JP2021124317A - 回転センサ信号処理回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとの短絡を確実に検出することができる回転センサ信号処理回路を提供する。【解決手段】マイコン50は、A相電圧Vaの最大値、及び、B相電圧Vbの最大値に応じてA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBを生成する。第1コンパレータ41は、A相電圧VaとA相閾値電圧VrefAとの大小に応じたA相二値化信号VoutAを出力する。第2コンパレータ42は、B相電圧VbとB相閾値電圧VrefBとの大小に応じたB相二値化信号VoutBを出力する。マイコン50は、A相二値化信号VoutAとB相二値化信号VoutBとが同相であると、A相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡したと判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転センサ信号処理回路に関するものである。
回転センサの信号処理回路においては、コンパレータにおいて時間とともに変化するセンサ出力を閾値と比較して二値化信号(パルス信号)を出力する(例えば特許文献1)。また、互いに位相のずれた第1センサ出力及び第2センサ出力を第1コンパレータ及び第2コンパレータにおいて閾値電圧と比較してその大小に応じた二値化信号(パルス信号)を出力することにより回転角度と回転方向を検知することができる。
特開平9−257817号公報
ところで、2相電流出力型回転センサを用いた回転センサの信号処理回路が知られており、その一例を図9に示す。図9において、位相がずれた状態で変化するA相センサ出力電流IaとB相センサ出力電流Ibを入力して、プルダウン抵抗100,101を用いて電圧に変換した後に第1コンパレータ102及び第2コンパレータ103において閾値電圧Vrefと比較してその大小に応じた二値化信号(パルス信号)をマイコン104に出力することにより回転角度と回転方向を検知する。図10には、A相電圧Vaの波形、B相電圧Vbの波形、第1コンパレータ102の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)の波形、第2コンパレータ103の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)の波形を示す。
図10において、回転センサの最大出力電流が14mA、最小出力電流が6mA、プルダウン抵抗100,101の抵抗値が100Ω、A相電圧Va及びB相電圧Vbはハイレベルが1.4V、ローレベルが0.6V、閾値電圧が1.0±0.05V、第1コンパレータ102の出力であるA相二値化信号VoutA及び第2コンパレータ103の出力であるB相二値化信号VoutBはハイレベルが5V、ローレベルが0Vである。
図9において1点鎖線で示すごとくA相のセンサ出力電流Iaの導通ラインとB相のセンサ出力電流Ibの導通ラインが短絡したことを検出する必要がある。
図11、図12、図13に示すように、第1コンパレータ102の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)と第2コンパレータ103の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)が同相となれば短絡を検出可能であるが、同相となる場合と同相とならない場合がある。例えば、最大出力電流が14±2mA、最小出力電流が6±2mAとなっている場合においては、図11に示すように、最大出力電流が14mA、最小出力電流が6mAとなり、短絡した場合はマイコン認識電圧SSAとマイコン認識電圧SSBが同相とならない。一方、図12に示すように、最大出力電流が16mA、最小出力電流が8mAとなり、短絡した場合はマイコン認識電圧SSAとマイコン認識電圧SSBが同相となる。また、図13に示すように、最大出力電流が12mA、最小出力電流が4mAとなり、短絡した場合はマイコン認識電圧SSAとマイコン認識電圧SSBが同相となる。このように、閾値電圧Vrefが一定値の場合、出力電流のばらつきによって複数のマイコン認識パターンが存在し、常に同相とならないと短絡検出ができない。なお、図11ではA相電圧Va及びB相電圧Vbが1.0V付近において閾値電圧VrefよりもB相電圧Vbが若干大きく、閾値電圧VrefよりもA相電圧Vaが若干小さい場合を示したが、A相電圧Va及びB相電圧Vbが1.0V付近において閾値電圧VrefよりもA相電圧Vaが若干大きく、閾値電圧VrefよりもB相電圧Vbが若干小さい場合もマイコン認識電圧SSAとマイコン認識電圧SSBが同相とならないことは同様である。
本発明の目的は、第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとの短絡を確実に検出することができる回転センサ信号処理回路を提供することにある。
上記課題を解決するための回転センサ信号処理回路は、回転センサにおける回転に伴い変化する第1センサ出力電流の大きさに応じた第1変換電圧を生成するための第1プルダウン抵抗と、前記回転センサにおける回転に伴い前記第1センサ出力電流とは位相がずれた状態で変化する第2センサ出力電流の大きさに応じた第2変換電圧を生成するための第2プルダウン抵抗と、前記第1変換電圧の最大値及び前記第1変換電圧の最小値及び前記第2変換電圧の最大値及び前記第2変換電圧の最小値の少なくとも一つに応じて第1閾値電圧及び第2閾値電圧を生成する閾値電圧生成部と、前記第1変換電圧と前記第1閾値電圧との大小に応じた第1二値化信号を出力する第1コンパレータと、前記第2変換電圧と前記第2閾値電圧との大小に応じた第2二値化信号を出力する第2コンパレータと、前記第1二値化信号と前記第2二値化信号とが同相であると、前記第1センサ出力電流の導通ラインと前記第2センサ出力電流の導通ラインとが短絡したと判定する短絡検出部と、を備えることを要旨とする。
これによれば、閾値電圧生成部において、第1変換電圧の最大値及び第1変換電圧の最小値及び第2変換電圧の最大値及び第2変換電圧の最小値の少なくとも一つに応じて第1閾値電圧及び第2閾値電圧が生成され、短絡検出部において、第1二値化信号と第2二値化信号とが同相であると、第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとが短絡したことが判定される。
よって、第1変換電圧と固定値である閾値電圧との大小に応じた第1二値化信号と、第2変換電圧と固定値である閾値電圧との大小に応じた第2二値化信号とが同相であると、第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとが短絡したと判定する場合に比べ、第1センサ出力電流の大きさ及び第2センサ出力電流の大きさがばらついても確実に第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとの短絡を検出することができる。
また、回転センサ信号処理回路において、前記閾値電圧生成部は、前記第1変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第1閾値電圧として生成するとともに、前記第2変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第2閾値電圧として生成するとよい。
また、回転センサ信号処理回路において、前記閾値電圧生成部は、前記第1変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値又は前記第2変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧として生成するとよい。
本発明によれば、第1センサ出力電流の導通ラインと第2センサ出力電流の導通ラインとの短絡を確実に検出することができる。
実施形態における回転センサ信号処理回路の電気的構成を示す回路図。 回転センサ信号処理回路の電気的構成を示す回路図。 閾値決定処理を説明するためのフローチャート。 正常時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 別例の回転センサ信号処理回路の電気的構成を示す回路図。 従来回路の電気的構成を示す回路図。 従来回路における正常時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 従来回路における短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 従来回路における短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。 従来回路における短絡時のセンサ出力電流Ia,Ib、A相電圧Va、B相電圧Vb、二値化信号(マイコン認識電圧SSA,SSB)を示す図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、回転センサ信号処理回路10の本体部20は第1センサ出力電流入力ポート21と第2センサ出力電流入力ポート22を有する。本体部20は、第1プルダウン抵抗31と、第2プルダウン抵抗32と、第1コンパレータ41と、第2コンパレータ42と、マイコン50を備えている。
回転センサ60は、2相電流出力型回転センサであって、入力電圧印加ポート61と、第1センサ出力電流出力ポート62と、第2センサ出力電流出力ポート63と、スイッチング用トランジスタ64,65と、内部回路66,67を有する。入力電圧印加ポート61には定電圧が印加される。入力電圧印加ポート61と第1センサ出力電流出力ポート62との間にスイッチング用トランジスタ64が接続されている。入力電圧印加ポート61と第2センサ出力電流出力ポート63との間にスイッチング用トランジスタ65が接続されている。スイッチング用トランジスタ64は回転センサ60が検出する回転数に応じて内部回路66によりオン/オフされる。同様に、スイッチング用トランジスタ65は回転センサ60が検出する回転数に応じて内部回路67によりオン/オフされる。
第1センサ出力電流出力ポート62から、回転センサにおける回転に伴い変化する第1センサ出力電流としてのA相センサ出力電流Iaが出力される。第2センサ出力電流出力ポート63から、回転センサにおける回転に伴い変化する第2センサ出力電流としてのB相センサ出力電流Ibが出力される。A相センサ出力電流IaとB相センサ出力電流Ibとは、互いに回転センサにおける回転に伴い90°位相がずれた状態で変化する。
回転センサ60の第1センサ出力電流出力ポート62と、回転センサ信号処理回路10の本体部20の第1センサ出力電流入力ポート21とは、コネクタに設けられたワイヤW1にて電気的に接続されている。回転センサ60の第2センサ出力電流出力ポート63と、回転センサ信号処理回路10の本体部20の第2センサ出力電流入力ポート22とは、コネクタに設けられたワイヤW2にて電気的に接続されている。
回転センサ信号処理回路10の第1センサ出力電流入力ポート21に対し第1プルダウン抵抗31の一端が接続されている。第1プルダウン抵抗31の他端は接地されている。第1プルダウン抵抗31は、回転センサ60における回転に伴い変化するA相センサ出力電流Iaの大きさに応じた第1変換電圧としてのA相電圧Vaを生成するためのものである。
回転センサ信号処理回路10の第2センサ出力電流入力ポート22に対し第2プルダウン抵抗32の一端が接続されている。第2プルダウン抵抗32の他端は接地されている。第2プルダウン抵抗32は、回転センサ60における回転に伴いA相センサ出力電流Iaとは位相がずれた状態で変化するB相センサ出力電流Ibの大きさに応じた第2変換電圧としてのB相電圧Vbを生成するためのものである。
第1コンパレータ41の−入力端子には、第1プルダウン抵抗31の一端が接続されており、A相電圧Vaが印加される。第1コンパレータ41の+入力端子には、第1閾値電圧としてのA相閾値電圧VrefAが印加される。第1コンパレータ41は、A相電圧VaとA相閾値電圧VrefAとの大小に応じた第1二値化信号としてのA相二値化信号VoutAを出力することができる。即ち、第1コンパレータ41は、入力するA相電圧VaがA相閾値電圧VrefA以上である場合には出力端子がハイレベルとなり、入力するA相電圧VaがA相閾値電圧VrefA未満である場合には出力端子がローレベルとなる。第1コンパレータ41の出力端子にはプルアップ抵抗43を介して基準電圧電源(Vcc)が接続されている。
第2コンパレータ42の−入力端子には、第2プルダウン抵抗32の一端が接続されており、B相電圧Vbが印加される。第2コンパレータ42の+入力端子には、第2閾値電圧としてのB相閾値電圧VrefBが印加される。第2コンパレータ42は、B相電圧VbとB相閾値電圧VrefBとの大小に応じた第2二値化信号としてのB相二値化信号VoutBを出力することができる。即ち、第2コンパレータ42は、入力するB相電圧VbがB相閾値電圧VrefB以上である場合には出力端子がハイレベルとなり、入力するB相電圧VbがB相閾値電圧VrefB未満である場合には出力端子がローレベルとなる。第2コンパレータ42の出力端子にはプルアップ抵抗44を介して基準電圧電源(Vcc)が接続されている。
図4において、回転センサの最大出力電流が14mA、最小出力電流が6mA、プルダウン抵抗31,32の抵抗値が100Ωである。よって、回転センサの最大出力電流が14mAのときにA相電圧Va及びB相電圧Vbはハイレベルとして1.4Vとなる。回転センサの最小出力電流が6mAのときにA相電圧Va及びB相電圧Vbはローレベルとして0.6Vとなる。回転センサの最大出力電流が14mAのときにコンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)及びコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)はハイレベルとして5Vとなる。回転センサの最小出力電流が6mAのときにコンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)及びコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)はローレベルとして0Vとなる。
回転センサ信号処理回路10には、図2に短絡ラインで示すごとくワイヤW1とワイヤW2とが電気的に繋がる等の短絡を検出するための故障診断部11を有する。
故障診断部11は、マイコン50により構成されており、閾値電圧生成部と短絡検出部を含んでいる。
図1に示すように、マイコン50は、A/D(アナログ/デジタル)入力ポート51,52、電圧モニタポート53,54、D/A(デジタル/アナログ)出力ポート55,56を有する。第1コンパレータ41の出力端子がA/D入力ポート51に接続されている。第2コンパレータ42の出力端子がA/D入力ポート52に接続されている。電圧モニタポート53が第1プルダウン抵抗31の一端と接続されており、A相電圧Vaがモニタできる。電圧モニタポート54が第2プルダウン抵抗32の一端と接続されており、B相電圧Vbがモニタできる。
マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最大値に応じてA相閾値電圧VrefAを生成する。具体的には、A相電圧Vaの最大値(図4では1.4V)に対し所定量αだけ中央値(図4では1.0V)に近づけた値をA相閾値電圧VrefAとして生成する。
マイコン50による閾値電圧生成部は、B相電圧Vbの最大値に応じてB相閾値電圧VrefBを生成する。具体的には、B相電圧Vbの最大値(図4では1.4V)に対し所定量αだけ中央値(図4では1.0V)に近づけた値をB相閾値電圧VrefBとして生成する。
D/A出力ポート55が第1コンパレータ41の+入力端子と接続されており、第1コンパレータ41の+入力端子にA相閾値電圧VrefAを印加できる。D/A出力ポート56が第2コンパレータ42の+入力端子と接続されており、第2コンパレータ42の+入力端子にB相閾値電圧VrefBを印加できる。
マイコン50による短絡検出部は、第1コンパレータ41におけるA相電圧VaとA相閾値電圧VrefAとの大小に応じたA相二値化信号VoutAと、第2コンパレータ42におけるB相電圧VbとB相閾値電圧VrefBとの大小に応じたB相二値化信号VoutBとが同相であると、A相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡したと判定することができる。
次に、作用について説明する。
正常時において、図1においてA相センサ出力電流IaとB相センサ出力電流Ibとが位相がずれて流れる。第1プルダウン抵抗31により、回転センサにおける回転に伴い変化するA相センサ出力電流Iaの大きさに応じたA相電圧Vaが生成される。第2プルダウン抵抗32により、回転センサにおける回転に伴いA相センサ出力電流Iaとは位相がずれた状態で変化するB相センサ出力電流Ibの大きさに応じたB相電圧Vbが生成される。
第1コンパレータ41において、A相電圧VaとA相閾値電圧VrefAとの大小に応じたA相二値化信号VoutAが出力される(図4参照)。第2コンパレータ42において、B相電圧VbとB相閾値電圧VrefBとの大小に応じたB相二値化信号VoutBが出力される(図4参照)。
そして、マイコン50において、A相二値化信号VoutA又はB相二値化信号VoutBにより回転角度が検知される。また、マイコン50において、A相二値化信号VoutA及びB相二値化信号VoutBにより回転方向が検知される。具体的には、例えば、A相二値化信号VoutAの立ち上がりエッジとB相二値化信号VoutBの立ち上がりエッジの位相差τの発生方向により回転方向が検知できる。
マイコン50は、図3に示す閾値設定処理を実行する。
始動に伴いマイコン50は、図3のステップS100においてタイマカウンタのカウント値を初期化する。
マイコン50は、ステップS101において閾値電圧Vrefの初期値を決定する。具体的には、最大電流値Hhと最小電流値Ilの相加平均値(=(Ih+Il)/2)にプルダウン抵抗値Rdを乗算した値(={(Ih+Il)/2}×Rd)を、閾値電圧Vrefの初期値とする。
マイコン50は、ステップS102においてモニタ電圧であるA相電圧Vaが閾値電圧Vrefよりも大きいと、ステップS103においてモニタ電圧であるA相電圧Vaから所定量αを減算した値(=Va−α)を、A相閾値電圧VrefAとして設定する。
マイコン50は、ステップS104においてモニタ電圧であるB相電圧Vbが閾値電圧Vrefよりも大きいと、ステップS105においてモニタ電圧であるB相電圧Vbから所定量αを減算した値(=Vb−α)を、B相閾値電圧VrefBとして設定する。
なお、α値は、予め定めた値であり、センサ出力電流値、プルダウン抵抗31,32の抵抗値Rdを考慮して、A相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡した時に、コンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)とが確実に同相となるように値を決定する。
マイコン50は、ステップS106においてタイマカウンタのカウント値を「1」インクリメントして、ステップS107においてタイマカウンタのカウント値が所定値に達すると、閾値設定処理を終了する。
このように、始動後において所定時間が経過するまでの間において、A相電圧Vaの最大値に所定値αを減算した値をA相閾値電圧Vrefとして更新していくとともに、B相電圧Vbの最大値に所定値αを減算した値をB相閾値電圧VrefBとして更新していく。
なお、タイマカウンタによる閾値設定処理時間は、始動開始からマイコンの読み取り周期、回転センサ出力の周期を考慮しており、十分に長い時間である。
図2に示すように、ワイヤW1とワイヤW2との接触等によりA相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡すると、次のようになる。
A相センサ出力電流Iaが第1プルダウン抵抗31のみならず第2プルダウン抵抗32にも分流して流れる。また、B相センサ出力電流Ibが第2プルダウン抵抗32のみならず第1プルダウン抵抗31にも分流して流れる。
図5に示すように、最大出力電流が14mA、最小出力電流が6mAである時に、短絡した場合は、コンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)が同相となる。詳しくは、A相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)とは、同相かつ同波形となる。
最大出力電流が14±2mA、最小出力電流が6±2mAとなっている場合においては、図6に示すように、最大出力電流が16mA、最小出力電流が8mAとなり、短絡した場合は、コンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)が同相となる。詳しくは、A相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)とは、同相かつ同波形となる。
また、図6に代わり図7に示すように、最大出力電流が12mA、最小出力電流が4mAとなり、短絡した場合は、コンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)が同相となる。詳しくは、A相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)とは、同相かつ同波形となる。
このように、出力電流のばらつきによって複数のマイコン認識パターンが存在し、常に同相となり、短絡検出ができる。
このようにして、コンパレータ41,42の+入力端子の電圧値であるA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBとして、出力電流のばらつきに応じて、A相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡した時にマイコン認識電圧SSA,SSBが常に同相となるような値とすべく、マイコン50において、コンパレータ41,42の−入力端子の電圧値であるA相電圧Va及びB相電圧Vbを汎用A/D入力ポートである電圧モニタポート53,54より読み取り、A相電圧Va及びB相電圧Vbの最大値から所定量αを減算した値をA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBとして設定し、D/A出力ポート55,56に出力する。そして、コンパレータ41の出力であるA相二値化信号VoutA(マイコン認識電圧SSA)とコンパレータ42の出力であるB相二値化信号VoutB(マイコン認識電圧SSB)とを常に同相とすることで、短絡を検出することが可能となる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)回転センサ信号処理回路10の構成として、マイコン50により閾値電圧生成部と短絡検出部とを備える。閾値電圧生成部としてのマイコン50は、第1変換電圧としてのA相電圧Vaの最大値及び第2変換電圧としてのB相電圧Vbの最大値に応じて第1閾値電圧としてのA相閾値電圧VrefA及び第2閾値電圧としてのB相閾値電圧VrefBを生成する。短絡検出部としてのマイコン50は、第1二値化信号としてのA相二値化信号VoutAと第2二値化信号としてのB相二値化信号VoutBとが同相であると、第1センサ出力電流としてのA相センサ出力電流Iaの導通ラインと第2センサ出力電流としてのB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡したと判定する。
よって、A相電圧Vaと固定値である閾値電圧Vrefとの大小に応じたA相二値化信号と、B相電圧Vbと固定値である閾値電圧との大小に応じたB相二値化信号とが同相であると、A相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとが短絡したと判定する場合に比べ、A相センサ出力電流Iaの大きさ及びB相センサ出力電流Ibの大きさがばらついても確実にA相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとの短絡を検出することができる。
(2)マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最大値に対し所定量αだけ中央値に近づけた値(Va−α)をA相閾値電圧VrefAとして生成するとともに、B相電圧Vbの最大値に対し所定量αだけ中央値に近づけた値(Vb−α)をB相閾値電圧VrefBとして生成する。よって、A相センサ出力電流Iaの大きさ及びB相センサ出力電流Ibの大きさがばらついてもより確実にA相センサ出力電流Iaの導通ラインとB相センサ出力電流Ibの導通ラインとの短絡を検出することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最小値、及び、B相電圧Vbの最小値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を、第1閾値電圧及び第2閾値電圧として生成してもよい。例えば、図4において、A相電圧Vaの最小値が0.6Vならば0.6+αをA相閾値電圧VrefAとするとともに、B相電圧Vbの最小値が0.6Vならば0.6+αをB相閾値電圧VrefBとする。
あるいは、マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最大値、及び、B相電圧Vbの最小値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を、第1閾値電圧及び第2閾値電圧として生成してもよい。あるいは、マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最小値、及び、B相電圧Vbの最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を、第1閾値電圧及び第2閾値電圧として生成してもよい。
要は、閾値電圧生成部としてのマイコン50は、A相電圧Vaの最大値及びA相電圧Vaの最小値及びB相電圧Vbの最大値及びB相電圧Vbの最小値の少なくとも一つに応じてA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBを生成するとよい。特に、マイコン50による閾値電圧生成部は、A相電圧Vaの最大値及びB相電圧Vbの最大値に対し所定量αだけ中央値に近づけた値を、第1閾値電圧及び第2閾値電圧として生成するのが好ましい。
○ 図1ではA相閾値電圧VrefAとB相閾値電圧VrefBとを個別に生成したが、これに代わり、図8に示すように、マイコン50によりA相とB相で共通の閾値電圧VrefABを決定してもよい。即ち、A相閾値電圧VrefAとB相閾値電圧VrefBとを同じ値(VrefAB)として生成してもよい。
このとき、A相電圧Vaの最大値で閾値電圧VrefABを決定してもよい。あるいは、B相電圧Vbの最大値で閾値電圧VrefABを決定してもよい。あるいは、A相電圧Vaの最小値で閾値電圧VrefABを決定してもよい。あるいは、B相電圧Vbの最小値で閾値電圧VrefABを決定してもよい。
図1の構成と図8の構成との対比において、図1の構成の場合にはA相電圧Vaの最大値や最小値及びB相電圧Vbの最大値や最小値にばらつきがあってもより適切にA相閾値電圧VrefAとB相閾値電圧VrefBを生成することができる。
特に、閾値電圧生成部としてのマイコン50は、第1変換電圧としてのA相電圧Vaの最大値に対し所定量αだけ中央値に近づけた値又は第2変換電圧としてのB相電圧Vbの最大値に対し所定量αだけ中央値に近づけた値を第1閾値電圧としてのA相閾値電圧VrefA及び第2閾値電圧としてのB相閾値電圧VrefBとして生成するのが好ましい。
○ 閾値電圧生成部としてのマイコン50は、減算(−α)または加算(+α)によりA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBを生成したが、これに代わり、乗算(×β)によりA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBを生成してもよい。具体的には、A相電圧Vaの最大値に対し所定比率で中央値に近づけた値をA相閾値電圧VrefAとして生成するとともに、B相電圧Vbの最大値に対し所定比率で中央値に近づけた値をB相閾値電圧VrefBとして生成してもよい。例えば、図4において、A相電圧Vaの最大値が1.4Vならば1.4×β(例えばβ=0.9)をA相閾値電圧VrefAとするとともに、B相電圧Vbの最大値が1.4Vならば1.4×β(例えばβ=0.9)をB相閾値電圧VrefBとする。
また、閾値電圧生成部としてのマイコン50は、A相電圧Vaの最小値に対し所定比率で中央値に近づけた値をA相閾値電圧VrefAとして生成するとともに、B相電圧Vbの最小値に対し所定比率で中央値に近づけた値をB相閾値電圧VrefBとして生成してもよい。例えば、図4において、A相電圧Vaの最小値が0.6Vならば0.6×β(例えばβ=1.1)をA相閾値電圧VrefAとするとともに、B相電圧Vbの最小値が0.6Vならば0.6×β(例えばβ=1.1)をB相閾値電圧VrefBとする。
また、閾値電圧生成部としてのマイコン50は、A相電圧Vaの最大値に対し所定比率で中央値に近づけた値又はB相電圧Vbの最大値に対し所定比率で中央値に近づけた値をA相閾値電圧VrefA及びB相閾値電圧VrefBとして生成してもよい。
10…回転センサ信号処理回路、31…第1プルダウン抵抗、32…第2プルダウン抵抗、41…第1コンパレータ、42…第2コンパレータ、50…マイコン、60…回転センサ、Ia…A相センサ出力電流、Ib…B相センサ出力電流、Va…A相電圧、Vb…B相電圧、VrefA…A相閾値電圧、VrefB…B相閾値電圧、VoutA…A相二値化信号、VoutB…B相二値化信号、α…所定量。

Claims (3)

  1. 回転センサにおける回転に伴い変化する第1センサ出力電流の大きさに応じた第1変換電圧を生成するための第1プルダウン抵抗と、
    前記回転センサにおける回転に伴い前記第1センサ出力電流とは位相がずれた状態で変化する第2センサ出力電流の大きさに応じた第2変換電圧を生成するための第2プルダウン抵抗と、
    前記第1変換電圧の最大値及び前記第1変換電圧の最小値及び前記第2変換電圧の最大値及び前記第2変換電圧の最小値の少なくとも一つに応じて第1閾値電圧及び第2閾値電圧を生成する閾値電圧生成部と、
    前記第1変換電圧と前記第1閾値電圧との大小に応じた第1二値化信号を出力する第1コンパレータと、
    前記第2変換電圧と前記第2閾値電圧との大小に応じた第2二値化信号を出力する第2コンパレータと、
    前記第1二値化信号と前記第2二値化信号とが同相であると、前記第1センサ出力電流の導通ラインと前記第2センサ出力電流の導通ラインとが短絡したと判定する短絡検出部と、
    を備えることを特徴とする回転センサ信号処理回路。
  2. 前記閾値電圧生成部は、前記第1変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第1閾値電圧として生成するとともに、前記第2変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第2閾値電圧として生成することを特徴とする請求項1に記載の回転センサ信号処理回路。
  3. 前記閾値電圧生成部は、前記第1変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値又は前記第2変換電圧の最大値に対し所定量だけ中央値に近づけた値を前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧として生成することを特徴とする請求項1に記載の回転センサ信号処理回路。
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