JP2021110359A - ラチェット型クラッチ - Google Patents

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Shinji Okada
伸治 岡田
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【課題】 配置スペースの増大を抑制し、高速回転時においても芯ブレによる振動および音の発生のない安定した挙動を示すラチェット型クラッチを提供すること。【解決手段】 外輪3と、外輪3の径方向内側に外輪3と同軸に且つ相対回転可能に配置された内輪5と、トルク伝達可能に外輪3と内輪5とを係合可能なラチェット機構とを有するラチェット型クラッチ1であって、内輪5の内周部に、転がり軸受9を介してシャフト11が回転可能に支持され、内輪5は、転がり軸受9の外輪を構成していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車両や産業機械等においてトルク伝達用の装置として用いられるラチェット型クラッチに関する。
近年、電動化された駆動装置に用いられるクラッチにおいては、高速回転時の制御対応を簡便にするために、上記のようなラチェット型クラッチが用いられることが多くなっている。ラチェット型クラッチは、高速回転時においては、高速回転に伴う芯ブレによる振動および音の発生が懸念される。
特許文献1には、スプラグタイプのワンウェイクラッチにおいて、ワンウェイクラッチの内輪と外輪との間に転がり軸受を併設することにより、高速回転に伴う振動および音の発生を低減し、噛み合い挙動の安定化を図ったクラッチが記載されている。
特開2003−090360号公報
しかしながら、特許文献1のように、クラッチの内輪と外輪との間に転がり軸受を配置すると、転がり軸受はトルク伝達部材すなわちスプラグと軸方向に並列して配置されることとなり、内輪および外輪の軸方向長さが大きくなってしまう。その結果、クラッチの配置スペースが軸方向に大きくなってしまう。また、軸方向に大きく半径方向に小さい形状は、高回転による遠心力に対して剛性が低いという点で不利である。近年の車両は駆動装置、変速機等はサイズダウン、軽量化が求められる傾向が強いため、このようにクラッチの配置スペースが大きくなってしまうことは好ましくない。
一方、転がり軸受をクラッチの円周方向に配置する場合、高速回転環境下において、転がり軸受など周速に上限がある部品の径を大きくすることは、高速回転を支持する上で軸受としての耐久性に懸念があり、径を小さくする配置が有利である。また、転がり軸受から見て、転がり軸受の円周方向に関するクラッチの配置は、トルク容量を安定して確保するために、転がり軸受の外径側への配置が最適となる。例えば、ラチェットタイプのクラッチであると、トルク容量は爪部材の数で設定するため、転がり軸受の内径側への配置では設定容量に限りが出てくる懸念がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、配置スペースの増大を抑制し、高速回転時における芯ブレによる振動および音の発生のない安定した挙動を示すラチェット型クラッチを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るラチェット型クラッチは、
外輪と、
前記外輪の径方向内側に前記外輪と同軸に且つ相対回転可能に配置された内輪と、
トルク伝達可能に前記外輪と前記内輪とを係合可能なラチェット機構とを有するラチェット型クラッチであって、
前記内輪の内周部に、転がり軸受を介して軸部材が回転可能に支持され、
前記内輪は、前記転がり軸受の外輪を構成していることを特徴とする。
本発明によれば、配置スペースの増大を抑制し、高速回転時における芯ブレによる振動および音の発生のない安定した挙動を示すラチェット型クラッチを提供することができる。
図1は、実施形態に係るラチェット型クラッチの要部の軸方向に沿った断面図である。 図2は、図1の2−2矢視断面図である。 図3は、比較例に係るラチェット型クラッチの要部の軸方向に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るラチェット型クラッチを、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態におけるラチェット型クラッチに係る方向について定義する。本実施形態において、「中心軸線」とはラチェット型クラッチの中心軸線すなわち外輪および内輪の中心軸線のことをいい、軸方向、径方向、周方向とは、中心軸線に関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。また、軸方向について、図1および図3においては紙面左方側を軸方向一方側とし、紙面右方側を軸方向他方側とし、図2においては紙面手前側を軸方向一方側とし、紙面奥側を軸方向他方側とする。周方向について、図2において、紙面に向かって右側に回転する方向を周方向一方側あるいは時計方向とし、紙面に向かって左側に回転する方向を周方向他方側あるいは反時計方向とする。なお、本実施形態においては、ラチェット型クラッチの回転方向については、外輪に対する内輪の回転方向について説明するが、外輪の回転と内輪の回転とは相対的なものである。
図1は、実施形態に係るラチェット型クラッチの要部の軸方向に沿った断面図である。
図2は、図1の2−2矢視断面図である。なお、図2においては、ラチェット型クラッチの全体の断面を示している。
本実施形態に係るラチェット型クラッチ1は、環状の外輪3と、外輪3に対して径方向内方に外輪3の中心軸線Cと同軸に且つ外輪3と相対回転可能に配置された環状の内輪5と、外輪3と内輪5との間でトルク伝達を可能とするトルク伝達機構と、を有している。本実施形態におけるトルク伝達機構は、後述するように、ラチェット機構である。
内輪5の外周部には、径方向外方に突出し軸方向に延在する多数の歯部13が周方向の全周に亘って等間隔に形成されている。内輪5の内周部には、周方向に亘って配置された複数の転動体であるボール7を含む転がり軸受9を介して、出力用或いは入力用のシャフト11が回転可能に支持されている。内輪5および転がり軸受9の詳細な構成については後述する。
外輪3は、軸方向に所定の長さを有する円筒状の本体部17と、本体部17の軸方向中央部の内周面から径方向内方に周方向に亘って突出し、後述する複数の爪機構部が保持される環状部19とから構成されている。本体部17と内周側の環状部19とは一体に形成されている。外輪3の本体部17の外周面には、径方向外方に突出し軸方向に延在する凸部21が周方向所定間隔に複数設けられている。これら凸部21がハウジング22の嵌合部22aに嵌合することにより、外輪3はハウジング22に回転不能に固定されている。
なお、以降の説明において、便宜上、外輪3の内周側の環状部19よりも軸方向一方側の本体部17の部分を外輪3の「第1円筒部23」とし、環状部19よりも軸方向他方側の本体部17の部分を外輪3の「第2円筒部25」とする。
図2に示すように、外輪3の環状部19の内周部には、第1の爪部材31と、第1の爪部材31の周方向他方側に隣接して設けられた第2の爪部材37とからなる一対の爪機構部38が、周方向に所定間隔に複数対設けられている。本実施形態においては、八対の爪機構部38が設けられている。第1の爪部材31は、円柱部27から周方向他方側に向かって延在する爪部29を有し、第2の爪部材37は、円柱部33から周方向一方側に向かって延在する爪部35を有する。すなわち、軸方向一方側から見て、周方向一方側から周方向他方側に向かって順に並んだ第1の爪部材31と第2の爪部材37とで一対の爪機構部38を構成し、外輪3の環状部19にはこのような爪機構部38が複数対設けられている。したがって外輪3の環状部19の内周部には、複数の第1の爪部材31と、これと同数の第2の爪部材37とが、周方向に交互に配置されている。以下、一対の爪機構部38の構成について説明するが、他の爪機構部38の構成も同様である。
第1の爪部材31は、円柱部27を中心に爪部29が径方向に揺動可能に、外輪3の環状部19の内周部に形成された保持部39に保持されている。保持部39は、外輪3の環状部19の軸方向一方側端面および内周面に開口する凹部である。また、外輪3の環状部19の保持部39には第1の爪部材31の爪部29を径方向内方すなわち内輪5の外周面に向けて常に付勢しているコイル状のスプリング41が設けられている。第1の爪部材31は、内輪5の歯部13と噛み合うことにより、外輪3に対する内輪5の時計方向すなわち周方向一方の回転方向への回転をロックするとともに、外輪3に対する内輪5の反時計方向すなわち周方向他方の回転方向への回転を可能としている。
第2の爪部材37は、円柱部33を中心に爪部35が径方向に揺動可能に、外輪3の環状部19の内周部に形成された保持部43に保持されている。保持部43は、外輪3の環状部19の軸方向一方側端面および内周面に開口する凹部である。また、外輪3の環状部19の保持部43には第2の爪部材37の爪部35を径方向内方すなわち内輪5の外周面に向けて常に付勢しているコイル状のスプリング45が設けられている。第2の爪部材37は、内輪5の歯部13と噛み合うことにより、外輪3に対する内輪5の反時計方向すなわち周方向他方の回転方向への回転をロックするとともに、外輪3に対する内輪5の時計方向すなわち周方向一方の回転方向への回転を可能としている。このように、外輪3の保持部39、43に保持された第1の爪部材31および第2の爪部材37と、スプリング41、45と、歯部13が形成された内輪5とで、ラチェット機構が構成されている。
外輪3の第1円筒部23の内周側には、外輪3と同軸上に環状のリテーナ47が配置されている。リテーナ47は、外輪3の環状部19の軸方向一方側端面、および複数の第1および第2の爪部材31、37の軸方向一方側端面と軸方向に対向している。リテーナ47の軸方向一方側に隣接する外輪3の第1円筒部23の内周面の部分には、周方向溝48が形成されている。周方向溝48には止め輪49が嵌め込まれている。リテーナ47は、外輪3の環状部19の軸方向一方側端面と止め輪49とによって軸方向の移動が規制されるとともに、複数の第1および第2の爪部材31、37が外輪3の環状部19から軸方向一方側へ抜けることを防止している。
外輪3の第2円筒部25の内周側には、外輪3と同軸上に環状の切り替えプレート51が配置されている。切り替えプレート51は、外輪3に対する内輪5の回転のロック方向を切り替えるための部材である。言い換えると、切り替えプレート51は、外輪3に対する内輪5の回転可能な方向を切り替えるための部材である。切り替えプレート51は、外輪3の環状部19の軸方向他方側端面および内輪5の軸方向他方側端部の外縁部と、軸方向に対向している。切り替えプレート51は、中心軸線Cを中心に回動可能に、外輪3の第2円筒部25に保持されている。切り替えプレート51の軸方向他方側に隣接する外輪3の第2円筒部25の内周面の部分には、周方向溝53が形成されている。周方向溝53には止め輪55が嵌め込まれている。切り替えプレート51は、外輪3の環状部19の軸方向他方側端面と止め輪55とによって軸方向の移動が規制されている。
切り替えプレート51の内径側部分には、軸方向一方側に突出する厚肉部57が周方向全周に亘って形成されている。厚肉部57は、外輪3の環状部19の径方向内方すなわち第1および第2の爪部材31、37よりも内径側に位置している。また、厚肉部57は、外輪3の環状部19の軸方向中間部に対応する軸方向位置まで、軸方向一方側に突出している。厚肉部57の軸方向一方側の端面は、内輪5の軸方向他方側の端部と軸方向に対向している。このような構成により、厚肉部57の外周面は、外輪3の環状部19の内周面の軸方向他方側部分と、所定の空間を介して径方向に対向している。
厚肉部57の軸方向一方側の端面の外径側縁部には、図1に示すように、軸方向一方側に突出する突出部59が設けられている。突出部59は、各爪部31、37と1対1に対応して、周方向所定間隔に複数設けられている。突出部59は周方向に所定の幅を有し、第1および第2の爪部材31、37に対応する軸方向位置まで、軸方向一方側に突出している。
突出部59は、内輪5の歯部13の頂部と外輪3の環状部19の内周面との間の径方向位置にあり、内径側の面が内輪5の歯部13の頂部と僅かな隙間を介して径方向に対向し、外径側の面が外輪3の環状部19の内周面と僅かな隙間を介して径方向に対向している。突出部59は、対応する第1または第2の爪部材31、37の内径側に位置すると、外径側の面が第1または第2の爪部材31、37の内径側の面に接触し、第1または第2の爪部材31、37の内径側の面を内輪5の歯部13よりも外径側に固定する。これにより、突出部59は第1または第2の爪部材31、37と内輪5の歯部13との噛み合いを阻止する。
切り替えプレート51は、回動することによって一対の爪機構部38に対する厚肉部57の突出部59の周方向位置を変更する。これにより、一対の爪機構部38すなわち第1の爪部材31と第2の爪部材37とに対する突出部59の接触または非接触の組み合わせ状態を変更する。具体的には、切り替えプレート51は、一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の4つの組み合わせ状態を切り替え、これにより外輪3に対する内輪5の回転のロック方向を切り替える。
一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の第1の組み合わせ状態は、突出部59が第1の爪部材31と第2の爪部材37との何れにも接触せず、突出部59の外径側の面が外輪3の環状部19の内周面に対向している状態である。この状態において第1の爪部材31および第2の爪部材37は、それぞれスプリング41および45の付勢力によって内輪5の歯部13に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪5は外輪3に対して周方向一方および周方向他方の何れの方向への回転もロックされた状態である。なお、以降の説明において、この状態を切り替え式ラチェット型クラッチ1の「第1の状態」という。
一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の第2の組み合わせ状態は、1つの突出部59が第2の爪部材37の内径側の面に接触し、第1の爪部材31には突出部59が接触していない状態である。この状態において、第2の爪部材37に接触している突出部59は、第2の爪部材37に対してスプリング45を圧縮した状態で接触し、第2の爪部材37の内径側の面を内輪5の歯部13よりも外径側に固定し、第2の爪部材37と内輪5の歯部13との噛み合いを阻止する。一方、第1の爪部材31は、スプリング41の付勢力によって内輪5の歯部13に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪5は外輪3に対して周方向他方への回転が可能であり、周方向一方への回転がロックされた状態である。なお、以降の説明において、この状態を切り替え式ラチェット型クラッチ1の「第2の状態」という。
一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の第3の組み合わせ状態は、1つの突出部59が第1の爪部材31の内径側の面に接触し、第2の爪部材37には突出部59が接触していない状態である。この状態において、第1の爪部材31に接触している突出部59は、第1の爪部材31に対してスプリング41を圧縮した状態で接触し、第1の爪部材31の内径側の面を内輪5の歯部13よりも外径側に固定し、第1の爪部材31と内輪5の歯部13との噛み合いを阻止する。一方、第2の爪部材37は、スプリング45の付勢力によって内輪5の歯部13に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪5は外輪3に対して周方向一方への回転が可能であり、周方向他方への回転がロックされた状態である。なお、以降の説明において、この状態を切り替え式ラチェット型クラッチ1の「第3の状態」という。
一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の第4の組み合わせ状態は、1つの突出部59が第1の爪部材31の内径側の面に接触し、さらに他の1つの突出部59が第2の爪部材37の内径側の面に接触している状態である。ここで第1の爪部材31に接触している突出部59と第2の爪部材37に接触している突出部59とは、周方向に隣り合う突出部59である。この状態において、第1の爪部材31に接触している突出部59は第1の爪部材31の内径側の面を内輪5の歯部13よりも外径側に固定し、第1の爪部材31と内輪5の歯部13との噛み合いを阻止する。さらに、第2の爪部材37に接触している突出部59は第2の爪部材37の内径側の面を内輪5の歯部13よりも外径側に固定し、第2の爪部材37と内輪5の歯部13との噛み合いを阻止する。したがってこの状態において、内輪5は外輪3に対して周方向一方への回転も周方向他方への回転もロックされておらず、周方向一方と周方向他方の何れの方向への回転も可能である。なお、以降の説明において、この状態を切り替え式ラチェット型クラッチ1の「第4の状態」という。
切り替えプレート51の回動は、例えば図示しないアクチュエータにより行われる。ラチェット型クラッチ1は、図示しないアクチュエータによって、中心軸線Cを中心に切り替えプレート51が回動し、これにより一対の爪機構部38に対する突出部59の接触または非接触の組み合わせ状態を切り替えている。これによりラチェット型クラッチ1は、上記第1の状態と第2の状態と第3の状態と第4の状態とを切り替え、外輪3と内輪5と間でのトルク伝達方向を切り替えている。
本実施形態のラチェット型クラッチ1は、内輪5の内周部に、転がり軸受9を介して出力用或いは入力用のシャフト11が回転可能に支持されている。本実施形態においては、ラチェット型クラッチ1の内輪5が転がり軸受9の外輪を構成している。転がり軸受9は、転がり軸受9の外輪であるラチェット型クラッチ1の内輪5と、内輪63と、転がり軸受9の外輪であるラチェット型クラッチ1の内輪5と内輪63との間に転動可能に配置された複数のボール7とを備えている。以下、転がり軸受9の構成について説明する。なお、以下の説明において、「転がり軸受9の外輪」は、「転がり軸受9の外輪であるラチェット型クラッチ1の内輪5」を意味する。
内輪5の内周面には、全周に亘って周方向溝61が形成されている。周方向溝61の断面形状は円弧状に形成され、複数のボール7の転動路を構成している。周方向溝61は、第1および第2の爪部材31、37の軸方向位置に対応する内輪5の内周面の部分に形成されている。すなわち周方向溝61は、第1および第2の爪部材31、37の径方向内方に位置している。
転がり軸受9の外輪であるラチェット型クラッチ1の内輪5の内径側には、転がり軸受9の内輪63が、内輪5と同軸に配置されている。内輪63は、円筒状のシャフト保持部65と、ボール7の転動路が外周面に形成された環状の転動路形成部67とを備えている。
転動路形成部67は、転がり軸受9の外輪側の周方向溝61と径方向に対向するシャフト保持部65の外周面の部分に嵌合されている。シャフト保持部65と転動路形成部67とは一体に回転する。転動路形成部67の外周面には、周方向溝61と径方向に対向する周方向溝69が全周に亘って形成されている。周方向溝69の断面形状は円弧状に形成され、ボール7の転動路を構成している。転動路形成部67の軸方向一方側に隣接するシャフト保持部65の外周面の部分には、止め輪71が嵌め込まれている。また、転動路形成部67の軸方向他方側に隣接するシャフト保持部65の外周面は拡径され、転動路形成部67の軸方向他方側の端面と対向する段部73が形成されている。転動路形成部67は、止め輪71と段部73とにより軸方向の移動が規制されている。
シャフト保持部65の中心すなわち内輪63の中心にはシャフトホール75が形成され、シャフトホール75にはシャフト11が嵌合されている。シャフト保持部65とシャフト11とは一体に回転する。したがって、シャフト11とシャフト保持部65と転動路形成部67とは一体に回転する。このように、シャフト11は転がり軸受9に回転可能に支持されている。
上述したように、本実施形態に係るラチェット型クラッチ1は、内輪5の内周部に転がり軸受9を介してシャフト11を回転可能に支持している。このような構成により、本実施形態のラチェット型クラッチ1は、高速回転時においてもシャフト11とラチェット型クラッチ1との間で滑らかに回転が伝達するので、芯ブレによる振動および音の発生を低減し、ラチェット機構の挙動の安定化を図ることができる。
また、本実施形態に係るラチェット型クラッチ1は、内輪5の内周部に転がり軸受9が配置されているので、転がり軸受9はトルク伝達機構すなわちラチェット機構の径方向内方に位置することとなる。したがって、ラチェット型クラッチ1の外輪3および内輪5は、軸方向の長さを大きくする必要がなく、ラチェット型クラッチ1の配置スペースが軸方向に大きくなってしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態に係るラチェット型クラッチ1は、ラチェット型クラッチ1の内輪5が転がり軸受9の外輪を構成している。このようにラチェット型クラッチ1の内輪5と転がり軸受9の外輪とを一体の部材として構成することにより、ラチェット型クラッチ1の内輪5と転がり軸受9の外輪とを別体の部材として設けた場合と比較して、ラチェット型クラッチ1の外輪3および内輪5の径の増大を抑制することができる。その結果、ラチェット型クラッチ1の配置スペースが径方向に大きくなってしまうことを抑制できる。
ここで、図3は、比較例に係るラチェット型クラッチ101の要部の軸方向に沿った断面図である。比較例に係るラチェット型クラッチ101は、ラチェット型クラッチ101の内輪105と転がり軸受109の外輪106とが別体の部材として構成されている。他の構成は上記実施形態のラチェット型クラッチ1と同様であるので、上記実施形態と同様の構成は、上記実施形態と同じ参照符号を付している。
比較例に係るラチェット型クラッチ101は、ラチェット型クラッチ101の内輪105と転がり軸受109の外輪106とが別体の部材として構成されているので、外輪106が配置される分、ラチェット型クラッチ101の内輪105の径を大きくする必要がある。その結果、ラチェット型クラッチ101は外径方向に大型化し、配置スペースが外径方向に大きくなってしまう虞がある。
これに対し、本実施形態に係るラチェット型クラッチ1は、上述したように、配置スペースが径方向に大きくなってしまうことを抑制できる。さらに、ラチェット型クラッチ1の内輪5と転がり軸受9の外輪とを一体の部材として構成しているので、部品点数の削減および軽量化を図ることができる。
このように、本実施形態によれば、配置スペースの増大を抑制し、高速回転時においても芯ブレによる振動および音の発生のない安定した挙動を示すラチェット型クラッチ1を提供することができる。
なお、本発明に係るラチェット型クラッチ1は、上記実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、ラチェット型クラッチ1は、外輪3の内周面に歯部を設け、内輪5に爪機構部を設けても良い。また、ラチェット型クラッチ1は、ワンウェイクラッチとして構成しても良い。また、転がり軸受9の転動体は、ボール7に替えて、ローラとしても良い。また、第1の爪部材31および第2の爪部材37の数は、ラチェット型クラッチ1が伝達するトルク容量によって適宜設計することができる。
1 ラチェット型クラッチ
3 外輪
5 内輪
7 ボール
9 転がり軸受
11 シャフト
13 歯部
19 環状部
22 ハウジング
31 第1の爪部材
37 第2の爪部材
38 爪機構部
51 切り替えプレート
61 周方向溝
63 内輪
65 シャフト保持部
67 転動路形成部
69 周方向溝
75 シャフトホール

Claims (2)

  1. 外輪と、
    前記外輪の径方向内側に前記外輪と同軸に且つ相対回転可能に配置された内輪と、
    トルク伝達可能に前記外輪と前記内輪とを係合可能なラチェット機構とを有するラチェット型クラッチであって、
    前記内輪の内周部に、転がり軸受を介して軸部材が回転可能に支持され、
    前記内輪は、前記転がり軸受の外輪を構成していることを特徴とするラチェット型クラッチ。
  2. 前記転がり軸受は、前記ラチェット機構の径方向内方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェット型クラッチ。
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JP2012007528A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Nsk Warner Kk ラチェット型ワンウェイクラッチを用いたエンジンスタータ機構
JP2018096396A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 本田技研工業株式会社 回転体のオイル排出構造

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