JP2021120504A - 防油堤の構築方法、及び、防油堤構造 - Google Patents
防油堤の構築方法、及び、防油堤構造 Download PDFInfo
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詳しくは、基礎スラブ部の幅+3m程度の床付幅で掘削し、掘削溝の底面に砕石と均しコンクリートとを施工する。そして、その上に、基礎スラブ部の配筋、型枠設置、コンクリート打設を行って、基礎スラブ部を構築し、更に、竪壁部の配筋、型枠設置、コンクリート打設を行って、竪壁部を構築することで、防油堤を構築する。
従って、防油堤への適用には、工夫を要することとなる。
その構築方法は、
防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有するプレキャストコンクリートピースを、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列する工程と、
前記プレキャストコンクリートピース間にコンクリートを場所打ちする工程と、
を含み、
直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリート部と両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリート部と角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする。
また、直線部では、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリートとの接合部を横方向鉄筋によりつながる施工目地部として、十分な連結強度を得る一方、角部では、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリート部との接合部を横方向鉄筋によりつながらない縁切りされた構造目地部として、伸縮時の変形などを許容することができる。
図1は本発明の一実施形態として示す防油堤の平面図である。
角部のPCaピース10Kは、平面視でL字状をなし、屈曲部(あるいは湾曲部)を有している。
また、角部のPCaピース10Kについては、直線部のPCaピース10とは異なり、両端面から、内部の横方向鉄筋を突出させていない。これについては後に詳述する。
また、図4で右側のPCaピース10(竪壁部10b)の端面からも内部の横方向鉄筋13が重ね継手用鉄筋13jとして突出している。これには縦方向鉄筋14kが組付けられていない。
また、図4で右側のPCaピース10の端部にも、竪壁部10bに沿って上下方向に延びる塩ビ製の止液板20の一方の端縁が埋設されており、この止液板20の他方の端縁もPCaピース10の端面から場所打ちコンクリート50側に突出している。
その一方、図5で右側の直線部のPCaピース10の端面からは内部の横方向鉄筋13(及び11)が鉄筋13j(及び11j)として突出しており、これには縦方向鉄筋14k(及び12k)が組付けられている。
従って、構造目地部KMは、角部のPCaピース10Kと場所打ちコンクリート50との間に介在するエラスタイト30を備える。
従って、構造目地部KMは、角部のPCaピース10Kの端部に予め埋設されたシース管31と、シース管31内に一端が挿入されて他端が場所打ちコンクリート50側に突出するスリップバー32とを備えている。
そして、直線部同士のPCaピース10、10間の場所打ちコンクリート50(図4参照)は、両側のPCaピース10、10の端面から突出する横方向鉄筋11、13が重ね継手(11j、13j)で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリート50と両側のPCaピース10、10との接合部が、前記横方向鉄筋11、13によりつながる施工目地部SMをなす。
また、角部のPCaピース10Kと直線部のPCaピース10との間の場所打ちコンクリート50(図5参照)は、角部のPCaピース10Kの端面から横方向鉄筋11、13が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリート50と角部のPCaピース10Kとの接合部が、前記横方向鉄筋11、13によりつながらない構造目地部KMをなす。
先ず、防油堤1の構築箇所を、基礎スラブ部1aの幅+50cm(片側25cm)程度の床付幅で掘削し、掘削溝内の底部に、砕石を敷き均した後、均しコンクリートの打設を行う。
また、PCaピース10、10Kの基礎スラブ部10aの下に、モルタルを充填する。
すなわち、PCaピース10から突出している横方向鉄筋(重ね継手用鉄筋)11j、13jに対し、直角方向に鉄筋12k、14kを追加配筋する。なお、これらの鉄筋12j、14jは予めPCaピース10に取付けておくことも可能である。
図1では、角部のPCaピース(コーナーピース)10Kを平面視でL字状に一体物で形成したが、図6では、角部のPCaピース10Kを、第1ピース10K−1と第2ピース10K−2とより分割構成している。
すなわち、第1ピース10K−1の側部に場所打ちコンクリート50Kを介して第2ピース10K−2の端部を連結するようにしている。
そして、第1ピース10K−1、第2ピース10K−2と、直線部のPCaピース10との接合部を、構造目地部KMとしている。
このような構成とすれば、コーナーピースをより簡素化することができる。
また、大きな型枠を設置する必要がなくなることから、掘削の床付幅を小さくすることができ、掘削土量、埋戻し土量を少なくすることができる。
このため、PCaピース製作用の型枠は、メタルフォーム等の通常の型枠を使用すればよく、シールドトンネル用のセグメントのように、工場で、金型を使用して製作する必要はない。また、プレキャスト製品の養生についても、養生シートによる湿潤養生でよく、蒸気による促進養生は必要ない。これらは、工事ヤード隣接地での製作を可能とする。
1a 基礎スラブ部
1b 竪壁部
10 プレキャストコンクリートピース(PCaピース)
10a 基礎スラブ部
10b 竪壁部
10K 角部のプレキャストコンクリートピース(PCaピース)
11〜14 鉄筋
11j、13j 重ね継手用鉄筋
20 止液板
30 エラスタイト
31 シース管
32 スリップバー
50 場所打ちコンクリート
100 貯油タンク
Claims (4)
- 貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤の構築方法であって、
防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有するプレキャストコンクリートピースを、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列する工程と、
前記プレキャストコンクリートピース間にコンクリートを場所打ちする工程と、
を含み、
直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリートと両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリートと角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする、防油堤の構築方法。 - 前記構造目地部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されたシース管と、前記シース管内に一端が挿入されて他端が場所打ちコンクリート側に突出するスリップバーとを備えることを特徴とする、請求項1記載の防油堤の構築方法。
- 前記施工目地部及び前記構造目地部は、プレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されて場所打ちコンクリート側に突出する止液板を備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の防油堤の構築方法。
- 貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤であって、
防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有し、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列されるプレキャストコンクリートピースと、
前記プレキャストコンクリートピース間に打設される場所打ちコンクリート部と、
を含み、
直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリートと両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリートと角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする、防油堤構造。
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