JP2021107448A - 1,3−ブタジエンの製造方法 - Google Patents

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宣利 柳橋
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悠 西山
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Abstract

【課題】高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できる1,3−ブタジエンの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】1,3−ブタジエンの製造方法は、気化器104でエタノール供給原料を気化し、2つ以上の並列の第1反応器108に供給して第1触媒の存在下にエタノールをアセトアルデヒドに転化し、生じた中間ガスを第2反応器110に供給して第2触媒の存在下にエタノール及びアセトアルデヒドを1,3−ブタジエンに転化し、1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスを気液分離器112、第1蒸留塔114、第4反応器116及び第2蒸留塔118で精製し、前記エタノール含有ガスの一部、及び第2蒸留塔118で得られるアセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方を前記中間ガスに混合し、前記中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を1〜100に調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、1,3−ブタジエンの製造方法に関する。
本出願は、2019年7月5日に日本に出願された特願2019−126001号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
1,3−ブタジエン等のブタジエンは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の原料として用いられている。1,3−ブタジエンの製造方法としては、例えば、触媒の存在下、エタノールをアセトアルデヒドに転化し、さらにエタノール及びアセトアルデヒドを1,3−ブタジエンに転化する方法が知られている(特許文献1)。
特表2017−532318号公報
しかし、従来の製造方法では、1,3−ブタジエンの収率について改善の余地がある。
本発明は、高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できる1,3−ブタジエンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]エタノールを含むエタノール供給原料から1,3−ブタジエンを連続的に製造する方法であって、
前記エタノール供給原料からエタノール含有ガスを調製するガス調製工程と、触媒の存在下、前記エタノール含有ガス中のエタノールを1,3−ブタジエンまで転化させる転化工程と、前記転化工程で得た1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスを精製して精製1,3−ブタジエンを得る精製工程と、を含み、
前記ガス調製工程は、圧力が−1.0〜1.0MPaG、温度が−100〜200℃の条件で前記エタノール供給原料を気化して前記エタノール含有ガスとする工程A1を含み、
前記精製工程は、前記粗生成ガス中のブテンを脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化する工程C1と、気液分離によって前記粗生成ガスから水素ガスを分離して1,3−ブタジエン含有液を得る工程C2と、前記粗生成ガスの液化物又は前記1,3−ブタジエン含有液を蒸留してエチレン含有ガスと1,3−ブタジエン含有流出物とアセトアルデヒド含有液とに分離する工程C3と、前記アセトアルデヒド含有液を蒸留してアセトアルデヒド含有ガスと水を含む残液とに分離する工程C4と、からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、
前記転化工程は、前記エタノール含有ガスを第1反応器に供給し、第1触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノールをアセトアルデヒドに転化する工程B1と、前記工程B1で得たエタノール及びアセトアルデヒドを含む中間ガスを第2反応器に供給し、第2触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件で1,3−ブタジエンへと転化する工程B2と、前記工程A1で得た前記エタノール含有ガスの一部、及び前記工程C4で得た前記アセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方を前記中間ガスに混合し、前記中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を1〜100に調整する工程B3と、を含む、1,3−ブタジエンの製造方法。
[2]前記第2反応器に供給される前記中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を分析計によって監視した結果に基づいて、前記工程B3の前記中間ガスに混合する前記エタノール含有ガス及び前記アセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方の量を調整する、[1]に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
[3]前記転化工程は、前記中間ガスから水素ガスを分離する工程B4をさらに含む、[1]又は[2]に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
[4]前記第1反応器内の水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、前記第1反応器から前記中間ガスを排出する、[1]〜[3]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
[5]前記第2反応器内の1,3−ブタジエン濃度及び水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、前記第2反応器から前記粗生成ガスを排出する、[1]〜[4]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
[6]前記ガス調製工程は、前記エタノール含有ガスに1種以上のガスを混合し、前記エタノール含有ガス中のエタノールの濃度を0.1〜100体積%の範囲内で調整する工程A2をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
本発明によれば、高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できる1,3−ブタジエンの製造方法を提供できる。
第1実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置を示した概略模式図である。 第2実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置を示した概略模式図である。 第3実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置を示した概略模式図である。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、エタノールを含むエタノール供給原料から1,3−ブタジエンを連続的に製造する方法であって、下記の工程A〜工程Cを含む方法である。また、本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、1,3−ブタジエンの収率が向上する点から、さらに工程Dを含むことが好ましい。
工程A:エタノール供給原料からエタノール含有ガスを調製するガス調製工程。
工程B:触媒の存在下、エタノール含有ガス中のエタノールを1,3−ブタジエンまで転化させる転化工程。
工程C:工程Bで得た1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスを精製して精製1,3−ブタジエンを得る精製工程。
工程D:触媒を再生する触媒再生工程。
(工程A)
工程Aは、圧力が−1.0〜1.0MPaG、温度が−100〜200℃の条件でエタノール供給原料を気化してエタノール含有ガスとする工程A1を含む。
なお、本明細書中において、「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を示す。
エタノール供給原料は、エタノールを必須として含み、本発明の効果を損なわない範囲で、水等の他の成分を含んでもよい。エタノール供給原料中のエタノールの割合は、エタノール供給原料の総質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、93質量%以上がさらに好ましい。エタノールの割合の上限は、理論的には100質量%である。
エタノール供給原料としては、特に限定されず、例えば、シェールガス、石油等の化石由来のエタノールであってもよく、植物、動物、ゴミ等のバイオマス由来のバイオエタノールであってもよい。なかでも、窒素化合物や硫黄化合物等の不純物が少なく、触媒が劣化しにくい点から、バイオエタノールが好ましい。
工程A1におけるエタノール供給原料の気化時の圧力は、−1.0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、−0.5〜0.5MPaGが好ましく、−0.3〜0.3MPaGがより好ましい。エタノール供給原料の気化時の圧力が前記範囲の下限値以上であれば、気化した際の体積が過剰にならず機械設備の大きさを抑制できる。エタノール供給原料の気化時の圧力が前記範囲の上限値以下であれば、エタノール供給原料が効率的に気化する。
工程A1におけるエタノール供給原料の気化時の温度は、−100〜200℃の範囲で設定すればよく、0〜150℃が好ましく、25〜100℃がより好ましい。エタノール供給原料の気化時の温度が前記範囲の下限値以上であれば、効率的に気化する。エタノール供給原料の気化時の温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰な加熱が不要となる。
工程Aは、必要に応じて、工程A1で得たエタノール含有ガスに1種以上のガスを混合し、エタノール含有ガス中のエタノールの濃度を0.1〜100体積%の範囲内で調整する工程A2をさらに含んでもよい。
エタノール含有ガスのエタノール濃度は、0.1〜100体積%の範囲で調整すればよく、10〜100体積%が好ましく、20〜100体積%がより好ましい。エタノール含有ガス中のエタノール濃度が前記範囲の下限値以上であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
エタノール含有ガスに混合するガス(希釈用ガス)としては、エタノールから1,3−ブタジエンまでの転化反応に悪影響を及ぼさないガスを使用でき、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の希ガスを例示できる。なかでも、価格及び入手しやすさの点から、窒素ガス、アルゴンガスが好ましい。エタノール含有ガスに混合するガスは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(工程B)
工程Bでは、エタノールから1,3−ブタジエンまでの転化反応として、下記式(1)及び下記式(2)で表される2段反応を採用してもよい。
CHCHOH→CHCHO+H ・・・(1)
CHCHOH+CHCHO→CH=CH−CH=CH+2HO ・・・(2)
工程Bでは、触媒の存在下にエタノール含有ガス中のエタノールを1,3−ブタジエンまで転化する転化反応の少なくとも一部に、2つ以上の並列の反応器を用いることが好ましい。工程Bで2つ以上の並列の反応器を用いれば、工程Dを行うことができるため、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
具体的には、1段目の転化反応と2段目の転化反応のいずれか一方又は両方で、2つ以上の並列の反応器を用いることが好ましい。
工程Bでは、1段目の転化反応と2段目の転化反応の両方で2つ以上の並列の反応器を用いてもよく、1段目の転化反応又は2段目の転化反応のいずれかだけで2つ以上の並列の反応器を用いてもよい。なかでも、1,3−ブタジエンの収率が向上する点から、1段目の転化反応と2段目の転化反応の両方で2つ以上の並列の反応器を用いることが好ましい。
工程Bにおいて並列して設置する反応器の数は、適宜設定でき、例えば、2〜5個とすることができる。
2段反応の工程Bは、例えば、下記の工程B1〜工程B3を含む。
工程B1:工程Aで得たエタノール含有ガスを第1反応器に供給し、第1触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノールをアセトアルデヒドに転化する。
工程B2:工程B1で得たエタノール及びアセトアルデヒドを含む中間ガスを第2反応器に供給し、第2触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノール及びアセトアルデヒドを1,3−ブタジエンに転化する。
工程B3:工程A1で得たエタノール含有ガスの一部、及び、後述の工程C4で得たアセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方を中間ガスに混合し、第2反応器に供給される中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を1〜100に調整する。
なお、「中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)」とは、中間ガス中のアセトアルデヒドのモル数に対するエタノールのモル数の比である。
工程Bとしては、工程B1及び工程B2のいずれか一方又は両方で2つ以上の並列の反応器を使用する態様が好ましく、工程B1で2つ以上の並列の第1反応器を使用し、工程B2でも2つ以上の並列の第2反応器を使用する態様がより好ましい。
工程B1では、第1反応器において、第1触媒の存在下、工程Aから供給されるエタノール含有ガス中のエタノールの一部がアセトアルデヒドに転化する。これにより、エタノール及びアセトアルデヒドを含む中間ガスが生成する。
第1反応器の態様としては、所定の圧力及び温度でエタノール含有ガスを第1触媒に接触させることができるものであればよい。例えば、側壁部に熱媒が循環される反応管内に第1触媒を充填して反応床を形成し、供給されたガスを反応床の第1触媒に接触させる態様を例示できる。反応床としては、特に限定されず、例えば、固定床、移動床、流動床を例示できる。
第1触媒としては、エタノールからアセトアルデヒドへの転化反応を促進するものであればよく、例えば、酸化クロムと酸化銅の混合物、酸化亜鉛、酸化銅と酸化ケイ素の混合物を例示できる。なかでも、アセトアルデヒドへの転化率の点から、酸化銅と酸化ケイ素の混合物が好ましい。第1触媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
工程B1における転化反応時の圧力は、0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、0〜0.5MPaGが好ましく、0〜0.3MPaGがより好ましい。工程B1における圧力が前記範囲の下限値以上であれば、アセトアルデヒドへの転化率が向上する。工程B1における圧力が前記範囲の上限値以下であれば、反応中の液化を抑制できる。
工程B1における転化反応時の温度は、50〜500℃の範囲で設定すればよく、200〜500℃が好ましく、250〜350℃がより好ましい。工程B1における温度が前記範囲の下限値以上であれば、アセトアルデヒドへの転化率が向上する。工程B1における温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰なエネルギーの消費を抑制できる。
工程B1でのエタノールからアセトアルデヒドへの転化率は、30〜70%が好ましい。
なお、工程B1の「アルデヒドへの転化率」とは、第1反応器に供給されるエタノール含有ガス中におけるエタノールの単位時間当たりのモル数に対する、第1反応器中で消費されたエタノールの単位時間当たりのモル数の比率(百分率)を意味する。第1反応器中で消費されたエタノールの単位時間当たりのモル数は、第1反応器に供給されるエタノール含有ガス中におけるエタノールの単位時間当たりのモル数から、第1反応器から排出される中間ガス中のエタノールの単位時間当たりのモル数を差し引くことで算出される。
工程B1の転化反応のアセトアルデヒドの選択率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。なお、工程B1の「アセトアルデヒドの選択率」とは、工程B1の第1反応器中で消費されたエタノールの単位時間当たりのモル数に対する、アセトアルデヒドに変換されたエタノールの単位時間当たりのモル数の比率(百分率)を意味する。
工程B1で得られる中間ガスに含まれ得る副生物としては、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、酢酸エチル、酢酸等が挙げられる。
工程B2では、第2反応器において、第2触媒の存在下、工程B1から供給される中間ガス中のエタノール及びアセトアルデヒドが1,3−ブタジエンに転化する。これにより、1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスが生成する。
第2反応器の態様としては、第1反応器で例示した態様と同様の態様を例示できる。
第2触媒としては、エタノール及びアセトアルデヒドから1,3−ブタジエンへの転化反応を促進するものであればよく、例えば、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、マグネシウム、亜鉛、ケイ素を例示できる。なかでも、1,3−ブタジエンの収率の点から、ハフニウムが好ましい。第2触媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
第2触媒を使用する態様としては、例えば金属、酸化物、塩化物を例示でき、担体上に第2触媒を担持させて使用する態様や、2種以上の混合物として使用する態様を例示できる。
工程B2における転化反応時の圧力は、0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、0〜0.5MPaGが好ましく、0〜0.3MPaGがより好ましい。工程B2における圧力が前記範囲の下限値以上であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程B2における圧力が前記範囲の上限値以下であれば、過剰反応による1,3−ブタジエンの収率低下を抑制できる。
工程B2における転化反応時の温度は、50〜500℃の範囲で設定すればよく、300〜400℃が好ましく、320〜370℃がより好ましい。工程B2における温度が前記範囲の下限値以上であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程B2における温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰反応による1,3−ブタジエンの収率低下を抑制できる。
工程B2でのエタノール及びアセトアルデヒドから1,3−ブタジエンへの転化率は、30%超が好ましく、40%超がより好ましく、50%超がさらに好ましい。
なお、工程B2の「1,3−ブタジエンへの転化率」とは、第2反応器に供給される中間ガス中におけるエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数に対する、第2反応器中で消費されたエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数のモル比率を意味する。第2反応器中で消費されたエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数は、第2反応器に供給される中間ガス中におけるエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数から、第2反応器から排出される粗生成ガス中のエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数を差し引くことで算出される。
工程B2の転化反応の1,3−ブタジエンの選択率は、60%超が好ましく、70%超がより好ましく、80%超がさらに好ましい。なお、工程B2の「1,3−ブタジエンの選択率」とは、工程B2の第2反応器中で消費されたエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数に対する、1,3−ブタジエンに変換されたエタノール及びアセトアルデヒドの単位時間当たりのモル数の比率(百分率)を意味する。
工程B2においては、アセトアルデヒドの約65〜80%が1,3−ブタジエンに転化されることが好ましい。
工程B2で得られる粗生成ガスに含まれ得る副生物としては、エチレン、プロピレン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサノール、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、ペンテン、ペンタジエン、ヘキセン、ヘキサジエン等が挙げられる。
工程B3は、工程B1と工程B2の間で行う。以下、第2反応器に供給される中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を「モル比P」と記す。
工程B3で調整するモル比Pは、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましく、1〜20がさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。モル比Pが前記範囲内であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
工程B3では、モル比Pを分析計によって監視した結果に基づいて、中間ガスに混合する、工程A1で得たエタノール含有ガスの一部及びアセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方の量を調整することが好ましい。これにより、モル比Pを前記範囲内に制御することが容易になる。
分析計としては、例えば、プロセス質量分析計を例示できる。
工程B3においては、上記のように、精製工程や転化工程よりも前の工程である、ガス調整工程に含まれる工程A1で得られたエタノールリッチなエタノール含有ガスの一部を中間ガスに直接混合する。これにより、上記のモル比Pを、前記範囲内で比較的高めの比率に制御することが可能になる。
一方、転化工程における工程B1の後はエタノールの比率が低くなりやすく、例えば、精製工程に含まれる工程C4で得られるアセトアルデヒド含有ガスを再利用して中間ガスに混合しようとすると、さらにエタノールの比率が低下してしまい、また、また、一定の比率に制御することが難しくなる。このため、上記のモル比Pが著しく低くなるとともに、その比率も変動しやすくなるので、上記のモル比Pを前記範囲に制御することが困難になることから、1,3−ブタジエンの収率が低下する。
これに対し、本発明の1,3−ブタジエンの製造方法では、工程A1で得られたエタノールリッチなエタノール含有ガスを利用することで、工程B3に供給するエタノール含有ガスを高める。これにより、工程C4で得られたアセトアルデヒド含有ガスを回収して再利用しつつ、中間ガスのエタノール比率を高め、上記のモル比Pを、前記範囲内に制御するのが容易になり、さらに、前記範囲内で比較的高めの比率に制御することが可能になる。従って、転化効率が高められ、1,3−ブタジエンの収率が顕著に向上する。
工程Bは、1,3−ブタジエンの収率が向上する点から、下記の工程B4をさらに含むことが好ましい。
工程B4:中間ガスから水素ガスを分離する。
工程B4を行う場合、工程B3の前に工程B4を行ってもよく、工程B3の後に工程B4を行ってもよい。
工程B4において、中間ガスから水素ガスを分離する方法としては、特に限定されず、例えば、気液分離によってエタノール及びアセトアルデヒドを含む液と水素ガスとに分離する方法を例示できる。この場合は、エタノール及びアセトアルデヒドを含む液を加熱し、再び気化して中間ガスとして第2反応器に供給する。
中間ガスから水素ガスを分離する気液分離の条件としては、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜100℃の条件が好ましい。
(工程C)
工程Cは、下記の工程C1〜工程C4からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。 工程C1:粗生成ガス中のブテン(1−ブテン、2−ブテン、イソブテン)を脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化する。
工程C2:気液分離によって粗生成ガスから水素ガスを分離して1,3−ブタジエン含有液を得る。
工程C3:粗生成ガスの液化物又は1,3−ブタジエン含有液を蒸留してエチレン含有ガスと1,3−ブタジエン含有流出物とアセトアルデヒド含有液に分離する。
工程C4:アセトアルデヒド含有液を蒸留し、アセトアルデヒド含有ガスと、水を含む残液とに分離する。
一般に、1−ブテン、2−ブテン、イソブテンは蒸留等によって1,3−ブタジエンと分離することは困難である。工程C1において、1−ブテン、2−ブテン、イソブテンを脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化することで、1,3−ブタジエンの比率が高まる。
工程Cにおいて工程C1と工程C3の両方を行う場合、工程C3の前に工程C1を行ってもよく、工程C3の後に工程C1を行ってもよい。
工程C1では、例えば、工程Bで得た粗生成ガス、又は工程C3で得た1,3−ブタジエン含有流出物を第4反応器に供給し、第4触媒の存在下、圧力が−1.0〜1.0MPaG、温度が200〜550℃の条件で1−ブテン、2−ブテン、イソブテンを脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化する。
工程C1における第4反応器の態様としては、第1反応器で例示した態様と同様の態様を例示できる。
第4触媒としては、1−ブテン、2−ブテン、イソブテンの脱水素化反応を促進するものであればよく、例えば、モリブデン、タングステン、ビスマス、スズ、鉄、ニッケルを例示できる。なかでも、第4触媒としては、1,3−ブタジエンの収率の点から、モリブデンが好ましい。第4触媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
工程C1における脱水素化反応時の圧力は、−1.0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、−0.5〜0.5MPaGが好ましく、−0.3〜0.3MPaGがより好ましい。工程C1における圧力が前記範囲の下限値以上であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程C1における圧力が前記範囲の上限値以下であれば、過剰反応による1,3−ブタジエンの収率低下を抑制できる。
工程C1における脱水素化反応時の温度は、200〜550℃の範囲で設定すればよく、300〜500℃が好ましく、300〜450℃がより好ましい。工程C1における温度が前記範囲の下限値以上であれば、1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程C1における温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰反応による1,3−ブタジエンの収率低下を抑制できる。
工程C2では、工程Bで得た粗生成ガス、又は、工程C1を行った後の粗生成ガスに対して気液分離を行い、水素ガスを分離して1,3−ブタジエン含有液を得る。工程A2で窒素ガス等の希釈用ガスでエタノール含有ガスを希釈している場合、工程C2では水素ガスとともに希釈用ガスも分離される。
粗生成ガスの気液分離の条件としては、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜100℃の条件が好ましい。
工程C3では、工程Bで得た粗生成ガスの液化物、工程C1後の粗生成ガスの液化物、又は、工程C2後の1,3−ブタジエン含有液を蒸留塔に供給して蒸留する。これにより、上記の各液を、エチレン含有ガスと1,3−ブタジエン含有流出物とアセトアルデヒド含有液に分離する。より具体的には、例えば、垂直分割型蒸留塔を用い、塔頂からエチレン含有ガスを抜き出し、塔底からアセトアルデヒド含有液を抜き出し、中間部から1,3−ブタジエン含有流出物を抜き出す。なお、工程C3では、2つの蒸留塔を用い、1つ目の蒸留塔でエチレン含有ガスを分離し、2つ目の蒸留塔で1,3−ブタジエン含有流出物とアセトアルデヒド含有液に分離してもよい。
エチレン含有ガスには、エチレンの他、プロピレン、メタン、エタン等が含まれる。工程C1を行わずに工程Bで得た粗生成ガスの液化物を蒸留した場合は、水素ガスと窒素ガス等の希釈用ガスは、工程C3においてエチレン含有ガスとともに分離される。
アセトアルデヒド含有液には、アセトアルデヒドの他、エタノール、水等が含まれる。
工程C2を行わずに工程C3を行う場合、工程C3ではエチレン含有ガスとともに水素ガスも分離される。また、工程A2で窒素ガス等の希釈用ガスでエタノール含有ガスを希釈している場合、工程C3ではエチレン含有ガスとともに希釈用ガスも分離される。
工程C4では、工程C3で得たアセトアルデヒド含有液を蒸留塔に供給し、アセトアルデヒド含有ガスと、水を含む残液とに分離する。
なお、工程Cで工程C3及び工程C4を行う場合、工程C3と工程C4を別々に行う態様には限定されず、工程C3と工程C4を1つの蒸留塔で同時に行ってもよい。
工程C4で得られるアセトアルデヒド含有ガス中のアセトアルデヒドの含有量は、10体積%以上が好ましく、20体積%以上がより好ましく、40体積%以上がさらに好ましい。
工程Cで得られる精製1,3−ブタジエンの純度は、95.0質量%以上が好ましく、99.0質量%以上がより好ましく、99.5質量%以上がさらに好ましい。
(工程D)
工程Bで転化反応を継続すると、触媒上で炭素析出(コーキング)が生じ、触媒活性が低下する。これに対し、工程Dでは、工程Bを継続しつつ、工程Bで用いる2つ以上の並列の反応器のうちの少なくとも1つの反応器内の触媒を再生する。これにより、1,3−ブタジエンの製造を中断せずに触媒を再生することができ、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
工程Dは、下記の工程D1〜工程D3からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。 工程D1:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の反応器のうちの少なくとも1つの反応器に、酸素濃度が0.01〜100体積%の酸素含有ガスを供給し、反応器から二酸化炭素を含むガスを排出させて触媒を再生する。
工程D2:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の反応器のうちの少なくとも1つの反応器から触媒を取り出し、反応器外で酸素含有ガスを接触させて再生した触媒を再充填して触媒を再生する。
工程D3:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の反応器のうちの少なくとも1つの反応器内の触媒を未使用の触媒に入れ替えて触媒を再生する。
工程D1及び工程D2では、酸素含有ガスを触媒に接触させることで、触媒上に析出した炭素が酸素と反応し、二酸化炭素となって除去されるため、触媒が再生する。触媒上に硫黄成分や窒素成分が付着して触媒活性が低下する場合も、それらが酸素と反応し、硫黄酸化物や窒素酸化物となって除去されるため、触媒が再生する。
工程D1〜工程D3では、いずれも触媒再生処理を行う反応器以外の反応器においては触媒下の転化反応を継続する。
酸素含有ガスの酸素濃度は、0.01〜100体積%であり、1〜100体積%が好ましく、10〜70体積%がより好ましく、20〜50体積%がさらに好ましい。酸素含有ガスの酸素濃度が前記範囲の下限値以上であれば、触媒活性が回復しやすく、1,3−ブタジエンの収率が向上する。酸素含有ガスの酸素濃度が前記範囲の上限値以下であれば、酸素濃度が高濃度になりすぎることを抑制しやすく、爆発の可能性が低くなる。
酸素含有ガスとしては、例えば、空気、酸素ガス、希釈用ガスで酸素ガスを希釈したガスを例示できる。希釈用ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の希ガスを例示できる。
酸素含有ガスとしては、酸素濃度を所望の濃度に調節できる点では、希釈用ガスで酸素ガスを希釈したガスが好ましい。入手容易性の点では、酸素含有ガスとしては空気が好ましい。
工程Dの触媒再生処理は、工程B1の第1触媒と工程B2の第2触媒のいずれか一方のみに対して行ってもよく、両方に対して行ってもよい。
工程B1の第1触媒を再生する場合、工程Dは、下記の工程D11、工程D21及び工程D31からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
工程D11:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器に、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜500℃の条件で酸素含有ガスを供給し、第1反応器から二酸化炭素を含むガスを排出させて第1触媒を再生する。
工程D21:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器から第1触媒を取り出し、第1反応器外で酸素含有ガスを接触させて再生した第1触媒を再充填して第1触媒を再生する。
工程D31:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器内の第1触媒を未使用の第1触媒に入れ替えて第1触媒を再生する。
工程D11では、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器に酸素含有ガスを供給する。工程D21では、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器から第1触媒を取り出し、第1反応器外で再生した第1触媒を再充填する。工程D31では、2つ以上の並列の第1反応器のうちの少なくとも1つの第1反応器の第1触媒を未使用の第1触媒に入れ替える。いずれの場合も、並列する残りの第1反応器にはエタノール含有ガスの供給を継続する。
工程D11、工程D21及び工程D31の第1反応器では第1触媒が再生し、第1触媒の活性が回復する。2つ以上の並列の第1反応器のそれぞれに対し、工程D11、工程D21、工程D31のうちの1つ以上の触媒再生処理を順次実施することで、1,3−ブタジエンの連続的な製造を中断せずに各第1反応器の第1触媒を再生できる。その結果、工程B1における第1触媒の活性低下を抑制でき、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
工程D11において第1反応器に酸素含有ガスを供給する態様としては、例えば、製造ラインから第1反応器を切り離し、別途用意した再生処理ラインに接続して酸素含有ガスを供給する態様を例示できる。また、酸素含有ガスの供給ラインと二酸化炭素を含むガスの排出ラインを製造ラインに追加し、製造ライン上で第1反応器に酸素含有ガスを供給してもよい。
工程D11における触媒再生処理時の圧力は、0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、0〜0.5MPaGが好ましく、0〜0.3MPaGがより好ましい。工程D11における圧力が前記範囲の下限値以上であれば、触媒の再生が十分となり1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程D11における圧力が前記範囲の上限値以下であれば、酸素濃度が高濃度になりすぎることを抑制しやすく、爆発の可能性が低くなる。
工程D11における触媒再生処理時の温度は、0〜500℃の範囲で設定すればよく、100〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。工程D11における温度が前記範囲の下限値以上であれば、触媒の再生が十分となり1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程D11における温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰なエネルギーの消費を抑制できる。
工程D21の触媒再生処理時の圧力及び温度の好ましい条件は、工程D11の触媒再生処理時の圧力及び温度の好ましい条件と同じである。
工程D11では、第1反応器内の酸素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、第1反応器内の酸素量を制御することが好ましい。これにより、爆発の可能性を低くしつつ、1,3−ブタジエンの収率が向上させることができる。
第1反応器内の酸素量の制御方法としては、酸素量を低くする場合、例えば、酸素含有ガスの酸素濃度を低くする、酸素含有ガスの供給量を少なくする、第1反応器からのガス排出量を多くする等の方法を例示できる。
第1触媒の触媒活性が低下すると、エタノールのアセトアルデヒドへの転化率が低くなるため、第2反応器に供給される中間ガス中のモル比Pが高くなる。そのため、モル比Pを監視することで、第1触媒の触媒活性の低下を検知できる。工程Dでは、第2反応器に供給される中間ガス中のモル比Pを分析計によって監視した結果に基づいて、工程D11、工程D21及び工程D31のうちの1つ以上を実施することが好ましい。これにより、第2反応器に供給される中間ガス中のモル比Pが高くなりすぎることなく、第1触媒の触媒活性を効率良く回復させることができるため、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
第1触媒を再生する工程Dでは、第1反応器内の水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、第1反応器から中間ガスを排出することが好ましい。これにより、水素濃度が高くなりすぎることを抑制しやすく、爆発の可能性が低くなる。また、適切なタイミングで第1触媒の再生を行うことができ、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
第1反応器内の水素濃度を監視する分析計としては、例えば、プロセス質量分析計を例示できる。
工程B2の第2触媒を再生する場合、工程Dは、下記の工程D12、工程D22及び工程D32からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
工程D12:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器に、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜500℃の条件で酸素含有ガスを供給し、第2反応器から二酸化炭素を含むガスを排出させて第2触媒を再生する。
工程D22:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器から第2触媒を取り出し、第2反応器外で酸素含有ガスを接触させて再生した第2触媒を再充填して第2触媒を再生する。
工程D32:工程Bを継続しつつ、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器内の第2触媒を未使用の第2触媒に入れ替えて第2触媒を再生する。
工程D12では、工程D11と同様に、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器に酸素含有ガスを供給する。工程D22では、工程D21と同様に、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器から第2触媒を取り出し、第2反応器外で再生した第2触媒を再充填する。工程D32では、工程D31と同様に、2つ以上の並列の第2反応器のうちの少なくとも1つの第2反応器の第2触媒を未使用の第2触媒に入れ替える。いずれの場合も、並列する残りの第2反応器には中間ガスの供給を継続する。
工程D12、工程D22及び工程D32の第2反応器では第2触媒が再生し、第2触媒の活性が回復する。2つ以上の並列の第2反応器のそれぞれに対し、工程D12、工程D22、工程D32のうちの1つ以上の触媒再生処理を順次実施することで、1,3−ブタジエンの連続的な製造を中断せずに各第2反応器の第2触媒を再生できる。その結果、工程B2における第2触媒の活性低下を抑制でき、1,3−ブタジエンの収率が向上する。
工程D12において第2反応器に酸素含有ガスを供給する態様としては、工程D11で例示した第1反応器に酸素含有ガスを供給する態様と同じ態様を例示できる。
工程D12における触媒再生処理時の圧力は、0〜1.0MPaGの範囲で設定すればよく、0〜0.5MPaGが好ましく、0〜0.3MPaGがより好ましい。工程D12における圧力が前記範囲の下限値以上であれば、触媒の再生が十分となり1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程D12における圧力が前記範囲の上限値以下であれば、酸素濃度が高濃度になりすぎることを抑制しやすく、爆発の可能性が低くなる。
工程D12における触媒再生処理時の温度は、0〜500℃の範囲で設定すればよく、200〜500℃が好ましく、300〜450℃がより好ましい。工程D12における温度が前記範囲の下限値以上であれば、触媒の再生が十分となり1,3−ブタジエンの収率が向上する。工程D12における温度が前記範囲の上限値以下であれば、過剰なエネルギーの消費を抑制できる。
工程D22の触媒再生処理時の圧力及び温度の好ましい条件は、工程D12の触媒再生処理時の圧力及び温度の好ましい条件と同じである。
工程D12では、第2反応器内の酸素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、第2反応器内の酸素量を制御することが好ましい。これにより、爆発の可能性を低くしつつ、1,3−ブタジエンの収率を向上させることができる。
第2反応器内の酸素量の制御方法としては、第1反応器内の酸素量の制御方法として例示した態様と同じ態様を例示できる。
第2触媒を再生する工程Dでは、第2反応器内の1,3−ブタジエン濃度及び水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、第2反応器から粗生成ガスを排出することが好ましい。第2反応器内の水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、第2反応器から粗生成ガスを排出することも好ましい。これにより、適切なタイミングで第2触媒の再生を行うことができ、1,3−ブタジエンの収率が向上する。第2反応器内の1,3−ブタジエン濃度及び水素濃度を監視する分析計としては、例えば、プロセス質量分析計やガスクロマトグラフィーを例示できる。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、前記した工程A〜工程Cを含み、必要に応じてさらに工程Dを含む。本発明は、工程A〜工程Dにおいて説明した各構成を適宜選択し、組み合わせて実施することができる。以下、本発明の1,3−ブタジエンの製造方法の実施形態例を示して具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置100の概略模式図である。
なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
製造装置100は、原料収容部102と、気化器104と、希釈用ガス収容部106と、2つ以上の並列の第1反応器108と、2つ以上の並列の第2反応器110と、気液分離器112と、第1蒸留塔114と、第4反応器116と、第2蒸留塔118と、回収部120と、を備えている。
原料収容部102と気化器104とは、配管10で接続されている。配管10には流量指示調節計11が設けられている。
気化器104と2つ以上の並列の第1反応器108とは、第1反応器108側が2つ以上に分岐した配管12によって接続されている。配管12の分岐部よりも気化器104側には、気化器104内の圧力に基づいて流量を調整する圧力指示調整計14、ミキサー16、熱交換器18、温度指示調整計20が、気化器104側からこの順に設けられている。配管12の分岐部分にはそれぞれ弁22が設けられている。
希釈用ガス収容部106は、配管24によって、配管12における圧力指示調整計14とミキサー16の間に接続されている。配管24には流量指示調整計26が設けられている。
2つ以上の並列の第1反応器108と2つ以上の並列の第2反応器110とは、両端側がそれぞれ分岐している配管28によって接続されている。配管28の第1反応器108側の分岐部分にはそれぞれ弁30が設けられ、第2反応器110側の分岐部分にはそれぞれ弁32が設けられ、分岐部間には分析計34が設けられている。また、配管12の気化器104と圧力指示調整計14の間から分岐し、配管28の第2反応器110側の分岐部と分析計34との間に接続される配管36が設けられている。配管36には、流量指示調整計38が設けられており、分析計34の分析結果に基づいて配管36の流量を調整できるようになっている。
2つ以上の並列の第2反応器110と気液分離器112とは配管40で接続されている。配管40の第2反応器110側の分岐部分にはそれぞれ弁42が設けられ、また気液分離器112寄りの位置に熱交換器44が設けられている。
気液分離器112と第1蒸留塔114とは配管46によって接続されている。配管46には、ポンプ48と、気液分離器112内の液面レベルに基づいて流量を調整するレベル指示調整計50とが、気液分離器112側からこの順に設けられている。
第1蒸留塔114の塔頂には配管52が接続されている。また、気液分離器112の気相部と接続され、配管52に合流する配管54が設けられている。
第1蒸留塔114の中間部と第4反応器116とは配管56によって接続されている。第4反応器116と回収部120とは配管58によって接続されている。
第1蒸留塔114の塔底と第2蒸留塔118とは配管60によって接続されている。第2蒸留塔118の塔頂と、配管28における配管36との接続部と分析計34との間とは配管62によって接続されている。第2蒸留塔118の塔底には配管64が接続されている。
以下、製造装置100を用いる第1実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法について説明する。
原料収容部102から配管10を通じて気化器104にエタノール供給原料を送液し、圧力が−1.0〜1.0MPaG、温度が−100〜200℃の条件でエタノール供給原料を気化してエタノール含有ガスとする(工程A1)。気化器104から配管12にエタノール含有ガスを送り出し、希釈用ガス収容部106から配管24を通じて窒素ガス(希釈用ガス)を合流させ、ミキサー16で混合する。そして、エタノール含有ガスのエタノール濃度を0.1〜100体積%の範囲内で調整する(工程A2)。
エタノール濃度を調整したエタノール含有ガスを熱交換器18で加熱し、2つ以上の並列の第1反応器108に供給する。各々の第1反応器108において、第1触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノールをアセトアルデヒドに転化する(工程B1)。各々の第1反応器108内で生じるエタノール及びアセトアルデヒドを含む中間ガスを配管28へと送り出す。
気化器104(工程A1)で得たエタノール含有ガスの一部を、配管36を通じて中間ガスに混合する。また、後述する第2蒸留塔118(工程C4)の塔頂から配管62に抜き出したアセトアルデヒド含有ガスも中間ガスに混合する。分析計34によって第2反応器110に供給される中間ガス中のモル比Pを分析する。その結果に基づいて流量指示調整計38によって配管36のエタノール含有ガスの流量を調整し、第2反応器110に供給する中間ガスのモル比Pを1〜100の範囲で調整する(工程B3)。
モル比Pを調整した中間ガスを2つ以上の並列の第2反応器110に供給する。各々の第2反応器110において、第2触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノール及びアセトアルデヒドを1,3−ブタジエンに転化する(工程B2)。
1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスを各々の第2反応器110から配管40に送り出し、熱交換器44によって冷却して気液分離器112に供給する。気液分離器112において、粗生成ガスを水素ガス及び窒素ガス(希釈用ガス)と1,3−ブタジエン含有液に気液分離する(工程C2)。ポンプ48を駆動させ、1,3−ブタジエン含有液を気液分離器112から配管46を通じて第1蒸留塔114に供給して蒸留する。第1蒸留塔114の塔頂から配管52にエチレン含有ガスを抜き出し、塔底から配管60にアセトアルデヒド含有液を抜き出し、中間部から配管56に1,3−ブタジエン含有流出物を抜き出す(工程C3)。配管52に抜き出したエチレン含有ガスは、気液分離器112の気相部から配管54に抜き出した水素ガス及び窒素ガス(希釈用ガス)と合流させて廃ガスとして処理する。
配管56に抜き出した1,3−ブタジエン含有流出物を第4反応器116に供給し、第4触媒の存在下、1,3−ブタジエン含有流出物中の1−ブテン、2−ブテン、イソブテンを脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化する(工程C1)。配管58によって第4反応器116から回収部120に精製1,3−ブタジエンを送って回収する。
第1蒸留塔114の塔底から配管60に抜き出したアセトアルデヒド含有液は第2蒸留塔118に供給して蒸留する。第2蒸留塔118の塔底から配管64に水を含む残液を抜き出し、塔頂から配管62にアセトアルデヒド含有ガスを抜き出す(工程C4)。配管62に抜き出したアセトアルデヒド含有ガスは、前記したように中間ガスに混合する(工程B3)。配管64に抜き出した水を含む残液は廃液として処理する。
例えば、2つ以上の並列の第1反応器108のうちの少なくとも1つの第1反応器108の両側の弁22及び弁30を閉じ、製造ラインから切り離す。切り離した第1反応器108に、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜500℃の条件で酸素含有ガスを供給し、その第1反応器108から二酸化炭素を含むガスを排出させて第1触媒を再生する。もしくは第1反応器108から第1触媒を取り出し、第1反応器108外で再生した第1触媒、もしくは未使用の第1触媒を第1反応器108に充填して第1触媒を再生する。このとき、残りの第1反応器108においてはエタノールからアセトアルデヒドへの転化反応を継続し、1,3−ブタジエンを連続的に製造し続ける(工程D11、工程D21、工程D31)。触媒再生処理後の第1反応器108を再び製造ラインに接続し、その両側の弁22及び弁30を開いて転化反応を再開する(工程B1)。
例えば、2つ以上の並列の第2反応器110のうちの少なくとも1つの第2反応器110の両側の弁32及び弁42を閉じ、製造ラインから切り離す。切り離した第2反応器110に、圧力が0〜1.0MPaG、温度が0〜500℃の条件で酸素含有ガスを供給し、その第2反応器110から二酸化炭素を含むガスを排出させて第2触媒を再生する。もしくは第2反応器110から第2触媒を取り出し、第2反応器110外で再生した第2触媒、もしくは未使用の第2触媒を第2反応器110に充填して第2触媒を再生する。このとき、残りの第2反応器110においてはエタノール及びアセトアルデヒドから1,3−ブタジエンへの転化反応を継続し、1,3−ブタジエンを連続的に製造し続ける(工程D12、工程D22、工程D32)。触媒再生処理後の第2反応器110を再び製造ラインに接続し、その両側の弁32及び弁42を開いて転化反応を再開する(工程B2)。
第1実施形態においては、工程D11、工程D21、工程D31、工程D12、工程D22及び工程D32のうち、いずれか1つを行ってもよく、2つ以上を適宜組み合わせて行ってもよい。
なお、上記構成の製造装置100においては、第1反応器108と第2反応器110とを接続する配管28の経路に、第1触媒が第2反応器110内に混入するのを防止するための、図示略の集塵装置を設置することが好ましい。また、この集塵装置は、配管28の経路における、第1反応器108と、配管62の合流箇所との間に設置することがより好ましい。
このような集塵装置を設置することにより、第2反応器110におけるエタノールからアセトアルデヒドへの転化反応を抑制することができ、エタノールが必要な第2触媒による1,3−ブタジエンへの転化を安定的に維持することが可能になる。
上記のような集塵装置としては、特に限定されないが、例えば、サイクロン、バグフィルター、又は充填層フィルターが例示できる。
さらに、製造装置100においては、第1触媒又は第2触媒が、第1反応器108又は第2反応器110の後段側に流出するのを防止するため、これら各反応器の後段側、具体的には配管28及び配管40に図示略の触媒保持ユニットを設置することが好ましい。
このような触媒保持ユニットを設置することにより、第1反応器108又は第2反応器110から流出した第1触媒及び第2触媒が、これら各反応器以外の配管内などにおいて蓄積するのを防止できる。これにより、エタノール、又は、エタノール及びアセトアルデヒドから1,3−ブタジエンへの転化反応が、各反応器以外の箇所で生じることによる、炭素含有物の生成や、1,3−ブタジエンの収率の低下を抑制することが可能になる。
上記のような触媒保持ユニットとしては、特に限定されないが、例えば、グリッドサポート、多孔板、又はアルミナボール等が例示できる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置100Aの概略模式図である。
製造装置100Aは、第4反応器116を備えておらず、第1蒸留塔114の中間部と回収部120とが配管56によって接続されている以外は、製造装置100と同じ態様である。
製造装置100Aを用いる第2実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法は、工程C1を行わない以外は、製造装置100を用いる第1実施形態と同様に行える。
(第3実施形態)
図3は、第3実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法に用いる製造装置100Bの概略模式図である。
製造装置100Bは、以下に示す態様以外は、製造装置100と同じ態様である。製造装置100Bは気液分離器112を備えておらず、2つ以上の並列の第2反応器110と第1蒸留塔114とが配管40によって接続されている。製造装置100Bは第4反応器116を備えておらず、第1蒸留塔114の中間部と回収部120とが配管56によって接続されている。
製造装置100Bを用いる第3実施形態の1,3−ブタジエンの製造方法は、工程C1及び工程C2を行わない以外は、製造装置100を用いる第1実施形態と同様に行える。水素ガス及び窒素ガス(希釈用ガス)は、第1蒸留塔114の塔頂からエチレン含有ガスとともに抜き出される。
以上説明したように、本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は工程A〜工程Cを行うため、高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できる。
なお、本発明の本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、前記した実施態様には限定されず、各工程で説明した構成を適宜組み合わせることができる。本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、例えば、工程B3を選択せずに、それ以外の各工程の構成を適宜組み合わせた態様でも、1,3−ブタジエンの収率を高めることは可能である。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載によって限定されるものではない。
本実施例においては、図1に示す製造装置の構成及びプロセスフローに基づき、Aspen Technology, Inc.社製ソフトウェアにより、プロセスシミュレーションを行った。
[比較例1]
比較例1においては、軟化工程において、本願請求項1で規定する工程B3を含まないプロセスフロー、即ち、工程A1で得たエタノール含有ガスの一部、及び工程C4で得たアセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方を中間ガスに混合し、中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を1〜100に調整する工程を含まないプロセスフローとした点を除き、他の手順及び条件については、本願請求項1の規定に基づき、1,3−ブタジエンを連続的に製造するシミュレーションを行った。
比較例1では、転化工程において、エタノール含有ガスを15kL/hで連続的に供給することで、中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)が0.6となり、一定時間後に5.29/hの1,3−ブタジエン含有流出物が得られた。
[実施例1]
実施例1においては、転化工程において、さらに、上記の工程B3を含むプロセスフローとし、本願請求項1の規定に基づき、1,3−ブタジエンを連続的に製造するシミュレーションを行った。
実施例1では、転化工程において、エタノール含有ガスを15kL/hで連続的に供給することで、中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)が1となり、一定時間後に5.33t/hの1,3−ブタジエン含有流出物が得られた。
上記の実施例の結果より、本発明で規定する軟化工程を備えたプロセスフローを採用することにより、高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できることが明らかとなった。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、高い収率で1,3−ブタジエンを連続的に製造できる方法なので、特に、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の原料を製造するプロセスにおいて非常に好適である。
100,100A,100B…製造装置、102…原料収容部、104…気化器、106…希釈用ガス収容部、108…第1反応器、110…第2反応器、112…気液分離器、114…第1蒸留塔、116…第4反応器、118…第2蒸留塔、120…回収部。

Claims (6)

  1. エタノールを含むエタノール供給原料から1,3−ブタジエンを連続的に製造する方法であって、
    前記エタノール供給原料からエタノール含有ガスを調製するガス調製工程と、触媒の存在下、前記エタノール含有ガス中のエタノールを1,3−ブタジエンまで転化させる転化工程と、前記転化工程で得た1,3−ブタジエンを含む粗生成ガスを精製して精製1,3−ブタジエンを得る精製工程と、を含み、
    前記ガス調製工程は、圧力が−1.0〜1.0MPaG、温度が−100〜200℃の条件で前記エタノール供給原料を気化して前記エタノール含有ガスとする工程A1を含み、
    前記精製工程は、前記粗生成ガス中のブテンを脱水素化反応させて1,3−ブタジエンに転化する工程C1と、気液分離によって前記粗生成ガスから水素ガスを分離して1,3−ブタジエン含有液を得る工程C2と、前記粗生成ガスの液化物又は前記1,3−ブタジエン含有液を蒸留してエチレン含有ガスと1,3−ブタジエン含有流出物とアセトアルデヒド含有液とに分離する工程C3と、前記アセトアルデヒド含有液を蒸留してアセトアルデヒド含有ガスと水を含む残液とに分離する工程C4と、からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、
    前記転化工程は、前記エタノール含有ガスを第1反応器に供給し、第1触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件でエタノールをアセトアルデヒドに転化する工程B1と、前記工程B1で得たエタノール及びアセトアルデヒドを含む中間ガスを第2反応器に供給し、第2触媒の存在下、圧力が0〜1.0MPaG、温度が50〜500℃の条件で1,3−ブタジエンへと転化する工程B2と、前記工程A1で得た前記エタノール含有ガスの一部、及び前記工程C4で得た前記アセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方を前記中間ガスに混合し、前記中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を1〜100に調整する工程B3と、を含む、1,3−ブタジエンの製造方法。
  2. 前記第2反応器に供給される前記中間ガス中のモル比(エタノール/アセトアルデヒド)を分析計によって監視した結果に基づいて、前記工程B3の前記中間ガスに混合する前記エタノール含有ガス及び前記アセトアルデヒド含有ガスのいずれか一方又は両方の量を調整する、請求項1に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
  3. 前記転化工程は、前記中間ガスから水素ガスを分離する工程B4をさらに含む、請求項1又は2に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
  4. 前記第1反応器内の水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、前記第1反応器から前記中間ガスを排出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
  5. 前記第2反応器内の1,3−ブタジエン濃度及び水素濃度を分析計によって監視した結果に基づいて、前記第2反応器から前記粗生成ガスを排出する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
  6. 前記ガス調製工程は、前記エタノール含有ガスに1種以上のガスを混合し、前記エタノール含有ガス中のエタノールの濃度を0.1〜100体積%の範囲内で調整する工程A2をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。

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