JP2021103853A - D級増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 D級増幅器において全高調波歪率の悪化を抑制しつつ所望の消費電力特性を実現可能にする。【解決手段】 D級増幅器1は、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mpを各々生成する変調信号生成部120と、第1の変調信号Mpにより電力の時間密度が変調された第1のパルスVpと、第2の変調信号Mnにより電力の時間密度が変調された第2のパルスVnを生成するパルス生成部130とを含む。ここで、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mpは、各々が入力信号Vinの変化に対して非直線的に変化し、かつ、各々を合成した変調信号が入力信号Vinの変化に対して直線的に変化する。【選択図】図1
Description
この発明は、入力信号に基づいて変調されたパルスにより負荷を駆動するD級増幅器に関する。
特許文献1は、入力信号の正方向への変化に応じてパルス幅が増加する第1のパルスと、入力信号の負方向への変化に応じてパルス幅が増加する第2のパルスとを発生し、第1および第2のパルスによりスピーカ等の負荷を駆動するD級増幅器を開示している。
このD級増幅器では、入力信号の許容範囲の全範囲において第1のパルスおよび第2のパルスの双方を出力する。例えばD級増幅器の入力信号に±Vmaxの許容範囲がある場合に、D級増幅器では、入力信号の許容範囲の下限−Vmaxから上限+Vmaxまでの変化に応じて、例えば第1のパルスのデューティ比を0%から100%まで変化させ、第2のパルスのデューティ比を0%から100%まで変化させる。従って、第1のパルスと第2のパルスの合成パルス幅は、入力信号に比例して変化する。以下、このD級増幅器に関する技術を第1の従来技術という。
この種のD級増幅器のうちフィルタレス型と呼ばれるD級増幅器では、入力信号のレベルが0に近い小信号領域において、消費電力を低く抑えることが望まれる。しかしながら、第1の従来技術によるD級増幅器では、入力信号が0である場合に、第1のパルスおよび第2のパルスのデューティ比がいずれも50%となり、消費電力が嵩む問題がある。そこで、フィルタレス型のD級増幅器を実現する場合には、第1のパルスが出力される入力信号の範囲と、第2のパルスが出力される入力信号の範囲とを小信号領域のみにおいて部分的に重複させている。
小信号領域において、入力信号は、第1のパルスを発生させる入力信号の下限と、第2のパルスを発生させる入力信号の上眼との間に挟まれている。このため、小信号領域では第1のパルスのパルス幅および第2のパルスのパルス幅の両方が短くなる。従って、小信号領域における消費電力を低減することができる。以下、このD級増幅器に関する技術を第2の従来技術という。
ところで、上述した第2の従来技術では、入力信号の許容範囲の一部である小信号領域のみにおいて、入力信号の例えば正方向の変化に応じてパルス幅が増加する第1のパルスと、パルス幅が減少する第2のパルスが出力される。このため、D級増幅器の開ループゲインが、小信号領域と小信号領域以外の他の領域とで異なったものになり、全高調波歪率が悪化する問題がある。一方、高調波歪率の悪化を抑制するためには、第1の従来技術のように、入力信号の全範囲において第1のパルスと第2のパルスの両方を出力する必要があり、所望の消費電力を実現するのが困難であるという問題がある。以上、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)によりパルスを出力するD級増幅器を例に説明したが、この問題は、PDM(Pulse Density Modulation;パルス密度変調)等、PWM以外の変調方法によりパルスを変調するD級増幅器においても発生する問題である。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、D級増幅器において全高調波歪率の悪化を抑制しつつ所望の消費電力を実現することができる技術的手段を提供することを目的とする。
この発明は、第1の変調信号を生成する第1の変調信号生成部と、第2の変調信号を生成する第2の変調信号生成部と、前記第1の変調信号により変調された第1のパルスと、前記第2の変調信号により変調された第2のパルスを生成するパルス生成部とを含むD級増幅器であって、前記第1の変調信号および前記第2の変調信号は、各々が入力信号の変化に対して非直線的に変化し、かつ、前記第1の変調信号と前記第2の変調信号を合成した合成信号が、前記入力信号の変化に対して直線的に変化するD級増幅器を提供する。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態によるD級増幅器1の構成を示す回路図である。なお、図1では、D級増幅器1の構成の理解を容易にするために、D級増幅器1とともに、その出力端子151および152に接続されたLCフィルタ161および162と、これらのLCフィルタ161および162間に接続された負荷としてのスピーカSPが示されている。LCフィルタ161およぶ162は、出力端子151および152から出力されるパルスの高域成分を除去する役割を果たす。
図1において、減算部111は、入力端子101を介して与えられる入力オーディオ信号Ainから帰還部170が出力する帰還信号Vfを減算し、減算結果を示す信号を出力する。積分部112は、減算部111の出力信号を積分して出力する。この積分部112の出力信号は、入力信号Vinとして変調信号生成部120に与えられる。
変調信号生成部120は、各々が入力信号Vinの変化に対して非直線的に変化し、かつ、各々を合成した合成信号が入力信号Vinの変化に対して直線的に変化する第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnを各々生成する回路である。変調信号生成部120は、第1の変調信号を生成する第1の変調信号部としての機能と、第2の変調信号を生成する第2の変調信号部としての機能を併有する。なお、変調信号生成部120の具体的構成については後述する。
パルス生成部130は、第1の変調信号Mpにより電力の密度が変調された第1のパルスVpと、第2の変調信号Mnにより電力の密度が変調された第2のパルスVnとを生成する回路である。本実施形態におけるパルス生成部130は、PWM方式のパルス生成部である。パルス生成部130は、パルス幅変調器として各々機能するコンパレータ131Pおよび131Nと、コンパレータ131Pおよび131Nに対して搬送波CpおよびCnを各々供給する搬送波生成部132Pおよび132Nとを有する。搬送波CpおよびCnの各々は、互いに同期した一定周期の三角波である。コンパレータ131Pは、第1の変調信号Mpと搬送波Cpとを比較することにより第1のパルスVpを出力し、コンパレータ131Nは、第2の変調信号Mnと搬送波Cnとを比較することにより第2のパルスVnを出力する。
出力段140は、第1のパルスVpおよび第2のパルスVnを増幅し、第1のパルスPおよび第2のパルスNとして、出力端子151および152に出力する回路である。帰還部170は、第1のパルスPおよび第2のパルスNの高域成分を除去することにより、上述した帰還信号Vfを生成し、減算部111に供給する。この帰還信号Vfの負帰還が行われることにより、スピーカSPに与えられる波形は、入力オーディオ信号Ainと同じ波形になる。
次に変調信号生成部120の詳細について説明する。変調信号生成部120は、以下説明する各条件を満たす第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnを生成する。
条件1.第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnを合成した合成信号が入力信号Vinの変化に対して直線的に変化する。ここで、合成信号とは、D級増幅器1の出力を決定する信号を意味する。合成は、本実施形態では、第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnとの和であるが、第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnとの差になる場合もある。
本実施形態では、出力段140から負荷の両端に第1のパルスPと第2のパルスNが与えられる。このため、D級増幅器1の出力は、第1のパルスPから第2のパルスNを減算したものとなる。そして、詳細は後述するが、本実施形態では、入力信号Vinの正方向への変化により、第1の変調信号Mpが負方向に変化し、かつ、第2の変調信号Mnが負方向に変化し、第1のパルスPの元となる第1のパルスVpのパルス幅が増加し、第2のパルスNの元となる第2のパルスVnのパルス幅が減少する。このように本実施形態では、第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnの同方向の変化がD級増幅器1の出力の変化に寄与する。そこで、本実施形態では、第1の変調信号Mpと第2の変調信号Mnの和を合成信号としている。
従って、条件1において、入力信号Vinに依存する第1の変調信号Mp(Vin)と第2の変調信号Mn(Vin)は次式を満たす必要がある。
Mp(Vin)+Mn(Vin)=G・Vin ……(1)
この式(1)を成立させるMp(Vin)およびMn(Vin)は、次式のように表すことができる。
Mp(Vin)=(G/2)・Vin+ΔM(Vin) ……(2)
Mn(Vin)=(G/2)・Vin−ΔM(Vin) ……(3)
Mp(Vin)+Mn(Vin)=G・Vin ……(1)
この式(1)を成立させるMp(Vin)およびMn(Vin)は、次式のように表すことができる。
Mp(Vin)=(G/2)・Vin+ΔM(Vin) ……(2)
Mn(Vin)=(G/2)・Vin−ΔM(Vin) ……(3)
この条件1を要求するのは、次の理由による。合成信号Mp(Vin)+Mn(Vin)が入力信号Vinの変化に対して直線的に変化すれば、D級増幅器1の出力も入力信号Vinの変化に対して直線的に変化し、入力信号Vinの許容範囲内の全域に亙ってD級増幅器1のゲインが一定となり、高調波歪率の悪化を抑制することができるからである。
条件2.第1の変調信号Mp(Vin)と第2の変調信号Mn(Vin)は、入力信号Vinの変化により極性が反転しない。
この条件2を要求するのは、次の理由による。仮に第1の変調信号Mp(Vin)の極性反転が生じた場合、第1の変調信号Mp(Vin)は第1のパルスVpのパルス幅の極性反転を指示することになり、そのようなパルス幅の極性反転を行うことは不可能だからである。第2の変調信号Mn(Vin)についても同様である。
この条件2を要求するのは、次の理由による。仮に第1の変調信号Mp(Vin)の極性反転が生じた場合、第1の変調信号Mp(Vin)は第1のパルスVpのパルス幅の極性反転を指示することになり、そのようなパルス幅の極性反転を行うことは不可能だからである。第2の変調信号Mn(Vin)についても同様である。
条件3.第1の変調信号Mp(Vin)と第2の変調信号Mn(Vin)の各々の絶対値は0より大きい。すなわち、次式が成立する必要がある。
|Mp(Vin)|>0 ……(4)
|Mn(Vin)|>0 ……(5)
|Mp(Vin)|>0 ……(4)
|Mn(Vin)|>0 ……(5)
この条件3を要求するのは、次の理由による。仮に第1の変調信号Mp(Vin)の絶対値が0になって第1のパルスVpのパルス幅が0になると、第2のパルスVnのみが出力される状態となる。この場合、D級増幅器1のゲインが、第1のパルスVpおよび第2のパルスVnの双方が出力される状態でのゲインと異なったものになり、高調波歪率が悪化するからである。第2の変調信号Mn(Vin)についても同様である。
条件4.上記条件2および条件3が満たされるために、上述した式(2)および(3)に関して次式が成立する必要がある。
|ΔM(Vin)|>|(G/2)・Vin| ……(6)
|ΔM(Vin)|>|(G/2)・Vin| ……(6)
条件5.第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの各々は、入力信号Vinの変化に対して非直線的に変化する。具体的には、変調信号生成部120における第1の変調信号生成部は、入力信号Vinが0のときに、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限の各々に対応する第1の変調信号の信号値Mp(−Vmax)およびMp(+Vmax)を直線補間して求めた第1の算出値Mp_ipよりも絶対値が小さい第1の変調信号Mpを出力する特性を有する。また、変調信号生成部120における第2の変調信号生成部は、入力信号Vinが0のときに、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限の各々に対応する第2の変調信号の信号値Mn(−Vmax)およびMn(+Vmax)を直線補間して求めた第2の算出値Mn_ipよりも絶対値が小さい第2の変調信号Mnを出力する特性を有する。
この条件5を要求するのは、入力信号Vinが0である場合の第1のパルスVpおよび第2のパルスVnのデューティ比を50%未満とし、出力段140の消費電力を低減するためである。
この条件5が満たされるためには、上記式(2)および(3)のΔM(Vin)が入力信号Vinの変化に対して曲線的に変化するものである必要がある。さらに詳述すると、ΔM(Vin)が曲線を描くことにより、入力信号Vinが0である場合の上記式(2)の(G/2)・Vin+ΔM(Vin)が(G/2)・Vinよりも0に近くなり、上記式(3)の(G/2)・Vin−ΔM(Vin)が(G/2)・Vinよりも0に近くなることが必要である。
次に変調信号生成部120の具体的構成について説明する。図1に示すように、変調信号生成部120は、トランスコンダクタンスアンプ201と、カレントミラー202Pおよび202Nと、電流−電流変換部210と、乗算部230および240とを有する。ここで、トランスコンダクタンスアンプ201と、電流−電流変換部210と、カレントミラー202Pと、乗算部230は、第1の変調信号Mpを生成する第1の変調信号生成部を構成している。また、トランスコンダクタンスアンプ201と、電流−電流変換部210と、カレントミラー202Nと、乗算部240は、第2の変調信号Mnを生成する第2の変調信号生成部を構成している。
トランスコンダクタンスアンプ201は、入力信号Vinの電圧値に比例した電流Ix=Gm・Vinを電流−電流変換部210に供給するアンプである。ただし、Gmはトランスコンダクタンスアンプ201の相互コンダクタンスである。具体的には、トランスコンダクタンスアンプ201は、正の電圧値の入力信号Vinが与えられた場合に、電流−電流変換部210側からトランスコンダクタンスアンプ201側に向かう正の電流Ixを生成する。また、トランスコンダクタンスアンプ201は、負の電圧値の入力信号Vinが与えられた場合に、トランスコンダクタンスアンプ201側から電流−電流変換部210側に向かう負の電流Ixを生成する。
電流−電流変換部210は、特許文献2に開示された回路である。図1に示すように、電流−電流変換部210は、NPNトランジスタQ1およびQ2と、PNPトランジスタQ3およびQ4と、定電流源211および212とを有する。
この電流−電流変換部210において、NPNトランジスタQ1およびPNPトランジスタQ3は、エミッタ同士が接続され、その接続点が入力電流Ixを受け付ける入力端子となっている。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタはカレントミラー202Pを介して正電源+Vccに接続され、PNPトランジスタQ3のコレクタはカレントミラー202Nを介して負電源−Vccに接続されている。
また、NPNトランジスタQ2およびPNPトランジスタQ4は、エミッタ同士が接続され、NPNトランジスタQ2のベースはNPNトランジスタQ1のベースに、PNPトランジスタQ4のベースはPNPトランジスタQ3のベースに各々接続されている。そして、NPNトラジスタQ2は、ベースとコレクタが共通接続され、この共通接続点と正電源+Vccとの間に定電流源211が接続されている。また、PNPトラジスタQ4は、ベースとコレクタが共通接続され、この共通接続点と負電源−Vccとの間に定電流源212が接続されている。
この電流−電流変換部210は、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流Ic1と、PNPトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3を各々出力電流とするものであり、入力電流Ixを出力電流Ic1およびIc3に変換する。
この電流−電流変換部210は、次のような特性を有する。
a.入力電流Ixの正負に拘わらず、出力電流Ic1およびIc3の正負は一定であり、反転することはない。
b. 入力電流Ixと出力電流Ic1およびIc3との間には次の関係がある。
Ix=Ic1+Ic3 ……(7)
ただし、上記式(7)において、出力電流Ic1は、NPNトランジスタQ1のコレクタからエミッタに向かう極性が正、出力電流Ic3は、PNPトランジスタQ3のコレクタからエミッタに向かう極性が正となっている。
c.定電流源211および212の各電流値をいずれもIDとすると、次式が成立する。
Ic1・Ic3=−ID2 ……(8)
a.入力電流Ixの正負に拘わらず、出力電流Ic1およびIc3の正負は一定であり、反転することはない。
b. 入力電流Ixと出力電流Ic1およびIc3との間には次の関係がある。
Ix=Ic1+Ic3 ……(7)
ただし、上記式(7)において、出力電流Ic1は、NPNトランジスタQ1のコレクタからエミッタに向かう極性が正、出力電流Ic3は、PNPトランジスタQ3のコレクタからエミッタに向かう極性が正となっている。
c.定電流源211および212の各電流値をいずれもIDとすると、次式が成立する。
Ic1・Ic3=−ID2 ……(8)
また、上記式(7)および(8)より次式が得られる。
Ic1={Ix+√(Ix2+4ID2)}/2 ……(9)
Ic3={Ix−√(Ix2+4ID2)}/2 ……(10)
Ic1={Ix+√(Ix2+4ID2)}/2 ……(9)
Ic3={Ix−√(Ix2+4ID2)}/2 ……(10)
上記式(9)および(10)において、√(Ix2+4ID2)の絶対値は常に|Ix|より大きくなる。従って、出力電流Ic1は、常に正極性、出力電流Ic3は、常に負極性となる。また、√(Ix2+4ID2)は、Ixの絶対値が大きくなるに従い、|Ix|に近づく。従って、入力電流Ixが正である領域では、入力電流Ixの絶対値が大きくなるに従い、出力電流Ic1は入力電流Ixに、出力電流Ic3は0に近づく。また、入力電流Ixが負である領域では、入力電流Ixの絶対値が大きくなるに従い、出力電流Ic1は0に、出力電流Ic3は入力電流Ixに近づく。
カレントミラー202Pは、電流−電流変換部210の出力電流Ic1に比例した電流A・Ic1を出力する。また、カレントミラー202Nは、電流−電流変換部210の出力電流Ic3に比例した電流A・Ic3を出力する。ここで、Aはカレントミラー202Pおよび202Nの構成により定まる比例定数である。
乗算部230は、抵抗231および232とオペアンプ233とを有する。ここで、オペアンプ233は、非反転入力端子が接地されており、出力端子および反転入力端子間に抵抗232が接続されている。カレントミラー202Pが出力する電流A・Ic1は、抵抗231を介して、オペアンプ233の仮想接地点である反転入力端子に流れ込む。これにより電流−電流変換部210の出力電流Ic1に比例した第1の変調信号Mp=β・Ic1がオペアンプ233から出力される。ここで、βは定数Aと抵抗231および232の抵抗比により定まる比例定数である。
乗算部240は、抵抗241および242とオペアンプ243とを有する。乗算部240も、乗算部230と同様な構成を有する。カレントミラー202Nは、オペアンプ243の仮想接地点である反転入力端子から抵抗241を介して電流A・Ic3を引き込む。これにより電流−電流変換部210の出力電流Ic3に比例した第2の変調信号Mn=β・Ic3がオペアンプ243から出力される。
上記式(9)および(10)より、第1の変調信号Mp=β・Ic1と、第2の変調信号Mn=β・Ic3は、次のように表すことができる。
Mp=β・Ic1
=β・{Ix+√(Ix2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin+√((Gm・Vin)2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin+Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
……(11)
Mn=β・Ic3
=β・{Ix−√(Ix2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin−√((Gm・Vin)2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin−Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
……(12)
以上が変調信号生成部120の構成である。
Mp=β・Ic1
=β・{Ix+√(Ix2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin+√((Gm・Vin)2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin+Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
……(11)
Mn=β・Ic3
=β・{Ix−√(Ix2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin−√((Gm・Vin)2+4ID2)}/2
=β{Gm・Vin−Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
……(12)
以上が変調信号生成部120の構成である。
次に本実施形態の動作を説明する。D級増幅器1では、減算部111において、入力オーディオ信号Ainから帰還信号Vfが減算され、減算結果を示す信号が積分部112により積分され、積分部112の出力信号が入力信号Vinとして変調信号生成部120に与えられる。変調信号生成部120では、トランスコンダクタンスアンプ201により電圧信号である入力信号Vinが入力電流Ixに変換され、電流−電流変換部210に与えられる。
図2は電流−電流変換部210の特性、具体的には入力電流Ixと出力電流Ic1およびIc3との関係を示す図である。図2において、横軸は入力電流Ixであり、入力信号Vxにトランスコンダクタンスアンプ201の相互コンダクタンスGmを乗算した値である。また、縦軸は出力電流Ic1またはIc3であり、上述した式(9)および(10)に基づいて入力電流Ixから算出された電流値である。
図2に示すように、入力電流Ixの正負によらず、出力電流Ic1は常に正、出力電流Ic3は常に負である。また、出力電流Ic1およびIc3の絶対値は、常に0より大きい。そして、前掲式(7)にも示されているように、出力電流Ic1およびIc3の和は、入力電流Ixの変化に対して直線的に変化する。さらに出力電流Ic1およびIc3の各々は、図2に示す直交座標系において、入力電流Ixを示す軸を第1の漸近線とし、出力電流Ic1およびIc3の和を示す直線Ic1+Ic3を第2の漸近線とする双曲線を描く。
カレントミラー202Pは、出力電流Ic1に比例した電流A・Ic1を乗算部230に出力し、カレントミラー202Nは、出力電流Ic3に比例した電流A・Ic3を乗算部240に出力する。この結果、出力電流Ic1に比例した第1の変調信号Mpが乗算部230から出力され、出力電流Ic3に比例した第2の変調信号Mnが乗算部240から出力される。
図3は変調信号生成部120に対する入力信号Vinと第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnとの関係を示す図である。図3において、横軸は入力信号Vinであり、縦軸は第1の変調信号Mpまたは第2の変調信号Mnである。
第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、電流−電流変換部210の出力電流Ic1およびIc3から生成されるものである。従って、図3に示す変調信号MpおよびMnの特性は、図2に示す出力電流Ic1およびIc3の特性に対応したものになる。
本実施形態において、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、次のようなものになる。
a.入力信号Vinの正負によらず、第1の変調信号Mpは常に負、第2の変調信号Mnは常に正である。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件2を充足する。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件2を充足する。
b.第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの絶対値は、常に0より大きい。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件3を充足する。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件3を充足する。
c.第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの和は、入力信号Vinの変化に対して直線的に変化する。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件1を充足する。
このように第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件1を充足する。
d.図3に示す直交座標系において、第1の変調信号Mpは、第1の極性(この例では負極性)を有し、入力信号Vinの信号値を示す第1の軸と原点を通過する所定の勾配の直線(図3ではMp+Mn)とに沿った曲線を描き、第2の変調信号Mnは、第1の極性と逆極性である第2の極性(この例では正極性)を有し、第1の軸と直線Mp+Mnとに沿った曲線を描く。より具体的には、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの各々は、入力信号Vinを示す軸を第1の漸近線とし、変調信号MpおよびMnの和を示す直線Mp+Mnを第2の漸近線とする双曲線を描く。
入力信号Vinが0であるとき、第1の変調信号Mpの信号値Mp(0)がこのような双曲線上にある場合、この信号値Mp(0)は、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限に対応する第1の変調信号の信号値Mp(−Vmax)およびMp(+Vmax)を直線補間して求めた第1の算出値Mp_ipよりも絶対値が小さいものとなる。また、入力信号Vinが0であるとき、第2の変調信号Mnの信号値Mn(0)がこのような双曲線上にある場合、この信号値Mn(0)は、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限に対応する第2の変調信号の信号値Mn(−Vmax)およびMn(+Vmax)を直線補間して求めた第2の算出値Mn_ipよりも絶対値が小さいものとなる。図3には、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限に対応する第1の変調信号の信号値Mp(−Vmax)およびMp(+Vmax)を通過する補間直線IP_pと、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限に対応する第2の変調信号の信号値Mn(−Vmax)およびMn(+Vmax)を通過する補間直線IP_nが示されている。第1の算出値Mp_ipは、補間直線IP_p上においてVin=0に対応した信号値であり、第2の算出値Mn_ipは、補間直線IP_n上においてVin=0に対応した信号値である。図3より、入力信号Vinが0であるとき、第1の変調信号Mp(0)は第1の算出値Mp_ipより絶対値が小さく、第2の変調信号Mn(0)は第2の算出値Mn_ipより絶対値が小さいことが明らかである。よって、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件5を充足する。
e.第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの各々は、上述した条件4を充足する。以下、この点について説明する。上述した式(11)において、β・Gm=Gとすることにより、式(11)を次のように書き換えることができる。
Mp=β{Gm・Vin+Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
={G・Vin+G・√(Vin2+4(ID/Gm)2}/2
……(13)
この式(13)と上述した式(2)とを対比すると、式(2)のΔM(Vin)は次のように表すことができる。
ΔM(Vin)=(G/2)・√(Vin2+4(ID/Gm)2 ……(14)
従って、条件4における式(6)は次のように書き換えることができる。
√(Vin2+4(ID/Gm)2)>|Vin| ……(15)
この式(15)は、いかなる入力信号Vinにおいても成立する。よって、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件4を充足する。
Mp=β{Gm・Vin+Gm・√(Vin2+4(ID/Gm)2)}/2
={G・Vin+G・√(Vin2+4(ID/Gm)2}/2
……(13)
この式(13)と上述した式(2)とを対比すると、式(2)のΔM(Vin)は次のように表すことができる。
ΔM(Vin)=(G/2)・√(Vin2+4(ID/Gm)2 ……(14)
従って、条件4における式(6)は次のように書き換えることができる。
√(Vin2+4(ID/Gm)2)>|Vin| ……(15)
この式(15)は、いかなる入力信号Vinにおいても成立する。よって、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、上述した条件4を充足する。
図4はコンパレータ131Pに供給される第1の変調信号Mpおよび搬送波Cpとコンパレータ131Pが出力する第1のパルスVpの波形を示す図である。図4に示すように、搬送波Cpは、下限電圧−Vmから上限電圧0Vまで変化する周期的な三角波である。コンパレータ131Pは、搬送波Cpが第1の変調信号Mp以上である期間だけONとなる第1のパルスVpを出力する。従って、第1のパルスVpのパルス幅は、第1の変調信号Mpの負方向への変化により増加する。
図5はコンパレータ131Nに供給される第2の変調信号Mnおよび搬送波Cnとコンパレータ131Nが出力する第2のパルスVnの波形を示す図である。図5に示すように、搬送波Cnは、下限電圧0Vから上限電圧+Vmまで変化する周期的な三角波である。搬送波CpおよびCnは周期が同じであり、両者は同期している。コンパレータ131Nは、搬送波Cnが第2の変調信号Mn以下である期間だけONとなる第2のパルスVnを出力する。従って、第2のパルスVnのパルス幅は、第2の変調信号Mnの正方向への変化により増加する。
図6はD級増幅器1の全体的動作を示す波形図である。図6において、横軸は時間、縦軸は各信号の電圧値を示す。図6に示す例では、入力信号Vinが正領域から負領域に変化している。負領域において、入力信号Vinが0に近づくに従い、負極性を有する第1の変調信号Mpは0に近づき、第1のパルスPのパルス幅が減少する。また、入力信号Vinが0に近づくに従い、正極性を有する第2の変調信号Mnは0から緩やかな勾配で離れてゆき、第2のパルスNのパルス幅が徐々に増加する。入力信号Vinが正から負に転じると、入力信号Vinが0から離れるに従い、負極性を有する第1の変調信号Mpは徐徐々に0に近づき、第1のパルスPのパルス幅が0に近づいてゆく。しかし、第1のパルスPのパルス幅が0になることはない。また、入力信号Vinが0から離れるに従い、正極性を有する第2の変調信号Mnは0から離れてゆき、第2のパルスNのパルス幅が増加する。そして、このようにして出力される第1のパルスPと第2のパルスNとの差分P−NがD級増幅器1から負荷に与えられる出力となる。
本実施形態によれば、図6に示すように、入力信号Vinがゼロクロスする付近の領域における第1のパルスPおよび第2のパルスNのデューティ比を50%未満の低い値にすることができる。
次に比較例と対比しつつ本実施形態の効果を説明する。図7、図8および図9は、各々、第1の比較例、第2の比較例および本実施形態における入力信号Vinと、第1のパルスPのデューティ比、第2のパルスNのデューティ比、第1のパルスPおよび第2のパルスNの合成パルスP−Nのデューティ比との関係を示す図である。
第1の比較例は、上述した第1の従来技術によるD級増幅器である。第1の比較例では、図7に示すように、入力信号Vinの許容範囲の下限−Vmaxから上限+Vmaxまでの全範囲において、第1のパルスPのデューティ比を入力信号Vinに応じて0%から100%まで直線的に変化させ、第2のパルスNのデューティ比を入力信号Vinに応じて100%から0%まで直線的に変化させている。このため、合成パルスP−Nのデューティ比は、入力信号Vinの許容範囲内の全域において入力信号Vinに応じて直線的に変化する。しかしながら、第1の比較例では、入力信号Vinが0である場合の第1のパルスPおよび第2のパルスのデューティ比がいずれも50%となり、出力段の消費電力が嵩む問題がある。
第2の比較例は、上述した第2の従来技術によるD級増幅器である。第2の比較例では、第1のパルスPが出力される入力信号Vinの領域と、第2のパルスNが出力される入力信号Vinの領域とを、−Vmax’>−Vmaxである下限−Vmax’と、+Vmax’<+Vmaxである上限+Vmax’との間の小信号領域において部分的に重複させる。すなわち、第2の比較例では、−Vmax’≦Vin≦+Vmaxの範囲内において第1のパルスPのデューティ比を入力信号Vinに応じて0%から100%まで直線的に変化させ、−Vmax≦Vin≦+Vmax’の範囲内において第2のパルスNのデューティ比を入力信号Vinに応じて100%から0%まで直線的に変化させている。このため、第2の比較例では、入力信号Vinが0である場合の第1のパルスPおよび第2のパルスのデューティ比がいずれも50%未満となり、出力段の消費電力が低減される。しかしながら、第2の比較例では、第1のパルスPおよび第2のパルスNの双方が出力される領域と一方のみが出力される領域が生じるため、合成パルスP−Nのデューティ比が入力信号Vinに応じて折れ線的に変化し、高調波歪率が悪化する問題がある。
このように第1の比較例では、全高調波歪率の悪化の問題は生じないが、出力段の消費電力が嵩み、第2の比較例では、出力段の消費電力は低減されるが、全高調波歪率が悪化する問題が生じる。
第2の比較例において、全高調波歪率が悪化するのは、入力信号Vinの許容範囲内に第1のパルスPおよび第2のパルスNの一方のみが出力される領域があるからである。第1の比較例にように入力信号Vinの許容範囲内の全域において第1のパルスPおよび第2のパルスの双方を出力させれば全高調波歪率の悪化の問題は生じない。一方、第1の比較例において、第1のパルスPおよび第2のパルスNのデューティ比が50%になるのは、第1のパルスPのデューティ比および第2のパルスNのデューティ比の両方を入力信号Vinに応じて直線的に変化させているからである。合成パルスP−Nのデューティ比を入力信号Vinに応じて直線的に変化させるという条件の下で、第1のパルスPおよび第2のパルスNの各デユーティ比(すなわち、パルス幅)を入力信号Vinに応じて非直線的に変化させれば、入力信号Vinが0である場合の合成パルスP−Nのデューティ比として、50%に限定されない所望のデューティ比を実現することができる。
本実施形態では、図9に示すように、入力信号Vinの下限−Vmaxから上限+Vmaxまでの全範囲において、第1のパルスPおよび第2のパルスNを出力させる。また、第1の変調信号Mpおよび第2の第2の変調信号Mnを合成した合成信号Mp+Mnが入力信号Vinの変化に対して直線的に変化するので、第1のパルスPおよび第2のパルスNの合成パルスP−Nのデューティ比も図9に示すように入力信号Vinの許容範囲の全域において直線的に変化する。従って、高調波歪率の悪化を抑制することができる。また、本実施形態において、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、入力信号Vinの変化に対して双曲線状に変化するので、図9に示すように、第1のパルスPおよび第2のパルスNのデューティ比も入力信号Vinの変化に対して双曲線状に変化する。従って、図9に示すように、入力信号Vinが0である場合の第1のパルスPおよび第2のパルスNのデューティ比をいずれも50%未満とし、出力段の消費電力を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、高調波歪率の悪化を抑制しつつ所望の消費電力を実現することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)この発明は、100Wを超える高出力のD級増幅器、携帯電話機等に搭載される低出力のD級増幅器等、広範囲のD級増幅器に適用可能である。低出力のD級増幅器においては、LCフィルタ161および162を省略してもよい。
(2)上記実施形態では、負の領域において変化する第1の変調信号Mpと正の領域において変化する第2の変調信号Mnに合わせるため、下限電圧が−Vm、上限電圧が0Vの搬送波Cpと、下限電圧が0V、上限電圧が+Vmの搬送波Cnとを生成した。しかし、そのようにする代わりに、変調信号MpまたはMnの一方をレベルシフトすることにより両変調信号の変化範囲を同じにし、搬送波CpおよびCnを共通の搬送波としてもよい。
(3)上記実施形態では、一定周期のパルスのパルス幅を変調することによりパルスの電力の時間密度を変調するPWM方式のパルス生成部を用いた。しかし、パルス生成部はこれに限定されるものではなく、パルスの発生する時間密度を変調することによりパルスの電力の時間密度を変調するPDM方式のパルス生成部を用いてもよい。すなわち、パルス生成部として、第1の変調信号Mpによりパルス密度変調された第1のパルスVpを生成する第1のパルス密度変調部と、第2の変調信号Mnによりパルス密度変調された第2のパルスVnを生成する第2のパルス密度変調部を含むものを用いる。この態様においても、上記実施形態と同様な効果が得られる。
(4)双曲線は、数学的には、直交座標系において、2つの焦点までの距離の差が一定である曲線を意味する。しかし、上記実施形態における双曲線は、そのような厳密な意味での双曲線である必要はなく、入力信号の絶対値が大きくなるに従って、第1の漸近線または第2の漸近線に接近する性質を有するものであればよい。
(5)第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnは、入力信号Vinの変化に対して双曲線状に変化する信号でなくてもよい。入力信号Vinを横軸、変調信号の信号値を縦軸とする直交座標系において、第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnの各信号値は、直交座標系の原点に向かって膨らむ曲線を描くものであればよい(図3参照)。このような第1の変調信号Mpおよび第2の変調信号Mnであれば、入力信号Vin=0に対応した第1の変調信号Mpの信号値は、入力信号の許容範囲の下限、上限に対応した第1の変調信号Mpの各信号値を直線補間して求めた第1の算出値よりも絶対値が小さくなる。また、入力信号Vin=0に対応した第2の変調信号Mnの信号値も、入力信号Vinの許容範囲の下限、上限に対応した第2の変調信号の各信号値を直線補間して求めた第2の算出値よりも絶対値が小さくなる。従って、入力信号Vinが0である場合における第1のパルスPおよび第2のパルスNのデューティ比を50%未満にする効果が得られる。
1……D級増幅器、101……入力端子、111……減算部、112……積分部、120……変調信号生成部、130……パルス生成部、140……出力段……出力段、151,152……出力端子、161,162……LCフィルタ、SP……スピーカ、170……帰還部、210……電流−電流変換部、230,240……乗算部、132P,132N……搬送波生成部、131P,131N……コンパレータ、201……トランスコンダクタンスアンプ、202P,202N……カレントミラー、Q1,Q2……NPNトランジスタ、Q3,Q4……PNPトランジスタ、211,212……定電流源、+Vcc……正電源、−Vcc……負電源、233,243……オペアンプ、231,232,241,242……抵抗。
Claims (6)
- 第1の変調信号を生成する第1の変調信号生成部と、第2の変調信号を生成する第2の変調信号生成部と、前記第1の変調信号により変調された第1のパルスと、前記第2の変調信号により変調された第2のパルスを生成するパルス生成部と
を含むD級増幅器であって、
前記第1の変調信号および前記第2の変調信号は、各々が入力信号の変化に対して非直線的に変化し、かつ、前記第1の変調信号と前記第2の変調信号を合成した合成信号が、前記入力信号の変化に対して直線的に変化する
D級増幅器。 - 前記第1の変調信号生成部は、
前記入力信号が0のときに、前記入力信号の許容範囲の下限、上限の各々に対応する前記第1の変調信号の信号値を直線補間して求めた第1の算出値よりも絶対値が小さい値を出力する特性を有し、
前記第2の変調信号生成部は、
前記入力信号が0のときに、前記入力信号の許容範囲の下限、上限の各々に対応する前記第2の変調信号の信号値を直線補間して求めた第2の算出値よりも絶対値が小さい値を出力する特性を有する
請求項1に記載のD級増幅器。 - 前記入力信号の信号値を示す第1の軸と、前記第1の変調信号または前記第2の変調信号の信号値を示す第2の軸とからなる直交座標系において、前記第1の変調信号は、第1の極性を有し、前記第1の軸と原点を通過する所定の勾配の直線とに沿った曲線を描き、前記第2の変調信号は、前記第1の極性と逆極性である第2の極性を有し、前記第1の軸と前記直線とに沿った曲線を描く
請求項2に記載のD級増幅器。 - 前記直交座標系において、前記第1の変調信号および前記第2の変調信号は、前記第1の軸を第1の漸近線、前記直線を第2の漸近線とする双曲線を描く
請求項3に記載のD級増幅器。 - 前記パルス生成部は、前記第1の変調信号によりパルス幅変調された第1のパルスを生成する第1のパルス幅変調部と、前記第2の変調信号によりパルス幅変調された第2のパルスを生成する第2のパルス幅変調部を含む
請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のD級増幅器。 - 前記パルス生成部は、前記第1の変調信号によりパルス密度変調された第1のパルスを生成する第1のパルス密度変調部と、前記第2の変調信号によりパルス密度変調された第2のパルスを生成する第2のパルス密度変調部を含む
請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のD級増幅器。
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