JP2021110842A - 光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外線反射膜を備えなくても所望の透過率特性を発揮するのに有利な光学フィルタを提供する。【解決手段】光学フィルタ1aは、第一光吸収体11と、第二光吸収体12とを備える。第一光吸収体は、有機色素を含んでいる。第二光吸収体は、銅成分を含み、少なくとも一部の赤外線を吸収する。光学フィルタは、下記の条件を満たす第一透過スペクトルを示す。(I)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値TA450-600が76%以上である。(II)第一カットオフ波長λFが360nm〜450nmの範囲に存在する。(III)第二カットオフ波長λSが600nm〜700nmの範囲に存在する。(IV)波長700nm〜750nmの範囲における透過率の最大値TM700-750が5%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルタに関する。
CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備えた撮像装置において、良好な色再現性を有する画像を得るために様々な光学フィルタが撮像素子の前方に配置されている。撮像素子は、紫外線領域から赤外線領域に至る広い波長範囲の光に対し感度を有する。一方、人間の視感度は、可視光領域のみに存在する。このため、撮像装置において得られる画像が人間の認識した画像に近づくように、撮像素子の前方に赤外線又は紫外線の一部の光を遮蔽する光学フィルタを配置する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、近赤外線反射膜と、吸収膜とを備え、これらの膜が所定の特性を有する赤外線カットフィルタが記載されている。近赤外線反射膜は、異なる屈折率を有する2種以上の材料が代わる代わる積層されて形成されている。この赤外線カットフィルタにより、撮像装置の望ましい光学性能を実現しうる。
一方、情報端末装置の環境センサに可視光線のみを到達させて、人間の視感度とディスプレイの輝度又は色調とを合わせるために近赤外線カットフィルタ等の光学フィルタを用いる技術が知られている。例えば、特許文献2には、環境センサ用光学フィルタが記載されている。この光学フィルタは、波長650nm以上800nm未満の領域に吸収極大を有する化合物(A)及び波長800nm以上1850nm以下の領域に吸収極大を有する化合物(B)を含む層を有する。化合物(A)は、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、及びシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。化合物(B)は、近赤外線吸収微粒子、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、シアニン系化合物、ジイモニウム系化合物、金属ジチオラート系化合物、及びピロロピロール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
国際公開第2017/006571号 国際公開第2018/221424号
特許文献1に記載の技術は、近年、光学フィルタに求められる性能を考慮すると、さらに、可視光域の透過率を高める工夫が必要な場合がある。特許文献2に記載の技術では、有機化合物からなる光吸収剤を用いているために、光学フィルタに用いた際に、光を遮蔽する波長帯域が不十分な場合があり、それを補完するために、誘電体多層膜などからなる近赤外線反射膜をともに備える必要がある。このことは、フレア及びゴーストの抑制又は製造コストの低減の観点から不利である。
本発明は、かかる事情に鑑み、近赤外線反射膜を備えなくても所望の透過率特性を発揮するのに有利な光学フィルタを提供する。
本発明は、
光学フィルタであって、
有機色素を含む第一光吸収体と、
銅成分を含み、少なくとも一部の赤外線を吸収する第二光吸収体と、を備え、
波長300nm〜1200nmの範囲の光を当該光学フィルタに入射させたときに、下記(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす第一透過スペクトルを示す、
光学フィルタを提供する。
(I)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値が76%以上である。
(II)波長350nm〜470nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第一カットオフ波長が360nm〜450nmの範囲に存在する。
(III)波長580nm〜720nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第二カットオフ波長が600nm〜700nmの範囲に存在する。
(IV)波長700nm〜750nmの範囲における透過率の最大値が5%以下である。
上記の光学フィルタは、光吸収体から構成され、所望の透過率特性を発揮するのに有利である。さらに、光反射膜の併用をせずに、可視光域に対応する波長範囲の光を透過し、かつ、紫外線域および赤外線域の波長範囲の光を遮蔽することが可能である。
図1は、本発明に係る光学フィルタの一例を示す断面図である。 図2は、本発明に係る光学フィルタの別の一例を示す断面図である。 図3は、本発明に係る光学フィルタのさらに別の一例を示す断面図である。 図4は、本発明に係る光学フィルタのさらに別の一例を示す断面図である。 図5は、実施例1に係る第一光吸収体の透過スペクトルである。 図6は、実施例1に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図7は、実施例1に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図8は、実施例2に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図9は、実施例2に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図10は、実施例2に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図11は、実施例3に係る第一光吸収体の透過スペクトルである。 図12は、実施例3に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図13は、実施例3に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図14は、実施例4に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図15は、実施例4に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図16は、実施例4に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図17は、実施例5に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図18は、実施例5に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図19は、実施例6に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図20は、実施例6に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図21は、実施例7に係る光学フィルタに対応する積層体の透過スペクトルである。 図22は、実施例7に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図23は、実施例8に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図24は、実施例8に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図25は、実施例9に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図26は、実施例9に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図27は、実施例9に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図28は、実施例9に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図29は、実施例10に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図30は、実施例10に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図31は、実施例10に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図32は、実施例10に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図33は、実施例11に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図34は、実施例11に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図35は、実施例11に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図36は、実施例11に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図37は、実施例12に係る第二光吸収体の透過スペクトルである。 図38は、実施例12に係る第一光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図39は、実施例12に係る光学フィルタの透過スペクトルである。 図40は、実施例12に係る第三光吸収体に対応する積層体の透過スペクトルである。 図41は、各積層体の作製に使用したガラス基板の透過スペクトルである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
赤外線又は紫外線の一部の光を遮蔽するための光学フィルタとして、誘電体多層膜を有する光反射型の光学フィルタ、光吸収性色素を含む光吸収性膜若しくは光吸収性フィルタ、又はそれらを組合せたハイブリッドフィルタを使用することが考えられる。光吸収性フィルタとして、Cu等の特定の金属成分を含むフツ燐酸塩ガラス又はリン酸塩ガラス等の赤外線吸収ガラス及び光吸収ガラスを使用することが考えられる。加えて、特定の光を吸収しうるシアニン系色素化合物等の有機色素を樹脂中に溶解又は分散させて得られた組成物の硬化物を、膜、フィルム、又はシート状に成形した光吸収体も使用しうる。特に、有機色素及び樹脂を含む組成物から成形した光吸収体は、上市されている多様な光吸収特性を有する様々な色素化合物を用いることができ、光学特性の調整又はモディファイが容易であり、製造コストの観点からも有利である。しかし、有機色素を含む樹脂から成形した光吸収膜又はフィルムは、その有機色素が有する吸収スペクトル特性により、十分に吸収できる光の波長範囲が狭い場合がある。このため、例えば、波長700nmから1000nmに及ぶ波長範囲の赤外線の光を十分に遮蔽するために、光吸収膜において吸収帯の異なる多種の色素化合物を同時に用いることが必要となる。加えて、光吸収膜と、誘電体多層膜からなる光反射膜との併用が必要となることもある。光吸収膜において吸収帯の異なる多種の色素化合物を同時に用いることは、可視光領域における透過率を十分に高める観点から有利とは言い難い場合がある。光吸収膜と光反射膜との併用は、真空蒸着及びスパッタリング等の方法によって多数の誘電体薄膜を積層する必要があり、製造コストが増大しやすい。
そこで、本発明者らは、上記の課題に対応しつつ、所望の透過率特性を発揮できる光学フィルタを開発すべく日夜検討を重ねた。多大な試行錯誤を行った結果、本発明者らは、有機色素を含む第一吸収体と、銅成分を含む所定の第二吸収体とを備える光学フィルタが、所望の透過率特性を発揮できることを発見した。この新たな発見に基づき、本発明者らは、本発明に係る光学フィルタを案出した。
図1〜4に示す通り、光学フィルタ1a、1b、1c、及び1dのそれぞれは、第一光吸収体11と、第二光吸収体12とを備える。第一光吸収体11は、有機色素を含んでいる。第二光吸収体12は、銅成分を含み、少なくとも一部の赤外線を吸収する。波長300nm〜1200nmの範囲の光を光学フィルタ1a〜1dに入射させたときに、各光学フィルタは、下記(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす第一透過スペクトルを示す。第一透過スペクトルは、0°の入射角における透過スペクトルである。
(I)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値TA 450-600が76%以上である。
(II)波長350nm〜470nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第一カットオフ波長λFが360nm〜450nmの範囲に存在する。
(III)波長580nm〜720nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第二カットオフ波長λSが600nm〜700nmの範囲に存在する。
(IV)波長700nm〜750nmの範囲における透過率の最大値TM 700-750が5%以下である。
光学フィルタ1a〜1dが、CCDやCMOSなどの撮像素子などとともに、デジタルカメラやスマートフォン内臓カメラなどのデジタル写真の撮影用途に用いられる場合、光学フィルタ1a〜1dにおいて第一透過スペクトルが(I)の条件を満たすので、光学フィルタ1a〜1dの可視光領域における透過率が高く、明るい画像を得るうえで有利である。第一透過スペクトルは(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たすので、紫外線及び赤外線の一部を適切に遮蔽でき、画像の形成に必要のない光を遮蔽するうえで有利である。このような事情に基づいて、光学フィルタ1a〜1dが所望の透過率特性を発揮できる。加えて、光学フィルタ1a〜1dによれば、誘電体多層膜等の光反射膜を備えることなく、所望の透過率特性を発揮できる。
(I)の条件に関し、平均値TA 450-600は、望ましくは78%以上である。
(II)の条件に関し、第一カットオフ波長λFは、望ましくは370nm〜440nmの範囲に存在し、より望ましくは380nm〜430nmの範囲に存在する。
(III)の条件に関し、第二カットオフ波長λSは、望ましくは620nm〜680nmの範囲に存在する。
(IV)の条件に関し、最大値TM 700-750は、望ましくは3%以下であり、より望ましくは1.5%以下である。
図1〜4に示す通り、光学フィルタ1a〜1dにおいて、第一光吸収体11及び第二光吸収体12のそれぞれは、典型的には、フィルム、シート、又は膜として形成されうる。第一光吸収体11及び第二光吸収体12は、互いにそれらの厚み方向に並んでおり、光学フィルタ1a〜1dを平面視したときに、第二光吸収体12は、第一光吸収体11の少なくとも一部と重なっている。第一透過スペクトルは、波長300nm〜1200nmの範囲の光が、第一光吸収体11及び第二光吸収体12を透過したときに得られる透過スペクトルである。
第一透過スペクトルにおいて、第二カットオフ波長λSと第一カットオフ波長λFとの差の絶対値ΔλS/Fは、例えば、190nm以上280nm以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。ΔλS/Fは、可視光域における透過帯域に対応するものであり、これが上記の範囲内に特定されることにより、光学フィルタ1a〜1dの第一透過スペクトルが人間の視感度に調整されやすい。透過スペクトルを人間の視感度に調整するとは、透過スペクトルにおける最大の透過率を1として、他の波長に対応した透過率を比を用いて表したスペクトルを、視感度(視感度曲線又は分光視感度)に近づけることであり、両方の一致性が高いほどよく調整されていると表現する。視感度に対してよく調整された光学フィルタを透過した光を受光した撮像素子からの出力は、そのスペクトルも視感度に対応したものと近いものとなり、撮像装置の色再現性が良好なものとなる。
絶対値ΔλS/Fは、望ましくは200nm以上270nm以下であり、より望ましくは200nm以上260nm以下である。
第一透過スペクトルの波長350nmにおける透過率T350は、例えば20%以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。特に、透過率T350が20%以下という条件は、紫外線域に属する光をどの程度遮蔽することができるのかを示す目安の一つでもあり、このときは、第一透過スペクトルが人間の視感度に調整されやすい。さらに、透過率T350は、望ましくは16%以下である。
第一透過スペクトルの波長750nm〜1000nmの範囲における透過率の最大値TM 750-1000は、例えば、2%以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。特に、近赤外線域に属する光を遮蔽しやすくなり、第一透過スペクトルが人間の視感度に調整されやすい。
望ましくは、第一透過スペクトルの波長750nm〜1100nmの範囲における透過率の最大値TM 750-1100が1%以下であり、より望ましくは、第一透過スペクトルの波長750nm〜1200nmの範囲における透過率の最大値TM 750-1200が1%以下である。
第一透過スペクトルの波長800nm〜950nmの範囲における透過率の最大値TM 800-950は、例えば1%以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。特に、近赤外線域に属する光をさらに遮蔽しやすくなるとともに、第一透過スペクトルが人間の視感度に調整されやすい。最大値TM 800-950は、望ましくは0.7%以下であり、より望ましくは0.5%以下である。
第一透過スペクトルの波長700nm〜1200nmの範囲において1%の透過率を示す最大波長と最小波長との差の絶対値ΔT1%は、例えば400nm以上である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より広い波長帯域において、近赤外線域に属する光を遮蔽できるので、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。
第一透過スペクトルの波長700nm〜1200nmの範囲において0.5%の透過率を示す最大波長と最小波長との差の絶対値ΔT0.5%は、例えば400nm以上である。
第一透過スペクトルの波長700nm〜1200nmの範囲において0.3%の透過率を示す最大波長と最小波長との差の絶対値ΔT0.3%は、例えば400nm以上である。
第一光吸収体11の透過率特性は、第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、特定の透過率特性に限定されない。波長300nm〜1200nmの範囲の光を第一光吸収体11に入射させたときの第一光吸収体11の透過スペクトルである第二透過スペクトルは、例えば、下記の(i1)、(i2)、(i3)、(i4)、及び(i5)の条件を満たす。これらの条件を満たす第一光吸収体11と、所定の第二光吸収体とを積層して組み合わせることによって、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過率特性を発揮できる。第二透過スペクトルは、0°の入射角における透過スペクトルである。
(i1)波長550nm〜850nmの範囲において透過率の最小値を示す波長λ(2)Mが650nm以上770nm以下である。
(i2)波長550nm〜850nmの範囲において70%の透過率を示す波長の最小値λ(2) 70%Lが570nm以上670nm以下である。
(i3)波長550nm〜850nmの範囲において50%の透過率を示す波長の最小値λ(2) 50%Lが590nm以上700nm以下である。
(i4)波長550nm〜850nmの範囲において20%の透過率を示す波長の最小値λ(2) 20%Lが630nm以上720nm以下である。
(i5)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値T(2)A 450-600が76%以上である。
条件(i1)に関し、波長λ(2)Mは、望ましくは650nm以上750nm以下である。
条件(i2)に関し、最小値λ(2) 70%Lは、望ましくは590nm以上660nm以下である。
条件(i3)に関し、最小値λ(2) 50%Lは、望ましくは580nm以上690nm以下である。
条件(i4)に関し、最小値λ(2) 20%Lは、望ましくは640nm以上710nm以下である。
条件(i5)に関し、平均値T(2)A 450-600は、望ましくは80%以上であり、より望ましくは85%以上である。
第二透過スペクトルは、下記(i6)、(i7)、及び(i8)の条件の少なくとも1つを満たしていてもよい。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に所望の透過率特性を発揮できる。
(i6)波長550nm〜850nmの範囲において70%の透過率を示す波長の最大値λ(2) 70%Hと最小値λ(2) 70%Lとの差の絶対値Δλ(2) 70%が120nm以上250nm以下である。
(i7)波長550nm〜850nmの範囲において50%の透過率を示す波長の最大値λ(2) 50%Hと最小値λ(2) 50%Lとの差の絶対値Δλ(2) 50%が70nm以上210nm以下である。
(i8)波長550nm〜850nmの範囲において20%の透過率を示す波長の最大値λ(2) 20%Hと最小値λ(2) 20%Lとの差の絶対値Δλ(2) 20%が30nm以上160nm以下である。
第二透過スペクトルは、望ましくは、上記の(i6)、(i7)、及び(i8)の条件を満たす。
条件(i6)に関し、絶対値Δλ(2) 70%は、望ましくは130nm以上240nm以下であり、より望ましくは140nm以上230nm以下である。
条件(i7)に関し、絶対値Δλ(2) 50%は、望ましくは80nm以上200nm以下であり、より望ましくは90nm以上190nm以下である。
条件(i8)に関し、絶対値Δλ(2) 20%は、望ましくは40nm以上150nm以下であり、より望ましくは50nm以上140nm以下である。
第二透過スペクトルは、例えば、−1.2[%/nm]≦(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)≦−0.6[%/nm]の条件を満たす。このような条件を満たす第一光吸収体11と、第二光吸収体とを組み合わせることによって、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過スペクトルを発揮できる。(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)[%/nm]は、波長λ(2) 70%L[nm]とλ(2) 20%L[nm]との範囲における第二透過スペクトルの平均的な傾きを表し、ΔT(2)/Δλ(2) Lとも表す。
最小値λ(2) 20%L及び最小値λ(2) 70%Lは、望ましくは−1.1[%/nm]≦(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)≦−0.7[%/nm]の条件を満たし、より望ましくは−1.0[%/nm]≦(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)≦−0.75[%/nm]の条件を満たす。
第一光吸収体11に含まれる有機色素は、有機化合物から構成され、ここでは、染料及び顔料として峻別されるものではなく、特定の有機色素に限定されず、第一光吸収体11に含まれる有機色素は、例えば、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ジインモニウム系色素、及びアゾ系色素からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第一光吸収体11は、単一種類の有機色素を含んでいてもよく、複数種類の有機色素を含んでいてもよい。有機色素は、例えば、波長650nm〜800nmの範囲に吸収極大波長を有する。
第一光吸収体11は、例えば、マトリクスをさらに含んでいる。有機色素は、典型的には、マトリクス中に分散又は溶解している。このマトリクスは、第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、特定の材料に限定されない。第一光吸収体11に含まれるマトリクスは、典型的には、波長400nm〜600nmにおいて高い透過性を有する材料である。例えば、0.1mmの厚みの層をその材料のみで形成したときに、波長400nm〜600nmにおけるその層の透過率は、例えば70%以上であり、望ましくは75%以上であり、より望ましくは80%以上であり、さらに望ましくは85%以上である。
第一光吸収体11に含まれるマトリクスの材質は、例えば、樹脂である。第一光吸収体11に含まれる樹脂の種類は、特定の種類に限定されない。その樹脂は、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はPVB等のポリビニル系樹脂である。樹脂は、熱又は光等のエネルギー照射によって硬化しうる硬化性樹脂であってもよい。なお、第一光吸収体11に含まれるマトリクスは、金属成分を含むアルコキシドをゾルゲル法に従って加水分解及び縮重合させることによって形成される有機無機ハイブリッド材料又は無機材料であってもよい。
第一光吸収体11は、例えば、基材、光学機器、又は光学部品の表面に層として形成されていてもよい。基材は、例えば、ガラス、樹脂、又は結晶等の透明材料で形成されうる。
第一光吸収体11の厚みは、例えば0.5μm〜1000μmであり、1μm〜250μmであってもよく、1μm〜200μmであってもよい。
第二光吸収体12の透過率特性は、第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、特定の透過率特性に限定されない。波長300nm〜1200nmの範囲の光を第二光吸収体12に入射させたときの第二光吸収体12の透過スペクトルである第三透過スペクトルは、例えば、下記(ii1)、(ii2)、(ii3)、(ii4)、及び(ii5)の条件を満たす。このような条件を満たす第二光吸収体12と、先述の第一光吸収体とを組み合わせることによって、光学フィルタ1a〜1dは所望の透過率特性を発揮しやすい。第三透過スペクトルは、0°の入射角における透過スペクトルである。
(ii1)波長550nm〜750nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(3) 70%Hが620nm以上690nm以下である。
(ii2)波長550nm〜750nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(3) 50%Hが640nm以上720nm以下である。
(ii3)波長550nm〜750nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(3) 20%Hが670nm以上750nm以下である。
(ii4)波長750nmにおける透過率T(3) 750は、0.5%以上6%以下である。
(ii5)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値T(3)A 450-600が76%以上である。
(ii1)の条件に関し、波長λ(3) 70%Hは、望ましくは630nm以上680nm以下である。
(ii2)の条件に関し、波長λ(3) 50%Hは、望ましくは650nm以上710nm以下である。
(ii3)の条件に関し、波長λ(3) 20%Hは、望ましくは680nm以上740nm以下である。
(ii4)の条件に関し、透過率T(3) 750は、望ましくは1%以上5%以下である。
(ii5)の条件に関し、平均値T(3)A 450-600は、望ましくは78%以上であり、より望ましくは80%以上である。
第三透過スペクトルの波長750nm〜1100nmの範囲における透過率の最大値T(3)M 750-1100は、例えば、0.5%以上6%以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。最大値T(3)M 750-1100は、望ましくは、1%以上5%以下である。
第三透過スペクトルにおいて、波長λ(3) 20%H、波長λ(3) 70%H、及び透過率T(3) 750は、例えば、−0.9[%/nm]≦(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)≦−0.78[%/nm]の条件及び−0.9[%/nm]≦(T(3) 750−70)/(750−λ(3) 70%H)≦−0.5[%/nm]の条件の少なくとも1つを満たす。このような条件を満たす第二光吸収体12と、先述の第一光吸収体とを組み合わせることによって、光学フィルタ1a〜1dは所望の透過スペクトルをより発揮しやすい。(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)[%/nm]は、波長λ(3) 70%H[nm]とλ(3) 20%H[nm]との範囲における第三透過スペクトルの平均的な傾きを表し、ΔT(3)/Δλ(3) Hとも表す。(T(3) 750−70)/(750−λ(3) 70%H)[%/nm]は、波長750nmとλ(3) 70%H[nm]との範囲における第三透過スペクトルの平均的な傾きを表し、ΔT(3)/Δλ(3) 750とも表す。
第三透過スペクトルにおいて、波長λ(3) 20%H及び波長λ(3) 70%Hは、望ましくは−0.88[%/nm]≦(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)≦−0.80[%/nm]の条件を満たし、より望ましくは−0.87[%/nm]≦(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)≦−0.82[%/nm]の条件を満たす。
第三透過スペクトルにおいて、波長λ(3) 70%H及び透過率T(3) 750は、望ましくは−0.85[%/nm]≦(T(3) 750−70)/(750−λ(3) 70%H)≦−0.55[%/nm]の条件を満たし、より望ましくは−0.8[%/nm]≦(T(3) 750−70)/(750−λ(3) 70%H)≦−0.6[%/nm]の条件を満たす。
第三透過スペクトルは、例えば、下記(ii6)、(ii7)、及び(ii8)の条件の少なくとも1つを満たす。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
(ii6)波長300nm〜450nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(3) 70%Lが360nm以上430nm以下である。
(ii7)波長300nm〜450nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(3) 50%Lが340nm以上390nm以下である。
(ii8)波長300nm〜450nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(3) 20%Lが330nm以上380nm以下である。
波長λ(3) 70%Lは、望ましくは370nm以上420nm以下である。
波長λ(3) 50%Lは、望ましくは350nm以上380nm以下である。
波長λ(3) 20%Lは、望ましくは340nm以上360nm以下である。
第三透過スペクトルにおいて、波長λ(3) 70%L及び波長λ(3) 20%Lは、例えば、0.75[%/nm]≦(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)≦1.6[%/nm]の条件を満たす。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、紫外線域における透過スペクトルを調整しやすく、所望の透過率特性を発揮しやすい。(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)[%/nm]は、λ(3) 20%L[nm]と波長λ(3) 70%L[nm]との範囲における第三透過スペクトルの平均的な傾きを表し、ΔT(3)/Δλ(3) Lとも表す。
波長λ(3) 70%L及び波長λ(3) 20%Lは、望ましくは、0.85[%/nm]≦(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)≦1.55[%/nm]の条件を満たし、より望ましくは、0.9[%/nm]≦(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)≦1.5[%/nm]の条件を満たす。
第三透過スペクトルにおいて、波長λ(3) 50%Hと波長λ(3) 50%Lとの差の絶対値Δλ(3) 50%は、例えば、270nm以上350nm以下である。これにより、可視光域に対応する波長域において、透過率が高い帯域を広く確保できるので、光学フィルタ1a〜1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
絶対値Δλ(3) 50%は、望ましくは、290nm以上340nm以下である。
第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、第二光吸収体12における銅成分の含有の態様は、特定の態様に限定されない。第二光吸収体12は、例えば、銅成分と、ホスホン酸、スルホン酸、及びカルボン酸からなる群より選択される少なくとも1つとを含む化合物を含有している。これらの化合物は、主として銅成分のはたらきにより光吸収性を有する光吸収性化合物であり、その特性が本発明の光学フィルタの求める透過スペクトルを実現するのに貢献し、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第二光吸収体12において、光吸収性化合物は、銅成分と、ホスホン酸、スルホン酸、及びカルボン酸からなる群より選択される少なくとも1つとによって形成された錯体であってもよい。光吸収性化合物は、銅成分と、ホスホン酸とを含む微粒子であってもよい。この場合、ホスホン酸は、特定のホスホン酸に限定されない。ホスホン酸は、例えば、下記式(a)で表される。
Figure 2021110842
[式中、R11は、アルキル基、アリール基、ニトロアリール基、ヒドロキシアリール基、又はアリール基における少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換されているハロゲン化アリール基である。]
式(a)において、アルキル基は、例えば、8個以下の炭素原子を有する。アリール基は、例えば、フェニル基、ベンジル基、又はトルイル基である。
第二光吸収体12の形成において、銅成分は、例えば、銅塩として供給される。銅塩は、塩化銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、及びクエン酸銅の無水物又は水和物であってもよい。例えば、酢酸銅一水和物は、Cu(CH3COO)2・H2Oと表され、1モルの酢酸銅一水和物によって1モルの銅イオンが供給される。
第二光吸収体12は、例えば、マトリクスをさらに含んでいる。銅成分を含む光吸収性化合物は、典型的には、マトリクス中に分散している。このマトリクスは、第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、特定の材料に限定されない。第二光吸収体12に含まれるマトリクスは、典型的には、波長400nm〜600nmにおいて高い透過性を有する材料である。例えば、0.1mmの厚みの層をその材料のみで形成したときに、波長400nm〜600nmにおけるその層の透過率は、例えば70%以上であり、望ましくは75%以上であり、より望ましくは80%以上であり、さらに望ましくは85%以上である。
第二光吸収体12に含まれるマトリクスの材質は、例えば、樹脂である。第二光吸収体12に含まれる樹脂の種類は、特定の種類に限定されない。その樹脂は、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はPVB等のポリビニル系樹脂である。樹脂は、熱又は光等のエネルギー照射によって硬化しうる硬化性樹脂であってもよい。なお、第二光吸収体12に含まれるマトリクスは、金属成分を含むアルコキシドをゾルゲル法に従って加水分解及び縮重合させることによって形成される有機無機ハイブリッド材料又は無機材料であってもよい。
第二光吸収体12は、例えば、リン酸エステル、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解縮合物、シリコンアルコキシド、及びシリコンアルコキシドの加水分解縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。これにより、第二光吸収体12において銅成分を含む化合物が均一に分散しやすい。第二光吸収体12において、この群から選ばれる少なくとも2つが混合された状態で含まれていてもよい。例えば、リン酸エステル、金属アルコキシド、又はシリコンアルコキシドは、第二光吸収体12のための液状組成物の調製において、銅成分及びホスホン酸等の成分とともに混合される。この場合、リン酸エステル、金属アルコキシド、及びシリコンアルコキシドの一部は、第二光吸収体12のための液状組成物の調製において、銅成分またはホスホン酸等の成分やこれらを含む化合物との相互作用により、銅成分を含む微粒子に含有されていてもよい。
第二光吸収体12に含まれるリン酸エステルは、特定のリン酸エステルに限定されない。リン酸エステルは、例えば、ポリオキシアルキル基を有する。このようなリン酸エステルとしては、プライサーフA208N:ポリオキシエチレンアルキル(C12、C13)エーテルリン酸エステル、プライサーフA208F:ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、プライサーフA208B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、プライサーフA219B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、プライサーフAL:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、プライサーフA212C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、又はプライサーフA215C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステルが挙げられる。これらはいずれも第一工業製薬社製の製品である。加えて、リン酸エステルとして、NIKKOL DDP−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、NIKKOL DDP−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、又はNIKKOL DDP−6:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルが挙げられる。これらは、いずれも日光ケミカルズ社製の製品である。
第二光吸収体12に含まれる金属アルコキシド又は金属アルコキシドの加水分解縮合物を形成する金属アルコキシドは、例えば、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Ge、Sn、Pb、Al、Ga、In、Tl、Zn、Cd、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、及びZrからなる群より選択される少なくとも1つの金属のアルコキシドである。
これらの金属アルコキシドは第二光吸収体12に含まれる樹脂の硬化反応の促進に寄与する。その成分量は樹脂に対して0.1〜10質量%程度であることが望ましく、0.1〜3質量%であることがより望ましい。そのような比率で加えられた金属アルコキシドはその高い反応性によって樹脂の骨格形成を促し、緻密でリジッドな吸収膜の形成を可能とし、特に銅化合物の膜中への内包性を高めることに大きく寄与する。第二光吸収体12をそのような膜とすることによって、他の吸収膜を積層させた際にその隣接部分に起こる不具合を抑制できる。それにより、例えば、第二光吸収体中の銅成分が第一光吸収体11の有機色素と反応して有機色素を変質させてその光吸収能を低下させるといった不都合な作用を抑制し、所望の光学特性を得ることができる。
図1及び図3に示す通り、第二光吸収体12は、例えば、シート又はフィルムとして形成された第一光吸収体11の表面に層状に形成される。図2及び図4に示す通り、第二光吸収体12は、シート又はフィルムとして形成されてもよい。第二光吸収体12は、基材、光学機器、又は光学部品の表面に層として形成されていてもよい。基材は、例えば、ガラス、樹脂、又は結晶等の透明材料で形成されうる。
第二光吸収体12の厚みは、例えば20μm〜1000μmであり、50μm〜500μmであってもよく、65μm〜350μmであってもよい。
第二透過スペクトル及び第三透過スペクトルにおいて、望ましくは、先に定義した記号を用いて、λ(2) 50%L<λ(3) 50%H<λ(2) 50%Hの条件、λ(2) 70%L<λ(3) 70%Hの条件、及びλ(2) 20%L<λ(3) 20%Hの条件が満たされる。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。具体的には、光学フィルタの第一透過スペクトルにおいて、第二カットオフ波長が、第一吸収体の透過スペクトルをはじめとした特性に依拠しやすい。
第二透過スペクトル及び第三透過スペクトルにおいて、より望ましくは、λ(3) 50%H−λ(2) 50%Lの値が5nm以上70nm以下であるという条件と、λ(2) 50%H−λ(3) 50%Hの値が50nm以上150nm以下であるという条件とがさらに満たされる。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。この場合、λ(3) 50%H−λ(2) 50%Lの値は、望ましくは15nm以上60nm以下であり、λ(2) 50%H−λ(3) 50%Hの値は、望ましくは70nm以上125nm以下である。
第二透過スペクトル及び第三透過スペクトルにおいて、|{(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)}−{(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)}|の値は、例えば0以上0.10以下であり、望ましくは0以上0.07以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第二透過スペクトル及び第三透過スペクトルにおいて、望ましくはλ(3) 20%H−λ(3) 70%H<Δλ(2) 50%の条件が満たされ、より望ましくは2×(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)<Δλ(2) 50%の条件が満たされる。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第二透過スペクトル及び第三透過スペクトルにおいて、望ましくは、最大値λ(2) 20%Hが750nm以上であり、かつ、λ=λ(2) 70%Hでの第三透過スペクトルにおける透過率T(3) λ(2)70%Hが5%以下である。これにより、光学フィルタ1a〜1dは、より確実に、所望の透過率特性を発揮しやすい。透過率T(3) λ(2)70%Hは、より望ましくは1%以下である。第三透過スペクトルにおける最大値λ(2) 50%Hでの透過率T(3) λ(2)50%Hは、例えば1%以下である。
図3及び4に示す通り、光学フィルタ1c及び1dは、例えば、第三光吸収体13をさらに備えている。第三光吸収体13は、紫外線吸収剤を含んでいる。波長300nm〜1200nmの範囲の光を第三光吸収体13に入射させたときの第三光吸収体13の透過スペクトルである第四透過スペクトルは、下記(iii1)、(iii2)、及び(iii3)の条件を満たす。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。第四透過スペクトルは、0°の入射角における透過スペクトルである。
(iii1)波長300nm〜450nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(4) 70%Lが350nm以上450nm以下である。
(iii2)波長300nm〜450nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(4) 50%Lが340nm以上440nm以下である。
(iii3)波長300nm〜450nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(4) 20%Lが340nm以上440nm以下である。
光学フィルタ1c及び1dにおいて、第一透過スペクトルの波長350nmにおける透過率T350は、望ましくは1%以下であり、より望ましくは0.5%以下である。
第四透過スペクトルにおいて、波長λ(4) 70%L及び波長λ(4) 20%Lは、例えば、3.0[%/nm]≦(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)≦4.2[%/nm]の条件を満たす。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)は、λ(4) 20%L[nm]と波長λ(4) 70%L[nm]との範囲における第三透過スペクトルの平均的な傾きを表し、ΔT(4)/Δλ(4) Lとも表す。
波長λ(4) 70%L及び波長λ(4) 20%Lは、望ましくは3.1[%/nm]≦(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)≦4.1[%/nm]の条件を満たし、より望ましくは3.3[%/nm]≦(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)≦4.0[%/nm]の条件を満たす。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第三光吸収体13に含まれる紫外線吸収剤の種類は、特定の種類に限定されない。紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、アクリロニトリル系化合物、及びサリチル酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
紫外線吸収剤は、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジオキシベンゾフェノン、2−オキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラオキシベンゾフェノン、2,2’−ジオキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−オキシ−4−メトキシ−4’−クロロベンゾフェノン、2−オキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジオロキシベンゾフェノン、2−オキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,2’−ジオキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジベンゾイルレゾルシン、2(2’−オキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−オキシ−3’,5’−ジブチルフェニル)−6−クロロベンゾトリアゾール、レゾルシンモノベンゾエート、サリチル酸フェニル、サリチル酸4−t−ブチルフェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、ジフェニルメチレンシアン酢酸エチル、ジフェニルメチレンシアン酢酸2−エチルヘキシル、及び2−オキシフェニル−1,3,5−トリアジンからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
第三光吸収体13は、例えば、マトリクスをさらに含んでいる。紫外線吸収剤は、典型的には、マトリクス中に分散している。このマトリクスは、第一透過スペクトルが(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす限り、特定の材料に限定されない。第三光吸収体13に含まれるマトリクスは、典型的には、波長400nm〜600nmにおいて高い透過性を有する材料である。例えば、0.1mmの厚みの層をその材料のみで形成したときに、波長400nm〜600nmにおけるその層の透過率は、例えば70%以上であり、望ましくは75%以上であり、より望ましくは80%以上であり、さらに望ましくは85%以上である。
第三光吸収体13に含まれるマトリクスは、例えば、樹脂である。第三光吸収体13に含まれる樹脂の種類は、特定の種類に限定されない。その樹脂は、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はPVB等のポリビニル系樹脂である。樹脂は、熱又は光等のエネルギー照射によって硬化しうる硬化性樹脂であってもよい。なお、第三光吸収体13に含まれるマトリクスは、金属成分を含むアルコキシドをゾルゲル法に従って加水分解及び縮重合させることによって形成される有機無機ハイブリッド材料又は無機材料であってもよい。
第三光吸収体13は、典型的には、フィルム、シート、又は膜として形成されうる。第三光吸収体13は、例えば、フィルム又はシートとして形成された第一光吸収体11又は第二光吸収体12の表面に層状に形成される。第三光吸収体13は、シート又はフィルムとして形成されてもよい。
第三光吸収体13の厚みは、例えば2μm〜250μmであり、5μm〜200μmであってもよく、10μm〜200μmであってもよく、15μm〜100μmであってもよい。
第三透過スペクトル及び第四透過スペクトルにおいて、例えば、λ(3) 50%L<λ(4) 50%Lの条件が満たされる。望ましくはλ(3) 50%L+5nm<λ(4) 50%Lの条件が満たされ、より望ましくは、λ(3) 50%L+10nm<λ(4) 50%Lである。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第三透過スペクトル及び第四透過スペクトルにおいて、例えば、λ(3) 20%L<λ(4) 20%Lの条件が満たされる。望ましくはλ(3) 20%L+5nm<λ(4) 20%Lの条件が満たされ、より望ましくは、λ(3) 20%L+10nm<λ(4) 20%Lである。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
第三透過スペクトル及び第四透過スペクトルにおいて、望ましくは2×(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)<(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)の条件が満たされ、より望ましくは2.5×(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)<(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)の条件が満たされる。これにより、光学フィルタ1c及び1dは、所望の透過率特性を発揮しやすい。
光学フィルタ1a〜1dの製造方法の一例について説明する。図1に示す通り、光学フィルタ1a及び1cにおいて、第一光吸収体11は、例えばフィルムをなしている。第一光吸収体11は、例えば、有機色素及びマトリクスの原料を含有する組成物を所定の基板上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥又は加熱等の処理によって硬化させて形成できる。基板上に形成された第一光吸収体11は、例えば、基板から剥離される。一方、銅成分及びマトリクスの原料を含有する組成物を第一光吸収体11の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥又は加熱等の処理によって硬化させて、第二光吸収体12を形成できる。このようにして、光学フィルタ1aを作製できる。その後、第一光吸収体11の別の表面に紫外線吸収剤及びマトリクスの原料を含有する組成物を塗布して、乾燥又は加熱等の処理によって硬化させて、第三光吸収体13を形成できる。このようにして、光学フィルタ1cを作製できる。
図2に示す通り、光学フィルタ1b及び1dにおいて、第二光吸収体12は、例えばフィルムをなしている。第二光吸収体12は、例えば、銅成分及びマトリクスの原料を含有する組成物を所定の基板上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を加熱等の処理により硬化させて形成できる。基板上に形成された第二光吸収体12は、例えば、基板から剥離される。一方、有機色素及びマトリクスの原料を含有する組成物を第二光吸収体12の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥又は加熱等の処理によって硬化させて、第一光吸収体11を形成できる。このようにして、光学フィルタ1bを作製できる。その後、第二光吸収体12の別の表面に紫外線吸収剤及びマトリクスの原料を含有する組成物を塗布して、乾燥又は加熱等の処理によって硬化させて、第三光吸収体13を形成できる。このようにして、光学フィルタ1dを作製できる。
実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
各実施例において、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計V−670を用いて、第一光吸収体、第二光吸収体、光学フィルタ、第一光吸収体に対応する積層体、第二光吸収体に対応する積層体、又は第三光吸収体に対応する積層体の0°の入射角における透過スペクトルを測定した。
<実施例1>
波長660nm〜770nmに吸収極大波長を有する有機色素と、溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)と、ポリビニルブチラール(PVB)とを混合し、その混合物を2時間撹拌して、液状組成物H1を得た。有機色素は、MEKに可溶であり、可視域の吸収が少なかった。また、有機色素は、シアニン系色素化合物、スクアリリウム系色素化合物、フタロシアニン系色素化合物、ジインモニウム系色素化合物、及びアゾ系色素化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいた。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
酢酸銅一水和物4.500gと、テトラヒドロフラン(THF)240gとを混合し、その混合物を3時間撹拌して酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、第一工業製薬社製のリン酸エステル化合物プライサーフA208Fを2.572g加えて30分間撹拌し、A液を得た。また、n‐ブチルホスホン酸2.886gにTHF40gを加えて30分間撹拌し、B液を得た。A液を撹拌しながらA液にB液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン100gを加えた後、室温で1分間撹拌し、C液を得た。このC液をフラスコに入れてオイルバス(東京理化器械社製、型式:OSB−2100)で加温しながら、ロータリーエバポレータ(東京理化器械社製、型式:N−1110SF)によって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は、105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後のD液を取り出した。D液において微粒子が良好に分散しており、微粒子は銅錯体を含んでいた。銅錯体は、ホスホン酸と銅成分との反応によって生じた化合物を含んでいた。次に、D液に対して、8.91gの硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)と、0.09gのアルミニウムアルコキシド化合物(信越化学工業社製、製品名:CAT−AC)とを添加して30分間撹拌した。このようにして、硬化性樹脂と、銅錯体を含む微粒子とを含有している液状組成物E1を得た。
ガラス基板(SCHOTT製 D263 T eco)の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物H1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、液状組成物H1を硬化させた。ガラス基板の表面には、フッ素成分を含む防汚性コーティングを予め施した。防汚性コーティングにおいて、ダイキン工業社製のオプツールDSXを用いた。オプツールDSXを含有するコーティング液をガラス基板の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥させて防汚性コーティングを形成した。液状組成物H1の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例1に係る第一光吸収体を得た。マイクロメータを用いて第一光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは110μmであった。実施例1に係る第一光吸収体の透過スペクトルを図5に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
実施例1に係る第一光吸収体の表面に液状組成物E1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、その塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例1に係る第一光吸収体をオーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、及び150℃で1時間の条件で熱処理を行って塗膜を硬化させ、第一光吸収体の上に実施例1に係る第二光吸収体を形成した。第二光吸収体の厚みは160μmであった。このようにして、実施例1に係る光学フィルタを得た。実施例1に係る光学フィルタの透過スペクトルを図6に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面に液状組成物E1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を実施例1に係る光学フィルタの作製における液状組成物E1の塗膜と同一条件で乾燥及び加熱して硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥がし、実施例1に係る第二光吸収体用サンプルを得た。実施例1に係る第二光吸収体用サンプルの厚みが実施例1に係る光学フィルタにおける第二光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物E1の塗布条件を調節した。実施例1に係る第二光吸収体用サンプルの透過スペクトルを図7に示し、この透過スペクトルの特性値等を表3に示す。実施例1に係る第二光吸収体用サンプルの透過スペクトルは、実施例1に係る光学フィルタの第二光吸収体の透過スペクトルとみなすことができる。
<実施例2>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例2に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例2に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは141μmであった。実施例2に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図8に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
下記の点以外は、液状組成物H1の調製と同様にして、液状組成物H2を調製した。液状組成物H2に含まれる有機色素は、液状組成物H1に含まれる有機色素と同一であるが、液状組成物H2における有機色素の濃度は、液状組成物H1における有機色素の濃度より高くした。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
実施例2に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H2をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例2に係る第二光吸収体の上に実施例2に係る第一光吸収体を形成した。実施例2に係る第一光吸収体の厚みは4μmであった。このようにして、実施例2に係る光学フィルタを得た。実施例2に係る光学フィルタの透過スペクトルを図9に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物H2をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例2に係る光学フィルタの作製における液状組成物H2の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例2に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体2−Iを得た。積層体2−Iにおける液状組成物H2の塗膜の硬化物の厚みが実施例2に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H2の塗布条件を調節した。積層体2−Iの透過スペクトルを図10に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
<実施例3>
下記の点以外は、液状組成物H1の調製と同様にして、液状組成物H3を調製した。液状組成物H3に含まれる有機色素は、液状組成物H1に含まれる有機色素と同一であるが、液状組成物H3における有機色素の濃度は、液状組成物H1における有機色素の濃度より若干低くなるように調節した。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物H3をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させたあと、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜を硬化させた。液状組成物H3の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例3に係る第一光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例3に係る第一光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは160μmであった。実施例3に係る第一光吸収体の透過スペクトルを図11に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
実施例3に係る第一光吸収体の表面に液状組成物E1をディスペンサで塗布して塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させ、第一光吸収体の上に実施例3に係る第二光吸収体を形成した。実施例3に係る第二光吸収体の厚みは188μmであった。このようにして、実施例3に係る光学フィルタを得た。実施例3に係る光学フィルタの透過スペクトルを図12に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面に液状組成物E1を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を実施例3に係る光学フィルタの作製における液状組成物E1の塗膜と同一条件で乾燥及び加熱して硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥がし、実施例3に係る第二光吸収体用サンプルを得た。実施例3に係る第二光吸収体用サンプルの厚みが実施例3に係る光学フィルタにおける第二光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物E1の塗布条件を調節した。実施例3に係る第二光吸収体用サンプルの透過スペクトルを図13に示し、この透過スペクトルの特性値等を表3に示す。実施例3に係る第二光吸収体用サンプルの透過スペクトルは、実施例3に係る光学フィルタの第二光吸収体の透過スペクトルとみなすことができる。
<実施例4>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例4に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例4に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは161μmであった。実施例4に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図14に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
波長660nm〜770nmに吸収極大波長を有する有機色素と、溶媒としてのMEKと、PVBとを混合し、その混合物を2時間撹拌して、液状組成物H4を得た。有機色素は、MEKに可溶であり、可視域の吸収が少なかった。また、有機色素は、シアニン系色素化合物、スクアリリウム系色素化合物、フタロシアニン系色素化合物、ジインモニウム系色素化合物、及びアゾ系色素化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいた。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。液状組成物H4に含まれる有機色素は、液状組成物H1に含まれる有機色素とは異なっていた。
実施例4に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H4をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例4に係る第二光吸収体の上に実施例4に係る第一光吸収体を形成した。実施例4に係る第一光吸収体の厚みは3μmであった。このようにして、実施例4に係る光学フィルタを得た。実施例4に係る光学フィルタの透過スペクトルを図15に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物H4を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例4に係る光学フィルタの作製における液状組成物H4の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例4に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体4−Iを得た。積層体4−Iにおける液状組成物H4の塗膜の硬化物の厚みが実施例4に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H4の塗布条件を調節した。積層体4−Iの透過スペクトルを図16に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
<実施例5>
紫外線吸収剤Uvinul3050(BASF社製、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン)5gと、エタノール95gとを混合して30分間撹拌し、F1液を得た。次に、2gのF1液と、10gのシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)とを混合して30分間撹拌し、液状組成物U1を得た。
実施例1に係る光学フィルタの第二光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例1に係る光学フィルタをオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第一光吸収体の上に実施例5に係る第三光吸収体を形成した。実施例5に係る第三光吸収体の厚みは28μmであった。このようにして、実施例5に係る光学フィルタを得た。実施例5に係る光学フィルタの透過スペクトルを図17に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例5に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例5に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体5−IIIを得た。積層体5−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例5に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体5−IIIの透過スペクトルを図18に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例6>
実施例2に係る光学フィルタの第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例2に係る光学フィルタをオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例6に係る第三光吸収体を形成した。実施例6に係る第三光吸収体の厚みは50μmであった。このようにして、実施例6に係る光学フィルタを得た。実施例6に係る光学フィルタの透過スペクトルを図19に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例6に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例6に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体6−IIIを得た。積層体6−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例6に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体6−IIIの透過スペクトルを図20に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例7>
実施例3に係る光学フィルタの第二光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例3に係る光学フィルタをオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第一光吸収体の上に実施例7に係る第三光吸収体を形成した。実施例7に係る第三光吸収体の厚みは20μmであった。このようにして、実施例7に係る光学フィルタを得た。実施例7に係る光学フィルタの透過スペクトルを図21に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例7に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例7に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体7−IIIを得た。積層体7−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例7に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体7−IIIの透過スペクトルを図22に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例8>
実施例4に係る光学フィルタの第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例4に係る光学フィルタをオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例8に係る第三光吸収体を形成した。実施例8に係る第三光吸収体の厚みは28μmであった。このようにして、実施例8に係る光学フィルタを得た。実施例8に係る光学フィルタの透過スペクトルを図23に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例8に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例8に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体8−IIIを得た。積層体8−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例8に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体8−IIIの透過スペクトルを図24に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例9>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例9に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例9に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは145μmであった。実施例9に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図25に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
下記の点以外は、液状組成物H4の調製と同様にして、液状組成物H5を調製した。液状組成物H5に含まれる有機色素は、液状組成物H4に含まれる有機色素と同一種類であるが、液状組成物H5における有機色素の濃度は、液状組成物H4における有機色素の濃度と若干異なるように調節した。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
実施例9に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H5をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例9に係る第二光吸収体の上に実施例9に係る第一光吸収体を形成した。実施例9に係る第一光吸収体の厚みは4μmであった。ガラス基板の表面に液状組成物H5を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を、実施例9に係る第二光吸収体の表面に塗布された液状組成物H5の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例9に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体9−Iを得た。積層体9−Iにおける液状組成物H5の塗膜の硬化物の厚みが実施例9に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H5の塗布条件を調節した。積層体9−Iの透過スペクトルを図26に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
実施例9に係る第二光吸収体の第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例9に係る第二光吸収体をオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例9に係る第三光吸収体を形成した。実施例9に係る第三光吸収体の厚みは50μmであった。このようにして、実施例9に係る光学フィルタを得た。実施例9に係る光学フィルタの透過スペクトルを図27に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例9に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例9に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体9−IIIを得た。積層体9−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例9に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体9−IIIの透過スペクトルを図28に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例10>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例10に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例10に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは162μmであった。実施例10に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図29に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
下記の点以外は、液状組成物H5の調製と同様にして、液状組成物H6を調製した。液状組成物H6に含まれる有機色素は、液状組成物H5に含まれる有機色素と同一種類であるが、液状組成物H6における有機色素の濃度は、液状組成物H5における有機色素の濃度と若干異なるように調節した。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
実施例10に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H6をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例10に係る第二光吸収体の上に実施例10に係る第一光吸収体を形成した。実施例10に係る第一光吸収体の厚みは2μmであった。ガラス基板の表面に液状組成物H6を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を、実施例10に係る第二光吸収体の表面に塗布された液状組成物H6の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例10に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体10−Iを得た。積層体10−Iにおける液状組成物H6の塗膜の硬化物の厚みが実施例10に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H6の塗布条件を調節した。積層体10−Iの透過スペクトルを図30に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
実施例10に係る第二光吸収体の第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U1をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例10に係る第二光吸収体をオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例10に係る第三光吸収体を形成した。実施例10に係る第三光吸収体の厚みは20μmであった。このようにして、実施例10に係る光学フィルタを得た。実施例10に係る光学フィルタの透過スペクトルを図31に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例10に係る光学フィルタの作製における液状組成物U1の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例10に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体10−IIIを得た。積層体10−IIIにおける液状組成物U1の塗膜の硬化物の厚みが実施例10に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U1の塗布条件を調節した。積層体10−IIIの透過スペクトルを図32に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例11>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例11に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例11に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは160μmであった。実施例11に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図33に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
下記の点以外は、液状組成物H5の調製と同様にして、液状組成物H7を調製した。液状組成物H7に含まれる有機色素は、液状組成物H5に含まれる有機色素と同一種類であるが、液状組成物H7における有機色素の濃度は、液状組成物H5における有機色素の濃度と若干異なるように調節した。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
実施例11に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H7をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例11係る第二光吸収体の上に実施例11に係る第一光吸収体を形成した。実施例11に係る第一光吸収体の厚みは3μmであった。ガラス基板の表面に液状組成物H7を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を、実施例11に係る第二光吸収体の表面に塗布された液状組成物H7の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例11に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体11−Iを得た。積層体11−Iにおける液状組成物H7の塗膜の硬化物の厚みが実施例11に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H7の塗布条件を調節した。積層体11−Iの透過スペクトルを図34に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
紫外線吸収剤Tinuvin(BASF社製、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)5gと、トルエン95gとを混合して30分間撹拌し、F2液を得た。次に、2gのF2液と、10gのシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)とを混合して30分間撹拌し、液状組成物U2液を得た。
実施例11に係る第二光吸収体の第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U2をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例11に係る第二光吸収体をオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例11に係る第三光吸収体を形成した。実施例11に係る第三光吸収体の厚みは28μmであった。このようにして、実施例11に係る光学フィルタを得た。実施例11に係る光学フィルタの透過スペクトルを図35に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U2をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例11に係る光学フィルタの作製における液状組成物U2の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例11に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体11−IIIを得た。積層体11−IIIにおける液状組成物U2の塗膜の硬化物の厚みが実施例11に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U2の塗布条件を調節した。積層体11−IIIの透過スペクトルを図36に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
<実施例12>
フッ素成分を含む防汚性コーティングを有するガラス基板の表面の約76mm×76mmの範囲に液状組成物E1をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を室温で十分に乾燥させた後、オーブンに入れて45℃で2時間、85℃で3時間、125℃で1時間、150℃で1時間の熱処理を行って硬化させた。液状組成物E1の塗膜の硬化物をガラス基板から剥離して、実施例12に係る第二光吸収体を得た。マイクロメータを用いて実施例12に係る第二光吸収体の厚みを計測したところ、その厚みは162μmであった。実施例12に係る第二光吸収体の透過スペクトルを図37に示し、その透過スペクトルの特性値等を表3に示す。
下記の点以外は、液状組成物H5の調製と同様にして、液状組成物H8を調製した。液状組成物H8に含まれる有機色素は、液状組成物H5に含まれる有機色素と同一種類であるが、液状組成物H8における有機色素の濃度は、液状組成物H5における有機色素の濃度と若干異なるように調節した。PVBにおける固形分の含有量は、99重量%であった。
実施例12に係る第二光吸収体の表面に液状組成物H8をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を室温で充分に乾燥させた後、オーブンに入れて130℃で1時間の加熱処理を行って、硬化させた。これにより、実施例12に係る第二光吸収体の上に実施例12に係る第一光吸収体を形成した。実施例12に係る第一光吸収体の厚みは2μmであった。ガラス基板の表面に液状組成物H8を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を、実施例12に係る第二光吸収体の表面に塗布された液状組成物H8の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例12に係る光学フィルタの第一光吸収体に対応する積層体12−Iを得た。積層体12−Iにおける液状組成物H8の塗膜の硬化物の厚みが実施例12に係る第一光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物H8の塗布条件を調節した。積層体12−Iの透過スペクトルを図38に示し、この透過スペクトルの特性値等を表2に示す。
実施例12に係る第二光吸収体の第一光吸収体が形成されていない主面に液状組成物U2をディスペンサで塗布して塗膜を形成し、この塗膜を室温で十分に乾燥させた。その後、実施例12に係る第二光吸収体をオーブンに入れて、45℃で2時間及び85℃で1時間の条件の加熱処理によって塗膜を硬化させ、第二光吸収体の上に実施例12に係る第三光吸収体を形成した。実施例12に係る第三光吸収体の厚みは20μmであった。このようにして、実施例12に係る光学フィルタを得た。実施例12に係る光学フィルタの透過スペクトルを図39に示し、この透過スペクトルの特性値等を表1に示す。
ガラス基板の表面に液状組成物U2をディスペンサで塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を実施例12に係る光学フィルタの作製における液状組成物U2の塗膜と同一条件で硬化させ、実施例12に係る光学フィルタの第三光吸収体に対応する積層体12−IIIを得た。積層体12−IIIにおける液状組成物U2の塗膜の硬化物の厚みが実施例12に係る第三光吸収体の厚みとほぼ同じになるように液状組成物U2の塗布条件を調節した。積層体12−IIIの透過スペクトルを図40に示し、この透過スペクトルの特性値等を表4に示す。
積層体2−I、4−I、5−III、6−III、7−III、8−III、9−I、9−III、10−I、10−III、11−I、11−III、12−I、及び12−IIIの作製に用いたガラス基板の透過スペクトルを図41に示す。
表1に示す通り、実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて上記の(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件が満たされていた。実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて絶対値ΔλS/Fは、190nm以上280nm以下であった。実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、T350は、20%以下であった。実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、TM 750-1000は2%以下であった。実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、TM 800-950は1%以下であった。実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、ΔT1%は、400nm以上であった。
表2及び図41によれば、実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、第一光吸収体は、上記の(i1)、(i2)、(i3)、(i4)、及び(i5)の条件を満たすことが示唆された。加えて、第一光吸収体は、(i6)、(i7)、及び(i8)の条件を満たすことが示唆された。第一光吸収体において、−1.2[%/nm]≦ΔT(2)/Δλ(2) L≦−0.6[%/nm]の条件が満たされることが示唆された。
表3によれば、実施例1〜12に係る光学フィルタにおいて、第二光吸収体は、上記の(ii1)、(ii2)、(ii3)、(ii4)、及び(ii5)の条件を満たしていた。加えて、第二光吸収体は、(ii6)、(ii7)、及び(ii8)の条件を満たしていた。第二光吸収体において、T(3)M 750-1100は、0.5%以上6%以下であった。第二光吸収体において、−0.9[%/nm]≦ΔT(3)/Δλ(3) H≦−0.78[%/nm]の条件が満たされており、−0.9[%/nm]≦ΔT(3)/Δλ(3) 750≦−0.5[%/nm]の条件が満たされていた。第二光吸収体において、0.75[%/nm]≦ΔT(3)/Δλ(3) L≦1.6[%/nm]の条件が満たされていた。第二光吸収体において、Δλ(3) 50%は、270nm以上350nm以下であった。
表4及び図41によれば、実施例5〜12に係る光学フィルタにおいて、第三光吸収体は、上記の(iii1)、(iii2)、及び(iii3)の条件を満たすことが示唆された。加えて、第三光吸収体において、3.0[%/nm]≦ΔT(4)/Δλ(4) L≦4.2[%/nm]の条件を満たすことが示唆された。
Figure 2021110842
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Figure 2021110842
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1a、1b、1c、1d 光学フィルタ
11 第一光吸収体
12 第二光吸収体
13 第三光吸収体

Claims (20)

  1. 光学フィルタであって、
    有機色素を含む第一光吸収体と、
    銅成分を含み、少なくとも一部の赤外線を吸収する第二光吸収体と、を備え、
    波長300nm〜1200nmの範囲の光を当該光学フィルタに入射させたときに、下記(I)、(II)、(III)、及び(IV)の条件を満たす第一透過スペクトルを示す、
    光学フィルタ。
    (I)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値が76%以上である。
    (II)波長350nm〜470nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第一カットオフ波長が360nm〜450nmの範囲に存在する。
    (III)波長580nm〜720nmの範囲において50%の透過率を示す波長である第二カットオフ波長が600nm〜700nmの範囲に存在する。
    (IV)波長700nm〜750nmの範囲における透過率の最大値が5%以下である。
  2. 前記第二カットオフ波長と前記第一カットオフ波長との差の絶対値は、190nm以上280nm以下である、請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記第一透過スペクトルの波長350nmにおける透過率が20%以下である、請求項1又は2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記第一透過スペクトルの波長750nm〜1000nmの範囲における透過率の最大値が2%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. 前記第一透過スペクトルの波長800nm〜950nmの範囲における透過率の最大値が1%以下である、請求項4に記載の光学フィルタ。
  6. 前記第一透過スペクトルの波長700nm〜1200nmの範囲において1%の透過率を示す最大波長と最小波長との差の絶対値は400nm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. 波長300nm〜1200nmの範囲の光を前記第一光吸収体に入射させたときの前記第一光吸収体の透過スペクトルである第二透過スペクトルは、下記(i1)、(i2)、(i3)、(i4)、及び(i5)の条件を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (i1)波長550nm〜850nmの範囲において透過率の最小値を示す波長が650nm以上770nm以下である。
    (i2)波長550nm〜850nmの範囲において70%の透過率を示す波長の最小値が570nm以上670nm以下である。
    (i3)波長550nm〜850nmの範囲において50%の透過率を示す波長の最小値が590nm以上700nm以下である。
    (i4)波長550nm〜850nmの範囲において20%の透過率を示す波長の最小値が630nm以上720nm以下である。
    (i5)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値が76%以上である。
  8. 前記第二透過スペクトルは、下記(i6)、(i7)、及び(i8)の条件の少なくとも1つを満たす、請求項7に記載の光学フィルタ。
    (i6)波長550nm〜850nmの範囲において70%の透過率を示す波長の最大値と最小値との差の絶対値が120nm以上250nm以下である。
    (i7)波長550nm〜850nmの範囲において50%の透過率を示す波長の最大値と最小値との差の絶対値が70nm以上210nm以下である。
    (i8)波長550nm〜850nmの範囲において20%の透過率を示す波長の最大値と最小値との差の絶対値が30nm以上160nm以下である。
  9. 前記第二透過スペクトルの波長550nm〜850nmの範囲において20%の透過率を示す波長の最小値λ(2) 20%L及び前記第二透過スペクトルの波長550nm〜850nmの範囲において70%の透過率を示す波長の最小値λ(2) 70%Lは、−1.2[%/nm]≦(20−70)/(λ(2) 20%L−λ(2) 70%L)≦−0.6[%/nm]の条件を満たす、請求項7又は8に記載の光学フィルタ。
  10. 前記有機色素は、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ジインモニウム系色素、及びアゾ系色素からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 波長300nm〜1200nmの範囲の光を前記第二光吸収体に入射させたときの前記第二光吸収体の透過スペクトルである第三透過スペクトルは、下記(ii1)、(ii2)、(ii3)、(ii4)、及び(ii5)の条件を満たす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (ii1)波長550nm〜750nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(3) 70%Hが620nm以上690nm以下である。
    (ii2)波長550nm〜750nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(3) 50%Hが640nm以上720nm以下である。
    (ii3)波長550nm〜750nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(3) 20%Hが670nm以上750nm以下である。
    (ii4)波長750nmにおける透過率T(3) 750は、0.5%以上6%以下である。
    (ii5)波長450nm〜600nmの範囲における透過率の平均値が76%以上である。
  12. 前記第三透過スペクトルの波長750nm〜1100nmの範囲における透過率の最大値は、0.5%以上6%以下である、請求項11に記載の光学フィルタ。
  13. 前記波長λ(3) 20%H、前記波長λ(3) 70%H、及び前記透過率T(3) 750は、−0.9[%/nm]≦(20−70)/(λ(3) 20%H−λ(3) 70%H)≦−0.78[%/nm]の条件及び−0.9[%/nm]≦(T(3) 750−70)/(750−λ(3) 70%H)≦−0.5[%/nm]の条件の少なくとも1つを満たす、請求項11又は12に記載の光学フィルタ。
  14. 前記第三透過スペクトルは、下記(ii6)、(ii7)、及び(ii8)の条件の少なくとも1つを満たす、請求項11〜13のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (ii6)波長300nm〜450nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(3) 70%Lが360nm以上430nm以下である。
    (ii7)波長300nm〜450nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(3) 50%Lが340nm以上390nm以下である。
    (ii8)波長300nm〜450nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(3) 20%Lが330nm以上380nm以下である。
  15. 前記波長λ(3) 70%L及び前記波長λ(3) 20%Lは、0.75[%/nm]≦(70−20)/(λ(3) 70%L−λ(3) 20%L)≦1.6[%/nm]の条件を満たす、請求項14に記載の光学フィルタ。
  16. 前記波長λ(3) 50%Hと、前記第三透過スペクトルの波長300nm〜450nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(3) 50%Lとの差の絶対値は、270nm以上350nm以下である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  17. 前記第二光吸収体は、前記銅成分と、ホスホン酸、スルホン酸、及びカルボン酸からなる群より選択される少なくとも1つとを含む光吸収性化合物を含有している、請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  18. 紫外線吸収剤を含む第三光吸収体をさらに備え、
    波長300nm〜1200nmの範囲の光を前記第三光吸収体に入射させたときの前記第三光吸収体の透過スペクトルである第四透過スペクトルは、下記(iii1)、(iii2)、及び(iii3)の条件を満たす、請求項1〜17のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
    (iii1)波長300nm〜450nmの範囲において70%の透過率を示す波長λ(4) 70%Lが350nm以上450nm以下である。
    (iii2)波長300nm〜450nmの範囲において50%の透過率を示す波長λ(4) 50%Lが340nm以上440nm以下である。
    (iii3)波長300nm〜450nmの範囲において20%の透過率を示す波長λ(4) 20%Lが340nm以上440nm以下である。
  19. 前記波長λ(4) 70%L及び前記波長λ(4) 20%Lは、3.0[%/nm]≦(70−20)/(λ(4) 70%L−λ(4) 20%L)≦4.2[%/nm]の条件を満たす、請求項18に記載の光学フィルタ。
  20. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、アクリロニトリル系化合物、及びサリチル酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項18又は19に記載の光学フィルタ。
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