JP2021104932A - モルヒナン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブプレノルフィン骨格を有するモルヒナン誘導体の製造方法の提供。【解決手段】三フッ化ホウ素錯体を用いた脱アルキル化反応による、次の一般式、(式中、R1はC1−10アルキル基等、R3は水素原子等、R4は水素原子等、R5及びR6は同一又は異なって、水素原子等、R7及びR8は同一又は異なって、水素原子等、R9、R10、R11は同一又は異なって水素原子、C1−10アルキル基等、R12は−COOR13基、−CO−R14基、−CONR24R25基)で表される化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ブプレノルフィン骨格を有するモルヒナン誘導体の製造方法に関する。
ブプレノルフィン(Buprenorphine)は、オピオイド受容体に対するオピオイド部分作動薬であり、鎮痛や、オピオイド依存症の治療に用いられる化合物である。鎮痛剤としてはReckitt & Colman社により初めて上市され、オピオイド依存症の治療薬としては高用量の錠剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けている化合物である。
Figure 2021104932
ブプレノルフィン骨格をリード化合物とした誘導化は今なおメディシナルケミストリー分野の興味深い対象であり、例えば、非特許文献1にはブプレノルフィンの7位を変換したものが報告されており、その他にも多くの検討がなされている。中でもブプレノルフィン骨格6位水酸基はPETリガンド創製のための18F修飾官能基の導入位置として着目されている。例えば非特許文献2及び非特許文献3ではブプレノルフィン骨格6位に18Fエチル基を導入したPETリガンド[18F]FBPNなどの合成とその性質に関して報告されている。
Figure 2021104932
また、非特許文献4では同様のアプローチでブプレノルフィン骨格6位に11Cメチル基を導入したPETリガンドの合成について報告されている。
さらに、非特許文献5においてSrivastavaらは、ブプレノルフィン骨格6位にアミノアルキル置換基を導入した後、そのアミノ基を足掛かりとした修飾を行いブプレノルフィン骨格を有する生化学ツールの合成とその応用を報告している。
Figure 2021104932
また、Kyleらは特許文献1において疼痛治療薬を目的としたブプレノルフィン骨格6位にポリエーテル官能基を導入した誘導体の合成を開示している。
これらのブプレノルフィン骨格6位を修飾した誘導体の合成には、前駆体として6位水酸基が無保護であり、フェノール性水酸基のみが保護された化合物(A)の調製が不可欠であった。
Figure 2021104932
上記の特許文献、および非特許文献においては多くの場合、ブプレノルフィン骨格の6位メトキシ基を水酸基として2つの水酸基を有する中間体を得た後に、フェノール性水酸基のみを後に選択的に保護する。という手法がとられてきた。
Figure 2021104932
この際に用いられる、3級アルコールに結合するメチル基を除去するための反応剤はLiAlH4、BBr3といった過激な条件を必要とする反応剤、毒性、危険性が高い反応剤を用いる必要があり、工業的生産には適用が困難であった。
オピオイド受容体にはμ、δ、κそしてεといったいくつかのサブタイプの存在が知られている。μ受容体に対して強い親和性を示すモルヒネは、古くから鎮痛薬として使用されている。しかし、オピオイドμ受容体アゴニストは、μ受容体を介して依存形成、呼吸抑制等の有害事象を引き起こすことが知られている。
一方、δ受容体アゴニストも鎮痛作用を有するが、モルヒネで見られる有害事象には関与しないことが知られている。そのため、δ受容体選択的アゴニストは優れた鎮痛剤として期待されている。
δ受容体選択的アゴニスト活性を有する化合物としては、例えば特許文献2には、次式(B)、
Figure 2021104932
で表わされる化合物が報告されている。また、特許文献3には、次式(C)、
Figure 2021104932
で表わされる化合物が報告されている。
これらの誘導体は、高いδ受容体選択性及び鎮痛作用を有することから、鎮痛薬等の薬剤への適用が期待される。
これらの報告の中ではブプレノルフィン骨格を有する中間体(j)が最終目的物を得るための製造中間体として設定されており、(j)は6位水酸基が無保護、フェノール水酸基のみが保護された前述の(A)に対応する化合物といえる。
ここでの製法もまた、例えば特許文献2の段落[0023]に記載されているように、(h)に対して三臭化ホウ素を作用させることで一度二つの水酸基のメチル基を除去し、ジヒドロキシ化合物(i)とした後にフェノール性水酸基のみを選択的に再保護することで(j)を得ている。
即ち、(j)を得るために(h)の二つのメチル基を一度、完全に除去し、その後、フェノール性水酸基のみを選択的に再保護するといった2工程を要していた。
Figure 2021104932
モルヒナン誘導体の製造は特許文献2より多段階の反応を要することから、各中間体をできるだけ短工程かつ高収率で得ることが重要となり、上記(h)より(j)を得るために2工程かけることは、経済的にも不利であることは明らかである。
そのため(h)の二つのメトキシ基から非フェノール性水酸基のメチル基のみを選択的に除去し、(j)を1工程で直接得ることのできる反応経路の開拓はこの問題を解決することができ、これらの分野に有用な方法論を提示することができるといえる。
この様な選択的な脱メチル化反応としては、例えば非特許文献4に下記式
Figure 2021104932

で示される方法が報告されている。
また、公知技術として、高温下での塩酸によるアルコキシ基からの脱メチル化反応が知られているが、ブプレノルフィン骨格を有する誘導体においては、基本骨格の開環反応も進行するため目的化合物は得られない。
このように、これらの反応では用いる試薬の反応性が極めて高いため、化合物中に他の官能基が存在する場合には目的の脱メチル化反応以外に他の官能基を損なう副反応が進行し、目的化合物が得られないなどの問題があり、反応に適用しうる化合物が限定され、汎用性が乏しかった。
従って、ブプレノルフィン誘導体の製造中間体(A)あるいは(j)の製造方法において、温和な条件下で高い汎用性及び高収率で、フェノール水酸基を保護するアルキル基を損なうことなく、三級炭素に結合しているアルコキシ基のみを選択的に脱アルキル化できる1工程による方法の開拓が望まれる。
国際公開第2012/038813号パンフレット 国際公開第2013/035833号パンフレット 国際公開第2014/136305号パンフレット
HELVETICA CHMICA ACTA Vol.83,3122−3130 J. Med. Chem, 57, 5464―5469. 2014 Molecules, 18, 7271−7278.2013 Tetrahedron Letters, 28(35), 4015−18.1987 Tetrahedron, 72(40), 6127−6135. 2016
本発明の目的は、ブプレノルフィン骨格を有するモルヒナン誘導体製造のための中間体の製造方法を提供することにある。
斯かる実情の下、本発明者らは、前中間体の製造方法について鋭意検討を行った結果、適切な溶媒中で三フッ化ホウ素錯体を用いることにより、三級炭素に結合しているアルコキシ基のみを選択的に脱アルキル化反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]即ち、本発明は、次の一般式(I)、
Figure 2021104932
(式中、RはC1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
はC1−10アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基を示し、
は水素原子、C1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
は水素原子、C1−10アルキル基、C1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、C6−10アリールオキシ基、C1−6アルカノイル基、C1−6アルカノイルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C6−10アリールアミノ基又はアシルアミノ基(アシル部分の炭素原子数は2〜6を示す。)を表し、
及びRは同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表し、
及びRは同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表すか、又はR及びRが結合している炭素と一緒になってカルボニル基を示す。)を表し、
、R10、R11は同一又は異なって水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)又はヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表すか、RとR10又はR、R10のいずれかとR11が結合してC3−6飽和炭化水素環を表し、
12は−COOR13基(R13は水素原子、C1−10アルキル基、カルボキシ保護基を示す。)、−CO−R14基(R14は水素原子、C1−10アルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)、−OR15基(R15は水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はヒドロキシ保護基を示す。)、−NR1617 基(R16及びR17は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はアミノ保護基を示す。)、−C(OH)R1819 基(R18及びR19は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)又は−C(NR2021)R2223 基(R20及びR21は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はアミノ保護基を示し、R22又はR23は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)、−CONR2425基(R24及びR25は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、C2−6アルケニル基、アリールアルケニル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、ヘテロアリールアルケニル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、シクロアルキルアルケニル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、C4−6シクロアルケニル基、シクロアルケニルアルキル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、シクロアルケニルアルケニル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示すかR、R10またはR11いずれかと一緒になってC3−6飽和炭化水素環を形成してもよい。)で表される化合物(I)を溶媒中、三フッ化ホウ素錯体と反応させる工程を含む次の一般式(II)
Figure 2021104932
(式中、R、R3〜R12は前記と同じものを示す)で表される化合物の製造方法に関するものである。
[2]また本発明は、RがC1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)、アラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基、C6−10アリール基又はヘテロアリール基から選択される置換基である[1]記載の製造方法に関するものである。
[3]また本発明は、R12が−COOR13基、−CO−R14基、−OR15基、−NR1617 基、−C(OH)R1819 基、−C(NR2021)R2223 基又は−CONR2425基(R13〜R24及びR25は前記と同じものを示す。)である[1]又は[2]記載の製造方法に関するものである。
[4]また本発明は、三フッ化ホウ素錯体が、三フッ化ホウ素エーテル錯体、三フッ化ホウ素水錯体、三フッ化ホウ素アルコール錯体、三フッ化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素スルフィド錯体、三フッ化ホウ素スルフォキシド錯体、三フッ化ホウ素カルボン酸錯体、三フッ化ホウ素リン酸錯体から選択される[1]〜[3]記載の製造方法に関するものである。
[5]また本発明は、溶媒がカルボン酸類、カルボン酸エステル類、アルコール類、炭化水素類、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類、エーテル類、ケトン類、アミド類、スルフォキシド類及びカーボネート類から選択される[1]〜[4]記載の製造方法に関するものである。
[6]また本発明は、溶媒が酢酸、アセトニトリル、トルエン、キシレンである[1]〜[4]記載の製造方法に関するものである。
本発明の三フッ化ホウ素錯体を用いたモルヒナン誘導体の選択的脱アルキル化反応は、従来法が2工程を要していたのに対し、1工程で目的化合物が高い収率で得られ、かつ高い汎用性を示すことから、モルヒナン誘導体の製造に広く利用することができる。
次に本発明をさらに詳しく説明する。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。また、重水素、13Cなどの安定同位体も含まれる。
〜R、R〜R11、R13〜R24及びR25で示されるC1−10アルキル基及びRで示されるC1−8アルキルアミノ基におけるC1−8アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等のC1−10アルキル基が挙げられ、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基が挙げられ、さらに好ましくはメチル基が挙げられる。
、R〜R11、R13〜R24及びR25で示されるC3−6シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が挙げられ、好ましくはシクロプロピル基が挙げられる。
で示されるC1−6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基が挙げられ、より好ましくはメトキシ基が挙げられる。
、R、R〜R11、R24及びR25で示されるシクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等のC3−6シクロアルキル基で置換されたメチル基、エチル基等が挙げられ、好ましくはシクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基及びシクロブチルエチル基等が挙げられ、より好ましくはシクロプロピルメチル基である。
24及びR25で示されるシクロアルキルアルケニル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のC3−6シクロアルキルで置換された2−プロペニル基又は3−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。
24及びR25で示されるシクロアルケニルアルキル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、シクロブテニル基又はシクロペンテニル基等で置換されたメチル基、エチル基等が挙げられる。
24及びR25で示されるシクロアルケニルアルケニル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、シクロブテニル又はシクロペンテニル等で置換された2−プロペニル基又は3−メチル−2−ブテニル基が挙げられる。
〜R、R〜R11、R24及びR25で示される置換基を有していてもよいアラルキル基(アリ−ル部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)としては、フェニル又はナフチルで置換されたメチル基、エチル基等が挙げられ、好ましくはフェニルで置換されたメチル基が挙げられる。
24及びR25で示されるアリールアルケニル基(アリ−ル部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、フェニル又はナフチルで置換された2−プロペニル基又は3−メチル−2−ブテニル基が挙げられる。
〜R、R〜R11、R24及びR25で示されるヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、ヘテロアリールの環構成原子数が5〜10の(ピリジン−2−イル)メチル基、(ピリジン−3−イル)メチル基、(ピリジン−4−イル)メチル基、2−(ピリジン−2−イル)エチル基、(フラン−2−イル)メチル基、(フラン−3−イル)メチル基、(イミダゾール−2−イル)メチル基、(イミダゾール−4−イル)メチル基、(イミダゾール−5−イル)メチル基、(チアゾール−2−イル)メチル基、(チアゾール−4−イル)メチル基、(チアゾール−5−イル)メチル基、(チオフェン2−イル)メチル基又は2−(チオフェン−2−イル)エチル基等の単環式ヘテロアリールアルキル基、(キノリン−3−イル)メチル基、(インドール−3−イル)メチル基等の2環式ヘテロアリールアルキル基が挙げられる。
24及びR25で示されるヘテロアリールアルケニル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、ピリジル基、フリル基、イミダゾリル基又はチアゾリル基等で置換された2−プロペニル基又は3−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。
24及びR25で示されるC4−6シクロアルケニル基としては、シクロブテニル基又はシクロペンテニル基等が挙げられる。
〜R、R24及びR25で示されるC2−6アルケニル基としては、2−プロペニル基又は3−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。
とR10若しくはR、R10のいずれかとR11が結合又はR12とR、R10またはR11いずれかと一緒になって形成されるC3−6飽和炭化水素環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
、R、R〜R11、R14〜R24及びR25で示される置換基を有していてもよいC6−10アリ−ル基及びRで示されるC6−10アリ−ルオキシ基、C6−10アリ−ルアミノ基におけるC6−10アリ−ル基としては、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
、R、R〜R11、R14〜R24及びR25で示される置換基を有していてもよいヘテロアリール基としては環構成原子数が5〜10のピリジル基、フリル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基又はチアゾリル基等の単環式ヘテロアリール基、キノリル基、インドリル基等の2環式ヘテロアリールが挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよりヘテロアリール基における置換基としては、例えばメチル基、エチル基等C1−8アルキル基、2−プロペニル基等のC2−6アルケニル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、C1−8アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C2−6アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−または3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基等)、C3−8シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基)、C6−14アリール基(例えば、フェニル基)等の1又は2の置換基を有していてもよいアミノ基、アセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、クロロアセチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ベンジリデン基、ベンツヒドリル基、トリチル基等の保護基を有していてもよいアミノ基、メトキシ基、エトキシ基等のC1−8アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
で示されるアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基及びベンゾイルアミノ基が挙げられる。
で示されるC1−6アルカノイル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
で示されるC1−6アルカノイルオキシ基としては、アセトトキシ基等が挙げられる。
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子、より好ましくはフッ素原子が挙げられる。
16、R17、R20及びR21で示されるアミノ保護基としては一般公知のものが挙げられ、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基 、ベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−フェニルアゾベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシフェニルアゾベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ジイソプロピルメチロキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基等が挙げられる。
13で示されるカルボキシ保護基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の低級アルキル基;ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の低級アルケニル基;ベンジル基等の炭素数7〜11のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14のアリール基等の加水分解や接触還元等の穏和な条件で処理することにより脱離するもの、又はアセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基等の低級アルカノイルオキシ低級アルキル基;メトキシカルボニルオキシメチル基、1−エトキシカルボニルオキシエチル基等の低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基;メトキシメチル基等の低級アルコキシ低級アルキル基;フタリジル基等のラクトニル基;1−ジメチルアミノエチル基等のジ低級アルキルアミノ低級アルキル基;(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル基等が挙げられる。
15で示されるヒドロキシ保護基としては、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トリチル基等の置換基を有していてもよいアラルキル基、アセチル基等のアルカノイル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル等の置換基を有するシリル基等が挙げられる。
斯かる置換基においてより好ましくは、R1としてはC1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基、RとしてはC1−10アルキル基、RとしてはC1−10アルキル基、R〜Rとしては水素原子、R〜R11としては同一又は異なって水素原子、C1−10アルキル基、さらに好ましくは水素原子、R12としては−COOR13基、−CO−R14基、−OR15基、−C(OH)R1819 基、−NR1617 基又は−CONR2425基、さらに好ましくは−CO−R14基、−C(OH)R1819 基、−CONR2425基が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物は、一般公知の方法、例えば特許文献2、非特許文献1又は非特許文献6等に記載の方法により製造することができる。
本発明において用いられる三フッ化ホウ素錯体は、市販品あるいは一般公知の方法により調製したものを使用することができる。
本発明において用いられる三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素エーテル錯体(例えば、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジイソプロピルエーテル、三フッ化ホウ素ジn-ブチルエーテル、三フッ化ホウ素tert−ブチルメチルエーテル、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン等)、三フッ化ホウ素水錯体(例えば、三フッ化ホウ素一水和物、三フッ化ホウ素二水和物等)、三フッ化ホウ素アルコール錯体(例えば、三フッ化ホウ素メタノール、三フッ化ホウ素エタノール、三フッ化ホウ素プロパノール、三フッ化ホウ素イソプロパノール、三フッ化ホウ素ブタノール、三フッ化ホウ素イソブタノール、三フッ化ホウ素エチレングリコール、三フッ化ホウ素2−アミノエタノール等)、三フッ化ホウ素アミン錯体(例えば、三フッ化ホウ素ジメチルアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン、三フッ化ホウ素ジイソプロピルアミン、三フッ化ホウ素ジイソプロピルエチルアミン、三フッ化ホウ素ジエチルアミン、三フッ化ホウ素トリメチルアミン、三フッ化ホウ素ジイソプロピルエチルアミン、三フッ化ホウ素トリブチルアミン、三フッ化ホウ素(置換基を有していてもよい)ピリジン、三フッ化ホウ素アニリン、三フッ化ホウ素N-メチルアニリン、三フッ化ホウ素N,N−ジメチルアニリン、三フッ化ホウ素ジアザビシクロウンデセン、三フッ化ホウ素ベンズイミダゾール、三フッ化ホウ素イミダゾール、三フッ化ホウ素(窒素原子が置換されていてもよい)ピロリジン、三フッ化ホウ素(窒素原子が置換されていてもよい)ピペリジン、三フッ化ホウ素(窒素原子が置換されていてもよい)ピペラジン、三フッ化ホウ素(窒素原子が置換されていてもよい)モルホリン、三フッ化ホウ素アンモニア等)、三フッ化ホウ素フェノール錯体(例えば、三フッ化ホウ素フェノール、三フッ化ホウ素(置換基を有していてもよい)フェノール等)、三フッ化ホウ素スルフィド錯体(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルスルフィド、三フッ化ホウ素ジメチルスルフィド等)、三フッ化ホウ素スルフォキシド錯体(例えば、三フッ化ホウ素ジメチルスルフォキシド錯体等)、三フッ化ホウ素カルボン酸錯体(例えば、三フッ化ホウ素ギ酸、三フッ化ホウ素酢酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素安息香酸、三フッ化ホウ素フタル酸モノエステル錯体等)、三フッ化ホウ素リン酸錯体(例えば、三フッ化ホウ素リン酸等)等が挙げられ、好ましくは三フッ化ホウ素エーテル錯体、三フッ化ホウ素アルコール錯体、三フッ化ホウ素カルボン酸錯体が挙げられ、より好ましくは三フッ化ホウ素ジメチルエーテル、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジイソプロピルエーテル、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル、三フッ化ホウ素メタノール、三フッ化ホウ素エタノール、三フッ化ホウ素プロパノール、三フッ化ホウ素イソプロパノール、三フッ化ホウ素酢酸が挙げられ、さらに好ましくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテルが挙げられる。
一般式(II)で示されるブプレノルフィン骨格を有するモルヒナン誘導体の製造は、一般式(I)の化合物に対し三フッ化ホウ素錯体を作用させることにより行うことができる。
Figure 2021104932
本反応に用いられる溶媒としてはカルボン酸類、カルボン酸エステル類、アルコール類、炭化水素類、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類、エーテル類、ケトン類、アミド類、スルホキシド類及びカーボネート類等の溶媒が挙げられ、例えばギ酸、酢酸等のカルボン酸類、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルフォキシドなどのスルフォキシド類、1,3-ジオキサン-2-オン等のカーボネート類或いはこれらの混合溶媒が挙げられるが、好ましくは、酢酸、アセトニトリル、キシレン、トルエン、更に好ましくは酢酸、アセトニトリルである。溶媒の使用量には特に制限はないが、化合物(I)に対して1から10重量倍の範囲が好ましい。
反応温度は、用いる溶媒によって適宜設定できるが、例えば20℃から150℃、好ましくは40℃から120℃、さらに好ましくは50℃から100℃の間の温度で行われ、5分間から300時間、好ましくは1時間から20時間で終了する。
三フッ化ホウ素錯体は化合物(I)に対し1.0当量から50当量、好ましくは1当量から30当量、さらに好ましくは1当量から10当量用いることができる。
次に、実施例及び試験例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(4R,4aR,7R,7aR,12bS)―N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−14−カルボキサミドの製造
Figure 2021104932
100Lの3つ首フラスコへ原料となる(4R,4aR,7R,7aR,12bS)―N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−14−カルボキサミド(4.2kg)をアセトニトリル(42L)に溶解した。得られた溶液へ、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(17.1kg)を室温で加えた。混合物を65℃から68℃の間で5時間撹拌し、HPLCで反応を確認したところ原料は消失していた。
反応溶液を0℃から15℃まで冷却し、4規定 水酸化ナトリウム水溶液(120L)をゆっくりと加え、最終的にpHを10〜12に調製した。
反応溶液を酢酸エチル(30L)で2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水(20L)で2回洗浄した。
有機層を無水硫酸ナトリウム(5kg)上で乾燥させた後、不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮し黄色結晶状固体を得た。
得られた固体をn−ヘプタンと酢酸エチル(1:1,1.2L)の混合溶媒と水(1.8L)中で撹拌洗浄し、粉砕した。結晶性固体を濾取後、乾燥し、表題化合物(2.85kg,70%)を黄色結晶性固体として得た。(HPLC純度 98.9%)
濾液の有機層を分離後、約600mLまで濃縮し、懸濁液を得た。生じた固体を濾取後、乾燥し表題化合物の2番結晶(100g)を得た。(HPLC純度 95.6%)

得られた化合物のNMRスペクトルは特許文献2のデータと一致した。
実施例1の溶媒を酢酸に変更し、同様に以下の実験を行った。
100Lの3つ首フラスコへ原料の(4R,4aR,7R,7aR,12bS)―N−ベンジル−3−(シクロプロピルメチル)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−14−カルボキサミド(7.4kg)を酢酸(45kg)に溶解した。得られた溶液へ、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(20.5kg)を室温で加えた。混合物を90℃で8時間撹拌し、HPLCで反応を確認したところ原料は2.4%残存していたが、加熱を停止した。
反応溶液を濃縮し、酢酸を留去した後、残渣を塩化メチレン(80kg)に溶解した。溶液の半量を100Lのフラスコへ移し、4規定 水酸化ナトリウム水溶液(約5kg)を加えpHを11〜12に調整した。有機層を分離し無水硫酸ナトリウム(10kg)上で乾燥した。同様な操作を残りの半量に対しても施した。
不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をn−ヘキサンおよび酢酸エチル(1;1,20kg)中で3時間、室温で撹拌し懸濁液を得た。得られた固体を濾取し、n−ヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥し表題化合物(2.5kg)を象牙色結晶性固体として得た。(HPLC純度 97.5%)

得られた化合物のNMRスペクトルは特許文献2のデータと一致した。

Claims (6)

  1. Figure 2021104932
    (式中、RはC1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
    はC1−10アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基を示し、
    は水素原子、C1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
    は水素原子、C1−10アルキル基、C1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、C6−10アリールオキシ基、C1−6アルカノイル基、C1−6アルカノイルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C6−10アリールアミノ基又はアシルアミノ基(アシル部分の炭素原子数は2〜6を示す。)を表し、
    及びRは同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表し、
    及びRは同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表すか、又はR及びRが結合している炭素と一緒になってカルボニル基を示す。)を表し、
    、R10、R11は同一又は異なって水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表すか、RとR10又はR、R10のいずれかとR11が結合してC3−6飽和炭化水素環を表し、
    12は−COOR13基(R13は水素原子、C1−10アルキル基、カルボキシ保護基を示す。)、−CO−R14基(R14は水素原子、C1−10アルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)、−OR15基(R15は水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はヒドロキシ保護基を示す。)、−NR1617 基(R16及びR17は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はアミノ保護基を示す。)、−C(OH)R1819 基(R18及びR19は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)又は−C(NR2021)R2223 基(R20及びR21は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はアミノ保護基を示し、R22及びR23は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−10アリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)、−CONR2425基(R24及びR25は同一又は異なっていてもよく、水素原子、C1−10アルキル基、C3−6シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、置換基を有していてもよいアラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)、ヘテロアリールアルキル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、C2−6アルケニル基、アリールアルケニル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、ヘテロアリールアルケニル基(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、シクロアルキルアルケニル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、C4−6シクロアルケニル基、シクロアルケニルアルキル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、又はシクロアルケニルアルケニル基(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示すかR、R10またはR11いずれかと一緒になってC3−6飽和炭化水素環を形成してもよい。)で表される化合物(I)を溶媒中、三フッ化ホウ素錯体と反応させる工程を含む次の一般式(II)
    Figure 2021104932
    (式中、R、R3〜R12は前記と同じものを示す)で表される化合物の製造方法。
  2. がC1−10アルキル基、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す)、アラルキル基(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5を示す。)、C2−6アルケニル基、C6−10アリール基又はヘテロアリール基から選択される置換基である請求項1記載の製造方法。
  3. 12が−COOR13基、−CO−R14基、−OR15基、−NR1617 基、−C(OH)R1819 基、−C(NR2021)R2223 基又は−CONR2425基(R13〜R24及びR25は前記と同じものを示す。)である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 三フッ化ホウ素錯体が、三フッ化ホウ素エーテル錯体、三フッ化ホウ素水錯体、三フッ化ホウ素アルコール錯体、三フッ化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素スルフィド錯体、三フッ化ホウ素スルフォキシド錯体、三フッ化ホウ素カルボン酸錯体、三フッ化ホウ素リン酸錯体から選択される請求項1〜3記載の製造方法。
  5. 溶媒がカルボン酸類、カルボン酸エステル類、アルコール類、炭化水素類、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類、エーテル類、ケトン類、アミド類、スルフォキシド類及びカーボネート類から選択される請求項1〜4記載の製造方法。
  6. 溶媒が酢酸、アセトニトリル、トルエン、キシレンから選択される請求項1〜4記載の製造方法。
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