JP2021103743A - 熱電変換材料および熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
基材に対する塗工適性に優れ、熱電変換性能と導電性とを両立できる熱電変換材料を提供すること。
【解決手段】
重合体(A)と、導電性材料(B)とを含む熱電変換材料であって、重合体(A)が、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位、ならびに活性水素基含有単量体、塩基性単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される1種以上の単量体単位を含み、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位を40質量%以上100質量%未満含む共重合体であることを特徴とする熱電変換材料。
【選択図】図1
Description
上記、無次元熱電性能指数ZTは、下記式(1)により表される。
ZT=((S2・σ)/к)・T 式(1)
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは導電率(S/m)、Tは絶対温度(K)、およびкは熱伝導率(W/(m・K))である。熱伝導率кは下記式(2)で表される。
к=α・ρ・C 式(2)
ここで、αは熱拡散率(m2/s)、ρは密度(kg/m3)、及びCは比熱容量(J/(kg・K))である。
つまり、熱電変換の性能(以下、熱電特性とも称す)を向上させるには、ゼーベック係数または導電率を向上させ、その一方で熱伝導率を低下させることが重要である。
本発明の熱電変換材料は、重合体(A)と導電性材料(B)とを含むことを特徴とし、高いゼーベック係数と導電性とを両立し、優れた熱電性能を発揮することができる。これは、熱励起した重合体(A)内で発生した正孔または電子(キャリア)が導電性材料(B)へと移動することによるゼーベック向上効果が起こったほか、導電性材料(B)の分散性が、重合体(A)の存在により向上したことで、膜中の導電パスが効率よく形成され、キャリアの移動性が向上し、結果として優れた導電性を発現したと考えられる。また、重合体(A)が環状構造を有する場合、重合体(A)と導電性材料(B)との親和性が更に向上し、高い性能を示すことが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
重合体(A)は、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位と、活性水素基含有単量体、塩基性単量体、および(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される1種以上の単量体に由来する単位とを含む共重合体である。
活性水素基含有単量体は、1分子に1つ以上の活性水素基を有していれば、特に限定はない。活性水素基としては、水酸基、カルボキシル基、一級アミノ基、二級アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。ここで、「一級アミノ基」とは、−NH2(アミノ基)を意味し、「二級アミノ基」とは、一級アミノ基上の一つの水素原子がアルキル基等の有機残基で置換された基を意味する。ただし、酸アミド中の一級アミノ基および二級アミノ基は、本明細書では、活性水素基ではないものとする。また、カルボキシル基二つが脱水縮合した構造を有する基である「−C(=O)−O−C(=O)−」(本明細書では「酸無水物基」と称することとする)も、加水分解によりカルボキシル基を形成するため、本明細書では、活性水素基とみなすこととする。
塩基性単量体は、塩基性基を有する単量体である。ただし、塩基性単量体は、上記活性水素基含有単量体以外の単量体である。
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド類;
アクリロイルモルホリン等の環状(メタ)アクリルアミド類;
1−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族アミン含有ビニル単量体類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、等のN−置換マレイミド類;
等が挙げられる。
次に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルについて説明する。本明細書における「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに加えて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基が、芳香環、フッ素原子、エポキシ基、シリルエーテル基、アルキレングリコールモノアルキルエーテル基、環化重合性基等で置換されたものも含む。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基がシクロアルキル基等の脂肪族環状炭化水素基に置き換わった(メタ)アクリル酸エステルも含む。ただし、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、上記活性水素基含有単量体および塩基性単量体以外の単量体である。
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等の分岐アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂肪族環状炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の芳香環で置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル等のフッ素原子で置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル等のエポキシ基で置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシリルエーテル基で置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル基が置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
2−(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル等の環化重合性単量体類;
等が挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メチルオキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。
導電性材料(B)は、導電性向上に寄与するものである。そのため、導電性材料(B)の含有量を増やすことで導電性を向上させることができる。
導電性材料(B)は、導電性を有する材料(炭素材料、金属材料、導電性高分子等)であれば、特に制限されず、例えば、炭素材料としては、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン(グラフェンナノプレートを含む)等が挙げられる。
金属材料としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ゲルマニウム、ガリウムおよび白金等の金属粉、並びに ZnSe、CdS、InP、GaN、SiC、SiGeこれらの合金、並びにこれらの複合粉が挙げられる。また、核体と、前記核体物質とは異なる物質で被覆した微粒子、具体的には、例えば、銅を核体とし、その表面を銀で被覆した銀コート銅粉等が挙げられる。また、例えば酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、およびGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の金属酸化物の粉末、並びにこれらの金属酸化物で表面被覆した粉末等が挙げられる。導電性高分子としては、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸から成る複合物)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等が挙げられる。
使用する導電性材料の種類は1種でもよいし、2種以上を組み合せて使用しても良い。
0ULTRA、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA、PUERBLACK100、115、205、三菱化学社製の#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B、キャボット社製のMONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000、TIMCAL社製のEnsaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li等のファーネスブラック)、ライオン社製のEC−300J、EC−600JD等のケッチェンブラック、電気化学工業社製のデンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等のアセチレンブラックが挙げられる。これらは特に限定されることはない。
本発明の熱電変換材料は、無機塩基、無機金属塩、または有機塩基を含有しても良い。これにより、熱電変換材料の経時安定性がより向上する。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、モリブデン酸塩、ニオブ酸塩、またはホウ酸塩等が挙げられる。尚、無機塩基および無機金属塩が有する金属は、遷移金属であってもよい。
アルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
分散媒は、前記重合体(A)と導電性材料(B)とを混合する際の媒体として使用することができ、インキもしくはペーストとして印刷、塗工する際の塗工性を向上することができる。使用できる分散媒としては、重合体(A)と導電性材料(B)を溶解または分散できれば、特に限定されず、有機溶剤や水を挙げることができる。分散媒は、一種のみ用いても良いし、2種以上を組み合せて用いても良い。
重合体(A)と導電性材料(B)の分散性や溶解性の観点から、N−メチルピロリドンが特に好ましい。
使用可能な助剤は、特に限定されず、例えば、ラクタム類、アルコール類、アミノアルコール類、カルボン酸類、酸無水物類、およびイオン性液体等が挙げられる。具体例は以下のとおりである。
ラクタム類:ピロリドン、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、およびN−オクチルピロリドン等。
アルコール類:ショ糖、グルコース、フルクトース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、およびキシリトール等。
アミノアルコール類:ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン等。
カルボン酸類:2−フランカルボン酸、3−フランカルボン酸、ジクロロ酢酸、およびトリフルオロ酢酸等。
酸無水物類:無水酢酸、無水プロピオン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(別名:シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ハイミック酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、および9,9−フルオレニリデンビス無水フタル酸等。スチレン−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー等の無水マレイン酸と他のビニル単量体とを共重合したコポリマー等。
本発明の熱電変換材料は、成膜性や膜強度の調整等を目的として、導電性および熱で特性に影響しない範囲で、樹脂を含んでもよい。ただし、本明細書でいう樹脂は、上記重合体(A)以外のものである。
樹脂は、熱電変換材料の各成分に相溶または混合分散するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、セルロース(トリ)アセテート、カゼイン、シェラック、ギルソナイト、ゼラチン、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジンエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルニトロセルロース、エチレン/ビニルアルコール樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらの樹脂の共重合体等であっても良い。
特に限定するものではないが、一実施形態において、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂であることが好ましい。
本発明の熱電変換材料は、熱電変換性能を高めるために、必要に応じて、無機熱電変換材料を含んでも良い。無機熱電変換材料は特に限定されず、一般に熱電変換材料として知られているものを使用できる。例えば、Bi−(Te、Se)系、Si−Ge系、Mg−Si系、Pb−Te系、GeTe−AgSbTe系、(Co、Ir、Ru)−Sb系、(Ca、Sr、Bi)Co2O5系等を挙げることができる。より具体的には、Bi2Te3、PbTe、AgSbTe2、GeTe、Sb2Te3、NaCo2O4、CaCoO3、SrTiO3、ZnO、SiGe、Mg2Si、FeSi2、Ba8Si46、MnSi1.73、ZnSb、Zn4Sb3、GeFe3CoSb12、LaFe3CoSb12等を挙げることができる。このとき、上記無機熱電変換材料に不純物を加えて極性(p型、n型)や導電率を制御して利用してもよい。無機熱電変換材料を使用する場合、その使用量は、成膜性や膜強度に影響しない範囲で調整する。
本発明の熱電変換素子は、前記熱電変換材料を用いて形成された熱電変換膜と、電極とを有し、前記熱電変換膜と前記電極とが、電気的に接続されているものである。本発明の熱電変換膜は、導電性および熱電特性に加えて、耐熱性や可撓性の点でも優れる。そのため、高品質な熱電変換素子を容易に作製することができる。
重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置は、HLC−8320GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを3本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー社製「TSK−GELSUPERAW−4000」、「AW−3000」及び「AW−2500」を用い、オーブン温度40℃、溶離液として30mMトリエチルアミン及び10mMLiBrのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用い、流速0.6mL/分で測定した。測定用試料は、上記溶離液からなる分散媒に1%の濃度で調整し、20μL注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
(製造例1)
(重合体(A−1)の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、アセトニトリル100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、アクリロニトリル50部、アクリル酸25部、スチレン25部、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール2部および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(日油社製:V−65)0.4部からなる混合物を3時間かけて反応容器内に滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、70℃で1時間反応させた後、V−65を0.1部添加し、さらに70℃で1時間反応を続けた。その後、不揮発分測定にて転化率が98%を超えたことを確認した。生成物を減圧濾過によって濾別し、アセトニトリル100部にて洗浄を行い、減圧乾燥によって溶媒を完全に除去して重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)のMwは、15000であった。
(重合体(A−2)〜(A−18)の製造)
単量体の種類と配合量を表1に示す通り変更し、製造例1と同様にして、それぞれ重合体(A−2)〜(A−18)を製造した。各重合体のMwを表1に示す。なお、重合体(A−2)〜(A−18)の合成は、連鎖移動剤の添加、重合開始剤量の調整、および反応条件等を適宜変更してMwを調整した。連鎖移動剤としては、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを用いた。表1中、数値は「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。以下、表1中の略号を示す。
AA:アクリル酸
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
DMAEA:ジメチルアミノエチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
(重合体(A−19)の製造)
製造例3で得られた重合体(A−3)50部を、198部の水中に添加し、ディスパーで撹拌してスラリー状にした。次いで、2部の1N水酸化ナトリウム水溶液を25℃で滴下し、ディスパーにて2時間撹拌した。IRスペクトルによりシアノ基に由来する吸収ピーク(2230cm-1)の減少と、UVスペクトルによりシアノ基の環化に由来する300nmおよび380nmの2つの吸収ピークの増大により、アクリロニトリルに由来する単量体単位の一部が、環状構造に変化したことを確認した。次いで、水で水洗、ろ過乾燥し、重合体(A−19)を得た。重合体(A−19)の重量平均分子量(Mw)は、14000であった。
(重合体(A−20)の製造)
重合体(A−3)から重合体(A−7)に変更した以外は、製造例19と同様に行い、水素化ナフチリジン環を有する重合体(A−20)を得た。なお、重量平均分子量(Mw)は14000であった。
[実施例1]
(分散液1)
重合体(A)0.1部、GNP(XGSciences社製グラフェンナノプレート「xGNP−M−5」)0.4部、NMP79.5部をそれぞれ秤量して混合した。さらにビーズを加え、スキャンデックスで4時間振とう後、ろ過してビーズを取り除き、熱電変換材料の分散液1を得た。
(分散液2〜25、分散液101〜104)
材料の種類および配合量を表2に示す内容にそれぞれ変更した以外は、分散液1の製造方法と同様にして、熱電変換材料の分散液2〜25、分散液101〜104をそれぞれ得た。
導電性材料(B)
GNP(XGSciences社製グラフェンナノプレートレット「xGNP−M−5」)
CB(ライオン社製 ケッチェンブラック「EC−300J」)
黒鉛(中越黒鉛社製 膨張黒鉛SMF)
MWCNT(KUMHO PETROCHEMICAL社製多層カーボンナノチューブ「Knanos100P」)
SWCNT(OCSiAl社製単層カーボンナノチューブ「TUBALL」)
PEDOT/PSS(Heraeus社製「Clevios PH1000」)
PVP:日本触媒性、ポリビニルピロリドンK−30、不揮発分100%
PVA:クラレ社製、KurarayPOVAL PVA403、不揮発分100%
得られた分散液1〜25、及び分散液101〜104を、基材としてシート状基材である厚さ75μmのPETフィルムにアプリケータを用いて塗布した後、120℃で30分乾燥して、膜厚5μmの熱電変換膜を有する積層体を得た。分散液を基材に塗工した際の塗工適性として以下に示す方法に従って評価した。また、得られた熱電変換膜(以下、塗膜ともいう)を有する積層体について、以下の方法に従って導電性(導電率)およびゼーベック係数を評価した。結果を表2に示す。
得られた積層体を2.5cm×5cmの大きさに切り取り、JIS−K7194に準じて、ロレス他GX MCP−T700(三菱化学アナリテック社製)を用いて四探針法で導電率を測定した。比較例1の導電率を1.0としたときの相対値として表2に示す。
得られた積層体を3mm×10mmの大きさに切り取り、アドバンス理工株式会社製のZEM−3LWを用いて、80℃におけるゼーベック係数(μV/K)を測定した。比較例1のゼーベック係数の絶対値を1.00としたとき、各実施例におけるゼーベック係数の絶対値との相対値を表2に示す。
分散液の塗工適性は、グラインドゲージ(溝の深さ50μm)を用いて評価した。
◎:10μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(非常に良好)
〇:10μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子はあるが、20μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(良好)。
△:20μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子はあるが、30μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(使用可能)
×:30μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がある(使用不可)
厚さ50μmのPETフィルム上に、上記分散液をそれぞれ塗布し、厚さ20μm、5mm×30mmの形状を有する熱電変換層を、それぞれ10mm間隔に5つ作製した。次いで、各熱電変換層がそれぞれ直列に接続されるように、銀ペーストを用いて、厚さ10μm、5mm×33mmの形状を有する銀回路(電極)を4つ作製して熱電変換素子をそれぞれ製造した。上記銀ペーストとしては、東洋インキ株式会社製のREXALPHA RA−FS 074を使用した。各熱電変換素子について起電力を測定したところ、実施例1〜25で製造した分散液を用いて製造した熱電変換素子は、比較例101〜104で製造した分散液を用いて製造した熱電変換素子よりも起電力が優れていることを確認した。
2:熱電変換膜
3:回路
10:熱電変換素子の試験サンプル
20:ホットプレート
Claims (6)
- 重合体(A)と、導電性材料(B)とを含む熱電変換材料であって、重合体(A)が、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位、ならびに活性水素基含有単量体、塩基性単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される1種以上の単量体単位を含み、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位を40質量%以上100質量%未満含む共重合体であることを特徴とする熱電変換材料。
- 重合体(A)が、活性水素基含有単量体単位を含み、活性水素基含有単量体単位が、水酸基含有単量体および/またはカルボキシル基含有単量体に由来する単量体単位を含むことを特徴とする請求項1記載の熱電変換材料。
- 重合体(A)中、水酸基含有単量体に由来する単量体およびカルボキシル基含有単量体に由来する単量体単位を合計1〜25質量%含むことを特徴とする請求項2記載の熱電変換材料。
- 更に、無機金属塩、無機塩基および有機塩基からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の熱電変換材料。
- 重合体(A)の含有率が、前記導電材料(B)の全量に対して5〜100質量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の熱電変換材料。
- 請求項1〜5いずれか記載の熱電変換材料を含んでなる熱電変換膜と、電極とを有し、前記熱電変換膜と前記電極とが、電気的に接続されていることを特徴とする熱電変換素子。
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