JP2021108262A - 燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの上昇を抑えつつ、高いデバイス耐久性を有することができる燃料電池用電極1の製造方法を提供する。【解決手段】燃料電池用電極1の製造方法は、メソポーラスカーボンからなる担体11を1300℃以上且つ1700℃未満で熱処理する工程と、前記担体11に金属粒子12を担持する工程と、前記担体11に前記金属粒子12が担持された触媒9に、プロトン伝導性を有する高分子を被覆する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本開示は、燃料電池用電極の製造方法に関する。
従来の燃料電池用電極の製造方法として、特許文献1に示す燃料電池用電極の製造方法が知られている。この製造方法では、メソポーラスカーボンからなる担体を高温で熱処理している。
特許第6063039号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術(以下、単に従来技術という)について、コストの上昇を抑えつつ、燃料電池の発電で必要な耐久性(以下、デバイス耐久性)について未だ改善の余地がある。
本開示は前記従来技術の課題を解決するもので、コストの上昇を抑えつつ、高いデバイス耐久性を有することができる燃料電池用電極の製造方法を提供することを目的としている。
本開示に係る燃料電池用電極の製造方法の一態様は、メソポーラスカーボンからなる担体を1300℃以上且つ1700℃未満で熱処理する工程と、前記担体に金属粒子を担持する工程と、前記担体に前記金属粒子が担持された触媒に、プロトン伝導性を有する高分子を被覆する工程と、を少なくとも含む。
本開示は、燃料電池用電極の製造方法において、コストの上昇を抑えつつ、燃料電池用電極が高いデバイス耐久性を有することができるという効果を奏する。
本開示の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる
図1は、本開示の実施形態に係る燃料電池用電極を含む燃料電池の一例を概略的に示す図である。 図2は、図1の燃料電池用電極の一部の一例を概略的に示す図である。 図3は、図2の燃料電池用電極の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、メソポーラスカーボンからなる担体について、熱処理の温度とDTAピークの温度との関係を示すグラフである。 図5は、1000℃で熱処理した担体について、平均粒径とDTAピークの温度との関係を示すグラフである。 図6は、1650℃で熱処理した担体について、平均粒径とDTAピークの温度との関係を示すグラフである。
(本開示の基礎となる知見)
本開示者等は、コストの上昇を抑えつつ、高いデバイス耐久性を有することができる燃料電池用電極の製造方法について鋭意検討を重ねた。この結果、メソポーラスカーボンを担体として用いた燃料電池用電極についてデバイス耐久性には、メソポーラスカーボンの担体の熱処理の温度が影響することを見出した。
具体的には、上記特許文献1では、メソポーラスカーボンの熱処理温度が低温である場合には、担体の結晶化が充分でないと指摘されている。このように、従来技術では、燃料電池用電極の初期性能が検討されているが、デバイス耐久性及びコストについては十分に検討されていなかった。
これに対し、後述する実施例を用いた評価によれば、メソポーラスカーボンからなる担体を1300℃以上且つ1700℃未満で熱処理することにより、コストの上昇を抑えつつ、燃料電池用電極が高いデバイス耐久性を有することを見出した。本開示はこの知見に基づいてなされたものである。そこで、本開示では具体的には以下に示す態様を提供する。
本開示の第1の態様に係る燃料電池用電極の製造方法は、メソポーラスカーボンからなる担体を1300℃以上且つ1700℃未満で熱処理する工程と、前記担体に金属粒子を担持する工程と、前記担体に前記金属粒子が担持された触媒に、プロトン伝導性を有する高分子を被覆する工程と、を少なくとも含む。
この構成によると、メソポーラスカーボンからなる担体(メソポーラス担体)を1300℃以上で熱処理することにより、このメソポーラス担体は、一般的に担体として用いられるカーボンブラックと同等に高い酸化耐久性を有することができる。これにより、メソポーラス担体を含む燃料電池用電極は高いデバイス耐久性を有することができる。また、メソポーラス担体を1700℃未満で熱処理することにより、高温に耐える高価な焼成炉を必要とせず、コストの上昇を抑えることができる。
本開示の第2の態様に係る燃料電池用電極の製造方法は、第1の態様において、平均粒径が500nm以上のメソポーラスカーボン粒子を前記担体に用いた。
この構成によると、メソポーラス担体は、一般的な担体と同等及びそれよりも高い酸化耐久性を有することにより、メソポーラス担体を含む燃料電池用電極のデバイス耐久性を向上することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の参照符号を付してその説明については省略する場合がある。
本開示の実施形態に係る燃料電池用電極1の製造方法は、例えば、図1に示す燃料電池2に用いられる電極の製造に使用される。なお、図1では、燃料電池2は、1つのセルを有する単セルにより構成されているが、複数のセルが積層されたスタックにより構成されていてもよい。
<燃料電池の構成>
燃料電池2は、膜/電極接合体3(MEA: Membrane Electrode Assembly)及び一対のセパレータ4、5を備えている。膜/電極接合体3は、プロトン伝導性電解質膜6、アノード7及びカソード8を備えている。
プロトン伝導性電解質膜6は、プロトン伝導性及びガスバリア性を併せ持ち、例えば、固体高分子電解質膜であって、イオン交換性フッ素系樹脂膜及びイオン交換性炭化水素系樹脂膜等により構成される。このうち、パーフルオロスルホン酸樹脂膜は、プロトン伝導性が高く、例えば、燃料電池2の発電環境下でも安定に存在することができる。
プロトン伝導性電解質膜6は、アノード7とカソード8との間に挟持され、これら間のイオン(プロトン)伝導を行う。プロトン伝導性電解質膜6は、そのイオン交換容量が0.9以上かつ2.0以下ミリ当量/g乾燥樹脂である。イオン交換容量が0.9ミリ当量/g乾燥樹脂以上である場合、プロトン伝導性電解質膜6は高いプロトン伝導性を得やすい。イオン交換容量が2.0ミリ当量/g乾燥樹脂以下である場合、プロトン伝導性電解質膜6は含水による樹脂の膨潤が抑制され、その寸法変化が抑えられる。
プロトン伝導性電解質膜6は、一対の面(主面)を有し、その間の寸法(膜厚)は、例えば、5μm以上かつ50μm以下である。膜厚が5μm以上である場合、プロトン伝導性電解質膜6は高いガスバリア性が得られる。膜厚が50μm以下である場合、プロトン伝導性電解質膜6は高いプロトン伝導性が得られる。
アノード7及びカソード8は、燃料電池2の電極であって、互いの間にプロトン伝導性電解質膜6を挟持している。アノード7は、プロトン伝導性電解質膜6の一対の主面のうちの一方主面上に配置され、カソード8は他方主面上に配置されている。
アノード7は、触媒層(第1触媒層7a)及びガス拡散層(第1ガス拡散層7b)を含んでいる。第1触媒層7aは、その一方面がプロトン伝導性電解質膜6の一方主面上に配置され、第1ガス拡散層7bは、その一方面が第1触媒層7aの他方面上に配置されている。
カソード8は、触媒層(第2触媒層8a)及びガス拡散層(第2ガス拡散層8b)を含んでいる。第2触媒層8aは、その一方面がプロトン伝導性電解質膜6の他方主面上に配置され、第2ガス拡散層8bは、その一方面が第2触媒層8aの他方面上に配置されている。
各触媒層7a、8aは、電極の発電反応の速度を促進させる層である。第1触媒層7a及び第2触媒層8aのうちの少なくとも一方の触媒層は、後述する燃料電池用電極1を含んでいる。例えば、少なくとも第2触媒層8aが燃料電池用電極1を含んでいてもよい。この場合、第1触媒層7aは、燃料電池用電極1により構成されていてもよいし、燃料電池2の膜/電極接合体3において一般的に用いられている従来の触媒層と同様の構成であってもよい。また、第2触媒層8aは燃料電池用電極1により構成されている。なお、燃料電池用電極1の詳細については、後述する。
各ガス拡散層7b、8bは、集電作用及びガス透過性を併せ持つ層である。各ガス拡散層7b、8bは、例えば、導電性、ならびに気体及び液体の透過性に優れた材料であり、例えば、カーボンペーパー、炭素繊維クロス及び炭素繊維フェルト等の多孔質性材料が例示される。
なお、第1ガス拡散層7bと第1触媒層7aとの間、及び、第2ガス拡散層8bと第2触媒層8aとの間に、撥水層を設けてもよい。撥水層は、液体の透過性(排水性)を向上するための層である。撥水層は、例えば、カーボンブラック等の導電性材料、及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂を主成分として形成される。
一対のセパレータ4、5は、互いの間に膜/電極接合体3を挟持している。一対のセパレータ4、5のうちの一方のセパレータ4は、アノード7上に配置され、第1ガス拡散層7bの他方面(第1触媒層7a側と反対側の面)に対向する面を有し、この面には、水素等の燃料ガスをアノード7に供給するための供給路が設けられている。他方のセパレータ5は、カソード8上に配置され、第2ガス拡散層8bの他方面(第2触媒層8a側と反対側の面)に対向する面を有し、この面には、空気等の酸化剤ガスをカソード8に供給するための供給路が設けられている。
<燃料電池用電極の構成>
燃料電池用電極1は、図2に示すように、触媒9、及び、この触媒9を被覆するプロトン伝導性を有する高分子(プロトン伝導性高分子10)を有している。触媒9は、メソポーラスカーボンからなる担体(メソポーラス担体11)、及び、メソポーラス担体11に担持された金属粒子12を含んでいる。燃料電池用電極1は、厚みが薄い平板形状を有しており、薄膜であってもよい。
メソポーラス担体11は、メソポーラスカーボンにより形成されており、例えば、粒子形状を有している。メソポーラスカーボンは、多数のメソ孔13を有する多孔質材料であって、メソポーラス担体11は、例えば、メソポーラスカーボンを熱処理して製造される。メソポーラスカーボンの細孔構造は、例えば、鋳型、炭素源、及び、合成時の反応温度等の製造条件を変更することにより自在に制御される。
メソポーラス担体11には、1次粒子の平均粒径が500nm以上であるメソポーラスカーボン粒子が用いられる。平均粒径は、メソポーラス担体11の粒子径分布のメジアン径(d50)である。このように、平均粒径が500nm以上であれば、メソポーラス担体11の酸化耐久性が高く、燃料電池用電極1はデバイス耐久性を向上することができる。また、平均粒径が500nm以上であれば、仮にメソポーラス担体11がプロトン伝導性樹脂に接触するような場合であっても、プロトン伝導性樹脂により被覆される金属粒子12の割合が少なく、触媒9の触媒活性の低下を低減することができる。
メソポーラス担体11の平均粒径は、粉砕処理によって調整されてもよい。この粉砕処理には、例えば、ローラーミル、ボールミル、ビーズミル等の方法が用いられる。このうち、メソポーラス担体11の微細化には、ローラーミルが用いられ、ボールミルがより好適に用いられ、ビーズミルが更に好適に用いられる。
なお、例えば、ビーズミルでは、攪拌機構の回転速度(周速)及び時間、並びに、ビーズの径によって、メソポーラスカーボンの粒径が制御される。周速は、6m/s以上且つ18m/s以下である。この周速を、8m/s以上且つ16m/s以下にしてもよく、更に10m/s以上且つ14m/sとすると好適である。攪拌機構の回転時間は、10分以上且つ30分以下でもよく、更に14分以上且つ26分以下であってもよく、更に18分以上且つ22分以下であってもよい。
メソポーラス担体11の平均粒径は、メソポーラス担体11を溶媒に分散した状態で、レーザー回折式粒度分布測定装置等の測定装置、並びに、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察装置を用いて測定される。
メソ孔13は、メソポーラス担体11に設けられた細孔であって、連結孔である。このため、メソ孔13は、メソポーラス担体11の外表面に開口し、メソポーラス担体11内において長く延び、他のメソ孔13と連結している。これにより、複数のメソ孔13が互いに連通している。
メソ孔13は、メソポーラス担体11に金属粒子12が担持する前において、そのモード半径が1nm以上かつ25nm以下である。モード半径とは、メソポーラス担体11のメソ孔13の径分布における最頻度径(極大値となる径)である。
なお、メソ孔13のモード半径を、3nm以上かつ6nm以下としてもよく、さらに3nm以上かつ4nm以下とすることが好適である。メソ孔13のモード半径が3nm以上であれば、メソ孔13をガスが流通し易くなる。モード半径が6nm以下であれば、プロトン伝導性高分子10が触媒9に接触しても、プロトン伝導性高分子10がメソ孔13に浸入し難くなる。
メソ孔13は、金属粒子12を担持する前において、その細孔容積が1.0cm3/g以上かつ3.0cm3/g以下であってもよい。メソ孔13の細孔容積が1.0cm3/g以上であれば、メソポーラス担体11の内部(つまり、メソ孔13)に多くの金属粒子12を担持し、燃料電池用電極1は高い触媒活性を有することができる。細孔容積が3.0cm3/g以下であれば、メソポーラス担体11が構造体としての高い強度を有することができる。
なお、メソ孔13の細孔容積及びモード半径は、窒素吸着脱離等温線の測定データを、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法、密度汎関数(DFT)法、急冷固定密度汎関数(QSDFT)法等の方法によって解析することにより求められる。
金属粒子12は、メソポーラス担体11に担持されている。金属粒子12は、メソポーラス担体11の少なくとも内部に担持されている。つまり、金属粒子12は、メソ孔13を規定するメソポーラス担体11の内表面に担持されている。金属粒子12は、メソポーラス担体11の外表面に担持されていても担持されていなくてもよい。
金属粒子12は、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銀(Ag)及び金(Au)等により形成されている。白金及びその合金は、酸化還元反応に対する触媒活性が高く、かつ燃料電池2の発電環境下における耐久性が良好であり、燃料電池2用の触媒9として適当である。また、金属粒子12は、粒子形状が好適である。
金属粒子12の平均粒径は、例えば1nm以上かつ20nm以下である。この平均粒径を、2nm以上10nm以下としてもよい。金属粒子12の平均粒径が10nm以下である場合、金属粒子12の単位重量当たりの表面積(比表面積)が大きく、金属粒子12の触媒活性が高い。また、金属粒子12の平均粒径が1nm以上である場合、金属粒子12が化学的に安定し、例えば、金属粒子12は燃料電池2の発電環境下であっても溶解しにくい。
プロトン伝導性高分子10は、触媒9の外表面を被覆し、プロトン伝導性を有する高分子電解質であって、例えば、イオン交換性樹脂により形成され、アイオノマーが例示される。イオン交換性樹脂のうち、パーフルオロスルホン酸樹脂は、プロトン伝導性が高く、燃料電池2の電気化学反応下でも安定して存在するため、燃料電池用電極1のプロトン伝導性高分子10として好適に用いられる。また、プロトン伝導性高分子10のプロトン伝導性によって、燃料電池2の運転効率の向上が図られる。
イオン交換樹脂のイオン交換容量は、0.9以上かつ2.0以下ミリ当量/g乾燥樹脂であってもよい。イオン交換容量が0.9ミリ当量/g乾燥樹脂以上である場合、プロトン伝導性高分子10は高いプロトン伝導性を得やすい。イオン交換容量が2.0ミリ当量/g乾燥樹脂以下である場合、含水による樹脂の膨潤が抑制され、燃料電池用電極1内のガス拡散性が阻害されにくい。
燃料電池用電極1において、メソポーラスカーボンを含むカーボンの総重量に対する、プロトン伝導性高分子10の重量の比は、0.3以上且つ2.0以下であってもよい。更に、この重量の比を、0.6以上且つ1.5以下としてもよく、0.8以上且つ1.2以下とすると好適である。
なお、燃料電池用電極1は、カーボンブラック及びカーボンナノチューブのうち、少なくとも1つのカーボン材をさらに含んでいてもよい。カーボン材は、その平均粒径が、メソポーラス担体11の平均粒径よりも小さく、例えば、10nm以上かつ100nmである。このようなカーボン材は、互いに隣接するメソポーラス担体11の間に配置され、間隙を充填する。
よって、カーボンブラック及び/又はカーボンナノチューブのカーボン材は、毛細管現象を発生させるため、メソポーラス担体11の間隙に水が滞留することを防ぎ、燃料電池用電極1における排水性が向上し、燃料電池2の電気化学反応の効率を高めることができる。また、カーボン材は、導電性を有するため、メソポーラス担体11間の導電性を補助して、燃料電池用電極1の抵抗を低減し、燃料電池2の電気化学反応の効率を高めることができる。
また、燃料電池用電極1は、メソポーラスカーボン及び金属粒子以外の材料(例えば、金属酸化物等)を含んでいてもよい。これにより、燃料電池用電極1における電子伝導性、プロトン伝導性及び酸素拡散性等を向上させることができる。
<燃料電池の作製方法>
燃料電池2は、例えば、以下のように作製される。導電性材料、金属粒子12及びプロトン伝導性高分子10を、水やアルコール等の溶媒に分散した触媒ペーストを作製する。この触媒ペーストを、プロトン伝導性電解質膜6又は、その他の基材の両面に塗布して乾燥させることにより、プロトン伝導性電解質膜6又は基材上にアノード7及びカソード8を形成する。このアノード7及びカソード8によりプロトン伝導性電解質膜6を挟持して膜/電極接合体3を作製し、更に、膜/電極接合体3を一対のセパレータ4、5により挟持して燃料電池2を作製する。
ここで、一方の触媒ペーストの導電性材料にメソポーラス担体11を用いることにより、燃料電池用電極1で構成されるカソード8が形成される。他方の触媒ペーストの導電性材料にはメソポーラス担体11又はカーボンブラック等が用いられ、カソード8が形成される。
<燃料電池用電極の製造方法>
燃料電池用電極1は、図3のフローチャートに示す方法により製造される。なお、このフローチャートに示すように、燃料電池用電極1の製造方法は、ステップS1〜S3の工程を含んでいるが、これ以外の工程を更に含んでいてもよい。
まず、メソポーラスカーボンからなる担体(メソポーラス担体11)を熱処理する(ステップS1)。この熱処理の温度は、例えば、1000℃以上且つ1700℃未満である。この熱処理の温度を、1200℃以上且つ1700℃未満としてもよく、更に、1300℃以上且つ1700℃未満とすれば好適である。
この熱処理によって、メソポーラス担体11の酸化温度を上昇し、燃料電池用電極1は高い酸化耐久性を有することができる。例えば、熱重量−示差熱分析ラマン分光測定(ThermoGravimeter−Differential Thermal Analyzer: TG−DTA)により測定したメソポーラス担体11のDTAピーク温度が、一般的に燃料電池2の電極(一般的な電極)において担体として用いられているブラックカーボン(一般的な担体)と同等である。これにより、燃料電池用電極1は、一般的な電極と同等に高い酸化耐久性(デバイス耐久性)を示すことができる。
また、1700℃以上等、高温の熱処理には、高温にも耐えられる特別な焼成炉を用いるため、熱処理のコストが嵩む。これに対し、1700℃未満でメソポーラス担体11を熱処理することにより、熱処理のコスト上昇を抑えることができる。
続いて、上記熱処理したメソポーラス担体11に、金属粒子12を担持する(ステップS2)。これにより、金属粒子12は、メソポーラス担体11のメソ孔13に金属粒子12が入り、メソポーラス担体11の内表面に付着し、メソポーラス担体11の内部に担持される。ここで、金属粒子12は、メソポーラス担体11の外表面に付着してもよい。
このようにメソポーラス担体11に金属粒子12が担持された触媒9に、プロトン伝導性を有する高分子(プロトン伝導性高分子10)を被覆する(ステップS3)。これにより、燃料電池用電極1が形成される。ここで、プロトン伝導性高分子10は、隣接する触媒9間に介在してプロトンの伝導に役立つ。
(実施例)
<燃料電池用電極及び燃料電池の作製>
実施例の燃料電池の作製では、まず、設計細孔径が10nmである市販のメソポーラスカーボン(東洋炭素株式会社製、CNovel)に、熱処理を施した。この熱処理では、メソポーラスカーボンを1gずつアルミナ性のるつぼへ小分けにし、タンマン管式雰囲気炉を用いて、室温から2時間かけて昇温し、所定温度で2時間焼成した後、一晩かけて室温まで降温した。これにより、メソポーラスカーボンを作製した。
それから、熱処理を施したメソポーラスカーボンを、水とエタノールとを同量含む混合溶媒に投入し、固形分濃度1wt.%のスラリーを調整した。このスラリーに直径0.5mmのジルコニアビーズを投入し、媒体撹拌型湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック製、ラボスターミニ)を用いて、周速12m/sの条件で20分間粉砕処理を行った。
粉砕処理後のスラリーからジルコニアビーズを取り出し、溶媒を蒸発させた後、得られた凝集体を乳鉢ですり潰すことにより、メソポーラス担体を作製した。なお、上記メソポーラス担体の作製方法は、一例であり、メソポーラス担体の酸化温度及び粒径を制御できる方法であれば、これに限定されない。
得られたメソポーラス担体1gを、水:エタノール=1:1(重量比)の混合溶媒400mLに投入し、15分間超音波分散を行なった。この分散物を窒素雰囲気下で攪拌しながら、14wt%のジニトロジアミン白金硝酸溶液を、担体に対して白金が50wt%になるように滴下し、80℃で6時間過熱攪拌した。
この攪拌物を放冷した後、ろ過洗浄し、ろ物を80℃で15時間乾燥させ、凝集体を得た。この凝集体を乳鉢ですり潰し、窒素:水素=85:15のガス雰囲気下、220℃で2時間熱処理を行なった。これにより、メソポーラス担体に金属粒子を担持させた触媒を作製した。なお、上記触媒の作製方法は、一例であり、メソポーラス担体のメソ孔内部に金属粒子が担持されていれば、この方法に限定されない。
作製した触媒と、この触媒に含まれるメソポーラスカーボンの重量の1/2の重量のケッチェンブラック(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、EC300J)とを、水とエタノールを同量含む混合溶媒に投入して撹拌した。得られたスラリーに、アイオノマー(デュポン社製、Nafion)を、全カーボン(メソポーラスカーボン+ケッチェンブラック)に対する重量比が0.8となるように投入し、超音波分散処理を行った。このようにして得られた触媒インクを、スプレー法によって、固体高分子電解質膜(日本ゴア株式会社製、ゴア・セレクトIII)の一方主面上に塗布し、燃料電池用電極を含む第2触媒層を作製した。
また、市販の白金担持カーボンブラック触媒(田中貴金属工業株式会社製、TEC10E50E)を、水とエタノールを同量含む混合溶媒に投入・撹拌した。得られたスラリーに、アイオノマー(デュポン社製、Nafion)を、カーボンに対する重量比が0.8となるように投入し、超音波分散処理を行い、触媒インクを得た。この触媒インクをスプレー法によって、固体高分子電解質膜の他方主面(第2触媒層側と反対側の面)上に塗布し、第1触媒層を作製した。
そして、第1触媒層上に第1ガス拡散層(SGLカーボンジャパン社製、GDL25BC)を配置し、第2触媒層上に第2ガス拡散層(SGLカーボンジャパン社製、GDL25BC)を配置した。これを140℃の高温下において7kgf/cm2の圧力を5分間、加えることにより、膜/電極接合体を作製した。
そして、得られた膜/電極接合体を、サーペンタイン形状の流路が設けられているセパレータで挟持する。そして、この挟持物を所定の治具に組み込み、単セルの燃料電池を作製した。
<燃料電池用電極の評価>
このように作製した燃料電池用電極のメソポーラス担体について、DTAピークの温度及び平均粒径の各測定を以下の通り実施した。これらの測定結果を図4〜図6に示している。
メソポーラス担体の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、マイクロトラック・ベル社製)で測定した。アイオノマーとカーボンとの重量比が2:1になるように、メソポーラス担体にアイオノマーの分散液を加え、超音波バスで60分間の超音波処理を行い、メソポーラス担体が単分散したスラリーを得た。このスラリーの粒度分布をレーザー回折法により測定し、得られたメジアン径をメソポーラスカーボンの平均粒径とした。
メソポーラス担体の酸化耐久性は、酸素雰囲気下で試料を加熱しながら試料の重量変化を連続的に測定する熱重量−示差熱分析(ThermoGravimeter−Differential Thermal Analyzer: TG−DTA)で測定した。熱重量示差熱分析装置(STA7200RV、日立ハイテクサイエンス社製)を用い、測定容器は白金製を使用した。加熱条件は室温から始まり900℃までに、昇温速度は5℃/minに、ガス雰囲気は空気に、ガス流量は100mL/minに、それぞれ設定した。このTG−DTA法による測定結果からDTAピークを検出した。このDTAピークの温度は、酸素雰囲気下におけるメソポーラス担体の分解温度(酸化温度)を表しているため、燃料電池用電極の酸化耐久性の評価値として用いた。
図4のグラフでは、横軸がメソポーラス担体の熱処理の温度を示し、縦軸がメソポーラス担体のDTAピークの温度を示している。ここでは、平均粒径が800nmのメソポーラス担体を用い、メソポーラス担体を1000℃、1300℃、1500℃、1700℃のそれぞれの温度で熱処理した。この熱処理の温度と、メソポーラス担体のDTAピークにおいて傾きが0であるトップ温度との関係を黒丸でプロットしている。この黒丸から上下方向に延びるエラーバーは、DTAピークの半値幅の温度を示している。
このように、実施例のメソポーラス担体については、熱処理の温度が高くなるほど、DTAピークの温度が上昇している。このため、メソポーラス担体を含む燃料電池用電極は、メソポーラス担体の熱処理温度が高くなるに応じて、燃料電池用電極の酸化耐久性が向上する。
また、破線でしましたDTAピークの温度範囲101は、一般的に燃料電池の電極において担体として用いられるカーボンブラック(一般的な担体)のDTAピークの半値幅を示している。これにより、熱処理温度が1300℃以上且つ1700℃未満のメソポーラス担体について、DTAピークの温度が、温度範囲101にあり、一般的な担体のDTAピークの温度と同等である。よって、このようなメソポーラス担体を含む燃料電池用電極の酸化耐久性は、一般的な電極の酸化耐久性と同等に高い。さらに、メソポーラス担体の熱処理温度を1700℃未満とすることにより、高温に耐える高価な燃焼炉を用いる必要がなく、熱処理のコスト上昇を抑えることができる。
図5及び図6のグラフでは、横軸にメソポーラス担体の平均粒径を示し、縦軸にメソポーラス担体のDTAピークの温度を示している。ここで、黒丸は、DTAピークのトップ温度と、平均粒径との関係を示している。また、この黒丸から上下方向に延びるエラーバーは、DTAピークの半値幅の温度を示している。
図5には、1000℃で熱処理したメソポーラス担体について、平均粒径に対するDTAピークの温度をプロットした。このプロットから点線201に示すように、メソポーラス担体の平均粒径とDTAピークの温度との関係式を求めた。更に、この関係式の傾きから平均粒径に対するDTAピークの温度の比(DTAピークの温度/平均粒径)を算出した。
また、図6には、1650℃で熱処理したメソポーラス担体について、平均粒径に対するDTAピークの温度をプロットした。ここで、図5の点線201の傾き(平均粒径に対するDTAピークの温度の比)は、平均結晶子径に依存しない。このため、この傾きを図6のDTAピークの温度に適用すると、点線301に示すように、平均粒径とDTAピークの温度との関係式が求められる。
この点線301に示すように、メソポーラス担体の平均粒径が小さいほど、DTAピークの温度が低下している。これにより、メソポーラス担体が小さくなるに従い、燃料電池用電極の酸化耐久性が低下する。
更に、図6の破線302は、一般的に燃料電池用電極に担体として使用されているカーボンブラック(一般的な担体)のDTAピークの温度を示している。この破線302と点線301を比較すると、星印303で示すように、メソポーラス担体の平均粒径が500nm以上で、DTAピークの温度が一般的な担体の温度以上である。このように、平均粒径が500nm以上のメソポーラス担体を有する燃料電池用電極は、一般的な担体を含む電極の酸化耐久性と同等又はそれ以上を有し、デバイス耐久性を向上することができる。
なお、上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更することができる。
本開示に係る燃料電池用電極の製造方法は、コストの上昇を抑えつつ、高いデバイス耐久性を有することができる燃料電池用電極の製造方法として有用である。
1 :燃料電池用電極
2 :燃料電池
9 :触媒
10 :プロトン伝導性高分子(プロトン伝導性を有する高分子)
11 :メソポーラス担体(担体)
12 :金属粒子

Claims (2)

  1. メソポーラスカーボンからなる担体を1300℃以上且つ1700℃未満で熱処理する工程と、
    前記担体に金属粒子を担持する工程と、
    前記担体に前記金属粒子が担持された触媒に、プロトン伝導性を有する高分子を被覆する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  2. 平均粒径が500nm以上のメソポーラスカーボン粒子を前記担体に用いた、
    請求項1に記載の燃料電池用電極の製造方法。
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