JP2021108838A - Oct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光路長差の調整に伴う被検者の負担を低減すること。【解決手段】 OCT装置1は、OCT光学系100と、画像処理器を兼用する制御部70と、光路長差調整部145と、を備える。制御部70は、OCTデータが取得される深さ位置の調整を少なくとも行う調整処理と、OCTデータをキャプチャーするキャプチャー処理と、を実行する。調整処理における深さ位置の初期位置として、第1眼底位置から第2眼底位置までが、OCTデータにおける所定区間に含まれるような位置が設定され、初期位置であるときの所定区間内に眼底の像が位置する場合は、眼底の像の位置に関わらずキャプチャー処理が実行される。【選択図】 図4

Description

本開示は、被検眼の組織のOCTデータを取得するOCT装置に関する。
近年、眼科分野では、被検眼の組織の断層画像を撮影する装置である、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)が注目を集めている。
眼科に比較的普及しているSD−OCTでは、深さ方向に関して有効な撮影範囲は、OCTデータにおける原点位置(ゼロディレイ位置)から2mm〜3mm程度の範囲であった。
OCTによって眼底を撮影する場合は、測定光と参照光との光路長差を被検眼の眼軸長に応じて調整する必要がある。例えば、特許文献1では、OCTデータのキャプチャーに際し、光路長差が次のようにしてラフに調整される。すなわち、光路長差を変えつつ各光路長差において取得されるOCTデータに基づいて所定の評価値を取得し、評価値が最大となる値へと光路長差が調整される。その後、更に、光路長差の微調整が行われる。
一方で、OCTデータにおける深達性を改善する(つまり、深さ方向の撮影範囲を拡大する)種々の試みが行われている。
近年では、光源の改良等によって、撮影範囲を著しく改善できることが非特許文献1等によって報告されている。非特許文献1では、例えば、VCSELと呼ばれる、コヒーレンス長の長い光を出射する光源を、OCT光源として採用することが、深達性の改善に有効であると、報告されている。
特開2010−12111号公報
Ireneusz Grulkowski. et al. (2013) High-precision, high-accuracy ultralong-range swept-source optical coherence tomography using vertical cavity surface emitting laser light source, Opt Lett. 2013 Mar 1; 38(5): 673-675.
光路長差を調整する間、被検者は継続して開瞼する必要がある。よって、調整に要する時間に応じて、被検者に負担が生じる。これに対し、本件発明者は、深さ方向の撮影範囲が従来よりも広がったOCTにおいて、被検者の負担を抑制する調整手法を検討した。
本開示は、従来技術の問題点に基づいてなされたものであり、光路長差の調整に伴う被検者の負担が低減されるOCT装置を提供すること、を技術課題とする。
本開示の第1態様に係るOCT装置は、被検眼の組織に導かれる測定光と参照光とのスペクトル干渉信号を検出するOCT光学系であって、深さ方向に関して広域なOCTデータを取得可能なOCT光学系と、 前記OCT光学系から出力される前記スペクトル干渉信号に基づいて前記被検眼についての前記広域なOCTデータを取得する画像処理器と、前記OCTデータが取得される深さ位置を調整するために、測定光と参照光との光路長差を変更する光路長差調整部と、前記深さ位置の調整を少なくとも行う調整処理と、前記OCTデータをキャプチャーするキャプチャー処理と、を実行する制御手段と、を備え、前記制御手段によって、前記調整処理における前記深さ位置の初期位置として、短眼軸長眼または長眼軸長眼において想定される眼底位置である第1眼底位置から、平均的な眼軸長眼において想定される眼底位置である第2眼底位置までが、前記OCTデータにおける所定区間に含まれるような位置が設定され、前記深さ位置が前記初期位置であるときの前記所定区間内に眼底の像が位置する場合は、前記眼底の像の位置に関わらず前記キャプチャー処理が実行される。
本開示によれば、光路長差の調整に伴う被検者の負担が低減される。
実施例に係るOCTシステムの概略構成を示した図である。 実施例に係るOCT光学系を示す図である。 OCTデータを説明するための図である。 撮影までの動作を説明するフローチャートである。 各掃引周波数における波長掃引の様子を示した図である。 OCTデータが取得される深さ位置を調整する第1の手法(実施例での手法)を示した図である。 OCTデータが取得される深さ位置を調整する第2の手法(実施例に対する変容手法)を示した図である。 撮影したOCTデータの表示に関する処理の流れを示したフローチャートである。 ビュワー画面の一例を示した図である。 図9に対し、抽出領域が変更された状態のビュワー画面を示した図である。 前眼部OCTが表示されるときのビュワー画面の一例を示した図である。 変形例に係る抽出OCTデータの表示態様を示した図である。
「概要」
本開示の実施形態を説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。例えば、ある実施形態において、複数の項目を適宜組み合わせることができる。また、例えば、ある実施形態に関して記載された項目を、他の実施形態に対して適用できる。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態に係るOCT装置によれば、良好なOCTデータを互いに異なる掃引周波数で取得できる。
<OCT光学系>
OCT光学系(図2参照)は、被検眼のOCTデータを撮影するために利用される。OCT光学系は、被検眼の組織に導かれる測定光と、参照光と、のスペクトル干渉信号を検出する。
OCT光学系は、深達性の高い(換言すれば広域の)OCTデータの取得に適していてもよい。例えば、第1実施形態に係るOCT光学系は、波長掃引式OCT(SS−OCT)光学系である。この場合、OCT光学系は、測定光および参照光の光源であるOCT光源として、波長掃引光源(波長走査型光源)を備えている。波長掃引光源は、出射波長を時間的に高速で変化させる。例えば、VCSEL式波長掃引光源は、コヒーレンス長が長いことから、OCT光源として利用されることで、深さ方向に関して広域のOCTデータを撮影可能となる。例えば、10mm程度またはそれ以上の撮影範囲が実現され得る。これにより、被検眼において互いに異なる深さ位置にある複数の組織を1回的に撮影できるようになる。具体例として、眼底と透光体との両方が1回的に撮影され得る。また、波長掃引光源は、いわゆる1μm帯で波長掃引を行う(約1050nmを中心に、波長掃引を行う)ことが好ましい。いわゆる1μm帯は、他の波長帯と比べて、被検眼の組織に対してより高い深達性を示すことが知られている。
第1実施形態の波長掃引光源における掃引周波数は、少なくとも第1周波数と第2周波数との間で変更可能である。第2周波数は、第1周波数よりも小さな値である。例えば、光源に内蔵された光学素子であって波長を掃引するために駆動される光学素子の速度およびデューティ比のいずれかが変更されることで、掃引周波数は変更される。
第1実施形態に係るOCT光学系は、光分割部、および、検出器を少なくとも備える。OCT光学系は、追加的に、走査部(光スキャナともいう)を備えてもよい。光分割部は、OCT光源からの光を測定光と参照光とに分割する。走査部は、被検眼の組織上で測定光を走査するためのデバイスである。走査部は、例えば、走査方向が互いに異なる2つの光スキャナの組み合わせであってもよい。検出器は、被検眼に導かれた測定光と、参照光と、を受光することによって、スペクトル干渉信号を出力する。OCT光学系は、被検眼の組織上であらかじめ定められた複数のスキャンラインに沿って、測定光を走査し、複数のスキャンラインのそれぞれのOCTデータを撮影してもよい。スキャンラインは、検者からの指示に基づいて任意の位置に設定されてもよい。また、あらかじめ定められた複数のスキャンパターンのうちいずれかが選択されることで、スキャンパターンと対応するスキャンラインが設定されてもよい。スキャンパターンとしては、ライン、クロス、マルチ、マップ、ラジアル、サークル、等の種々のものが知られている。
<変換部>
変換部は、検出器から出力されるスペクトル干渉信号をサンプリングする。波長掃引に伴って、スペクトル干渉信号が、ビート信号として検出される。また、変換部は、検出器から出力されるスペクトル干渉信号を、アナログ信号からデジタル信号へと変換する。変換部は、サンプリング周波数を調整可能なデジタイザであってもよい。
<画像処理器>
画像処理器は、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号を処理して被検眼のOCTデータを取得する。より詳細には、変換部によってデジタル信号に変換されたスペクトル干渉信号が、画像処理器によって演算処理される。これによって、被検眼のOCTデータが取得される。
<OCTデータ>
OCTデータは、信号データであってもよいし、視覚化された画像データであってもよい。例えば、OCTデータは、被検眼の反射強度特性を示す断層画像データ、被検眼のOCTアンジオデータ(例えば、OCTモーションコントラストデータ)、被検眼のドップラー特性を示すドップラーOCTデータ、被検眼の偏光特性を示す偏光特性データ、等の少なくともいずれかであってもよい。
また、OCTデータは、Bスキャンデータ(例えば、Bスキャン断層画像データ、二次元OCTアンジオデータ、等)、正面(En face)データ(例えば、OCT正面データ、正面モーションコントラストデータ、等)、三次元データ(例えば、三次元断層画像データ、三次元OCTアンジオデータ、等)、等の少なくともいずれかであってもよい。
<フルレンジ化技術の適用>
OCTデータには、フルレンジ化技術が適用されてもよい。OCTデータにおいて虚像を除去する種々の手法が、フルレンジ化技術と呼ばれる。本実施形態では、いずれかのフルレンジ化技術を適用してもよく、これによって、虚像が選択的に除去された更に広範囲のOCTデータが取得可能であってもよい。
なお、フルレンジ化技術の一例としては、追加のハードウェアにより虚像(鏡像ともいう)を除去する技術(例えば、非特許文献2参照)、追加のハードウェアを用いずにソフトウェアで補正する技術(例えば、特許文献2参照)等を挙げることができる。
Wojtkowski, M. et al. (2002) Full range complex spectral optical coherence tomography technique in eye imaging, Optics Letters, 27(16), p. 1415.
特表2015−506772号公報
また、本出願人による出願(特願2019−014771号)では、スペクトル干渉信号を検出する際の光路長が異なる複数のOCTデータに基づいて、OCTデータにおける実像と虚像との重複領域に対して少なくとも補完処理を行い、補完処理が施されたOCTデータを生成する、更に別のフルレンジ化技術が提案されており、これを本実施形態において適用してもよい。
<演算制御部>
演算制御部は、OCT装置における装置全体の動作を司るプロセッサである。演算制御部は、例えば、CPU、RAM、および、ROM等によって構成されてもよい。また、演算制御部によって、画像処理器が兼用されてもよい。
第1実施形態では、演算制御部によって、波長掃引光源における掃引周波数が制御される。制御部は、掃引周波数を、少なくとも第1周波数と第1周波数より小さな第2周波数との間で変更させる。これにより、OCTデータにおける複数の条件が変更され得る。複数の条件としては、スペクトル干渉信号のSN比、深さ方向の撮影範囲、および、サンプリングタイミングと光源から出射される光の波長との対応関係、等が挙げられる。
詳細は実施例にて後述するが、スペクトル干渉信号のSN比は、第1周波数であるときに比べて、第2周波数であるときのほうが、大きな値となり得る。
ところで、SD−OCTでは、測定光と参照光との干渉縞をスペクトロメータで分光検出することで、スペクトル干渉信号が検出される。このため、SD−OCTでは、カメラ(ラインセンサ)の露光時間を制御することによって、スペクトル干渉信号におけるノイズを抑制できた。一方、SS−OCTには、露光時間という概念は存在しないので、SD−OCTの手法を踏襲できない。また、ノイズを抑制するうえで、被検眼に入射させる測定光の光量を増大させるにしても、安全性の観点から限度がある、このため、SS−OCTでは、掃引周波数を変更することは、スペクトル干渉信号のSN比を調整するうえで有意義と考えられる。
また、SS−OCTでは、スペクトル干渉信号のサンプリングレートを一定とした場合、掃引周波数が小さくなるほど、OCTデータにおける深さ方向の撮影範囲が広くなる。
波長掃引光源では、位相スロープの傾きが、掃引周波数に応じて変化する場合があり得る。つまり、サンプリングタイミングと光源から出射される光の波長との対応関係が、第1周波数であるときと、第2周波数であるときと、の間で、非線形的に変化してしまう場合があり得る。このため、第1周波数であるときと、第2周波数であるときと、のそれぞれにおいて、OCTデータを適切に得るためには、サンプリングされたスペクトル干渉信号を波長空間にマッピングするうえでの条件が、掃引周波数毎に変更される必要がある。
<補正処理>
これに対し、第1実施形態の演算制御部は、補正処理を実行する。補正処理では、上記複数の条件の一部における掃引周波数に応じた変化が抑制されるように、OCT光学系の制御、および、画像処理器によるスペクトル干渉信号の演算処理のうち、少なくともいずれかが、掃引周波数に応じて補正される。
<深さ方向の撮影範囲に関する補正>
演算制御部は、補正処理において以下の手法の何れかを利用することにより、OCTデータにおける深さ方向の撮影範囲を、掃引周波数の変更前後で維持してもよい。例えば、以下の手法のいずれかによって、1回のAスキャンあたりのサンプリング数が、前記掃引周波数が第1周期であるときと第2周期であるときとの間で等しくなるように調整することによって、撮影範囲を維持してもよい。
深さ方向の撮影範囲を維持するための第1の手法として、演算制御部は、変換部におけるサンプリングレートを、掃引周波数に応じて変更してもよい。掃引周波数が一定の場合、サンプリングレートが大きいほど、深さ方向の撮影範囲が広くなる。そこで、掃引周波数と共にサンプリングレートが増大されることで、掃引周波数が変更される前後において撮影範囲を維持してもよい。
深さ方向の撮影範囲を維持するための第2の手法として、演算制御部は、サンプリングして得たスペクトル干渉信号を、アナログ/デジタル変換の前後何れかにおいて、掃引周波数に応じて間引いてもよい。例えば、掃引周波数がより小さな第2周波数であるときに、干渉信号を間引くことで、掃引周波数がより大きな第1周波数であるときに対して、深さ方向の撮影範囲を等しくすることができる。
深さ方向の撮影範囲を維持するための第3の手法として、演算制御部は、アナログ/デジタル変換の前後何れかにおいて、サンプリングして得たスペクトル干渉信号に対し、内挿(補間)を行ってもよい。例えば、掃引周波数がより大きな第1周波数であるときにサンプリング結果を内挿することで、掃引周波数がより小さな第2周波数であるときに対して、深さ方向の撮影範囲を等しくすることができる。
<マッピングに関する補正>
演算制御部は、それぞれのサンプリングで得られたスペクトル干渉信号を波長空間へマッピングするためのマッピング情報を、掃引周波数に応じて変更してもよい。マッピング情報は、サンプリングタイミングと光源から出射される光の波長との対応関係(つまり、マッピングの条件)を示す。キャリブレーションとして、掃引周波数毎に、出射される光の波長の経時変化を測定し、測定結果に基づいて各掃引周波数に対するマッピング情報を求めてもよい。マッピング情報は、例えば、ルックアップテーブルであってもよい。このようなマッピング情報が掃引周波数に応じて変更されることによって、それぞれの掃引周波数において、スペクトル干渉信号に対する演算処理に基づいて、適切なOCTデータを取得できる。
<光量の補正>
掃引周波数が変更されると、掃引周波数に応じてデューティ比が変更される。その結果、スペクトル干渉信号の感度が低下してしまうと考えられる。これに対し、演算制御部は、波長掃引光源から出射される光の光量を、掃引周波数毎に変更してもよい。
<掃引周波数の選択方法について>
波長掃引光源における掃引周波数は、検者からの操作入力に基づいて、選択されてもよい。この場合、OCT装置は、操作入力を受け付ける入力受付部を備えていてもよい。
操作入力は、測定部位、測定範囲、および、スキャンパターンのうちいずれかを設定するための操作入力であってもよい。つまり、操作入力に基づいて設定される、測定部位、測定範囲、および、スキャンパターンのうちいずれかに応じて、自動的に掃引周波数が設定されてもよい。例えば、スキャンパターンとして、第1のスキャンパターンと、第1のスキャンパターンに対して狭い範囲をスキャンする第2のスキャンパターンとが用意されている場合がある。この場合において、第1のスキャンパターンが選択されたときは掃引周波数としては第1の値が選択され、第2のスキャンパターンが選択されたときは掃引周波数としては第2の値が選択されてもよい。これにより、より広範囲をスキャンする場合に、測定時間を抑制でき、より狭い範囲をスキャンする場合に、高画質なOCTデータを得ることができる。
また、眼底のOCTデータを取得する場合において、波長掃引光源における掃引周波数は、被検眼における透光体の混濁の程度に応じて、変更されてもよい。この場合、OCT装置は、被検眼における透光体の混濁を検出する検出手段を有してもよい。演算制御部は、検出される混濁の程度に応じて、光源における掃引周波数を変更してもよい。
被検眼の透光体の混濁を検出する手法としては、種々の手法が考えられる。例えば、透光体を、OCT光学系、又は、別体の光学系を用いて撮影し、撮影された画像から混濁を検出してもよい。また、眼底画像を取得し、眼底画像に基づいて、有意な混濁の有無を判定してもよい(つまり、混濁検出を行ってもよい)。勿論、眼底画像の画質が低い場合は、混濁以外の要因があるが、混濁以外の要因である場合でも、改善が期待できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態のOCT装置等によれば、光路長差の調整に伴う被検者の負担が低減される。
第2実施形態に係るOCT装置は、OCT光学系、画像処理器、光路長差調整部、および、演算制御部(実施形態における制御手段)を少なくとも含む。また、第2実施形態に係るOCT装置は、深さ方向に関して広域のOCTデータの取得に適している。追加的に、第2実施形態に係るOCT装置は、フォーカス調整部を有していてもよい。
第2実施形態におけるOCT光学系は、被検眼の組織に導かれる測定光と参照光とのスペクトル干渉信号を検出するOCT光学系である。また、第2実施形態におけるOCT光学系は、深さ方向に関して広域なOCTデータを取得可能である。但し、OCT光学系は、必ずしもSS−OCT光学系である必要はなく、SD−OCT光学系であってもよい。但し、SD−OCT光学系である場合は、本発明が実施できる程度に、深さ方向の撮影範囲を十分に有していることが望ましい。この場合、フルレンジ処理を利用してもよい。
第2実施形態では、広域なOCTデータが、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号に基づいて、画像処理器によって取得される。
<光路長差調整部>
光路長差調整部は、測定光と参照光との光路長差を変更する。これにより、OCTデータが取得される深さ位置を調整する。例えば、測定光路と参照光路との少なくともいずれかの光路長が変更され、その結果として、光路長差が変更されてもよい。光路長差調整部は、測定光路と参照光路の少なくともいずれかに配置された光学部材を駆動部により移動させることによって光路長差を変更してもよい。また、光路長差調整部は、被検眼と装置との間の作動距離を調整することによって、光路長差を変更してもよい。
<演算制御部>
第2実施形態において、演算制御部は、調整処理と、キャプチャー処理(OCTデータのキャプチャー)と、を実行する。
<調整処理(調整ステップ)>
調整処理について、詳細に説明する。第1実施形態において、調整処理では、OCTデータが取得される深さ位置が、少なくとも調整される。深さ位置は、光路長差を調整することで調整される。第2実施形態では、調整処理によって、OCTデータにおける所定区間(詳細は後述)に眼底の像(眼底の像と対応する信号)が含まれるように、深さ位置(および光路長差)が調整される。
なお、所定区間は、特に断りが無い限り、OCTデータにおけるゼロディレイ位置に対し予め定められた一方向側のデータ(図3では、第1の画像データG1および第2の画像データG2のうち予め定められた一方)を指す。但し、フルレンジ処理が行われる場合は、この限りでなく、OCTデータ全体(図3では、第1の画像データG1および第2の画像データG2の両方)が所定区間であってもよい。
また、調整処理では、フォーカス、および、偏光等のその他の条件が調整されてもよい。それぞれの条件の調整は、順番(つまり、シーケンシャル)に行われてもよいし、並列的に行われてもよい。
深さ位置の初期位置として、第1眼底位置から第2眼底位置までが、OCTデータにおける所定区間に含まれるような位置が設定される。ここで、第1眼底位置は、短眼軸長眼または長眼軸長眼において想定される眼底位置である。第2眼底位置は、平均的な眼軸長眼において想定される眼底位置である。ここで、短眼軸長眼において想定される眼底位置は、小児において想定される眼底位置(例えば、角膜から22mm未満)であってもよい。また、長眼軸長眼において想定される眼底位置は、例えば、強度近視眼において想定される眼底位置(例えば、角膜から26mm以上)であってもよい。
本実施形態において、OCTデータにおける所定区間は、第1眼底位置から第2眼底位置までの間隔に対して、十分長いことが要求される。
ここで、平均的な眼軸長の値については、統計毎にばらつきがあるものの、24mm前後の値が多用されている。また、眼軸長が極端に短いケースとして約16mmという値の報告がある。両者の差は8mm程度である。そこで、第1眼底位置として短眼軸長眼において想定される眼底位置が採用される場合は、第1眼底位置から第2眼底位置までの間隔は、一例として、8mm以上であってもよい。このように第1眼底位置および第2眼底位置を想定した場合、OCTデータにおける所定区間は、8mm以上確保されることが要求される。
調整処理では、深さ位置が初期位置であるときに、OCTデータが取得される。このときに取得されるOCTデータに対し、眼底の像(および眼底の像と対応する信号)の検出処理が行われてもよい。検出処理の結果、OCTデータにおける所定区間内に眼底の像が含まれている場合は、キャプチャー処理が実行されてもよい。
所定区間は、画像出力等の出力対象となる区間であって、OCTデータの一部の区間であってもよいし、全区間であってもよい。所定区間内に眼底の像が位置する場合は、眼底の像の位置に関わらず、キャプチャー処理が実行されてもよい。このとき、撮影範囲の深さ位置を初期位置から変更しないでキャプチャー処理が実行されてもよい。
一方、深さ位置が初期位置であるときの所定区間内に眼底の像が含まれていない場合は、深さ位置が初期位置から変更される。
<第1の手法>
例えば、深さ位置の初期位置であるときに、所定区間の中央が第2眼底位置に対してオフセットしている場合は、次の第1の手法で、深さ位置が変更されてもよい
すなわち、第1の手法では、前述の第1眼底位置が短眼軸長眼において想定される眼底位置である場合は奥側へ、第1眼底位置が長眼軸長眼において想定される眼底位置である場合は手前側へ、深さ位置が初期位置から変更される。
第1の手法において、初期位置から1ステップ分変更された位置を、便宜上、第2の位置と称する。第2の位置は、所定区間内に第3眼底位置が含まれるような位置である。第3眼底位置は、短眼軸長眼において想定される眼底位置、および、長眼軸長眼において想定される眼底位置のうち、第1眼底位置とする一方に対する他方である。
なお、第1の手法による深さ位置の調整の様子を、図6に示している。図6では、領域G1として、OCTデータにおける所定区間が示されている。また、第1眼底位置,第2眼底位置,第3眼底位置は、それぞれ符号Er1,Er2,Er3として示されている。図6に示すように、第1眼底位置が短眼軸長眼において想定される眼底位置であり、第3眼底位置が短眼軸長眼において想定される眼底位置である場合は、図6(a)⇒図6(b)のように、初期位置からの1ステップで所定区間は変位される。
深さ位置が第2の位置に変更されたときに眼底の像が所定区間内に位置する場合は、眼底の像の位置に関わらず、キャプチャー処理が実行されてもよい。
第1の手法によれば、ほとんどの被検眼において、1ステップ以内の調整で(換言すれば、初期値から1回変更するだけで)、OCTデータのキャプチャーを開始できる。結果、被検眼の眼軸長に関わらず、速やかにOCTデータをキャプチャーできる。
なお、初期位置であるときと第2の位置であるときと、の間における所定区間の重複量(図6において符号Dで示す)は、所定区間の半分以下としてもよい。OCTデータの撮影範囲が深さ方向に広域であるので、重複量が所定区間の半分以下であっても、眼底の像が適正に検出されるように、深さ位置を調整しやすい。
<第2の手法>
また、例えば、深さ位置の初期位置であるときに、第2眼底位置が所定区間の略中央に位置している場合は、次の第2の手法で、深さ位置が変更されてもよい。
ここで、第2の手法において、初期位置から2ステップ以内に変更された位置を、便宜上、それぞれ、第3の位置、および、第4の位置と称する。
第2の手法では、初期位置に対して手前側の第3の位置および奥側の第4の位置に深さ位置が順次変更される。但し、第3の位置および第4の位置のうちいずれかで眼底の像が所定区間内に位置した段階で、眼底の像の位置に関わらずキャプチャー処理が実行される。
ところで、軽度な近視眼および遠視眼を含む正常眼における眼軸長は、第2眼底位置(略0D)を略中央とした正規分布を示す。強度近視眼等、眼軸長に病的な異常がある眼は上記の正規分布に従わないが、正規分布の母数(正常眼)に対し、比較的少数となる。よって、第2の手法によれば、初期位置において、第2眼底位置が所定区間の中央に配置されることで、より多くの被検眼に対して、必ずしも初期位置からの調整を要せずに、キャプチャーが実行される。結果、深さ位置の調整に要する時間が短縮されやすい。
なお、第2の手法による深さ位置の調整の様子を、図7に示している。図7では、図6同様、符号G1によって所定区間が示されている。また、第1眼底位置,第2眼底位置,第3眼底位置は、それぞれ符号Er1,Er2,Er3として示されている。第2の手法では、図7(a)⇒図7(b)⇒図7(c)、または、図7(a)⇒図7(c)⇒図7(d)のように、初期位置からの2ステップ以内で所定区間の変位が行われる。
なお、深達性の高いOCT光源(例えば、VCSEL式波長掃引光源を用いることで、或いは、深達性の高いOCT光源とフルレンジ処理とを併用することで、角膜から16mm〜32mmの範囲を、ワンショットで撮影できることも考えられる。この場合、ほとんどの被検眼において、初期位置からの深さ位置の変更を必ずしも必要とせずに、キャプチャーを開始できる。
<キャプチャー処理(キャプチャーステップ)>
キャプチャー処理によって、OCTデータがキャプチャーされる。例えば、被検眼の組織上であらかじめ定められたスキャンラインに沿って、測定光が走査され、複数のスキャンラインのそれぞれのOCTデータが撮影データとして取得される。撮影データは、メモリに記憶される。
<撮影結果の表示>
上記のようにしてキャプチャーされたOCTデータにおいて、眼底の像は、撮影範囲全体のうち狭い範囲で描写される。従って、撮影範囲全体が、そのまま画面上に表示された場合、眼底の組織が観察し難いと考えられる。これに対し、本実施形態では、OCTデータを表示する際に、以下の<設定ステップ>および<表示制御ステップ>が、実行されてもよい。
<設定ステップ>
設定ステップでは、OCTデータにおける一部の深さ領域に対し、抽出領域が設定される。
ここで、図3を用いて、本実施形態における抽出領域を説明する。図3には、視覚化されたOCTデータの一例である断層画像の画像データGが示されている。画像データGは、ゼロディレイ位置Zより奥側に対応する第1の画像データG1と、ゼロディレイ位置Zより手前側に対応する第2の画像データG2からなり、ゼロディレイ位置Zに関して互いに対称な画像となっている。詳細には、眼底の像の実像と虚像とが、ゼロディレイ位置Zに関して互いに対称に形成される。
設定ステップでは、ゼロディレイ位置Zから一方向側のデータ(図3では、第1の画像データG1および第2の画像データG2のいずれか)に対して、抽出領域が設定される。その際、組織の像位置を含む深さ領域が、抽出領域として設定される。換言すれば、抽出領域の上端と下端との間に組織の像位置が含まれるように、抽出領域の上端および下端の一方または両方と、ゼロディレイ位置との距離が調整される。
ここで、設定ステップでは、OCTデータにおける組織の像位置が検出されてもよい。この場合、抽出領域の上端および下端の一方または両方とゼロディレイ位置との距離が、検出された像位置に基づいて調整されてもよい。この場合、例えば、抽出領域における基準位置と、OCTデータにおける組織の像位置との関係が調整されることで、結果的に、抽出領域における上端および下端の一方または両方とゼロディレイ位置との距離が調整されてもよい。
眼底中心部(黄斑―乳頭間)の網膜表面から脈絡膜までを観察するうえで、深さ方向の撮影範囲が、数ミリ(例えば、2mm〜3mm)程度あれば足りるのに対し、波長掃引式OCTでは、その2倍以上の撮影範囲(ゼロディレイ位置から一方向側の撮影範囲)が実現され得る。この場合、眼底中心部が抽出OCTデータにおいて表示する場合に、抽出元となるOCTデータの撮影範囲に対し、抽出領域の深さ方向の長さは半分以下であることが好ましい。
なお、第2実施形態に係るOCTデータに対しても、フルレンジ化技術が適用されてもよい。つまり、虚像が選択的に除去された更に広範囲のOCTデータが取得可能であってもよい。この場合、第1の画像データG1および第2の画像データG2を合わせた領域から、任意の深さ位置に抽出領域を設定できる。
<表示制御ステップ>
表示制御ステップでは、抽出領域に対応する抽出OCTデータが、OCTデータから抽出され、モニタ上において予め定められた表示領域に表示される。よって、本実施形態では、深達性の高いOCTデータが取得された場合であっても、OCTデータ全体ではなく、OCTデータから組織の像位置を含む深さ領域が抽出されて表示される。従って、予め定められた表示領域に対して、被検眼の組織の像がより拡大して表示される。その結果、抽出OCTデータを介して、被検眼の組織の状態が良好に把握されやすくなる。
<抽出領域の位置を示す情報の表示>
また、表示制御ステップでは、抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係を示す情報を、抽出OCTデータと共に、モニタ上に表示させてもよい。このような情報が表示されることで、例えば、抽出OCTデータに含まれる被検眼の組織の位置が把握されやすくなる。
抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係を示す情報は、例えば、グラフィックとして表示されてもよいし、テキストとして表示されてもよいし、両者の組み合わせとして表示されてもよい。グラフィックは、抽出元となったOCTデータのサムネイル画像であってもよいし、その他であってもよい。OCTデータのサムネイル画像が表示される場合は、更に、サムネイル画像上において抽出領域が強調表示されてもよい。また、グラフィックは、抽出元となったOCTデータに含まれる組織と、抽出領域との位置関係を示してもよい(例えば、図9参照)。更に、グラフィックは、例えば、次のようなインジケータであってもよい。インジケータは、OCTデータの撮影範囲を示すバーや数直線であって、抽出領域と対応する範囲が、他の範囲に対して識別可能な態様で強調される。また、抽出元となったOCTデータに含まれる組織と、抽出領域との位置関係を色によって示す、インジケータであってもよい。例えば、抽出領域に組織が含まれている場合は緑色に、含まれていない場合は赤色に、インジケータの色が変化されてもよい。
<変更ステップ>
変更ステップでは、OCTデータに対する抽出領域の深さ位置および範囲の少なくとも一方を変更するための操作入力が受け付けられる。また、操作入力に基づいて抽出領域の深さ位置および範囲の少なくとも一方が変更される。
操作入力は、各種の入力インターフェースを介して入力されてもよい。
抽出領域の位置を示すグラフィックが、変更ステップにおいて操作入力を受け付けるためのウィジェットとして利用されてもよい。この場合、抽出領域を変更するための操作入力が、上述のグラフィックを介して入力されてもよい。1つの具体例として、サムネイル画像上またはインジケータ上における強調箇所を移動させる操作が、抽出領域を変更するための操作入力として入力可能であってもよい。なお、ここでいうウィジェットは、GUIのインターフェース部品(UIパーツ)の総称であり、コントロールとも称する。ウィジェットの具体例としては、ボタン、スライダー、チェックボックス、テキストボックス、等、多用なものが知られている。
変更ステップによって、抽出領域の深さ位置および範囲の少なくとも一方が変更された場合には、その後の表示制御ステップにおいて、所定の表示領域に表示される抽出OCTデータが、変更後の抽出領域と対応するものへと切り換えられる。
これにより、OCTデータに含まれる組織であって、所望の深さ位置にある組織を、モニタ上で観察可能となる。
また、変更ステップによって、抽出領域の深さ位置および範囲の少なくとも一方が変更された場合には、その後の表示制御ステップにおいて、モニタ上における抽出OCTデータの表示態様が、変更後の抽出領域に応じて変更されてもよい。
本実施形態において、表示態様の変更は、例えば、モニタ上における抽出OCTデータのレイアウトが変更されることによって実現されてもよい。この場合、抽出OCTデータが表示される表示領域の位置、大きさ、形状、のいずれかが変更されることによって、レイアウトが変更されてもよい。また、抽出領域に応じて表示領域内の抽出OCTデータの縮尺、および、縦横比の少なくともいずれかが変更されることによって、表示態様が変更されてもよい。また、抽出領域に応じて表示領域内の座標系が変更されることによって、表示態様が変更されてもよい。この場合、座標系にあわせて抽出OCTデータが変換(変形)される。更には、上記の例の幾つかを組み合わせてもよい。
本実施形態では、取得ステップにおいて、被検眼において互いに異なる深さ位置にある複数の組織の像を含んだOCTデータが取得されてもよい。この場合、表示制御ステップでは、抽出領域に含まれる組織の種別に応じて、抽出OCTデータの表示態様が変更されてもよい。例えば、少なくとも、抽出領域に眼底組織のみが含まれる場合と、抽出領域に透光体が含まれる場合と、の間で、表示態様が変更されてもよい。また、抽出領域に含まれる組織の種別の数に応じて、表示態様が変更されてもよい。
<複数スキャンラインのOCTデータによる順次表示>
取得ステップでは、予め定められた複数のスキャンラインのそれぞれに対する複数のOCTデータが取得されてもよい。複数のOCTデータを撮影するために、OCT光学系によって、複数のスキャンラインが連続的にスキャンされていてもよい。複数のスキャンラインは、ラスタースキャンによって互いに近接した位置(例えば、略1画素分ずつ離れた位置)に設定されてもよい。
この場合、設定ステップでは、被検体の像位置に対する抽出領域の位置が、複数のOCTデータの間で一致されるように、各々のOCTデータに対する抽出領域の設定処理が行われてもよい。また、表示制御ステップでは、複数のOCTデータのそれぞれから抽出される抽出OCTが、表示領域において順次表示されてもよい。このとき、抽出OCTデータによって表示される組織上の位置が、一方向に遷移するように、複数の抽出OCTデータが切り換え表示されてもよい。これによって、表示領域での複数の抽出OCTデータの順次表示において、組織の像の位置が表示領域に対して維持される。
但し、必ずしもこれに限られるものではない。設定ステップでは、抽出領域の深さ位置が、複数のOCTデータの間で一致されるように、各々のOCTデータに対する抽出領域の設定処理が行われてもよい。抽出OCTデータによって表示される組織上の位置が、一方向に遷移するように、複数の抽出OCTデータが切り換え表示された場合、表示領域内で組織の像位置が変位する。結果、順次表示において組織の立体形状が順次表示において把握されやすくなる。
<リアルタイム表示>
OCT光学系を介して新たなOCTデータが撮影される都度、逐次、上記の順次表示によって、リアルタイムな抽出OCTデータが表示されてもよい。この場合、例えば、取得ステップでは、OCT光学系によって各々のスキャンラインが走査されることによってOCTデータが画像処理器によって生成される都度、そのOCTデータが新たなOCTデータとして随時取得される。また、新たなOCTデータに抽出領域が設定されて、抽出領域と対応する抽出OCTデータが、表示領域においてリアルタイムに表示される。
<フォローアップ表示>
また、走査線の位置が互いに一致し、撮影日が互いに異なる、複数のOCTデータを用いた経過観察(フォローアップ)のために、次のような処理が行われてもよい。
例えば、取得ステップでは、走査線の位置が互いに一致し、撮影日が互いに異なる、複数のOCTデータを取得してもよい。
また、設定ステップでは、複数のOCTデータの間で被検体の像位置に対する前記抽出領域の位置が一致されるように、各々のOCTデータに対する抽出領域の設定処理が行われてもよい。また、表示制御ステップでは、複数のOCTデータのそれぞれから抽出される抽出OCTが、表示領域において順次表示(切り換えて表示)されてもよい。表示領域において、撮影日が互いに異なる抽出OCTデータが、組織の像の位置を略一致させて切り換えて表示されるので、検者が注目する組織における、経時変化を観察しやすい。
<合成OCTデータの表示>
抽出領域が設定されるOCTデータは、合成OCTデータのであってもよい。合成OCTデータは、深さ位置が互いに異なる複数のOCTデータを合成することによって生成される(例えば、本出願人による下記の特許文献3を参照)。合成OCTデータには、少なくとも前眼部と眼底のOCTデータが含まれていてもよい。また、更に、赤道部のOCTデータが含まれていてもよい。
特開2012-75640号公報
合成OCTデータにおいても、個別の組織が観察し難くなるので、所望の領域に抽出領域を設定し、該領域をあらかじめ定められた表示領域において拡大表示させてもよい。
<抽出領域以外のデータの削減>
より深達性の高いOCTデータでは、OCTデータのデータ容量が肥大化し得る。一方、深達性の高いOCTデータにおいて、被検眼の組織が占める深さ領域は、従前と変わらない場合が考えられる。そこで、本実施形態では、抽出領域が設定されることにより、抽出領域以外の領域のデータがOCTから削減(削除または圧縮)されてもよい。その結果、抽出領域のデータ(つまり、抽出OCTデータ)が元のOCTデータの代わりにメモリに保存されてもよい。
「実施例」
以下、実施例として、図1,2に示すOCTシステム(光コヒーレンストモグラフィーシステム)を説明する。
図1に示すように、実施例に係るOCTシステムは、光学ユニット10と、本実施例のコンピュータに相当する制御ユニット50と、を少なくとも含む。本実施例において、光学ユニット10と、制御ユニット50と、は、OCT装置として、一体化されている。本実施例に係るOCTシステム(OCT装置)は、波長掃引式OCT(SS−OCT)を基本的構成としている。
光学ユニット10は、OCT光学系100(図2参照)を備える。更に、本実施例における光学ユニット10は、観察光学系200を備える。また、制御ユニット50は、本実施例におけるコンピュータであり、OCTシステムの全体を制御する演算制御部(プロセッサ)70を少なくとも備える。演算制御部(以下、単に制御部という)70は、例えば、CPUおよびメモリなどによって構成される。一例として、本実施例では、制御部70が、OCTシステムにおける画像処理器を兼用している。
その他、OCTシステムには、記憶部(メモリ)72、入力インターフェース(操作部)75、モニタ80、等が設けられてもよい。各部は、制御部70に接続される。
OCT装置の動作を制御するための各種プログラム、初期値等は、メモリ72に記憶されてもよい。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、および、OCT装置に着脱可能に装着されるUSBメモリ等をメモリ72として使用することができる。また、メモリ72には、OCTデータから生成されるOCT画像の他、撮影に関する各種情報が記憶されてもよい。モニタ80は、OCTデータ(OCT画像)を表示してもよい。
<OCT光学系>
次に、図2を参照し、本実施例におけるOCT光学系100を説明する。OCT光学系100は、導光光学系150によって測定光を被検眼Eに導く。OCT光学系100は、参照光学系110に参照光を導く。OCT光学系100は、被検眼Eによって反射された測定光と参照光との干渉、によって取得される干渉信号光を検出器(受光素子)120に受光させる。なお、OCT光学系100は、図示無き筐体(装置本体)内に搭載され、ジョイスティック等の操作部材を介して周知のアライメント移動機構により眼Eに対して筐体を3次元的に移動させることによって被検眼に対するアライメントが行われてもよい。
本実施例において、OCT光学系100には、SS−OCT方式が用いられる。この場合、OCT光学系100は、OCT光源102として、波長掃引光源を有する。また、OCT光学系100は、検出器120として、点検出器を有する。
波長掃引光源は、出射波長が時間的に掃引される。OCT光源102は、VCSEL式波長掃引光源であってもよい。VCSEL式波長掃引光源は、レーザ発振を担うVCSELと、高速走査を実現するMEMSと、を含む。本実施例におけるVCSEL式波長掃引光源として、掃引周波数を変更可能なデバイスが用いられる。
本実施例において検出器120は、複数(例えば、2つ)の検出器を用いて平衡検出を行う平衡検出器である。制御部70は、波長掃引光源による出射波長の変化に応じて参照光と測定光の戻り光の干渉信号をサンプリングし、サンプリングによって得られた各波長での干渉信号に基づいて被検眼のOCTデータを得る。
カップラ(スプリッタ)104は、第1の光分割器として用いられ、光源102から出射された光を測定光路と参照光路に分割する。カップラ104は、例えば、光源102からの光を測定光路側の光ファイバー152に導光すると共に、参照光路側の参照光学系110に導光する。
<導光光学系>
導光光学系150は、測定光を眼Eに導くために設けられる。導光光学系150には、例えば、光ファイバー152、コリメータレンズ153、フォーカシングレンズ155、光スキャナ156、及び、対物レンズ系158(本実施例における対物光学系)が順次設けられてもよい。この場合、測定光は、光ファイバー152の出射端から出射され、コリメータレンズ153によって平行ビームとなる。その後、フォーカシングレンズ155を介して、光スキャナ156に向かう。フォーカシングレンズ155は、図示なき駆動部によって光軸に沿って変位可能であり、眼底での集光状態を調整するために利用される。光スキャナ156を通過した光は、対物レンズ系158を介して、眼Eに照射される。対物レンズ系158に関して光スキャナ156と共役な位置に、第1の旋回点P1が形成される。この旋回点P1に前眼部が位置することで、測定光はケラレずに眼底に到達する。また、光スキャナ156の動作に応じて測定光が眼底上で走査される。このとき、測定光は、眼底の組織によって散乱・反射される。
光スキャナ156は、眼E上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させてもよい。光スキャナ156は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構によって任意に調整される。光源102から出射された光束は、その反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。光スキャナ156としては、例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられてもよい。
測定光による眼Eからの散乱光(反射光)は、投光時の経路を遡って、光ファイバー152へ入射され、カップラ104に達する。カップラ104は、光ファイバー152からの光を、検出器120に向かう光路へと導く。
<参照光学系>
参照光学系110は、測定光の眼底反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110を経由した参照光は、カップラ148にて測定光路からの光と合波されて干渉する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。
図2に示す参照光学系110は、一例として、透過光学系によって形成されている。この場合、参照光学系110は、カップラ104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。これに限らず、参照光学系110は、例えば、反射光学系によって形成され、カップラ104からの光を反射光学系により反射することにより検出器120に導いてもよい。本実施例において、カップラ104から検出器120までの光路上には、光路長差調整部145、および、偏波調整部147、が配置されている。
光路長差調整部145は、測定光と参照光との光路長差を調整するために利用される。本実施例では、参照光路上に、直交した2つの面を持つミラー145aが設けられている。このミラー145aがアクチュエータ145bによって矢印方向に移動されることによって、参照光路の光路長を増減することができる。勿論、測定光と参照光との光路長差が調整する構成は、これに限られるものではない。例えば、導光光学系150において、コリメータレンズ153とカップラとが一体的に移動されることで、測定光の光路長が調整され、結果として、測定光と参照光との光路長差が調整されてもよい。
本実施例において、偏波調整部147は、参照光の偏光を調整する。偏波調整部は測定光路上に配置されていてもよい。
<深さ情報の取得>
制御部70は、検出器120によって検出されたスペクトル信号を処理(フーリエ解析)し、被検眼のOCTデータを得る。
スペクトル信号(スペクトルデータ)は、波長λの関数として書き換えられ、波数k(=2π/λ)に関して等間隔な関数I(k)に変換されてもよい。あるいは、初めから波数kに関して等間隔な関数I(k)として取得されてもよい(K―CLOCK技術)。演算制御器は、波数k空間でのスペクトル信号をフーリエ変換することにより深さ(Z)領域におけるOCTデータを得てもよい。
さらに、フーリエ変換後の情報は、Z空間での実数成分と虚数成分を含む信号として表されてもよい。制御部70は、Z空間での信号における実数成分と虚数成分の絶対値を求めることによりOCTデータを得てもよい。
なお、眼底のOCTデータを取得する際には、測定光と参照光との光路長差を、事前に調整しておく必要がある。
<ソフトウェアによる分散補正>
なお、本実施例において、制御部70は、検出器120から出力されるスペクトルデータに対しソフトウェアによる分散補正処理を施してもよい。制御部70は、分散補正後のスペクトルデータに基づいてOCTデータを得る。このため、実像と虚像との間で画質において差異が生じる(図3参照)。
つまり、本実施例において、測定光路と参照光路との間における光学系の分散量の違いは、信号処理的に補正される。詳細には、予めメモリ72に記憶された補正値を、上記のスペクトル信号の処理において適用することによって行われる。
制御部70は、検出器120から出力される受光信号に基づいて光のスペクトル強度を取得し、波長λの関数として書き換える。次に、スペクトル強度I(λ)を波数k(=2π/λ)に関して等間隔な関数I(k)に変換する。
測定光と参照光との分散(dispersion)ミスマッチによる影響は、干渉成分の位相をシフトさせ、各波長の合波信号のピークを下げ、信号に拡がりを持たせる(解像度が下がる)。そこで、分散補正では、波長毎にシフトした位相を戻してやることで、干渉信号の低下による解像度の低下を補正する。この場合、波数kの関数としての位相ずれ量φ(k)を求めておき、I(k)・exp-iφ(k)によってkの値毎に位相のずれを戻す。ここで、分散補正すべき位相φ(k)は、キャリブレーションによって予め求めることもできるし、取得された断層画像に対応する位相φ(k)を求めるようにしてもよい。そして、メモリ72には、分散補正用のパラメータ(例えば、位相φ(k))が記憶される。
その後、制御部70は、設定された分散補正データによって補正された分散補正後のスペクトル強度I(k)をフーリエ変換することにより、OCTデータが得られる。
例えば、実像に対する分散の影響を補正するための分散補正値として第1の分散補正値(正像用)をメモリ72から取得し、検出器120から出力されるスペクトルデータを第1の分散補正値を用いて補正し、補正されたスペクトル強度データをフーリエ変換してOCTデータを形成する。実像Rは、高感度・高解像度の画像にて取得され、虚像M(ミラーイメージ)は、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。
これにより、第1の画像領域G1において実像が取得されたとき、その実像は、高感度・高解像度の画像にて取得され、その虚像(ミラーイメージ)は、第2画像領域G2において、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。一方、第2の画像領域G2において実像が取得されたとき、その虚像は、第1画像領域G1において、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。
もちろん、これに限定されず、虚像Mに対するソフトウェア分散補正が行われても良い。この場合、虚像Mが、高感度・高解像度の画像にて取得され、実像Rが低解像度のぼけた画像にて取得される。
なお、上記のようにソフトウェアによって分散補正を行う手法の詳細については、米国特許第6980299号公報、特表2008−501118号公報、等を参考にされたい。また、特開2010−29648号公報を参考にされたい。
ソフトウェアによる分散補正処理が行われる場合において、眼底中心部でのOCTデータを得る際、例えば、制御部70は、実像と虚像の画像データのうち、感度及び解像度が高い方の画像データを抽出すればよい。
<動作説明>
次に、フローチャートに基づいて、実施例に係るOCT装置の動作を説明する。
まず、図4のフローチャートを参照し、撮影までの流れを説明する。
<S1:撮影動作の設定>
まず、撮影動作が設定される。例えば、被検眼における撮影部位、スキャンパターン、および、撮影種別等が、このとき設定されてもよい。撮影動作の設定を行うために、設定画面が表示されてもよい。
本実施例では、設定画面上において、画質に関する設定が可能である。例えば、より高画質のOCTデータを得るための第1モードと、通常画質のOCTデータを得るための第2モードと、の間で、画質に関するモードを切換可能である。第1モードと、第2モードとの間で、掃引周波数を変更することによって、画質が変更される。本実施例では、第1モードでの掃引周波数はΩAとなり、第2モードでの掃引周波数は、ΩB (但し、ΩB>ΩA)となる。
ここで、光源のデューティ比は、それぞれのモードで同一とする。光源102における波長掃引の様子は、波長空間から波数空間へ変換した場合、図5のように示される。
なお、図5において、ここでΩA=1/Ta、ΩB=1/Tbである。また、波数k=λ/2πは、時間に対して線形に掃引されているものとする。
上記に示した各モードにおけるOCTデータのSN比について検討する。
各モードでデジタイザのサンプリング周期が同一である場合、第1モードでの掃引中のサンプリング回数Naと、第2モードでの掃引中のサンプリング回数Nbとの関係は、次の式(1)によって示される。
Figure 2021108838
測定光および参照光のコヒーレンス長が第1モードと第2モードとの間で同一であれば、各モードにおけるSN比の商は、次の式(2)によって示される。
Figure 2021108838
なお、SNR(a)は、第1モードにおけるSN比、SNR(b)は、第2モードにおけるSN比である。
よって、図5に示したように、Ta>Tbである場合は、第2モードから第1モードへの変更で、SN比の向上が見込まれる。よって、第2モードに比べて、第1モードでは、より高画質なOCTデータを得ることができる。
但し、上記説明では、コヒーレンス長を一定としたが、実際には、波長掃引速度とコヒーレンス長はトレードオフの関係にある。このため、第2モードから第1モードへの変更によって、より大きなSN比の向上が見込まれる。
このとき、本実施例では、デジタイザにおけるサンプリングレートを、掃引周波数に応じて変更することによって、深さ方向の撮影範囲についての、第1モードと第2モードとの間における変化を抑制する。詳細には、掃引周波数と共にサンプリングレートを増大することによって、各モードの間における撮影範囲の変化を抑制する。
また、本実施例では、それぞれのサンプリングで得られたスペクトル干渉信号を波長空間へマッピングするためのマッピング情報を、掃引周波数に応じて変更してもよい。マッピング情報は、サンプリングタイミングと光源から出射される光の波長との対応関係(つまり、マッピングの条件)を示す。本実施例では、モード毎に予め用意されたルックアップテーブルがマッピング情報として利用される。ルックアップテーブルは、掃引周波数毎の、出射される光の波長の経時変化を示す。マッピング情報が掃引周波数に応じて変更されることによって、それぞれの掃引周波数において、スペクトル干渉信号に対する演算処理に基づいて、適切なOCTデータが取得される。
<S2:アライメント>
被検眼に対して装置のアライメントが行われる。例えば、事前に被検者に固視標を注視させたうえで、図示無き前眼部観察用カメラで撮影される前眼部観察像に基づいて、被検眼と測定光軸との位置関係が調整される。例えば、被検眼の瞳孔中心と測定光軸とが一致するように調整される。アライメントは、手動で調整されてもよいし、自動で調整されてもよい。アライメント調整が完了した位置では、観察光学系200による眼底の正面画像が観察画像として取得可能である。
アライメント完了後は、観察光学系200を介した観察画像の取得と、モニタ80における観察画像の表示と、が開始される。併せて、制御部70は、OCT光学系100を介して、OCT画像を、随時取得する。
<S3〜S11:最適化制御>
次いで、撮影条件の最適化制御が行われる。最適化制御を行うことで、検者が所望する眼底部位が、OCT光学系100によって高感度・高解像度で観察できるようにする。なお、本実施例では、OCT光学系100における最適化の制御の一例として、光路長調整、フォーカス調整、および、偏光状態の調整(ポラライザ調整)が実行される。
例えば、図示なき最適化開始ボタン(Optimizeボタン)の操作をトリガとして、最適化制御が開始される。
<S3:撮影条件の初期化>
まず、制御部70は、撮影条件の初期化処理を実行する。本実施例では、初期化処理において、少なくともOPLおよびフォーカス位置が初期化される。例えば、フォーカシングレンズ155の位置とミラー145aの位置とのそれぞれを、予め定められた初期位置(移動開始位置)へ移動させる。ミラー145aが初期位置へ移動されることによって、OCTデータが取得される深さ位置が、初期位置に設定される。
本実施例では、ミラー145aが初期位置であるとき(つまり、深さ位置が初期位置であるとき)に、図6(a)に示すように、第1眼底位置Er1から第2眼底位置Er2までが、OCTデータの所定区間(図6においては画像領域G1)に含まれる。ここで、本実施例において第1眼底位置Er1は、短眼軸長眼において想定される眼底位置である。ここでは、1具体例として、角膜から奥側に16mmの位置が第1眼底位置Er1として用いられる。また、本実施例における第2眼底位置Er2は、平均的な被検眼において想定される眼底位置である。ここでは、1具体例として、角膜から奥側に24mmの位置が第2眼底位置Er2として用いられる。
また、一例として、第2眼底位置Er2と対応する位置(±0Dに相当)が、フォーカシングレンズ155における初期位置として設定される。但し、フォーカシングレンズ155における初期位置は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、フォーカシングレンズ155の移動限界位置であってもよいし、他の位置であってもよい。
<S4,S5:初期位置での検出処理>
本実施例では、深さ位置が初期位置であるときに、OCTデータが取得される。取得したOCTデータに対して、眼底の像の検出処理が行われる。所定区間内で眼底の像が検出される場合(S5:Yes)、OPLを動かさずに、OPL調整は完了される。
<S6:OPL調整>
一方、所定区間内で眼底の像が検出されなかった場合(S5:No)、OPLが予め定められた第2の値へ変更されるように、ミラー145aを移動させる(S6)。これにより、OCTデータが取得される深さ位置が、より奥側の第の2位置へシフトされる。図6(b)に示すように、本実施例において、深さ位置が第2の位置であるときは、OCTデータの所定区間に第3眼底位置Er3が少なくとも含まれる。本実施例では、一例として、角膜より奥側に32mmの位置が、第3眼底位置Er3として用いられる。
<S7,S8:第2の位置での検出処理>
OPLが第2の値であるときにOCTデータが取得され、取得されたOCTデータに対して、眼底の像の検出処理が行われる。所定区間内に眼底の像が検出される場合に、OPL調整は完了される。ここで、ほとんどの被検眼の眼軸長値が、第1眼底位置Er1から第3眼底位置Er3までと対応する、角膜から16mm〜32mmの範囲に含まれる。それ故、この段階で(つまり、多くても1ステップ分だけOPLが変更されるまでに)、ほとんどの被検眼において、OPL調整が完了される。
一方、OPLが第2の値であるときにOCTデータが検出されなければ、更に奥側にOCTデータの撮影範囲が設定されるように、OPLが再調整されてもよい。或いは、OCTデータの取得時に瞼が閉じられていたりして、OCTデータが適正に取得されていない場合も考えられる。そこで、S3以降の処理をリトライしてもよい。すなわち、初期値および第2の値の少なくともいずれかに、OPLを再度設定したうえで、眼底の像の検出処理を実行してもよい。
本実施例では、OPL調整後に、OCTにおけるフォーカス位置の最適化制御が実行される(S9,S10)。詳細には、フォーカシングレンズ155が、検出処理で検出された眼底の像と対応する位置へと調整される。
深さ位置が初期位置であるときに取得されるOCTデータにおいて、眼底の像が所定区間内で検出されるときは、フォーカシングレンズ155は、初期位置である±0Dに相当する位置からプラス側に移動される(S10)。つまり、測定光の集光位置が、第2の眼底位置から手前側に移動される。一方、深さ位置が第2の位置であるときに取得されるOCTデータにおいて、眼底の像が所定区間内で検出されるときは、フォーカシングレンズ155は、初期位置である±0Dに相当する位置からマイナス側に移動される(S9)。つまり、測定光の集光位置が、第2の眼底位置から奥側に移動される。このように、フォーカシングレンズ155を移動させる方向が眼底の位置に応じて適切に設定される。
フォーカス位置の最適化制御では、取得されたOCTデータに基づいてOCT光学系100のフォーカス位置情報を取得し、フォーカシングレンズ155を調整してもよい。このとき、OCTデータにおける眼底の像の位置に対するフォーカシングレンズの移動量は、実験的に、又は、シミュレーションによって、予め定められていてもよい。また、例えば、所定の層に対してフォーカス位置が合致するように、フォーカシングレンズ155の位置が調整されてもよい。
フォーカス位置の最適化制御は、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、観察画像を利用して、最適なフォーカス位置を検出してもよい。
<S11:ポラライザ調整>
本実施例において、制御部70は、ポラライザ147を駆動させて、測定光と参照光との間における偏光状態を調整する。測定光と参照光の間で偏光状態が合致する場合に、より強い干渉信号が得られるようになる。そこで、測定光と参照光の間で偏光状態が合致するように、ポラライザ147が、受光素子120から出力される出力信号に基づいて、駆動制御される。
より詳細には、本実施例では、OCT画像に基づいて、ポラライザ147が駆動制御される。制御部70は、ポラライザ147の位置(向き)を変更しながら、変更の都度取得されるOCT画像の信号強度を求める。例えば、上述の評価値Bによって、信号強度が示されてもよい。評価値B(ピーク値)がピークとなるポラライザ147の位置を求め、その位置へ調整されることによって、ポラライザ調整が完了される。
以上のようにして、最適化の制御が完了されることにより、検者が所望する眼底部位が高感度・高解像度で観察できるようになる。
<S12:OCT画像の撮影>
本実施例では、最適化の完了後、検者によって図示無き撮影スイッチが押されると、OCT光学系200を介してOCT画像が撮影される。撮影されたOCT画像は、例えば、メモリ75に記憶される。このとき、あらかじめ定められた複数のスキャンパターンのうちいずれかで、OCTデータが撮影されてもよい。
撮影されたOCTデータは、スキャン位置、および、撮影日時を示す識別情報と対応付けて装置のメモリへ記憶(保存)されてもよい。これによって、撮影されたOCTデータが、撮影画像として制御部70によって取得される。一度に複数枚のスライスが撮影されたときは、各々のスライスが取得されてもよい。
このとき、本実施例では、ゼロディレイ位置Zを挟む第1の画像領域G1と第2の画像領域G2とのうち、予め定められた一方が抽出され、撮影画像として取得される。このとき、撮影画像として取得される一方の画像領域には、上記の分散補正の結果として、他方の画像領域と比べてより高感度・高解像度に描写される被検眼の像が、含まれている。
<OCT画像の表示制御>
次に、図8に示すフローチャートに沿って、実施例のOCTシステムで実行される眼科用画像処理方法を説明する。フローチャートの各処理は、眼科用画像処理プログラムに基づいて、制御部70によって実行されてもよい。本実施例では、フローチャートの各処理が実行されることによって、図9〜図11で示すような態様で、少なくとも抽出OCTデータが表示される。
図9〜図11に示した画面を、便宜上、ビュワー画面と称し、撮影が完了した後、OCTデータが表示されることを前提とする。更に、便宜上、以下の説明におけるOCTデータは、いずれもBスキャンデータである。また、スキャンラインと対応するOCTデータを、スライスともいう。
<S52:表示対象の選択>
本実施例では、事前に行われたS12の処理によって、OCTデータが取得されている。このとき、複数枚のスライスが取得されている場合は、図9〜図10に示す画面において最初に表示されるスライスが選択される。最初に表示されるスライスは、スキャンパターンごとに、予め定められていてもよい。
一例として、図9〜図10の例では、「マルチ」のスキャンパターンによって撮影されたスライスの表示例を示している。この場合、各々のスライスは、水平方向のスキャンに基づいて取得される。各々のスライスと対応するスキャンライン231〜233は、上下方向に関して互いに異なるように設定される。この場合、図9〜図10に示すように、中心窩を通るスキャンライン231と対応するスライスが、最初に表示されるスライスとして選択されるよう、予め定められていてもよい。
<S53:抽出領域の自動設定(本実施例の設定ステップ)>
次に、表示対象として選択されたスライスにおける抽出領域が設定される(S53)。本実施例では、スライスに含まれる眼底の像が、画像処理によって検出されてもよく、眼底の像の検出位置を基準として、抽出領域が設定されてもよい。
眼底の像は、例えば、OCTデータの深さ方向に関する信号の強度分布に基づいて検出されてもよいし、画像の特徴量に基づいて検出されてもよいし、その他の検出手法によって検出されてもよい。
S52のステップにおいて設定される抽出領域のサイズは、予め定められていてもよい。この場合、検出された像位置が、抽出領域の上端と下端との間に含まれるように、ゼロディレイ位置と抽出領域との距離が調整される。
<S54:抽出OCTデータの表示>
抽出領域の設定後、抽出OCTデータの表示が開始される。一例として、図9〜図10で示すような態様で表示が行われる。
図9〜図10に示すように、ビュワー画面において予め定められた第1表示領域210に対して、抽出OCTデータが表示される。
図9〜図10に示したビュワー画面では、第1表示領域210とは異なる位置に、第2表示領域220が設けられている。第2表示領域220は、サムネイル表領域ともいう。抽出OCTデータの抽出元となったスライス全体が、サムネイルとして、第2表示領域220に表示される。つまり、本実施例では、抽出OCTデータと、抽出OCTデータの抽出元となったOCTデータとが、互いに異なる表示領域において、同時に表示される。このとき、抽出OCTデータは、サムネイルに対して拡大表示される。
第2表示領域220には、サムネイルと共に、選択枠221が表示される。抽出OCTデータの抽出位置が、選択枠221によって、グラフィカルに示される。本実施例では、選択枠221によって、抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係が示される。
また、ビュワー画面上には、抽出領域の深さ位置を示すテキスト情報が、表示されてもよい。テキスト情報は、抽出領域の位置を、原点位置(ゼロディレイ位置)を基準として示すものであってもよく、例えば、抽出領域のZ座標であってもよいし、原点位置から抽出領域までの光路長であってもよい。
追加的に、ビュワー画面には、眼底の正面画像が、第3表示領域230に表示されてもよい。正面画像上には、スキャンラインが重畳されてもよい。図9〜図10では、表示中のスライスと対応するスキャンライン231と、表示中のスライスから切り換えて表示可能な他のスライスと対応するスキャンライン232,233と、がそれぞれ正面画像上に表示される。
<S55:各種操作入力の受付>
ビュワー画面が表示された状態で、制御部70は、各種の指示を、入力インターフェース75に対する操作入力に基づいて受け付け可能である(S55)。例えば、入力インターフェース75を介してポインタCを移動させ、各種ウィジェットを選択可能であってもよい。各種のウィジェットを介して、各種の操作入力が入力される。
<抽出領域の変更>
本実施例では、ビュワー画面が表示された状態で、制御部70は、表示対象となるスライスを維持したままで抽出領域を変更するための変更指示を受け付けてもよい。抽出領域の変更指示は、上述の選択枠221(ウィジェットの一例)を介した操作入力に基づいて受け付けてもよい。抽出領域の変更指示を受け付け得た場合(S56:Yes)、指示に応じて抽出領域が更新(新たに設定)される(S57)。
例えば、抽出領域の位置が、指示に基づいて変更可能であってもよい。この場合、選択枠221が、入力インターフェースを介した操作に基づいて、画面上で上下方向に移動可能であってもよい。選択枠221を移動させる操作が入力されることによって、選択枠221の大きさ、形状を維持したまま、OCTデータにおける抽出領域の位置が変更されてもよい。
また、例えば、抽出領域のサイズが、指示に基づいて変更可能であってもよい。この場合、画面上で、選択枠221の各制御点に対する操作入力に基づいて、選択枠221のサイズが変更可能であってもよい。
抽出領域の位置を変更するための操作入力と、抽出領域のサイズを変更するための操作入力とは、異なっていてもよい。このとき、抽出領域(換言すれば、選択枠221の内側領域)と、選択枠221そのものとが、操作対象として個別に選択可能(指定可能)なウィジェットとして設定されていることで、上記2種類の操作入力を個別に入力可能であってもよい。
抽出領域の変更指示に応じて抽出領域が更新(新たに設定)されると(S57)、更新後の抽出領域と対応する抽出OCTデータが、新たに第1表示領域210に表示される(S54)。その結果、深さ方向に長いOCTデータからでも、検者が所望する一部分を、第1表示領域210において拡大して観察できる。
一例として、図9に対し、OCTデータにおける抽出領域の深さ位置を、より深い位置に変更させることで、図10のような画面が新たに表示されるようになる。
なお、抽出領域のサイズが変更される場合、変更後のサイズにあわせて画面上での第1表示領域210のレイアウトが調整されてもよい。例えば、画面上で第1表示領域210が占める範囲が調整されてもよい。また、画面上で第1表示領域210が占める範囲は一定であって、第1表示領域210の形状にあわせて抽出OCTデータの縦横の縮尺が個別に変更されてもよい。
抽出領域の位置が変更された場合、変更後の抽出領域とS53の処理で設定された抽出領域と、の変位量が、メモリ72に記憶されてもよい。また、抽出領域のサイズが変更された場合、変更後のサイズを特定する情報が、メモリ72に記憶されてもよい。
<表示対象となるOCTデータの変更>
本実施例では、ビュワー画面が表示された状態で、制御部70は、新たなスライスを表示対象として選択するための変更指示を受け付けてもよい。本実施例では、正面画像上において新たなスライスと対応するスキャンラインを選択する操作入力、および、送りボタン211〜214に対する操作入力、に基づいて、OCTデータの変更指示を受け付けてもよい。
スライスの変更指示を受け付けた場合(S58:Yes)、指示に応じた新たなスライスが、表示対象として選択される(S59)。
次に、新たなスライス(OCTデータ)に対して抽出領域が設定される。その際、本実施例では、予め、チェックボックスとして図9〜図10で示しているAutoボタン219のOn/Offに応じて、抽出領域の設定方法が異なる。
Autoボタン219が予めOnされている場合(S60:Yes)、眼底の像位置に対する抽出領域の位置が、変更前後のスライス間で一致されるように、新たなスライスに対する抽出領域の設定処理が行われる(S53)。
詳細には、Autoボタン219が予めOnされている場合(S60:Yes)、新たなOCTデータにおける眼底の像の像位置に基づいて、抽出領域が自動的に設定される。
このとき、本実施例では、直前の(表示中の)OCTデータにおける抽出領域が、抽出領域の変更指示に基づいて、当初の設定位置から変更されている場合が考えられる。この場合、S57のステップにおいてメモリに保存されている、変更前後における抽出領域の変位量を考慮して、新たなOCTデータに対する抽出領域の位置が設定されてもよい。例えば、新たなOCTデータにおける眼底の像の像位置に対して、S57の処理において記憶された変位量に応じてオフセットされた位置に、抽出領域が設定されてもよい。
また、直前のOCTデータと、新たなOCTデータとの間で、マッチング処理を行うことで、変位量を求め、この変位量に基づいて新たなOCTデータに対する抽出領域を設定してもよい。
これにより、抽出OCTデータによって拡大観察される部位が、表示対象となるOCTデータの変更前後で維持されるので、特定の部位を集中的に観察しやすい。
一方、あらかじめAutoボタン219がOffされている場合(S60:No)、抽出領域の深さ位置が、変更前後のスライス間で一致されるように、新たなスライスに対する抽出領域の設定処理が行われる(S61)。直前の(表示中の)OCTデータにおける抽出領域の深さ位置(例えば、抽出領域のZ座標、または、原点位置から抽出領域までの光路長)が、新たなOCTデータにおける抽出領域の深さ位置として引き継がれる。その結果、スライスの変更前後において、抽出OCTデータにおける眼底の像の出現位置が実際の眼底形状に応じて変化し得る。これにより、検者が、眼底組織の立体形状を、抽出OCTデータにおける眼底の像の出現位置から把握しやすい。
<表示終了>
また、例えば、本実施例では、ビュワー画面の表示を終了させるための指示を受け付けてもよい。当該指示を受け付けた場合(S62:Yes)、制御部70は、ビュワー画面の表示を終了させる。
「変容例」
以上、実施形態および実施例に基づいて本開示を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、種々の変形が許容される。
例えば、上記実施例では、撮影が完了した後、OCTデータが表示される場合において、抽出OCTデータを表示する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、OCTデータの撮影中に、或いは、撮影に際したOCT光学系100の調整中に、抽出OCTデータの表示が、リアルタイムに取得されるOCTデータに基づいて実行されてもよい。
また、上記実施例では、OCT光学系100を介して眼底のOCTデータが撮影されるものとして説明した。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。実施例で示した深達性の高い(深さ方向の撮影範囲が広い)OCTでは、前眼部と眼底とが1台の装置で、切り換えて、又は、同時に、撮影されることが考えられる。
この場合、図11に示すように、前眼部に関する抽出OCTデータが表示可能であってもよい。抽出元となる前眼部OCTデータに対して設定される抽出領域の深さ範囲(上下方向の幅)は、眼底のOCTデータに対して設定される抽出領域とは異なっていてもよい。また、前眼部に関する抽出OCTデータは、眼底とは異なる縮尺で、第1表示領域210において表示されてもよい。このように、OCTデータに含まれる被検眼の部位に応じて自動的に抽出領域が設定されることで、各部位を良好に観察しやすくなる。
また、操作入力において、必ずしもポインタCを移動は必要とされない。例えば、マウスホイールのスクロール操作によって、OCTデータに対する抽出領域の設定位置や、表示対象となるスライスが変更されてもよい。
また、上記実施例においては、抽出元となったOCTデータのサムネイル(第2表示領域220に表示される画像)を介して、抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係が示されている。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、サムネイルを用いることなく、抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係が画面上で示されてもよい。一例として、図12に示すように、第1表示領域210に表示されるグラフィック240によって、抽出元となったOCTデータに対する抽出領域の位置関係が示されてもよい。図12では、抽出元となったOCTデータに、前眼部および眼底の像が含まれている場合において、抽出領域は、前眼部と眼底との間に設定されている。この場合において、グラフィック240として示される矢印およびテキストによって、抽出領域の上下方向に存在する組織が示される。この場合、抽出領域内に組織の像が含まれていなくても、抽出領域の位置を検者が把握できる。結果、所望の組織を第1表示領域210に表示されるように、抽出領域の位置を検者が調整することが容易になる。
なお、本実施例では、被検眼EのOCTデータを撮影するための眼科撮影装置を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、被検物のOCTデータを撮影するための装置において本実施形態が適用されてもよい。例えば、被検物は、眼、皮膚、血管等の生体であってもよいし、樹脂体等の生体以外の試料であってもよい。
1 OCT装置
10 撮影ユニット
50 制御ユニット
70 制御部
80 モニタ
102 光源
100 OCT光学系
120 検出器
145 光路長差調整部

Claims (9)

  1. 被検眼の組織に導かれる測定光と参照光とのスペクトル干渉信号を検出するOCT光学系であって、深さ方向に関して広域なOCTデータを取得可能なOCT光学系と、
    前記OCT光学系から出力される前記スペクトル干渉信号に基づいて前記被検眼についての前記広域なOCTデータを取得する画像処理器と、
    前記OCTデータが取得される深さ位置を調整するために、測定光と参照光との光路長差を変更する光路長差調整部と、
    前記深さ位置の調整を少なくとも行う調整処理と、前記OCTデータをキャプチャーするキャプチャー処理と、を実行する制御手段と、を備え、
    前記制御手段によって、
    前記調整処理における前記深さ位置の初期位置として、短眼軸長眼または長眼軸長眼において想定される眼底位置である第1眼底位置から、平均的な眼軸長眼において想定される眼底位置である第2眼底位置までが、前記OCTデータにおける所定区間に含まれるような位置が設定され、
    前記深さ位置が前記初期位置であるときの前記所定区間内に眼底の像が位置する場合は、前記眼底の像の位置に関わらず前記キャプチャー処理が実行される、OCT装置。
  2. 前記調整処理では、前記深さ位置が前記初期位置である場合において、前記所定区間内に前記眼底の像が含まれていないときは、前記深さ位置が前記初期位置から変更される、請求項1記載のOCT装置。
  3. 前記短眼軸長眼において想定される眼底位置、および、前記長眼軸長眼において想定される眼底位置のうち、前記第1眼底位置とする一方に対する他方を、第3眼底位置と称し、
    前記調整処理では、前記深さ位置が前記初期位置であるときの前記所定区間内に前記眼底の像が含まれていない場合は、前記深さ位置を、前記第3眼底位置が前記所定区間内に含まれるような第2の位置へ変更される、請求項2記載のOCT装置。
  4. 前記初期位置であるときと前記第2の位置であるときと、の間における前記所定区間の重複量は、前記所定区間の半分以下である、請求項3記載のOCT装置。
  5. 前記調整処理では、
    前記初期位置において、前記第2眼底位置が前記所定区間の中央に配置され、
    前記深さ位置が前記初期位置であるときの前記所定区間内に前記眼底の像が含まれていない場合は、前記初期位置に対して手前側の第3の位置および奥側の第4の位置に前記深さ位置を順次変更し、前記第3の位置および前記第4の位置のいずれで前記眼底の像が前記所定区間内に位置した段階で、前記眼底の像の位置に関わらず前記キャプチャー処理が実行される、請求項1又は2記載のOCT装置。
  6. 前記制御手段は、更に、
    前記キャプチャー処理によって取得される前記OCTデータに対して、前記眼底の像位置を含む深さ領域を抽出領域として設定する設定処理と、
    前記抽出領域に対応する抽出OCTデータを前記OCTデータから抽出し、モニタ上において予め定められた表示領域に表示させる表示制御処理と、を実行する、請求項1〜5のいずれかに記載のOCT装置。
  7. 前記測定光におけるフォーカス位置を調整するためのフォーカス調整部を備え、
    前記制御手段は、前記調整処理において、前記第2眼底位置を前記フォーカス位置の初期値として設定する、請求項1〜6のいずれかに記載のOCT装置。
  8. 前記OCT光学系は、SS―OCT光学系である請求項1〜7のいずれかに記載のOCT装置。
  9. 前記OCTデータには虚像を除去するフルレンジ化技術が適用されている請求項1〜8のいずれかに記載のOCT装置。
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