JP2021123761A - 3次元積層造形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】造形ステージが垂直方向に降下せずに斜め方向に降下することに起因する、造形物の高さ方向に垂直な方向の歪みを防止する。【解決手段】本発明の一態様の3次元積層造形装置は、ステージに粉末層を形成する処理と、粉末層に造形用ビームを照射する処理を繰り返す3次元積層造形装置であって、積層造形データに基づいて、ステージの鉛直方向における位置ごとに、粉末層に対する造形用ビームの照射位置を設定する処理と、ステージの鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームの照射位置に補正値を加算して補正照射位置を算出する処理と、ステージの鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームが補正照射位置に照射されるように電子光学系を制御する処理と、を実行する光学系制御部を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、粉末試料を薄く敷いた層を一層ずつ重ねて造形する3次元積層造形装置に関する。
近年、粉末試料を薄く敷いた層(以下「粉末層」と表記する)を一層ずつ重ねて造形する3次元積層造形技術(ベッドパウダー方式)が脚光を浴びており、粉末試料の材料や造形手法の違いにより、多くの種類の3次元積層造形技術が開発されている。
ベッドパウダー方式の3次元積層造形装置では、造形ステージ上に金属粉末を敷き詰め、熱源となるビームで目的の造形物の一断面に相当する部分を溶融、凝固(固化)し、その後、造形ステージを下方に移動して再度金属粉末を敷き詰める。ビームには、レーザビームや電子ビームが用いられる。このような金属粉末の敷き詰め、ビームの照射、及び金属粉末の溶融と凝固を繰り返し、固化領域を積層することで3次元の造形物が形成される。目的の造形物を得るためには、ビームを正しい位置に照射することが求められる。
例えば、特許文献1に、光ビームにより溶解する補正用ターゲットに付与された補正用マークを使用して、光ビームの照射位置の補正を行う三次元形状造形物の製造方法が開示されている。
特開2009−107153号公報
ベッドパウダー方式の3次元積層造形装置では、積層造形の過程で造形ステージを下方に移動させる。その際に、造形ステージが下方(造形ステージの上面(造形面)に垂直な方向)に降下せずに斜め方向に降下する場合がある。この場合、次の粉末層の溶融及び凝固の位置がずれ、粉末層の形成、溶融及び凝固を繰り返すにつれて位置ずれが蓄積していくという問題が発生する。特許文献1に記載の技術では、造形ステージが垂直方向に降下せずに斜め方向に降下することで、次の層の溶融及び凝固の位置がずれていく問題を解決することはできない。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、造形ステージが垂直方向に降下せずに斜め方向に降下することに起因する、造形物の高さ方向に垂直な方向の歪みを防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の3次元積層造形装置は、ステージと、当該ステージを鉛直方向に駆動する駆動機構と、ステージ上に粉末試料を供給して粉末層を形成する粉末層形成部と、目的の造形物を形成するための積層造形データに基づいて、造形物の高さ方向の位置に応じて粉末層に造形用ビームを照射する電子光学系と、当該電子光学系を制御する電子光学系制御部と、を備え、粉末層の形成と造形用ビームの照射を繰り返す3次元積層造形装置である。
上記の電子光学系制御部は、積層造形データに基づいて、ステージの鉛直方向における位置ごとに、粉末層に対する造形用ビームの照射位置(造形座標)を設定する処理と、ステージの鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームの照射位置に補正値を加算して補正照射位置を算出する処理と、ステージの鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームが補正照射位置に照射されるように電子光学系を制御する処理と、を実行する。
本発明の少なくとも一態様によれば、ステージの移動方向の位置に基づいて造形用ビーム照射位置の適切な補正値を設定することにより、ステージの移動に伴う造形物の高さ方向に垂直な方向の歪みを防止できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る3次元積層造形装置の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る3次元積層造形装置のステージ支持体が移動範囲の最下端まで移動した状態を示した断面図である。 図1に示した3次元積層造形装置のZ駆動機構の例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る3次元積層造形装置の制御系を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る電子光学系制御部の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る造形物の歪み量を測定する方法の例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る歪み補正テーブルの構造の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子光学系制御部の内部構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明は、粉末層が形成されるステージの降下位置ごとに、ステージの造形面に垂直な方向に対する当該ステージの位置ずれ量(造形物の歪み)を測定及び記憶する。そして、その位置ずれ量を補正する値を、実際の積層造形時の電子ビームを照射する位置に反映する。それにより、粉末層上の溶融及び凝固する位置が本来(設計時)の位置からずれていくことを解決する。以下、本発明の第1の実施形態に係る3次元積層造形装置の構成例について図1及び図を参照して説明する。
[3次元積層造形装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る3次元積層造形装置の構成例を示す断面図である。図2は、3次元積層造形装置のステージ支持体が移動範囲の最下端(本実施形態では最上端からの距離約600mm)まで移動した状態を示した断面図である。図1及び図2において、3次元積層造形装置1のステージ5の移動方向(鉛直方向)をZ方向とし、Z方向に垂直な第1の方向をX方向、Z方向及びX方向に垂直な第2の方向をY方向とする。
3次元積層造形装置1は、図1及び図2に示すように、真空容器3の上部に電子光学系2が装着されており、真空容器3の内部には造形枠4が設けられている。造形枠4は、筒状体4a及びつば部4bからなる。筒状体4aは、軸方向に垂直な方向の断面の形状が四角形である角筒である。ただし、完成した造形物10(3次元構造物)を造形枠4から取り出せるようにするために、その四角形の一辺(角筒の外周面の一面)は開放可能な構造となっている。つば部4bは、筒状体4aのZ方向の一端に形成されている。つば部4bの端部は、真空容器3の側壁に固定されている。
造形枠4の内側には、XY平面に平行な面を持ち、造形枠4の筒状体4aの内部を軸方向に移動するステージ5が配置されている。ステージ5は、造形物10を形成するための金属粉末9が積層される粉末台(造形ステージ)である。金属粉末9を充填したホッパ51(粉末試料供給装置)、及びスキージング装置52(後述する図5参照)により、ステージ5の上面に金属粉末9(粉末層)が所定の厚さに敷き詰められる。
ホッパ51の排出口及びスキージング装置52は、ホッパ51及びスキージング装置52の移動方向(例えばX方向)に対して垂直な方向(Y方向)に所定長さを有する。ホッパ51により金属粉末9をステージ5又はつば部4b上に供給後、スキージング装置52がX方向に移動することにより、金属粉末9がステージ5上に所定の厚さに敷き詰められる。なお、粉末試料として金属粉末9を用いたが、この例に限らない。
造形枠4の筒状体4aの外面には、図示しないヒータが配置されている。ヒータは、造形枠4の筒状体の外面に巻回されるように配置される。ヒータとしては、例えば2種類のセラミックスで構成されたPG/PBN(Pyro-lytic Graphite/ Pyro-lytic Boron Nitride)ヒータ等の1000℃以上の温度に加熱できるヒータが用いられる。
ステージ5は、断熱構造体16が配置されたステージ支持体14によって支持されている。ステージ支持体14は、造形枠4の筒状体4aの外径(Z方向に垂直な方向の長さ)よりも大きな径を有する有底の筒状体(角筒)であり、Z駆動機構12A,12BによりZ方向に移動する。ステージ支持体14の外周面の一面(筒状体の上部)は、開放されている。ステージ支持体14のZ方向への移動に伴い、ステージ5のZ方向における位置が変化する。ステージ支持体14が移動範囲の上側(図1の状態)に位置するとき、造形枠4の筒状体4aがステージ支持体14の内側にほぼ収容された状態となる。ステージ5の底面は、断熱構造体16に固定されている。図1の例では、断熱構造体16は、その内部に空間部16aが形成されており、一定の断熱効果を保ちつつ、軽量化されている。
ステージ5は、造形枠4の筒状体4aの内面に囲まれている。ステージ5の側端部には、造形枠4の筒状体4aの内面に接するシール部材6が設けられている。シール部材6としては、耐熱性及び柔軟性を有するグラスウールなどが用いられる。ステージ5の側端部に柔軟性を持つシール部材6を設けることによって、シール部材6と筒状体4aの内面とのすべり面において摺動性と密閉性を持たせている。それにより、ステージ5の上面に敷き詰められた金属粉末9がステージ5の下に漏れることを防止している。真空容器3内の雰囲気は図示していない真空ポンプにより排気されることで、真空容器3内は真空に維持されている。
3次元積層造形装置1の土台7の上面に、Z駆動機構支持部8が固定されている。Z駆動機構支持部8は、ステージ支持体14の外径より大きな径を有する筒状体(角筒)であり、その筒状体のZ方向の一端につば部8aが形成されている。Z駆動機構支持部8の外周面の一面(筒状体の上部と下部)は、ステージ支持体14と同様に開放されている。Z駆動機構支持部8のつば部8aの端部は、真空容器3の側壁に固定されている。
Z駆動機構支持部8の内面には、Z駆動機構12A,12Bが取り付けられている。Z駆動機構12A,12Bは、Z駆動機構支持部8の中心部を挟んで対向するように配置されている。Z駆動機構12A,12Bの構成は同じであるので、ここではZ駆動機構12Aの構造について図3を参照して説明する。
[Z駆動機構の構造]
図3は、Z駆動機構の例を示す正面図である。図3は、造形枠4の筒状体4a側からZ駆動機構12Aを見た状態を表したものである。
Z駆動機構12Aは、図3に示すように、ガイド部材12aと、ボールねじ22Aと、スライド部材13Aと、駆動部23Aを有する。一例として、Z駆動機構12Aは、ガイド部材12aとスライド部材13Aとの接触部にローラが用いられたリニアローラガイドで構成される。ガイド部材12aは、Z駆動機構支持部8の内面にZ方向に沿って並列に固定された2本のガイドシャフト12a1,12a2から構成される。ボールねじ22Aは、ガイドシャフト12a1,12a2と同様にZ駆動機構支持部8の内面にZ方向に配置されており、一端にモータ等の駆動部23Aが接続されている。ボールねじ22Aは、駆動部23Aの駆動力を受けて正回転又は逆回転する。
スライド部材13Aは、ボールねじ22Aの回転に応じて、2本のガイドシャフト12a1,12a2に沿ってZ方向へ移動する。スライド部材13Aは、ステージ支持体14の筒状体及びZ駆動機構支持部8の筒状体の形状に合わせて、一例としてYZ平面に平行な面を持つ平板状の形状である。スライド部材13Aの少なくともYZ平面に平行な面には、ステージ支持体14の筒状体の一の面が固定されている。そのため、スライド部材13AのZ方向(上下)への移動に伴ってステージ支持体14がZ方向へ移動し、ステージ5のZ方向における位置(高さ)が変わる。
Z駆動機構12Bも、Z駆動機構12Aと同様に、2本のガイドシャフトで構成されるガイド部材12bと、ボールねじ22Bと、スライド部材13Bと、モータ等の駆動部23Bを有する(図1参照)。スライド部材13Bが、ボールねじ22Bの回転に応じて、ガイド部材12bの2本のガイドシャフトに案内されてZ方向へ移動する。スライド部材13Bも、ステージ支持体14の筒状体及びZ駆動機構支持部8の筒状体の形状に合わせて、一例としてYZ平面に平行な面を持つ平板状の形状である。スライド部材13Bの少なくともYZ平面に平行な面には、ステージ支持体14の筒状体の上記一の面と反対側にある他の面が固定されている。Z駆動機構12Aのスライド部材13AとZ駆動機構12Bのスライド部材13Bの駆動は、ステージ5がXY平面に平行(水平)となるように制御される。
このようなZ駆動機構12A,12Bを持つ3次元積層造形装置1において、ステージ支持体14(ステージ5)のZ方向のストロークが600mm程度である場合に、ステージ5の室温における横方向への振れ量は、3μm〜数μmと非常に小さい。
なお、Z駆動機構12A,12Bにリニアローラガイドを用いた機構を採用できるが、同程度の精度を有する機構であれば他の機構でもよい。また、上述例ではZ駆動機構をZ駆動機構支持部8の2面に設けているが、Z駆動機構を3面又は1面に設けてもよい。また、一つのZ駆動機構において、1組のボールねじとスライド部材を使用したが、2組のボールねじとスライド部材を使用してもよい。
土台7の中央部には、図1及び図2に示すように、ステージ支持体14の外径よりも大きな径の穴であるピット11が形成されている。ステージ支持体14は、Z駆動機構12A,12Bにより、ピット11内でZ駆動機構支持部8の内側をZ方向に移動する。
造形枠4の筒状体4aとステージ支持体14との間には、熱遮蔽板17が設けられている。造形物10の周りは高温になるが、この熱遮蔽板17によって真空雰囲気での赤外線(輻射熱)が遮蔽される。熱遮蔽板17は、筒状体4a及びステージ支持体14の筒状体の形状に合わせて、一例として筒状体(角筒)である。筒状体(角筒)である熱遮蔽板17の外周面の一面は、ステージ支持体14と同様に開放されている。また、熱遮蔽板17の底部には、断熱構造体16の外径より大きな径の貫通孔が形成されており、この貫通孔を断熱構造体16がZ方向に移動する。このように熱遮蔽板17を薄板で形成することにより、設計自由度が限られる3次元積層造形装置1の大型化を抑えることができる。
この熱遮蔽板17は、熱伝導率が高い材質で形成された接続部材17aを介して、Z駆動機構支持部8に接触している。接続部材17a、ステージ支持体14の移動を妨げないよう、熱遮蔽板17(筒状体)の上部とZ駆動機構支持部8の筒状体の上端を連結している。
Z駆動機構支持部8には、その筒状体の外面に巻回されるようにして図示しない冷却配管が配置される。冷却配管は、配管内部を流れる液体(冷却水等)によりZ駆動機構支持部8を冷却する。
造形枠4のつば部4bの下面には、断熱材19が配置されている。造形枠4のつば部4bが、断熱材19を介してZ駆動機構支持部8の筒状体の上端に固定されている。熱遮蔽板17と断熱材19によって、造形枠4からZ駆動機構支持部8に熱が輻射されること及び熱が伝導することを防止できる。
スライド部材13BとZ駆動機構支持部8との間には、Z駆動機構支持部8に対するスライド部材13Bの相対変位を読み取るためのリニアスケール21が取り付けられている。リニアスケール21の出力値から、スライド部材13Bすなわちステージ5のZ方向の位置を把握できる。リニアスケール21を、スライド部材13B側だけではなく、スライド部材13A側に配置してもよい。
[3次元積層造形装置の動作]
3次元積層造形装置1は、積層造形の開始時に、ヒータにより造形枠4の筒状体4aを加熱する。造形枠4の筒状体4aが過熱されることにより、ステージ5及び周囲の雰囲気が余熱される。次に、Z駆動機構12A,12Bにより、造形枠4のつば部4bの上面よりZ方向にΔZ分下がった位置にステージ5を移動する。このΔZが、その後に敷き詰められる金属粉末9(粉末層)のZ方向の厚さに相当する。次に、ホッパ51によりZ駆動機構支持部8及びステージ5の上面に金属粉末9を供給し、スキージング装置52を移動させて金属粉末9を均すことで、厚さΔZ分の金属粉末9をステージ5に敷き詰める。
次に、3次元積層造形装置1は、予め準備された設計上の造形物(3次元CAD(Computer-Aided Design)データにより表された造形物)をΔZ間隔でスライスした2次元形状に従い、金属粉末9に対し電子光学系2(電子銃)から電子ビームを出射する。電子光学系2から出射された電子ビームにより、その2次元形状に対応する領域の金属粉末9が溶融する。溶融した金属粉末9は、材料に応じた所定時間が経過すると凝固する。1層分の金属粉末9が溶融及び凝固した後、Z駆動機構12A,12Bによりステージ5をΔZ分下げる。このステージ5のZ方向への動きは、シール部材6が造形枠4の筒状体4aの内面を滑ることにより実現される。
次に、ホッパ51及びスキージング装置52により、ΔZ分の金属粉末9を直前に敷き詰められた層(下層)の上に敷き詰める。そして、電子光学系2から出射される電子ビームにより、今回の粉末層における設計上の2次元形状に相当する領域の金属粉末9を溶融及び凝固させる。この一連の処理を繰り返して、溶融及び凝固した金属粉末9の層(固化領域)を積み重ねることにより造形物10を構築する。なお、造形用ビームとして電子ビームを用いているが、この例に限らない。
3次元積層造形装置1は、積層造形の過程でステージ5がZ方向に移動する際に、スライド部材13Aが、2本のガイドシャフト12a1,12a2に案内されてZ方向に移動する(図3)。ガイドシャフト12a1,12a2は、ボールねじ22AによりZ駆動機構支持部8に取り付けられている。スライド部材13Aは、ガイドシャフト12a1,12a2とスライド部材13Aの持つ精度で、滑らかに精度よく移動できる。スライド部材13Bも同様に、図示しないボールねじにより2本のガイドシャフトに案内されて、Z方向に滑らかに精度よく移動できる。
スライド部材13A,13Bに固定されたステージ支持体14は、横方向の動きを規制されながら(精度を保ちながら)、その底部に搭載された断熱構造体16を介して、ステージ5を造形枠4の筒状体4aの内部でZ方向に移動する。積層造形する際には、このステージ5のZ方向の動きをμmオーダの精度で制御して、金属粉末9の層を一層ずつ積み重ねる。そのときの造形物10の造形精度は、ステージ5のZ方向の移動に対するX方向及びY方向(横方向)への振れ量に依存することになり、より少ない振れ量であればより精度が高くなる。
ステージ5の横方向の位置は、基本的にはガイド部材12aとスライド部材13Aの構造に依存し、そこでの横振れが小さければ、ステージ5の横方向の位置ずれも小さくなる。一方で、造形枠4の筒状体4aの内面がZ方向に対して平行でなかったり、歪んでいたりした場合は、柔軟性を持つシール部材6の自由度分で吸収できる(吸収できる程度に造形枠4を合わせ込む)。
上述したとおり、造形枠4の筒状体4aの外面には、ヒータが配置されている。造形物10や敷き詰められた金属粉末9は、電子ビームにより高温に加熱される。造形枠4及びステージ5も含めその温度を保温できるように構成することで、造形物10の熱歪み等を緩和することができる。そのため、1000℃以上の温度に加熱できるヒータを造形枠4(筒状体4a)の周りに配置し、敷き詰められた金属粉末9ごと造形物10の温度をその材質に応じて適切に制御する。この温度制御により、造形枠4の筒状体4a全体が高温に保たれることになる。
このような状態において、その周りのガイド部材12a,12bとスライド部材13A,13Bにまでヒータの熱が伝わる。このため、そのままでは上記各部材の熱膨張により、スライド部材13A,13BのZ方向への動きが悪くなる。また、積層造形では、層ごとに加熱と冷却が繰り返されるために、ガイド部材12a,12bとスライド部材13A,13Bとの摺動面が凸凹になり、横方向のガタが大きくなる可能性がある。これらを防止するため、3次元積層造形装置1は、断熱、熱遮蔽及び冷却のための構造を有することが望ましい。
断熱のための構造として、ステージ支持体14の底部とステージ5との間に、断熱構造体16を配置し、ガイド部材12a,12b及びスライド部材13A,13Bへの熱伝導を抑えている。断熱構造体16には、一例として、金属の中でも熱伝導率が低いステンレス等の材質が用いられる。本実施形態では、断熱構造体16に熱伝導率が低い材質を用いつつ、内部に空間部16aを形成して構造的にも熱伝導を抑えている。
さらに、造形枠4は、Z駆動機構支持部8に固定されている必要があるが、上述したように、造形枠4からZ駆動機構支持部8への熱の伝導を抑えるため、断熱材19を介して、造形枠4のつば部4bとZ駆動機構支持部8を固定している。断熱材19により固体間の熱の伝導を防ぐことができる。
また、熱遮蔽のための構造として、上述したように、高温となっている造形枠4と過熱を抑えたいステージ支持体14等との間に、赤外線を反射する熱遮蔽板17を設けている。熱遮蔽板17としては、比較的熱伝導率が良く反射面を作り易いアルミニウム板等が適当である。また、熱遮蔽板17の熱を逃がす必要があることから、熱遮蔽板17の固定端(筒状体の上端)は、低温部に接するような構造となっている。ここでは、熱遮蔽板17の固定端は、熱伝導率が高い接続部材17aを介して、冷却配管により冷却されたZ駆動機構支持部8に固定されている。
さらに、冷却のための構造として、上述したように、Z駆動機構支持部8の筒状体の外面に冷却配管を設けている。これにより、Z駆動機構支持部8全体を冷却し、接続部材17aを介して熱遮蔽板17を冷却している。
以上のとおり、3次元積層造形装置1は、Z駆動機構12A,12Bにより、ステージ5を移動させる構成を有している。そのため、Z駆動機構12A,12Bのガイド部材12a,12b、及びステージ支持体14に固定されたスライド部材13A,13Bにより、ステージ5の横方向の動きが規制される。それゆえ、Z方向へ移動するステージ5の側端部に設けられたシール部材6の自由度分の不安定性が解消され、ステージ5の横方向の振れ量が小さくなる。したがって、ステージ5の横方向の位置の精度が向上し、造形物10の造形精度が改善される。
また、造形枠4とステージ支持体14との間に熱遮蔽板17を設けることにより、造形枠4からステージ支持体14への輻射熱が遮蔽される。それにより、ステージ5の横方向の位置を規制しているガイド部材12a,12b及びスライド部材13A,13Bの熱膨張が抑えられる。このため、これらの部材の熱膨張による歪みや摺動性の劣化が抑えられる。それゆえ、Z駆動機構12A,12Bは、Z方向への精度の良い動きを維持できる。
上述したように、3次元積層造形装置1は、積層造形の際にZ方向、X方向及びY方向における目標位置からの振れ量が極力小さくなるように構成されている。しかし、ステージ5が垂直方向(Z方向)に降下せずに斜め方向に降下した場合、次の粉末層の溶融及び凝固の位置がずれて、造形物の歪みとなって現れる。そこで、ステージ5が斜め方向に降下する場合に、Z駆動機構12,12Bの横方向の歪みを補正する方法を提案する。なお、以下に説明する造形物の高さ方向に垂直な方向の歪みを補正するための方法が適用される3次元積層造形装置の構造は、上述した3次元積層造形装置1の構造に限定されないことは勿論である。
[3次元積層造形装置の制御系]
図4は、3次元積層造形装置1の制御系(造形制御装置30)を示すブロック図である。
3次元積層造形装置1は、真空容器3と電気的に接続された造形制御装置30を有する。造形制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、補助記憶装置34、Z駆動制御部35、粉末層形成制御部36、電子光学系制御部37、通信インターフェース38を備える。図中、通信インターフェース38を、通信I/F38と表記している。
CPU31は、システムバスを介して、各部と相互にデータを送信及び/又は受信可能に接続されている。ROM32は、本実施形態に係る各機能を実現するコンピュータプログラムや3次元積層造形装置1のパラメータ等を記憶する不揮発性の記憶部である。CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムをRAM33に読み出し、このプログラムを実行することで各部の処理及び動作を制御する。
RAM33は、CPU31による演算処理の途中で発生した変数やデータ等を一時的に記憶する揮発性の記憶部であり、CPU31の作業領域として使用される。補助記憶装置34には、3次元積層造形装置1が造形処理する積層造形データ(図形ファイル)が格納される。なお、ROM32に記憶されるプログラム等を不揮発性の補助記憶装置34に記憶してもよい。演算処理装置としてCPU31に代えて、MPU(Micro Processing Unit)等の他のプロセッサを用いてもよい。
Z駆動制御部35は、CPU31の制御の下、ステージ5をZ方向に移動させるためのZ駆動機構12A,12Bの動作を制御する。ただし、本実施形態では、ステージ5がZ方向(鉛直方向)ではなく、わずかに斜め方向に降下することを前提としている。
粉末層形成制御部36は、CPU31の制御の下、ステージ5の移動後にホッパ51及びスキージング装置52の動作を制御し、ステージ5の上面に粉末層を形成する。ホッパ51及びスキージング装置52は、ステージ5上に金属粉末9を敷き詰めて所定厚さの粉末層を形成する粉末層形成部の一例である。
電子光学系制御部37は、CPU31の制御の下、電子光学系2による電子ビームの照射(照射位置、照射エネルギーなど)を制御する。電子光学系制御部37は、Z駆動制御部35及び粉末層形成制御部36と協調して制御を行う。
通信インターフェース38は、図示しない通信ネットワーク又は専用線を介して、所定の形式に従った情報の送受信を行うインターフェースである。例えば、通信インターフェース38としてシリアルインターフェースが適用される。
[電子光学系制御部の内部構成]
図5は、電子光学系制御部37の内部構成例を示すブロック図である。電子光学系制御部37は、メイン制御部371、積層造形データ転送部372、造形座標設定部373、補正値設定部374、歪み補正テーブル375、加算部376、及び走査偏向回路377を備える。
メイン制御部371は、造形開始指令を受けて電子光学系制御部37内の各部の動作を制御する。例えば、作業員が不図示のユーザインターフェースを操作して造形開始を指令する。
積層造形データ転送部372は、システムバスを介して、補助記憶装置34から積層造形データ50を読み込み、造形座標設定部373へ転送する。
造形座標設定部373は、積層造形データ50を基に、目的とする造形物10の高さ(ステージ5のZ方向への移動量)ごとに電子ビームを照射すべき位置(造形座標)を設定し、設定内容を加算部376に出力する。以下では、造形開始時点のステージ5のZ座標を基準(0[μm])とする。ある時点におけるステージ5のZ座標の値は、ステージ5が造形開始時点からZ方向(下方向)へ移動した距離[μm]に相当する。
補正値設定部374は、歪み補正テーブル375を参照し、目的とする造形物10の高さ方向の座標(ステージ5のZ座標)ごとに電子ビームを照射する座標(造形座標)に対する補正値を設定し、設定内容を加算部376に出力する。補正値設定部374は、歪み補正テーブル375からステージ5のZ座標に対する補正値を取得する。歪み補正テーブル375内の補正値の算出方法については、図6及び図7を参照して説明する。
加算部376は、造形座標設定部373から出力されたステージ5のZ座標ごとの造形座標に、補正値設定部374で設定された補正値を加算し、その加算結果(補正照射位置の例)を走査偏向回路377へ出力する。この補正照射位置により、電子光学系2の偏向部65で電子ビームの偏向が制御される。
走査偏向回路377は、加算部376からの出力に基づいて、目的とする造形物10の高さ(ステージ5のZ座標)ごとに、電子光学系2(電子銃)の偏向部65に駆動信号を出力する。電子光学系2は、走査偏向回路377から入力された駆動信号に基づいて、電子ビームを走査する。これにより、電子ビームが設定された走査順(経路)に従って走査される。
電子光学系2は周知の構成を採用することができる。ここで、電子光学系2の構成の一例を簡単に説明する。
電子光学系2の荷電粒子鏡筒は、電子ビームを構成する電子を放出する荷電粒子源61と、中間レンズ62と、対物レンズ64とを備える。中間レンズ62は、例えば4極レンズから構成され、電場又は磁場を用いて電子ビームにレンズ作用させる。対物レンズ64は、電場又は磁場を用いて、中間レンズ62からレンズ作用を受けた電子ビームをステージ5上の粉末層(試料面)に収束させる。
中間レンズ62と対物レンズ64の間には、試料面上で歪のあるビーム形状を円形に補正する非点補正器63が配置されている。さらに、対物レンズ64の下流側に、電子ビームを磁力線と平行又は垂直な方向に偏向する偏向部65を備える。
偏向部65は、X偏向部65x(X偏向回路)と、Y偏向部65y(Y偏向回路)から構成される。X偏向部65xは、例えば電子ビームを不図示の磁力線と垂直な方向に偏向して、電子ビームをX方向に走査する。また、Y偏向部65yは、電子ビームを磁力線と平行な方向に偏向し、電子ビームをY方向に走査する。
Z駆動制御部35は、粉末層の電子ビームが照射された領域が固化した後、ステージ5をΔZだけ下方に移動(Z方向に降下)させるための制御信号をZ駆動回路53に出力する。Z駆動回路53は、制御信号に基づいてZ駆動機構12A,12Bに駆動信号を出力し、ステージ5をZ方向に移動させる。
粉末層形成制御部36は、ステージ5上に粉末層を形成させるための制御信号をホッパ/スキージング駆動回路54に出力する。ホッパ/スキージング駆動回路54は、制御信号に基づいてホッパ51及びスキージング装置52のそれぞれに駆動信号を出力する。これにより、ホッパ51が金属粉末9を供給すべく動作した後、スキージング装置52がステージ5上の金属粉末9を所定の厚さにならし、新しい粉末層を形成する。
そして、新しい粉末層を形成後、電子光学系制御部37が、その粉末層に対する電子ビームの補正照射位置を設定して電子光学系2を制御する。
[造形座標の補正値を設定する方法]
ここで、造形座標の補正値を設定する方法について図6及び図7を参照して説明する。
図6は、造形物の歪み量を測定する方法を説明する図である。ステージ5のZ座標ごとの補正値は、予め照射位置(造形座標)を補正しない状態で造形することにより作成した造形物70のZ方向(鉛直方向)に垂直な方向の歪み量から求める。この歪み量は、ステージ5のZ方向に垂直な方向の位置ずれ量に相当する。ステージ5を段階的に下方に移動させ、造形物70の複数個所で歪み量を測定し記憶する。造形座標の補正値のうち、X座標の補正値を「X補正値」、Y座標の補正値を「Y補正値」と称する。
補正値の算出に用いる造形物70は、少なくともYZ平面に平行な面と、XZ平面に平行な面を有することが望ましい。ただし、歪みがX方向又はY方向のいずれか一方にのみ発生することが分かっている場合や、他方の歪み量が無視できるくらい小さい場合には、X補正値又はY補正値のうちいずれか一方のみを求めればよい。
図6では、造形物70の歪み量を、第1の測定位置71、第2の測定位置72で測定した様子が示されている。第1の測定位置71は造形物70の高さ方向の中間位置であり、第1の測定位置71では歪み量が“D1”である。また、第2の測定位置72は造形物70の上面であり、第2の測定位置72では歪み量が“D2”である。歪み量は、例えば3次元測定機などの測定値と造形物70の積層造形データとに基づいて算出することができる。
図7に、図5の歪み補正テーブル375の構造の例を示す。図7では、造形開始時のステージ5のZ座標を0[μm]とし、3か所以上の位置で歪みを測定して補正値を設定している。ステージ5のZ座標が0[μm]のとき、X補正値及びY補正値ともに0[μm]である。
図7では、ステージ5のZ座標が480000[μm]のとき、X補正値が−4.80[μm]、Y補正値が2.48[μm]である。これは、Z座標が480000[μm]のとき、X方向の歪みが4.80[μm]、Y方向の歪みが−2.48[μm]であったことを意味する。ステージ5のZ座標が540000[μm]のとき、X補正値が−5.40[μm]、Y補正値が2.79[μm]である。ステージ5のZ座標が600000[μm]のとき、X補正値が−6.00[μm]、Y補正値が3.10[μm]である。
なお、造形物の歪みが線形である場合には、歪み量の測定データ(Z座標ごとの測定データ)は少なくとも2点あればよい。すなわち、歪み補正テーブル375は、少なくともステージ5のZ方向上の2つの位置に対する補正値を備えていればよい。例えば、歪み補正テーブル375に設定された補正値のうち、0[μm]と600000[μm]の2箇所のZ座標に対する補正値を用いて、その他のZ座標に対する補正値を補間により求めることができる。一方、造形物の歪みが線形ではない場合、すなわち高さごとに歪み量(歪みの傾向)が異なる場合、3点以上の多数の測定データに基づく補正値を用意することが望ましい。
図5では歪み補正テーブル375を用いたが、Z座標と補正値(X補正値、Y補正値)との関係を定義した計算式を用いて照射位置を補正してもよい。ROM32又は補助記憶装置34に、歪み補正テーブル375及び計算式を記憶する。
以上のとおり、第1の実施形態における3次元積層造形装置1は、ステージ5と、ステージ5を鉛直方向(Z方向)に駆動するZ駆動機構12A、12Bと、ステージ5上に粉末試料(金属粉末9)を供給して粉末層を形成する粉末層形成部(ホッパ51、スキージング装置52)と、目的の造形物10を形成するための積層造形データ50に基づいて、造形物10の高さ方向の位置に応じて粉末層に造形用ビームを照射する電子光学系2と、電子光学系2を制御する電子光学系制御部37と、を備え、粉末層の形成と造形用ビームの照射を繰り返す。
そして、電子光学系制御部37は、積層造形データ50に基づいて、ステージ5の鉛直方向における位置(Z座標)ごとに、粉末層に対する造形用ビームの照射位置(造形座標)を設定する処理と、ステージ5の鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームの照射位置に補正値を加算して補正照射位置を算出する処理と、ステージ5の鉛直方向における位置ごとに、造形用ビームが補正照射位置に照射されるように電子光学系を制御する処理と、を実行する。
上述のように構成された第1の実施形態によれば、ステージ5の鉛直方向の位置(Z座標)に基づいて造形用ビーム照射位置(造形座標)の適切な補正値(X補正値、Y補正値)を設定する。これにより、ステージ5の移動(降下)に伴う造形物10の高さ方向(Z方向)に垂直な方向の歪みを防止することができる。
また、本実施形態では、造形物10の高さ方向に垂直な方向の歪みに対する補正値(歪み補正テーブル375又は計算式)を、積層造形データ50とは別に3次元積層造形装置1内に保持する。これにより、3次元積層造形装置1の造形用ビーム照射位置の補正値を意識せずに、積層造形データを作成することができる。言い換えれば、積層造形データを作成する際に、3次元積層造形装置1(特にZ駆動機構)の固体差を考慮する必要がない。このため、積層造形データを作成する際の負荷が軽減される。
なお、本実施形態では、ステージ5がZ方向(鉛直方向)ではなく、斜め方向に降下することを前提として説明したが、この例に限らない。例えば、ステージ5がZ方向(鉛直方向)に正確に移動する場合であっても、既述のとおりZ駆動機構又は3次元積層造形装置の構造によっては、ステージ5が横方向(X方向、Y方向)に振れることがある。ここで、ステージ5のZ方向の位置と、ステージ5の横方向の振れ量(造形物の歪み量)との間に、一定の傾向が存在する場合には、本発明の横方向の歪みを補正する方法を適用することで、歪みを防止することが可能である。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、電子光学系制御部37が、電子ビーム照射の際に読み込んだ積層造形データ50に対し、ステージ5の高さ位置ごとの歪み量に基づく補正値を反映し、積層造形を行う。これに対し、第2の実施形態は、ステージ5の高さ位置ごとの歪み補正量を反映した補正積層造形データを予め用意しておき、この補正積層造形データを使用して造形する例である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る電子光学系制御部37Aの内部構成例を示すブロック図である。電子光学系制御部37Aは、メイン制御部371、積層造形データ転送部372、造形座標設定部373、補正値設定部374、歪み補正テーブル375、加算部376、及び走査偏向回路377を備える。すなわち、第2の実施形態では、電子光学系制御部37Aに補正値設定部374及び歪み補正テーブル375が不要となる。
上述のように構成された第2の実施形態によれば、電子光学系制御部37が使用する積層造形データ50Aに、予め造形用ビーム照射位置(造形座標)の補正値が反映されている。このため、第2の実施形態は、第1の実施形態による効果に加えて、次のような効果がある。すなわち、電子光学系制御部37は、積層造形の過程で粉末層に電子ビームを照射する度に、補正値を設定して照射位置(造形座標)に反映する処理が不要となる。それゆえ、電子光学系制御部37の構成が、電子光学系制御部37と比較して簡素化される。
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために3次元積層造形装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成要素に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成要素を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを用いてもよい。例えば、Z駆動制御部35、粉末層形成制御部36、及び電子光学系制御部37,37Aを、ハードウェアで実現してもよい。また、これらの各制御部の動作は、ソフトウェアによって行われてもよい。ソフトウェアによって行われる場合には、例えば各制御部に設けられるCPUその他の演算処理装置が、各制御部の内部に設けられたROM等の記録媒体に保存されたコンピュータプログラムを読み出して順次実行することによって行われるようにしてもよい。
1…3次元積層造形装置、 2…電子光学系(電子銃)、 3…真空容器、 4…造形枠、 5…ステージ、 8…Z駆動機構支持部、 9…金属粉末、 12A,12B…Z駆動機構、 30…造形制御装置、 31…CPU、 34…補助記憶装置、 35…Z駆動制御部、 36…粉末層形成制御部、 37,37A…電子光学系制御部、 50…積層造形データ、 51…ホッパ、 52…スキージング装置、 53…Z駆動回路、 54…ホッパ/スキージング駆動回路、 65…偏向部、 371…メイン制御部、 372…積層造形データ転送部、 373…造形座標設定部、 374…補正値設定部、 375…歪み補正テーブル、 376…加算部、 377…走査偏向回路

Claims (3)

  1. ステージと、
    前記ステージを鉛直方向に駆動する駆動機構と、
    前記ステージ上に粉末試料を供給して粉末層を形成する粉末層形成部と、
    目的の造形物を形成するための積層造形データに基づいて、前記造形物の高さ方向の位置に応じて前記粉末層に造形用ビームを照射する電子光学系と、
    前記電子光学系を制御する電子光学系制御部と、を備え、
    前記粉末層の形成と前記造形用ビームの照射を繰り返す3次元積層造形装置であって、
    前記電子光学系制御部は、前記積層造形データに基づいて、前記ステージの鉛直方向における位置ごとに、前記粉末層に対する前記造形用ビームの照射位置を設定する処理と、前記ステージの鉛直方向における位置ごとに、前記造形用ビームの照射位置に補正値を加算して補正照射位置を算出する処理と、前記ステージの鉛直方向における位置ごとに、前記造形用ビームが前記補正照射位置に照射されるように前記電子光学系を制御する処理と、を実行する
    3次元積層造形装置。
  2. 前記補正値は、予め前記照射位置を補正しない状態で造形することにより作成した造形物の鉛直方向に垂直な方向の歪み量に基づいて設定される
    請求項1に記載の3次元積層造形装置。
  3. 少なくとも前記ステージの鉛直方向上の2つの位置に対する前記補正値を備えた歪み量補正テーブル、を備える
    請求項2に記載の3次元積層造形装置。
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