ここで、添付図面に図示される開示の主題の詳細について言及する。
本開示の実施形態は、試料のケアエリアのオンツール生成を伴う検査システムを対象とする。これに関連して、注目すべき試料(sample of interest)のケアエリアまたは選択エリアは、検査ツール上に直接生成されてもよい。本開示の付加的な実施形態は、ケアエリアを、検査ツールに記憶された試料の設計データ内の注目すべきターゲットパターンの1以上のインスタンスの特定に基づいてオンツールで特定することを対象とする。例えば、ターゲットパターンは、検査対象の1以上の試料フィーチャに関係する設計データを含んでもよい。本開示の付加的な実施形態は、検査ツール上のケアエリアの効率良い決定のための、試料の設計データの検査システムへの記憶および前処理を対象とする。さらに本開示の実施形態は、試料の設計データ内のターゲットパターンのインスタンスのサブセットの、設計データ内のソースパターンへの近接度に基づいた特定を対象とする。したがって、ケアエリアの生成は、試料の設計データの、定義された空間的関係に基づいてソースパターンに近接するターゲットパターンのインスタンスを含むように抽出された、注目すべきターゲットパターンの組み合わせに関する検索を含んでもよい。
本明細書において、検査ツールは典型的に、試料の表面のサブセットのみを、欠陥に関して検査すればよいことが認識される。ケアエリア、または試料の検査すべきターゲット領域の生成は、検査すべき表面積を低減することによって欠陥検出の効率を大幅に向上させるだけでなく、偽信号およびノイズを低減することによって欠陥検査の精度も大幅に向上させる。さらに、ケアエリアは、限定はしないが、特定の欠陥タイプの分析または、試料にわたり配置されている特定のパターン要素の分析を含む、目的とする検査分析を提供するように定義され得る。
さらに、試料の設計データ(例えば、試料上のコンポーネントの物理的レイアウト、試料上のコンポーネント間の電気的接続等)を利用してケアエリアを定義してもよいことが認識される。しかしながら、設計データの使用は典型的に諸経費に影響し、したがって検査プロセスのスループットに影響する。例えば、設計データに基づくケアエリアの生成のためのユーティリティーは、検査ツールに転送されなければならないケアエリアの種々の属性(例えば試料上の各ケアエリアの位置、各ケアエリアの形状等)を指定した大規模なデータファイルを提供し得る。さらに、検査ツールは、設計座標(例えばグラフィカル設計システム(GDS)座標等を検査ツールの座標と相関させるために、設計データを試料と整合(例えば位置合わせ、スケーリング等)させなければならない。
本開示の実施形態は、試料の設計データの前処理済みバージョンの検査ツールへの記憶を対象とする。これに関連して、設計に基づくケアエリアは、前処理済みの設計データ(例えば、前処理済みの設計データのローカルバージョン)を用いて検査ツール上に生成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、設計に基づくケアエリアはさらなるデータ転送を要さずに検査ツール上で生成され得る。さらに、検査ツール上で生成された設計に基づくケアエリアは検査ツールの座標に自動的に位置合わせされてもよい。
本開示を通して用いられる「試料」という用語は一般に、半導体または非半導体材料から形成される基板(例えばウェハ等)を指す。例えば、半導体または非半導体材料は、限定はしないが、単結晶シリコン、ガリウムひ素およびリン化インジウムを含んでもよい。試料は1以上の層を含んでもよい。例えば、そのような層は、限定はしないが、レジスト、誘電材料、導体材料および半導体材料を含んでもよい。多くの異なるタイプのそのような層が当技術分野で公知であり、本明細書で用いられる試料という用語は、全てのタイプのそのような層がその上に形成されてもよい試料を包含することを意図している。試料の上に形成される1以上の層は、パターン付きでもパターンなしでもよい。例えば、試料は、それぞれが反復可能なパターン付きフィーチャを有する複数のダイを備えてよい。このような材料層の形成および処理は、最終的に、完成した素子という結果になってよい。多くの異なるタイプの素子が試料上に形成されてよく、本明細書において使用される場合、試料という用語は、当技術分野において公知の任意のタイプの素子がその上に製作されているウェハを包含することを意図している。さらに、本開示の目的のため、試料とウェハという用語は互換性があると解釈されるべきである。さらに、本開示の目的のため、パターニング素子、マスクおよびレチクルという用語は互換性があると解釈されるべきである。
図1は、本開示の1以上の実施形態による検査システム100を図示する概念図である。一実施形態において、検査システム100は、試料110上の欠陥を検出するための検査サブシステム102を含む。
本明細書では、検査サブシステム102は、試料110上の欠陥を検出するのに適した、当技術分野において公知の任意のタイプの検査システムであってよいことに留意されたい。例えば、検査サブシステム102は、粒子ビーム検査サブシステムを含んでもよい。したがって、検査サブシステム102は、1以上の欠陥が、試料110から発せられた検出された放射(例えば二次電子、後方散乱電子、ルミネッセンス等)に基づいて検出可能となるように、1以上の粒子ビーム(例えば電子ビーム、イオンビーム等)を試料110に方向付けてもよい。別の例として、検査サブシステム102は光学検査サブシステムを含んでもよい。したがって、検査サブシステム102は、1以上の欠陥が、試料110から発せられた検出された放射(例えば反射放射、散乱放射、回折放射、ルミネッセント放射等)に基づいて検出可能となるように、光放射を試料110に方向付けてもよい。
検査サブシステム102は、画像化モードまたは非画像化モードで動作してよい。例えば画像化モードでは、個々のオブジェクト(例えば欠陥)は、試料上の照射されたスポット内で解像可能(例えば明視野画像、暗視野画像、位相コントラスト画像等の一部として)である。非画像化モードの動作では、1以上の検出器によって収集された放射は、試料上の単一の照射されたスポットと関連付けられて、試料110の画像の単一の画素を表してもよい。これに関連して、試料110の画像は、試料位置のアレイからデータを取得することによって生成されてもよい。さらに、検査サブシステム102は、試料110からの放射(例えば、試料110による放射の散乱および/または回折に関係する)の角度分布を特性評価するために、試料からの放射が瞳面で分析されるスキャトロメトリベースの検査システムとして動作してもよい。
別の実施形態において、検査システム100は、検査サブシステム102に結合されたコントローラ104を含む。例えば、コントローラ104は、検出器522に通信可能に結合されてもよい。これに関連して、コントローラ118は、限定はしないが、検査サブシステム102からの検査データを含むデータを受け取るように構成されてもよい。別の実施形態において、コントローラ116は、1以上のプロセッサ108を含む。例えば、1以上のプロセッサ108は、メモリ素子108またはメモリ内に維持された一組のプログラム命令を実行するように構成されてもよい。コントローラ104の1以上のプロセッサ106は、当技術分野において公知の任意の処理素子を含んでもよい。この意味で、1以上のプロセッサ106は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプの素子を含んでもよい。さらに、メモリ媒体108は、関係する1以上のプロセッサ108によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した当技術分野において公知の任意の記憶媒体を含んでもよい。例えば、メモリ媒体108は、非一時的メモリ媒体を含んでもよい。付加的な例として、メモリ媒体108は、限定はしないが、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光メモリ素子(例えば、ディスク)、磁気テープ、固体ドライブ等を含んでもよい。さらに、メモリ媒体108は、1以上のプロセッサ108と共通のコントローラハウジング内に収容されてもよい。
検査システム100は、試料に関係する欠陥を検出するための、当技術分野において公知の任意の検査技法を利用してもよい。例えば、試料110上の欠陥は、測定された試料の特性(例えば検査サブシステム102等によって生成された)を、基準試料の測定された特性と比較することによって検出されてもよい(例えば、ダイ比較(D2D)検査、標準基準ダイ(SRD)検査等)。別の例として、試料110上の欠陥は、試料110の検査画像を、設計特性に基づく画像と比較する(例えば、ダイとデータベースの(D2DB)検査)ことによって検出されてもよい。さらなる例として、検査システム100は、仮想検査システムを含んでもよい。一実施形態において、コントローラ104は仮想検査手段として動作する。これに関連して、コントローラ104は、試料の検査データを永続基準データ(例えば1以上の基準画像)と比較することによって試料110上の1以上の欠陥を検出してもよい。例えば、1以上の基準画像は、検査システム100に記憶されて(例えばメモリ108内に)、欠陥検出に利用されてもよい。別の実施形態において、コントローラ104は、試料110に関係する設計データに基づく、欠陥検出のための基準画像として働くシミューレートされた検査画像を生成および/または受け取る。
設計データを用いる検査システムは、その全体を参照により本明細書に組み込む、2013年6月5日に発行された米国特許出願第2014/0153814号に全般的に説明されている。永続データ(例えば記憶されたデータ)を用いる検査システムは、その全体を参照により本明細書に組み込む、2012年2月28日に発行された米国特許第8,126,255号に全般的に説明されている。検査を促進するために試料の設計データを用いる検査システムは、全体を参照により本明細書に組み込む、2010年3月9日に発行された米国特許第7,676,077号および2000年11月28日に発行された米国特許第6,154,714号に全般的に説明されている。欠陥および故障の源の特定は、その全体を参照により本明細書に組み込む、2005年7月19日に発行された米国特許第6,920,596号、2015年6月5日に発行された米国特許第8,194,968号および2006年2月7日に発行された米国特許第6,995,393号に全般的に説明されている。デバイス特性抽出およびモニタリングは、2013年12月17日に発行された米国特許第8,611,639号に全般的に説明されている。帯電した基板の中和のためのデュアルエネルギー電子フラッディングの使用は、その全体を参照により本明細書に組み込む、2005年8月16日に発行された米国特許第6,930,309号に全般的に説明されている。検査システムにおけるレチクルの使用は、全体を参照により本明細書に組み込む、2003年3月4日に発行された米国特許第6,529,621号、2004年6月8日に発行された米国特許第6,748,103号、および2005年11月15日に発行された米国特許第6,966,047号に全般的に説明されている。検査プロセスまたは検査ターゲットの生成は、全体を参照により本明細書に組み込む、2004年2月10日に発行された米国特許第6,691,052号、2005年7月26日に発行された米国特許第6,921,672号、2012年2月7日に発行された米国特許第8,112,241号に全般的に説明されている。半導体設計データのクリティカルエリアの決定は、参照により全体を本明細書に組み込む、2005年9月20日に発行された米国特許第6,948,141号に全般的に説明されている。
図2は、本開示の1以上の実施形態による、検査ツール202上のケアエリアの定義を示す検査システム100の検査ツール202のブロック図である。一実施形態において、検査ツール202は、検査ツール102の1以上のステップを実行するように構成された1以上のモジュールを含む。例えば、検査ツール202の1以上のモジュールは、必須ではないが、メモリ108に記憶され1以上のプロセッサ106によって実行される、1以上のプログラム命令として実装されてもよい。
別の実施形態において、検査ツール202は、設計モジュール204を含む。例えば、設計モジュール204は、検査ツール202によって検査される対象の1以上の試料110に関係する設計データを含んでもよい。これに関連して、ケアエリアは、試料110に関係する設計データを用いて検査ツール202上で生成され得る。本明細書では、設計に基づくケアエリアの、検査ツール202への直接の生成は、効率良く動的なケアエリアの生成を促進し得ることに留意されたい。例えば、検査ツール202上への、設計に基づくケアエリアの生成は、検査ツール202と外部システムとの間のデータ転送(例えば、ケアエリアの定義等の)を減少させ得る。さらに、検査ツール202上への、設計に基づくケアエリアの生成は、試料および/または検査ツール202に関係する座標への、設計データに関係する座標の正確な位置合わせを促進する。例えば、設計座標(例えばGDS座標等)は、設計データの設計パターンのサイズと配向が、検査ツール202によって測定された試料上の印刷パターンに合致するように調節される必要があり得る(例えば、スケーリング、回転等)。検査ツール上へのケアエリアの設計に基づく生成は、設計座標系と試料座標系の正確で効率良い位置合わせを促進し得る。
本開示で用いる「設計データ」という用語は一般に、集積回路の物理的設計と、物理的設計から、複雑なシミュレーションまたは単純な幾何学的演算およびブール演算によって導出されたデータを指す。さらに、レチクル検査システムおよび/またはその派生物によって取得されたレチクルの画像は、設計データの1つまたは複数のプロキシとして用いられてもよい。そのようなレチクル画像またはその派生物は、設計データを用いる、本明細書で説明される任意の実施形態での設計レイアウトの代替物として働き得る。設計データおよび設計データプロキシについては、2010年3月9日に発行されたKulkarniによる米国特許第7,676,007号、2011年5月25日に出願されたKulkarniによる米国特許出願整理番号第13/115,957号、2011年10月18日に発行されたKulkarniによる米国特許第8,041,103号および2009年8月4日に発行された、Zafarらによる米国特許第7,570,796号に説明されており、上記特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。さらに、検査プロセスを進める上での設計データの使用は、その全体を参照により本明細書に組み込む、2012年2月17日に出願された、Parkの米国特許出願整理番号第13/339,805号に全般的に説明されている。
設計データは、試料110上の個々のコンポーネントおよび/または層(例えば絶縁体、導体、半導体、ウェル、基板)の特性、試料110上の層間の接続性関係、または試料100上でのコンポーネントと接続(例えばワイヤ)の物理的レイアウトを含んでもよい。これに関連して、設計データは、試料112上の印刷されたパターン要素に対応する複数の設計パターン要素を含んでもよい。
本明細書では、設計データは、試料110上のパターン要素に関する配置情報を含む「フロアプラン」として知られるものを含んでもよいことに留意されたい。さらに、本明細書では、この情報は、通常GDSIIまたはOASISファイルフォーマットで記憶されたチップの物理的設計から抽出されてもよいことにも留意されたい。構造的挙動またはプロセス−設計相互作用は、パターン要素の背景(周囲環境)に応じたものであり得る。フロアプランを用いることで、提案される分析は、半導体層上に構築されることになっているフィーチャを記述するポリゴン等の設計データ内のパターン要素を特定できる。さらに、提案される方法は、これらの反復性ブロックならびに背景データ(例えば隣接する構造の位置等)の座標情報を提供できる。
一実施形態において、設計データは、パターン要素の1以上の図形表現(例えば、視覚的表現、象徴的表現、図的表現等)を含む。例えば、設計データは、コンポーネントの物理的レイアウトの図形表現(例えば、試料110上に製作される印刷パターン要素に対応する1以上のポリゴンの記述)を含んでもよい。さらに、設計データは、試料設計の1以上の層(例えば、試料110上に製作される印刷パターン要素の1以上の層)または1以上の層間の接続性の図形表現を含んでもよい。別の例として、設計データは試料110上のコンポーネントの電気的接続性の図形表現を含んでもよい。これに関連して、設計データは、試料に関係する1以上の回路または副回路の図形表現を含んでもよい。別の実施形態において、設計データは、試料110の1以上の部分の図形表現を含む1以上の画像ファイルを含む。
別の実施形態において、設計データは、試料110のパターン要素の接続性の1以上のテキスト記述(例えば、1以上のリスト、1以上の表、1以上のデータベース等)を含む。例えば、設計データは、限定はしないが、ネットリストデータ、回路シミュレーションデータまたはハードウェア記述言語データを含んでもよい。ネットリストは、電気回路の接続性の記述を提供する、当技術分野において公知の任意のタイプのネットリストを含んでもよく、限定はしないが、物理的ネットリスト、論理ネットリスト、インスタンスベースのネットリストまたはネットベースのネットリストを含む。さらに、ネットリストは、試料110の回路および/または副回路を記述する1以上のサブネットリスト(例えば階層構造の)を含んでもよい。例えば、ネットリストに関係するネットリストデータは、限定はしないが、ノードのリスト(例えばネット、回路のコンポーネント間のワイヤ等)、ポートのリスト(例えば端子、ピン、コネクタ等)、ネット間の電気コンポーネントの記述(例えば抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、電源等)、電気コンポーネントに関係する値(例えば、抵抗器のオームでの抵抗値、電源のボルトでの電圧値、電圧源の周波数特性、コンポーネントの初期状態等)を含んでもよい。別の実施形態において、設計データは、半導体プロセスフローの特定のステップに関係する1以上のネットリストを含んでもよい。例えば、試料110は、半導体プロセスフロー中の1以上の中間点で検査(例えばシステム100によって)されてもよい。したがって、ケアエリアを生成するために利用される設計データは、半導体プロセスフローの現時点での試料110のレイアウトに特有であってよい。これに関連して、半導体プロセスフロー中の特定の中間点に関係するネットリストが、技術ファイルと組み合わせた物理的設計レイアウト(層接続、各層の電気的特性等)、または試料110の最終レイアウトに関係するネットリストのいずれかから、半導体プロセスフローの特定の中間点においてウェハ上に存在するコンポーネントのみを含むように導出(例えば抽出等)されてもよい。
別の実施形態において、検査ツール202の設計モジュール204は、設計データを前処理するステップ206を実行する。本明細書では、設計データは、検査システム100のケアエリアの決定に無関係なデータ(例えば製作データ等)を含んでもよいことに留意されたい。さらに、設計データは設計データ内の注目すべきパターン要素の効率良い特定(例えば検索、マッチング等)に適したフォーマットでなくてもよい。したがって、前処理済みの設計データは、検査ツール202上のケアエリアの効率良い生成を促進するために前処理された設計データのバージョンを含んでもよい。これに関連して、前処理済みの設計データは、設計データ内のターゲットパターンの1以上のインスタンス(例えば、注目すべきパターン要素、ホットスポット等)の特定を助長し得る。例えば、前処理済みの設計データは、限定はしないが、ターゲットパターンの識別子、ターゲットパターンの電気的特性、ターゲットパターンの物理的特性、またはターゲットパターンと1以上の付加的なパターン(例えば、アンカーパターン、ソースパターン等)との間の関係、またはターゲットパターンの図形表現を含む設計データ要素の任意の組み合わせに従って検索可能であってよい。
別の実施形態において、設計データ(例えば、未加工設計データ、前処理済みの設計データまたはそれらの組み合わせ)は、検査ツール202によって記憶される。例えば、設計データは、コントローラ104のメモリ素子108内に記憶されてもよい。別の実施形態において、設計データは、検査システム100の外部で前処理されて、検査ツール202に記憶されてもよい。これに関連して、1以上の試料に関係する前処理済みの設計データは、検査ツール202に転送されてもよい。
別の実施形態において、設計モジュール204は、検査ツール202に記憶された設計データを分析するステップを実行する。これに関連して、設計モジュール204は、試料の設計データ内のターゲットパターンの1以上のインスタンスを特定してもよい(例えば、前処理済みの設計データを、1以上のターゲットパターンのインスタンスに関して検索する等)。さらに、設計モジュール204は、限定はしないが、特定されたターゲットパターンの座標および/または形状等の、ケアエリアの生成に必要なターゲットパターンの特定されたインスタンスのパラメータを提供してもよい。
一実施形態において、検査ツール202はレシピモジュール210を含む。例えば、レシピモジュール210は検査ツール202による1以上の検査ステップのためのレシピを生成してもよい。これに関連して、レシピは、限定はしないが、欠陥に関して検査するための1以上のケアエリアの記述、1以上の整合操作(例えば、設計データに関係する座標を、試料および/または検査サブシステム102に関係する座標に位置合わせおよび/またはスケーリングする等)、1以上の欠陥特定ステップまたは1以上の欠陥分類ステップを含んでもよい。付加的に、検査ツール202上への設計に基づくケアエリアの生成は、効率良い多ステップ検査プロセス(例えばシステマチック欠陥の発見等)を促進し得る。これに関連して、設計データは、外部システムへのデータ転送の必要なく、検査ツール202上で、異なるターゲットパターンまたはターゲットパターンの組み合わせに関して反復検査分析で検索され得る。
別の実施形態において、レシピモジュール210は、検査ステップで検査ツール202によって検査される対象の試料110上の製作されたパターン要素に関係する1以上のターゲットパターン(例えば1以上の注目すべきパターン要素、1以上のホットスポット等)を決定するステップ212を実行する。例えば、レシピモジュール210は、1以上のターゲットパターンを、検査ツール202の一検査工程の1以上の目的に基づいて提供してもよい。例えば、レシピモジュール210は、注目すべき既知の欠陥タイプに関係するターゲットパターンを提供してもよい。
別の実施形態において、レシピモジュール204は、1以上のターゲットパターンを自動式プロセスで決定する。例えば、レシピモジュール204は、試料110の設計データ208を分析することで、欠陥を呈する可能性のある1以上のターゲットパターンを決定してもよい(例えば、物理的レイアウト、パターンサイズ、他パターンへの近似度、回路複雑度等に関係する特性に基づいて)。
別の実施形態において、ターゲットパターンの決定はユーザによって助長される。例えば、ユーザは、限定はしないが、1以上の欠陥識別子、1以上のGDS座標、1以上の設計に基づく分類(DBC)クリップ、または1以上の設計に基づくグルーピング(DBG)ビンを含む検査ツール202に、入力(例えば、レシピモジュール210への入力)を提供してもよい。これに関連して、レシピモジュール210は、そのユーザ入力に基づいて1以上のターゲットパターンを決定してもよい。別の実施形態において、検査ツール202は、設計データ(例えば、検査手段ツール202の設計視野内に)に関係する視覚的ディスプレイを提供してもよい。これに関連して、ユーザは、設計データの視覚的ディスプレイから1以上のターゲットパターンを選択してもよい。例えば、視覚的ディスプレイは、設計データの設計パターン要素(例えば、コンポーネントの物理的レイアウトに関係するパターン要素、コンポーネント間の電気的接続に関係するパターン要素等)が表示されてもよいグラフィカルディスプレイ(例えば画像等の表示)を含んでもよい。別の例として、視覚的ディスプレイは、設計データが表示されてもよいテキストベースのディスプレイを含んでもよい。別の実施形態において、ユーザは、1以上のターゲットパターンを決定および/または確認するために、座標系(例えばGDS座標)に従って設計データを視覚化(例えば、グラフィカルディスプレイ上に)してもよい。例えば、ユーザは検査のためにターゲットパターンを生成する特定の位置で設計データを視覚化および/または確認するために(例えば検査システム100の入力デバイスに)座標を入力してもよい。
別の実施形態において、レシピモジュール210は、試料110上で検査される対象の1以上のケアエリアを定義するステップ214を実行する。例えば、レシピモジュール210は、1以上のケアエリアを、1以上のターゲットパターンと、検査ツール202に記憶された設計データに基づいて定義してもよい。一実施形態において、レシピモジュール210は、1以上の決定されたターゲットパターンに基づいて設計データを分析するために設計モジュール204と相互作用してもよい。これに関連して、レシピモジュール210は、パターンマッチングのために1以上のターゲットパターンを設計モジュール204に提供してもよい。さらに、設計モジュール204は、設計データ内のターゲットパターンの1以上のインスタンスを特定して、特定されたターゲットパターンのインスタンスに基づいて、ケアエリアの生成に必要な任意のパラメータをレシピモジュール110に提供する。例えば、設計モジュール204は、ターゲットパターンの特定されたインスタンスの位置(例えば設計座標内の)、ターゲットパターンの特定されたインスタンスの形状、ターゲットパターンの特定されたインスタンスの輪郭等を提供してもよい。
別の実施形態において、レシピモジュール210は、試料110上の欠陥を特定するステップ216を実行する。これに関連して、レシピモジュール210は、検査サブシステム102と相互作用して欠陥検査を実行してもよい。さらに、レシピモジュール210は、検査サブシステム102によって受け取られたデータを分析することで、1以上の欠陥の存在を判断してもよい。付加的に、レシピモジュール210は、1以上の欠陥を特性評価してもよい。例えば、レシピモジュールは、必須ではないが、欠陥を、DBCシステム、DBGシステム等に基づいて特性評価してもよい。さらに、レシピモジュール210は、1以上の欠陥識別子を1以上の特性評価された欠陥に割り当ててもよい。
本明細書では、本開示を通して説明されるステップ(例えば、検査ツール202のモジュールに関係するステップ等)は、単一のコントローラ104によって、または代替的に複数のコントローラ104によって実行されてもよいことが認識される。さらに、本明細書では、1以上のコントローラ104は検査サブシステム102に近接して配置されてもよいことに留意されたい。付加的に、1以上のコントローラ104は検査サブシステム102と共通のハウジングに収容されてもよい。さらに、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせが、完体検査システム100への組み込みに適したモジュールとして別個に実装されてもよい。例えば、第1のコントローラは、設計モジュール204に関係するステップを実行するように構成されてもよい。次に1以上の付加的なコントローラは、レシピモジュール210に関係するステップを実行するように構成されてもよい。この点で、1以上のコントローラ104は、検査システム100に組み込まれてもよい。
図3は、本開示の1以上の実施形態による欠陥検出のための方法300で実行されるステップを示す流れ図である。本出願人らは、システム100の背景で本明細書において以前に説明された実施形態と、それを可能にする技術は、方法300にまで拡張されると解釈されるべきであることに注目する。しかしながら、方法300は、システム100のアーキテクチャに限定されないことにも留意されたい。
一実施形態において、方法300は、試料の設計データを検査システムに提供するステップ302を含む。例えば、設計データは、必須ではないが、1以上のデータファイル(例えばGDSIIファイル、OASISファイル等)の形式で検査システムに提供されてもよい。これに関連して、検査システムに提供される設計データは、1以上の設計に基づく、検査用ケアエリアを生成するために利用されてもよい。
別の実施形態において、方法300は、1以上のターゲットパターンを決定するステップ304を含む。これに関連して、試料上に製作されたフィーチャに関係する注目すべき1以上のターゲットパターンが検査のために提供されてもよい。例えば、ターゲットパターンは、半導体層上に構築されることになっているフィーチャを表わす1以上のポリゴン(例えば、クロス型、プラス型、L字型、T字型、正方形、長方形または特定の寸法のその他のポリゴンの1以上のインスタンス、およびインスタンス間の間隔)を含んでよい。
一実施形態において、1以上のターゲットパターンは、欠陥識別子に基づいて決定される。これに関連して、1以上の既知の欠陥または欠陥識別子(例えば、1以上の欠陥を分類するために用いられる1以上の識別子等)に関係する欠陥タイプは、1以上の特定のターゲットパターン(例えば、1以上の以前の検査工程に基づいて、1以上の設計特性に基づいて、等)に関係付けられてもよい。したがって、既知の欠陥または欠陥タイプの発生は、検査の対応するターゲットパターンを提供することによって特性評価されてよい。
別の実施形態において、1以上のターゲットパターンが、以前の検査ステップに基づいて(例えば、検査システム100または付加的な検査システムによって)決定される。例えば、システマチック欠陥の発見では、試料110または試料110の一部分に実行される第1の検査は、試料110の1以上の製作されたコンポーネントに欠陥の傾向があることを特定する可能性がある。これに関連して、第1の検査工程は、試料110上の特定された製作されたコンポーネントに関係する1以上のターゲットパターンを決定し得る。さらに、第2の検査工程は、第1の検査工程から特定された1以上のターゲットパターンの専用の検査を実行するためのレシピ(例えば、レシピモジュール210によって生成された)を含み得る。別の実施形態において、1以上のターゲットパターンは、以前の検査ステップに関係するDBCまたはDBGプロセスに従って決定される。
別の実施形態において、1以上のターゲットパターンは、試料上のターゲットパターンの1以上の座標(例えばGDS座標等)に基づいて決定されてもよい。例えば、1以上のターゲットパターンは、設計データに関係する注目すべき1つの例示的ターゲットパターンの既知の座標に基づいて決定されてもよい。別例として、1以上のターゲットパターンは、試料110上の例示的な製作されたコンポーネントの既知の座標に基づいて決定されてもよい。このように、例示的な製作されたコンポーネントに関係する1以上のターゲットパターンが検査用に提供され得る。
別の実施形態において、方法300は、検査システムによって、試料上の1以上のケアエリアを、ターゲットパターンと試料の設計データに基づいて定義するステップ306を含む。これに関連して、ステップ306は、検査対象の試料上の1以上の領域を定義することを含んでもよい。例えば、ケアエリアは、検査対象の試料上の座標(例えば、検査システムの座標系に)を含んでもよい。
別の実施形態において、ケアエリアは、検査する試料上の1以上のターゲット領域を含む。例えば、第1のターゲット領域は、ステップ304で特定された第1のターゲットパターンの1以上のインスタンスを含んでもよく、第2のターゲット領域は、ステップ304で特定された第2のターゲットパターンのもう1つのインスタンス等を含んでもよい。さらに、1以上のターゲット領域の定義は、試料110の高感度の検査を助長し得る。例えば、ターゲット領域は、同等の感度レベルを有する試料を含むように定義されてもよい。したがって、各ターゲット領域は、各ターゲット領域に関係する検査データのコントラストが増加され得るように、異なる感度閾値で検査されてもよい。
別の実施形態において、ステップ306は、ステップ304で設計データ(例えば、検査システム100のメモリ素子108内に記憶された前処理済みの設計データ)内で決定されたターゲットパターンの1以上のインスタンスを特定することを含む。これに関連して、注目すべきターゲットパターンの各特定されたインスタンスは、ケアエリアに含まれてもよい。付加的に、注目すべきターゲットパターンの変形(例えば、ターゲットパターンの水平および/または垂直フリップ、ターゲットパターンのスケーリングされたバージョン、ターゲットパターンの回転バージョン等)が、ステップ306で特定されて、ケアエリアに含まれてもよい。
デバイスデータ内のターゲットパターンのインスタンスは、当技術分野において公知の任意の方法を用いて特定されてもよい。例えば、ステップ306は、ターゲットパターンの1以上のインスタンスに関して設計データを検索して、ターゲットパターンの1以上の特定されたインスタンスを生成することを含んでもよい。一実施形態において、ステップ306は、設計データのテキストベースの検索を含む。例えば、テキストベースの設計データ(例えば1以上のリスト、1以上の表、1以上のデータベース、1以上のデータファイル等)は、ターゲットパターンの1以上の特性に従って検索されてもよい。別の実施形態において、ステップ306は、設計データの画像ベースの検索を含む。例えば、ターゲットパターン(またはターゲットパターンのバリエーション)の1以上のインスタンスは、限定はしないが、フィーチャ抽出技法、回旋技法、パターンマッチング技法、空間周波数分析、変換技法(例えばハフ変換技法等)等の画像処理アルゴリズムによって見出されてもよい。さらに、設計データ(例えば試料110上の製造されるコンポーネントの多数の層に対応する)の多数の設計層が、注目すべきターゲットパターンの1以上のインスタンスに関して個別に検索されてもよい。
一実施形態において、ターゲットパターンは、OASISまたはGDS等の設計レイアウトファイルに含まれる設計データを用いて特定されてもよい。本明細書では、ターゲットパターンは、サイズに変動があってよく、また、設計データの種々のレベルに配置されてよい(例えば試料110の種々の層、ダイ、ブロック、セル等に関係して)ことに留意されたい。これに関連して、設計データ内のターゲットパターンは、既知の、または観察された設計セル階層構造で特定されてもよい。例えば、設計セル階層構造は、所与のセットの検査データ内の反復するグループのターゲットパターンを特定するために分析されてもよい。
別の実施形態において、ターゲットパターンは、デバイス性能に重要なターゲットパターンを特定するために設計ルール検証(DRC)プロセス、光学ルール検証(ORC)または不具合分析(FA)プロセスを用いて特定されてもよい。別の実施形態において、ターゲットパターンは、プロセスウィンドウ適格(PWQ)法を用いて特定されてもよい。1以上のターゲットパターンに関して設計データを検索することは、上記で参照により組み込まれた、KulkarniらおよびZafarらによる上記の参考文献に記載されるように実行されてもよい。
いくつかの実施形態では、ターゲットパターンは、電子設計自動化(EDA)ツールおよびその他の知識からのデータを用いて半導体ウェハ上で特定されてもよい。EDAツールによって生成された設計に関する任意のそのような情報が、反復ブロックを特定するために用いられてもよい。さらに、設計データは、1以上のターゲットパターンに関して、任意の適切な方式で検索されてもよい。例えば、1以上のターゲットパターンに関して設計データを検索することは、上記で参照により組み込まれた、KulkarniらおよびZafarらによる上記に参照した特許出願に記載されている。さらに、ターゲットパターンは、本特許出願に記載されている任意の他の方法またはシステムを用いて選択または特定されてよい。
さらに、設計データは、検査対象の適切なターゲットパターンを、所与の技術(例えば、光学検査、eビーム検査等)に基づいて特定するために分析されてもよい。
ターゲットパターンは試料110のダイを通して反復されて、反復ブロック(またはフィールド)を形成してもよいことが認識される。さらに、試料110のセルは時として、別の名前で所与のダイを通して反復されても、または1つの名前で複数の位置で反復されてもよい。いくつかの実施形態では、反復セルは同じ水平および/または垂直軸上に整列されてもよい。別の実施形態において、反復セルは同じ水平および/または垂直軸上に整列していない。
別の実施形態において、ステップ306は、設計データ内の位置に、注目すべきターゲットパターンの各インスタンスの特定に関係するコンフィデンスメトリックを提供することを含む。これに関連して、デバイスデータ内のターゲットパターンのインスタンスは、完全一致(例えば100%のコンフィデンスメトリック等)または実質的一致(例えば100%未満のコンフィデンスメトリック)を含んでもよい。当技術分野のコンフィデンスメトリックはいずれも本開示の趣旨と範囲内にあることを理解すべきである。例えば、コンフィデンスメトリックは、0(一致せず)から1(完全一致)までの範囲があってよい。
本明細書では、ケアエリアは、特定されたターゲットパターンのインスタンスのサブセットを含むように定義されてよいことに留意されたい。例えば、試料110上に製作されたデバイスの特定のコンポーネント上での特定の欠陥が、性能の劣化を誘起する可能性は、限定はしないが、隣接する構造の存在または、特定のコンポーネントの動作条件等の複数の要因に依存し得る。
一実施形態において、ステップ306は、1以上のケアエリアを、設計データ内の付加的なパターンに近接したターゲットパターンのインスタンス(例えばソースパターン、アンカーパターン等)を含むように定義することを含む。これに関連して、ソースパターンの存在は、ターゲットパターンのインスタンスのサブセットを、検査対象のケアエリアとして提供するためのフィルタとして働いてもよい。
図4は、本開示の1以上の実施形態によるソースパターンに基づいて関連付けられたケアエリアの定義を示す設計データの模式図である。
一実施形態において、設計データ402は、複数のターゲットパターンのインスタンス404を含む。さらに、設計データ402は、ターゲットパターン404のインスタンスのサブセット(例えばターゲットパターン404の特定のインスタンス412)に近接したソースパターン408を含む。例えば、ソースパターンは、限定はしないが、交差型、クロス型、プラス型、L字型、T字型、正方形、長方形または特定の寸法のその他のポリゴンの1以上のインスタンス、およびインスタンス間の間隔を含んでもよい。
さらに、ステップ306は、ターゲットパターン404の特定のインスタンス412の周囲のケアエリア406を、ターゲットパターン404の特定のインスタンス412と、ソースパターン408との間の空間的関係に基づいて定義することを含んでよい。例えば、ターゲットパターン404の特定のインスタンス412と、ソースパターン408との間の空間的関係は、限定はしないが、ターゲットパターン404の特定のインスタンス412と、ソースパターン408との間のベクトル414を含んでよい。別の実施形態において、ステップ306は、設計データ内のソースパターンの1以上のインスタンスを検索して、さらに、ケアエリア内に含めるターゲットパターンのインスタンスのサブセット(例えばターゲットパターン404の特定のインスタンス412)を、ターゲットパターン404の特定のインスタンス412とソースパターン408との間の空間的関係に基づいて特定することを含む。別の実施形態において、ステップ306は、ソースパターン408とデバイスデータ402内のターゲットパターンのインスタンスを含む合成ターゲットパターン410のインスタンスに関して、特定された合成ターゲットパターン410に関係するターゲットパターン404のインスタンスのサブセット(例えばターゲットパターン404の特定のインスタンス412)の周囲のケアエリア406を定義しながら検索することを含む。したがって、ソースパターン408は、関係するケアエリア406に含まれずに検索ステップの一部として用いられてよい。
別の実施形態において、方法300は、試料の1以上のケアエリア内の1以上の欠陥を特定するステップ308を含む。これに関連して、検査システム(例えば検査システム100)は、ステップ308で定義された試料のケアエリアを、欠陥に関して検査する(例えば照射サブシステム101を用いて)。例えば、検査サブシステム102からのデータは、ステップ306で定義されたケアエリアに関係する試料112上の1以上の欠陥の存在を判断するために分析されてもよい。さらに、特定された欠陥は分類されてもよい(例えば欠陥識別子、DBCクリップ、DBGビン等に従って)。別の実施形態において、1以上の特定された欠陥に関係するデータが、検査システム100および/または外部システムに提供されてもよい(例えばフィードフォワードデータ、フィードバックデータ等として)。
本明細書では、本開示を通して説明されるステップは、単一のコントローラ104によって実行されても、または代替的に複数のコントローラ104によって実行されてもよいことが認識される。さらに、本明細書では、1以上のコントローラ104は1つの共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容されてもよいことに留意されたい。こうして、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせは、完体検査システム100への一体化に適したモジュールとして個別に実装されてもよい。非限定的な例として、第1のコントローラは、照射センサから受け取った照射信号に基づいて一組の照射検出イベントを特定するステップを実行するように構成されてもよい。すると1以上の付加的なコントローラは、一組の放射検出イベントを、1以上の放射センサから受け取った1以上の放射信号に基づいて特定するステップと、放射検出イベントのセットを照射検出イベントのセットと比較して一組の同時イベントを生成するステップと、照射検出イベントのセットから同時イベントのセットを除外して試料上の一組の特定されたフィーチャを生成するステップとを実行するように構成されてよい。
図5Aは、本開示の1以上の実施形態による光学検査サブシステムとして構成された検査サブシステム102の概念図である。一実施形態において、検査サブシステム102は照射源502を含む。照射源502は、照射ビーム504(例えば光子のビーム)を生成するのに適した当技術分野において公知の任意の照射源を含んでもよい。例えば、照射源502は、限定はしないが、単色光源(例えばレーザー)、2以上の離散した波長を含むスペクトルを備えた多色光源、広帯域幅光源または波長掃引光源を含んでもよい。さらに、照射源502は、限定はしないが、白色光源(例えば可視波長を含むスペクトルを有する広帯域幅光源)、レーザー源、フリーフォーム照射源、単極照射源、多極照射源、アークランプ、無電極ランプまたはレーザー維持プラズマ(LSP)源から形成されてもよい。さらに、照射ビーム504は、自由空間伝播またはガイドライト(例えば光ファイバー、ライトパイプ等)を介して供給されてもよい。
別の実施形態において、照射源502は、照射路506を介して試料110に1以上の照射ビーム504を方向付ける。照射路506は、1以上のレンズ510を含んでもよい。さらに、照射路506は、1以上の照射ビーム504を変更および/または調整するのに適した1以上の付加的な光学コンポーネント508を含んでもよい。例えば、1以上の光学コンポーネント508は、限定はしないが、1以上の偏光子、1以上のフィルタ、1以上のビームスプリッタ、1以上のディフューザ、1以上のホモジナイザ、1以上のアポダイザ、または1以上のビームシェイパーを含んでもよい。一実施形態において、照射路506は、ビームスプリッタ514を含む。別の実施形態において、検査サブシステム102は、1以上の照射ビーム504を試料110に集束するための対物レンズ516を含む。
照射源502は、照射路506を介して1以上の照射ビーム504を試料に任意の角度で方向付けてもよい。一実施形態において、図5Aに示すように、照射源502は、1以上の照射ビーム504を試料110に法線入射角で方向付ける。別の実施形態において、照射源502は、1以上の照射ビーム504を試料110に非法線入射角で方向付ける(例えば、視射角、45度の角度等)。
別の実施形態において、試料110は、走査中に試料110を固定するのに適した試料ステージ512上に配置されている。別の実施形態において、試料ステージ512は、駆動可能なステージである。例えば、試料ステージ512は、限定はしないが試料110を1以上の直線方向(例えばx方向、y方向および/またはz方向)に沿って選択的に並進移動させるのに適した1以上の並進移動ステージを含んでもよい。別例として、試料ステージ512は、限定はしないが、試料110を1つの回転方向に沿って選択的に回転させるのに適した1以上の回転ステージを含んでもよい。別例として、試料ステージ512は、限定はしないが、試料を直線方向に沿って選択的に並進移動させるおよび/または試料110を1つの回転方向に沿って回転させるのに適した回転ステージと並進移動ステージを含んでもよい。
別の実施形態において、照射路506は、照射ビーム504を試料110にわたって走査するのに適した1以上のビーム走査光学素子(図示せず)を含む。例えば、1以上の照射路506は、限定はしないが、1以上の電子光学ビーム偏向器、1以上の音響光学ビーム偏向器、1以上の検流計スキャナ、1以上の共振スキャナ、または1以上のポリゴンスキャナ等の当技術分野で公知の任意のタイプのビームスキャナを含んでよい。こうして、試料110の表面はr−θパターンで走査されてよい。さらに、照射ビーム504は試料上の任意のパターンに従って走査されてよいことにも留意すべきである。一実施形態において、照射ビーム504は、1以上のビームが同時に走査され得るように、1以上のビームに分光される。
別の実施形態において、検査サブシステム102は、収集路518を介して試料110から発せられる放射を捕捉するように構成された1以上の検出器522(例えば1以上の光学検出器、1以上の光子検出器等)を含む。収集路518は、限定はしないが1以上のレンズ520、1以上のフィルタ、1以上の偏光子、1以上のビームブロックまたは1以上のビームスプリッタを含む、対物レンズ516によって収集された照射を方向付けるおよび/または変更するための複数の光学素子を含んでもよい。本明細書では、収集路518のコンポーネントは試料110に対して任意の位置に配向していてもよいことに留意されたい。一実施形態において、収集路は試料110に対して法線方向に配向した対物レンズ516を含む。別の実施形態において、収集路518は、試料からの放射を立体角で収集するように配向した複数の収集レンズを含む。
一実施形態において、検査システム100は明視野検査システムを含む。例えば、試料110または試料110の一部分の明視野画像は、検出器522上に投射されてもよい(例えば、対物レンズ516、1以上のレンズ520等によって)。別の実施形態において、検査システム100は、暗視野検査システムを含む。例えば、検査システム100は、検出器112上の試料の画像が、散乱光および/または回折光に関連付けられるように、照射ビーム504を試料110に大きな入射角で方向付けるための1以上のコンポーネント(例えば環状ビームブロック、暗視野対物レンズ516等)を含んでもよい。別の実施形態において、検査システム100は、斜角検査システムを含む。例えば、検査システム100は、欠陥の検査のためのコントラストを提供するために照射ビーム504を試料に軸ずれ角で方向付けてもよい。別の実施形態において、検査システム100は位相コントラスト検査システムを含む。例えば、検査システム100は、欠陥検査のためのコントラストを提供するために、試料からの回折光と非回折光の間の位相コントラストを提供するための1以上の位相板および/またはビームブロック(例えば環状ビームブロック等)を含んでもよい。別の実施形態において、検査システム100はルミネッセンス検査システム(例えば蛍光検査システム、蓄光検査システム等)を含んでもよい。例えば、検査システム100は、第1の波長スペクトルを有する照射ビーム504を試料110に方向付けてもよく、また、試料110から発せられる1以上の付加的な波長スペクトル(例えば、試料110の1以上のコンポーネントおよび/または試料110上の1以上の欠陥から発せられる)を検出する1以上のフィルタを含む。別の実施形態において、検査システムは、システム100が共焦点検査システムとして動作するように共焦点位置に配置された1以上のピンホールを含む。
図5Bは、本開示の1以上の実施形態による、粒子ビーム検査サブシステムとして構成された検査サブシステムの略模式図である。一実施形態において、照射源502は、粒子ビーム504を生成するように構成された粒子源を含む。粒子源502は、粒子ビーム504を生成するのに適した当技術分野において公知の任意の粒子源を含んでもよい。非限定的な例として、粒子源502は、限定はしないが、電子銃またはイオン銃を含んでもよい。別の実施形態において、粒子源502は、調整可能エネルギーを粒子ビーム504に提供するように構成される。例えば、電子源を含む粒子源502は、0.1kVから30kVの間の加速電圧を提供してよい。別の例として、イオン源を含む粒子源は、必須ではないが、1から50KeVの範囲のエネルギー値を備えたイオンビームを提供してよい。
別の実施形態において、検査サブシステム102は、2以上の粒子ビーム504の生成のための2以上の粒子ビーム源502(例えば、電子ビーム源またはイオンビーム源)を含む。
別の実施形態において、照射路506は、1以上の粒子集束素子524を含む。例えば、1以上の粒子集束素子524は、単一の粒子集束素子または化合物システムを形成する1以上の粒子集束素子を含んでもよい。別の実施形態において、システム100の対物レンズ516は、粒子ビーム504を試料110に方向付けるように構成される。さらに、1以上の粒子集束素子524および/または対物レンズ516は、限定はしないが、静電、磁気、単一ポテンシャルまたは二重ポテンシャルレンズを含む、当技術分野において公知の任意のタイプの粒子レンズを含んでもよい。さらに、検査サブシステム102は、限定はしないが、1以上の電子偏向器、1以上の開口、1以上のフィルタまたは1以上の非点補正装置を含んでもよい。
別の実施形態において、検査サブシステム102は、1以上の粒子ビーム走査素子526を含む。例えば、1以上の粒子ビーム走査素子は、試料110の表面に対するビームの位置を制御するのに適した1以上の走査コイルまたは偏向器を含んでもよい。これに関連して、1以上の走査素子は、選択されたパターンで粒子ビーム504を試料110にわたって走査するために用いられてよい。
別の実施形態において、検査サブシステムは、試料110から発せられる粒子528を画像化または検出するための検出器522を含む。一実施形態において、検出器522は、電子コレクタ(例えば二次電子コレクタ、後方散乱電子検出器等)を含む。別の実施形態において、検出器522は、試料表面からの電子および/または光子を検出するための光子検出器(例えば光検出器、x線検出器、光電子倍増管(PMT)検出器に結合された閃光素子等)を含む。一般的な意味で、本明細書では、検出器522は、試料表面またはバルクを粒子ビーム504で特性評価するための当技術分野において公知の任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを含み得ることが認識される。例えば、検出器522は、後方散乱電子、オージェ電子、透過電子または光子(例えば、入射電子に応答して表面によって放射されるx線、試料108のカソードルミネッセンス等)を収集するように構成された当技術分野において公知の任意の粒子検出器を含んでもよい。
別の実施形態において、検査システム100は、電圧コントラスト画像化(VCI)システムを含む。本明細書では、粒子ビーム(例えば電子ビーム、イオンビーム等)を用いる検査システムが、達成可能な高い空間分解能により、半導体試料(例えばランダムロジックチップ等)の欠陥メカニズムを検出および/または特定するために特に有用であることが理解される。例えば、粒子ビームは、試料を(例えば試料から発せられる二次電子、後方散乱電子等を捕捉することにより)画像化するために検査システム内で用いられてよい。さらに、試料上の構造(例えば、パターニングされた半導体ウェハ)は、粒子ビームでの励起に応答して帯電効果を呈してもよい。帯電効果は、システムによって捕捉される電子(例えば二次電子)の数の変更、したがってVCI信号強度の変更を含んでもよい。これに関連して、電圧コントラスト画像化(VCI)システムは、画像の各画素の強度が画素位置での試料の電気的特性上のデータを提供する、試料の高分解能画像を生成してもよい。例えば、絶縁構造、または接地ソースに接続されない(例えば接地されていない)構造は、粒子ビームによって誘導された粒子(例えば、二次電子、イオン等)の枯渇に応答して電荷(例えば、正電荷または負電荷)を発生する可能性がある。したがって、誘起された電荷は二次電子の軌跡を偏向させて、検出器によって捕捉される信号強度を減少させる可能性がある。反対に、接地された構造は電荷を発生しないため、強い信号を呈し得る(例えば、関係するVCI画像内で明るく見える)。さらに、容量性構造の信号強度は、走査速度および/または粒子ビームのエネルギーの関数であり得る。これに関連して、VCI画像はグレースケール画像を含んでもよく、各画素のグレースケール値は、ウェハのその位置の相対電気的特性に関するデータを提供する。別の実施形態において、検査システム100は、試料108の1以上の位置に1以上の電圧を印加するように構成された1以上のコンポーネント(例えば、1以上の電極)を含む。これに関連して、システム100は、アクティブ電圧コントラスト画像化データを生成してもよい。
別の実施形態において、検査システム100はディスプレイ(図示せず)を含んでもよい。別の実施形態において、ディスプレイはコントローラ104に通信可能に結合されている。例えば、ディスプレイはコントローラ101の1以上のプロセッサ104に通信可能に結合されてよい。これに関連して、1以上のプロセッサ106は、本発明の種々の結果の1以上をディスプレイ上に表示してもよい。
ディスプレイデバイスは、当技術分野において公知の任意のディスプレイデバイスを含んでもよい。一実施形態において、ディスプレイデバイスは、限定はしないが、液晶ディスプレイ(LCD)を含んでもよい。別の実施形態において、ディスプレイデバイスは、限定はしないが、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイを含んでもよい。別の実施形態において、ディスプレイデバイスは、限定はしないがCRTディスプレイを含んでもよい。当業者ならば、多種多様なディスプレイデバイスが本発明での実装に適し得ること、また、ディスプレイデバイスの特定の選択は、限定はしないが、フォームファクタ、コスト等を含む種々の要因に依存し得ることを理解するはずである。一般的な意味で、ユーザインターフェースデバイス(例えば、タッチスクリーン、ベゼル搭載型インターフェース、キーボード、マウス、トラックパッド等)への一体化が可能な任意のディスプレイデバイスが、本発明での実装に適している。
別の実施形態において、検査システム100は、ユーザインターフェースデバイス(図示せず)を含んでもよい。一実施形態において、ユーザインターフェースデバイスは、コントローラ104の1以上のプロセッサ106に通信可能に結合されている。別の実施形態において、ユーザインターフェースデバイスは、ユーザからの選択および/または命令を受け付けるためにコントローラ104によって利用されてもよい。本明細書でさらに説明されるいくつかの実施形態では、ディスプレイは、ユーザにデータを表示するために用いられてもよい。すると、ユーザは、ディスプレイデバイスを介してユーザに表示された検査データに応答して、選択および/または命令(例えば、検査領域のユーザ選択)を入力してもよい。
ユーザインターフェースデバイスは、当技術分野において公知の任意のユーザインターフェースを含んでもよい。例えば、ユーザインターフェースは、限定はしないが、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、レバー、ノブ、スクロールホイール、トラックボール、スイッチ、ダイヤル、スライドバー、スクロールバー、スライド、ハンドル、タッチパッド、パドル、操舵輪、ジョイスティック、ベゼル入力デバイス等を含んでもよい。タッチスクリーンインターフェースデバイスの場合、当業者ならば、多数のタッチスクリーンインターフェースデバイスが、本発明での実装に適し得ることを認識するはずである。例えば、ディスプレイデバイスは、限定はしないが、容量型タッチスクリーン、抵抗型タッチスクリーン、表面弾性ベースのタッチスクリーン、赤外線ベースのタッチスクリーン等のタッチスクリーンインターフェースに一体化されてよい。一般的な意味で、ディスプレイデバイス105のディスプレイ部との一体化が可能な任意のタッチスクリーンインターフェースが、本発明での実装に適している。別の実施形態において、ユーザインターフェースは、限定はしないが、ベゼル搭載型インターフェースを含んでもよい。
本明細書では、図5Aおよび5Bならびに対応する上記の説明は、単に例証のために提供されており、限定的と解釈されるべきではないことに留意されたい。いくつかの同等なまたは付加的な構成が、本発明の範囲内で利用され得ることが想定される。
本明細書で説明された主題は時として他のコンポーネント内に含まれる、または他のコンポーネントに接続された別々のコンポーネントを例示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単に典型的なものであり、実際、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解すべきである。概念的な意味で、同じ機能性を達成するコンポーネントの任意の配置は、所望の機能性が達成されるように有効に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つのコンポーネントは、それらのアーキテクチャまたは中間コンポーネントにかかわらず所望の機能性を達成するように互いに「関連付けられた」と見なされ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントもまた、所望の機能性を達成するために互いに「接続された」または「結合された」と見なされ得るものであり、また、そのように関連付けられることが可能な任意の2つのコンポーネントもまた、所望の機能性を達成するために互いに「結合可能」であると見なされ得る。結合可能の特定の例は、限定はしないが、物理的に相互作用可能および/または物理的に相互作用するコンポーネントおよび/または無線相互作用可能および/または無線相互作用するコンポーネントおよび/または論理的に相互作用可能および/または論理的に相互作用するコンポーネントを含む。
本発明およびそれに関係する利点の多くは上記の説明によって理解されるものと思われ、開示された主題から逸脱せずに、またはその実質的な利点の全てを犠牲にせずに、コンポーネントの形態、構成および配置に種々の変化がなされ得ることは明らかであろう。説明された形態は単に説明的なものであり、そのような変化を包含し含めることが以下の請求項の意図するところである。さらに、本発明は添付の請求項によって定義されることを理解すべきである。