JP2021124114A - 固定スクロール、及びスクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

【課題】冷媒の流動制限または好ましくない圧力降下を防止する独立的に提供された固定スクロール構造を提供する。
【解決手段】スクロール圧縮機のための固定スクロール１は固定スクロールの第１面２１から反対側の第２面２２まで軸方向に延びる複数のピラー部分５０を含む。複数のピラー部分のそれぞれはスクロール圧縮機の圧縮チャンバーを少なくとも部分的に限定する螺旋形構造３６の半径方向に外向して離隔される。固定スクロールはスクロール圧縮機の圧縮チャンバー内に離隔された流動開口の環形アレイをさらに含み、それぞれの流動開口４５はピラー部分のうち隣接したピラー部分間に形成される。
【選択図】図１

Description

本発明は車両空調システムのための冷媒スクロール圧縮機に係り、より詳しくは、ピラー（ｐｉｌｌａｒ）のうち隣接したピラー間に拡大された冷媒流動開口を提供するように構成された複数の軸方向に延びるピラーを有するスクロール圧縮機の内部固定スクロールに関する。

自動車空調システムにおいて、冷媒スクロール圧縮機の使用は、このような類型の圧縮機が堅固な構造的デザインを有してコスト効率的に生産されて使用できるので非常に好ましい。また、スクロール圧縮機は内部から半径方向に作動し、圧縮機に対して比較的短い軸方向の設置距離をもたらす。従って、電気冷媒圧縮機は機械的冷媒圧縮機に比べていかなる追加的な設置空間も要せず設計することができる。

スクロール圧縮機の圧縮原理はそれぞれのスクロールの対応する螺旋形構造の側面間に空間が形成されるように旋回スクロールが固定スクロール内において振子方式で移動し、空間は外部半径方向周辺から中心に向かって小さくなり、従って周辺から収集された冷媒ガスを圧縮するということでなされる。最終圧縮圧力は螺旋形構造の中央軸方向領域で得られ、冷媒ガスは軸方向に位置された排出チャンバーに高圧で軸方向に排出される。

一部スクロール圧縮機構成において、固定スクロールはハウジングの軸方向端部部分から軸方向に内向して延びる螺旋形突出部により形成されるように、スクロール圧縮機のハウジングの一部により形成される。しかし、他のスクロール圧縮機で、固定スクロールは対応する旋回スクロールに対して所望の位置でハウジングの周辺構造に統合される別途のボディーとして代わりに提供される。

このような独立的に提供される固定スクロール構成で、固定スクロール構造はスクロール圧縮機に対して固定スクロールを位置させることを助けるためにその螺旋形構造を囲む円周方向に延びる壁をさらに含むものが一般的である。円周方向に延びる壁はまたスクロール圧縮機のハウジングに直接結合できる固定スクロールの一部を形成する。

冷媒が螺旋形構造と周辺円周壁間に形成された空間に入ると同時に円周壁を囲むハウジングの一部から半径方向に内向して流動することが一般的である。このような半径方向内向流動はこのような独立的に提供された固定された内部スクロールの円周壁に形成される流動開口を要求し、これは典型的に冷媒を導入するために所望の位置で円周壁に円形の半径方向ボアを形成することにより達成される。

しかし、このような半径方向ボアは冷媒が圧縮機の軸方向への流動から圧縮機の半径方向への流動に変わる時、方向が非常に急激に変わらなければならず、これは冷媒の圧力降下につながるという多くの短所を提供する。半径方向ボアが形成される方式はまた冷媒が方向を変化させる急激な９０°端の形成を引き起こし、これは冷媒の流動によりさらに好ましくない影響を及ぼす。最後に、このような半径方向ボアは典型的に比較的小さな流動断面を含むように提供され、これは固定された内部スクロールにより部分的に限定された圧縮チャンバーに入る時、冷媒に流動制限を示す半径方向ボアにつながる。このような流動制限はスクロール圧縮機の性能に好ましくない影響を及ぼし得る。

特開２０１７−１７２５０６号公報

従って、本発明は、固定スクロール構造により部分的に限定された圧縮チャンバーに入る時、冷媒の前述した流動制限または好ましくない圧力降下を防止する独立的に提供された固定スクロール構造を提供することを目的とする。

本発明は、拡大された流動開口が固定スクロール構造の隣接した突出部分間に形成された内部固定スクロール構造を有するスクロール圧縮機に関する。

本発明の実施例によれば、スクロール圧縮機のための固定スクロールは前記固定スクロールの第１面から反対側の第２面までの軸方向に延びそれぞれが前記スクロール圧縮機の圧縮チャンバーを少なくとも部分的に限定する螺旋形構造の半径方向に外向して離隔される複数のピラー部分と、前記固定スクロールはまた前記スクロール圧縮機の前記圧縮チャンバー 内に離隔された流動開口のそれぞれは前記ピラー部分のうち隣接した前記ピラー部分間に形成される環形アレイとを含む。

本発明の他の実施例によれば、スクロール圧縮機のための固定スクロールは、前記固定スクロールの第１面から反対側の第２面まで軸方向に延びる円周壁を含む。前記第１面が前記固定スクロールの端部壁により限定される。前記円周壁が前記端部壁の最外側周辺から延び、前記端部壁から軸方向に延びる螺旋形構造を囲む。前記螺旋形構造が前記スクロール圧縮機の圧縮チャンバーを少なくとも部分的に限定する。複数の不連続部分は前記円周壁で複数のピラー部分を形成するように前記固定スクロールの前記第２面で前記円周壁に形成され、前記ピラー部分のそれぞれは前記不連続部分のうち隣接した不連続部分間に形成される。前記不連続部分のそれぞれは前記スクロール圧縮機の前記圧縮チャンバー内への流動開口を形成する。

本発明の他の実施例によれば、自動車空調システムのためのスクロール圧縮機は第１螺旋形構造を有する旋回スクロール、及び固定スクロールの第１面からその反対側の第２面まで軸方向に延びる複数のピラー部分を含む前記固定スクロールを含む。前記複数のピラー部分のそれぞれは前記スクロール圧縮機の少なくとも１つの圧縮チャンバーを限定するために前記旋回スクロールの第１螺旋形構造と協力するように構成された第２螺旋形構造の半径方向で外向して離隔される。前記固定スクロールは前記スクロール圧縮機の前記圧縮チャンバー内への離隔された流動開口の環形アレイをさらに含み、前記流動開口のそれぞれは前記ピラー部分のうち隣接したピラー部分間に形成される。

ピラー部分は任意の形態を有することができるが、好ましくは、固定スクロールの周辺周囲に円周方向で離隔された円筒形セクションである。固定スクロールの第２面から特定高さでピラー部分の厚さまたは幅を最小化するために、ピラー部分のうち隣接したピラー部分間に補強壁が具現できる。それぞれの補強壁の高さ及び形状は固定スクロールの製造工程及び剛性要件により個別的に限定されることができる。

本発明によれば、冷媒の流動制限または好ましくない圧力降下を防止する独立的に提供された固定スクロール構造を提供できる。

本発明の実施例の他の特定、特徴及び長所は関連図面を参照して説明する。
本発明の実施例によるスクロール圧縮機で使用するための固定スクロールの平面斜視図である。 図１の固定スクロールの底面斜視図である。 図１の固定スクロールの平面図である。 図１の固定スクロールの側面図である。 図１乃至図４の固定スクロールが作動的に設置されたスクロール圧縮機の部分断面図である。 スクロール圧縮機の固定スクロール、旋回スクロール、及び固定スクロールがその中に配置されたハウジング部分による断面図であり、図５に図示する作動位置にある時に固定スクロールが結合されるスクロール圧縮機の他のハウジング部分に向かって指向される図面である。 固定スクロールの反対に向かった側面で流動開口を形成する固定スクロールを通じた図５のスクロール圧縮機の部分断面図である。 図１乃至図７の固定スクロールの流動開口と比較して軸方向に延びる流動開口を有する本発明の他の実施例による固定スクロールの平面斜視図である。 図１乃至図７の固定スクロールの流動開口と比較して軸方向に延びる流動開口を有する本発明の他の実施例による固定スクロールの平面斜視図である。

次の詳細な説明及び添付図面は本発明の多様な例示的な実施例を記述し、例示する。詳細な説明及び図面は当業者が本発明に基づき製造して使用できるようにする役割をし、いかなる方式でも本発明の範囲を制限するものではない。

図１乃至図４は本発明の実施例によるスクロール圧縮機（１０）において使用するための固定スクロール（１）を図示する。固定スクロール（１）は、一般的に形状が円形であり固定スクロール（１）の第１面（２１）を限定する外部軸方向表面を含む軸方向の端部壁（２４）を含み、第１面（２１）は実質的に平面構成である。端部壁（２４）の反対側の内部軸方向の表面はこれから突出する螺旋形構造（３６）を含む。固定スクロール（１）は固定スクロール（１）の軸方向で端部壁（２４）から遠くなるように延びる複数のピラー部分（５０）をさらに含み、ピラー部分（５０）のそれぞれは端部壁（２４）の周辺周囲で互いから円周方向に離隔される。ピラー部分（５０）は端部壁（２４）から突出する螺旋形構造（３６）を囲む環形アレイを形成する。ピラー部分（５０）のそれぞれは固定スクロール（１）の第１面（２１）から最大距離だけ離隔された遠位表面（５１）を含む。ピラー部分（５０）の遠位表面（５１）のそれぞれはピラー部分（５０）の円周方向で離隔された遠位表面（５１）が固定スクロール（１）の第２面（２２）を形成するように共通平面上に形成される。従って、ピラー部分（５０）のそれぞれは固定スクロール（１）の第１面（２１）から反対側の平行するように配列された第２面（２２）まで軸方向に延びる。ピラー部分（５０）のそれぞれの遠位表面（５１）は螺旋形構造（３６）の遠位軸方向表面が離隔されたものより固定スクロール（１）の第１面（２１）からさらに離隔され、螺旋形構造（３６）の遠位軸方向表面が固定スクロール（１）の第２面（２２）から内向して配置される。

固定スクロール（１）はピラー部分（５０）のうち２つの隣接するピラー部分間に提供されてピラー部分を連結する複数の補強壁（５２）をさらに含む。補強壁（５２）のそれぞれは固定スクロール（１）の第１面（２１）から第２面（２２）に向かって固定スクロール（１）の端部壁（２４）から軸方向に延びる。補強壁（５２）は固定スクロール（１）の第２面（２２）まで軸方向で完全に延びず、ピラー部分（５０）のそれぞれは固定スクロール（１）の第１面（２１）から第２面（２２）に向かって軸方向で補強壁（５２）のそれぞれを越えて軸方向に延びる。固定スクロール（１）の軸方向の補強壁（５２）のそれぞれの高さは固定スクロール（１）の構造的考慮及び製造工程要件に基づいて個別的に限定されてそれにより変わる。補強壁（５２）は好ましくは、固定スクロール（１）に所望の構造的無欠性を提供するのに適した軸方向への最小高さを含むと同時に後述するようにそれぞれの隣接したピラー部分（５０）間に形成された流動面積を最大化するように提供される。

図１乃至図４に図示するように、補強壁（５２）の少なくとも一部はピラー部分（５０）のそれぞれに隣接した固定スクロール（１）を補強及び強化することを助けるために増加された半径方向厚さを含むことができる。従って、補強壁（５２）の包含は半径方向で減少された厚さを有するピラー部分（５０）の形成を容易にすると同時に、作動の間、固定スクロール（１）の堅固性を維持できる。補強壁（５２）は、スクロール圧縮機（１０）内で固定スクロール（１）の作動の間、固定スクロール（１）により軸方向の任意の内部圧力または他の力に耐えられるようにピラー部分（５０）を助けるために提供されることができる。例えば、冷媒の圧縮の間、スクロール圧縮機（１０）の隣接した部分を密封するために固定スクロール（１）に印加された力または螺旋形構造（３６）内の力は固定スクロール（１）の軸方向でピラー（５０）に印加できる。従って、ピラー部分（５０）が特に高い軸方向負荷を受ける時、ピラー部分（５０）の挫屈または他の形態の変形を防止するために補強壁（５２）の導入を通じて強化できる。

螺旋形構造（３６）の半径方向最外側部分は固定スクロール（１）の周辺周囲の１つ以上の補強壁（５２）及び／またはピラー部分（５０）と併合でき、螺旋形構造（３６）の残りは端部壁（２４）の中央領域に配置されたその中央部分に向かって半径方向に内向して巻き取られる。排出開口（３８）は螺旋形構造（３６）の最も中央部分に隣接した端部壁（２４）を通じて形成され、固定スクロール（１）の第１面（２１）まで延びる。

補強壁（５２）に対するピラー部分（５０）の構成はその周辺周囲に配置された複数の流動開口（４５）を含む固定スクロール（１）を形成し、流動開口（４５）のそれぞれはピラー部分（５０）のうち２つの隣接したピラー部分間に配置される。さらに具体的に、流動開口（４５）のそれぞれはピラー部分（５０）のうち２つの外部部分と、ピラー部分（５０）のうち２つの外部部分を連結する補強壁（５２）のうち１つの軸方向端部部分により限定される。従って、流動開口（４５）のそれぞれは固定スクロール（１）の第２面（２２）から第１面（２１）に向かった方向で軸方向に延びると同時に、介在された補強壁（５２）の包含により第１面（２１）近くで停止される。流動開口（４５）のそれぞれは冷媒が図５乃至図７を参照してさらに詳細に説明するように固定スクロール（１）の内部に入る時、冷媒が螺旋形構造（３６）に向かって半径方向に内向して流動することを可能にする。

流動開口（４５）は必要によって実質的に半円形形状、実質的に三角形形状、または丸い長方形と類似の形状を含む任意の所望の断面形状を含むことができる。当業者は本発明の範囲を必ず逸脱することなく冷媒の通過を許容する任意の適した形状が利用できることを認識しなければならない。しかし、流動開口（４５）のそれぞれの断面形状は固定スクロール（１）の製造容易性を実現にするために第２面（２２）から第１面（２１）に向かって進行する時、一定するか、漸進的に減少する幅を含むことが好ましい。例えば、固定スクロール（１）は固定スクロール（１）の構造形状が対応するダイまたはモールドを通じて確立する適切な鍛造工程を用いて形成されることができる。固定スクロール（１）は代案的に本発明の範囲を必ず逸脱することなく必要によって適切な鋳造または成形工程により形成されることができる。それぞれのピラー部分（５０）及びそれぞれを連結する補強壁（５２）の高さ、厚さ及び一般的な構成は固定スクロール（１）の製造工程の類型及び固定スクロールを形成することに用いられる材料に基づいて固定スクロール（１）の構造的特性を考慮して選択できる。固定スクロール（１）は適切な金属材料のような任意の実質的に剛性のある材料で形成できる。本明細書に開示しているような固定スクロール（１）は好ましくは、適切なアルミニウム合金またはその一部が場合に必要によって適した鋼合金で形成できる。

図１乃至図４に図示するように、固定スクロール（１）はその中に形成された流動開口（４５）のそれぞれの周辺周囲での略アーチ型輪郭を含む。具体的に、ピラー部分（５０）と補強壁（５２）により限定されるような固定スクロール（１）の外部円周表面は、固定スクロール（１）の幾何学的形状での急激な端または急激な回転（ｔｕｒｎ）の形成を防止するために流動開口（４５）のそれぞれの周辺周囲に膨らんだアーチ型輪郭で半径方向に内向して回転する。このような急激な回転は流動開口（４５）のうち１つを通じて固定スクロール（１）に進入すると同時に固定スクロール（１）の半径方向に内向する方向で流動する時、冷媒に対する圧力降下または流動制限につがることが回避される。

従って、前述したような固定スクロール（１）の構成は代案的にその螺旋形構造（３６）を囲む位置で端部壁（２４）の最外側周辺から軸方向に突出する円周壁を含むものであると説明でき、円周壁は端部壁（２４）の周辺周囲に交互に延びることによって共に併合されるピラー部分（５０）と補強壁（５２）の協同により形成される。従って、流動開口（４５）は固定スクロール（１）の第２面（２２）に形成された円周壁の不連続部分として提供され、不連続部分のそれぞれは固定スクロール（１）の第２面（２２）からその第１面（２１）に向かった方向に延びる軸方向切り欠き部と類似する。従って、不連続部分を形成するそれぞれの切り欠き部は前述した補強壁（５２）のうち１つと軸方向で整列される一方、前述したピラー部分（５０）のそれぞれは不連続部分のうち隣接した不連続部分間に配置された円周壁の部分により形成される。

固定スクロール（１）は好ましくは、スクロール圧縮機（１０）の対応するハウジング内に挿入される時、固定スクロール（１）の安定した構成を保障するために少なくとも３つのピラー部分（５０）が形成される。実施例において、固定スクロール（１）は６つの流動開口（４５）により分離されたような６つのピラー部分（５０）を含む。固定スクロール（１）の第２面（２２）での流動開口（４５）に比べてピラー部分（５０）により占有された固定スクロール（１）の円周の比率は任意の適切な比率であり得るが、約１対１の比率のものを図１乃至図４に開示する。さらに具体的に、図１乃至図４に図示する実施例はその第２面（２２）で固定スクロール（１）の全体円周の約５３．５％を占有するピラー部分（５０）を含み、全体円周の残り４６．５％が第２面（２２）で流動開口（４５）により占有される。しかし、第２面（２２）でピラー部分（５０）対流動開口（４５）の円周比率は４対１（固定スクロール（１）が全体円周の８０％）にすることができるが、冷媒が半径方向で固定スクロール（１）に入る時、冷媒の流動制限及び圧力降下に関して、本明細書に開示するように本発明のメリットを提供する。説明した比率は代案的に固定スクロール（１）の第２面（２２）で存在する組み合わせられた円周壁の全体円周の１８０°以下を占有するピラー部分（５０）と補強壁（５２）の協同により形成された組合わされた円周壁の不連続部分として説明できる。

図４に図示すように、流動開口（４５）のうち少なくとも１つは第１面（２１）と第２面（２２）間の全体軸方向距離の少なくとも１／３分延長できる。具体的に、最も大きな軸方向延長部を有する流動開口（４５）のうち少なくとも１つは必要によって面（２１、２２）間の全体距離の約４５％に延長できる。相違する流動開口（４５）は作動の間、固定スクロール（１）に印加された軸方向の力に耐えるために固定スクロール（１）の内部への冷媒の所望の流動及び固定スクロール（１）の構造的要件によって可変的な軸方向延長部を含むことができる。

固定スクロール（１）は第２面（２２）から第１面（２１）に向かう軸方向に固定スクロール（１）内に延びる少なくとも２つのカプラー開口（６０）をさらに含む。一対のカプラー開口（６０）のそれぞれはピラー部分（５０）のうち１つの遠位表面（５１）内に形成でき、カプラー開口（６０）のうち１つを有するこれらピラー部分（５０）はカプラー開口（６０）のそれぞれの周辺周囲の対応するピラー部分（５０）の減少された厚さを収容するように固定スクロール（１）の半径方向でさらに大きな全体厚さを含むことができる。実施例において、カプラー開口（６０）はピラー部分（５０）のうち中間に配置されたピラー部分により、互いから分離されるが、スクロール圧縮機（１０）の残りに対して設置される時、カプラー開口（６０）が固定スクロール（１）の好ましくない回転または併進を防止するために適切に配置される限り、ピラー部分（５０）間のカプラー開口（６０）の任意の分布は本発明の範囲から逸脱することなく利用できる。

実施例において、カプラー開口（６０）はカプラー開口（６０）が固定スクロールの第１面（２１）まで固定スクロール（１）の全体を貫通しないように固定スクロール（１）の軸方向に対してピラー部分（５０）のそれぞれの一部を通じてのみ延びる。カプラー開口（６０）は必要によって対応するカプラーを収容するための任意の所望の深さ及び形状を有することができる。カプラー開口（６０）はまたそれぞれのカプラー開口（６０）が実質的に円筒形形状の断面が実質的に円形であるとして図示する。しかし、カプラー開口（６０）は図５を参照すると、必要によって対応するカプラーと結合するのに適した任意の断面形状を有することができる。

固定スクロール（１）の第１面（２１）は、その中に形成されて第２面（２２）に向かって固定スクロール（１）の軸方向に延びる一対の位置選定開口（６２）をさらに含む。位置選定開口（６２）はカプラー開口（６０）の直接反対側に形成されるものとして図示したが、互いに反対に向かう開口（６０、６２）はその軸方向に対して固定スクロール（１）を通じて連続する開口を形成するように固定スクロール（１）のボディー（２０）内で互いに会わない。位置選定開口（６２）はスクロール圧縮機で行われる製造工程の間、固定スクロール（１）を適切に位置させるために提供され、従って固定スクロール（１）は本明細書に開示した方式で作動することに選択的であり不回避なものではない。

固定スクロール（１）の第１面（２１）から第２面（２２）に向かう軸方向に少なくとも部分的に第１面（２１）に形成され、端部壁（２４）を貫通する程度ではない密封グルーブ（６３）を含むものとして図示する。密封グルーブ（６３）は第１面（２１）とスクロール圧縮機（１０）の隣接した表面間の圧縮のために構成された密封口（６４）（図５及び図７に図示）を収容するように構成される。密封グルーブ（６３）は主に第１面（２１）の周辺周囲に延び、圧力調節開口（６５）を囲む閉鎖ループ部分をさらに含む。圧力調節開口（６５）は固定スクロール（１）の全体を通してその第１面（２１）から第２面（２２）まで軸方向に延びる。圧力調節開口（６５）は従来技術のようにスクロール圧縮機（１０）内の所望の位置での圧力を調節するために固定スクロール（１）の第１面（２１）と第２面（２２）間で冷媒の一部を連通させるように構成される。従って、密封グルーブ（６３）の閉鎖ループ部分及び対応する密封口（６４）は固定スクロール（１）の第１面（２１）に隣接した位置で排出開口（３８）と圧力調節開口（６５）間で冷媒の希望しない連通を防止するために圧力調節開口（６５）を囲むように配置される。圧力調節開口（６５）はそれぞれのカプラー開口（６０）と類似する方式で固定スクロール（１）のピラー部分（５０）のうち１つの拡大された部分を通じて配置される円筒形開口として提供され、それにより、対応するピラー部分（５０）の拡大された部分は固定スクロール（１）に作用する軸方向力に反応して変形に対してピラー部分（５０）を安定化させて強化させるためにまた提供される。

図５乃至図７には、スクロール圧縮機（１０）に対する固定スクロール（１）の１つの例示的な設置を図示しており、本発明による固定スクロール（１）の有利な特徴を開示するが、必要なスクロール圧縮機（１０）の部分のみ図示する。固定スクロール（１）に隣接して配置されたスクロール圧縮機（１０）の関連部分は一般的にスクロール圧縮機（１０）のハウジング（２）と、その間で冷媒を圧縮するために固定スクロール（１）と整合するように構成された旋回スクロール（７０）を含む。

旋回スクロール（７０）は第１面（７１）から反対側の離隔された第２面（７２）まで軸方向に延びる。第１面（７１）と第２面（７２）はそれぞれ実質的に平面構成であり互いに平行するように配列される。旋回スクロール（７０）の第１面（７１）は旋回スクロール（７０）と固定スクロール（１）間を流動する時、その軸方向で冷媒の流動の範囲を決めるように構成された旋回スクロール（７０）の端部壁（７４）を形成する。螺旋形構造（７６）は端部壁（７４）から遠くなるように軸方向で突出し、螺旋形構造（７６）の遠位に配列された表面が旋回スクロール（７０）の第２面（７２）を形成する。

それぞれのスクロール（１、７０）の螺旋形構造（３６、７６）のそれぞれによる断面図を図示する図６に最もよく表されるように、旋回スクロール（７０）の螺旋形構造（７６）は、重なった構成を形成するように固定スクロール（１）の螺旋形構造（３６）内に形成された空間内に介在される。従来技術のように、旋回スクロール（７０）が固定スクロール（１）に対して軌道運動するように構成され、２つの対向するキャビティは介在された螺旋形構造（３６、７６）間に連続的に形成され、キャビティはキャビティがそれぞれのスクロール（１、７０）の中央領域に向かって半径方向に内向して行われることによって体積が漸進的に減少する。このような減少する流動体積は圧縮された冷媒ガスが螺旋形構造（３６、７６）の中心に位置された排出開口（３８）を通じて軸方向で最終的に排出する時まで冷媒ガスを連続的に圧縮する。旋回スクロールは必要によって旋回スクロールの軌道運動を引き起こす回転シャフトに結合できる。旋回スクロール（７０）と固定スクロール（１）間に形成されたキャビティはスクロール圧縮機（１０）の圧縮チャンバー（３５）と指称され、圧縮チャンバー（３５）のそれぞれは旋回スクロール（７０）の螺旋形構造（７６）だけではなく固定スクロール（１）の螺旋形構造（３６）により少なくとも部分的に限定される。従って、固定スクロール（１）の内部への冷媒の前述した半径方向流動は前述した圧縮チャンバー（３５）のうち１つへの進入に向かった冷媒流動だけではなく流動開口（４５）のうち１つによる流動に対応する。

ハウジング（２）は一般的に第１ハウジング部分（３）及び第２ハウジング部分（４）を含む。一部の実施例において、第１ハウジング部分（３）はスクロール圧縮機（１０）の中心ハウジングを示す一方、第２ハウジング部分（４）は必要によってスクロール圧縮機（１０）の後方ハウジングを示すことができる。第１ハウジング部分（３）は、ピラー部分（５０）の遠位表面（５１）により形成されると同時に旋回スクロール（７０）の第１面（７１）に直ぐ隣接して配置されるものとして固定スクロール（１）の第２面（２２）と噛み合うように構成された実質的に平面である第１端部（５）を含む。従って、第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）は固定スクロール（１）の第２面（２２）により限定された平面上の流動開口（４５）のそれぞれの周辺の一部を限定する。第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）は、固定スクロール（１）の第２面（２２）と旋回スクロール（７０）の第１面（７１）により占有された実質的に同一な平面に沿ってスクロール圧縮機（１）の周辺周囲の第２ハウジング部分（４）の第１端部（６）と噛み合うように追加で構成される。

図５乃至図７のそれぞれに図示するように、第１ハウジング部分（３）は、その中に形成されて第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）で終結する複数の軸方向に延びる冷媒連通通路（７）を含む。それぞれの冷媒連通通路（７）は冷媒がスクロール圧縮機（１０）を通じて固定スクロール（１）及び旋回スクロール（７０）の位置に向かって軸方向で流動することを可能にするように提供され、従って、それぞれの冷媒連通通路（７）の上流端部（図示しない）はスクロール圧縮機（１０）内への冷媒入口ポート（図示しない）と流体連通される。冷媒連通通路（７）は、冷媒連通通路（７）を通じて運送される冷媒が流動開口（４５）内に円滑に回転する前に軸方向で流動することを可能にする方式でピラー部分（５０）の外部円周表面の半径方向で外向して直ぐ配置される位置で第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）で終結される。図６に最もよく図示されているように、冷媒連通通路（７）は、流動開口（４５）のうち円周方向で離隔された流動開口まで固定スクロール（１）の円周方向で好ましくない距離を流動することなく冷媒が円周方向で離隔された流動開口（４５）のうち１つを通じて流動することを可能にする方式でピラー部分（５０）及び補強壁（５２）により形成されるように固定スクロール（１）の外部円周表面周囲に円周方向で分布することができ、そうでなければ流動開口（４５）に向かって流動する時の方向での追加的な変化につながり冷媒の圧力での損失を招き得る。

冷媒連通通路（７）は図５乃至図７に図示するように第１ハウジング部分（３）に形成された間隙として提供されるか、または冷媒連通通路（７）は必要によって第１ハウジング部分（３）の半径方向内部セグメントとその半径方向外部セグメント間に提供された空間として形成されることができる。当業者は、冷媒が固定スクロール（１）の外部円周表面に伝えられると同時に冷媒で好ましくない流動制限または圧力降下を防止する方式でスクロール圧縮機（１０）を通じて実質的に軸方向で流動できる限り、冷媒連通通路（７）の任意の構成が利用できるということを認識しなければならない。

第１ハウジング部分（３）は固定スクロール（１）の第２面（２２）を貫通する少なくとも２つのカプラー開口（６０）に対応してこれと軸方向で整列された位置に形成された少なくとも２つの開口（８）をさらに含む。開口（８）のそれぞれはカプラー（６８）が開口（８）とカプラー開口（６０）のそれぞれの整列されたセットを通じて少なくとも部分的に延びることを可能にするようカプラー開口（６０）の断面形状に対応する任意の適切な断面形状を有することができる。実施例において、カプラー（６８）のそれぞれは、開口（８）のうち１つに少なくとも部分的に、そしてカプラー開口（６０）のうち１つに少なくとも部分的に挿入される円形断面形状を有する円筒形ピンである。従って、開口（８）及びカプラー開口（６０）の少なくとも２つの整列されたセットによる少なくとも２つのカプラー（６８）の使用は固定スクロール（１）の半径方向のうち任意の半径方向に対して第１ハウジング部分（３）に対する固定スクロール（１）の好ましくない併進を防止するだけではなく、第１ハウジング部分（３）に対する固定スクロール（１）の好ましくない回転を防止する。前述したように、開口（８）とカプラー開口（６０）は任意の所望の断面形状を含むことができると同時に、依然としてスクロール圧縮機（１０）の残りに対する固定スクロール（１）の併進及び回転を防止できるということが明白である。

第２ハウジング部分（４）は一般的に内部部分（１２）及び外部部分（１３）を含む。内部部分（１２）は固定スクロール（１）の第１面（２１）に平行するように配列されてそれと接触される噛み合い表面（１４）を含む。外部部分（１３）は内部部分（１２）の周辺から軸方向に延び、その円周周囲の円周壁（３０）の外部表面の半径方向に外向して位置される。外部部分（１３）は固定スクロール（１）の周辺周囲に複数の冷媒流動チャンバー（１５）を形成するように複数の円周方向で離隔された位置で固定スクロール（１）の外部円周表面から半径方向に離隔される。冷媒流動チャンバー（１５）のそれぞれは冷媒連通通路（７）のうち少なくとも１つだけではなく固定スクロール（１）内への流動開口（４５）のうち少なくとも１つと直接流体連通する。

第２ハウジング部分（４）は第２ハウジング部分（４）の外部部分（１３）及び第１ハウジング部分（３）の周辺を通じて軸方向に延びる複数の円周方向で離隔されたねじ締結口（１８）を通じて第１ハウジング部分（３）に結合されることができる。ねじ締結口（１８）は第１ハウジング部分（３）の第１端部（６）と第２ハウジング部分（４）の内部部分（１２）により形成された噛み合い表面（１４）間から軸方向に固定スクロール（１）を圧縮するように引き締めることができる。第１ハウジング部分（３）と第２ハウジング部分（４）間で固定スクロール（１）のこのような圧縮はスクロール圧縮機（１０）内で固定スクロール（１）の軸方向位置を固定すると同時に固定スクロール（１）の第１面（２１）と第２ハウジング部分（４）の噛み合い表面（１４）間に存在する密封口（６４）をまた圧縮する。従って、固定スクロール（１）はスクロール圧縮機（１０）のハウジング（２）に対した好ましくない動きから拘束されると同時に、冷媒が固定スクロール（１）の円周壁（３０）に形成された流動開口（４５）に向かって流動することを可能にするように位置される。

固定スクロール（１）は第１ハウジング部分（３）と第２ハウジング部分（４）間で固定スクロール（１）の軸方向位置を維持するのに用いられる軸方向のねじ締結口（１８）が存在することによって同数のピラー部分（５０）を含むように提供されることができる。例えば、図５乃至図７に図示する実施例は６つのピラー部分（５０）及び６つのねじ締結口（１８）を含む。しかし、ピラー部分（５０）の数は必要によってねじ締結口（１８）の数より多いか少なく選択されることができる。追加的に、ピラー部分（５０）のそれぞれは好ましくは、必要によってねじ締結口（１８）のそれぞれの円周位置に実質的に対応するように固定スクロール（１）の周辺周囲に円周方向に位置できる。しかし、ピラー部分（５０）は代案的に必要によって本発明の範囲を逸脱することなくねじ締結口（１８）のそれぞれの位置に対して自由に位置できる。また、固定スクロール（１）への力伝達を改善するためにピラー部分（５０）のそれぞれがねじ締結口（１８）のそれぞれの延長部の方向に平行した方向で軸方向に延びることが好ましく、これは第１ハウジング部分（３）と第２ハウジング部分（４）間から軸方向に圧縮される時固定スクロール（１）の変形を最小化する。

スクロール圧縮機（１０）は次の通り作動する。冷媒はスクロール圧縮機（１０）に入り、究極的に冷媒連通通路（７）を通じて固定スクロール（１）の半径方向で外向して配置された流動チャンバー（１５）に向かって軸方向で流動する。図７に最もよく図示するように、比較的大きな流動開口（４５）は流動開口（４５）のそれぞれに冷媒が進入する時、軸方向から半径方向に回転する間、冷媒が円滑で連続的に流動することを可能にする。それぞれの流動開口の周辺周囲に形成された円滑な膨らみ表面はまた冷媒が任意の好ましくない急激な端周囲を速く回転することを防止する。冷媒は固定スクロール（１）の内部に好ましくない程度でもう一度回転することなく、協同する螺旋形構造（３６、７６）のそれぞれにより少なくとも部分的に限定された圧縮チャンバー（３５）のうち１つに冷媒が２つの反対に向かった入口のうち１つに向かって流動することを可能にする方式で複数の流動開口（４５）のうち任意のものを通じて固定スクロール（１）の内部に入ることができる。冷媒はその後、協同する螺旋形構造（３６、７６）のそれぞれの中心に形成された排出開口（３８）から冷媒が排出される時まで従来の方式で旋回スクロール（７０）の軌道運動を通じて圧縮される。

軸方向に延びる流動開口（４５）を有する固定スクロール（１）の使用は従来技術の固定スクロールより多くの長所を提供する。固定スクロールの円周壁を通じて急激に半径方向に延びるボアの形成の除去は対応する固定スクロールの圧縮チャンバー内に入る間、冷媒の方向の好ましくない急激な変化を防止する。固定スクロール（１）の軸方向端部面（２２）から始まる流動開口（４５）の使用はまた固定スクロール（１）の内部への全体流動面積を大きく拡大させて、冷媒での好ましくない流動制限を防止すると同時に、冷媒が固定スクロール（１）の軸方向から半径方向に漸進的に回転するために拡大された軸方向距離をまた提供する。これら長所はスクロール（１、７０）間に形成された圧縮チャンバー（３５）に入る時、増加された流量だけではなく増加された圧力を有する冷媒によってスクロール圧縮機（１０）の改善された性能につながる。

固定スクロール（１）の多様な特徴だけではなく対応するスクロール圧縮機（１０）が本明細書に開示したように流動開口（４５）を形成するためにピラー部分（５０）の使用により提供される有利な特徴を変更することなく、図１乃至図７に開示した実施例から若干修正できることは当業者に明白である。例えば、カプラー（６８）はそれぞれの開口（８、６０）に少なくとも部分的に位置されたピンが独立的に提供されると図示して説明したが、カプラー（６８）は代案的にスクロール圧縮機（１０）内に固定スクロール（１）を設置する方法を変更することなく固定スクロール（１）の第２面（２２）または第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）のうち何れかの１つから軸方向に延びる一体に形成された突出部として提供されることができる。固定スクロール（１）はボルトのようなねじ締結口が固定スクロール（１）を通じて延びる方式で、固定スクロールの第１面（２１）から反対側の第２面（２２）まで固定スクロール（１）の全体を通じて軸方向に延びるカプラー開口（６０）がまた形成されることができ、ハウジング（２）の第１部分（３）に形成された開口（８）のうち対応する開口内に収容されることができる。従って、ねじ締結口のうち少なくとも２つが用いられることを仮定すれば、開口（８）はその軸方向だけではなく任意の半径方向で固定スクロール（１）を拘束するために第１ハウジング部分（３）の第１端部（５）に固定スクロール（１）を軸方向で圧縮するために好ましい深さでねじ締結口が収容されることを可能にするようにねじ加工できる。

軸方向に延びるカプラー（６８）はまた第２ハウジング部分（４）の外部部分（１３）を貫通する半径方向に延びるカプラーだけではなくピラー部分（５０）及び補強壁（５２）により形成されるような固定スクロール（１）の外部円周表面の一部に代替できる。最後に、固定スクロール（１）は固定スクロール（１）の外部円周表面と第２ハウジング部分（４）の外部部分（１３）の内部表面間に対応するグルーブ及び突出部を形成することにより、カプラーの使用無しで第１ハウジング部分（３）と第２ハウジング部分（４）間の適所に設置されて維持されることができる。例えば、複数の相互ロックスプラインはスクロール圧縮機（１０）で固定スクロール（１）の位置を探すと同時に、第２ハウジング部分（４）に対する好ましくない併進または回転を防止する方式で前述した表面上に形成されることができる。スクロール圧縮機（１０）内で固定スクロール（１）の位置を固定するための代案的な方法及び構造がまた固定スクロール（１）の内部に拡大されて円滑に形成された流動開口（４５）の前述した利点を認識しながらまた利用されることができることを当業者は理解できる。

図８及び図９に、本発明の他の実施例による固定スクロール（１０１）を開示する。固定スクロール（１０１）は固定スクロール（１）の流動開口（４５）と比較して固定スクロール（１０１）が固定スクロール（１０１）内に実質的に拡大された流動開口（１４５）を含むことの他に図１乃至図７を参照して図示して説明した固定スクロール（１）と実質的に同一である。拡大された流動開口（１４５）は冷媒が半径方向で外向して回転できる軸方向距離をさらに増加させると同時に固定スクロール（１０１）の内部への流動面積をまた増加させるように固定スクロール（１０１）の両側面間の軸方向距離の半分だけ延びるように形成されることができる。具体的に、流動開口（１４５）のうち少なくとも一部は固定スクロール（１０１）の円周方向でピラー部分（１５０）のうち隣接したピラー部分を連結する補強壁のうち１つの部材に固定スクロール（１０１）の端部壁（１２４）まで軸方向に延びる。言い換えれば、固定スクロール（１０１）の第１面と反対側の第２面間の端部壁（１２４）の最外側周辺から軸方向に突出する固定スクロール（１０１）の円周壁は第２面から端部壁（１２４）と一致する円周壁の一部まで完全に軸方向に突出する不連続部分を含むことができ、それによりこれら軸方向に延びる不連続部分に対してピラー部分（１５０）のうち隣接したピラー部分間の補強壁のうち１つの存在を除去する。

固定スクロール（１０１）は対応するスクロール圧縮機を通じた流量が最大化するように必要な一方、固定スクロール（１０１）に印加された軸方向負荷が固定スクロール（１０１）のピラー部分（１５０）の挫屈または他の変形を引き起こさない状況で利用できる。固定スクロール（１０１）は本明細書に開示した任意の方法及び構造を用いて対応するスクロール圧縮機に設置されることができる。固定スクロール（１０１）は固定スクロール（１）と比較して固定スクロール（１０１）を通じた減少された流動制限を除いて固定スクロール（１）と同様な方式で作動する。

前述した説明から、当業者は本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、本発明の思想及び範囲を逸脱せず、本発明を多様な用途及び条件に合うように本発明に対する変更及び変形を作ることができる。

１、１０１ 固定スクロール
２ ハウジング
３ 第１ハウジング部分
４ 第２ハウジング部分
５ 第１ハウジング部分の第１端部
６ 第２ハウジング部分の第１端部
７ 冷媒連通通路
８ 開口
１０ スクロール圧縮機
１２ 内部部分
１３ 外部部分
１４ 噛み合い表面
１５ 冷媒流動チャンバー
１８ ねじ締結口
２１ 固定スクロールの第１面
２２ 固定スクロールの第２面
２４、１２４ 固定スクロールの端部壁
３０ 円周壁
３５ 圧縮チャンバー
３６ 固定スクロール螺旋形構造
３８ 排出開口
４５、１４５ 流動開口
５０、１５０ ピラー部分
５１ 遠位表面
５２ 補強壁
６０ カプラー開口
６２ 位置選定開口
６３ 密封グルーブ
６４ 密封口
６５ 圧力調節開口
６８ カプラー
７０ 旋回スクロール
７１ 旋回スクロールの第１面
７２ 旋回スクロールの第２面
７４ 旋回スクロールの端部壁
７６ 旋回スクロールの螺旋形構造

Claims (20)

1. スクロール圧縮機のための固定スクロールであって、
   前記固定スクロールの第１面からその反対側の第２面までの軸方向に延び、それぞれが前記スクロール圧縮機の圧縮チャンバーを少なくとも部分的に限定する螺旋形構造の半径方向に外向して離隔される、複数のピラー部分と、
   前記スクロール圧縮機の前記圧縮チャンバー内に離隔された流動開口のそれぞれは前記ピラー部分のうち隣接した前記ピラー部分間に形成される環形アレイと、を含む、ことを特徴とする固定スクロール。
2. 前記固定スクロールは鍛造工程で形成される、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
3. 前記流動開口のそれぞれは前記流動開口のそれぞれが前記第２面から前記第１面に向かって進むにつれ、一定であるかまたは漸進的に減少する円周方向幅を有する、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
4. 前記ピラー部分のうち少なくとも１つは、前記ピラー部分のうち少なくとも１つの円周方向に延びる表面が前記流動開口のうち１つの境界で前記ピラー部分のうち少なくとも１つの半径方向に内向して延びる表面に遷移するアーチ型または膨らみの表面を含む、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
5. 前記流動開口のうち少なくとも１つは前記第１面と前記第２面間の全体軸方向距離の少なくとも１／３分軸方向に延びる、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
6. 前記流動開口のうち少なくとも１つは前記第１面と前記第２面間の全体軸方向距離の少なくとも半分軸方向に延びる、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
7. 前記第２面で前記固定スクロールの円周周囲で前記ピラー部分に対する前記流動開口の比率は１：４乃至１：１である、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
8. 前記固定スクロールは前記固定スクロールの前記第１面から前記第２面に向かう軸方向に延びる少なくとも１つの補強壁を含み、前記少なくとも１つの補強壁は前記ピラー部分のうち前記隣接したピラー部分間に形成されて前記ピラー部分を連結する、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
9. 前記少なくとも１つの補強壁は前記ピラー部分のうち前記隣接したピラー部分と比較して前記固定スクロールの半径方向で増加された厚さを有する、ことを特徴とする請求項８に記載の固定スクロール。
10. 前記ピラー部分のうち少なくとも１つは前記第２面から前記第１面に向かって形成された軸方向に延びる開口を含み、前記軸方向に延びる前記開口は前記スクロール圧縮機のハウジングに前記固定スクロールを結合するためにその中にカプラーを収容するように構成される、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
11. 前記複数のピラー部分は少なくとも３つの前記ピラー部分を含む、ことを特徴とする請求項１に記載の固定スクロール。
12. スクロール圧縮機のための固定スクロールとして、
    前記固定スクロールの第１面からその反対側の第２面まで軸方向に延びる円周壁として、前記第１面が前記固定スクロールの端部壁により限定されて、前記円周壁が前記端部壁の最外側周辺から延びて前記端部壁から軸方向に延びる螺旋形構造を囲み、前記螺旋形構造が前記スクロール圧縮機の圧縮チャンバーを部分的に限定する前記円周壁と、及び前記円周壁で複数のピラー部分を形成するように前記第２面で前記円周壁に形成される複数の不連続部分として、前記ピラー部分のそれぞれが前記不連続部分のうち隣接した不連続部分間に形成される前記複数の不連続部分と、を含み、前記不連続部分のそれぞれは前記スクロール圧縮機の前記圧縮チャンバー内への流動開口を形成する、ことを特徴とする固定スクロール。
13. 前記不連続部分は前記固定スクロールの前記第２面にある前記円周壁の全体円周の１８０°以下を占有する、ことを特徴とする請求項１２に記載の固定スクロール。
14. 前記不連続部分のうち少なくとも１つは前記固定スクロールの前記第２面から前記端部壁まで軸方向に延びる、ことを特徴とする請求項１２に記載の固定スクロール。
15. 前記円周壁は少なくとも３つの前記ピラー部分を含む、ことを特徴とする請求項１２に記載の固定スクロール。
16. 前記円周壁は軸方向で整列される前記少なくとも１つの補強壁をさらに含み、前記少なくとも１つの補強壁の不連続部分のうち１つは前記円周壁の円周方向に対して前記ピラー部分のうち２つの隣接した前記ピラー部分を互いに連結する、ことを特徴とする請求項１２に記載の固定スクロール。
17. 自動車空調システムのためのスクロール圧縮機として、
    第１螺旋形構造を有する旋回スクロールと、
    固定スクロールと、を含み、
    前記固定スクロールは、前記固定スクロールの第１面からその反対側の第２面まで軸方向に延び、それぞれは第２螺旋形構造の半径方向に外向して離隔された複数のピラー部分と、
    ここで、前記第２螺旋形構造は、前記スクロール圧縮機の少なくとも１つの圧縮チャンバーを限定するように前記旋回スクロールの前記第１螺旋形構造と協同するように構成され、
    前記スクロール圧縮機の圧縮チャンバー内に離隔された流動開口の環形アレイとして、前記流動開口のそれぞれは前記ピラー部分のうち隣接した前記ピラー部分間に形成される、前記環形アレイと、を含む、ことを特徴とするスクロール圧縮機。
18. 前記流動開口のうち少なくとも１つに冷媒を運送するために少なくとも１つの前記流動チャンバーを限定するハウジングをさらに含み、前記少なくとも１つの流動チャンバーは前記固定スクロールの前記ピラー部分のうち１つの半径方向に外向して配置される、ことを特徴とする請求項１７に記載のスクロール圧縮機。
19. 前記固定スクロールの前記第２面は前記スクロール圧縮機のハウジング部分の端部に結合され、前記流動開口のそれぞれは前記ハウジング部分の端部により少なくとも部分的に限定される、ことを特徴とする請求項１７に記載のスクロール圧縮機。
20. 前記ピラー部分のうち少なくとも１つはカプラー開口を含み、前記ハウジング部分の端部は前記ピラー部分のうち少なくとも１つと整列された開口を少なくとも含み、カプラーは前記少なくとも１つのカプラー開口及び前記ハウジング部分の少なくとも１つの前記開口内に少なくとも部分的に配置される、ことを特徴とする請求項１９に記載のスクロール圧縮機。

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