JP2021116748A - 故障検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動二輪車等の車両に適切に採用することができるようにコストを抑制した簡素な構成で、精度よく吸気圧センサの故障検知を行うことができる実用的な故障検知装置を提供する。【解決手段】故障検知装置Sでは、故障検知部120が測定圧PBと比較する推定圧が、内燃機関1の回転数NE及び弁体12の開度THに対応して、吸気管10の下流側の圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧から算出され、推定圧を算出する際の開度THとしては、バイパス通路15を開閉するバイパス弁16を移動させるアクチュエータ17が駆動制御される制御量に応じて開度THを補正した補正開度が用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関が備えるセンサの故障を検知する故障検知装置に関し、特に、内燃機関が備える吸気圧センサの故障を検知する故障検知装置に関する。
近年、車両の走行性能や環境性能等の向上への要請に対応して、車両に搭載されている内燃機関であるエンジンの回転数等の運転状態を制御するエンジン制御装置が提案されてきている。このようなエンジン制御装置では、温度センサ等の種々のセンサの検出信号から算出される値に基づいてエンジンの燃料供給量、吸気量及び点火時期等を制御してその運転状態を制御する構成を採用している。しかしながら、これらの種々のセンサに故障等の異常が発生した場合には、エンジンの運転状態を最適に制御することができなくなる事象が発生することがある。従って、このような異常を検出して部品の交換を促す表示をすること等により、エンジンの運転状態を最適に制御することが行われている。
また、車両の故障診断機能であるOBD(On Board Diagnostic)に関する規約では、車両に搭載されている各種のセンサの故障等の異常状態を検出し、異常履歴情報の管理を行うことが規定されている。OBDに関する規約におけるセンサの故障等の異常状態の検出は、四輪の自動車において義務化されており、二輪の自動車においても義務化される傾向にある。
かかる状況下で、特許文献1は、自動二輪車及び車両の制御装置に関し、電子制御式スロットル装置のスロットル弁の実開度を取得する1又は複数の実開度取得部11a及び11bと、エンジンの吸気圧を取得する吸気圧取得部12と、エンジンの回転速度を取得する回転速度取得部13と、吸気圧及び回転速度に基づいて、電子制御式スロットル装置の推定開度を算出する推定開度算出部14と、実開度が不具合条件を満たす場合に、推定開度に基づいて、フィードバック値として使用する開度を決定する使用開度決定部16と、実開度が不具合条件を満たす場合に、予め定められた上限値を超える目標開度の生成を制限する目標開度決定部17と、を備える構成を開示する。
特開2015−45284号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、スロットルポジションセンサーに不具合が生じても電子制御式スロットル装置を制御すること企図したものであるが、あくまでも電子制御式スロットル装置を前提として、スロットル弁の開度と吸気圧との間に相関関係があることに着目したもので、安価な機械式スロットル装置に対する具体的な構成を何等開示等しているものではない。
また、本発明者の検討によれば、機械式スロットル装置においては、スロットル弁は機械的に駆動されるため、吸気圧センサの故障等の異常状態の検出が必要となると考えられる。また、機械式スロットル装置においては、冷間時の始動性向上やアイドル回転の安定性向上等を考慮して、本来の吸気通路の他にスロットル弁をバイパスしてその上流側とその下流側であって吸気圧センサの吸気圧の検出部位の上流側とを連通するバイパス通路を付加して、バイパス通路を通過する吸気の方の流入量を調整する構成を採用することが一般的であるため、このようなバイパス通路を採用した場合であっても、高精度に吸気圧センサの故障等の異常状態の検出をすることが必要となると考えられる。
また、本発明者の更なる検討によれば、このようなバイパス通路を採用した場合には、スロットル弁が低開度や中開度である場合に、吸気圧センサが検出する吸気圧の検出値に対してバイパス通路の開閉の影響が相対的に大きいため、例えば、スロットル弁が最も低開度である全閉である場合には吸気圧センサの故障等の異常状態の検出を中止することが考えられるが、これでは異常状態の検出の機会の減少に繋がってしまうため、改善の余地がある。
また、本発明者の更なる検討によれば、このようなバイパス通路を採用した場合には、バイパス通路の開度、エンジン回転数及びスロットル弁の開度の関係から吸気圧を推定するいわゆる負荷推定を行うことも可能であるため、予め求めておいた吸気圧の推定値と吸気圧センサより検出される吸気圧の実測値とを比較して、これらに所定値以上の乖離があると、吸気圧センサに故障等の異常状態が生じていると判断することも可能である。しかしながら、このような構成によれば、バイパス通路の開度、エンジン回転数及びスロットル弁の開度という三種類のパラメータを複数回扱う必要があって、そのために予め行う必要のある実測回数やその結果得られるデータ数が増大してしまい、特に安価であることが求められる自動二輪車においてコストの増加等が発生するという事態に繋がってしまうため、改善の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、自動二輪車等の車両に適切に採用することができるようにコストを抑制した簡素な構成で、精度よく吸気圧センサの故障検知を行うことができる実用的な故障検知装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、内燃機関が備えるセンサの故障を検知する故障検知部を有する故障検知装置であって、前記センサは、前記内燃機関の燃焼室に吸入される吸気が流入する吸気管の内部に可動に設けられ前記吸気管を開閉し前記吸気の量を調整する弁体の開度を検出する開度センサと、前記弁体よりも前記吸気管の下流側の圧力を検出する圧力センサと、前記内燃機関の回転数を検出する回転センサと、を含み、前記吸気管には、前記弁体よりも上流側と、前記弁体よりも下流側と、を連通するバイパス通路が設けられ、前記バイパス通路には、前記バイパス通路を開閉して前記バイパス通路に流入する前記吸気の量を調整するバイパス弁が設けられ、前記バイパス弁は、駆動制御されるアクチュエータによって前記バイパス通路を開閉するように移動され、前記バイパス弁は、前記アクチュエータが駆動制御される制御量に応じて移動され、前記故障検知部は、前記圧力センサによって検出される前記圧力である測定圧と、前記測定圧が検出される際の前記回転数、前記開度及び前記制御量に対応する値としての推定圧と、を比較して、前記測定圧と前記推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合に前記センサの内のいずれかに故障が発生したと判断し、前記推定圧は、前記回転数及び前記開度に対応して、前記吸気管の前記下流側の前記圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧から算出され、前記推定圧を算出する際の前記開度としては、前記制御量に応じて前記開度を補正した補正開度が用いられることを第1の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記故障検知装置は、前記基準推定圧を格納した記憶部を更に有し、前記故障検知部は、前記記憶部内の前記基準推定圧を参照して、前記測定圧が検出された際の前記回転数及び前記開度に対応した前記基準推定圧の値である前記推定圧を算出する際に、前記開度として用いる前記補正開度を、前記制御量に応じて前記開度を補正することにより算出することを第2の局面とする。
また、本発明は、第2の局面に加えて、前記バイパス弁は、前記制御量に比例した移動量で移動されて前記バイパス通路の流路面積を増減するように開閉し、前記バイパス弁の前記移動量が前記圧力の変化量の大きさに対して影響する影響度合係数は、前記弁体の前記開度が全閉開度のとき最も大きくなり、前記故障検知装置は、基準補正量及び前記影響度合係数を前記記憶部に格納し、前記基準補正量は、前記弁体の前記開度を前記全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに前記圧力が変化する第一圧力変化量と前記第一開度量との比である第一基準比と、前記全閉開度において前記バイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する第二圧力変化量と前記第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、前記影響度合係数は、前記回転数に対応して得られた前記第二圧力変化量と、前記回転数及び前記弁体の前記開度に各々対応して得られると共に前記バイパス弁を前記第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、前記弁体の前記補正開度は、前記基準補正量と前記バイパス弁の前記移動量と前記影響度合係数との積と、前記開度センサによって検出される測定開度と、の和によって算出されることを第3の局面とする。
また、本発明は、第2又は第3の局面に加えて、前記回転数及び前記弁体の前記開度と、前記回転数及び前記開度に各々対応して、前記吸気管の前記下流側の前記圧力を予め検出して得られた前記値である前記基準推定圧と、は、それらの対応関係に則ったマップデータの形式で用意されることを第4の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記故障検知装置は、前記推定圧を格納した記憶部を更に有し、前記回転数と前記弁体の前記開度とに対応して、前記弁体よりも下流側の圧力の実測値である基準推定圧が測定されて、前記回転数の値と前記開度の値と前記基準推定圧の値との対応関係を示すデータが予め用意され、前記制御量に応じて前記開度が補正された補正開度の値を前記開度の前記値として用いて前記データの前記基準推定圧の前記値から前記推定圧の値が算出され、算出された前記推定圧の前記値が前記記憶部に記憶されることを第5の局面とする。
また、本発明は、第5の局面に加えて、前記バイパス弁は、前記制御量に比例した移動量で移動されて前記バイパス通路の流路面積を増減するように開閉し、前記バイパス弁の前記移動量が前記圧力の変化量の大きさに対して影響する影響度合係数は、前記弁体の前記開度が全閉開度のとき最も大きくなり、前記補正開度の算出は、基準補正量及び前記影響度合係数を使って予め算出され、前記基準補正量は、前記弁体の前記開度を前記全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに前記圧力が変化する第一圧力変化量と前記第一開度量との比である第一基準比と、前記全閉開度において前記バイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する第二圧力変化量と前記第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、前記影響度合係数は、前記回転数に対応して得られた前記第二圧力変化量と、前記回転数及び前記弁体の前記開度に各々対応して得られると共に前記バイパス弁を前記第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、前記弁体の前記補正開度は、前記基準補正量と前記バイパス弁の前記移動量と前記影響度合係数との積と、前記弁体の前記開度と、の和によって予め算出されることを第6の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる故障検知装置によれば、故障検知部が圧力センサによって検出される測定圧と比較する推定圧が、内燃機関の回転数及び吸気管を開閉する弁体の開度に対応して、吸気管の下流側の圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧から算出され、推定圧を算出する際の弁体の開度としては、バイパス通路を開閉するバイパス弁を移動させるアクチュエータが駆動制御される制御量に応じて弁体の開度を補正した補正開度が用いられるものであるため、基準推定圧のデータ数が増大することを避けつつ実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。これにより、自動二輪車等の車両に適切に採用することができるようにコストを抑制した簡素な構成で、精度よく吸気圧センサの故障検知を行うことができる実用的な故障検知装置を提供することができる。
また、本発明の第2の局面にかかる故障検知装置によれば、故障検知装置が、基準推定圧を格納した記憶部を更に有し、記憶部内の基準推定圧を参照して、測定圧が検出された際の内燃機関の回転数及び弁体の開度に対応した基準推定圧の値である推定圧を算出する際に、弁体の開度として用いる補正開度を、バイパス弁を移動させるアクチュエータが駆動制御される制御量に応じて開度を補正することにより算出するものであるため、記憶部内の基準推定圧から推定圧を算出しつつ実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。
また、本発明の第3局面にかかる故障検知装置によれば、基準補正量及び影響度合係数を記憶部に格納し、基準補正量が、弁体の開度を全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに圧力が変化する第一圧力変化量と第一開度量との比である第一基準比と、全閉開度においてバイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに圧力が変化する第二圧力変化量と第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、影響度合係数が、内燃機関の回転数に対応して得られた第二圧力変化量と、内燃機関の回転数及び弁体の開度に各々対応して得られると共にバイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、弁体の補正開度が、基準補正量とバイパス弁の移動量と影響度合係数との積と、開度センサによって検出される測定開度と、の和によって算出されるものであるため、記憶部内の基準補正量及び影響度合係数をも用いて、より確実に精度よく故障検知を行うことができる。
また、本発明の第4の局面にかかる故障検知装置によれば、内燃機関の回転数及び弁体の開度と、内燃機関の回転数及び開度に各々対応して、吸気管の下流側の圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧と、が、それらの対応関係に則ったマップデータの形式で用意されるものであるため、基準推定圧のデータを用意するための測定数を減らすことができる。
また、本発明の第5の局面にかかる故障検知装置によれば、故障検知装置は、推定圧を格納した記憶部を更に有し、内燃機関の回転数と弁体の開度とに対応して、弁体よりも下流側の圧力の実測値である基準推定圧が測定されて、内燃機関の回転数の値と開度の値と基準推定圧の値との対応関係を示すデータが予め用意され、バイパス弁を移動させるアクチュエータが駆動制御される制御量に応じて開度が補正された補正開度の値を開度の値として用いて、データの基準推定圧の値から推定圧の値が予め算出され、算出された推定圧の値が記憶部に記憶されるものであるため、記憶部内の推定圧を用いて実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。
また、本発明の第6局面にかかる故障検知装置によれば、補正開度の算出が、基準補正量及び影響度合係数を使って予め算出され、基準補正量が、弁体の開度を全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに圧力が変化する第一圧力変化量と第一開度量との比である第一基準比と、全閉開度においてバイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに圧力が変化する第二圧力変化量と第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、影響度合係数が、内燃機関の回転数に対応して得られた第二圧力変化量と、内燃機関の回転数及び弁体の開度に各々対応して得られると共にバイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、弁体の補正開度が、基準補正量とバイパス弁の移動量と影響度合係数との積と、測定される開度と、の和によって予め算出されるものであるため、記憶部内に基準補正量及び影響度合係数を格納することなく、これらを予め算出しておいて、より確実に精度よく故障検知を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態における故障検知装置をそれが適用される内燃機関であるエンジンと共に示す概略図である。 図2は、本実施形態における故障検知装置の構成を示すブロック図である。 図3(a)は、本実施形態における故障検知装置の細部構成を示すブロック図であり、図3(b)は、本実施形態における故障検知装置のバタフライ開度補正処理で実行されるバタフライ開度への影響度合係数の算出の考え方を説明するためのグラフである。 図4は、本実施形態における故障検知装置でのバタフライ開度補正処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 図5は、本実施形態における故障検知装置で付加的に実行される吸気圧センサ及び大気圧センサの故障検知処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 図6は、本実施形態における故障検知装置で付加的に実行される吸気圧センサ及び大気圧センサの故障検知処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における故障検知装置につき、詳細に説明する。
〔エンジンの構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態における故障検知装置が適用される内燃機関であるエンジンの構成について説明する。
図1は、本実施形態における故障検知装置をそれが適用される内燃機関であるエンジンと共に示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態における故障検知装置は、典型的にはECU(Electronic Control Unit)100の一部に含まれ、ECU100が適用されるエンジン1は、典型的には、図示を省略する自動二輪車等の車両に搭載される内燃機関であり、代表的に1つのみ図示した気筒2aを有するシリンダブロック2を備えている。気筒2aの内部には、ピストン3が配置されている。ピストン3は、コンロッド4を介してクランクシャフト5に連結されている。クランクシャフト5には、それと共に同軸に回転するリラクタ6が設けられている。
シリンダブロック2には、クランクシャフト5の回転に伴って回転するリラクタ6の外周面に形成された歯部を検出することによって、クランクシャフト5の回転速度をエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEとして検出するクランク角センサ7が設けられている。クランク角センサ7は、このように検出したエンジン回転数NEを示す電気信号をECU100に入力する。
シリンダブロック2の内壁面及びピストン3の上面は協働して気筒2aの燃焼室8を画成している。シリンダブロック2には、燃焼室8内の燃料及び空気から成る混合気に点火する点火プラグ9が設けられている。シリンダブロック2には、燃焼室8に吸入される吸気が流入する吸気管10が組み付けられている。燃焼室8へ開口した吸気管10の開口部10aには、開口部10aを開閉する吸気バルブ11が設けられている。
吸気管10の内部には、可動に設けられて吸気管10を開閉して吸気の量を調整する機械式のスロットル弁12が設けられている。スロットル弁12は、運転者が操作するアクセルグリップ等のアクセル操作部材に機械的に接続された操作ワイヤ等を介して、運転者によって直接的に駆動される。なお、図示しないが、スロットル弁12と吸気バルブ11との間の吸気管10には、燃焼室8に燃料を供給すべく燃料を噴射するインジェクタが設けられている。
吸気管10には、スロットル弁12の開度をバタフライ開度THとして検出するバタフライ開度センサ13と、スロットル弁12よりも下流側の吸気管10内の圧力を吸気圧(測定圧)PBとして検出する吸気圧センサ14と、が設けられている。バタフライ開度センサ13及び吸気圧センサ14はそれぞれ、このように検出したバタフライ開度TH及び吸気圧PBを示す電気信号をECU100に入力する。
吸気管10には、スロットル弁12よりも上流側と、スロットル弁12よりも下流側と、を連通するバイパス通路15が設けられている。バイパス通路15には、バイパス通路15を開閉してバイパス通路15に流入する吸気の量を調整するバイパス弁16が設けられている。バイパス弁16は、ECU100によって駆動制御されるバイパス調整モータ(ステッピングモータ)17によってバイパス通路15を開閉するように、つまりバイパス通路15の流路断面積を全開にする全開位置とそれを全閉にする全閉位置との間で、バイパス通路15内を直線的に往復移動される。このようにエンジン1には機械式スロットル装置が設けられている。
シリンダブロック2には、燃焼室8と対応して連通する排気管18が組み付けられている。燃焼室8へ開口した排気管18の開口部18aには、開口部18aを開閉する排気バルブ19が設けられている。
〔故障検知装置の構成〕
次に、図1に加え、更に図2及び図3を参照して、本実施形態における故障検知装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態における故障検知装置の構成を示すブロック図である。図3(a)は、本実施形態における故障検知装置の細部構成を示すブロック図であり、図3(b)は、本実施形態における故障検知装置のバタフライ開度補正処理で実行されるバタフライ開度への影響度合係数の算出の考え方を説明するためのグラフである。なお、図3(b)は、エンジン回転数を5000rpmに設定した一例として示している。
図2に示すように、本実施形態における故障検知装置Sは、クランク角センサ7、バタフライ開度センサ13、及び吸気圧センサ14に電気的に接続されたECU100の一部を成すものであるが、ECU100は、機能ブロックとして各々示される制御部110及び故障検知部120を備えている。
制御部110は、クランク角センサ7から入力された電気信号が示すエンジン回転数NE、バタフライ開度センサ13から入力された電気信号が示すバタフライ開度TH、吸気圧センサ14から入力された電気信号が示す吸気圧PB、及び図示しない大気圧センサ(エンジン周囲の気圧センサ)から入力された電気信号が示す大気圧PAに基づいて、エンジン1の点火系、燃料系、及びバイパス調整モータ17の動作を制御することによって、エンジン1の運転状態を制御する。また、制御部110は、モータ制御部(駆動制御装置)111及びドライバ112を備えている。モータ制御部111は、エンジン回転数NE、バタフライ開度TH、吸気圧PB、及び大気圧PAに基づいてドライバ112を介してバイパス調整モータ(アクチュエータ)17を駆動制御することにより、バイパス通路15を開閉するようにバイパス弁16を移動させる。本実施形態では、バイパス弁16は、モータ制御部111から入力されるバイパス調整モータ17のステップ数(制御量)stpに比例した移動量で移動されてバイパス通路15の流路断面積を増減するように開閉される。モータ制御部111は、バイパス調整モータ17のステップ数stpを示す電気信号を故障検知部120に入力する。
図2及び図3に示すように、故障検知部120は、本実施形態の故障検知装置Sとして機能するものであり、メモリ121、内圧推定部122、及び比較判定部123を備え、クランク角センサ7、バタフライ開度センサ13、及び圧力センサ14の故障を検知する。
メモリ121は、制御プログラムや制御データを格納する不揮発性の記憶装置によって構成され、基準補正量121a、基準マップ121b、及び影響度合テーブル121cといったデータを格納している。かかる基準補正量121a、基準マップ121b、及び影響度合テーブル121cは、本実施形態における故障検知装置Sが搭載された車両と同仕様の車両で共通する共用データであってもよいし、本実施形態における故障検知装置S100が搭載された車両毎に各々用意する個別データであってもよい。
ここで、基準補正量121aは、予め、バイパス弁16がバイパス調整モータ17の基準ステップ数(エンジン回転数NEをアイドル回転数にするためのバイパス弁16の位置を規定するためのステップ数)で移動された位置にあるときにバタフライ開度THを吸気管10の流路断面積を最小にする全閉開度から所定の値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときの吸気圧PBの変化量(バタフライ開度THの単位開度当たりの変化量)である第一圧力変化量とその第一開度量との比である第一基準比と、バタフライ開度THが全閉開度であるときにバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときの吸気圧PBの変化量である第二圧力変化量とその第一の移動量との比である第二基準比と、の比の値として算出されてメモリ121に格納されているものである。バタフライ開度THの基準開度とは、典型的には全閉開度に近い開度であって吸気圧PBが安定して検出される開度を意味し、例えば全閉開度を0°とすると5°程度の開度に相当する。また、バイパス弁16の第一の移動量とは、典型的にはバイパス弁16がバイパス通路15を全閉状態にする全閉位置とバイパス弁16がバイパス通路15を全開状態にする全開位置との間の移動量を意味する。また、第一圧力変化量及び第二圧力変化量は、各々、エンジン回転数NEを典型的にはアイドル回転数にして得られたものである。
基準マップ121bは、予め、エンジン回転数NEの値及びバタフライ開度THの値と、エンジン回転数NEの値及びバタフライ開度THの値に各々対応して得られた吸気圧PBの値である基準推定圧と、が、それらの対応関係に則ったマップデータの形式で用意されてメモリ121に格納されているものである。なお、基準マップ121bは、必要に応じて、マップデータの形式ではなくテーブルデータの形式とした基準テーブルとしてもよい。
影響度合テーブル121cは、予め、バタフライ開度THが全閉開度であるときにエンジン回転数NEに対応してバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときの吸気圧PBの変化量(エンジン回転数NEに対応して得られた第二圧力変化量)と、エンジン回転数NE及びバタフライ開度THに各々対応してバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときの吸気圧PBの変化量と、の比として算出された影響度合係数の値が、バタフライ開度THの値に対応するように、それらの対応関係に則ったテーブルデータの形式で、バタフライ開度THの値毎に用意されて、メモリ121に格納されているものであり、このように算出される影響度合係数とは、バイパス弁16の移動量が吸気圧PBの変化量の大きさに対して影響する度合を示す係数である。その一例として、図3(b)に示すように、影響度合係数は、バタフライ開度THが全閉開度(0°)であるときに最大値の100%を示し、バタフライ開度THが5°、10°と大きくなるに連れて100%よりも小さくなっていき、バタフライ開度THが30°になるとほぼ0%になっている。なお、図3(b)は、一例としてエンジン回転数NEを5000rpmに設定したときのバタフライ開度THと吸気圧PBとの関係を表す曲線を示し、曲線L1はバイパス弁16が全開状態であるときの関係を表す曲線、曲線L2はバイパス弁16がアイドル基準開度であるときの関係を表す曲線、及び曲線L3はバイパス弁16が全開状態であるときの関係を表す曲線を示している。ここで、各々のバタフライ開度THにおける曲線L1が示す吸気圧PBの値と曲線L3が示す吸気圧PBの値との差が影響度合係数の値に対応しており、このように想定された所定のエンジン回転数NEの値においてバタフライ開度THの値に対応する影響度合係数の値が、一つのテーブルデータを構成している。なお、影響度合テーブル121cは、必要に応じて、テーブルデータの形式ではなく、複数のエンジン回転数NEの値毎に複数用意されるマップデータの形式とした影響度合マップとしてもよい。
内圧推定部122には、クランク角センサ7からエンジン回転数NEを示す電気信号、バタフライ開度センサ13からバタフライ開度THを示す電気信号、及びモータ制御部111からバイパス調整モータ17のステップ数stpを示す電気信号が入力され、内圧推定部122は、エンジン回転数NE、バタフライ開度TH、及びメモリ121に格納されている基準マップ121bに基づいて、吸気圧PBが検出された際のエンジン回転数NEの値及びバタフライ開度THの値に対応した基準推定圧の値を参照し、この参照した値を推定圧の値とすることにより推定圧を算出する。内圧推定部122は、いわゆる負荷推定を行う際に、このように推定圧を算出し、このように算出された推定圧を示す電気信号は比較判定部123に入力される。
また、内圧推定部122は、補正開度算出部122aを備えている。補正開度算出部122aは、バイパス調整モータ17の制御量であるステップ数stpに応じてバタフライ開度THを補正して補正開度を算出するバタフライ開度補正処理を実行する。具体的には、かかる補正開度の値は、基準補正量121aの値とバイパス弁16の移動量の値(基準ステップ数におけるバイパス弁16の位置と現在のバイパス弁16の位置との偏差の値、つまり基準ステップ数と入力されたバイパス弁16の位置を規定するステップ数との偏差に比例した値)と影響度合テーブル121cから得られた影響度合係数の値との積と、バタフライ開度センサ13によって検出されるバタフライ開度THの値と、の和によって算出される。また、かかる補正開度は、吸気圧PBが検出された際のエンジン回転数NE及びバタフライ開度THに対応した推定圧を算出する際のバタフライ開度THとして用いられる。なお、バイパス弁16の移動量とバタフライ開度THの補正開度との関係を予め求めてデータ化しておき、この関係を利用してバタフライ開度THの補正開度を算出してもよい。
比較判定部123には、吸気圧センサ14から吸気圧PBを示す電気信号、及び内圧推定部122から推定圧を示す電気信号が入力され、比較判定部123は、吸気圧PBと推定圧とを比較し、吸気圧PBと推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、吸気圧センサ14に故障が発生したと判断する。そして、吸気圧センサ14に故障が発生したと判断した場合、比較判定部123は、吸気圧センサ14の故障が判断した旨を示す情報を、図示を省略する表示部に表示することにより、吸気圧センサ14に故障が発生した旨を報知する。なお、かかる所定の閾値は、固定値ではなく、エンジン回転数NE等のエンジン1の運転状態を示す各種パラメータを基に算出される可変値としてもよい。
〔バタフライ開度補正処理〕
次に、図4を参照して、バタフライ開度補正処理を実行する際の故障検知装置Sの動作について説明する。
図4は、本実施形態における故障検知装置Sでのバタフライ開度補正処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
図4に示すフローチャートは、図示を省略するイグニッションスイッチがオンされて故障検知装置Sが稼働したタイミングで開始となり、バタフライ開度補正処理はステップS1の処理に進む。バタフライ開度補正処理は、故障検知装置Sが稼働している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、内圧推定部122が、エンジン回転数NEをアイドル回転数にするためのモータ制御部111のステップ数(制御量)stpである基準ステップ数とモータ制御部111から入力されているステップ数stpとの偏差の値(バイパス弁16の移動量の値と比例する)を算出する。これにより、ステップS1の処理は完了し、バタフライ開度補正処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、内圧推定部122が、メモリ121に格納されている基準補正量121aの値を読み出す。これにより、ステップS2の処理は完了し、バタフライ開度補正処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、内圧推定部122が、バタフライ開度THと影響度合係数との関係を示すと共にメモリ121に格納されている影響度合テーブル121cから、バタフライ開度センサ13から入力されたバタフライ開度THの値に対応する影響度合係数の値を読み出す。これにより、ステップS3の処理は完了し、バタフライ開度補正処理はステップS4の処理に進む。なお、複数のエンジン回転数NEの値毎に複数用意されるマップデータの形式とした影響度合マップを使用する場合には、ステップS3の処理では、内圧推定部122が、エンジン回転数NE毎にバタフライ開度THと影響度合係数との関係を示すと共にメモリ121に格納されている影響度合テーブル121cから、クランク角センサ7から入力されたエンジン回転数NEの値及びバタフライ開度センサ13から入力されたバタフライ開度THの値に対応する影響度合係数の値を読み出すことにより、より高精度の影響度合係数を読み出すことができる。
ステップS4の処理では、補正開度算出部122aが、ステップS2の処理において得られた基準補正量の値とステップS1の処理において得られた偏差の値とステップS3の処理において得られた影響度合係数の値との積と、バタフライ開度センサ13から入力されて得られたバタフライ開度THの値と、の和をバタフライ開度THの補正開度の値として算出する。以後、内圧推定部122は、メモリ121に格納されている基準マップ121bから、吸気圧センサ14が吸気圧PBを検出した際のエンジン回転数NEの値及びバタフライ開度THの補正開度の値に対応する推定圧を基準推定圧の値を参照して読み出し、読み出した推定圧の値を比較判定部123に入力する。これにより、ステップS4の処理は完了し、今回の一連のバタフライ開度補正処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における故障検知装置Sでは、故障検知部120が測定圧PBと比較する推定圧が、内燃機関1の回転数NE及び弁体(スロットル弁)12の開度THに対応して、吸気管10の下流側の圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧から算出され、推定圧を算出する際の開度THとしては、バイパス通路15を開閉するバイパス弁16を移動させるアクチュエータ17が駆動制御される制御量に応じて開度THを補正した補正開度が用いられるものであるため、基準推定圧のデータ数が増大することを避けつつ実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。これにより、自動二輪車等の車両に適切に採用することができるようにコストを抑制した簡素な構成で、精度よく吸気圧センサ14の故障検知を行うことができる実用的な構成を実現することができる。
また、本実施形態における故障検知装置Sでは、基準推定圧を格納した記憶部121を更に有し、記憶部121内の基準推定圧を参照して、測定圧が検出された際の内燃機関1の回転数NE及び弁体12の開度THに対応した基準推定圧の値である推定圧を算出する際に、開度THとして用いる補正開度を、バイパス弁16を移動させるアクチュエータ17が駆動制御される制御量に応じて開度を補正することにより算出するものであるため、記憶部121内の基準推定圧から推定圧を算出しつつ実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。
また、本実施形態における故障検知装置Sでは、基準補正量及び影響度合係数を記憶部121に格納し、基準補正量が、弁体12の開度THを全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに圧力PBが変化する第一圧力変化量と第一開度量との比である第一基準比と、全閉開度においてバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときに圧力PBが変化する第二圧力変化量と第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、影響度合係数が、内燃機関1の回転数NEに対応して得られた第二圧力変化量と、回転数NE及び開度THに各々対応して得られると共にバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときに圧力PBが変化する変化量と、の比として予め算出され、弁体12の補正開度が、基準補正量とバイパス弁16の移動量と影響度合係数との積と、開度センサ13によって検出される測定開度THと、の和によって算出されるものであるため、記憶部121内の基準補正量及び影響度合係数をも用いて、より確実に精度よく故障検知を行うことができる。
また、本実施形態における故障検知装置Sでは、内燃機関の回転数NE及び弁体12の開度THと、回転数NE及び開度THに各々対応して吸気管10の下流側の圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧と、が、それらの対応関係に則ったマップデータの形式で用意されるものであるため、基準推定圧のデータを用意するための測定数を減らすことができる。
さて、ここまでは、故障検知装置Sのメモリ121内に各々格納された基準補正量121a、基準推定圧を示す基準マップ121b、及び影響度合い係数を示す影響度合テーブル121cを用いて、運転中のエンジン1が備えるスロットル弁12の開度TH、バイパス弁16の移動量、及びエンジン1の回転数NEに応じて、推定圧を算出する一例を説明してきたが、本実施形態においては、予め推定圧の値までをデータ化しておき、基準補正量121a、基準マップ121b、及び影響度合テーブル121cではなく、予め算出されて設定された推定圧の値のデータ自体がメモリ121内に直接的に格納されていてもよい。
つまり、本変形例において、推定圧は、基準補正量121aや影響度合テーブル121cが示す影響度合い係数を用いて故障検知装置Sの内部で算出されるものではなく、故障検知装置Sをセッティングする段階において、予め故障検知装置Sのメモリ121に格納されている。かかる推定圧をメモリ121に格納するためのその設定は、本実施形態において前述したものと同様の基準推定圧、基準補正量及び影響度合い係数を用いることにより実施される。
具体的には、まず、本実施形態において前述したものと同様に、予めエンジン1を運転中として、その際の実測値から、基準補正量121a、基準推定圧を示す基準マップ121b、及び影響度合い係数を示す影響度合テーブル121cを求めてメモリ121外に用意する。次に、本実施形態において前述したものと同様に、基準補正量121aの値とバイパス弁16の移動量の値と影響度合テーブル121cから得られた影響度合係数の値との積と、バタフライ開度THの値と、の和によって、補正開度の値を、所要の個数だけ算出する。そして、本実施形態において前述したものと同様に、かかる所要の個数の補正開度の値を用いて基準推定圧の値を参照し、このように参照した値を推定圧の値とすることにより、所要の個数の推定圧の値を算出する。つまり、バタフライ開度TH、回転数NE及びバイパス弁の移動量の所望の組み合わせの個数だけ補正開度を予め計算をして実車の故障検知装置Sのメモリ121内に格納しておけば、実車の故障検知装置Sで推定圧を算出する演算負荷が大幅に低減されることになる。
以上の説明から明らかなように、本変形例における故障検知装置Sでは、推定圧を格納した記憶部121を更に有し、内燃機関1の回転数NEと弁体12の開度THとに対応して、弁体12よりも下流側の圧力の実測値である基準推定圧が測定されて、回転数NEの値と開度THの値と基準推定圧の値との対応関係を示すデータが予め用意され、バイパス弁16を移動させるアクチュエータ17が駆動制御される制御量に応じて開度THが補正された補正開度の値を開度THの値として用いて、データの基準推定圧の値から推定圧の値が予め算出され、算出された推定圧の値が記憶部121に記憶されるものであるため、記憶部121内の推定圧を用いて実用上充分な精度で故障検知を行うことができる。
また、本変形例における故障検知装置Sでは、補正開度の算出が、基準補正量及び影響度合係数を使って予め算出され、基準補正量が、弁体12の開度THを全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに圧力が変化する第一圧力変化量と第一開度量との比である第一基準比と、全閉開度においてバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときに圧力PBが変化する第二圧力変化量と第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、影響度合係数が、内燃機関1の回転数NEに対応して得られた第二圧力変化量と、回転数NE及び開度THに各々対応して得られると共にバイパス弁16を第一の移動量となるように移動させたときに圧力PBが変化する変化量と、の比として予め算出され、弁体12の補正開度が、基準補正量とバイパス弁16の移動量と影響度合係数との積と、弁体12の開度THと、の和によって予め算出されるものであるため、記憶部121内に基準補正量及び影響度合係数を格納することなく、これらを予め算出しておいて、より確実に精度よく故障検知を行うことができる。
更に、以上の変形例を含む本実施形態における故障検知装置Sは、付加的に吸気圧センサ14及び図示しない大気圧センサの故障検知を実行してもよい。ここで、吸気圧センサ14は、エンジン1の停止中においては、吸気管中の気圧である大気圧相当の気圧を検出することになるため、吸気圧センサ14及び大気圧センサ共に大気圧相当の気圧を検出することとなって、互いの検出値を確認することで、それらの故障検知が可能となる。しかし、本実施形態における故障検知装置Sが搭載される車両が自動二輪車等の比較的軽量な車両である場合には、運転者による押しがけ等が生じる場合もあり、かかる場合には、エンジン1は完爆してはいなくても回転して結果的に吸気圧が変動してしまうため、吸気圧センサ14及び大気圧センサの正確な故障検知ができない事態も考えられることになる。そこで、本実施形態における故障検知装置Sにおいては、エンジン1の停止時に加えて、エンジン1の動作時やその動作時から停止時に向かう際に必要なデータの格納処理等を行うECU100のセルフシャットダウン処理時でも、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障検知をする故障検知処理を実行することにより故障検知の判定機会を増やし、吸気圧センサ14及び大気圧センサのより確実な故障検知を企図したものである。以下、図5及び図6を参照して、付加的に吸気圧センサ14及び図示しない大気圧センサの故障検知を実行する際の故障検知装置Sの動作について説明する。なお、故障検知装置Sは、図5及び図6に示す処理の双方を実行してもよいし、図5及び図6に示す処理の何れか一方のみを選択して実行してもよい。
図5は、本実施形態における故障検知装置Sで付加的に実行される吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障検知処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
図5に示すフローチャートは、故障検知装置Sが稼働されたタイミングで開始となり、故障検知処理はイニシャル処理におけるステップS11の処理に進む。故障検知処理は、故障検知装置Sが稼働されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS11の処理では、故障検知装置Sが、エンスト中(エンジン1の停止中)であるか否かを判別する。判別の結果、エンスト中である場合(ステップS11:Yes)、故障検知装置Sは、図6に示す故障検知処理を実行する。一方、エンスト中でない場合には(ステップS11:No)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS12の処理に進める。
ステップS12の処理では、故障検知装置Sが、メモリ121等に格納された履歴情報を読み出して大気圧センサの故障履歴があるか否かを判別する。判別の結果、大気圧センサの故障履歴がある場合(ステップS12:Yes)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS13の処理に進める。一方、大気圧センサの故障履歴がない場合には(ステップS12:No)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS21の処理に進める。
ステップS13の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定結果を示す故障判定フラグの状態を未判定状態に設定する(PA:未判定、PB:未判定)。これにより、ステップS13の処理は完了し、故障検知処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、故障検知装置Sが、エンジン1が始動して始動後処理に入りエンジン動作中に検出された吸気圧PBの変動状態に基づいて吸気圧センサ14が故障しているか否かを判別する。判別の結果、所定レベル以上の吸気圧PBの変動が検出されて吸気圧センサ14が正常である場合(ステップS14:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS16の処理に進める。一方、所定レベル未満の吸気圧PBの変動が検出され又は吸気圧PBの変動が検出されないで吸気圧センサ14が故障している場合(ステップS14:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS15の処理に進める。
ステップS15の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を故障状態に設定し、大気圧センサの故障判定フラグの状態を未判定状態に設定する。これにより、ステップS15の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS16の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定し(PB:仮正常)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を未判定状態に設定する(PA:未判定)。これにより、ステップS16の処理は完了し、故障検知処理はステップS17の処理に進める。
ステップS17の処理では、故障検知装置Sが、エンジン1が停止する際に故障検知装置Sの電源をオフするときのセルフシャットダウン処理に備え、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を正常状態に再度仮設定し、大気圧センサの故障判定フラグの状態を未判定状態に再度設定する。これにより、ステップS17の処理は完了し、故障検知処理はステップS18の処理に進める。なお、本ステップの処理は、必要に応じて省略することも可能である。
ステップS18の処理では、故障検知装置Sが、セルフシャットダウン処理に入り、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致するか否かを判別することにより、吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致して吸気圧センサ14及び大気圧センサが正常である場合(ステップS18:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS19の処理に進める。一方、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致せずに吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障している場合(ステップS18:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS20の処理に進める。
ステップS19の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定し(PB:仮正常)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常)。これにより、ステップS19の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS20の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に設定する(PA:故障、PB:故障)。これにより、ステップS20の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS21の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を未判定状態に設定し(PB:未判定)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定する(PA:仮正常)。これにより、ステップS21の処理は完了し、故障検知処理はステップS22の処理に進める。
ステップS22の処理では、故障検知装置Sが、エンジン1が始動して始動後処理に入りエンジン動作中に検出された吸気圧PBの変動状態に基づいて吸気圧センサ14が故障しているか否かを判別する。判別の結果、所定レベル以上の吸気圧PBの変動が検出されて吸気圧センサ14が正常である場合(ステップS22:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS24の処理に進める。一方、所定レベル未満の吸気圧PBの変動が検出され又は吸気圧PBの変動が検出されないで吸気圧センサ14が故障している場合(ステップS22:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS23の処理に進める。
ステップS23の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を故障状態に設定し(PB:故障)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定する(PA:仮正常)。これにより、ステップS23の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS24の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定する(PA:仮正常、PB:仮正常)。これにより、ステップS24の処理は完了し、故障検知処理はステップS25の処理に進める。
ステップS25の処理では、故障検知装置Sが、内圧推定部122の負荷推定において算出された推定圧と吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBとに基づいて吸気圧センサ14が故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧PBと推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも小さく吸気圧センサ14が正常である場合(ステップS25:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS26の処理に進める。一方、吸気圧PBと推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも大きく吸気圧センサ14が故障している場合(ステップS25:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS30の処理に進める。
ステップS26の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に仮設定する(PA:仮正常、PB:仮正常)。これにより、ステップS26の処理は完了し、故障検知処理はステップS27の処理に進める。
ステップS27の処理では、故障検知装置Sが、セルフシャットダウン処理に入り、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致するか否かを判別することにより、吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致し吸気圧センサ14及び大気圧センサが正常である場合(ステップS27:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS28の処理に進める。一方、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致せず吸気圧センサ14及び大気圧センサが共に故障している可能性がある場合(ステップS27:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS29の処理に進める。
ステップS28の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常、PB:正常)。これにより、ステップS28の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS29の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に設定する(PA:故障、PB:故障)。これにより、ステップS29の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS30の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に仮設定する(PA:仮故障、PB:仮故障)。これにより、ステップS30の処理は完了し、故障検知処理はステップS31の処理に進む。
ステップS31の処理では、故障検知装置Sが、セルフシャットダウン処理に入り、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致するか否かを判別することにより、吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致し吸気圧センサ14及び大気圧センサが正常である場合(ステップS31:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS32の処理に進める。一方、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致せず吸気圧センサ14及び大気圧センサが共に故障している可能性がある場合(ステップS31:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS33の処理に進める。
ステップS32の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグを故障状態に仮設定し(PB:仮故障)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常)。これにより、ステップS32の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS33の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に設定する(PA:故障、PB:故障)。これにより、ステップS33の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
図6は、本実施形態における故障検知装置Sで付加的に実行される吸気圧センサ及び大気圧センサの故障検知処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、故障検知装置Sが稼働されたタイミングで開始となり、故障検知処理はステップS41の処理に進む。
ステップS41の処理では、故障検知装置Sが、エンスト中であるか否かを判別する。判別の結果、エンスト中である場合(ステップS41:Yes)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS42の処理に進める。一方、エンスト中でない場合には(ステップS41:No)、故障検知装置Sは、図5に示す故障検知処理を実行する。
ステップS42の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致するか否かを判別することにより、吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致し吸気圧センサ14及び大気圧センサが正常である場合(ステップS42:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS43の処理に進める。一方、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBと大気圧センサによって検出された大気圧PAとが一致せず吸気圧センサ14及び大気圧センサが故障している場合(ステップS42:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS47の処理に進める。
ステップS43の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグを正常状態に仮設定し(PB:仮正常)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常)。これにより、ステップS43の処理は完了し、故障検知処理はステップS44の処理に進める。
ステップS44の処理では、故障検知装置Sが、エンジン1が始動して始動後処理に入り内圧推定部122の負荷推定において算出された推定圧と、吸気圧センサ14によって検出された吸気圧PBとに基づいて吸気圧センサ14が故障しているか否かを判別する。判別の結果、吸気圧PBと推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも小さく吸気圧センサ14が正常である場合(ステップS44:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS45の処理に進める。一方、吸気圧PBと推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも大きく吸気圧センサ14が故障している場合(ステップS44:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS46の処理に進める。
ステップS45の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常、PB:正常)。これにより、ステップS45の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS46の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を故障状態に設定し(PB:故障)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を正常状態に設定する(PA:正常)。これにより、ステップS46の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS47の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に仮設定する(PA:仮故障、PB:仮故障)。これにより、ステップS47の処理は完了し、故障検知処理はステップS48の処理に進める。
ステップS48の処理では、故障検知装置Sが、エンジン動作中に始動後処理において検出された吸気圧PBの変動状態に基づいて吸気圧センサ14が故障しているか否かを判別する。判別の結果、所定レベル以上の吸気圧PBの変動が検出されて吸気圧センサ14が正常である場合(ステップS48:正常)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS49の処理に進める。一方、所定レベル未満の吸気圧PBの変動が検出され又は吸気圧PBの変動が検出されないで吸気圧センサ14が故障している場合(ステップS48:故障)、故障検知装置Sは、故障検知処理をステップS50の処理に進める。
ステップS49の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に設定する(PA:故障、PB:故障)。これにより、ステップS49の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
ステップS50の処理では、故障検知装置Sが、吸気圧センサ14の故障判定フラグの状態を故障状態に設定し(PB:故障)、大気圧センサの故障判定フラグの状態を故障状態に仮設定する(PA:仮故障)。これにより、ステップS50の処理は完了し、今回の一連の故障検知処理は終了する。
以上の変形例を含む本実施形態における故障検知装置Sにおいては、エンジン1の停止時に加えて、エンジン1の動作時やその動作時から停止時に向かうセルフシャットダウン処理時でも、吸気圧センサ14及び大気圧センサの故障検知をする故障検知処理を実行することにより、吸気圧センサ14及び大気圧センサの正確な故障検知をすることができることになる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、自動二輪車等の車両に適切に採用することができるようにコストを抑制した簡素な構成で、精度よく吸気圧センサの故障検知を行うことができる実用的な故障検知装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両に広く適用され得るものと期待される。
1…エンジン
2…シリンダブロック
2a…気筒
3…ピストン
4…コンロッド
5…クランクシャフト
6…リラクタ
7…クランク角センサ
8…燃焼室
9…点火プラグ
10…吸気管
10a…開口部
11…吸気バルブ
12…スロットル弁
13…バタフライ開度センサ
14…吸気圧センサ
15…バイパス通路
16…バイパス弁
17…バイパス調整モータ
18…排気管
18a…開口部
19…排気バルブ
100…ECU(Electronic Control Unit)
110…制御部
111…モータ制御部
112…ドライバ
120…故障検知部
121…メモリ
121a…基準補正量
121b…影響度合テーブル
121c…基準マップ
122…内圧推定部
122a…補正開度算出部
123…比較判定部

Claims (6)

  1. 内燃機関が備えるセンサの故障を検知する故障検知部を有する故障検知装置であって、
    前記センサは、前記内燃機関の燃焼室に吸入される吸気が流入する吸気管の内部に可動に設けられ前記吸気管を開閉し前記吸気の量を調整する弁体の開度を検出する開度センサと、前記弁体よりも前記吸気管の下流側の圧力を検出する圧力センサと、前記内燃機関の回転数を検出する回転センサと、を含み、
    前記吸気管には、前記弁体よりも上流側と、前記弁体よりも下流側と、を連通するバイパス通路が設けられ、
    前記バイパス通路には、前記バイパス通路を開閉して前記バイパス通路に流入する前記吸気の量を調整するバイパス弁が設けられ、
    前記バイパス弁は、駆動制御されるアクチュエータによって前記バイパス通路を開閉するように移動され、
    前記バイパス弁は、前記アクチュエータが駆動制御される制御量に応じて移動され、
    前記故障検知部は、前記圧力センサによって検出される前記圧力である測定圧と、前記測定圧が検出される際の前記回転数、前記開度及び前記制御量に対応する値としての推定圧と、を比較して、前記測定圧と前記推定圧との差の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合に前記センサの内のいずれかに故障が発生したと判断し、
    前記推定圧は、前記回転数及び前記開度に対応して、前記吸気管の前記下流側の前記圧力を予め検出して得られた値である基準推定圧から算出され、
    前記推定圧を算出する際の前記開度としては、前記制御量に応じて前記開度を補正した補正開度が用いられることを特徴とする故障検知装置。
  2. 前記故障検知装置は、前記基準推定圧を格納した記憶部を更に有し、
    前記故障検知部は、前記記憶部内の前記基準推定圧を参照して、前記測定圧が検出された際の前記回転数及び前記開度に対応した前記基準推定圧の値である前記推定圧を算出する際に、前記開度として用いる前記補正開度を、前記制御量に応じて前記開度を補正することにより算出することを特徴とする請求項1に記載の故障検知装置。
  3. 前記バイパス弁は、前記制御量に比例した移動量で移動されて前記バイパス通路の流路面積を増減するように開閉し、
    前記バイパス弁の前記移動量が前記圧力の変化量の大きさに対して影響する影響度合係数は、前記弁体の前記開度が全閉開度のとき最も大きくなり、
    前記故障検知装置は、基準補正量及び前記影響度合係数を前記記憶部に格納し、
    前記基準補正量は、前記弁体の前記開度を前記全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに前記圧力が変化する第一圧力変化量と前記第一開度量との比である第一基準比と、前記全閉開度において前記バイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する第二圧力変化量と前記第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、
    前記影響度合係数は、前記回転数に対応して得られた前記第二圧力変化量と、前記回転数及び前記弁体の前記開度に各々対応して得られると共に前記バイパス弁を前記第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、
    前記弁体の前記補正開度は、前記基準補正量と前記バイパス弁の前記移動量と前記影響度合係数との積と、前記開度センサによって検出される測定開度と、の和によって算出されることを特徴とする請求項2に記載の故障検知装置。
  4. 前記回転数及び前記弁体の前記開度と、前記回転数及び前記開度に各々対応して、前記吸気管の前記下流側の前記圧力を予め検出して得られた前記値である前記基準推定圧と、は、それらの対応関係に則ったマップデータの形式で用意されることを特徴とする請求項2又は3に記載の故障検知装置。
  5. 前記故障検知装置は、前記推定圧を格納した記憶部を更に有し、
    前記回転数と前記弁体の前記開度とに対応して、前記弁体よりも下流側の圧力の実測値である基準推定圧が測定されて、前記回転数の値と前記開度の値と前記基準推定圧の値との対応関係を示すデータが予め用意され、前記制御量に応じて前記開度が補正された補正開度の値を前記開度の前記値として用いて前記データの前記基準推定圧の前記値から前記推定圧の値が算出され、算出された前記推定圧の前記値が前記記憶部に記憶されることを特徴とする請求項1に記載の故障検知装置。
  6. 前記バイパス弁は、前記制御量に比例した移動量で移動されて前記バイパス通路の流路面積を増減するように開閉し、
    前記バイパス弁の前記移動量が前記圧力の変化量の大きさに対して影響する影響度合係数は、前記弁体の前記開度が全閉開度のとき最も大きくなり、
    前記補正開度の算出は、基準補正量及び前記影響度合係数を使って予め算出され、
    前記基準補正量は、前記弁体の前記開度を前記全閉開度から所定値である基準開度まで第一開度量だけ変化させたときに前記圧力が変化する第一圧力変化量と前記第一開度量との比である第一基準比と、前記全閉開度において前記バイパス弁を第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する第二圧力変化量と前記第一の移動量との比である第二基準比と、の比として予め算出され、
    前記影響度合係数は、前記回転数に対応して得られた前記第二圧力変化量と、前記回転数及び前記弁体の前記開度に各々対応して得られると共に前記バイパス弁を前記第一の移動量となるように移動させたときに前記圧力が変化する変化量と、の比として予め算出され、
    前記弁体の前記補正開度は、前記基準補正量と前記バイパス弁の前記移動量と前記影響度合係数との積と、前記弁体の前記開度と、の和によって予め算出されることを特徴とする請求項5に記載の故障検知装置。
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