図1はファン付き衣服1の外観を示す図である。図1に示されるように、ファン付き衣服1は、衣服2と、衣服2に取り付けられた衣服用ファン10とを備える。衣服用ファン10は例えば軸流ファンである。図2は衣服2の外観を示す図である。図1及び2には、衣服2の背面側が示されている。
図1に示されるように、衣服用ファン10は、例えば、衣服2の背面3の下部に取り付けられる。図2に示されるように、衣服2の背面3の下部には、衣服用ファン10を衣服2に取り付けるための取り付け穴4が設けられている。衣服用ファン10は取り付け穴4に取り付けられる。本例では、衣服2の背面3の下部には、左右に並ぶ2つの取り付け穴4が設けられている。各取り付け穴4に衣服用ファン10が取り付けられる。後述するように、衣服用ファン10は、取り付け穴4の周縁部5を挟むように衣服2に取り付けられることから、当該周縁部5は補強されている。以後、衣服用ファン10を単にファン10と呼ぶことがある。
各ファン10は、一方の側から空気を取り入れて、取り入れた空気を他方の側から排出する。各ファン10は、空気を取り入れる側(つまり吸気側)が衣服2の外側に、空気を排出する側(つまり排気側)が衣服2の内側に位置するように、衣服2に取り付けられる。これにより、ファン付き衣服1では、各ファン10が、取り付け穴4を通じて、空気を衣服2の外側から内側に取り込む。衣服2の内側に取り込まれた空気は、各ファン10の動作によって、衣服2の袖口及び首元から、衣服2の外部に排出される。これにより、衣服2を着た人の体を冷却することが可能となる。衣服2の取り付け穴4が冷却風の吸気口となり、衣服2の袖口及び首元が冷却風の排気口となる。
なお、衣服2に取り付けられるファン10の数は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、衣服2に対するファン10の取り付け位置は図1及び2の例には限られない。
以下に、ファン10についての様々な構造例について説明する。衣服2に複数のファン10が取り付けられる場合には、当該複数のファン10には、互いに同じ構造を有する複数のファン10が含まれてもよいし、互いに異なる構造を有する複数のファン10が含まれてもよい。以後、ファン10が空気を取り入れる側を前側とし、ファン10が空気を排出する側を後ろ側として、ファン10の構造について説明する。また、ファン10が衣服2に取り付けられた場合において、衣服2の首元側をファン10の上側とし、衣服2の裾側をファン10の下側として、ファン10の構造について説明する。
<第1の構造例>
図3〜6は本例に係るファン10(ファン10Aと呼ぶことがある)の構造の一例を示す図である。図3にはファン10Aを前側から見た様子が示されており、図4にはファン10Aを後ろ側から見た様子が示されている。図5及び6には、ファン10Aの内部の構造が示されている。図5及び6では断面にハッチングが示されている。図5には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Aが示されている。図5の衣服2よりも左側は衣服2の外側500を示しており、図5の衣服2よりも右側は衣服2の内側510(言い換えれば、衣服2よりも人体側)を示している。また、図5の上側は衣服2の首元側を示しており、図5の下側は衣服2の裾側を示している。後述する、衣服2に取り付けられたファン10の内部の構造を示す図についても、同様に、断面にハッチングが示されており、衣服2よりも左側及び右側はそれぞれ衣服2の外側500及び内側510を示しており、図の上側及び下側はそれぞれ衣服2の首元側及び裾側を示している。ファン10Aは、衣服2に取り付けることも可能であるし、図6に示されるように、机等の上に立てて使用されることも可能である。図7はファン10Aが備える固定部材11の外観の一例を示す斜視図である。図8はファン10Aの電気的構成を主に示すブロック図である。
図3〜8に示されるように、ファン10Aは、本体部12と、当該本体部12を衣服2に固定するための固定部材11とを備える。本体部12は、ハウジング13と、羽根部14と、モータ15と、回路基板16と、バッテリ17と、ファン10Aを立てて置くためのスタンド部材18とを備える。羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17は、ハウジング13に収容されている。固定部材11は、ハウジング13を衣服2に固定するための部材であるとも言える。
ハウジング13は例えば樹脂で構成されている。ハウジング13の外形は、前側から見ても、後ろ側から見ても略円形を成している。ハウジング13は、前側部分130と、後ろ側部分131と、カバー部132とを備える。
前側部分130の外形は、前側から見た場合、略円形を成している。前側部分130は、前面部130aと、筒状部130bと、フランジ部130cとを備える。前面部130aには、複数の吸気口130aaが設けられている。前面部130aは、ハウジング13の外側の空気をハウジング13内に取り込む吸気部であると言える。以後、前面部130aを吸気部130aと呼ぶことがある。
筒状部130bは、前面部130aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように当該周縁に設けられている。フランジ部130cは、前面部130aを取り囲むように前面部130aの周縁に設けられている。フランジ部130cは、前面部130aの周縁から前面部130aの径方向に突出している。図3に示されるように、フランジ部130cは、ファン10Aを吸気側(言い換えれば前側)から見た場合に吸気部130aを取り囲んでいる。
後ろ側部分131の外形は、後ろ側から見た場合、略円形を成している。後ろ側部分131は、背面部131a及び筒状部131bを備える。筒状部131bは、背面部131aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側へ突出するように当該周縁に設けられている。背面部131a及び筒状部131bには複数の排気口131cが設けられている。背面部131a及び筒状部131bは、ハウジング13の外側に空気を排気する排気部であると言える。複数の排気口131cは、背面部131aの中央部を避けて設けられている。前側部分130の筒状部130bと、後ろ側部分131の筒状部131bとは、互いに接続されており、ハウジング13全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)135を構成している。羽根部14が回転すると、吸気口130aaから空気がハウジング13内に取り入れられて、ハウジング13内に取り入れられた空気は、排気口131cからハウジング13の外側に排気される。
前側部分130の筒状部130bの外周面には、固定部材11が有する後述の雌ネジ部110aと螺合する雄ネジ部130bbが形成されている。前面部130aの外側の面(言い換えれば前側の面)には、凹部130abが設けられている。凹部130abには、モータ15、回路基板16及びバッテリ17が固定される。前面部130aでは、凹部130abが形成されている部分以外の部分に、複数の吸気口130aaが設けられている。前面部130aの内側の面(言い換えれば後ろ側の面)には、凹部130abに応じた凸部130acが設けられている。凸部130acは後ろ側に突出している。フランジ部130cの前側の面の下側部分には、スタンド部材18を保持する保持部130fが設けられている。スタンド部材18は、保持部130fを基点としてユーザによって回動可能となっている。
カバー部132は、凹部130abを覆うように前面部130aに取り付けられている。これにより、凹部130ab内のモータ15、回路基板16及びバッテリ17がカバー部132で覆われる。ハウジング13では、凹部130abとそれを覆うカバー部132とによって、モータ15、回路基板16及びバッテリ17を収容する収容空間133が形成されている。収容空間133において、回路基板16は、モータ15に対向するように配置されている。回路基板16とモータ15との間には、ハウジング13を構成する部材は存在しない。バッテリ17は回路基板16の下側に位置する。カバー部132は、回路基板16を覆う第1部分132aと、バッテリ17を覆う第2部分132bとを備える。第2部分132bはバッテリ17の外形に応じて外側に湾曲している。
前側部分130と後ろ側部分131とは、羽根部14を収容する収容空間134を構成している。羽根部14は、複数の羽根140と、複数の羽根140を連結する連結部141とを備える。連結部141は、一方端がほぼ閉塞した筒状を成しており、前面部130aの凸部130acを覆っている。凹部130ab内のモータ15の回転軸150は凸部130acの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。モータ15の回転軸150が回転すると、それに応じて羽根部14が回転する。
モータ15は、例えば直流モータである。モータ15は、回路基板16によって駆動される。モータ15は回路基板16とリード線19によって電気的に接続されている。バッテリ17は回路基板16に対して電力を供給する。バッテリ17は、例えば、円柱状の電池である。バッテリ17は、充電可能な二次電池であってもよいし、充電不可の一次電池であってもよい。バッテリ17と回路基板16はリード線によって電気的に接続されている。
回路基板16は、図8に示されるように、基板160と、制御部161と、表示部162と、操作部163とを備える。制御部161、表示部162及び操作部163は基板160上に搭載されている。
制御部161は、制御回路とも言える。制御部161は、バッテリ17から供給される電力に基づいてモータ15を駆動する。制御部161は、モータ15を回転させたり、モータ15の回転を停止させたりすることができる。また、制御部161は、モータ15の回転速度を制御することが可能である。制御部161は、例えば、モータ15に与える電圧を変化させることによって、モータ15の回転速度を制御することができる。モータ15の回転速度が変化することによって、ファン10Aの風量が変化する。制御部161は、モータ15を制御することによって、ファン10Aの風量を、例えば、「大」、「中」、「小」の3段階設定することができる。なお、ファン10Aの風量設定は、2段階の設定であってもよいし、4段階以上の設定であってもよい。
制御部161の全ての機能あるいは制御部161の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、制御部161は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、または複数の通信可能に接続された集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、または他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
表示部162は、ファン10Aの動作状態を表示することが可能であって、複数の発光部162aを備える。各発光部162aは例えば発光ダイオードである。制御部161は、各発光部162aを個別に発光させたり、個別に発光を停止させたりすることができる。複数の発光部162aには、図3に示されるように、バッテリ17の残量を示す複数の発光部162aa,162ab,162acと、ファン10Aの風量を示す複数の発光部162ad,162ae,162afとが含まれる。発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、ハウジング13の前側の面から露出している。具体的には、発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、ハウジング13のカバー部132の第1部分132aから露出している。表示部162は、ハウジング13における吸気側から視認可能な領域から露出していると言える。
制御部161は、バッテリ17の出力電圧に基づいて、バッテリ17の残量を特定することができる。制御部161は、バッテリ17の残量が十分である場合、複数の発光部162aa,162ab,162acのすべてを発光させる。制御部161は、バッテリ17の残量が半分近くになると、発光部162aa,162abを点灯させて、発光部162acを消灯させる。制御部161は、バッテリ17の残量が少なくなると、発光部162aaを点灯させて、発光部162ab,162acを消灯させる。
また制御部161は、ファン10Aの風量を「小」に設定すると、発光部162ad,162e,162fのうち発光部162adだけを発光させる。制御部161は、ファン10Aの風量を「中」に設定すると、発光部162ad,162ae,162afのうち発光部162aeだけを発光させる。制御部161は、ファン10Aの風量を「大」に設定すると、発光部162ad,162ae,162afのうち発光部162afだけを発光させる。
操作部163は、モータ15を制御するための操作部であって、例えば操作ボタン163aを備える。操作ボタン163aは、例えば押しボタンである。図3に示されるように、操作部163は、ハウジング13の前側の面から露出している。具体的には、操作部163の操作ボタン163aは、ハウジング13のカバー部132の第1部分132aから露出している。操作部163は、ハウジング13における吸気側から視認可能な領域から露出していると言える。制御部161は、操作ボタン163aに対する操作を特定することができる。
操作ボタン163aは、例えば、電源ボタンとして機能する。ファン10Aが電源オフ状態で、操作ボタン163aが所定時間以上押されると、ファン10Aが電源オン状態となる。一方で、ファン10Aが電源オン状態で、操作ボタン163aが所定時間以上押されると、ファン10Aは電源オフ状態となる。所定時間は、例えば1秒〜2秒程度に設定される。以後、操作ボタン163aが所定時間以上押される操作を、長押し操作と呼ぶことがある。
ファン10Aが電源オフ状態の場合には、制御部161の大部分の機能が停止する。ファン10Aが電源オフ状態の場合、制御部161では、例えば、操作ボタン163aに対する操作を特定するための機能が動作し、モータ15及び表示部162を制御する機能が停止する。したがって、ファン10Aが電源オフ状態の場合、モータ15は回転せずに、表示部162の各発光部162aは点灯しない。ファン10Aが電源オフ状態から電源オン状態に変化すると、モータ15が回転し、表示部162が表示を行う。一方で、ファン10Aが電源オン状態から電源オフ状態に変化すると、モータ15の回転が停止し、表示部162の表示がオフとなる。制御部161は、ファン10Aを電源オフ状態にしたり、電源オン状態にしたりすることができる。
操作ボタン163aは、ファン10Aの風量を調整するための調整ボタンとしても機能する。ファン10Aが電源オン状態である場合、操作ボタン163aが所定時間未満押された後に操作ボタン163aに対する押圧が解除されると、ファン10Aの風量が変化する。以後、操作ボタン163aが所定時間未満押された後に操作ボタン163aに対する押圧が解除される操作を、短押し操作と呼ぶことがある。
ファン10Aの風量が「小」に設定されている場合、操作ボタン163aに対して短押し操作が行われると、制御部161は、モータ15の回転速度を上げて、ファン10Aの風量を「中」に設定する。ファン10Aの風量が「中」に設定されている場合、操作ボタン163aに対して短押し操作が行われると、制御部161は、モータ15の回転速度を上げて、ファン10Aの風量を「大」に設定する。ファン10Aの風量が「大」に設定されている場合、操作ボタン163aに対して短押し操作が行われると、制御部161は、モータ15の回転速度を下げて、ファン10Aの風量を「小」に設定する。
なお、表示部162は、発光部162aの代わりに、あるいは発光部162aに加えて、セグメント方式あるいはドットマトリックス方式の表示部を備えてもよい。この場合、表示部162は、液晶表示パネルあるいは有機EL(Electroluminescence)パネルを備えてもよい。
操作部163は、複数の操作ボタン163aを備えてもよい。また、表示部162がドットマトリックス方式の表示部を備える場合には、操作部163は、操作ボタン163aの代わりに、あるいは操作ボタン163aに加えて、ドットマトリックス方式の表示部に表示されるソフトウェアボタンを備えてもよい。
本体部12を衣服2に固定するため固定部材11はリング状の部材である。固定部材11は、本体部12に取り付けられるリング状の取付部110を備える。取付部110の内周面には、ハウジング13の前側部分130の雄ネジ部130bbに螺合する雌ネジ部110aが設けられている。さらに、固定部材11は、取付部110の外側面を取り囲むように、当該外周面から固定部材11の径方向に突出するフランジ部111を備える。フランジ部111は、取付部110の外側面の前側の端部に設けられている。
スタンド部材18は、ハウジング13を支持することが可能な、ファン10Aを立てて置くための支持部材である。スタンド部材18は、図3に示されるように、略U字状の棒状部材である。スタンド部材18は、ハウジング13の保持部130fによって保持される被保持部180を備える。被保持部180は直線状を成している。さらに、スタンド部材18は、図6のようにファン10Aを立てて置く場合にハウジング13を支持することが可能な一対の支持部181を備える。一対の支持部181は、互いに対向するように、被保持部180の長手方向の両端からそれぞれ略湾曲に延びている。スタンド部材18は、ハウジング13に保持された被保持部180を起点として、被保持部180の長手方向の周りに回動可能である。
ファン10Aが衣服2に取り付けられる場合には、スタンド部材18の姿勢は、図3及び5に示されるように、一対の支持部181がハウジング13の前側の面と対向するような姿勢に設定される。一方で、ファン10Aが机等の上に立てて置かれる場合には、図6に示されるように、スタンド部材18の姿勢は、一対の支持部181がハウジング13の前側の面から大きく離れるような姿勢に設定される。図6に示されるように、ファン10Aが立てて置かれる場合には、一対の支持部181は、ハウジング13が倒れないようにハウジング13を支持する。図6に示される矢印9Aは、ファン10Aの羽根部14が回転した場合に風が流れる方向を示す。
以上のような構成を備えるファン10Aが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、本体部12のハウジング13が、衣服2の外側500から取り付け穴4に挿入される。このとき、ハウジング13は、後ろ側部分131側から取り付け穴4に挿入される。ハウジング13が後ろ側部分131側から取り付け穴4に挿入される場合には、前側部分130のフランジ部130cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の外側500の面と当たる。
次に、固定部材11のフランジ部111が衣服2の周縁部5の内側510の面と当たるように、固定部材11が、衣服2の内側510から、ハウジング13に取り付けられる。具体的には、フランジ部111が周縁部5の内側510の面と当たりつつ、衣服2の内側510に突出している筒状部130bの外周面の雄ネジ部130bbに固定部材11の内周面の雌ネジ部110aが螺合するように、固定部材11が前側部分130に取り付けられる。そして、衣服2の内側510から見て時計周りに固定部材11が締め込まれることによって、前側部分130のフランジ部130cと、固定部材11のフランジ部111とが、衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、ファン10Aが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Aの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口130aa及び排気口131cを通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Aが衣服2から取り外される場合には、衣服2の内側510から見て反時計周りに固定部材11が回転させられて、固定部材11がハウジング13から取り外される。そして、ハウジング13が取り付け穴4から取り出される。
なお、ファン10Aは、スタンド部材18及びそれを保持する保持部130fを備えなくてもよい。
このように、本例では、バッテリ17がハウジング13内に位置することから、バッテリ17から延びる配線(本例では、バッテリ17と回路基板16とを接続するリード線)を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Aの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリとファン本体とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Aを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、操作部163は、ハウジング13における吸気側から視認可能な領域から露出している。したがって、操作部163は、衣服2の外側500から操作可能である。これにより、ユーザは操作部163を操作しやすくなる。
また、本例では、表示部162は、ハウジング13における吸気側から視認可能な領域から露出している。したがって、表示部162の表示は、衣服2の外側500から視認可能である。これにより、ユーザは表示部162の表示を確認し易くなる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側(言い換えば前側)から見た場合、図3に示されるように、操作部163が、ハウジング13のフランジ部130cの外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側から見た場合、操作部163は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側から見た場合、図3に示されるように、表示部162が、ハウジング13のフランジ部130cの外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側から見た場合、表示部162は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側から見た場合、カバー部132で覆われたバッテリ17は、フランジ部130cの外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Aを吸気側から見た場合、バッテリ17が羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Aの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
なお、バッテリ17が充電可能な二次電池である場合、バッテリ17に充電電圧を供給するための充電端子がファン10Aに設けられてもよい。充電端子は、USB(Universal Serial Bus)端子であってもよいし、ACアダプタと接続するための端子であってもよい。同様に、ファン10Aとは異なる構造を有する後述のファン10にも充電端子を設けてもよい。
<第2の構造例>
図9〜12は本例に係るファン10(ファン10Bと呼ぶことがある)の外観の一例を示す図である。図9には、ファン10Bを前側から見た様子が示されている。図10及び11には、ファン10Bを後ろ側から見た様子が示されている。図12はファン10Bの内部の構造を示す図である。図12には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Bが示されている。
図9〜12に示されるように、ファン10Bは、本体部22と、当該本体部22を衣服2に固定するための上述の固定部材11とを備えている。本体部22は、ハウジング23と、上述の羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17とを備える。羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17は、ハウジング23に収容されている。
ハウジング23は例えば樹脂で構成されている。ハウジング23は、前側部分230と、後ろ側部分231と、第1カバー部232と、第2カバー部233とを備える。図11では、固定部材11及び第2カバー部233が取り外された状態のファン10Bが示されている。
前側部分230は、羽根部14の前側の面を覆う第1部分2300と、第1部分2300よりも下側に位置する第2部分2310とを備える。第1部分2300には複数の吸気口2301aが形成されており、第2部分2310には吸気口が形成されていない。第1部分2300は、後ろ側部分231と接続され、羽根部14を収容する収容空間237を後ろ側部分231と構成する。第2部分2310は、第2カバー部233と接続され、回路基板16及びバッテリ17を収容する収容空間236を第2カバー部233と構成する。
第1部分2300の外形は、前側から見た場合、略円形を成している。第1部分2300は、複数の吸気口2301aが形成された前面部2301と、筒状部2302と、フランジ部2303とを備える。前面部2301は、ハウジング23の外側の空気をハウジング23内に取り込む吸気部であると言える。複数の吸気口2301aは、前面部2301において、その中央部を避けて設けられている。以後、前面部2301を吸気部2301と呼ぶことがある。
筒状部2302は、前面部2301の周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように当該周縁に設けられている。筒状部2302の外周面には、固定部材11の雌ネジ部110aと螺合する雄ネジ部2302aが形成されている。フランジ部2303は、前面部2301をほぼ取り囲むように前面部2301の周縁に設けられている。フランジ部2303は、前面部2301の周縁から前面部2301の径方向に突出している。
第2部分2310は、フランジ部2303の下側の部分から下側に延びている。第2部分2310には、回路基板16及びバッテリ17が固定される。バッテリ17は回路基板16の下側に位置する。第2部分2310は、回路基板16が固定された基板側部分2311と、バッテリ17が固定されたバッテリ側部分2312とを備える。バッテリ側部分2312の前側の面は、バッテリ17の外形に応じて湾曲している。
後ろ側部分231の外形は、後ろ側から見た場合、略円形を成している。後ろ側部分231は、背面部231a及び筒状部231bを備える。筒状部231bは、背面部231aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側に突出するように当該周縁に設けられている。背面部231a及び筒状部231bには複数の排気口231cが設けられている。背面部231a及び筒状部231bは、ハウジング23の外側に空気を排気する排気部であると言える。
第1部分2300の筒状部2302と、後ろ側部分231の筒状部231bとは、互いに接続されており、収容空間237を取り囲む筒状の周壁部235を構成している。羽根部14が回転すると、吸気口2301aから空気がハウジング23内に取り入れられて、ハウジング23内に取り入れられた空気は、排気口231cからハウジング23の外側に排気される。
後ろ側部分231の背面部231aの外側の面の中央部には、凹部231aaが設けられている。凹部231aaにはモータ15が固定される。背面部231aの内側の面には、凹部231aaに応じた凸部231abが設けられている。羽根部14の連結部141は凸部231abを覆っている。凹部231aa内のモータ15の回転軸150は凸部231abの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。第1部分2300の前面部2301においては、羽根部14の連結部141と対向する部分を避けて、複数の吸気口2301aが設けられている。
第1カバー部232は、凹部231aaを覆うように後ろ側部分231の背面部231aに取り付けられている。これにより、凹部231aa内のモータ15が第1カバー部232で覆われる。ハウジング23では、凹部231aaとそれを覆う第1カバー部232によって、モータ15を収容する収容空間238が形成されている。
第2カバー部233は、前側部分230の第2部分2310に取り付けられている。第2カバー部233は、回路基板16を覆う第1部分233aと、バッテリ17を覆う第2部分233bとを備える。第2部分233bの後ろ側の面は、バッテリ17の外形に応じて湾曲している。
回路基板16の表示部162が備える発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、図9に示されるように、第2部分2310の基板側部分2311の前側の面から露出している。また、回路基板16の操作部163が備える操作ボタン163aは、基板側部分2311の前側の面から露出している。
以上のような構成を備えるファン10Bが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、本体部22のハウジング23が、衣服2の外側500から取り付け穴4に挿入される。このとき、ハウジング23は、後ろ側部分231側から取り付け穴4に挿入される。ハウジング23が後ろ側部分231側から取り付け穴4に挿入されるとき、前側部分230のフランジ部2303は、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の外側500の面と当たる。また、前側部分230の第2部分2310は、取り付け穴4を通らずに、衣服2の外側500に位置する。
次に、固定部材11のフランジ部111が衣服2の周縁部5の内側510の面と当たるように、固定部材11が、衣服2の内側510から、ハウジング23に取り付けられる。具体的には、フランジ部111が周縁部5の内側510の面と当たりつつ、衣服2の内側510に突出している筒状部2302の雄ネジ部2302aに固定部材11の雌ネジ部110aが螺合するように、固定部材11が前側部分230の第1部分2300に取り付けられる。そして、衣服2の内側510から見て時計周りに固定部材11が締め込まれることによって、前側部分230のフランジ部2303と、固定部材11のフランジ部111とが、衣服2の周縁部5を狭持する。さらに、第2カバー部233の第1部分233aと、固定部材11のフランジ部111とが、衣服2の周縁部5の下側の部分を狭持する。これにより、ファン10Bが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Bの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口2031a及び排気口231c通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Bが衣服2から取り外される場合には、衣服2の内側510から見て反時計周りに固定部材11が回転させられて、固定部材11がハウジング23から取り外される。そして、ハウジング23が取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、第1の構造例と同様に、バッテリ17がハウジング23内に位置することから、バッテリ17から延びる配線を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Bの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリとファン本体とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Bを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、操作部163は、ハウジング23における吸気側から視認可能な領域から露出している。したがって、操作部163は、衣服2の外側500から操作可能である。これにより、ユーザは操作部163を操作しやすくなる。
また、本例では、表示部162は、ハウジング23における吸気側から視認可能な領域から露出している。したがって、表示部162の表示は、衣服2の外側500から視認可能である。これにより、ユーザは表示部162の表示を確認し易くなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、ファン10Bを吸気側から見た場合、表示部162が、吸気部2301の外側に位置する。これにより、表示部162がファン10Bの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Bの性能が向上する。
また、本例では、ファン10Bを吸気側から見た場合、操作部163が、吸気部2301の外側に位置する。これにより、操作部163がファン10Bの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Bの性能が向上する。
また、本例では、ファン10Bを吸気側から見た場合、ハウジング23の第2部分2310で覆われたバッテリ17が、吸気部2301の外側に位置する。これにより、バッテリ17がファン10Bの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Bの性能が向上する。
なお、本例では、回路基板16は、モータ15の下側に位置することから、吸気側から見た場合、回路基板16はモータ15と対向する部分を有していない。これに対して、上記の第1の構造例に係るファン10Aでは、吸気側から見た場合、回路基板16は、モータ15と対向する部分を有している。回路基板16が、モータ15と対向する部分を有することによって、前側から見た場合のファン10の大きさを小さくすることができる。
<第3の構造例>
図13〜16は本例に係るファン10(ファン10Cと呼ぶことがある)の構造の一例を示す図である。図13には、ファン10Cを前側から見た様子が示されている。図14及び15には、ファン10Cを後ろ側から見た様子が示されている。図16はファン10Cの内部の構造を示す図である。図16には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Cが示されている。
図13〜16に示されるように、ファン10Cは、ハウジング33と、上述の羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17とを備える。羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17は、ハウジング33に収容されている。
ハウジング33は例えば樹脂で構成されている。ハウジング33は、前側部分330と、後ろ側部分331と、カバー部332とを備える。図15では、カバー部332が取り外された状態のファン10Cが示されている。
後ろ側部分331には、羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17が固定される。後ろ側部分331は、羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17を保持する保持部であると言える。前側部分330は後ろ側部分331対して着脱可能である。前側部分330は、羽根部14等を保持する後ろ側部分331を衣服2に固定するための固定部として機能する。以後、後ろ側部分331を保持部331と呼ぶことがある。また、前側部分330を固定部330と呼ぶことがある。
固定部330の外形は、前側から見た場合、略円形を成している。固定部330は、前面部330aと、筒状部330bと、フランジ部330cとを備える。前面部330aには、その中央部を避けて、複数の吸気口330aaが設けられている。前面部330aは、ハウジング33の外側の空気をハウジング33内に取り込む吸気部であると言える。以後、前面部330aを吸気部330aと呼ぶことがある。
筒状部330bは、前面部330aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように当該周縁に設けられている。筒状部330bの外周面には、保持部331が有する後述の雌ネジ部3312aと螺合する雄ネジ部330bbが形成されている。フランジ部330cは、前面部330aを取り囲むように前面部330aの周縁に設けられている。フランジ部330cは、前面部330aの周縁から前面部330aの径方向に突出している。
保持部331は、羽根部14及びモータ15を保持する第1保持部3310と、回路基板16及びバッテリ17を保持する第2保持部3320とを備える。第1保持部3310と第2保持部3320とは一体成形されている。
第1保持部3310の外形は、後ろ側から見た場合、略円形を成している。第1保持部3310は、背面部3311と、筒状部3312と、フランジ部3313とを備える。筒状部3312は、背面部3311の周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側に突出するように当該周縁に設けられている。背面部3311及び筒状部3312には、複数の排気口3314が設けられている。背面部3311及び筒状部3312は、ハウジング33の外側に空気を排出する排気部であると言える。筒状部3312の内周面には、固定部330の雄ネジ部330bbと螺合する雌ネジ部3312aが形成されている。固定部330の筒状部330bと、保持部331の筒状部3312とは、雄ネジ部330bbと雌ネジ部3312aが螺合することによって互いに接続され、ハウジング33全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)335を構成する。羽根部14が回転すると、吸気口330aaから空気がハウジング33内に取り入れられて、ハウジング33内に取り入れられた空気は、排気口3314からハウジング33の外側に排気される。
フランジ部3313は、筒状部3312を取り囲むように筒状部3312の外周面に設けられている。フランジ部3313は、筒状部3312の外周面から筒状部3312の径方向に突出している。フランジ部3313は、筒状部3312の前側の端よりも少しだけ後ろ側に位置する。よって、筒状部3312の前側の端部3312bにはフランジ部3313が設けられていない。
第1保持部3310の背面部3311の外側の面の中央部には、凹部3311bが設けられている。凹部3311bにはモータ15が固定される。背面部3311の内側の面には、凹部3311bに応じた凸部3311cが設けられている。羽根部14の筒状の連結部141は凸部3311cを覆っている。凹部3311b内のモータ15の回転軸150は凸部3311cの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。
第2保持部3320は、モータ15と回路基板16とを接続するリード線19が配置される第1部分3321と、回路基板16及びバッテリ17を保持する第2部分3322とを備える。回路基板16及びバッテリ17は第2部分3322に固定されている。第2保持部3320は、第1保持部3310の背面部3311の凹部3311bから、第1保持部3310の筒状部3312の下側まで延びている。第2保持部3320の後ろ側は開口している。第1部分3321は、背面部3311の外側の面に設けられている。第2部分3322の上側の部分は、背面部3311の外側の面に設けられている。第2部分3322の下側の部分は、第1保持部3310の筒状部3312から、当該筒状部3312の下側に突出している。
カバー部332は、第1保持部3310の背面部3311の凹部3311bと、第2保持部3320の後ろ側の開口とを塞ぐように、背面部3311及び第2保持部3320に取り付けられている。これにより、凹部3311b内のモータ15と、第2保持部3320内のリード線19、回路基板16及びバッテリ17とが、カバー部332で覆われる。カバー部332は、モータ15を覆う第1部分332aと、リード線19を覆う第2部分332bと、回路基板16及びバッテリ17を覆う第3部分332cとを備える。
回路基板16の表示部162が備える発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、図14に示されるように、カバー部332の第3部分332cのうち、回路基板16と対向する部分332ccの後ろ側の面から露出している。また、回路基板16の操作部163が備える操作ボタン163aは、カバー部332の第3部分332cのうち、回路基板16と対向する部分332ccの後ろ側の面から露出している。
以上のような構成を備えるファン10Cが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、ハウジング33の第1保持部3310の筒状部3312の前側の端部3312bが、衣服2の内側510から取り付け穴4に挿入される。このとき、第1保持部3310のフランジ部3313は、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の内側510の面と当たる。また、第2保持部3320の第2部分3322は取り付け穴4を通らずに、衣服2の内側510に位置する。
次に、固定部330のフランジ部330cが衣服2の周縁部5の外側500の面と当たるように、固定部330が衣服2の外側500から保持部331に取り付けられる。具体的には、フランジ部330cが周縁部5の外側500の面と当たりつつ、保持部331の筒状部3312の雌ネジ部3312aに固定部330の筒状部330bの雄ネジ部330bbが螺合するように、固定部330が保持部331の第1保持部3310に取り付けられる。そして、衣服2の外側500から見て時計周りに固定部330が締め込まれることによって、固定部330のフランジ部330cと、第1保持部3310のフランジ部3313とが、衣服2の周縁部5を狭持する。さらに、第2保持部3320のうち、第1保持部3310の筒状部3312よりも下側に位置する部分と、固定部330のフランジ部330cとが、衣服2の周縁部5の下側の部分を狭持する。これにより、ファン10Cが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Cの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口330aa及び排気口3314を通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Cが衣服2から取り外される場合には、衣服2の外側500から見て反時計周りに固定部330が回転させられて、固定部330が保持部331から取り外される。そして、保持部331の筒状部3312の前側の端部3312bが取り付け穴4から取り出される。
本例では、ファン10Cが衣服2に取り付けられた場合、操作部163は、衣服2の内側510に位置する。したがって、ユーザは、衣服2の内側510から操作部163を操作可能である。また本例では、表示部162は衣服2の内側510に位置する。したがって、ユーザは、衣服2の内側510から、表示部162の表示を視認することが可能である。
このように、本例では、第1の構造例と同様に、バッテリ17がハウジング33内に位置することから、バッテリ17から延びる配線を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Cの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリとファン本体とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Cを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、固定部330は、衣服2の外側500から保持部331に取り付けられる。一方で、上述の第1及び第2の構造例のように、固定部材11が衣服2の内側510からハウジングに取り付けられる場合には、ユーザは、衣服2を着用した状態では、自身の体が邪魔になり、固定部材11を衣服2の内側510からハウジングに取り付けにくくなる可能性がある。本例では、ユーザは、固定部330を、衣服2の外側500から保持部331に取り付けることができることから、衣服2を着用した状態であっても、ファン10Cを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、操作部163は衣服2の内側510に位置することから、操作部163が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、表示部162は衣服2の内側510に位置することから、表示部162が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、ファン10Cを吸気側から見た場合、ハウジング33の第2保持部3320で覆われたバッテリ17が、吸気部330aの外側に位置する。これにより、バッテリ17がファン10Cの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Cの性能が向上する。
また、本例では、固定部330は、保持部331に取り付けられた場合、羽根部14の前側の面を覆っている。したがって、固定部330を保持部331から外すことによって、羽根部14の前側の面が、ハウジング33を構成する部材によって覆われなくなる。よって、羽根部14の清掃が容易となる。例えば、粉塵が発生する作業環境でファン付き衣服1が使用される場合、羽根部14に粉塵が付く可能性がある。固定部330を保持部331から外すことによって、羽根部14に付いた粉塵を簡単に取り除くことができる。
<第4の構造例>
図17〜22は本例に係るファン10(ファン10Dと呼ぶことがある)の構造の一例を示す図である。図17にはファン10Dを前側から見た様子が示されており、図18及び19にはファン10Dを後ろ側から見た様子が示されている。図20〜22はファン10Dの内部の構造を示す図である。図20には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Dが示されている。ファン10Dは、衣服2に取り付けることも可能であるし、図21に示されるように、机等の上に立てて使用されることも可能であるし、図22に示されるように、棒状あるいはフック状の部材91に吊り下げた状態で使用されることも可能である。
図17〜22に示されるように、ファン10Dは、本体部42と、当該本体部42を衣服2に固定するための固定部材21とを備えている。本体部42は、ハウジング43と、上述の羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17と、リング状の支持部材28とを備える。羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17は、ハウジング43に収容されている。
ハウジング43は例えば樹脂で構成されている。ハウジング43は、前側部分430と、後ろ側部分431と、モータ15、回路基板16及びバッテリ17を保持する第1保持部432と、カバー部433と、支持部材28を保持する第2保持部434とを備える。図19では、後ろ側部分431が取り外された状態のファン10Dが示されている。
前側部分430は、前面部430aと、筒状部430bと、フランジ部430cとを備える。前面部430aの外形は、前側から見た場合、略円形を成している。前面部430aには複数の吸気口430aaが設けられている。前面部430aは、ハウジング43の外側の空気をハウジング43内に取り込む吸気部であると言える。以後、前面部430aを吸気部430aと呼ぶことがある。
筒状部430bは、前面部430aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように、当該周縁に設けられている。筒状部430bは、筒状の前側部分430baと、筒状の後ろ側部分430bbとを備える。後ろ側部分430bbでは、下側の部分に隙間が存在し、後ろ側部分430bbは完全な筒状とはなっていない。前側部分430baの外周面には、固定部材21が有する後述の雌ネジ部210aと螺合する雄ネジ部430baaが形成されている。フランジ部430cは、筒状部430bを取り囲むように、筒状部430bの後ろ側部分430bbの前側端部の周縁に設けられている。フランジ部430cは、筒状部430bの後ろ側部分430bbの周縁から筒状部430bの径方向に突出している。
後ろ側部分431の外形は、後ろ側から見た場合、略円形となっている。後ろ側部分431は、背面部431a及び筒状部431bを備える。筒状部431bは、背面部431aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側に突出するように当該周縁に設けられている。背面部431a及び筒状部431bには複数の排気口431cが設けられている。複数の排気口431cは、背面部431aの中央部を避けて設けられている。前側部分430の筒状部430bと、後ろ側部分431の筒状部431bとは、互いに接続されている。筒状部430bと、筒状部431bと、第1保持部432が有する後述の第3部分432cとは、ハウジング43全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)435を構成している。本例では、周壁部435で取り囲まれた収容空間436に、羽根部14、モータ15及び回路基板16が存在する。羽根部14が回転すると、吸気口430aaから空気がハウジング43内に取り入れられて、ハウジング43内に取り入れられた空気は、排気口431cからハウジング43の外側に排気される。
第1保持部432は、モータ15及び回路基板16を保持する第1部分432aと、バッテリ17を保持する第2部分432bと、周壁部435の下側の部分の一部を構成する第3部分432cとを備える。第1保持部432の前側は開口している。第3部分432cは、前側部分430が有する筒状部430bの後ろ側部分430bbの下側の隙間に位置し、当該隙間を埋めるように後ろ側部分430bbに接続されている。
第1部分432aは収容空間436内に位置する。第1部分432aは、周壁部435で取り囲まれた収容空間436を前側あるいは後ろ側から見た場合の中央部から下側に向かって、周壁部435の一部である第3部分432cまで延びている。第1部分432aは、後ろ側に突出する、モータ15を保持するモータ保持部432aaを備える。羽根部14の連結部141は、モータ保持部432aaを覆っている。モータ15の回転軸150はモータ保持部432aaの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。第2部分432bは、第3部分432cに接続されており、周壁部435よりも下側に位置する。第2部分432bは、バッテリ17の形状に応じて後ろ側に湾曲している。
カバー部433は、前側部分430と一体成形されている。カバー部433は、第1保持部432の第1部分432aの前側の開口を塞ぐ第1部分433aと、第1保持部432の第2部分432bの前側の開口を塞ぐ第2部分433bとを備える。第1部分433aは第1部分432aに保持されたモータ15及び回路基板16を覆い、第2部分433bは第2部分432bに保持されたバッテリ17を覆う。第1部分433aは、前面部430aの中央部から下側に延びて、前側部分430の筒状部430bまで存在する。第2部分433bは、筒状部430bに接続されており、筒状部430bの下側に存在する。第2部分433bの上側の端部は、フランジ部430cの一部を構成している。
回路基板16の表示部162が備える発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、図17に示されるように、カバー部433の第1部分433aの前側の面から露出している。また、回路基板16の操作部163が備える操作ボタン163aは、第1部分433aの前側の面から露出している。
本体部42を衣服2に固定するための固定部材21は、上述の固定部材11と同様の構造を有しており、リング状の部材である。固定部材21は、ハウジング43に着脱可能である。固定部材21は、本体部42のハウジング43に取り付けられるリング状の取付部210を備える。取付部210の内周面には、ハウジング43の前側部分430の雄ネジ部430baaに螺合する雌ネジ部210aが設けられている。さらに、固定部材21は、取付部210の外側面を取り囲むように、当該外周面から固定部材21の径方向に突出するフランジ部211を備える。フランジ部211は、取付部210の外側面の後ろ側の端部に設けられている。
支持部材28は、カバー部433の前側の面に設けられた第2保持部434によって保持される。第2保持部434は、カバー部433と一体成形されている。第2保持部434は、前面部430aの中央部よりも下側に位置する。支持部材28は、図21に示されるように、ファン10Dが立てて使用される場合には、ファン10Dが倒れないように支持する。支持部材28は、ハウジング43を支持することが可能な、ファン10Dを立てて置くための支持部材であると言える。一方で、図22に示されるように、ファン10Dが吊り下げられて使用される場合には、ファン10Dを棒状部材あるいはフック状部材等に吊り下げるための吊り下げ部材として機能する。
支持部材28は、互いに対向する2つの直線状部分28a及び28bと、互いに対向する2つの湾曲部分28c及び28dとを備えている。湾曲部分28cは、直線状部分28aの長手方向の一端から、直線状部分28bの長手方向の一方端まで、外側に湾曲して延びている。湾曲部分28cは、直線状部分28aの長手方向の他方端から、直線状部分28bの長手方向の他方端まで、外側に湾曲して延びている。第2保持部434は、支持部材28の直線状部分28aを保持する。支持部材28は、第2保持部434に保持された直線状部分28aを起点として、直線状部分28aの長手方向の周りに回動可能である。
ファン10Dが衣服2に取り付けられる場合には、支持部材28は、図17及び20に示されるように、支持部材28がハウジング43の前面部430aの前側の面と対向するような位置に設定される。
また、ファン10Dが机等の上に立てて置かれる場合には、図21に示されるように、支持部材28は、直線状部分28b及び湾曲部分28c及び28dがハウジング13の前側の面から大きく離れるような位置に設定される。そして、ファン10Dが載置される載置面90に対して直線状部分28b当接することによって、ハウジング43は倒れないように支持部材28で支持される。ファン10Dは、バッテリ17側を載置面90側にして載置面90に置かれる。図21に示される矢印9Bは、羽根部14が回転した場合に風が流れる方向を示す。
また、ファン10Dが吊り下げられる場合には、図22に示されるように、支持部材28が、棒状あるいはフック状の部材91に引っかけられる。図22に示される矢印9Cは、羽根部14が回転した場合に風が流れる方向を示す。
以上のような構成を備えるファン10Dが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、ハウジング43の前側部分430が備える筒状部430bの前側部分430baが、衣服2の内側510から取り付け穴4に挿入される。このとき、前側部分430のフランジ部430cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の内側510の面と当たる。また、カバー部433が有する、バッテリ17を覆う第2部分433bは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の内側510に位置する。したがって、バッテリ17は、衣服2の内側510に位置する。
次に、固定部材21のフランジ部211が衣服2の周縁部5の外側500の面と当たるように、固定部材21が衣服2の外側500からハウジング43に取り付けられる。具体的には、フランジ部211が周縁部5の外側500の面と当たりつつ、筒状部430bの前側部分430baの雄ネジ部430baaに固定部材21の雌ネジ部210aが螺合するように、固定部材21が前側部分430に取り付けられる。そして、衣服2の外側500から見て時計周りに固定部材21が締め込まれることによって、固定部材21のフランジ部211と、前側部分430のフランジ部430cとが、衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、ファン10Dが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Dの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口430aa及び排気口431cを通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Dが衣服2から取り外される場合には、衣服2の外側500から見て反時計周りに固定部材21が回転させられて、固定部材21が前側部分430から取り外される。そして、前側部分430の筒状部430bの前側部分430baが取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、第1の構造例と同様に、バッテリ17がハウジング43内に位置することから、バッテリ17から延びる配線を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Dの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリとファン本体とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Dを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、操作部163は、衣服2の外側500から操作可能であることから、ユーザは操作部163を操作しやすくなる。
また、本例では、表示部162の表示は、衣服2の外側500から視認可能であることから、ユーザは表示部162の表示を確認し易くなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、ハウジング43は、衣服2の内側510から衣服2に取り付けられる。そして、固定部材21は、衣服2の外側500からハウジング43に取り付けられる。したがって、ユーザは、固定部材21を衣服2の外側からハウジング43に取り付けることができる。よって、ユーザは、衣服2を着用した状態であっても、ファン10Dを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、図17に示されるように、操作部163が、吸気部430aを取り囲むフランジ部211の外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、操作部163は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、図17に示されるように、表示部162が、フランジ部211の外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、表示部162は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、カバー部433で覆われたバッテリ17が、吸気部430aの外側に位置する。これにより、バッテリ17がファン10Dの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Dの性能が向上する。
<第5の構造例>
図23〜27は本例に係るファン10(ファン10Eと呼ぶことがある)の構造の一例を示す図である。図23及び24には、ファン10Eを前側から見た様子が示されている。図25及び26には、ファン10Dを後ろ側から見た様子が示されている。図27はファン10Dの内部の構造を示す図である。図27には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Dが示されている。
図23〜27に示されるように、ファン10Dは、ハウジング53と、上述の羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17とを備える。羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17は、ハウジング53に収容されている。
ハウジング53は、羽根部14、モータ15、回路基板16及びバッテリ17を保持する保持部531と、保持部531を衣服2に固定するための固定部530とを備える。固定部530は、保持部531に対して着脱可能である。保持部531は、前側部分5310及び後ろ側部分5320を備える。後ろ側部分5320は、羽根部14の後ろ側の面を覆うカバー部として機能する。後ろ側部分5320は、前側部分5310に対して着脱可能である。図24及び26には、固定部530及び後ろ側部分5320が取り外されたファン10Dが示されている。以後、後ろ側部分5320をカバー部5320と呼ぶことがある。
固定部530の外形は、前側から見た場合、略円形を成している。固定部530は、前面部530aと、筒状部530bと、フランジ部530cとを備える。前面部530aの中央部には開口部530abが設けられている。前面部530aにおける、開口部530ab以外の部分には、複数の吸気口530aaが設けられている。前面部530aは、ハウジング53の外側の空気をハウジング53内に取り込む吸気部であると言える。以後、前面部530aを吸気部530aと呼ぶことがある。
筒状部530bは、前面部530aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように当該周縁に設けられている。筒状部530bの内周面には、保持部531が有する後述の雄ネジ部5313aaと螺合する雌ネジ部530bbが形成されている。フランジ部530cは、筒状部530bを取り囲むように、筒状部530bの後ろ側部分の外周面に設けられている。フランジ部530cは、筒状部530bの外周面から筒状部530bの径方向に突出している。
保持部531のカバー部5320の外形は、後ろ側から見た場合、略円形を成している。カバー部5320は、羽根部14の後ろ側の面を覆う背面部5321と、筒状部5322とを備える。筒状部5322は、背面部5321の周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側に突出するように、当該周縁に設けられている。背面部5321及び筒状部5322には、複数の排気口5323が形成されている。複数の排気口5323は、背面部5321の中央部を避けて形成されている。筒状部5322の外周面には、前側部分5310が有する後述の雌ネジ部5313bbと螺合する雄ネジ部5322aが形成されている。
保持部531の前側部分5310は、モータ15、回路基板16及びバッテリ17が固定される被固定部5311を備える。被固定部5311の前側は開口している。前側部分5310は、被固定部5311の前側の開口を覆うカバー部5312を備える。さらに、前側部分5310は、固定部530の筒状部530bと、カバー部5320の筒状部5322との間に位置する中間筒状部5313と、フランジ部5314とを備える。カバー部5312と、中間筒状部5313と、フランジ部5314とは、一体成形されている。
中間筒状部5313は、固定部530の筒状部530bに接続される筒状の前側部分5313aと、カバー部5320の筒状部5322と接続される筒状の後ろ側部分5313bとを備える。前側部分5313aは、中間筒状部5313の前側の約三分の一を構成している。後ろ側部分5313bは、中間筒状部5313の後ろ側の約三分の二を構成している。後ろ側部分5313bでは、下側の部分に隙間が存在し、後ろ側部分5313bは完全な筒状とはなっていない。前側の筒状部530bと、後ろ側の筒状部5322と、それらの間の中間筒状部5313と、被固定部5311が有する後述の第3部分5311cとは、ハウジング53全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)535を構成している。周壁部535で取り囲まれた収容空間536には、羽根部14、モータ15及び回路基板16が配置されている。中間筒状部5313の前側部分5313aの外周面には、固定部530の雌ネジ部530bbと螺合する雄ネジ部5313aaが形成されている。後ろ側部分5313bの後ろ側の部分の内周面には、カバー部5320の雄ネジ部5322aと螺合する雌ネジ部5313bbが形成されている。
フランジ部5314は、中間筒状部5313の後ろ側部分5313bの外周面を取り囲むように、後ろ側部分5313bの前側の部分の外周面に設けられている。フランジ部5314は、中間筒状部5313の外周面から中間筒状部5313の径方向に突出している。
被固定部5311は、モータ15及び回路基板16が固定されている第1部分5311aと、バッテリ17が固定されている第2部分5311bと、周壁部535の下側の部分の一部を構成する第3部分5311cとを備える。第3部分5311cは、中間筒状部5313の後ろ側部分5313bの下側の隙間に位置し、当該隙間を埋めるように後ろ側部分5313bに接続されている。第3部分5311cの内側の面(言い換えれば、収容空間536側の面)には、カバー部5320の雄ネジ部5322aに螺合する雌ネジ部5311ccが形成されている。カバー部5320の雄ネジ部5322aは、第3部分5311cの雌ネジ部5311ccと、中間筒状部5313の後ろ側部分5313bの雌ネジ部5313bbとに螺合する。
第1部分5311aは収容空間536内に位置する。第1部分5311aは、周壁部535で取り囲まれた収容空間536を前側あるいは後ろ側から見た場合の中央部から下側に延びて、周壁部535の一部である第3部分5311cまで達している。第1部分5311aは、後ろ側に突出する、モータ15を保持するモータ保持部5311aaを備える。羽根部14の連結部141は、モータ保持部5311aaを覆っている。モータ15の回転軸150はモータ保持部5311aaの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。第2部分5311bは、第3部分5311cに接続されており、周壁部535よりも下側に位置する。第2部分5311bは、バッテリ17の形状に応じて後ろ側に湾曲している。
カバー部5312は、被固定部5311の第1部分5311aの前側の開口を塞ぐ第1部分5312aと、被固定部5311の第2部分5311bの前側の開口を塞ぐ第2部分5312bとを備える。第1部分5312aは、収容空間536を前側あるいは後ろ側から見た場合の中央部から下側に延びて、中間筒状部5313まで達している。第1部分5312aは、固定部530の開口部530abと対向する開口対向部5312aaを有する。第2部分5312bは、中間筒状部5313に接続されており、中間筒状部5313の下側に存在する。第2部分5312bの上側の端部は、フランジ部5314の一部を構成している。
回路基板16の表示部162が備える発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、図23及び24に示されるように、カバー部5312の第1部分5312aが有する開口対向部5312aaの前側の面から露出している。また、回路基板16の操作部163が備える操作ボタン163aは、開口対向部5312aaの前側の面から露出している。
以上のような構成を備えるファン10Eが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、前側部分5310の中間筒状部5313の後ろ側部分5313bの雌ネジ部5313bbに、後ろ側部分5320(言い換えればカバー部5320)の筒状部5322の雄ネジ部5322aが螺合するように、前側部分5310に後ろ側部分5320が取り付けられる。そして、後ろ側から見て時計周りに後ろ側部分5320が締め込まれることによって、前側部分5310に後ろ側部分5320が固定される。これにより、保持部531が準備される。
次に、保持部531の中間筒状部5313の前側部分5313aが、衣服2の内側510から取り付け穴4に挿入される。このとき、保持部531のフランジ部5314は、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の内側510の面と当たる。また、カバー部5312が有する、バッテリ17を覆う第2部分5312bは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の内側510に位置する。したがって、バッテリ17は、衣服2の内側510に位置する。
次に、固定部530のフランジ部530cが衣服2の周縁部5の外側500の面と当たるように、固定部530が衣服2の外側500から保持部531に取り付けられる。具体的には、フランジ部530cが周縁部5の外側500の面と当たりつつ、保持部531の中間筒状部5313の前側部分5313aの雄ネジ部5313aaに固定部530の雌ネジ部530bbが螺合するように、固定部530が保持部531の前側部分5310に取り付けられる。そして、衣服2の外側500から見て時計周りに固定部530が締め込まれることによって、固定部530のフランジ部530cと、保持部531のフランジ部5314とが、衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、ファン10Eが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Eの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口530aa及び排気口5323を通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Eが衣服2から取り外される場合には、衣服2の外側500から見て反時計周りに固定部530が回転させられて、固定部530が保持部531から取り外される。そして、保持部531の中間筒状部5313の前側部分5313aが取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、第1の構造例と同様に、バッテリ17がハウジング53内に位置することから、バッテリ17から延びる配線を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Eの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリとファン本体とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Eを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、操作部163は、ハウジング53における吸気側から視認可能な領域から露出している。具体的には、操作部163は、前側から、固定部530の開口部530abを通じて視認可能となっている。よって、操作部163は、衣服2の外側500から操作可能である。これにより、ユーザは操作部163を操作しやすくなる。
また、本例では、表示部162は、ハウジング53における吸気側から視認可能な領域から露出している。具体的には、表示部162は、前側から、固定部530の開口部530abを通じて視認可能となっている。よって、表示部162の表示は、衣服2の外側500から視認可能である。これにより、ユーザは表示部162の表示を確認し易くなる。
また、本例では、ファン10Eを吸気側から見た場合、図23に示されるように、操作部163が、ハウジング53のフランジ部530cの外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、操作部163は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、図23に示されるように、表示部162が、ハウジング53のフランジ部530cの外形の内側に位置する。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10Dを吸気側から見た場合、表示部162は羽根部14と重なっている。これにより、吸気側から見た場合のファン10Dの大きさを小さくすることができる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、図27に示されるように、操作部163が吸気部530aよりも排気側(言い換えば後ろ側)に位置する。これにより、上述のファン10Dと比べて、吸気部530aが備える複数の吸気口530aaの総面積を大きくすることができる。よって、ファン10Dの性能が向上する。
また、本例では、図27に示されるように、表示部162が吸気部530aよりも排気側に位置する。これにより、上述のファン10Dと比べて、吸気部530aが備える複数の吸気口530aaの総面積を大きくすることができる。よって、ファン10Dの性能が向上する。
また、本例では、羽根部14等を保持した保持部531は、衣服2の内側510から衣服2に取り付けられる。そして、固定部530は、衣服2の外側500から保持部531に取り付けられる。したがって、ユーザは、固定部530を衣服2の外側から保持部531に取り付けることができる。よって、ユーザは、衣服2を着用した状態であっても、ファン10Eを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、固定部530は、保持部531に取り付けられた場合、羽根部14の前側の面を覆っている。したがって、固定部530を保持部531から外すことによって、羽根部14の前側の面が、ハウジング53を構成する部材によって覆われなくなる。よって、羽根部14の清掃が容易となる。
また、本例では、羽根部14の後ろ側の面を覆うカバー部5320は着脱可能となっている。したがって、カバー部5320を取り外すことによって、羽根部14の後ろ側の面が、ハウジング53を構成する部材によって覆われなくなる。よって、羽根部14の清掃が容易となる。
また、本例では、ファン10Eを吸気側から見た場合、カバー部5312で覆われたバッテリ17が、吸気部530aの外側に位置する。これにより、バッテリ17がファン10Eの吸気の障害となる可能性を低減することができる。よって、ファン10Eの性能が向上する。
<第6の構造例>
図28は本例に係るファン10(ファン10Fと呼ぶことがある)の内部の構造の一例を示す図である。図28には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Fが示されている。図28に示されるように、ファン10Fは、本体部62と、上述の固定部材11と、バッテリ装置65と、バッテリ装置65を本体部62に取り付けるための取付部66と、止め輪67と、バッテリ装置65と本体部62とを電気的に接続するためのケーブル68とを備える。本体部62には、取付部66及び止め輪67が利用されてバッテリ装置65が固定される。本体部62は、ハウジング63と、上述の羽根部14及びモータ15と、ケーブル68が接続されるコネクタ64とを備える。モータ15から延びるリード線19はコネクタ64に接続されている。図29は本体部62を斜め後ろ側から見た場合の本体部62の構造の一例を示す斜視図である。図30はハウジング63を後ろ側から見た場合のハウジング63の構造の一例を示す平面図である。図31はバッテリ装置65及び取付部66を前側から見た場合のバッテリ装置65及び取付部66の構造の一例を示す平面図である。なお、図28では、図29及び図30と比較して、本体部62の形状を簡略化して示している。
前側部分630は、前面部630aと、筒状部630bと、フランジ部630cとを備える。前面部630aには、その中央部を避けて、複数の吸気口630aaが設けられている。前面部630aは吸気部であるとも言える。筒状部630bは、前面部630aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から後ろ側に突出するように当該周縁に設けられている。筒状部630bの外周面には、固定部材11の雌ネジ部110aと螺合する雄ネジ部630bbが形成されている。フランジ部630cは、前面部630aを取り囲むように前面部630aの周縁に設けられている。フランジ部630cは、前面部630aの周縁から前面部630aの径方向に突出している。前面部630aを前側から見た様子は、上述のファン10Cの前側部分330を前側から見た様子と似ている(図13参照)。
後ろ側部分631は、背面部631a及び筒状部631bを備える。筒状部631bは、背面部631aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側へ突出するように当該周縁に設けられている。背面部631a及び筒状部631bには複数の排気口631cが設けられている。背面部631aの外側の面の中央部には、第1凹部631aaが設けられている。第1凹部631aaにはモータ15が固定される。背面部631aの内側の面には、第1凹部631aaに応じた凸部631abが設けられている。羽根部14の筒状の連結部141は凸部631abを覆っている。第1凹部631aa内のモータ15の回転軸150は凸部631abの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。
背面部631aの外側の面にはコネクタ64が固定される。コネクタ64の大部分はモータ15よりも下側に位置する。背面部631aの外側の面における、コネクタ64の下側の部分には第2凹部631acが設けられている。第2凹部631acは、下側に延びて、背面部631aの周縁まで達している。
ケーブル68は、その一方の端部にコネクタ68aを備える。コネクタ68aは、本体部62のコネクタ64に対して着脱可能である。コネクタ64におけるコネクタ68aの接続口は下側を向いている。したがって、ケーブル68のコネクタ68aは、本体部62のコネクタ64に対して下側から接続される。コネクタ64の下側に第2凹部631acが存在することから、コネクタ64に対して下側からコネクタ68aを接続しやすくなる。
前側部分630の筒状部630bと、後ろ側部分631の筒状部631bとは、互いに接続されており、ハウジング63全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)635を構成している。羽根部14が回転すると、吸気口630aaから空気がハウジング63内に取り入れられて、ハウジング63内に取り入れられた空気は、排気口631cからハウジング63の外側に排気される。
カバー部632は、第1凹部631aa及びコネクタ64を覆うように、後ろ側部分631の背面部631aに取り付けられている。これにより、第1凹部631aa内のモータ15がカバー部632で覆われる。
バッテリ装置65は、ハウジング650と、ハウジング650に収容された上述の回路基板16及びバッテリ17とを備える。ハウジング650は略直方体を成している。ハウジング650は、互いに対向する一対の主面650a及び650bと、主面650a及び650bを取り囲むようにして主面650a及び650bの周縁に接続された側面650cとを備える。図31に示されるように、ハウジング650内の回路基板16の表示部162が備える発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162afは、主面650aから露出している。また、ハウジング650内の回路基板16の操作部163が備える操作ボタン163aは、主面650aから露出している。バッテリ装置65は、表示部162及び操作部163を備える。
ケーブル68における、コネクタ68a側とは反対側の端部は、ハウジング650内で固定されている。ケーブル68における、コネクタ68a側とは反対側の端部は、ハウジング650内の回路基板16の制御部161に接続されている。ケーブル68は、ハウジング650の上側の面650caからハウジング650の外側に取り出されて、本体部62のコネクタ64に接続されている。制御部161が出力する、モータ15を制御するための制御信号は、ケーブル68、本体部62のコネクタ64及びリード線19を通じてモータ15に供給される。
取付部66は、リング状を成しており、開口66aを有する。取付部66は、ハウジング650の側面650cのうちの上側の面650caに接続されている。具体的には、取付部66は、上側の面650caの主面650b側の端部に接続されている。取付部66は、その形状が成す円形が、主面650a及び650bと平行を成すように、ハウジング650に取り付けられている。
以上のような構成を備えるファン10Fが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、本体部62のハウジング63が、衣服2の外側500から取り付け穴4に挿入される。このとき、ハウジング63は、後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される。ハウジング63が後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される場合には、前側部分630のフランジ部630cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の外側500の面と当たる。
次に、固定部材11のフランジ部111が衣服2の周縁部5の内側510の面と当たるように、固定部材11が、衣服2の内側510から、ハウジング63に取り付けられる。具体的には、フランジ部111が周縁部5の内側510の面と当たりつつ、衣服2の内側510に突出している筒状部630bの外周面の雄ネジ部630bbに固定部材11の取付部110の内周面の雌ネジ部110aが螺合するように、固定部材11が前側部分630に取り付けられる。そして、衣服2の内側510から見て時計周りに固定部材11が締め込まれることによって、前側部分630のフランジ部630cと、固定部材11のフランジ部111とが、衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、本体部62が衣服2に固定される。
次に、バッテリ装置65のハウジング650が下側にされ、かつハウジング650の主面650aが後ろ側に向けられた状態で、取付部66の開口66aが、衣服2の内側510から本体部62に近づけられる。そして、開口66aが本体部62に近づけられて、開口66aに、本体部62の固定部材11の取付部110が通される。このとき、固定部材11のフランジ部111は開口66aを通らずに、取付部66の周端部に当たる。開口66aに固定部材11の取付部110が通されると、バッテリ装置65は本体部62から吊り下げられた状態となる。取付部66は、バッテリ装置65を本体部62から吊り下げるための吊り下げ部とも言える。
次に、止め輪67が衣服2の内側510から本体部62に近づけられて、止め輪67に固定部材11の取付部110が通される。本例では、固定部材11の取付部110の外周面に、止め輪67が嵌合する溝が形成されている。止め輪67に固定部材11の取付部110が通されると、取付部110の外周面の溝に止め輪67が嵌められる。これにより、取付部66が、前側のフランジ部111と後ろ側の止め輪67とで挟まれて、取付部661が本体部62に固定される。つまり、バッテリ装置65が本体部62に固定される。最後に、ケーブル68のコネクタ68aが、本体部62のコネクタ64に接続されると、衣服2へのファン10Fの取り付けが完了する。衣服2に取り付けられたファン10Fの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口630aa及び排気口631cを通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Fが衣服2から取り外される場合には、まず、ケーブル68のコネクタ68aが本体部62のコネクタ64から取り外される。次に、止め輪67が固定部材11から取り外される。次に、取付部66が固定部材11から取り外される。次に、衣服2の内側510から見て反時計周りに固定部材11が回転させられて、固定部材11がハウジング63から取り外される。そして、ハウジング63が取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、バッテリ装置65が、本体部62の周囲に位置するように本体部62に固定されていることから、バッテリ装置65と本体部62を接続するケーブル68を短くすることができる。よって、ケーブル68が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Fの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、ケーブル68を短くすることができることから、ファン10Fを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
<第7の構造例>
図32は本例に係るファン10(ファン10Gと呼ぶことがある)の内部の構造の一例を示す図である。図32には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Gが示されている。図32に示されるように、ファン10Gは、上述の本体部62、固定部材11、バッテリ装置65、取付部66及びケーブル68を備える。ただし、ファン10Gの取付部66の開口66aは、ファン10Fの取付部66の開口66aよりも少し小さくなっている。また、ファン10Gの取付部66は、ハウジング650の上側の面650caから上側にまっすぐに少し延びた後、主面650b側に傾斜し、その後、上側にまっすぐ延びている。ファン10Gは、上述の止め輪67を備えていない。
ファン10Gが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、本体部62のハウジング63が、衣服2の外側500から取り付け穴4に挿入される。このとき、ハウジング63は、後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される。ハウジング63が後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される場合には、前側部分630のフランジ部630cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の外側500の面に当たる。
次に、バッテリ装置65のハウジング650の主面650aが後ろ側に向けられた状態で、取付部66の開口66aが、衣服2の内側510からハウジング63に近づけられる。そして、開口66aにハウジング63の前側部分630が通されて、取付部66の周縁部が、衣服2の周縁部5の内側の面に当たる。
次に、固定部材11のフランジ部111が、取付部66の周縁部と当たるように、固定部材11が、衣服2の内側510から、ハウジング63に取り付けられる。具体的には、フランジ部111が取付部66の周縁部に当たりつつ、衣服2の内側510に突出している筒状部630bの外周面の雄ネジ部630bbに固定部材11の取付部110の内周面の雌ネジ部110aが螺合するように、固定部材11が前側部分630に取り付けられる。そして、衣服2の内側510から見て時計周りに固定部材11が締め込まれることによって、前側部分630のフランジ部630cと、固定部材11のフランジ部111とが、取付部66の周縁部及び衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、バッテリ装置65が本体部62に固定される。最後に、ケーブル68のコネクタ68aが、本体部62のコネクタ64に接続されると、衣服2へのファン10Gの取り付けが完了する。
一方で、ファン10Gが衣服2から取り外される場合には、まず、ケーブル68のコネクタ68aが本体部62のコネクタ64から取り外される。次に、衣服2の内側510から見て反時計周りに固定部材11が回転させられて、固定部材11がハウジング63から取り外される。次に、取付部66が固定部材11から取り外される。最後に、ハウジング63が取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、バッテリ装置65が、本体部62の周囲に位置するように本体部62に固定されていることから、バッテリ装置65と本体部62を接続するケーブル68を短くすることができる。よって、ケーブル68が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Gの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、ケーブル68を短くすることができることから、ファン10Gを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、止め輪67が不要であることから、ファン10Gの構成が簡素化される。
また、本例では、固定部材11とハウジング63とが、取付部66の周縁部を狭持することによって、バッテリ装置65がハウジング63に固定されることから、止め輪67を利用する場合と比較して、バッテリ装置65をハウジング63に簡単に固定することができる。
<第8の構造例>
図33は本例に係るファン10(ファン10Hと呼ぶことがある)の内部の構造の一例を示す図である。図33には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Hが示されている。図34はファン10Hを後ろ側から見た様子を示す図である。
図33及び34に示されるように、ファン10Hは、上述の本体部62及びケーブル68を備える。ただし、本体部62のハウジング63が備える後ろ側部分631の背面部631aの外側の面には第2凹部631acが設けられていない。また、本体部62はコネクタ64を備えていない。また、ケーブル68はコネクタ68aを備えていない。ケーブル68の本体部62側の端部は本体部62に固定されている。具体的には、ケーブル68の本体部62側の端部は、ハウジング63の後ろ側部分631が備える背面部631aの外側の面に固定されている。そして、当該端部には、モータ15から延びるリード線19が接続されている。
ファン10Hは、本体部62及びケーブル68以外にも、上述の固定部材11及びバッテリ装置65と、バッテリ装置65を本体部62に取り付ける取付部76とを備える。取付部76は、ハウジング650と本体部62とを接続するための一対の棒状の接続部760を備える。各接続部760の一方の端部760a及び他方の端部760bは、それぞれ、本体部62及びバッテリ装置65のハウジング650に接続されている。接続部760の端部760aは、本体部62のハウジング63が備える後ろ側部分631の筒状部631bに対して、回動可能に接続されている。接続部760の端部760bはハウジング650の上側の面650caに固定されている。取付部76は、各接続部760の端部760aを起点として、接続部760の長さ方向及びファン10Hの前後方向に垂直な方向(図34の紙面左右方向)の周りに回動可能である。取付部76と、それが接続されたバッテリ装置65とは、一体となって回動する。バッテリ装置65は、回動することによって、図33に示されるように、本体部62の下側に位置する第1状態と、本体部62の後ろ側に位置する第2状態とをとることができる。
ファン10Hが衣服2に取り付けられ、取付部76及びバッテリ装置65に重力以外の力が外側から加えられていない場合には、バッテリ装置65は、取付部76によって本体部62から吊り下げられ、第1状態となる。バッテリ装置65が第1状態の場合に、ユーザがバッテリ装置65を後ろ斜め上方に持ち上げると、バッテリ装置65は第2状態となる。
以上のような構成を備えるファン10Hが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、本体部62から吊り下げられたバッテリ装置65が持ち上げられて、バッテリ装置65が第1状態から第2状態に変化させられる。
次に、第2状態のバッテリ装置65と、それに接続された取付部75と、本体部62のハウジング63とが、衣服2の外側500から取り付け穴4に挿入される。このとき、ハウジング63は、後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される。ハウジング63が後ろ側部分631側から取り付け穴4に挿入される場合には、前側部分630のフランジ部630cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の外側500の面と当たる。
次に、バッテリ装置65が第2状態にされた状態で、固定部材11の取付部110の開口が、衣服2の内側510から、本体部62の後方のバッテリ装置65に近づけられる。そして、固定部材11の取付部110の開口に、バッテリ装置65、取付部75及び本体部62のハウジング63が順次通される。そして、固定部材11のフランジ部111が衣服2の周縁部5の内側510の面と当たりつつ、衣服2の内側510に突出している筒状部630bの外周面の雄ネジ部630bbに固定部材11の取付部110の内周面の雌ネジ部110aが螺合するように、固定部材11が前側部分630に取り付けられる。そして、衣服2の内側510から見て時計周りに固定部材11が締め込まれることによって、前側部分630のフランジ部630cと、固定部材11のフランジ部111とが、衣服2の周縁部5を狭持する。その後、バッテリ装置65が第1状態にされて、ファン10Hの衣服2への取り付けが完了する。
このように、本例では、バッテリ装置65が、本体部62の周囲に位置するように本体部62に取り付けられることから、バッテリ装置65と本体部62を接続するケーブル68を短くすることができる。よって、ケーブル68が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Hの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、ケーブル68を短くすることができることから、ファン10Hを衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
また、本例では、ファン10Hを衣服2に取り付ける場合に、ケーブル68を本体部62に接続する必要がないことから、ファン10Hを衣服2に取り付けやすくなる。また、ファン10Hを衣服2から取り外す場合に、ケーブル68を本体部62から取り外す必要がないことから、ファン10Hを衣服2から取り外しやすくなる。
<第9の構造例>
図35は本例に係るファン10(ファン10Iと呼ぶことがある)の内部の構造の一例を示す図である。図35には、衣服2に取り付けられた状態のファン10Iが示されている。図35に示されるように、ファン10Iは、本体部72と、バッテリ装置65と、バッテリ装置65を保持する保持部74とを備える。本体部72は、ハウジング73と、上述の羽根部14及びモータ15とを備える。羽根部14及びモータ15はハウジング73に収容されている。
ハウジング73は例えば樹脂で構成されている。ハウジング73は、上述のファン10Cが備える前側部分330(言い換えれば、固定部330)と、後ろ側部分731と、カバー部732とを備える。後ろ側部分731には、羽根部14及びモータ15が固定される。後ろ側部分731は、羽根部14及びモータ15を保持する保持部であると言える。前側部分330は後ろ側部分731対して着脱可能である。前側部分330は、羽根部14等を保持する後ろ側部分731を衣服2に固定するための固定部として機能する。以後、後ろ側部分731を保持部731と呼ぶことがある。
保持部731の外形は、後ろ側から見た場合、略円形を成している。保持部731は、背面部731aと、筒状部731bと、フランジ部731cとを備える。筒状部731bは、背面部731aの周縁を取り囲みつつ、当該周縁から前側に突出するように当該周縁に設けられている。背面部731a及び筒状部731bには、複数の排気口731dが設けられている。筒状部731bの内周面には、固定部330の雄ネジ部330bbと螺合する雌ネジ部731bbが形成されている。固定部330の筒状部330bと、保持部731の筒状部731bとは、雄ネジ部330bbと雌ネジ部731bbが螺合することによって互いに接続され、ハウジング73全体の筒状の周壁部(言い換えれば側面部)735を構成する。羽根部14が回転すると、吸気口330aaから空気がハウジング73内に取り入れられて、ハウジング73内に取り入れられた空気は、排気口731dからハウジング73の外側に排気される。
フランジ部731cは、筒状部731bを取り囲むように筒状部731bの外周面に設けられている。フランジ部731cは、筒状部731bの外周面から筒状部731bの径方向に突出している。フランジ部731cは、筒状部731bの前側の端よりも少しだけ後ろ側に位置する。よって、筒状部731bの前側の端部731baにはフランジ部731cが設けられていない。
保持部731の背面部731aの外側の面の中央部には、凹部731aaが設けられている。凹部731aaにはモータ15が固定される。背面部731aの内側の面には、凹部731aaに応じた凸部731abが設けられている。羽根部14の筒状の連結部141は凸部731abを覆っている。凹部731aa内のモータ15の回転軸150は凸部731abの外側まで延びて羽根部14の連結部141に接続されている。
カバー部732は、保持部731の背面部731aの凹部731aaを塞ぐように、背面部731aに取り付けられている。これにより、凹部731aa内のモータ15がカバー部732で覆われる。
バッテリ装置65を保持する保持部74は、ハウジング73と一体成形されている。保持部74は、バッテリ装置65をハウジング73に固定する固定部として機能する。保持部74は、バッテリ装置65のハウジング650の上側の面650caを覆う第1部分741と、ハウジング650の後ろ側の主面650aを覆う第2部分742と、ハウジング650の前側の主面650bを覆う第3部分743とを備える。第1部分741は、保持部731の筒状部731bの下側の部分に接続されている。第2部分742は、第1部分741から下側に延びて、ハウジング650の側面650cの湾曲した下側の面650cbまで到達し、下側の面650cbの一部を覆う。同様に、第3部分743は、第1部分741から下側に延びて下側の面650cbまで到達し、下側の面650cbの一部を覆う。第2部分742には開口部が設けられている。ハウジング650の主面650aから露出する発光部162aa,162ab,162ac,162ad,162ae,162af及び操作ボタン163aは、第2部分742の開口部を通じて、衣服2の内側510から視認可能となっている。
モータ15から下側に延びるリード線19は、ハウジング73内を通って、保持部74で保持されているハウジング650の上側の面650caまで到達し、さらに、上側の面650caからハウジング650内に入って、ハウジング650内の回路基板16に接続されている。
以上のような構成を備えるファン10Iが、衣服2の取り付け穴4に取り付けられる場合には、まず、ハウジング73の保持部731が備える筒状部731bの前側の端部731baが、衣服2の内側510から取り付け穴4に挿入される。このとき、保持部731のフランジ部731cは、取り付け穴4を通らずに、衣服2の取り付け穴4の周縁部5の内側510の面と当たる。また、保持部74は取り付け穴4を通らずに、衣服2の内側510に位置する。
次に、固定部330のフランジ部330cが衣服2の周縁部5の外側500の面と当たるように、固定部330が衣服2の外側500から保持部731に取り付けられる。具体的には、フランジ部330cが周縁部5の外側500の面と当たりつつ、保持部731の筒状部731bの雌ネジ部731bbに固定部330の筒状部330bの雄ネジ部330bbが螺合するように、固定部330が保持部731に取り付けられる。そして、衣服2の外側500から見て時計周りに固定部330が締め込まれることによって、固定部330のフランジ部330cと、保持部731のフランジ部731cとが、衣服2の周縁部5を狭持する。これにより、ファン10Iが衣服2に固定される。衣服2に固定されたファン10Iの羽根部14が回転すると、衣服2の外側500の空気が吸気口330aa及び排気口731dを通じて、衣服2の内側510に取り入れられる。
一方で、ファン10Iが衣服2から取り外される場合には、衣服2の外側500から見て反時計周りに固定部330が回転させられて、固定部330が保持部731から取り外される。そして、保持部731の筒状部731bの前側の端部731baが取り付け穴4から取り出される。
このように、本例では、バッテリ装置65が、ハウジング73の周囲に位置するように本体部72に固定されていることから、バッテリ装置65と本体部72と接続する配線(本例ではリード線19)を短くすることができる。よって、当該配線が破損する可能性を低減することができる。その結果、ファン10Iの動作不良が発生する可能性を低減することができる。
また、本例では、バッテリ装置65と本体部72とを接続するためのケーブルが不要となることから、ファン10Iが衣服2に取り付けやすくなる。
また、本例では、ファン10ごとに操作部163が設けられていることから、ユーザは、各ファン10の制御を個別に行うことができる。
また、本例では、バッテリ17は衣服2の内側510に位置することから、バッテリ17が破損する可能性を低減することができる。
以上の説明では、ファン10の様々な構造例について言及した。以下では、ファン10の様々な動作例について説明する。以下に説明するファン10の動作例については、上述のファン10A〜10Iのそれぞれについて適用することが可能である。
<第1の動作例>
本例に係るファン10は、他の装置と無線通信を行うことが可能である。図36は本例に係る回路基板16(回路基板16Aと呼ぶことがある)の構成の一例を示す図である。図36に示されるように、回路基板16Aは、基板160に設けられた無線通信部165を備える。無線通信部165は無線通信回路とも言える。無線通信部165はアンテナ165aを備えている。無線通信部165はアンテナ165aを用いてファン10の外部の装置と無線通信することが可能である。無線通信部165は制御部161によって制御される。本例では、ファン10が電源オフ状態であっても電源オン状態であっても、無線通信部165は動作する。アンテナ165aは、基板160ではなく、他の部分に設けられてもよい。アンテナ165aは、例えば、ファン10が備えるハウジングに設けられてもよい。以後、無線通信部165が通信することが可能な装置を外部装置と呼ぶことがある。
無線通信部165は、少なくとも一種類の無線通信規格に準拠して外部装置と無線通信することが可能である。無線通信部165が準拠する無線通信規格には、例えば近距離無線通信規格が含まれる、例えば、無線通信部165が準拠する無線通信規格には、Bluetooth(登録商標)が含まれもよいし、ZigBee(登録商標)が含まれもよいし、NFC(Near Field Communication)が含まれもよい。また、無線通信部165が準拠する無線通信規格には、WiFi等の、無線LAN(Local Area Network)に対応する規格が含まれてもよい。また、無線通信部165が準拠する無線通信規格には、LPWA(Low Power Wide Area Network)に対応する規格が含まれもよい。例えば、無線通信部165が準拠する無線通信規格には、SIGFOXが含まれもよいし、LoRaWANが含まれもよいし、NB−IoTが含まれもよい。以下では、無線通信部165がBluetoothに準拠して外部装置と通信する場合を例に挙げてファン10の動作について説明する。
ファン10が無線通信することが可能な外部装置には様々な装置が含まれる。ファン10が無線通信することが可能な外部装置には、例えば、他のファン10、携帯型電子機器及び電動機械が含まれる。ファン10Aが無線通信することが可能な携帯型電子機器には、スマートフォン等の携帯電話機、タブレット端末、ノート型のパーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器等が含まれる。ファン10Aが無線通信することが可能なウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型等の腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型等の頭に装着するタイプであってもよいし、服型等の体に装着するタイプであってもよい。
一例として、複数のファン10が、Bluetoothに準拠して互いに無線通信を行う場合の各ファン10の動作について説明する。例えば、同じ衣服2に取り付けられる複数のファン10は互いにペアリングされる。これにより、同じ衣服2に取り付けられる複数のファン10は、それぞれが電源オン状態のとき、互いに無線通信することが可能となる。以後、特に断らない限り、複数のファン10と言えば、ペアリングされた複数のファン10を意味する。また、複数のファン10のうち、注目する一つのファン10を対象ファン10と呼ぶことがある。
電源オン状態の対象ファン10の操作ボタン163aに対して短押し操作されると、対象ファン10の制御部161は、モータ15の回転数を制御することでファン10Aの風量を変更し、変更後の風量を示す風量情報を生成する。無線通信部165は制御部161で生成された風量情報を、複数のファン10のうち対象ファン10以外のファン10に送信する。電源オン状態のファン10では、無線通信部165が風量情報を受信すると、制御部161は、モータ15を制御して、当該ファン10の風量を、受信された風量情報が示す風量に設定する。これにより、複数のファン10のうちの一つのファン10の操作ボタン163aが短押し操作されることによって、複数のファン10の風量が同じに設定される。
また、電源オン状態の対象ファン10の操作ボタン163aに対して長押し操作されると、対象ファン10の制御部161は、対象ファン10を電源オフ状態にする前に、他のファン10に対して電源オフ状態にすることを指示する電源オフ信号を生成してもよい。この場合、対象ファン10が電源オフ状態になる前に、対象ファン10の無線通信部165は電源オフ信号を、複数のファン10のうち対象ファン10以外のファン10に送信する。電源オン状態のファン10では、無線通信部165が電源オフ信号を受信すると、制御部161は、ファン10を電源オフ状態にする。これにより、複数のファン10のうちの一つのファン10の操作ボタン163aが長押し操作されることによって、複数のファン10のすべてが電源オフ状態となる。
また、電源オフ状態の対象ファン10の操作ボタン163aに対して長押し操作されると、対象ファン10の制御部161は、対象ファン10を電源オン状態にするとともに、他のファン10に対して電源オン状態にすることを指示する電源オン信号を生成してもよい。この場合、対象ファン10の無線通信部165は電源オン信号を、複数のファン10のうち対象ファン10以外のファン10に送信する。電源オフ状態のファン10では、無線通信部165が電源オン信号を受信すると、制御部161は、ファン10を電源オン状態にする。これにより、複数のファン10のうちの一つのファン10の操作ボタン163aが長押し操作されることによって、複数のファン10のすべてが電源オン状態となる。
他の例として、ファン10が携帯電話機等の携帯型電子機器と無線通信を行う場合のファン10及び携帯型電子機器の動作について説明する。図37は携帯型電子機器800の構成の一例を示す図である。図37に示されるように、携帯型電子機器800は、制御部801、無線通信部802、表示部803、タッチパネル804及びセンサ805を備える。
制御部801は、携帯型電子機器800の他の構成要素を制御することによって、携帯型電子機器800の動作を統括的に管理することが可能である。制御部801は制御回路とも言える。制御部801は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。上述のファン10の制御部161が備える少なくとも一つのプロセッサに関する説明は、制御部801が備える少なくとも一つのプロセッサについても適用することができる。なお、制御部801の全ての機能あるいは制御部801の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
無線通信部802は、携帯型電子機器800外部の装置と無線通信することが可能である。無線通信部802は無線通信回路とも言える。無線通信部802は、少なくとも一種類の無線通信規格に準拠して外部装置と無線通信することが可能である。無線通信部802が準拠する無線通信規格には、例えば近距離無線通信規格が含まれる、例えば、無線通信部802が準拠する無線通信規格には、Bluetoothが含まれもよいし、ZigBeeが含まれもよいし、NFCが含まれもよい。また、無線通信部802が準拠する無線通信規格には、無線LANに対応する規格が含まれてもよい。また、無線通信部802が準拠する無線通信規格には、LPWAに対応する規格が含まれもよい。例えば、無線通信部802が準拠する無線通信規格には、SIGFOXが含まれもよいし、LoRaWANが含まれもよいし、NB−IoTが含まれもよい。
表示部803は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイである。表示部803は、制御部801によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示面803aに表示することが可能である。
タッチパネル804は、表示面803aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル804は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。ユーザが指等の操作子によって、表示面803aに対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル804は制御部801に入力することが可能である。制御部801は、タッチパネル804からの電気信号に基づいて、表示面803aに対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部801は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
センサ805は、例えば、加速度センサを備える。センサ805は、加速度センサ以外のセンサを備えてもよい。例えば、センサ805は、近接センサ、ジャイロセンサ、指紋センサ、温度センサ、気圧センサ、位置検出センサ及び地磁気センサの少なくとも一つのセンサを備えてもよい。
携帯型電子機器800の構成は上記の例に限られない。携帯型電子機器800は、例えば、スピーカ及びマイクを備えてもよい。また、携帯型電子機器800は、LED等の発光部を備えてもよい。
ファン10と携帯型電子機器800とがペアリングされると、ファン10と携帯型電子機器800は、Bluetoothに準拠して互いに無線通信を行うことが可能となる。携帯型電子機器800は、ファン10と無線通信を行うことによって、ファン10の動作を制御してもよい。
例えば、携帯型電子機器800の制御部801は、タッチパネル804が、表示面803aに対する所定の操作を検出すると、ファン10を電源オン状態にするための画面810を表示部803に表示させる。図38は、表示面803aに表示される画面810の一例を示す図である。
図38に示されるように、画面810には、第1操作ボタン811と、第2操作ボタン812とが示される。タッチパネル804が第1操作ボタン811に対する操作を検出すると、制御部801は、ファン10に対して電源オン状態にすることを指示する電源オン信号を生成する。一方で、タッチパネル804が第2操作ボタン812に対する操作を検出すると、制御部801は電源オン信号を生成しない。制御部801が電源オン信号を生成すると、無線通信部802は生成された電源オン信号をファン10に送信する。電源オフ状態のファン10では、無線通信部165が電源オン信号を受信すると、制御部161は、ファン10を電源オン状態にする。
このように、携帯型電子機器800のユーザは、表示面803aに対して所定の操作を行うことによって、ファン10を電源オン状態にすることができる。
また、携帯型電子機器800の制御部801は、タッチパネル804が、表示面803aに対する所定の操作を検出すると、ファン10を電源オフ状態にするための画面820を表示部803に表示させてもよい。図39は、表示面803aに表示される画面820の一例を示す図である。
図39に示されるように、画面820には、第1操作ボタン821と、第2操作ボタン822とが示される。タッチパネル804が第1操作ボタン821に対する操作を検出すると、制御部801は、ファン10に対して電源オフ状態にすることを指示する電源オフ信号を生成する。一方で、タッチパネル804が第2操作ボタン822に対する操作を検出すると、制御部801は電源オフ信号を生成しない。制御部801が電源オフ信号を生成すると、無線通信部802は生成された電源オフ信号をファン10に送信する。電源オン状態のファン10では、無線通信部165が電源オフ信号を受信すると、制御部161は、ファン10を電源オフ状態にする。
このように、携帯型電子機器800のユーザは、表示面803aに対して所定の操作を行うことによって、ファン10を電源オフ状態にすることができる。
また、携帯型電子機器800は、ファン10と無線通信を行うことによって、ファン10の風量を設定してもよい。例えば、タッチパネル804が表示面803aに対する所定の操作を検出すると、制御部801は、ファン10の風量を設定するための画面830を表示部803に表示させる。図40は、表示面803aに表示される画面830の一例を示す図である。
図40に示されるように、画面830には、第1操作ボタン831と、第2操作ボタン832と、第3操作ボタン833とが示される。タッチパネル804が第1操作ボタン831に対する操作を検出すると、制御部801は、ファン10に対して風量を「大」に設定することを指示する第1風量信号を生成する。制御部801で生成された第1風量信号は無線通信部802からファン10に送信される。また、タッチパネル804が第2操作ボタン832に対する操作を検出すると、制御部801は、ファン10に対して風量を「中」に設定することを指示する第2風量信号を生成する。制御部801で生成された第2風量信号は無線通信部802からファン10に送信される。そして、タッチパネル804が第3操作ボタン833に対する操作を検出すると、制御部801は、ファン10に対して風量を「小」に設定することを指示する第3風量信号を生成する。制御部801で生成された第3風量信号は無線通信部802からファン10に送信される。
電源オン状態のファン10では、無線通信部165が第1風量信号を受信すると、制御部161は、モータ15を制御して、ファン10の風量を「大」に設定する。また、無線通信部165が第2風量信号を受信すると、制御部161は、モータ15を制御して、ファン10の風量を「中」に設定する。そして、無線通信部165が第3風量信号を受信すると、制御部161は、モータ15を制御して、ファン10の風量を「小」に設定する。
このように、携帯型電子機器800のユーザは、表示面803aに対して所定の操作を行うことによって、ファン10の風量を設定することができる。
また、ファン10は、自身に関する情報をファン情報として携帯型電子機器800に送信してもよい。この場合、ファン10が電源オン状態の場合、制御部161がファン情報を生成する。そして、無線通信部165がファン情報を携帯型電子機器800に送信する。携帯型電子機器800では、無線通信部802がファン情報を受信すると、制御部801は、受信されたファン情報を、例えば表示部803に表示させる。
ファン情報には、例えば、ファン10のバッテリ17の残量が含まれてもよい。また、ファン情報には、ファン10の連続作動時間が含まれてもよい。連続作動時間は、ファン10の羽根部14が連続して回転している時間を意味する。言い換えれば、連続作動時間は、ファン10のモータ15が連続して回転している時間を意味する。また、ファン情報には、残りの作動可能時間が含まれてもよい。残りの作動可能時間は、ファン10の羽根部14が現在から引き続き連続して回転することが可能な時間を意味する。言い換えれば、残りの作動可能時間は、ファン10のモータ15が現在から引き続き連続して回転することが可能な時間を意味する。ファン10の制御部161は、バッテリ17の残量に基づいて、残りの作動可能時間を求めることができる。
図41は、携帯型電子機器800の表示部803がファン情報を表示する場合に表示面803aに表示される画面840の一例を示す図である。画面840にはファン情報が示されている。具体的には、画面840には、バッテリ17の残量を示す第1情報841と、連続作動時間を示す第2情報842と、残りの作動可能時間を示す第3情報843とが示されている。
なお、ファン情報には、他の情報が含まれてもよい。ファン情報には、例えば、ファン10の現在の風量が含まれてもよい。
他の例として、ファン10が電動機械と無線通信を行う場合のファン10及び電動機械の動作について説明する。図42は電動機械850の電気的な構成の一例を示す図である。電動機械850は、例えば、それが使用されているときに粉塵が多く発生する電動機械である。例えば、電動機械850は、それが使用されているときに粉塵が多く発生する電動工具、チェンソー、ヘッジトリマあるいは刈払機である。それが使用されているときに粉塵が多く発生する電動工具には、例えば、ディスクグラインダ、丸鋸及びスチールカッタが含まれる。
図42に示されるように、電動機械850は、制御部851、無線通信部852及びモータ853を備える。モータ853は、電動機械850の可動部を動作させる。電動機械850の可動部は、例えば、砥石、チップソーあるいはブレードである。
制御部851は、電動機械850の他の構成要素を制御することによって、電動機械850の動作を統括的に管理することが可能である。制御部851は制御回路とも言える。制御部851は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。ファン10の制御部161が備える少なくとも一つのプロセッサについての上記の説明は、電動機械850の制御部851が備える少なくとも一つのプロセッサについても適用することができる。なお、制御部851の全ての機能あるいは制御部851の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
無線通信部852は、電動機械8500外部の装置と無線通信することが可能である。無線通信部852は無線通信回路とも言える。無線通信部852は、少なくとも一種類の無線通信規格に準拠して外部装置と無線通信することが可能である。無線通信部852が準拠する無線通信規格には、例えば近距離無線通信規格が含まれる、例えば、無線通信部802が準拠する無線通信規格には、Bluetoothが含まれもよいし、ZigBeeが含まれもよいし、NFCが含まれもよい。また、無線通信部852が準拠する無線通信規格には、無線LANに対応する規格が含まれてもよい。また、無線通信部852が準拠する無線通信規格には、LPWAに対応する規格が含まれもよい。例えば、無線通信部852が準拠する無線通信規格には、SIGFOXが含まれもよいし、LoRaWANが含まれもよいし、NB−IoTが含まれもよい。
ファン10と電動機械850とがペアリングされると、ファン10と電動機械850とは、Bluetoothに準拠して互いに無線通信を行うことが可能となる。電動機械850と無線通信可能なファン10は、電動機械850の動作に関する動作情報を電動機械850から受信し、受信した動作情報に基づいてモータ15を制御してもよい。
例えば、電動機械850を使用する作業者が、ファン付き衣服1を着た状態で作業を行う場合を考える。この場合、電動機械850とファン付き衣服1が備える各ファン10とがペアリングされる。これにより、作業者が使用する電動機械850と、当該作業者が着るファン付き衣服1の各ファン10とは、Bluetoothに準拠して互いに無線通信を行うことが可能となる。
ファン付き衣服1の各ファン10と無線通信可能な電動機械850の制御部851は、電動機械850の作動が開始すると、言い換えれば、モータ853の回転が開始すると、動作情報として作動開始情報を生成する。作動開始情報は、電動機械850の作動が開始したことを示す情報である。無線通信部852は、制御部851が生成した作動開始情報をファン10に送信する。
また、制御部851は、電動機械850の作動が終了すると、言い換えれば、モータ853の回転が停止すると、動作情報として作動終了情報を生成する。作動終了情報は、電動機械850の作動が終了したことを示す情報である。無線通信部852は、制御部851が生成した作動終了情報をファン10に送信する。
電動機械850とペアリングされた電源オン状態のファン10では、無線通信部802が作動開始情報を受信すると、制御部801は、モータ15の回転を停止して、羽根部14の回転を停止する。その後、無線通信部802が作動終了情報を受信すると、制御部801は、モータ15を回転させて、羽根部14を回転させる。このとき、制御部801は、無線通信部802が作動終了情報を受信してから所定時間が経過した後に、モータ15を回転させてもよい。所定時間は、例えば、数分程度に設定される。
このように、ファン10が、作動開始情報を受信した場合にモータ15の回転を停止することによって、その使用時に粉塵が発生する電動機械850が作動しているときに、ファン10の羽根部14は回転しなくなる。粉塵が発生している状況でファン10の羽根部14が回転する場合には、ファン10が粉塵を吸い込む可能性がある。ファン10が粉塵を吸い込む場合には、ファン10が故障する可能性がある。また、衣服2の内側510に粉塵が入り込み、衣服2を着る作業者が不快を感じる可能性がある。電動機械850が作動しているときに、ファン10の羽根部14が回転しないことによって、ファン10が故障したり、衣服2の内側510に粉塵が入り込んだりする可能性を低減することができる。
また、ファン10が、作動終了情報を受信してから所定時間が経過した後に、モータ15の回転を停止することによって、その使用時に粉塵が発生する電動機械850の作動が終了してから所定時間後に、ファン10の羽根部14が回転するようになる。電動機械850の作動が終了した後はしばらくの間の粉塵が空中に存在する可能性があることから、電動機械850の作動が終了したすぐにファン10の羽根部14が回転すると、ファン10が粉塵を吸い込む可能性がある。本例のように、電動機械850の作動が終了してから所定時間後に、ファン10の羽根部14が回転するようになる場合には、ファン10が粉塵を吸い込む可能性を低減することができる。
なお、電動機械850がファン10に送信する動作情報は、上記の例に限られない。
<第2の動作例>
本例に係るファン10は、センサの検出結果に基づいて、モータ15を制御することが可能である。図43は本例に係るファン10の電気的構成を主に示すブロック図である。図43に示されるように、本例に係るファン10は、ファン10が取り込む空気の温度を検出する温度センサ900を備える。温度センサ900は、例えば、ファン10のハウジングに設けられた吸気口の近くに配置される。温度センサ900は、ファン10が取り込む空気の温度を繰り返し検出する。
本例では、制御部161は、温度センサ900の検出結果に基づいて、モータ15を制御する。例えば、制御部161は、温度センサ900で検出される温度が高いほど、モータ15の回転速度を上げる。これにより、温度センサ900で検出される温度が高いほど、ファン10の風量が大きくなる。以後、温度センサ900で検出される温度を検出温度と呼ぶことがある。
制御部161は、検出温度が低い場合、モータ15の回転速度を第1速度に設定して、ファン10の風量を「小」に設定する。制御部161は、検出温度が例えば15度未満の場合、検出温度が低いと判定する。また、制御部161は、検出温度が中程度の場合、モータ15の回転速度を第2速度に設定して、ファン10の風量を「中」に設定する。制御部161は、検出温度が例えば15度以上25度未満の場合、検出温度が中程度であると判定する。そして、制御部161は、検出温度が高い場合、モータ15の回転速度を第3速度に設定して、ファン10の風量を「大」に設定する。制御部161は、検出温度が例えば25度以上の場合、検出温度が高いと判定する。制御部161は、温度センサ900において検出温度が得られるたびに、検出温度に基づいて、ファン10の風量を設定する。
このように、ファン10のモータ15が、温度センサ900の検出結果に基づいて制御されることにより、ファン10が取り込む空気の温度に応じてモータ15が適切に制御される。
ファン10は、図44に示されるように、当該ファン10が取り込む空気の湿度を検出する湿度センサ901を備えてもよい。湿度センサ901は、温度センサ900と同様に、例えば、ファン10のハウジングに設けられた吸気口の近くに配置される。湿度センサ901は、ファン10が取り込む空気の湿度を繰り返し検出する。
ファン10が湿度センサ901を備える場合には、制御部161は、湿度センサ901の検出結果に基づいて、モータ15を制御してもよい。例えば、制御部161は、湿度センサ901で検出される湿度が高いほど、モータ15の回転速度を上げる。これにより、湿度センサ901で検出される湿度が高いほど、ファン10の風量が大きくなる。以後、湿度センサ901で検出される湿度を検出湿度と呼ぶことがある。
制御部161は、検出湿度が低い場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「小」に設定する。制御部161は、検出湿度が例えば85度未満の場合、検出湿度が低いと判定する。また、制御部161は、検出湿度が中程度の場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「中」に設定する。制御部161は、検出湿度が例えば85%以上90%未満の場合、検出湿度が中程度であると判定する。そして、制御部161は、検出湿度が高い場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「大」に設定する。制御部161は、検出湿度が例えば90%以上の場合、検出湿度が高いと判定する。制御部161は、湿度センサ901において検出湿度が得られるたびに、検出湿度に基づいて、ファン10の風量を設定する。
このように、ファン10のモータ15が、湿度センサの検出結果に基づいて制御されることにより、ファン10が取り込む空気の湿度に応じてモータ15が適切に制御される。
ファン10は、図45に示されるように、温度センサ900及び湿度センサ901を備えてもよい。言い換えれば、ファン10は、温度センサ900及び湿度センサ901から成る複合センサを備えてもよい。この場合、制御部161は、例えば、複合センサでの検出温度及び検出湿度に基づいて不快指数を繰り返し求める。そして、制御部161は、不快指数を求めるたびに、求めた不快指数に基づいてモータ15を制御する。例えば、制御部161は、不快指数が小さい場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「小」に設定する。制御部161は、不快指数が例えば70未満の場合、不快指数が低いと判定する。また、制御部161は、不快指数が中程度の場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「中」に設定する。制御部161は、不快指数が例えば70以上であって80未満の場合、不快指数が中程度であると判定する。そして、制御部161は、不快指数が高い場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「大」に設定する。制御部161は、不快指数が例えば80以上の場合、不快指数が高いと判定する。
このように、ファン10のモータ15が、当該ファン10が取り込む空気の温度及び湿度を検出するセンサの検出結果に基づいて制御されることにより、ファン10が取り込む空気の温度及び湿度に応じてモータ15が適切に制御される。
ファン10は、図46に示されるように、当該ファン10の加速度を検出する加速度センサ902を備えてもよい。加速度センサ902は、例えば3軸加速度センサである。加速度センサ902は、基板160以外に設けられてもよいし、基板160に設けられてもよい。ファン10が加速度センサ902を備える場合には、制御部161は、加速度センサ902の検出結果に基づいて、モータ15を制御してもよい。以後、加速度センサ902で検出される加速度を検出加速度と呼ぶことがある。
制御部161は、検出加速度に基づいて、ファン10が取り付けられた衣服2を着ているユーザの単位時間あたりの運動量を繰り返し求める。ユーザの単位時間あたりの運動量としては、例えば、ユーザについての単位時間あたりの消費カロリーが採用される。制御部161は、単位時間あたりの運動量が小さい場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「小」に設定する。また、制御部161は、単位時間あたりの運動量が中程度である場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「中」に設定する。そして、制御部161は、単位時間あたりの運動量が大きい場合、モータ15の回転速度を制御して、ファン10の風量を「大」に設定する。制御部161は、単位時間あたりの運動量を求めるたびに、求めた運動量に基づいてファン10の風量を設定する。
このように、ファン10のモータ15が、加速度センサ902の検出結果に基づいて制御されることにより、モータ15が適切に制御される。なお、ユーザの単位時間あたりの運動量としては、他の情報が採用されてもよい。例えば、ユーザの単位時間あたりの運動量として、ユーザの単位時間あたりの歩数が採用されてもよい。
ファン10は、図47に示されるように、当該ファン10が取り込む粉塵を検出する粉塵センサ903を備えてもよい。粉塵センサ903は、温度センサ900及び湿度センサ901と同様に、例えば、ファン10のハウジングに設けられた吸気口の近くに配置される。粉塵センサ903の検出方式は、光学式であってもよいし、他の方式であってもよい。粉塵センサ903は、ほこりセンサとも呼ばれる。粉塵センサ903は、例えば、ファン10が取り込む粉塵の濃度を繰り返し算出して出力する。以後、粉塵センサ903が出力する粉塵濃度を検出粉塵濃度と呼ぶことがある。
ファン10が粉塵センサ903を備える場合には、制御部161は、粉塵センサ903の検出結果に基づいて、モータ15を制御してもよい。図48は、制御部161が粉塵センサ903の検出結果に基づいてモータ15を制御する場合の当該制御部161の動作の一例を示すフローチャートである。
図48に示されるように、ステップs1において、制御部161は、検出粉塵濃度が高いか否かを判定する。制御部161は、例えば、検出粉塵濃度がしきい値以上の場合、検出粉塵能動が高いと判定する。一方で、制御部161は、検出粉塵濃度がしきい値未満の場合、検出粉塵能動が低いと判定する。
ステップs1において、検出粉塵濃度が高いと判定されると、ステップs2において、制御部161はモータ15の回転を所定時間停止する。所定時間は例えば1分から数分程度に設定される。制御部161はモータ15の回転を所定時間停止した後、ステップs2を再度実行する。以後、制御部161は同様に動作する。
ステップs1において、検出粉塵濃度が低いと判定されると、ステップs3において、制御部161はモータ15を回転させる。ステップs3の実行時に、モータ15の回転が停止している場合には、ステップs3において、制御部161はモータ15の回転を開始する。一方で、ステップs3の実行時に、モータ15が回転している場合には、ステップs3において、制御部161はモータ15の回転を維持する。制御部161は、ステップs3の後、再度ステップs2を実行する。以後、制御部161は同様に動作する。
このように、ファン10のモータ15が、粉塵センサ903の検出結果に基づいて制御されることにより、モータ15が適切に制御される。なお、ステップs1において、制御部161は、検出粉塵濃度が高い状態が所定時間以上継続しているか否かを判定してもよい。
ファン10は、温度センサ900、湿度センサ901、加速度センサ902及び粉塵センサ903のうちの2つ以上のセンサを備えてもよい。言い換えれば、ファン10は、温度センサ900、湿度センサ901、加速度センサ902及び粉塵センサ903のうちの2つ以上のセンサを備える複合センサであってもよい。また、ファン10は、温度センサ900、湿度センサ901、加速度センサ902及び粉塵センサ903のうちの少なくとも一つのセンサと、上述の無線通信部852とを備えてもよい。
以上のように、ファン付き衣服1及びファン10は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。