JP2021121224A - 標的真核細胞のサイトゾルへのポリペプチドカーゴの形質導入効率を改善するためのポリペプチドベースのシャトル剤、その使用、それと関連する方法及びキット - Google Patents
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Abstract
【課題】本記載は、標的真核細胞のサイトゾルへのポリペプチドカーゴの形質導入効率を増大させるのに有用な合成ペプチドに関する。【解決手段】より詳しくは、本記載は、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含む合成ペプチド及びポリペプチドベースのシャトル剤に関する。これに関連する組成物、キット、方法及び使用も記載される。【選択図】なし
Description
本記載は、標的真核細胞のサイトゾルへのポリペプチドカーゴの形質導入効率を増大させるのに有用な合成ペプチドに関する。より詳しくは、本記載は、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含む合成ペプチド及びポリペプチドベースのシャトル剤に関する。
大分子を真核細胞の内側に輸送するための細胞送達技術は、特に、生物製剤産業において幅広い適用を有する。いくつかの可溶性化学物質(例えば、小分子薬)は、真核細胞膜を通って受動的に拡散し得るが、大きなカーゴ(例えば、生物製剤、ポリヌクレオチド及びポリペプチド)は、その細胞内標的に到達するためにシャトル剤の助けを必要とする。
細胞送達技術における進歩から大きな利益を得るであろう領域は、細胞治療の分野であり、これはこの20年の間にとてつもない躍進を遂げた。細胞増殖、分化及び再プログラムを支配する種々の増殖因子及び分子合図を解読することは、満たされていない医学的必要性の治療のための多数の治療的可能性に道を開く。例えば、成体細胞からの多能性幹細胞の直接的な誘導、直接細胞変換(分化転換)及びゲノム編集(ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN(商標)及びCRISPR/Cas9技術)が、臨床適用のために細胞の治療的価値を最大化するために開発された方法の例である。現在、高い治療活性を有する細胞の製造には、通常、主にウイルス性形質導入によって達成されるex vivo操作が必要であり、ヒト適用のための重要な安全性及び経済上の懸念が生じている。転写因子又は人工ヌクレアーゼなどの活性タンパク質を、これらの細胞の内側に直接送達する能力は、有利なことに、安全性の懸念及びより危険な遺伝子導入法と関連する規制当局による障壁を回避し得る。
この関連で、ポリペプチドベースの形質導入剤は、例えば、外来DNAの導入に関する安全性の懸念を迂回するのに役立つように、精製された組換えタンパク質を、標的細胞中に直接導入するために有用であり得る。脂質性又はカチオン性ポリマーベースの形質導入剤は存在するが、化学的毒性及び効率に関する安全性の懸念を導入し、これが、ヒト療法におけるその使用を妨げている。組換えタンパク質カーゴを、細胞透過性ペプチド(例えば、HIVトランス活性化タンパク質TAT)と直接融合することを含むタンパク質形質導入アプローチは、多量の組換えタンパク質を必要とし、カーゴを適切な細胞内位置に送達できないことも多く、大量のエンドソームトラッピング及び最終的な分解につながる。エンドソームによってトラップされたカーゴのサイトゾルへの脱出を試み、促進するために、いくつかのエンドソーム膜破壊ペプチドが開発された。しかし、これらのエンドソーム溶解性ペプチドの多くは、すでに細胞内に送達されたカーゴのエンドソーム捕捉を軽減するように意図され、それ自体は、カーゴを細胞膜を越えて細胞内に運ぶ最初のシャトリングステップを補助しない(Salomoneら、2012;Salomoneら、2013;Erazo-Oliverasら、2014;Fasoliら、2014)。したがって、ポリペプチドカーゴの形質導入効率を増大可能な、標的真核細胞のサイトゾルにカーゴを送達可能な改善されたシャトル剤が必要である。
本記載は、その内容が、その全体が参照により本明細書に組み込まれるいくつかの文書を参照する。
本記載は、細胞透過性ドメイン(CPD)及び任意選択で、ヒスチジンリッチドメインと作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含む合成ペプチドが、ポリペプチドカーゴとの共有結合なしで、対象のポリペプチドカーゴを用いて形質導入され得る細胞の割合を増大させる能力を有するという驚くべき発見に由来する。形質導入の成功後、合成ペプチドは、エンドソームによってトラップされたポリペプチドカーゴが、サイトゾルに入り、任意選択で、種々の細胞内区画(例えば、核)にターゲッティングされる能力を促進し得る。
したがって、本記載は、以下の態様に関し得る:
(1)細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含む合成ペプチド。
(2)標的真核細胞のサイトゾルへの独立ポリペプチドカーゴの形質導入効率を増大させる際に使用するための、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含むポリペプチドベースのシャトル剤。
(3)合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤が、(a)20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30アミノ酸残基の最小の長さ及び35、40、45、50、55、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145又は150アミノ酸残基の最大の長さを含む、(b)生理学的pHで、少なくとも+6、+7、+8、+9、+10、+11、+12、+13、+14又は+15の予測される正味電荷を有する、(c)水溶液に可溶性である、又は(d)(a)〜(c)の何れかの組合せである、(1)又は(2)の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(4)(a)ELDが、エンドソーム溶解性ペプチド、抗菌性ペプチド(AMP)、直鎖状カチオン性αへリックス抗菌性ペプチド、セクロピン-A/メリチンハイブリッド(CMシリーズ)ペプチド、pH依存性膜活性ペプチド(PAMP)、ペプチド両親媒性物質、インフルエンザ血球凝集素(HA)のHA2サブユニットのN末端に由来するペプチド、CM18、ジフテリア毒素Tドメイン(DT)、GALA、PEA、INF-7、LAH4、HGP、H5WYG、HA2、EB1、VSVG、シュードモナス毒素、メリチン、KALA、JST-1、C(LLKK)3C、G(LLKK)3G又はそれらの任意の組合せであるか、又はそれに由来する、(b)CPDが、細胞透過性ペプチド又は細胞透過性ペプチド由来のタンパク質形質導入ドメイン、TAT、PTD4、ペネトラチン(アンテナペディア)、pVEC、M918、Pep-1、Pep-2、キセントリー(Xentry)、アルギニンストレッチ、トランスポータン、SynB1、SynB3又はそれらの任意の組合せであるか、又はそれに由来する、(c)ヒスチジンリッチドメインが、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%若しくは少なくとも90%のヒスチジン残基を含む、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5又は少なくとも6個のアミノ酸のストレッチである、及び/又は少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8若しくは少なくとも9個の連続するヒスチジン残基を含む、或いは(d)(a)〜(c)の任意の組合せである、(1)〜(3)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(5)合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤が、(a)配列番号1〜15、63若しくは64のいずれか1つのアミノ酸配列を含むELD又はエンドソーム溶解性活性を有するその変異体若しくは断片、(b)配列番号16〜27若しくは65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCPD又は細胞透過性活性を有するその変異体若しくは断片、(c)少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5若しくは少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を有するヒスチジンリッチドメイン、(d)(a)〜(c)の任意の組合せを含む、(1)〜(4)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(6)ドメインが、1つ又は複数のリンカードメインと作動可能に連結している、(1)〜(5)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(7)少なくとも2つの異なる種類のCPD及び/又はELDを含む、(1)〜(6)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(8)(a)配列番号1、14若しくは63のアミノ酸配列を有するCM18、KALA若しくはC(LLKK)3C、又は配列番号1に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、エンドソーム溶解性活性を有するその変異体であるELD、(b)配列番号17若しくは65のアミノ酸配列を有するTAT若しくはPTD4、又は配列番号17若しくは65に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体、或いは配列番号18のアミノ酸配列を有するペネトラチン、又は配列番号18に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体であるCPD、(c)少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を含むヒスチジンリッチドメイン、又は(d)(a)〜(c)の任意の組合せを含む、(1)〜(7)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(9)配列番号57〜59、66〜73若しくは82〜102のいずれか1つのアミノ酸配列を含む若しくはからなる、(1)〜(8)のいずれか1つの合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤、又は配列番号57〜59、66〜73若しくは82〜102のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有するその機能的変異体。
(10)非毒性であり、及び/又は代謝可能である、(1)〜(9)のいずれか1つの合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
(11)(a)(1)〜(10)のいずれか1つに定義されるような合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤並びにヒスチジンリッチドメイン及びCPDを含むさらなる独立合成ペプチド、並びに/又は(b)(1)〜(10)のいずれか1つに定義されるような、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4若しくは少なくとも5種の異なる種類の合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤のカクテルを含む組成物。
(12)独立ポリペプチドカーゴを標的真核細胞のサイトゾルに送達するための、(1)〜(11)のいずれか1つに定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物の使用。
(13)ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を高めるための方法であって、標的真核細胞を、(1)〜(11)のいずれか1つに定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物、及びポリペプチドカーゴと接触させることを含む方法。
(14)ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を高めるためのキットであって、(1)〜(11)のいずれか1つに定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物及び適した容器を含むキット。
(15)血清の存在下で、ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させる際に使用するための、(1)〜(14)のいずれか1つの合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(16)ポリペプチドカーゴが、(a)(4)(b)に定義されるようなCPD若しくはCPDを含む又は欠く、(b)組換えタンパク質である、(c)細胞内ターゲッティングドメインを含む、(d)DNA及び/若しくはRNA分子と複合体形成される、又は(e)(a)〜(d)の任意の組合せである、(2)〜(15)のいずれか1つの合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(17)細胞内ターゲッティングドメインが、(a)核局在シグナル(NLS)、(b)核小体シグナル配列、(c)ミトコンドリアシグナル配列又は(d)ペルオキシソームシグナル配列である、(16)の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(18)(a)NLSが、E1a、T-Ag、c-myc、T-Ag、op-T-NLS、Vp3、ヌクレオプラスミン、ヒストン2B、アフリカツメガエル(Xenopus)N1、PARP、PDX-1、QKI-5、HCDA、H2B、v-Rel、アミダ(Amida)、RanBP3、Pho4p、LEF-1、TCF-1、BDV-P、TR2、SOX9若しくはMaxに由来する、(b)核小体シグナル配列が、BIRC5若しくはRECQL4に由来する、(c)ミトコンドリアシグナル配列が、Tim9若しくは酵母チトクロームCオキシダーゼサブユニットIVに由来する、又は(d)ペルオキシソームシグナル配列が、PTS1に由来する、(17)の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(19)ポリペプチドカーゴが、転写因子、ヌクレアーゼ、サイトカイン、ホルモン、増殖因子又は抗体である、(2)〜(18)のいずれか1つの合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(20)(a)転写因子が、HOXB4、NUP98-HOXA9、Oct3/4、Sox2、Sox9、Klf4、c-Myc、MyoD、Pdx1、Ngn3、MafA、Blimp-1、Eomes、T-bet、FOXO3A、NF-YA、SALL4、ISL1、FoxA1、Nanog、Esrrb、Lin28、HIF1-α、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5、Bcl-6若しくはそれらのいずれかの組合せであり、及び/又はヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ又はそれらの任意の組合せである、(19)の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(21)細胞治療、ゲノム編集、養子細胞移入及び/又は再生医学において使用するための、(1)〜(20)のいずれか1つの合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
(22)標的真核細胞が、幹細胞、初代細胞、免疫細胞、T細胞又は樹状細胞である、(2)〜(21)のいずれか1つのシャトル剤、シャトルシステム、組成物、使用、方法又はキット。
(23)(1)〜(10)のいずれか1つに定義されるような、合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤、又は(11)の組成物を含む真核細胞。
(24)前記合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤によって細胞内に送達された独立ポリペプチドカーゴを更に含む、(23)の真核細胞。
(25)独立ポリペプチドカーゴを、標的真核細胞のサイトゾルに送達するための方法であって、前記標的真核細胞を、(1)〜(10)のいずれか1つに定義されるような、合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤又は(11)の組成物、及び前記合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤によって細胞内に送達されるべき独立ポリペプチドカーゴと接触させることを含む方法。
(26)前記独立ポリペプチドカーゴが、(16)〜(20)のいずれか1つにおいて定義されるとおりである、(23)若しくは(24)の真核細胞又は(25)の方法。
(27)前記独立ポリペプチドカーゴが、(16)〜(20)のいずれか1つにおいて定義されるとおりである、(24)若しくは(26)の真核細胞又は(25)若しくは(26)の方法。
(28)前記真核細胞が、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞、幹細胞、初代細胞、免疫細胞、T細胞又は樹状細胞である、(23)、(24)、(26)若しくは(27)の真核細胞又は(25)、(26)若しくは(27)の方法。
いくつかの態様では、本記載は、以下の項目のうち1つ又は複数に関し得る:
1.独立ポリペプチドカーゴの、標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるための方法であって、前記標的真核細胞を、合成ペプチド及び前記独立ポリペプチドカーゴと接触させることを含み、前記合成ペプチドが
(a)エンドソーム漏出ドメイン(ELD)又は細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結された、エンドソーム溶解性活性を有するその変異体又は断片を含み、前記ELDは、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記独立ポリペプチドカーゴと共有結合によって結合しておらず、
(c)20から100個のアミノ酸残基の全長を有し、
(d)生理学的pHで少なくとも+6の正味電荷を有し、
(e)生理学的pHで水溶液に可溶性であり、
前記CPDは、前記合成ペプチドを細胞内送達可能であり、前記ELDは、エンドソームによってトラップされた独立ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの脱出を可能にする、方法。
(a)エンドソーム漏出ドメイン(ELD)又は細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結された、エンドソーム溶解性活性を有するその変異体又は断片を含み、前記ELDは、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記独立ポリペプチドカーゴと共有結合によって結合しておらず、
(c)20から100個のアミノ酸残基の全長を有し、
(d)生理学的pHで少なくとも+6の正味電荷を有し、
(e)生理学的pHで水溶液に可溶性であり、
前記CPDは、前記合成ペプチドを細胞内送達可能であり、前記ELDは、エンドソームによってトラップされた独立ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの脱出を可能にする、方法。
2.前記合成ペプチドが、20から70個のアミノ酸残基の全長を有する、項目1の方法。
3.前記CPDが、配列番号16〜27若しくは65のいずれか1つのアミノ酸配列又は細胞透過性活性を有するその変異体若しくは断片を含む、項目1の方法。
4.前記合成ペプチドが、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%又は少なくとも90%のヒスチジン残基を含む少なくとも6個のアミノ酸のストレッチからなるヒスチジンリッチドメインを更に含む、及び/又は少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5若しくは少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を含む、項目1の方法。
5.前記ELD変異体又はELD断片が、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する、項目1の方法。
6.前記CPD変異体又はCPD断片が、配列番号16〜27又は65のいずれか1つに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する、項目3の方法。
7.前記ELD及びCPDが、1つ又は複数のリンカードメインを介して作動可能に連結している項目1の方法。
8.前記合成ペプチドが、N末端メチオニン残基を用いずに化学的に合成される、項目1の方法。
9.合成ペプチドが、配列番号57〜59、66〜72若しくは82〜102のいずれか1つのアミノ酸配列又は配列番号57〜59、66〜72若しくは82〜102のいずれか1つに対して少なくとも70%、少なくとも85%、少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有するその機能的変異体を含む、項目1の方法。
10.前記独立ポリペプチドカーゴが、CPDを欠く組換えタンパク質である、項目1の方法。
11.前記独立ポリペプチドカーゴが、転写因子、ヌクレアーゼ、サイトカイン、ホルモン、増殖因子又は抗体である、項目1の方法。
12.(b)前記転写因子が、HOXB4、NUP98-HOXA9、Oct3/4、Sox2、Sox9、Klf4、c-Myc、MyoD、Pdx1、Ngn3、MafA、Blimp-1、Eomes、T-bet、FOXO3A、NF-YA、SALL4、ISL1、FoxA1、Nanog、Esrrb、Lin28、HIF1-alpha、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5、Bcl-6若しくはそれらの任意の組合せであるか、又は
(b)前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ又はメガヌクレアーゼである、項目11の方法。
(b)前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ又はメガヌクレアーゼである、項目11の方法。
13.前記ヌクレアーゼが、Cas9又はCpf1である、項目11の方法。
14.前記ヌクレアーゼが、ガイドRNA、crRNA、tracrRNA又はcrRNA及びtracrRNAの両方を更に含む、項目13の方法。
15.前記独立ポリペプチドカーゴが、核局在シグナル又はさらなる核局在シグナルを含む、項目1の方法。
16.前記独立ポリペプチドカーゴが、転写因子又はヌクレアーゼである、項目15の方法。
17.(a)前記転写因子が、HOXB4、NUP98-HOXA9、Oct3/4、Sox2、Sox9、Klf4、c-Myc、MyoD、Pdx1、Ngn3、MafA、Blimp-1、Eomes、T-bet、FOXO3A、NF-YA、SALL4、ISL1、FoxA1、Nanog、Esrrb、Lin28、HIF1-alpha、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5、Bcl-6若しくはその任意の組合せであるか、又は
(b)前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ若しくはメガヌクレアーゼである、項目16の方法。
(b)前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ若しくはメガヌクレアーゼである、項目16の方法。
18.前記ヌクレアーゼが、Cas9又はCpf1である、項目17の方法。
19.前記ヌクレアーゼが、ガイドRNAを更に含む、項目18の方法。
20.前記細胞が、幹細胞、初代細胞、免疫細胞、T細胞又は樹状細胞である、項目1の方法。
21.独立ポリペプチドカーゴの、標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるための方法であって、前記標的真核細胞を、合成ペプチド及び前記独立ポリペプチドカーゴと接触させることを含み、前記合成ペプチドは、
(a)細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含み、前記ELDは、直鎖状カチオン性αへリックス抗菌性ペプチド、セクロピン-A/メリチンハイブリッド(CMシリーズ)ペプチド、pH依存性膜活性ペプチド(PAMP)、ペプチド両親媒性物質、インフルエンザ血球凝集素(HA)のHA2サブユニットのN末端に由来するペプチド、CM18、ジフテリア毒素Tドメイン(DT)、GALA、PEA、INF-7、LAH4、HGP、H5WYG、HA2、EB1、VSVG、シュードモナス毒素、メリチン、KALA、JST-1、C(LLKK)3C若しくはG(LLKK)3Gであるか、又はそれに由来する、エンドソーム溶解性ペプチドであり、
(b)前記独立ポリペプチドカーゴと共有結合によって結合しておらず、
(c)20から100個のアミノ酸残基の全長を有し、
(d)生理学的pHで少なくとも+6の正味電荷を有し、
(e)生理学的pHで水溶液に可溶性であり、
前記CPDは、前記合成ペプチドを細胞内送達可能であり、前記ELDは、エンドソームによってトラップされた独立ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの脱出を可能にする、方法。
(a)細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含み、前記ELDは、直鎖状カチオン性αへリックス抗菌性ペプチド、セクロピン-A/メリチンハイブリッド(CMシリーズ)ペプチド、pH依存性膜活性ペプチド(PAMP)、ペプチド両親媒性物質、インフルエンザ血球凝集素(HA)のHA2サブユニットのN末端に由来するペプチド、CM18、ジフテリア毒素Tドメイン(DT)、GALA、PEA、INF-7、LAH4、HGP、H5WYG、HA2、EB1、VSVG、シュードモナス毒素、メリチン、KALA、JST-1、C(LLKK)3C若しくはG(LLKK)3Gであるか、又はそれに由来する、エンドソーム溶解性ペプチドであり、
(b)前記独立ポリペプチドカーゴと共有結合によって結合しておらず、
(c)20から100個のアミノ酸残基の全長を有し、
(d)生理学的pHで少なくとも+6の正味電荷を有し、
(e)生理学的pHで水溶液に可溶性であり、
前記CPDは、前記合成ペプチドを細胞内送達可能であり、前記ELDは、エンドソームによってトラップされた独立ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの脱出を可能にする、方法。
22.前記CPDが、細胞透過性ペプチド又は細胞透過性ペプチド由来のタンパク質形質導入ドメイン、TAT、PTD4、ペネトラチン(アンテナペディア)、pVEC、M918、Pep-1、Pep-2、Xentry、アルギニンストレッチ、トランスポータン、SynB1、SynB3又はそれらの任意の組合せであるか、又はそれに由来する、項目21の方法。
23.前記合成ペプチドが、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%若しくは少なくとも90%のヒスチジン残基を含む、少なくとも3個のアミノ酸のストレッチからなるヒスチジンリッチドメインを更に含む、及び/又は少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5若しくは少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を含む、項目21の方法。
24.前記ELD及びCPDが、1つ又は複数のリンカードメインを介して作動可能に連結している、項目21の方法。
25.前記独立ポリペプチドカーゴが、転写因子、ヌクレアーゼ、サイトカイン、ホルモン、増殖因子又は抗体である、項目21の方法。
26.前記転写因子が、HOXB4、NUP98-HOXA9、Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc、MyoD、Pdx1、Ngn3、MafA、Blimp-1、Eomes、T-bet、FOXO3A、NF-YA、SALL4、ISL1、FoxA1、Nanog、Esrrb、Lin28、HIF1-alpha、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5、Bcl-6又はそれらの任意の組合せである、項目25の方法。
27.前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ又はメガヌクレアーゼである、項目25の方法。
28.前記ヌクレアーゼが、Cas9又はCpf1である、項目25の方法。
29.独立ポリペプチドカーゴの、標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるための方法であって、前記標的真核細胞を、合成ペプチド及び前記合成ペプチドと共有結合によって結合されていない前記独立ポリペプチドカーゴと接触させることを含み、前記合成ペプチドが、細胞透過性ドメインと作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)又はCPD及びヒスチジンリッチドメインと作動可能に連結されたELDを含み、
(a)前記ELDが、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記CPDが、配列番号16〜27又は65のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(c)前記ヒスチジンリッチドメインが、少なくとも2つの連続するヒスチジン残基を含む、方法。
(a)前記ELDが、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記CPDが、配列番号16〜27又は65のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(c)前記ヒスチジンリッチドメインが、少なくとも2つの連続するヒスチジン残基を含む、方法。
30.CRISPR関連タンパク質9(Cas9)を、標的真核細胞の核に送達するための方法であって、前記真核細胞を、核局在シグナルを含むCas9組換えタンパク質、及び100未満の残基長の別個の合成ペプチドシャトル剤であって、細胞透過性ドメインと作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)又はCPD及びヒスチジンリッチドメインと作動可能に連結されたELDを含む合成ペプチドシャトル剤と接触させることを含み、
(a)前記ELDは、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記CPDは、配列番号16〜27又は65のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(c)前記ヒスチジンリッチドメインは、少なくとも2つの連続するヒスチジン残基を含む、方法。
(a)前記ELDは、配列番号1〜15、63又は64のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(b)前記CPDは、配列番号16〜27又は65のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、
(c)前記ヒスチジンリッチドメインは、少なくとも2つの連続するヒスチジン残基を含む、方法。
一般定義
表題及びその他の識別子、例えば、(a)、(b)、(i)、(ii)、などは、単に、本明細書及び特許請求の範囲の読み取りを容易にするために提示される。本明細書及び特許請求の範囲における表題及びその他の識別子の使用は、ステップ又は要素が、アルファベット順又は番号順で、又はそれらが提示される順序で実施されることを必ずしも必要としない。
表題及びその他の識別子、例えば、(a)、(b)、(i)、(ii)、などは、単に、本明細書及び特許請求の範囲の読み取りを容易にするために提示される。本明細書及び特許請求の範囲における表題及びその他の識別子の使用は、ステップ又は要素が、アルファベット順又は番号順で、又はそれらが提示される順序で実施されることを必ずしも必要としない。
単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書において用語「含んでいる(comprising)」とともに使用される場合には、「1つ」を意味し得るが、「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」及び「1つ又は2つ以上の」の意味とも一致する。
用語「約」は、値が、値を決定するために使用されているデバイス又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。一般に、技術用語「約」は、最大10%の可能性ある変動を指定するものとする。したがって、値の1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10%の変動が、用語「約」中に含まれる。別に示されない限り、範囲の前の用語「約」の使用は、範囲の両端に当てはまる。
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるように、単語「含んでいる(comprising)(及び「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの、含んでいるの任意の形態)、「有している(having)」(及び「有する(have)」及び「有する(has)」などの有しているの任意の形態)、含んでいる(including)(及び「含む(includes)」及び「含む(include)」などの、含んでいるの任意の形態)又は含有している(containing)」(及び「含有する(contains)」及び含有する(contain)などの、含有しているの任意の形態)は、包括的又は無制限であり、さらなる列挙されていない要素又は方法ステップを排除しない。
本明細書において、「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、任意の種類の修飾(例えば、アセチル化、リン酸化、グリコシル化、硫酸化(sulfatation)、SUMO化、プレニル化、ユビキチン化などといった翻訳後修飾)を含む場合も、含まない場合もある、アミノ酸の任意のペプチド連結している鎖を意味する。
本明細書において、表現「であるか、又はに由来する」又は「に由来する」は、タンパク質ドメインの活性を抑制しない、保存的アミノ酸置換、欠失、修飾、並びに変異体又は機能的誘導体などの所与のタンパク質ドメイン(CPD又はELD)の機能的変異体を含む。本記載のその他の目的、利点及び特徴は、単に例として与えられた以下のその特定の実施形態の非制限的説明を、添付の図面を参照して読み取るとより明らかとなる。
配列表
この適用は、Sequence_Listing.txtと題された、2016年4月3日に作成された、約57kbの大きさを有するコンピュータによって読み取り可能な形態の配列表を含有する。コンピュータによって読み取り可能な形態は、参照によって本明細書に組み込まれる。
この適用は、Sequence_Listing.txtと題された、2016年4月3日に作成された、約57kbの大きさを有するコンピュータによって読み取り可能な形態の配列表を含有する。コンピュータによって読み取り可能な形態は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本記載は、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含む複数のドメイン合成ペプチドが、独立ポリペプチドカーゴの、真核標的細胞のサイトゾルへの形質導入効率を大幅に増大させ得るという驚くべき発見に由来する。対照的に、この形質導入効率の増大は、ELDのみ、又は単独若しくは一緒に(すなわち、別個の単一ドメインペプチドの混合物中)使用されるCPDのみを含有する独立した単一ドメインペプチドを使用する場合には見られなかった。したがって、いくつかの態様では、本記載は、独立ポリペプチドカーゴの、標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させる際に使用するための、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含むポリペプチドベースのシャトル剤に関する。
合成ペプチド及びポリペプチドベースのシャトル剤
本明細書において、「合成ペプチド」又は「合成ポリペプチド」などの表現において使用される、用語「合成」は、in vitroで製造され得る(例えば、化学的に合成される、及び/又は組換えDNA技術を使用して製造される)天然に存在しない分子を指すものとする。種々の合成調製物の純度は、例えば、高性能液体クロマトグラフィー解析及び質量分析法によって評価され得る。化学合成アプローチは、それらが、大規模な組換えタンパク質精製ステップ(例えば、臨床使用のために必要とされる)の必要性を排除し得るので、細胞発現系(例えば、酵母又は細菌タンパク質発現系)を上回って有利であり得る。対照的に、より長い合成ポリペプチドは、より複雑であり得る、及び/又は化学合成アプローチによって製造するのに費用がかさみ得、このようなポリペプチドは、細胞発現系を使用してより有利に製造され得る。いくつかの実施形態では、本記載のペプチド又はシャトル剤は、組換え宿主細胞から発現されるのとは対照的に、化学的に合成(例えば、固相又は液相ペプチド合成)され得る。いくつかの実施形態では、本記載のペプチド又はシャトル剤は、N末端メチオニン残基を欠き得る。当業者は、本記載の合成ペプチド又はシャトル剤を、1種若しくは複数の修飾されたアミノ酸(例えば、天然に生じないアミノ酸)を使用することによって、又は本記載の合成ペプチド若しくはシャトル剤を化学的に修飾することによって、安定性の特定の必要性又はその他の必要性に合うように適応させることができる。
本明細書において、「合成ペプチド」又は「合成ポリペプチド」などの表現において使用される、用語「合成」は、in vitroで製造され得る(例えば、化学的に合成される、及び/又は組換えDNA技術を使用して製造される)天然に存在しない分子を指すものとする。種々の合成調製物の純度は、例えば、高性能液体クロマトグラフィー解析及び質量分析法によって評価され得る。化学合成アプローチは、それらが、大規模な組換えタンパク質精製ステップ(例えば、臨床使用のために必要とされる)の必要性を排除し得るので、細胞発現系(例えば、酵母又は細菌タンパク質発現系)を上回って有利であり得る。対照的に、より長い合成ポリペプチドは、より複雑であり得る、及び/又は化学合成アプローチによって製造するのに費用がかさみ得、このようなポリペプチドは、細胞発現系を使用してより有利に製造され得る。いくつかの実施形態では、本記載のペプチド又はシャトル剤は、組換え宿主細胞から発現されるのとは対照的に、化学的に合成(例えば、固相又は液相ペプチド合成)され得る。いくつかの実施形態では、本記載のペプチド又はシャトル剤は、N末端メチオニン残基を欠き得る。当業者は、本記載の合成ペプチド又はシャトル剤を、1種若しくは複数の修飾されたアミノ酸(例えば、天然に生じないアミノ酸)を使用することによって、又は本記載の合成ペプチド若しくはシャトル剤を化学的に修飾することによって、安定性の特定の必要性又はその他の必要性に合うように適応させることができる。
本記載のシャトル剤に関連して、本明細書において使用される場合に、表現「ポリペプチドベースの」は、目下記載されるシャトル剤を、細胞毒性の増大と関連していることが多く、ヒト療法において使用するのに適していない場合がある脂質性又はカチオン性ポリマーベースの形質導入剤などの非ポリペプチド又は非タンパク質ベースのシャトル剤と区別するよう意図される。
本明細書において、表現「形質導入効率の増大」は、シャトル剤(例えば、本記載のポリペプチドベースのシャトル剤)の、対象のカーゴ(例えば、ポリペプチドカーゴ)が、細胞膜を越えて細胞内に送達される標的細胞の集団のパーセンテージ又は割合を改善する能力を指す。免疫蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー及びその他の適した方法が、カーゴ形質導入効率を評価するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、例えば、免疫蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー、FACS及びその他の適した方法による尺度として、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%又は85%の形質導入効率を可能にし得る。いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、例えば、実施例3.3aに記載されるアッセイによる、又は当技術分野で公知の別の適したアッセイによる尺度として、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%の細胞生存率と一緒に、上記の形質導入効率のうちの1種を可能にし得る。
本明細書において、用語「独立した」とは、一般に、互いに共有結合によって結合していない分子又は薬剤を指すものとする。例えば、表現「独立ポリペプチドカーゴ」は、本記載のシャトル剤と共有結合によって結合していない(例えば、融合していない)、細胞内に送達されるべきポリペプチドカーゴを指すものとする。いくつかの態様では、ポリペプチドカーゴと独立している(と融合していない)シャトル剤を有することは、例えば、異なるポリペプチドカーゴのために新規融合タンパク質を再設計する必要がなく、及び/又はシャトル剤対カーゴの比を容易に変更できる(融合タンパク質の場合には1:1比に制限されているのとは対照的に)、増大したシャトル剤多用途性を提供することによって有利であり得る。
標的細胞形質導入効率の増大に加えて、本記載のシャトル剤は、対象のカーゴ(例えば、ポリペプチドカーゴ)の、標的細胞のサイトゾルへの送達を促進し得る。この関連で、細胞外カーゴを、細胞透過性ペプチドに基づくアプローチを使用して標的細胞のサイトゾルへ効率的に送達することは、カーゴが、細胞膜を越えた後に細胞内エンドソーム中にトラップされることになることが多く、これがその細胞内利用能を制限し得、その最終的な代謝分解をもたらし得るので困難なものであり得る。例えば、HIV-1 Tatタンパク質由来のタンパク質形質導入ドメインの使用が、カーゴの、細胞内小胞への大量捕捉をもたらすと報告されている。いくつかの態様では、本記載のシャトル剤は、エンドソームによってトラップされたカーゴの、エンドソームから脱出し、細胞質コンパートメントに入る能力を促進し得る。この関連で、語句「独立ポリペプチドカーゴのサイトゾルへの形質導入効率を増大させること」中の表現「サイトゾルへ」は、本記載のシャトル剤の、細胞内に送達された対象のカーゴが、エンドソーム捕捉を脱出し、細胞質コンパートメントに入ることを可能にする能力を指すものとする。対象のカーゴがサイトゾルに入った後、続いて、種々の細胞内コンパートメント(例えば、核、核小体、ミトコンドリア、ペルオキシソーム)にターゲッティングされ得る。いくつかの実施形態では、したがって、表現「サイトゾルへ」は、サイトゾル送達だけでなく、カーゴが、細胞質コンパートメントに入ることを最初に必要とするその他の細胞内コンパートメントへの送達も包含するものとする。
本明細書において、「ドメイン」又は「タンパク質ドメイン」は、一般に、特定の官能基又は機能を有するタンパク質の一部を指す。いくつかのドメインは、タンパク質の残部から分離された場合にその機能を保存し、したがって、モジュール方式で使用され得る。ウイルス、細菌又は真核細胞起源の異なるタンパク質に由来するこのようなドメインを組み合わせることによって、本記載に従って、カーゴを細胞内に送達できる複数ドメインポリペプチドベースのシャトル剤を設計するだけでなく、カーゴが、エンドソームを脱出し、細胞質コンパートメントに到達することも可能にすることが可能になる。
多数のタンパク質ドメインのモジュール特徴は、本記載のシャトル剤内のその配置の点で可動性を提供し得る。しかし、いくつかのドメインは、シャトル剤の特定の位置に(例えば、N末端又はC末端領域に又はその間に)遺伝子操作された場合により良好に遂行し得る。その内因性タンパク質内のドメインの位置は、ドメインが、シャトル剤内で遺伝子操作されるべき場所の指標及びリンカーのどの種類/長さが使用されるべきであるかの指標であることもある。標準組換えDNA技術は、本開示を考慮して本記載のシャトル剤内のドメインの配置及び/又は数を操作するために当業者によって使用され得る。更に、シャトル剤中においてドメインの各々の機能性(例えば、細胞膜を越える細胞浸透、エンドソーム脱出及び/又はサイトゾルへの接近を促進する能力)を評価するために、本明細書に開示される、並びにその他の当技術分野で公知のアッセイが使用され得る。標準法はまた、シャトル剤のドメインが、細胞内に送達されるべきカーゴの活性に影響を及ぼすか否かを評価するためにも使用され得る。この関連で、表現「作動可能に連結された」とは、本明細書において、本記載のシャトル剤中において、ドメインのその意図される機能(例えば、細胞浸透、エンドソーム脱出及び/又は細胞内ターゲッティング)を実施する能力を指す。より明確にするために、表現「作動可能に連結された」は、それらの間の特定の順序又は距離に制限されない、2種以上のドメイン間の機能的結合を定義するものとする。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個のアミノ酸残基の最小の長さ及び35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145又は150個のアミノ酸残基の最大の長さを含み得る。いくつかの実施形態では、より短い合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、化学的合成アプローチによってより容易に合成され、精製され得、臨床使用により適しているものであり得る(細胞発現系から精製されなければならない組換えタンパク質とは対照的に)ので特に有利である。本記載における数及び範囲は、5の倍数として列挙されることが多いが、本記載は、そのように制限されてはならない。例えば、本明細書に記載される最大長さは、本記載において36、37、38…51、62などの長さも包含し、本明細書において列挙されないことは、単に簡潔さのためであると理解されなければならない。同一の論理的指向は、本明細書において列挙される同一性の%(例えば、86%、87%...93%...)、ヒスチジン残基のパーセンテージなどに当てはまる。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、生理学的pHで少なくとも+5、+6、+7、少なくとも+8、少なくとも+9、少なくとも+10、少なくとも+11、少なくとも+12、少なくとも+13、少なくとも+14又は少なくとも+15の予測される正味電荷を含み得る。これらの正電荷は、一般に、負に帯電したアスパラギン酸及び/又はグルタミン酸残基とは対照的に、正に帯電したリシン及び/又はアルギニン残基のより多い存在によって付与される。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、水溶液(例えば、生理学的pH)中で可溶性であり得、これは、例えば、カーゴを生存細胞に細胞内に送達するための細胞培養培地におけるその使用を促進する。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、配列番号57〜59、66〜72若しくは82〜102のうちいずれか1種のアミノ酸配列又は配列番号57〜59、66〜72若しくは82〜102のうちいずれか1種に対して少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81% 82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%の同一性を有するその機能的変異体を含み得る又はそれからなり得る。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、本明細書において定義されるような合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤のオリゴマー(例えば、二量体、三量体など)を含み得る。このようなオリゴマーは、同一又は異なる種類のシャトル剤単量体を共有結合によって結合することによって(例えば、単量体配列中に導入されたシステイン残基を連結するジスルフィド橋を使用して)構築され得る。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、N末端及び/又はC末端システイン残基を含み得る。
エンドソーム漏出ドメイン(ELD)
いくつかの態様では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、エンドソーム脱出及び細胞質コンパートメントへの接近を促進するためにエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含み得る。本明細書において、表現「エンドソーム漏出ドメイン」は、エンドソームによってトラップされた高分子が、細胞質コンパートメントに入る能力を付与するアミノ酸の配列を指す。理論に捉われるものではないが、エンドソーム漏出ドメインは、短い配列(ウイルス又は細菌ペプチドに由来することが多い)であり、これは、エンドソーム膜の不安定化及びエンドソーム内容物の細胞質への遊離を誘導すると考えられる。本明細書において、表現「エンドソーム溶解性ペプチド」は、エンドソーム膜不安定化特性を有するペプチドのこの全般的なクラスを指すものとする。したがって、いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、エンドソーム溶解性ペプチドであるELDを含み得る。このようなペプチドの活性は、例えば、実施例2に記載されるカルセインエンドソーム脱出アッセイを使用して評価され得る。
いくつかの態様では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、エンドソーム脱出及び細胞質コンパートメントへの接近を促進するためにエンドソーム漏出ドメイン(ELD)を含み得る。本明細書において、表現「エンドソーム漏出ドメイン」は、エンドソームによってトラップされた高分子が、細胞質コンパートメントに入る能力を付与するアミノ酸の配列を指す。理論に捉われるものではないが、エンドソーム漏出ドメインは、短い配列(ウイルス又は細菌ペプチドに由来することが多い)であり、これは、エンドソーム膜の不安定化及びエンドソーム内容物の細胞質への遊離を誘導すると考えられる。本明細書において、表現「エンドソーム溶解性ペプチド」は、エンドソーム膜不安定化特性を有するペプチドのこの全般的なクラスを指すものとする。したがって、いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、エンドソーム溶解性ペプチドであるELDを含み得る。このようなペプチドの活性は、例えば、実施例2に記載されるカルセインエンドソーム脱出アッセイを使用して評価され得る。
いくつかの実施形態では、ELDは、pH依存性膜活性ペプチド(PMAP)又はpH依存性溶解性ペプチドなどの酸性pHで膜を破壊するペプチドであり得る。例えば、ペプチドGALA及びINF-7は、pHの低下が、それらが含有するアミノ酸の電荷を修飾する場合にαへリックスを形成する両親媒性ペプチドである。より詳しくは、理論に捉われるものではないが、GALAなどのELDは、pHの低減によるコンホメーション変化後に、膜脂質の孔及びフリップフロップの形成によってエンドソーム漏出を誘導することが示唆される(Kakudo、Chakiら、2004、Li、Nicolら、2004)。対照的に、INF-7などのELDは、エンドソーム膜中に蓄積すること及びそれを不安定化することによってエンドソーム漏出を誘導することが示唆される(El-Sayed、Futakiら、2009)。したがって、エンドソーム成熟の過程で、同時におこるpHの低下が、ペプチドのコンホメーションの変化を引き起こし、これが、エンドソーム膜を不安定化し、エンドソーム内容物の遊離につながる。同一原理が、シュードモナスの毒素Aに当てはまると考えられる(Varkouhi、Scholteら、2011)。pHの低下後、毒素の移行のドメインのコンホメーションが変化し、エンドソーム膜へのその挿入が可能となり、ここで、孔を形成する(London 1992、O'Keefe 1992)。これは最終的に、エンドソーム不安定化及びエンドソームの外側への複合体の移行を支持する。上記のELDは、本記載のELD並びにその作用機序が十分に定義され得ないエンドソーム漏出のその他の機序内に包含される。
いくつかの実施形態では、ELDは、直鎖状カチオン性αへリックス抗菌性ペプチド(AMP)などの抗菌性ペプチド(AMP)であり得る。これらのペプチドは、細菌膜と強力に相互作用するその能力のために自然免疫応答において重要な役割を果たす。理論に捉われるものではないが、これらのペプチドは、水溶液中で無秩序な状態をとるが、疎水性環境においては、αへリックス二次構造をとると考えられる。後者のコンホメーションは、通常の濃度依存性膜破壊特性に寄与すると考えられる。エンドソーム中に特定の濃度で蓄積すると、一部の抗菌ペプチドは、エンドソーム漏出を誘導し得る。
いくつかの実施形態では、ELDは、セクロピン-A/メリチンハイブリッド(CMシリーズ)ペプチドなどの抗菌性ペプチド(AMP)であり得る。このようなペプチドは、膜破壊能力を有する、最小の最も有効なAMP由来ペプチドの中にあると考えられる。セクロピンは、グラム陽性及びグラム陰性菌の両方に対して膜撹乱能を有する抗菌ペプチドのファミリーである。セクロピンA(CA)、第1の同定された抗菌ペプチドは、直鎖状構造を有する37個のアミノ酸から構成される。メリチン(M)、26個のアミノ酸のペプチドは、ハチ毒において見られる細胞膜溶解性因子である。セクロピン-メリチンハイブリッドペプチドは、任意の抗菌剤において望ましい特性である、真核細胞に対する細胞毒性を有さない(すなわち、非溶血性の)短い効率的な抗生物質ペプチドを製造するとわかっている。これらのキメラペプチドは、セクロピンAの親水性N末端ドメインの、メリチンの疎水性N末端ドメインとの種々の組合せから構築され、細菌モデル系で試験されてきた。2つの26マー、CA(1-13)M(1-13)及びCA(1-8)M(1-18)(Bomanら、1989)が、メリチンの細胞傷害性効果を伴わずに、天然セクロピンAのより広範な、改善された効力を実証するとわかっている。
より短いCMシリーズペプチドを製造しようとする試みでは、Andreuら、1992の著者は、26マー(CA(1-8)M(1-18))などのハイブリッドペプチドを構築し、それらを、20マー(CA(1-8)M(1-12))、18マー(CA(1-8)M(1-10))並びに6種の15マー((CA(1-7)M(1-8)、CA(1-7)M(2-9)、CA(1-7)M(3-10)、CA(1-7)M(4-11)、CA(1-7)M(5-12)及びCA(1-7)M(6-13))と比較した。20及び18マーは、CA(1-8)M(1-18)と比較して同様の活性を維持した。6種の15マーの中でも、CA(1-7)M(1-8)は、低い抗菌活性を示したが、その他の5種は、溶血性効果を有さない26マーと比較して、同様の抗生物質効力を示した。したがって、いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、上記のものなどのCMシリーズペプチド変異体であるか、又はそれに由来するELDを含み得る。
いくつかの実施形態では、ELDは、メリチン(YGRKKRRQRRR)の残基2〜12と融合している、セクロピン-A(KWKLFKKIGAVLKVLTTG)の残基1〜7から構成されるCMシリーズペプチドCM18であり得る[C(1-7)M(2-12)]。CM18は、細胞透過性ペプチドTATと融合される場合には、独立に細胞膜を越え、エンドソーム膜を不安定化し、一部のエンドソームによってトラップされたカーゴが、サイトゾルに放出されることを可能にする(Salomoneら、2012)。しかし、著者の実験の一部における、フルオロフォア(atto-633)と融合されたCM18-TAT11ペプチドの使用は、フルオロフォア自体の使用が、例えば、エンドソーム膜の光化学的破壊によるエンドソーム溶解(endosomolysis)に寄与するとわかったので(Erazo-Oliverasら、2013)、フルオロフォアに対するペプチドの寄与についての不確実性を強める。
いくつかの実施形態では、ELDは、配列番号1のアミノ酸配列を有するCM18、又は配列番号1に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、85%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%の同一性を有し、エンドソーム溶解活性を有するその変異体であり得る。
いくつかの実施形態では、ELDは、エンドソーム中に蓄積するとエンドソーム膜不安定化を引き起こし得る、インフルエンザ血球凝集素(HA)のHA2サブユニットのN末端に由来するペプチドであり得る。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、表Aに示されるELDであるか、又はそれに由来するELD、又はエンドソーム脱出活性及び/若しくはpH依存性膜破壊活性を有するその変異体を含み得る。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、1種若しくは複数のELD又はELDの種類を含み得る。より詳しくは、それらは、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種又はそれ多くのELDを含み得る。いくつかの実施形態では、シャトル剤は、1から10種の間のELD、1から9種の間のELD、1から8種の間のELD、1から7種の間のELD、1から6種の間のELD、1から5種の間のELD、1から4種の間のELD、1から3種の間のELDなどを含み得る。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤内のその他のドメイン(CPD、ヒスチジンリッチドメイン)に対するELDの順序又は配置は、シャトル剤の運ぶ能力が保持される限り変わり得る。
いくつかの実施形態では、ELDは、表A中に列挙されるいずれか1種の変異体又は断片であり、エンドソーム溶解活性を有し得る。いくつかの実施形態では、ELDは、配列番号1〜15、63若しくは64のいずれか1種のアミノ酸配列又は配列番号1〜15、63若しくは64のいずれか1種に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、85%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%同一であり、エンドソーム溶解活性を有する配列を含み得る、又はそれからなり得る。
細胞浸透ドメイン(CPD)
いくつかの態様では、本記載のシャトル剤は、細胞浸透ドメイン(CPD)を含み得る。本明細書において、表現「細胞浸透ドメイン」とは、細胞中に形質導入されるべきCPDを含有する高分子(例えば、ペプチド又はタンパク質)の能力を付与するアミノ酸の配列を指す。
いくつかの態様では、本記載のシャトル剤は、細胞浸透ドメイン(CPD)を含み得る。本明細書において、表現「細胞浸透ドメイン」とは、細胞中に形質導入されるべきCPDを含有する高分子(例えば、ペプチド又はタンパク質)の能力を付与するアミノ酸の配列を指す。
いくつかの実施形態では、CPDは、細胞透過性ペプチド又は細胞透過性ペプチドのタンパク質形質導入ドメインであり得る(又は由来し得る)。細胞透過性ペプチドは、さまざまなカーゴ(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、小分子化合物又はそうでなければ膜不透過性であるその他の高分子/化合物)を細胞内に成功裏に送達するためのキャリアとして働き得る。細胞透過性ペプチドは、塩基性アミノ酸が豊富な、ひとたび高分子と融合される(又は、そうではなく作動可能に連結される)と、細胞内への内部移行を媒介する短いペプチドを含むことが多い(Shaw、Catchpoleら、2008)。第1の細胞透過性ペプチドは、転写のHIV-1トランスアクチベーター(Tat)タンパク質の細胞浸透能力を解析することによって同定された(Green及びLoewenstein 1988、Vives、Brodinら、1997)。このタンパク質は、その細胞膜内の挿入及び孔の形成を促進する「TAT」と名付けられた短い親水性アミノ酸配列を含有する。この発見以来、多数のその他の細胞透過性ペプチドが記載されてきた。この関連で、いくつかの実施形態では、CPDは、表Bに列挙されるような細胞透過性ペプチド又は細胞透過性活性を有するその変異体であり得る。
理論に捉われるものではないが、細胞透過性ペプチドは、細胞膜と相互作用し、その後、ピノサイトーシス又はエンドサイトーシスによって細胞膜を通過すると考えられる。TATペプチドの場合には、その親水性及び電荷は、その細胞膜内の挿入及び孔の形成を促進すると考えられる(Herce及びGarcia 2007)。疎水性ペプチド内のαヘリックスモチーフ(例えば、SP)も、細胞膜内に孔を形成すると考えられる(Veach、Liuら、2004)。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、1種若しくは複数のCPD又はCPDの種類を含み得る。より詳しくは、それらは、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種又は少なくとも5種又はそれより多いCPDを含み得る。いくつかの実施形態では、シャトル剤は、1から10種の間のCPD、1から6種の間のCPD、1から5種の間のCPD、1から4種の間のCPD、1から3種の間のCPDなどを含み得る。
いくつかの実施形態では、CPDは、配列番号17のアミノ酸配列を有するTAT、又は配列番号17に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81% 82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体;或いは配列番号18のアミノ酸配列を有するペネトラチン、又は配列番号18に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81% 82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体であり得る。
いくつかの実施形態では、CPDは、配列番号65のアミノ酸配列を有するPTD4、又は配列番号65に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81% 82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%の同一性を有するその変異体であり得る。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤内のその他のドメイン(ELD、ヒスチジンリッチドメイン)に対するCPDの順序又は配置は、シャトル剤の運ぶ能力が保持される限り変わり得る。
いくつかの実施形態では、CPDは、表Bに列挙されるいずれか1種の変異体又は断片であり、細胞透過性活性を有し得る。いくつかの実施形態では、CPDは、配列番号16〜27若しくは65のいずれか1種のアミノ酸配列又は配列番号16〜27若しくは65のいずれか1種に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、85%、90%、91%、92%、93%、94%若しくは95%同一であり、細胞透過性活性を有する配列を含み得る、又はからなり得る。
ヒスチジンリッチドメイン
いくつかの態様では、本記載のシャトル剤は、ヒスチジンリッチドメインを含み得る。その他の実施形態では、本記載のシャトル剤は、本質的にヒスチジンリッチドメイン及びCPDを含む又はからなる(例えば、ただし、ELDを欠く)さらなる独立合成ペプチドと組み合わされ/一緒に使用され得る。この後者のアプローチは、ヒスチジンリッチドメインの濃度が、シャトル剤中に含有されるELD及びCPDの濃度とは独立に変えられる又は制御されることを可能にするという追加の利点を提供し得る。理論に捉われるものではないが、ヒスチジンリッチドメインは、エンドソームにおいてプロトンスポンジとして作用し得、エンドソーム膜不安定化の別の機序を提供する。
いくつかの態様では、本記載のシャトル剤は、ヒスチジンリッチドメインを含み得る。その他の実施形態では、本記載のシャトル剤は、本質的にヒスチジンリッチドメイン及びCPDを含む又はからなる(例えば、ただし、ELDを欠く)さらなる独立合成ペプチドと組み合わされ/一緒に使用され得る。この後者のアプローチは、ヒスチジンリッチドメインの濃度が、シャトル剤中に含有されるELD及びCPDの濃度とは独立に変えられる又は制御されることを可能にするという追加の利点を提供し得る。理論に捉われるものではないが、ヒスチジンリッチドメインは、エンドソームにおいてプロトンスポンジとして作用し得、エンドソーム膜不安定化の別の機序を提供する。
いくつかの実施形態では、ヒスチジンリッチドメインは、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%又は少なくとも90%のヒスチジン残基を含む、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個又は少なくとも6個のアミノ酸のストレッチであり得る。いくつかの実施形態では、ヒスチジンリッチドメインは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個 少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個又は少なくとも9個の連続するヒスチジン残基を含み得る。理論に捉われるものではないが、シャトル剤中のヒスチジンリッチドメインは、エンドソームの酸性条件下での、そのイミダゾール基のプロトン化によって、エンドソームにおいてプロトンスポンジとして作用し得、エンドソーム膜不安定化の別の機序を提供し、したがって、エンドソームによってトラップされたカーゴが、サイトゾルに入る能力を更に促進する。いくつかの実施形態では、ヒスチジンリッチドメインは、合成ペプチド又はシャトル剤のN又はC末端に位置し得る。いくつかの実施形態では、ヒスチジンリッチドメインは、CPD及び/又はELDのN末端又はC末端に位置し得る。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤内のその他のドメイン(CPD、ELD)に対するヒスチジンリッチドメインの順序又は配置は、シャトル剤の運ぶ能力が保持される限り変わり得る。いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、2つ以上のヒスチジンリッチドメイン(例えば、アミノ及びカルボキシル末端のヒスチジンリッチドメイン)を含み得る。
リンカー
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤中において、ドメイン(CPD、ELD又はヒスチジンリッチドメイン)を互いに作動可能に結合するために、適したリンカー(例えば、可動性ポリペプチドリンカー)が使用され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、回転力を有さない小さい疎水性アミノ酸(グリシンなど)並びに安定性及び可動性を付与する極性セリン残基の配列を付加することによって形成され得る。リンカーは、柔らかく、シャトル剤のドメインが動くのを可能にし得る。いくつかの実施形態では、プロリンは、相当なコンホメーション強剛性を付加し得るので回避され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、セリン/グリシンリッチリンカー(例えば、GGS、GGSGGGS、GGSGGGSGGGSなど)であり得る。いくつかの実施形態では、適したリンカーを含むシャトル剤の使用は、独立ポリペプチドカーゴを、接着細胞ではなく懸濁細胞に送達するために有利であり得る。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤中において、ドメイン(CPD、ELD又はヒスチジンリッチドメイン)を互いに作動可能に結合するために、適したリンカー(例えば、可動性ポリペプチドリンカー)が使用され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、回転力を有さない小さい疎水性アミノ酸(グリシンなど)並びに安定性及び可動性を付与する極性セリン残基の配列を付加することによって形成され得る。リンカーは、柔らかく、シャトル剤のドメインが動くのを可能にし得る。いくつかの実施形態では、プロリンは、相当なコンホメーション強剛性を付加し得るので回避され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、セリン/グリシンリッチリンカー(例えば、GGS、GGSGGGS、GGSGGGSGGGSなど)であり得る。いくつかの実施形態では、適したリンカーを含むシャトル剤の使用は、独立ポリペプチドカーゴを、接着細胞ではなく懸濁細胞に送達するために有利であり得る。
カーゴ
いくつかの態様では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、独立カーゴ(例えば、ポリペプチドカーゴ)を標的真核細胞のサイトゾルに送達するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、細胞内送達を更に促進するために1つ又は複数のCPDと融合され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴと融合されるCPDは、本記載のシャトル剤のCPDと同一であっても、異なっていてもよい。このような融合タンパク質は、標準組換え技術を使用して構築され得る。いくつかの実施形態では、独立ポリペプチドカーゴは、第2の生物学的に活性なカーゴ(例えば、生物学的に活性なポリペプチド又は化合物)と、融合され、複合体形成され、又は共有結合によって結合され得る。或いは又は同時に、ポリペプチドカーゴは、細胞内ターゲッティングドメインを含み得る。
いくつかの態様では、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤は、独立カーゴ(例えば、ポリペプチドカーゴ)を標的真核細胞のサイトゾルに送達するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、細胞内送達を更に促進するために1つ又は複数のCPDと融合され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴと融合されるCPDは、本記載のシャトル剤のCPDと同一であっても、異なっていてもよい。このような融合タンパク質は、標準組換え技術を使用して構築され得る。いくつかの実施形態では、独立ポリペプチドカーゴは、第2の生物学的に活性なカーゴ(例えば、生物学的に活性なポリペプチド又は化合物)と、融合され、複合体形成され、又は共有結合によって結合され得る。或いは又は同時に、ポリペプチドカーゴは、細胞内ターゲッティングドメインを含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、それがその意図される生物学的効果を実施するために核に送達されなければならない。1つのこのような例として、カーゴが、核送達のために意図されるポリペプチド(例えば、転写因子)である場合がある。この関連で、ウイルスDNAの移行の機序に関する研究は、核局在シグナル(NLS)の同定につながった。NLS配列は、核エンベロープを超える移行のトランスポーター及びメディエーターとして作用するタンパク質(インポーチンα及びβ)によって認識される。NLSは、一般に、アルギニン、ヒスチジン及びリシンなどの荷電アミノ酸が豊富であり、インポーチンによるその認識に部分的に関与する正電荷を付与する。したがって、いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、表Cに列挙されるようなNLSのうち1種又は複数などの、核送達を促進するためのNLS又は核ターゲッティング活性を有するその変異体を含み得る。もちろん、特定の実施形態では、ポリペプチドカーゴは、その天然NLSを含み得ることが理解される。
組換えタンパク質は、ひとたび、細胞質に送達されると、真核細胞のタンパク質輸送系に対して曝露される。実際、すべてのタンパク質は、細胞の細胞質において合成され、次いで、シャトルタンパク質によって認識される小さいアミノ酸配列に基づく輸送の系によって、その最終細胞内局在に再分布される(Karniely及びPines 2005、Stojanovski、Bohnertら、2012)。NLSに加えて、その他の局在性配列は、本記載のポリペプチドカーゴの細胞内送達後、種々のオルガネラへの細胞内ターゲッティングを媒介し得る。したがって、いくつかの実施形態では、本記載のポリペプチドカーゴは、表Dに列挙されるような配列のうち1種又は複数などの、シャトル剤及びカーゴの、特定のオルガネラへの送達を促進するための細胞内局在性シグナル又は対応する細胞内ターゲッティング活性を有するその変異体を含み得る。
いくつかの実施形態では、カーゴは、細胞内送達のために意図される生物学的に活性な(組換え)ポリペプチド(例えば、転写因子、サイトカイン又はヌクレアーゼ)などの生物学的に活性な化合物であり得る。本明細書において、表現「生物学的に活性な」とは、標的細胞中に導入された場合に、化合物の、構造的、調節的及び/又は生化学的機能を媒介する能力を指す。
いくつかの実施形態では、カーゴは、転写因子などの核送達のために意図される組換えポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、転写因子は、HOXB4(Lu、Fengら、2007)、NUP98-HOXA9(Takeda、Goolsbyら、2006)、Oct3/4、Sox2、Sox9、Klf4、c-Myc (Takahashi及びYamanaka 2006)、MyoD(Sung、Munら、2013)、Pdx1、Ngn3及びMafA(Akinci、Bangaら、2012)、Blimp-1(Lin、Chouら、2013)、Eomes、T-bet(Gordon、Chaixら、2012)、FOXO3A(Warr、Binnewiesら、2013)、NF-YA(Dolfini、Minuzzoら、2012)、SALL4(Aguila、Liaoら、2011)、ISL1(Fonoudi、Yeganehら、2013)、FoxA1(Tan、Xieら、2010)、Nanog、Esrrb、Lin28(Buganimら、2014)、HIF1-α(Lord-Dufourら、2009)、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5(Riddellら、2014)又はBcl-6(Ichii、Sakamotoら、2004)であり得る。
いくつかの実施形態では、カーゴは、ゲノム編集技術にとって有用なヌクレアーゼなどの、核送達のために意図される組換えポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1(Zetscheら、2015)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)(Coxら、2015)、ホーミングエンドヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ又はそれらの任意の組合せであり得る。本明細書において明確に記載されないその他のヌクレアーゼは、やはり、本記載に包含され得る。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、核局在シグナル(例えば、Cas9-NLS、Cpf1-NLS、ZFN-NLS、TALEN-NLS)と融合され得る。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、核酸(例えば、1種又は複数のガイドRNA、crRNA、tracrRNA又はcrRNA及びtracrRNAの両方)と複合体形成され得る。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、DNA又はRNA結合活性を有し得るが、DNAを切断する能力を欠き得る。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、1種又は複数のCRISPRエンドヌクレアーゼ、例えば、以下に記載される1種又は複数のCRISPRエンドヌクレアーゼの細胞内送達(例えば、核送達)のために使用され得る。
そのそれぞれのCas1、Cas2、Cas3、Cas4、Cas6、Cas7及びCas8タンパク質、並びに大腸菌(E.coli)(I-E型)におけるCse1、Cse2、Cas7、Cas5及びCas6eサブユニット及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(I-F型)におけるCsy1、Csy2、Csy3及びCas6fを含む、これらのCasタンパク質のシグネチャー相同体及びサブユニットを含む、I型及びその亜型A、B、C、D、E、F及びI(Wiedenheftら、2011;Makarovaら、2011)。そのそれぞれのCas1、Cas2及びCas9タンパク質、並びにCsn複合体を含む、これらのCasタンパク質のシグネチャー相同体及びサブユニットを含む、II型及びその亜型A、B、C(Makarovaら、2011)。そのそれぞれのCas1、Cas2、Cas6及びCas10タンパク質、並びにCsm及びCMR複合体を含むこれらのCasタンパク質のシグネチャー相同体及びサブユニットを含む、III型及びその亜型A、B及びMTH326様モジュール(Makarovaら、2011)。IV型は、Casタンパク質のCsf3ファミリーを表す。このファミリーのメンバーは、アシドチオバチルス・フェロオキシダンス(Acidithiobacillus ferrooxidans)ATCC23270、アゾアルカス属(Azoarcus)の種(EbN1株)及びロドフェラックス・フェリレデューセンス(Rhodoferax ferrireducens)(DSM15236/ATCC BAA-621/T118株)においてCRISPRリピート付近に現れる。後者2種の種では、CRISPR/Cas遺伝子座は、プラスミド上に見られる。V型及びその亜型は、最近になって発見され、Cpf1、C2c1及びC2c3を含む。VI型は、公知の配列に対してわずかな相同性しか共有しないと報告された酵素C2c2を含む。
いくつかの実施形態では、本記載のシャトル剤は、本明細書に記載のものなどのさまざまな適用のために、上記のヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼのうち1種又は複数とともに使用され得る。CRISPR系は、DNA結合、RNA結合、ヘリカーゼ及びヌクレアーゼモチーフなどのそのそれぞれの核酸と相互作用する(Makarovaら、2013;Barrangou & Marraffini、2014)。CRISPR系は、種々のゲノム編集適用のために使用され得、これとして、以下が挙げられる:
・非相同末端結合(NHEJ)及び/又は相同依存性(Homologous-directed)組換え(HDR)(Congら、2013)を実施するCas媒介性ゲノム編集法、
・その他のタンパク質パートナーとの複合体形成を伴って、又は伴わずに、プロモーター配列と、1種又は数種のgRNAと、及びRNAポリメラーゼと結合された場合に転写開始を抑制及び/又は活性化し得る、触媒機能を喪失した(catalytically dead)Cas(dCas)(Bikardら、2013)、
・転写抑制、転写活性化、クロマチンリモデリング、蛍光リポーター、ヒストン修飾、リコンビナーゼ系アセチル化、メチル化、ユビキチン化、リン酸化、SUMO化、リボシル化及びシトルリン化を含むゲノムの特定の部位に酵素活性をもたらす方法として種々の機能性タンパク質ドメインとも融合され得る、触媒機能を喪失した(catalytically dead)Cas(dCas)(Gilbertら、2013)。
・非相同末端結合(NHEJ)及び/又は相同依存性(Homologous-directed)組換え(HDR)(Congら、2013)を実施するCas媒介性ゲノム編集法、
・その他のタンパク質パートナーとの複合体形成を伴って、又は伴わずに、プロモーター配列と、1種又は数種のgRNAと、及びRNAポリメラーゼと結合された場合に転写開始を抑制及び/又は活性化し得る、触媒機能を喪失した(catalytically dead)Cas(dCas)(Bikardら、2013)、
・転写抑制、転写活性化、クロマチンリモデリング、蛍光リポーター、ヒストン修飾、リコンビナーゼ系アセチル化、メチル化、ユビキチン化、リン酸化、SUMO化、リボシル化及びシトルリン化を含むゲノムの特定の部位に酵素活性をもたらす方法として種々の機能性タンパク質ドメインとも融合され得る、触媒機能を喪失した(catalytically dead)Cas(dCas)(Gilbertら、2013)。
当業者ならば、本シャトル剤は、本実施例ではCas9とともに例示されるが、本明細書に記載されるようなその他のヌクレアーゼとともに使用され得ることは理解するであろう。したがって、Cpf1、Cas9などのヌクレアーゼ及びこのようなヌクレアーゼ又はその他のものの変異体が本記載に包含される。一態様では、本記載は、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ又はその変異体(例えば、DNA若しくはRNAと結合し得るが、そのヌクレアーゼ活性を喪失してしまったもの又は転写因子と融合しているもの)などのヌクレアーゼ活性を有する任意のカーゴを広く網羅し得ることは理解されなければならない。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン又は腫瘍壊死因子などのサイトカインであり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドカーゴは、ホルモン又は増殖因子であり得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、抗体(例えば、標識された抗体)であり得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、例えば、研究及び/又は診断目的のための細胞内送達のために意図される検出可能な標識(蛍光ポリペプチド又はリポーター酵素)であり得る。
いくつかの実施形態では、カーゴは、球状タンパク質又は繊維状タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、約5、10、15、20、25、30、35、40、45〜50から約150、200、250、300、350、400、450、500kDa又はそれ以上のうちいずれか1種の分子質量を有し得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、約20〜200kDaの間の分子質量を有し得る。
非毒性、代謝可能合成ペプチド及びシャトル剤
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤は、最大50μM、45μM、40μM、35μM、30μM、25μM、20μM、15μM、10μM、9μM、8μM、7μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2μM、1μM、0.5μMm 0.1μM又は0.05μMの濃度で意図される標的真核細胞に対して非毒性であり得る。本記載のシャトル剤の細胞毒性は、任意の適した方法を使用して測定され得る。更に、形質導入プロトコールは、シャトル剤の毒性を低減又は最小にするように、及び/又はトランスフェクション効率を改善/最大化するように適応され得る(例えば、使用されるシャトル及び/又はカーゴの濃度、シャトル/カーゴ曝露時間、血清の存在下又は非存在下での曝露)。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤は、最大50μM、45μM、40μM、35μM、30μM、25μM、20μM、15μM、10μM、9μM、8μM、7μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2μM、1μM、0.5μMm 0.1μM又は0.05μMの濃度で意図される標的真核細胞に対して非毒性であり得る。本記載のシャトル剤の細胞毒性は、任意の適した方法を使用して測定され得る。更に、形質導入プロトコールは、シャトル剤の毒性を低減又は最小にするように、及び/又はトランスフェクション効率を改善/最大化するように適応され得る(例えば、使用されるシャトル及び/又はカーゴの濃度、シャトル/カーゴ曝露時間、血清の存在下又は非存在下での曝露)。
いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤は、意図される標的真核細胞によって容易に代謝可能である。例えば、合成ペプチド及びシャトル剤は、全体的に又は本質的に、それに対して、標的真核細胞が代謝/分解する細胞機構を有するペプチド又はポリペプチドからなり得る。実際、本記載の合成ペプチド及びポリペプチドベースのシャトル剤の細胞内半減期は、フルオロフォアなどの外来有機化合物の半減期よりもかなり小さいと予測される。しかし、フルオロフォアは、毒性であり得、それらが臨床的に安全に使用され得る前に調べられなければならない(Alfordら、2009)。いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤は、臨床使用に適したものであり得る。いくつかの実施形態では、本記載の合成ペプチド及びシャトル剤は、毒性が不確かであるか、又は排除されていないドメイン又は化合物の使用を避けることができる。
カクテル
いくつかの実施形態では、本記載は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4又は少なくとも5種類の異なる種類の本明細書において定義されるような合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤のカクテルを含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、種々の種類の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤(例えば、種々の種類のCPDを含む種々のシャトル剤)を含むことは、種々のポリペプチドカーゴを細胞内に送達するための増大した多用途性を提供し得る。更に、理論に捉われるものではないが、低濃度の種々の種類のシャトル剤を組み合わせることは、単一種類のシャトル剤(例えば、より高濃度の)を使用することと関連する細胞毒性を低減するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、本記載は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4又は少なくとも5種類の異なる種類の本明細書において定義されるような合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤のカクテルを含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、種々の種類の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤(例えば、種々の種類のCPDを含む種々のシャトル剤)を含むことは、種々のポリペプチドカーゴを細胞内に送達するための増大した多用途性を提供し得る。更に、理論に捉われるものではないが、低濃度の種々の種類のシャトル剤を組み合わせることは、単一種類のシャトル剤(例えば、より高濃度の)を使用することと関連する細胞毒性を低減するのに役立ち得る。
方法、キット、使用及び細胞
いくつかの実施形態では、本記載は、ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるための方法に関する。方法は、標的真核細胞を、本明細書において定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物、及びポリペプチドカーゴと接触させることを含み得る。いくつかの実施形態では、合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物は、混合物を形成するためにポリペプチドカーゴとともにプレインキュベートされ得、その後、標的真核細胞を混合物に対して曝露する。いくつかの実施形態では、CPDの種類は、細胞内に送達されるべきポリペプチドカーゴのアミノ酸配列に基づいて選択され得る。その他の実施形態では、CPD及びELDの種類は、細胞内に送達されるべきポリペプチドカーゴのアミノ酸配列、細胞の種類、組織の種類などを考慮するように選択され得る。
いくつかの実施形態では、本記載は、ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるための方法に関する。方法は、標的真核細胞を、本明細書において定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物、及びポリペプチドカーゴと接触させることを含み得る。いくつかの実施形態では、合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物は、混合物を形成するためにポリペプチドカーゴとともにプレインキュベートされ得、その後、標的真核細胞を混合物に対して曝露する。いくつかの実施形態では、CPDの種類は、細胞内に送達されるべきポリペプチドカーゴのアミノ酸配列に基づいて選択され得る。その他の実施形態では、CPD及びELDの種類は、細胞内に送達されるべきポリペプチドカーゴのアミノ酸配列、細胞の種類、組織の種類などを考慮するように選択され得る。
いくつかの実施形態では、方法は、合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物を用いる標的細胞の複数回の処理を含み得る(例えば、1日あたり1、2、3、4回若しくはそれ以上の回数及び/又は所定のスケジュールで)。このような場合には、低濃度の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物は、得策であり得る(例えば、毒性を低減するために)。いくつかの実施形態では、細胞は、懸濁細胞又は接着細胞であり得る。いくつかの実施形態では、当業者は、ポリペプチドカーゴを、所望の生存力を有する特定の細胞に送達する特定の必要性に適するように、シャトル、ドメイン、使用及び方法の種々の組合せを使用して、本記載の教示を適応させることができるであろう。
いくつかの実施形態では、本記載の方法を、ポリペプチドカーゴを、in vivoで細胞に細胞内送達する方法に適用してもよい。このような方法は、組織、臓器又は系への非経口投与又は直接注射によって達成され得る。
いくつかの実施形態では、合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物及びポリペプチドカーゴは、血清の存在下又は非存在下で標的細胞に曝露され得る。いくつかの実施形態では、方法は、臨床使用又は治療的使用に適したものであり得る。
いくつかの実施形態では、本記載は、ポリペプチドカーゴの、標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させるためのキットに関する。キットは、本明細書において定義されるような合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物及び適した容器を含み得る。
いくつかの実施形態では、標的真核細胞は、動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞であり得る。いくつかの実施形態では、標的真核細胞は、幹細胞(例えば、胚幹細胞、多能性幹細胞、誘導性多能性幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞、末梢血幹細胞)、初代細胞(例えば、筋芽細胞、線維芽細胞)又は免疫細胞(例えば、T細胞、樹状細胞、抗原提示細胞)であり得る。いくつかの実施形態では、本記載は、本明細書において定義されるような合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤を含む単離細胞に関する。いくつかの実施形態では、細胞は、タンパク質誘導性多能性幹細胞であり得る。タンパク質形質導入に対して耐性である、又は受け入れられないことが多い細胞が、本記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤の興味深い候補であり得るということは理解される。
本記載のその他の目的、利点及び特徴は、添付の図面のみを参照して、例として与えられたその特定の実施形態の以下の非制限的説明を読むと、より明らかとなる。
(実施例1)
材料及び方法
1.1 材料
すべての化学物質は、別に断りのない限り、Sigma-Aldrich社(セントルイス、ミズーリ州、米国又はオークビル、オンタリオ州、カナダ)から、又は同等の等級のものをBioShop Canada Inc.社(ミシサガ、オンタリオ州、カナダ)又はVWR社(モントリオール市、ケベック州、カナダ)から購入した。
材料及び方法
1.1 材料
すべての化学物質は、別に断りのない限り、Sigma-Aldrich社(セントルイス、ミズーリ州、米国又はオークビル、オンタリオ州、カナダ)から、又は同等の等級のものをBioShop Canada Inc.社(ミシサガ、オンタリオ州、カナダ)又はVWR社(モントリオール市、ケベック州、カナダ)から購入した。
1.2 試薬
1.3 細胞株
HeLa、HEK293A、HEK293T、THP-1、CHO、NIH3T3、CA46、Balb3T3及びHT2細胞は、American Type Culture Collection(マナッサス、バージニア州、米国)から入手し、製造業者の使用説明書に従って培養した。筋芽細胞は、Professor J.P. Tremblay(ラバル大学、ケベック州、カナダ)によって寄贈された一次ヒト細胞である。
HeLa、HEK293A、HEK293T、THP-1、CHO、NIH3T3、CA46、Balb3T3及びHT2細胞は、American Type Culture Collection(マナッサス、バージニア州、米国)から入手し、製造業者の使用説明書に従って培養した。筋芽細胞は、Professor J.P. Tremblay(ラバル大学、ケベック州、カナダ)によって寄贈された一次ヒト細胞である。
1.4 タンパク質精製
融合タンパク質を、T5プロモーターを含有する、イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性ベクターを使用して標準条件下で、細菌(大腸菌BL21DE3)中で発現させた。培養培地は、1リットルあたり、24gの酵母抽出物、12gのトリプトン、4mLのグリセロール、2.3g KH2PO4及び12.5g K2HPO4を含有していた。細菌培養液を、撹拌下、適当な抗生物質(例えば、アンピシリン)とともに37℃でインキュベートした。発現は、1mM IPTGの最終濃度を用い、0.5から0.6の間の光学濃度(600nm)で、30℃で3時間誘導した。5000RPMで遠心分離した後、細菌を回収し、細菌ペレットを-20℃で保存した。
融合タンパク質を、T5プロモーターを含有する、イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性ベクターを使用して標準条件下で、細菌(大腸菌BL21DE3)中で発現させた。培養培地は、1リットルあたり、24gの酵母抽出物、12gのトリプトン、4mLのグリセロール、2.3g KH2PO4及び12.5g K2HPO4を含有していた。細菌培養液を、撹拌下、適当な抗生物質(例えば、アンピシリン)とともに37℃でインキュベートした。発現は、1mM IPTGの最終濃度を用い、0.5から0.6の間の光学濃度(600nm)で、30℃で3時間誘導した。5000RPMで遠心分離した後、細菌を回収し、細菌ペレットを-20℃で保存した。
細菌ペレットを、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)1mMを含むTrisバッファー(Tris 25mM pH7.5、NaCl 100mM、イミダゾール 5mM)中に再懸濁し、1000バールでホモジナイザ-Panda 2K(商標)を3回通すことによって溶解した。溶液を、15000RPM、4℃で30分間遠心分離した。上清を集め、0.22μMの濾過デバイスを用いて濾過した。
FPLC(AKTA Explorer 100R)を使用して、5カラム容積(CV)のTrisバッファーを用いて予め平衡化したHisTrap(商標)FFカラム上に可溶化したタンパク質をロードした。カラムを、30カラム容積(CV)の、0.1% Triton(商標)X-114を補給したTrisバッファーを用いて、続いて、30CVの、イミダゾール40mMを含むTrisバッファーを用いて洗浄した。5CVの、350mMイミダゾールを含むTrisバッファーを用いてタンパク質を溶出し、集めた。特定のタンパク質に対応する集めた画分を、標準変性SDS-PAGEによって調べた。
精製タンパク質を、タンパク質のpIに従う所望のpHのTris 20mMに希釈し、5CVの、Tris 20mM、NaCl 30mMを用いて予め平衡化した適当なイオン交換カラム(Qセファロース(商標)又はSPセファロース(商標))上にロードした。10CVの、Tris 20mM、NaCl 30mMを用いてカラムを洗浄し、15CVで1MまでのNaCl勾配を用いてタンパク質を溶出した。特定のタンパク質に対応する集めた画分を、標準変性SDS-PAGEによって調べた。次いで、精製タンパク質を洗浄し、Amicon Ultra(商標)遠心分離フィルター10,000MWCOでPBS 1X中で濃縮した。タンパク質濃度を、標準Bradfordアッセイを使用して評価した。
1.5 合成ペプチド及びシャトル剤
この研究に使用したすべてのペプチドは、GLBiochem (Shanghai、China)から購入し、その純度は、高性能液体クロマトグラフィー解析及び質量分析法によって確認した。いくつかの場合には、ペプチド二量体の調製を可能にするC末端システイン残基を含有するようにキメラペプチドを合成した。これらの二量体のペプチドを、2つの単量体のC末端システイン間のジスルフィド橋を用いて直接合成した。本実施例において試験した合成ペプチド及びシャトル剤の各々のアミノ酸配列及び特徴は、Table 1.3(表8)にまとめられている。
この研究に使用したすべてのペプチドは、GLBiochem (Shanghai、China)から購入し、その純度は、高性能液体クロマトグラフィー解析及び質量分析法によって確認した。いくつかの場合には、ペプチド二量体の調製を可能にするC末端システイン残基を含有するようにキメラペプチドを合成した。これらの二量体のペプチドを、2つの単量体のC末端システイン間のジスルフィド橋を用いて直接合成した。本実施例において試験した合成ペプチド及びシャトル剤の各々のアミノ酸配列及び特徴は、Table 1.3(表8)にまとめられている。
(実施例2)
ペプチドシャトル剤は、エンドソームによってトラップされたカルセインの脱出を促進する
2.1エンドソーム脱出アッセイ
エンドソーム漏出を研究するために、及びシャトル剤の添加が、ポリペプチドカーゴのエンドソーム漏出を促進するか否かを調べるために、顕微鏡ベースの、及びフローサイトメトリーベースの蛍光アッセイを開発した。
ペプチドシャトル剤は、エンドソームによってトラップされたカルセインの脱出を促進する
2.1エンドソーム脱出アッセイ
エンドソーム漏出を研究するために、及びシャトル剤の添加が、ポリペプチドカーゴのエンドソーム漏出を促進するか否かを調べるために、顕微鏡ベースの、及びフローサイトメトリーベースの蛍光アッセイを開発した。
2.1.1顕微鏡によるエンドソーム漏出可視化
カルセインは、細胞外培地に投与された場合に、細胞によって容易に内部移行される膜不透過性蛍光分子である。その蛍光は、pH依存性であり、カルセインは、高濃度で自己消光する。ひとたび内部移行されると、カルセインは、細胞エンドソームにおいて高濃度で捕捉されるようになり、点状パターンとして蛍光顕微鏡によって可視化され得る。エンドソーム漏出後、カルセインは、細胞質に放出され、この放出は、拡散パターンとして蛍光顕微鏡によって可視化され得る。
カルセインは、細胞外培地に投与された場合に、細胞によって容易に内部移行される膜不透過性蛍光分子である。その蛍光は、pH依存性であり、カルセインは、高濃度で自己消光する。ひとたび内部移行されると、カルセインは、細胞エンドソームにおいて高濃度で捕捉されるようになり、点状パターンとして蛍光顕微鏡によって可視化され得る。エンドソーム漏出後、カルセインは、細胞質に放出され、この放出は、拡散パターンとして蛍光顕微鏡によって可視化され得る。
カルセインアッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある哺乳動物細胞(例えば、HeLa、HEK293A又は筋芽細胞)を回収し、24ウェルプレート(ウェルあたり80,000個細胞)中にプレーティングした。実施例1に記載されるように、適当な成長培地中で一晩インキュベートすることによって細胞を接着させた。翌日、培地を除去し、300μLの、FBSを含まない、HEK293A(250μg/mL、400μM)を除いて62.5μg/mL(100μM)のカルセインを含有する新鮮培地と置き換えた。同時に、試験されるべきシャトル剤を、所定の濃度で添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートした。細胞を1×PBS(37℃)で洗浄し、FBSを含有する新鮮培地を添加した。プレートを37℃で2.5時間インキュベートした。細胞を3回洗浄し、位相差及び蛍光顕微鏡(IX81(商標)、Olympus社)によって可視化した。
典型的な結果が、図1Aに示されており、これでは、カルセイン(「100μMカルセイン」)をロードされた未処理HEK293A細胞は、蛍光顕微鏡によって可視化された場合に、低い強度、点状蛍光パターンを示す(上部左側パネル)。対照的に、カルセイン(「100μMカルセイン+CM18-TAT 5μM」)のエンドソーム脱出を促進するシャトル剤を用いて処理されたHeLa細胞は、より多くの割合の細胞において、高い強度、より多くの核酸蛍光パターンを示す(上部右側パネル)。
2.1.2 フローサイトメトリーによるエンドソーム漏出定量化
顕微鏡に加えて、ひとたび、カルセインが細胞質中に放出されると、蛍光強度シグナルが増大するので、フローサイトメトリーによって、エンドソーム漏出のより定量的な解析が可能となる。カルセイン蛍光は、エンドソームの酸性環境と比較して、生理学的pHで(例えば、サイトゾル中で)最適である。
顕微鏡に加えて、ひとたび、カルセインが細胞質中に放出されると、蛍光強度シグナルが増大するので、フローサイトメトリーによって、エンドソーム漏出のより定量的な解析が可能となる。カルセイン蛍光は、エンドソームの酸性環境と比較して、生理学的pHで(例えば、サイトゾル中で)最適である。
カルセインアッセイを実施する1日前に、対数増殖期の哺乳動物細胞(例えば、HeLa、HEK293又は筋芽細胞)を回収し、96ウェルプレートにプレーティングした(ウェルあたり20,000個細胞)。実施例1に記載されるように、適当な成長培地において一晩インキュベートすることによって細胞を接着させた。翌日、ウェル中の培地を除去し、50μLの、血清を含まない、HEK293A(250μg/mL、400μM)を除いて62.5μg/mL(100μM)のカルセインを含有する新鮮培地と置き換えた。同時に、試験されるべきシャトル剤を、所定の濃度で添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートした。細胞を1×PBS(37℃)で洗浄し、5〜10%血清を含有する新鮮培地を添加した。プレートを37℃で2.5時間インキュベートした。細胞を1×PBSを用いて洗浄し、トリプシン処理を使用して剥離した。適当な成長培地の添加によってトリプシン処理を停止し、フローサイトメトリー(Accuri C6、Becton、Dickinson and Company (BD))を使用してカルセイン蛍光をクエンチした。
エンドソームによってトラップされたカルセインの蛍光のベースラインを有する細胞を、エンドソームからのカルセインの放出のために増大した蛍光を有する細胞と区別するために、未処理カルセインが負荷された細胞を対照として使用した。エンドソーム脱出定量化のために蛍光シグナル平均値(「平均カウント」)を解析した。いくつかの場合には、対照(未処理カルセインが負荷された細胞)に対して平均値カウントの増大倍数に対応する「平均係数」を算出した。また、細胞に対応するフローサイトメトリーによってスキャンされる事象(大きさ及び粒度)を解析した。細胞死亡率をモニタリングし、総事象における細胞のパーセンテージをスキャンした。対照よりも低くなった場合には、毒性のために細胞片の数が増大していると考え、アッセイを破棄した。
典型的な結果が、図1Bに示されており、これでは、未処理カルセインが負荷されたHeLa細胞(「カルセイン100μM」、左側パネル)と比較して、エンドソーム脱出を促進するシャトル剤(「カルセイン100μM+CM18-TAT 5μM」、右側パネル)を用いて処理された、カルセインが負荷されたHeLa細胞について、蛍光強度の増大(右にシフト)が観察された。カルセイン蛍光の増大は、エンドソーム(酸性)から細胞質(生理学的)へのカルセインの放出と関連するpHの増大によって引き起こされる。
2.2 エンドソーム脱出アッセイから得た結果
2.2.1 HeLa細胞
HeLa細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下にまとめられている。各場合において、フローサイトメトリー結果はまた、蛍光顕微鏡によって確認した(示されていないデータ)。
2.2.1 HeLa細胞
HeLa細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下にまとめられている。各場合において、フローサイトメトリー結果はまた、蛍光顕微鏡によって確認した(示されていないデータ)。
Table 2.1(表9)及びTable 2.2(表10)における結果は、カルセインが負荷されたHeLa細胞を、シャトル剤CM18-ペネトラチン-Cys及びCM18-TAT-Cys(ドメイン構造ELD-CPDを有する)を用いて処理することは、未処理の対照細胞又は単独で(CM18、TAT-Cys、ペネトラチン-Cys)又は一緒に(CM18+TAT-Cys、CM18+ペネトラチン-Cys)使用される単一ドメインペプチドを用いて処理された細胞と比較して、平均細胞カルセイン蛍光強度の増大をもたらすことを示す。これらの結果は、CM18-ペネトラチン-Cys及びCM18-TAT-Cysが、エンドソームによってトラップされたカルセインの脱出を促進するが、単一ドメインペプチド(単独又は一緒に使用される)は促進しないことを示唆する。
Table 2.3(表11)(図2)、Table 2.4(表12)及びTable 2.5(表13)(図3)における結果は、CM18-TAT-Cys及びCM18-ペネトラチン-Cysが、HeLa細胞においてエンドソームによってトラップされたカルセインの脱出を用量依存的に促進することを示唆する。いくつかの場合には、10μMを超えるCM18-TAT-Cys又はCM18-ペネトラチン-Cysの濃度は、HeLa細胞における細胞毒性の増大と関連していた。
Table 2.6(表14)及びTable 2.7(表15)における結果は、シャトルペプチド二量体(2つ以上のELD及びCPDを含む分子である)が、対応する単量体と同等であるカルセインエンドソーム脱出レベルを促進できることを示唆する。
2.2.3 HEK293A細胞
種々の細胞株に対するシャトル剤の効果を調べるために、HEK293A細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下のTable 2.8(表16)において、及び図1Bにおいてまとめられている。
種々の細胞株に対するシャトル剤の効果を調べるために、HEK293A細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下のTable 2.8(表16)において、及び図1Bにおいてまとめられている。
Table 2.8(表16)における、及び図1Bにおける結果は、カルセインが負荷されたHEK293A細胞を、シャトル剤CM18-TAT-Cysを用いて処理することは、未処理の対照細胞と比較して、平均細胞カルセイン蛍光強度の増大をもたらすことを示す。
2.2.2 筋芽細胞
シャトル剤の初代細胞に対する効果を調べるために、一次筋芽細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下のTable 2.9(表17)及びTable 2.10(表18)において、及び図4においてまとめられている。各場合において、フローサイトメトリー結果はまた、蛍光顕微鏡によっても確認された。
シャトル剤の初代細胞に対する効果を調べるために、一次筋芽細胞を培養し、実施例2.1に記載されるようなエンドソーム脱出アッセイにおいて試験した。フローサイトメトリー解析の結果は、以下のTable 2.9(表17)及びTable 2.10(表18)において、及び図4においてまとめられている。各場合において、フローサイトメトリー結果はまた、蛍光顕微鏡によっても確認された。
Table 2.9(表17)(図4にグラフによって示される)及びTable 2.10(表18)における結果は、CM18-TAT-Cysが、一次筋芽細胞においてエンドソームによってトラップされたカルセインの脱出を用量依存的に促進することを示唆する。10μMを超えるCM18-TAT-Cysの濃度は、HeLa細胞についてと同様に、筋芽細胞における細胞毒性の増大と関連していた。
Table 2.11(表19)における結果は、シャトルペプチド二量体が、一次筋芽細胞において対応する単量体と同等であるカルセインエンドソーム脱出レベルを促進できることを示唆する。
(実施例3)
(実施例3)
ペプチドシャトル剤は、GFP形質導入効率を増大させる
3.1 タンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある哺乳動物細胞(例えば、HEK293、CHO、HeLa、THP-1及び筋芽細胞)を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞をFBSを含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、0.5〜10μMのカーゴタンパク質(GFP、TAT-GFP、GFP-NLS又はFITC標識された抗チューブリン抗体)を、50μLの、血清を含まない(特に断りのない限り)新鮮培地中でシャトル剤(0.5〜5μM)とともに37℃で10分間予め混合した(プレインキュベートした)。GFP、GFP-NLS及びTAT-GFPは、Feldanによって開発され、製造された組換えタンパク質である(以下の実施例3.4を参照のこと)。FITC標識された抗チューブリン抗体は、Abcam社(ab64503)から購入した。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温した新たに調製したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて3回洗浄した。細胞を、カーゴタンパク質/シャトル剤混合物とともに37℃で5又は60分間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を、37℃に予め加温した新たに調製したPBS及び/又はヘパリン(0.5mg/mL)を用いて3回迅速に洗浄した。ヒトTHP-1血液細胞には、その後の解析(顕微鏡及びフローサイトメトリー)における望ましくない細胞膜結合タンパク質バックグラウンドを避けるために、ヘパリンを用いる洗浄が必要であった。細胞を、50μLの、血清を含む新鮮培地中、37℃で最後にインキュベートし、その後解析した。
3.1 タンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある哺乳動物細胞(例えば、HEK293、CHO、HeLa、THP-1及び筋芽細胞)を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞をFBSを含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、0.5〜10μMのカーゴタンパク質(GFP、TAT-GFP、GFP-NLS又はFITC標識された抗チューブリン抗体)を、50μLの、血清を含まない(特に断りのない限り)新鮮培地中でシャトル剤(0.5〜5μM)とともに37℃で10分間予め混合した(プレインキュベートした)。GFP、GFP-NLS及びTAT-GFPは、Feldanによって開発され、製造された組換えタンパク質である(以下の実施例3.4を参照のこと)。FITC標識された抗チューブリン抗体は、Abcam社(ab64503)から購入した。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温した新たに調製したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて3回洗浄した。細胞を、カーゴタンパク質/シャトル剤混合物とともに37℃で5又は60分間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を、37℃に予め加温した新たに調製したPBS及び/又はヘパリン(0.5mg/mL)を用いて3回迅速に洗浄した。ヒトTHP-1血液細胞には、その後の解析(顕微鏡及びフローサイトメトリー)における望ましくない細胞膜結合タンパク質バックグラウンドを避けるために、ヘパリンを用いる洗浄が必要であった。細胞を、50μLの、血清を含む新鮮培地中、37℃で最後にインキュベートし、その後解析した。
3.2 蛍光顕微鏡解析
細胞質及び核細胞コンパートメントにおける蛍光タンパク質カーゴの送達を、蛍光ランプ(モデルU-LH100HGAPO)及び種々のフィルターを備えたOlympus IX70(商標)顕微鏡(Japan)を用いて観察した。Olympus filter U-MF2(商標)(C54942-Exc495/Em510)を使用して、GFP及びFITC標識した抗体蛍光シグナルを観察した。OlympusフィルターHQ-TR(商標)(V-N41004-Exc555-60/Em645-75)を使用して、mCherry(商標)及びGFP抗体蛍光シグナルを観察した。OlympusフィルターU-MWU2(商標)(Exc330/Em385)を使用して、DAPI又はBlue Hoechst蛍光シグナルを観察した。50μLの新鮮培地においてインキュベートされた細胞を、種々の倍率視野(4×〜40×)で顕微鏡(明視野及び蛍光)によって直接観察した。CoolSNAP-PRO(商標)カメラ(シリーズA02D874021)を使用して細胞を観察し、Image-Proplus(商標)ソフトウェアを使用して像を捕らえた。
細胞質及び核細胞コンパートメントにおける蛍光タンパク質カーゴの送達を、蛍光ランプ(モデルU-LH100HGAPO)及び種々のフィルターを備えたOlympus IX70(商標)顕微鏡(Japan)を用いて観察した。Olympus filter U-MF2(商標)(C54942-Exc495/Em510)を使用して、GFP及びFITC標識した抗体蛍光シグナルを観察した。OlympusフィルターHQ-TR(商標)(V-N41004-Exc555-60/Em645-75)を使用して、mCherry(商標)及びGFP抗体蛍光シグナルを観察した。OlympusフィルターU-MWU2(商標)(Exc330/Em385)を使用して、DAPI又はBlue Hoechst蛍光シグナルを観察した。50μLの新鮮培地においてインキュベートされた細胞を、種々の倍率視野(4×〜40×)で顕微鏡(明視野及び蛍光)によって直接観察した。CoolSNAP-PRO(商標)カメラ(シリーズA02D874021)を使用して細胞を観察し、Image-Proplus(商標)ソフトウェアを使用して像を捕らえた。
3.2a 細胞免疫標識
接着細胞を、24プレートウェル中のウェルあたり1.5×105個細胞で滅菌ガラスストリップ上にプレーティングし、37℃で一晩インキュベートした。固定化のために、細胞をウェルあたり500μLのホルムアルデヒド(3.7% v/v)中で、室温で15分間インキュベートし、PBSを用いて3回5分間洗浄した。透過処理のために、細胞をウェルあたり500μLのTriton(商標)X-100(0.2%)中で、室温で10分間インキュベートし、PBSを用いて3回5分間洗浄した。ブロッキングのために、細胞を、ウェルあたり500μLの、1% BSA(PBS/BSA)を含有するPBS中で、室温で60分間インキュベートした。一次マウスモノクローナル抗体をPBS/BSA(1%)で希釈した。細胞を、30μLの一次抗体中で、4℃で一晩インキュベートした。細胞をPBSを用いて3回5分間洗浄した。二次抗体をPBS/BSA(1%)で希釈し、細胞を250μLの二次抗体中で、室温、暗所で30分間インキュベートした。細胞をPBSを用いて3回5分間洗浄した。細胞を含有するガラスストリップを、10μLの封入剤、DAPIを含むFluoroshield(商標)を用いて顕微鏡ガラススライド上にのせた。
接着細胞を、24プレートウェル中のウェルあたり1.5×105個細胞で滅菌ガラスストリップ上にプレーティングし、37℃で一晩インキュベートした。固定化のために、細胞をウェルあたり500μLのホルムアルデヒド(3.7% v/v)中で、室温で15分間インキュベートし、PBSを用いて3回5分間洗浄した。透過処理のために、細胞をウェルあたり500μLのTriton(商標)X-100(0.2%)中で、室温で10分間インキュベートし、PBSを用いて3回5分間洗浄した。ブロッキングのために、細胞を、ウェルあたり500μLの、1% BSA(PBS/BSA)を含有するPBS中で、室温で60分間インキュベートした。一次マウスモノクローナル抗体をPBS/BSA(1%)で希釈した。細胞を、30μLの一次抗体中で、4℃で一晩インキュベートした。細胞をPBSを用いて3回5分間洗浄した。二次抗体をPBS/BSA(1%)で希釈し、細胞を250μLの二次抗体中で、室温、暗所で30分間インキュベートした。細胞をPBSを用いて3回5分間洗浄した。細胞を含有するガラスストリップを、10μLの封入剤、DAPIを含むFluoroshield(商標)を用いて顕微鏡ガラススライド上にのせた。
3.3 フローサイトメトリー解析:
GFPの蛍光を、フローサイトメトリー(Accuri C6、Becton、Dickinson and Company社 (BD))を使用して定量化した。処理細胞における蛍光タンパク質の内部移行による蛍光の増大を定量化するために、未処理細胞を使用してベースラインを確立した。未処理細胞の最大蛍光を上回る蛍光シグナルを有する細胞のパーセンテージ、「平均%」又は「Pos細胞(%)」を使用して、陽性蛍光細胞を同定する。「相対蛍光強度(FL1-A)」は、シャトル剤を用いる蛍光タンパク質送達後の蛍光シグナルを有する各細胞からのすべての蛍光強度の平均に相当する。また、細胞に対応するフローサイトメトリーによってスキャンされる事象(大きさ及び粒度)も解析した。未処理細胞と比較して、処理細胞のスキャンされた総事象における細胞のパーセンテージを比較して、細胞毒性(細胞生存率%)をモニタリングした。
GFPの蛍光を、フローサイトメトリー(Accuri C6、Becton、Dickinson and Company社 (BD))を使用して定量化した。処理細胞における蛍光タンパク質の内部移行による蛍光の増大を定量化するために、未処理細胞を使用してベースラインを確立した。未処理細胞の最大蛍光を上回る蛍光シグナルを有する細胞のパーセンテージ、「平均%」又は「Pos細胞(%)」を使用して、陽性蛍光細胞を同定する。「相対蛍光強度(FL1-A)」は、シャトル剤を用いる蛍光タンパク質送達後の蛍光シグナルを有する各細胞からのすべての蛍光強度の平均に相当する。また、細胞に対応するフローサイトメトリーによってスキャンされる事象(大きさ及び粒度)も解析した。未処理細胞と比較して、処理細胞のスキャンされた総事象における細胞のパーセンテージを比較して、細胞毒性(細胞生存率%)をモニタリングした。
3.3a 生存率解析
レザズリン試験を用いて細胞の生存率を評価した。レザズリンは、代謝的に活性な細胞においてミトコンドリア酵素によって青色から桃色に変換されるナトリウム塩着色剤である。生存細胞のパーセンテージを定量化するために、生存細胞においてのみ起こるこの比色変換を、分光法解析によって測定できる。レザズリンの保存溶液を、水中、1mg/100mLで調製し、4℃で保存した。96ウェルプレートの各ウェルに25μLの保存溶液を添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートし、その後、分光法解析した。レザズリン酵素反応に使用したインキュベーション時間は、細胞の量及びウェル中の使用された培地の容量に応じて変えた。
レザズリン試験を用いて細胞の生存率を評価した。レザズリンは、代謝的に活性な細胞においてミトコンドリア酵素によって青色から桃色に変換されるナトリウム塩着色剤である。生存細胞のパーセンテージを定量化するために、生存細胞においてのみ起こるこの比色変換を、分光法解析によって測定できる。レザズリンの保存溶液を、水中、1mg/100mLで調製し、4℃で保存した。96ウェルプレートの各ウェルに25μLの保存溶液を添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートし、その後、分光法解析した。レザズリン酵素反応に使用したインキュベーション時間は、細胞の量及びウェル中の使用された培地の容量に応じて変えた。
3.4 GFPの構築及びアミノ酸配列
N末端に6xヒスチジンタグ及びセリン/グリシンリッチリンカー並びにC末端にセリン/グリシンリッチリンカー及び停止コドン(-)を含有するGFPタンパク質を発現するように、GFPをコードする遺伝子を、T5細菌発現ベクター中にクローニングした。組換えGFPタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。GFP構築物の配列は、以下であった:
N末端に6xヒスチジンタグ及びセリン/グリシンリッチリンカー並びにC末端にセリン/グリシンリッチリンカー及び停止コドン(-)を含有するGFPタンパク質を発現するように、GFPをコードする遺伝子を、T5細菌発現ベクター中にクローニングした。組換えGFPタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。GFP構築物の配列は、以下であった:
3.5 HeLa細胞におけるCM18-TAT-CysによるGFP形質導入:蛍光顕微鏡
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質を、0、3又は5μMのCM18-TATとともに同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.2に記載されるように明視野及び蛍光顕微鏡によって観察した。図5に示される結果は、GFPが、シャトル剤CM18-TATの存在下でHeLa細胞に細胞内に送達されたことを示す。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質を、0、3又は5μMのCM18-TATとともに同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.2に記載されるように明視野及び蛍光顕微鏡によって観察した。図5に示される結果は、GFPが、シャトル剤CM18-TATの存在下でHeLa細胞に細胞内に送達されたことを示す。
3.6 HeLa細胞におけるシャトル剤によるGFP形質導入:用量反応(CM18-TAT-Cys、dCM18-TAT-Cys、GFP)及び細胞生存率
HeLa細胞を培養し、実施例3.1〜3.3に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質を、種々の濃度のCM18-TAT-Cys又は二量体化されたCM18-TAT-Cys(dCM18-TAT-Cys)と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に1時間曝露した。結果は、Table 3.1(表20)及び図6に示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1〜3.3に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質を、種々の濃度のCM18-TAT-Cys又は二量体化されたCM18-TAT-Cys(dCM18-TAT-Cys)と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に1時間曝露した。結果は、Table 3.1(表20)及び図6に示されている。
Table表3.1(表20)及び図6Aは、5、3、1及び0.5μMのCM18-TAT-Cysを伴わずに、又はそれとともに、GFP(5μM)を用いて形質導入されたHeLa細胞の蛍光強度のフローサイトメトリー解析の結果を示す。対応する細胞毒性データは、Table3.1(表20)に、及び図6Bに示されている。これらの結果は、シャトル剤CM18-TAT-Cysが、GFPの形質導入効率を用量依存的に増大することを示唆する。
Table 3.2(表21)及び図7は、5μMのCM18-TAT-Cys(図7A)又は2.5μMのdCM18-TAT-Cys(図7B)を伴わずに、又はそれとともに種々の濃度のGFP(1〜10μM)を用いて形質導入されたHeLa細胞の蛍光強度のフローサイトメトリー解析の結果を示す。
3.7 HeLa細胞におけるGFP形質導入:CM18-TAT-Cys及びCM18-ペネトラチン-Cys及びその二量体の用量反応
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及び各々の二量体(dCM18-TAT-Cys、dCM18-ペネトラチン-Cys)の種々の濃度及び組合せとともに同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 3.3(表22)及び図8に、並びにTable 3.4(表23)及び図9に示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及び各々の二量体(dCM18-TAT-Cys、dCM18-ペネトラチン-Cys)の種々の濃度及び組合せとともに同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 3.3(表22)及び図8に、並びにTable 3.4(表23)及び図9に示されている。
Table 3.3(表22)及び図8における結果は、シャトル剤CM18-TAT-Cys及びdCM18-TAT-Cysを使用するとHeLa細胞においてGFPの形質導入効率が増大されることを示す(図8中のバー「1」及び「2」を参照のこと)。CM18-ペネトラチン-Cys又はdCM18-ペネトラチン-Cys単独を使用するとGFP細胞内送達が観察されなかったが(図8中のバー「3」又は「4」を参照のこと)、CM18-TAT-CysのCM18-ペネトラチン-Cys(単量体又は二量体)との組合せは、GFPタンパク質送達を改善した(図8中の4つの最も右のバーを参照のこと)。
Table 3.4(表23)及び図9における結果は、シャトル剤CM18-TAT-Cys及びdCM18-TAT-Cys(図9におけるバー「1」及び「2」を参照のこと)を使用すると、HeLa細胞においてGFPの形質導入効率が増大されることを示す。CM18-ペネトラチン-Cys又はdCM18-ペネトラチン-Cys単独を使用するとGFP細胞内送達は観察されなかったが(図9中のバー「3」又は「4」を参照のこと)、CM18-TAT-CysのCM18-ペネトラチン-Cys(単量体又は二量体)の組合せは、GFPタンパク質送達を改善した(図9中の4つの最も右のバーを参照のこと)。
3.8 HeLa細胞におけるシャトル剤によるGFP形質導入:対照
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質(5μM)を、各5μMの以下のペプチド:TAT-Cys;CM18、ペネトラチン-Cys、TAT-Cys+CM18、ペネトラチン-Cys+CM18及びCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。GFP蛍光を明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化した。顕微鏡結果(示されていないデータ)は、GFPが、CM18-TAT-Cysを使用して成功裏に細胞内に送達されたことを示した。しかし、GFPは、単一ドメインペプチドを単独(CM18、TAT-Cys、ペネトラチン-Cys)又は一緒に(CM18+TAT-Cys、CM18+ペネトラチン-Cys)使用すると、成功裏に細胞内に送達されなかった。これらの結果は、カルセインエンドソーム脱出アッセイに関してTable 2.1(表9)及びTable 2.2(表10)に示されるものと一致する。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP組換えタンパク質(5μM)を、各5μMの以下のペプチド:TAT-Cys;CM18、ペネトラチン-Cys、TAT-Cys+CM18、ペネトラチン-Cys+CM18及びCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。GFP蛍光を明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化した。顕微鏡結果(示されていないデータ)は、GFPが、CM18-TAT-Cysを使用して成功裏に細胞内に送達されたことを示した。しかし、GFPは、単一ドメインペプチドを単独(CM18、TAT-Cys、ペネトラチン-Cys)又は一緒に(CM18+TAT-Cys、CM18+ペネトラチン-Cys)使用すると、成功裏に細胞内に送達されなかった。これらの結果は、カルセインエンドソーム脱出アッセイに関してTable 2.1(表9)及びTable 2.2(表10)に示されるものと一致する。
(実施例4)
ペプチドシャトル剤は、TAT-GFP形質導入効率を増大させる
実施例3における実験は、シャトル剤の、GFPを細胞内に送達する能力を示した。この実施例において示された実験は、シャトル剤がまた、CPDと融合されているGFPカーゴタンパク質(TAT-GFP)の細胞内送達も増大させ得ることを示す。
ペプチドシャトル剤は、TAT-GFP形質導入効率を増大させる
実施例3における実験は、シャトル剤の、GFPを細胞内に送達する能力を示した。この実施例において示された実験は、シャトル剤がまた、CPDと融合されているGFPカーゴタンパク質(TAT-GFP)の細胞内送達も増大させ得ることを示す。
4.1 TAT-GFPの構築及びアミノ酸配列
構築は、TAT配列が、6xヒスチジンタグとGFP配列の間にクローニングされた点を除いて、実施例3.4に示されるように実施した。6xヒスチジンタグ、TAT、GFP及び停止コドン(-)は、セリン/グリシンリッチリンカーによって分離されている。組換えTAT-GFPタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。TAT-GFP構築物の配列は以下であった:
構築は、TAT配列が、6xヒスチジンタグとGFP配列の間にクローニングされた点を除いて、実施例3.4に示されるように実施した。6xヒスチジンタグ、TAT、GFP及び停止コドン(-)は、セリン/グリシンリッチリンカーによって分離されている。組換えTAT-GFPタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。TAT-GFP構築物の配列は以下であった:
4.2 HeLa細胞におけるCM18-TAT-CysによるTAT-GFP形質導入:蛍光顕微鏡による可視化
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、TAT-GFP組換えタンパク質(5μM)を、3μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞及びGFP蛍光を、10×及び40×倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化し(実施例3.2に記載されるように)、サンプル結果は、図10に示されている。顕微鏡結果は、CM18-TAT-Cysの非存在下で、TAT-GFPは、低い強度、文献に報告されたようなエンドソーム分布を示すことを示した。対照的に、TAT-GFPは、シャトル剤CM18-TAT-Cysの存在下で細胞質に、及び核に送達される。理論に捉われるものではないが、TATペプチド自体は、核局在シグナル(NLS)として作用し得、TAT-GFPの核局在性を説明する。これらの結果は、CM18-TAT-Cysが、TAT-GFP形質導入効率を増大させ、エンドソームによってトラップされたTAT-GFPが、細胞質及び核コンパートメントに入ることを可能にすることができることを示す。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、TAT-GFP組換えタンパク質(5μM)を、3μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞及びGFP蛍光を、10×及び40×倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化し(実施例3.2に記載されるように)、サンプル結果は、図10に示されている。顕微鏡結果は、CM18-TAT-Cysの非存在下で、TAT-GFPは、低い強度、文献に報告されたようなエンドソーム分布を示すことを示した。対照的に、TAT-GFPは、シャトル剤CM18-TAT-Cysの存在下で細胞質に、及び核に送達される。理論に捉われるものではないが、TATペプチド自体は、核局在シグナル(NLS)として作用し得、TAT-GFPの核局在性を説明する。これらの結果は、CM18-TAT-Cysが、TAT-GFP形質導入効率を増大させ、エンドソームによってトラップされたTAT-GFPが、細胞質及び核コンパートメントに入ることを可能にすることができることを示す。
4.3 HeLa細胞におけるCM18-TAT-CysによるTAT-GFP形質導入:形質導入された細胞の用量反応及び生存率
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、TAT-GFP-Cys組換えタンパク質(5μM)を、種々の濃度のCM18-TAT-Cys(0、0.5、1、3又は5μM)と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 4.3(表24)及び図11Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図11Bに示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、TAT-GFP-Cys組換えタンパク質(5μM)を、種々の濃度のCM18-TAT-Cys(0、0.5、1、3又は5μM)と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 4.3(表24)及び図11Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図11Bに示されている。
(実施例5)
ペプチドシャトル剤は、GFP-NLS形質導入効率及び核局在性を増大させる
実施例3及び4における実験は、シャトル剤の、GFP及びTAT-GFPを細胞内に送達する能力を示した。この実施例において示される実験は、シャトル剤が、核局在シグナル(NLS)と融合されたGFPタンパク質カーゴの核送達を促進し得ることを示す。
ペプチドシャトル剤は、GFP-NLS形質導入効率及び核局在性を増大させる
実施例3及び4における実験は、シャトル剤の、GFP及びTAT-GFPを細胞内に送達する能力を示した。この実施例において示される実験は、シャトル剤が、核局在シグナル(NLS)と融合されたGFPタンパク質カーゴの核送達を促進し得ることを示す。
5.1 GFP-NLSの構築及びアミノ酸配列
構築は、最適化されたNLS配列を、GFP配列と停止コドン(-)の間にクローニングしたという点を除いて実施例3.4に記載されるように実施した。NLS配列は、GFP配列及び停止コドンから2つのセリン/グリシンリッチリンカーによって分離されている。組換えGFP-NLSタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。GFP-NLS構築物の配列は、以下であった:
構築は、最適化されたNLS配列を、GFP配列と停止コドン(-)の間にクローニングしたという点を除いて実施例3.4に記載されるように実施した。NLS配列は、GFP配列及び停止コドンから2つのセリン/グリシンリッチリンカーによって分離されている。組換えGFP-NLSタンパク質を、実施例1.4に記載されるように精製した。GFP-NLS構築物の配列は、以下であった:
5.2 5分でのHeLa細胞におけるCM18-TAT-CysによるGFP-NLSの核送達:蛍光顕微鏡による可視化
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して曝露した。5分後、GFP蛍光を、10×、2×及び40×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化し(実施例3.2に記載されるように)、サンプル結果が図12に示されている。顕微鏡結果は、GFP-NLSが、わずか5分のインキュベーション後に、シャトル剤CM18-TAT-Cysの存在下で核に効率的に送達されることを示した。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して曝露した。5分後、GFP蛍光を、10×、2×及び40×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化し(実施例3.2に記載されるように)、サンプル結果が図12に示されている。顕微鏡結果は、GFP-NLSが、わずか5分のインキュベーション後に、シャトル剤CM18-TAT-Cysの存在下で核に効率的に送達されることを示した。
5.3 HeLa細胞におけるCM18-TAT-CysによるGFP-NLS形質導入:形質導入された細胞の用量反応及び生存率
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、0、0.5、1、3又は5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.1(表25)及び図13Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図13Bに示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、0、0.5、1、3又は5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.1(表25)及び図13Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図13Bに示されている。
これらの結果は、CM18-TAT-Cysが、HeLa細胞において、用量依存的にGFP-NLS形質導入効率を増大できることを示す。
5.4 HeLa細胞におけるCM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及びそれらの二量体によるGFP-NLS形質導入
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及び各々(dCM18-TAT-Cys、dCM18-ペネトラチン-Cys)の二量体の種々の濃度及び組合せと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.2(表26)及びTable 5.3(表27)に、並びに図14及び図15に示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及び各々(dCM18-TAT-Cys、dCM18-ペネトラチン-Cys)の二量体の種々の濃度及び組合せと同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.2(表26)及びTable 5.3(表27)に、並びに図14及び図15に示されている。
Table 5.2(表26)及びTable 5.3(表27)並びに図14及び図15における結果は、シャトル剤CM18-TAT-Cys及びdCM18-TAT-Cysを使用すると、HeLa細胞においてGFP-NLSの形質導入効率が増大されることを示す(図14及び図15中のバー「1」及び「2」を参照のこと)。CM18-ペネトラチン-Cys又はdCM18-ペネトラチン-Cys単独を使用するとGFP-NLS細胞内送達は観察されなかったが(図14及び図15中のバー「3」及び「4」を参照のこと)、CM18-TAT-CysのCM18-ペネトラチン-Cys(単量体又は二量体)の組合せは、GFP-NLS細胞内送達を改善した(図14及び図15中の4つの最も右のバーを参照のこと)。
5.5 HeLa細胞におけるシャトル剤によるGFP-NLS形質導入:5分対1時間インキュベーション;FBSを用いる又は用いない
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys(3.5μM)単独と、又はdCM18-ペネトラチン-Cys(1μM)と同時インキュベートした。細胞を、簡素なDMEM培地(「DMEM」)又は10% FBS(「FBS」)を含有するDMEM培地中で5分又は1時間インキュベートし、その後、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.4(表28)に、及び図16に示されている。シャトル剤又はGFP-NLSを用いて処理されなかった細胞(「ctrl」)及びGFP-NLSを用いて処理したが、シャトル剤を用いない細胞(「GFP-NLS 5μM」)を対照として使用した。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、CM18-TAT-Cys(3.5μM)単独と、又はdCM18-ペネトラチン-Cys(1μM)と同時インキュベートした。細胞を、簡素なDMEM培地(「DMEM」)又は10% FBS(「FBS」)を含有するDMEM培地中で5分又は1時間インキュベートし、その後、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.4(表28)に、及び図16に示されている。シャトル剤又はGFP-NLSを用いて処理されなかった細胞(「ctrl」)及びGFP-NLSを用いて処理したが、シャトル剤を用いない細胞(「GFP-NLS 5μM」)を対照として使用した。
Table 5.4(表28)及び図16における結果は、CM18-TAT-Cys単量体への比較的少量の二量体dCM18-ペネトラチン-Cysの添加でさえ(1μM;「dCM18pen」)、GFP-NLS形質導入効率を改善したことを示す。興味深いことに、細胞内GFP-NLS送達は、わずか5分のインキュベーションで達成され、送達はFBSの存在下でも依然として達成可能であった(低減されたとしても)。
5.6 THP-1懸濁細胞におけるシャトル剤によるGFP-NLS形質導入
シャトル剤のGFP-NLSを細胞内に送達する能力を、懸濁液中で成長する急性単球性白血病細胞株であるTHP-1細胞において試験した。THP-1細胞を培養し(実施例1を参照のこと)、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、1μM CM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、又は1μM CM18-TAT-Cysを伴わずにインキュベートし、THP-1細胞に対して5分間曝露し、その後、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.5(表29)に、及び図17Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図17Bに示されている。
シャトル剤のGFP-NLSを細胞内に送達する能力を、懸濁液中で成長する急性単球性白血病細胞株であるTHP-1細胞において試験した。THP-1細胞を培養し(実施例1を参照のこと)、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5μM)を、1μM CM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、又は1μM CM18-TAT-Cysを伴わずにインキュベートし、THP-1細胞に対して5分間曝露し、その後、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 5.5(表29)に、及び図17Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図17Bに示されている。
Table 5.5(表29)及び図17における結果は、シャトル剤の、タンパク質カーゴを、懸濁液で成長したヒト単球性細胞株に細胞内送達する能力を実証する。
(実施例6)
ペプチドシャトル剤は、FITC標識された抗チューブリン抗体の形質導入効率を増大させる
実施例3〜5における実験は、シャトル剤の、GFP、TAT-GFP及びGFP-NLSの形質導入効率を増大させる能力を示した。この実施例において示された実験は、シャトル剤がまた、より大きなタンパク質カーゴ:FITC標識された抗チューブリン抗体も送達し得ることを示す。FITC標識された抗チューブリン抗体は、(Abcam社、ab64503)から購入し、150KDaの推定分子質量を有する。送達及び顕微鏡プロトコールは、実施例3に記載されている。
ペプチドシャトル剤は、FITC標識された抗チューブリン抗体の形質導入効率を増大させる
実施例3〜5における実験は、シャトル剤の、GFP、TAT-GFP及びGFP-NLSの形質導入効率を増大させる能力を示した。この実施例において示された実験は、シャトル剤がまた、より大きなタンパク質カーゴ:FITC標識された抗チューブリン抗体も送達し得ることを示す。FITC標識された抗チューブリン抗体は、(Abcam社、ab64503)から購入し、150KDaの推定分子質量を有する。送達及び顕微鏡プロトコールは、実施例3に記載されている。
6.1 HeLa細胞におけるCM18-TAT-Cysによる機能的抗体の形質導入:顕微鏡による可視化
FITC標識された抗チューブリン抗体(0.5μM)を、5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。抗体送達を明視野(20×)及び蛍光顕微鏡(20×及び40×)によって可視化した。図18に示されるように、細胞質において蛍光チューブリン繊維が可視化され、細胞の内側の抗体の機能性を実証した。
FITC標識された抗チューブリン抗体(0.5μM)を、5μMのCM18-TAT-Cysと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。抗体送達を明視野(20×)及び蛍光顕微鏡(20×及び40×)によって可視化した。図18に示されるように、細胞質において蛍光チューブリン繊維が可視化され、細胞の内側の抗体の機能性を実証した。
6.2 HeLa細胞におけるCM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys及び二量体による機能的抗体の形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。FITC標識された抗チューブリン抗体(0.5μM)を、3.5μMのCM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys又はdCM18-ペネトラチン-Cys又は3.5μMのCM18-TAT-Cys及び0.5μMのdCM18-ペネトラチン-Cysの組合せと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 6.1(表30)及び図19Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図19Bに示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。FITC標識された抗チューブリン抗体(0.5μM)を、3.5μMのCM18-TAT-Cys、CM18-ペネトラチン-Cys又はdCM18-ペネトラチン-Cys又は3.5μMのCM18-TAT-Cys及び0.5μMのdCM18-ペネトラチン-Cysの組合せと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 6.1(表30)及び図19Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図19Bに示されている。
Table 6.1(表30)並びに図18及び図19における結果は、CM18-TAT-Cys及びCM18-ペネトラチン-Cysの両方が、FITC標識された抗チューブリン抗体の細胞内送達を促進することを示す。実施例3〜5におけるGFP、TAT-GFP及びGFP-NLSを用いた結果と対照的に、CM18-ペネトラチン-Cysは、単独で使用された場合に(CM18-TAT-Cysを伴わずに)抗体カーゴを細胞内送達できた。しかし、CM18-TAT-Cys及びdCM18-ペネトラチン-Cysの組合せは、CM18-TAT-Cys単独を用いる場合と比較して、より高い細胞内送達を可能にし、CM18-ペネトラチン-Cys及びdCM18-ペネトラチン-Cysと比較してより少ない細胞毒性を有していた(図19A及び図19Bを参照のこと)。
(実施例7)
CM18-TAT-Cysは、細胞内プラスミドDNA送達を可能にするが、プラスミド発現は不十分である
GFPをコードするプラスミドを使用するHEK293A細胞でのこの実施例において、CM18-TAT-Cysシャトル剤の、プラスミドDNAを細胞内送達する能力を試験した。
CM18-TAT-Cysは、細胞内プラスミドDNA送達を可能にするが、プラスミド発現は不十分である
GFPをコードするプラスミドを使用するHEK293A細胞でのこの実施例において、CM18-TAT-Cysシャトル剤の、プラスミドDNAを細胞内送達する能力を試験した。
7.1 HEK293A細胞におけるトランスフェクションアッセイ
トランスフェクションアッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある哺乳動物細胞(HEK293A)を回収し、24ウェルプレート(ウェルあたり50,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、FBSを含有する適当な成長培地で一晩インキュベートした。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブにおいて、Cy5(商標)蛍光を用いて標識されたpEGFPを、37℃で10分間、100μLの最終容量で、新鮮PBS中、CM18-TAT-Cys(0.05、0.5又は5μM)と混合した。ウェル中の培地を除去し、細胞を、PBSを用いて3回迅速に洗浄し、500μLの、FBSを含まない加温培地を添加した。細胞にpEGFP及びCM18-TAT-Cys溶液を添加し、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBSを用いて洗浄し、FBSを含有する新鮮培地を添加した。細胞を37℃でインキュベートし、その後、実施例3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。
トランスフェクションアッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある哺乳動物細胞(HEK293A)を回収し、24ウェルプレート(ウェルあたり50,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、FBSを含有する適当な成長培地で一晩インキュベートした。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブにおいて、Cy5(商標)蛍光を用いて標識されたpEGFPを、37℃で10分間、100μLの最終容量で、新鮮PBS中、CM18-TAT-Cys(0.05、0.5又は5μM)と混合した。ウェル中の培地を除去し、細胞を、PBSを用いて3回迅速に洗浄し、500μLの、FBSを含まない加温培地を添加した。細胞にpEGFP及びCM18-TAT-Cys溶液を添加し、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBSを用いて洗浄し、FBSを含有する新鮮培地を添加した。細胞を37℃でインキュベートし、その後、実施例3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。
7.2 CM18-TAT-Cysを用いるプラスミドDNA送達
プラスミドDNA(pEGFP)を、Cy5(商標)色素を用い、製造業者の使用説明書(Mirus Bio LLC)に従って標識した。Cy5(商標)部分は、標準トランスフェクションプロトコール(示されていないデータ)を使用する非標識プラスミドと比較した場合に、トランスフェクション効率に影響を及ぼさなかった。フローサイトメトリー解析は、DNA細胞内送達に対応するCy5(商標)発光、核送達の成功、DNA転写及びタンパク質発現に対応するGFP発光の定量化を可能にした。結果は、Table 7.1(表31)に、及び図20に示されている。
プラスミドDNA(pEGFP)を、Cy5(商標)色素を用い、製造業者の使用説明書(Mirus Bio LLC)に従って標識した。Cy5(商標)部分は、標準トランスフェクションプロトコール(示されていないデータ)を使用する非標識プラスミドと比較した場合に、トランスフェクション効率に影響を及ぼさなかった。フローサイトメトリー解析は、DNA細胞内送達に対応するCy5(商標)発光、核送達の成功、DNA転写及びタンパク質発現に対応するGFP発光の定量化を可能にした。結果は、Table 7.1(表31)に、及び図20に示されている。
Table 7.1(表31)に、及び図20に示される結果は、CM18-TAT-Cysが、DNA単独とともにインキュベートされた細胞(「pEGFP-Cy5」)と比較して、0.05、0.5及び5μM濃度で使用された場合にプラスミドDNAの細胞内送達を増大できたことを示す。しかし、GFPの発現は細胞において検出されず、これは、極めてわずかなプラスミドDNAしか、細胞質コンパートメントに入り、核局在性を可能にしなかったことを示唆する。理論に捉われるものではないが、プラスミドDNAが、エンドソームにおいて大規模に捕捉され、細胞質コンパートメントへの脱出を妨げたことがあり得る。Salomoneら、2013は、プラスミドDNAを細胞内送達するためのCM18-TAT11ハイブリッドペプチドの使用を報告した。彼らは、トランスフェクション効率を評価するためにルシフェラーゼ酵素リポーターアッセイを使用したが、エンドソームから成功裏に放出され、核に送達されるプラスミドDNAの割合が、ルシフェラーゼ酵素の強力な活性のために過大評価され得るので、これは細胞質/核送達の効率を定量化するのに理想的ではない場合がある。この関連で、Salomoneら、2013の著者は、更に、ルシフェラーゼの発現は、(裸の)DNA分子の小胞中への大規模な捕捉と一緒に起こることを記し、これは、Table 7.1(表31)に、及び図20に示される結果と一致する。
(実施例8)
シャトル剤へのヒスチジンリッチドメインの添加は、GFP-NLS形質導入効率を更に改善する
8.1 HeLa細胞におけるHis-CM18-TAT-CysによるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
GFP-NLS(5μM;実施例5を参照のこと)を、5μMのCM18-TAT-Cys又はHis-CM18-TATと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞内送達されたGFP-NLSの核蛍光が、蛍光顕微鏡によって確認され(示されていないデータ)、GFP-NLSの核への送達の成功を示す。
シャトル剤へのヒスチジンリッチドメインの添加は、GFP-NLS形質導入効率を更に改善する
8.1 HeLa細胞におけるHis-CM18-TAT-CysによるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
GFP-NLS(5μM;実施例5を参照のこと)を、5μMのCM18-TAT-Cys又はHis-CM18-TATと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞内送達されたGFP-NLSの核蛍光が、蛍光顕微鏡によって確認され(示されていないデータ)、GFP-NLSの核への送達の成功を示す。
8.2 HeLa細胞におけるHis-CM18-TATによるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS(5μM)を、0、1、3又は5μMのCM18-TAT-Cys又はHis-CM18-TATと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 8.1(表32)及び図21Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図21Bに示されている。
HeLa細胞を培養し、実施例3.1に記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS(5μM)を、0、1、3又は5μMのCM18-TAT-Cys又はHis-CM18-TATと同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されたようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 8.1(表32)及び図21Aに示されている。対応する細胞毒性データは、図21Bに示されている。
際立ったことに、Table 8.1(表32)に、及び図21における結果は、His-CM18-TATが、CM18-TAT-Cysと比較して、3μM及び5μM濃度でGFP-NLSタンパク質形質導入効率を約2倍増大できたことを示す。これらの結果は、ELD及びCPDを含むシャトル剤に、ヒスチジンリッチドメインを添加することが、そのポリペプチドカーゴ形質導入効率を大幅に増大させ得ることを示唆する。或いは、又は並行して、シャトル剤を、CPDと融合された(ただし、ELDを欠く)ヒスチジンリッチドメインを含有するさらなる独立合成ペプチドと組み合わせることが、タンパク質形質導入について同様の利点を提供し得、ヒスチジンリッチドメインの濃度が、シャトル剤の濃度から独立して変えられる又は制御されることを可能にするという付加された利点を有する。理論に捉われるものではないが、ヒスチジンリッチドメインは、エンドソームにおいてプロトンスポンジとして作用し得、エンドソーム膜不安定化の別の機序を提供する。
(実施例9)
His-CM18-PTD4は、GFP-NLS、mCherry(商標)-NLS及びFITC標識された抗チューブリン抗体の形質導入効率及び核送達を増大させる
9.1 タンパク質形質導入プロトコール
プロトコールA:細胞培養培地における送達のためのタンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、FBSを含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、所望の濃度のカーゴタンパク質を、50μLの新鮮血清不含培地(特に断りのない限り)中で所望の濃度のシャトル剤とともに37℃で10分間予め混合した(プレインキュベートした)。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSを用いて1〜3回(使用した細胞の種類に応じて)洗浄した。細胞を、カーゴタンパク質/シャトル剤混合物とともに37℃で所望長さの時間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を、37℃に予め加温したPBS及び/又はヘパリン(0.5mg/mL)を用いて3回洗浄した。ヒトTHP-1血液細胞には、その後の解析(顕微鏡及びフローサイトメトリー)における望ましくない細胞膜結合タンパク質バックグラウンドを避けるためにヘパリンを用いる洗浄を使用した。細胞を、50μLの、血清を含む新鮮培地中、37℃で最後にインキュベートし、その後解析した。
His-CM18-PTD4は、GFP-NLS、mCherry(商標)-NLS及びFITC標識された抗チューブリン抗体の形質導入効率及び核送達を増大させる
9.1 タンパク質形質導入プロトコール
プロトコールA:細胞培養培地における送達のためのタンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、FBSを含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、所望の濃度のカーゴタンパク質を、50μLの新鮮血清不含培地(特に断りのない限り)中で所望の濃度のシャトル剤とともに37℃で10分間予め混合した(プレインキュベートした)。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSを用いて1〜3回(使用した細胞の種類に応じて)洗浄した。細胞を、カーゴタンパク質/シャトル剤混合物とともに37℃で所望長さの時間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を、37℃に予め加温したPBS及び/又はヘパリン(0.5mg/mL)を用いて3回洗浄した。ヒトTHP-1血液細胞には、その後の解析(顕微鏡及びフローサイトメトリー)における望ましくない細胞膜結合タンパク質バックグラウンドを避けるためにヘパリンを用いる洗浄を使用した。細胞を、50μLの、血清を含む新鮮培地中、37℃で最後にインキュベートし、その後解析した。
プロトコールB:PBSにおける接着細胞のタンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、血清を含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、シャトル剤を室温で滅菌蒸留水中で希釈した(カーゴが、核酸であるか、又は核酸を含んでいた場合には、ヌクレアーゼ不含を使用した)。シャトル剤にカーゴタンパク質を添加し、必要に応じて、滅菌PBSを添加して、細胞を覆うのに十分な最終容量(例えば、96ウェルプレートのウェルあたり10〜100μL)で、所望の濃度のシャトル剤及びカーゴを得た。次いで、シャトル剤/カーゴ混合物を実験に直ちに使用した。各実験に少なくとも3種:(1)シャトル剤単独(例えば、試験される最高濃度で);(2)カーゴ単独及び(3)任意のカーゴ又はシャトル剤を伴わない対照を含めた。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSを用いて1回洗浄し、次いで、所望の長さの時間、すべての細胞を覆うように、シャトル剤/カーゴ混合物を添加した。ウェル中のシャトル剤/カーゴ混合物を除去し、細胞をPBSを用いて1回洗浄し、新鮮完全培地を添加した。解析の前に、細胞をPBSを用いて1回洗浄し、新鮮完全培地を添加した。
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、血清を含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、シャトル剤を室温で滅菌蒸留水中で希釈した(カーゴが、核酸であるか、又は核酸を含んでいた場合には、ヌクレアーゼ不含を使用した)。シャトル剤にカーゴタンパク質を添加し、必要に応じて、滅菌PBSを添加して、細胞を覆うのに十分な最終容量(例えば、96ウェルプレートのウェルあたり10〜100μL)で、所望の濃度のシャトル剤及びカーゴを得た。次いで、シャトル剤/カーゴ混合物を実験に直ちに使用した。各実験に少なくとも3種:(1)シャトル剤単独(例えば、試験される最高濃度で);(2)カーゴ単独及び(3)任意のカーゴ又はシャトル剤を伴わない対照を含めた。ウェル中の培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSを用いて1回洗浄し、次いで、所望の長さの時間、すべての細胞を覆うように、シャトル剤/カーゴ混合物を添加した。ウェル中のシャトル剤/カーゴ混合物を除去し、細胞をPBSを用いて1回洗浄し、新鮮完全培地を添加した。解析の前に、細胞をPBSを用いて1回洗浄し、新鮮完全培地を添加した。
プロトコールC:PBSにおける懸濁細胞のタンパク質形質導入アッセイ
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある懸濁細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、血清を含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、シャトル剤を室温で滅菌蒸留水中で希釈した(カーゴが、核酸であるか、又は核酸を含んでいた場合には、ヌクレアーゼ不含を使用した)。シャトル剤にカーゴタンパク質を添加し、必要に応じて、滅菌PBS又は細胞培養培地(血清不含)を添加して、細胞を再懸濁に十分な最終容量(例えば、96ウェルプレートのウェルあたり10〜100μL)で、所望の濃度のシャトル剤及びカーゴを得た。次いで、シャトル剤/カーゴ混合物を実験に直ちに使用した。各実験に少なくとも3種の対照を含み、(1)シャトル剤単独(例えば、試験される最高濃度で);(2)カーゴ単独及び(3)任意のカーゴ又はシャトル剤を伴わないを含む。細胞を400gで2分間遠心分離し、次いで、培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSに再懸濁した。細胞を400gで再度2分間遠心分離し、PBSを除去し、細胞をシャトル剤/カーゴ混合物中に再懸濁した。所望のインキュベーション時間後、100μLの完全培地を細胞に直接添加した。細胞を、400gで2分間遠心分離し、培地を除去した。ペレットを200μLの、37℃に予め加温したPBS中に再懸濁し、洗浄した。更に遠心分離した後、PBSを除去し、細胞を100μLの完全培地に再懸濁した。解析の前に最後の2ステップを1回反復した。
形質導入アッセイが実施される1日前に、対数増殖期にある懸濁細胞を回収し、96ウェルプレート(ウェルあたり20,000個細胞)中にプレーティングした。細胞を、血清を含有する適当な成長培地中で一晩インキュベートした(実施例1を参照のこと)。翌日、別個の滅菌1.5mLチューブ中で、シャトル剤を室温で滅菌蒸留水中で希釈した(カーゴが、核酸であるか、又は核酸を含んでいた場合には、ヌクレアーゼ不含を使用した)。シャトル剤にカーゴタンパク質を添加し、必要に応じて、滅菌PBS又は細胞培養培地(血清不含)を添加して、細胞を再懸濁に十分な最終容量(例えば、96ウェルプレートのウェルあたり10〜100μL)で、所望の濃度のシャトル剤及びカーゴを得た。次いで、シャトル剤/カーゴ混合物を実験に直ちに使用した。各実験に少なくとも3種の対照を含み、(1)シャトル剤単独(例えば、試験される最高濃度で);(2)カーゴ単独及び(3)任意のカーゴ又はシャトル剤を伴わないを含む。細胞を400gで2分間遠心分離し、次いで、培地を除去し、細胞を、37℃に予め加温したPBSに再懸濁した。細胞を400gで再度2分間遠心分離し、PBSを除去し、細胞をシャトル剤/カーゴ混合物中に再懸濁した。所望のインキュベーション時間後、100μLの完全培地を細胞に直接添加した。細胞を、400gで2分間遠心分離し、培地を除去した。ペレットを200μLの、37℃に予め加温したPBS中に再懸濁し、洗浄した。更に遠心分離した後、PBSを除去し、細胞を100μLの完全培地に再懸濁した。解析の前に最後の2ステップを1回反復した。
9.2 プロトコールA又はBを使用する、HeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
シャトル剤形質導入効率に対する異なるプロトコールの効果を比較するために、HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールA又はBを使用するタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、プロトコールAを使用し、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、10μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露するか、又はプロトコールBを使用し、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 9.1(表33)及び図22Aに示されている。(「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発する細胞のパーセンテージである)。
シャトル剤形質導入効率に対する異なるプロトコールの効果を比較するために、HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールA又はBを使用するタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、プロトコールAを使用し、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、10μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して1時間曝露するか、又はプロトコールBを使用し、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 9.1(表33)及び図22Aに示されている。(「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発する細胞のパーセンテージである)。
上記の結果は、プロトコールAと比較して、プロトコールBを使用して、シャトル剤His-CM18-PTD4を使用するカーゴGFP-NLSのより高いタンパク質形質導入効率が得られたことを示す。
9.3 プロトコールBを使用するHeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
用量反応実験を実施して、タンパク質形質導入効率に対するHis-CM18-PTD4濃度の効果を評価した。HeLa細胞を培養し、実施例9.1のプロトコールBに記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、0、50、35、25又は10μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table9.2(表34)及び図22Bに示されている。
用量反応実験を実施して、タンパク質形質導入効率に対するHis-CM18-PTD4濃度の効果を評価した。HeLa細胞を培養し、実施例9.1のプロトコールBに記載されるタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、0、50、35、25又は10μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようなフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table9.2(表34)及び図22Bに示されている。
上記の結果は、His-CM18-PTD4が、HeLa細胞においてGFP-NLS形質導入効率を用量依存的に増大できることを示す。
9.4 プロトコールBを使用するHeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
実施例9.1.に記載されるようなプロトコールBを使用して、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に10秒間曝露した。次いで、細胞を、実施例3.2及び3.2aに記載されるように蛍光顕微鏡解析に付した。
実施例9.1.に記載されるようなプロトコールBを使用して、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に10秒間曝露した。次いで、細胞を、実施例3.2及び3.2aに記載されるように蛍光顕微鏡解析に付した。
図23及び図24に示されるサンプル結果について、最終洗浄ステップ後に4×、20×及び40×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によってHeLa細胞のGFP蛍光を直ちに可視化した。
図23では、A、B及びCにおける上のパネルは、それぞれ、4×、20×及び40×の倍率の核標識(DAPI)を示し、下のパネルは、対応するGFP-NLS蛍光を示す。パネルCでは、白色三角窓は、核(DAPI)及びGFP-NLSシグナル間の同時標識領域の例を示す。パネルDでは、上及び下のパネルは、HeLa細胞のサンプル明視野像を示し、中央のパネルは、対応するFACS解析の結果を示し(実施例3.3に記載されるように実施された)、これは、GFPシグナルを有する96プレート中の細胞のパーセンテージを示す。陰性対照サンプルでは有意なGFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
図24は、明視野(パネルA)及び蛍光像(パネルB)を示す。パネルB中の挿入図は、対応するFACS解析の結果を示し(実施例3.3に記載されるように実施された)、これは、GFPシグナルを有する96プレートウェル中の細胞のパーセンテージを示す。陰性対照サンプルでは有意なGFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
図25において示されるサンプル結果については、実施例3.2aに記載されるようにHeLa細胞を固定し、透過処理し、免疫標識に付し、その後、実施例3.2に記載されるように蛍光顕微鏡によって可視化した。GFP-NLSを、一次マウスモノクローナル抗GFP抗体(Feldan、A017番)及び二次ヤギ抗マウスAlexa(商標)-594抗体(Abcam社 150116番)を使用して標識した。図25における上のパネルは、核標識(DAPI)を示し、下のパネルは、GFP-NLSの対応する標識を示す。パネルA及びBは、それぞれ、20×及び40×の倍率のサンプル像を示す。白色三角窓は、核及びGFP-NLS間の同時標識の領域の例を示す。陰性対照サンプルでは有意なGFP-NLS標識は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
図26は、生存細胞の63×の倍率で共焦点顕微鏡を用いて捉えられたサンプル像を示す。図26のパネルAは、明視野像を示し、パネルBは、対応する蛍光GFP-NLSを示す。パネルCは、パネルA及びBにおける像間のオーバーレイである。陰性対照サンプルでは有意なGFP-NLS蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
9.4a プロトコールBを使用するHeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4による FTIC標識抗チューブリン抗体形質導入:顕微鏡による可視化
FITC標識抗チューブリン抗体(0.5μM;Abcam社、ab64503)を、実施例9.1に記載されるようにプロトコールBを使用して、50μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。次いで、細胞を、実施例3.2及び3.2aに記載されるように蛍光顕微鏡解析に付し、HeLa細胞における抗チューブリン抗体のFITC蛍光を、最終洗浄ステップ後に20×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって直ちに可視化した。サンプル結果は、図24C及び図24Dに示されている。陰性対照サンプルでは有意なFITC蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにFITC標識抗チューブリン抗体に対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
FITC標識抗チューブリン抗体(0.5μM;Abcam社、ab64503)を、実施例9.1に記載されるようにプロトコールBを使用して、50μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。次いで、細胞を、実施例3.2及び3.2aに記載されるように蛍光顕微鏡解析に付し、HeLa細胞における抗チューブリン抗体のFITC蛍光を、最終洗浄ステップ後に20×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって直ちに可視化した。サンプル結果は、図24C及び図24Dに示されている。陰性対照サンプルでは有意なFITC蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにFITC標識抗チューブリン抗体に対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
全体的に、実施例9.4及び9.4aにおける結果は、GFP-NLS及びFITC標識抗チューブリン抗体カーゴが、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下で、成功裏に形質導入され、HeLa細胞の核及び/又はサイトゾルに送達されることを示す。
9.5 HeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS動力学的形質導入:顕微鏡による可視化
GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、実施例9.1に記載されるようにプロトコールBを使用して、50μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。洗浄ステップ後、HeLa細胞のGFP蛍光を、種々の時間間隔後に20×の倍率で蛍光顕微鏡(実施例3.2)によって直ちに可視化した。図27に典型的な結果が示されており、これでは、45、75、100及び120秒後に蛍光顕微鏡像が捉えられた(それぞれ、パネルA、B、C及びDを参照のこと)。
GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、実施例9.1に記載されるようにプロトコールBを使用して、50μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。洗浄ステップ後、HeLa細胞のGFP蛍光を、種々の時間間隔後に20×の倍率で蛍光顕微鏡(実施例3.2)によって直ちに可視化した。図27に典型的な結果が示されており、これでは、45、75、100及び120秒後に蛍光顕微鏡像が捉えられた(それぞれ、パネルA、B、C及びDを参照のこと)。
図27Aに示されるように、拡散細胞性GFP蛍光は、全般的に45秒後に観察され、多数の細胞において核中の低いGFP蛍光の領域を有する。これらの結果は、45秒後にシャトル剤によって細胞内送達されたGPF-NLSの主に細胞質の、及び低い核の分布を示唆する。図27B〜図27Dは、His-CM18-PTD4シャトル剤及びGFP-NLSカーゴに対する曝露後75秒での(パネルB)、100秒での(パネルC)及び120秒での(パネルD)、GFP蛍光の、細胞核への段階的な再分布を示す。陰性対照サンプルでは有意な細胞性GFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
実施例9.5における結果は、GFP-NLSが、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下で2分までにHeLa細胞の核に成功裏に送達されるということを示す。
9.6 HeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS及びmCherry(商標)-NLS同時形質導入:顕微鏡による可視化
mCherry(商標)-NLS組換えタンパク質を、実施例1.4に記載されるように構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。mCherry(商標)-NLS組換えタンパク質の配列は、以下であった:
mCherry(商標)-NLS組換えタンパク質を、実施例1.4に記載されるように構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。mCherry(商標)-NLS組換えタンパク質の配列は、以下であった:
GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)及びmCherry(商標)-NLS組換えタンパク質(5μM)を、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、35μMのHis-CM18-PTD4と一緒に同時インキュベートし、次いで、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.2に記載されるように20×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって直ちに可視化した。図28にサンプル結果が示されており、これでは、明視野(パネルA)、DAPI蛍光(パネルB)、GFP-NLS蛍光(パネルC)及びmCherry(商標)-NLS蛍光(パネルD)を示す対応する像が示されている。白色三角窓は、細胞核におけるGFP-NLS及びmCherry(商標)蛍光シグナル間の同時標識の領域の例を示す。陰性対照サンプルでは有意な細胞性GFP又はmCherry(商標)蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS又はmCherry(商標)に対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
これらの結果は、GFP-NLS及びmCherry(商標)-NLSが、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下でHeLa細胞中の核に成功裏に一緒に送達されることを示す。
9.7 THP-1懸濁細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
His-CM18-PTD4の、GFP-NLSを懸濁細胞の核に送達する能力を、THP-1細胞を使用して試験した。THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールA及びCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、1μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、THP-1細胞に対して1時間曝露するか(プロトコールA)、又は5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、THP-1細胞に対して15秒間曝露した(プロトコールC)。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 9.3(表35)に、及び図31に示されている。
His-CM18-PTD4の、GFP-NLSを懸濁細胞の核に送達する能力を、THP-1細胞を使用して試験した。THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールA及びCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、1μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、THP-1細胞に対して1時間曝露するか(プロトコールA)、又は5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、THP-1細胞に対して15秒間曝露した(プロトコールC)。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 9.3(表35)に、及び図31に示されている。
9.8 THP-1細胞におけるHis-CM18-PTD4によるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用して、5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して15秒間曝露した。細胞を、実施例3.2に記載されるような顕微鏡可視化に付した。
GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用して、5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して15秒間曝露した。細胞を、実施例3.2に記載されるような顕微鏡可視化に付した。
図32に示されるサンプル結果について、HeLa細胞のGFP蛍光を、最終洗浄ステップ後、4×、10×及び40×の倍率で(それぞれ、パネルA〜C)、明視野(上のパネル)及び蛍光(下のパネル)顕微鏡によって直ちに可視化した。パネルC中の白色三角窓は、明視野及び蛍光像間の同時標識の領域の例を示す。パネルDは、対応するFACS解析の典型的な結果を示し(実施例3.3に記載されるように実施された)、これは、GFPシグナルを有する96プレートウェル中の細胞のパーセンテージを示す。さらなる結果は、図33に示されており、これでは、パネルA及びBは、明視野像を示し、パネルC及びDは、対応する蛍光像を示す。白色三角窓は、パネルA及びC並びにパネルB及びD間の同時標識の領域の例を示す。最も右側のパネルは、対応するFACS解析(実施例3.3に記載されるように実施された)の典型的な結果を示し、これは、GFPシグナルを有する96プレートウェル中の細胞のパーセンテージを示す。
陰性対照サンプルでは有意な細胞性GFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
この実施例における結果は、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下でTHP-1細胞においてGFP-NLSが成功裏に細胞内に送達されることを示す。
(実施例10)
種々の複数ドメインシャトル剤が、HeLa及びTHP-1細胞においてGFP-NLSを成功裏に形質導入するが、単一ドメインペプチドは、形質導入しない
10.1 HeLa細胞における種々のシャトル剤によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々のシャトル剤と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.1(表36)及び図29Aに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
種々の複数ドメインシャトル剤が、HeLa及びTHP-1細胞においてGFP-NLSを成功裏に形質導入するが、単一ドメインペプチドは、形質導入しない
10.1 HeLa細胞における種々のシャトル剤によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々のシャトル剤と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.1(表36)及び図29Aに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
10.2 HeLa細胞における変動するインキュベーション時間を用いる種々のシャトル剤によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、10μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と1、2又は5分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.2(表37)及び図29Bに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、10μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と1、2又は5分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.2(表37)及び図29Bに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
10.3 HeLa細胞における変動するインキュベーション時間を用いるTAT-KALA、His-CM18-PTD4及びHis-C(LLKK)3C-PTD4によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、5μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と1、2又は5分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3(表38)及び図29Cに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、5μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と1、2又は5分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3(表38)及び図29Cに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
10.4 HeLa細胞における種々のシャトル剤によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々のシャトル剤と同時インキュベートし(アミノ酸配列及び特性についてはTable 1.3(表8)を参照のこと)、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3a(表39) & Table 10.3b(表40)並びに図29E & 図29Fに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々のシャトル剤と同時インキュベートし(アミノ酸配列及び特性についてはTable 1.3(表8)を参照のこと)、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3a(表39) & Table 10.3b(表40)並びに図29E & 図29Fに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、10μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と1、2又は5分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3c(表41) & Table 10.3b(表40)並びに図29G及び図29Hに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
シャトル剤CM18-PTD4を、モデルとして使用して、個々のタンパク質ドメインのモジュール性並びに修飾されるべきその能力を実証した。より詳しくは、N末端システイン残基(「Cys」)、ELD及びCPDドメイン間の種々の可動性リンカー(「L1」:GGS;「L2」:GGSGGGS;及び「L3」:GGSGGGSGGGS)の有無並びにヒスチジンリッチドメインの種々の長さ、位置及び変異体を研究した。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、20μMの、シャトル剤His-CM18-PTD4の種々のシャトルペプチド変異体(アミノ酸配列及び特性についてはTable 1.3(表8)を参照のこと)と1分間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.3e(表43)及び図29Iに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
これらの結果は、所与のシャトルの形質導入効率及び細胞生存率の程度を調節するために所与のシャトル(例えば、CM18-PTD4)における変動を使用できることを示す。より詳しくは、CM18-PTD4へのN末端システイン残基の付加(Cys-CM18-PTD4を参照のこと)は、GFP-NLS形質導入効率を11%低下させたが(47.6%から36.6%に)、細胞生存率を33.9%から78.7%に増大させた。CM18及びPTD4ドメイン間への種々の長さの可動性リンカードメイン(L1、L2及びL3)の導入は、形質導入効率の著しい喪失をもたらさなかったが、細胞生存率を増大させた(CM18-L1-PTD4、CM18-L2-PTD4及びCM18-L3-PTD4を参照のこと)。最後に、ヒスチジンリッチドメインのアミノ酸配列及び/又は位置の変動は、His-CM18-PTD4の形質導入効率及び細胞生存率の完全な喪失をもたらさなかった(3His-CM18-PTD4、12His-CM18-PTD4、HA-CM18-PTD4、3HA-CM18-PTD4、CM18-His-PTD4及びHis-CM18-PTD4-Hisを参照のこと)。注目すべきは、His-CM18-PTD4のC末端に第2のヒスチジンリッチドメインを付加すること(すなわち、His-CM18-PTD4-His)は、60%から68%への形質導入効率を増大させ、細胞生存率は同様であった。
10.5 HeLa細胞における単一ドメインペプチド又はHis-CPDペプチドによるGFP-NLS形質導入の欠如:フローサイトメトリー
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々の単一ドメインペプチド(TAT、PTD4、ペネトラチン、CM18、C(LLKK)3C、KALA)又は2ドメインペプチドHis-PTD4(ELDを欠く)と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.4(表44)及び図29Dに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意の単一ドメインペプチド又はシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
HeLa細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMの種々の単一ドメインペプチド(TAT、PTD4、ペネトラチン、CM18、C(LLKK)3C、KALA)又は2ドメインペプチドHis-PTD4(ELDを欠く)と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 10.4(表44)及び図29Dに示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。陰性対照(「Ctrl」)は、任意の単一ドメインペプチド又はシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
これらの結果は、単一ドメインペプチドTAT、PTD4、ペネトラチン、CM18、C(LLKK)3C、KALA又は2ドメインペプチドHis-PTD4(ELDを欠く)が、HeLa細胞においてGFP-NLSを成功裏に形質導入できないことを示す。
10.6 HeLa細胞におけるTAT-KALA、His-CM18-PTD4、His-C(LLKK)3C-PTD4、PTD4-KALA、EB1-PTD4及びHis-CM18-PTD4-HisによるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMのシャトル剤と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。2分のインキュベーション後、細胞を、実施例3.2に記載されるように顕微鏡によって可視化した。
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、50μMのシャトル剤と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。2分のインキュベーション後、細胞を、実施例3.2に記載されるように顕微鏡によって可視化した。
図30におけるサンプル結果については、最終洗浄ステップ後に20×又は40×の倍率で明視野(最下行パネル)及び蛍光(上部及び中央行パネル)顕微鏡によってHeLa細胞のGFP蛍光を直ちに可視化した。シャトル剤TAT-KALA、His-CM18-PTD4及びHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いた結果が、それぞれ、パネルA、B及びCに示されている。シャトル剤PTD4-KALA、EB1-PTD4及びHis-CM18-PTD4-Hisを用いた結果が、それぞれ、パネルD、E及びFに示されている。最下行パネル中の挿入図は、対応するFACS解析(実施例3.3に記載されるように実施された)の結果を示し、これは、GFPシグナルを有する96プレートウェル中の細胞のパーセンテージを示す。陰性対照サンプルでは有意な細胞性GFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
10.7 THP-1細胞における変動するインキュベーション時間を用いるTAT-KALA、His-CM18-PTD4及びHis-C(LLKK)3C-PTD4によるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、1μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と、15、30、60又は120秒間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージ(「Pos細胞(%)」)が、Table 10.4(表45)に、及び図34Aに示されている。平均蛍光強度は、Table 10.5(表46)及び図34Bに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールCを使用してタンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、1μMのTAT-KALA、His-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と、15、30、60又は120秒間同時インキュベートした。最終洗浄ステップ後、細胞を、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージ(「Pos細胞(%)」)が、Table 10.4(表45)に、及び図34Aに示されている。平均蛍光強度は、Table 10.5(表46)及び図34Bに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
(実施例11)
血清の存在下で低濃度のシャトル剤を用いる反復毎日処理は、THP-1細胞においてGFP-NLS形質導入をもたらす
11.1 THP-1細胞におけるHis-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用し、ただし、以下の修飾を用い、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5、2.5又は1μM;実施例5.1を参照のこと)を、0.5若しくは0.8μMのHis-CM18-PTD4と、又は0.8μMのHis-C(LLKK)3C-PTD4と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して、血清を含有する細胞培養培地の存在下で各日150分間曝露した。1又は3日のシャトル剤/カーゴに対する反復曝露後に、細胞を洗浄し、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 11.1(表47)に、並びに図35A、図B、図C及び図Fに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
血清の存在下で低濃度のシャトル剤を用いる反復毎日処理は、THP-1細胞においてGFP-NLS形質導入をもたらす
11.1 THP-1細胞におけるHis-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用し、ただし、以下の修飾を用い、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。GFP-NLS組換えタンパク質(5、2.5又は1μM;実施例5.1を参照のこと)を、0.5若しくは0.8μMのHis-CM18-PTD4と、又は0.8μMのHis-C(LLKK)3C-PTD4と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して、血清を含有する細胞培養培地の存在下で各日150分間曝露した。1又は3日のシャトル剤/カーゴに対する反復曝露後に、細胞を洗浄し、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 11.1(表47)に、並びに図35A、図B、図C及び図Fに示されている。陰性対照(「Ctrl」)は、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLS組換えタンパク質(5μM)とともにインキュベートされた細胞に対応する。
His-CM18-PTD4及びGFP-NLSに対して反復して曝露されたTHP-1細胞の生存率を、実施例3.3aに記載されるように調べた。結果は、Table 11.2(表48)及びTable 11.3(表49)に、並びに図35D及び図35Eに示されている。Table 11.2(表48)及び図35Dにおける結果は、1、2、4及び24時間後のTHP-1細胞の代謝活性指数を示し、Table 11.3(表49)及び図35Eにおける結果は、1〜4日後のTHP-1細胞の代謝活性指数を示す。
実施例11における結果は、血清の存在下での、比較的低濃度のHis-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いる反復毎日(又は慢性)処理が、THP-1細胞においてGFP-NLSの細胞内送達をもたらすことを示す。結果はまた、カーゴ形質導入効率及び/又は細胞生存率を改善するために、シャトル剤及びカーゴの投与量を独立に調整できることを示唆する。
(実施例12)
His-CM18-PTD4は、複数の細胞株においてGFP-NLSの形質導入効率及び核送達を増大させる
12.1 種々の接着&懸濁細胞における、His-CM18-PTD4を用いるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
実施例9.1に記載されるようなプロトコールB(接着細胞)又はC(懸濁細胞)を使用して、シャトル剤His-CM18-PTD4の、GFP-NLSを種々の接着及び懸濁細胞の核に送達する能力を調べた。試験された細胞株は、以下:HeLa、Balb3T3、HEK293T、CHO、NIH3T3、筋芽細胞、ジャーカット、THP-1、CA46及びHT2細胞を含んでおり、これらを実施例1に記載されるように培養した。GFP-NLS(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、接着細胞に対して10秒間曝露するか(プロトコールB)、又は5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、懸濁細胞に対して15秒間曝露した(プロトコールC)。細胞を洗浄し、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 12.1(表50)及び図36に示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。
His-CM18-PTD4は、複数の細胞株においてGFP-NLSの形質導入効率及び核送達を増大させる
12.1 種々の接着&懸濁細胞における、His-CM18-PTD4を用いるGFP-NLS形質導入:フローサイトメトリー
実施例9.1に記載されるようなプロトコールB(接着細胞)又はC(懸濁細胞)を使用して、シャトル剤His-CM18-PTD4の、GFP-NLSを種々の接着及び懸濁細胞の核に送達する能力を調べた。試験された細胞株は、以下:HeLa、Balb3T3、HEK293T、CHO、NIH3T3、筋芽細胞、ジャーカット、THP-1、CA46及びHT2細胞を含んでおり、これらを実施例1に記載されるように培養した。GFP-NLS(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、接着細胞に対して10秒間曝露するか(プロトコールB)、又は5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、懸濁細胞に対して15秒間曝露した(プロトコールC)。細胞を洗浄し、実施例3.3に記載されるようにフローサイトメトリー解析に付した。結果は、Table 12.1(表50)及び図36に示されている。「Pos細胞(%)」は、GFPシグナルを発するすべての細胞の平均パーセンテージである。
12.2 いくつかの接着及び懸濁細胞におけるHis-CM18-PTD4を用いるGFP-NLS形質導入:顕微鏡による可視化
実施例9.1に記載されるように、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、プロトコールAを使用して、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、接着細胞に対して10秒間曝露するか、又はプロトコールBを使用して、5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、懸濁細胞に対して15秒間曝露した。細胞を洗浄した後、GFP蛍光を、明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化した。GFP蛍光を示す10×の倍率で捉えられたサンプル像が、(A)293T、(B)Balb3T3、(C)CHO、(D)筋芽細胞、(E)ジャーカット、(F)CA46、(G)HT2及び(H)NIH3T3細胞について図37に示されている。挿入図は、実施例3.3に記載されるように実施された対応するフローサイトメトリー結果を示し、GFP-NLS-陽性細胞のパーセンテージを示す。陰性対照サンプルでは有意なGFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
実施例9.1に記載されるように、GFP-NLS組換えタンパク質(5μM;実施例5.1を参照のこと)を、プロトコールAを使用して、35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、接着細胞に対して10秒間曝露するか、又はプロトコールBを使用して、5μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、懸濁細胞に対して15秒間曝露した。細胞を洗浄した後、GFP蛍光を、明視野及び蛍光顕微鏡によって可視化した。GFP蛍光を示す10×の倍率で捉えられたサンプル像が、(A)293T、(B)Balb3T3、(C)CHO、(D)筋芽細胞、(E)ジャーカット、(F)CA46、(G)HT2及び(H)NIH3T3細胞について図37に示されている。挿入図は、実施例3.3に記載されるように実施された対応するフローサイトメトリー結果を示し、GFP-NLS-陽性細胞のパーセンテージを示す。陰性対照サンプルでは有意なGFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
実施例3.2aに記載されるように細胞免疫標識を使用して、固定化し、透過処理した筋芽細胞において、GFP-NLSの核局在性を更に確認した。GFP-NLSを、一次マウスモノクローナル抗GFP抗体(Feldan、A017番)及び二次ヤギ抗マウスAlexa(商標)-594抗体(Abcam社 150116番)を使用して標識した。核をDAPIを用いて標識した。一次ヒト筋芽細胞のサンプル結果が、図38に示されており、これでは、GFP免疫標識がパネルAに示されており、GFP免疫標識及びDAPI標識のオーバーレイが、パネルBに示されている。陰性対照サンプルでは有意なGFP標識は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにGFP-NLSに対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
顕微鏡結果は、GFP-NLSが、シャトル剤His-CM18-PTD4を使用してすべての試験された細胞の核に成功裏に送達されることを示した。
(実施例13)
His-CM18-PTD4は、CRISPR/Cas9-NLS系の形質導入及びHeLa細胞におけるゲノム編集を可能にする
13.1 Cas9-NLS組換えタンパク質
実施例1.4に記載されるように、Cas9-NLS組換えタンパク質を構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。製造されたCas9-NLS組換えタンパク質の配列は、以下であった:
His-CM18-PTD4は、CRISPR/Cas9-NLS系の形質導入及びHeLa細胞におけるゲノム編集を可能にする
13.1 Cas9-NLS組換えタンパク質
実施例1.4に記載されるように、Cas9-NLS組換えタンパク質を構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。製造されたCas9-NLS組換えタンパク質の配列は、以下であった:
13.2 トランスフェクションプラスミド代替アッセイ
このアッセイによって、成功裏に送達された活性CRISPR/Cas9複合体を視覚的に同定することが可能になる。図39Aに示されるように、アッセイは、蛍光タンパク質mCherry(商標)及びGFPを、その2つのオープンリーディングフレームを隔てる停止コドンとともにコードする発現プラスミドDNAを細胞にトランスフェクトすることを含む。発現プラスミドを用いる細胞のトランスフェクションは、mCherry(商標)発現をもたらすが、GFP発現をもたらさない(図39B)。次いで、プラスミドDNAを停止コドンで切断するように設計/プログラムされているCRISPR/Cas9複合体が、mCherry(商標)を発現するトランスフェクトされた細胞に、細胞内送達される(図39D)。活性CRISPR/Cas9複合体の形質導入の成功は、プラスミドDNAを停止コドンで切断するCRISPR/Cas9複合体をもたらす(図39C)。一部の細胞では、切断されたプラスミドのランダムな非相同DNA修復が生じ、停止コドンの除去、したがって、GFP発現及び蛍光をもたらす(図39E)。
このアッセイによって、成功裏に送達された活性CRISPR/Cas9複合体を視覚的に同定することが可能になる。図39Aに示されるように、アッセイは、蛍光タンパク質mCherry(商標)及びGFPを、その2つのオープンリーディングフレームを隔てる停止コドンとともにコードする発現プラスミドDNAを細胞にトランスフェクトすることを含む。発現プラスミドを用いる細胞のトランスフェクションは、mCherry(商標)発現をもたらすが、GFP発現をもたらさない(図39B)。次いで、プラスミドDNAを停止コドンで切断するように設計/プログラムされているCRISPR/Cas9複合体が、mCherry(商標)を発現するトランスフェクトされた細胞に、細胞内送達される(図39D)。活性CRISPR/Cas9複合体の形質導入の成功は、プラスミドDNAを停止コドンで切断するCRISPR/Cas9複合体をもたらす(図39C)。一部の細胞では、切断されたプラスミドのランダムな非相同DNA修復が生じ、停止コドンの除去、したがって、GFP発現及び蛍光をもたらす(図39E)。
トランスフェクションプラスミド代替アッセイの1日目に、種々の実験条件のDNAプラスミド(250ng)を、別個の滅菌1.5mLチューブ中でDMEM(50μL)に希釈し、ボルテックス処理し、短時間遠心分離した。別個の滅菌1.5mLチューブ中で、Fastfect(商標)トランスフェクション試薬を、3:1の割合で(1μgのDNAに対して3μLのFastfect(商標)トランスフェクション試薬)血清を含まない、抗生物質を含まないDMEM(50μL)に希釈し、迅速にボルテックス処理し、短時間遠心分離した。次いで、Fastfect(商標)/DMEM混合物をDNA混合物に添加し、迅速にボルテックス処理し、短時間遠心分離した。次いで、Fastfect(商標)/DMEM/DNA混合物を室温で15〜20分間インキュベートし、その後、細胞に添加した(ウェルあたり100μL)。次いで、細胞を37℃及び5% CO2で5時間インキュベートした。次いで、培地を完全培地(血清を含む)と変更し、37℃及び5% CO2で24〜48時間更にインキュベートした。次いで、mCherry(商標)シグナルを見るために細胞を蛍光顕微鏡下で可視化した。
13.3 プラスミドDNAのHis-CM18-PTD4媒介性CRISPR/Cas9-NLS系送達及び切断
RNA(crRNA & tracrRNA)を、実施例13.2のプラスミド中のmCherry(商標)及びGFPコード配列の間に停止コドンを含有するEMX1遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするように設計した。使用したcrRNA及びtracrRNAの配列は以下であった:
RNA(crRNA & tracrRNA)を、実施例13.2のプラスミド中のmCherry(商標)及びGFPコード配列の間に停止コドンを含有するEMX1遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするように設計した。使用したcrRNA及びtracrRNAの配列は以下であった:
HeLa細胞を培養し、実施例13.2に記載されるようなトランスフェクションプラスミド代替アッセイに付した)。1日目に、HeLa細胞に、図39Aに示されるようにmCherry(商標)タンパク質をコードするプラスミド代替をトランスフェクトした。2日目に、実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、Cas9-NLS組換えタンパク質(2μM;実施例13.1を参照のこと)及びRNA(crRNA & tracrRNA;2μM;上記を参照のこと)の混合物を50μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、混合物(CRISPR/Cas9複合体)をHeLa細胞に対して10秒間曝露した。mCherry(商標)及びGFPコード配列の間の停止コドンでのCRISPR/Cas9複合体による二本鎖プラスミドDNA切断(図39B)並びにいくつかの場合には細胞によるその後の非相同修復は、停止コドン除去をもたらし(図39C)、それによって、3日目に同一細胞におけるmCherry(商標)及びGFP蛍光タンパク質の両方の発現を可能にする(図39D〜図E)。パネルD及びE中の白色三角窓は、mCherry(商標)及びGFP間の同時標識の領域の例を示す。
CRISPR/Cas9-NLS系の陽性対照として、HeLa細胞を培養し、3種のプラスミドを同時トランスフェクトした:プラスミド代替(実施例13.2に記載されるような)及びCas9-NLSタンパク質をコードするその他の発現プラスミド(実施例13.1)及びcrRNA/tracrRNA(実施例13.3)。典型的な蛍光顕微鏡結果が、図40A〜図Dに示されている。パネルA及びBは、トランスフェクションの24時間後の細胞を示し、パネルC及びDは、トランスフェクションの72時間後の細胞を示す。
図40E〜図Hは、図39に記載されるような、35μMのシャトルHis-CM18-PTD4を使用して実施された、並行トランスフェクションプラスミド代替アッセイの結果を示す。パネルE及びFは、形質導入の24時間後の細胞を示し、パネルG及びHは、形質導入の48時間後の細胞を示す。パネルE及びGは、mCherry(商標)蛍光を示し、パネルF及びHは、GFP蛍光を示し、後者は、形質導入されたCRISPR/Cas9-NLS複合体及びその後の細胞による非相同修復による停止コドンの除去に起因する。陰性対照サンプルでは有意な細胞性GFP蛍光は観察されなかった(すなわち、任意のシャトル剤を伴わずにCRISPR/Cas9-NLS複合体に対して曝露された細胞;示されていないデータ)。
13.4 T7E1アッセイ
T7E1アッセイを、Edit-R(商標)合成crRNA陽性対照(Dharmacon U-007000-05番)及びT7エンドヌクレアーゼI(NEB、カタログ番号M0302S)を用いて実施した。CRISPR/Cas9複合体の送達後、細胞を100μLのPhusion(商標)High-Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB M0530S番)実験室に添加物とともに溶解した。細胞を56℃で15〜30分間インキュベートし、続いて、96℃で5分間不活性化した。プレートを短時間遠心分離して、ウェルの底に液体を集めた。解析されるべき各サンプルについて、50μLのPCRサンプルを設定した。PCRサンプルを95℃に10分間加熱し、次いで、ゆっくりと(>15分)室温に冷却した。次いで、PCR産物(約5μL)をアガロースゲル(2%)上で分離して、増幅を確認した。各反応物の15μLをT7E1ヌクレアーゼとともに37℃25分間インキュベートした。直ちに、全反応容量を、アガロースゲル(2%)上で適当なゲルローディングバッファーとともに流した。
T7E1アッセイを、Edit-R(商標)合成crRNA陽性対照(Dharmacon U-007000-05番)及びT7エンドヌクレアーゼI(NEB、カタログ番号M0302S)を用いて実施した。CRISPR/Cas9複合体の送達後、細胞を100μLのPhusion(商標)High-Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB M0530S番)実験室に添加物とともに溶解した。細胞を56℃で15〜30分間インキュベートし、続いて、96℃で5分間不活性化した。プレートを短時間遠心分離して、ウェルの底に液体を集めた。解析されるべき各サンプルについて、50μLのPCRサンプルを設定した。PCRサンプルを95℃に10分間加熱し、次いで、ゆっくりと(>15分)室温に冷却した。次いで、PCR産物(約5μL)をアガロースゲル(2%)上で分離して、増幅を確認した。各反応物の15μLをT7E1ヌクレアーゼとともに37℃25分間インキュベートした。直ちに、全反応容量を、アガロースゲル(2%)上で適当なゲルローディングバッファーとともに流した。
13.5 ゲノムPPIB配列のHis-CM18-PTD4媒介性及びHis-C(LLKK)3C-PTD4媒介性CRISPR/Cas9-NLS系送達及び切断
実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、Cas9-NLS組換えタンパク質(25nM;実施例13.1)及びPPIB遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするcrRNA/tracrRNA(50nM;以下を参照のこと)から構成される混合物を、10μMのHis-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と同時インキュベートし、血清を含まない培地中でHeLa細胞とともに16時間インキュベートした。
実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、Cas9-NLS組換えタンパク質(25nM;実施例13.1)及びPPIB遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするcrRNA/tracrRNA(50nM;以下を参照のこと)から構成される混合物を、10μMのHis-CM18-PTD4又はHis-C(LLKK)3C-PTD4と同時インキュベートし、血清を含まない培地中でHeLa細胞とともに16時間インキュベートした。
構築したcrRNA及びtracrRNAの配列は以下であった:
16時間後、HeLa細胞をPBSを用いて洗浄し、血清を含む培地中で48時間インキュベートした。HeLa細胞を回収して、実施例13.4に記載されるようなT7E1プロトコールアッセイを進めた。
図41Aは、PCR増幅後のPPIB DNA配列を有するアガロースゲルを示す。レーンAは、任意の処理を用いないHeLa細胞(すなわち、シャトルもCas9/RNA複合体もなし)中の増幅されたPPIB DNA配列を示す。レーンB:白色四角1番の枠に入っている2つのバンドは、シャトルHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いるCRIPR/Cas9複合体の送達後の複合体によるPPIB DNA配列の切断産物である。レーンC:これらのバンドは、シャトルを伴わずにCas9/RNA複合体とともにHeLa細胞をインキュベーションした後に増幅されたPPIB DNA配列を示す(陰性対照)。レーンD:白色四角2番の枠に入っているバンドは、脂質トランスフェクション剤(DharmaFect(商標)トランスフェクション試薬T-20XX-01番)の存在下でCas9/RNA複合体とともにHeLa細胞をインキュベーションした後に増幅されたPPIB DNA配列を示す(陽性対照)。シャトルHis-CM18-PTD4を使用して同様の結果が得られた(示されていないデータ)。
図41Bは、PCR増幅後のPPIB DNA配列を有するアガロースゲルを示す。左側のパネルは、HeLa細胞におけるシャトル剤His-CM18-PTD4を用いる複合体の送達後のCRIPR/Cas9複合体による増幅されたPPIB DNA配列の切断産物を示す。右側のパネルは、陰性対照としてのT7E1消化前の増幅されたDNA配列を示す。
図41Cは、PCR増幅後のPPIB DNA配列を有するアガロースゲルを示す。左側のパネルは、脂質トランスフェクション剤(DharmaFect(商標)トランスフェクション試薬T-20XX-01番)の存在下でCas9/RNA複合体とともにHeLa細胞をインキュベーションした後に増幅されたPPIB DNA配列を示す(陽性対照)。右側のパネルは、陰性対照としてのT7E1消化手順前の増幅されたDNA配列を示す。
これらの結果は、シャトル剤His-CM18-PTD4及びHis-C(LLKK)3C-PTD4が、機能的CRISPR/Cas9複合体をHeLa細胞の核に成功裏に送達すること及びこの送達がゲノムDNAのCRISPR/Cas9媒介性切断をもたらすことを示す。
13.6 HeLa及びジャーカット細胞における、種々のシャトル剤によるCRISPR/Cas9-NLS系送達及びゲノムHPTR配列の切断
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、Cas9-NLS組換えタンパク質(2.5μM;実施例13.1)及びHPTR遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするcrRNA/tracrRNA(2μM;以下を参照のこと)から構成される混合物を、35μMのHis-CM18-PTD4、His-CM18-PTD4-His、His-C(LLKK)3C-PTD4又はEB1-PTD4と同時インキュベートし、HeLa又はジャーカット細胞とともにPBS中で2分間インキュベートした。
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、Cas9-NLS組換えタンパク質(2.5μM;実施例13.1)及びHPTR遺伝子のヌクレオチド配列をターゲッティングするcrRNA/tracrRNA(2μM;以下を参照のこと)から構成される混合物を、35μMのHis-CM18-PTD4、His-CM18-PTD4-His、His-C(LLKK)3C-PTD4又はEB1-PTD4と同時インキュベートし、HeLa又はジャーカット細胞とともにPBS中で2分間インキュベートした。
構築したcrRNA及びtracrRNAの配列は以下であった:
2分後、細胞をPBSを用いて洗浄し、血清を含む培地中で48時間インキュベートした。細胞を回収し、実施例13.4に記載されるようなT7E1プロトコールアッセイを進めた。図46は、PCR増幅後のHPTR DNA配列及び種々のシャトル剤を用いる複合体の送達後のCRISPR/Cas9複合体による増幅されたHPTR DNA配列の切断産物を有するアガロースゲルを示す。パネルAは、HeLa細胞においてシャトル剤:His-CM18-PTD4、His-CM18-PTD4-His及びHis-C(LLKK)3C-PTD4を用いた結果を示す。パネルBは、ジャーカット細胞においてHis-CM18-PTD4及びHis-CM18-L2-PTD4を用いた結果を示す。陰性対照(レーン4)は、シャトル剤の存在なしで、CRISPR/Cas9複合体とともに細胞をインキュベーションした後に増幅されたHPTR DNA配列を示す。陽性対照(パネルA及びB中のレーン5)は、脂質トランスフェクション剤(Lipofectamine(登録商標)RNAiMAX(商標)トランスフェクション試薬ThermoFisher製品番号13778100)の存在下でCas9/RNA複合体とともに細胞をインキュベーションした後に増幅されたHPTR DNA配列を示す。
これらの結果は、本記載の種々のポリペプチドシャトル剤が、機能的CRISPR/Cas9複合体をHeLa及びジャーカット細胞の核に成功裏に送達し得ること及びこの送達が、ゲノムDNAのCRISPR/Cas9媒介性切断をもたらすことを示す。
(実施例14)
His-CM18-PTD4は、THP-1細胞における転写因子HOXB4の形質導入を可能にする
14.1 HOXB4-WT組換えタンパク質
ヒトHOXB4組換えタンパク質を、実施例1.4に記載されるように構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。製造したHOXB4-WT組換えタンパク質の配列は以下であった:
His-CM18-PTD4は、THP-1細胞における転写因子HOXB4の形質導入を可能にする
14.1 HOXB4-WT組換えタンパク質
ヒトHOXB4組換えタンパク質を、実施例1.4に記載されるように構築し、細菌発現系から発現させ、精製した。製造したHOXB4-WT組換えタンパク質の配列は以下であった:
14.2 リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(rt-PCR)
対照及び処理細胞を、別個の滅菌1.5mLチューブに移し、300gで5分間遠心分離した。細胞ペレットを適当なバッファーに再懸濁して、細胞を溶解する。次いで、RNAアーゼ不含70%エタノールを添加し、続いて、ピペッティングによって混合する。溶解物をRNeasy(商標)Miniスピンカラムに移し、13000RPMで30秒間遠心分離する。適当なバッファーを用いる数回の洗浄及び遠心分離ステップの後、溶出物を、氷上で滅菌1.5mLチューブ中に集め、次いで、各チューブ中のRNA量を分光光度計を用いて定量化する。DNアーゼ処理のために、2μgのRNAを15μLのRNアーゼ不含水で希釈する。次いで、1.75μLの10XDNアーゼバッファー及び0.75μLのDNアーゼを添加し、続いて、37℃で15分間インキュベートする。逆転写酵素処理のために、0.88μLのEDTA(50nM)を添加し、続いて、75℃で5分間インキュベートする。PCRチューブ中で、0.5μgのDNアーゼ処理RNAを、4μLのiScript(商標)逆転写Supermix(5X)及び20μLのヌクレアーゼ不含水と混合する。PCR機器において以下のプログラム: 25℃で5分、42℃で30分及び85℃で5分を用いて混合物をインキュベートする。新たに合成されたcDNAを滅菌1.5mLチューブ中に移し、2μLのヌクレアーゼ不含水で希釈する。qPCR機器(CFX-96(商標))のウェルあたり18μLの混合物を解析のためにPCRプレートに添加する。
対照及び処理細胞を、別個の滅菌1.5mLチューブに移し、300gで5分間遠心分離した。細胞ペレットを適当なバッファーに再懸濁して、細胞を溶解する。次いで、RNAアーゼ不含70%エタノールを添加し、続いて、ピペッティングによって混合する。溶解物をRNeasy(商標)Miniスピンカラムに移し、13000RPMで30秒間遠心分離する。適当なバッファーを用いる数回の洗浄及び遠心分離ステップの後、溶出物を、氷上で滅菌1.5mLチューブ中に集め、次いで、各チューブ中のRNA量を分光光度計を用いて定量化する。DNアーゼ処理のために、2μgのRNAを15μLのRNアーゼ不含水で希釈する。次いで、1.75μLの10XDNアーゼバッファー及び0.75μLのDNアーゼを添加し、続いて、37℃で15分間インキュベートする。逆転写酵素処理のために、0.88μLのEDTA(50nM)を添加し、続いて、75℃で5分間インキュベートする。PCRチューブ中で、0.5μgのDNアーゼ処理RNAを、4μLのiScript(商標)逆転写Supermix(5X)及び20μLのヌクレアーゼ不含水と混合する。PCR機器において以下のプログラム: 25℃で5分、42℃で30分及び85℃で5分を用いて混合物をインキュベートする。新たに合成されたcDNAを滅菌1.5mLチューブ中に移し、2μLのヌクレアーゼ不含水で希釈する。qPCR機器(CFX-96(商標))のウェルあたり18μLの混合物を解析のためにPCRプレートに添加する。
14.3 THP-1細胞におけるHis-CM18-PTD4によるHOXB4-WT形質導入:用量反応及び生存率
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、形質導入の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(0.3、0.9又は1.5μM;実施例14.1)を、種々の濃度のHis-CM18-PTD4(0、0.5、7.5、0.8又は1μM)と同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して2.5時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.1(表51)及び図42に示されている。
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、形質導入の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(0.3、0.9又は1.5μM;実施例14.1)を、種々の濃度のHis-CM18-PTD4(0、0.5、7.5、0.8又は1μM)と同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して2.5時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.1(表51)及び図42に示されている。
これらの結果は、THP-1細胞を、シャトル剤His-CM18-PTD4及び転写因子HOXB4-WTの混合物に対して、血清の存在下で2.5時間曝露することが、標的遺伝子のmRNA転写の用量依存性増大をもたらすことを示す。これらの結果は、HOXB4-WTは、活性形態でTHP-1細胞の核に成功裏に送達され、ここで、転写活性化を媒介し得ることを示唆する。
14.4 THP-1細胞におけるHis-CM18-PTD4によるHOXB4-WT形質導入:経時的推移及び生存率(0〜48時間)
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(1.5μM;実施例14.1)を、His-CM18-PTD4(0.8μM)と同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して0、2.5、4、24又は48時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.2(表52)及び図43に示されている。
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(1.5μM;実施例14.1)を、His-CM18-PTD4(0.8μM)と同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して0、2.5、4、24又は48時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.2(表52)及び図43に示されている。
14.5 THP-1細胞においてHis-CM18-PTD4によるHOXB4-WT形質導入:経時的推移及び生存率(0〜4時間)
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(0.3μM;実施例14.1)を、His-CM18-PTD4(0.8μM)と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して血清の存在下で0、0.5、1、2、2.5、3又は4時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.3(表53)及び図44に示されている。
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(0.3μM;実施例14.1)を、His-CM18-PTD4(0.8μM)と同時インキュベートし、次いで、THP-1細胞に対して血清の存在下で0、0.5、1、2、2.5、3又は4時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.3(表53)及び図44に示されている。
14.6 HeLa細胞におけるHis-CM18-PTD4によるHOXB4-WT形質導入:免疫標識及び顕微鏡による可視化
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、組換えHOXB4-WT転写因子(25μM;実施例14.1)を35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。形質導入されたHOXB4-WTが核に蓄積するのを可能にするために30分インキュベートした後、実施例3.2aに記載されるように、細胞を固定し、透過処理し、免疫標識した。HOXB4-WTを1/500希釈した一次マウス抗HOXB4モノクローナル抗体(Novus Bio NBP2-37257番)及び1/1000希釈した二次抗マウス抗体Alexa(商標)-594(Abcam社 150116番)を使用して標識した。核をDAPIを用いて標識した。実施例3.2に記載されるように、20×及び40×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって細胞を可視化し、サンプル結果は、図45に示されている。核標識(パネルA及びC)とHOXB4-WT標識(パネルB及びD)の間に同時局在性が観察され、HOXB4-WTが、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下で30分後に核に成功裏に送達されたことを示す。白色三角窓は、核(DAPI)及びHOXB4-WT免疫標識の間の同時局在性の領域の例を示す。
実施例9.1に記載されるようなプロトコールBを使用して、組換えHOXB4-WT転写因子(25μM;実施例14.1)を35μMのHis-CM18-PTD4と同時インキュベートし、HeLa細胞に対して10秒間曝露した。形質導入されたHOXB4-WTが核に蓄積するのを可能にするために30分インキュベートした後、実施例3.2aに記載されるように、細胞を固定し、透過処理し、免疫標識した。HOXB4-WTを1/500希釈した一次マウス抗HOXB4モノクローナル抗体(Novus Bio NBP2-37257番)及び1/1000希釈した二次抗マウス抗体Alexa(商標)-594(Abcam社 150116番)を使用して標識した。核をDAPIを用いて標識した。実施例3.2に記載されるように、20×及び40×の倍率で明視野及び蛍光顕微鏡によって細胞を可視化し、サンプル結果は、図45に示されている。核標識(パネルA及びC)とHOXB4-WT標識(パネルB及びD)の間に同時局在性が観察され、HOXB4-WTが、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下で30分後に核に成功裏に送達されたことを示す。白色三角窓は、核(DAPI)及びHOXB4-WT免疫標識の間の同時局在性の領域の例を示す。
14.7 THP-1細胞における種々のシャトル剤によるHOXB4-WT形質導入:用量反応及び生存率
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(1.5μM;実施例14.1)を、0.8μMのシャトル剤His-CM18-PTD4、TAT-KALA、EB1-PTD4、His-C(LLKK)3C-PTD4及びHis-CM18-PTD4-Hisと同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して2.5時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.4(表54)及び図47に示されている。
THP-1細胞を培養し、実施例9.1に記載されるようなプロトコールAを使用して、タンパク質形質導入アッセイにおいて試験した。手短には、最初の経時的推移実験の1日前にTHP-1細胞を、30000個細胞/ウェルでプレーティングした。HOXB4-WT組換えタンパク質(1.5μM;実施例14.1)を、0.8μMのシャトル剤His-CM18-PTD4、TAT-KALA、EB1-PTD4、His-C(LLKK)3C-PTD4及びHis-CM18-PTD4-Hisと同時インキュベートし、次いで、血清の存在下でTHP-1細胞に対して2.5時間曝露した。HOXB4活性のマーカーとして標的遺伝子のmRNAレベルを測定するために、細胞を実施例14.2に記載されるようなリアルタイムPCR解析に付し、次いで、陰性対照細胞(処理なし)において検出された標的遺伝子mRNAレベルに対して正規化し、「対照を上回る倍数」値を得た。全RNAレベル(ng/μL)も細胞生存率のマーカーとして測定した。結果は、Table 14.4(表54)及び図47に示されている。
(実施例15)
His-CM18-PTD4によるラット頭頂皮質におけるin vivo GFP-NLS送達
シャトル剤His-CM18-PTD4の、ラット脳細胞の核においてin vivoでGFP-NLSを送達する能力を試験した。
His-CM18-PTD4によるラット頭頂皮質におけるin vivo GFP-NLS送達
シャトル剤His-CM18-PTD4の、ラット脳細胞の核においてin vivoでGFP-NLSを送達する能力を試験した。
別個の滅菌1.5mLチューブ中で、シャトル剤His-CM18-PTD4を、滅菌蒸留水で室温で希釈した。次いで、カーゴタンパク質として使用されるGFP-NLSを、シャトル剤に添加し、必要に応じて、滅菌PBSを添加して、ラット脳における注射のために十分な最終容量(例えば、各注射脳部位あたり5μL)で、所望の濃度のシャトル剤及びカーゴを得た。次いで、シャトル剤/カーゴ混合物を実験のために直ちに使用した。GFP-NLS単独の注射に対応する1種の陰性対照を実験に含めた。
3匹のラットの頭頂皮質において両側に注射を実施した。左頭頂皮質(同側)、シャトル剤(20μM)及びGFP-NLS(20μM)から構成される混合物を注射し、右頭頂皮質(反対側)では、陰性対照としてGFP-NLS(20μM)のみを注射した。外科手技のために、イソフランを用いてマウスに麻酔した。次いで、動物を定位固定フレームに入れ、頭蓋表面を露出させた。5μL Hamiltonシリンジを用いて、シャトル/カーゴ混合物又はGFP-NLS単独(20μM)を両側に注入できすようにするために、適当な部位で2つの穴をドリルで開けた。十字縫合に対して前後側(AP)、側面(L)及び背腹側(DV)座標をとった:(a)AP +0.48mm、L ±3mm、V -5mm;(b)AP -2mm、L ±1.3mm、V -1.5mm;(c)AP -2.6mm、L ±1.5mm、V -1.5mm。シャトル/カーゴ混合物又はカーゴ単独の注射容量は、注射部位あたり5μLとし、注射は10分間実施した。その後、実験者は、1分間待ち、その後ニードルを脳から除去した。すべての測定は、動物の疼痛及び不快感を最小にするように、手術の前、その間及びその後に行った。手術後、パラホルムアルデヒド(4%)を用いる2時間の灌流によって動物を屠殺し、脳を集め、顕微鏡解析のために準備した。試験手順は、カナダ動物管理協会(Canadian Council on Animal Care)からのガイドラインに一致して動物実験委員会(Animal Care Committee)によって承認された。
背腹側ラット脳切片を集め、蛍光顕微鏡によって解析し、結果は、(A)4×、(C)10×及び(D)20×の倍率で図48に示されている。注射部位は、頭頂皮質(PCx)の最深層中に位置する。His-CM18-PTD4シャトル剤の存在下で、GFP-NLSは、PCxの、脳梁(Corpus Callus)(Cc)の、及び線条体(Str)の(白色曲線は脳構造間の限界を記す)細胞核中に拡散した。パネルBは、Franklin及びPaxinosのラット脳アトラスからの注射部位の定位座標(黒色矢印)を示す。His-CM18-PTD4の存在下でのGFP-NLSの注射を、脳の左側で実施し、陰性対照(GFP-NLS単独の注射)を反対側で実施した。パネルB中の黒丸及び黒色連絡線は、蛍光写真(A、C及びD)において観察された領域を示す。
この実験は、シャトル剤His-CM18-PTD4の存在下でのラット頭頂皮質におけるその定位固定注射後のカーゴGFP-NLSの細胞送達を実証した。結果は、頭頂皮質のより深い層(注射部位)から脳梁(corpus callus)及び線条体(被殻)の背側レベルへの、細胞の核におけるGFP-NLSの送達を示す。対照的に、GFP-NLSが、注射部位の周囲に局所的に唯一検出可能である陰性対照。この実験は、シャトル剤が、注射部位(頭頂皮質)におけるカーゴの核送達及び両側に隣接する脳領域(脳梁(corpus callus)及び線条体ラット脳)に渡ってその拡散を誘導したことを示す。
Claims (28)
- 細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含む合成ペプチド。
- 標的真核細胞のサイトゾルへの独立ポリペプチドカーゴの形質導入効率を増大させる際に使用するための、細胞透過性ドメイン(CPD)と作動可能に連結されたエンドソーム漏出ドメイン(ELD)、又はヒスチジンリッチドメイン及びCPDと作動可能に連結されたELDを含むポリペプチドベースのシャトル剤。
- (a)20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30アミノ酸残基の最小の長さ及び35、40、45、50、55、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145又は150アミノ酸残基の最大の長さを含む、
(b)生理学的pHで、少なくとも+6、+7、+8、+9、+10、+11、+12、+13、+14又は+15の予測される正味電荷を有する、
(c)水溶液に可溶性である、又は
(d)(a)〜(c)のいずれかの組合せである、
請求項1又は2に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。 - (a)前記ELDが、エンドソーム溶解性ペプチド、抗菌性ペプチド(AMP)、直鎖状カチオン性αへリックス抗菌性ペプチド、セクロピン-A/メリチンハイブリッド(CMシリーズ)ペプチド、pH依存性膜活性ペプチド(PAMP)、ペプチド両親媒性物質、インフルエンザ血球凝集素(HA)のHA2サブユニットのN末端に由来するペプチド、CM18、ジフテリア毒素Tドメイン(DT)、GALA、PEA、INF-7、LAH4、HGP、H5WYG、HA2、EB1、VSVG、シュードモナス毒素、メリチン、KALA、JST-1、C(LLKK)3C、G(LLKK)3G又はそれらの任意の組合せであるか、又はそれに由来する、
(b)前記CPDが、細胞透過性ペプチド又は細胞透過性ペプチド由来のタンパク質形質導入ドメイン、TAT、PTD4、ペネトラチン(アンテナペディア)、pVEC、M918、Pep-1、Pep-2、キセントリー(Xentry)、アルギニンストレッチ、トランスポータン、SynB1、SynB3又はそれらの任意の組合せであるか、又はそれに由来する、
(c)前記ヒスチジンリッチドメインが、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%若しくは少なくとも90%のヒスチジン残基を含む、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5又は少なくとも6個のアミノ酸のストレッチである、及び/又は少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8若しくは少なくとも9個の連続するヒスチジン残基を含む、或いは
(d)(a)〜(c)の任意の組合せである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。 - (a)配列番号1〜15、63若しくは64のいずれか1つのアミノ酸配列を含むELD又はエンドソーム溶解性活性を有するその変異体若しくは断片、
(b)配列番号16〜27若しくは65のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCPD又は細胞透過性活性を有するその変異体若しくは断片、
(c)少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5若しくは少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を有するヒスチジンリッチドメイン、又は
(d)(a)〜(c)の任意の組合せ
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。 - 前記ドメインが、1つ又は複数のリンカードメインと作動可能に連結している、請求項1から5のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
- 少なくとも2つの異なる種類のCPD及び/又はELDを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
- (a)配列番号1、14若しくは63のアミノ酸配列を有するCM18、KALA若しくはC(LLKK)3C、又は配列番号1、14若しくは63に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、エンドソーム溶解性活性を有するその変異体であるELD、
(b)配列番号17若しくは65のアミノ酸配列を有するTAT若しくはPTD4、又は配列番号17若しくは65に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体、或いは配列番号18のアミノ酸配列を有するペネトラチン、又は配列番号18に対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有し、細胞透過性活性を有するその変異体であるCPD、
(c)少なくとも6個の連続するヒスチジン残基を含むヒスチジンリッチドメイン、又は
(d)(a)〜(c)の任意の組合せ
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。 - 配列番号57〜59、66〜73若しくは82〜102のいずれか1つのアミノ酸配列を含む若しくはからなる、請求項1から8のいずれか一項に記載の合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤、又は配列番号57〜59、66〜73若しくは82〜102のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%若しくは95%の同一性を有するその機能的変異体。
- 非毒性であり、及び/又は代謝可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤。
- (a)請求項1から10のいずれか一項に記載の合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤並びにヒスチジンリッチドメイン及びCPDを含むさらなる独立合成ペプチド、並びに/又は
(b)請求項1から10のいずれか一項に記載の少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4若しくは少なくとも5種の異なる種類の合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤のカクテル
を含む組成物。 - 独立ポリペプチドカーゴを標的真核細胞のサイトゾルに送達するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物の使用。
- ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を高めるための方法であって、標的真核細胞を、請求項1から11のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物及びポリペプチドカーゴと接触させるステップを含む方法。
- ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を高めるためのキットであって、請求項1から11のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤又は組成物及び適した容器を含むキット。
- 血清の存在下で、ポリペプチドカーゴの標的真核細胞のサイトゾルへの形質導入効率を増大させる際に使用するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
- 前記ポリペプチドカーゴが、
(a)請求項4(b)に記載のCPD若しくはCPDを含む又は欠く、
(b)組換えタンパク質である、
(c)細胞内ターゲッティングドメインを含む、
(d)DNA及び/若しくはRNA分子と複合体形成される、又は
(e)(a)〜(d)の任意の組合せである、
請求項2から15のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。 - 前記細胞内ターゲッティングドメインが、
(a)核局在シグナル(NLS)、
(b)核小体シグナル配列、
(c)ミトコンドリアシグナル配列、又は
(d)ペルオキシソームシグナル配列
である、請求項16に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。 - (a)前記NLSが、E1a、T-Ag、c-myc、T-Ag、op-T-NLS、Vp3、ヌクレオプラスミン、ヒストン2B、アフリカツメガエル(Xenopus)N1、PARP、PDX-1、QKI-5、HCDA、H2B、v-Rel、アミダ(Amida)、RanBP3、Pho4p、LEF-1、TCF-1、BDV-P、TR2、SOX9若しくはMaxに由来する、
(b)前記核小体シグナル配列が、BIRC5若しくはRECQL4に由来する、
(c)前記ミトコンドリアシグナル配列が、Tim9若しくは酵母チトクロームCオキシダーゼサブユニットIVに由来する、又は
(d)前記ペルオキシソームシグナル配列が、PTS1に由来する、
請求項17に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。 - 前記ポリペプチドカーゴが、転写因子、ヌクレアーゼ、サイトカイン、ホルモン、増殖因子又は抗体である、請求項2から18のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
- (a)前記転写因子が、HOXB4、NUP98-HOXA9、Oct3/4、Sox2、Sox9、Klf4、c-Myc、MyoD、Pdx1、Ngn3、MafA、Blimp-1、Eomes、T-bet、FOXO3A、NF-YA、SALL4、ISL1、FoxA1、Nanog、Esrrb、Lin28、HIF1-α、Hlf、Runx1t1、Pbx1、Lmo2、Zfp37、Prdm5、Bcl-6若しくはそれらのいずれかの組合せであり、及び/又は
(b)前記ヌクレアーゼが、RNAによってガイドされるエンドヌクレアーゼ、CRISPRエンドヌクレアーゼ、I型CRISPRエンドヌクレアーゼ、II型CRISPRエンドヌクレアーゼ、III型CRISPRエンドヌクレアーゼ、IV型CRISPRエンドヌクレアーゼ、V型CRISPRエンドヌクレアーゼ、VI型CRISPRエンドヌクレアーゼ、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、Cpf1、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ホーミングエンドヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ又はそれらの任意の組合せである、
請求項19に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。 - 細胞治療、ゲノム編集、養子細胞移入及び/又は再生医学において使用するための、請求項1から20のいずれか一項に記載の合成ペプチド、ポリペプチドベースのシャトル剤、組成物、使用、方法又はキット。
- 前記標的真核細胞が、幹細胞、初代細胞、免疫細胞、T細胞又は樹状細胞である、請求項2から21のいずれか一項に記載のシャトル剤、シャトルシステム、組成物、使用、方法又はキット。
- 請求項1から10のいずれか一項に記載の合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤又は請求項11に記載の組成物を含む真核細胞。
- 前記合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤によって細胞内に送達された独立ポリペプチドカーゴを更に含む、請求項23に記載の真核細胞。
- 独立ポリペプチドカーゴを、標的真核細胞のサイトゾルに送達するための方法であって、前記標的真核細胞を、請求項1から10のいずれか一項に記載の合成ペプチド又はポリペプチドベースのシャトル剤又は請求項11に記載の組成物、及び前記合成ペプチド若しくはポリペプチドベースのシャトル剤によって細胞内に送達されるべき独立ポリペプチドカーゴと接触させるステップを含む方法。
- 前記独立ポリペプチドカーゴが、請求項16から20のいずれか一項に記載のとおりである、請求項23若しくは24に記載の真核細胞又は請求項25に記載の方法。
- 前記独立ポリペプチドカーゴが、請求項16から20のいずれか一項に記載のとおりである、請求項24若しくは26に記載の真核細胞又は請求項25若しくは26に記載の方法。
- 前記真核細胞が、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞、幹細胞、初代細胞、免疫細胞、T細胞又は樹状細胞である、請求項23、24、26若しくは27に記載の真核細胞又は請求項25、26若しくは27に記載の方法。
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