JP2021123675A - シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 - Google Patents
シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021123675A JP2021123675A JP2020019577A JP2020019577A JP2021123675A JP 2021123675 A JP2021123675 A JP 2021123675A JP 2020019577 A JP2020019577 A JP 2020019577A JP 2020019577 A JP2020019577 A JP 2020019577A JP 2021123675 A JP2021123675 A JP 2021123675A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mixture
- silicone
- mass
- carbon black
- silicone mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrophotography Configuration And Component (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】硬度ムラを抑制したシリコーンゴム硬化物の製造方法を提供する。【解決手段】アルケニル基含有ポリシロキサンとカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物11、アルケニル基含有ポリシロキサンと触媒を含む第2のシリコーン混合物12、アルケニル基含有ポリシロキサンとカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物13、アルケニル基含有ポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物14を用意し、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物を混合した混合物(a)16と第3のシリコーン混合物と第4のシリコーン混合物を混合した混合物(b)17を合わせて混合物(c)18を調製し、それを硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る製造方法であって、カーボンブラックはDBP吸収量が140〜180ml/100g、pH値が8.5〜10.5の範囲内であることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本開示はシリコーンゴム硬化物の製造方法、および電子写真用ローラの製造方法に関する。
シリコーンゴムは、天然ゴムや他の合成ゴムと比較して広い温度範囲で安定したゴム弾性を有し、温度による物性の変化が小さい。またシリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐紫外線性も良好などの特性を持つことから、電気・電子産業、建築・土木、自動車、一般家庭用製品に幅広く応用されている。特に、ヒドロシリル化により硬化させる付加硬化型シリコーンゴムは、短時間硬化が可能で、硬化収縮が小さいため、高い寸法精度が要求される電子写真分野の各種ロールに利用されている。
付加硬化型シリコーンゴムは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを白金系触媒の存在下で硬化させることで得られる。
このような付加硬化型シリコーンゴムの硬化物に導電性を付与するために、導電剤としてカーボンブラックを含有させることが行われている。ところで、一般的にカーボンブラックのシリコーンゴムに対する配合割合が高くなると、シリコーンゴム特有の各種ゴム物性が低下する傾向にある。そのため、カーボンブラックの配合割合を抑えつつ、高い導電性を付与するために、DBP吸収量が高いカーボンブラックが使用される場合がある。特許文献1には、導電性付与効果の高いカーボンブラックとして「デンカブラック」の如きアセチレンブラックを配合したシリコーンゴムを用いて形成されてなる弾性層を備えた現像ローラが開示されている。
このような付加硬化型シリコーンゴムの硬化物に導電性を付与するために、導電剤としてカーボンブラックを含有させることが行われている。ところで、一般的にカーボンブラックのシリコーンゴムに対する配合割合が高くなると、シリコーンゴム特有の各種ゴム物性が低下する傾向にある。そのため、カーボンブラックの配合割合を抑えつつ、高い導電性を付与するために、DBP吸収量が高いカーボンブラックが使用される場合がある。特許文献1には、導電性付与効果の高いカーボンブラックとして「デンカブラック」の如きアセチレンブラックを配合したシリコーンゴムを用いて形成されてなる弾性層を備えた現像ローラが開示されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る弾性ロールを現像ローラとして使用した時に不具合が発生する場合があった。すなわち、低温低湿環境(例えば、温度15℃、相対湿度10%)で多数枚(例えば、60000枚)の電子写真画像を形成したときに、現像ローラ上にフィルミングと称するトナーに起因する融着物が発生する場合があった。現像ローラへのフィルミングの発生は、電子写真画像上の現像ローラのフィルミング発生位置に対応する電子写真画像上に縦スジの如き欠陥を生じさせる場合がある。
本発明者らは、特許文献1に係る製造方法を用いて形成された弾性ロールを現像ローラとして使用した時にフィルミングが発生した原因について検討を重ねた。その過程で、特許文献1に係る弾性ロールの表面に局所的に硬い部分があることを見出した。周囲の硬度に対して、局所的に硬い部分があることで、他部材との接触の際に硬い部分に応力が集中し、フィルミングが発生したものと考えられる。
本発明者らは、特許文献1に係る製造方法を用いて形成された弾性ロールを現像ローラとして使用した時にフィルミングが発生した原因について検討を重ねた。その過程で、特許文献1に係る弾性ロールの表面に局所的に硬い部分があることを見出した。周囲の硬度に対して、局所的に硬い部分があることで、他部材との接触の際に硬い部分に応力が集中し、フィルミングが発生したものと考えられる。
本開示の一態様は、表面の硬度のバラつきが抑制されたシリコーンゴム硬化物を得ることのできる方法の提供に向けたものである。また、本開示の他の態様は、電子写真用ローラとして使用した場合に、多様な温湿度環境下においても、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する電子写真用ローラを得ることのできる方法の提供に向けたものである。
本開示に係る一態様によれば、
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン、及び、第1のカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物を調製する工程;
(ii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン、及び、触媒化合物を含む第2のシリコーン混合物を調製する工程;
(iii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン、及び、第2のカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物を調製する工程;
(iv)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物を調製する工程;
(v)該第1のシリコーン混合物と、該第2のシリコーン混合物とを混合して混合物(a)を調製する工程;
(vi)該第3のシリコーン混合物と第4のシリコーン混合物とを混合して混合物(b)を調製する工程;
(vii)該混合物(a)及び該混合物(b)を混合して混合物(c)を調製する工程、及び、
(viii)該混合物(c)を硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る工程を有し、
該第1のカーボンブラック、及び該第2のカーボンブラックは各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下であることを特徴とするシリコーンゴム硬化物の製造方法が提供される。
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン、及び、第1のカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物を調製する工程;
(ii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン、及び、触媒化合物を含む第2のシリコーン混合物を調製する工程;
(iii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン、及び、第2のカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物を調製する工程;
(iv)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物を調製する工程;
(v)該第1のシリコーン混合物と、該第2のシリコーン混合物とを混合して混合物(a)を調製する工程;
(vi)該第3のシリコーン混合物と第4のシリコーン混合物とを混合して混合物(b)を調製する工程;
(vii)該混合物(a)及び該混合物(b)を混合して混合物(c)を調製する工程、及び、
(viii)該混合物(c)を硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る工程を有し、
該第1のカーボンブラック、及び該第2のカーボンブラックは各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下であることを特徴とするシリコーンゴム硬化物の製造方法が提供される。
また、本開示に係る他の態様によれば、導電性の外表面を備えた軸芯体、及び、該軸芯体の外周面上に直接または間接的に設けられてなるシリコーンゴム硬化物の層を有する電子写真用ローラの製造方法であって、該シリコーンゴム硬化物の層を、上記シリコーンゴム硬化物の製造方法によって形成する工程を有することを特徴とする電子写真用ローラの製造方法が提供される。
本開示の一態様の製造方法によれば、表面の硬度バラつきが抑制されたシリコーンゴム硬化物を提供することができる。
また、本開示の他の態様の製造方法によれば、多様な温湿度環境下でも、他部材の融着によるフィルミングを抑制する高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真用ローラを提供することができる。
また、本開示の他の態様の製造方法によれば、多様な温湿度環境下でも、他部材の融着によるフィルミングを抑制する高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真用ローラを提供することができる。
本発明者らは、特許文献1に係る弾性層を構成しているシリコーンゴム硬化物の硬度のバラつきが、アセチレンブラックの如きDBP吸収量の高いカーボンブラックの使用に起因しているものと推測した。すなわち、当該硬化物を与える液状シリコーンゴム混合物中の触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、DBP吸収量の高いカーボンブラックに不均一に吸着され、その結果として、液状シリコーンゴム混合物の硬化が不均一となったものと考えられる。
このような推測に基づき、本発明者らは、DBP吸収量の高いカーボンブラック(以降、「高DBPカーボンブラック」とも称する)の使用を前提として、高DBPカーボンブラックを含む液状シリコーンゴム混合物に触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンを混合する際の混合時間を長くし、また、混合強度を高めることで、上記成分のカーボンブラックへの吸着の不均一性を改善することを試みた。
しかしながら、硬化物の硬度のバラつきを抑制する効果は未だ十分ではなかった。そこで、更なる検討を重ねた結果、液状シリコーンゴム混合物の各成分の特定の混合方法が、上記課題の解決に有効であることを見出した。
このような推測に基づき、本発明者らは、DBP吸収量の高いカーボンブラック(以降、「高DBPカーボンブラック」とも称する)の使用を前提として、高DBPカーボンブラックを含む液状シリコーンゴム混合物に触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンを混合する際の混合時間を長くし、また、混合強度を高めることで、上記成分のカーボンブラックへの吸着の不均一性を改善することを試みた。
しかしながら、硬化物の硬度のバラつきを抑制する効果は未だ十分ではなかった。そこで、更なる検討を重ねた結果、液状シリコーンゴム混合物の各成分の特定の混合方法が、上記課題の解決に有効であることを見出した。
すなわち、本開示の一態様に係るシリコーンゴム硬化物の製造方法は、
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン、及び、第1のカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物を調製する工程;
(ii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン、及び、触媒化合物を含む第2のシリコーン混合物を調製する工程;
(iii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン、及び、第2のカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物を調製する工程;
(iv)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物を調製する工程;
(v)該第1のシリコーン混合物と、該第2のシリコーン混合物とを混合して混合物(a)を調製する工程;
(vi)該第3のシリコーン混合物と、該第4のシリコーン混合物とを混合して混合物(b)を調製する工程;
(vii)該混合物(a)及び該混合物(b)を混合して混合物(c)を調製する工程;及び、
(viii)該混合物(c)を硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る工程を有し、
該第1のカーボンブラック、及び該第2のカーボンブラックは各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下である。
(i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン、及び、第1のカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物を調製する工程;
(ii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン、及び、触媒化合物を含む第2のシリコーン混合物を調製する工程;
(iii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン、及び、第2のカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物を調製する工程;
(iv)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物を調製する工程;
(v)該第1のシリコーン混合物と、該第2のシリコーン混合物とを混合して混合物(a)を調製する工程;
(vi)該第3のシリコーン混合物と、該第4のシリコーン混合物とを混合して混合物(b)を調製する工程;
(vii)該混合物(a)及び該混合物(b)を混合して混合物(c)を調製する工程;及び、
(viii)該混合物(c)を硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る工程を有し、
該第1のカーボンブラック、及び該第2のカーボンブラックは各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下である。
特許文献1に係る弾性ロール表面の硬度にバラつきが生じる推定メカニズムを、図1を用いて説明する。
特許文献1には、その実施例に係るシリコーンゴム硬化物の形成に用いる液状シリコーンゴムを以下のようにして調製したことが記載されている。
すなわち、1分子中にケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、高DBPカーボンブラックとを含むベース材料1に、白金化合物2を配合し、混合装置4を用いて分散し、混合物5を調製した。別途、ベース材料1に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3を配合し、混合装置4を用いて分散し、混合物6を調製した。その後、混合物5と混合物6を混合装置4で混合したものを液状シリコーンゴム7とした。
上記の調製方法において、白金化合物2およびオルガノハイドロジェンポリシロキサン3は、ベース材料1に対して直接添加されている。そのため、混合物5中では、白金化合物2が高DBPカーボンブラックに不均一に吸着され、混合物6中では、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3が高DBPカーボンブラックに不均一に吸着されていると考えられる。そのため、混合物5及び混合物6を混合したのちも、ヒドロシリル化反応に必要な白金や、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが高DBPカーボンブラックの周囲に偏在し、系内に均一に存在しにくいため、得られる硬化物に硬度バラつきを生じるものと考えられる。
特許文献1には、その実施例に係るシリコーンゴム硬化物の形成に用いる液状シリコーンゴムを以下のようにして調製したことが記載されている。
すなわち、1分子中にケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、高DBPカーボンブラックとを含むベース材料1に、白金化合物2を配合し、混合装置4を用いて分散し、混合物5を調製した。別途、ベース材料1に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3を配合し、混合装置4を用いて分散し、混合物6を調製した。その後、混合物5と混合物6を混合装置4で混合したものを液状シリコーンゴム7とした。
上記の調製方法において、白金化合物2およびオルガノハイドロジェンポリシロキサン3は、ベース材料1に対して直接添加されている。そのため、混合物5中では、白金化合物2が高DBPカーボンブラックに不均一に吸着され、混合物6中では、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3が高DBPカーボンブラックに不均一に吸着されていると考えられる。そのため、混合物5及び混合物6を混合したのちも、ヒドロシリル化反応に必要な白金や、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが高DBPカーボンブラックの周囲に偏在し、系内に均一に存在しにくいため、得られる硬化物に硬度バラつきを生じるものと考えられる。
一方、本開示に係る製造方法では、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンを各々、あらかじめケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンで希釈して、第2のシリコーン混合物及び第4のシリコーン混合物を調製している(工程(ii)、(iv))。その後に、第2のシリコーン混合物及び第4のシリコーン混合物を各々、高DBPカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物及び第3のシリコーン混合物と混合している(工程(v)、(vi))。このように、触媒化合物及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、予めケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンで希釈しておくことにより、工程(v)、(vi)において触媒化合物及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンが高DBPカーボンブラックと混合されても、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンが高DBPカーボンブラックに不均一に吸着されにくいと考えられる。その結果、最終的な混合物(c)中においても触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、高DBPカーボンブラックの周囲に偏在するような状態が形成されにくい。その結果、硬度のバラつきが抑えられたシリコーンゴム硬化物が得られると考えられる。
<シリコーンゴム硬化物>
シリコーンゴム硬化物を提供するための組成物は、以下の材料より構成されている。
シリコーンゴム硬化物を提供するための組成物は、以下の材料より構成されている。
<ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン>
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは、分子構造として、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、硬化物の引張り強度、引裂き強度、破断強度が良好である観点から、直鎖状が好ましい。アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、その例としてはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。この中でも、アルケニル基としてはビニル基が好ましい。
2個以上のアルケニル基は、互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
また、アルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していてもよい。
当該オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は20,000以上200,000以下が好ましく、30,000以上150,000以下がより好ましい。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは、分子構造として、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、硬化物の引張り強度、引裂き強度、破断強度が良好である観点から、直鎖状が好ましい。アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、その例としてはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。この中でも、アルケニル基としてはビニル基が好ましい。
2個以上のアルケニル基は、互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
また、アルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していてもよい。
当該オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は20,000以上200,000以下が好ましく、30,000以上150,000以下がより好ましい。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは市販品を使用することができる。具体的には、両末端ビニルポリジメチルシロキサンとして、以下の如き製品が挙げられる。DMS−V25、DMS−V31、DMS−V33、DMS−V35、DMS−V41、DMS−V42、DMS−V46、DMS−V51、DMS−V56(何れもGelest社製商品名)など。また、両末端トリメチルシロキシ基ビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン−コポリマーとして、以下の如き製品が挙げられる。VDT−123、VDT−127、VDT−131、VDT−163、VDT−431、VDT−731(何れもGelest社製商品名)など。
なお、両末端トリメチルシロキシ基ビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン−コポリマーにおいて、ビニルメチルシロキサン単位の官能基当量としては、0.8〜8.0モル%が好ましい。
これらケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは分子量分布を調整するために、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
なお、両末端トリメチルシロキシ基ビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン−コポリマーにおいて、ビニルメチルシロキサン単位の官能基当量としては、0.8〜8.0モル%が好ましい。
これらケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは分子量分布を調整するために、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ここで、重量平均分子量(Mw)は、Gel Permeation Chromatography(GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いた測定から得られる値とする。具体的には、GPCカラム(商品名:TSKgel SuperHM−m、東ソー社製)2本を直列につないだ高速液体クロマトグラフ分析装置(製品名:HLC−8120GPC、東ソー社製)を用いる。測定条件は、温度40℃、流速0.6ml/min、RI(屈折率)とし、測定サンプルを0.1質量%含むテトラヒドロフラン(THF)溶液として測定する。標準試料として単分散標準ポリスチレン(商品名:TSK標準ポリスチレンF−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500、東ソー社製)を準備する。該標準試料を用いて、検量線を作成する。測定サンプルの保持時間、又はカウント数から分子量分布を得る。この分子量分布から重量平均分子量Mwを求めることができる。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンは公知の方法によって得ることができる。例えば、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルビニルシクロポリシロキサン等のオルガノシクロポリシロキサンと、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等のヘキサオルガノジシロキサンとを用いる。これらをアルカリ触媒または酸触媒の存在下に平衡化反応を行うことによって得ることができる。
<オルガノハイドロジェンポリシロキサン>
ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンとの付加硬化反応に用いられる架橋剤である。
ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、以下のようなものを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、およびこれらのジメチルポリシロキサンの2種以上の混合物。ケイ素原子に結合した水素原子(ヒドロシリル基の水素原子)は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していてもよい。
当該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、300〜100,000の範囲にあることが好ましく、1,000以上10,000以下がより好ましい。
ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンとの付加硬化反応に用いられる架橋剤である。
ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、以下のようなものを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、およびこれらのジメチルポリシロキサンの2種以上の混合物。ケイ素原子に結合した水素原子(ヒドロシリル基の水素原子)は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していてもよい。
当該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、300〜100,000の範囲にあることが好ましく、1,000以上10,000以下がより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは市販品を使用することができ、具体的には、両末端トリメチルシリル封鎖メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーとして、HMS−013、HMS−031、HMS−064、HMS−071、HMS−082、HMS−151、HMS−301、HMS−501(Gelest社製)が挙げられる。
なお、両末端トリメチルシリル封鎖メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーにおいて、メチルハイドロジェンシロキサン単位の官能基当量としては、15〜80モル%が好ましい。
また、シリコーン混合物におけるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの含有量としては、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合したアルケニル基に対する、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した水素原子のモル比が1.0以上10.0以下となる量が好ましい。前記モル比は、1.0以上3.0以下であることがより好ましい。
なお、両末端トリメチルシリル封鎖メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーにおいて、メチルハイドロジェンシロキサン単位の官能基当量としては、15〜80モル%が好ましい。
また、シリコーン混合物におけるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの含有量としては、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合したアルケニル基に対する、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した水素原子のモル比が1.0以上10.0以下となる量が好ましい。前記モル比は、1.0以上3.0以下であることがより好ましい。
<触媒化合物>
触媒化合物は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加硬化反応を促進するために用いる触媒である。
触媒化合物としては、以下のようなものを挙げることができる。
白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、白金とアルケニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
触媒化合物は市販品を使用することができ、具体的には、SIP−6829.2、SIP−6832.2、SIP−6830.3、SIP−6831.2、SIP−6833.2(何れもGelest社製商品名)などが挙げられる。
これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
シリコーン混合物における触媒化合物の含有量としては、硬化反応性の観点から、1質量ppm以上100質量ppm以下となる量が好ましい。
触媒化合物は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加硬化反応を促進するために用いる触媒である。
触媒化合物としては、以下のようなものを挙げることができる。
白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、白金とアルケニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
触媒化合物は市販品を使用することができ、具体的には、SIP−6829.2、SIP−6832.2、SIP−6830.3、SIP−6831.2、SIP−6833.2(何れもGelest社製商品名)などが挙げられる。
これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
シリコーン混合物における触媒化合物の含有量としては、硬化反応性の観点から、1質量ppm以上100質量ppm以下となる量が好ましい。
<カーボンブラック>
第1および第2のカーボンブラックは、各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下である。
DBP吸収量は、JIS K6217−4「ゴム用カーボンブラック−基本特性−」で定められたオイル吸収量のうち、フタル酸ジブチル(DBP)の吸収量である。上記JIS規格に記載されているようにカーボンブラックの一次粒子が凝集したアグリゲートの空隙の発達具合を表し、一般的に空隙が多いほどDBP吸収量が大きくなる。
第1および第2のカーボンブラックのDBP吸収量が140ml/100g以上の場合は、シリコーンゴム硬化物への導電性付与効果が高く、過度な多量添加を抑制し、シリコーンゴム硬化物の弾性低下を抑制することができる。DBP吸収量が180ml/100g以下の場合は、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンがカーボンブラックの空隙への物理的な吸着が適切なため、加熱硬化時の遊離を容易にさせ、硬化反応性が高く、均一な硬化が可能となる。
第1および第2のカーボンブラックは、各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下である。
DBP吸収量は、JIS K6217−4「ゴム用カーボンブラック−基本特性−」で定められたオイル吸収量のうち、フタル酸ジブチル(DBP)の吸収量である。上記JIS規格に記載されているようにカーボンブラックの一次粒子が凝集したアグリゲートの空隙の発達具合を表し、一般的に空隙が多いほどDBP吸収量が大きくなる。
第1および第2のカーボンブラックのDBP吸収量が140ml/100g以上の場合は、シリコーンゴム硬化物への導電性付与効果が高く、過度な多量添加を抑制し、シリコーンゴム硬化物の弾性低下を抑制することができる。DBP吸収量が180ml/100g以下の場合は、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンがカーボンブラックの空隙への物理的な吸着が適切なため、加熱硬化時の遊離を容易にさせ、硬化反応性が高く、均一な硬化が可能となる。
カーボンブラックはpHが低いほど、水酸基やカルボニル基などの表面官能基が存在し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの水素原子と反応し、化学的吸着を発現する場合があった。その場合、カーボンブラックから触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンが加熱硬化時に遊離しづらく、硬化反応性が不安定になり、結果として、硬度のバラつきを生起する場合があった。したがって、DBP吸収量の高いカーボンブラックのpHを適正化することが重要である。
pHは、ASTM D1512で定められた方法により測定された値であり、カーボンブラックの粒子表面に存在する酸化物などの表面活性化基や表面付着物によって影響される。そのため、pHが低いほど、カルボニル基、水酸基などが表面に露出しており、樹脂との相溶性が高い。一方で、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンと反応することで化学的吸着を生じ、遊離が困難になる場合がある。その結果、加熱硬化時に十分に遊離できず、硬化反応に時間がかかる場合がある。逆にpHが高くなると、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性は低下するが、化学的吸着が生じづらく、遊離は容易に生じやすいと推察される。
第1および第2のカーボンブラックのpH値が8.5以上の場合、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンのカーボンブラックへの化学的吸着を抑制することができる。pH値が10.5以下の場合、カーボンブラックと触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性の低下が許容できる範囲となる。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンへのカーボンブラックの分散性が高く、シリコーン混合物全体にカーボンブラックを分散させることができる。このように、第1及び第2のカーボンブラックのDBP吸収量及びpHを所定の範囲としたことにより、硬化反応性を均一にでき、硬度のバラつきを抑制することができる。
当該カーボンブラックは、市販品を使用することができ、具体的には、Li−100、Li−400(何れもデンカ社製商品名)などが挙げられる。また、各種表面処理を行い、DBP吸収量およびpHを調整したカーボンブラックも使用することができる。
DBP吸収量が140ml/100g未満のカーボンブラックは、触媒やハイドロジェンオルガノポリシロキサン等の吸着が生じにくく、シリコーンゴム硬化物の硬度のバラつきに与える影響は小さい。そのため、シリコーンゴム硬化物の強度の改善等の目的で、DBP吸収量が140ml/100g未満のカーボンブラックを併用してもよい。
pHは、ASTM D1512で定められた方法により測定された値であり、カーボンブラックの粒子表面に存在する酸化物などの表面活性化基や表面付着物によって影響される。そのため、pHが低いほど、カルボニル基、水酸基などが表面に露出しており、樹脂との相溶性が高い。一方で、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンと反応することで化学的吸着を生じ、遊離が困難になる場合がある。その結果、加熱硬化時に十分に遊離できず、硬化反応に時間がかかる場合がある。逆にpHが高くなると、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性は低下するが、化学的吸着が生じづらく、遊離は容易に生じやすいと推察される。
第1および第2のカーボンブラックのpH値が8.5以上の場合、触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンのカーボンブラックへの化学的吸着を抑制することができる。pH値が10.5以下の場合、カーボンブラックと触媒化合物やオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶性の低下が許容できる範囲となる。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンへのカーボンブラックの分散性が高く、シリコーン混合物全体にカーボンブラックを分散させることができる。このように、第1及び第2のカーボンブラックのDBP吸収量及びpHを所定の範囲としたことにより、硬化反応性を均一にでき、硬度のバラつきを抑制することができる。
当該カーボンブラックは、市販品を使用することができ、具体的には、Li−100、Li−400(何れもデンカ社製商品名)などが挙げられる。また、各種表面処理を行い、DBP吸収量およびpHを調整したカーボンブラックも使用することができる。
DBP吸収量が140ml/100g未満のカーボンブラックは、触媒やハイドロジェンオルガノポリシロキサン等の吸着が生じにくく、シリコーンゴム硬化物の硬度のバラつきに与える影響は小さい。そのため、シリコーンゴム硬化物の強度の改善等の目的で、DBP吸収量が140ml/100g未満のカーボンブラックを併用してもよい。
<その他の成分>
上記以外にも、上記組成の機能を阻害しない範囲で、必要に応じて補強性付与剤、硬化遅延剤、導電剤、可塑剤、加硫剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を含有することができる。
上記以外にも、上記組成の機能を阻害しない範囲で、必要に応じて補強性付与剤、硬化遅延剤、導電剤、可塑剤、加硫剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を含有することができる。
<製造方法>
本開示に係るシリコーンゴム硬化物の製造方法は、前記(i)〜(viii)の工程を有している。
これら工程のうち、(i)〜(vii)の工程における調製・混合する手段としては、以下の手段が挙げられる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーミキサー、2本ロールミル、3本ロールミル、バンバリーミキサー、連続ミキサー、プラネタリーミキサー、3軸ミキサーの如き動的混合装置や、スタティックミキサーの如き静的混合装置を用いる方法が挙げられる。
本開示に係るシリコーンゴム硬化物の製造方法は、前記(i)〜(viii)の工程を有している。
これら工程のうち、(i)〜(vii)の工程における調製・混合する手段としては、以下の手段が挙げられる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーミキサー、2本ロールミル、3本ロールミル、バンバリーミキサー、連続ミキサー、プラネタリーミキサー、3軸ミキサーの如き動的混合装置や、スタティックミキサーの如き静的混合装置を用いる方法が挙げられる。
より具体的に図2を用いて、上記(i)〜(viii)の工程を説明する。
図2に本開示に係る混合方法の概念図を示す。
すなわち、第1のシリコーン混合物11を調製する工程(i)、第2のシリコーン混合物を調製する工程(ii)、第3のシリコーン混合物を調製する工程(iii)、第4のシリコーン混合物を調製する工程(iv)をまず行う(各工程の詳細は不図示)。次いで第1のシリコーン混合物11と第2のシリコーン混合物12とを混合装置15を用いて混合して混合物(a)(混合物16)を調製する(工程(v))。同様に第3のシリコーン混合物13と第4のシリコーン混合物14とを混合装置15を用いて混合して混合物(b)(混合物17)を調製する(工程(vi))。然る後、混合物16と混合物17とを混合装置15を用いて混合し、混合物(c)(混合物18)を得(工程(vii))、混合物18を硬化する(工程(viii))ことでシリコーンゴム硬化物を得る製造方法である。
第1のシリコーン混合物11において、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、第1のカーボンブラックは1質量部以上6質量部以下含まれていることが好ましい。第1のカーボンブラックの配合量を上記範囲内にすることで、第1のカーボンブラックを第1のオルガノポリシロキサンに均一に分散させることができる。そして、工程(v)で、第2のシリコーン混合物と混合する際に、触媒化合物を均一に物理的に吸着させることができる。
図2に本開示に係る混合方法の概念図を示す。
すなわち、第1のシリコーン混合物11を調製する工程(i)、第2のシリコーン混合物を調製する工程(ii)、第3のシリコーン混合物を調製する工程(iii)、第4のシリコーン混合物を調製する工程(iv)をまず行う(各工程の詳細は不図示)。次いで第1のシリコーン混合物11と第2のシリコーン混合物12とを混合装置15を用いて混合して混合物(a)(混合物16)を調製する(工程(v))。同様に第3のシリコーン混合物13と第4のシリコーン混合物14とを混合装置15を用いて混合して混合物(b)(混合物17)を調製する(工程(vi))。然る後、混合物16と混合物17とを混合装置15を用いて混合し、混合物(c)(混合物18)を得(工程(vii))、混合物18を硬化する(工程(viii))ことでシリコーンゴム硬化物を得る製造方法である。
第1のシリコーン混合物11において、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、第1のカーボンブラックは1質量部以上6質量部以下含まれていることが好ましい。第1のカーボンブラックの配合量を上記範囲内にすることで、第1のカーボンブラックを第1のオルガノポリシロキサンに均一に分散させることができる。そして、工程(v)で、第2のシリコーン混合物と混合する際に、触媒化合物を均一に物理的に吸着させることができる。
第2のシリコーン混合物12において、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、触媒化合物は0.01質量部以上1.0質量部以下含まれていることが好ましい。触媒化合物の配合量を上記範囲内にすることで触媒化合物を第2のオルガノポリシロキサンに均一に分散させることができ、工程(v)で、第1のシリコーン混合物と混合する際に、第1のカーボンブラックに均一に触媒化合物を吸着させることができる。
第3のシリコーン混合物13において、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、第2のカーボンブラックは1質量部以上6質量部以下含まれていることが好ましい。第2のカーボンブラックの配合量を上記範囲内にすることで、第2のカーボンブラックを第3のオルガノポリシロキサンに均一に分散させることができる。そして、工程(vi)で、第4のシリコーン混合物と混合する際に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを均一に吸着させることができる。
第4のシリコーン混合物14において、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1.0質量部以上50.0質量部以下含まれていることが好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量を上記範囲内にすることでオルガノハイドロジェンポリシロキサンを第4のオルガノポリシロキサンに均一に分散させることができ、工程(vi)で、第3のシリコーン混合物と混合する際に、第2のカーボンブラックに均一にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを吸着させることができる。
ここで、第1のシリコーン混合物と第3のシリコーン混合物は、それらの組成が同一であることが好ましい。組成が同一である場合、混合物(a)と混合物(b)の粘度差を小さくすることができ、工程(vii)での混合時、混合物中の第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックを均一に分散することができる。その結果、工程(viii)の硬化時に、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一に存在し、硬化反応性のバラつきを抑制することができる。結果として、シリコーンゴム硬化物の硬度バラつきを抑制することができる。
第1のシリコーン混合物と第3のシリコーン混合物の組成が同一であるとは、同種のオルガノポリシロキサンと同種のカーボンブラックを用いて、共通のシリコーン混合物を得た後、該共通のシリコーン混合物の一部を第1のシリコーン混合物、他の一部を第3のシリコーン混合物として使用することを意味する。また、その場合、第1及び第3のシリコーン混合物を個別に混合する工程は実質的になくなることになるが、本開示においては、共通のシリコーン混合物から第1及び第3のシリコーン混合物として分割する工程が「第1のシリコーン混合物を調製する工程(i)」と「第3のシリコーン混合物を調製する工程(iii)」となる。したがって、第1〜第4のシリコーン混合物を「調製」する工程は、第1〜第4のシリコーン混合物を「準備」する工程でもある。
ここで、第1のシリコーン混合物と第3のシリコーン混合物は、それらの組成が同一であることが好ましい。組成が同一である場合、混合物(a)と混合物(b)の粘度差を小さくすることができ、工程(vii)での混合時、混合物中の第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックを均一に分散することができる。その結果、工程(viii)の硬化時に、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一に存在し、硬化反応性のバラつきを抑制することができる。結果として、シリコーンゴム硬化物の硬度バラつきを抑制することができる。
第1のシリコーン混合物と第3のシリコーン混合物の組成が同一であるとは、同種のオルガノポリシロキサンと同種のカーボンブラックを用いて、共通のシリコーン混合物を得た後、該共通のシリコーン混合物の一部を第1のシリコーン混合物、他の一部を第3のシリコーン混合物として使用することを意味する。また、その場合、第1及び第3のシリコーン混合物を個別に混合する工程は実質的になくなることになるが、本開示においては、共通のシリコーン混合物から第1及び第3のシリコーン混合物として分割する工程が「第1のシリコーン混合物を調製する工程(i)」と「第3のシリコーン混合物を調製する工程(iii)」となる。したがって、第1〜第4のシリコーン混合物を「調製」する工程は、第1〜第4のシリコーン混合物を「準備」する工程でもある。
工程(v)における配合比率は、第1のシリコーン混合物100質量部に対して、第2のシリコーン混合物を1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。配合比率が上記範囲内にあることで、第1のカーボンブラックと触媒化合物を適切な濃度で接触させることができ、均一に触媒化合物を第1のカーボンブラックに吸着させることができる。
工程(vi)における配合比率は、第3のシリコーン混合物100質量部に対して、第4のシリコーン混合物を1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。配合比率が上記範囲内にあることで、第2のカーボンブラックとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを適切な濃度で接触させることができ、均一にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを第2のカーボンブラックに吸着させることができる。
そして、工程(vii)における配合比率は、混合物(a)100質量部に対して、混合物(b)50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。工程(vii)における配合比率が上記範囲内であることで、工程(vii)での混合時、混合物(c)中の第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックを均一に分散することができる。その結果、工程(viii)の硬化時に、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一に存在し、硬化反応性のバラつきを抑制することができる。結果として、シリコーン硬化物の硬度バラつきを抑制することができる。
また、工程(viii)における硬化温度としては、110℃以上150℃以下が好ましく、115℃以上135℃以下がより好ましい。硬化時間は、10秒以上10分以内であることが好ましい。
工程(vi)における配合比率は、第3のシリコーン混合物100質量部に対して、第4のシリコーン混合物を1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。配合比率が上記範囲内にあることで、第2のカーボンブラックとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを適切な濃度で接触させることができ、均一にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを第2のカーボンブラックに吸着させることができる。
そして、工程(vii)における配合比率は、混合物(a)100質量部に対して、混合物(b)50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。工程(vii)における配合比率が上記範囲内であることで、工程(vii)での混合時、混合物(c)中の第1のカーボンブラックおよび第2のカーボンブラックを均一に分散することができる。その結果、工程(viii)の硬化時に、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一に存在し、硬化反応性のバラつきを抑制することができる。結果として、シリコーン硬化物の硬度バラつきを抑制することができる。
また、工程(viii)における硬化温度としては、110℃以上150℃以下が好ましく、115℃以上135℃以下がより好ましい。硬化時間は、10秒以上10分以内であることが好ましい。
<電子写真用ローラ>
電子写真用ローラとしては、電子写真画像形成装置において使用される導電性ローラである。例えば、電子写真感光体(感光ドラム)を所定電位に帯電させる帯電ローラ、感光ドラムに潜像を形成した後、該潜像を現像する現像剤(トナー)を付与する現像ローラ、現像された画像を感光ドラムから記録媒体に転写させる転写ローラ等が挙げられる。以下、必要に応じて、本開示に係る電子写真用ローラを代表例である現像ローラによって説明するが、本開示はこれに限定されない。
電子写真用ローラは、磁性一成分現像剤や非磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置及び接触型現像装置や、二成分現像剤を用いた現像装置等いずれにも適用することができる。
図3に本発明に係る現像ローラの概念図を示す。図中の現像ローラ21は、軸芯体22の外周上に弾性層23を有しており、弾性層23の外周上に表面層24を有している。
電子写真用ローラとしては、電子写真画像形成装置において使用される導電性ローラである。例えば、電子写真感光体(感光ドラム)を所定電位に帯電させる帯電ローラ、感光ドラムに潜像を形成した後、該潜像を現像する現像剤(トナー)を付与する現像ローラ、現像された画像を感光ドラムから記録媒体に転写させる転写ローラ等が挙げられる。以下、必要に応じて、本開示に係る電子写真用ローラを代表例である現像ローラによって説明するが、本開示はこれに限定されない。
電子写真用ローラは、磁性一成分現像剤や非磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置及び接触型現像装置や、二成分現像剤を用いた現像装置等いずれにも適用することができる。
図3に本発明に係る現像ローラの概念図を示す。図中の現像ローラ21は、軸芯体22の外周上に弾性層23を有しており、弾性層23の外周上に表面層24を有している。
〔軸芯体〕
軸芯体22は、特に制限されるものではなく、中空状あるいは中実状のものが使用できる。軸芯体は、導電性の外表面を有し、その上に設けられる弾性層23を支持する機能を有する。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属;これらの金属を含むステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮、青銅及び快削鋼の如き合金等を挙げることができる。導電性の軸芯体の外表面には、導電性を損なわない範囲で、クロムやニッケルでメッキ処理を施すことができる。さらに、導電性軸芯体としては、樹脂製の軸芯体22の表面を金属で被覆して表面導電性としたものや、導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。導電性の軸芯体22の表面には、その外周面に設けられる弾性層23との接着性を向上させる目的で、適宜公知の接着剤を塗布しても構わない。軸芯体22の大きさは特に限定されないが、例えば、外径4mm以上、20mm以下、長さ200mm以上、380mm以下とすることができる。
軸芯体22は、特に制限されるものではなく、中空状あるいは中実状のものが使用できる。軸芯体は、導電性の外表面を有し、その上に設けられる弾性層23を支持する機能を有する。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属;これらの金属を含むステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮、青銅及び快削鋼の如き合金等を挙げることができる。導電性の軸芯体の外表面には、導電性を損なわない範囲で、クロムやニッケルでメッキ処理を施すことができる。さらに、導電性軸芯体としては、樹脂製の軸芯体22の表面を金属で被覆して表面導電性としたものや、導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。導電性の軸芯体22の表面には、その外周面に設けられる弾性層23との接着性を向上させる目的で、適宜公知の接着剤を塗布しても構わない。軸芯体22の大きさは特に限定されないが、例えば、外径4mm以上、20mm以下、長さ200mm以上、380mm以下とすることができる。
〔弾性層〕
上記軸芯体22の外周上に、本開示に係るシリコーンゴム硬化物からなる弾性層23を形成する。
弾性層は、現像ローラに要求される弾性を有しており、軸芯体の外周面上に直接または間接的に設けられてなる。弾性層の硬度としては、例えば、アスカーC硬度で20度以上、80度以下とすることができる。弾性層の厚さとしては、例えば、0.3mm以上、6.0mm以下とすることができる。弾性層の厚さは、断面を光学顕微鏡で観察・測定することにより求めることができる。
上記軸芯体22の外周上に、本開示に係るシリコーンゴム硬化物からなる弾性層23を形成する。
弾性層は、現像ローラに要求される弾性を有しており、軸芯体の外周面上に直接または間接的に設けられてなる。弾性層の硬度としては、例えば、アスカーC硬度で20度以上、80度以下とすることができる。弾性層の厚さとしては、例えば、0.3mm以上、6.0mm以下とすることができる。弾性層の厚さは、断面を光学顕微鏡で観察・測定することにより求めることができる。
軸芯体上に弾性層を形成する方法としては、型成形法、押出成形法、射出成形法、塗工成形法等を挙げることができる。より具体的には、軸芯体22と弾性層23用の原料(混合物(c))とを押出して成型する方法が挙げられる。また、原料が液状乃至は液状に近い低粘度であれば、円筒状のパイプと該パイプ両端に配設された軸芯体22を保持するための駒とを配設した金型に原料を注入し、加熱硬化する方法が挙げられる。また、以下の方法も挙げられる。
図4(a)に本開示の弾性層の形成装置の一例で、弾性層の成形開始時の模式断面図を示す。図4(b)に本開示の弾性層の形成装置の一例で、弾性層の成形終了時の模式断面図を示す。
シリコーン混合物を圧送して室温下でスタティックミキサーにより混合した後にシリンダ(不図示)の中に材料が供給される。次にシリンダ内のプランジャー(不図示)を前進させて、図4(a)に示す通り、混練り後のシリコーン混合物31を配管32の中を経由させてリングノズル33から吐出させる。
リングノズル33は、金型34の上方にテーパ合せで設置されている。リングノズル33には、プライマー43を塗布した軸芯体35をリングノズル33の中央を上方から下方へ通過させる軸芯体通過孔36が設けられている。リングノズル33内のシリコーン混合物31の流路は、軸芯体通過孔36の周囲を回り込ませながら、下方に90度向きを変えてスリット41を通り、芯金通過孔36を通過してきた軸芯体35に対して水平方向にシリコーン混合物31を吐出する構成である。軸芯体35が軸芯体通過孔36を通過して突出した部分の外周にシリコーン混合物31が吐出される。
金型34の円筒形状のキャビティには、下側からロッド38に接続されたキャップ状ピストン39が挿入されて、ピストン39には軸芯体35の下端が設置される。
この状態で、シリコーン混合物31を吐出する動作速度とピストン39を下降する動作速度を同期させて、ピストン39を下降させながら金型34のキャビティ内で軸芯体35の周囲にシリコーン混合物31を充填させる。シリコーン混合物31が充填された後に、図4(b)に示す通り、リングノズル33を金型34から上方に離した後、上駒42が金型34とテーパ合せで型組みされる。金型34の周囲にはヒーター37が設置されて、シリコーン混合物31を加硫させる温度に加熱される。所定の温度と時間で加硫を行った後、上駒42を金型34から外してピストン39を上昇させてローラ40を脱型して、ローラ40の弾性層が形成される。
弾性層23の表面は、表面層24との密着性向上の観点から、表面研磨や、コロナ処理、フレーム処理、エキシマ処理等の表面改質方法によって改質することもできる。
図4(a)に本開示の弾性層の形成装置の一例で、弾性層の成形開始時の模式断面図を示す。図4(b)に本開示の弾性層の形成装置の一例で、弾性層の成形終了時の模式断面図を示す。
シリコーン混合物を圧送して室温下でスタティックミキサーにより混合した後にシリンダ(不図示)の中に材料が供給される。次にシリンダ内のプランジャー(不図示)を前進させて、図4(a)に示す通り、混練り後のシリコーン混合物31を配管32の中を経由させてリングノズル33から吐出させる。
リングノズル33は、金型34の上方にテーパ合せで設置されている。リングノズル33には、プライマー43を塗布した軸芯体35をリングノズル33の中央を上方から下方へ通過させる軸芯体通過孔36が設けられている。リングノズル33内のシリコーン混合物31の流路は、軸芯体通過孔36の周囲を回り込ませながら、下方に90度向きを変えてスリット41を通り、芯金通過孔36を通過してきた軸芯体35に対して水平方向にシリコーン混合物31を吐出する構成である。軸芯体35が軸芯体通過孔36を通過して突出した部分の外周にシリコーン混合物31が吐出される。
金型34の円筒形状のキャビティには、下側からロッド38に接続されたキャップ状ピストン39が挿入されて、ピストン39には軸芯体35の下端が設置される。
この状態で、シリコーン混合物31を吐出する動作速度とピストン39を下降する動作速度を同期させて、ピストン39を下降させながら金型34のキャビティ内で軸芯体35の周囲にシリコーン混合物31を充填させる。シリコーン混合物31が充填された後に、図4(b)に示す通り、リングノズル33を金型34から上方に離した後、上駒42が金型34とテーパ合せで型組みされる。金型34の周囲にはヒーター37が設置されて、シリコーン混合物31を加硫させる温度に加熱される。所定の温度と時間で加硫を行った後、上駒42を金型34から外してピストン39を上昇させてローラ40を脱型して、ローラ40の弾性層が形成される。
弾性層23の表面は、表面層24との密着性向上の観点から、表面研磨や、コロナ処理、フレーム処理、エキシマ処理等の表面改質方法によって改質することもできる。
〔表面層〕
表面層24の材質としては、以下のものを挙げることができる。スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂。エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、光硬化性樹脂。トナーの摩擦帯電付与能が優れているなどからポリウレタン樹脂が特に好ましい。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
表面粗度が必要な場合は、表面層24中に粗さ制御用微粒子を含有させることができる。粗さ制御用微粒子の体積平均粒径は3μm以上、20μm以下であることが好ましい。また、表面層24中に含有される該微粒子の量は、上記各種樹脂100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の微粒子を用いることができる。
表面層24は、上記各種樹脂に電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合し、適切な抵抗領域に調整する。表面層に導電性を付与するために用いられる電子導電性物質としては、以下のものを挙げることができる。ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックの如き導電性カーボンブラック;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTの如きゴム用カーボンブラック;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボンブラック;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属および金属酸化物。この中でも、少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボンブラックが好ましい。表面層24中の導電性カーボンブラックの含有量は、樹脂成分に対して3質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。これら電子導電性物質は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、表面層24に導電性を付与するために用いられるイオン導電性物質としては、以下のものを挙げることができる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。表面層24中のイオン導電性物質の含有量は、樹脂成分に対して0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。これらイオン導電性物質は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
表面層24は、上記以外にも、機能を阻害しない範囲で、架橋剤、可塑剤、充填剤、増量剤、加硫剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤、レベリング剤等を含有することができる。
表面層24の材質としては、以下のものを挙げることができる。スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂。エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、光硬化性樹脂。トナーの摩擦帯電付与能が優れているなどからポリウレタン樹脂が特に好ましい。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
表面粗度が必要な場合は、表面層24中に粗さ制御用微粒子を含有させることができる。粗さ制御用微粒子の体積平均粒径は3μm以上、20μm以下であることが好ましい。また、表面層24中に含有される該微粒子の量は、上記各種樹脂100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の微粒子を用いることができる。
表面層24は、上記各種樹脂に電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合し、適切な抵抗領域に調整する。表面層に導電性を付与するために用いられる電子導電性物質としては、以下のものを挙げることができる。ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックの如き導電性カーボンブラック;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTの如きゴム用カーボンブラック;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボンブラック;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属および金属酸化物。この中でも、少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボンブラックが好ましい。表面層24中の導電性カーボンブラックの含有量は、樹脂成分に対して3質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。これら電子導電性物質は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、表面層24に導電性を付与するために用いられるイオン導電性物質としては、以下のものを挙げることができる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。表面層24中のイオン導電性物質の含有量は、樹脂成分に対して0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。これらイオン導電性物質は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
表面層24は、上記以外にも、機能を阻害しない範囲で、架橋剤、可塑剤、充填剤、増量剤、加硫剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤、レベリング剤等を含有することができる。
表面層24の厚さは1μm以上、100μm以下が好ましい。表面層の厚さが1μm以上であることにより、磨耗等による劣化を抑制することができる。また、表面層の厚さが100μm以下であることにより、現像ローラの表面が高硬度になるのを抑制し、トナーの劣化を抑制し、現像ローラの表面へのトナー由来の固着を抑制することができる。トナーへのダメージを考慮すると、表面層の厚さは1μm以上、50μm以下であることがより好ましい。
表面層24の形成方法としては特に限定されるものではないが、例えば、表面層24の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、表面層24用塗布液を調製する。該表面層24用塗布液を弾性層23上に塗工し、乾燥固化又は硬化することにより表面層24を形成することが可能である。分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置を用いることが好ましい。塗工方法としては、浸漬塗工、リング塗工、スプレー塗工又はロールコート等を採用することができる。
以下に、具体的な製造例、実施例および比較例により、本開示を説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
〔カーボンブラックのDBP吸収量の測定方法〕
カーボンブラックのDBP吸収量は、カーボンブラック粉末を、JIS K6217−4に従って測定した。
カーボンブラックのDBP吸収量は、カーボンブラック粉末を、JIS K6217−4に従って測定した。
〔カーボンブラックのpHの測定方法〕
カーボンブラックのpHは、カーボンブラック粉末を、ASTM D1512に従って測定した。
カーボンブラックのpHは、カーボンブラック粉末を、ASTM D1512に従って測定した。
<カーボンブラックの準備>
<<カーボンブラック1〜10の準備>>
〔製造例1〕カーボンブラック1の製造
カーボンブラックのpHを調整するために、ステンレス製ビーカーに純水500gを入れ、1.0×10−3Nの水酸化ナトリウム水溶液50gを加えて、撹拌翼を用いて200rpmで20分間撹拌した。あらかじめ200℃、2時間で加熱乾燥させたカーボンブラック(商品名:SUNBLACK 235、旭カーボン社製)をビーカーに50g加えた後、その混合液を1時間撹拌した。その後、混合液をろ過し、純水100gで洗浄し、200℃、2時間で加熱乾燥させて、カーボンブラック1を得た。得られたカーボンブラック1のDBP吸収量とpHを表1に示す。
<<カーボンブラック1〜10の準備>>
〔製造例1〕カーボンブラック1の製造
カーボンブラックのpHを調整するために、ステンレス製ビーカーに純水500gを入れ、1.0×10−3Nの水酸化ナトリウム水溶液50gを加えて、撹拌翼を用いて200rpmで20分間撹拌した。あらかじめ200℃、2時間で加熱乾燥させたカーボンブラック(商品名:SUNBLACK 235、旭カーボン社製)をビーカーに50g加えた後、その混合液を1時間撹拌した。その後、混合液をろ過し、純水100gで洗浄し、200℃、2時間で加熱乾燥させて、カーボンブラック1を得た。得られたカーボンブラック1のDBP吸収量とpHを表1に示す。
〔製造例2〜10〕
水酸化ナトリウム水溶液の濃度を表1に変更した以外は、製造例1と同様にカーボンブラック2〜10を得た。得られたカーボンブラック2〜10のDBP吸収量とpHを表1に示す。その他、使用したカーボンブラック11〜15のDBP吸収量とpHを表1に示す。
水酸化ナトリウム水溶液の濃度を表1に変更した以外は、製造例1と同様にカーボンブラック2〜10を得た。得られたカーボンブラック2〜10のDBP吸収量とpHを表1に示す。その他、使用したカーボンブラック11〜15のDBP吸収量とpHを表1に示す。
<<カーボンブラック11〜15の準備>>
カーボンブラック11〜15として、表1に示す市販のカーボンブラックをそのまま使用した。DBP吸収量とpHを表1に示す。
カーボンブラック11〜15として、表1に示す市販のカーボンブラックをそのまま使用した。DBP吸収量とpHを表1に示す。
〔実施例1〕
<軸芯体の準備>
外径6mm、長さ250mmのSUS304製の軸芯体にプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、170℃で20分間焼き付けしたものを準備した。
<軸芯体の準備>
外径6mm、長さ250mmのSUS304製の軸芯体にプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、170℃で20分間焼き付けしたものを準備した。
<シリコーン混合物1の準備>
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、共通のシリコーン混合物を調製した。その一部を第1のシリコーン混合物として用いた。
表3に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、第2のシリコーン混合物を調製した。
第3のシリコーン混合物は上記共通のシリコーン混合物の一部を用いた。
表4に示す原料に変更した以外は第2のシリコーン混合物と同様にして第4のシリコーン混合物を調製した。
第1のシリコーン混合物100質量部と第2のシリコーン混合物10質量部とを上記自転・公転ミキサーで同様に混合し、混合物(a)を調製した。
同様に第3のシリコーン混合物100質量部と第4のシリコーン混合物10質量部混合し、混合物(b)を調製した。さらに、混合物(a)100質量部と混合物(b)100質量部を自転・公転ミキサーで同様の条件で混合物(c)を調製し、これをシリコーン混合物1とした。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、共通のシリコーン混合物を調製した。その一部を第1のシリコーン混合物として用いた。
表3に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、第2のシリコーン混合物を調製した。
第3のシリコーン混合物は上記共通のシリコーン混合物の一部を用いた。
表4に示す原料に変更した以外は第2のシリコーン混合物と同様にして第4のシリコーン混合物を調製した。
第1のシリコーン混合物100質量部と第2のシリコーン混合物10質量部とを上記自転・公転ミキサーで同様に混合し、混合物(a)を調製した。
同様に第3のシリコーン混合物100質量部と第4のシリコーン混合物10質量部混合し、混合物(b)を調製した。さらに、混合物(a)100質量部と混合物(b)100質量部を自転・公転ミキサーで同様の条件で混合物(c)を調製し、これをシリコーン混合物1とした。
<弾性層の形成>
準備した軸芯体を内径12mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。上記で得たシリコーン混合物1を金型内に注入した。115℃で5分加熱成型した後、金型を50℃まで冷却し、軸芯体と一体となった弾性層を金型から取り出した。これにより、軸芯体の外周に外径12mmの弾性層を設けた。
準備した軸芯体を内径12mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。上記で得たシリコーン混合物1を金型内に注入した。115℃で5分加熱成型した後、金型を50℃まで冷却し、軸芯体と一体となった弾性層を金型から取り出した。これにより、軸芯体の外周に外径12mmの弾性層を設けた。
<表面層の形成>
表面層の材料として、ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン3027、東ソー社製)100.0質量部、MDI系ポリイソシアネート(商品名:C2521、東ソー社製)102.6質量部、カーボンブラック(商品名:MA230、三菱ケミカル社製)33.7質量部を撹拌混合した。その後、この混合液を固形分30質量%になるようにメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、混合した後、サンドミルにて均一に分散した。この混合液にさらにMEKを加え、固形分を25質量%に調整した。この混合液にポリウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC400(体積平均粒子径14μm)、根上工業社製)20質量部を加え、ボールミルで攪拌分散して、表面層用塗布液1を得た。
前記軸芯体の外周に設けられた弾性層に対し、前記表面層用塗布液1を浸漬塗工し、80℃のオーブンで15分乾燥させた。さらに、温度140℃のオーブンで1時間硬化加熱処理することで、弾性層の外周に膜厚約13μmの表面層を設け、実施例1に係る現像ローラ1を作製した。
表面層の材料として、ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン3027、東ソー社製)100.0質量部、MDI系ポリイソシアネート(商品名:C2521、東ソー社製)102.6質量部、カーボンブラック(商品名:MA230、三菱ケミカル社製)33.7質量部を撹拌混合した。その後、この混合液を固形分30質量%になるようにメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、混合した後、サンドミルにて均一に分散した。この混合液にさらにMEKを加え、固形分を25質量%に調整した。この混合液にポリウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC400(体積平均粒子径14μm)、根上工業社製)20質量部を加え、ボールミルで攪拌分散して、表面層用塗布液1を得た。
前記軸芯体の外周に設けられた弾性層に対し、前記表面層用塗布液1を浸漬塗工し、80℃のオーブンで15分乾燥させた。さらに、温度140℃のオーブンで1時間硬化加熱処理することで、弾性層の外周に膜厚約13μmの表面層を設け、実施例1に係る現像ローラ1を作製した。
〔硬度バラつき〕
得られた現像ローラ1を温度23℃、相対湿度60%環境下に24時間放置した。その後、温度23℃、相対湿度60%環境下でマイクロゴム硬度計(商品名、MD−1capa、高分子計器社製)を用いて硬度を測定した。測定方法は、測定位置は軸方向ゴム両端部から内側に各30mm、60mm、90mmの位置の計6点を周方向に角度60°刻みで合計点36点を測定した。その算術平均値をHave、標準偏差をHσとした場合、HaveをHσで除した値を100倍にし、百分率にしたものを変動係数とする。得られた変動係数を硬度のバラつきを表す指標として評価した。測定結果を表8に示す。
得られた現像ローラ1を温度23℃、相対湿度60%環境下に24時間放置した。その後、温度23℃、相対湿度60%環境下でマイクロゴム硬度計(商品名、MD−1capa、高分子計器社製)を用いて硬度を測定した。測定方法は、測定位置は軸方向ゴム両端部から内側に各30mm、60mm、90mmの位置の計6点を周方向に角度60°刻みで合計点36点を測定した。その算術平均値をHave、標準偏差をHσとした場合、HaveをHσで除した値を100倍にし、百分率にしたものを変動係数とする。得られた変動係数を硬度のバラつきを表す指標として評価した。測定結果を表8に示す。
〔フィルミングの評価〕
作製した現像ローラを、レーザプリンタ(商品名:LBP7700C;キヤノン社製)のプロセスカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323ブラック;キヤノン社製)に現像ローラとして組み込んだ。このプロセスカートリッジを温度15℃、相対湿度10%(以下、L/L)の環境に24時間以上放置し、十分にエージングを行った。放置後、同環境下において、プロセスカートリッジを上記レーザプリンタの本体に装填し、印字率0.1%の画像を60,000枚出力した。
画像出力後、ハーフトーン画像を2枚出力した。その後、現像ローラを取り出し、表面の現像剤をエアーブローにより除去し、現像ローラ表面を観察した。具体的には、デジタルマイクロスコ−プ(商品名:VHX−600;キーエンス社製)を用い、倍率1,000倍で現像ローラの表面のフィルミングの状態を観察した。さらに、得られた2枚のハーフトーン画像について、フィルミングに起因する、スジの如き欠陥が発生しているかどうかを目視で観察した。上記の観察結果を、以下の基準で評価し、ランク付けを行った。評価結果を表8に示す。
作製した現像ローラを、レーザプリンタ(商品名:LBP7700C;キヤノン社製)のプロセスカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323ブラック;キヤノン社製)に現像ローラとして組み込んだ。このプロセスカートリッジを温度15℃、相対湿度10%(以下、L/L)の環境に24時間以上放置し、十分にエージングを行った。放置後、同環境下において、プロセスカートリッジを上記レーザプリンタの本体に装填し、印字率0.1%の画像を60,000枚出力した。
画像出力後、ハーフトーン画像を2枚出力した。その後、現像ローラを取り出し、表面の現像剤をエアーブローにより除去し、現像ローラ表面を観察した。具体的には、デジタルマイクロスコ−プ(商品名:VHX−600;キーエンス社製)を用い、倍率1,000倍で現像ローラの表面のフィルミングの状態を観察した。さらに、得られた2枚のハーフトーン画像について、フィルミングに起因する、スジの如き欠陥が発生しているかどうかを目視で観察した。上記の観察結果を、以下の基準で評価し、ランク付けを行った。評価結果を表8に示す。
ランク「A」:現像ロ−ラの表面にフィルミングが認められず、画像にスジの如きフィルミングに起因する欠陥が確認できない。
ランク「B」:現像ロ−ラの表面に軽微なフィルミングが認められる。しかし、画像にスジの如きフィルミングに起因する欠陥は確認できない。
ランク「C」:現像ロ−ラの表面にフィルミングが認められる。また、画像にスジの如きフィルミングに起因する欠陥が確認できる。
ランク「B」:現像ロ−ラの表面に軽微なフィルミングが認められる。しかし、画像にスジの如きフィルミングに起因する欠陥は確認できない。
ランク「C」:現像ロ−ラの表面にフィルミングが認められる。また、画像にスジの如きフィルミングに起因する欠陥が確認できる。
〔実施例2、27〜34、比較例4〜7〕
カーボンブラックの種類と添加量を表7に示すとおりに変更した以外は、現像ローラ1と同様の方法で現像ローラ2、27〜34、C4〜7を作製した。
カーボンブラックの種類と添加量を表7に示すとおりに変更した以外は、現像ローラ1と同様の方法で現像ローラ2、27〜34、C4〜7を作製した。
〔実施例3〕
弾性層の形成を以下の方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラ3を作製した。
図4(a)および(b)に示す金型34はキャビティ内径10mm、キャビティ長234mmの円筒金型を用いた。リングノズル33は配管32との接続部の流路は縦4mm×横7mmで、下方に90度向きを変えた後のスリット41の流路はスリット幅1mm×長さ330mmのものを用いた。シリコーン混合物の吐出速度と軸芯体35の下降速度は同期させて動作して、その速度は80mm/sec.で成形を行った。金型34の温度は130℃になるようヒーター37の温調を設定して100秒間の加硫を行い、弾性層を設けた。
弾性層の形成を以下の方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラ3を作製した。
図4(a)および(b)に示す金型34はキャビティ内径10mm、キャビティ長234mmの円筒金型を用いた。リングノズル33は配管32との接続部の流路は縦4mm×横7mmで、下方に90度向きを変えた後のスリット41の流路はスリット幅1mm×長さ330mmのものを用いた。シリコーン混合物の吐出速度と軸芯体35の下降速度は同期させて動作して、その速度は80mm/sec.で成形を行った。金型34の温度は130℃になるようヒーター37の温調を設定して100秒間の加硫を行い、弾性層を設けた。
〔実施例4〕
本開示においては、第1及び第2のカーボンブラック以外のカーボンブラックを併用することができる。ここでは、第1のカーボンブラックと併用されるカーボンブラックを第3のカーボンブラック、第2のカーボンブラックと併用されるカーボンブラックを第4のカーボンブラックという。
第1および第3のシリコーン混合物に各々第3、第4のカーボンブラックとしてカーボンブラック12を表7に示すとおりに添加した以外は、実施例1と同様の方法で、現像ローラ4を作製した。
本開示においては、第1及び第2のカーボンブラック以外のカーボンブラックを併用することができる。ここでは、第1のカーボンブラックと併用されるカーボンブラックを第3のカーボンブラック、第2のカーボンブラックと併用されるカーボンブラックを第4のカーボンブラックという。
第1および第3のシリコーン混合物に各々第3、第4のカーボンブラックとしてカーボンブラック12を表7に示すとおりに添加した以外は、実施例1と同様の方法で、現像ローラ4を作製した。
〔実施例5〜17、37〜45〕
第1〜第4のカーボンブラックとして表7に示すカーボンブラック又は添加量とした以外は実施例4と同様の方法で、現像ローラ5〜17、37〜45を作製した。
第1〜第4のカーボンブラックとして表7に示すカーボンブラック又は添加量とした以外は実施例4と同様の方法で、現像ローラ5〜17、37〜45を作製した。
〔実施例18〕
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1〜4のオルガノポリシロキサンを表5に示す原料に変更した以外は、実施例4と同様の方法で、現像ローラ18を作製した。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1〜4のオルガノポリシロキサンを表5に示す原料に変更した以外は、実施例4と同様の方法で、現像ローラ18を作製した。
〔実施例19〜26〕
触媒化合物、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量および第1のシリコーン混合物〜第4のシリコーン混合物の配合量を表6に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ19〜26を作製した。
触媒化合物、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量および第1のシリコーン混合物〜第4のシリコーン混合物の配合量を表6に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ19〜26を作製した。
〔実施例35〕
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量を10質量部から20質量部に変更、混合物(a)と混合物(b)の混合比を「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部100部」から「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部50部」に変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ35を作製した。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量を10質量部から20質量部に変更、混合物(a)と混合物(b)の混合比を「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部100部」から「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部50部」に変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ35を作製した。
〔実施例36〕
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量を10質量部から5質量部に変更、混合物(a)と混合物(b)の混合比を「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部100部」から「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部200部」に変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ36を作製した。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量を10質量部から5質量部に変更、混合物(a)と混合物(b)の混合比を「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部100部」から「混合物(a):混合物(b)=100質量部:質量部200部」に変更した以外は実施例1と同様の方法で、現像ローラ36を作製した。
〔比較例1〕
シリコーン混合物の調製を図5(a)の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC1を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物51を得た。また、表4に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、シリコーン混合物53を調製した。
得られたシリコーン混合物51 110質量部に対して、白金触媒52(商品名:SIP6830.3、GELEST社製)0.1質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー54を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物55を調製した。シリコーン混合物51 100質量部に対して、シリコーン混合物53を10質量部混合し、シリコーン混合物56を調製した。さらに、シリコーン混合物55 100質量部とシリコーン混合物56 100質量部を自転・公転ミキサー54で同様の条件で分散し、シリコーン混合物57を調製した。
シリコーン混合物の調製を図5(a)の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC1を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物51を得た。また、表4に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、シリコーン混合物53を調製した。
得られたシリコーン混合物51 110質量部に対して、白金触媒52(商品名:SIP6830.3、GELEST社製)0.1質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー54を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物55を調製した。シリコーン混合物51 100質量部に対して、シリコーン混合物53を10質量部混合し、シリコーン混合物56を調製した。さらに、シリコーン混合物55 100質量部とシリコーン混合物56 100質量部を自転・公転ミキサー54で同様の条件で分散し、シリコーン混合物57を調製した。
〔比較例2〕
シリコーン混合物の調製を図5(b)の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC2を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物51を得た。また、表3に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、シリコーン混合物59を調製した。
得られたシリコーン混合物51 110質量部に対して、メチルハイドロジェンポリシロキサン58(商品名:HMS−301、GELEST社製)10質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー54を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物61を調製した。シリコーン混合物51 100質量部に対して、シリコーン混合物59を10質量部混合し、シリコーン混合物60を調製した。さらに、シリコーン混合物60 100質量部とシリコーン混合物61 100質量部を自転・公転ミキサー54で同様の分散条件で、シリコーン混合物62を調製した。
シリコーン混合物の調製を図5(b)の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC2を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物51を得た。また、表3に示す原料を自転・公転ミキサー(製品名「ARE−500」、シンキー社製)に投入し、回転数2000rpmで1分間分散し、シリコーン混合物59を調製した。
得られたシリコーン混合物51 110質量部に対して、メチルハイドロジェンポリシロキサン58(商品名:HMS−301、GELEST社製)10質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー54を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物61を調製した。シリコーン混合物51 100質量部に対して、シリコーン混合物59を10質量部混合し、シリコーン混合物60を調製した。さらに、シリコーン混合物60 100質量部とシリコーン混合物61 100質量部を自転・公転ミキサー54で同様の分散条件で、シリコーン混合物62を調製した。
〔比較例3〕
シリコーン混合物の調製を図1の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC3を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物1を調製した。
得られたシリコーン混合物1 110質量部に対して、白金触媒2(商品名:SIP6830.3、GELEST社製)0.1質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー4を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物5を調製した。シリコーン混合物1の110質量部に対して、メチルハイドロジェンポリシロキサン3(商品名:HMS−301、GELEST社製)10質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー4を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物6を調製した。さらに、シリコーン混合物5 100質量部とシリコーン混合物6 100質量部を自転・公転ミキサー4で同様の条件で分散し、シリコーン混合物7を調製した。
シリコーン混合物の調製を図1の工程からなる以下の製造方法に変更した以外は実施例1と同様に現像ローラC3を作製した。
表2に示す原料をプラネタリーミキサー(製品名「PLM−2」、井上製作所製)に投入し、回転数60rpmで3時間分散し、シリコーン混合物1を調製した。
得られたシリコーン混合物1 110質量部に対して、白金触媒2(商品名:SIP6830.3、GELEST社製)0.1質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー4を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物5を調製した。シリコーン混合物1の110質量部に対して、メチルハイドロジェンポリシロキサン3(商品名:HMS−301、GELEST社製)10質量部を直接添加し、自転・公転ミキサー4を用いて、上記同様の分散条件で、シリコーン混合物6を調製した。さらに、シリコーン混合物5 100質量部とシリコーン混合物6 100質量部を自転・公転ミキサー4で同様の条件で分散し、シリコーン混合物7を調製した。
得られた現像ローラ1〜45、C1〜C7について、本開示の方法に従って、硬度の算術平均値および変動係数、フィルミングの測定・評価を行った。測定・評価結果を表8に示す。
実施例1〜45では、第1、第2のカーボンブラックが140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下であるため、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンがカーボンブラックに均一に吸着され、硬度のバラつきを抑制し、フィルミングに対し、良好な結果が得られた。
特に、実施例27〜34に示すように、第1及び第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、第1及び第2のカーボンブラックが1質量部以上6質量部以下含まれている場合と、その範囲外である場合とで硬度のばらつきに差が生じた。すなわち、上記範囲内である実施例27,28,31,32は、範囲外である実施例29、30、33、34よりも、カーボンブラックのオルガノポリシロキサンへの分散性が均一なため、硬度のバラつきの抑制に優れている。
なお、実施例23、24は、触媒化合物が第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲内で配合されている。このため、その範囲外である実施例25、26よりも、硬化反応性が均一なため、硬度のバラつきの抑制に優れている。
また、実施例19、20は、オルガノポリシロキサンポリシロキサンが第4のオルガノポリシロキサン100質量部対して、1.0質量部以上50.0質量部以下の範囲内で配合されている。このため、その範囲外である実施例21、22よりも、急激な硬化反応を抑制した結果、硬度のバラつきの抑制に優れている。
特に、実施例27〜34に示すように、第1及び第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、第1及び第2のカーボンブラックが1質量部以上6質量部以下含まれている場合と、その範囲外である場合とで硬度のばらつきに差が生じた。すなわち、上記範囲内である実施例27,28,31,32は、範囲外である実施例29、30、33、34よりも、カーボンブラックのオルガノポリシロキサンへの分散性が均一なため、硬度のバラつきの抑制に優れている。
なお、実施例23、24は、触媒化合物が第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲内で配合されている。このため、その範囲外である実施例25、26よりも、硬化反応性が均一なため、硬度のバラつきの抑制に優れている。
また、実施例19、20は、オルガノポリシロキサンポリシロキサンが第4のオルガノポリシロキサン100質量部対して、1.0質量部以上50.0質量部以下の範囲内で配合されている。このため、その範囲外である実施例21、22よりも、急激な硬化反応を抑制した結果、硬度のバラつきの抑制に優れている。
また、実施例1は実施例18と比較して、第1のシリコーン混合物と第3のシリコーン混合物の組成が同一であるため、カーボンブラックの分散性がより高く、硬化反応性が均一になるため、硬度のバラつきが特に優れている。
これらの実施例に対し、比較例1〜3は、触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンをケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンに分散せずに、カーボンブラックを有するシリコーン混合物に直接混合している。このため、硬度のバラつきが高い。その結果、フィルミング起因のスジの発生が確認された。
また、比較例4〜7は、第1、第2のカーボンブラックのDBP吸収量、もしくはpHが本開示の範囲外であるため、硬度のバラつきが悪化した。これは触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一にカーボンブラックに吸着されず、偏りが生じたためと考えられる。その結果、フィルミング起因のスジの発生が確認された。
また、比較例4〜7は、第1、第2のカーボンブラックのDBP吸収量、もしくはpHが本開示の範囲外であるため、硬度のバラつきが悪化した。これは触媒化合物およびオルガノハイドロジェンポリシロキサンが均一にカーボンブラックに吸着されず、偏りが生じたためと考えられる。その結果、フィルミング起因のスジの発生が確認された。
11:第1のシリコーン混合物
12:第2のシリコーン混合物
13:第3のシリコーン混合物
14:第4のシリコーン混合物
15:混合装置
16:混合物(a)
17:混合物(b)
18:混合物(c)
12:第2のシリコーン混合物
13:第3のシリコーン混合物
14:第4のシリコーン混合物
15:混合装置
16:混合物(a)
17:混合物(b)
18:混合物(c)
Claims (7)
- (i)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサン、及び、第1のカーボンブラックを含む第1のシリコーン混合物を調製する工程;
(ii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサン、及び、触媒化合物を含む第2のシリコーン混合物を調製する工程;
(iii)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第3のオルガノポリシロキサン、及び、第2のカーボンブラックを含む第3のシリコーン混合物を調製する工程;
(iv)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する第4のオルガノポリシロキサン、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む第4のシリコーン混合物を調製する工程;
(v)該第1のシリコーン混合物と、該第2のシリコーン混合物とを混合して混合物(a)を調製する工程;
(vi)該第3のシリコーン混合物と、該第4のシリコーン混合物とを混合して混合物(b)を調製する工程;
(vii)該混合物(a)及び該混合物(b)を混合して混合物(c)を調製する工程;及び、
(viii)該混合物(c)を硬化させてシリコーンゴム硬化物を得る工程を有し、
該第1のカーボンブラック、及び該第2のカーボンブラックは各々独立してDBP吸収量が、140ml/100g以上180ml/100g以下の範囲内であり、かつ、pH値が8.5以上10.5以下であることを特徴とするシリコーンゴム硬化物の製造方法。 - 前記第1のシリコーン混合物において、前記第1のカーボンブラックは、前記第1のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、1質量部以上6質量部以下含まれている請求項1に記載のシリコーンゴム硬化物の製造方法。
- 前記第3のシリコーン混合物において、前記第2のカーボンブラックは、前記第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、1質量部以上6質量部以下含まれている請求項1または2に記載のシリコーン硬化物の製造方法。
- 前記第2のシリコーン混合物において、前記触媒化合物が、前記第2のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.01質量部以上1.0質量部以下含まれている請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーンゴム硬化物の製造方法。
- 前記第4のシリコーン混合物において、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、前記第4のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、1.0質量部以上50.0質量部以下含まれている請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコーンゴム硬化物の製造方法。
- 前記第1のシリコーン混合物と前記第3のシリコーン混合物は、同一の組成を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコーンゴム硬化物の製造方法。
- 導電性の外表面を備えた軸芯体、及び、該軸芯体の外周面上に直接または間接的に設けられてなるシリコーンゴム硬化物の層を有する電子写真用ローラの製造方法であって、
該シリコーンゴム硬化物の層を、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコーンゴム硬化物の製造方法によって形成する工程を有することを特徴とする電子写真用ローラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020019577A JP2021123675A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020019577A JP2021123675A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021123675A true JP2021123675A (ja) | 2021-08-30 |
Family
ID=77458229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020019577A Pending JP2021123675A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021123675A (ja) |
-
2020
- 2020-02-07 JP JP2020019577A patent/JP2021123675A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8768227B2 (en) | Developing member including elastic member containing cured product of addition-curing silicone rubber mixture, processing cartridge including the developing member, and electrophotographic apparatus including the developing member | |
JP5236111B1 (ja) | 現像部材、プロセスカートリッジ、および電子写真画像形成装置 | |
EP2749959B1 (en) | Developing member, manufacturing process therefor and electrophotographic image-forming apparatus | |
WO2013084404A1 (ja) | 導電性部材、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 | |
JP5183151B2 (ja) | 導電性ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP4849617B2 (ja) | ローラの製造方法及びローラ製造装置 | |
KR101103192B1 (ko) | 현상 롤러, 현상 롤러의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 화상 형성 장치 | |
JP4986214B2 (ja) | 導電性ローラの製造方法 | |
JP2021123675A (ja) | シリコーンゴム硬化物の製造方法および電子写真用ローラの製造方法 | |
KR101686362B1 (ko) | 현상 부재, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치 | |
JP2022182478A (ja) | シロキサン組成物、電子写真用部材、電子写真用部材の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP4906114B2 (ja) | ローラの製造方法、成形材料の選別方法及び成形材料 | |
JP6635726B2 (ja) | 導電性部材、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び付加硬化型シリコーンゴム混合物 | |
JP2010156758A (ja) | 現像ローラ、それを用いた現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び現像ローラの製造方法 | |
JP2007291298A (ja) | 弾性ローラ、その製造方法、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2003107850A (ja) | 帯電部材、画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2007304289A (ja) | 半導電性ローラ及びその製造方法、並びに画像形成装置 | |
JP2008142678A (ja) | 電子写真用弾性ローラ及びその製造方法、電子写真プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 | |
JP2013186142A (ja) | 導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2009251498A (ja) | 導電性ローラ | |
JP2005121851A (ja) | 現像剤担持ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP2007108318A (ja) | 現像剤担持ローラー製造方法、該現像ローラーを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2012242735A (ja) | 現像ローラ及びその製造方法 | |
JP2012098328A (ja) | 導電性ローラの製造方法 | |
JP2006220925A (ja) | 導電性ロールの製造方法 |