JP2021115550A - 集塵ダスト循環装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な装置構成で集塵ダスト循環装置設置のためのスペース削減や設置コスト及びランニングコストの低減を実現可能とする集塵ダスト循環装置を提供する。【解決手段】集塵された集塵ダストを集塵機10の上流側に還流するための集塵ダスト循環装置1は、集塵機10の下方に位置し集塵ダストを処理装置に向かわせるように筒状に形成されたシュート30と、入口開口部42を通じてシュート30の内部と連通する吸引管40と、吸引管40内に集塵ダストの少なくとも一部を吸引するようなエゼクタ効果を吸引管40内に発生させるように圧縮ガスを流すための圧縮ガス管50と、吸引管40に接続され、吸引管40から集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11にまで延びる集塵ダスト輸送管60であって、吸引管40内に吸引された記集塵ダストを入口側煙道11にまで輸送するための輸送用ガスが流通する集塵ダスト輸送管60と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、集塵機により集塵された集塵ダストを循環させる集塵ダスト循環装置に関する。
ごみ焼却施設に代表されるように、燃焼装置から排気される排気ガス中には、飛灰(煤塵とも呼ばれる)が含まれるだけではなく、塩化水素や硫黄酸化物などの酸性ガス、更に、水銀や鉛などの重金属といった有害物質が含まれている。
このような有害物質を除去して、排気ガスを大気中に放出できるレベルにまで清浄化するために、燃焼装置の下流には、排ガス処理設備が設けられている。
排ガス処理設備では、飛灰を集塵するためのバグフィルタが用いられているとともに、排気ガス中の有害物質を中和又は吸収するための薬剤がバグフィルタの上流側で吹き込まれている。薬剤としては、例えば、石灰や重曹といったアルカリ性薬剤と、活性炭などの吸着性物質と、がある。
排ガス処理設備で吹き込まれる薬剤は、有害物質に対して吹き込まれる分量の当量比が1の分量では有害物質の中和又は吸収には不十分であり、例えば塩化水素を消石灰で中和処理する場合には当量比が2〜3程度となる分量で吹き込まれることが一般的である。
その結果、バグフィルタに集塵された集塵ダストには、飛灰と、前記薬剤による反応生成物と、前記薬剤のうちの未反応薬剤と、が混在した状態となっている。
一方、過剰に投入され未反応のままとなっている薬剤は、ランニングコスト増大の要因となり、集塵ダスト増大の要因ともなっている。
そこで、未反応薬剤を含む集塵ダストをバグフィルタの上流側に還流する各種の循環装置又は循環方法が提案されており、例えば、特許文献1に示される飛灰循環型排ガス処理方法における循環装置は、バグフィルタから排出される集塵ダスト(特許文献1では「飛灰」と記載されている。)をバグフィルタの下方に位置して振り分ける振り分けコンベアと、さらに下方の位置で前記集塵ダストを一時貯留する貯槽と、前記貯槽から前記集塵ダストを運搬する供給コンベアと、前記供給コンベアから運搬された前記集塵ダストをバグフィルタの入口側煙道に還流する循環ダクトと、を備える。
特開2014−24052号公報
上記のような構成を有する従来の循環装置では、集塵ダストを集塵機の上流側に還流するための装置が多く又は複雑な装置であり、設置のためのスペース及びコストが大きい。また、これにより、既存設備へ循環装置を追加設置することも難しいという問題がある。
本発明の目的は、簡易な装置構成で集塵ダスト循環装置設置のためのスペース削減や設置コスト及びランニングコストの低減を実現可能とする集塵ダスト循環装置を提供することにある。
提供される集塵ダスト循環装置は、燃焼装置から排出される排気ガス中に含まれる飛灰と前記排気ガス中に含まれる有害物質を中和又は吸収するために投入された薬剤による反応生成物と前記薬剤のうちの未反応薬剤とを含んで集塵機に集塵された集塵ダストを前記集塵機の上流側に還流するための集塵ダスト循環装置であって、前記集塵機の下方に位置し前記集塵ダストを処理装置に向かわせるように筒状に形成されたシュートと、入口開口部を有し当該入口開口部を通じて前記シュートの内部と連通する吸引管と、前記吸引管内に前記集塵ダストの少なくとも一部を吸引するようなエゼクタ効果を当該吸引管内に発生させるように圧縮ガスを流すための圧縮ガス管と、前記吸引管に接続され、前記吸引管から前記集塵機の上流側に位置する入口側煙道にまで延びる集塵ダスト輸送管であって、前記吸引管内に吸引された前記集塵ダストを前記入口側煙道にまで輸送するための輸送用ガスが流通する集塵ダスト輸送管と、を備える。
前記集塵ダスト循環装置によれば、前記シュートから前記入口側煙道までの循環経路が前記吸引管と前記集塵ダスト輸送管とからなる配管で構成されているので、従来の循環装置に比べて、簡易な装置構成であり、集塵ダスト循環装置の設置スペースの削減及び設置コストの削減を実現することができる。また、貯槽や運搬用のコンベア等を用いることなく、前記集塵ダストを前記シュートから前記集塵ダスト輸送管まで前記集塵ダストを搬送することができる。さらに、前記吸引管内に前記集塵ダストの少なくとも一部を吸引する際に、ポンプや送風機等の装置を用いる必要がないため、集塵ダスト循環にかかるコスト削減を可能にすることができる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記圧縮ガス管は、前記圧縮ガスが前記輸送用ガスに含まれるように前記集塵ダスト輸送管に接続されてもよい。
この態様によれば、前記圧縮ガス管が前記集塵ダスト輸送管に接続されて前記輸送用ガスが前記圧縮ガスを含むので、前記圧縮ガスを前記輸送用ガスとして利用することができ、前記輸送用ガスの供給装置を別途設ける必要性がなく、簡易な装置構成とすることができる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記シュートに設けられ、前記吸引管によって吸引されることにより前記シュート内が減圧されることを防止するために前記シュート内に圧力補償用ガスを供給する圧力補償用ガス供給部を、さらに備えてもよい。
この態様によれば、前記吸引管によって吸引されることに起因する前記シュート内の減圧を防止することができる。換言すれば、前記シュート内の圧力と前記吸引管内の圧力との圧力差が小さくなることが防止され、前記吸引管が前記シュート内を通過する前記集塵ダストを安定して吸引することが可能となる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記圧力補償用ガス供給部は、前記圧力補償用ガスの前記シュート内での平均流速が同伴限界速度以上となる条件を満たす供給速度及び供給量で前記圧力補償用ガスを供給するものであり、前記同伴限界速度は、集塵対象とする径の前記集塵ダストが前記圧力補償用ガスに同伴することが可能な速度の最小値であってもよい。
この態様によれば、前記圧力補償用ガスによって前記シュート内を通過する前記集塵ダストを攪拌することができる。さらに、前記圧力補償用ガスによって前記集塵ダストが前記シュートの壁面に衝突することや前記集塵ダスト同士が衝突すること、前記圧力補償用ガス供給部から供給された直後の前記圧力補償用ガスによる局所的に早い流速の流れによるガス同士の衝突や渦が発生すること等により前記集塵ダストを解砕することができる。これにより、前記集塵ダストの全体の表面積が増加するとともに、集塵ダスト内に埋没した未反応薬剤を露出させることができる。換言すれば、集塵ダストの解砕によって、前記集塵ダストのうちの未反応薬剤の比表面積を増加させることができる。さらにこの態様によれば、前記圧力補償用ガスによって前記シュート内を通過する前記集塵ダストの中から所望する径の集塵ダストを分級し、前記集塵機の上流側に所望する径の集塵ダストを選択的に還流させることができる。換言すれば、未反応薬剤の比表面積が大きい、径の小さい集塵ダストを選択的に前記吸引管内に吸引し、前記集塵機の上流側に還流させることで未反応薬剤を効率よく再利用することができ、その結果、排ガス処理設備のランニングコスト低減が可能となる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記吸引管内における前記集塵ダストの搬送を補助する搬送補助用ガスを前記吸引管内に供給するための搬送補助用ガス供給管をさらに備えていてもよい。
この態様によれば、前記搬送補助用ガス供給管を通じて前記吸引管内に前記搬送補助用ガスを供給することにより、前記エゼクタ効果により前記吸引された集塵ダストをより確実に前記集塵ダスト輸送管まで搬送することができる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記搬送補助用ガス供給管は、前記入口開口部と前記集塵ダスト輸送管との間の位置のうち、前記吸引管内の前記エゼクタ効果が作用する範囲の位置で当該吸引管に接続されてもよい。
この態様によれば、より小さな径の集塵ダストのみを吸引すべく前記エゼクタ効果を抑えながら集塵ダストの確実な搬送を行うことが可能となる。
さらに、前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、該集塵ダスト循環装置において、前記シュートに供給される前記圧力補償用ガスの供給量と、前記吸引管に供給される前記搬送補助用ガスの供給量の総和は、常に一定であることが好ましい。
この態様によれば、前記吸引管に流れるガスの流量を変えずに、前記シュート内での前記圧力補償用ガスの平均流速を低下させることができ、前記集塵ダストのうちの径がより小さい微細なものを前記吸引管の前記入口開口部から吸引することができる。換言すれば、前記吸引管に流れるガスの流量を好ましい値に維持しながら、前記圧力補償用ガスの供給量と前記搬送補助用ガスの供給量との比を任意に変えて、前記吸引管の前記入口開口部に及ぶエゼクタ効果の度合いを任意に抑えることが可能となる。さらにこの態様によれば、前記圧力補償用ガスの供給量が低下して前記吸引管の前記入口開口部に流入する前記圧力補償用ガスの流量が低下したとしても、前記搬送補助用ガス供給管によって前記搬送補助用ガスが前記吸引管内に供給されることにより、前記吸引管内を流れるガスの総量が低下することが防止され、前記吸引管内での集塵ダストの堆積又は閉塞を防止することができる。
前記集塵ダスト循環装置の好ましい態様として、前記圧力補償用ガス供給部は、前記圧力補償用ガスが前記シュート内を通過する前記集塵ダストを前記シュートの軸周りに旋回させるように、配置されてもよい。
この態様によれば、前記圧力補償用ガスが前記シュート内を通過する前記集塵ダストを前記シュートの軸周りに旋回させることで、前記集塵ダストの前記シュート内での滞留時間を長くすることができる。これにより、前記圧力補償用ガスによる前記集塵ダストの攪拌、分級及び解砕効果を向上させることができる。
したがって、本発明に係る集塵ダスト循環装置によれば、簡易な装置構成で集塵ダスト循環装置設置のためのスペース削減や設置コスト及びランニングコストの低減を実現することができる。
集塵機と集塵ダスト循環装置とを示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置を示す正面断面図である。 図2のIII−III断面図である。 消石灰の粒状体がガス流体に同伴可能となるガス流速の同伴限界速度と前記粒状体の粒径との関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置の第1の変形例を示す正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置の第2の変形例を示す平面断面図である。 第2の変形例における集塵ダスト循環装置によって集塵ダストが吸引される様子であって圧力補償用ガスによる攪拌がない状態で集塵ダストが吸引される様子を示す正面断面図である。 第2の変形例における集塵ダスト循環装置によって集塵ダストが吸引される様子であって圧力補償用ガスによる攪拌がある状態で集塵ダストが吸引される様子を示す正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置の第3の変形例であって圧力補償用ガス供給ノズルの配置を示すシュートの平面断面図である。 本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置の第4の変形例であって圧力補償用ガス供給ノズルの配置を示すシュートの平面断面図である。 本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置の第5の変形例であって圧力補償用ガス供給ノズルの配置を示すシュートの平面断面図である。
(実施形態)
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1を、図1〜図4及び図7に基づいて説明する。図7は、第2の変形例における集塵ダスト循環装置を示すものであるが、ロータリーバルブの説明の便宜のため、本実施の形態についての説明においても使用されるものとする。なお、図1以下の図面において、後述する圧縮ガス管50及び集塵ダスト輸送管60は、吸引管40近傍の形状を除いて、簡略化されて実線で示されている。
集塵ダスト循環装置1は、集塵機10に集塵された集塵ダストを集塵機10の上流側に還流するための装置である。
<集塵機10の構成>
集塵機10は、図示されていない燃焼装置から排出される排気ガス中に含まれる飛灰を主に回収する装置である。排気ガス中には、飛灰のみならず、酸性ガスや重金属などの有害物質が含まれている。通常は、これらの有害物質を中和又は吸収するために集塵機の上流側で排気ガス中に薬剤が吹き込まれている。このため、集塵機10の濾布13の表面には、飛灰と、有害物質を中和又は吸収するために投入された薬剤による反応生成物と、前記薬剤のうちの未反応薬剤とが、混在した状態で集塵されて付着し、一部は凝集体となっている。なお、濾布13に付着し凝集体となった集塵ダストは、逆洗装置15によるパルスジェット気流で払い落とされて、一部を径が小さい微細なもの、残部を凝集体としながら、集塵機10のホッパ部12に向かう。さらに、ホッパ部12に払い落とされた集塵ダストは、ホッパ部12内に設けられている図示されていないコンベア等の排出手段でホッパ部12の下方に配置されるロータリーバルブ20に向かう。
<ロータリーバルブ20の構成>
ロータリーバルブ20は、上側の集塵機10と下側のシュート30との間で気体をシールしながら、集塵ダストが下方のシュート30に排出するのを許容するように開弁する。ロータリーバルブ20は、集塵ダストをシュート30内に均等に排出するのではなく、集塵ダストがシュート30内で偏流するように集塵ダストを落とす。具体的には、図7に示されるように、ロータリーバルブ20は、シュート30の側壁近傍で前記側壁に沿ってシュート30内に集塵ダストを排出する。ロータリーバルブ20の上側の気圧は、集塵機10によって減圧されており、ロータリーバルブ20の下側の気圧は、大気圧と略等しい。
反応生成物は、燃焼装置から排出される排気ガス中に含まれる有害物質と、それを中和又は吸収するために投入された薬剤とが反応して生成されたものである。有害物質は、塩化水素や硫黄酸化物といった酸性物質と、水銀や鉛といった重金属と、を主に含む。薬剤の種類としては、消石灰や重曹といったアルカリ性物質と、活性炭といった吸着性物質と、を主に含む。反応生成物は、ダストの積層と圧力差による空間率の低下、排気ガス中の水分などの影響、および静電気などにより径を大きくしていき、凝集体を形成する。このように、集塵機10の濾布13に集塵された反応生成物を含む集塵ダストは、次々と集塵ダストを吸着することで径を大きくしていき、凝集体へと成長する。
例えば塩化水素と消石灰とが反応する場合、その反応生成物は、次の化学反応式に示されるように、塩化カルシウムである。
Ca(OH)+HCl→CaClOH+H
CaClOH+HCl→CaCl+H
例えば硫黄酸化物と消石灰とが反応する場合、その反応生成物は、次の化学反応式に示されるように、亜硫酸カルシウムである。
Ca(OH)+SO→CaSO+H
また、ナトリウム系の薬剤を使った場合の反応生成物は、例えば、NaCl、NaSOである。
<集塵ダスト循環装置1の構成>
集塵ダスト循環装置1は、シュート30と、吸引管40と、圧縮ガス管50と、集塵ダスト輸送管60と、圧力補償用ガス供給部70と、を備える。
シュート30は、集塵機10の下方に位置し集塵ダストを処理装置(図示されていない)に向かわせるように筒状に形成されている。シュート30は、通常、上下方向に延びるように配置されている。シュート30は、シュート30上方に位置する集塵機10から排出される集塵ダストを、ロータリーバルブ20を介して受け入れ、受け入れた集塵ダストが外気に拡散しないようにしながら、下方に位置するコンベヤ200及び処理装置に導くものである。シュート30は、円筒状に形成されていてもよいし、中空の角柱状に形成されていてもよい。
吸引管40は、両側に入口開口部42及び出口開口部43を有し入口開口部42を通じてシュート30の内部と連通しており、なおかつ後述する通り、出口開口部43を通じて集塵ダスト輸送管60とも連通している。本実施の形態において、図2に示すように、吸引管40は、シュート30の側壁に接続されている。これにより、吸引管40は入口開口部42を通じてシュート30内を通過する集塵ダストを吸引することができる。
圧縮ガス管50は、吸引管40の伸びる方向と交差する方向に圧縮ガスを流すことで吸引管40内にエゼクタ効果を発生させるように配置されている。具体的には、吸引管40の出口開口部43の近傍には、圧縮ガス管50の先端が配置されている。これにより、圧縮ガス管50は、吸引管40の出口開口部43近傍において圧縮ガスを吸引管40の伸びる方向と交差する方向に流し、その圧縮ガスの流れによるエゼクタ効果を吸引管40内に発生させることができる。そして、圧縮ガス管50は、このエゼクタ効果により、シュート30内を通過する集塵ダストの少なくとも一部が吸引管40内に吸引されるように、吸引管40内を減圧することができる。なお、本明細書では、「交差」とは、「二本以上の線状のものが、一点で重なること」を意味するものとし、「十文字に交わること」に限定されないものとする。すなわち、「交差」とは、直交する場合と、斜めに交わる場合と、を含むものとする。
さらに、圧縮ガス管50は、圧縮ガスが後述の輸送用ガスに含まれるように集塵ダスト輸送管60に接続されている。具体的には、圧縮ガス管50は、圧縮ガス管50の先端が集塵ダスト輸送管60の内部に差し入れられており、なおかつ圧縮ガス管50の先端が吸引管40の出口開口部43近傍に配置されるように、集塵ダスト輸送管60に接続されている。換言すれば、後述するように、圧縮ガス管50は、集塵ダスト輸送管60と吸引管40との接続部近傍に、圧縮ガス管50の先端が集塵ダスト輸送管60の内部に差し入れられる形で、集塵ダスト輸送管60へと接続されている。
集塵ダスト輸送管60は、吸引管40の出口開口部43と、集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11とを接続する管である。集塵ダスト輸送管60には、吸引管40内に吸引された集塵ダストを入口側煙道11にまで輸送するための輸送用ガスが流通する。輸送用ガスは、前述の圧縮ガスと、後述の圧力補償用ガスと、を含む。集塵ダスト輸送管60は、固定配管であってもよいし、可撓性を有するフレキシブルホースであってもよい。
圧力補償用ガス供給部70は、吸引管40によるシュート30内のガスの吸引によって引き起こされるシュート30内の減圧を防止するために、シュート30内に圧力補償用ガスを供給する。圧力補償用ガス供給部70は、ブロワ71と、圧力補償用ガス供給管72と、複数の圧力補償用ガス供給ノズル73と、を有する。また、圧力補償用ガス供給部70はブロワ71、圧力補償用ガス供給管72、複数の圧力補償用ガス供給ノズル73の順に連通しており、ブロワ71から供給される圧力補償用ガスを、シュート側壁に接続された前記複数の圧力補償用ガス供給ノズル73を介してシュート30内部へ噴射させる構成になっている。
具体的には、圧力補償用ガス供給ノズル73は、吸引管40の入口開口部42の高さ位置よりも上側に位置する複数の第1圧力補償用ガス供給ノズル73aと、入口開口部42の高さ位置と同じ高さ位置か若干上側に位置する第2圧力補償用ガス供給ノズル73bと、を有する。そして、複数の第1圧力補償用ガス供給ノズル73aは、図3に示すように、シュート30の側壁に、シュート30の軸を取り囲むように、かつ、圧力補償用ガスの噴出方向がシュート30の軸の周方向と略一致して圧力補償用ガスによる旋回流がシュート30内に発生するように、配置されている。そして、圧力補償用ガス供給部70は、圧力補償用ガス供給ノズル73からの圧力補償用ガスの噴出速度が、例えば20m/sから30m/sとなるように、構成されている。
また、圧力補償用ガス供給部70が、圧力補償用ガスのシュート30内での平均流速が同伴限界速度以上となる条件を満たす供給速度及び供給量で圧力補償用ガスを供給することによって、シュート30内を通過する集塵ダストを、圧力補償用ガスの流れに同伴する一部の集塵ダストと、圧力補償用ガスの流れに同伴せずに重力によってシュート30内を落下する残部の集塵ダストとに分けることが可能になる。ここで、同伴限界速度とは、集塵対象とする径の集塵ダストが圧力補償用ガスに同伴することが可能な速度の最小値である。圧力補償用ガスの流れに同伴する集塵ダストは吸引管40に吸引され、集塵機10への入口煙道11へと還流される。一方で、重力によってシュート30内を落下する残部の集塵ダストはシュート30内を通過して図示しない処理装置に向かう。つまり、圧力補償用ガスのシュート30内での平均流速を、集塵ダストのうち径の微細なものがその流れに同伴することを可能とする同伴限界速度以上に設定することで、シュート30内へと供給される集塵ダストうち、一部の径が小さい微細なものを集塵機10の入口煙道11へと還流させ、残部の径の大きな凝集体をシュート30内へと落下させて集塵機10の入口煙道11へと循環させないようにすることができる。その結果、シュート30内へと供給される集塵ダストうち、一部の径が小さい微細なものを選択的に集塵機10の入口煙道11へと還流させることが可能となる。本構成により得られる効果の詳細は、実施形態における作用効果として後に説明することとする。
さらに本実施形態において、前記複数の圧力補償用ガス供給ノズル73は、圧力補償用ガスがシュート30内を通過する集塵ダストをシュート30の中心軸周りに旋回させるように、配置されている。圧力補償用ガスの旋回流がシュート30内を通過する集塵ダストをシュート30の軸周りに旋回させることで、集塵ダストの当該シュート30内での滞留時間を長くすることができる。これにより、圧力補償用ガスによる集塵ダストの攪拌、分級及び解砕効果を向上させることができる。
具体的には、次のとおりである。前記旋回流は、シュート30内を通過する集塵ダストの当該シュート30内での滞留時間を長くし、同時に、シュート30内で前記集塵ダストを攪拌する。そして、シュート30内を旋回しながら通過し攪拌される集塵ダストは、解砕される。さらに、シュート30内を旋回しながら通過し攪拌される集塵ダストの一部であって径が小さい微細なものは、圧力補償用ガスに同伴しながら入口開口部42を通じて吸引管40内に吸引される。一方、シュート30内を旋回しながら通過し攪拌される集塵ダストのうち吸引管40に吸引されずに残った凝集体は、重力によってシュート30内を通過して処理装置に向かう。このようにして、シュート30内を旋回しながら通過し攪拌される集塵ダストは、圧力補償用ガスによって分級される。加えて、第2圧力補償用ガス供給ノズル73bから噴出される圧力補償用ガスにより、撹拌されてシュート30内に広がった集塵ダストが入口開口部42の側に寄せられ、入口開口部42を通じて吸引管40から吸引される。このようにして、集塵ダストの径より小さな径を有する集塵ダスト、すなわち比表面積が大きく、単位体積当たりの未反応薬剤の露出面積が大きい集塵ダストを選択的に集塵機10の入口側煙道11へと還流することができる。
本実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1による作用効果を説明する。
まず、集塵ダスト循環装置1が集塵機10に集塵された集塵ダストを集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11に還流する一連の動きを説明する。
集塵機10によって集塵された集塵ダストは、逆洗装置15によって払い落とされて、ロータリーバルブ20に移動する。ロータリーバルブ20は、集塵機10内の気体とシュート30内の気体とをシールしながら、集塵ダストをシュート30内に排出する。シュート30は、さらに下方に位置するコンベア200及び図示されていない処理装置に向かって、集塵ダストを通過させる。このとき、圧力補償用ガス供給部70によってシュート30内に圧力補償用ガスが供給されており、この圧力補償用ガスによってシュート30内には旋回流が発生している。この旋回流により、シュート30内を通過する集塵ダストの滞留時間が長くなり、前記集塵ダストが攪拌される。さらに、この旋回流に攪拌されることにより、シュート30内を通過する集塵ダストのうち凝集体が解砕される。加えて、圧力補償用ガス供給ノズル73より供給された直後の早い流速の圧力補償用ガス同士の衝突や渦により凝集体が解砕される。さらに、前記旋回流の攪拌によって、前記集塵ダストのうち解砕されてもなお凝集体であるものと径が小さい微細なものとに分級される。
他方で、圧縮ガス管50の先端が、吸引管40の出口開口部43近傍に配置されているので、圧縮ガス管50の先端から噴出する圧縮ガスによって、吸引管40の出口開口部43近傍においてエゼクタ効果が発生する。これにより、吸引管40内が減圧されて、入口開口部42からシュート30内のガスが吸引される。
したがって、シュート30内を通過する集塵ダストのうち径が小さい微細なものが、吸引される圧力補償用ガスに同伴して、入口開口部42から吸引管40内に吸引される。なお、シュート30内で攪拌・解砕されてもなお凝集体のままである集塵ダストは、そのままシュート30内を落下し、図示しない処理装置に向かう。
入口開口部42から吸引管内40内に吸引された集塵ダストは、同じく吸引された圧力補償用ガスに同伴して出口開口部43に搬送される。搬送された集塵ダストは、吸引管40の出口開口部43に接続された集塵ダスト輸送管60に移動し、圧縮ガス管50から噴出された圧縮ガスと圧力補償用ガスとを含む輸送用ガスにより、集塵ダスト輸送管60内を通りながら集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11にまで移送される。
このようにして、集塵ダスト循環装置1によって、集塵機10に集塵された集塵ダストが集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11に還流される。
集塵ダスト循環装置1によれば、シュート30から入口側煙道11までの循環経路が吸引管40と集塵ダスト輸送管60とからなる配管で構成されている。この構成により、集塵ダストの搬送にコンベア等を用いるような従来の循環装置に比べて簡易な構成で集塵ダストを還流することができ、集塵ダスト循環装置の設置スペース及び設置コストの削減を実現することができる。
さらに、集塵ダスト循環装置1は、エゼクタ効果を吸引管40内に発生させるように圧縮ガスを流すための圧縮ガス管50によって、吸引管40内に集塵ダストの少なくとも一部を吸引することができるように構成されている。これにより、吸引管40内に集塵ダストの少なくとも一部を吸引するための装置(例えばポンプ等)を用いる必要性がなく、装置の構成をさらに簡易化することができる。
さらに、集塵ダスト循環装置1は、圧縮ガス管50が集塵ダスト輸送管60に接続されることで輸送用ガスが圧縮ガスを含むように構成されているので、圧縮ガスを輸送用ガスとして利用することができる。換言すれば、輸送用ガスの供給装置を別途設ける必要性がなく、簡易な装置構成とすることができる。
さらに、圧力補償用ガス供給部70がシュート30内に圧力補償用ガスを供給することにより、吸引管40がシュート30内を通過する集塵ダストを安定して吸引することが可能となる。具体的には、圧力補償用ガスをシュート30内に供給し、シュート30内と吸引管40内との間に有意な圧力差を発生させることにより、低圧側である吸引管40が高圧側であるシュート30内のガスを吸引し、当該ガスに同伴する集塵ダストを吸引することが可能となっている。吸引管40によってシュート30内のガスが吸引されると、シュート30内が減圧され、シュート30内と吸引管40内との圧力差が小さくなる。そして、前記圧力差が有意に小さくなると、吸引管40への集塵ダストの吸引が不安定となるおそれがある。そこで、圧力補償用ガス供給部70がシュート30内に圧力補償用ガスを供給することによって、前記圧力差が小さくなることが抑止され、吸引管40がシュート30内を通過する集塵ダストを安定して吸引することが可能となる。
さらに、集塵ダストがシュート30内を偏って通過したとしても、圧力補償用ガスによってシュート30内を通過する集塵ダストが攪拌されることにより、圧力補償用ガスの気流に同伴した集塵ダストが吸引管40の入口開口部42を通じて吸引管40内に吸引されることができる。具体的には、ロータリーバルブ20は、集塵ダストをシュート30内で偏流するように排出する。一方、吸引管40の入口開口部42は、シュート30の側壁の水平方向の一部領域に接続されている。このため、吸引管40は、シュート30の水平方向全域に渡って、エゼクタ効果による吸引作用を及ぼすことができない。このような場合において、集塵ダストがシュート30内で偏流して入口開口部42よりも離れた位置を通過したとしても、圧力補償用ガスによってシュート30内を通過する集塵ダストがシュート30の水平方向の全域に攪拌され、第2圧力補償用ガス供給ノズル73bより供給された圧力補償用ガスによって入口開口部42の側に寄せられることにより、圧力補償用ガスの気流に同伴した集塵ダストが入口開口部42を通じて吸引管40内に吸引されるようにすることができる。
さらに、集塵ダスト循環装置1は、圧力補償用ガス供給部70により供給される圧力補償用ガスが集塵ダストを解砕するように構成されている。この圧力補償用ガスによる集塵ダスト解砕効果により、集塵ダストの全体の表面積を増加させるとともに、未反応薬剤の露出度を向上させることによって、集塵ダストのうちの未反応薬剤の比表面積を増加することができる。つまり、未反応薬剤の比表面積が大きい、径の小さい集塵ダストを選択的に前記吸引管内に吸引し、前記集塵機の上流側に還流させることで未反応薬剤を効率よく再利用することができ、その結果、排ガス処理設備のランニングコスト低減が可能となる。
集塵機10の濾布13上での中和反応では堆積した集塵ダスト層内を排気ガスが一様に通過して薬剤粒子と満遍なく接触することが理想的である。ところが集塵ダスト層内にはフレーク状の凝集体がみられ、粒径および空間は均一ではない。そのため圧力損失の小さい部位に選択的な流れができてミクロ的には偏流することになり、排気ガスと接触することのできる粒子は限定的になる。特に未反応薬剤成分が凝集体内部に存在する場合には排気ガスとの接触機会はなくなる。凝集体の解砕により粒径の不均一性が小さくなり、局所的な偏流の度合いを小さくすることでも排気ガスと未反応薬剤との接触機会を向上させることで効率良い再利用が可能となる。
さらに、集塵ダストのうちの目的とする集塵ダストの径に応じて、圧力補償用ガスのシュート30内での平均流速を圧力補償用ガス供給部70により調整することで、目的とする径の集塵ダストである径が小さい微細なものが、シュート30内を通過する集塵ダストの中から分級され、吸引管40の入口開口部42を通じて吸引管40内に吸引されて、集塵機10の上流側に還流されるようにすることができる。
上記の圧力補償用ガスによる集塵ダストの解砕及び分級効果の有用性は以下の通りである。未反応薬剤を還流することを目的とする集塵ダスト循環装置1において、払い落とされた集塵ダストのうちの径が小さい微細なものの体積割合を増加して、径が小さい微細なものを選択的に還流することが効率性の観点で望ましい。なぜなら、集塵ダストの体積の総和が同じであれば、より径が小さい微細なものの方が、集塵ダスト表面に未反応薬剤が露出しているからである。換言すれば、径が小さい微細なものの方が、径が大きい凝集体と比較して比表面積が大きくなるため、単位体積当たりにおける未反応薬剤の露出面積が大きくなる。そして、集塵ダスト循環装置1は、集塵ダストを解砕して凝集体の中に埋没する未反応薬剤を露出することにより、集塵ダストのうちの径が小さい微細なもの、すなわち比表面積が大きく単位体積当たりの未反応薬剤の露出面積が大きいものの体積割合を増加することができる。さらに、集塵ダスト循環装置1は、集塵ダストのうちから径が小さい微細なものを分級することにより、比表面積が大きく反応性が高い集塵ダストを、選択的に集塵機10の上流側に還流することができる。したがって、集塵ダスト循環装置1は、払い落とされた集塵ダストのうち、径が小さい微細なものが含まれる割合を増加させつつ、径が小さい微細なものを集塵機10の入口側煙道11へと選択的に還流することで、未反応薬剤を効率的に再利用することができるのである。
また、前記集塵ダストにおいて、圧力補償用ガスの流速と集塵ダストの径とによって、圧力補償用ガスに同伴するか否かが異なる。このため、目的とする集塵ダストの径に対応して同伴可能とする圧力補償用ガスの平均流速(同伴限界速度)となるように圧力補償用ガス供給部70が圧力補償用ガスを供給することにより、シュート30内を通過する集塵ダストのうち、目的とする集塵ダストの径より小さな径を有する集塵ダスト、すなわち比表面積が大きく、単位体積当たりの未反応薬剤の露出面積が大きい集塵ダストを選択的に集塵機10の入口側煙道11へと還流することができる。
より具体的には、次のとおりである。図4は、消石灰に関して、消石灰の粒状体の粒径を横軸に示し、当該粒径においてガス流体に同伴可能な同伴限界速度を縦軸に示したものであるが、消石灰と密度を同等とする集塵ダストにおいても同様の関係が成立している。シュート30内の圧力補償用ガスの平均流速がuのとき、図4から、この流速において同伴可能な集塵ダストの粒径はdとなることがわかる。したがって、シュート30内の圧力補償用ガスの平均流速がuとなるように、圧力補償用ガス供給部70が圧力補償用ガスを供給することにより、シュート30内を通過する集塵ダストのうち、dより小さな径を有する集塵ダストを選択的に還流することができる。
さらに、集塵ダスト輸送管60は可撓性を有するフレキシブルホースであってもよい。この構成によって、吸引管40から集塵機10の上流側に位置する入口側煙道11にまで延びる集塵ダスト輸送管60の設置作業を容易に行うことができ、集塵ダスト循環装置1を既存設備へ追加設置することが容易となる。例えば、集塵ダスト輸送管60が可撓性を有するフレキシブルホースであれば、既に設置してある機器や配管、デッキの隙間を縫うようにして通すことができ、集塵ダスト循環装置1を既存設備へ追加設置することが容易となる。
(第1の変形例)
本発明は、吸引管内での集塵ダストの搬送を行うガスが圧力補償用ガスのみによるものに限定されず、他から供給されたガスを含むものも含む。
このことを説明するために、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1の第1の変形例である集塵ダスト循環装置1Aを、図5に基づいて説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態に係る構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略するものとし、異なる構成要素について主に説明を行うものとする。
図5に示される集塵ダスト循環装置1Aは、上記の集塵ダスト循環装置1が備える構成要素と、搬送補助用ガス供給管80と、を備える。
搬送補助用ガス供給管80は、シュート30内を通過していた集塵ダストのうちのエゼクタ効果によって入口開口部42を通じて吸引管40内に吸引された集塵ダストが同じく吸引された圧力補償用ガスに同伴して吸引管40内と集塵ダスト輸送管60内とで搬送されることを補助するための搬送補助用ガスを吸引管40に供給するための管である。すなわち、搬送補助用ガス供給管80は、吸引管40内に吸引されたシュート内のガスすなわち圧力補償用ガスが同じく吸引管40内に吸引された集塵ダストを搬送することを十分にできない場合に、吸引管40内での圧力補償用ガスによる集塵ダストの搬送を補助するための搬送補助用ガスを供給するための管である。搬送補助用ガス供給管80は、入口開口部42と集塵ダスト輸送管60との間の位置であって吸引管40内のエゼクタ効果が作用する範囲内における位置において吸引管40に接続されている。好ましくは、搬送補助用ガス供給管80は、入口開口部42の近傍において吸引管40に接続されている。吸引された圧力補償用ガス及び搬送補助用ガスによって吸引管40内を搬送された集塵ダストは、集塵ダスト輸送管60に進入し、輸送用ガスによって集塵ダスト輸送管60内を輸送される。なお、本明細書で「搬送」とは、集塵ダストを輸送することである。
さらに、集塵ダスト循環装置1Aにおいて、圧力補償用ガス供給部70は、搬送補助用ガス供給管80がない場合にシュート30内が減圧されることを防止するために必要な圧力補償用ガスの供給量から搬送補助用ガスの供給量に等しい量を減じた量の圧力補償用ガスを供給する。すなわち、集塵ダスト循環装置1Aにおいて、圧力補償用ガス供給部70は、実施形態1に係る集塵ダスト循環装置1における圧力補償用ガスの供給量から搬送補助用ガスの供給量に等しい量を減じた量の圧力補償用ガスを供給する。さらに言い換えれば、シュート30に供給される圧力補償用ガスの供給量と、吸引管40に供給される搬送補助用ガスの供給量の総和は、常に一定である。これにより、集塵ダスト循環装置1Aにおいて、吸引管40内を流れるガスは、前記圧力補償用ガスと前記搬送補助用ガスとを含むが、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1に比べて、その総量が変化することはない。
本第1の変形例に係る集塵ダスト循環装置1Aによる作用効果を説明する。
集塵ダストの搬送において、集塵ダストに含まれる径の小さい集塵ダストの割合が多い場合、エゼクタ効果によって吸引管40内に吸引される径の小さい集塵ダストの量が増加する。このため、前述した実施形態のようなシュート30内と吸引管40内との圧力差に由来するエゼクタ効果を利用した吸引管40内の搬送のみでは、吸引管40内に吸引された集塵ダストが吸引管40内で堆積又は閉塞してしまう恐れがある。しかしながら、集塵ダスト循環装置1Aによれば、上記のような場合に、搬送補助用ガス供給管80を通じて吸引管40内に搬送補助用ガスを供給することによって、集塵ダストの搬送を補助することで、集塵ダストを吸引管40内に堆積又は閉塞させることなく前記吸引された集塵ダストを集塵ダスト輸送管60まで搬送することができる。
循環量を小さくしたい場合には圧力補償用ガスの供給量を減少させればよい。しかし,圧力補償用ガスの供給量を減少させると吸引管40内および集塵ダスト輸送管60内の輸送用ガスの流速が減少して管内での沈降や閉塞が発生するおそれがある。しかしながら、集塵ダスト循環装置1Aによれば、圧力補償用ガスの減少量と同量の搬送補助用ガスを供給することにより吸引管40内および集塵ダスト輸送管60内の輸送用ガスの流速が変わらないため,沈降や閉塞を防止できる。
さらに、集塵ダスト循環装置1Aによれば、シュート30内を通過する集塵ダストのうちの径がより小さい微細なもののみを吸引管40の入口開口部42から吸引することができる。
理由は、次の2点のとおりである。第1の理由として、シュート30内での圧力補償用ガスの平均流速低下に伴って、前記圧力補償用ガスに同伴可能な集塵ダストの径が小さくなることが挙げられる。第1の変形例における集塵ダスト循環装置1Aでは、圧力補償用ガス供給部70は、シュート30に供給される前記圧力補償用ガスの供給量と、吸引管40に供給される搬送補助用ガスの供給量の総和が、常に一定であるようになっている。つまり、搬送補助用ガスの供給量の分だけ、シュート30に供給される圧力補償用ガスの供給量が減じられるため、前述の実施形態1に係る集塵ダスト循環装置1と比べて、シュート30内での圧力補償用ガスの平均流速が低下する。また、シュート30内での圧力補償用ガスの平均流速が低下すると、それに伴い圧力補償用ガスに同伴可能な集塵ダストの径の大きさはより小さくなる。そのため、シュート30内での圧力補償用ガスの平均流速が低下することにより、シュート30内を通過する集塵ダストのうちの径がより小さい微細なもののみを吸引管40の入口開口部42から吸引することができる。
具体的には、次のとおりである。シュート30内に供給される圧力補償用ガスを減少させ、その減少させた量と同量の搬送補助用ガスを供給すると、シュート30内の圧力補償用ガスの平均流速が前記uより遅いuとなり、図4に示されるグラフからこの流速において同伴可能な集塵ダストの粒径は前記dより小さいd以下となることがわかる。したがって、集塵ダスト循環装置1Aによれば、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1と比べて、シュート30内を通過する集塵ダストのうちの径がより小さい微細なものを吸引管40の入口開口部42から吸引することができる。
第2の理由として、搬送補助用ガスを吸引管40内に供給するにより、吸引管40内の入口開口部42でのエゼクタ効果が弱められて及ぶことが挙げられる。搬送補助用ガス供給管80は、入口開口部42と集塵ダスト輸送管60との間の位置であって吸引管40内のエゼクタ効果が作用する範囲内における位置において吸引管40に接続されている。搬送補助用ガスが吸引管40内に供給されることによって吸引管40内の減圧の度合いが低下し、これにより、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1と比べて吸引管40の入口開口部42ではエゼクタ効果が弱められて及んでいる。したがって、集塵ダスト循環装置1Aは、シュート30内を通過する集塵ダストのうちの径がより小さい微細なもののみを吸引管40の入口開口部42から吸引することができる。
具体的には、次のとおりである。集塵ダスト循環装置1Aは、搬送補助用ガス供給管80が吸引管40内のエゼクタ効果が作用する範囲内における位置、好ましくは入口開口部42の近傍において吸引管40に接続されるように構成されている。この構成により、圧縮ガスによって集塵ダスト輸送管60と吸引管40との接続部近傍において発生するエゼクタ効果は、吸引管40内のエゼクタ効果が作用する範囲である入口開口部42の近傍にまで及ぶことができる。さらに、前記エゼクタ効果は、搬送補助用ガス供給管80と吸引管40との接続部よりもシュート30側すなわち入口開口部42においても弱められて及ぶことができる。すなわち、吸引管40の入口開口部42における前記エゼクタ効果による減圧の度合いが低下する。減圧の度合いが低下すると、吸引される圧力補償用ガスの流速が低下し、吸引される圧力補償用ガスに同伴する集塵ダストの径が小さくなる。このため、エゼクタ効果が作用される吸引管40は、前記シュート30内を通過する前記集塵ダストのうちの径がより小さい微細なもののみを前記吸引管40の入口開口部42から吸引することができる。
なお、この作用効果において、吸引管40の入口開口部42に及ぶエゼクタ効果を弱めるために、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1と比べて、エゼクタ効果を発生させる圧縮ガスを含む輸送用ガスの供給量を減らす必要性はない。
さらに、還流量の観点で見ても、集塵ダスト循環装置1Aによれば、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1と比べて、集塵ダストの還流量が少量(例えば70%程度)に抑えられることができる。これにより、集塵機10での負荷を抑えることができる。具体的には、次のとおりである。集塵機10に集塵された集塵ダストを再び集塵機10に循環することとすると、集塵機10の濾布13に堆積する集塵ダストの量が多くなり、濾布13の上流側と下流側との差圧が増大する可能性が生じる。前記差圧が増大すると、燃焼装置内の負圧を維持できなくなる。あるいは、集塵機10の濾布13の逆洗頻度が高くなって濾布13への負荷が大きくなり、濾布13の寿命を低下させるなど、集塵機設備の維持管理上好ましくない状態となる。しかし、集塵ダスト循環装置1Aによれば、前記差圧が増大した場合に集塵ダストの還流量を減少させることで、集塵ダストの濾布13への堆積量を少なくし、前記差圧の増大を低減することが可能となる。これにより、集塵機10の負荷を抑えることができる。
さらに、圧力補償用ガスの供給量が低下すると、吸引管40の入口開口部42に流入する圧力補償用ガスの流量が低下することとなる。しかし、搬送補助用ガス供給管80によって搬送補助用ガスが吸引管40内に供給されることにより、吸引管40内を流れるガスの総量が低下することが防止される。これにより、吸引管40内を流れる集塵ダストの流速が低下することが防止することができ、さらに、吸引管40内で集塵ダストが堆積又は閉塞することを防止することができる。
(第2の変形例)
本発明は、吸引管の開口部がシュートの側壁に接続されているものに限定されず、吸引管がシュートの内部に配置されているものも含む。
また、本発明は、吸引管が固定されているものに限定されず、吸引管が移動可能であるものも含む。
このことを説明するために、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1の第2の変形例である集塵ダスト循環装置1Bを、図6〜図8に基づいて説明する。
図6に示される集塵ダスト循環装置1Bは、シュート30Bと、吸引管40Bと、圧縮ガス管50Bと、集塵ダスト輸送管60Bと、圧力補償用ガス供給部70と、を備える。
シュート30Bは、集塵機10の下方に位置し集塵ダストを処理装置に向かわせるように筒状に形成されているシュート本体部31Bと、吸引管40Bがシュート30B内で退避するための吸引管退避部32Bと、を有する。
吸引管退避部32Bは、シュート本体部31Bの側壁から突出して、吸引管40Bを収容可能な容積を有するように形成されている。
さらに、集塵ダスト輸送管60Bはシュート本体部31Bの側壁及び吸引管退避部32Bの下側の側壁に、シュート30Bを水平方向に貫通するように接続されている。
吸引管40Bは、シュート30B内で入口開口部42Bを上方に向けるように、シュート30B内に配置されている。すなわち、入口開口部42は、シュート30B内で上方を向くように配置されている。吸引管40Bは、その形状が限定されるものではないが、底部を貫通し上部を開口して底部の径より上部の径を大きくするテーパー状に形成されていることが好ましい。これにより、吸引管40Bは、シュート30Bの上方に位置するロータリーバルブ20から排出された集塵ダストを入口開口部42Bで吸引することが容易となる。
さらに、吸引管40Bは、シュート30B内で、水平方向に移動可能に構成されている。すなわち、吸引管40Bは、シュート本体部31Bに位置することができ、水平方向に移動して吸引管退避部32Bに位置することもできる。これにより、シュート本体部31Bを通過する集塵ダストが吸引管40B内に吸引される量を変化させることができる。
圧縮ガス管50Bは、吸引管40Bの底部近傍にその先端を位置させ、吸引管40Bの貫通する方向すなわち略上下方向と交差するように、水平方向に配置されている。このように配置された圧縮ガス管50が圧縮ガスを水平方向に流すことで、吸引管40B内にエゼクタ効果を発生させることができる。
集塵ダスト輸送管60Bは、シュート本体部31B及び吸引管退避部32Bの下側の側壁に形成された貫通穴を通されて、シュート31Bを貫通するように、水平方向に伸びるように配置されている。そして、シュート31Bを水平方向に貫通する集塵ダスト輸送管60Bの上側に吸引管40Bが挿通可能に接続されている。
さらに、集塵ダスト輸送管60Bは、圧縮ガス管50Bの先端が集塵ダスト輸送管60Bの内部に差し入れられており、圧縮ガス管50Bの先端が集塵ダスト輸送管60Bと吸引管40Bとの接続部近傍である吸引管40Bの底部近傍に配置されるように、圧縮ガス管50Bに接続されている。
本第2の変形例に係る集塵ダスト循環装置1Bによる作用効果を説明する。
集塵ダスト循環装置1Bによれば、吸引管40Bの入口開口部42Bの向きと、シュート30B内を通過する集塵ダストの通過方向とが略一致する。このため、入口開口部42Bの配置を、前記集塵ダストのうちの目的とする集塵ダストを吸引するのに最適な位置とすることで、集塵ダストのうちの径が小さい微細なもののみを集塵することができる。その結果、集塵ダスト循環装置1Bは、集塵ダストのうちの径が小さい微細なもの、つまり、未反応薬剤の比表面積が大きい集塵ダストを効率的に集塵機10の入口煙道11へと還流することで、集塵ダストに含まれる未反応薬剤を効率よく再利用することができ、排ガス処理設備のランニングコスト低減を可能とすることができる。
具体的には、次のとおりである。図7に示すように、ロータリーバルブ20から排出される集塵ダストDは、シュート本体部31B内を偏って通過する。したがって、仮に、吸引管40Bの入口開口部42Bが、集塵ダストDが偏って通過する位置に配置されると、集塵ダストDの略全量を吸引することとなる。前述のとおり、集塵ダスト循環装置において集塵ダストのうちの径が小さい微細なもののみを還流することが未反応薬剤の再利用の観点で望ましい。そのため、吸引管40Bの入口開口部42Bが、集塵ダストDが偏って通過する位置に配置されて、集塵ダストDの略全量を吸引することは、望ましくない。なぜなら、吸引管40Bが集塵ダストDの略全量を吸引することは、反応への貢献が小さい凝集体も薬剤も還流することになり効率面でも好ましくないからである。また、このような反応への貢献が小さい凝集体を還流させて集塵機10のろ布の層厚を大きくすることで集塵機10の入口と出口間の差圧の増大にもつながりやすいからである。
しかし、集塵ダスト循環装置1Bによれば、図7に示すように、シュート30Bに吸引管退避部32Bを設け、吸引管40Bを集塵ダスト輸送管60Bの延伸する方向に沿って移動可能な構成にしたことによって、吸引管40Bの入口開口部42Bが集塵ダストの偏流から離れた位置に配置されることができる。これにより、エゼクタ効果によって入口開口部42Bで吸引されている吸引管40Bは、偏流する集塵ダストのうちの径が小さい微細なものであってシュート本体部31B内で舞っている微細な集塵ダストDsのみを吸引することができる。その結果、集塵ダストに含まれる未反応薬剤を効率よく再利用することができる。
さらに、図8に示すように、圧力補償用ガス供給部70の圧力補償用ガス供給ノズル73からシュート30B内に圧力補償用ガスが供給されることにより、シュート本体部31B内で偏流する集塵ダストDが攪拌され、さらに分級及び解砕される。このことにより、吸引管40Bは、径が小さい微細な集塵ダストDsを選択的に吸引することができる。この場合、図8に示すように、シュート本体部31Bを通過する集塵ダストのうちの解砕されなかった凝集体の集塵ダストDaは、圧力補償用ガスの気流に同伴可能な集塵ダストの径よりも径が大きいため、圧力補償用ガスの気流に同伴されない。このため、凝集体の集塵ダストDaは、吸引管40Bの入口開口部42Bに吸引されることなくシュート本体部31B内を処理装置の方に向かって落下する。
さらに、図示されていないが、吸引管40Bが水平方向に移動して、吸引管40Bの入口開口部42Bが、集塵ダストの偏流からより離れた位置であって、一部が吸引管退避部32Bに進入する位置に配置されることにより、径がより小さい微細な集塵ダストがより少ない量で吸引されることができる。その結果、集塵ダストに含まれる未反応薬剤を効率よく再利用することができる。
さらに、必要に応じて、吸引管40Bが吸引管退避部32Bに退避することによって、集塵ダスト循環装置1Bの稼働を止めることなく、シュート30B内を通過する集塵ダストDの吸引を止めることができる。
本発明は、圧力補償用ガスがシュート内で集塵ダストを攪拌するために旋回流を起こすように、圧力補償用ガス供給部の圧力補償用ガス供給ノズルが配置されるものに限定されず、圧力補償用ガスがシュート内に他の流れを起こすように圧力補償用ガス供給ノズルが配置されるものも含む。
このことを説明するために、上記実施の形態に係る集塵ダスト循環装置1の第3の変形例、第4の変形例及び第5の変形例である圧力補償用ガス供給ノズル73の3つの変形例を、図9〜図11に基づいて説明する。
(第3の変形例)
図9は、第3の変形例である圧力補償用ガス供給ノズル73Xaを示すシュート30の横断面図である。複数の圧力補償用ガス供給ノズル73Xaは、シュート30の側壁に並ぶようにかつ圧力補償用ガスの噴出方向を同じ方向とするように配置されている。
圧力補償用ガス供給ノズル73Xaによれば、圧力補償用ガスは、圧力補償用ガス供給ノズル73Xaが設けられているシュート30の側壁と反対側の側壁に衝突するような流れをシュート30内に起こすことができる。これにより、圧力補償用ガスの流れの向きが変化し、その結果シュート30内における圧力補償用ガスの流れに乗った集塵ダストの滞留時間が長くなる。また、シュート30内で圧力補償用ガスの流れに乗った集塵ダストが、シュート30の側壁に衝突することで解砕し、集塵ダストの径が小さくなる。このようにして、圧力補償用ガス供給ノズル73Xaを配置することによって、圧力補償用ガスによる集塵ダストの分級及び解砕効果を向上させることができる。
(第4の変形例)
図10は、第4の変形例である圧力補償用ガス供給ノズル73Yaを示すシュート30の横断面図である。複数の圧力補償用ガス供給ノズル73Yaは、シュート30の向かい合う側壁に圧力補償用ガスの噴出方向を向かい合う方向とするように配置されている。
圧力補償用ガス供給ノズル73Yaによれば、それぞれの圧力補償用ガス供給ノズル73Yaから噴出される圧力補償用ガスの流れに乗った集塵ダストが互いに衝突し合うことや圧力補償用ガス供給ノズル73Yaから供給された直後の前記圧力補償用ガスによる局所的に早い流速の流れによるガス同士の衝突や渦が発生することにより、圧力補償用ガスによる集塵ダストの解砕効果を向上させることができる。
(第5の変形例)
図11は、第5の変形例である圧力補償用ガス供給ノズル73Zaを示すシュート30の横断面図である。複数の圧力補償用ガス供給ノズル73Zaは、シュート30の向かい合う側壁に圧力補償用ガスの噴出方向を向かい合う方向とするように、かつ、噴出された圧力補償用ガスの流れがすれ違う流れとなるように、配置されている。
圧力補償用ガス供給ノズル73Zaによれば、それぞれの圧力補償用ガス供給ノズル73Zaから噴出される圧力補償用ガスの流れに乗った集塵ダストが、すれ違うように流れる他の圧力補償用ガス供給ノズル73Zaから噴出される圧力補償用ガスの流れによって、せん断力を受けることができ、圧力補償用ガスによる集塵ダストの解砕効果を向上させることができる。
(その他の変形例)
さらに、本発明は、図示されていないが、次のような変形例を含む。
本発明は、集塵ダスト輸送管に圧縮ガス管が接続されて輸送用ガスが圧縮ガスを含むように構成されるものに限定されず、圧縮ガス管に流される圧縮ガスが吸引管内にエゼクタ効果を発生させるように構成され、集塵ダスト輸送管において吸引管内に吸引された集塵ダストを入口側煙道にまで輸送するための輸送用ガスが流通するように構成されるものであってもよい。すなわち、圧縮ガスと輸送用ガスとは、別の経路から供給されてもよい。
本発明は、圧力補償用ガス供給部がブロワ等の積極的にガス流体を加圧する装置により構成されるものに限定されず、例えば、シュートの側壁に設けられた逆止弁のように、シュート内の大気圧よりも減圧された気圧を利用してシュート内にガス流体を供給するものであってもよい。
本発明は、圧力補償用ガス、圧縮ガス及び輸送用ガスの全てが大気から採取された空気を用いられるものに限定されず、圧力補償用ガス、圧縮ガス及び輸送用ガスのうちの少なくとも一部が他のガス流体を用いられるもの、例えば、集塵機10の下流側煙道14から排出され浄化された排気ガスを用いられるものであってもよい。圧力補償用ガス、圧縮ガス及び輸送用ガスのうちの少なくとも一部が排気ガスを用いられるものであることにより、設備全体から排出される排気ガスの総量の増加を抑えることができる。
本発明は、圧力補償用ガスによる集塵ダストの攪拌、分級及び解砕のうちの少なくとも1つの効果が圧力補償用ガス供給部及びシュートのそれぞれの上記形状及び配置のみによって奏されるものではなく、圧力補償用ガス供給部及びシュートの他の形状及び配置によって奏されるものであってもよい。
さらに、本発明は、圧力補償用ガスがシュート内を通過する集塵ダストを攪拌、分級及び解砕する少なくとも1つの作用効果を奏するように圧力補償用ガス供給部が配置されることを必須とするものではなく、シュートと吸引管と圧縮ガス管と集塵ダスト輸送管とを備えエゼクタ効果によって吸引管の開口部からシュート内を通過する集塵ダストが吸引されて集塵機の上流側に還流するように構成されるものであればよい。
上記の実施形態1ではシュートの側壁に吸引管が接続される形態について説明したが、本発明は、吸引管がシュートの側壁に接続される形態に限定されず、吸引管がシュートの内部と連通する形態であればどのような接続形態でも良い。例えば、シュートの上方から吸引管が挿入される形態であっても良いし、シュートの下方から吸引管が挿入される形態であっても良い。
また、実施形態1の変形例として、吸引管は、シュートの側壁に接続され、前記シュートとの接続位置から前記シュート内に更に延伸していてもよい。
さらに、この変形例において、前記吸引管の入口開口部は、前記シュート内において上方を向いて設けられていてもよい。具体的には、前記吸引管は、前記シュートの側壁に接続され前記シュート内まで延伸する吸引管本体部と、前記シュート内において上方に向けて屈曲するように前記吸引管本体部に設けられ前記入口開口部を有する吸引管屈曲部と、を有していてもよい。
さらに、この変形例において、前記入口開口部を有する前記吸引管屈曲部は、第2の変形例における図6の吸引管40Bのように、前記入口開口部の径を大きくするテーパー形状を有していてもよい。
さらに、この変形例において、前記吸引管は、前記吸引管本体部の伸びる方向に移動可能であるように構成されていてもよい。そして、前記シュートは、第2の変形例のように、前記吸引管屈曲部が前記シュート内で退避するための吸引管退避部を有し、前記吸引管退避部に前記吸引管屈曲部を収容可能であってもよい。
本発明は、圧縮ガス管が、吸引管と直交するように配置されているものに限定されず、圧縮ガスを流して吸引管内にエゼクタ効果を発生させるように配置されていれば、どのような形態であってもよい。
本発明は、1つの集塵機に集塵された集塵ダストを還流するものに限定されず、複数の集塵機に集塵された集塵ダストを還流するものであってもよい。
本発明は、集塵機からシュートへ集塵ダストを排出する装置がロータリーバルブであるものに限定されず、集塵機とシュートとの間で気体をシールしながら集塵ダストを排出する装置であればよく、例えば、ダブルフラップダンパーであってもよい。
本発明は、連続稼働する集塵ダスト循環装置に限定されず、周期的に又は非周期的に、限定された時間稼働する集塵ダスト循環装置であってもよい。例えば、濾布の上流側と下流側との差圧が一定差圧を超えたときに、逆洗装置が稼働し、逆洗装置の稼働と連動して集塵ダスト循環装置が稼働するように制御する制御部を更に備える集塵ダスト循環装置であってもよい。この場合、連続稼働する場合に比べて、ランニングコストの低減が可能となる。
1、1A、1B 集塵ダスト循環装置
10 集塵機
11 入口側煙道
12 ホッパ部
13 濾布
14 出口側煙道
15 逆洗装置
20 ロータリーバルブ
30、30B シュート
31B シュート本体部
32B 吸引管退避部
40、40B 吸引管
42、42B 入口開口部
43 出口開口部
50、50B 圧縮ガス管
60、60B 集塵ダスト輸送管
70 圧力補償用ガス供給部
71 ブロワ
72 圧力補償用ガス供給管
73、73Xa、73Ya、73Za 圧力補償用ガス供給ノズル
73a 第1圧力補償用ガス供給ノズル
73b 第2圧力補償用ガス供給ノズル
80 搬送補助用ガス供給管
200 コンベア
D 集塵ダスト
Ds 微細な集塵ダスト
Da 凝集体の集塵ダスト

Claims (8)

  1. 燃焼装置から排出される排気ガス中に含まれる飛灰と前記排気ガス中に含まれる有害物質を中和又は吸収するために投入された薬剤による反応生成物と前記薬剤のうちの未反応薬剤とを含んで集塵機に集塵された集塵ダストを前記集塵機の上流側に還流するための集塵ダスト循環装置であって、
    前記集塵機の下方に位置し前記集塵ダストを処理装置に向かわせるように筒状に形成されたシュートと、
    入口開口部を有し当該入口開口部を通じて前記シュートの内部と連通する吸引管と、
    前記吸引管内に前記集塵ダストの少なくとも一部を吸引するようなエゼクタ効果を当該吸引管内に発生させるように圧縮ガスを流すための圧縮ガス管と、
    前記吸引管に接続され、前記吸引管から前記集塵機の上流側に位置する入口側煙道にまで延びる集塵ダスト輸送管であって、前記吸引管内に吸引された前記集塵ダストを前記入口側煙道にまで輸送するための輸送用ガスが流通する集塵ダスト輸送管と、
    を備える、
    集塵ダスト循環装置。
  2. 前記圧縮ガス管は、前記圧縮ガスが前記輸送用ガスに含まれるように前記集塵ダスト輸送管に接続される、
    請求項1に記載の集塵ダスト循環装置。
  3. 前記シュートに設けられ、前記吸引管によって吸引されることにより前記シュート内が減圧されることを防止するために前記シュート内に圧力補償用ガスを供給する圧力補償用ガス供給部をさらに備える、
    請求項1又は請求項2に記載の集塵ダスト循環装置。
  4. 前記圧力補償用ガス供給部は、前記圧力補償用ガスの前記シュート内での平均流速が同伴限界速度以上となる条件を満たす供給速度及び供給量で前記圧力補償用ガスを供給するものであり、
    前記同伴限界速度は、集塵対象とする径の前記集塵ダストが前記圧力補償用ガスに同伴することが可能な速度の最小値である、
    請求項3に記載の集塵ダスト循環装置。
  5. 前記吸引管内における前記集塵ダストの搬送を補助する搬送補助用ガスを前記吸引管内に供給するための搬送補助用ガス供給管をさらに備える、
    請求項3に記載の集塵ダスト循環装置。
  6. 前記搬送補助用ガス供給管は、前記入口開口部と前記集塵ダスト輸送管との間の位置のうち、前記吸引管内の前記エゼクタ効果が作用する範囲の位置で当該吸引管に接続される、
    請求項5に記載の集塵ダスト循環装置。
  7. 該集塵ダスト循環装置において、前記シュートに供給される前記圧力補償用ガスの供給量と、前記吸引管に供給される前記搬送補助用ガスの供給量の総和は、常に一定である、
    請求項5又は請求項6に記載の集塵ダスト循環装置。
  8. 前記圧力補償用ガス供給部は、前記圧力補償用ガスが前記シュート内を通過する前記集塵ダストを前記シュートの軸周りに旋回させるように、配置される、
    請求項4に記載の集塵ダスト循環装置。
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