JP2021110418A - 自動車に用いられる流体流路の継手 - Google Patents

自動車に用いられる流体流路の継手 Download PDF

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俊英 飯田
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健二 大西
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Abstract

【課題】樹脂製の継手において、スリーブ表面の面圧の低下を抑制し、良好な密閉性を長期間に亘って維持する。【解決手段】本発明の自動車に用いられる流体流路の継手1は、細長い筒状に形成される継手本体4と、一端側が継手本体4の他端側に差し込み可能な筒状に形成されたスリーブ5と、継手本体4に外套状に取り付けられることでスリーブ5を継手本体4に差し込まれた状態に固定するナット体6と、を有しており、継手本体4の他端側の端面に、スリーブ5の筒状の端縁の差し込みを許容する環状の差し込み溝14が形成され、差し込み溝14内に差し込まれるスリーブ5の外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部21が全周に亘って連続するように形成され、スリーブ5の内周面の一端側にテーパ部22が形成されており、凸条部21がテーパ部22の形成位置よりもスリーブ5の外周面における他端側に形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に用いられる流体の流路に用いられる継手に関するものである。より詳しくは、本発明は、自動車の燃料やエンジン冷却用のクーラント液などの流路に用いられる継手に関するものである。
従来から自動車にはさまざまな流体が用いられている。例えば、自動車の燃料に化石燃料が用いられている場合は、ガソリンや軽油などの燃料が流体として用いられているし、エンジンを水冷で用いる場合は、クーラント液などの流体が用いられている。これらの流体はタンクなどに貯留されていて、給油口から燃料タンクに、あるいは燃料タンクからエンジンなどに専用ホースなどの流路を通じて運搬されており、これらの流路の連結部分などには継手が用いられている。
例えば、上述した流路の一つである燃料タンクと燃料ホースとの間にも、従来から金属製の継手が用いられてきた。ただ、金属製の継手は自動車に用いる部品として価格が高く重量もあるため、近年はコストを抑える目的で樹脂製の継手が多用されている。
このような自動車に用いられる流体の流路に用いられる樹脂製の継手としては、特許文献1〜特許文献2などに開示されるものが知られている。
特許文献1は、樹脂製材料により形成され、流体圧機器を構成するとともに流体用通路が形成されたボデイと、前記流体用通路の開口部に形成された凹部に嵌合するとともに前記流体用通路に連通する通路が形成され、樹脂製材料からなる管体の一端部に挿入されるインサート部材と、を備え、前記インサート部材には前記一端部が当接して前記管体の挿入量を規制する段部が形成され、前記流体用通路の開口部と前記管体とが樹脂溶接されることによって前記管体と前記ボデイとが接続されることを特徴とする流体圧機器の管体接続構造を開示する。
一方、特許文献2は、接続されるホースの先端側に向けて外周面が拡径となるテーパの付されたホース継手に対して、前記ホース継手の外周面に沿って差し込まれるホースを挟持固定するホース継手用スリーブであって、前記ホースの外周面に被せられる筒状体であり、前記筒状体の内周面は、前記ホース継手の前記テーパと同じ傾きのテーパを備え、前記筒状体の内周面にはその全長にわたり雌ねじが形成されており、前記ホース継手に差し込まれた前記ホースの外周面に沿って回転させ、前記雌ねじを進めることによって前記ホースを前記ホース継手との間に挟持固定するホース継手用スリーブを開示する。
特開2000−193155号公報 特開2015−86979号公報
特許文献1〜特許文献2の継手やスリーブ構造は、継手本体が筒状に形成されており、継手本体の内側には燃料ホースを連結したスリーブを差し込めるようになっている。また、継手本体の外周側にはネジ部が形成されており、ナット体などでスリーブを継手本体に締め付け固定することができる。
しかしながら、スリーブと継手本体との間にはスリーブの差し込みを許容できる程度の隙間が元々存在しているため、上述したようにナット体を用いて締め付けても、スリーブと継手本体との隙間を完全にシールすることはできない。そこで、継手本体の端面にスリーブを差し込み可能な差し込み溝を形成しておき、この差し込み溝にスリーブの差し込み方向の先端を差し込み可能とすることで、上述した継手では流体の漏れをさらに抑制可能としたものも知られている。
なお、このように差し込み溝にスリーブの先端を差し込む構造を設けただけでは、シール性は十分ではない。そのため、上述した継手では、スリーブの先端と差し込み溝との間の寸法取り合いを調整して、差し込み時にスリーブの先端側の内周面が差し込み溝の溝壁に物理的に強く面接触する構成(内周側で両者が強く当たり合う構成)も採用している。このように差し込み溝にスリーブの先端を差し込み可能とし、両者の内周面同士が強く当たり合う構成を採用すれば、スリーブの先端側の内周面と差し込み溝の溝壁との間に強い面圧が加わり、スリーブと継手本体とのシール性(密閉性)を高めることができる。
ただ、樹脂製の継手では継手本体やスリーブの材料もHDPEのような材料が用いられることが多く、これらの材料は総じてクリープ性があまり高くない。そのため、長期間に亘ってスリーブに強い面圧を加え続けると、スリーブや継手本体にクリープが発生し、当初は高かった面圧が徐々に低下し、結果的に部材間の密閉性が低下して液漏れを起こすリスクが高くなるという問題が指摘されていた。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、長期間に亘って使用してもスリーブ表面の面圧が低下しにくく、良好な密閉性を長期間に亘って発揮し続けることができる自動車に用いられる流体流路の継手を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の自動車に用いられる流体流路の継手は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の自動車に用いられる流体流路の継手は、自動車の燃料タンクに取り付けられると共に前記燃料タンクの燃料を燃料ホースに流通させるか、または給油口から燃料ホースを介して燃料タンクに流通させる樹脂製の継手であって、前記継手は、細長い筒状に形成されると共に、長手方向の一端側が前記燃料タンクのタンク外壁に貫入される継手本体と、長手方向の一端側が前記継手本体の他端側に差し込み可能な筒状に形成されると共に、長手方向の他端側に前記燃料ホースが接続されたスリーブと、前記継手本体に外套状に取り付けられることで前記スリーブを継手本体に差し込まれた状態に固定するナット体と、を有しており、前記継手本体の他端側の端面には、前記スリーブの筒状の端縁の差し込みを許容する環状の差し込み溝が形成されており、前記差し込み溝内に差し込まれる前記スリーブの外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部が全周に亘って連続するように形成されており、前記差し込み溝内に差し込まれたスリーブを断面視で見た場合に、当該スリーブの内周面の一端側端縁に、前記一端側に向かうにつれて外周側に向かうように傾斜したテーパ部が形成されており、前記凸条部は、前記テーパ部の形成位置よりも前記スリーブの外周面における他端側に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の自動車に用いられる流体流路の継手は、互いに別部材として構成された第1ホースと第2ホースとを連結する自動車に用いられる樹脂製の継手であって、前記継手は、細長い筒状に形成されると共に、長手方向の一端側に前記第1ホースが接続される継手本体と、長手方向の一端側が前記継手本体の他端側に差し込み可能な筒状に形成されると共に、長手方向の他端側に前記第2ホースが接続されたスリーブと、前記継手本体に外套状に取り付けられることで前記スリーブを継手本体に差し込まれた状態に固定するナット体と、を有しており、前記継手本体の他端側の端面には、前記スリーブの筒状の端縁の差し込みを許容する環状の差し込み溝が形成されており、前記差し込み溝内に差し込まれる前記スリーブの外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部が全周に亘って連続するように形成されており、前記差し込み溝内に差し込まれたスリーブを断面視で見た場合に、当該スリーブの内周面の一端側端縁に、前記一端側に向かうにつれて外周側に向かうように傾斜したテーパ部が形成されており、前記凸条部は、前記テーパ部の形成位置よりも前記スリーブの外周面における他端側に形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記テーパ部は、前記長手方向の一端側に形成される第1曲面部と、前記第1曲面部の他端側に形成されると共に前記長手方向に対して所定の角度で傾斜する傾斜面部と、前記傾斜面部の他端側に形成される第2曲面部と、を備えているとよい。
好ましくは、前記傾斜面部は、前記長手方向に対して10°以上且つ35°以下の角度で傾斜しているとよい。
好ましくは、前記凸条部は、前記スリーブの外周面から外周側に向かって、0.05mm以上且つ0.2mm以下の高さで膨出しているとよい。
好ましくは、前記凸条部が前記スリーブの外周面に1条のみ形成されているとよい。
本発明の自動車に用いられる流体流路の継手によれば、長期間に亘って使用してもスリーブ表面の面圧が低下しにくく、良好な密閉性を長期間に亘って発揮し続けることができる。
第1実施形態の継手を長手方向に分解して示した斜視図である。 第1実施形態の継手を長手方向に分解して示した断面図である。 燃料タンクに組み付けられた第1実施形態の継手の断面図である。 図2のA部分を拡大して示した断面図である。 第1実施形態の継手の差し込み部分(漏洩抑制手段)を示した断面図である。 従来の継手の差し込み部分を示した断面図である。 第1実施形態の変形例に係る継手の差し込み部分を模式的に示した断面図である。 第2実施形態の継手を長手方向に分解して示した斜視図である。 第2実施形態の継手を長手方向に分解して示した断面図である。
以下、本発明の継手1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
本発明の継手1は、自動車に用いられるさまざまな流体の流路に用いられるものであり、流体を漏らさないように流路同士を接続することが可能となっている。この継手1には、流路を流れる流体の種類によって様々な実施形態が考えられる。以降では、自動車に用いられる流体の中でも、ガソリンや軽油などの燃料を流体とする継手1として第1実施形態を挙げ、またクーラント液などの冷媒を流体とする継手1として第2実施形態を挙げて、本発明の継手1を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図5に示すように、第1実施形態の継手1は、自動車の燃料タンク2に差し込んで使用されるものであり、燃料タンク2と燃料ホース3との接続に用いられるものとなっている。以降では、特に給油口から給油された燃料を燃料タンク2に供給する際に用いられる例を挙げて、本発明の継手1を説明する。
この継手1は、内部が中空の筒状に形成されており、燃料タンク2の内部に貯留されたガソリンや軽油などの燃料を燃料ホース3などに流通可能とされている。なお、第1実施形態の継手1は、自動車の車体内部に格納された燃料タンク2の燃料を燃料ホース3に流通させるものとなっている。
また、上述した本実施形態の継手1は、樹脂製とされている。具体的には、継手1は、細長い筒状に形成される継手本体4と、継手本体4の他端側に差し込み可能とされた筒状のスリーブ5と、継手本体4の他端側に螺合されることでスリーブ5を継手本体4に差し込まれた状態に固定するナット体6と、を有している。本実施形態の継手1では、これらの継手本体4、スリーブ5、及びナット体6は、いずれも樹脂(合成樹脂)で形成されており、継手1は金属を用いない構成とされている。
以降では、第1実施形態の継手1を構成する継手本体4、スリーブ5、及びナット体6について説明する。
以降の説明において、筒状とされた継手本体4の軸心(回転軸心)に沿った方向を長手方向といい、長手方向のうち、燃料タンク2に面する側(タンク側)を、継手1を説明する際の一端側または先端側、燃料タンク2に背を向ける側(給油口側)を、継手1を説明する際の他端側または基端側という。また、継手本体4の軸心を基準として軸心に近づく方向を、継手1を説明する際の内周側または径内側、軸心から離れる方向を、継手1を説明する際の外周側または径外側という。なお、これらの方向については、適宜図中に記載している。
継手本体4は、合成樹脂で細長い筒状に形成された部材であり、中空とされた内部を通じて燃料(流体)を流通可能となっている。具体的には、継手本体4は、ガソリンと接触する内周側がPA6(6ナイロン)で形成されており、内周側以外の部分がHDPE(高密度ポリエチレン)で形成されていて、これら2種類の樹脂を原料として用いた2色成形で成形されている。図2の断面図の場合であれば、図中の点線よりも外周側の継手本体4a(ハッチ線の密度が高い部分)がHDPEで形成されており、内周側の継手本体4b(ハッチ線の密度が低い部分)がPA6で形成されている。また、継手本体4aのうち、特にタンク側に向かって突出した部分が、燃料タンク2のタンク外壁2aに貫入される貫入部7とされている。この貫入部7は、本実施形態の場合であれば、タンク外壁2aに接触しない(干渉しない)状態で貫入されている。これら2種類の樹脂を組み合わせて継手1を形成すれば、内周側の継手本体4b(PA6)でガソリンの透過を有効に抑制することができる。また、価格の低く溶着性に優れた外周側の継手本体4aのHDPEで外周側やタンク際の部分を成形すれば、低価格で良好な加工性(溶着性)を実現することも可能となり、低ガソリン透過性とコスト低減とを双方満足することが可能となる。
より詳しく説明すれば、図2に示すように、貫入部7は、継手本体4における長手方向の一端側(以降、この一端側をタンク側という場合がある)に形成されている。貫入部7の外周面には、周方向に連続した環状の抜け止めリブ8が2条形成されている。この貫入部7を燃料タンク2のタンク外壁2aに貫入させ、溶着を用いて後述するフランジ部9をタンク外壁2aに一体化させることで、本発明の継手1はPA6で形成された内周側の継手本体4bを燃料タンク2に接触させないようにして、燃料タンク2に固定可能となっている。
継手本体4は、長手方向の中途側に、継手本体4の外周面に対して外周側に向かって起立するように伸びると共に、周方向に亘って連続する庇状に形成されたフランジ部9を有している。このフランジ部9は、燃料タンク2側から見た場合に、継手本体4の周りを囲むように配備された円板状に形成されている。フランジ部9の一端側(タンク側に突出した部分)は、上述したHDPE樹脂などで構成されており、燃料タンク2のタンク外壁2aに対して溶着により確実に固定可能となっている(タンク外壁2aに対する溶着部となっている)。
継手本体4は、長手方向の他端側(以降、この他端側をエンジン側という場合がある)が、貫入部7より外径が大きな円筒状のナット取付部10とされている。このナット取付部10は、外周面にナット体6の第1ネジ部11(詳細は後ほど説明する)と螺合可能な第2ネジ部12が形成されており、継手本体4に対してナット体6を外套状に取り付け可能とされている。
また、ナット取付部10は、後述するスリーブ5の厚みの分だけ、貫入部7よりも大きな外径及び内径を備えた円筒状に形成されており、内側にスリーブ5を差し込み可能となっている。
具体的には、継手本体4の中途側の内周面と、この中途側の内周面より径が大きなナット取付部10の内周面との間には、長手方向に対して直交する向きに段差面13が形成されている。そして、段差面13の外周側には、後述するスリーブ5の先端(一端側の端縁)の差し込みを許容する差し込み溝14が形成されている。つまり、ナット取付部10の内周面は、上述した差し込み溝14と段差面13とを介して継手本体4の中途側の内周面に面として接している。
上述したスリーブ5の厚みの分だけナット取付部10の内外径を大きくすれば、ナット取付部10の内側にスリーブ5を差し込んだ場合に、スリーブ5の内周面と継手本体4の内周面(中途側および一端側の内周面)とが面一となり、継手本体4の内側を通って燃料タンク2の燃料を滞りなく燃料ホース3側に流通可能となる。
スリーブ5は、上述した継手本体4の他端側(ナット取付部10)に差し込み可能な筒状の部材である。このスリーブ5も、上述した継手本体4と同様にHDPEで形成されている。
具体的には、スリーブ5は、長手方向の一端側に、継手本体4のナット取付部10に差し込み可能な差し込み部15を有している。この差し込み部15は、継手本体4の貫入部7の内周面7aや継手本体4の中途側の内周面と同じ内径を備えており、ナット取付部10の内側に差し込まれた際に内周面側に段差が生じないようにして、燃料のスムーズな流通を確保できるようになっている。
スリーブ5は、長手方向の中途側に、位置決め部16を有している。この位置決め部16は、外周側に向かって突出した突起(凸条)であり、周方向に環状に連続したリブ状に形成されている。この位置決め部16の側面、正確には長手方向の他端側に面する側面には、燃料ホース3の差し込み位置を決定する位置決め面16aが形成されている。この位置決め面16aは、燃料ホース3の端面に面状態で接触することで、スリーブ5に対する燃料ホース3の差し込み位置を決定している。
さらに、スリーブ5は、長手方向他端側に、燃料ホース3の抜け止めを可能とする抜止突起17を有している。この抜止突起17は、外周側に向かってなだらかに膨出した円弧状の断面形状を備えており、周方向に連続した環状に形成されている。このような抜止突起17を設ければ、抜止突起17の突出高さの分だけスリーブ5の外径が大きくなり、スリーブ5に差し込まれた燃料ホース3がスリーブ5から抜け難くなる。
ナット体6は、継手本体4よりも大径な円筒状の部材であり、内側にスリーブ5を収容した状態で、継手本体4の他端側に対して螺合により取付可能とされている。つまり、ナット体6は、継手本体4の他端側に螺合されることで、スリーブ5を継手本体4に差し込まれた状態に固定する部材となっている。
具体的には、ナット体6は、上述した継手本体4のナット取付部10の外径よりも、やや大きな内径を有する円筒状に形成されている。ナット体6の内周面には、ナット取付部10の外周面に形成された第2ネジ部12に螺合可能な第1ネジ部11が形成されている。つまり、第1ネジ部11を第2ネジ部12に螺合させると、ナット体6が長手方向に沿って他端側から一端側に水平に移動し、ナット体6の移動に合わせて内側に収容されたスリーブ5も一端側に向かって移動して、スリーブ5がナット取付部10の内側に差し込まれる。
また、ナット体6は、一端側と他端側との双方に開口している。これら2つの開口のうち、一端側の開口6aは燃料ホース3だけでなくスリーブ5の通過を許容可能な開口径に形成されているが、他端側の開口6bは一端側の開口6aより小さい開口径となっていて、燃料ホース3の通過は許容するが、スリーブ5の通過は規制可能な開口径とされている。
そのため、燃料ホース3をスリーブ5の他端側から差し込み、燃料ホース3を位置決め部16の位置決め面16aに面接触するまで押し込む。そして、他端側の開口6bに燃料ホース3を刺し通した状態でスリーブ5の他端側からナット体6を近づける。そして、専用工具を用いてナット体6を回し、ナット体6の第1ネジ部11を継手本体4のナット取付部10の第2ネジ部12に螺合させる。そうすると、ナット体6の一端側の開口6aはスリーブ5の通過を許容するが、他端側の開口6bはスリーブ5の通過を規制するため、第1ネジ部11がある程度まで第2ネジ部12に螺合すると、(燃料ホース3の通過を許容しない)ナット体6の他端側の開口6bとスリーブ5との間に燃料ホース3が挟み込まれた状態となる。このようにして、第1実施形態の継手1では、ナット体6を用いて、燃料ホース3が取り付けられたスリーブ5を、燃料ホース3ごと継手本体4に締め付けて固定することが可能となっている。
なお、液漏れを防ぐために継手本体4とスリーブ5との間には元来あまり隙間が許容されていない。そのため、ほとんど隙間がない継手本体4にスリーブ5を差し込むにはどうしても力が必要となる。つまり、スリーブ5を継手本体4に差し込むには、ナット体6が必要であるだけでなく、工具を用いてナット体6を強制的に捩じ込むことも必要となる。
ところで、上述したようにナット体6でスリーブ5を継手本体4に締め付けて固定しても、継手本体4のナット取付部10は元来スリーブ5の差し込みを許容できる程度の余裕を持った内径に設計されているため、スリーブ5と継手本体4との間にはどうしても僅かな隙間が生じてしまう。そのため、燃料の漏れを確実に防止するためには、スリーブ5と継手本体4との間に何らかの漏洩抑制手段19を設けるのが好ましい。
そこで、本発明の継手1では、上述したように継手本体4の他端側の端面にスリーブ5を差し込み可能な差し込み溝14を形成しておき、この差し込み溝14に、スリーブ5の一端側に形成される端部(凸条部21が形成されるスリーブ5の一端側の端部。以降では、このスリーブ5の一端側の端部を差し込み端18という場合がある)を差し込んで、流体の漏洩を抑制する漏洩抑制手段19を設けている。
なお、差し込み溝14にスリーブ5の差し込み端18を差し込む構造を設けただけでは、漏洩抑制手段19によるシール性は十分とはならない。そのため、本発明の継手1では、差し込み端18と差し込み溝14との間の寸法取り合いを調整して、差し込まれた差し込み端18の内周面18aを差し込み溝14の内周側の溝壁14aに物理的に強く面接触させる構成を採用している。このような締り嵌めのような構成を採用すれば、差し込み端18の内周面18aと差し込み溝14の内周側の溝壁14aとの間に強い面圧が加わり、スリーブ5と継手本体4とのシール性(密閉性)を高めることができる。
次に、本発明の継手1に設けられる漏洩抑制手段19について詳しく説明する。
上述した漏洩抑制手段19は、継手本体4の他端側の端面に形成された差し込み溝14と、スリーブ5の一端側の端面に形成されると共に、上述した差し込み溝14に差し込み可能とされた差し込み端18(差し込み溝14に刺さる部位であることから、刺さり込み部ということもできる)と、を有している。
差し込み溝14は、円筒状に形成された継手本体4の内周側に形成されている。具体的には、ナット取付部10の内周側には、上述したように継手本体4の軸心を中心とする円環状の段差面13が形成されている。そして、円環状に形成された段差面13の外周側に、上述した差し込み溝14が形成されている。
図4に示すように、差し込み溝14は、他端側(燃料ホース3側)から見た場合に、段差面13の外周側に隣接するように形成されており、継手本体4の軸心を中心として環状に形成されている。差し込み溝14は、継手本体4の他端側の端面に、一端側に向かって深く抉れた(彫り込まれた)スリット状に形成されている。具体的には、差し込み溝14は、奥行き(溝深さ)が開口幅の3〜5倍程度とされた深溝として形成されている。
上述した差し込み溝14は、継手本体4の軸心に沿って切断した断面で考えた場合に、軸心に近い側(内周側)に配備された溝壁14aと、軸心から遠い側(外周側)に配備された溝壁14bと、を互いに対面状に有している。差し込み溝14を構成する外周側の溝壁14bは、継手本体4の軸心からRB(out)の位置に形成されており、また内周側の溝壁14aは、継手本体4の軸心からRB(in)の位置に形成されている。
なお、差し込み溝14の内周側に形成される段差面13は、差し込み端18の内周側に形成された当接面20に対して面状態で当接可能とされており、当接面20に当接することで継手本体4に対するスリーブ5の差し込み位置を位置決め可能とされている。
差し込み端18は、円筒状に形成されたスリーブ5の一端側の端部であり、一端側の端部の中でも外周側の突出した部分のことを示している。この差し込み端18は、一端側の端縁の外周側を一端側に向かって突出させたものであり、差し込み溝14と同様に、一端側から見た場合(継手本体4側から見た場合)に、スリーブ5の軸心を中心とする環状に形成されている。
差し込み端18は、一端側に向かって略ストレートの筒状に伸びるように形成されており、その突出長さは上述した差し込み溝14の軸方向の長さ(深さ)よりも若干短いものとなっている。差し込み端18の内周側には円筒面状の内周面18aが形成されており、差し込み端18の外周側には内周面18aより径が大きな円筒面状の外周面18aが形成されている。これらの内周面18a及び外周面18bは、いずれもスリーブ5の軸心を回転中心とする同軸の円筒面として形成されており、径方向に等間隔をあけて互いに平行に配備されている。
また、差し込み端18の内周側には、上述した当接面20が形成されており、差し込み溝14の内周側に形成された段差面13に対して、面状態で当接可能となっている。そして、この当接面20の外周側に隣接して、差し込み端18が形成されている。
図4に示すように、差し込み端18の内周面18aは、継手本体4の軸心からRS(in)の位置に形成されており、また外周面18bは、継手本体4の軸心からRS(out)の位置に形成されている。そして、このRS(in)及びRS(out)、及び上述した継手本体4のRB(out)及びRB(in)については、差し込み端18の内周面18aを差し込み溝14の内周側の溝壁14aに物理的に強く面接触させるための寸法取り合いとして、以下の式(1)に示すような関係が規定されている。
「数1」
B(IN)>RS(in) ・・・(1)
上述した式(1)の関係が成立するような寸法に差し込み溝14及び差し込み端18を形成すれば、差し込み端18の内径RS(in) の方が差し込み溝14の内径RB(in)より小さくなるため、差し込み端18を差し込み溝14に挿入すると、差し込み端18の内周面18aが差し込み溝14の内周側の溝壁14aに当たり、差し込み溝14の内周側の溝壁14aと、差し込み端18の内周面18aとの間に強い面圧が発生する。つまり、上述した式(1)の関係は、差し込み端18の内周面18aと、差し込み溝14の内周側の溝壁14aとを、物理的に強干渉し合う干渉設計にすることを意味している。
なお、差し込み端18が外側に向かって撓めるように、以下の式(2)で示すような関係が成立することも必要となる。
「数2」
B(out)−RB(in)<RS(out) −RS(in)
かつ ・・・(2)
B(out)<RS(out)
上述した式(2)の上側の関係は、軸心を基準とする径方向の厚みで考えた場合に、差し込み端18の厚みに比べて、差し込み溝14の溝幅の方が狭いことを意味している。つまり、上述した漏洩抑制手段19は、差し込み端18を自身より狭幅の差し込み溝14に強制的に差し込む構成となっている。
また、上述した式(2)の下側の関係は、差し込み端18の外径RS(out) の方が差し込み溝14の外径RB(out)より大きいことを意味している。つまり、上述した差し込み端18を差し込み溝14に挿入すると、差し込み端18の外周面18bが差し込み溝14の外周側の溝壁14bに当たり、差し込み溝14の外周側の溝壁14bと、差し込み端18の外周面18bとの間にも強い面圧が発生する。つまり、上述した式(2)の関係は、差し込み端18の外周面18bと、差し込み溝14の外周側の溝壁14bとを、物理的に強干渉し合う干渉設計にすることを意味している。
つまり、上述した漏洩抑制手段19は、式(1)や式(2)に示すように継手本体4よりもスリーブ5が広幅となっており、差し込み端18は内周側でも外周側でも差し込み溝14と強干渉し、大きな面圧を発生させる。
差し込み端18は、外周面に後述する凸条部21を有し、また内周面の先端にテーパ部22を有するものとなっている。なお、この凸条部21及びテーパ部22については、後ほど詳しく説明する。
ところで、上述した寸法取り合いとなるように差し込み端18や差し込み溝14を形成しても、HDPEなどの樹脂を用いた継手1では長期間使用するとクリープが発生し、スリーブ5の表面に加わる面圧が徐々に低下する。そうすると、面圧の低下に伴って、差し込み溝14の溝壁と差し込み端18の表面とのシール性が弱くなって、燃料の漏れが起こりやすくなる。
そこで、第1実施形態の継手1では、上述したスリーブ5の差し込み端18の外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部21を全周に亘って連続して形成している。このような凸条部21を設ければ、突出した凸条部21が差し込み溝14の外周側の溝壁14bにさらに強く強干渉するようになり、クリープにより凸条部21以外の部分の面圧が低下しても、差し込み溝14の溝壁14aと差し込み端18の表面とを確実にシール可能となる。そのため、このような凸条部21を設ければ、面圧が高くなって、流体の漏れがさらに起きにくくなる。
なお、凸条部21を設けると、凸条部21が物理的な障害となって差し込み端18を差し込み溝14に差し込むことが困難になる。そこで、第1実施形態の継手1では、スリーブ5の差し込まれる部分を断面視で見た場合に、当該スリーブ5の内周側端縁に、差し込み方向の先端側に向かうにつれて外周側に向かう(径方向の厚みが薄くなる)ように傾斜したテーパ部22も形成している。
以降では、第1実施形態の継手1の特徴である凸条部21及びテーパ部22について説明する。
図4に示すように、凸条部21は、スリーブ5の差し込み部15(差し込み端18)の外周面に形成されている。凸条部21は、外周側に向かって緩やかな盛り上がるように膨出しており、スリーブ5の軸心(円筒状に形成されたスリーブ5の回転軸心)周りに全周に亘って連続する環状のリブとして形成されている。また、凸条部21は、差し込み溝14に対する差し込みやすさを向上するために、スリーブ5の軸心に沿って切断した断面が、曲率中心Cがスリーブ5の内周面上に存在する円弧状となるように形成されている。この凸条部21の曲率半径「r」は、差し込み部15の径方向に沿った厚みよりも若干大きく設定されており、凸条部21は差し込み部15の外周面から円弧の一部のみが外周側に突出するようになっている。
具体的には、凸条部21は、スリーブ5の外周面から外周側に向かって、0.05mm以上且つ0.2mm以下の高さで膨出している。このように凸条部21の膨出高さを0.05mm以上且つ0.2mm以下に規定すれば、差し込み溝14に対して差し込み端18を差し込み可能としつつも、凸条部21によって面圧の低下を抑制することが可能となる。
上述した凸条部21を設ければ、凸条部21の突端が継手本体4の差し込み溝14の外周側の溝壁14bに当接する。このとき、凸条部21の突端は、面同士が接触し合うのに比べて、接地面積が小さくなっているので、面圧も高くなる。そのため、凸条部21の突端と、差し込み溝14の外周側の溝壁14bとが、高い面圧で接触しあうため、両者の間から流体が漏洩することを効果的に抑制することが可能となっている。
凸条部21は、差し込み端18の端縁(一端側の端縁)から他端側に向かって少し引っ込んだ位置に形成されている。具体的には、スリーブ5の軸心に沿うように差し込み端18を切断した断面で、スリーブ5の一端側の端縁には通常の円筒状の外周面が形成されており、この円筒状の外周面の他端側に隣接して凸条部21の円弧断面が設けられている。
なお、上述した凸条部21は、スリーブ5の外周面に複数条設けることもできるが、好ましくは1条のみ設けられるのが良い。凸条部21が1条のみであれば、交換作業時などでスリーブ5を継手本体4から抜き取る場合に、継手本体4とスリーブ5との嵌め合いがきつくても継手本体4とスリーブ5との間にスリーブ5の揺動を許容するスペースができるため、スリーブ5を継手本体4の軸心に対して交差する向きに往復揺動させる(こじる)ことが可能となり、この往復揺動によりスリーブ5も引き抜きも可能となるため、継手1の利便性をさらに高めることが可能となる。
上述したテーパ部22は、スリーブ5の外周面に設けられている凸条部21に対して、スリーブ5の内周面に形成されている。このテーパ部22は、スリーブ5の外周面に設けられた凸条部21により、スリーブ5の差し込み端18が内周側に撓もうとした場合に、差し込み溝14の内周側の溝壁に対する差し込み端18の当たりを弱め、差し込み端18の変形を促進させる作用を有している。つまり、差し込み端18が内周側に向かって変形しやすくなるため、スリーブ5が継手本体4の奥まで差し込みやすくなる。
具体的には、上述したテーパ部22は、第1曲面部23と第2曲面部24との2箇所の曲面部と、2箇所の曲面部の間に形成される1つの傾斜面部25とを組み合わせた複雑な断面形状(曲面と平面とを組み合わせた複合的な断面形状)を有している。つまり、テーパ部22は、長手方向の一端側に形成される第1曲面部23と、第1曲面部23の他端側に隣接して形成されると共に、長手方向に対して所定の角度で傾斜する傾斜面部25と、傾斜面部25の他端側に隣接して形成される第2曲面部24と、を備えている。
図4の拡大図に示すように、第1曲面部23は、スリーブ5の軸心に沿って切断される断面において、曲率半径R=0.1mm〜5mmの曲面に面取りされた部分であり、第2曲面部24は、曲率半径R=1mm〜10mmの曲面に面取りされた部分である。また、傾斜面部25は、長手方向に対して5°〜40°の傾斜角度で傾斜している。
スリーブ5を上述した曲率半径や傾斜角度に設計することで、差し込み端18が内周側に変形しやすくなり、上述した面圧をより大きくすることが可能となる。また、差し込み端18が内周側に向かって変形しやすくなるため、スリーブ5が継手本体4の奥まで差し込みやすくなる。
さらに、上述した凸条部21は、スリーブ5の外周面におけるテーパ部22の形成位置よりも他端側に形成されるものとなっている。これはテーパ部22の形成位置と同じ位置に凸条部21を設けると、凸条部21による面圧増大の効果をテーパ部22が低減してしまい、効果が相殺されてしまうからである。とはいえ、差し込み溝14への差し込みやすさを考えた場合、テーパ部22の形成位置は差し込み端18の先端に設ければ設けるほど好ましい。
そこで、第1実施形態の継手1では、第1曲面部23、傾斜面部25、及び第2曲面部24の3つの部分で構成されるテーパ部22に対して、最も他端側(基端側)に位置する第2曲面部24の他端側の端部と同じ位置か、あるいは第2曲面部24の他端側の端部よりもさらに他端側に、凸条部21の中心が位置するように、本実施形態の継手1を形成している。
言い換えれば、第1実施形態の継手1は、スリーブ5の内周面の先端にテーパ部22を形成し、外周面においては(テーパ部22に対面する)先端にストレート筒状の部分を設けた上で、このストレート筒状の部分の基端側に隣接するように凸条部21を設けたものということもできる。
このように凸条部21をスリーブ5の外周面におけるテーパ部22の形成位置よりも他端側に形成すれば、面圧の向上を可能としつつ、差し込み溝14への差し込み端18の差し込みやすさを高めることができ、流体の漏れをより確実に抑制することが可能となる。
例えば、図5Bに示すように、凸条部21が設けられていない継手101(従来の継手101)について考える。この継手101の場合、差し込み端118の内周面118aと、差し込み溝114の内周側の溝壁114aとの寸法取り合いを上述した式(1)及び式(2)のように設定すると、差し込み端118の内周面118aが差し込み溝14の内周側の溝壁114aに大きな面圧で押し付けられる。そうすると、差し込み端118が外周側に向かってたわみ、差し込み端118の外周面118bも差し込み溝114の外周側の溝壁114bに大きな面圧で押し付けられる。つまり、差し込み端118と差し込み溝114との間には内周側にも外周側にも面圧が発生する。
ここで、凸条部21が設けられていない図5Bの継手101では、内周側と外周側との2つの面圧のうち、外周側の面圧が特に問題となる。というのも、広い接触面積で接触し合っている差し込み端118の外周面118bと、差し込み溝114の外周側の溝壁118bとの間には、それ程高い面圧は発生しない。それゆえ、長期間に亘って使用して樹脂製の継手101にクリープが発生すると、クリープが外周側の面圧の低下に顕著に影響し、元々外周側の面圧が高くない従来の継手101では、漏れを抑制できる限界圧力以下まで外周側の面圧が低下してしまい、流体の漏れが発生してしまう。
一方、図5Aに示すように、凸条部21が設けられた継手1(第1実施形態の継手1)の場合、差し込み端18の外周面18bと、差し込み溝14の外周側の溝壁14bとは、凸条部21の突端を介して接触し合っており、接触面積が小さくされているが故に元々の面圧も高くなっている。そのため、長期間に亘って使用して樹脂製の継手1にクリープが発生しても、外周側でも内周側でも面圧は高い値を維持し、限界圧力を下回ることがない。そのため、第1実施形態の継手1では流体の漏れが発生することはない。
以上のことから、第1実施形態の継手1では、長期間に亘って使用してもスリーブ5表面の面圧が低下しにくい。言い換えれば、凸条部21が設けられた部分では、長期間に亘って使用しても漏れが生じる限界圧力以上の面圧が担保される。そのため、第1実施形態の継手1では、良好な密閉性を長期間に亘って発揮し続けることができる。
なお、上述した凸条部21は、差し込み端18の外周面18bと、差し込み溝14の外周側の溝壁14bとを、小面積の突端を介して、接触させ合うことができるものであれば、断面形状については円弧状以外の断面形状を採用することもできる。
例えば、図6に示すように、凸条部21に、断面形状が三角形や台形のものを採用しても良い。というのも、断面形状が三角形や台形の凸条部21であっても、突端は小面積であるため、差し込み端18(差し込み部15)の外周面18bと、差し込み溝14の外周側の溝壁14bとの接触面積を小さくすることができ、面圧の低下を防止して、良好なシール性を担保することが可能となるからである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の継手1について説明する。
図7及び図8に示すように、第2実施形態の継手1は、第1実施形態と同様に、自動車に用いられる流体流路の接続に用いられるものであるが、流路を流れる流体が燃料ではなくクーラント液(LLC)などとされており、接続対象の流路も燃料ホース3ではなくラジエータホースとなっている。
つまり、第2実施形態の継手1は、ラジエータホースである第1ホース26と、別のラジエータホースである第2ホース27とを接続するものであり、第2実施形態の継手1や第1ホース26及び第2ホース27の内部を流通する流体は、ガソリンではなくエチレングリコールなどを主成分とするクーラント液(LLC)となっている。その結果、第2実施形態の継手1では、継手1の使用温度範囲が、ガソリンの場合の−40℃〜80℃よりも高温側に広範な−40℃〜115℃となっている。また、使用圧力範囲も、ガソリンの場合の−10〜30kPaよりも低圧側及び高圧側に広い−100〜200kPaとなっている。
さらに、ラジエータホースの継手1の場合、融雪剤に用いられる塩化カルシウム等による腐食を受けやすいラジエターに用いられる点を考慮する必要があるため、第2実施形態の継手1には、特に耐塩化カルシウム特性が求められる。
以上のラジエターに特有の要求品質を満足するため、第2実施形態の継手1は、第1実施形態と異なる流体や使用環境に対応するできるように、燃料系(第1実施形態)とは異なる樹脂を用いて形成されている。本実施形態の場合であれば、継手本体4にはポリアミド樹脂(PA66(6,6-ナイロン)+PA612(6,12-ナイロン))またはこれらのポリアミド樹脂を主体としてガラス繊維で強化されたナイロン系のFRP樹脂などが用いられている。また、スリーブ5には、これらの樹脂にエラストマーなどを配合したものが用いられている。
一方、第2実施形態の継手1は、タケノコと一般に呼称されるホース抜け止め28を有している。具体的には、継手本体4には第1ホース26を接続するホース抜け止め28aが設けられており、スリーブ5には第2ホース27を接続するホース抜け止め28bが設けられている。これらのホース抜け止め28aやホース抜け止め28bでは、ホースバンドなどを用いてラジエータホース(第1ホース26及び第2ホース27)を直接取り付けできるようになっている。
第2実施形態の継手1における上述してもの以外の構成については、第1実施形態と同じである。
つまり、第2実施形態の継手1は、継手1の用途や構成する樹脂、あるいは継手1で接続する対象物が異なっているが、凸条部21やテーパ部22をはじめとする差し込み端18の構成、あるいは差し込み端18が差し込まれる差し込み溝14の構成については、第1実施形態と変わることがない。また、スリーブ5の一端側の端縁(差し込み端18)を、継手本体4の他端側から差し込む点は第1実施形態と同じであり、両部材をナット体6で螺合により締め付ける点も同じである。さらに、差し込み溝14と差し込み端18との寸法取り合い、凸条部21及びテーパ部22の設置位置や寸法関係については、第1実施形態と変わることがない。そのため、上述したもの以外の構成については、詳しい説明を割愛する。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 継手
2 燃料タンク
2a 燃料タンクのタンク外壁0
3 燃料ホース
4 継手本体
4a 外周側の継手本体
4b 内周側の継手本体
5 スリーブ
6 ナット体
6a ナット体の一端側の開口
6b ナット体の他端側の開口
7 貫入部
7a 貫入部の内周面
8 抜け止めリブ
9 フランジ部
10 ナット取付部
11 第1ネジ部
12 第2ネジ部
13 段差面
14 差し込み溝
14a 差し込み溝の内周側の溝壁
14b 差し込み溝の外周側の溝壁
15 差し込み部
16 位置決め部
16a 位置決め面
17 抜止突起
18 差し込み端
18a 差し込み端の内周面
18b 差し込み端の外周面 19 漏洩抑制手段
20 当接面
21 凸条部
22 テーパ部
23 第1曲面部
24 第2曲面部
25 傾斜面部
26 第1ホース
27 第2ホース
28 ホース抜け止め

Claims (6)

  1. 自動車の燃料タンクに取り付けられると共に前記燃料タンクの燃料を燃料ホースに流通させるか、または給油口から燃料ホースを介して燃料タンクに流通させる樹脂製の継手であって、
    前記継手は、
    細長い筒状に形成されると共に、長手方向の一端側が前記燃料タンクのタンク外壁に貫入される継手本体と、
    長手方向の一端側が前記継手本体の他端側に差し込み可能な筒状に形成されると共に、長手方向の他端側に前記燃料ホースが接続されたスリーブと、
    前記継手本体に外套状に取り付けられることで前記スリーブを継手本体に差し込まれた状態に固定するナット体と、
    を有しており、
    前記継手本体の他端側の端面には、前記スリーブの筒状の端縁の差し込みを許容する環状の差し込み溝が形成されており、
    前記差し込み溝内に差し込まれる前記スリーブの外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部が全周に亘って連続するように形成されており、
    前記差し込み溝内に差し込まれたスリーブを断面視で見た場合に、当該スリーブの内周面の一端側端縁に、前記一端側に向かうにつれて外周側に向かうように傾斜したテーパ部が形成されており、
    前記凸条部は、前記テーパ部の形成位置よりも前記スリーブの外周面における他端側に形成されていることを特徴とする自動車に用いられる流体流路の継手。
  2. 互いに別部材として構成された第1ホースと第2ホースとを連結する自動車に用いられる樹脂製の継手であって、
    前記継手は、
    細長い筒状に形成されると共に、長手方向の一端側に前記第1ホースが接続される継手本体と、
    長手方向の一端側が前記継手本体の他端側に差し込み可能な筒状に形成されると共に、長手方向の他端側に前記第2ホースが接続されたスリーブと、
    前記継手本体に外套状に取り付けられることで前記スリーブを継手本体に差し込まれた状態に固定するナット体と、
    を有しており、
    前記継手本体の他端側の端面には、前記スリーブの筒状の端縁の差し込みを許容する環状の差し込み溝が形成されており、
    前記差し込み溝内に差し込まれる前記スリーブの外周面に、外周側に向かって膨出する凸条部が全周に亘って連続するように形成されており、
    前記差し込み溝内に差し込まれたスリーブを断面視で見た場合に、当該スリーブの内周面の一端側端縁に、前記一端側に向かうにつれて外周側に向かうように傾斜したテーパ部が形成されており、
    前記凸条部は、前記テーパ部の形成位置よりも前記スリーブの外周面における他端側に形成されていることを特徴とする自動車に用いられる流体流路の継手。
  3. 前記テーパ部は、
    前記長手方向の一端側に形成される第1曲面部と、前記第1曲面部の他端側に形成されると共に前記長手方向に対して所定の角度で傾斜する傾斜面部と、前記傾斜面部の他端側に形成される第2曲面部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車に用いられる流体流路の継手。
  4. 前記傾斜面部は、前記長手方向に対して10°以上且つ35°以下の角度で傾斜している
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動車に用いられる流体流路の継手。
  5. 前記凸条部は、前記スリーブの外周面から外周側に向かって、0.05mm以上且つ0.2mm以下の高さで膨出している
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車に用いられる流体流路の継手。
  6. 前記凸条部が前記スリーブの外周面に1条のみ形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車に用いられる流体流路の継手。
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