に変更可能であり、前記管加工部の交換は、前記刃物を変更することによりなされる構成を採用できる。
上記構成によれば、入口から出口に向けて溝切断刃で既設配管の肉厚に至らない深さのスリットを既設配管の内側に形成し、その後に変更した分割切断刃により出口から入口に向けて既設配管を割ることができる。よって、いきなり既設配管を割ろうとするよりも、失敗することなく確実に割ることができる。
本発明は、形状の異なる複数の前記管加工部を備え、前記管加工部の交換が前記複数の内の一つの管加工部から、別な管加工部に変更することによりなされる構成を採用できる。
上記構成によれば、形状の異なる複数の管加工部において、一つの管加工部から別な管加工部に変更することで、目的の加工に適した多様な形態変更をすることができる。
本発明の配管加工装置によれば、既設配管を新配管に更新するための手間を低減できる。
本発明の第一の実施形態に係る配管更新工法の対象である配管の、建築物への配置例を示す概略図である。 前記配管更新工法に用いるウインチと管加工部との組み合わせを示す概略図である。 (a)は前記管加工部の半断面図である。(b)は前記管加工部に取付けられる第一刃物の平面図である。(c)は前記管加工部に取付けられる第二刃物の平面図である。(d)は前記管加工部に取付けられる第三刃物の平面図である。 (a)は前記配管更新工法における溝付け工程の準備段階を示す軸方向断面図である。(b)は溝付け工程(1段階目)を示す軸方向断面図である。(c)は溝付け工程(1段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。(d)は溝付け工程(2段階目)を示す軸方向断面図である。(e)は溝付け工程(2段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。 (a)は前記配管更新工法における溝付け工程(3段階目)を示す軸方向断面図である。(b)は溝付け工程(3段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。(c)は溝付け工程(4段階目)を示す軸方向断面図である。(d)は溝付け工程(4段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。(e)は既設配管分割工程を示す軸方向断面図である。(f)は既設配管分割工程の後の既設配管の径方向断面図である。 (a)は前記配管更新工法における引抜工程を示す軸方向断面図である。(b)は新配管挿入工程の準備段階を示す軸方向断面図である。(c)は新配管挿入工程を示す軸方向断面図である。(d)は新配管敷設後の状態を示す軸方向断面図である。(e)は新配管敷設後の状態を示す径方向断面図である。 (a)は第一刃物が取付けられた管加工部と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。(b)は第二刃物が取付けられた管加工部と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。(c)は第三刃物が取付けられた管加工部と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る配管更新工法であり、(a)は新配管挿入工程を示す軸方向断面図である。(b)は新配管敷設後の状態を示す軸方向断面図である。(c)新配管敷設後の状態を示す径方向断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る配管更新工法であり、(a)は配管更新工法における溝付け工程の準備段階を示す軸方向断面図である。(b)は溝付け工程(1段階目)を示す軸方向断面図である。(c)は溝付け工程(1段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。(d)は溝付け工程(2段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。(e)は溝付け工程(2段階目)の後の既設配管の径方向断面図である。 (a)は既設配管分割工程を示す軸方向断面図である。(b)既設配管分割工程の後の既設配管の径方向断面図である。(c)は既設配管分割工程の後に拡径具を既設配管に挿入する前の軸方向断面図である。(d)は拡径具を用いて既設配管を拡大した径方向断面図である。 (a)は新配管挿入工程を示す軸方向断面図である。(b)は新配管敷設後の状態を示す軸方向断面図である。(c)新配管敷設後の状態を示す径方向断面図である。 (a)は第一刃物(管加工部)と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。(b)は第二刃物と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。(c)は第三刃物と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。(d)は拡径具と接続部との接続状態を示す軸方向断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る配管加工装置を説明する。第一の実施形態の配管加工装置は、既設配管を切断して撤去したうえで新たなフレキシブルな新配管を設置する配管更新工法に係るものである。既設配管の一例は、給水配管、給湯配管である。はじめに、一般的な建築物(家屋)に用いられる給湯配管および給水配管の概略について説明する。
図1に示すように、一般的に、家屋における給湯配管Yおよび給水配管は、床材Fによって、管軸方向(管の軸方向に沿った方向)の少なくとも途中部分が覆われている。また、管軸方向の、給湯および給水方向を基準とした入口5および出口6が、床材Fから露出されている。
給湯配管Yおよび給水配管については同様の構成であるので、給湯配管Yを給水配管に兼用して説明すると、給湯配管Yは、保護材G(断熱材)に、例えばポリエチレン管(PE管)、架橋ポリエチレン管(PE−X管)、ポリブテン管(PB管)からなる配管を挿通して構成される。また、金属強化樹脂管等、アルミニウム合金等の金属層を挟んだ多層管とすることもできる。また、給湯配管Yは、床材Fの下側に配置されたスラブB等に、管軸方向に固定されている。
第一の実施形態に係る配管更新工法、および配管加工装置を具体的に説明する。配管更新工法は、
(1)溝付け工程…既設配管Poの内周面に管軸方向に沿う溝Sを形成する工程、
(2)既設配管分割工程…既設配管Poを径方向および管軸方向に切断することにより、複数の切断片Psに分割する工程、
(3)引抜工程…切断片Psを保護材Gから引き抜くようにする工程、
(4)新配管挿入工程…新配管Pnを保護材Gの内周面に沿わせて保護材Gの内部に通す工程、
を有する。また、既設配管Poの管軸方向は、直線に延長される場合、あるいは、既設配管Poに湾曲部分が存在した場合でも、この配管更新工法が行われる。
配管更新工法に先立ち、説明の便宜上、配管加工装置を説明する。なお、以下における「左右」は説明の便宜上用いており、方向が以下説明のものに限定されることはない。
配管加工装置は、図2に示すように、入口側牽引部(巻上機である右ウインチ1R)と、出口側牽引部(巻上機である左ウインチ1L)、管加工部2、および配管挿入治具3を備える。
入口側牽引部、出口側牽引部は、施工対象、すなわち給湯配管Yの入口5側、出口6側に一台ずつ配置される。入口側牽引部は、給湯配管Yの入口5側に配置された右ウインチ1Rを備え、出口側牽引部は、給湯配管Y出口6側に配置された左ウインチ1Lを備える。また、右ウインチ1Rには、入口側索体である右ワイヤ11が巻解き自在に巻回され、左ウインチ1Lには、出口側索体である左ワイヤ11が巻解き自在に巻回されている。このように、右ウインチ1R、左ウインチ1Lは二台で一組として用いられる。なお、ワイヤ11は索状体の一例であり、ワイヤに限定されない。
右ウインチ1R、左ウインチ1Lは、右ワイヤ11および左ワイヤ11がつながった状態(管加工部2等を介して連結された状態)で、一組中の一台はワイヤに引張力を発し、他の一台は引張力を受けてワイヤが引き出される。なお、何れのウインチであっても、その駆動方式は手動であってもいいし、電動等、原動機の動力を利用するものであってもよい。
管加工部2は加工部本体7と、加工部本体7の長手方向両端(管軸方向両端)と、接続部12とを備える。加工部本体7の長手方向両端は、縮径された略円柱状とされている。
管加工部2の側面視の半断面形状を、図3(a)に示す。加工部本体7の大径部における外径寸法は、工事対象の既設配管Poの内径よりも小さい。管加工部2の長手方向両端の径方向中央に、ワイヤ装着部21が設けられている。ワイヤ装着部21に、右ワイヤ11、左ワイヤ11の先端に設けられた接続部12が接続される。本実施形態では、右ワイヤ11および接続部12、左ワイヤ11および接続部12は、螺合により接続される。また、管加工部2(加工部本体7)は、刃物4が装着される刃物装着部22を備える。
ここで、管加工部2を構成する一部であって、刃物装着部22に装着される刃物4について説明する。この刃物4は、平面状(扁平状)であって加工部本体7に取付けた状態で径方向の両端に、既設配管Poに対して切断を行う刃41を有している。本実施形態では、既設配管Poを内径側から切削加工する加工刃として、刃41を備えたもの、具体的には両端部に刃41を備えたものが管加工部に含まれる。刃41としては、既設配管Poへの切込みの深さに応じ、刃物装着部22への装着時に径方向の長さが異なる第一刃物4A(図3(b))、第二刃物4B(図3(c))、第三刃物4C(図3(d))の3種を用いている。すなわち、刃41は既設配管Poに対して異なる加工ができるように、複数種類の管加工部を含んでいる。
各刃物4A〜4Cは扁平状に形成され、刃板8の両側に刃41が配置される。この刃41は、刃板8を基準にした高さに相違がある。すなわち、刃41の低い側が刃先となり、高い側が刃元となって刃板8が刃物装着部22に装着される。
刃物装着部22は、加工部本体7において、径方向に延びる二本の刃物用貫通穴221を有している。二本の刃物用貫通穴221は、加工部本体7の長手方向に重ならないようにずれた位置に配置され、且つ双方の刃物用貫通穴221は、加工部本体7の周方向に90度ずれて配置されている。刃板8と刃物用貫通穴221とは、相対形状に形成されている。
加工部本体7では、刃物用貫通穴221に直交するようにねじ穴222が設けられており、このねじ穴222に固定ねじ(図示しない)を取付け、刃板8に形成された取付孔8aを固定ねじの先端で押さえることで、刃物用貫通穴221に挿入された刃物4を固定できる。つまり、各刃物としての管加工部は、中央部に管加工手段装着部への装着部と、両端部の刃とを備える。両端部の刃は、刃先が同じ方向、具体的には、刃41は、刃板8の幅方向一方側の方向に向けて設けられている。
このように本実施形態では、刃物4は、既設配管Poに加工される切込みの深さを変更可能とするよう構成されている。なお、各刃物4A〜4Cの使い分けについては後述する。
配管挿入治具3は、図6(c)に示すように、新配管Pnの端部に固定されて用いられる。新配管Pnへの固定は、新配管Pnに挿入する部分を、軸方向に段差が形成されたことで行ってもよいし、新配管Pnの側面を貫通して管加工部2に至るねじを用いて固定してもよく、具体的手段は特に限定されない。
配管挿入治具3は、新配管Pnの端部に固定された際に新配管Pnから露出する部分にワイヤ装着部21を備える。このワイヤ装着部21に、ワイヤ11の先端に設けられた接続部12が接続される。本実施形態では、管加工部2と同様に、ワイヤ装着部21とワイヤ11は、螺合により接続される。
次に、配管更新工法を順次説明する。図4に示すように、既設配管(給湯用の配管)Poは、外周が管状の保護材Gにより覆われている。既設配管Poおよび新配管Pnは樹脂管であって、例えばポリエチレン管や、架橋ポリエチレン管、あるいはポリブテン管等である。樹脂管は、アルミニウム合金等の金属層を挟んだ多層管とすることもできる。保護材Gは、既設配管Poおよび新配管Pnの外径寸法以上の内径寸法を有しており、発泡樹脂等の柔軟な材料、例えば発泡ポリエチレンから形成されていて、径方向において断熱および保温の機能を有している。各配管Po,Pnから保護材Gが径外方向への外力を受けた場合に、保護材Gは、内径の軸線がずれるように変形、または内径部が径外方向へ圧縮変形される程度の柔軟性を有していればよい。
本実施形態においては、既設配管Poおよび新配管Pnの抜き差しに際して各配管Po,Pnから保護材Gが外力を受けた場合に、軸線がずれるような変形、または、径方向への圧縮変形がなされる程度の柔軟性を有していればよい。ちなみに、従来の工法(例えば特開2004−150145号公報)では、保護材から既設配管を引き抜く際、また、既設の保護材に新配管を通す際に、発泡樹脂等の柔軟な材料から形成された保護材が用いられていると、コーナー部やバンド固定部で配管が保護材を突き破って破損してしまう。すなわち、柔軟な材料から形成された保護材に対して、従来の工法では施工できなかった。
なお、配管更新後の新配管Pnも建築物Cに対して既設配管Poと同じ形態で配置される。また、既設配管Poにおいて管軸方向の入口5および出口6が、床材Fから上方に露出されており、既設配管Poの入口5は例えば給湯器(図示しない)にヘッダーHを介して接続され、出口6は、例えば浴室の水栓Vに接続されている。既設配管Poは、通水時の水圧で挙動しない(暴れない)よう、床材Fの下方に位置するスラブBに、バンド等によって管軸方向において所定間隔で固定されている。なお、この固定に際しては、保護材GはバンドとスラブBにより径内方向への外力を受け、柔軟な材料で形成された保護材Gの外径は外力によって圧縮されて縮径されている。
ワイヤ11の先端には接続部12が設けられている。接続部12は、ワイヤ11の先端を外嵌する接続部本体13と、接続部本体13に内蔵された回転連結部としてのベアリング121が配置されている。またワイヤ11の先端には、ベアリング121の内輪14が外嵌されている。また、内輪14の先端には、前記ワイヤ装着部21に螺合するねじ部材(雄ねじ)15が配置されている。
このベアリング121は、ワイヤ11に対して接続部12が周方向に回転することを許容する。これにより、ワイヤ11に接続された管加工部2、より詳しくは、管加工部2の一部として加工部本体7に取付けられた刃物4を両側周方向にずらすことができる。このため、後述の溝付け工程および既設配管分割工程において、管加工部2を、既設配管Poに対して周方向に一定の位置を保ちつつ、管軸方向に移動させることができる。このため、例えば、ワイヤ11にねじれがあった場合でも、管加工部2は前記ねじれの影響を受けることなく、周方向に一定の位置を保って、既設配管Po内を管軸方向に移動することができる。また、管加工部2が既設配管Po内を移動する際に既設配管Poから抵抗を受けても、該抵抗を緩和するようにワイヤ11に対して回転するため、加工抵抗を抑制できる。
上記(1)溝付け工程は、既設配管Poの内周面に管軸方向に沿う溝(スリット)Sを形成する工程である。溝付け工程前は、既設配管Poには何ら加工は施されていない。溝付け工程に先立ち、図4(a)に示すように、右ウインチ(図示せず)から、接続部12付きの右ワイヤ11が既設配管Poに通される。この際、右ワイヤ11は作業者の手により、図示右方から左方に押し込まれ、既設配管Poの図示左端から出される。
図4(b)は溝付け工程の1段階目を示す。図4(a)に示す状態で、右ワイヤ11の先端と左ワイヤ11の先端とは、それぞれ右ワイヤ11と左ワイヤ11に設けられた接続部12,12のねじ部材15を、加工部本体7のワイヤ装着部21,21に螺合させることで、管加工部2によって接続される。なお、右ワイヤ11、左ワイヤ11は、加工部本体7の長手方向に接続される。
また、溝付け工程の1段階目では、管加工部2の加工部本体7には、第一刃物4Aが一枚取付けられる。図7(a)に、第一刃物4A(管加工部2)と接続部12,12との接続状態を示す。第一刃物4Aは、刃41(刃先)が既設配管Poの肉厚に至らない溝切断刃である。そして、前述したように、ねじ穴222に第一刃物4Aを装着し、刃板8の取付孔8aに対し固定ねじで押さえることで、刃物用貫通穴221に第一刃物4Aが装着される。また、管加工部2としての刃物4は、加工部本体7に取付けた状態で径外方向に突出する。
この状態で右ウインチ1Rを操作し(回転させ)、第一刃物4Aの刃41を既設配管Poの内面(入口6)に接するようにして管加工部2を既設配管Poの図示左端から図示右端まで移動させる。この結果、図4(c)に示すように、径方向に対向する二本の溝Sが既設配管Poの内周部に形成される。
図4(d)は溝付け工程の2段階目を示す。管加工部2の加工部本体7には第一刃物4Aが二枚、軸方向視で直交するように取付けられる。第一刃物4Aの向きは1段階目と管軸方向において逆にされる。なお、刃物4の向きの変更は、刃物4が取付けられた管加工部2の向きを変更してもよいし、刃物装着部22に対する刃物4の装着の向きを変更してもよい。つまり、刃物4は、加工部本体7の軸方向一方側向きと軸方向他方側向きとに切替え可能とされている。そして、管加工部2に第一刃物4Aが二枚取付けられた状態で、左ウインチ1Lを操作して管加工部2を既設配管Poの図示右端から図示左端まで移動させる。
この際、第一刃物4Aのうち一枚は1段階目で形成した溝Sに沿わせるようにする。つまり、この第一刃物4Aのうち一枚は、この刃板8では既設配管Poを積極的には切断せず、管加工部2(特に、装着されたもう一枚の第一刃物4A)を既設配管Poに対して周方向にずれることを防止する「ガイド」として機能する。
そして、第一刃物4Aのうち他の一枚における刃41を既設配管Poの内面であって、1段階目で形成した溝Sに対して周方向で90度ずれた位置に接するようにして移動させる。この結果、図4(e)に示すように、周方向で90度おきに四本の溝Sが既設配管Poの内周部に形成される。以上、第一刃物4Aのうち一枚を「ガイド」として機能させることにより、四本の溝Sを確実に形成することができる。このように、第一刃物4Aは、既設配管Poには何ら加工が施されていない状態から、次の加工である溝Sを形成する加工を行う。また、第一刃物4Aは二本の溝Sから、次の加工(先の加工とは異なる加工)である四本の溝Sを形成する加工を行う。
図5(a)は溝付け工程の3段階目を示す。管加工部2の加工部本体7には第二刃物4Bが一枚取付けられる。第二刃物4Bもまた、刃41(刃先)が既設配管Poの肉厚に至らない溝切断刃であり、しかしながら第二刃物4Bは、第一刃物4Aよりも径方向への刃41の突出量が大きい。図7(b)に、第二刃物4B(管加工部2)と接続部12,12との接続状態を示す。そして、既設配管Poの外側で、ねじ穴222に第二刃物4Bを装着し、刃板8の取付孔8aを固定ねじでさえることで、刃物用貫通穴221に第二刃物4Bが装着され、これによって、第一刃物4Aから第二刃物4Bに交換(変更)できる。
この状態で右ウインチ1Rを操作し、第二刃物4Bの刃41を1段階目または刃板8で形成した溝Sに沿わせつつ、管加工部2を既設配管Poの図示左端から図示右端まで移動させる。この結果、図5(b)に示すように、径方向に対向する二本の溝Sが深くなる。
図5(c)は溝付け工程の4段階目を示す。ここでも、管加工部2の加工部本体7には第二刃物4Bが一枚取付けられる。第二刃物4Bの向きは3段階目と逆にされる。この状態で左ウインチ1Lを操作し、第二刃物4Bの刃を3段階目で沿わせた溝Sとは別の溝Sに沿わせつつ、管加工部2を既設配管Poの図示右端(入口5)から図示左端(出口6)まで移動させる。この結果、図5(d)に示すように、前記別の溝Sであって、径方向に対向する二本の溝Sが深くなる。これによって、四本の溝Sが同等の深さになる。溝付け工程はこれで終了となる。
また、加工部本体7の外径が既設配管Poの内径に近いことから、第一刃物4A、第二刃物4Bのガイドになり易く、したがって、溝Sの深さや距離が均等になる。そして上記溝付け工程においては、複数の溝Sのうち、先に一部の溝Sを形成し、該溝Sをガイドにして残りの溝Sを形成することで、複数の溝どうしの間隔を軸方向に一定にすることができる。また、溝Sの形成を複数段階に分け、溝Sを徐々に深くすることで、加工抵抗を小さくして、軸方向に真っすぐな溝を形成することができる。さらに、既設配管Poの種類や大きさに合わせて、加工部本体7の外径を変更することもできる。
以上の溝付け工程により既設配管Poに溝Sを形成した状態で、既設配管Poを切断することで、既設配管分割工程において切断に失敗すること(例えば、切断片Psの幅が長手方向の途中で狭くなって切れてしまうこと)がなく、管軸方向の確実な切断が可能である。また、下記の既設配管分割工程において、溝Sに沿って切断することで、切断における抵抗を小さくすることができる。
上記(2)既設配管分割工程は、溝付け工程を終了した次工程である。既設配管分割工程は、既設配管Poを、径方向および管軸方向に切断することにより、複数の切断片Psに分割する工程である。本実施形態では、径方向の切断が、周方向に一定の距離(角度で90度ごと)をおいて4箇所でなされ、この切断が管軸方向に連続して行われる。
図5(e)は既設配管分割工程を示す。管加工部2の加工部本体7には第三刃物4Cが二枚取付けられる。第三刃物4Cは、刃41(刃先)が既設配管Poの肉厚を超えた分割切断刃である。これには、既設配管Poの外側でねじ穴222に第三刃物4Cを装着し、固定ねじで刃板8の取付孔8aを押さえることで、刃物用貫通穴221に第三刃物4Cが装着され、第二刃物4Bから第三刃物4Cに交換できる。第三刃物4Cの方が第二刃物4Bよりも径方向への刃41の突出量が大きい。図7(c)に、第三刃物4C(管加工部2)と接続部12,12との接続状態を示す。
そして右ウインチ1Rを操作し、第三刃物4Cの刃を溝付け工程の3段階目および4段階目を経て深くなった溝Sに沿わせつつ、管加工部2を既設配管Poの図示左端から図示右端まで移動させる。この結果、図5(e)(f)に示すように、既設配管Poが周方向で四分割される。このように、第二刃物4Bで深く形成された溝Sに対し、その後に交換された第三刃物4Cにより、既設配管Poの次の加工として、既設配管Poを周方向で割る(四分割)ことができる。上記既設配管分割工程において、溝付工程で形成した複数の溝Sに対応するように刃41を沿わせることにより、切断時の抵抗を小さくすることができる。さらに、本実施形態では、既設配管を周方向に一定の間隔で複数に分割することで、各切断片Psの形状は略同じ形状にできる。よって、新配管挿入時の挿入抵抗を、周方向で偏りなく均一なものとでき、新配管Pnを真っすぐ挿入しやすくなる。
なお、第三刃物4Cは、既設配管Poの肉厚を超えた分割切断刃である。したがって、既設配管Poに湾曲部分が存在する場合には、湾曲部分がひしゃげて断面が歪になる場合もあるので、第三刃物4Cの刃41は、その高さを考慮して、既設配管Poの肉厚を超えることが望ましい。
このように、本実施形態では、管加工部2の構成部分の一部である第一刃物4Aから第三刃物4Cを、その刃41を変更するように取付け、右ウインチ1R、または左ウインチ1Lを操作して、右ワイヤ11および左ワイヤ11を、既設配管Poの入口5から出口6に向かう方向と、出口6から入口5に向かう方向の二方向において通すことにより、既設配管Poに対し、各方向で管加工部2の交換前と異なる加工ができる。
上記(3)引抜工程は、図6(a)に示すように、例えば図示右方(入口5)から、複数の切断片Psを保護材Gから引き抜くようにした工程である。これにより、保護材Gの内部から既設配管Poが除去される。引き抜きは、作業者が各切断片Psを手やペンチ等の工具でつかんで行う。基本的には一本ずつ引き抜くが、場合によっては複数本をまとめて引き抜くこともできる。各切断片Psは幅方向で湾曲した帯状であって、周方向に沿って4枚並んでいる。
各切断片Psの断面形状は保護材Gの内部空間の断面形状に比べて小さく、当該内部空間において各切断片Psの径方向および周方向への移動の自由度が高いことから、既設配管Poを切断することなく管の状態のままで保護材Gから引き抜くことに比べ、はるかに小さな引張力で引き抜きが可能である。また、引き抜きに伴い、保護材Gを破損してしまう可能性も小さいため、既設の保護材Gを引き続き使用することができる。このように、本実施形態の引抜工程は、発泡樹脂等の柔軟な材料(破損しやすい材料)で形成された保護材Gに対して有効である。そして、保護材Gがバンド等とスラブBにより径内方向への外力を受け、圧縮されて縮径されている場合に有効である。
上記(4)新配管挿入工程は、新配管Pnを保護材Gの内周面に沿わせつつ保護材Gの内部に通す工程である。新配管挿入工程に先立ち、図6(b)に示すように、右ウインチ1Rから右ワイヤ11が保護材Gの内部に通される。この際、右ワイヤ11は作業者の手により、図示右方から左方に押し込まれ、保護材Gの図示左端(出口6)から出される。
次に、保護材Gの図示左方に新配管Pnを用意する。新配管Pnの右端部に配管挿入治具3を固定し、配管挿入治具3に右ワイヤ11の先端を、接続部12を介して接続する。なお、この段階では左ウインチ1Lとその左ワイヤ11は使用しない。そして、図6(c)に示すように、右ウインチ1Rを操作して新配管Pnを引っ張ることにより、保護材Gの内部に新配管Pnを通す。
引っ張りにより保護材Gの内部に新配管Pnを通すことで、押し込みにより新配管Pnを通すことに比べ、保護材Gの折り曲げられた箇所であっても、引っ掛かる可能性を抑えつつ新配管Pnを通すことができる。更に、保護材Gが柔軟な材料から形成されていれば、例えば保護材Gが湾曲して設けられた箇所につき、新配管Pnを通す際に保護材Gが、軸線がずれるように変形して曲率が一時的に変わる。このことから、新配管挿入工程において移動する新配管Pnに対して抵抗を与えにくい。
また、保護材Gがバンド等により建築物Cに固定された箇所につき、保護材Gが径方向に圧縮されることにより、新配管挿入工程において移動する新配管Pnに対して抵抗を与えにくい。なお、新配管Pnから配管挿入治具3を取り外した状態を図6(d)(e)に示す。配管の更新はこれで終了であって、その後、両端部を給湯器や水栓Vに接続して工事を完了する。
このように、本実施形態の工法では、既設配管Poおよび保護材Gが建築物Cの外部に露出した端部で作業可能である。このため、既設配管Poを新配管Pnに取り換える作業を、既設配管Poの設置対象物(本実施形態では建築物CのスラブBや床材F)から保護材Gを取り外さない状態で行うことができる。また、各ウインチ1の操作、既設配管Poの保護材Gからの引き抜き、新配管Pnの保護材Gへの挿入が全て建築物Cの外部(詳しくは、建築物Cにおける床材FとスラブBとの間の閉鎖空間に対する外部)にて行える。このため、建築物Cの解体の必要がないので、工事の低コスト化に貢献できる。
以上、本実施形態の配管更新工法によると、既設配管Poを覆っていた保護材Gを建築物Cに固定したままとしておき、この保護材Gを、新配管Pnを敷設する際のガイドとして利用できる。しかも、既設配管分割工程と引抜工程とにより、配管の引き抜き作業を、配管の敷設形状に影響されにくく容易にできる。
また、配管の更新の際に建築物Cの解体を極力不要とし、また、配管新設時の施工に格段の配慮が不要である。この「格段の配慮」とは、配管に折損が生じるような急な曲がりを形成しないという最低限の配慮を超えた配慮を意味する。このように本実施形態の配管更新工法を採用することで、配管新設時における配管経路をラフに設定してもよく、しかも、配管新設時に、現場にて保護材Gに配管が抜き差しできるか否かのテストを行うことも不要であるから、配管新設時の工数が従来よりも増加することがない。
さらに、配管更新工法に用いる配管加工装置によれば、左右のウインチ1R,1Lは、給湯配管Yの入口5側、出口6側に一台ずつ配置され、各ワイヤ11の途中で、既設配管Poにおける加工状況に応じて既設配管Poの外側で管加工部2の一部を変更する。すなわち、管加工部2において装着されていた刃物4を、第一刃物4Aから第二刃物4Bに変更し、さらに第二刃物4Bから第三刃物4Cに変更する。そして、左右ウインチ1R,1Lとの間で既設配管Poの内側で各ワイヤ11を移動させることで、既設配管Poにおける加工状態に応じて、既に行った加工とは異なる、次の加工をすることができる。このため、既設配管Poに対して効率のよい加工ができる。
また、既設配管Poの経年等により老朽化に応じて、新配管Pnを更新する際に、保護材Gおよび既設配管Poを全て取換えていることに比べ、新配管Pnの設置に手間がかからない。
次に、図8を参照して本発明の第二の実施形態を説明する。本発明の第二の実施形態が第一の実施形態と異なる部分を説明すると、第二の実施形態では、上記(3)引抜工程を省いて、(4)新配管挿入工程としている。
つまり、第一の実施形態の図5(e)において、既設配管分割工程で管加工部2に第三刃物4Cを二枚取付け、既設配管Poが周方向で四分割された状態から、右ウインチ1Rとその右ワイヤ11は使用せずに、図8(a)に示すように、左ウインチ1Lを操作して、新配管Pnを出口6側に引っ張ることにより、保護材Gに重なる既設配管Poに対して新配管Pnを通すようにする(図8(b)(c)参照)。なお、既設配管Poの分割は二分割以上であればよく、上記のように四分割に限定されない。
この工法によれば、引抜工程を省いた分だけ新配管Pnの設置に手間がかからない。さらに、分割された既設配管Poが新配管Pnを取巻くため、既設配管Poが補強される利点もある。他の工程である(1)溝付け工程、(2)既設配管分割工程は、上記第一の実施形態と同様である。
また、既設配管Poに対して新配管Pnを通す前には、第三刃物4Cは、図示右端(入口5)側にある。このように状態を利用して、図8(a)に示すように管加工部2を配管挿入治具3に交換し、配管挿入治具3は新配管Pnの左端部に固定されるように螺合した状態で、左ウインチ1Lを操作し、また、新配管Pnを引っ張ることにより、保護材Gの内部に新配管Pnを通す。したがって、管加工部2の全部を配管挿入治具3に交換できる。
次に、本発明の第三実施形態を、図9ないし図12に基づいて説明する。はじめに、配管加工装置は、巻上機である右ウインチ1Rと、巻上機である左ウインチ1L、管加工部2、および配管挿入治具3を備える。右ウインチ1R、左ウインチ1L、および配管挿入治具3は、上記第一の実施形態と同様である。
第三の実施形態が第一の実施形態と異なる配管加工装置の構成は、管加工部2における刃物が異なる。さらに、配管加工装置は、右ウインチ1R、左ウインチ1Lから、管加工部2を外して、既設配管Poの内径を拡径する拡径具16に変更可能である。このように、第三の実施形態では、管加工部2に刃物4と拡径具11が含まれる。
刃物4について説明する。第一の実施形態では、刃板8の両側に刃41が配置されたが、第三の実施形態では、刃板8の片側にのみ刃41が形成されている。また、管加工部2は第一の実施形態と同様の構成であり、刃板8と刃物用貫通穴221とは、相対形状に形成されている。図12(a)〜(c)に示すように、管加工部2としては、このような第一刃物4A、第二刃物4B、第三刃物4Cを備えている。第一刃物4A、第二刃物4B、第三刃物4Cにおける管加工部2への取付け状態は、第一の実施形態と同様である。
図12(d)を参照して、既設配管Poの内径を拡径する拡径具16の説明をする。拡径具16は、表面が一方側から他方側に向けて傾斜された傾斜面17を有した円錐台形状に形成されている。一方側は、既設配管Poの内径よりも小径に形成された外径面であり、他方側は既設配管Poの内径よりも大径に形成された外径面である。拡径具16の中心には、管軸方向に貫通されたねじ孔19が形成され、このねじ孔19に右ワイヤ11、左ワイヤ11の接続部12,12のねじ部材15が螺合される。
第三の実施形態に係る配管更新工法について説明する。本実施形態に係る配管更新工法は、
(1)溝付け工程…既設配管Poの内周面に管軸方向に沿う溝Sを形成する工程、
(2)既設配管切断工程…溝Sを用いて既設配管Poを径方向で切断する工程、
(3)拡径工程…既設配管Poを拡径する工程、
(4)新配管挿入工程…新配管Pnを既設配管Poの内部に通す工程、
とを有する。
溝付け工程に先立ち、図4(a)に示すように、右ウインチ1R(図示していない)から、右ワイヤ11が図示右方(入口5)から左方(出口6)に押し込まれ、既設配管Poの図示左端から出される。これは作業者の手によって行われる。
図9(b)は溝付け工程の1段階目を示す。図9(a)に示す状態で、右ワイヤ11の先端と左ワイヤ11の先端とは、それぞれ右ワイヤ11と左ワイヤ11に設けられた接続部12,12のねじ部材15を、加工部本体7のワイヤ装着部21,21に螺合させることで、管加工部2によって接続される。また、溝付け工程の1段階目では、管加工部2には、図12(a)で示す第一刃物4Aが一枚取付けられる。
この状態で右ウインチ1Rを操作し、第一刃物4Aの刃41を既設配管Poの内面(入口5)に接するようにして管加工部2を既設配管Poの図示左端から図示右端まで移動させる。この結果、図9(c)に示すように、径方向に1本の溝Sが既設配管Poの内周部に形成される。
図9(d)は溝付け工程の2段階目を示す。管加工部2には第二刃物4Bが一枚取付けられる(図12(b))。第二刃物4Bの向きは1段階目と管軸方向において逆にされる。管加工部2に第二刃物4Bが一枚取付けられた状態で、左ウインチ1Lを操作して管加工部2を既設配管Poの図示右端から図示左端まで移動させる。この際、第二刃物4Bは1段階目で形成した溝Sに沿わせるようにする。
つまり、この第二刃物4Bでは、これを利用することで、1段階目で形成した溝Sをガイドとして、図9(e)で示すように、1段階目より深い溝Sを形成させるものである。このようにして、既設配管Poの内周面に管軸方向に沿う溝Sを形成する。以上で、上記した(1)溝付け工程を終了する。
図10(a)(b)は、既設配管切断工程を示す。管加工部2には第三刃物4Cが一枚取り付けられる。第三刃物4Cの方が第二刃物4Bよりも径方向への刃41の突出量が大きい。この状態で右ウインチ1Rを操作し、第三刃物4Cの刃41を溝付工程の2段階目を経て深くなった溝Sに沿わせつつ、管加工部2を既設配管Poの図示左端から図示右端まで移動させる。この結果、図10(b)に示すように径方向断面に、一箇所の分断部S1が形成される。
次に、(3)拡径工程を説明する。配管加工装置では、管加工部2を、図12(d)で示す、拡径具16に変更する。管加工部2を接続部12,12から取外すには、接続部12,12のねじ部材15と、管加工部2のワイヤ装着部21,21との螺合を外し、接続部12,12のねじ部材15を、拡径具16のねじ孔19に螺合することで、接続部12,12に取付けられた管加工部2を拡径具16に容易に取替えられる。
図10(c)の状態においては、拡径具16が図示右端にあるので、拡径具16の一方側を図示右端(入口5)に配置することになる。このとき、拡径具16の一方側は、既設配管Poの内径よりも小径に形成された外径面であるから、左ワイヤ11を操作して、既設配管Poの内側に拡径具16を確り嵌合し、拡径具16を図示右端から図示左端まで移動させる。そして、拡径具16の他方側は傾斜面17を介して既設配管Poの内径よりも大径に形成された外径面であるから、図10(d)で示すように、既設配管Poにおける径方向の一箇所において、分断部S1の間隔が広げられる。なお、この加工(変形)は、保護材Gの内部空間の範囲内で行われる。以上で、拡径工程を終了する。
次に、(4)新配管挿入工程を説明する。図6(c)に示すように、右ウインチ1Rの右ワイヤ11に設けられた接続部12と、新配管Pnに設けられた配管挿入治具3とを螺合により連結する。そして、右ウインチ1Rを操作して新配管Pnを引っ張ることにより、既設配管Poの内部に新配管Pnを通す。このとき、既設配管分割工程において既設配管Poが、径方向断面の一箇所の分断部S1で割られているから、既設配管Poの内部に新配管Pnが容易に通る。なお、既設配管Poの内部に新配管Pnを挿入した状態を図11(b)(c)に示す。
本実施形態の配管更新工法に用いる配管加工装置では、管加工部2は拡径具16に変更され、拡径具16によって既設配管Poを内側から拡大されるから、既設配管Poに対して新配管Pnを通り易くすることができる。
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
第三の実施形態において、既設配管Poの拡大を、複数の拡径具を用いて行うこともできる。例えば、溝付け工程において2段階目以降を行わず、1段階目とし、例えば既設配管Poにおける図示右端(入口5)において、左ウインチ1Lと右ウインチ1Rの接続部12,12に第一拡径具(図示せず)を連結し、左ウインチ1Lを操作して図示左端(出口6)まで通す。そして、前記第一拡径具を外し、第一拡径具より大径の第二拡径具を、左ウインチ1Lと右ウインチ1Rの接続部12,12に取付け、右ウインチ1Rを操作して、第二拡径具を図示左端から図示右側へ通して、既設配管Poを分割する。このようにして、配管加工装置の管加工部2は、拡径具と交換することができる。この場合では、第二拡径具は、第一拡径具で拡大された既設配管Poに対し、次の加工として、既設配管Poをさらに拡大して、且つ分割される。
また、別の実施形態として、右ワイヤ11と左ワイヤ11の途中部分に形状の異なる複数の管加工部、例えば第一刃物4A、第二刃物4Bを離間して設けておき、第一刃物4Aを既設配管Poの入口5側、出口6側へ向かう方向の二方向で異なる加工(角度を変えてを溝を加工)するようにする。続いて第二刃物4Bを既設配管Poの入口5側、出口6側へ向かう方向の二方向で異なる加工(角度を変えて溝を加工)するようにしてもよい。あるいは、第二刃物4Bを拡径具に代えることもできる。このようにすることで、管加工部の交換が、複数の内の一つの管加工部から、別な管加工部に変更できる。そして、この構成によれば、形状の異なる複数の管加工部において、一つの管加工部から別な管加工部に変更して、入口、出口(出口、入口)に向かう、管加工部における往動、復動とで、既設配管に異なる加工をすることができ、目的の加工に適した多様な形態変更をすることができる。
また、本実施形態では、一方側ウインチ(右ウインチ1R)の有するワイヤ11の端部と、他方側ウインチ(左ウインチ1L)の有するワイヤ11の端部との間に、管加工部2を接続して溝付工程と既設配管分割工程とを行う場合について説明したが、これに限らない。例えば、右ウインチ1Rの有するワイヤ11と左ウインチ1Lの有するワイヤ11に管加工部2を接続してもよい。これにより、ワイヤ11の先端に取付けられた接続部12を利用する必要がなくなり、効率よく作業の準備ができる。また、一本のワイヤの一方端側に一方側ウインチを設け、他方端側に他方側ウインチを設け、ワイヤの途中部分に管加工部2を接続する、すなわち、一本のワイヤの両端に各々ウインチを設け、管加工部2に該ワイヤを挿通させるよう構成してもよい。何れの場合でも、一方側ウインチを有するワイヤと他方側ウインチの有するワイヤとに管加工部2が既設配管Poの内部に通過可能に接続されるから、二台のウインチを用いて管加工部2を往復移動させることで、溝付工程と既設配管分割工程とを行なうことが可能である。
また、本実施形態のうち、上記既設配管分割工程を行う工程については、溝付工程で形成した溝Sに沿って既設配管を切断する場合について説明した。しかしこの場合に限らず、第一刃物4Aまたは第二刃物4Bの刃41を溝Sに嵌め込み、溝Sをガイドとして溝S以外の部分を刃41で切断するようにしてもよい。いずれにしても、溝Sをガイドにして既設配管Poを切断することにより、切断に失敗することなく、確実に分割することができる。
例えば、前記各実施形態において、保護材Gは断熱および保温の機能を有したものであっても、断熱および保温の機能を有しておらず単に配管(既設配管Poまたは新配管Pn)を覆うに過ぎないものであってもよい。また、保護材Gは配管の管軸方向の全部を覆っている必要はなく、管軸方向の一部が覆われていてもよい。また保護材Gでは、径方向断面が、周方向において分断部S1に対向する切れ目を有していてもよい。
また、前記各実施形態では、牽引部として左右ウインチ1R,1Lを使用したが、ウインチ(巻上機)に該当しない装置であっても、ワイヤや鎖等の索状材料を長手方向に引っ張ることのできる種々の装置を用いることができる。
また、前記各実施形態では、管加工部2は略円柱状であったが、既設配管Po内での管軸方向の移動に支障がなく、既設配管Poを切断する刃物を支持することが可能であれば、他の形状であってよい。また、管加工部2に装着される刃物は、固定刃、回転刃のいずれであってもよい。また、刃41の形状も特に限定されない。前記実施形態では、管軸方向の片方向で切断できる刃41であったが、管軸方向の両方向で切断できる刃41であってもよい。
また、第一の実施形態、第二の実施形態において、溝付け工程および既設配管分割工程を経た既設配管Poの分割数は、前記実施形態の四分割に限られるものでなく、三分割以下、または五分割以上であってもよい。特に、既設配管Poの径および長さに応じ、引抜工程における切断片Psの保護材Gからの引き抜きやすさを考慮して、分割数を適宜決定してよい。また、切断軌跡を管軸方向に対して傾斜させることにより、螺旋状の切断片Psを形成してもよい。
また、第一の実施形態、第二の実施形態において、溝付け工程内の段階に関する、段階の数および処理内容は前記実施形態で示したもの(1段階目〜4段階目)に限らず、種々に変更できる。更に、溝付け工程は省略することもできる。つまり、既設配管分割工程において、既設配管Poの内周面に事前の加工を行うことなく切断を行うこともできる。この場合、事前の加工を行うことなく既設配管分割工程を行うことにより、一連の工程を短縮化できる利点がある。
1L…左ウインチ、1R…右ウインチ、2…管加工部、3…配管挿入治具、4…刃物、4A…第一刃物、4B…第二刃物、4C…第三刃物、5…入口、6…出口、7…加工部本体、8…刃板、8a…取付孔、11…ワイヤ、12…接続部、13…接続部本体、14…内輪、15…ねじ部材、16…拡径具、17…傾斜面、19…ねじ孔、21…ワイヤ装着部、22…刃物装着部、41…刃、121…ベアリング、221…刃物用貫通穴、222…ねじ、B…スラブ、C…建築物、F…床材、G…保護材、Pn…新配管、Po…既設配管、Ps…切断片、S…溝、Y…給湯配管

Claims (3)

  1. 両側端部に入口、出口が形成された既設配管を新配管に更新するための配管加工装置であって、
    前記入口側に配置されて入口側索体を有する入口側牽引部と、
    前記出口側に配置されて出口側索体を有する出口側牽引部と、
    前記既設配管を加工するための管加工部とを備え、
    該管加工部は、前記既設配管の内側を通過可能に構成されるとともに前記入口側索体と前記出口側索体とに連結され、前記既設配管の外側において、該既設配管の加工状況に応じて異なる加工をするために一部または全部が交換可能とされたことを特徴とする配管加工装置。
  2. 前記管加工部は、前記既設配管を加工するために取付けられる刃物につき、刃先が前記既設配管の肉厚に至らない溝切断刃から、刃先が前記既設配管の肉厚を超えた分割切断刃に変更可能であり、前記管加工部の交換は、前記刃物を変更することによりなされる請求項1に記載の配管加工装置。
  3. 形状の異なる複数の前記管加工部を備え、前記管加工部の交換が前記複数の内の一つの管加工部から、別な管加工部に変更することによりなされる請求項1に記載の配管加工装置。
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