JP2021120504A - 防油堤の構築方法、及び、防油堤構造 - Google Patents

防油堤の構築方法、及び、防油堤構造 Download PDF

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【課題】 貯油タンク100を囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤1の構築方法を提供する。【解決手段】 断面が逆T字状又はL字状のプレキャストコンクリートピース(PCaピース)10を、間隔をあけて配列し、PCaピース10、10間に場所打ちコンクリート50を打設する。ここにおいて、直線部同士のPCaピース10、10間は、場所打ちコンクリート50の打設により、両側のPCaピース10、10の端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続される施工目地部SMをなす。角部のPCaピース10Kと直線部のPCaピース10との間は、角部のPCaピース10Kの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で場所打ちコンクリート50が打設されて、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部KMをなす。【選択図】 図1

Description

本発明は、石油類の貯油タンクを囲むように設けられる防油堤の構築方法(及び、防油堤構造)に関する。
工場内などに石油類の貯油タンクを設ける場合、タンクの周りには、貯油量の110%に相当する貯油能力を有する防油堤を設置することが消防法で規定されている。
防油堤の断面形状は、逆T字状あるいはL字状が一般的であり、下側の基礎スラブ部と、上側の竪壁部とから構成されている。基礎スラブ部は土中埋設となっていることが多く、竪壁部の高さは1〜3m程度が多い。材料としては鉄筋コンクリート(RC)が多い。
また、防油堤の平面視形状(全体形状)は、一般的に、多角形(通常は矩形)であり、直線部と角部とを有している。
従来、鉄筋コンクリート造の防油堤は、コンクリートの場所打ちにより構築する。
詳しくは、基礎スラブ部の幅+3m程度の床付幅で掘削し、掘削溝の底面に砕石と均しコンクリートとを施工する。そして、その上に、基礎スラブ部の配筋、型枠設置、コンクリート打設を行って、基礎スラブ部を構築し、更に、竪壁部の配筋、型枠設置、コンクリート打設を行って、竪壁部を構築することで、防油堤を構築する。
なお、特許文献1には、LNG等の低温液化ガスを貯蔵する大型地上式低温タンクと一体的に設けられるプレストレストコンクリート(PC)造の円筒形の防液堤として、プレキャストコンクリートピースを所定の間隔で配列し、プレキャストコンクリートピース間を場所打ちコンクリートで連結する構造としたものが提案されている。
特許第5348559号公報
しかしながら、従来の場所打ち工法による防油堤の構築は、現地での工事に時間を要する方法であり、工事を急ぐ場合には適さない。また、基礎スラブを場所打ちコンクリートとするために、掘削時の床付幅が広く必要であり、掘削土量、埋戻し土量が多くなり、この面からも工期が長くなる。
また、特許文献1に記載のプレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリートとによる防液堤の構築方法は、そのまま、防油堤の構築に適用することが難しい。
なぜなら、LNGタンク用の防液堤は、平面視で円形のLNGタンクと一体的に構成され、防液堤自体も平面視で円形をなすのに対し、石油類の貯油タンク用の防油堤は、一般に、平面視で多角形(通常は矩形)をなし、直線部と角部とを有しているからである。
従って、防油堤への適用には、工夫を要することとなる。
本発明は、このような実状に鑑み、貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤の、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリートとによる、より好適な構築方法(及び、防液堤構造)を提供することを課題とする。
本発明の対象とする防油堤は、貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート(RC)造の防油堤であり、
その構築方法は、
防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有するプレキャストコンクリートピースを、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列する工程と、
前記プレキャストコンクリートピース間にコンクリートを場所打ちする工程と、
を含み、
直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリート部と両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリート部と角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする。
前記構造目地部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されたシース管と、前記シース管内に一端が挿入されて他端が場所打ちコンクリート側に突出するスリップバーとを備えるとよい。
また、前記施工目地部及び前記構造目地部は、プレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されて場所打ちコンクリート側に突出する止液板を備えるとよい。
なお、本明細書いう「角部」とは、貯油タンクを囲むように、防油堤の延在方向を変化させる部位であることを意味し、完全な角部である必要はなく、湾曲部などを含む概念である。
本発明によれば、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリート部とで構築することで、工期短縮を図ることができる。
また、直線部では、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリートとの接合部を横方向鉄筋によりつながる施工目地部として、十分な連結強度を得る一方、角部では、プレキャストコンクリートピースと場所打ちコンクリート部との接合部を横方向鉄筋によりつながらない縁切りされた構造目地部として、伸縮時の変形などを許容することができる。
本発明の一実施形態として示す防油堤の平面図 プレキャストコンクリートピースの外形形状を示す図 プレキャストコンクリートピースの配筋形状を示す図 図1のX1部の詳細図 図1のX2部の詳細図 図1のX3部の変形例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態として示す防油堤の平面図である。
防油堤1は、石油類の貯油タンク100を囲むように設けられる。貯油タンク100は平面視で円形をなし、防油堤1は本例では平面視で矩形をなしている。従って、本例の防油堤1は平面視で4つの直線部と4つの角部とから構成される。なお、本例では説明の簡略化のため矩形としたが、貯油タンク100周りの敷地の制約によっては、凹凸や斜線を含む複雑な多角形をなしていてもよく、いずれにしても直線部と角部とから構成される。
防油堤1の断面形状(防油堤1の延在方向と直交する断面の形状)は、図2(A)(図1のA−A矢視断面図)に示されるように、逆T字状であり、下側の基礎スラブ部1aと、上側の竪壁部1bとからなる。なお、本実施形態では、逆T字状としたが、L字状であってもよい。
防油堤1はまた、その延在方向に分割構成されており、プレキャストコンクリートピース(以下「PCaピース」という)10と、場所打ちコンクリート50とからなり、これらが交互に配置されて、構成される。
すなわち、防油堤1の延在方向に所定の長さ(例えば4200mm)を有するPCaピース10を所定の間隔(例えば 800mm)をあけて配列し、PCaピース10、10間に、PCaピース10と同じ断面形状となるように、場所打ちコンクリート50を打設することで、隣り合うPCaピース10、10を連結してなる。
図2はPCaピース10の外形形状を示し、図2(A)はPCaピース10の断面図(図1のA−A矢視断面図)、図2(B)はPCaピース10の正面図(図2(A)のB矢視図)、図2(C)はPCaピース10の平面図(図2(B)のC矢視図)である。
従って、PCaピース10は、図2(A)に示されるように、防油堤1の断面形状と同じ断面形状、すなわち、防油堤1の延在方向と直交する断面が逆T字状で、下側の基礎スラブ部10aと上側の竪壁部10bとからなる断面形状を有し、防油堤1の延在方向に所定の長さ(例えば4200mm)を有している。
図3はPCaピース10の配筋形状を示し、図3(A)は断面図、図3(B)は正面図である。
図3からわかるように、PCaピース10の基礎スラブ部10a内には水平面内に格子状に鉄筋11、12(横方向鉄筋11と直角方向鉄筋12)が埋設され、竪壁部10b内には垂直面内に格子状に鉄筋13、14(横方向鉄筋13と縦方向鉄筋14)が埋設されている。
また、PCaピース10の両端面からは、基礎スラブ部10a内の横方向鉄筋11と竪壁部10b内の横方向鉄筋13とが、重ね継手用鉄筋11j、13jとして突出している。突出長さは、PCaピース10、10間の間隔(例えば 800mm)よりわずかに短い長さ(例えば 720mm)とする。隣り合うPCaピース10との間で横方向鉄筋同士が重ね継手で連結するようにするためである。
また、横方向鉄筋11、13の突出部(重ね継手用鉄筋)11j、13jの片側には、PCaピース10の設置後、又は、PCaピース10の搬入前に、鉄筋12k、14kを取付ける。鉄筋12kは、鉄筋11jに対し交差させて、基礎スラブ部10a内の直角方向鉄筋12と平行に配筋し、鉄筋14kは、鉄筋13jに対し交差させて、竪壁部10b内の縦方向鉄筋14と平行に配筋する。
また、PCaピース10には、これまで説明した直線部のPCaピース10とは別に、図1に示されているような、角部のPCaピース(コーナーピース)10Kがある。
角部のPCaピース10Kは、平面視でL字状をなし、屈曲部(あるいは湾曲部)を有している。
また、角部のPCaピース10Kについては、直線部のPCaピース10とは異なり、両端面から、内部の横方向鉄筋を突出させていない。これについては後に詳述する。
次に、場所打ちコンクリート50、及び、PCaピース10、10Kと場所打ちコンクリート50との接合部(目地部)について、説明する。
図4は図1のX1部の詳細図(拡大平面図)であり、直線部の隣り合うPCaピース10、10(特に竪壁部10b、10b)が場所打ちコンクリート50で連結される部分の詳細を示している。なお、図4には竪壁部10b、10b間の場所打ちコンクリート50についてのみ示し、これについて主に説明するが、基礎スラブ部10a,10a間の場所打ちコンクリート50についても同様である。
図4で左側のPCaピース10(竪壁部10b)の端面からは内部の横方向鉄筋13が重ね継手用鉄筋13jとして突出しており、これには縦方向鉄筋14kが組付けられている。
また、図4で右側のPCaピース10(竪壁部10b)の端面からも内部の横方向鉄筋13が重ね継手用鉄筋13jとして突出している。これには縦方向鉄筋14kが組付けられていない。
従って、左右のPCaピース10、10を設置することで、横方向鉄筋は重ね継手を構成する。すなわち、左右のPCaピース10、10間に場所打ちコンクリート50を打設することで、場所打ちコンクリート50内で、両者の横方向鉄筋13、13の突出部である鉄筋13j、13jが重ね継手状態で接続される。図には示さないが、基礎スラブ部10a、10a間でも、両者の横方向鉄筋11、11の突出部である鉄筋11j、11jが重ね継手状態で接続される。
従って、直線部同士のPCaピース10、10間の場所打ちコンクリート50は、両側のPCaピース10、10の端面から突出する横方向鉄筋13j、13j(及び11j、11j)が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリート50と両側のPCaピース10、10との接合部が、横方向鉄筋13j(及び11j)により剛結状態でつながる施工目地部SMをなす。
また、図4で左側のPCaピース10の端部には、竪壁部10bに沿って上下方向に延びる塩ビ製の止液板20の一方の端縁が埋設されており、この止液板20の他方の端縁はPCaピース10の端面から場所打ちコンクリート50側に突出している。
また、図4で右側のPCaピース10の端部にも、竪壁部10bに沿って上下方向に延びる塩ビ製の止液板20の一方の端縁が埋設されており、この止液板20の他方の端縁もPCaピース10の端面から場所打ちコンクリート50側に突出している。
従って、各施工目地部SMは、PCaピース10の端部に予め埋設されて場所打ちコンクリート50側に突出する止液板20を備えている。
図5は図1のX2部の詳細図(拡大平面図)であり、角部のPCaピース10K(その竪壁部10b)と直線部のPCaピース10(その竪壁部10b)とが場所打ちコンクリート50で連結される部分の詳細を示している。なお、図5には竪壁部10b、10b間の場所打ちコンクリート50についてのみ示し、これについて主に説明するが、基礎スラブ部10a,10a間の場所打ちコンクリート50についても同様である。
図5で左側の角部のPCaピース10K内の横方向鉄筋13(及び図5には示されていない基礎スラブ部10aの横方向鉄筋11)は、PCaピース10の端面から突出していない。
その一方、図5で右側の直線部のPCaピース10の端面からは内部の横方向鉄筋13(及び11)が鉄筋13j(及び11j)として突出しており、これには縦方向鉄筋14k(及び12k)が組付けられている。
従って、図5で左側の角部のPCaピース10Kと図5で右側の直線部のPCaピース10との間に場所打ちコンクリート50を打設すると、この場所打ちコンクリート50は、左側の角部のPCaピース10Kの端面から鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリート50と左側の角部のPCaピース10Kとの接合部が、横方向鉄筋によりつながらない(実質的に縁切りされた)構造目地部KMをなす。このKMを伸縮目地部ともいう。
また、角部のPCaピース10Kの端面には、板状のアスファルト系の目地材である厚さ20mm程度のエラスタイト30が取付けられている。
従って、構造目地部KMは、角部のPCaピース10Kと場所打ちコンクリート50との間に介在するエラスタイト30を備える。
また、角部のPCaピース10Kの端部には、塩ビ製のシース管(鞘管)31が埋設されており、このシース管31の開口端は角部のPCaピース10Kの端面に露出している。そして、丸鋼などからなるスリップバー32の一端がシース管31内に挿入され、スリップバー32の他端は場所打ちコンクリート50側に突出している。
従って、構造目地部KMは、角部のPCaピース10Kの端部に予め埋設されたシース管31と、シース管31内に一端が挿入されて他端が場所打ちコンクリート50側に突出するスリップバー32とを備えている。
また、構造目地部KMも、PCaピース10Kの端部に予め埋設されて場所打ちコンクリート50側に突出する止液板20を備えている。すなわち、角部のPCaピース10Kの端部にも、竪壁部10bに沿って上下方向に延びる塩ビ製の止液板20の一方の端縁が埋設されており、この止液板20の他方の端縁もPCaピース10Kの端面から場所打ちコンクリート50側に突出している。
なお、図5の右側の直線部のPCaピース10と場所打ちコンクリート50との接合部は、鉄筋が介在しており、止液板20も配置された施工目地部SMをなしている。このような片側構造目地部KM、片側施工目地部SMで構成される目地部は、必ずしも角部に限らず、直線部に配置されることもある。
従って、本実施形態の防油堤1は、貯油タンク100を囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤1であって、防油堤1の延在方向と直交する断面が逆T字状(又はL字状)で防油堤1の延在方向に所定の長さを有し、防油堤1の延在方向に間隔をあけて配列されるPCaピース10と、PCaピース10、10間に打設される場所打ちコンクリート50と、を含む。
そして、直線部同士のPCaピース10、10間の場所打ちコンクリート50(図4参照)は、両側のPCaピース10、10の端面から突出する横方向鉄筋11、13が重ね継手(11j、13j)で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリート50と両側のPCaピース10、10との接合部が、前記横方向鉄筋11、13によりつながる施工目地部SMをなす。
また、角部のPCaピース10Kと直線部のPCaピース10との間の場所打ちコンクリート50(図5参照)は、角部のPCaピース10Kの端面から横方向鉄筋11、13が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリート50と角部のPCaピース10Kとの接合部が、前記横方向鉄筋11、13によりつながらない構造目地部KMをなす。
次に、上記防油堤1の構築方法について、順を追って説明する。
先ず、防油堤1の構築箇所を、基礎スラブ部1aの幅+50cm(片側25cm)程度の床付幅で掘削し、掘削溝内の底部に、砕石を敷き均した後、均しコンクリートの打設を行う。
次に、掘削溝内の均しコンクリート上に、防油堤1の延在方向に所定の長さ(例えば4200mm)を有するPCaピース10を所定の間隔(例えば 800mm)をあけて設置する。また、角部には角部用のPCaピース(コーナーピース)10Kを設置する。
このとき、均しコンクリート上に100mm×100mm程度のライナープレートを配置し、これにより高さ調整しながら、PCaピース10、10Kを据え付ける。
また、PCaピース10、10Kの基礎スラブ部10aの下に、モルタルを充填する。
この状態で、施工目地部SMとなるPCaピース10の端面からは重ね継手用鉄筋11j、13jが所定長さ(例えば 720mm)突出しており、決まった位置に据え付けることで、PCaピース10、10間にて所定の重ね継手長さ(例えば 640mm)が確保される。
また、構造目地部KMとなる角部のPCaピース10Kの端面(エラスタイト30面)からは、シース管31に遊嵌されたスリップバー32が突出している。
また、施工目地部SM又は構造目地部KMとなるPCaピース10、10Kの端面からは、一端縁が埋設された止液板20の他端縁が突出している。
PCaピース10(及び10K)の設置後、PCaピース10、10間への場所打ちコンクリートの打設に先立って、配筋作業及び型枠設置作業を行う。
すなわち、PCaピース10から突出している横方向鉄筋(重ね継手用鉄筋)11j、13jに対し、直角方向に鉄筋12k、14kを追加配筋する。なお、これらの鉄筋12j、14jは予めPCaピース10に取付けておくことも可能である。
次に、PCaピース10、10間の場所打ちコンクリート箇所のうち基礎スラブ部の両側に型枠を配置し、この型枠内にコンクリートを打設して、PCaピース10、10間の場所打ちコンクリート部の基礎スラブを構築する。1日おいて、PCaピース10、10間の場所打ちコンクリート箇所のうち竪壁部の両側に型枠を設置し、この型枠内にコンクリートを打設して、PCaピース10、10間の場所打ちコンクリート部の竪壁を構築する。
場所打ちコンクリート箇所への型枠の設置に際しては、PCaピース10の基礎スラブ部10aの側面、及び、竪壁部10bの側面に、型枠取付用の袋ナットなどの埋込みアンカーを予め設置しておけば、型枠の設置が容易となる。
また、場所打ちコンクリート箇所の基礎スラブ部の両側に型枠を配置するとともに、場所打ちコンクリート箇所の竪壁部の両側に型枠を浮型枠として配置するようにすれば、基礎スラブ部及び竪壁部のコンクリートを連続して打設することも可能である。
場所打ちコンクリートの打設後は、場所打ち箇所から基礎スラブ部及び竪壁部の型枠を除去する。そして、防油堤設置箇所の埋戻しを行う(図2参照)。
図6は図1のX3部(防油堤の角部)の変形例を示している。
図1では、角部のPCaピース(コーナーピース)10Kを平面視でL字状に一体物で形成したが、図6では、角部のPCaピース10Kを、第1ピース10K−1と第2ピース10K−2とより分割構成している。
すなわち、第1ピース10K−1の側部に場所打ちコンクリート50Kを介して第2ピース10K−2の端部を連結するようにしている。
この場合、第1ピース10K−1、第2ピース10K−2と、これらの間の場所打ちコンクリート50Kとの接合部は、施工目地部SMとしている。
そして、第1ピース10K−1、第2ピース10K−2と、直線部のPCaピース10との接合部を、構造目地部KMとしている。
このような構成とすれば、コーナーピースをより簡素化することができる。
以上の実施形態によれば、例えば、日当たり5〜10個のPCaピースの据え付けが可能であり、順次、場所打ちコンクリート部の追加配筋、型枠設置、コンクリート打設を行うことができるので、工期を大幅に短縮することができる。
また、大きな型枠を設置する必要がなくなることから、掘削の床付幅を小さくすることができ、掘削土量、埋戻し土量を少なくすることができる。
但し、プレキャスト製品を用いることから、その運搬費が工事費の増加となる。これについては、プレキャスト製品を可能な限り現地に近いところで製作するとよい。現地に近いほど、プレキャスト製品を効率的に搬入できて運搬費を安価にできるからである。従って、工事ヤード隣接地をプレキャスト製品の製作場所とできれば最もよい。
また、PCaピース10、10Kを場所打ちコンクリート50により連結する構造とすることで、PCaピース10、10Kにmm単位での精度を必要としない。
このため、PCaピース製作用の型枠は、メタルフォーム等の通常の型枠を使用すればよく、シールドトンネル用のセグメントのように、工場で、金型を使用して製作する必要はない。また、プレキャスト製品の養生についても、養生シートによる湿潤養生でよく、蒸気による促進養生は必要ない。これらは、工事ヤード隣接地での製作を可能とする。
また、防油堤1の直線部のPCaピース10については、場所打ちコンクリート50との接合部を横方向鉄筋によりつながる施工目地部SMとして、十分な連結強度を得る一方、角部のPCaピース10Kについては、場所打ちコンクリート50との接合部を横方向鉄筋によりつながらない縁切りされた構造目地部KMとして、伸縮時の変形などを許容することができる。
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を概略的に例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 防油堤
1a 基礎スラブ部
1b 竪壁部
10 プレキャストコンクリートピース(PCaピース)
10a 基礎スラブ部
10b 竪壁部
10K 角部のプレキャストコンクリートピース(PCaピース)
11〜14 鉄筋
11j、13j 重ね継手用鉄筋
20 止液板
30 エラスタイト
31 シース管
32 スリップバー
50 場所打ちコンクリート
100 貯油タンク

Claims (4)

  1. 貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤の構築方法であって、
    防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有するプレキャストコンクリートピースを、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列する工程と、
    前記プレキャストコンクリートピース間にコンクリートを場所打ちする工程と、
    を含み、
    直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリートと両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
    角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリートと角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする、防油堤の構築方法。
  2. 前記構造目地部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されたシース管と、前記シース管内に一端が挿入されて他端が場所打ちコンクリート側に突出するスリップバーとを備えることを特徴とする、請求項1記載の防油堤の構築方法。
  3. 前記施工目地部及び前記構造目地部は、プレキャストコンクリートピースの端部に予め埋設されて場所打ちコンクリート側に突出する止液板を備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の防油堤の構築方法。
  4. 貯油タンクを囲むように設けられ、平面視で直線部と角部とを有する鉄筋コンクリート造の防油堤であって、
    防油堤の延在方向と直交する断面が逆T字状又はL字状で防油堤の延在方向に所定の長さを有し、防油堤の延在方向に間隔をあけて配列されるプレキャストコンクリートピースと、
    前記プレキャストコンクリートピース間に打設される場所打ちコンクリート部と、
    を含み、
    直線部同士のプレキャストコンクリートピース間の場所打ちコンクリート部は、両側のプレキャストコンクリートピースの端面から突出する横方向鉄筋が重ね継手で接続されるように打設されて、当該場所打ちコンクリートと両側のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながる施工目地部をなし、
    角部のプレキャストコンクリートピースと直線部のプレキャストコンクリートピースとの間の場所打ちコンクリート部は、角部のプレキャストコンクリートピースの端面から横方向鉄筋が突出していない状態で打設されて、当該場所打ちコンクリートと角部のプレキャストコンクリートピースとの接合部が、前記横方向鉄筋によりつながらない構造目地部をなすことを特徴とする、防油堤構造。
JP2020013487A 2020-01-30 2020-01-30 防油堤の構築方法、及び、防油堤構造 Active JP7309629B2 (ja)

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