JP2021106251A - 接着剤組成物、積層体、積層体の製造方法、及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
半導体パッケージの技術としては、ファンイン型技術、ファンアウト型技術が挙げられる。ファンイン型技術による半導体パッケージとしては、ベアチップ端部にある端子をチップエリア内に再配置する、ファンイン型WLP(Fan-in Wafer Level Package)等が知られている。ファンアウト型技術による半導体パッケージとしては、該端子をチップエリア外に再配置する、ファンアウト型WLP(Fan-out Wafer Level Package)等が知られている。
支持体と基板との接着に熱硬化性接着剤を用いた場合、高温処理時に位置ずれや沈み込み等の問題は生じない。しかし、溶剤等による接着層の除去が困難であり、分離層を設けた場合でも、分離層の変質により支持体と基板とを分離した後、基板に付着する接着層を除去することが難しい。
また、従来の接着剤では、基板の加工後に、支持体と基板とを分離するために、通常、分離層を必要とする。そのため、分離層の形成と、接着層の形成とを別々に行う必要があり、作業が煩雑である。
すなわち、本発明の第1の態様は、半導体基板又は電子デバイスと、光を透過する支持体とを仮接着する接着層を形成するために用いられる接着剤組成物であって、(a)光吸収剤、ポリイソシアネート、及びポリオール、又は(b)光吸収剤、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂、及び重合開始剤、を含有する、接着剤組成物である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」又は「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH2−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。尚、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
本発明の第1の態様にかかる接着剤組成物は、半導体基板又は電子デバイスと、光を透過する支持体とを仮接着する接着層を形成するために用いられる接着剤組成物であって、
(a)光吸収剤、ポリイソシアネート、及びポリオール、又は(b)光吸収剤、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂、及び重合開始剤を含有することを特徴とする。
本実施形態にかかる接着剤組成物は、半導体基板又は電子デバイスと、支持体と、を仮接着する接着層を形成するために用いられる。本明細書において、「仮接着」とは、接着対象が一時的に(例えば、任意の作業工程の間)接着されることをいう。より具体的には、半導体基板又は電子デバイスは、デバイスの薄化、半導体基板の搬送、半導体基板への実装等のために、一時的に支持体に接着されて支持体上に固定され(仮接着)、当該プロセス終了後に、支持体から分離される。
本実施形態にかかる接着剤組成物が適用される半導体基板は、特に限定されず、半導体基板として一般的に用いられるものであってよい。半導体基板(ベアチップ)は、支持体に支持された状態で、薄化、実装等のプロセスに供される。半導体基板には、例えば集積回路や金属バンプ等の構造物が実装されていてもよい。
半導体基板としては、典型的には、シリコンウェーハ基板が挙げられるが、これに限定されず、セラミックス基板、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等であってもよい。
本明細書において、「電子デバイス」とは、電子部品の少なくとも一部を構成する部材を意味する。電子デバイスは、特に制限されず、半導体基板の表面に、各種機械構造や回路が形成されたものであることができる。電子デバイスは、好ましくは、金属又は半導体により構成される部材と、前記部材を封止又は絶縁する樹脂と、の複合体であってもよい。電子デバイスは、後述する再配線層、及び/又は半導体素子若しくはその他素子が、封止材又は絶縁材で封止又は絶縁されたものであってもよく、単層又は複数層の構造を有し得る。
支持体は、半導体基板又は電子デバイスを支持する部材である。支持体は、後述するように、光を透過する特性を有し、半導体基板を支持する部材から構成される。
(a)光吸収剤、ポリイソシアネート、及びポリオール。
(b)光吸収剤、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂、及び重合開始剤。
以下、便宜上、前記(a)の成分を含有する接着剤組成物を「接着剤組成物(a)」、前記(b)の成分を含有する接着剤組成物を「接着剤組成物(b)」ともいう。
一方、接着剤組成物(a)又は接着剤組成物(b)により形成される接着層は、光吸収剤を含む。そのため、光を透過する支持体を介して光を接着層に照射すると、接着層光吸収剤が光を吸収し、接着層が変質する。これにより、前記接着層を介して仮接着された半導体基板又はデバイスと、光を透過する支持体と、を分離することができる。
さらに、接着剤組成物(a)又は接着剤組成物(b)により形成される接着層は、ウレタン樹脂を含むため、酸又はアルカリによりウレタン結合を分解することにより、接着層を分解することができる。これにより、光を透過する支持体から分離した後、半導体基板又はデバイスに付着する接着層の残渣を除去することができる。
接着剤組成物(a)は、光吸収剤、ポリイソシアネート、及びポリオールを含有する。接着剤組成物(a)は、加熱により、ポリイソシアネートとポリオールとがウレタン結合して架橋する。これにより、接着剤組成物層が硬化して、支持体及び半導体基板等を仮接着する接着層を形成する。一方、接着層にレーザー光等の光を照射すると、光吸収剤が光を吸収して接着層が変質する。これにより、支持体と半導体基板等とを分離することができる。さらに、半導体基板等に付着する接着層の残渣は、酸若しくはアルカリでウレタン結合を分解することにより、除去することができる。
接着剤組成物(a)は、光吸収剤(以下、「(B)成分」ともいう)を含有する。接着剤組成物(a)が、(B)成分を含有することにより、光を照射して接着層を変質させることができる。
(B)成分としては、例えば、顔料、及び染料が挙げられる。
顔料は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよい。顔料は、黒色顔料、及びカラー着色顔料のいずれであってもよい。
C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様で番号のみ記載する)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73;
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様で番号のみ記載する)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様で番号のみ記載する)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265;
C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様で番号のみ記載する)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
染料としては、例えば、アゾ染料(モノアゾおよびポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料)、アントラキノン染料(アントラキノン誘導体、アントロン誘導体)、インジゴイド染料(インジゴイド誘導体、チオインジゴイド誘導体)、フタロシアニン染料、カルボニウム染料(ジワェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料)、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、メチン染料(シアニン染料、アゾメチン染料)、キノリン染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン及びナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、及びペリノン染料等が挙げられる。
接着剤組成物(a)における(B)成分の含有量は、接着剤組成物(a)の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜15質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が、上記下限値以上であると、接着層における光の吸収効率が向上し、接着層の変質が良好となる。(B)成分の含有量が、上記上限値以下であると、他の成分とのバランスが取りやすくなる。
また、接着剤組成物(a)における(B)成分の含有量は、接着剤組成物(a)の総質量(100質量%)に対して、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。
接着剤組成物(a)は、ポリイソシアネート化合物(以下、「(I)成分」ともいう)を含有する。本明細書において、「ポリイソシアネート化合物」とは、2個以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物(ポリイソシアネート)又は2個以上のブロックされたイソシアネート基を有する化合物(ブロックポリイソシアネート)を意味する。ポリイソシアネートとしては、特に限定されず、ウレタン樹脂の製造に一般的に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基がブロック剤との反応によりブロックされて、不活性化された化合物である。(I)成分として用いられるブロックポリイソシアネートは、熱解離性ブロック剤によりイソシアネート基がブロックされたものであることが好ましい。熱解離性ブロック剤としては、例えば、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤が挙げられる。熱解離性ブロック剤によるブロックポリイソシアネートは、常温ではイソシアネート基が不活性であり、加熱されることにより、熱解離性ブロック剤が解離してイソシアネート基を再生する。
ブロック剤の具体例としては、たとえば、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム、プロピオラクタムなどのラクタム化合物;メチルエチルケトオキシム、メチルイソアミルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、クレゾール、カテコール、ニトロフェノールなどの単環フェノール化合物;1−ナフトールなどの多環フェノール化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、トリメチロールプロパン、2−エチルヘキシルアルコールなどのアルコール化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル化合物;マロン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸アルキルエステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン化合物;等が挙げられる。ブロック剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物(a)における(I)成分の含有量は、接着剤組成物(a)の総質量(100質量%)に対して、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。(I)成分の含有量が、上記下限値以上であると、接着剤組成物(a)の硬化性が良好となる。(I)成分の含有量が、上記上限値以下であると、他の成分とのバランスが取りやすくなる。
接着剤組成物(a)は、ポリオール(以下、「(O)成分」ともいう)を含有する。ポリオールは、2個以上のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物である。ポリオールとしては、特に限定されず、ウレタン樹脂の製造に一般的に用いられるものを特に制限なく用いることができる。(O)成分は、脂肪族ポリオールであってもよく、芳香族ポリオールであってもよい。(O)成分は、低分子ポリオール(例えば、分子量500未満)であってもよく、高分子ポリオール(例えば、分子量500以上)であってもよい。
フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂であってもよく、レゾール型フェノール樹脂であってもよい。ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、「フェノール類」という)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得ることができる。レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ触媒下で付加縮合させることにより得ることができる。
ヒドロキシスチレン骨格を含む樹脂としては、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位を有するものであれば、特に限定されない。ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位の具体例としては、下記一般式(a10−1)で表される構成単位が挙げられる。
Rの炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rの炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
Yax1における2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好適なものとして挙げられる。
Yax1が置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である場合、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
該脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
該直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
該分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数3〜6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましく、炭素数3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
該構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。
該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子2つを除いた基(アリーレン基又はヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子2つを除いた基;前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子1つを除いた基(アリール基又はヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記のアリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子及びハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
Yax1がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとして、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)2−O−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m”は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
前記のへテロ原子を含む2価の連結基が−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−C(=O)−、−NH−、−NH−C(=NH)−の場合、そのHはアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)2−O−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基)と同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基又はアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基において、m”は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。中でも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
Wax1における芳香族炭化水素基としては、芳香環から(nax1+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。ここでの芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
下記の式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、又は水添ビスフェノールA等の1種又は2種以上のグリコールを、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等と反応させることによって得られるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のグリコール類若しくはそれらの混合物と、を反応させて得られるポリエステルポリオール、或いはポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
接着剤組成物(a)における(O)成分の含有量は、接着剤組成物(a)の総質量(100質量%)に対して、50〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましく、60〜85質量%がさらに好ましい。(O)成分の含有量が、上記下限値以上であると、接着剤組成物(a)の硬化性が良好となる。(I)成分の含有量が、上記上限値以下であると、他の成分とのバランスが取りやすくなる。
接着剤組成物(a)中、(I)成分と(O)成分との含有量の質量比は、((I):(O))=1:10〜10:1の範囲であることが好ましく、2:8〜8:2であることがより好ましく、2:8〜5:5であることがさらに好ましい。
接着剤組成物(b)は、光吸収剤、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂、及び重合開始剤を含有する。接着剤組成物(b)は、加熱等により、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂が重合して架橋する。これにより、接着剤組成物層が硬化して、支持体及び半導体基板等を仮接着する接着層を形成する。一方、接着層にレーザー光等の光を照射すると、光吸収剤が光を吸収して接着層が変質する。これにより、支持体と半導体基板等とを分離することができる。さらに、半導体基板等に付着する接着層の残渣は、酸若しくはアルカリでウレタン結合を分解することにより、除去することができる。
接着剤組成物(b)は、光吸収剤((B)成分)を含有する。(B)成分としては、前記接着剤組成物(a)と同様のものが挙げられる。
(B)成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物(b)における(B)成分の含有量は、接着剤組成物(b)の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜15質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が、上記下限値以上であると、接着層における光の吸収効率が向上し、接着層の変質が良好となる。(B)成分の含有量が、上記上限値以下であると、他の成分とのバランスが取りやすくなる。
また、接着剤組成物(b)における(B)成分の含有量は、接着剤組成物(b)の総質量(100質量%)に対して、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。
接着剤組成物(b)は、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂(以下、「(P1)成分」ともいう)を含有する。(P1)成分が含む重合性炭素−炭素二重結合は、特に限定されないが、ラジカル重合性のものであることが好ましい。重合性炭素−炭素二重結合としては、例えば、メタクリロイル基、及びアクリロイル基が挙げられる。(P1)成分が含む重合性炭素−炭素二重結合は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
(P1)成分が含む重合性炭素−炭素二重結合の当量は、200〜2000g/eq.以上が好ましく、300〜1500g/eq.以上がより好ましく、400〜1200g/eq.以上がさらに好ましく、500〜1000g/eq.が特に好ましい。重合性炭素−炭素二重結合当量が、前記好ましい範囲の下限値以上であると、接着層の弾性率、耐熱性等がより向上する。重合性炭素−炭素二重結合当量が、前記好ましい範囲の上限値以下であると、接着層が硬くなりすぎず、洗浄性が良好となる。前記当量数は、重合性炭素−炭素二重結合1当量当たりのウレタン樹脂の分子量である。
(P1)成分の合成に用いる(I)成分としては、上記接着剤組成物(a)で(I)成分として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(I)成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、(I)成分は、脂肪族ジイソシアネート及び芳香族ジイソシアネートの混合物を用いることができる。前記脂肪族ジイソシアネートとしては、水添キシレンジイソシアネートが好ましい。前記芳香族ジイソシアネートとしては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
(P1)成分の合成に用いる(O)成分としては、重合性炭素−炭素二重結合を含むポリオール(以下、「(O1)成分」ともいう)、及びその他のポリオール(以下、「(O2)成分」ともいう)が挙げられる。
(O1)成分としては、メタクリロイル基及びアクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種を含むポリオールが挙げられる。(O1)成分が有する重合性炭素−炭素二重結合は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。
「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを包含する概念であり、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
中でも、(O1)成分としては、メタクリロイル基又はアクリロイル基を含むジオールであることが好ましく、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、又はペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(O2)成分は、上記(O1)成分以外のポリオールである。(O2)成分は、特に限定されず、脂肪族ポリオールであってもよく、芳香族ポリオールであってもよい。(O2)成分は、低分子ポリオール(例えば、分子量500未満)であってもよく、高分子ポリオール(例えば、分子量500以上)であってもよい。
(O2)成分として、低分子ポリオールを用いる場合、(O1)成分に対する低分子ポリオールの割合(低分子ポリオール/(O1)成分(質量比))は、0.01〜0.1が好ましく、0.03〜0.08がより好ましい。
高分子ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、及び植物油系ポリオールが好ましい。ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族ポリカーボネートポリオールが好ましく、脂肪族ポリカーボネートジオールがより好ましい。植物油系ポリオールとしては、ヒマシ油変性ポリオールが好ましく、ヒマシ油変性ジオールがより好ましい。
(O2)成分として、ポリカーボネートポリオールを用いる場合、(O1)成分に対するポリカーボネートポリオールの割合(ポリカーボネートポリオール/(O1)成分(質量比))は、0.1〜5が好ましく、0.3〜3がより好ましく、0.4〜3がさらに好ましい。
(O2)成分として、植物油系ポリオールを用いる場合、(O1)成分に対する植物油系ポリオールの割合(植物油系ポリオール/(O1)成分(質量比))は、0.1〜5が好ましく、0.3〜3がより好ましく、0.4〜2.5がさらに好ましい。
上記の中でも、(O2)成分としては、接着剤組成物(b)の粘度、及び接着層の硬さを調整する観点から、ポリカーボネートポリオール、及び低分子ポリオールが好ましい。また、接着層の耐熱性を高める観点から、(O2)成分として、ヒマシ油変性ポリオールを用いてもよい。
(O1)成分と(O2)成分との質量比は、(O1):(O2)=1:5〜5:1が好ましく、1:4〜2:1がより好ましく、1:4〜1:1がさらに好ましく、1:4〜1:2が特に好ましい。(O1)成分と(O2)成分との質量比を前記範囲内とすることにより、接着層の弾性率及び耐熱性等を、向上させることができる。
接着剤組成物(b)における(P1)成分の含有量は、支持体等に塗布可能な濃度であれば特に限定されない。接着剤組成物(b)における(P1)成分の含有量としては、接着剤組成物(b)の総質量(100質量%)に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。
接着剤組成物(b)は、重合開始剤(以下、(A)成分ともいう)を含有する。重合開始剤は、重合反応を促進させる機能を有する成分をいう。(A)成分としては、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
接着剤組成物(a)及び接着剤組成物(b)は、上記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を含んでいてもよい。任意成分は、特に限定されないが、例えば重合禁止剤、溶剤成分、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、界面活性剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、熱や光によるラジカル重合反応を防止する機能を有する成分をいう。重合禁止剤は、ラジカルに対して高い反応性を示す。
重合禁止剤の含有量は、樹脂成分の種類、接着剤組成物の用途及び使用環境に応じて適宜決定すればよい。
界面活性剤としては、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
溶剤成分としては、例えば、炭化水素溶剤、石油系溶剤、及び前記溶剤以外のその他の溶剤が挙げられる。以下、炭化水素溶剤及び石油系溶剤をまとめて「(S1)成分」ともいう。(S1)成分以外の溶剤成分を「(S2)成分」ともいう。
接着剤組成物(b)における溶剤成分の含有量は、接着剤組成物層の厚さに応じて適宜調整すればよい。溶剤成分の含有量としては、例えば、接着剤組成物の総質量(100質量%)に対して、40〜90質量%の範囲内であることが好ましい。すなわち、本実施形態の接着剤組成物は、固形分(溶剤成分を除いた配合成分の合計量)濃度が10〜80質量%の範囲内であることが好ましい。溶剤成分の含有量が前記の好ましい範囲内であると、粘度調整が容易となる。
一方、前記接着層にレーザー光等の光を照射すると、接着層中の(A)成分が光を吸収し、接着層が変質する。これにより接着層の接着力が低下して、半導体基板等と支持体とを分離することができる。そのため、分離層を設ける必要がない。
さらに、前記接着層はウレタン樹脂を含むため、酸又はアルカリによりウレタン結合を分解することにより、接着層を分解することができる。そのため、支持体から分離した半導体基板等に接着層の残渣が付着する場合でも、酸又はアルカリで洗浄することにより、接着層の残渣を容易に除去することができる。
本発明の第2の態様にかかる積層体は、光を透過する支持体、接着層、及び半導体基板若しくは電子デバイスがこの順に積層した積層体であって、前記接着層は、第1の態様にかかる接着剤組成物の硬化体であることを特徴とする。
図1に示す積層体100は、光を透過する支持体1と、接着層3と、半導体基板4と、を備えている。積層体100において、支持体1、接着層3及び半導体基板4が、この順に積層している。
図2に示す積層体200は、半導体基板4、封止材層5及び配線層6からなる電子デバイス456が、接着層3上に積層されている以外は、積層体100と同様の構成である。
図3に示す積層体300は、電子デバイスが配線層6からなる以外は、積層体100と同様の構成である。
図4に示す積層体400は、配線層6、半導体基板4及び封止材層5からなる電子デバイス645が、接着層3上に積層されている以外は、積層体100と同様の構成である。
支持体は、半導体基板又は電子デバイスを支持する部材である。支持体は、光を透過する特性を有する。支持体は、接着層を介して半導体基板又は電子デバイスに貼り合される。そのため、支持体としては、デバイスの薄化、半導体基板の搬送、半導体基板への実装等の際に、半導体基板の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していることが好ましい。
支持体の材料としては、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂等が用いられる。支持体の形状としては、例えば、矩形、円形等が挙げられるが、これらに限定されない。支持体としては、さらなる高密度集積化や生産効率の向上のために、円形である支持体のサイズを大型化したもの、平面視における形状が四角形である大型パネルを用いることもできる。
接着層は、半導体基板又は電子デバイスを、支持体に仮接着するために設けられる。接着層は、上記第1の実施形態にかかる接着剤組成物の硬化体である。第1の実施形態にかかる接着剤組成物の硬化は、接着剤組成物の加熱により行うことができる。接着層の厚さは、例えば1μm以上、200μm以下の範囲内であることが好ましく、5μm以上、150μm以下の範囲内であることがより好ましい。
すなわち、以下の条件にて硬化体の複素弾性率を測定したときに、200℃における複素弾性率が、1.0×104Pa以上であることが好ましく、5.0×104Pa以上であることがより好ましく、1.0×105Pa以上であることがさらに好ましい。さらに、200℃における複素弾性率は、1.0×106Pa以上であることがより好ましく、5.0×106Pa以上であることがさらに好ましく、1.0×107Pa以上であることが特に好ましい。200℃における複素弾性率の上限値としては、たとえば1.0×1010Pa以下である。
また、以下の条件にて硬化体の複素弾性率を測定したときに、250℃における複素弾性率が5.0×106Pa以上であることが好ましく、1.0×107Pa以上であることがより好ましい。250℃における複素弾性率の上限値としては、たとえば1.0×1010Pa以下である。
半導体基板又は電子デバイスは、接着層を介して支持体に仮接着される。
半導体基板としては、特に制限はなく、上記「(接着剤組成物)」で例示したものと同様のものが例示される。半導体基板は、半導体素子又はその他素子であってもよく、単層又は複数層の構造を有し得る。
電子デバイスとしては、特に制限はなく、上記「(接着剤組成物)」で例示したものと同様のものが例示される。電子デバイスは、金属または半導体により構成される部材と、前記部材を封止または絶縁する樹脂と、の複合体であることが好ましい。具体的には、電子デバイスは、封止材層および配線層の少なくとも一方を含み、さらに半導体基板を含むことができる。
図2に示す積層体200では、電子デバイス456は、半導体基板4と封止材層5、および配線層6により構成されている。図3に示す積層体300では、電子デバイス6は、配線層6により構成されている。図4に示す積層体400では、電子デバイス645は、配線層6、半導体基板4および封止材層5により構成されている。
封止材層は、半導体基板を封止するために設けられるものであり、封止材を用いて形成される。封止材には、金属または半導体により構成される部材を絶縁または封止可能な部材が用いられる。
封止材としては、例えば、樹脂組成物を用いることができる。封止材層5は、個々の半導体基板4毎に設けられているものではなく、接着層3上の半導体基板4全部を覆うように設けられていることが好ましい。封止材に用いられる樹脂は、金属または半導体を封止および/または絶縁可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂等が挙げられる。
封止材は、樹脂のほか、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば、球状シリカ粒子等が挙げられる。
配線層は、RDL(Redistribution Layer:再配線層)とも呼ばれ、基板に接続する配線を構成する薄膜の配線体であり、単層又は複数層の構造を有し得る。配線層は、誘電体(酸化シリコン(SiOx)、感光性エポキシ等の感光性樹脂など)の間に導電体(例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、金及び銀等の金属並びに銀−錫合金等の合金)によって配線が形成されたものであり得るが、これに限定されない。
本発明の第3の態様にかかる積層体の製造方法は、光を透過する支持体、接着層及び半導体基板がこの順に積層した積層体の製造方法であって、前記支持体又は半導体基板に、第1の態様にかかる接着剤組成物を塗布して接着剤組成物層を形成する工程(以下、「接着剤組成物層形成工程」ともいう)と、前記支持体上に、前記半導体基板を、前記接着剤組成物層を介して載置する工程(以下、「半導体基板載置工程」ともいう)と、前記ウレタン樹脂の重合反応により、前記接着剤組成物層を硬化させて前記接着層を形成する工程(以下、「接着層形成工程」ともいう)と、を有することを特徴とする。
図5(a)〜(b)は、支持体1、接着剤組成物層3’、及び半導体基板4がこの順に積層した積層体100’の製造工程を説明する図である。図5(a)は、接着剤組成物層形成工程を説明する図である。図5(b)は、半導体基板載置工程を説明する図である。
図6は、接着層形成工程を説明する図である。積層体100’における接着剤組成物層3’を熱硬化させて接着層3を形成し、積層体100を得ている。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、接着剤組成物層形成工程を含む。接着剤組成物層形成工程は、支持体又は半導体基板に、接着剤組成物を塗布して接着剤組成物層を形成する工程である。
図5(a)では、支持体1上に、接着剤組成物を用いて接着剤組成物層3’を形成している。
接着剤組成物層は、同様の方法で、半導体基板4に形成されてもよい。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、半導体基板載置工程を含む。半導体基板載置工程は、支持体上に、半導体基板を、接着剤組成物層を介して、載置する工程である。これにより、積層体100’を得ることができる。
図5(c)では、支持体1上に形成された接着剤組成物層3’を介して、半導体基板4が、支持体1に載置されている。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、接着層形成工程を含む。接着層形成工程は、接着剤組成物層中を硬化させて接着層を形成する工程である。これにより、積層体100を得ることができる。
図6では、接着剤組成物層3’の硬化により接着層3が形成されている。
加熱時間は、(I)成分及び(O)成分の熱硬化に十分な時間であれば特に限定されない。加熱時間は、例えば、15分以上、30分以上、又は45分以上等とすることができる。加熱時間の上限は、特に限定されないが、作業効率等の観点から、例えば、120分以下、100分以下、80分以下、又は60分以下等とすることができる。加熱時間の範囲としては、例えば、15〜120分、30〜120分、又は45〜120分等が挙げられる。
本実施形態にかかる積層体の製造方法は、上記工程に加えて、他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、各種機械的又は化学的な処理(グライディングや化学機械研磨(CMP)等の薄膜化処理、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)などの高温・真空下での処理、有機溶剤、酸性処理液や塩基性処理液などの薬品を用いた処理、めっき処理、活性光線の照射、加熱・冷却処理など)等が挙げられる。
本発明の第4の態様にかかる積層体の製造方法は、前記第3の態様にかかる積層体の製造方法により積層体を得た後、金属又は半導体により構成される部材と、前記部材を封止又は絶縁する樹脂と、の複合体である、電子デバイスを形成する電子デバイス形成工程をさらに有することを特徴とする。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、電子デバイス形成工程を含む。電子デバイス形成工程は、金属または半導体により構成される部材と、前記部材を封止または絶縁する樹脂と、の複合体である、電子デバイスを形成する工程である。
電子デバイス形成工程は、封止工程、研削工程、配線層形成工程のいずれかを含むことができる。一実施態様において、電子デバイス形成工程は、基板固定工程および封止工程を含む。この場合、電子デバイス形成工程は、さらに、研削工程および配線層形成工程を含んでいてもよい。
封止工程は、支持体上に固定された基板を、封止材を用いて封止する工程である。
図7(a)では、接着層3を介して支持体1に仮接着された半導体基板4の全体が、封止材層5により封止された積層体110が得られている。
その際、温度条件は、例えば130〜170℃である。
半導体基板4に加えられる圧力は、例えば50〜500N/cm2である。
研削工程は、前記封止工程の後、封止体における封止材部分(封止材層5)を、半導体基板の一部が露出するように研削する工程である。
封止材部分の研削は、例えば図7(b)に示すように、封止材層5を、半導体基板4とほぼ同等の厚さになるまで削ることにより行う。
配線層形成工程は、前記研削工程の後、前記の露出した半導体基板上に配線層を形成する工程である。
図7(c)では、半導体基板4及び封止材層5上に、配線層6が形成されている。これにより、積層体120を得ることができる。積層体120において、半導体基板4、封止材層5および配線層6は、電子デバイス456を構成する。
まず、封止材層5上に、酸化シリコン(SiOx)、感光性樹脂等の誘電体層を形成する。酸化シリコンからなる誘電体層は、例えばスパッタ法、真空蒸着法等により形成することができる。感光性樹脂からなる誘電体層は、例えばスピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により、封止材層5上に、感光性樹脂を塗布することで形成することができる。
本発明の第5の態様にかかる積層体の製造方法は、支持体、接着層及び電子デバイスがこの順に積層した積層体の製造方法であって、前記支持体上に、前記第1の態様にかかる接着剤組成物を塗布して前記接着剤組成物の層を形成する工程(接着剤組成物層形成工程)と、金属又は半導体により構成される部材と、前記部材を封止又は絶縁する樹脂と、の複合体である電子デバイスを、前記接着剤組成物層上に形成する電子デバイス形成工程(電子デバイス形成工程)と、前記接着剤組成物層を硬化させて、接着層を形成する工程(接着層形成工程)と、を有することを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る電子部品の製造方法は、前記第3〜第5のいずれかの態様に係る積層体の製造方法により積層体を得た後、前記支持体を介して前記接着層に光を照射して、前記接着層を変質させることにより、前記電子デバイスと、前記支持体とを分離する工程(以下、「分離工程」ともいう)と、前記接着層中のウレタン結合を酸又はアルカリで分解することにより、前記接着層を除去する工程(以下、「接着層除去工程」ともいう)を有することを特徴とする。
分離工程は、支持体1を介して接着層3に光(矢印)を照射して、接着層3を変質させることにより、電子デバイス456と支持体1とを分離する工程である。
図8(a)に示すように、分離工程では、光を透過する支持体1を介して、接着層3に光(矢印)を照射することで、接着層3を変質させる。
照射する光の種類は、支持体1の透過性に応じて適宜選択すればよく、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、CO2レーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、非レーザ光を用いることができる。これにより、接着層3を変質させて、支持体1と電子デバイス456とを容易に分離可能な状態とすることができる。
レーザ光の平均出力値は、1.0W以上、5.0W以下が好ましく、3.0W以上、4.0W以下がより好ましい。レーザ光の繰り返し周波数は、20kHz以上、60kHz以下が好ましく、30kHz以上、50kHz以下がより好ましい。レーザ光の走査速度は、100mm/s以上、10000mm/s以下が好ましい。
例えば、支持体1と電子デバイス456とが互いに離れる方向に力を加えることにより、支持体1と電子デバイス456とを分離する。具体的には、支持体1又は電子デバイス456側(配線層6)の一方をステージに固定した状態で、他方をベローズパッド等の吸着パッドを備えた分離プレートにより吸着保持しつつ持ち上げることにより、支持体1と電子デバイス456とを分離することができる。
積層体200に加える力は、積層体200の大きさ等により適宜調整すればよく、限定されるものではないが、例えば、直径が300mm程度の積層体であれば、0.1〜5kgf(0.98〜49N)程度の力を加えることによって、支持体1と電子デバイス456とを好適に分離することができる。
本実施形態にかかる電子部品の製造方法は、接着層除去工程を有する。接着層除去工程は、接着層中のウレタン結合を酸又はアルカリにより分解し、前記接着層を除去する工程である。
図8(b)では、分離工程の後、電子デバイス456に接着層3が付着している。本工程では、酸又はアルカリを用いて、接着層3を分解することにより、接着層3を除去し、電子部品50を得ている。
前記接着剤除去用処理液は、上記成分に加えて、界面活性剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
前記処理液中の酸又はアルカリの含有量としては、特に限定されないが、例えば、1〜50質量%が挙げられる。また、前記処理液中の極性溶媒の含有量としては、50〜99質量%が挙げられる。
接着層除去用の処理液は、市販のアルカリ性処理液又は酸性処理液を用いてもよい。市販の処理液としては、例えば、ST−120、ST−121(いずれも東京応化工業社製)等が挙げられる。
酸又はアルカリを含む前記のような処理液を、接着層3に接触させることにより、接着層3中のウレタン結合が分解されて、接着層3を除去することができる。
また、前記接着剤組成物は、光吸収剤を含有するため、光を照射することにより、接着層が変質し、接着力が低下する。そのため、分離層がなくても、仮接着した半導体基板等と支持体とを容易に分離することができる。
さらに、支持体から分離した半導体基板等に付着する接着層の残渣は、前記接着層中のウレタン結合を酸又はアルカリで分解することにより、容易に除去することができる。
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ヒマシ油変性ジオール36部、ポリカーボネートジオール(Mw1,000)17部、ペンタエリスリトールジアクリレート18部、ネオペンチルグリコール1部、及び禁止剤を添加し、窒素気流下で均一に混合した。次いで、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)7部、及び水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)21部を滴下ロートに仕込み、30分間かけて等速に滴下した。滴下終了後、30分間エージングを行った。その後、ビスマス触媒を添加して、65℃まで昇温し、4〜5時間エージングを行った。次いで、2HEA(アクリル酸2−ヒドロキシエチル)を添加して、1時間エージングを行い、イソシアネート基(NCO)が消失した時点で反応を終了した。得られたウレタン樹脂(P1)−1の重量平均分子量(Mw)は、20,000であった。ウレタン樹脂(P1)−1のC=C当量(重合性炭素−炭素二重結合1当量当たりのウレタン樹脂の分子量)は、600g/eq.であった。
(実施例1〜6、比較例1)
表1に示す成分を混合して、各例の接着剤組成物をそれぞれ調製した。より具体的には、以下のように調製した。まず、(P1)成分、(A)成分、(Ad)成分、及び(S)成分を、表1に記載の配合量で混合した。次いで、(B)成分を表1に記載の割合となるように添加し、組成物全体が均一となるように混合した。
(P1)−1:上記合成例で合成したウレタン樹脂(P1)−1。
(A)−1:過酸化物(パークミル(登録商標)D、日本油脂株式会社)。
(Ad)−1:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−310(商品名)、ビックケミー社)。
(S)−1:PGMEA。
(B)−1:カーボンブラック(アクリル系樹脂分散 体積平均粒子径150nm以下)。
(B)−2:ペリレン系黒色顔料(体積平均粒子径150nm)。
≪光透過率の測定≫
ベアガラス支持体上に、スピンコーター法により、各例の接着剤組成物をそれぞれ塗布した。窒素雰囲気下のオーブンによって、180℃で1時間加熱して硬化させ、それぞれ表2に記載の膜厚を有する接着層を形成した。前記接着層に対して、分光分析測定装置UV−3600(株式会社島津製作所製)を用いて、波長380〜780nmの光を照射することにより、波長532nmの光の透過率を評価した。その結果を表2に示す。
ガラス支持体(サイズ直径30cm、厚さ700μm)上に、スピンコーター法により、実施例6の接着剤組成物を塗布した。窒素雰囲気下のオーブンによって、180℃で1時間加熱して硬化させ、接着層(膜厚18μm)を形成した。この接着層形成済の支持体を、50℃で、処理液(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)が、N−メチルピロリドン(NMP)及びジメチルスルホキシド(DMSO)、プロピレングリコール(PG)の混合溶媒(NMP:DMS:PG=10:78:12(質量比))に対して、2質量%の濃度で希釈されたもの)で処理し、完全に溶解する時間を測定した。膜厚に対する溶解時間から接着層の溶解速度を算出した。溶解速度50nm/sec以上であれば、洗浄性は良好と判断される。
前記接着層の溶解速度は、70nm/secであった。そのため、実施例6の接着剤組成物を用いて形成した接着層の洗浄性は良好であることが確認された。
3 接着層
3’ 接着剤組成物層
4 半導体基板
5 封止材層
6 配線層
20 積層体
50 電子部品
100 積層体
100’ 積層体
110 積層体
120 積層体
200 積層体
300 積層体
400 積層体
456 電子デバイス
645 電子デバイス
Claims (7)
- 半導体基板又は電子デバイスと、光を透過する支持体とを仮接着する接着層を形成するために用いられる接着剤組成物であって、
(a)光吸収剤、ポリイソシアネート、及びポリオール、又は
(b)光吸収剤、重合性炭素−炭素二重結合を含むウレタン樹脂、及び重合開始剤
を含有する、接着剤組成物。 - 前記接着剤組成物が前記(b)の成分を含有し、
前記ウレタン樹脂が、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であって、
前記ポリオール及び前記ポリイソシアネートの少なくとも一方が、前記重合性炭素−炭素二重結合を含む、
請求項1に記載の接着剤組成物。 - 前記電子デバイスとして、金属又は半導体により構成される部材と、前記部材を封止又は絶縁する樹脂と、の複合体が、前記接着層を介して前記支持体に積層されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- 光を透過する支持体、接着層、及び半導体基板若しくは電子デバイスがこの順に積層した積層体であって、
前記接着層は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物の硬化体である、
積層体。 - 光を透過する支持体、接着層及び半導体基板がこの順に積層した積層体の製造方法であって、
前記支持体又は半導体基板に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物を塗布して接着剤組成物層を形成する工程と、
前記支持体上に、前記半導体基板を、前記接着剤組成物層を介して載置する工程と、
前記接着剤組成物層を硬化させて前記接着層を形成する工程と、
を有する、積層体の製造方法。 - 請求項5に記載の積層体の製造方法により積層体を得た後、金属又は半導体により構成される部材と、前記部材を封止又は絶縁する樹脂と、の複合体である、電子デバイスを形成する工程をさらに有する、
光を透過する支持体、接着層及び電子デバイスがこの順に積層した積層体の製造方法。 - 請求項6に記載の積層体の製造方法により積層体を得た後、
前記支持体を介して前記接着層に光を照射して、前記接着層を変質させることにより、前記電子デバイスと、前記支持体とを分離する工程と、
前記接着層中のウレタン結合を酸又はアルカリで分解することにより、前記電子デバイスに付着する前記接着層を除去する工程と、
を有する、電子部品の製造方法。
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