JP2021126479A - Cad/camシステムによる陶材の一つであるジルコニア製品の製作方法と装飾方法 - Google Patents

Cad/camシステムによる陶材の一つであるジルコニア製品の製作方法と装飾方法 Download PDF

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明俊 町田
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Abstract

【課題】生体親和性に優れたジルコニアの特性を生かして、動物用の人工歯、補填用人工骨を提供する。【解決手段】対象者の天然爪2の印象を採り、作業模型を作る。スキャンして取り入れたCAD画面に映し出された模型上で、人工爪の周縁を表すために設定した基準点に合わせて爪の形を作成し、人工爪の長さ、巾、全体の形状をデザインする。CAM装置を駆使して半焼結状態の人工爪の原型を作る。その後アルミナサンドブラストをして仕上げる。出来上がった人工爪1の基台表面に薔薇の絵柄5を描いた陶芸用上絵転写紙を水に浸して台紙を剥がし完成した人工爪を対象者の爪の上から両面テープ3でしっかり接着させる。【選択図】図1

Description

陶材の一つであるジルコニア素材から作られる人工爪、歯科用歯冠修復物、装身具等とその装飾法に関するものである。
体の一部である爪を、よりきれいにかつ美しくしたいと望んでいる人は多く存在する。昨今、色鮮やかな付け爪も数多く店頭に並び、手軽に指先のおしゃれを楽しめるようになっている。素材は樹脂製のものが大半を占め、自らやすりで削って形を整えて使えるようになっている。そのため、技術的に個人差が生じ、不適合による爪周囲の皮膚炎や剥離液(例アセトン)による爪の変質などのトラブルが問題視されている。一方、何らかの事情で欠如、変色、破損、変形して悩んでいる人も少なからず存在するものと思われる。
私共が1998年に考案した、先行技術文献の特開2000−116431に記載されているアルミナを含む陶材(インセラム)は当時、歯科技工界においては、一般的に良く使われていた陶材で、一層目のアルミナ層に築盛するポーセレン層からなる二層構造になっている。アルミナ基材にガラス浸潤させた、コーピングとしてのアルミナ層の強度は大きいが、透光性は殆ど無い。一方、ポーセレン層は透光性には優れているが、硬くて脆く、大きな荷重や衝撃が加わると微細なクラックの伝播や成長を生じ破壊に至る弱点を補うために二層構造にする必要から、仕上がりは厚くなる傾向にあった。更に非能率的な手仕事であるために、長時間労働を強いられていた。
そのため、単層で利用でき、曲げ強さがあり、強度があり、破壊靱性が強く、透光性に優れ、生体親和性に富んだ新たな陶材の開発が待たれていた。特に近年、貴金属の高騰の影響が大きく、また、金属アレルギーに対する関心も高く、ジルコニアや二ケイ酸リチウム分散強化セラミックスなど、様々なメタルに代わる陶材の開発が盛んに行なわれている。
特開2000−116431号公報
見た目の美しさの判断基準の一つに、製品の持つ透光性の高さが大きな影響を持つものと思われる。
本発明の対象となる、歯科用ラミネートベニアシェルや全部冠、人工爪、装身具などは、見た目の美しさが大切である。上記記載の歯科用陶材インセラムは、不透明なフレーム層とポーセレン層の二層構造になるため、分厚く嵩張ることになる。一指の人工爪を制作する場合でも、手作業で行う複雑な製作工程を持つため、非効率的で長時間労働を強いられていた。さらに、手の指先にある爪は左右あわせて10本の爪が存在するが、10本の爪を一定の品質で、しかも短期間で効率よく製作するためには、CAD/CAMをはじめとするデジタル機器の利用が欠かせない。
以下に、本発明の対象となる製品についての課題を個別に取り上げていきます。
人工爪:欠如した爪の代わりに人工爪を装着する他に、義肢、義足の指先に付ける人工爪として役に立つ、一方、天然爪が経年と共に黒色に変化したり、あるいは化学薬品などで著しく着色した爪になってしまった人には、変色を隠すためには透光性のほとんどないフレーム層の単独使用は可能であるが、美的には、ポーセレン層を築盛して透光性を高めた方が見栄えが良い。そのためには二層構造になり、その分厚さが必要になり、嵩張ることになった。さらに、フレーム層は熱膨張係数が小さいため、その表面を着色する際、釉薬との相性が悪く、焼成後、剥離や貫入が生じて、上手くコーティングされなかった。
歯科用ラミネートベニア冠:従来行われるラミネートベニア冠は、前歯の歯の変色、酸蝕症など、エナメル質にダメージを受けた歯に対して、違和感を最小に抑えるために、歯の前面を一層削って歯型を取り、模型上でオペークのあと、ポーセレン泥を築盛、乾燥、焼成、調整して仕上げた厚さ0.7mm程度の歯科用ラミネートベニア冠として、接着性セメントで歯に接着するのが通常行われる治療行為である。しかし、ポーセレン単独ではクラックしやすい欠点があった。
本発明の一つである、口腔内からの歯のおしゃれとして、天然歯を削らずに接着できる厚さ0.8mm程度のラミネートベニアシェルとして使用できる、透光性のある、剥離せずに付け歯として一定期間接着でき、時期がきたら、破損せずに剥がせることができ、多数回使用できる強靭な陶材の出現が待たれていた。一方、口腔内で使用できる着色剤としては、鉛、カドミウムを含まない生体に無害なものに限られ、装飾の為に高温で焼成した時に、基台となるラミネートベニアシェルとの相性の良い着色剤が求められていた。ここで、歯科用歯冠修復物をラミネートベニア冠とし、一定期間天然歯に接着して利用するものをラミネートベニアシェルと区別する。
装身具:アクセサリーを身に着けたいが、金属アレルギーが心配である人の為に、近年貴金属の異常な高騰もあり、金属に代わる新たな陶材の出現が求められていた。そこで本発明の一つである、生体親和性を有する陶材を使って、可能な範囲で、重さのあるメタルから軽い素材である陶材への変換を試みた。具体的に例を挙げると、直接肌に触れる箇所、ピアス本体とピン、ペンダント本体と丸カンなどの保持部との一体化、宝石を支えるフレーム(空枠)等に使われているメタルを陶材に代えることであった。さらに、陶材を使った複雑な形状の製品を、進化を遂げるデジタル機器を使って効率よく製作する方法を検討していた。さらに、アクセサリーの基台に装飾する上で、相性の良い着色剤の選別が課題であった。
動物用歯冠修復物、補填人工骨:家族の一員として認識されてきたペットや飼育されている動物に与えられる加工食品の増加や高齢化により、様々な問題が起こっている。長生きすることで、齲蝕などの歯の疾患による摂食障害になり、歯の修繕が必要なケースが生じてきている。また、事故による骨折などで、機能障害を起こすケースでは、顎骨の補填や、人工関節などにより、原状回復の要望が高まっている。長年培ってきた、緻密な歯科技工の技は、動物界の治療にも役立てられる。そこで本発明では、生体親和性に優れたジルコニアの特性を生かして、動物用の人工歯、補填用人工骨を提供する。
本発明の必要条件である、生体親和性、高い破壊靱性値と曲げ強度、透光性、表面平滑性を備えた注目の陶材として、ジルコニアが挙げられる。ジルコニアは2003年頃に歯科技工の日本マーケットに登場し、上記陶材インセラムには見られない優れた特性を持つ。更に現在では、開発が進み、モノリシック(単一材料での構造)のものや、透光性が異なる多種類のジルコニアブロックやジルコニアディスクが存在する。それゆえ製作するものの大きさや数によって適宜選択できるようになっている。半焼結のジルコニアは軟らかく、加工しやすく、加工時間も短く、形状を調整するドリルの消耗も少なく抑えられる利点を持つ。
一方、ジルコニアと比較して、透光性に優れているが、強度的に劣る二ケイ酸リチウム分散強化セラミックスの使用も選択的に可能である。さらに、今後開発される陶材で、上記記載の特性を有する陶材であれば、ジルコニアだけでなく、本発明の材料として積極的に使用することになる。
さらに、著しい科学の進歩によってデジタル機器である、スキャナー、3Dプリンター、CAD/CAMを駆使して短工程、短時間で精度の高い製品を作り出すことができるようになった。さらに、将来的には、ジルコニア素材に着色剤を混ぜて、焼結を行い、様々な色調を持つジルコニア製品ができることが期待できる。
ジルコニアの物性は 熱膨張係数(×10−6/℃)10〜10.5、ヌープ硬さ 1500〜1800、曲げ強さ(MPa)900〜1500、破壊靱性(MPa・m1/2)6〜11,薄くてもある程度の厚さを確保すれば、粘り強い特性を有していることから、ラミネートベニア冠,全部冠、人工爪、装身具、動物用人工歯や補填用人工骨、人体用補填人工骨など広い分野で利用することができる。しかし、価格面でのデメリットはある。さらに、硬さの割に、熱膨張帳係数が高く、表面平滑性に優れているので、それぞれのジルコニア製基台表面に、様々な着色剤を用いて絵柄を描くことができ高温焼成することによって、表面は滑沢になり、基台に確実に融着することで、美しい装飾を施すことができる。ここで、本発明でのジルコニア製基台とは装飾を施す対象となるものを指す。
次に、個々について解決するための手段を述べる。
人工爪:製作工程としては、まず対象者の爪を含む指の型を採り、石膏で作業模型を作製し、スキャンで読み取ったデータをもとに、人工爪のCAD設計を行い、CAMにデータを送信して、切削加工を行う。天然爪の変色の強い人の場合は、透光性の少ないジルコニアを使用することで、天然爪の変色が透けるのを防いで見栄えの良い人工爪を制作できる。更に人工爪基台の表面にステインで色付けして、より自然観を出すこともできる。
日々伸び続けているが全体の形状は変わらない天然爪に対応して人工爪を接着するには、着脱が比較的簡単で、しっかり接着できる粘着力を持つ両面テープを推奨するが、水に濡れると粘着力が増すテープも開発されているので、必要に応じて使い分けると良い。将来、ロール式両面テープが出現すれば片手を使ってワンタッチで切って貼ることができて一層便利になる。一方、欠如した指先に、天然爪の代わりに人工爪を接着する場合は、医療用接着剤を用いてしっかり固定する。
取り外すときは、人工爪の付け根の端を爪面に垂角に数mm持ち上げてから、爪面に平行に爪の先端に向けて引っ張り出す要領ではがすと人工爪と共に接着テープも順次剥がれてくるので、人工爪の破損も防げる。ジルコニア製人工爪は、ジルコニアの特性の一つである生体親和性によって、人工爪の周縁が触れる皮膚に対しても悪影響を及ぼすことなく、違和感の少ない厚さで、適合の良い製品となる。
ラミネートベニアシェル:本発明の一つとして、天然歯を削ずることなく、天然歯の形のままで歯型を取り、CAD/CAMシステムを駆使して、歯の隆起に適合する形で、厚さ0.8mm程度のラミネートベニアシェルに仕上げる。特徴として、ラミネートベニアシェルを一定期間確実に脱落せずに、しかも所望の期間が過ぎたら、破損することなく、剥離させることができるための工夫として、ラミネートベニアシェルの内側中央部に深さ0.2〜0.3mmの凹部を、歯頸部中央に0.1〜0.2mmの厚さの補強部を設ける。
さらに、歯科用接着性レジンセメントを塗布する際に、ラミネートベニアシェル内側の凹部を避けて、その周囲に薄く均一に付け、歯面に接着する際に、陰圧がかかるように軽く押し付ける要領で、辺縁封鎖を図る。周囲に付けるセメントの接地面積の度合いを調整することと、空隙がもたらす陰圧によって歯面に貼り付ける。この接着方法が行えるためには、製作段階でのラミネートベニアシェルの周縁の精度の高い適合が不可欠である。
一方、剥離する時は、ラミネートベニアシェルの歯頸部中央に軽度の厚みを持たせた補強部にリムーバーの先端を当て、引き金を引いて慎重に外す。
本発明の目的の一つとして、歯のおしゃれや歯の特殊メークでの利用の際、口腔内で数か月前後にわたる一定期間の使用になることが予想されるので、ラミネートベニアシェル基台の表面に使用する着色剤は口腔内で無害なものでなくてはならない。そのため、鉛やカドミウム入りの着色剤は避けるべきである。装飾法として、筆やスプレーによる上絵付け、陶芸用転写紙、金液、銀液などがある。ジルコニアの特性である表面平滑性により、のりが良く、きれいに仕上がる。
さらに、本発明の一つである、きりかね技法でラミネートベニアシェルの表面にオリジナル箔のりを用いて金箔を貼り、仮着焼成した後、その上から無鉛のオリジナル透明釉薬を盛り、800℃前後で焼成し金箔を内包密封し金箔の輝きを永く保持させて、歯のおしゃれを楽しむことができる。更に、人の体の中で一番硬い組織である歯を利用して、身元確認の為のイニシャルやマークを描き、口腔内からの情報発信のツールとしての歯冠修復物として、ラミネートベニア冠や全部冠を患者に装着することもできる。
装身具:装身具の一つであるペンダントについて説明すれば、チェーンとの連結のために設けられたメタル製丸カン付台座やメタルフレーム(空枠)にガラス製ペンダント本体などを接着剤で固定する方法が一般的である。しかし、本発明では、デジタル機器を駆使して、メタルフリーを実現するために、ペンダント本体と丸カン付台座との一体化、ピアス本体とピンとの一体化、宝石を支えるジルコニア製フレームを、様々な透光性を持つジルコニアブロックまたはジルコニアディスクを適宜選択して用いて製作することを特徴とする。さらに、CAD/CAMデータにペンダント本体表面の一部を指定して、浮き上がらせる形状(例 ハート形)をインプットすることで、凹凸のある基台が作られ、その部分に着色することで、趣の異なる製品が製作できる。この手順は人工爪、ラミネートベニアシェルにも応用できる。ジルコニアには、強度、靱性の高さ、生体親和性があり、宝石に代わるジルコニア製装身具にはより透光性の高いジルコニアを使用するのが望ましい。さらに、研磨後にあらわれる、ジルコニア特有のパール感は装身具の一つであるボタンに有効利用できる。
本発明では、宝石の保持固定の為に、メタル製ツメの代わりにジルコニア製フレームの周縁に、細くて強靭な合成繊維糸(例、ハリス)を通すための小さな穴をあけることが特徴である。宝石の大きさによって異なるが、保持固定が確実に行われる宝石の位置に合成繊維の糸が架かるように、穴の数と、1穴飛ばしか2穴飛ばしに、一筆書きの要領で糸を通していく、1本の糸で架ける場合の穴の数は7,9,11、13、2本の糸で架ける場合は6,8,10の中から、適宜選ぶようにする。穴の数が多すぎると、それだけ穴開けの数と、糸通しの作業が増えることになる。一方穴の数が少ないケースと、3穴飛ばしのケースでは、糸の通る軌道が宝石中央寄りになりすぎ、宝石の美しさを阻害する。順繰りに糸を穴に通す場合は宝石の端を通り過ぎるので確実な保持固定は望めない。
一本の長い合成繊維糸を使って糸通しを行うにあたって、まず起点となる穴から糸を通し、順次2穴飛ばしで、半時計回り又は時計回りに、一筆書きの要領で重複しないように糸を通してゆき、終点と起点で同じ穴を通し、しっかり締め付けた状態で糸の両端を熱処理して留める方法を考案しました。透明糸を使うことで宝石の輝きを阻害せず、透光性のあるフレームと相まって軽量で、宝石をより引き立てる、新感覚な組み合わせとなる。
本発明の装飾方法として、人工爪、ラミネートシェル、装身具等、必要に応じて、それぞれのジルコニア製基台への装飾用着色剤には、アクリル絵の具、漆など常温で使用できるものと、陶芸用絵の具、金液、銀液、陶芸用転写紙、七宝焼絵の具など高温焼成して基台に融着させる方法がある。さらに、特別装飾として、ジルコニア製基台の表面に切りかね技法を用いて、オリジナル箔のりで金箔を貼りあわせて、所望の絵柄を描き、仮着焼成後、その上からオリジナル透明釉薬を掛けて、650℃〜800℃前後の高温で焼成して仕上げる装飾方法がある。金箔が内包密封され、黄金の輝きが永く楽しめます。
動物用歯冠修復物、補填用人工骨:ペットをはじめ、飼育された動物たちに起きている摂食障害、機能障害を取り除くために、CAD/CAMを駆使することで、原状回復に向け、短期間で人工歯、人工骨の補填を提供できるようになる。
ジルコニア製の人工爪、ラミネートベニアシェルについては、単一材料からなるジルコニアの特性である強度、靱性、透光性、表面平滑性、生体親和性を生かして、少ない違和感の形状で製作でき、一回の使用だけでなく、複数回にわたって利用できる利点がある。
装身具については、メタルの高騰の影響、メタルアレルギーを回避し、メタルには存在しない透光性、軽量化が見込めるジルコニア製装身具を提供できる利点がある。動物のシンボルである犬歯(牙)の回復に役立つ。
CAD/CAMはじめ、デジタル機器と歯科技工の技と生体親和性を持つジルコニアの特性を生かした製品の開発で、社会貢献に役立たせたい。
本発明の装飾においては、絵柄に飽きたときに、基台を大きく損傷することなく、絵柄を削り落として、新たな絵柄を再度装飾できる利点がある。
図1(a)各種のデジタル機器で削り出された人工爪(1)に両面テープ(3)を介して天然爪(2)に貼り付ける手順を示す模式図。図1(b)本発明の人工爪(1)に、薔薇の絵柄(5)を描いて装飾した状態を示す正面図 図2(a)本発明のラミネートベニアシェル(7)のA−A線断面図 図2(b)ラミネートベニアシェルの背面中央に楕円形の凹部(8)を設けた背面図 (c)ラミネートベニアシェル(7)前面の歯頸部中央に補強部(9)を設け、さらにアルファベット(R)文字を装飾した正面図 図3(a)装飾を施したペンダント(13)を示す正面図 図3(b)本発明のジルコニア製ペンダント(10)と丸カン(12)との一体化した形状を示す斜視図 図4(a)宝石(17)が本発明のジルコニア製フレーム(14)内に合成繊維糸(16)で固定された状態を示す斜視図 図4(b)宝石を固定するために、フレームの穴(15)を2個飛ばしに糸を通す途中経過を示すイメージ図である。
人工爪、ラミネートベニアシェル、装身具を制作するにあたって、ジルコニアの有する特性と、デジタル機器を有効に活用し、製作工程の簡略化と所要時間の短縮をはかり、精度の高い,人に優しい製品を提供する。
人工爪について
初めに、対象者の天然爪(2)の印象を採り、作業模型を作る。スキャンして取り入れたCAD画面に映し出された模型上で、人工爪の周縁を表すために設定した基準点に合わせて爪の形を作成し、その後、厚さ0.7mm、爪の矢状面、横断面のアーチを維持しながら、矢状方向に2mm伸ばすなど、人工爪の長さ、巾、全体の形状をデザインする。おしゃれ爪の場合は5mm以上伸ばす。次に、ジルコニアブロックを選択し、CAM装置を駆使してデータ通りに削合して半焼結状態の人工爪の原型を作る。次に決められた温度管理のもと、今回は上昇温度10度/分、最高温度1450℃、2時間係留、その後自然冷却する。再度適合形態を調整確認し、ポーセレンファ―ネスで最高温度1000℃で5分間係留する。その後アルミナサンドブラストをして仕上げる。丈夫で長持ちのジルコニア製人工爪の誕生である。出来上がったジルコニア製人工爪(1)の基台表面に薔薇の絵柄(5)を描いた陶芸用上絵転写紙を水に浸して台紙を剥がし、絵柄のかかれた薄紙を貼る。乾燥後、炉で上昇速度35℃/分、800℃前後で焼成する。完成した人工爪を対象者の爪の上から両面テープ(3)でしっかり接着させる。装飾方法としては転写紙に限定するものではない
ラミネートベニアシェルについての説明
歯科用ラミネートベニア冠製作と同じ製作工程で、対象となる天然歯(6)の印象を採り、歯型模型を作り、厚さ0.8mm程のラミネートベニアシェル(7)の内側中央部に凹部(8)、歯頸部中央に補強部(9)の形状を設計データに追加し、CAD/CAMを駆使して、ジルコニアブロックからラミネートベニアシェルを切削加工機で削り出す。次に、炉でシンタリングを行い、適合調整してラミネートベニアシェルを仕上げる。内面のアルミナサンドブラスト処理は行わない。次に、ラミネートベニアシェル(7)の基台表面に、きりかね技法で金箔を細く切り分け、箔のりを使って、金箔を貼りあわせてアルファベットのRの文字(10)を描く。のり仮着焼成後、その表面に無鉛の透明釉薬を盛り、乾燥後、減圧下、上昇速度50℃/分、800℃前後で焼成して仕上げる。ジルコニアの特性である表面平滑性によってきれいな仕上がりとなる。この装飾法に限定するものではない。天然歯に適合するように微調整した後、歯科医により接着性レジンセメントを内面中央の凹部を避けて塗り、軽く押し付ける要領で、慎重に接着する。
ラミネートベニアシェルを外す際はあらかじめラミネートベニアシェルの歯頸部の中央部にある補強部にリムーバーの先端を掛けて、引き金を引いて外す。
装身具の一つであるペンダントについて
メタルに代わる素材として、ジルコニアの透光性と強度、靱性を生かして、直径15mmの円盤形のペンダント本体(11)と、内径2.5mmのリングを通す穴(14)を持つ保持部(13)との、一塊のジルコニア製品として製作するにあたり、所望のデザインをCADで形状データを作成、CAMで加工データを作成して、切削加工機でジルコニアブロックを削合してジルコニア製ペンダントの基台を製作する。ペンダント本体(11)から続く連結部(12)にかけては滑らかな曲線に仕上げることで見栄えが良くなる。次に、ふのりを混ぜた陶芸用絵の具を用いてジルコニア製基台に花の文様(15)を描く。乾燥後、上昇速度35℃/分、800℃前後で焼成して仕上げる。この装飾法に限定するものではない。その丸カンの代用となる穴に、リングを介して連結したチェーンを首回りに装着する。将来的には、チェーンもメタルから陶材に置き換わる日が来ることも予想される。
宝石を保持するフレーム(空枠)をジルコニアで製作する。
宝石を納める形状にデザインされたフレームをCAD/CAM装置を駆使し、側面の一部に設けられた連結部と一体の構造となるように、ジルコニアディスクを削合して仕上げる。連結部は側面か底面の一か所だけでなく、フレームの大きさによっては数か所に設けることになる。本発明の実施例では、半焼結の段階でフレームの周縁に、等間隔に10か所に透明な合成繊維の糸が通る穴をあける。その後、シンタリングを行い、ジルコニアフレームを完成させる。
次に、宝石(19)をフレーム(16)内に納めてから、起点となるフレームの穴(17)に透明で、強靭な合成繊維糸(18)を通し、反時計回りに、2穴飛ばしで、宝石を抑える形で、3つ目の穴に糸を通し、さらに2穴を飛ばして3つ目の穴に糸を通す。この動作を繰り返し、最後に起点となる穴に糸を通して、一まとめにした状態で熱処理して留める。メタルフリーなので、軽量で、しかも透明糸を使用しているので、宝石の輝きを阻害せず、今までにない光の反射がおこり、輝きが増す効果がある。おしゃれ感覚で色の付いた糸で保持固定して宝石と糸とのコントラストを楽しむ事もできる。
対象となる犬の犬歯にジルコニア全部冠を装着するまでの工程を説明する。
獣医の指示の下、形成された支台歯の歯型を採り、作業模型を作り、CAD/CAMに必要なデータを入力し、そのデータをもとに切削加工機を使ってジルコニアブロックを削合して犬用人工歯を仕上げる。咬合調節の後、接着性レジンセメントで接着する。
人工爪は、日頃、爪の形状、変色、破損、欠損、巻爪に悩んでいる人のための付け爪としての役割と、装飾された人工爪をおしゃれとして楽しむ用途がある。次に、本発明のラミネートベニアシェルは天然歯に削合というダメージを与えずに、口腔内からの情報発信のツールとして利用でき、装身具においては、メタルフリーの先駆けとし提供したい。一方、動物用人工歯と補填人工骨は、動物界の生命存続に役立つ。
1 人工爪
2 天然爪
3 両面テープ
4 指
5 薔薇が描かれた人工爪
6 天然歯の歯冠部
7 ラミネートベニアシェルの断面図
8 凹部
9 補強部
10 Rが描かれたラミネートベニアシェル
11 ペンダント本体(装身具の一つ)と保持部が一体化されている状態を示す斜視図
12 連結部
13 保持部
14 リングを通す穴
15 花の文様が描かれたペンダント
16 ジルコニア製フレーム(空枠)
17 フレームの穴
18 合成繊維糸
19 宝石

Claims (6)

  1. CAD/CAMシステム利用による、透光性と曲げ強さを併せ持つ陶材からなる人工爪(1)の製作方法とその装飾方法。
  2. CAD/CAMシステム利用による、ジルコニア製ラミネートベニアシェル(7)の内面中央に凹部(8)を設け、唇側歯頸部中央に補強部(9)を設けたラミネートベニアシェルの製造方法と装飾方法と、その着脱方法。
  3. CAD/CAMシステム利用による、ジルコニア製フレーム(16)又は装身具(11)の製造方法とその装飾方法。
  4. 請求項1,2,3記載の製造されたジルコニア製基台にきりかね技法で金箔を貼り、その上から透明釉薬を掛けて高温焼成して仕上げる装飾方法。
  5. 宝石又は請求項3記載のジルコニア製品とフレーム(16)を保持するための合成繊維糸(18)による固定方法。
  6. CAD/CAMシステム利用による、ジルコニア陶材からなる、動物用歯冠修復物、動物向け補填用人工骨の製作方法。
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