JP2021111665A - 巻線検査方法、巻線検査装置、および超電導コイル装置の製造方法 - Google Patents

巻線検査方法、巻線検査装置、および超電導コイル装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充填材が塗布された線材を巻回して形成される巻線コイルにおいて、充填材のボイドをより精度よく検出する巻線検査方法を提供する。【解決手段】巻線検査方法は、充填材が塗布された線材を巻枠に巻回して形成される巻線コイルの撮像画像を取得するステップと、巻枠の回転を制御する巻線制御装置から巻枠の角速度を取得するステップと、巻枠の角速度から算出される巻線コイルの外周面の周速度に基づいて、撮像画像のブレを補正するステップと、ブレ補正後の撮像画像を解析することにより、線材間に充填された充填材のボイドを検出するステップとを含む。【選択図】図4

Description

本開示は、巻線検査方法、巻線検査装置、および超電導コイル装置の製造方法に関する。
整列巻きコイルの巻線工程では、巻線コイルが各層で等間隔に整列して巻かれる必要がある。巻線不良の有無を検査するために目視検査が実施されているが、目視検査の場合、不良の見落としの発生、および作業性低下等の問題が考えられる。
特開2015−203613号公報(特許文献1)は、回転電機のステータにおける巻線状態を検査する巻線検査方法を開示している。特許文献1では、サイクルタイムに影響することなく、検査対象の巻線コイルの直線性を算出でき、巻線検査の効率を向上させることを検討している。
特開2015−203613号公報
超電導コイル等の整列巻きコイルの巻線工程では、線材がズレないように充填材を線材間に充填する場合がある。この充填材の塗布作業は機械または人により行われるが、線材間の空隙(以下、「ボイド」とも称する。)が巻線不良の原因となり得るため、このボイドを作業途中で検出することが望ましい。特許文献1は、コイルの巻線工程において巻線の直線性不良等を検出する方法を開示しているが、充填材を線材間に充填しながら形成される巻線コイルにおいて、上記ボイドを検出することについては何ら教示または示唆されていない。
本開示のある局面における目的は、充填材が塗布された線材を巻回して形成される巻線コイルにおいて、充填材のボイドをより精度よく検出することである。
ある実施の形態に従う巻線検査方法は、充填材が塗布された線材を巻枠に巻回して形成される巻線コイルの撮像画像を取得するステップと、巻枠の回転を制御する巻線制御装置から巻枠の角速度を取得するステップと、巻枠の角速度から算出される巻線コイルの外周面の周速度に基づいて、撮像画像のブレを補正するステップと、ブレ補正後の撮像画像を解析することにより、線材間に充填された充填材のボイドを検出するステップとを含む。
他の実施の形態に従う巻線検査装置は、充填材が塗布された線材を巻枠に巻回して形成される巻線コイルの撮像画像を取得する画像取得部と、巻枠の回転を制御する巻線制御装置から巻枠の角速度を取得する情報取得部と、巻枠の角速度から算出される巻線コイルの外周面の周速度に基づいて、撮像画像のブレを補正する補正部と、ブレ補正後の撮像画像を解析することにより、線材間に充填された充填材のボイドを検出する検出部とを含む。
さらに他の実施の形態に従うと、超電導コイル装置の製造方法が提供される。製造方法は、巻枠に超電導線を巻回して巻線コイルを形成するステップと、上記巻線検査方法を用いて巻線コイルを検査するステップと、検査された複数の巻線コイルに外枠および真空槽を取り付けるステップと、真空槽を真空引きするステップと、外枠が取り付けられた巻線コイルを冷却するステップとを含む。
本開示によると、充填材が塗布された線材を巻回して形成される巻線コイルにおいて、充填材のボイドをより精度よく検出することができる。
実施の形態1に従う巻線検査装置の全体構成の一例を示す図である。 巻線工程を説明するための図である。 画像処理の対象エリアを説明するための図である。 巻線検査方法の処理手順を示すフローチャートである。 ボイド検出エリアの設定方式を説明するための図である。 ブレ補正前後のボイド検出エリアの画像を示す図である。 ブレ補正方式を説明するための図である。 ボイド検出結果の表示例を示す図である。 実施の形態に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。 各工程により生成される画像を模式的に示す図である。 画像処理装置および巻線制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1に従う画像処理装置の機能構成を示す模式図である。 実施の形態2に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。 図13中の各工程により生成される画像を模式的に示す図である。 実施の形態3に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。 図15中の各工程により生成される画像を模式的に示す図である。 実施の形態4に従う超電導コイル装置の製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態1.
<全体構成>
図1は、実施の形態1に従う巻線検査装置1の全体構成の一例を示す図である。図1を参照して、巻線検査装置1は、充填材が塗布された線材8を巻枠5に巻回して形成される巻線コイル6の検査を行なう。具体的には、巻線検査装置1は、撮像用のカメラ2と、照明3と、画像処理装置4と、出力装置14とを含む。
カメラ2は、高画質、高精細な画像処理用のカメラである。照明3としては、例えば、バー型照明が使用される。実施の形態1では、カメラ2にはカラーカメラ、照明3には白色照明を使用して、撮像した検査対象の巻線コイル6の撮像画像を処理することにより巻線コイル6の検査を行なう。白色照明を使用する理由は、画像の情報量を減らさないためである。単色照明、例えば、赤色照明の場合には、青成分および緑成分の色の情報がなくなる。色情報が多い方がボイドの検出精度は高くなるため、白色照明およびカラーカメラが使用される。
画像処理装置4は、カメラ2で撮像された巻線コイル6の撮像画像を取得し、当該撮像画像を画像解析して、巻線コイル6における充填材のボイドを検出する。画像処理装置4は、ボイドの検出結果に基づいて検査対象の巻線コイル6の良否判定を行なう。より具体的には、画像処理装置4は、充填材の塗布状態の良否判定を行なう。
出力装置14は、例えば、ディスプレイである。出力装置14は、巻線検査に関する各種情報(例えば、検査条件、ボイドの検出結果、巻線コイル6の良否判定結果等)を表示する。検査員は、出力装置14に表示された情報を確認しながら、巻線検査を行なう。
巻線制御装置13は、巻線装置7の動作を制御して、巻線装置7に取り付けられた巻枠5を回転駆動する。すなわち、巻線制御装置13は、巻線装置7を介して、巻枠5の回転を制御する。
<巻線工程の概要>
巻枠5に線材8を巻回して巻線コイル6を形成する巻線工程について、図1および図2を用いて説明する。図2は、巻線工程を説明するための図である。具体的には、図2(a)は、線材8を巻回する前の巻枠5を示し、図2(b)は、線材8を巻回した後の巻枠5を示す。図2(c)は、図2(b)の範囲500における模式断面図である。
図1を参照して、巻枠5を巻線装置7に取り付け、線材8を充填ボックス9に通して巻枠5に固定する。この状態で、巻線制御装置13が巻線装置7に取り付けられた巻枠5を回転駆動することにより、充填材が塗布された線材8が巻枠5に巻回されていく。線材8を充填ボックス9に通すことで、線材8の全面に充填材が塗布され、線材8がより強く固定される。線材8は、例えば、超電導線のニオブチタン(NbTi)線である。充填材は、例えば、エポキシ樹脂である。
なお、充填ボックス9での充填材の塗布量の調整は難しい場合が多い。そのため、充填材を線材8に多めに塗布しておき、予め定められたタイミング(例えば、検査員により設定されたタイミング)でヘラ10により余分な充填材が拭き取られる。余分な充填材を拭き取らない場合には、充填材が線材8間からはみ出て作業性が悪化し、意図しない部位に充填材が付着することで不良の原因にもなる。
図2(a)に示す巻枠5に充填材9aが塗布された線材8が巻回されることで、図2(b)に示すような巻線コイル6が形成される。図2(c)には、線材8が、1層からs層まで順に積み上げられた状態が示されている。ここでは、巻線コイル6の線材8の積層数をsとし、1層当たりのターン数をtとする。
図2(c)を参照して、1層目1ターン、1層目2ターン、・・・1層目tターンの順に、充填材9aが塗布された線材8が巻き付けられる。なお、線材8は、1ターンごとに隙間を空けて巻き付けられる。ここで、1層目の巻回が終了する際(例えば、tターン終了後)に、ヘラ10で充填材9aが拭き取られる。この場合、線材8の上面(すなわち、巻枠5の中心とは反対側の面)側に付着した充填材9aは拭き取られるが、線材8間の隙間には充填材9aが充填された状態となる。
次に、2層目の線材8は、1層目の線材8上に巻き付けられる。具体的には、1層目とは逆側から、2層目1ターン、2層目2ターン、・・・、2層目tターンの順に、充填材9aが塗布された線材8が巻き付けられる。2層目の巻回が終了する際に、ヘラ10で充填材9aが拭き取られると、線材8の上面側に付着した充填材9aが拭き取られる。これを繰り返して、s層目1ターン、・・・、s層目tターンの線材8の巻回が終了し、線材8の上面の充填材9aが拭き取られると、図2(c)に示すような状態となる。
1ターンごとに充填材9aが拭き取られるため、巻線コイル6の最も外側の層(例えば、図2(c)に示すs層)の線材8の上面には充填材9aが付着しておらず、各線材8の隙間には充填材9aが充填された状態となる。そのため、巻線コイル6を外側から視認すると、図2(b)に示すように、線材8と充填材9aとが一定間隔に並んだ縞模様状に見える。典型的には、各層が完成した状態(すなわち、tターンの線材8の巻回が終了し、線材8の上面の充填材9aが拭き取られた状態)をカメラ2で撮像し、その撮像画像を用いて巻線コイル6の検査が実行される。
<巻線検査方法>
巻線検査方法の処理手順を説明する前に、画像処理に必要な座標系を説明する。
図3は、画像処理の対象エリアを説明するための図である。具体的には、図3(a)は、カメラ2の撮像範囲であるカメラ視野12を示しており、図3(b)は、カメラ視野12の拡大図である。
図3(a)を参照して、カメラ視野12の水平右向きおよび垂直下向きを、それぞれX軸方向およびY軸方向とし、紙面の奥から手前向きをZ軸方向とする。なお、Y軸方向は、線材8の巻き回り方向となる。図3(b)を参照して、ボイド検出エリア12aは、充填材9aのボイドを検出するために画像処理が実行されるエリアとして設定される。詳細は後述するが、ボイド検出エリア12aは、照明3の正反射部12cの下側に設定される。巻線コイル6の不良として検出されるボイド12bは、充填材9aの表面に現れるドーム形状の気泡である。そのため、カメラ2を通してボイド12bを確認すると、照明3の光が反射することで白い粒状に見える。
画像処理アルゴリズムを簡易にするため、ボイド検出エリア12aは横長の長方形に設定される。この場合、照明3は巻枠5の幅と同じ長さのバー型照明を使用することが好ましい。なぜなら、ボイド検出エリア12a内の横方向の明るさが均一になり、ボイドの検出感度が均一になるためである。なお、バー型照明の長さが巻枠5の幅よりも長い場合には、巻枠5によってボイド検出エリアの左右端に影ができてしまい、短い場合には、ボイド検出エリアの左右端に正面から光が当たらず、中心部と比べて暗くなってしまうため、好ましくない。
図4を用いて巻線検査方法の処理手順について説明する。図4は、巻線検査方法の処理手順を示すフローチャートである。
図4を参照して、ステップS10の撮像工程では、カメラ2は、線材8が巻枠5に巻回されて形成された巻線コイル6の表面を撮像する。
ステップS20の画像取得工程では、画像処理装置4は、カメラ2で撮像された巻線コイル6の撮像画像を取得する。
ステップS30の情報取得工程では、画像処理装置4は、撮像画像取得時の線材8の巻位置情報と、巻枠5の角速度情報とを巻線制御装置13から取得する。巻位置情報は、現在巻き付けられている線材8の位置を示す情報であり、例えば、当該線材8が巻線コイル6の何層目に位置しているのかを示す積層数を含む。なお、巻位置情報は、線材8が1層における何ターン目に位置しているのかを示すターン数を含んでいてもよい。
ステップS40の検出エリア設定工程では、画像処理装置4は、取得した撮像画像において、充填材9aのボイドを検出するためのボイド検出エリア12aを設定する。
図5は、ボイド検出エリアの設定方式を説明するための図である。図5を参照して、画像処理装置4は、公知のエッジ検出処理技術を用いて巻枠5の内側のエッジ12dを検出し、両エッジ12d間をボイド検出エリア12aのX軸方向のエリアとして設定する。
次に、ボイド検出エリア12aのX座標領域を「wL≦X≦wR」として、X軸方向に線分(例えば、Y=h,wL≦X≦wRから成る線分)を引き、その線分上の画素値を積分する。この線分をY軸方向にスライドしていき(例えば、h=0から連続的に上昇させていき)、積分値が最大となる線分を基準線12eとする。典型的には、基準線12eは、照明3の正反射部12cの中心に設定される。そして、基準線12eから幅Wだけ、Y軸方向に平行移動した座標がボイド検出エリア12aの上辺に設定される。ボイド検出エリア12aの下辺は、上辺から一定幅だけY軸方向に平行移動した座標に設定される。
画像処理装置4は、上記のように設定されたボイド検出エリア12aを示す画像を、撮像画像からトリミングする。トリミングされた画像は、次のブレ補正工程で用いられる。
上記のようにボイド検出エリア12aを設定する第1の理由は、巻枠5の寸法にバラツキがあるためである。具体的には、巻枠5および巻線コイル6を含むコイル装置は概ね円柱形状と仮定できるが、この円柱の高さ方向(すなわち、X軸方向)の寸法(例えば、メートルオーダの寸法)の精度によってカメラ2の撮像範囲(例えば、数十mmオーダの範囲)に巻枠5のエッジが写り込む場合があるためである。本実施の形態では、エッジ検出処理により巻枠5のエッジの内側がボイド検出エリア12aに設定されるため、巻枠5のエッジが写り込むことはない。
第2の理由は、層数が多くなるにつれて照明3の正反射部12cがY軸方向にずれることから、Y軸方向に位置を固定して画像処理を続けるとボイド検出エリアの明るさが変化してしまいボイド検出感度に差が生じてしまうためである。正反射部12cの適切な状態は、X軸方向に平行な角度で、ボイド検出エリア12aから一定幅上方または下方に映っている状態である。これにより、ボイド検出エリア12a内の明るさが均等になる。なお、正反射部12cをX軸方向に平行な角度にするためには、照明3を巻線コイル6の回転軸に対して平行に設置すればよい。
再び、図4を参照して、ステップS50のブレ補正工程において、画像処理装置4は、設定されたボイド検出エリア12aの画像に対して、巻枠5の回転によるブレを補正する処理を実行する。
図6は、ブレ補正前後のボイド検出エリア12aの画像を示す図である。図6を参照して、画像601は、ボイド検出エリア12aのブレ補正前の画像を示しており、画像602は、ボイド検出エリア12aのブレ補正後の画像を示している。
巻枠5に線材8を巻回するために巻枠5は常時回転しているため、ボイド12bが存在する場合には、巻線コイル6が回転している最中にボイド12bをカメラ2で撮像することになる。したがって、カメラ2の露光時間中にボイド12bが移動して(すなわち、ブレて)、ブレ補正前の画像601には縦長のボイド12bが含まれる。画像601に対してブレ補正処理が行われた画像602には、ブレが補正されたボイド12bが含まれる。ブレ補正を行なうことにより、ボイド検出の精度を向上させることができる。
図7は、ブレ補正方式を説明するための図である。図7を参照して、画像処理装置4は、ステップS10で撮像された撮像画像では、カメラ2内のイメージセンサ16において何ピクセル分のブレ幅nbrが生じているのかを計算する。
イメージセンサ16の縦方向(すなわち、Y軸方向)の分解能をb(m)とする。分解能bは、イメージセンサ16の1セルが撮像する巻線コイル6表面のY軸方向の長さを示している。カメラから巻枠5の円周表面までの距離をWD(m)、ステップS30で得られた巻位置情報に含まれる積層数をk(層目)、巻線コイル6の1層あたりの厚みをd(m)、カメラ2のY軸方向の画角をα(rad)、イメージセンサ16のY軸方向のセル数をn(ピクセル)とすると、分解能b(m)は以下の式(1)により表される。
b=2×tan(α/2)×(WD−k×d)/n ・・・(1)
次に、ステップS30で得られた角速度をω(rad/s)、巻枠5の半径をr(m)とすると、巻線コイル6表面のY軸方向の速度v(m/s)は以下の式(2)により表される。
v=ω×(r+k×d)・・・(2)
したがって、回転によるブレ幅nbr(ピクセル)は、式(1)と、カメラ2の露光時間RT(s)とを用いて、以下の式(3)により表される。
Figure 2021111665
式(3)における[]は、ガウス記号である。式(3)により、ブレ幅nbrが計算されるため、このブレ幅nbrを用いて撮像画像のブレ補正を実施することができる。なお、補正のアルゴリズムについては、デジタルカメラ等に使われているような公知の一般的な手法が用いられる。
以下に、一般的なブレ補正アルゴリズムの概要について説明する。
劣化画像(すなわち、実際に撮像された画像)をg(x,y)、元の画像(すなわち、ブレがなかったと仮定した場合の画像)をf(x,y)、光学伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)のフーリエペアである点像分布関数(PSF:Point spread function)をh(x,y)とすると、以下の式(4)が成立する。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y)・・・(4)
式(4)の*はコンボリューション(例えば、畳み込み積分、積和とも称される)、(x,y)は撮影画像上の座標、g,h,fは画素値を示している。カラー画像であれば、それぞれ3つずつ関数が存在することになる。また、式(4)をフーリエ変換して周波数面に変換すると、以下の式(5)が得られる。
G(u,v)=H(u,v)×F(u,v)・・・(5)
式(5)のHは点像分布関数PSF(h)をフーリエ変換して得られるOTFであり、Gは劣化画像gをフーリエ変換して得られた関数であり、Fは元の画像fをフーリエ変換して得られた関数である。(u,v)は2次元周波数面での座標である。撮影で得られた劣化画像gから元の画像fを得るには、以下の式(6)のように除算をする。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v)・・・(6)
そして、F(u,v)を逆フーリエ変換することにより、元の画像f(x,y)が回復画像として得られる。
また、1/Hを逆フーリエ変換したものをRとすると、以下の式(7)のように実平面での画像に対し、コンボリューション処理を行うことで、同様に元の画像f(x,y)を得ることもできる。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y)・・・(7)
このように、PSF(h)が分かれば、元の画像fを得ることができる。本実施の形態ではy軸方向のブレしか発生しない。例えば、そのブレ幅(すなわち、式(3)で算出したnbr)を3(ピクセル)とすると、h(x,y)は次のように設定される。具体的には、h(−1,−1)=0、h(0,−1)=1/3、h(1,−1)=0、h(−1,0)=0、h(0,0)=1/3、h(1,0)=0、h(−1,1)=0、h(0,1)=1/3、h(1,1)=0に設定される。上記以外の場合はh(x,y)=0に設定される。
再び、図4を参照して、ステップS60のボイド検出工程において、画像処理装置4は、ブレ補正後の撮像画像を用いて、充填材9aのボイドを検出する。ボイド検出工程の詳細については後述する。
ステップS70の良否判定工程において、画像処理装置4は、ボイド検出結果に基づいて、巻線コイル6の良否(具体的には、充填材9aの塗布状態の良否)を判定する。例えば、画像処理装置4は、検出されたボイドの個数が閾値Th以上であれば、充填材9aの塗布状態が不良であると判定し、当該個数が閾値Th未満であれば、充填材9aの塗布状態が良好であると判定する。
充填材9aの塗布状態が不良である場合には、ステップS80,S90が実行される。ステップS80の停止信号送信工程において、画像処理装置4は、巻線装置7の動作を停止(すなわち、巻枠5の回転を停止)させるための停止信号を巻線制御装置13に送信する。巻線制御装置13は、当該停止信号を受信して、巻線装置7の動作を停止させる。これにより、巻線工程での巻線が停止され、検査員は充填材9aの塗布の手直しを行なうことができる。
ステップS90の不良表示工程において、画像処理装置4は、図8に示すようにボイド検出結果を出力装置14に表示する。
図8は、ボイド検出結果の表示例を示す図である。図8を参照して、出力装置14には、カメラ視野12の撮像画像が表示され、ボイド検出エリア12aにおいて検出されたボイド12bを強調表示するために、ボイド12bの周辺が四角12gで囲まれている。なお、ボイド12bの周辺の色を変更することで、ボイドの箇所を強調してもよいし、文字情報によりボイドの箇所を強調してもよい。これにより、検査員は、ボイドの箇所を即時に把握することができる。
図4のステップS10〜ステップS90の工程は、例えば、各層が完成した状態で実行される。なお、各工程は、例えば、ターンごとに実行する場合であってもよいし、処理が間に合わない場合には、複数層ごとに実行してもよい。
<ボイド検出工程の詳細>
図9および図10を用いて、図4のステップS60のボイド検出工程について具体的に説明する。図9は、実施の形態1に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。図10は、各工程により生成される画像を模式的に示す図である。
図9を参照して、ステップS501のグレースケール変換工程において、画像処理装置4は、カラー画像をグレースケール画像に変換する。具体的には、図10に示すボイド検出エリア12aのブレ補正後の画像602が、グレースケール画像603に変換される。
ステップS503の微分処理工程において、画像処理装置4は、グレースケール画像603にY軸方向の微分フィルタ処理を施すことにより、充填材9aの色からボイドの白色に変化する境界を強調した後、2値化処理を行なう。これにより、図10のグレースケール画像603から、2値化処理後の画像604が生成される。画像604の白領域中の線分21は、白領域中の微分値(すなわち、輝度の変化量)が小さくなる結果生じたノイズを示している。
ステップS505のモフォロジー変換工程において、画像処理装置4は、モフォロジー処理を行なって、2値化処理後の画像604からノイズ(例えば、線分21)を除去して、白領域中の分断部分をつなげることで図10の画像605を生成する。画像処理装置4は、例えば、元の画像と、画素単位で移動させた画像との複数回の膨張の後に、複数回の収縮を行なうことにより画像605を生成する。
ステップS507のラベリング工程において、画像処理装置4は、画像605に対してラベリング処理を実行して図10の画像606を生成する。具体的には、画像処理装置4は、座標が連続し、かつ互いに対応する色情報を有する一塊の画素群(ここでは、白画素群)に対して、固有のラベルを付与する。図10の画像606では、比較的大きい白領域31にラベルL1が付与され、小さい白領域32にラベルL2が付与されている。ラベルが付与された白領域は、ボイド候補となる。
ステップS509のサイズフィルタ工程において、画像処理装置4は、ラベルL1,L2がそれぞれ付与された白領域31,32のうち、基準範囲Rs外のサイズを有する白領域のラベルを除去して、画像607を生成する。すなわち、画像処理装置4は、白領域31,32のうち基準範囲Rs内のサイズを有する白領域を抽出し、抽出されなかった白領域に対応するラベルを除去する。これにより、基準範囲Rsの上限サイズよりも大きい白領域に対応するラベル、および下限サイズよりも小さい白領域に対応するラベルは取り除かれる。画像607ではラベルL2が除去されており、白領域32はボイド候補から除外される。これにより、ボイドではない特異点およびノイズをボイド候補から除外することができる。
ここで、サイズは、白領域のX軸方向の幅、あるいは白領域のY軸方向の高さで規定される。また、積層数が多くなるにつれて、巻線コイル6の外周面とカメラ2との距離が近くなるため、基準範囲Rsの上限サイズおよび下限サイズは、現在の積層数kに応じて補正した方がよい。具体的には、k(層目)における上限サイズSkmax(ピクセル)は以下の式(8)で表され、k(層目)における下限サイズSkmin(ピクセル)は以下の式(9)で表される。なお、1層目における上限サイズおよび下限サイズを、それぞれSmaxおよびSminとする。なお、[]はガウス記号である。
Skmax=[Smax×(r+k×d)/r+0.5]・・・(8)
Skmin=[Smin×(r+k×d)/r+0.5]・・・(9)
ステップS511のラベルカウント工程において、画像処理装置4は、ステップS509において残ったラベルをカウントして、そのカウント数を検出されたボイドの個数とみなす。このように、残ったラベルが付与された白領域がボイドとして検出される。例えば、画像処理装置4は、ボイドとして検出された白領域を強調した画像608を生成する。画像608は、検出されたボイドの個数を含んでもよい。
上記のボイド検出工程が終了すると、画像処理装置4は、図4の良否判定工程(ステップS70)を実行する。
<ハードウェア構成>
図11は、画像処理装置および巻線制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図11を参照して、画像処理装置4は、入出力インターフェイス4aと、メモリ4bと、プロセッサ4cとを含む。
プロセッサ4cは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Multi Processing Unit)等といった演算処理部である。典型的には、プロセッサ4cは、メモリ4bに記憶されたプログラムを読み出して実行することで、画像処理装置4の各部の動作を制御する。
メモリ4bは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ4bは、プロセッサ4cによって実行されるプログラム、またはプロセッサ4cによって用いられるデータなどを記憶する。
入出力インターフェイス4aは、カメラ2、巻線制御装置13および出力装置14と接続される。プロセッサ4cは、入出力インターフェイス4aを介して、カメラ2から撮像画像を取得したり、各種情報を出力装置14に表示したり、巻線制御装置13に停止信号を送信したりする。
巻線制御装置13は、入出力インターフェイス13aと、メモリ13bと、プロセッサ13cとを含む。プロセッサ13cは、メモリ13bに記憶されたプログラムを読み出して実行することで、巻線制御装置13の各部の動作を制御する。メモリ13bは、プロセッサ4cによって実行されるプログラム等を記憶する。入出力インターフェイス13aは、画像処理装置4と接続される。例えば、プロセッサ13cは、入出力インターフェイス13aを介して、画像処理装置4から停止信号を受信する。
<機能構成>
図12は、実施の形態1に従う画像処理装置4の機能構成を示す模式図である。図12を参照して、画像処理装置4は、主な機能構成として、画像取得部201と、検出エリア設定部203と、情報取得部205と、補正部207と、ボイド検出部209と、良否判定部211と、停止信号送信部213と、出力制御部215とを含む。典型的には、これらの各機能は、プロセッサ4cがメモリ4bに格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部は専用の回路を用いることによって実現されるように構成されていてもよい。
図12を参照して、画像取得部201は、カメラ2により撮像された巻線コイル6の撮像画像を取得する。具体的には、画像取得部201は、図3に示すカメラ視野12に対応する巻線コイル6の外周面の撮像画像を取得する。
検出エリア設定部203は、取得した撮像画像において、巻枠5のエッジと、巻線コイル6表面における照明3の正反射部12cとを検出し、当該エッジと正反射部12cとに基づいて、ボイド検出エリア12aを設定する。具体的には、検出エリア設定部203は、図5で説明した設定方式に従ってボイド検出エリア12aを設定する。
情報取得部205は、巻線制御装置13から巻枠5の角速度(あるいは、回転速度)と、撮像画像取得時の線材8の巻位置情報(例えば、積層数、ターン数)とを取得する。情報取得部205は、常時、これらの情報を取得する。
補正部207は、巻枠5の角速度から算出される巻線コイル6の外周面の周速度(例えば、巻線コイル6表面のY軸方向の速度v)に基づいて、撮像画像のブレを補正する。具体的には、補正部207は、図7で説明した補正方式に従って、撮像画像のブレを補正する。
ボイド検出部209は、ブレ補正後の撮像画像を解析することにより、線材8間に充填された充填材9aのボイドを検出する。具体的には、ボイド検出部209は、ブレ補正後の撮像画像に対して線材8の巻き回り方向(例えば、図3のY軸方向)に微分処理を施すことにより得られた画像を2値化して2値化画像(例えば、図10の画像604)を生成し、当該2値化画像に対してラベリング処理を実行する。ボイド検出部209は、ラベリング処理によりラベリングされた1以上の領域(例えば、図10の白領域31,32)のうち、基準範囲Rs内のサイズを有する領域(例えば、白領域31)を抽出する。ボイド検出部209は、抽出された領域をボイドとして検出する。
良否判定部211は、検出されたボイドの数に基づいて、充填材9aの塗布状態の良否を判定する。例えば、良否判定部211は、ボイド検出エリア12aに対応する画像に含まれるボイドの検出個数が閾値Th以上であれば、充填材9aの塗布状態が不良であると判定し、当該検出個数が閾値Th未満であれば、充填材9aの塗布状態が良好であると判定する。なお、良否判定部211は、ボイド検出エリア12aに対応する複数の画像において、各画像に含まれるボイドの検出個数の平均値が閾値Th以上であれば、充填材9aの塗布状態が不良であると判定し、当該平均値が閾値Th未満であれば充填材9aの塗布状態が良好と判定する構成であってもよい。
停止信号送信部213は、良否判定部211の判定結果が“不良”である場合に、巻枠5の回転を停止させるための停止信号を巻線制御装置13に出力する。
出力制御部215は、各種情報を出力装置14に表示する。具体的には、出力制御部215は、良否判定部211の判定結果が“不良”である場合に、ボイドを含む画像(例えば、図8に示す画像)を表示する。
<利点>
実施の形態1によると、充填材を線材間に充填しながら形成される巻線コイルにおいて、充填材のボイドを精度よく検出できる。また、サイクルタイムに影響を与えることなく、検査対象の巻線コイルのボイド検出ができるため、巻線検査の効率が向上し、後工程への不良流出を防止でき、生産性を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で説明した巻線検査方法におけるボイド検出工程の他の例について説明する。実施の形態2に従うボイド検出工程では、ディープラーニングの手法の1つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)が利用される。なお、実施の形態2に従う巻線検査方法は、図4で説明した各工程のうち、ボイド検出工程(ステップS60)のみが実施の形態1に従う巻線検査方法と異なる。
<ボイド検出工程>
図13および図14を用いて、実施の形態2に従うボイド検出工程について具体的に説明する。図13は、実施の形態2に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。図14は、図13中の各工程により生成される画像を模式的に示す図である。
図13中のステップS501〜ステップS509の処理は、図10で説明した処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
図14を参照して、画像651は、ブレ補正前のボイド検出エリア12aの画像を示しており、画像652は、ブレ補正後のボイド検出エリア12aの画像を示している。画像653は、グレースケール工程(ステップS501)において、画像652がグレースケール変換された画像である。画像654は、微分処理工程(ステップS503)において、画像653に微分フィルタ処理および2値化処理が施された画像である。画像655は、モフォロジー変換工程(ステップS505)において、画像654をモフォロジー処理した画像である。画像655は、白領域41,42,43を含む。
画像656は、ラベリング工程(ステップS507)において、画像655に対してラベリング処理が実行された後の画像である。白領域41〜43には、それぞれラベルL1〜L3が付与されている。画像657は、サイズフィルタ工程(ステップS509)において、基準範囲Rs内のサイズを有する白領域が抽出された後の画像である。画像657では、基準範囲Rs内のサイズを有する白領域として、ラベルL1が付与された白領域41と、ラベルL2が付与された白領域42とが抽出されている。
図13を参照して、ステップS520のボイド判定工程において、画像処理装置4は、学習済モデルを用いて、抽出された白領域41,42がボイドであるか否かを判定する。具体的には、画像処理装置4は、ブレ補正後の画像652にラベルL1,L2が付与された画像658から、白領域41を含む部分画像658aと、白領域42を含む部分画像658bとをトリミングする。画像処理装置4は、学習済モデルに対して、各部分画像658a,658bを入力することにより、部分画像658a,658bにそれぞれ含まれる白領域41,42が充填材9aのボイドであるか否かを判定する。ここでは、画像処理装置4は、白領域41がボイドであると判定し、白領域42がボイドではないと判定する。
学習済モデルとしては、典型的には、CNNが用いられる。CNNは、主に、畳み込み層(Convolution Layer)、プーリング層(Pooling Layer)および全結合層(Full Connected Layer)から構成される。例えば、CNNは、畳み込み層とプーリング層とを交互に積み重ねた後、全結合層をいくつか重ねた構造を有している。
CNNで用いるフィルタは、畳み込みフィルタである。この畳み込みフィルタの形状は、例えば、正方形である。この場合、白領域41を含む部分画像のトリミング形状は,白領域41の上下左右の数ピクセル分マージンを取った正方形に設定される。これにより、部分画像658aは、白領域41を含む正方形の画像となる。部分画像658bについても同様である。
本実施の形態に従う学習済モデルは、トリミングされた部分画像が入力されると、当該部分画像に含まれる領域が充填材9aのボイドであるか否かの判定結果を出力するように、学習用データセットを用いた学習処理がなされている。学習用データセットは、例えば、ボイドである白領域を含む部分画像と、ボイドと紛らわしい白領域を含む部分画像とのデータセットである。各部分画像には、白領域がボイドであるか否かを示すラベルが関連付けられる。学習済モデルの内部パラメータは、多くの学習用データセットを用いた学習処理によって、トリミングされた部分画像から、当該部分画像に含まれる領域が充填材9aのボイドであるか否かを出力し得るように最適化されている。なお、学習済みモデルを生成するための学習手法には、他の機械学習アルゴリズムが採用され得る。一例として、当該機械学習アルゴリズムとして、全層畳み込みニューラルネットワーク(FCN:Fully Convolutional Network)、ディープビリーフネットワーク(DBN:Deep Belief Networks)等が採用される。
図13のステップS511のラベルカウント工程において、画像処理装置4は、ステップS520においてボイドと判定された白領域を含むラベルをカウントして、そのカウント数を検出されたボイドの個数とする。例えば、図14に示すように、画像処理装置4は、ボイドとして検出された白領域を強調した画像659を生成する。
<機能構成>
実施の形態2に従う画像処理装置4の機能構成は、図12中の機能構成と比較して、ボイド検出部209の構成のみが異なる。具体的には、実施の形態2に従うボイド検出部209は、ブレ補正後の撮像画像に対して微分処理および2値化処理を施して2値化画像を生成し、当該2値化画像に対してラベリング処理を実行する。
ボイド検出部209は、ラベリング処理によりラベリングされた1以上の領域のうち、基準範囲Rs内のサイズを有する領域を抽出する。ボイド検出部209は、ブレ補正後の撮像画像(例えば、画像652)から、基準範囲Rs内のサイズを有する領域(例えば、白領域41,42)を含む部分画像(例えば、部分画像658a,658b)をトリミングする。ボイド検出部209は、学習済モデルに対して、トリミングされた部分画像を入力することにより、当該部分画像に含まれる領域が充填材9aのボイドであるか否かを判定し、充填材9aのボイドであると判定した領域をボイドとして検出する。
<利点>
実施の形態2によると、実施の形態1よりも、充填材のボイドをさらに精度よく検出できる。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1で説明した巻線検査方法のボイド検出工程のさらに他の例について説明する。実施の形態3に従うボイド検出工程では、SSD(Single Shot MultiBox Detector)を利用してボイド検出が行われる。実施の形態3では、図4で説明した各工程のうち、ボイド検出工程(ステップS60)のみが実施の形態1と異なる。
<ボイド検出工程>
図15および図16を用いて、実施の形態3に従うボイド検出工程について具体的に説明する。図15は、実施の形態3に従うボイド検出工程の処理手順を示すフローチャートである。図16は、図15中の各工程により生成される画像を模式的に示す図である。
図16を参照して、画像681は、ブレ補正前のボイド検出エリア12aの画像を示しており、画像682は、ブレ補正後のボイド検出エリア12aの画像を示している。
図15を参照して、ステップS530のSSDボイド検出工程において、画像処理装置4は、学習済モデルを用いて、ブレ補正後の画像682においてボイドを検出する。具体的には、画像処理装置4は、学習済モデルに対して、ブレ補正後の画像682を入力することにより、画像682中にボイドを示す白領域が含まれるか否かを判定する。画像処理装置4は、当該白領域が含まれる場合には、当該白領域をボイドとして検出する。ここでは、画像処理装置4は、白領域51がボイドであると判定し、白領域52,53がボイドではないと判定する。
学習済モデルは、ブレ補正後の画像(例えば、画像682)から、当該画像内に存在するボイドを検出するように、学習用データセットを用いた学習処理がなされている。典型的には、学習済モデルは、ボイドである白領域を含む複数の学習用画像(すなわち、学習用データセット)に対する深層学習によって生成される。学習済みモデルの内部パラメータは、このような学習用データセットを用いた学習処理により予め最適化されている。なお、学習済モデルは、SSDとは別の種々の方法で構成されたニューラルネットワークを採用して実現されていてもよい。
図15のステップS532のカウント工程において、画像処理装置4は、ステップS530においてボイドと検出された白領域をカウントして、そのカウント数を検出されたボイドの個数とみなす。例えば、図16に示すように、画像処理装置4は、ボイドとして検出された白領域を強調した画像683を生成する。
<機能構成>
実施の形態3に従う画像処理装置4の機能構成は、図12中の機能構成と比較して、ボイド検出部209の構成のみが異なる。具体的には、実施の形態3に従うボイド検出部209は、ボイドを含む複数の学習用画像に対する深層学習によって生成された学習済モデルに対して、ブレ補正後の撮像画像を入力することにより、線材8間に充填された充填材9aのボイドを検出する。
<利点>
実施の形態3によると、実施の形態1と同様の利点が得られる。
実施の形態4.
実施の形態4では、上述した実施の形態1〜3に従う巻線検査方法を利用した巻線工程を含む製造方法について説明する。
図17は、実施の形態4に従う超電導コイル装置の製造方法を示すフローチャートである。図17を参照して、超電導コイル装置の製造方法は、巻枠準備工程(ステップS701)と、巻線検査方法を利用した巻線工程(ステップS703)と、配線接続工程(ステップS705)と、接続試験工程(ステップS707)と、組立工程(ステップS709)と、真空引き工程(ステップS711)と、冷却工程(ステップS713)と、性能試験工程(ステップS715)とを含む。なお、製造対象の超電導コイル装置は、例えば、液体冷媒(例えば、液体ヘリウム、液体窒素等)を用いて冷却される超電導コイル装置であり、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に用いられるマグネットである。
ステップS701の巻枠準備工程では、巻枠5が準備される。ステップS703の巻線工程では、巻枠5に超電導線である線材8を巻回して巻線コイル6が形成される。典型的には、小コイル用の巻線コイル6と、大コイル用の巻線コイル6とが形成される。ここで、巻線工程では、上述した実施の形態1〜3に従う巻線検査方法を用いて巻線コイル6が検査される。
ステップS705の配線接続工程では、検査後の複数の巻線コイル6と必要部材(例えば、永久電流スイッチ)とが1つの回路として配線接続される。永久電流スイッチは、超電導コイル装置の部品であり、別工程において用意される。
ステップS707の接続試験工程では、接続部分の超電導性能が検査される。ステップS709の組立工程では、配線接続された複数の巻線コイル6に外枠および真空槽が取り付けられる。例えば、複数の巻線コイル6に外枠および真空槽が溶接されてマグネット形状に組み立てられる。
ステップS711の真空引き工程では、断熱用の真空槽が真空引きされる。ステップS713の冷却工程では、液体冷媒により、外枠が取り付けられた複数の巻線コイル6が冷却される。ステップS715の性能試験工程では、マグネットとしての性能(例えば、臨界電流、磁場安定度等)試験が行われる。
なお、上述した製造方法において、巻線工程において上述した巻線検査方法を利用すること以外は、公知の工程を採用することができる。
その他の実施の形態.
(1)上述した実施の形態では、カメラ2としてカラーカメラを用いる構成について説明したが、これに限られない。カメラ2としては、カラーカメラの代わりにモノクロカメラを用いる構成であってもよい。モノクロカメラを用いる場合には、照明3として赤色照明、あるいは青色照明を用いて、RGB値を変化させる構成が適用される。
(2)上述の実施の形態として例示した構成は、一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、他の実施の形態で説明した処理および構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 巻線検査装置、2 カメラ、3 照明、4 画像処理装置、4a,13a 入出力インターフェイス、4b,13b メモリ、4c,13c プロセッサ、5 巻枠、6 巻線コイル、7 巻線装置、8 線材、9 充填ボックス、9a 充填材、10 ヘラ、12 カメラ視野、12a ボイド検出エリア、12b ボイド、12c 正反射部、12d エッジ、12e 基準線、13 巻線制御装置、14 出力装置、16 イメージセンサ、201 画像取得部、203 検出エリア設定部、205 情報取得部、207 補正部、209 ボイド検出部、211 良否判定部、213 停止信号送信部、215 出力制御部。

Claims (11)

  1. 充填材が塗布された線材を巻枠に巻回して形成される巻線コイルの撮像画像を取得するステップと、
    前記巻枠の回転を制御する巻線制御装置から前記巻枠の角速度を取得するステップと、
    前記巻枠の角速度から算出される前記巻線コイルの外周面の周速度に基づいて、前記撮像画像のブレを補正するステップと、
    ブレ補正後の前記撮像画像を解析することにより、前記線材間に充填された前記充填材のボイドを検出するステップとを含む、巻線検査方法。
  2. 検出された前記ボイドの数に基づいて、前記充填材の塗布状態の良否を判定するステップをさらに含む、請求項1に記載の巻線検査方法。
  3. 前記充填材の塗布状態が不良である場合に、前記ボイドを含む画像を表示するステップをさらに含む、請求項2に記載の巻線検査方法。
  4. 前記充填材の塗布状態が不良である場合に、前記巻枠の回転を停止させるための停止信号を前記巻線制御装置に出力するステップをさらに含む、請求項2または請求項3に記載の巻線検査方法。
  5. 前記検出するステップは、
    ブレ補正後の前記撮像画像に対して前記線材の巻き回り方向に微分処理を施すことにより得られた画像を2値化して2値化画像を生成するステップと、
    前記2値化画像に対してラベリング処理を実行するステップとを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の巻線検査方法。
  6. 前記検出するステップは、
    前記ラベリング処理によりラベリングされた1以上の領域のうち、基準範囲内のサイズを有する領域を抽出するステップと、
    抽出された前記領域を前記ボイドとして検出するステップとをさらに含む、請求項5に記載の巻線検査方法。
  7. 前記検出するステップは、
    前記ラベリング処理によりラベリングされた1以上の領域のうち、基準範囲内のサイズを有する領域を抽出するステップと、
    ブレ補正後の前記撮像画像から、前記基準範囲内のサイズを有する領域を含む部分画像をトリミングするステップと、
    学習済モデルに対して、前記部分画像を入力することにより、前記部分画像に含まれる領域が前記充填材のボイドであるか否かを判定するステップとを含み、
    前記学習済モデルは、前記部分画像が入力されると、前記部分画像に含まれる領域が前記充填材のボイドであるか否かの判定結果を出力するように、学習用データセットを用いた学習処理がなされている、請求項5に記載の巻線検査方法。
  8. 前記学習済モデルは、畳み込みニューラルネットワークである、請求項7に記載の巻線検査方法。
  9. 前記検出するステップは、前記充填材のボイドを含む複数の学習用画像に対する深層学習によって生成された学習済モデルに対して、ブレ補正後の前記撮像画像を入力することにより、前記線材間に充填された前記充填材のボイドを検出するステップを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の巻線検査方法。
  10. 充填材が塗布された線材を巻枠に巻回して形成される巻線コイルの撮像画像を取得する画像取得部と、
    前記巻枠の回転を制御する巻線制御装置から前記巻枠の角速度を取得する情報取得部と、
    前記巻枠の角速度から算出される前記巻線コイルの外周面の周速度に基づいて、前記撮像画像のブレを補正する補正部と、
    ブレ補正後の前記撮像画像を解析することにより、前記線材間に充填された前記充填材のボイドを検出する検出部とを含む、巻線検査装置。
  11. 超電導コイル装置の製造方法であって、
    巻枠に超電導線を巻回して巻線コイルを形成するステップと、
    請求項1〜請求項9のいずれかに記載の巻線検査方法を用いて前記巻線コイルを検査するステップと、
    検査された複数の前記巻線コイルに外枠および真空槽を取り付けるステップと、
    前記真空槽を真空引きするステップと、
    前記外枠が取り付けられた前記巻線コイルを冷却するステップとを含む、超電導コイル装置の製造方法。
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