JP2021109155A - ペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置 - Google Patents

ペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置 Download PDF

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皇樹 鍵元
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英毅 山口
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Abstract

【課題】塗布したペースト材の高さを検査することができるペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置を提供する。【解決手段】ペースト材塗布装置1は、塗布ロボット10、塗布機11、およびメインコントローラ19を備える。塗布機11は、塗布ロボット10の先端部分に取り付けられており、吐出ノズル110からペースト材を吐出可能である。メインコントローラ19内の演算部は、塗布機11から吐出したペースト材の体積に関する体積情報と、対象部材に塗布したペースト材の平面視での面積に関する面積情報と、を取得する。そして、演算部は、体積情報および面積情報から塗布されたペーストの高さを算出し、塗布状態の良否を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、ペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置に関する。
車両の製造などにおいて、ベース部材の表面にペースト材(接着剤やインクなど)を塗布するステップが実行される。特許文献1には、ベース部材の表面に接着剤を線状に塗布する装置および方法が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、線状に接着剤を塗布した後に、当該塗布された接着剤の平面画像をカメラで撮像し、塗布された接着剤が所定の幅内に収まっているか否かを判定している。即ち、特許文献1に開示の技術では、接着剤を線状に塗布した場合に、所定の線幅に対して狭い箇所(幅方向での欠けを含む。)や広い箇所、あるいは幅方向にオフセットした箇所などの有無を検査している。
特開2016−161528号公報
ところで、近年、車両の構造において構造部材同士の間に振動減衰部材を挟み、これにより構造部材同士の間に生じる振動を低減するという構造が採用されている。このような構造を採用する場合には、一方の構造部材の表面にペースト材を塗布し、その後に他方の構造部材を重ね合わせて接合するのであるが、塗布するペースト材(振動減衰部材)に対して、他方の部材が接着できるよう高さ方向での管理が求められる。
即ち、塗布したペースト材の高さが所定高さよりも低いと構造部材同士の間での接着力が所定の値未満となって振動減衰部材としての機能を果たすことができず、逆に所定高さよりも高いと部材間からはみ出して他の部材に付着し手直しが必要になる等、生産工程に影響を及ぼす場合も考えられる。このような塗布したペースト材の高さの検査方法については、上記特許文献1には、何ら開示されていない。
なお、上記では、車両の構造部材同士の間に挟むために塗布されるペースト材を一例としたが、種々の分野で塗布されたペースト材の高さ管理が必要となる。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、塗布したペースト材の高さを検査することができるペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置を提供することを目的とする。
[ペースト材の塗布状態検査方法]
本発明の一態様に係るペースト材の塗布状態検査方法は、塗布機から吐出したペースト材を対象部材の表面に塗布し、当該塗布したペースト材の塗布状態を検査するペースト材の塗布状態検査方法であって、前記吐出した前記ペースト材の体積を測定する体積測定ステップと、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記塗布された前記ペースト材の面積を測定する面積測定ステップと、前記測定した前記体積と前記面積とに基づいて、前記塗布された前記ペースト材の高さを算出する高さ算出ステップと、前記算出された前記高さが、所定の高さ範囲外である場合に前記塗布の前記状態が不良であると判定する塗布状態判定ステップと、を備える。
上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法では、測定したペースト材の体積(塗布機から吐出したペースト材の体積)と、対象部材に塗布したペースト材の平面視での面積とに基づいて、塗布高さを算出し、算出した塗布高さにより塗布状態の不良を判定する。よって、塗布されたペースト材の不良判定を確実に実行することができる。
なお、吐出したペースト材の体積および塗布されたペースト材の面積と、塗布されたペースト材の高さとの関係は、塗布されたペースト材の物性やノズルの吐出口の形状などから予め規定された関係式を用いることで、正確な高さを算出することが可能である。
上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法において、前記塗布された前記ペースト材は、円柱形状を有し、前記面積測定ステップでは、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記円柱形状の前記ペースト材の直径を測定し、当該測定した前記直径から前記面積を算出する、とすることもできる。
上記態様のように、ペースト材の塗布形状が円柱形状である場合には、平面視での円の直径を測定することで容易かつ正確に上記面積を算出することが可能となり、塗布されたペースト材の高さを算出するのも容易且つ確実になる。また、塗布形状を円柱形状とすることにより、塗布後に周面に生じる張力を均一化することができ、時間経過に伴う形状の崩れを小さく抑えることができる。
なお、上記における円柱形状とは、横断面が真円である必要は必ずしもない。よって、直径を求める際には、真円からのバラツキなどを考慮して補正した値を採用することもできる。
上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法において、前記塗布状態判定ステップでは、前記算出された前記高さが前記所定の高さ範囲内である場合において、前記測定された前記体積が所定の体積範囲外である場合、および前記測定された前記面積が所定の面積範囲外である場合、の少なくとも一方の場合には前記塗布の前記状態が不良であると判定する、とすることもできる。
上記態様のように、塗布状態判定ステップにおける塗布状態の不良を、塗布されたペースト材の高さだけでなく、吐出されたペースト材の体積および塗布されたペースト材の平面視での面積も判定材料として用いることで、より正確に塗布状態の不良を判定することが可能となる。換言すれば、上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法では、高さおよび体積および面積の全てが所定の範囲内である場合に、塗布状態が良好であると判定する。
上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法において、前記面積測定ステップは、撮像部で前記塗布した前記ペースト材を前記上方から撮像する撮像サブステップと、前記撮像された画像から前記面積を算出する面積算出サブステップと、を有する、とすることもできる。
上記態様のように、面積測定ステップでの面積測定に撮像部により撮像したペースト材の平面画像を用いることとすれば、非接触でペースト材の平面画像を取得し、これを用いてペースト材の平面視での面積を正確に算出することができる。また、撮像部によりペースト材の平面画像を取得できるので、種々の平面形状を有するペースト材の平面視での面積を算出するのにも優位である。
上記態様に係るペースト材の塗布状態検査方法において、前記ペースト材の塗布においては、目標となる形状の目標形状ペースト材を上方から平面視した場合の目標平面形状が設定されており、前記目標平面形状と同じ形状を有する指標部を、前記撮像部で撮像する指標撮像ステップと、前記撮像された前記指標部の面積を算出する指標面積算出ステップと、前記算出された前記指標部の前記面積を、前記目標平面形状の面積と比較して、前記撮像された画像と前記面積との関係の補正の要否を判定する補正要否判定ステップと、を更に備える、こととすることもできる。
上記態様のように、指標部を撮像し、撮像した指標部の画像から算出された面積を用いて、上記補正の要否を判定する場合には、撮像から面積算出までの実行に際しての誤差や不具合を適宜に補正することができる。よって、より正確な面積の測定を行うのに更に優位である。
[ペースト材の塗布方法]
本発明の一態様に係るペースト材の塗布方法は、塗布機からペースト材を吐出する吐出ステップと、前記吐出した前記ペースト材を対象部材の表面に塗布する塗布ステップと、当該塗布した前記ペースト材の塗布状態を検査する塗布状態検査ステップと、を備え、前記塗布状態検査ステップでは、上記の何れかの態様に係るペースト材の塗布状態検査方法を実行する。
上記態様に係るペースト材の塗布方法では、塗布状態検査ステップにおいて上記の何れかの態様に係るペースト材の塗布状態検査方法を実行するので、上記の通り、塗布されたペースト材の高さを確実に取得することができる。
上記態様に係るペースト材の塗布方法において、前記塗布ステップでは、前記対象部材の表面を上方から平面視した場合に、当該対象部材の前記表面に対して点状に前記ペースト材を塗布する場合と、前記対象部材の前記表面に対して線状に前記ペースト材を塗布する場合と、が選択的に実行され、前記塗布状態検査ステップは、前記塗布ステップで前記点状に前記ペースト材を塗布した場合に実行する、とすることもできる。
上記態様のように、塗布ステップで点状に塗布したペースト材を塗布状態の検査対象とする場合、複数の部材同士の間で減衰部材を形成するためにペースト材を塗布する場合にも、正確にペースト材の塗布高さを検査することができる。よって、複数の部材同士の間での減衰率などが設計通りになるようにペースト材からなる振動減衰部材を形成することができる。
なお、本明細書における「点状」とは、面積を持った円形状という意味で用いており、数学の分野における面積を持たない点を意味するものではない。
[ペースト材の塗布装置]
本発明の一態様に係るペースト材の塗布装置は、ペースト材を対象部材の表面に塗布するペースト材の塗布装置であって、シリンダ内に貯留した前記ペースト材をノズルの吐出口から所定量吐出し、前記対象部材の前記表面に塗布する塗布機と、前記ノズルの前記吐出口と前記対象部材との相対位置を移動する移動機と、前記吐出した前記ペースト材の体積を測定する体積測定機と、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記塗布された前記ペースト材の面積を測定する面積測定機と、前記塗布機および前記移動機の制御を行うとともに、前記測定された前記体積に関する体積情報と前記測定された面積に関する面積情報とを取り込んで前記塗布された前記ペースト材の塗布状態を検査する制御部と、を備え、前記制御部は、前記体積情報と前記面積情報とに基づいて、前記塗布された前記ペースト材の高さを算出し、前記算出された前記高さが、所定の高さ範囲外である場合には前記塗布の前記状態が不良であると判定する。
上記態様に係るペースト材の塗布装置では、制御部が、測定したペースト材の体積(塗布機から吐出したペースト材の体積)と、対象部材に塗布したペースト材の平面視での面積とに基づいて、塗布高さを算出し、算出した塗布高さにより塗布状態の不良を判定する。よって、塗布されたペースト材の塗布状態を確実に検査することができる。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記塗布機は、前記対象部材の前記表面に対して円柱形状の前記ペースト材を塗布し、前記面積測定機は、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記円柱形状の前記ペースト材の直径を測定し、当該測定した前記直径から前記面積を算出する、とすることもできる。
上記態様のように、ペースト材の塗布形状が円柱形状である場合には、面積測定機が平面視での円の直径を測定することで容易かつ正確に上記面積を算出することが可能となり、制御部が塗布されたペースト材の高さを算出すのも容易且つ確実になる。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記制御部は、前記算出された前記高さが前記所定の高さ範囲内である場合において、前記測定された前記体積が所定の体積範囲外である場合、および前記測定された前記面積が所定の面積範囲外である場合、の少なくとも一方の場合には前記塗布の前記状態が不良であると判定する、とすることもできる。
上記態様のように、制御部が実行するペースト材の塗布状態の判定において、塗布されたペースト材の高さだけでなく、吐出されたペースト材の体積および塗布されたペースト材の平面視での面積も判定材料として用いて塗布状態の不良を判定するので、より正確な良否判定が可能となる。具体的に、上記態様に係るペースト材の塗布装置では、高さおよび体積および面積の全てが所定の範囲内である場合に、塗布状態が良好であると判定する。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記面積測定機は、前記塗布された前記ペースト材を前記上方から撮像する撮像部と、前記撮像された画像から前記面積を算出する塗布面積算出部と、を有する、とすることもできる。
上記態様のように、撮像部により撮像したペースト材の平面画像を用いて塗布面積算出部で塗布面積を算出することとすれば、非接触でペースト材の平面視での面積を正確に算出することができる。また、撮像部によりペースト材の平面画像を取得できるので、種々の平面形状を有するペースト材の平面視での面積を算出するのにも優位である。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記撮像部は、前記ノズルの周りに少なくとも3つ設けられている、とすることもできる。
上記態様のように、撮像部をノズルの周りに少なくとも3つ設けることとすれば、少なくとも何れかの撮像部でノズルの影などを含まない画像を取得することができる。よって、塗布されたペースト材の正確な平面での面積を算出することができる。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記ペースト材の塗布においては、目標となる形状の目標形状ペースト材を上方から平面視した場合の目標平面形状が予め記憶され、前記制御部がアクセス可能な記憶部と、前記移動機により前記塗布機が移動可能な範囲内に設けられ、前記目標平面形状と同じ形状を有する指標部と、を更に備え、前記制御部は、前記撮像部に対して、前記指標部を撮像させ、前記塗布面積算出部に対して、前記撮像された前記指標部の面積を算出させ、前記算出された前記指標部の前記面積を、前記目標平面形状の面積と比較して、前記撮像された前記画像と前記面積との関係の補正の要否を判定する、とすることもできる。
上記態様のように、移動機による塗布機の移動範囲内に指標部を備え、当該指標部を撮像部が撮像することができる構成では、撮像した指標部の画像から算出された面積と予め記憶部に記憶された目標平面形状の面積との比較により、上記補正の要否を判定することができる。よって、上記態様に係る構成を採用する場合には、撮像から面積算出までの実行に際しての誤差や不具合を適宜に補正することができる。よって、より正確な面積の測定を行うのに更に優位である。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記塗布機が移動可能な前記範囲内に設けられ、当該塗布機の前記シリンダ内に前記ペースト材を供給するためのペースト材供給部を更に備え、前記指標部は、前記ペースト材供給部に近接配置されている、とすることもできる。
上記態様のように、指標部をペースト材供給部に近接配置しておけば、塗布機のシリンダ内にペースト材を補給するタイミングに合わせて指標部の撮像を行うことができる。よって、タクトタイムの短縮を図りながら、塗布されたペースト材の面積を正確に算出するのに優位となる。
上記態様に係るペースト材の塗布装置において、前記塗布機は、前記シリンダ内を摺動可能なピストンと、前記ピストンを摺動するサーボモータと、を有し、前記体積測定機は、前記シリンダ内における前記ピストンの移動ストロークを検出するストローク検出部と、前記ピストンの前記移動ストロークから前記体積を算出する塗布体積算出部と、を有する、とすることもできる。
上記態様のように、ストローク検出部で検出した移動ストロークと、予めわかっているシリンダ内の横断面積(シリンダ軸の直交する方向での断面積)とから塗布したペースト材の体積を算出することとすれば、塗布したペースト材の体積を正確に算出するのに優位である。
上記の各態様では、塗布したペースト材の高さを検査することができる。
実施形態に係るペースト材塗布装置の構成を示す模式図である。 塗布機の構造を示す断面図であって、(a)は、塗布前の状態を示し、(b)は、塗布時の状態を示す。 吐出ノズルの口縁部とペースト材との位置関係を示す断面図であって、(a)は、吐出前の状態を示し、(b)は、吐出時の状態を示す。 ペースト材塗布装置によるペースト材の塗布形態を示す斜視図であって、(a)は、ベース部材の表面に線状にペースト材を塗布した状態を示し、(b)は、ベース部材の表面に点状にペースト材を塗布した状態を示す。 (a)は、内側部材が接合されたハット部材にペースト材を塗布した状態を示す斜視図であり、(b)は、ペースト材を塗布したハット部材に部材507を被せる工程を示す斜視図であり、(c)は、ハット部材のフランジ面で被せた部材を接合する工程を示す斜視図である。 ヘッドの下面の構造を示す下面図である。 リフィルステーションの構造と当該リフィルステーションに近接配置されたチェックゲージを示す斜視図である。 チェックゲージの構造を示す平面図である。 ペースト材塗布装置の制御に係る構成を示すブロック図である。 メインコントローラの演算部が実行するペースト材の塗布状態検査方法を示すフローチャートである。 (a)は、ベース部材の表面上に塗布された点状ペースト材を示す模式図であり、(b)は、点状ペースト材を上方から見た模式図である。 メインコントローラの演算部が実行する点状ペースト材の直径の算出精度を確認する方法を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施形態]
1.ペースト材塗布装置1の構成
図1は、本発明の実施形態に係るペースト材塗布装置1の構成を示す模式図である。
ペースト材塗布装置1は、対象部材の表面にペースト材(例えば、塗料や接着剤)を塗布する装置である。本実施形態に係るペースト材塗布装置1は、塗布後に所定の期間の間、塗布した形状を保持できるペースト材を用いている。具体的には、温度20℃におけるヤング率が500MPa以下の特性を有する接着剤(減衰接着剤)を用いる。
図1に示すように、本実施形態に係るペースト材塗布装置1は、塗布ロボット10と、塗布機11と、材料タンク12,13と、供給パイプ14と、リフィルステーション15と、を備える。塗布ロボット10は、例えば、6軸多関節ロボットであり、塗布機11を所定の範囲内で移動する移動機である。
塗布機11は、塗布ロボット10におけるアームの先端部分に取り付けられており、ペースト材を塗布する機械である。なお、塗布機11の構造については後述するが、ヘッド111の下面111aに設けられた吐出ノズル110を有する。塗布機11は、後述するメインコントローラ19からの指令に基づいて吐出ノズル110からペースト材を吐出する。
材料タンク12,13は、ペースト材を貯留しておく貯留部である。なお、材料タンク12と材料タンク13とには、同じ成分のペースト材が貯留されていてもよいし、別成分の材料が分けて貯留されていてもよい。材料タンク12と材料タンク13とに別成分の材料が貯留されている場合には、材料タンク12から供給された材料と材料タンク13から供給された材料とが混合されることによりペースト材が形成されるということになる。
材料タンク12には、供給パイプ14に接続されたパイプ120が設けられ、経路の開閉を行うためのバルブ121が設けられている。同様に、材料タンク13には、供給パイプ14に接続されたパイプ130が設けられ、経路の開閉を行うためのバルブ131が設けられている。供給パイプ14の他端は、リフィルステーション15に接続されている。
リフィルステーション15は、材料タンク12,13から供給されたペースト材を貯留しておき、所定間隔で塗布機11にペースト材を供給するためのステーションである。即ち、リフィルステーション15は、塗布機11にペースト材を供給するためのペースト材供給部である。
また、ペースト材塗布装置1は、ロボットコントローラ16と、塗布コントローラ17と、温度調整部18と、メインコントローラ19と、を備える。ロボットコントローラ16、塗布コントローラ17、およびメインコントローラ19のそれぞれは、CPU、RAM、ROMなどから構成されたマイクロプロセッサを有する。
ロボットコントローラ16は、メインコントローラ19からの指令を受けて塗布ロボット10の移動制御を実行する。即ち、ロボットコントローラ16は、対象部材における表面の所定箇所に吐出ノズル110の先端が近接するように塗布ロボット10を移動させる。
塗布コントローラ17は、メインコントローラ19からの指令を受けて吐出ノズル110からペースト材を吐出させるように制御を実行する。メインコントローラ19の詳細構成については、後述するが、温度センサ20、湿度センサ21、および気圧センサ22に接続されている。温度センサ20、湿度センサ21、および気圧センサ22は、塗布機11が配置された領域の環境条件を測定し、測定データをメインコントローラ19に送るためのセンサである。
温度調整部18は、メインコントローラ19からの指令を受けて、材料タンク12,13(パイプ120,130およびバルブ121,131を含む)と、供給パイプ14と、リフィルステーション15内のペースト材貯留部(図示を省略。)の温度調整を実行する。即ち、温度調整部18は、材料タンク12,13からリフィルステーション15までのペースト材の温度調整を実行し、これによりペースト材の流動性を確保しながら変質などを防止するための部分である。
2.塗布機11の内部構造
図2は、塗布機11の構造を示す断面図であって、(a)は、塗布前の状態を示し、(b)は、塗布時の状態を示す。
図2(a)、(b)に示すように、吐出ノズル110と、ヘッド111と、シリンダ112と、サーボモータ113と、エンコーダ114と、補充部115と、を有する。吐出ノズル110は、上述のように、ヘッド111の下面111aに設けられており、ペースト材500を吐出する経路である吐出経路110aが内部に形成され、矢印Bのようにペースト材500を吐出するための吐出口110bが下方に設けられている。
ヘッド111には、吐出ノズル110の吐出経路110aに繋がる吐出経路111bが内部に形成されている。吐出経路111bには、吐出経路110aとの接続箇所の近傍に、経路の開閉を行うためのバルブ111cが設けられている。
シリンダ12は、内部に円形の横断面を有し、ペースト材500が充填される空間である充填空間112aが内部に設けられている。内部空間112aの下方側の端部は、下方に行くほど縮径された漏斗状に形成されており、下端で吐出経路111aと接続されている。
サーボモータ113は、シリンダ112の上方に取り付けられており、充填空間112a内を摺動自在のピストン113aを有する。ピストン113aは、シリンダ112の充填空間112aの周囲のシリンダ壁と略隙間ない形状で設けられており、ペースト材500がピストン113aよりもサーボモータ113側に漏れ出ることはない。
エンコーダ114は、サーボモータ113の回転角度を検知し、ピストン113aのストロークを検出するための部分、即ち、ストローク検出部である。なお、エンコーダ114からのストローク情報は、塗布コントローラ17を介してメインコントローラ19に送られる。
補充部115は、リフィルステーション15と結合して補充のペースト材500を受け入れる部分であり、充填空間112aに繋がる補充経路115aが内部に設けられている。そして、補充経路115aには、当該補充経路115aの開閉を行うためにバルブ115bが設けられている。リフィルステーション15に結合してペースト材500の補充を受ける際には、バルブ115aを開状態にし、バルブ111cを閉状態とした上で、ピストン113aを上方へと引き上げる。
一方、吐出ノズル110の吐出口110bからペースト材500を吐出する際には、バルブ115bを閉状態とし、バルブ111cを開状態とした上で、ピストン113aを矢印Aのように下方へ押し下げる。
ここで、ピストン113aをストローク量L1だけ押し下げた場合には、当該ストローク量L1をエンコーダ114で検出し、当該検出情報をメインコントローラ19に送る。メインコントローラ19では、送られてきた検出情報から吐出されたペースト材の体積を算出する。
3.吐出ノズル110からのペースト材の吐出
図3は、吐出ノズル110の口縁部110cとペースト材500との位置関係を示す断面図であって、(a)は、吐出前の状態を示し、(b)は、吐出時の状態を示す。なお、図3では、吐出ノズル110だけを示し、ヘッド111およびシリンダ112の図示を省略している。
本実施形態に係る塗布機11では、吐出前の状態においても、ペースト材500に対して所定の圧力P1がかけられている(図2(a)を参照)。これは、サーボモータ113を駆動してペースト材500を吐出させる際に適時に吐出させることができるようにするためである。このとき、図3(a)に示すように、ペースト材500の下端部分は、吐出ノズル110の口縁部110cと略面一となっている。
ただし、ペースト材500の吐出前の状態において、当該ペースト材500の下端部分が吐出ノズル110の口縁部110cと略面一となっている必要は必ずしもない。即ち、ペースト材500が吐出ノズル110の吐出口110bから吐出されずに留まっていればよい。
次に、サーボモータ113を駆動してピストン113aを下降させると、ペースト材500の圧力が所定の圧力P2となる(図2(b)を参照)。圧力P2は、圧力P1よりも高い。このため、図3(b)に示すように、ペースト材500は、矢印Cのように吐出ノズル110から吐出される。
ここで、図3(a)では、吐出前の状態におけるペースト材500の下端面を平面として図示しているが、環境条件などとの関係で凸曲面となったり凹曲面となったりすることも考えられる。この場合には、吐出したペースト材500の体積に若干のバラツキが生じることが考えられる。
4.ペースト材の塗布形態
図4は、ペースト材塗布装置1によるペースト材502,504の塗布形態を示す斜視図であって、(a)は、ベース部材501の表面501aに線状にペースト材502を塗布した状態を示し、(b)は、ベース部材503の表面503に点状にペースト材504を塗布した状態を示す。
図4(a)に示すように、ペースト材塗布装置1では、ロボットコントローラ16および塗布コントローラ17を連携制御することにより、ベース部材501の表面501a上に、長さL502、幅W502、高さH502の線状にペースト材502を塗布することができる。
また、図4(b)に示すように、ペースト材塗布装置1では、ロボットコントローラ16および塗布コントローラ17を連携制御することにより、ベース部材503の表面503a上に、直径φ504、高さH504の点状(円柱形状)にペースト材504を塗布することができる。なお、図4(b)では、ベース部材503の表面503a上に対して、互いに離間した3つの円柱形状のペースト材504を形成することとしたが、ペースト材504同士が接続されていてもよく、また、ペースト材504の形成個数については2つ以下であったり4つ以上であったりしてもよい。
ここで、本実施形態では、円柱形状に形成されたペースト材504の高さH504は、線状に形成されたペースト材502の高さH502よりも高くなっている。この理由については、後述する。
なお、ペースト材504の高さH504は、例えば、5〜15mmの範囲である。
5.ペースト材502,504を形成した部材505,506を用いた後工程
図5(a)は、内側部材506が接合されたハット部材505にペースト材502,504を塗布した状態を示す斜視図であり、図5(b)は、ペースト材502,504を塗布したハット部材505および内側部材506に板状の部材507を被せる工程を示す斜視図であり、(c)は、ハット部材505のフランジ面505a,505bで被せた板状の部材507を接合する工程を示す斜視図である。
図5(a)に示すように、ハット状のハット部材505の溝内部に内側部材506を挿入して、内側部材506をハット部材505に接合する。これにより、ハット部材505の溝部分の両側壁同士の間の剛性が高められる。
次に、ハット部材505の2つのフランジ面505a,505bに対しては、線状にペースト材502を塗布する。線状に塗布したペースト材502の形状については、上記のとおりである。内側部材506の上面に対しては、円柱形状(点状)にペースト材504を塗布する。本実施形態では、一例として円柱形状のペースト材504を3つ塗布する。円柱形状に塗布したペースト材504の形状についても、上記のとおりである。
図5(b)に示すように、ハット部材505の上方から板状の部材507を重ねる。これにより、部材507の下面(ハット部材505の側を向く面)が、ペースト材502,504の頂部に当接する。
図5(c)に示すように、ハット部材505のフランジ面505a,505bと部材507との重なり部分を溶接装置600で溶接する。この溶接の際に、溶接スポット部のペースト材502は、当該溶接スポットの周囲へ逃げることになり、良好な接合がなされる。
一方、内側部材506の上面と部材507の下面との間に挟まれた円柱形状のペースト材504は、両部材506,507で上下が挟まれた状態となり、両部材506,507に接着された状態となる。これにより、ペースト材504は、所謂、両部材506,507間で振動を減衰するための振動減衰部材となる。
なお、上記のように、円柱形状のペースト材504は、両部材506,507間で振動減衰部材として機能するために、両部材506,507に対して接着することが必要となり、ペースト材504の高さH504の管理が重要となる。
6.カメラ116〜118の配置
図6は、塗布機11におけるヘッド111の下面111aを下方から見た下面図である。
図6に示すように、ヘッド111の下面111aには、その中央に吐出口10bを有する吐出ノズル110が設けられている。吐出ノズル110は、円形をしたヘッド111の下面111aにおける中心部分に配置されている。
吐出ヘッド110の周囲には、複数(例として3つ)のカメラ116〜118が周方向に分散された状態で設けられている。カメラ116〜118は、塗布したペースト材500,502,504を撮像するための撮像部として設けられている。本実施形態では、カメラ116〜118の配置に係る角度θ1〜θ3は、一例として120°である。ただし、カメラ116〜118が吐出ノズル110の周囲で分散されていればよく、角度θ1〜θ3が互いに同じ角度である必要は必ずしもない。また、カメラ116〜118が同心円状に配置されている必要も必ずしもない。
また、ヘッド111の下面111aには、吐出ノズル110およびカメラ116〜118が設けられた部分を除き、照明部119が設けられている。照明部119は、例えば、LED等の発光素子と、当該発光素子から出射された光を導光する導光部材とを有している。本実施形態では、照明部119は、ペースト材500,502,504を塗布したペースト材500,502,504を照らすように面発光する。
なお、照明部119の構成については、複数の点光源(LED等)をヘッド111の下面111aに設けることもできる。ただし、点光源でペースト材500,502,504を照らす場合には、ペースト材500,502,504の一方の側方などに影ができやすい。このため、本実施形態のように導光部材(導光板)を用いて面光源とすることが撮像に際しての精度という観点から望ましい。
7.チェックゲージ155の配置と形態
図7は、リフィルステーション15の構造と当該リフィルステーション15に近接配置されたチェックゲージ155を示す斜視図である。図8は、チェックゲージ155の構造を示す平面図である。
図7に示すように、塗布機11に対してペースト材を供給するためのリフィルステーション15は、塗布機11における補充部115と結合可能なドッキング部材153を有する。ドッキング部材155は、ベース部材150〜153に取り付けられており、矢印Dのように補充部115が結合された際に結合部分となる箇所に供給口153aが設けられている。なお、上述のように、材料タンク12,13から供給口153aに至るまでのペースト材が移動する経路は、温度調整部18により温度調整されている。リフィルステーション15は、位置が固定されており、温度調整のための電力供給ラインなどが断線したりすることがない。
リフィルステーション15のベース部材150には、ブラケット154を介してチェックゲージ155が固定されている(矢印Eで示す部分)。チェックゲージ155は、薄板状の部材である。
図8に示すように、チェックゲージ155の上面155aには、点状基準マーク155bと線状基準マーク155cとが表示されている。このうち、点状基準マーク155bは、塗布機11で塗布しようとする点状のペースト材504(図4(b)を参照。)の平面形状(目標平面形状)と同じ形状を有する。即ち、点状基準マーク155bの直径φ155bは、塗布しようとする点状のペースト材504の直径φ504と同じ径で表示されている。即ち、カメラ16〜18で点状基準マーク155bを撮像したときに、当該点状基準マーク155bは、点状のペースト材504の平面視での面積の算出に係る指標部として設けられている。
基準マーク155cは、長さがL155c、幅がW155cの線状にマークが表示され、線状に塗布する際に、目標となるペースト材の平面形状と同じ形状を有する。
8.ペースト材塗布装置1の制御構成
図9は、ペースト材塗布装置1の制御に係る構成を示すブロック図である。
図9に示すように、ペースト材塗布装置1のメインコントローラ19は、入力部190と、塗布面積算出部191と、塗布体積算出部192と、演算部193と、記憶部194と、出力部195と、を有する。入力部190は、作業者からの設定等の入力や生産管理システム等からの入力を受け付ける部分である。
塗布面積算出部191は、カメラ116〜118からの撮像情報を入手し、そのうちの一部あるいは全部の画像から点状に塗布されたペースト材504の平面視での面積を算出する部分である。本実施形態では、点状に塗布されたペースト材504は略円柱形状をしており、平面視で円形状であるため、撮像された画像から直径φ504を求め、当該直径φ504を基に円形の面積(π×(φ504/2))を算出する。
塗布体積算出部192は、エンコーダ114からのストロークに関する情報(ピストン113aのストローク情報)を基に吐出したペースト材504の体積を算出する。なお、本実施形態では、横断面が円形状の充填空間112aからペースト材504を押し出すため、ペースト材504の塗布体積は、充填空間112aの横断面積とピストン113aのストロークとを乗じた値となる。
記憶部194には、塗布機11および塗布ロボット10、さらには温度調整部18やリフィルステーション15などの駆動に係る種々の情報が予め記憶されている。上記の点状基準マーク155bおよび線状基準マーク155cの目標平面形状やその面積なども記憶されている。
なお、演算部193は、温度センサ20、湿度センサ21、および気圧センサ22などからの環境に関するデータを取得して、塗布体積の補正を行う場合もある。メインコントローラ19の記憶部194には、予め確認された環境に係る要件と塗布体積との関係がテーブルとして格納されており、演算部193は、当該格納テーブルを参照して塗布体積に係る値を補正するか否かを判定し、必要に応じて値を補正する。
演算部193は、入力された塗布面積に係るデータと塗布体積に係るデータとから塗布されたペースト材504の高さH504を算出する。算出結果については、出力部195に出力するとともに、当該高さH504が許容される範囲内に入っている場合は、当該ペースト材504を塗布した製品を製造ラインの後工程へ流すように指示を出し、逆に許容される範囲に入っていないと判定した場合には、排出部23に当該ペースト材504を塗布した製品を製造ラインから排出するように指令を出す。この塗布されたペースト材504の良否判定の仕方について、次に説明する。
9.メインコントローラ19の演算部193が実行するペースト材504の塗布状態検査方法
図10は、メインコントローラ19の演算部(ペースト材塗布装置1の制御部)193が実行するペースト材504の塗布状態検査方法を示すフローチャートである。図11(a)は、ベース部材508の表面上に塗布された点状のペースト材509を示す模式図であり、図11(b)は、点状のペースト材509を上方から見た模式図である。
図10に示すように、演算部193は、各種の環境情報(温度、湿度、気圧など)の取り込みを行う(ステップS1)。これらの情報は、温度センサ20、湿度センサ21、および気圧センサ22などから取り込まれる。これにより、演算部193は、ペースト材504を塗布する領域の環境に関する状況を把握する。
次に、演算部193は、ロボットコントローラ16および塗布コントローラ17に対して指令を出し、塗布しようとする部分に対してペースト材504の塗布を実行させる(ステップS2)。なお、本実施形態では、点状に塗布したペースト材504の塗布高さを算出し、当該算出した塗布高さにより塗布状態を判定する対象とする。線状に塗布したペースト材502については、平面視での欠けや歪みなどを検査の対象とするが、これについての説明は省略する。
次に、演算部193は、吐出したペースト材504の体積を塗布体積算出部192に算出させる(ステップS3)。塗布体積算出部192は、上述のように、エンコーダ114から送られてくるピストン113aのストロークを基に吐出したペースト材504の体積を算出する。この際、図3を用いて説明したように、温度や湿度、さらには気圧などの環境情報などを考慮して吐出体積の補正を行うこともある。
ここで、演算部193は、ペースト材504を塗布した直後に、カメラ16〜18に対してペースト材504を上方から撮像するように指令を出す(ステップS4)。演算部193は、塗布面積算出部191に対してペースト材504の平面視での面積を算出するように指令を出す(ステップS5)。
塗布面積算出部191は、3つのカメラ16〜18で撮像された画像データのうち、吐出ノズル110の影などを考慮して、面積の算出に最も適すると考えられる画像データを1つ選択して、面積を算出する。なお、本実施形態では、点状の塗布したペースト材504を円柱形状であるとみなしているので、図11(b)のように直径を割り出して、当該直径から塗布面積を算出する。
次に、演算部193は、塗布体積算出部192が算出した塗布体積および塗布面積算出部191が算出した塗布面積を取り込み、塗布されたペースト材504の高さを算出する(ステップS6)。図11(a)、(b)に示すように、ベース部材508上に点状に塗布されたペースト材509を仮定した場合に、当該ペースト材509は円柱510とみなされ、算出された塗布体積を、(π×(φ509/2))で除した値が、塗布高さH509ということになる。ペースト材504の塗布高さも同様に算出される。
次に、演算部193は、塗布高さが所定の範囲内にあるか否かを判定し(ステップS7)、塗布体積が所定の範囲内にあるか否かを判定し(ステップS8)、塗布面積が所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS9)。演算部193は、ステップS7〜ステップS9の全てのステップで“Yes”と判定した場合に、ペースト材504を塗布した製品を後工程に搬出するように排出部23に指令を出す(ステップS11)。
なお、本実施形態では、ステップS7、ステップS8、およびステップS9を纏めて「塗布状態判定ステップS10」としている。
演算部193は、ステップS7〜ステップS9の何れかのステップで“No”と判定した場合に、ペースト材504を塗布した製品をラインから排出するように排出部23に指令を出すとともに(ステップS12)、判定結果とともに塗布状態が不良である旨を出力部195に出力させる(ステップS13)。
10.画像データからの塗布面積等の補正の要否判定
図12は、メインコントローラ19の演算部193が実行する点状ペースト材504の直径等の算出精度を確認し、必要に応じて補正指令を出す方法を示すフローチャートである。
メインコントローラ19の演算部193はペースト材の補充を行う際には、ロボットコントローラ16に対して、塗布機11がリフィルステーション15へと移動するように指令を出す(ステップS21)。そして、演算部193は、シリンダ112の充填空間112aにペースト材の補充を行う前に、カメラ16〜18に対して、チェックゲージ155の点状基準マーク155bを撮像させる(ステップS22)。また、演算部193は、カメラ16〜18の内の一部あるいは全部に対して、線状基準マーク155cを走査しながら撮像させる(ステップS23)。なお、図12のフローチャートでは、点状基準マークを簡易的に「点状部」とし、線状基準マークを簡易的に「線状部」としている。
次に、演算部193は、点状基準マーク155bの撮像データから当該点状基準マーク155bの面積を算出するように塗布面積算出部191に指令を発し(ステップS24)、算出された面積から点状基準マーク155bの直径を算出する(ステップS25)。また、演算部193は、線状基準マーク155cの撮像データから当該線状基準マーク155cの長さと幅を算出する(ステップS26)。
演算部193は、上記のように算出した直径を図8の直径φ155bと比較し、その差分が所定の範囲内か否かを判定する(ステップS27)。また、演算部193は、上記のように算出した長さおよび幅を図8の長さL155cおよび幅W155cとそれぞれ比較し、その差分が所定の範囲内か否かを判定する(ステップS28)。
演算部193は、ステップS27およびステップS28での判定結果が両方とも“Yes”である場合に、補充部115をドッキング部材153に結合させ、バルブ111cを閉状態にし、バルブ115bを開状態にしてピストン113aが上昇するようにサーボモータ113を駆動して、ペースト材の補充を実行させる(ステップS29)。
一方、演算部193は、ステップS27およびステップS28での判定結果の何れかが“No”である場合に、ペースト材の補充を行わず、所定箇所に塗布機11を移動させ(ステップS30)、補正が必要である旨の表示等を出力部195に出力させる(ステップS31)。
[変形例]
上記実施形態では、点状に塗布したペースト材504が円柱形状であることとしたが、本発明は、点状に塗布したペースト材の形状についてこれに限定を受けるものではない。例えば、角柱形状や円錐形状、さらには角錐形状や台錐形状などを採用することもできる。この場合には、形状に即した演算式で高さを算出することとすればよい。
上記実施形態では、塗布ロボット10を用いて塗布機11を移動させることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、3軸それぞれにモータやエアシリンダなどを具備し、これらの駆動により塗布機を移動させることとしてもよい。また、塗布機の位置を固定として、対象部材やリフィルステーションを移動させることとしてもよい。
上記実施形態では、点状に塗布したペースト材504の高さH504を算出することとしたが、本発明は、線状に塗布したペースト材502の高さH502を算出することとしてもよい。
上記実施形態では、チェックゲージ155をリフィルステーション15に近接配置することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、塗布作業を実行する領域とリフィルステーションとの中間地点にチェックゲージを配置することなども可能である。また、必ずしもチェックゲージを塗布機の移動範囲内に常時配置しておく必要もない。所定の期間ごとにチェックゲージを塗布機の近傍に移動させることもできる。
1 ペースト材塗布装置
10 塗布ロボット(移動機)
11 塗布機
15 リフィルステーション(ペースト材供給部)
18 温度調整部
19 メインコントローラ
110 吐出ノズル
111 ヘッド
112 シリンダ
112a 充填空間
113 サーボモータ
114 エンコーダ(ストローク検出部)
116〜118 カメラ(撮像部)
155 チェックゲージ
155b 点状基準マーク(指標部)
191 塗布面積算出部
192 塗布体積算出部
193 演算部(制御部)
500,502,504,509 ペースト材
φ504,φ509 直径
H504,H509 高さ

Claims (15)

  1. 塗布機から吐出したペースト材を対象部材の表面に塗布し、当該塗布したペースト材の塗布状態を検査するペースト材の塗布状態検査方法であって、
    前記吐出した前記ペースト材の体積を測定する体積測定ステップと、
    前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記塗布された前記ペースト材の面積を測定する面積測定ステップと、
    前記測定した前記体積と前記面積とに基づいて、前記塗布された前記ペースト材の高さを算出する高さ算出ステップと、
    前記算出された前記高さが所定の高さ範囲外である場合に前記塗布の前記状態が不良であると判定する塗布状態判定ステップと、
    を備える、
    ペースト材の塗布状態検査方法。
  2. 請求項1に記載のペースト材の塗布状態検査方法において、
    前記塗布された前記ペースト材は、円柱形状を有し、
    前記面積測定ステップでは、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記円柱形状の前記ペースト材の直径を測定し、当該測定した前記直径から前記面積を算出する、
    ペースト材の塗布状態検査方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のペースト材の塗布状態検査方法において、
    前記塗布状態判定ステップでは、
    前記算出された前記高さが前記所定の高さ範囲内である場合において、
    前記測定された前記体積が所定の体積範囲外である場合、および前記測定された前記面積が所定の面積範囲外である場合、の少なくとも一方の場合には前記塗布の前記状態が不良であると判定する、
    ペースト材の塗布状態検査方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載のペースト材の塗布状態検査方法において、
    前記面積測定ステップは、
    撮像部で前記塗布した前記ペースト材を前記上方から撮像する撮像サブステップと、
    前記撮像された画像から前記面積を算出する面積算出サブステップと、
    を有する、
    ペースト材の塗布状態検査方法。
  5. 請求項4に記載のペースト材の塗布状態検査方法において、
    前記ペースト材の塗布においては、目標となる形状の目標形状ペースト材を上方から平面視した場合の目標平面形状が設定されており、
    前記目標平面形状と同じ形状を有する指標部を、前記撮像部で撮像する指標撮像ステップと、
    前記撮像された前記指標部の面積を算出する指標面積算出ステップと、
    前記算出された前記指標部の前記面積を、前記目標平面形状の面積と比較して、前記撮像された画像と前記面積との関係の補正の要否を判定する補正要否判定ステップと、を更に備える、
    ペースト材の塗布状態検査方法。
  6. 塗布機からペースト材を吐出する吐出ステップと、
    前記吐出した前記ペースト材を対象部材の表面に塗布する塗布ステップと、
    当該塗布した前記ペースト材の塗布状態を検査する塗布状態検査ステップと、
    を備え、
    前記塗布状態検査ステップでは、請求項1から請求項5の何れかのペースト材の塗布状態検査方法を実行する、
    ペースト材の塗布方法。
  7. 請求項6に記載のペースト材の塗布方法において、
    前記塗布ステップでは、前記対象部材の表面を上方から平面視した場合に、当該対象部材の前記表面に対して点状に前記ペースト材を塗布する場合と、前記対象部材の前記表面に対して線状に前記ペースト材を塗布する場合と、が選択的に実行され、
    前記塗布状態検査ステップは、前記塗布ステップで前記点状に前記ペースト材を塗布する場合に実行する、
    ペースト材の塗布方法。
  8. ペースト材を対象部材の表面に塗布するペースト材の塗布装置であって、
    シリンダ内に貯留した前記ペースト材をノズルの吐出口から所定量吐出し、前記対象部材の前記表面に塗布する塗布機と、
    前記ノズルの前記吐出口と前記対象部材との相対位置を移動する移動機と、
    前記吐出した前記ペースト材の体積を測定する体積測定機と、
    前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記塗布された前記ペースト材の面積を測定する面積測定機と、
    前記塗布機および前記移動機の制御を行うとともに、前記測定された前記体積に関する体積情報と前記測定された面積に関する面積情報とを取り込んで前記塗布された前記ペースト材の塗布状態を検査する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記体積情報と前記面積情報とに基づいて、前記塗布された前記ペースト材の高さを算出し、
    前記算出された前記高さが所定の高さ範囲外である場合に前記塗布の前記状態が不良であると判定する、
    ペースト材の塗布装置。
  9. 請求項8に記載のペースト材の塗布装置において、
    前記塗布機は、前記対象部材の前記表面に対して円柱形状の前記ペースト材を塗布し、
    前記面積測定機は、前記対象部材の前記表面を上方から平面視した場合の、前記円柱形状の前記ペースト材の直径を測定し、当該測定した前記直径から前記面積を算出する、
    ペースト材の塗布装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載のペースト材の塗布装置において、
    前記制御部は、
    前記算出された前記高さが前記所定の高さ範囲内である場合において、
    前記測定された前記体積が所定の体積範囲外である場合、および前記測定された前記面積が所定の面積範囲外である場合、の少なくとも一方の場合には前記塗布の前記状態が不良であると判定する、
    ペースト材の塗布装置。
  11. 請求項8から請求項10の何れかに記載のペースト材の塗布装置において、
    前記面積測定機は、
    前記塗布された前記ペースト材を前記上方から撮像する撮像部と、
    前記撮像された画像から前記面積を算出する塗布面積算出部と、
    を有する、
    ペースト材の塗布装置。
  12. 請求項11に記載のペースト材の塗布装置において、
    前記撮像部は、前記ノズルの周りに少なくとも3つ設けられている、
    ペースト材の塗布装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載のペースト材の塗布装置において、
    前記ペースト材の塗布においては、目標となる形状の目標形状ペースト材を上方から平面視した場合の目標平面形状が予め記憶され、前記制御部がアクセス可能な記憶部と、
    前記移動機により前記塗布機が移動可能な範囲内に設けられ、前記目標平面形状と同じ形状を有する指標部と、を更に備え、
    前記制御部は、
    前記撮像部に対して、前記指標部を撮像させ、
    前記塗布面積算出部に対して、前記撮像された前記指標部の面積を算出させ、
    前記算出された前記指標部の前記面積を、前記目標平面形状の面積と比較して、前記撮像された前記画像と前記面積との関係の補正の要否を判定する、
    ペースト材の塗布装置。
  14. 請求項13に記載のペースト材の塗布装置において、
    前記塗布機が移動可能な前記範囲内に設けられ、当該塗布機の前記シリンダ内に前記ペースト材を供給するためのペースト材供給部を更に備え、
    前記指標部は、前記ペースト材供給部に近接配置されている、
    ペースト材の塗布装置。
  15. 請求項8から請求項14の何れかに記載のペースト材の塗布装置において、
    前記塗布機は、
    前記シリンダ内を摺動可能なピストンと、
    前記ピストンを摺動するサーボモータと、
    を有し、
    前記体積測定機は、
    前記シリンダ内における前記ピストンの移動ストロークを検出するストローク検出部と、
    前記ピストンの前記移動ストロークから前記体積を算出する塗布体積算出部と、
    を有する、
    ペースト材の塗布装置。
JP2020003467A 2020-01-14 2020-01-14 ペースト材の塗布状態検査方法およびペースト材の塗布方法と、ペースト材の塗布装置 Pending JP2021109155A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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山本研一、外10名: "構造接着を用いた車体振動減衰技術の開発", マツダ技報, JPN6023016782, 2 December 2019 (2019-12-02), pages 283 - 288, ISSN: 0005185651 *

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