JP2021106862A - 磁着シート部材、皮革製品および布帛製品 - Google Patents

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【課題】 装飾物等の脱着が容易であるにもかかわらず、装着時に容易に外れてしまうことがなく、さらに前記装飾物等を外した状態においても外観が良好な状態とすることが可能となる磁着シート部材、それを用いた皮革製品および布帛製品を提供する。【解決手段】 軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有しているシート部材であって、前記層における前記軟磁性金属粉末の含有量が、70重量%以上95重量%以下の範囲内であり、前記層における前記エラストマーの含有量が、5重量%以上30重量%以下の範囲内であり、前記シート部材の厚みが0.2mm以上2.0mm以下の範囲内であることを特徴とする磁着シート部材。【選択図】 図2

Description

本発明は、磁着シート部材、皮革製品および布帛製品に関する。
靴等の履物や衣類、鞄等に、装飾物を取り付けたり、必要に応じて取り外したりすることが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。前記文献1には装飾物を取り外し自由に取り替えできるとした靴・履物が開示されている。この履物はアッパー部、ベルト部などに小孔をあけて磁石の吸着ハトメを設け、装飾品の下部に磁石を設けてハトメに挿着するというものである。磁石同士を吸着させるために取り外しも簡単にできるものであるが、そのためには履物側に小孔を開ける必要がある。そのため、製造に手間がかかるうえに、装飾物を取り付けないと小孔が露出してしまうため、装飾物を取り外した状態では外見に問題がある。また、特許文献2には、履物本体に装飾物を取り付けることのできる脱着可能な装飾物付き履物が開示されている。前記文献に開示された履物は、履物本体と装飾物が、導電性部材である金属箔の両面に熱可塑性接着剤を塗布して構成された三層構造の接着層を介して接合されたものであることを特徴としている。装飾物が脱着可能となるように、接着層は履物本体と装飾物が分離解体できるように構成されているが、装飾物を取り外すには、接着層の加熱手段を用意することが必要であるため、気軽に脱着することは困難である。
特開2011−125647号公報 実用新案登録第3191976号公報
本発明は上記課題を解決するものであり、装飾物等の脱着が容易であるにもかかわらず、装着時に容易に外れてしまうことがなく、さらに前記装飾物等を外した状態においても外観が良好な状態とすることが可能となる磁着シート部材、それを用いた皮革製品および布帛製品を提供することを目的とする。
本発明の磁着シート部材は、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有しているシート部材であって、前記層における前記軟磁性金属粉末の含有量が、70重量%以上95重量%以下の範囲内であり、前記層における前記エラストマーの含有量が、5重量%以上30重量%以下の範囲内であり、前記シート部材の厚みが0.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
本発明の磁着シート部材において、前記軟磁性体金属粉末が、鉄、ニッケル、コバルト、および、これらのいずれかを含む合金の粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の磁着シート部材において、前記軟磁性金属粉末は、外気から遮断される状態で保持されていることが好ましい。
本発明の磁着シート部材において、前記軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層が、不織布上に設けられていることが好ましい。
本発明の磁着シート部材において、前記エラストマーが天然ゴムを含むことが好ましい。
本発明の皮革製品は、前記本発明の磁着シート部材が、内蔵されていることを特徴とする。
また、本発明の布帛製品は、前記本発明の磁着シート部材が、内蔵されていることを特徴とする。
本発明によれば、装飾物等の脱着が容易であるにもかかわらず、装着時に容易に外れてしまうことがなく、さらに前記装飾物等を外した状態においても外観が良好な状態とすることが可能となる磁着シート部材、それを用いた皮革製品および布帛製品を提供することができる。
図1は、本発明にかかる磁着シート部材を内蔵した靴の一例の斜視図である。 図2は、本発明にかかる磁着シート部材の使用状態を説明する斜視図である。
以下、本発明をさらに具体的に述べる。本発明の磁着シート部材は、それ自体が砂鉄等を磁着するような磁力を有さずに、磁石には強固に磁着することのできる部材であり、前記磁着シートを設けておくことで、磁石を有する装飾物等の他部材を装着し、また容易に取り外すことが可能となる。
前記磁着シート部材は、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有しているシート部材である。軟磁性体とは磁力を保持する力が小さく、透磁性が大きい材料であり、磁場の影響下では強く磁化されるが、磁場が存在しない場合は磁力を持たない性質を持つものである。前記磁着シート部材に軟磁性体金属粉末を用いることで、磁石には磁着するが、磁石から離れると、比較的簡単に磁極が消えるシート部材とすることができる。したがって、磁着することで装飾物を装着可能な靴の場合、前記磁着シート部材を、例えば、靴の側に使用すると、装飾物を取り外した状態で、地面にある砂鉄や金属片等を引き寄せてしまうという問題は生じにくくなる。
本発明においては、前記軟磁性体金属粉末が、鉄、ニッケル、コバルト、および、これらのいずれかを含む合金の粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記シート部材は、前記層における軟磁性金属粉末の含有量は、70重量%以上95重量%以下の範囲内であり、前記層における前記エラストマーの含有量は、5重量%以上30重量%以下の範囲内であり、前記シート部材の厚みは0.2mm以上2.0mm以下の範囲内である。前記軟磁性金属粉末の含有量が、90重量%以上であると、磁着力をより強くすることができ、好ましい。前記軟磁性金属粉末および前記エラストマーが、所定の厚みを有する前記シート部材において前記範囲の含有量であることで、前記シート部材の使用時において、厚すぎることにより外観に影響を及ぼすことがなく、かつ、シートとしての形状を維持しつつ十分な磁着力を得ることができる。
前記エラストマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、熱硬化性樹脂系エラストマー等の熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマーをあげることができる。硬化性樹脂系エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等があげられる。熱硬化性エラストマーは、ある一定の温度範囲において、熱を加えても軟化することの無い、比較的耐熱性の高いタイプのエラストマーであり、耐熱性を要する用途に適するものである。熱可塑性エラストマーは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状に戻る性質を持ったエラストマーであり、材料を加熱して射出成形することによって迅速に成型加工を行なえる利点がある。前記シート部材を、後述する靴に内蔵して用いる場合には、靴の製造工程の先芯蒸器での成型時に加熱圧縮を行うことから、前記エラストマーとしては天然ゴムを含んだものを用いることが好ましい。加熱圧縮することで、シート部材が延ばされるので、内蔵される対象の製品の外側から、前記シート部材を見えにくくすることができる。なお、前記軟磁性体金属粉末が、さびやすい材料である場合には、前記エラストマーは塩分を含まない材料であることが好ましい。
本発明の磁着シート部材において、前記軟磁性金属粉末は、外気から遮断される状態で保持されていることが好ましい。前記軟磁性金属粉末が、外気から遮断される状態で保持されていることで、前記軟磁性金属粉末のさび(酸化)を防止しやすくなり、磁着力を維持しやすくなる。外気から遮断される状態とするには、例えば、前記軟磁性金属粉末を前記エラストマーで覆うようにして、前記磁着シート部材を形成することもできる。あるいは、前記軟磁性金属粉末と前記エラストマーとを含む層を、例えば、水分透過率や酸素透過率の低いラップフィルム等で覆って前記磁着シート部材を形成することもできる。
本発明の磁着シート部材において、前記軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層が、不織布上に設けられていることが好ましい。不織布上に前記軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を設けることで、他部材への取付けを容易に行うことができる。前記不織布は、前記軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層の反対面に、例えば、剥離紙付きの粘着層あるいは接着層を有していてもよく、その場合は前記剥離紙を剥がして、所望の場所に容易に固着させることが可能である。
本発明の磁着シート部材において、前記エラストマーが天然ゴムを含むことが好ましい。例えば、前記軟磁性体金属粉末として鉄粉を用いた場合、エラエストマーとして天然ゴムを用いると、柔軟性が高い磁着シート部材を得ることができる。
本発明の磁着シート部材は、デニム等の布帛を用いた布帛製品、皮革製品等の各種製品に内蔵されて好適に用いることができる。前記磁着シート部材は、薄く、柔軟性に富むため、柔らかい素材の内側に装着しても、違和感が少なく、また、外観に与える影響も少なくすることができる。前記磁着シート部材を装着することで、前記の各種製品の前記磁着シート部材装着部分において、磁石を有する装飾物等の他部材を装着して、デザインのバリエーションを楽しむことができる。あるいは、磁着により着脱可能な留め具を設けることができる。前記皮革製品としては、天然の皮革から製造された製品に限定されるものではなく、合成皮革や皮調の素材から製造された製品であってもよい。
靴、特にパンプス等の婦人靴においては、アッパーの甲部分、踵部分およびサイド部分の少なくとも一箇所に前記磁着シート部材を内蔵することで、磁石を有する装飾物を容易に着脱することができる。前記磁着シート部材は薄く、柔軟であるため、靴の製造工程における先芯蒸器での成型時に加熱圧縮を行った後に、前記装飾物を装着していない状態(プレーンなパンプスの状態)でも、前記磁着シート部材が表面に浮き出して見えることのないように調整することが可能である。図1は、磁着シート部材3を内蔵した靴1の一例の斜視図である。同図においては、本発明の磁着シート部材3が、一例としてアッパーの甲部分に内蔵されている靴1を示している。図2は、本発明の磁着シート部材3の使用状態を説明する斜視図である。靴1に装飾物5を取り付けたい場合、装飾物5の裏面に磁石7を固着させておくことで、装飾物5を靴1の磁着シート部材3の配置箇所に磁着させることができる。磁着シート部材3は外観に影響を及ぼしにくいため、靴1は、装飾物5を取り付けた状態においても取り外した状態においても、違和感なく履くことができる。装飾物5に替えて、他の装飾を行うことも容易である。その場合には、磁石が固着された装飾物であれば、任意のものを用いることができる。
衣類、鞄等においては、ボタンやホック等で係合する部分に、前記ボタンや前記ホック等に替えて、前記磁石シート部材と磁石とを使用することで、確実に係合させることができるとともに、容易に(例えば、片手でも)着脱を行うことが可能となる。
本発明の磁着シート部材は、厚みが0.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下の範囲にあることが好ましい。前記磁着シート部材は、厚くなるとシート部材が丈夫になり破れにくくなるが、厚すぎると、配置された部分において違和感が生じやすい。厚みが薄すぎると取り扱いしにくく、また、貼付時の耐性が不十分となりやすい。
本発明の磁着シート部材には、本発明で得られる特性を損なわない範囲で、例えば、可塑剤、増量剤、着色剤、安定剤等の添加物を含有させることも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
実施例1は、不織布上に軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有している磁着シート部材であり、軟磁性体金属粉末として鉄粉(#200、協和純薬工業株式会社製)を、エラストマーとして天然ゴム(「RUBBER CEMENT 880」、オリエント化成工業株式会社製)を用いた。厚さ0.6mmの不織布上に、鉄粉と天然ゴムとの混合割合(重量比)が、91:9である層を形成した。天然ゴムが乾燥するまで、約1日放置して、本実施例の磁着シート部材を得た。乾燥後に厚さを測定したところ、磁着シート部材全体の厚さは1.0mmであり、前記層の厚さは0.4mmであった。前記不織布は、55mm×40mmでの重さが、約0.5gであり、塗布後の重さ(磁着シート部材の重さ)は、約2.7gであった。得られた磁着シート部材をパンプス用の皮革で挟み込み、その上から磁石を近づけたところ、強固に磁着し、磁石を持ち上げたり振ったりしても、容易には外れなかった。
[実施例2]
実施例1と同じ材料を用い、磁着シート部材を作製した。本実施例においては、不織布上に天然ゴムと鉄粉を面方向に交互に層状に重ねて配置させて固着させて、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を形成した。まず、不織布に、天然ゴムを塗布した。次いで、天然ゴムの塗布面に鉄粉を散布した。そして、鉄粉の散布面の上から天然ゴムを再度塗布した。これを繰り返し、鉄粉の散布層を3層形成し、最後に天然ゴムを塗布して、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を形成したところ、実施例1とほぼ同一の厚さおよび重量比の層が得られた。エラストマーに対する軟磁性体金属粉末の比率が大きくなると、混合時にダマになるなど、容易な混合は難しくなる傾向にあり、また、混合後に放置すると沈殿してしまうため、常に撹拌が必要であるが、本実施例での方法によると、鉄粉と天然ゴムを均一に混合させる工程を省くことができるにもかかわらず、均一な層を容易に得ることができる。
得られた磁着シート部材を用い、靴(パンプス)を作製した。55mm×40mmの前記磁着シート部材の不織布側を、靴の表革の甲部分の裏面に貼り付けた。その上から、磁着シート部材の端部を含む全体をコーティングするように、天然ゴムを塗布して約5分放置し、鉄粉が外気から遮断されるようにした。得られた磁着シート部材付きの表革を用い、ライニングで磁着シート部材を挟み込み、通常の工程と同様に、先芯蒸器での成型を行った。成型後の靴では、磁着シート部材が内蔵されている箇所が外観からは容易にわからない状態となっていた。なお、磁着部材としてステンレス板(厚さ約0.1mm)を挟み成型すると、成型後にステンレス板の部分が表面に浮き出るようになった。それに対し、本実施例の磁着シート部材を用いた場合には、表面の意匠に影響を及ぼすことがなかった。得られた磁着シート部材内蔵の靴の上から磁石を近づけたところ、磁着シート部材の配置箇所には強固に磁着した。磁石を持ち上げたり振ったりしても、容易には外れなかった。磁石を持ち上げると、靴も持ち上がり、磁石は靴から外れなかった。
[実施例3]
実施例2と同様にして、鉄粉の散布層を5層形成し、最後に天然ゴムを塗布して、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を形成した。得られた磁着シート部材の厚さは1.3mmであり、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層における鉄粉と天然ゴムとの重量比は、91:9であった。
得られた磁着シート部材を用い、実施例2と同様に靴(パンプス)を作製した。成型後の靴では、磁着シート部材が内蔵されている箇所が外観からは容易にわからない状態となっていた。本発明の磁着シート部材を用いた場合には、鉄粉の散布層が5層の場合でも、表面の意匠に影響を及ぼすことがなかった。得られた磁着シート部材内蔵の靴の上から磁石を近づけたところ、磁着シート部材の配置箇所には、実施例2に比べてより強固に磁着した。磁石を持ち上げたり振ったりしても、容易には外れなかった。磁石を持ち上げると、靴も持ち上がり、磁石は靴から外れなかった。
[実施例4]
実施例4は、不織布を用いず、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層のみからなる磁着シート部材である。実施例1と同様に、軟磁性体金属粉末として鉄粉(#200、協和純薬工業株式会社製)を、エラストマーとして天然ゴム(「RUBBER CEMENT 880」、オリエント化成工業株式会社製)を用いた。市販のクリアファイル(ポリプロピレンシート)上に、実施例2と同様に、天然ゴムを塗布した。次いで、天然ゴムの塗布面に鉄粉を散布した。そして、鉄粉の散布面の上から天然ゴムを再度塗布した。これを繰り返し、鉄粉の散布層を3層形成し、最後に天然ゴムを塗布して、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を形成した。天然ゴムが乾燥するまで、よく乾かした後、ポリプロピレンシートから前記層を剥がし、本実施例の磁着シート部材を得た。
得られた磁着シート部材を用い、実施例2と同様にして磁着シート部材が内蔵された靴を作製した。本実施例の磁着シート部材は、実施例1および実施例2で得られた磁着シート部材よりも、不織布がない分だけ薄くすることができ、より違和感なく製品に内蔵させることができた。
[実施例5]
実施例4で得られた磁着シート部材に含まれる鉄粉を、外気からより遮断した状態とするために、ラップフィルム(ポリ塩化ビニリデンフィルム「NEWクレラップ」、株式会社クレハ製)を用いた。ラップフィルムを15cm×20cmにカットし、天然ゴムを塗布した。天然ゴムの塗布面に実施例4で得られた磁着シート部材を置き、上からさらに天然ゴムをコートするように塗布した。約5分間放置した後に、ラップフィルムで磁着シート部材を、中の空気を抜くようにしながら包んだ。ヒートシーラーを用いて、ラップフィルムを溶着させて磁着シート部材を密封するとともに、余分なラップフィルムをカットして、本実施例の磁着シート部材を得た。
得られた磁着シート部材を、室温で水中に入れて放置したところ、約1か月経過後においても、鉄粉がさびた様子は見られなかった(赤色への変色は見られなかった)。
また、得られた磁着シート部材を用い、靴(パンプス)を作製した。55mm×40mmの前記磁着シート部材を、両面テープを用いて靴の表革の甲部分の裏面に貼り付けた。本実施例の磁着シート部材を用いると、製品に内蔵する際に、天然ゴム等の塗布を行わずに、磁着シート部材を防水状態で固定することができる。得られた磁着シート部材付きの表革を用い、ライニングで磁着シート部材を挟み込み、通常の工程と同様に、先芯蒸器での成型を行った。成型後の靴では、磁着シート部材が内蔵されている箇所が外観からは容易にわからない状態となっていた。
以上のように、本発明では、装飾物等の脱着が容易であるにもかかわらず、装着時に容易に外れてしまうことがなく、さらに前記装飾物等を外した状態においても外観が良好な状態とすることが可能となる磁着シート部材、それを用いた皮革製品および布帛製品が得られることがわかる。
1…靴(皮革製品)
3…磁着シート部材
5…装飾物
7…磁石
本発明の磁着シート部材は、軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有しているシート部材であって、前記層における前記軟磁性金属粉末の含有量が、70重量%以上95重量%以下の範囲内であり、前記層における前記エラストマーの含有量が、5重量%以上30重量%以下の範囲内であり、前記層においては、前記軟磁性体金属粉末と前記エラストマーとが面方向に交互に層状に固着されており、前記シート部材の厚みが0.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
[実施例1(参考例)
実施例1(参考例)は、不織布上に軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有している磁着シート部材であり、軟磁性体金属粉末として鉄粉(#200、協和純薬工業株式会社製)を、エラストマーとして天然ゴム(「RUBBER CEMENT 880」、オリエント化成工業株式会社製)を用いた。厚さ0.6mmの不織布上に、鉄粉と天然ゴムとの混合割合(重量比)が、91:9である層を形成した。天然ゴムが乾燥するまで、約1日放置して、本実施例の磁着シート部材を得た。乾燥後に厚さを測定したところ、磁着シート部材全体の厚さは1.0mmであり、前記層の厚さは0.4mmであった。前記不織布は、55mm×40mmでの重さが、約0.5gであり、塗布後の重さ(磁着シート部材の重さ)は、約2.7gであった。得られた磁着シート部材をパンプス用の皮革で挟み込み、その上から磁石を近づけたところ、強固に磁着し、磁石を持ち上げたり振ったりしても、容易には外れなかった。

Claims (7)

  1. 軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層を有しているシート部材であって、
    前記層における前記軟磁性金属粉末の含有量が、70重量%以上95重量%以下の範囲内であり、
    前記層における前記エラストマーの含有量が、5重量%以上30重量%以下の範囲内であり、
    前記シート部材の厚みが0.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることを特徴とする磁着シート部材。
  2. 前記軟磁性体金属粉末が、鉄、ニッケル、コバルト、および、これらのいずれかを含む合金の粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の磁着シート部材。
  3. 前記軟磁性金属粉末は、外気から遮断される状態で保持されている、請求項1または2記載の磁着シート部材。
  4. 前記軟磁性体金属粉末とエラストマーとを含む層が、不織布上に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁着シート部材。
  5. 前記エラストマーが天然ゴムを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の磁着シート部材。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の磁着シート部材が、内蔵されていることを特徴とする皮革製品。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の磁着シート部材が、内蔵されていることを特徴とする布帛製品。
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